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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068372
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】無停電電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20240513BHJP
【FI】
H02J9/06 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178759
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】石島 菜央
(72)【発明者】
【氏名】松本 竜
【テーマコード(参考)】
5G015
【Fターム(参考)】
5G015FA10
5G015GA02
5G015HA02
5G015HA03
5G015JA01
5G015JA06
5G015JA07
5G015JA09
5G015JA21
5G015JA52
(57)【要約】
【課題】配線の設計の効率化を図ることが可能な無停電電源装置を提供する。
【解決手段】この無停電電源装置100は、無停電電源装置100の外部の交流電源10から供給される交流電力を変換するとともに、変換された交流電力を無停電電源装置100の外部の負荷102に対して供給する電力変換ユニット11と、無停電電源装置100における電気回路の遮断に用いられ、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100のいずれかに対応する性能を有する遮断器MCと、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100の遮断器MCに接続可能な線長を有し、複数の仕様の無停電電源装置100に共通の第1共通配線71と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
停電時に一定時間電力を供給する無停電電源装置であって、
前記無停電電源装置の外部の交流電源から供給される交流電力を変換するとともに、変換された交流電力を前記無停電電源装置の外部の負荷に対して供給する電力変換部と、
前記無停電電源装置における電気回路の遮断に用いられ、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の前記無停電電源装置のいずれかに対応する性能を有する遮断器と、
互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の前記無停電電源装置の前記遮断器に接続可能な線長を有し、複数の仕様の前記無停電電源装置に共通の第1共通配線と、を備える、無停電電源装置。
【請求項2】
前記第1共通配線の線長は、複数の仕様の前記無停電電源装置の各々における共通の基準位置から前記第1共通配線を前記遮断器に接続するまでの前記第1共通配線の線長のうち、最大の線長となるように設定されている、請求項1に記載の無停電電源装置。
【請求項3】
前記遮断器は、遮断器側端子を含み、
前記遮断器側端子と前記第1共通配線とを接続する第1接続導体をさらに備え、
前記第1接続導体の前記第1共通配線に接続される第1接続部分は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の前記無停電電源装置に共通の形状を有する、請求項1または2に記載の無停電電源装置。
【請求項4】
前記第1共通配線は、円環状の第1共通配線側端子を含み、
前記第1接続導体の前記第1接続部分は、円形の孔形状を有し、
前記円環状の第1共通配線側端子の孔の直径と、前記第1接続部分の孔の直径とは略等しい、請求項3に記載の無停電電源装置。
【請求項5】
前記遮断器は、複数配置され、
前記第1接続導体は、前記複数の遮断器の前記遮断器側端子同士を接続する遮断器同士接続導体を含む、請求項3に記載の無停電電源装置。
【請求項6】
前記遮断器は、
前記交流電源と前記電力変換部との間に設けられる第1遮断器と、
前記電力変換部と前記電力変換部に電力を供給するバッテリとの間に設けられる第2遮断器と、
前記電力変換部と前記負荷との間に設けられる第3遮断器と、
前記交流電源からの交流電力を、前記電力変換部を介さずに前記負荷へと供給するバイパス回路に設けられている第4遮断器と、を含む、請求項1または2に記載の無停電電源装置。
【請求項7】
前記電気回路を前記無停電電源装置の外部に接続するための外部接続部をさらに備え、
前記外部接続部は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の前記無停電電源装置のいずれかに対応する性能を有する外部接続端子を含み、
互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の前記無停電電源装置の前記外部接続端子に接続可能な線長を有し、複数の仕様の前記無停電電源装置に共通の第2共通配線をさらに備える、請求項1または2に記載の無停電電源装置。
【請求項8】
前記外部接続端子と前記第2共通配線とを接続する第2接続導体をさらに備え、
前記第2接続導体の前記第2共通配線に接続される第2接続部分は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の前記無停電電源装置に共通の形状を有する、請求項7に記載の無停電電源装置。
【請求項9】
前記第2共通配線は、円環状の第2共通配線側端子を含み、
前記第2接続導体の前記第2接続部分は、円形の孔形状を有し、
前記円環状の第2共通配線側端子の孔の直径と、前記第2接続導体の前記第2接続部分の孔の直径とは略等しい、請求項8に記載の無停電電源装置。
【請求項10】
前記遮断器に直接接続され、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の前記無停電電源装置の前記遮断器に接続可能な線長を有し、複数の仕様の前記無停電電源装置に共通の第3共通配線をさらに備える、請求項1または2に記載の無停電電源装置。
【請求項11】
前記遮断器に流れる電流の電流量を検出する電流検出部と、
前記電流検出部に接続され、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の前記無停電電源装置の前記電流検出部に接続可能な線長を有し、複数の仕様の前記無停電電源装置に共通の第4共通配線と、をさらに備える、請求項1または2に記載の無停電電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無停電電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遮断器を備える無停電電源装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載の無停電電源装置は、半導体スイッチ素子を含む電力変換部を備えている。電力変換部の入力側には、電源の開閉および保護を行うブレーカ(遮断器)が設けられている。電力変換部の出力側には、コンタクタ(遮断器)が設けられている。また、電力変換部は、バッテリから直流電力が供給されるように構成されている。電力変換部とバッテリとの間には、コンタクタ(遮断器)が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-163392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1には記載されていないが、上記特許文献1に記載のような無停電電源装置では、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置が存在する。この場合、ブレーカ(遮断器)およびコンタクタ(遮断器)は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置のいずれかに対応する性能を有する。また、無停電電源装置おいて、ブレーカおよびコンタクタの大きさや配置位置などは、無停電電源装置の仕様によって異なる。この場合、ブレーカおよびコンタクタに接続される制御線などの配線の長さを、無停電電源装置の仕様によって異ならせる必要がある。このため、配線の長さを、無停電電源装置の仕様毎に設計する必要がある。そこで、配線の設計の効率化が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、配線の設計の効率化を図ることが可能な無停電電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による無停電電源装置は、停電時に一定時間電力を供給する無停電電源装置であって、無停電電源装置の外部の交流電源から供給される交流電力を変換するとともに、変換された交流電力を無停電電源装置の外部の負荷に対して供給する電力変換部と、無停電電源装置における電気回路の遮断に用いられ、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置のいずれかに対応する性能を有する遮断器と、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置の遮断器に接続可能な線長を有し、複数の仕様の無停電電源装置に共通の第1共通配線と、を備える。
【0008】
この発明の一の局面による無停電電源装置は、上記のように、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置の遮断器に接続可能な線長を有し、複数の仕様の無停電電源装置に共通の第1共通配線を備える。これにより、第1共通配線が、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置の遮断器に接続可能な線長を有しているので、遮断器の大きさや配置位置などが無停電電源装置の仕様によって異なっている場合でも、第1共通配線を遮断器に接続することができる。その結果、第1共通配線の長さを、無停電電源装置の仕様毎に設計する必要がないので、第1共通配線の設計の効率化を図ることができる。また、第1共通配線が複数の仕様の無停電電源装置に対して共通に用いられるので、配線の種類を低減することができる。
【0009】
上記一の局面による無停電電源装置において、好ましくは、第1共通配線の線長は、複数の仕様の無停電電源装置の各々における共通の基準位置から第1共通配線を遮断器に接続するまでの第1共通配線の線長のうち、最大の線長となるように設定されている。これにより、遮断器の大きさや配置位置などが無停電電源装置の仕様によって異なっている場合でも、容易に、第1共通配線を遮断器に接続することができる。
【0010】
上記一の局面による無停電電源装置において、好ましくは、遮断器は、遮断器側端子を含み、遮断器側端子と第1共通配線とを接続する第1接続導体をさらに備え、第1接続導体の第1共通配線に接続される第1接続部分は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置に共通の形状を有する。ここで、遮断器の遮断器側端子の形状は、出力容量によって異なる。そこで、第1接続導体の第1共通配線に接続される第1接続部分の形状を、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置に共通にすることによって、遮断器の遮断器側端子の形状が出力容量によって異なる場合でも、第1接続導体を介して、第1共通配線を遮断器の遮断器側端子に容易に電気的に接続することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、第1共通配線は、円環状の第1共通配線側端子を含み、第1接続導体の第1接続部分は、円形の孔形状を有し、円環状の第1共通配線側端子の孔の直径と、第1接続部分の孔の直径とは略等しい。これにより、第1接続導体の第1接続部分と第1共通配線側端子とを、ネジなどにより容易に接続することができる。
【0012】
上記第1接続導体を備える無停電電源装置において、好ましくは、遮断器は、複数配置され、第1接続導体は、複数の遮断器の遮断器側端子同士を接続する遮断器同士接続導体を含む。これにより、複数の遮断器の遮断器側端子同士を接続する遮断器同士接続導体に対しても、第1共通配線側端子を容易に接続することができる。
【0013】
上記一の局面による無停電電源装置において、好ましくは、遮断器は、交流電源と電力変換部との間に設けられる第1遮断器と、電力変換部と電力変換部に電力を供給するバッテリとの間に設けられる第2遮断器と、電力変換部と負荷との間に設けられる第3遮断器と、交流電源からの交流電力を、電力変換部を介さずに負荷へと供給するバイパス回路に設けられている第4遮断器と、を含む。これにより、第1遮断器、第2遮断器、第3遮断器および第4遮断器の各々に接続される第1共通配線の長さを、無停電電源装置の仕様毎に設計する必要がないので、第1共通配線の設計の効率化を図ることができる。
【0014】
上記一の局面による無停電電源装置において、好ましくは、電気回路を無停電電源装置の外部に接続するための外部接続部をさらに備え、外部接続部は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置のいずれかに対応する性能を有する外部接続端子を含み、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置の外部接続端子に接続可能な線長を有し、複数の仕様の無停電電源装置に共通の第2共通配線をさらに備える。これにより、外部接続端子に接続される第2共通配線の長さを、無停電電源装置の仕様毎に設計する必要がないので、第2共通配線の設計の効率化を図ることができる。
【0015】
この場合、好ましくは、外部接続端子と第2共通配線とを接続する第2接続導体をさらに備え、第2接続導体の第2共通配線に接続される第2接続部分は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置に共通の形状を有する。ここで、外部接続端子の形状は、出力容量によって異なる。そこで、第2接続導体の第2共通配線に接続される第2接続部分の形状を、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置に共通にすることによって、外部接続端子の形状が出力容量によって異なる場合でも、第2接続導体を介して、第2共通配線を外部接続端子に容易に電気的に接続することができる。
【0016】
上記第2接続導体を備える無停電電源装置において、好ましくは、第2共通配線は、円環状の第2共通配線側端子を含み、第2接続導体の第2接続部分は、円形の孔形状を有し、円環状の第2共通配線側端子の孔の直径と、第2接続導体の第2接続部分の孔の直径とは略等しい。これにより、第2接続導体の第2接続部分と第2共通配線側端子とを、ネジなどにより容易に接続することができる。
【0017】
上記一の局面による無停電電源装置において、好ましくは、遮断器に直接接続され、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置の遮断器に接続可能な線長を有し、複数の仕様の無停電電源装置に共通の第3共通配線をさらに備える。これにより、第3共通配線が、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置の遮断器に接続可能な線長を有しているので、遮断器の配置位置が無停電電源装置の仕様によって異なっている場合でも、第3共通配線を遮断器に接続することができる。その結果、第3共通配線の長さを、無停電電源装置の仕様毎に設計する必要がないので、第3共通配線の設計の効率化を図ることができる。また、第3共通配線が複数の仕様の無停電電源装置に対して共通に用いられるので、配線の種類を低減することができる。
【0018】
上記一の局面による無停電電源装置において、好ましくは、遮断器に流れる電流の電流量を検出する電流検出部と、電流検出部に接続され、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置の電流検出部に接続可能な線長を有し、複数の仕様の無停電電源装置に共通の第4共通配線と、をさらに備える。これにより、第4共通配線が、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置の電流検出部に接続可能な線長を有しているので、電流検出部の配置位置が無停電電源装置の仕様によって異なっている場合でも、第4共通配線を電流検出部に接続することができる。その結果、第4共通配線の長さを、無停電電源装置の仕様毎に設計する必要がないので、第4共通配線の設計の効率化を図ることができる。また、第4共通配線が複数の仕様の無停電電源装置に対して共通に用いられるので、配線の種類を低減することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記のように、配線の設計の効率化を図ることが可能な無停電電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態による無停電電源装置の回路図である。
図2】本発明の一実施形態による無停電電源装置の全体構成を示す側面図である。
図3】本発明の一実施形態による無停電電源装置(3相50kVA)の遮断ユニット、および、第1共通配線を示す図である。
図4】本発明の一実施形態による無停電電源装置(3相50kVA)の遮断ユニットを示す図(第1接続導体を除いた図)である。
図5】本発明の一実施形態による無停電電源装置(3相20kVA)の遮断ユニット、および、第1共通配線を示す図である。
図6】本発明の一実施形態による無停電電源装置(単相20kVA)の遮断ユニット、および、第1共通配線を示す図である。
図7】本発明の一実施形態による第1共通配線を示す図である。
図8】本発明の一実施形態による無停電電源装置(3相50kVA)の第1遮断器に接続される第1接続導体を示す図である。
図9】本発明の一実施形態による無停電電源装置(3相50kVA)の第2遮断器に接続される第1接続導体を示す図(1)である。
図10】本発明の一実施形態による無停電電源装置(3相50kVA)の第2遮断器に接続される第1接続導体を示す図(2)である。
図11】本発明の一実施形態による無停電電源装置(単相20kVA)の第1遮断器に接続される第1接続導体を示す図である。
図12】本発明の一実施形態による無停電電源装置(3相50kVA)の第3遮断器および第4遮断器に接続される遮断器同士接続導体を示す図である。
図13】本発明の一実施形態による外部接続ユニットを示す図である。
図14】本発明の一実施形態による第2接続導体および第2共通配線を示す図である。
図15】本発明の一実施形態による無停電電源装置(3相50kVA)の遮断ユニット、および、第3共通配線を示す図である。
図16】本発明の一実施形態による無停電電源装置(3相20kVA)、および、第3共通配線を示す図である。
図17】本発明の一実施形態による無停電電源装置(単相20kVA)、および、第3共通配線を示す図である。
図18】本発明の一実施形態による第3共通配線を示す図である。
図19】本発明の一実施形態による無停電電源装置(3相50kVA)の遮断ユニット、および、第4共通配線を示す図である。
図20】本発明の一実施形態による無停電電源装置(3相20kVA)、および、第4共通配線を示す図である。
図21】本発明の一実施形態による無停電電源装置(単相20kVA)、および、第4共通配線を示す図である。
図22】本発明の一実施形態による第4共通配線を示す図である。
図23】変形例による無停電電源装置(単相20kVA)を示す図である。
図24】変形例による遮断器同士接続導体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1図22を参照して、本発明の一実施形態による無停電電源装置100の構成について説明する。
【0023】
(無停電電源装置の全体構成)
図1に示すように、無停電電源装置100は、停電時に一定時間電力を供給する装置である。具体的には、無停電電源装置100は、無停電電源装置100の外部の交流電源101からの交流電力が無停電電源装置100に対して正常に供給されている正常時において、交流電源101からの交流電力を変換して無停電電源装置100の外部の負荷102に出力するように構成されている。そして、無停電電源装置100は、停電等によって交流電源101からの交流電力が供給されない異常時において、バックアップ用のバッテリ30からの直流電力を電力変換によって交流電力に変換して負荷102に出力するように構成されている。
【0024】
図2に示すように、無停電電源装置100は、複数の電気機器ユニット10と、複数の電気機器ユニット10を収容する筐体20と、を備える。なお、以下の説明では、筐体20の左右方向、前後方向および上下方向を、それぞれ、X方向、Y方向およびZ方向とする。また、筐体20の前側および後側を、それぞれ、Y1側およびY2側とする。また筐体20の上側および下側を、それぞれ、Z1側およびZ2側とする。また、X方向の一方側をX1側、他方側をX2側とする。
【0025】
複数の電気機器ユニット10は、電力変換ユニット11と、第1リアクトルユニット12と、第2リアクトルユニット13と、トランスユニット14と、制御ユニット15と、遮断ユニット16と、外部接続ユニット17と、を含む。なお、電力変換ユニット11は、特許請求の範囲の「電力変換部」の一例である。また、外部接続ユニット17は、特許請求の範囲の「外部接続部」の一例である。
【0026】
図1に示すように、電力変換ユニット11は、コンバータ部11aと、インバータ部11bと、チョッパ部11cと、を含む。コンバータ部11aは、交流電源101から入力された交流電力を直流電力に変換する整流器回路を有する。コンバータ部11aにより変換された直流電力は、インバータ部11bに対して出力される。インバータ部11bは、入力された直流電力を交流電力に変換する。チョッパ部11cは、バッテリ30から入力された直流電力を昇圧してインバータ部11bに対して供給する。コンバータ部11a、インバータ部11b、および、チョッパ部11cは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子を有する。電力変換ユニット11は、スイッチング素子がスイッチングされることによって電力変換を行う。電力変換ユニット11は、交流電源101から供給される交流電力を変換するとともに、変換された交流電力を負荷102に対して供給するように構成されている。また、電力変換ユニット11は、バッテリ30から供給される直流電力を交流電力に変換するとともに、変換された交流電力を負荷102に対して供給する。
【0027】
第1リアクトルユニット12(図2参照)は、電力変換ユニット11の交流電力の入力側に電気的に接続される第1交流リアクトル12aと、電力変換ユニット11の出力側に電気的に接続される第2交流リアクトル12bと、を含む。第1交流リアクトル12aおよび第2交流リアクトル12bは、交流電力における高調波を抑制する。
【0028】
第2リアクトルユニット13(図2参照)は、第1交流リアクトル12aの入力側に接続される第3交流リアクトル13aと、電力変換ユニット11の直流電力の入力側に接続された直流リアクトル13bと、を含む。第3交流リアクトル13aは、たとえば、交流電源101から入力される交流電力の力率を改善する。直流リアクトル13bは、電力変換ユニット11に直流電力を供給するバッテリ30と電力変換ユニット11との間に接続される。
【0029】
トランスユニット14(図2参照)は、第2交流リアクトル12bの出力側に電気的に接続されるトランス14aを含む。トランス14aは、入力された交流電力を変圧して出力する。また、トランス14aでは、入力側と出力側とが電気的に絶縁されている。
【0030】
図2に示すように、制御ユニット15は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等が設けられたPCB(Poly Chlorinated Biphenyl)基板を含む。制御ユニット15は、無停電電源装置100の各部の制御を行う。すなわち、制御ユニット15は、電力変換ユニット11を制御するように構成されている。
【0031】
図1に示すように、遮断ユニット16(図2参照)は、無停電電源装置100における電気回路の遮断に用いられる。具体的には、本実施形態では、遮断ユニット16は、複数の遮断器MCを含む。複数の遮断器MCは、第1遮断器MC1と、第2遮断器MC2と、第3遮断器MC3と、第4遮断器MC4と、を含む。第1遮断器MC1は、交流電源101と電力変換ユニット11との間に設けられる。具体的には、第1遮断器MC1は、第3交流リアクトル13aの入力側に接続されている。第2遮断器MC2は、電力変換ユニット11と電力変換ユニット11に電力を供給するバッテリ30との間に設けられる。具体的には、第2遮断器MC2は、直流リアクトル13bの入力側に接続されている。第3遮断器MC3は、電力変換ユニット11と負荷102との間に設けられる。具体的には、第3遮断器MC3は、トランス14aの出力側に接続されている。第4遮断器MC4は、交流電源101からの交流電力を、電力変換ユニット11を介さずに負荷102へと供給するバイパス回路に設けられている。第4遮断器MC4には、サイリスタThが並列に接続されている。第1遮断器MC1、第2遮断器MC2、第3遮断器MC3および第4遮断器MC4は、たとえば、電磁接触器である。
【0032】
ここで、遮断器MCは、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100のいずれかに対応する性能を有する。図3は、3相50kVAの出力容量を有する無停電電源装置100aの遮断ユニット16aを表している。遮断ユニット16aは、第1遮断器MC1a、第2遮断器MC2a、第3遮断器MC3aおよび第4遮断器MC4aを含む。図5は、3相20kVAの出力容量を有する無停電電源装置100bの遮断ユニット16bを表す。遮断ユニット16bは、第1遮断器MC1b、第2遮断器MC2b、第3遮断器MC3bおよび第4遮断器MC4bを含む。図6は、単相20kVAの出力容量を有する無停電電源装置100cの遮断ユニット16cを表している。遮断ユニット16cは、第1遮断器MC1c、第2遮断器MC2c、第3遮断器MC3cおよび第4遮断器MC4cを含む。図3図5および図6に示すように、第1遮断器MC1a、第1遮断器MC1b、および、第1遮断器MC1cの大きさや配置位置などが互いに異なっている。第2遮断器MC2、第3遮断器MC3および第4遮断器MC4についても同様である。
【0033】
ここで、本実施形態では、図3図5および図6に示すように、無停電電源装置100は、第1共通配線71を備えている。第1共通配線71は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100の遮断器MCに接続可能な線長を有する。第1共通配線71は、複数の仕様の無停電電源装置100に共通である。第1共通配線71は、たとえば、遮断器MCに印加される電圧を検出するための配線である。なお、図3図5および図6では、図の簡略化のため、第1共通配線71は、1本の配線から分岐された配線を有するように記載されているが、実際には、第1共通配線71は、複数の配線が束ねられたものである。
【0034】
本実施形態では、第1共通配線71の線長は、複数の仕様の無停電電源装置100の各々における共通の基準位置P1から第1共通配線71を遮断器MCに接続するまでの第1共通配線71の線長のうち、最大の線長となるように設定されている。以下に、第1共通配線71の線長の設定について説明する。図3は、3相50kVAの出力容量を有する無停電電源装置100aについて、基準位置P1から、第1遮断器MC1a、第2遮断器MC2a、第3遮断器MC3aおよび第4遮断器MC4aの各々までに接続される第1共通配線71の必要長さを一点鎖線で模式的に表している。図5は、3相20kVAの出力容量を有する無停電電源装置100bについて、基準位置P1から、第1遮断器MC1b、第2遮断器MC2b、第3遮断器MC3bおよび第4遮断器MC4bの各々に接続される第1共通配線71の必要長さを一点鎖線で模式的に表している。図6は、単相20kVAの出力容量を有する無停電電源装置100cについて、基準位置P1から、第1遮断器MC1c、第2遮断器MC2c、第3遮断器MC3cおよび第4遮断器MC4cに接続される第1共通配線71の必要長さを模式的に表している。そして、第1共通配線71の、基準位置P1から第1遮断器MC1までの線長は、無停電電源装置100a、無停電電源装置100bおよび無停電電源装置100cのうち、最も大きい長さに設定される。たとえば、無停電電源装置100cにおける基準位置P1から第1遮断器MC1cまでの線長が最長である場合、第1共通配線71の、基準位置P1から第1遮断器MC1までの線長は、無停電電源装置100cにおける基準位置P1から第1遮断器MC1cまでの線長に設定される。他の遮断器MCについても同様である。なお、基準位置P1は、たとえば、遮断ユニット16a、16bおよび16cの各々の左上の隅部である。また、基準位置P1は、制御ユニット15から遮断ユニット16に配線が挿入される挿入口Q1の近傍である。このように設定された第1共通配線71が、図7に示されている。なお、図7においても、第1共通配線71は、1本の配線から分岐された配線を有するように記載されているが、実際には、第1共通配線71は、複数の配線が束ねられたものである。
【0035】
また、上記のように、第1共通配線71の線長は、複数の仕様の無停電電源装置100の各々における共通の基準位置P1から第1共通配線71を遮断器MCに接続するまでの第1共通配線71の線長のうち、最大の線長となるように設定されている。このため、無停電電源装置100によっては、第1共通配線71において、余長となる部分が生じる場合がある。この場合、第1共通配線71の余長となる部分は、遮断ユニット16内において、空いている空間に束ねられるなどの処理が施される。
【0036】
本実施形態では、図3および図4に示すように、遮断器MCは、遮断器側端子Tを含む。図3に示すように、無停電電源装置100は、遮断器側端子Tと第1共通配線71とを接続する第1接続導体80(図8図12参照)を備えている。第1接続導体80の第1共通配線71に接続される第1接続部分801は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100に共通の形状を有する。具体的には、無停電電源装置100aの第1遮断器MC1aは、複数の遮断器側端子T1aを含む。複数の遮断器側端子T1aの各々には、第1接続導体81aが接続されている。また、第2遮断器MC2aは、複数の遮断器側端子T2aを含む。複数の遮断器側端子T2aの各々には、第1接続導体82bまたは第1接続導体85bが接続されている。また、第3遮断器MC3aは、複数の遮断器側端子T3aを含む。複数の遮断器側端子T3aの各々には、第1接続導体83aが接続されている。また、第4遮断器MC4aは、複数の遮断器側端子T4aを含む。複数の遮断器側端子T4aの各々には、第1接続導体84aが接続されている。
【0037】
なお、無停電電源装置100bおよび無停電電源装置100cの遮断器MCについても同様に、遮断器側端子Tには第1接続導体80が接続されている。第1接続導体80の第1共通配線71に接続される第1接続部分801は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100に共通の形状を有する。
【0038】
たとえば、図8に示すように、無停電電源装置100aの第1遮断器MC1aの遮断器側端子T1aに接続される第1接続導体81aは、略L字形状を有する。また、第1接続導体81aは、導体バーにより形成されている。第1接続導体81aには、第1共通配線71に接続される第1接続部分811aが設けられている。また、第1接続導体81aには、遮断器側端子T1aに接続される接続部分812aが設けられている。
【0039】
第1接続導体83a、および、第1接続導体84aは、第1接続導体81aと同様の構成を有する。
【0040】
また、図9に示すように、無停電電源装置100aの第2遮断器MC2aの遮断器側端子T2aに接続される第1接続導体82aは、略L字形状を有する。また、第1接続導体82aは、導体バーにより形成されている。第1接続導体82aには、第1共通配線71に接続される第1接続部分821aが設けられている。第1接続導体82aには、遮断器側端子T2aに接続される接続部分822aが設けられている。
【0041】
また、図10に示すように、無停電電源装置100aの第2遮断器MC2aの遮断器側端子T2aに接続される第1接続導体85aは、段差形状を有する。また、第1接続導体85aは、導体バーにより形成されている。第1接続導体85aには、第1共通配線71に接続される第1接続部分851aが設けられている。第1接続導体85aには、遮断器側端子T2aに接続される接続部分852aが設けられている。
【0042】
また、図11に示すように、無停電電源装置100cの第1遮断器MC1cの遮断器側端子T1cに接続される第1接続導体81cは、略L字形状を有する。また、第1接続導体81cは、導体バーにより形成されている。第1接続導体81cには、第1共通配線71に接続される第1接続部分811cが設けられている。また、第1接続導体81cには、遮断器側端子T1cに接続される接続部分812cが設けられている。
【0043】
そして、無停電電源装置100aの第1接続導体81aの第1接続部分811aの形状、第1接続導体82aの第1接続部分821aの形状、第1接続部分851aの形状、および、無停電電源装置100cの第1接続導体81cの第1接続部分811cの形状は、互いに等しい。
【0044】
なお、無停電電源装置100cの第1接続導体82c、第1接続導体83c、第1接続導体84cおよび第1接続導体85cの各々の、第1共通配線71に接続される第1接続部分(図示せず)は、無停電電源装置100aの第1接続導体81aの第1接続部分811aなどの形状と、共通の形状を有する。また、無停電電源装置100bの第1接続導体81b、第1接続導体82b、第1接続導体83b、および、第1接続導体84bの各々の、第1共通配線71に接続される第1接続部分(図示せず)は、無停電電源装置100aの第1接続導体81aの第1接続部分811aなどの形状と、共通の形状を有する。
【0045】
本実施形態では、図8に示すように、第1共通配線71は、円環状の第1共通配線側端子71aを含む。また、第1接続導体81aの第1接続部分811aは、円形の孔形状を有する。円環状の第1共通配線側端子71aの孔の直径r1と、第1接続部分811aの孔の直径r2とは略等しい。同様に、図9に示す第1接続導体82aの第1接続部分821aの直径r3、図10に示す第1接続導体85aの第1接続部分851aの直径r4、図11に示す第1接続導体81cの第1接続部分811cの直径r5は、第1共通配線側端子71aの孔の直径r1と、略等しい。なお、他の第1接続導体についても同様である。また、第1共通配線71と、第1接続導体81aの第1接続部分811aとは、ネジなどにより締結される。他の第1接続導体についても同様である。第1接続部分811a、第1接続部分821a、第1接続部分851aおよび第1接続部分811cは、たとえば、タップ孔である。
【0046】
また、本実施形態では、図3および図12に示すように、第1接続導体80は、第3遮断器MC3aの遮断器側端子T3aおよび第4遮断器MC4aの遮断器側端子T4a同士を接続する遮断器同士接続導体90を含む。図12に示すように、遮断器同士接続導体90は、段差形状を有する。遮断器同士接続導体90の一方端は、第3遮断器MC3aの遮断器側端子T3aに接続され、遮断器同士接続導体90の他方端は、第4遮断器MC4aの遮断器側端子T4aに接続される。遮断器同士接続導体90には、第1共通配線71に接続される第1接続部分90aが設けられている。第1接続部分90aは、円形の孔形状を有する。第1共通配線71の第1共通配線側端子71aの孔の直径r1と、第1接続部分90aの孔の直径r6とは、略等しい。第1接続部分90aは、たとえば、タップ孔である。
【0047】
図13に示すように、外部接続ユニット17は、無停電電源装置100における電気回路を無停電電源装置100の外部に接続する外部接続端子17aを含む。具体的には、外部接続端子17aは、無停電電源装置100を、無停電電源装置100の外部の交流電源101、無停電電源装置100の外部の負荷102等に接続可能に構成されている。
【0048】
本実施形態では、外部接続端子17aは、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100のいずれかに対応する性能を有する。外部接続端子17aは、出力容量や、顧客の要望などに応じて、形状や大きさが異なる。そして、無停電電源装置100は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100の外部接続端子17aに接続可能な線長を有し、複数の仕様の無停電電源装置100に共通の第2共通配線72を備える。第2共通配線72は、外部接続端子17aに接続されている。
【0049】
本実施形態では、図14に示すように、無停電電源装置100は、外部接続端子17aと第2共通配線72とを接続する第2接続導体91を備えている。第2接続導体91の第2共通配線72に接続される第2接続部分91aは、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100に共通の形状を有する。第2接続導体91は、略L字形状を有する。また、第2接続導体91は、導体バーにより形成されている。第2接続導体91には、外部接続端子17aに接続される接続部分91bが設けられている。接続部分91bの形状は、第2接続導体91が接続される外部接続端子17aの形状に合わせて調整されている。一方、第2接続導体91の第2接続部分91aの形状は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100に共通である。
【0050】
本実施形態では、第2共通配線72は、円環状の第2共通配線側端子72aを含む。第2接続導体91の第2接続部分91aは、円形の孔形状を有する。円環状の第2共通配線側端子72aの孔の直径r11と、第2接続導体91の第2接続部分91aの孔の直径r12とは略等しい。第2共通配線72と、第2接続導体91の第2接続部分91aとは、ネジなどにより締結される。第2接続部分91aは、たとえば、タップ孔である。
【0051】
本実施形態では、図15図17に示すように、無停電電源装置100は、第3共通配線73を備えている。第3共通配線73は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100の遮断器MCに接続可能な線長を有する。第3共通配線73は、複数の仕様の無停電電源装置100に共通である。第3共通配線73は、たとえば、遮断器MCをオンオフするための配線である。なお、図15図17では、図の簡略化のため、第3共通配線73は、1本の配線から分岐された配線を有するように記載されているが、実際には、第3共通配線73は、複数の配線が束ねられたものである。なお、第3共通配線73は、第1共通配線71と異なり、第1接続導体80を介さずに、直接遮断器MCに接続されている。第3共通配線73の線長は、上記第1共通配線71と同様に、複数の仕様の無停電電源装置100の各々における共通の基準位置P2から第3共通配線73を遮断器MCに接続するまでの第3共通配線73の線長のうち、最大の線長となるように設定されている。このように設定された第3共通配線73が、図18に示されている。基準位置P2は、遮断ユニット16の左上方でかつ、基準位置P1のX1側に位置する。たとえば、基準位置P2は、制御ユニット15から遮断ユニット16に配線が挿入される挿入口Q2に対応する。
【0052】
本実施形態では、図19図21に示すように、無停電電源装置100は、遮断器MCに流れる電流の電流量を検出する電流検出部CTを備えている。電流検出部CTは、たとえば、3つの電流検出部CT1、電流検出部CT2および電流検出部CT3を含む。無停電電源装置100は、第4共通配線74を備えている。第4共通配線74は、電流検出部CTに接続されている。第4共通配線74は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100の電流検出部CTに接続可能な線長を有する。第4共通配線74は、複数の仕様の無停電電源装置100に共通である。
【0053】
図19図21では、図の簡略化のため、第4共通配線74は、1本の配線から分岐された配線を有するように記載されているが、実際には、第4共通配線74は、複数の配線が束ねられたものである。第4共通配線74の線長は、上記第1共通配線71と同様に、複数の仕様の無停電電源装置100の各々における共通の基準位置P3から第4共通配線74を電流検出部CTに接続するまでの第4共通配線74の線長のうち、最大の線長となるように設定されている。このように設定された第4共通配線74が、図22に示されている。基準位置P3は、遮断ユニット16の左上方でかつ、基準位置P2のX1側に位置する。たとえば、基準位置P3は、制御ユニット15から遮断ユニット16に配線が挿入される挿入口Q3に対応する。
【0054】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0055】
本実施形態では、上記のように、無停電電源装置100は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100の遮断器MCに接続可能な線長を有し、複数の仕様の無停電電源装置100に共通の第1共通配線71を備える。これにより、第1共通配線71が、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100の遮断器MCに接続可能な線長を有しているので、遮断器MCの大きさや配置位置などが無停電電源装置100の仕様によって異なっている場合でも、第1共通配線71を遮断器MCに接続することができる。その結果、第1共通配線71の長さを、無停電電源装置100の仕様毎に設計する必要がないので、第1共通配線71の設計の効率化を図ることができる。また、第1共通配線71が複数の仕様の無停電電源装置100に対して共通に用いられるので、配線の種類を低減することができる。
【0056】
本実施形態では、上記のように、第1共通配線71の線長は、複数の仕様の無停電電源装置100の各々における共通の基準位置P1から第1共通配線71を遮断器MCに接続するまでの第1共通配線71の線長のうち、最大の線長となるように設定されている。これにより、遮断器MCの大きさや配置位置などが無停電電源装置100の仕様によって異なっている場合でも、容易に、第1共通配線71を遮断器MCに接続することができる。
【0057】
本実施形態では、上記のように、第1接続導体80の第1共通配線71に接続される第1接続部分801は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100に共通の形状を有する。ここで、遮断器MCの遮断器側端子Tの形状は、出力容量によって異なる。そこで、第1接続導体80の第1共通配線71に接続される第1接続部分801の形状を、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100に共通にすることによって、遮断器MCの遮断器側端子Tの形状が出力容量によって異なる場合でも、第1接続導体80を介して、第1共通配線71を遮断器MCの遮断器側端子Tに容易に電気的に接続することができる。
【0058】
本実施形態では、上記のように、第1共通配線71は、円環状の第1共通配線側端子71aを含み、第1接続導体80の第1接続部分801は、円形の孔形状を有し、円環状の第1共通配線側端子71aの孔の直径r1と、第1接続部分801の孔の直径(r2、r3、r4およびr5)とは略等しい。これにより、第1接続導体80の第1接続部分801と第1共通配線側端子71aとを、ネジなどにより容易に接続することができる。
【0059】
本実施形態では、上記のように、第1接続導体80は、複数の遮断器MCの遮断器側端子T同士を接続する遮断器同士接続導体90を含む。これにより、複数の遮断器MCの遮断器側端子T同士を接続する遮断器同士接続導体90に対しても、第1共通配線側端子71aを容易に接続することができる。
【0060】
本実施形態では、上記のように、遮断器MCは、交流電源101と電力変換ユニット11との間に設けられる第1遮断器MC1と、電力変換ユニット11と電力変換ユニット11に電力を供給するバッテリ30との間に設けられる第2遮断器MC2と、電力変換ユニット11と負荷102との間に設けられる第3遮断器MC3と、交流電源101からの交流電力を、電力変換ユニット11を介さずに負荷102へと供給するバイパス回路に設けられている第4遮断器MC4と、を含む。これにより、第1遮断器MC1、第2遮断器MC2、第3遮断器MC3および第4遮断器MC4の各々に接続される第1共通配線71の長さを、無停電電源装置100の仕様毎に設計する必要がないので、第1共通配線71の設計の効率化を図ることができる。
【0061】
本実施形態では、上記のように、無停電電源装置100は、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100の外部接続端子17aに接続可能な線長を有し、複数の仕様の無停電電源装置100に共通の第2共通配線72をさらに備える。これにより、外部接続端子17aに接続される第2共通配線72の長さを、無停電電源装置100の仕様毎に設計する必要がないので、第2共通配線72の設計の効率化を図ることができる。
【0062】
本実施形態では、上記のように、第2接続導体91の第2共通配線72に接続される第2接続部分91aは、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100に共通の形状を有する。ここで、外部接続端子17aの形状は、出力容量によって異なる。そこで、第2接続導体91の第2共通配線72に接続される第2接続部分91aの形状を、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100に共通にすることによって、外部接続端子17aの形状が出力容量によって異なる場合でも、第2接続導体91を介して、第2共通配線72を外部接続端子17aに容易に電気的に接続することができる。
【0063】
本実施形態では、上記のように、第2接続導体91の第2接続部分91aは、円形の孔形状を有し、円環状の第2共通配線側端子72aの孔の直径r11と、第2接続導体91の第2接続部分91aの孔の直径r12とは略等しい。これにより、第2接続導体91の第2接続部分91aと第2共通配線側端子72aとを、ネジなどにより容易に接続することができる。
【0064】
本実施形態では、上記のように、無停電電源装置100は、遮断器MCに直接接続され、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100の遮断器MCに接続可能な線長を有し、複数の仕様の無停電電源装置100に共通の第3共通配線73をさらに備える。これにより、第3共通配線73が、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100の遮断器MCに接続可能な線長を有しているので、遮断器MCの配置位置が無停電電源装置100の仕様によって異なっている場合でも、第3共通配線73を遮断器MCに接続することができる。その結果、第3共通配線73の長さを、無停電電源装置100の仕様毎に設計する必要がないので、第3共通配線73の設計の効率化を図ることができる。また、第3共通配線73が複数の仕様の無停電電源装置100に対して共通に用いられるので、配線の種類を低減することができる。
【0065】
本実施形態では、上記のように、無停電電源装置100は、電流検出部CTに接続され、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100の電流検出部CTに接続可能な線長を有し、複数の仕様の無停電電源装置100に共通の第4共通配線74を備える。これにより、第4共通配線74が、互いに異なる出力容量を有する複数の仕様の無停電電源装置100の電流検出部CTに接続可能な線長を有しているので、電流検出部CTの配置位置が無停電電源装置100の仕様によって異なっている場合でも、第4共通配線74を電流検出部CTに接続することができる。その結果、第4共通配線74の長さを、無停電電源装置100の仕様毎に設計する必要がないので、第4共通配線74の設計の効率化を図ることができる。また、第4共通配線74が複数の仕様の無停電電源装置100に対して共通に用いられるので、配線の種類を低減することができる。
【0066】
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0067】
たとえば、上記実施形態では、遮断器MCの遮断器側端子Tと、第1共通配線71とが、第1接続導体80を介して接続される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数の仕様の無停電電源装置100において共通の遮断器MCが用いられた場合は、第1共通配線71の第1共通配線側端子71aの形状を共通の遮断器MCの遮断器側端子Tの形状に適合するように形成することにより、遮断器MCの遮断器側端子Tと、第1共通配線71とを直接接続することが可能である。
【0068】
また、上記実施形態では、第1接続導体80が略L字形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1接続導体80が略L字形状以外の平板形状等であってもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、遮断ユニット16に複数の遮断器MCが配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、遮断ユニット16に1つのみの遮断器MCが配置されていてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、第1共通配線71が遮断器MCおよび外部接続端子17aに接続される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1共通配線71が遮断器MCのみに接続され、外部接続端子17aには、無停電電源装置100の仕様によって異なる配線が接続されていてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、第2接続導体91が略L字形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2接続導体91が略L字形状以外の平板形状等であってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、遮断器MCに直接接続される第3共通配線73および電流検出部CTに接続される第4共通配線74が複数の仕様の無停電電源装置100において共通である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、遮断器MCに直接接続される配線、および、電流検出部CTに接続される配線が、複数の仕様の無停電電源装置100毎に個別に設けられていてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、遮断器同士接続導体90が、第3遮断器MC3aと第4遮断器MC4aとを接続する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図23に示すように、無停電電源装置100cの第1遮断器MC1cに、第5遮断器MCCBを接続する遮断器同士接続導体110を配置してもよい。図24に示すように、遮断器同士接続導体110は、段差形状を有する。遮断器同士接続導体110には、第1共通配線71が接続される第1接続部分110aが設けられている。
【符号の説明】
【0074】
11 電力変換ユニット(電力変換部)
17 外部接続ユニット(外部接続部)
17a 外部接続端子
71 第1共通配線
71a 第1共通配線側端子
72 第2共通配線
72a 第2共通配線側端子
73 第3共通配線
74 第4共通配線
80 第1接続導体
81a、82a、83a、84a 第1接続導体
81b、82b、83b、84b 第1接続導体
81c、82c、83c、84c 第1接続導体
90、110 遮断器同士接続導体
90a、110a 第1接続部
91 第2接続導体
91a 第2接続部分
100、100a、100b、100c 無停電電源装置
101 交流電源
102 負荷
801,811a、811c、821a、851a 第1接続部分
CT、CT1、CT2、CT3 電流検出部C
MC 遮断器
MC1、MC1a、MC1b、MC1c 第1遮断器
MC2、MC2a、MC2b、MC2c 第2遮断器
MC3、MC3a、MC3b、MC3c 第3遮断器
MC4、MC4a、MC4b、MC4c 第4遮断器
P1 基準位置
T、T1a、T2a、T3a、T4a、T1c 遮断器側端子

図1
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