(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006837
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】置き型タイル
(51)【国際特許分類】
E04F 13/08 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
E04F13/08 102G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022115910
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】522288669
【氏名又は名称】株式会社創楽
(72)【発明者】
【氏名】吉田 康志
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110AA42
2E110AB04
2E110AB05
2E110BA02
2E110BA13
2E110BC02
2E110BC14
2E110CA03
2E110DA12
2E110DB12
2E110DB22
2E110DC21
2E110GB23Y
2E110GB53Z
2E110GB54Z
2E110GB55X
2E110GB62Y
(57)【要約】
【課題】従来のタイルは、特許文献1に示すように、床面にボンドや接着剤で張り付ける為職人の熟練した技術が必要とされ、エンドユーザーでは施工できないという問題点があった。
【解決手段】本発明の置き型タイル1は、平面形のタイル2と、前記タイル2の裏面に積層された滑り止め部材3とを一体化することで、エンドユーザーでも簡単に施工することができ、上記課題を解決している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形のタイルと、前記タイルの裏面に積層された滑り止め部材よりなることを特徴とする置き型タイル。
【請求項2】
前記タイルは多角形又は円形であり、前記滑り止め部材には前記タイルの少なくとも1辺の端縁から外方に突出する突出部を形成し、前記タイルに隣接させて敷設する隣接タイルの底面で前記突出部を抑えた請求項1に記載の置き型タイル。
【請求項3】
前記タイルにはサイズの小さな複数個のモザイクタイルで構成されたタイルを含み、前記モザイクタイル間に露出した前記滑り止め部材をカッターナイフで切断可能とした請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の置き型タイル。
【請求項4】
前記カッターナイフで切断可能とした滑り止め部材は、材質が対候性合成ゴムで硬度がA70、厚みが3mm~5mmで構成した請求項3に記載の置き型タイル。
【請求項5】
前記タイルはサイズの小さな複数個のモザイクタイルで裏面に、ネット状のシートを貼り付け一体化したタイルに前記滑り止め部材が積層されている請求項3又は請求項4に記載の置き型タイル。
【請求項6】
前記タイルと前記隣接タイルとの間には前記タイルと前記隣接タイルとの対面部全長に跨って目地材が着脱自在に設けられている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の置き型タイル。
【請求項7】
前記タイルと前記隣接タイルには、前記タイルと前記隣接タイルを施工する床面の不陸に対応しガタつきを防止する不陸対応手段を設けた請求項1又は請求項2又は請求項6のいずれか1項に記載の置き型タイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタイルと滑り止め部材を一体形成する事により容易にタイル施工を可能にする置き型タイルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のタイルは、特許文献1に示すように、床面にボンドや接着剤で張り付ける為職人の熟練した技術が必要とされ、エンドユーザーでは施工できないという問題点があった。下地の不陸に対してタイル仕上げ面をフラットにする必要がありその調整を貼り付けボンドの塗厚さにより調整する技術が必要であった又下地の素材により適正なボンド選択する知識も必要とされた
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、タイル施工において熟練職人の技術を必要としない置き型タイルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の置き型タイルは、平面形のタイルと前記タイルの裏面に積層された滑り止め部材よりなることを特徴とする。
又、本発明の置き型タイルにあっては、前記タイルは多角形又は円形であり、前記滑り止め部材には前記タイルの少なくとも1辺の端縁から外方に突出する突出部を形成し、前記タイルに隣接させて敷設する隣接タイルの底面で前記突出部を抑える事でタイルのずれを抑制する効果がある
又、本発明の置き型タイルにあっては、前記タイルにはサイズの小さな複数個のモザイクタイルで構成されたタイルを含み、前記モザイクタイル間に露出した前記滑り止め部材をカッターナイフで容易に切断可能とする事が望ましい。
又、本発明の置き型タイルにあっては、前記カッターナイフで切断可能とした滑り止め部材は、材質が対候性合成ゴムで硬度がA70、厚みが3mm~5mmで構成するのが望ましい。
又、本発明の置き型タイルにあっては、前記タイルはサイズの小さな複数個のモザイクタイルで、裏面にネット状のシートを貼り付け一体化することが望ましい又前記タイルは前記滑り止め部材に積層されているのが望ましい。
又、本発明の置き型タイルにあっては、前記タイルと前記隣接タイルとの間には前記タイルと前記隣接タイルとの対面部全長に跨って目地材が着脱自在に設けられているのが望ましい。
又、本発明の置き型タイルにあっては、前記タイルと前記隣接タイルには、前記タイルと前記隣接タイルを施工する床面の不陸に対応してがたつきを防止する不陸対応手段が設けられているのが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の置き型タイルは、平面形のタイルと、前記タイルの裏面に積層された滑り止め部材よりなることを特徴とするものであるから、エンドユーザー自身で敷き詰める事が可能であるという効果がある。更に、事前にタイル裏面と滑り止め部材を接着する事でボンドや接着剤を使用せずに容易に使用者自らタイルの敷き詰めを可能とするという効果がある。更に、置き型タイルにする事により模様替えや店舗撤去時の現状復旧が非常に簡単で容易である。従来のタイルは職人がボンドでタイルを貼るのが一般的であるが置きタイルはタイル裏面にゴム素材を貼る事で置くだけで床施工を完成する事が出来るという効果がある。更に、エンドユーザー自ら施工に参加する事も出来る為高価とされる素材の減額に貢献し一般家庭や低予算でのタイル施工を可能にするという効果がある。更に、置き型タイルの為破損時の取り換えや撤去が容易であり取り外した置きタイルは再利用も可能である為廃材を無くし環境にも良いという効果がある
又、請求項2のように、前記タイルは多角形又は円形であり、前記滑り止め部材には前記タイルの少なくとも1辺の端縁から外方向に突出する突出部を形成し、前記タイルに隣接させて敷設する隣接タイルの底面で前記突出部を抑えたものは、ズレを抑制する効果がある。
又、請求項3のように、前記タイルはサイズの小さな複数個のモザイクタイルで構成されており、前記モザイクタイル間に露出した前記滑り止め部材をカッターナイフで切断可能とするものは、寸法調整が容易にできる効果がある。
又、請求項4のように、前記カッターナイフで切断可能とした滑り止め部材は、材質が対候性合成ゴムで硬度がA70、厚みが3mm~5mmで構成したものは、全方向に対し滑りやタイルのズレを抑制する効果がある。
又、請求項5のように、前記タイルはサイズの小さな複数個のモザイクタイルは、裏面にネット状のシート貼り付け一体化することで、小さな個々のタイルと前記滑り止め部材との接着強度を上げる効果がある。
又、請求項6のように、前記タイルと前記隣接タイルとの間には前記タイルと前記隣接タイルとの対面部全長に跨って目地材が着脱自在に設けられているものは、目地幅を調整する事でバランスよくタイルの敷き詰める効果がある。
又、請求項7のように、前記タイルと前記隣接タイルには、前記タイルと前記隣接タイルを施工する床面の不陸に対応してタイルのがたつきを防止する不陸対応手段が設けられている為、不陸のある下地でも水平にタイルを敷き詰めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
置き型タイル1は、磁器・せっ器・陶器・セラミック・石材・ガラス等の床材・仕上げ材 又 規則的に分けられた平面上の区画から成るタイル2と、タイルの裏面に積層された滑り止め部材3よりなっている。
【0009】
タイル2は、規則的に分けられた平面上の区画から成る磁器・せっ器・陶器・セラミック・石材・ガラス等の仕上げ材でサイズや形状、メーカーは問わない
【0010】
滑り止め部材3は、材質が対候性合成ゴムで硬度A70、厚みが3mm~5mm筋面を床接地面とする事で全方向に対する滑り止め効果がある。滑り止め部材3の床接地面には、幅が2.5mm、深さが1.6mmの凹凸形状の溝が連続して形成されている。滑り止め部材3は入間川ゴム株式会社製のイルマゴムマットを使用する事が出来る。(タテ筋ゴムマット IRC-B)
【0011】
突出部4は、上記滑り止め部材を最低でも1面以上15mm程度突出しており隣接するタイルで抑える事で滑りを抑制する効果がある
【0012】
接着剤5は、タイル2と滑り止め部材3とをせっちゃくするものであり、一液反応型変成シリコーン・エポキシ樹脂系接着剤で硬化後はゴム状の弾力性を持つため、下地変形や熱膨張などによる応力を緩和する効果がある
【0013】
モザイクタイル6は、50mm以下の小さなタイルで、敷き詰めによる寸法調整等タイル区画に沿ってカッターナイフで切断可能である為比較的容易に敷き詰めることが出来る
【0014】
不陸調整材7は、施工する建築床面とタイル2の底面に隙間がある場合に充填物(ゴム材)を敷きして建築床面の不陸を吸収するものであり、厚さ0,5mm~1mmで平面形50mm×50mm程度のゴムシートをタイル2と隣接するタイル2のジョイント部裏面に重ねて置く事で安易に不陸調整することが出来る。
【0015】
不陸調整材7は接着剤4を置き型タイル1と建築床面との間に充填し調整する事も出来る
【0016】
不陸調整材7は樹脂を熱で溶かし接着するツール(グルーガン)を用いて調整する事が出来る 比較的容易に使用できるツールでエンドユーザーでも簡単に使用する事が出来る。
【0017】
下地が木材(コンパネ)やコンクリートの場合滑りを抑えるために合成樹脂系ベースの水性プライマーと水を1対1の比率で希釈して下地にローラーで1回塗ることで置き型タイル1のズレを抑制する効果がある
【産業上の利用可能性】
【0018】
テナントビル等の退去時に伴う現状復旧も従来の施工方法によるモルタルやボンドで固定していない為容易であり再利用も可能で廃材なども削減でき地球環境にも良い。
【符号の説明】
【0019】
1 置き型タイル
2 タイル
3 滑り止め部材
4 突出部
5 接着剤
6 モザイクタイル
7 不陸対応手段
【手続補正書】
【提出日】2022-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
【
図5】
本発明の置き型タイルの不陸調整材を用いた断面図
【
図6】
本発明の置き型タイルの不陸調整材を用いた他の実施例の断面図
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
図1及び図2に示すように、置き型タイル1は、磁器・せっ器・陶器・セラミック・石材・ガラス等の床材・仕上げ材 又 規則的に分けられた平面上の区画から成るタイル2と、タイルの裏面に積層された滑り止め部材3よりなっている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
図3及び図4に示すモザイクタイル6は、50mm以下の小さなタイルで、敷き詰めによる寸法調整等タイル区画に沿ってカッターナイフで切断可能である為比較的容易に敷き詰めることが出来る
。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
図5に示す不陸対応手段7は、施工する建築床面とタイル2の底面に隙間がある場合に充填物(ゴム材)を敷きして建築床面の不陸を吸収するものであり、厚さ0,5mm~1mmで平面形50mm×50mm程度のゴムシートをタイル2と隣接するタイル2のジョイント部裏面に重ねて置く事で安易に不陸調整することが出来る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
図6に示す不陸対応手段7には接着剤4を置き型タイル1と建築床面との間に充填し調整する事も出来る
。