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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068411
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】ケーブルコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/719 20110101AFI20240513BHJP
   H01R 24/60 20110101ALI20240513BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
H01R13/719
H01R24/60
H05K1/18 Z
H05K1/18 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178843
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】楊 竣凱
(72)【発明者】
【氏名】上野 賢人
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
5E336
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB01
5E021FB07
5E021FC19
5E223AA11
5E223AA21
5E223AB59
5E223BA01
5E223BA07
5E223CD01
5E223DB08
5E223EA02
5E336AA04
5E336AA11
5E336BB01
5E336CC53
5E336CC59
5E336CC60
5E336DD12
5E336GG30
(57)【要約】
【課題】AC結合した信号をDCブロックによりデバイス間のデジタル信号の確実な相互通信を行うことができるケーブルコネクタを提供する。
【解決手段】本発明によるケーブルコネクタ1は、複数の端子12を備える第1のコネクタ10、および、複数の配線32が配設される第1のコネクタ基板30を有する第1のコネクタ部分4と、複数の端子18を備える第2のコネクタ16、および、複数の配線36が配設される第2のコネクタ基板34を有する第2のコネクタ部分6と、複数の配線32、36を互いに電気的に接続するためのケーブル部分2、2aと、第1のコネクタ部分に設けられたDCブロックするための複数のキャパシタ40と、を備えている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデバイスを相互に接続するためのケーブルコネクタであって、
第1のコネクタ部分であって、複数の端子を備える第1のコネクタと、この第1のコネクタが取り付けられる第1のコネクタ基板とを有し、上記第1のコネクタ基板上には上記第1のコネクタの複数の端子に電気的に接続される複数の配線が配設される第1のコネクタ部分と、
第2のコネクタ部分であって、複数の端子を備える第2のコネクタと、この第2のコネクタが取り付けられる第2のコネクタ基板とを有し、上記第2のコネクタ基板上には上記第2のコネクタの複数の端子に電気的に接続される複数の配線が配設される第2のコネクタ部分と、
上記第1のコネクタ基板上に配設された複数の配線と、上記第2のコネクタ基板上に配設された複数の配線とをそれぞれ電気的に接続するためのケーブル部分と、
上記第1のコネクタ部分または上記第2のコネクタ部分の少なくとも一方に設けられたDCブロックするための複数のキャパシタと、を備える、ことを特徴とするケーブルコネクタ。
【請求項2】
上記複数のキャパシタは、上記第1のコネクタ部分にのみ設けられ、
上記複数のキャパシタは、上記第1のコネクタ基板上の複数の配線にそれぞれ設けられる、請求項1に記載のケーブルコネクタ。
【請求項3】
上記複数のキャパシタは、ぞれぞれ、上記第1のコネクタ基板上の複数の配線に上記第1のコネクタに隣接して設けられる、請求項2に記載のケーブルコネクタ。
【請求項4】
上記ケーブルコネクタは、上記第1のコネクタ部分の第1のコネクタに、ACカップリング回路を含む所定の第1のデバイスの相手側コネクタが嵌合され、上記第2のコネクタ部分の第2のコネクタに、ACカップリング回路を含む所定の第2のデバイスの相手側コネクタが嵌合されるケーブルコネクタである、請求項1または請求項2に記載のケーブルコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルコネクタに係り、特に、所定のデバイスを相互に接続するケーブルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、たとえば、マザーボード(デバイス)と、ハードディスク等のデバイスとを接続し、互いに高速信号/高周波数信号を通信するためのケーブルコネクタが知られている。たとえば特許文献1には、上部ハウジングおよび下部ハウジングで囲まれた、第1のコネクタが接続された第1のプリント配線基板と、上部ハウジングおよび下部ハウジングで囲まれた、第2のコネクタが接続された第2のプリント配線基板と、それらのプリント配線基板上に配設された複数の配線を互いに接続するケーブルと、を有するケーブルコネクタの構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公開公報第2005/0130490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、デバイス等の高速化に伴い、信号の伝送技術も高速化が求められている。そのようなデバイスの伝送規格の高速化は、サーバー、クラウドコンピューティング、データセンタ、ノートPCなどの従来の信号処理デバイスに加え、近年では、車載機器を含む自動車分野に用いられるデバイスなど幅広い分野において求められている。
【0005】
ここで、接続するデバイスの仕様によっては、たとえば、一方のデバイス(回路や基板を含む)が2.5Vを基準とする交流電圧信号で駆動される回路を有し、他方のデバイスが0Vを基準とする交流電圧信号で駆動される回路を有し、それらのデバイス間でグランド電位が異なるような場合がある。このようなデバイス間のグランド電位差が存在する場合、発信側のデバイスと受信側のデバイスとの間で、信号電圧のレベルが「オフセット電圧」の分だけ動いてしまうことにより、データの「0」と「1」のしきい値が異なることになり、その結果、デジタル信号の「1」と「0」が判別できず、データを正確に伝送できなくなるという問題が生じる。
【0006】
これに対し、高速信号を扱うために、AC結合/ACカップリングという技術が知られている。このACカップリング回路では、配線上に「キャパシタ」を配置し、そのようなキャパシタを用いたDCブロックと呼ばれる技術を用いて、オフセットされているDC成分を除去して0V基準とし、交流電圧のグランドレベルを等しくするようにして、デバイス間のデジタル信号の相互通信を可能としている。
【0007】
しかしながら、従来、そのようなACカップリング回路に配置されるDCブロッキングキャパシタは、デバイスの基板上(典型的にはマザーボード上)に表面実装するようにしており、その分、基板上の実装スペースをとられて、基板上の高密度な配線の実装を設計/実現する際の障害となる、という新たな問題が生じている。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、嵌合されるデバイス側にキャパシタを必要とせずに、デバイス間のデジタル信号の確実な相互通信を行うことができるケーブルコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために本発明は、所定のデバイスを相互に接続するためのケーブルコネクタであって、第1のコネクタ部分であって、複数の端子を備える第1のコネクタと、この第1のコネクタが取り付けられる第1のコネクタ基板とを有し、第1のコネクタ基板上には第1のコネクタの複数の端子に電気的に接続される複数の配線が配設される第1のコネクタ部分と、第2のコネクタ部分であって、複数の端子を備える第2のコネクタと、この第2のコネクタが取り付けられる第2のコネクタ基板とを有し、第2のコネクタ基板上には第2のコネクタの複数の端子に電気的に接続される複数の配線が配設される第2のコネクタ部分と、第1のコネクタ基板上に配設された複数の配線と、第2のコネクタ基板上に配設された複数の配線とをそれぞれ電気的に接続するためのケーブル部分と、第1のコネクタ部分または第2のコネクタ部分の少なくとも一方に設けられたDCブロックするための複数のキャパシタと、を備える、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるケーブルコネクタによれば、嵌合されるデバイス側にキャパシタを必要とせずに、デバイス間のデジタル信号の確実な相互通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態によるケーブルコネクタの斜視図である。
図2】本実施形態によるケーブルコネクタと、それらのコネクタ部に接続されるデバイスの基板を示す斜視図である。
図3】本実施形態によるケーブルコネクタの各コネクタ部にデバイスの基板側の各コネクタが嵌合した状態を示す斜視図である。
図4】本実施形態によるケーブルコネクタの各コネクタ部にデバイスの基板側の各コネクタが嵌合した状態を示す平面図である。
図5図4のV-V線に沿って見た断面図である。
図6】本実施形態によるケーブルコネクタの第2コネクタ部分を斜め下方から見た斜視図である。
図7】本実施形態によるケーブルコネクタを分解して示す斜視図である。
図8】本実施形態のケーブルコネクタの2つのコネクタ部分およびそれらを接続するケーブル部を示す斜視図である。
図9図8に示すケーブルコネクタの第1コネクタ部分における符号IXで囲んだ領域を拡大して示す一部拡大斜視図である。
図10図8に示すケーブルコネクタの平面図である。
図11図10に示す第1コネクタ部分における符号XIで囲んだ領域を拡大して示す一部拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
先ず、図1乃至図5により、本発明の実施形態によるケーブルコネクタの全体構成およびデバイスへの嵌合態様を説明する。図1は、本発明の実施形態によるケーブルコネクタの斜視図であり、図2は、本実施形態によるケーブルコネクタと、それらのコネクタ部に接続されるデバイスの基板を示す斜視図であり、図3は、本実施形態によるケーブルコネクタの各コネクタ部にデバイスの基板側の各コネクタが嵌合した状態を示す斜視図であり、図4は、本実施形態によるケーブルコネクタの各コネクタ部にデバイスの基板側の各コネクタが嵌合した状態を示す平面図であり、図5は、図4のV-V線に沿って見た断面図である。
まず、図1および図2に示すように、本発明の実施形態によるケーブルコネクタ1は、ケーブル本体(ケーブル部分)2によって互いに電気的に接続された第1のコネクタ部分4および第2のコネクタ部分6を有する。
【0013】
まず、第1のコネクタ部分4は、ハウジング8に収容されかつハウジング8に取り付けられたコネクタ(第1のコネクタ)10を備え、図1および図2に示す組立体の状態では、コネクタ10がハウジング8から上方に突出して延びている。コネクタ10には、ハウジング8から突出した部分で露出する複数の導体の端子12が設けられている。
なお、後述する図3乃至図5では、説明の便宜上、ハウジング8の図示を省略する。
【0014】
次に、第2のコネクタ部分6は、ハウジング14に収容されかつハウジング14に取り付けられたコネクタ(第2のコネクタ)16を備え、図1および図2に示す組立体の状態では、コネクタ16がハウジング14から下方に突出して延びている。コネクタ16には、ハウジング14から突出した部分で露出する複数の導体の端子18が設けられている。
【0015】
次に、図2乃至図5に示すように、第1のコネクタ10は、嵌合する相手側であるデバイスとして、本例では、相手側コネクタ20を備えるマザーボード22に嵌合するようになっている。より詳細には、相手側コネクタ20は複数の端子を備え、コネクタ10がこの相手側コネクタ20に嵌合して、電気的に接続される。マザーボード22は、所定の交流電圧で駆動される電気回路を備え、この電気回路は、ACカップリング回路を含むものとなっている。
【0016】
同様に、図2乃至図5に示すように、第2のコネクタ16は、嵌合する相手側であるデバイスとして、本例では、相手側コネクタ24を備えるマザーボード26に嵌合するようになっている。より詳細には、相手側コネクタ24は複数の端子を備え、コネクタ16がこの相手側コネクタ24に嵌合して、電気的に接続される。マザーボード26は、所定の交流電圧で駆動される電気回路を備え、この電気回路は、ACカップリング回路を含むものとなっている。
【0017】
次に、図3乃至図7により、本実施形態によるケーブルコネクタのより詳細な構造を説明する。図6は、本実施形態によるケーブルコネクタの第2コネクタ部分を斜め下方から見た斜視図であり、図7は、本実施形態によるケーブルコネクタを分解して示す斜視図である。
まず、図3乃至図5に示すように、第1のコネクタ部分4は、第1のコネクタ10が取り付けられたコネクタ基板(第1のコネクタ基板)30を有する。第1のコネクタ10の複数の端子12は、第1のコネクタ10内で下方に延び、第1のコネクタ10の基板30への取付部(基端部10a、図9参照)まで延びている。
次に、図3および図4に示すように、コネクタ基板30の表面には、コネクタ10の基端部10aからケーブル本体2の接続部2b(図9参照)まで延びるよう複数の導体の配線32が配設されている。複数の配線32は、それらの一端側が、コネクタ10の複数の端子12にそれぞれ接続され、それらの他端側が、ケーブル本体2が備える複数の導体ケーブル2aにそれぞれ接続されている。
ここで、複数の配線32には、それぞれ、後述するDCブロック用のキャパシタ40が設けられる(図7図8など参照)。
【0018】
次に、図6に示すように、第2のコネクタ部分6は、第2のコネクタ16が取り付けられたコネクタ基板(第2のコネクタ基板)34を有する。第2のコネクタ16の複数の端子18は、第2のコネクタ16内で下方に延び、第2のコネクタ16の基板34への取付部(基端部)まで延びている。
次に、コネクタ基板34の表面には、コネクタ16の基端部からケーブル本体2の接続部まで延びるよう複数の導体の配線36が配設されている。複数の配線36は、それらの一端側が、コネクタ16の複数の端子18にそれぞれ接続され、それらの他端側が、ケーブル本体2が備える複数の導体ケーブル2aにそれぞれ接続されている。
【0019】
次に、図7により、ケーブルコネクタ1のコネクタ組立体のハウジングの構造を説明する。
図7に示すように、第1のコネクタ部分4のハウジング8は、下方に凹状に形成された上部ハウジング8aおよび上方に凹状に形成された下部ハウジング8bを有し、それらの凹部内に、上述したコネクタ10およびコネクタ基板30が収容されるようになっている。上部ハウジング8aには、コネクタ10の端子12の部分を上方に突出させるための開口部8cが形成されている。
一方、第2のコネクタ部分6のハウジング14は、下方に凹状に形成された上部ハウジング14aおよび上方に凹状に形成された下部ハウジング14bを有し、それらの凹部内に、上述したコネクタ16およびコネクタ基板34が収容されるようになっている。下部ハウジング14bには、コネクタ16の端子18の部分を下方に突出させるための開口部14cが形成されている。
【0020】
次に、図8乃至図11により、本実施形態のDCブロックするためのキャパシタ40の配置構成等を説明する。図8は、本実施形態のケーブルコネクタの2つのコネクタ部分およびそれらを接続するケーブル部を示す斜視図であり、図9は、図8に示すケーブルコネクタの第1コネクタ部分における符号IXで囲んだ領域を拡大して示す一部拡大斜視図であり、図10は、図8に示すケーブルコネクタの平面図であり、図11は、図10に示す第1コネクタ部分における符号XIで囲んだ領域を拡大して示す一部拡大平面図である。なお、図10では、図8のケーブルコネクタに対して第2のコネクタ部分のハウジングを追加して示している。
まず、図8および図9に示すように、第1のコネクタ部分4のコネクタ基板30には、複数のキャパシタ40が設けられている。より詳細には、コネクタ基板30に配設された複数の導体の配線32に、それぞれ、それらの配線32を流れる交流電圧の電流を通すようにキャパシタ40が設けられている。
【0021】
これらのキャパシタ40は、いわゆるAC結合した信号のために設けられたキャパシタ(ACカップリングキャパシタ、DCブロッキングキャパシタ)であり、DCブロックと呼ばれる技術を用いて、本例では、デバイス(図8等では、そのマザーボードのみを示す)22、26間でオフセットしているDC成分を除去して0V基準とし、デバイス22、26間での交流電圧のグランドレベルを等しくするようにして、デバイス22、26間のデジタル信号の相互通信を可能とする役割を有するものである。すなわち、本実施形態のキャパシタ40は、電気的に、コネクタ端子12、18やケーブル2aを介してACカップリング回路(各デバイス22、26)に接続されたとき、通常のキャパシタの蓄電機能ではなく、DCブロックする機能を果たすようなものである。上述したように、各デバイス22、26は、いずれも、所定の交流電圧で駆動される電気回路を備え、それらの電気回路はACカップリング回路を含むものとなっており、本実施形態によるケーブルコネクタ1に設けたキャパシタ40により、それらのデバイス22、26のDCブロッキングを行う。
【0022】
ここで、本実施形態では、上述したように、複数のキャパシタ40は、第1のコネクタ部分4の複数の配線32にのみ設けられている。
一方、変形例として、たとえば、第1のコネクタ部分4の複数の配線32において、2つの隣り合う配線32の組の一方の配線32にキャパシタ40を設ける一方、他方のキャパシタ40が設けられていない配線32については、それが電気的に接続している第2のコネクタ部分6の配線36にキャパシタ40を設け、これにより、第1のコネクタ部分4および第2のコネクタ部分6によりDCブロックが機能するようにしてもよい。たとえば、このように配線32、36における隣り合う配線に、交互にキャパシタ40を設けることにより、コネクタ基板30、34上の配線32、36のより高密度な実装を行うようにしてもよい。
【0023】
次に、図8および図9に示すように、コネクタ基板30上の複数の配線32は、コネクタ10の基端部10a(配線32の始端部でもある)からケーブル本体2の接続部2b(配線32の終端部でもある)まで延びている。複数の配線32は、その全体長さのうち、コネクタ基板30の表面上に直接的に形成されるよう配設された表面配設部分32aと、その表面配設部分32aの終端からケーブル本体2への接続部2bまで、コネクタ基板30から上方に離れて延びるよう配設された空間配設部分32bとを有している。
キャパシタ40は、このうち、配線32の表面配設部分32aに設けられている。特に、図9に示すように、キャパシタ40は、これらの表面配設部分32aにおいて、コネクタ10の基端部10aに隣接した位置に設けられ、これにより、各デバイス22、26間の交流電圧のノイズが抑制されるようにしている。
【0024】
次に、本発明の実施形態によるケーブルコネクタ1の作用効果を説明する。
まず、本実施形態および変形例によるケーブルコネクタ1は、(A)複数の端子12を備える第1のコネクタ10と、この第1のコネクタが取り付けられる第1のコネクタ基板30とを有し、第1のコネクタ基板上には第1のコネクタの複数の端子に電気的に接続される複数の配線32が配設される第1のコネクタ部分4と、(B)複数の端子18を備える第2のコネクタ16と、この第2のコネクタが取り付けられる第2のコネクタ基板34とを有し、第2のコネクタ基板上には第2のコネクタの複数の端子に電気的に接続される複数の配線36が配設される第2のコネクタ部分6と、(C)第1のコネクタ基板上に配設された複数の配線と、第2のコネクタ基板上に配設された複数の配線とをそれぞれ電気的に接続するためのケーブル部分2、2aと、(D)第1のコネクタ部分または第2のコネクタ部分の少なくとも一方に設けられたDCブロックのための複数のキャパシタ40と、を備えている。
このように構成された本実施形態および変形例によるケーブルコネクタ1によれば、嵌合されるデバイス22、26側にキャパシタを必要とせずに、DCブロックによりデバイス22、26間のデジタル信号の確実な相互通信を行うことができる。
【0025】
なお、本発明の個々の実施形態は、独立したものではなく、それぞれ組み合わせて適宜実施することができる。また、上述した実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明に係るケーブルコネクタは、ACカップリング回路を含む各デバイス間で互いに高速信号/高周波数信号を通信する等の用途に利用することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 ケーブルコネクタ
2 ケーブル本体(ケーブル部分)
2a 導体ケーブル
2b 接続部(配線32の終端部)
4 第1のコネクタ部分
6 第2のコネクタ部分
8 ハウジング
10 コネクタ(第1のコネクタ)
10a コネクタ基端部(配線32の基端部)
12 端子
14 ハウジング
16 コネクタ(第2のコネクタ)
18 端子
20、24 相手側コネクタ
22、26 マザーボード(デバイス)
30 コネクタ基板(第1のコネクタ基板)
32 基板上の配線
32a 表面配設部分
32b 空間配設部分
34 コネクタ基板(第2のコネクタ基板)
36 基板上の配線
40 キャパシタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11