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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068353
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20210101AFI20240513BHJP
   G03B 15/03 20210101ALI20240513BHJP
   G03B 11/00 20210101ALI20240513BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20240513BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240513BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20240513BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20240513BHJP
【FI】
G03B17/02
G03B15/03
G03B11/00
G03B30/00
G03B15/00 V
H04N5/225 400
H04N5/225 600
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178731
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石沢 恒司
【テーマコード(参考)】
2H083
2H100
5C122
【Fターム(参考)】
2H083AA06
2H083AA26
2H083AA32
2H083AA58
2H100AA02
2H100CC01
5C122DA14
5C122DA16
5C122EA20
5C122FB17
5C122FH11
5C122GG04
5C122GG17
5C122HB06
(57)【要約】
【課題】ソフトウエアの負荷の増大を抑制しつつ、撮像部にて撮像された画像に、照明部から発された光の正反射に起因した高輝度の部分が生じることを抑制できる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置は、被写体を撮像する撮像部4と、被写体に向けて光を発する照明部5と、照明部5から発される光を、第1の方向D1に偏光させる第1の偏光子6と、撮像部4に入射される光を、第1の方向D1に交差する第2の方向D2に偏光させる第2の偏光子7と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像部と、
前記被写体に向けて光を発する照明部と、
前記照明部から発される光を、第1の方向に偏光させる第1の偏光子と、
前記撮像部に入射される光を、前記第1の方向に交差する第2の方向に偏光させる第2の偏光子と、を備える
撮像装置。
【請求項2】
前記撮像部及び前記照明部の双方に対向するとともに前記照明部から発される光を透過する透光部材を更に備え、
前記透光部材に、前記第1の偏光子と前記第2の偏光子との双方が固定されている、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記照明部から前記第1の偏光子までの照射空間と、前記撮像部から前記第2の偏光子までの撮像空間とを光学的に仕切る遮光部を更に備える、
請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
車両の運転者をモニタするために用いられる、
請求項1又は2に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の運転者の脇見運転又は居眠り運転を検知し、運転者に報知するドライバーモニタが開示されている。特許文献1に記載のドライバーモニタは、運転者の顔に近赤外光を照射する照明部と、照明部にて照らされた運転者の顔を撮像する撮像部とを有する。そして、特許文献1に記載のドライバーモニタにおいては、撮像部にて撮像された運転者の画像から、運転者の視線方向、瞼の閉じ具合等が検出され、この検出結果に基づいて運転者の脇見運転又は居眠り運転の有無が判定される。
【0003】
ここで、運転者が眼鏡をかけている場合、照明部から発された近赤外光が眼鏡のレンズにて正反射されることにより、撮像部にて撮像された画像に高輝度の部分が生じることがある。この場合、運転者の瞳、瞼等の状態を正確に把握できないおそれがある。
【0004】
そこで、特許文献1に記載のドライバーモニタは、撮像された画像に前述のような高輝度の部分が生じた場合、その画像に所定の補正処理を行い、高輝度の部分が減少した補正画像を生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-112486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のドライバーモニタにおいては、高輝度の部分の発生が抑制された画像を得るためにソフトウエアの負荷を大きくする必要がある。
【0007】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、ソフトウエアの負荷の増大を抑制しつつ、撮像部にて撮像された画像に、照明部から発された光の正反射に起因した高輝度の部分が生じることを抑制できる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記の目的を達成するため、被写体を撮像する撮像部と、前記被写体に向けて光を発する照明部と、前記照明部から発される光を、第1の方向に偏光させる第1の偏光子と、前記撮像部に入射される光を、前記第1の方向に交差する第2の方向に偏光させる第2の偏光子と、を備える撮像装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ソフトウエアの負荷の増大を抑制しつつ、撮像部にて撮像された画像に、照明部から発された光の正反射に起因した高輝度の部分が生じることを抑制できる撮像装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態における、撮像装置の使用状態を示す図である。
図2】実施の形態における、撮像装置の正面図である。
図3図2のIII-III線矢視断面図である。
図4】実施の形態における、被写体にて正反射される光の進み方を示す模式図である。
図5】実施の形態における、被写体にて拡散反射される光の進み方を示す模式図である。
図6】参考例の撮像装置を用いて撮像された画像の、運転者の目の周辺を示す図である。
図7】実施の形態の撮像装置を用いて撮像された画像の、運転者の目の周辺を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図7を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本形態の撮像装置1の使用状態を示す図である。図1においては、撮像装置1の後述の撮像部による撮影範囲の境界の一例を破線にて示している。本形態においては、撮像装置1が、自動車等の車両に搭載されるドライバーモニタを構成する例について説明する。撮像装置1を備えたドライバーモニタは、撮像装置1にて撮像された運転者10の顔101の画像から、運転者10の視線方向、瞼の閉じ具合等を検出し、この検出結果に基づいて脇見運転又は居眠り運転の有無を判定する。運転者10が脇見運転又は居眠り運転をしていると判定された場合、運転者10への報知等の所定の処理が実行される。
【0013】
撮像装置1は、車両の運転席100aの前方において、運転者10の顔101が撮像可能な位置に配されている。図1においては、撮像装置1がステアリングコラム100bの上部に配されている例を示している。
【0014】
図2は、撮像装置1の正面図である。図3は、図2のIII-III線矢視断面図である。撮像装置1は、筐体2、基板3、撮像部4、照明部5、第1の偏光子6、第2の偏光子7及び遮光部8を備える。
【0015】
筐体2は、被写体としての運転者10の顔101に向かって開口する開口部211が形成された筐体本体21と、開口部211を閉塞するカバーとしての透光部材22とを有する。筐体本体21は、例えば不透明の樹脂等からなり、透光部材22は、照明部5が発する光を透過可能な素材からなる。一例として、透光部材22は、照明部5が発する後述の近赤外線を主に透過させ、可視光を遮光可能な素材から構成してもよい。これにより、運転者10等が撮像装置1を見たときに、筐体2内の各種部品が視認可能となることが抑制され、撮像装置1の見栄えが向上する。筐体2内には、基板3、撮像部4、照明部5、第1の偏光子6、第2の偏光子7及び遮光部8が収容されている。
【0016】
基板3は、透光部材22に対向する姿勢で配されており、透光部材22側(すなわち車両後方)の面に撮像部4及び照明部5を実装している。基板3は、車両に搭載された図示しない制御装置に電気的に接続され、当該制御装置によって撮像装置1の各種制御が実施される。
【0017】
撮像部4は、透光部材22を通して被写体としての運転者10の顔101を撮像可能な姿勢で配されている。例えば、撮像部4は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を備えるデジタルカメラとすることができる。また、本形態において、撮像部4は、いわゆる近赤外線カメラである。撮像部4を近赤外線カメラとすることで、夜間等の車内が暗くなる状況においても運転者10の顔101を鮮明に撮像可能となる。撮像部4の両側のそれぞれに照明部5が配されている。
【0018】
2つの照明部5は、撮像装置1の幅方向(本形態においては車幅方向)において、撮像部4を挟んで互いに反対側に配されている。2つの照明部5は、透光部材22を通して撮像部4の被写体(すなわち運転者10の顔101)を照らす。照明部5の個数、配置等は前述のものに限られないが、運転者10の顔101を一様に照らすべく、前述のように車幅方向の撮像部4の両側のそれぞれに照明部5が配置されることが好ましい。
【0019】
照明部5は、撮像部4が感度を有する波長帯の光を発する。本形態においては、前述のごとく撮像部4が近赤外線カメラであり、照明部5が近赤外線を発光する光源である。照明部5の発光波長は、例えば850nm、940nm等とすることができる。照明部5として近赤外線を発するものを用いることにより、運転者10に眩しさを感じさせることを防ぐことができる。照明部5が発する光は、非偏光であり、種々の方向に振動する光が含まれる。一例として、照明部5は、近赤外線を発するLED(Light Emitting Diode)とすることができる。2つの照明部5から発された光は、それぞれの照明部5に対向する位置に配された第1の偏光子6を通って筐体2外に取り出される。
【0020】
2つの第1の偏光子6は、2つの照明部5の正面に配されている。第1の偏光子6は、照明部5から発される光を、所定の第1の方向D1に直線偏光させる。すなわち、第1の偏光子6は、照明部5から発された種々の方向に振動する近赤外線のうち、所定の第1の方向D1に振動する光のみを通し、第1の方向D1以外の方向に振動する光を遮光する。図2に示す例においては、第1の方向D1が撮像装置1の幅方向(すなわち車幅方向)である例を示しているが、これに限られるものではない。
【0021】
本形態において、第1の偏光子6は、透光部材22と平行なシート状に形成されており、透光部材22の内面に貼付等にて固定されている。照明部5から発された光は、第1の偏光子6を通って筐体2の外部に取り出され、被写体(すなわち運転者10等)において反射された後、第2の偏光子7に到達する。
【0022】
第2の偏光子7は、撮像部4の正面に配されている。第2の偏光子7は、撮像部4に入射される光を、第1の方向D1に交差する第2の方向D2に直線偏光させる。すなわち、第2の偏光子7は、照明部5から発されて被写体にて反射された光のうち、第1の方向D1に交差する第2の方向D2に振動する光のみを通し、第2の方向D2以外の方向に振動する光を遮光する。
【0023】
本形態において、第2の方向D2は、第1の方向D1に直交する方向である。具体的には、第2の方向D2は、撮像装置1の高さ方向である。なお、第1の偏光子6の偏光方向と第2の偏光子7とが直交であるとは、製造誤差等により、第1の偏光子6の偏光方向と第2の偏光子7の偏光方向とが90°から僅かにずれたものも含まれるものとする。
【0024】
本形態において、第2の偏光子7は、透光部材22と平行なシート状に形成されており、透光部材22の内面に貼付等にて固定されている。透光部材22の外側から内側に入射する光のうち、第2の偏光子7を通過した光が撮像部4にて受光される。
【0025】
なお、本形態において、2つの第1の偏光子6と第2の偏光子7とは、互いに別体としたが、これらを一枚のシートの互いに異なる部位にて形成してもよい。この場合は、第1の偏光子6の偏光方向である第1の方向D1と第2の偏光子7の偏光方向である第2の方向D2との間の角度が所望の角度(本形態においては90°)からずれることが抑制されやすい。
【0026】
照明部5から第1の偏光子6までの照射空間11と、撮像部4から第2の偏光子7までの撮像空間12とは、遮光部8にて光学的に仕切られている。遮光部8は、照明部5から発される光を遮光する素材にて形成されている。本形態において、遮光部8には貫通穴81が形成されており、貫通穴81内に撮像部4と第2の偏光子7とが配されている。そして、貫通穴81の内側の空間が、撮像空間12となっている。本形態において、遮光部8は、透光部材22に固定されている。
【0027】
次に、図4及び図5を参照しつつ、照明部5から発された光の進み方について説明する。図4は、被写体にて正反射される光の進み方を示す模式図である。図5は、被写体にて拡散反射される光の進み方を示す模式図である。図4及び図5においては、各光路における光の振動方向を、各光路近傍の両向き矢印にて示している。なお、図4及び図5に示している各光路近傍の両向き矢印は、便宜上、運転者10側から見たとき(紙面右側から左側を見たとき)の光の振動方向である。さらに、図4及び図5においては、第1の偏光子6と第2の偏光子7とのそれぞれを正面から見た状態(すなわち紙面右側から見た状態)を二点鎖線内に示している。
【0028】
まず、図4を参照しつつ、照明部5から発され、被写体にて正反射される光の進み方を説明する。照明部5の光が被写体にて正反射される場合は、例えば、照明部5から発された光が、運転者10の着用している眼鏡、サングラス等のアイウエア102のレンズや運転者10の眼球等にて反射される場合である。図4においては、照明部5から発された光がアイウエア102にて正反射される場合を図示している。
【0029】
図4に示すごとく、照明部5から発されて第1の偏光子6へ向かう光L1には、種々の方向に振動する光が含まれる。この光L1が第1の偏光子6を通ると、光L1から第1の偏光子6の偏光方向である第1の方向D1に振動する光以外がカットされ、第1の方向D1のみに振動する光L2が出力される。光L2は、運転者10の着用しているアイウエア102にて正反射される。
【0030】
ここで、偏光が正反射された場合は、正反射の前後において、その偏光方向が同じとなる。そのため、アイウエア102で正反射されて第2の偏光子7へ向かう光L3は、光L2の振動方向と同じ方向のみに振動する。光L3の振動方向は、第2の偏光子7の偏光方向である第2の方向D2と直交する方向であるため、光L3は第2の偏光子7にてカットされ、撮像部4には到達しない。
【0031】
次に、図5を参照しつつ、照明部5から発され、被写体にて拡散反射される光の進み方を説明する。照明部5の光が被写体にて拡散反射される場合は、例えば運転者10の皮膚、服等の非鏡面にて反射される場合である。図5においては、照明部5から発された光が運転者10の顔101にて拡散反射される場合を図示している。
【0032】
図5に示すごとく、照明部5から発されて第1の偏光子6へ向かう光Laには、種々の方向に振動する光が含まれる。この光Laが第1の偏光子6を通ると、光Laから第1の偏光子6の偏光方向である第1の方向D1に振動する光以外がカットされ、第1の方向D1のみに振動する光Lbが出力される。光Lbは、運転者10の顔101にて拡散反射される。
【0033】
ここで、偏光が拡散反射された場合、反射後の光は非偏光となる。そのため、運転者10の顔101で正反射されて第2の偏光子7へ向かう光Lcは、種々の方向に振動する光を含有している。
【0034】
そして、光Lcが第2の偏光子7を通ると、光Lcから第2の偏光子7の偏光方向である第2の方向D2に振動する光以外がカットされ、第2の方向D2のみに振動する光Ldが出力される。そして、光Ldは、撮像部4にて受光される。
【0035】
以上のようなメカニズムにより、照明部5から発された光は、被写体にて拡散反射された光のみが撮像部4に到達し、被写体にて正反射された光は第2の偏光子7にてカットされて撮像部4には到達しない。それゆえ、照明部5から発された光がアイウエア102等にて正反射されることに起因して撮像画像に高輝度の部分が生じることが物理的に抑制され、かつ、運転者10の顔101等は正常に撮像される。これにより、例えば、撮像画像において、運転者10の目の近傍に高輝度の部分が生じることに起因して運転者10の視線方向、瞼の閉じ具合等の検出が難しくなることが抑制される。
【0036】
なお、本形態において、第1の偏光子6の偏光方向(すなわち第1の方向D1)と第2の偏光子7の偏光方向(すなわち第2の方向D2)とは、互いに直交する方向としたが、これらは互いに傾斜した方向であってもよい。前述のように、撮像画像から高輝度の部分を取り除く観点からは、第1の方向D1と第2の方向D2とが直交していることが最も好ましい。しかし、第1の方向D1と第2の方向D2とが互いに傾斜する方向であっても、これらの方向が同方向である場合と比べて、撮像画像から高輝度の部分を減らすことは可能である。
【0037】
また、本形態においては、撮像装置1がドライバーモニタを構成するものとしたが、これに限られず、照明部5から発される光の正反射に起因する強輝度の部分が撮像画像に形成されないようにする目的で、種々の用途に適用可能である。例えば、撮像装置1を、顔認証用カメラ、監視カメラ等を構成するものとしてもよい。撮像装置1を顔認証用カメラの用途に用いる場合は、本形態と同様に、アイウエア、目等による正反射に起因して撮像画像に高輝度の部分が生じることが抑制され得る。また、撮像装置1を監視カメラ等の用途に用いる場合は、例えばドア、窓、鏡、アイウエア、目等による正反射に起因して撮像画像に高輝度の部分が生じることが抑制され得る。
【0038】
(実施の形態の作用及び効果)
本形態の撮像装置1は、照明部5から発される光を、第1の方向D1に偏光させる第1の偏光子6と、撮像部4に入射される光を、第1の方向D1に交差する第2の方向D2に偏光させる第2の偏光子7と、を備える。それゆえ、前述のごとく、撮像画像に、照明部5から発された光の正反射に起因した高輝度の部分が生じることが、物理的に抑制される。これにより、撮像装置1を使用する際のソフトウエアの負荷の増大を抑制しつつ、撮像画像に高輝度の部分が生じることが抑制される。その結果として、例えば撮像画像の高画素化、高速処理化等が図りやすくなる。
【0039】
ここで、例えば、本形態の撮像装置1とは異なり、第1の偏光子6及び第2の偏光子7を備えない参考例に係る撮像装置について検討する。参考例に係る撮像装置は、第1の偏光子6及び第2の偏光子7を備えないこと以外は本形態の撮像装置1と同様の構成を有する。図6に、参考例の撮像装置を用いて撮像された画像の、運転者10の目103の周辺を示す。参考例においては、撮像画像に、照明部5から発された光がアイウエア102及び目103で正反射されることに起因した高輝度部位9が生じる。なお、図6においては、アイウエア102の各レンズに2つずつ高輝度部位9が生じているが、これは2つの照明部5の光が各レンズに写ったことを表している。
【0040】
次に、図7に、本形態の撮像装置1を用いて撮像された画像の、運転者10の目103の周辺を示す。本形態の撮像装置1によれば、図7に示すごとく、図6に示す状態から高輝度部位9が取り除かれたような撮像画像を得ることが可能である。
【0041】
なお、図7においては、図6に示す高輝度部位9が完全に取り除かれている状態を示しているが、例えばアイウエア102のレンズが曇っている場合等においては、撮像画像から高輝度の部分が完全には取り除けない場合も想定される。このような場合でも、撮像画像から高輝度の部分を減少させることは可能である。
【0042】
また、運転者10がアイウエア102を着用していない場合であっても、運転者10の目103によって正反射される照明部5の光に起因して撮像画像に高輝度の部分が生じることが抑制される。
【0043】
また、本形態の撮像装置1は、撮像部4及び照明部5の双方に対向するとともに照明部5から発される光を透過する透光部材22を備える。そして、透光部材22に、第1の偏光子6と第2の偏光子7との双方が固定されている。このように、第1の偏光子6と第2の偏光子7とを共通の透光部材22に固定することで、第1の偏光子6と第2の偏光子7との相対距離が固定され、第1の偏光子6及び第2の偏光子7と、照明部5及び撮像部4との位置関係が所望の位置関係からずれることが抑制される。また、第1の偏光子6の偏光方向である第1の方向D1と第2の偏光子7の偏光方向である第2の方向D2とが固定され、これらの方向の間の角度が所望の角度(本形態においては90°)からずれることも抑制される。
【0044】
また、本形態の撮像装置1は、照明部5から第1の偏光子6までの照射空間11と、撮像部4から第2の偏光子7までの撮像空間12とを光学的に仕切る遮光部8を備える。それゆえ、照明部5から発されて第1の偏光子6を通らない光が撮像部4にて受光されることが抑制される。
【0045】
また、本形態の撮像装置1は、車両の運転者10をモニタするために用いられる。それゆえ、撮像画像から運転者10の視線方向、瞼の閉じ具合等を検出する際等における検出精度を向上させることができる。すなわち、撮像画像に高輝度部位が生じた場合、その高輝度部位がノイズとなって運転者10の視線方向、瞼の閉じ具合等の検出精度が低下するところ、本形態によれば前述のごとく撮像画像に高輝度部位が生じることを抑制できる結果、運転者10の視線方向、瞼の閉じ具合等の検出精度を向上させることができる。
【0046】
以上のごとく、本形態によれば、ソフトウエアの負荷の増大を抑制しつつ、撮像部にて撮像された画像に、照明部から発された光の正反射に起因した高輝度の部分が生じることを抑制できる撮像装置を提供することができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、前述した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…撮像装置、10…運転者、11…照射空間、12…撮像空間、22…透光部材、4…撮像部、5…照明部、6…第1の偏光子、7…第2の偏光子、8…遮光部、D1…第1の方向、D2…第2の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7