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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068348
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240513BHJP
【FI】
G06F3/01 560
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178723
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100154036
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】西池 昭仁
(72)【発明者】
【氏名】川口 裕人
(72)【発明者】
【氏名】崎山 恵美理
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA80
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC04
5E555CA41
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザに対してより多様な触覚を提示する装置を提供する。
【解決手段】触覚提示装置1は、弾性変形可能な壁部を用いて区画された、流体を収容する第1の収容空間および第2の収容空間と、触覚提示装置1を利用するユーザへの触覚フィードバックまたは情報通知のための制御信号に基づいて複数の信号を生成する生成部121と、生成部121によって生成された信号に基づき、第1の収容空間および第2の収容空間への流体の供給、および第1の収容空間および第2の収容空間からの流体の排出を行う供給排出部130A~130C,・・・と、を備える。第1の収容空間は、触覚提示装置1がユーザに利用される状態において第2の収容空間とユーザとの間に位置するように、第2の収容空間と積層される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
弾性変形可能な壁部を用いて区画された、流体を収容する第1の収容空間および第2の収容空間と、
前記装置を利用するユーザへの触覚フィードバックまたは情報通知のための制御信号に基づいて複数の信号を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記信号に基づき、前記第1の収容空間および前記第2の収容空間への前記流体の供給、および前記第1の収容空間および前記第2の収容空間からの前記流体の排出を行う供給排出部と、
を備え、
前記第1の収容空間は、前記装置がユーザに利用される状態において前記第2の収容空間と前記ユーザとの間に位置するように、前記第2の収容空間と積層される、装置。
【請求項2】
前記装置は、1または複数の前記第1の収容空間および1または複数の前記第2の収容空間を備え、
前記1または複数の第2の収容空間は、前記1または複数の第1の収容空間が区画される層と積層される層に区画される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、
前記生成部によって生成された前記複数の信号の各々について、当該信号に基づき前記流体が供給および排出される収容空間を決定する制御部をさらに備える、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記生成部によって生成される、前記供給排出部が前記第1の収容空間を制御するための信号と、前記供給排出部が前記第2の収容空間を制御するための信号は、周波数が異なる信号である、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記複数の信号として、前記制御信号における所定周波数以上の周波数成分を有する第1の信号と、前記制御信号における前記第1の信号よりも低い周波数の周波数成分を有する第2の信号とを生成する、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記制御信号の強度の正負に応じて制御信号を分離することで、前記複数の信号を生成する、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記生成部によって生成された信号の振幅値に基づき、当該信号に基づき前記流体が供給および排出される収容空間を決定する、
請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記生成部が生成する前記複数の信号では、周波数および位相が同一である、
請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1の収容空間および当該第1の収容空間と積層される前記第2の収容空間を、周波数および位相が同一である前記複数の信号の各々に基づき前記流体が供給および排出される収容空間として決定する、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記生成部は、前記制御信号に基づき前記複数の信号の各々の振幅値を決定し、
前記制御部は、前記複数の第1の収容空間のうち、隣接する複数の前記第1の収容空間の各々を、前記複数の信号の各々に基づき前記流体が供給および排出される収容空間として決定する、
請求項3に記載の装置。
【請求項11】
前記生成部は、閾値に基づき、生成する信号の振幅値を決定する、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、収容空間同士の距離または収容空間にかかる圧力を測定するセンサ部をさらに備え、
前記制御部は、前記センサ部による測定結果に基づき、前記供給排出部による前記流体の供給および排出を制御する、
請求項3に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の収容空間は複数の前記第1の収容空間にまたがるように積層される、請求項2に記載の装置。
【請求項14】
前記装置は、前記第1の収容空間または前記第2の収容空間の少なくともいずれかを複数有し、
複数の前記第1の収容空間または複数の前記第2の収容空間は、同心円上に存在する、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記装置は、前記第2の収容空間が区画される層を複数備える、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザに対して様々な触覚を提示する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、空間への流体の流出入を制御して複数の層を近接または離間させることにより、ユーザが接触する表面の硬さを変化させて、ユーザに提示する触覚を変化させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/090712号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ユーザの体験価値をより高めるために、ユーザに対してより多様な触覚を提示することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、装置であって、弾性変形可能な壁部を用いて区画された、流体を収容する第1の収容空間および第2の収容空間と、前記装置を利用するユーザへの触覚フィードバックまたは情報通知のための制御信号に基づいて複数の信号を生成する生成部と、前記生成部によって生成された前記信号に基づき、前記第1の収容空間および前記第2の収容空間への前記流体の供給、および前記第1の収容空間および前記第2の収容空間からの前記流体の排出を行う供給排出部と、を備え、前記第1の収容空間は、前記装置がユーザに利用される状態において前記第2の収容空間と前記ユーザとの間に位置するように、前記第2の収容空間と積層される、装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の一実施形態による触覚提示装置の全体構成の一例を示す模式図である。
図2】上層10の構成の一例を示すための模式図である。
図3】下層20の構成の一例を示すための模式図である。
図4】本開示の一実施形態による触覚提示装置1の内部構成の一例を示す説明図である。
図5図3および図4に示したI-I線で触覚提示装置1を切断して得られる断面構成を示す説明図である。
図6図3および図4に示したI-I線で触覚提示装置1を切断して得られる断面構成を示す説明図である。
図7】生成部121が制御信号を時間軸でフィルタリングすることにより、複数の駆動信号を生成する例を示す説明図である。
図8】生成部121が第1の信号と第2の信号とを生成する例を示す説明図である。
図9】生成部121が、制御信号の強度の正負に応じて制御信号を分離することで駆動信号を生成する例を示す説明図である。
図10】記憶部150に記憶される、制御信号に含まれる位置を示す値と、駆動信号の振幅値との対応関係を示すグラフを示す説明図である。
図11】ユーザUがスライダーバーの位置を左から右へスライドさせた場合の、図10に示す対応関係に基づき生成部121が生成する駆動信号の一例を示す説明図である。
図12】生成部121が、制御信号が示す圧力値を2で割った結果を駆動信号として生成する例を示した説明図である。
図13】本実施形態による触覚提示装置1の動作処理の流れの一例について示すフローチャートである。
図14】第1の適用例にかかる触覚提示装置1の構成図である。
図15】第2の適用例にかかる触覚提示装置1が取り付けられるコントローラの例を示す図である。
図16】第3の適用例にかかる触覚提示装置1の構成図である。
図17図16に示した触覚提示装置1が車内に取り付けられる例を示した図である。
図18】第3の適用例にかかる触覚提示装置1の上層10の、他の例である。
図19】第3の適用例にかかる触覚提示装置1の上層10の、他の例である。
図20】触覚提示装置1のハードウェア構成例を示したブロック図である。
図21】触覚提示装置1の上層10の、他の例である。
図22】触覚提示装置1の上層10の、他の例である。
図23】触覚提示装置1の上層10の、他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0008】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットまたは複数のアルファベットの組み合わせを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0009】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態による触覚提示装置の全体構成
2.本開示の一実施形態による触覚提示装置の内部構成
3.生成部121による駆動信号の生成例
4.本実施形態による動作処理例
5.適用例
6.ハードウェア構成
7.補足
【0010】
<1.本開示の一実施形態による触覚提示装置の全体構成>
図1は、本開示の一実施形態による触覚提示装置の全体構成の一例を示す模式図である。触覚提示装置1は、本開示における装置の一例である。図1に示すように、触覚提示装置1は、内部に上層収容空間11A、上層収容空間11B、および下層収容空間21Aを備える。上層収容空間11は、第1の収容空間の一例である。下層収容空間21は、第2の収容空間の一例である。本明細書において、上層収容空間11および下層収容空間21を特に区別する必要がない場合、単に収容空間と呼ぶ。
【0011】
上層収容空間11を区画する壁部のうち、外部に露出する壁部である提示面14は、弾性変形可能である。提示面14は、ユーザUに利用される状態において、指または手のひら等の、ユーザUの身体の一部と接触する。提示面14は、弾性変形することにより、ユーザUに対して様々な触覚を提示できる。
【0012】
上層収容空間11は、ユーザUに利用される状態において、下層収容空間21とユーザUとの間に位置するように、下層収容空間21と積層される。図1に示す例においては、上層収容空間11は、上層10(層の一例)に区画される。また、下層収容空間21は、上層10に積層される下層20(層の一例)に区画される。
【0013】
上層収容空間11を区画する壁部のうち、下層収容空間21を区画する壁部と接する壁部は、弾性変形可能である。また、下層収容空間21を区画する壁部のうち、上層収容空間11を区画する壁部と接する壁部は、弾性変形可能である。弾性変形可能な素材は、例えば、ゴム、シリコン、または塩化ビニル樹脂等であってもよい。
【0014】
上層収容空間11を区画する壁部のうち、下層収容空間21を区画する壁部と接する壁部と、下層収容空間21を区画する壁部のうち、上層収容空間11を区画する壁部と接する壁部とは、一体として構成されてもよい。図1には、上層収容空間11Aを区画する壁部の一部と、上層収容空間11Bを区画する壁部の一部と、下層収容空間21を区画する壁部の一部とが、一体に層隔部13として構成される例が示されている。
【0015】
続いて、図2を用いて、図1に示した上層10の構成について詳しく説明する。図2は、上層10の構成の一例を示すための模式図である。図2には、ユーザUと接触する提示面14側から上層10を見た図が示されている。図2に示すように、上層10は、上層収容空間11A~11Cおよび流出入口12A~12Cを備える。
【0016】
上層収容空間11は、流体を収容可能な空間である。上層収容空間11に収容される流体の種類は特に限定されず、例えば、空気またはヘリウム等の気体であってもよいし、水または油等の液体であってもよい。上層収容空間11には流出入口12が設けられ、流出入口12から上層収容空間11内に流体が供給されたり、上層収容空間11からの流体が排出されたりする。
【0017】
上層収容空間11は、壁部によって区画される。隣接する上層収容空間11同士を隔てる壁部には、上層収容空間11に収容される流体の圧力によって弾性変形しない、プラスチックまたは金属等の素材が用いられることが望ましい。また、上層収容空間11が弾性変形する素材からなる壁部によって区画された上で、さらに上層収容空間11同士が弾性変形しない素材によって隔てられてもよい。このように構成されることにより、上層収容空間11は、他の上層収容空間11に収容される流体の体積の変化による圧力の影響を受けなくなる。そのため、ユーザは、上層収容空間11に収容される流体の流出入によって提示される触覚が、他の上層収容空間11に収容される流体の流出入によって提示される触覚と異なる触覚であることをより認識しやすくなる。
【0018】
また、上層収容空間11を区画する壁部のうち、提示面14(図示せず)以外の、外部に露出される壁部は、上層収容空間11に収容される流体の圧力によって弾性変形しない素材からなってもよい。また、上層収容空間11が、弾性変形する素材からなる壁部によって区画された上で、さらに提示面14以外の外部に露出される壁部が、弾性変形しない素材で覆われてもよい。これにより、外部に露出される壁部のうち、ユーザが接触する提示面14のみが流体の流出入によって弾性変形するため、提示面14がより効率的に弾性変形される。
【0019】
上層10に区画される上層収容空間11A~11Cの体積は、同一の体積であってもよいし、それぞれ異なる体積であってもよい。また、上層10に区画される上層収容空間11A~11Cの形状は、同一形状であってもよいし、それぞれ異なる形状であってもよい。また、図2には上層10に3つの上層収容空間11が区画される例を示したが、上層10には1以上の上層収容空間11が区画されれば、その数は特に限定されない。
【0020】
続いて、図3を用いて下層20の構成について詳しく説明する。図3は、下層20の構成の一例を示すための模式図である。図3には、上層10側から下層20を見た模式図が示されている。図3に示すように、下層20は、下層収容空間21および流出入口12Dを備える。
【0021】
下層収容空間21は、流体を収容可能な空間である。下層収容空間21には、上層収容空間11に収容される流体と同一の流体または異なる流体が収容される。下層収容空間21には流出入口12Dが設けられ、流出入口12Dから、下層収容空間21に収容された流体が供給されたり、下層収容空間21からの流体が排出されたりする。
【0022】
なお、図3には下層20が1つの下層収容空間21を有し、当該下層収容空間21が複数の上層収容空間11にまたがるように積層される例を示したが、下層20に区画される下層収容空間21の数は1つ以上であれば特に限定されない。また、下層収容空間21は複数の上層収容空間11にまたがるように積層されてもよいし、一つの上層収容空間11のみに積層されてもよい。なお、下層20に下層収容空間21が2つ以上区画される場合には、上層10に複数の上層収容空間11が区画される場合と同様の構成で下層収容空間21が区画される。
【0023】
<2.本開示の一実施形態による触覚提示装置の内部構成>
続いて、図4を用いて本開示の一実施形態による触覚提示装置1の内部構成について説明する。図4は、本開示の一実施形態による触覚提示装置1の内部構成の一例を示す説明図である。触覚提示装置1は、図4に示すように、上層収容空間11A、上層収容空間11B、下層収容空間21、通信部110、制御部120、供給排出部130A~130C、センサ部140、および記憶部150を有する。なお、図4に示す内部構成は一例であり、触覚提示装置1が有する構成はこれに限定されない。
【0024】
(通信部110)
通信部110は、有線または無線により外部装置と通信接続し、データの送受信を行う。例えば、通信部110は、Wi-Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)等の無線通信により、触覚提示装置1を利用するユーザへの触覚フィードバックまたは情報通知のための制御信号を、外部装置から受信する。
【0025】
(制御部120)
制御部120は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って触覚提示装置1内の動作全般を制御する。制御部120は、例えばCPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。また、制御部120は、使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、及び適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。
【0026】
(生成部121)
本実施形態による制御部120は、生成部121としても機能する。生成部121は、通信部110が受信した制御信号に基づき、複数の信号を生成する。生成部121が生成する、供給排出部130の駆動を制御する信号のことを、駆動信号と称する。生成部121による駆動信号の生成方法については後に詳細に説明する。
【0027】
(供給排出部130)
供給排出部130は、流出入口12を介して、収容空間への流体の供給、および収容空間からの流体の排出を行う。なお、本明細書において、収容空間への流体の供給および収容空間からの流体の排出をまとめて、収容空間への流体の流出入とも呼ぶ。供給排出部130は、各収容空間に対応するよう複数備えられる。例えば、図4には、供給排出部130Aが上層収容空間11Aと、供給排出部130Bが上層収容空間11Bと、供給排出部130Cが下層収容空間21と対応するように備えられる例が示されている。
【0028】
供給排出部130は、流路を有する。流路は、収容空間への流体の供給口および収容空間からの流体の排出口である流出入口12と接続する。
【0029】
供給排出部130は、収容空間に収容するための流体を貯留する供給源を有してもよい。なお、供給源は、収容空間に対応する供給排出部130の各々に備えられてもよいし、1つの供給源が複数の供給排出部130によって共用されてもよい。また、流体が空気である場合には、供給源は省略されてもよい。その場合には、供給排出部130は、外部の空気を収容空間に供給し、収容空間から外部に空気を排出する。
【0030】
供給排出部130は、例えば、ファン、ブロアまたはポンプ等の駆動部が駆動することにより、供給源から、流路および流出入口12を介して収容空間へ流体を供給する。また、供給排出部130は、駆動部の駆動により、流出入口12および流路を介して収容空間からの流体を供給源へ排出する。また、供給排出部130は、バルブ等の開閉可能な弁を有してもよい。例えば、供給排出部130は、駆動部の駆動によりバルブを開閉し、収容空間に空気等の流体を留める。これにより、収容空間は、駆動部の駆動が停止されても収容空間に流体を留め続けられる。そのため、駆動部を駆動させ続ける場合と比較して、収容空間の壁面を変形させ続ける際の電力消費量を抑えられる。
【0031】
供給排出部130は、生成部121によって生成された駆動信号に基づき、流体の供給および排出を行う。より具体的には、供給排出部130の駆動部が、駆動信号に基づき流体の供給および排出を行うよう、制御部120により制御される。
【0032】
ここで、図5および図6を用いて、供給排出部130による収容空間への流体の流出入がもたらす、提示面14の変化について説明する。図5および図6は、図3および図4に示したI-I線で触覚提示装置1を切断して得られる断面構成を示す説明図である。
【0033】
提示面14は、供給排出部130によって上層収容空間11へ流体が流出入されることによって弾性変形し、ユーザに対して触覚を提示する。例えば、提示面14Aは、供給排出部130によって上層収容空間11Aに流体が供給されることにより、図1に示したような平らな状態から、図5に示したような、ユーザに対して突出した状態に変化する。そして、提示面14Aは、供給排出部130によって上層収容空間11Aから流体が排出されることにより、図5に示したような、ユーザに対して突出した状態から、図1に示したような平らな状態に変化する。
【0034】
ユーザは、上記のような提示面14Aの状態の変化によって、提示面14Aが振動する感覚または提示面14Aからの圧力を感じる感覚(圧覚)等の触覚を覚える。ユーザは、提示面14Aの状態の変化の速度または突出の大きさ等に応じて、振動する感覚を覚えたり、圧覚を覚えたりする。一例として、100Hzの周波数で上層収容空間11Aへの流体の流出入がされる場合には、提示面14Aはユーザに対して振動を提示する。他の例として、上層収容空間11Aに収容される流体の体積が線形的に増えるよう流体が供給される場合には、提示面14Aはユーザに対して圧覚を提示する。また、提示面14Aが、ユーザに対して突出した状態から、平らな状態を経て、ユーザに対して陥没した状態になるよう、供給排出部130によって流体の流出入が行われてもよい。
【0035】
また、供給排出部130によって下層収容空間21へ流体が流出入された場合には、層隔部13が変形する。そして、層隔部13の変形により、当該下層収容空間21に積層される上層収容空間11が有する提示面14が変形し、ユーザに対して触覚を提示する。
【0036】
例えば、下層収容空間21に流体が供給されると、上層収容空間11Aおよび上層収容空間11Bが有する、提示面14Aおよび提示面14Bは、図1に示したような平らな状態から、図6に示したような、ユーザに対して突出した状態に変化する。
【0037】
下層収容空間21への流体の流出入は、上層収容空間11への流体の流出入と同様に行われる。これにより、提示面14の状態が変化し、ユーザは提示面14が振動する感覚または圧覚等の触覚を覚える。
【0038】
ここで、供給排出部130は、上層収容空間11への流体の流出入と、当該上層収容空間11と積層される下層収容空間21への流体の流出入とを、同時または異なる時間に行ってもよい。上層収容空間11への流体の流出入と下層収容空間21への流体の流出入が同時に、それぞれ異なる信号に応じて行われる場合には、ユーザは提示面14から同時に異なる複数の触覚を認識し得る。
【0039】
例えば、上層収容空間11への流体の流出入が、ユーザが提示面14の振動を感じるような信号に応じて行われ、下層収容空間21への流体の流出入が、ユーザが提示面14からの圧力を感じるような信号に応じて行われる場合がある。この場合、提示面14は、ユーザに対して振動する感覚と圧覚とを同時に与えることが可能である。
【0040】
また、供給排出部130は、複数の上層収容空間11への流体の流出入を同時または異なる時間に行ってもよい。例えば、供給排出部130が隣接する上層収容空間11への流体の流出入を順に行うことで、提示面14はユーザに移動感を与えることができる。より具体的に例示すると、図1のようにユーザUの指が提示面14Aおよび提示面14Bに接触されている場合に、供給排出部130が上層収容空間11Aへの流体の流出入の後に下層収容空間21への流体の流出入を行うと、ユーザUは左から右への移動感を得られる。
【0041】
ユーザは、複数の上層収容空間11への流体の流出入と、下層収容空間21への流体の流出入が同時に行われることにより複雑な触覚を覚えたり、1の収容空間のみへの流体の流出入が行われたりすることにより、単純な触感を覚えたりする。つまり、かかる構成によればユーザは様々な触感を体験することが可能である。
【0042】
本実施形態における触覚提示装置1との比較例として、振動素子等の、振動を提示可能なデバイスと、樹脂をモータ等により動かすことにより圧覚を提示するデバイスとを組み合わせることにより、ユーザに対して振動および圧覚とを提示することも考えられる。
【0043】
しかし、比較例においては、本実施形態における触覚提示装置1と比べて機構部品の種類が多くなったり、複数デバイスを制御するための複数の制御方法が必要になったりするといった問題がある。一方、本実施形態における触覚提示装置1は、振動および圧覚を同一の制御方法によって提示できるため、機構部品および制御回路の簡素化が実現できる。また、樹脂をモータ等により動かすことによる圧覚の提示と比較して、流体の流出入により圧覚を提示することにより、精細な圧覚提示が実現可能である。
【0044】
ここまで、供給排出部130による流体の供給および排出がもたらす提示面14の変化について説明した。供給排出部130が流体を流出入させる際に用いられる駆動信号は、生成部121によって生成される。そして、制御部120によって、当該駆動信号に基づき流体が流出入される収容空間が決定される。例えば、制御部120は、生成部121によって生成された駆動信号の振幅値に基づき、当該信号に基づき流体が流出入される収容空間を決定してもよい。
【0045】
例えば、上層10および下層20の厚さを高さとした場合の上層収容空間11の底面積と、当該上層収容空間11と積層される下層収容空間21の底面積とが同じ面積を有しているとする。また、提示面14および層隔部13が平らな状態で、上層収容空間11の体積より、下層収容空間21の体積が大きいとする。このとき、制御部120は、振幅値が閾値以下の場合には、上層収容空間11を、当該振幅値を有する駆動信号に基づき流体が流出入される収容空間と決定してもよい。また、制御部120は、振幅値が閾値より大きい場合には、下層収容空間21を、当該振幅値を有する駆動信号に基づき流体が流出入される収容空間と決定してもよい。
【0046】
また、制御部120は、駆動信号の周波数に応じて、当該駆動信号に基づき流体が流出入される収容空間を決定してもよい。また、制御部120は、駆動信号がユーザに対して振動する感覚を与え得る信号か、ユーザに対して圧覚を与え得る信号かに応じて、当該駆動信号に基づき流体が流出入される収容空間を決定してもよい。
【0047】
(センサ部140)
センサ部140は、収容空間の状態を検知するセンサである。例えば、センサ部140は、各収容空間に設けられる、各収容空間、または提示面14に接触するユーザの指にかかる圧力を検知する圧力センサであってもよい。ここで、圧力センサは流路または流出入口12に設けられてもよい。また、センサ部140は、各収容空間を区画する壁部に設けられる、壁部同士の距離を測定する距離センサであってもよい。また、センサ部140は、各収容空間を区画する壁部に設けられる、壁部同士の接触を検知する接触検知センサであってもよい。
【0048】
制御部120は、センサ部140による測定結果に基づき、供給排出部130による流体の流出入を制御してもよい。例えば、センサ部140が閾値以上の圧力または閾値以下の距離を検知した場合には、制御部120は収容空間への流体の供給を停止してもよい。そして、制御部120は、収容空間への流体の供給を停止した後に当該収容空間と積層される収容空間への流体の供給を開始するよう制御してもよい。
【0049】
(記憶部150)
記憶部150は、制御部120の処理に用いられるプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM、および適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAMにより実現される。
【0050】
<3.生成部121による駆動信号の生成例>
続いて、図7図11を用いて生成部121による駆動信号の生成方法の例について説明する。
【0051】
生成部121は、通信部110が受信した制御信号に基づき、複数の駆動信号を生成する。生成部121は、例えば、制御信号を時間軸でフィルタリングすることにより、複数の駆動信号を生成してもよい。図7は、生成部121が制御信号を時間軸でフィルタリングすることにより、複数の駆動信号を生成する例を示す説明図である。
【0052】
図7左に示した図は、通信部110が受信する制御信号の一例である。制御信号は、横軸が時間、縦軸が強度の信号である。なお、図7に示した制御信号のパラメータは一例であり、例えば強度に変えて圧力値等、他の値がパラメータとして用いられてもよい。
【0053】
図7右上に示した図、および右下に示した図は、制御信号を時間軸でフィルタリングすることによって得られる2つの駆動信号である。生成部121は、制御信号をフィルタリングして異なる時間範囲内の信号を切り出すことにより、複数の信号を生成する。
【0054】
制御部120は、複数の駆動信号の各々について、当該駆動信号に基づき流体が流出入される収容空間を決定する。例えば、制御部120は、予め記憶部150に記憶された、制御信号から駆動信号を切り出す時間範囲と収容空間の組み合わせに基づき、駆動信号に基づき流体が流出入される収容空間を決定してもよい。
【0055】
図7には2つの駆動信号が生成される例を示したが、生成する信号の個数は特に限定されず、収容空間の数を上限とした複数の駆動信号を生成してもよい。
【0056】
生成部121による駆動信号の生成方法の他の例として、生成部121は、制御信号における所定周波数以上の周波数成分を有する駆動信号(第1の信号)と、制御信号における第1の信号よりも低い周波数の周波数成分を有する駆動信号(第2の信号)とを生成してもよい。
【0057】
図8は、生成部121が第1の信号と第2の信号とを生成する例を示す説明図である。生成部121は、ハイパスフィルタによって所定周波数以上の周波数成分を抽出し、第1の信号を生成してもよい。また、生成部121は、ローパスフィルタによって、第1の信号の生成に用いた第1の信号よりも低い周波数成分を抽出し、第2の信号を生成してもよい。
【0058】
図8の左図は、通信部110が受信した制御信号の一例である。制御信号は、横軸が時間、縦軸が強度の信号である。図8右上に示した図および右下に示した図は、ハイパスフィルタおよびローパスフィルタを用いて制御信号をフィルタリングすることによって得られる2つの駆動信号である。
【0059】
制御部120は、このように生成した駆動信号の各々について、当該駆動信号に基づき流体が流出入される収容空間を決定する。このとき、制御部120は、供給排出部130が上層収容空間11に流体を流出入させるための駆動信号と、供給排出部130が下層収容空間21に流体を流出入させるための駆動信号が、周波数が異なる信号になるように収容空間を決定してもよい。
【0060】
例えば、制御部120は、第1の信号に対応する収容空間を上層収容空間11に決定し、第2の信号に対応する収容空間を当該上層収容空間11と積層される下層収容空間21に決定する。これにより、提示面14は、上層収容空間11への流体の流出入により振動する感覚を、下層収容空間21への流体の流出入により圧覚を、ユーザに対して提示し得る。なお、第2の信号の周波数によっては、提示面14は、ユーザに対して、下層収容空間21への流体の流出入により上層収容空間11への流体の流出入により与えられる振動と振動の速さが異なる振動を提示し得る。つまり、提示面14は速さが異なる複数の振動を、ユーザに対して同時に提示し得る。
【0061】
また、生成部121による駆動信号の生成方法の他の例として、生成部121は、制御信号の強度の正負に応じて制御信号を分離することで、複数の駆動信号を生成してもよい。図9は、生成部121が、制御信号の強度の正負に応じて制御信号を分離することで駆動信号を生成する例を示す説明図である。
【0062】
図9左に示した図は、通信部110が受信する制御信号の一例である。制御信号は、横軸が時間、縦軸が強度の信号である。図9右上に示した図は、制御信号から強度が正の信号を分離することにより生成された駆動信号の例である。図9右下に示した図は、制御信号から強度が負の信号を分離することにより生成された駆動信号の例である。
【0063】
なお、図9には制御信号が正負で対称性を持つ例を示したが、生成部121によって分離される制御信号は対称性を持たなくてもよい。
【0064】
また、生成部121による駆動信号の生成方法の他の例として、生成部121は、制御信号に基づき複数の駆動信号の各々の振幅値を決定してもよい。例えば、記憶部150に、制御信号に含まれる位置を示す値と、供給排出部130による流体の流出入に用いられる駆動信号の振幅値との対応関係が記憶されていてもよい。生成部121は、位置を示す値に対応する振幅値を駆動信号の振幅値として決定し、振幅が当該振幅値で、周波数が所定周波数である駆動信号を生成する。そして、制御部120は、複数の上層収容空間11のうち、隣接する複数の上層収容空間11の各々を、複数の駆動信号の各々に基づき流体が流出入される収容空間として決定してもよい。
【0065】
ここで、図1に示したような、ユーザUの指が提示面14Aおよび提示面14Bに接触する場合の、上記方法による生成部121による駆動信号の生成例を図10および図11を用いて説明する。
【0066】
図10は、記憶部150に記憶される、制御信号に含まれる位置を示す値と、駆動信号の振幅値との対応関係を示すグラフを示す説明図である。図10には、制御信号に含まれる位置を示す値と、ユーザUにとって左側の提示面14である提示面14Aを有する上層収容空間11Aへの流体の流出入に用いられる駆動信号(L用駆動信号)の振幅値との対応関係が実線で示されている。また、図10には、制御信号に含まれる位置を示す値と、ユーザUにとって右側の提示面14Bを有する上層収容空間11Bへの流体の流出入により提示される駆動信号(R用駆動信号)の振幅値の対応関係が点線で示されている。
【0067】
ここで、制御信号に含まれる位置を示す値とは、例えば、外部装置に表示される、ユーザUによって操作可能なスライダーバーの位置を示す値であってもよい。図11は、ユーザUがスライダーバーの位置を左から右へスライドさせた場合の、図10に示す対応関係に基づき生成部121が生成する駆動信号の一例を示す説明図である。図11には、図10に示す対応関係に基づき生成部121が生成する、L用駆動信号が実線で示されている。また、図11には、図10に示す対応関係に基づき生成部121が生成する、R用駆動信号が点線で示されている。
【0068】
このように生成部121が駆動信号を生成することにより、ユーザUがスライダーバーの位置を左から右へスライドさせた場合に、提示面14は徐々に左から右へ移動する感覚を提示可能である。
【0069】
また、生成部121による駆動信号の生成方法の他の例として、生成部121は、制御信号が示す圧力値に基づき、複数の駆動信号を生成してもよい。駆動信号が圧力値である場合、供給排出部130は、センサ部140が検知する圧力値が、駆動信号が示す圧力値になるまで、収容空間に流体を供給し続ける。生成部121は、例えば、制御信号が示す圧力値から閾値を減算した結果を、駆動信号としてもよい。
【0070】
また、生成部121は、制御信号が示す圧力値を定数で割った結果を駆動信号としてもよい。図12は、生成部121が、制御信号が示す圧力値を2で割った結果を駆動信号として生成する例を示した説明図である。図12には、提示面14に接触するユーザの指にかかる圧力値の時間変化が示されている。
【0071】
図12の上に示した図は、上層収容空間11または下層収容空間21のどちらか一方のみに流体が流出入し、提示面14に接触するユーザの指にかかる圧力値がNまで達する場合の、圧力値の時間変化を示す。図12上に示すように、上層収容空間11または下層収容空間21に収容される流体の体積が線形的に増加するよう流体が供給される場合の、提示面14に接触するユーザの指にかかる圧力値がNに達するまでの時間は、T1である。
【0072】
図12の中央に示した図は、上層収容空間11または下層収容空間21のどちらか一方のみに流体が流出入し、提示面14に接触するユーザの指にかかる圧力値がN/2まで達する場合の、圧力値の時間変化を示す。図12中央に示すように、提示面14に接触するユーザの指にかかる圧力値がN/2に達するまでの時間は、T1より短いT2である。
【0073】
ここで、生成部121は、制御信号が示す圧力値であるNを2で割った結果であるN/2を、駆動信号として生成する。当該駆動信号によって上層収容空間11および下層収容空間21への流体の流出入が制御される場合で、下層収容空間21が上層収容空間11に積層される場合、図12下に示すように提示面14に接触するユーザの指にかかる圧力値が時間変化する。このような場合、提示面14に接触するユーザの指にかかる圧力値がNに達するまでの時間はT2である。このように、下層収容空間21と上層収容空間11へ同時に流体が流出入される場合、上層収容空間11と下層収容空間21のいずれか一方のみに流体を流出入する場合と比較して、提示面14に接触するユーザの指にかかる圧力値がNに達するまでの時間が短くなる。つまり、以上説明した方法によれば、提示面14に接触するユーザの指にかかる圧力値を、制御信号が示す圧力値に到達させる際の、時間応答性が高くなる。
【0074】
また、生成部121による駆動信号の生成方法の他の例として、生成部121は、周波数および位相が同一である複数の駆動信号を生成してもよい。当該駆動信号の周波数および位相は、制御信号の周波数および位相と同一であってもよい。生成部121は、例えば、収容空間の体積または供給排出部130の駆動部の性能に応じて設定された閾値に基づき、生成する駆動信号の振幅値を決定してもよい。そして、制御部120は、上層収容空間11および当該上層収容空間11と積層される下層収容空間21を、周波数および位相が同一である複数の駆動信号の各々に基づき流体が流出入される収容空間として決定する。
【0075】
ここまで、生成部121による複数の駆動信号の生成例を説明した。以上説明したように、生成部121は、制御信号に基づき複数の駆動信号を生成する。かかる構成によれば、通信部110が受信する1の制御信号に基づき複数の駆動信号を生成できるため、通信部110が複数の駆動信号を受信する場合と比較して、伝送帯域を削減することが可能である。
【0076】
<4.本実施形態による動作処理例>
続いて、本実施形態による触覚提示装置1の動作処理の流れについて、図13を参照して説明する。図13は、本実施形態による触覚提示装置1の動作処理の流れの一例について示すフローチャートである。
【0077】
図13に示すように、まず、通信部110は、制御信号を受信する(S101)。生成部121は、通信部110が受信した制御信号に基づいて、複数の駆動信号を生成する(S102)。
【0078】
続いて、制御部120は、生成部121によって生成された複数の駆動信号の各々について、当該駆動信号に基づき流体が供給および排出される収容空間を決定する(S103)。そして、供給排出部130は、駆動信号に基づき、収容空間への流体の流出入を行う(S104)。
【0079】
<5.適用例>
続いて、本開示にかかる触覚提示装置1の適用例について説明する。
【0080】
(第1の適用例)
まず、第1の適用例について、図14を用いて説明する。図14は、第1の適用例にかかる触覚提示装置1の構成図である。触覚提示装置1は、ユーザの指に装着可能な、クリップ型の装着器具2に取り付けられる。ユーザは、指の腹に触覚提示装置1が触れるように装着器具2を装着することにより、指を動かしながら触覚提示装置1が提示する触覚を覚えることが可能である。なお、装着器具2の形状は、触覚提示装置1がユーザに接触するよう固定できれば、クリップ型に限られず、例えば指輪型の形状で、内側に触覚提示装置1が取り付けられていてもよい。
【0081】
図14に示すように、触覚提示装置1は上層収容空間11D~11Gを備える。また、触覚提示装置1は、上層収容空間11D~11Gに積層される、図示しない下層収容空間21を備える。なお、上層収容空間11のおよび下層収容空間21の数はこの例に限定されない。
【0082】
第1の適用例にかかる触覚提示装置1は、外部装置を用いてユーザが仮想世界とのインタラクションを行う際に、触覚を提示してもよい。例えば、上層収容空間11の各々に収容される流体が流出入されることにより、ユーザに振動が提示されてもよい。そして、下層収容空間21に収容される流体が流出入されることにより、上層収容空間11を介して、ユーザに圧覚が提示されてもよい。
【0083】
より具体的には、通信部110が、ユーザが仮想世界上で仮想物体に触れたことに基づく制御信号を受信した場合、供給排出部130は、下層収容空間21に収容される流体を流出入させて、ユーザに対して圧覚を提示してもよい。また、ユーザが当該仮想物体を把持し続ける間、供給排出部130は、上層収容空間11に収容される流体を流出入させて、振動を提示してもよい。そして、ユーザが把持していた仮想物体を離したことに基づく制御信号を受信した場合、供給排出部130は、下層収容空間21に収容される流体を流出入させて、ユーザに対して圧覚を瞬間的に提示してもよい。なお、供給排出部130は、ユーザによる仮想物体への接触時間または把持時間または仮想物体とユーザとの距離等に応じて収容空間への流体の流出入のスピード等を異ならせることにより、異なる触覚を提示してもよい。
【0084】
(第2の適用例)
続いて、第2の適用例について、図15を用いて説明する。図15は、第2の適用例にかかる触覚提示装置1が取り付けられるコントローラの例を示す図である。図15に示すコントローラ3は、触覚提示装置1Aおよび触覚提示装置1Bを備える。ユーザは、コントローラ3を把持して、コントローラ3が有するボタンまたはジョイスティック等を操作することにより、コントローラ3が接続されるゲーム機によって提示されるゲームの操作を行う。
【0085】
触覚提示装置1Aは、コントローラ3のジョイスティックに取り付けられる。触覚提示装置1Bは、コントローラ3のグリップに取り付けられる。ユーザは、コントローラ3によってゲームの操作を行ったり、コントローラ3を把持しながらゲーム機によって提示される画面を見たりする際に、触覚提示装置1Aおよび触覚提示装置1Bに接触する。
【0086】
触覚提示装置1Aおよび触覚提示装置1Bは、当該触覚提示装置1が備える供給排出部130によって収容空間に収容される流体が流出入されることにより、ゲーム内での状況に合わせた触覚を提示する。例えば、ゲーム内のキャラクターが歩行することに基づく制御信号を受信した場合、供給排出部130は、収容空間に収容される流体を流出入させて、振動を、地面の凹凸感として提示してもよい。また、その場合、供給排出部130は、当該収容空間とは異なる収容空間に収容される流体を流出入させ、さらに圧覚を、心臓が鼓動する感覚として提示してもよい。このように、第2の適用例にかかる触覚提示装置1は、ユーザに対して臨場感を提供できる。
【0087】
(第3の適用例)
続いて、第3の適用例について、図16図19を用いて説明する。図16は、第3の適用例にかかる触覚提示装置1の構成図である。図16上には、ユーザと接触する側から触覚提示装置1を見た図が示されている。また、図16下には、ユーザと接触する側を上として、横から触覚提示装置1を見た図が示されている。
【0088】
図16に示すように、触覚提示装置1は、上層収容空間11H、上層収容空間11I、および下層収容空間21Aを有する。上層収容空間11Hおよび上層収容空間11Iは、同心円上に存在する。また、上層収容空間11Hおよび上層収容空間11Iは、上層10に区画され、下層収容空間21Aは下層20に区画される。
【0089】
本適用例にかかるセンサ部140は、上層収容空間11Hおよび上層収容空間11Iの、外部からの圧力を検出する。センサ部140が所定値以上の圧力値を検出すると、通信部110は外部装置に信号を送信する。これにより、ユーザは、上層収容空間11Hまたは上層収容空間11Iの提示面14を押し込むことで、外部装置を操作することが可能である。このようなユーザの操作に応じて、ユーザへの触覚フィードバックまたは情報通知のための制御信号は生成されてもよい。本適用例において、生成部121は、センサ部140による検出結果に応じて制御信号を生成してもよい。
【0090】
図17は、図16に示した触覚提示装置1が車内に取り付けられる例を示した図である。図17に示すように、触覚提示装置1Cは、車の運転に用いられるハンドルHに取り付けられる。また、触覚提示装置1Dは、車のダッシュボードDに取り付けられる。
【0091】
ユーザUは、触覚提示装置1Cまたは触覚提示装置1Dの提示面14を押し込むことにより、車の運転操作または車内の空調の操作等の、車に関する操作を行う。供給排出部130は、ユーザUによる操作に対するフィードバックとして触覚を提示するよう収容空間への流体の流出入を行う。ここで、触覚提示装置1は、スマートフォン等の通話可能なデバイスと接続してもよい。この場合、供給排出部130は、ユーザUへの着信等の通知として触覚を提示するよう収容空間への流体の流出入を行ってもよい。このとき、ユーザUが提示面14を押し込むことによりセンサ部140が所定値以上の圧力値を検出した場合、通信部110がデバイスに信号を送信することで、デバイスによって通話が開始されてもよい。
【0092】
また、触覚提示装置1はカーナビゲーションと接続されてもよい。この場合、供給排出部130は、ユーザUへの方向の案内の通知として触覚を提示するよう収容空間への流体の流出入を行ってもよい。
【0093】
ここで、第3の適用例にかかる触覚提示装置1の構成は図16に示した例に限られない。図18および図19は、第3の適用例にかかる触覚提示装置1の上層10の、他の例である。図18に示す上層10には、上層収容空間11J~11Lが区画される。図19に示す上層10には、上層収容空間11M~11Qが区画される。また、図16図18および図19には、複数の上層収容空間11が同心円上に存在する例を示したが、この形状に限定されない。例えば、第3の適用例にかかる触覚提示装置1は、図2に示したような形状の上層10を有してもよい。
【0094】
<6.ハードウェア構成例>
以上、本開示の各実施形態を説明した。上述した情報処理は、ソフトウェアと、ハードウェアとの協働により実現される。以下、触覚提示装置1に適用され得るハードウェア構成例を説明する。
【0095】
図20は、触覚提示装置1のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。なお、以下に説明する触覚提示装置1のハードウェア構成例は、触覚提示装置1のハードウェア構成の一例に過ぎない。したがって、触覚提示装置1は、それぞれ、必ずしも図20に示したハードウェア構成の全部を有している必要はない。また、触覚提示装置1の中に、図20に示したハードウェア構成の一部が存在しなくてもよい。
【0096】
図20に示すように、触覚提示装置1は、CPU901、ROM903、およびRAM905を含む。また、触覚提示装置1は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート923、通信装置925を含んでもよい。触覚提示装置1は、CPU901に代えて、またはこれとともに、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
【0097】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、触覚提示装置1内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムおよび演算パラメータなどを記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムまたは/および、その実行において適宜変化するパラメータなどを一時的に記憶する。CPU901、ROM903、およびRAM905は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0098】
CPU901がROM903、RAM905、およびソフトウェアと協働することにより、例えば、制御部120の機能が実現され得る。
【0099】
入力装置915は、例えば、ボタンなど、ユーザによって操作される装置である。入力装置915は、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチおよびレバーなどを含んでもよい。また、入力装置915は、ユーザの音声を検出するマイクロフォンを含んでもよい。入力装置915は、例えば、赤外線またはその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、触覚提示装置1の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器929であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、触覚提示装置1に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0100】
また、入力装置915は、撮像装置、およびセンサを含んでもよい。撮像装置は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、および撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズなどの各種の部材を用いて実空間を撮像し、撮像画像を生成する装置である。撮像装置は、静止画を撮像するものであってもよいし、また動画を撮像するものであってもよい。
【0101】
センサは、例えば、測距センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、振動センサ、光センサ、音センサなどの各種のセンサである。センサは、例えば触覚提示装置1の筐体の姿勢など、触覚提示装置1自体の状態に関する情報、または、触覚提示装置1の周辺の明るさまたは騒音など、触覚提示装置1の周辺環境に関する情報を取得する。また、センサは、GPS(Global Positioning System)信号を受信して装置の緯度、経度および高度を測定するGPSセンサを含んでもよい。
【0102】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示装置、スピーカおよびヘッドホンなどの音出力装置などであり得る。また、出力装置917は、PDP(Plasma Display Panel)、プロジェクタ、ホログラム、プリンタ装置などを含んでもよい。出力装置917は、触覚提示装置1の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音声または音響などの音として出力したりする。また、出力装置917は、周囲を明るくする照明装置などを含んでもよい。
【0103】
ストレージ装置919は、触覚提示装置1の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムまたは各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0104】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体927のためのリーダライタであり、触覚提示装置1に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体927に記録を書き込む。
【0105】
接続ポート923は、機器を触覚提示装置1に直接接続するためのポートである。接続ポート923は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどであり得る。また、接続ポート923は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、触覚提示装置1と外部接続機器929との間で各種のデータが交換され得る。
【0106】
通信装置925は、例えば、ローカルネットワーク、または、無線通信の基地局との通信ネットワークに接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN、Bluetooth、Wi-Fi、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどであり得る。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置925は、例えば、インターネットまたは他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置925に接続されるローカルネットワークまたは基地局との通信ネットワークは、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。
【0107】
<7.補足>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0108】
例えば、上層収容空間11および下層収容空間21の形状は、上記で説明した形状に限定されず、例えば、図21図23に示すような形状であってもよい。図21図23は、触覚提示装置1の上層10の、他の例である。図21に示す上層10には、上層収容空間11Rが区画される。図22に示す上層10には、上層収容空間11S~11Vが区画される。図23に示す上層10には、上層収容空間11W~11Zおよび上層収容空間11AA~11ACが区画される。なお、ここまで示した上層10に区画される上層収容空間11と同様の形状の下層収容空間21が、下層20に区画されてもよい。
【0109】
また、ここまで、触覚提示装置1が上層10および下層20の2層を備える例を説明したが、触覚提示装置1は下層20にさらに別の下層20が積層されるよう、複数の下層20を備えてもよい。触覚提示装置1が複数の下層20を備える場合には、より上層10に近い下層20に区画される下層収容空間21を区画する壁部が、他の下層収容空間21に収容される流体が流出入することにより変形する。これにより、上層収容空間11と下層収容空間21の間に位置する壁部が変形し、提示面14が変形する。触覚提示装置1が複数の下層20を備えることにより、より複雑な触覚をユーザに対して提示可能である。
【0110】
また、ここまで、複数の収容空間がそれぞれ上層10または下層20に区画される例を説明したが、上層10および下層20にまたがるように区画される収容空間が存在してもよい。
【0111】
また、ここまで、供給排出部130が収容空間に流体を流出入させることにより、ユーザに対して触覚を提示する例を説明したが、触覚提示装置1がペルチェ素子等の他のデバイスを備えることにより、ユーザに対して温覚または嗅覚等の触覚以外の感覚を同時に提示してもよい。
【0112】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0113】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
装置であって、
弾性変形可能な壁部を用いて区画された、流体を収容する第1の収容空間および第2の収容空間と、
前記装置を利用するユーザへの触覚フィードバックまたは情報通知のための制御信号に基づいて複数の信号を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記信号に基づき、前記第1の収容空間および前記第2の収容空間への前記流体の供給、および前記第1の収容空間および前記第2の収容空間からの前記流体の排出を行う供給排出部と、
を備え、
前記第1の収容空間は、前記装置がユーザに利用される状態において前記第2の収容空間と前記ユーザとの間に位置するように、前記第2の収容空間と積層される、装置。
(2)
前記装置は、1または複数の前記第1の収容空間および1または複数の前記第2の収容空間を備え、
前記1または複数の第2の収容空間は、前記1または複数の第1の収容空間が区画される層と積層される層に区画される、
前記(1)に記載の装置。
(3)
前記装置は、
前記生成部によって生成された前記複数の信号の各々について、当該信号に基づき前記流体が供給および排出される収容空間を決定する制御部をさらに備える、
前記(2)に記載の装置。
(4)
前記生成部によって生成される、前記供給排出部が前記第1の収容空間を制御するための信号と、前記供給排出部が前記第2の収容空間を制御するための信号は、周波数が異なる信号である、
前記(1)~前記(3)のうちいずれか一項に記載の装置。
(5)
前記生成部は、前記複数の信号として、前記制御信号における所定周波数以上の周波数成分を有する第1の信号と、前記制御信号における前記第1の信号よりも低い周波数の周波数成分を有する第2の信号とを生成する、
前記(4)に記載の装置。
(6)
前記生成部は、前記制御信号の強度の正負に応じて制御信号を分離することで、前記複数の信号を生成する、
前記(1)~前記(5)のうちいずれか一項に記載の装置。
(7)
前記制御部は、前記生成部によって生成された信号の振幅値に基づき、当該信号に基づき前記流体が供給および排出される収容空間を決定する、
前記(3)に記載の装置。
(8)
前記生成部が生成する前記複数の信号では、周波数および位相が同一である、
前記(3)に記載の装置。
(9)
前記制御部は、前記第1の収容空間および当該第1の収容空間と積層される前記第2の収容空間を、周波数および位相が同一である前記複数の信号の各々に基づき前記流体が供給および排出される収容空間として決定する、
前記(8)に記載の装置。
(10)
前記生成部は、前記制御信号に基づき前記複数の信号の各々の振幅値を決定し、
前記制御部は、前記複数の第1の収容空間のうち、隣接する複数の前記第1の収容空間の各々を、前記複数の信号の各々に基づき前記流体が供給および排出される収容空間として決定する、
前記(3)に記載の装置。
(11)
前記生成部は、閾値に基づき、生成する信号の振幅値を決定する、
前記(1)~前記(10)のうちいずれか一項に記載の装置。
(12)
前記装置は、収容空間同士の距離または収容空間にかかる圧力を測定するセンサ部をさらに備え、
前記制御部は、前記センサ部による測定結果に基づき、前記供給排出部による前記流体の供給および排出を制御する、
前記(3)に記載の装置。
(13)
前記第2の収容空間は複数の前記第1の収容空間にまたがるように積層される、前記(2)または前記(3)に記載の装置。
(14)
前記装置は、前記第1の収容空間または前記第2の収容空間の少なくともいずれかを複数有し、
複数の前記第1の収容空間または複数の前記第2の収容空間は、同心円上に存在する、前記(1)~前記(13)のうちいずれか一項に記載の装置。
(15)
前記装置は、前記第2の収容空間が区画される層を複数備える、前記(1)~前記(14)のうちいずれか一項に記載の装置。
【符号の説明】
【0114】
1 触覚提示装置
10 上層
11 上層収容空間
12 流出入口
13 層隔部
14 提示面
20 下層
21 下層収容空間
110 通信部
120 制御部
121 生成部
130 供給排出部
140 センサ部
150 記憶部
図1
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