(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068417
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】印刷装置およびマーク検知装置
(51)【国際特許分類】
B41J 11/42 20060101AFI20240513BHJP
B65H 43/08 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
B41J11/42
B65H43/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178854
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【弁理士】
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】松中 敦志
【テーマコード(参考)】
2C058
3F048
【Fターム(参考)】
2C058AB16
2C058AC07
2C058AE04
2C058AF06
2C058AF20
2C058GB04
2C058GB14
2C058GB15
2C058GB36
2C058GB48
2C058GB53
2C058GH01
2C058GH06
3F048AA05
3F048AC04
3F048BB02
3F048BB09
3F048CA06
3F048DC14
(57)【要約】
【課題】1個の検知部から出力される検知信号に基づいて、マークの境界の位置を検知できる、印刷装置およびマーク検知装置を提供する。
【解決手段】ラベル紙LPには、各ラベルLに対して一定の位置にブラックマークBKが付されている。ラベル紙LPの先端が反射型センサ31の検知位置を通過すると、反射型センサ31から検知信号が出力される。ブラックマークBKの後端が検知位置を通過すると、反射型センサ31から検知信号が再び出力される。反射型センサ31から検知信号が出力されてからラベル紙LPが判定距離を搬送される間に、反射型センサ31から検知信号が再び出力されたか否かが判定される。反射型センサ31から検知信号が再び出力された場合、後の検知信号の出力がブラックマークBKの後端が検知位置を通過したことによるものであると判断される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に並べて設定された複数の印刷領域のそれぞれに対して一定の位置にマークが付された媒体を、前記搬送方向に搬送する搬送部と、
前記印刷領域に画像を印刷する印刷部と、
前記媒体の先端および前記マークの後端が検知位置を通過したことに応じて、検知信号を出力する検知部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記検知部から前記検知信号が出力されたことに応じて、前記検知信号の出力の原因を判定する判定距離を設定し、
前記判定距離を設定した時点から前記搬送部によって前記媒体が前記判定距離を搬送される間に、前記検知部から前記検知信号が出力されたか否かを判定し、
前記検知信号が出力されたと判定した場合、後の前記検知信号の出力が前記マークの後端の通過によるものであると判断し、
前記検知信号が出力されなかったと判定した場合、前記判定距離を設定した際の前記検知信号の出力が前記マークの後端の通過によるものであると判断し、
前記マークの後端が前記検知位置を通過した時点での前記媒体の位置を基準に、その検知された前記マークに対応する前記印刷領域における印刷開始位置を決定する、印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記印刷領域は、前記搬送方向に一定の印刷領域ピッチで設定されており、
前記制御部は、前記判定距離を前記印刷領域ピッチに設定する、印刷装置。
【請求項3】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記印刷部は、前記検知部に対して前記搬送方向の下流側に配置されており、
前記制御部は、前記判定距離を前記検知部による検知位置と前記印刷部による印刷位置との間の検知-印刷位置間距離以下に設定する、印刷装置。
【請求項4】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記印刷領域は、前記搬送方向に一定の印刷領域ピッチで設定されており、
前記印刷部は、前記検知部に対して前記搬送方向の下流側に配置されており、
前記制御部は、前記印刷領域ピッチが前記検知部による検知位置と前記印刷部による印刷位置との間の検知-印刷位置間距離未満である場合、前記判定距離を前記印刷領域ピッチに設定する、印刷装置。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷装置であって、
前記制御部は、前記印刷領域ピッチが前記検知部による検知位置と前記印刷部による印刷位置との間の検知-印刷位置間距離よりも大きい場合、前記判定距離を前記検知-印刷位置間距離に設定する、印刷装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
前記検知部は、前記媒体に照射した光の反射光を検出する反射型センサである、印刷装置。
【請求項7】
複数のマークが搬送方向に一定のピッチで付された媒体を、前記搬送方向に搬送する搬送部と、
前記媒体の先端および前記マークの後端が検知位置を通過したことに応じて、検知信号を出力する検知部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記検知部から前記検知信号が出力されたことに応じて、前記検知信号の出力の原因を判定する判定距離を設定し、
前記判定距離を設定した時点から前記搬送部によって前記媒体が前記判定距離を搬送される間に、前記検知部から前記検知信号が出力されたか否かを判定し、
前記検知信号が出力されたと判定した場合、後の前記検知信号の出力が前記マークの後端の通過によるものであると判断し、
前記検知信号が出力されなかったと判定した場合、前記判定距離を設定した際の前記検知信号の出力が前記マークの後端の通過によるものであると判断する、マーク検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置およびマーク検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール状に巻回された長尺のロール紙を送り出しつつ、ロール紙上にその長手方向に並んで設けられたラベル(印刷領域)に順次に画像を印刷するプリンタが知られている。
【0003】
ロール紙には、その裏面に印刷開始位置を決めるためのマークが各ラベルに対応づけて付されたものがある。このマーク付きのロール紙に対応して、プリンタには、ロール紙で反射する光量に応じた電気信号を出力する反射型センサが備えられている。マークの境界で反射光量が変化するので、反射型センサの出力信号からマークの境界を検知することができる。そして、マークの境界の位置を基準に各ラベルの印刷開始位置を決定することができる。
【0004】
マークが各ラベルの先端付近(ロール紙の送出方向の下流端付近)に付されている場合、ロール紙の先端と先頭のマーク、つまり1枚目のラベルに対応するマークとの間の余白部分の距離が短い。そのため、余白部分で反射した光を反射型センサが受光したときに、反射型センサの出力信号が十分に立ち上がらず、反射型センサの出力信号からロール紙の先端と先頭のマークの境界との区別がつきにくい。そこで、透過型センサを設けて、透過型センサの出力信号からロール紙の先端を検知し、ロール紙の先端の位置から1枚目のラベルの印刷開始位置を決定する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、その提案の手法では、透過型センサおよび反射型センサの2個の検知部が必要である。
【0007】
本発明の目的は、1個の検知部から出力される検知信号に基づいて、マークの境界の位置を検知できる、印刷装置およびマーク検知装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係る印刷装置は、搬送方向に並べて設定された複数の印刷領域のそれぞれに対して一定の位置にマークが付された媒体を、搬送方向に搬送する搬送部と、印刷領域に画像を印刷する印刷部と、媒体の先端およびマークの後端が検知位置を通過したことに応じて、検知信号を出力する検知部と、制御部とを備え、制御部は、検知部から検知信号が出力されたことに応じて、検知信号の出力の原因を判定する判定距離を設定し、判定距離を設定した時点から搬送部によって媒体が判定距離を搬送される間に、検知部から検知信号が出力されたか否かを判定し、検知信号が出力されたと判定した場合、後の検知信号の出力がマークの後端の通過によるものであると判断し、検知信号が出力されなかったと判定した場合、判定距離を設定した際の検知信号の出力がマークの後端の通過によるものであると判断し、マークの後端が検知位置を通過した時点での媒体の位置を基準に、その検知されたマークに対応する印刷領域における印刷開始位置を決定する。
【0009】
この構成によれば、媒体には、複数の印刷領域が媒体の搬送方向に並べて設定されるとともに、各印刷領域に対して一定の位置にマークが付されている。媒体の先端が検知部の検知位置よりも搬送方向の上流側に位置する状態から、媒体が搬送方向に搬送されて、媒体の先端が検知部の検知位置を通過すると、検知部から検知信号が出力される。媒体が搬送方向にさらに搬送されて、マークの後端が検知位置を通過すると、検知部から検知信号が再び出力される。
【0010】
検知部から検知信号が出力されたことに応じて、判定距離が設定される。そして、判定距離が設定された時点から媒体が判定距離を搬送される間に、検知部から検知信号が再び出力されたか否かが判定される。検知部から検知信号が再び出力された場合、先の検知信号の出力は、媒体の先端が検知位置を通過したことによるものであり、後の検知信号の出力は、マークの後端が検知位置を通過したことによるものであると判断される。一方、検知部から検知信号が出力されなかった場合、判定距離の設定の際の検知信号の出力は、マークの後端が検知位置を通過したことによるものであると判断される。
【0011】
よって、1個の検知部から出力される検知信号に基づいて、マークの境界である後端の位置を検知することができる。
【0012】
そして、マークの後端が検知位置を通過した時点での媒体の位置を基準に、そのマークに対応する印刷領域における印刷開始位置が決定される。これにより、印刷開始位置を精度よく決定することができ、印刷領域に画像を良好に印字することができる。
【0013】
また、本発明の他の局面に係るマーク検知装置は、複数のマークが搬送方向に一定のピッチで付された媒体を、搬送方向に搬送する搬送部と、媒体の先端およびマークの後端が検知位置を通過したことに応じて、検知信号を出力する検知部と、制御部とを備え、制御部は、検知部から検知信号が出力されたことに応じて、検知信号の出力の原因を判定する判定距離を設定し、判定距離を設定した時点から搬送部によって媒体が判定距離を搬送される間に、検知部から検知信号が出力されたか否かを判定し、検知信号が出力されたと判定した場合、後の検知信号の出力がマークの後端の通過によるものであると判断し、検知信号が出力されなかったと判定した場合、判定距離を設定した際の検知信号の出力がマークの後端の通過によるものであると判断する。
【0014】
この構成によれば、媒体には、複数の印刷領域が媒体の搬送方向に並べて設定されるとともに、各印刷領域に対して一定の位置にマークが付されている。媒体の先端が検知部の検知位置よりも搬送方向の上流側に位置する状態から、媒体が搬送方向に搬送されて、媒体の先端が検知部の検知位置を通過すると、検知部から検知信号が出力される。媒体が搬送方向にさらに搬送されて、マークの後端が検知位置を通過すると、検知部から検知信号が再び出力される。
【0015】
検知部から検知信号が出力されたことに応じて、判定距離が設定される。そして、判定距離が設定された時点から媒体が判定距離を搬送される間に、検知部から検知信号が再び出力されたか否かが判定される。検知部から検知信号が再び出力された場合、先の検知信号の出力は、媒体の先端が検知位置を通過したことによるものであり、後の検知信号の出力は、マークの後端が検知位置を通過したことによるものであると判断される。一方、検知部から検知信号が出力されなかった場合、判定距離の設定の際の検知信号の出力は、マークの後端が検知位置を通過したことによるものであると判断される。
【0016】
よって、1個の検知部から出力される検知信号に基づいて、マークの境界である後端の位置を検知することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、1個の検知部から出力される検知信号に基づいて、マークの境界の位置を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係るラベルプリンタの構成を図解的に示す断面図である。
【
図2】ラベルプリンタの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【
図3】ラベル紙の構成、判定距離の設定および検知信号波形の第1の例を示す図である。
【
図4】ラベル紙の構成、判定距離の設定および検知信号波形の第2の例を示す図である。
【
図5】ラベル紙の構成、判定距離の設定および検知信号波形の第3の例を示す図である。
【
図6】ラベル紙の構成、判定距離の設定および検知信号波形の第4の例を示す図である。
【
図7】印刷開始位置決定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
<ラベルプリンタの全体構成>
ラベルプリンタ1(印刷装置およびマーク検知装置の一例)は、
図1に示されるように、長尺のラベル紙LP(媒体の一例)を搬送しつつ、ラベル紙LPの台紙P上にラベル紙LPの長手方向に並べて設けられたラベルL(印刷領域の一例)に順次に画像を印刷する装置である。ラベルプリンタ1は、外殻をなす筐体11を備えており、筐体11の側面には、ラベル紙LPを排出する排出口12が形成されている。
【0021】
なお、排出口12が形成されている側をラベルプリンタ1の前側と規定し、その反対側を後側と規定する。また、ラベルプリンタ1の上下は、ラベルプリンタ1が水平面上に設置された状態で規定し、その水平面上に設置されたラベルプリンタ1を前側から見て、ラベルプリンタ1の左右を規定する。
図1に示される断面図は、ラベルプリンタ1を前後方向に延びる切断面で切断した断面を右側から見た図である。
【0022】
ラベル紙LPは、ラベルLを外側に向けてロール芯に巻回されたロールの形態で提供される。筐体11内には、ラベル紙LPのロールを保持するロールホルダ13が設けられている。ロールホルダ13は、中心線が左右方向に延びる円柱状を有している。ラベル紙LPのロール芯がロールホルダ13に外嵌されて、ロール芯がロールホルダ13に固定されることにより、ラベル紙LPのロールがロールホルダ13に保持される。
【0023】
筐体11内には、方向変更ガイド14が設けられている。方向変更ガイド14は、ロールホルダ13の後上方かつ排出口12の後方の位置に配置されて、後上方に膨出する円弧状をなしている。
【0024】
また、筐体11内には、排出口12と方向変更ガイド14との間に、搬送路15が設定されている。搬送路15は、方向変更ガイド14の前端から排出口12に向けて、直線状に延びている。
【0025】
方向変更ガイド14に対して前側に間隔を空けた位置に、搬送ローラ21(搬送部の一例)が設けられている。搬送ローラ21は、駆動ローラ22および従動ローラ23の対からなる。駆動ローラ22および従動ローラ23は、それぞれ左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、それらの周面が搬送路15を挟んで互いに当接している。駆動ローラ22は、搬送路15の下側に配置され、従動ローラ23は、搬送路15の上側に配置されている。
【0026】
排出口12と搬送ローラ21との間であって、排出口12の近傍の位置には、排出ローラ24が設けられている。排出ローラ24は、駆動ローラ25および従動ローラ26の対からなる。駆動ローラ25および従動ローラ26は、それぞれ左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、それらの周面が搬送路15を挟んで互いに当接している。駆動ローラ25は、搬送路15の下側に配置され、従動ローラ26は、搬送路15の上側に配置されている。
【0027】
ラベル紙LPは、ロールホルダ13に保持されたロールから方向変更ガイド14の後側に向けて引き出され、方向変更ガイド14に沿わせることにより前側に方向を変えられる。そして、ラベル紙LPの先端部分が搬送ローラ21の駆動ローラ22と従動ローラ23との間に後側から差し込まれる。
【0028】
搬送ローラ21の駆動ローラ22および排出ローラ24の駆動ローラ25には、モータM(
図2参照)の正転による回転力の伝達経路が接続されている。モータMが正転されて、その正転による回転力が駆動ローラ22,25に伝達されると、駆動ローラ22,25が右側から見て反時計回りに回転する。
【0029】
ラベル紙LPが搬送ローラ21の駆動ローラ22と従動ローラ23との間に通された状態で、モータMの正転により駆動ローラ22が回転すると、駆動ローラ22の周面とラベル紙LP(台紙P)との接触点で生じる摩擦力の反力により、ラベル紙LPが搬送路15を搬送ローラ21から排出口12に向かう搬送方向に搬送される。従動ローラ23は、ラベル紙LPの移動に従動して回転する。
【0030】
ラベル紙LPが排出ローラ24の駆動ローラ25と従動ローラ26との間に通されていない状態では、従動ローラ26が駆動ローラ25の回転に従動して回転する。駆動ローラ25および従動ローラ26が回転した状態で、ラベル紙LPの先端が駆動ローラ25または従動ローラ26の少なくとも一方の周面に当接すると、ラベル紙LPが駆動ローラ25と従動ローラ26との間に引き込まれる。そして、ラベル紙LPは、駆動ローラ25の周面との接触点で生じる摩擦力の反力を受けつつ、駆動ローラ25と従動ローラ26との間を通過し、排出口12を通して筐体11外に排出されていく。
【0031】
また、ロールホルダ13には、モータMの逆転による回転力の伝達経路が接続されている。モータMが逆転されて、その逆転による回転力がロールホルダ13に伝達されると、ロールホルダ13が右側から見て時計回りに回転する。ラベル紙LPのロールがロールホルダ13と一体に回転することにより、ラベル紙LPは、ロールに巻き戻され、搬送方向と逆方向に搬送される。このとき、搬送ローラ21および排出ローラ24は、自由回転状態とされ、ラベル紙LPの移動に従動して回転する。
【0032】
搬送ローラ21と排出ローラ24との間には、ヘッド27(印刷部の一例)およびCIS(Contact Image Sensor)ユニット28が設けられている。
【0033】
ヘッド27は、搬送路15の上側に配置されている。ヘッド27は、その位置が固定されたラインヘッドである。ヘッド27の下面には、複数のノズルが左右方向にラベルLの幅(搬送方向と直交する方向の長さ)と同等の長さにわたって配列されている。具体的には、ヘッド27の下面には、複数のノズルが左右方向に間隔を空けて並ぶことによりノズル列をなして、複数のノズル列が前後方向(搬送方向)に並列し、ノズル列間でノズルが左右方向に位置をずらして配置されている。ヘッド27は、ノズルから液体を選択的に吐出して、ラベルLに液滴を着滴させることによりドットを形成し、ドットからなる画像をラベルLに印刷する。
【0034】
CISユニット28は、搬送路15の上側において、ヘッド27の前側に配置されている。CISユニット28は、ラベルLに印刷されている画像を読み取る。CISユニット28には、光源、ロッドレンズアレイおよびリニアイメージセンサが内蔵されている。リニアイメージセンサでは、複数の撮像素子(イメージセンサ)が主走査方向である左右方向に1列に並べられている。光源からラベルLにライン状の光が照射され、ラベルLで反射された光がロッドレンズアレイを通してリニアイメージセンサに入射することにより、ラベルLに印刷されている画像の主走査方向の1ラインが読み取られる。そして、ラベルLが搬送されつつ、ラベルLに印刷されている画像が1ラインずつ読み取られていくことにより、CISユニット28による画像の読み取りが達成される。
【0035】
また、搬送ローラ21とヘッド27との間に、反射型センサ31(検知部の一例)が設けられている。反射型センサ31は、搬送路15の下側に配置されている。反射型センサ31は、投光素子32および受光素子33を備えている。投光素子32から出される光は、搬送路15に向かって進む。搬送路15を搬送されるラベル紙LPが投光素子32からの光路上に存在していると、投光素子32からの光がラベル紙LPの台紙Pの裏面(ラベルLが貼られている面と反対側の面)で反射し、その反射した光が受光素子33で受けられて、受光素子33から受光量に応じた電気信号が検知信号として出力される。
【0036】
<電気的構成の要部>
ラベルプリンタ1は、
図2に示されるように、コントローラ41(制御部の一例)を備えている。コントローラ41は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)からなり、CPU(Central Processing Unit)42およびメモリ43を内蔵している。メモリ43には、フラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリと、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリとが含まれる。不揮発性メモリには、CPU42によって実行されるプログラムおよび各種のデータなどが記憶されている。揮発性メモリは、CPU42がプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
【0037】
コントローラ41には、反射型センサ31の検知信号が入力される。
【0038】
また、搬送ローラ21の駆動ローラ22には、エンコーダ44が付随して設けられており、コントローラ41には、エンコーダ44から駆動ローラ22の回転に同期したパルス信号であるエンコーダ信号が入力される。CPU42は、メモリ43の揮発性メモリをステップ数カウンタとして使用し、エンコーダ信号のパルス数をステップ数カウンタでカウントして、そのカウント数からラベル紙LPの位置を把握することができる。
【0039】
ラベルプリンタ1は、PC(Personal Computer)などの外部端末との通信のための通信インタフェース45を備えている。通信インタフェース45は、外部端末とUSB(Universal Serial Bus)ケーブルまたはLAN(Local Area Network)ケーブルなどのケーブルを介して有線通信する構成であってもよいし、電波を介して無線通信する構成であってもよい。通信インタフェース45は、コントローラ41と接続されている。
【0040】
コントローラ41は、反射型センサ31、エンコーダ44および通信インタフェース45などから入力される信号やデータに基づいて、ヘッド27およびモータMなど、ラベルプリンタ1の各部の動作を制御する。
【0041】
<印刷処理>
ラベルプリンタ1における印刷の開始前に、ユーザによって、ラベル紙LPがロールホルダ13に保持されたロールから引き出されて、ラベル紙LPの先端部分が搬送ローラ21の駆動ローラ22と従動ローラ23との間に後側から差し込まれる。
【0042】
印刷の開始に際しては、たとえば、外部端末から通信インタフェース45を介してコントローラ41に、印刷指示とともに、各ラベルLに印刷される画像のラスタデータが入力される。ラスタデータは、ラスタ画像のデータであり、メモリ43に設定された画像メモリ領域に書き込まれる。少なくとも1ページ分のラスタデータがメモリ43に書き込まれると、コントローラ41により、印刷のためのヘッド27およびモータMの制御が開始される。
【0043】
<印刷開始位置決定処理>
各ラベルLに画像を位置精度よく印刷するには、各ラベルLにおける画像の印刷開始位置を決定する必要がある。
【0044】
ラベル紙LPの台紙Pの裏面には、
図3、
図4、
図5および
図6に示されるように、各ラベルLに対して一定の位置に、黒塗りされた矩形状のブラックマークBK(マークの一例)が付されている。
図3~
図6には、ブラックマークBKがラベル紙LPの全幅にわたって形成された例が示されているが、ブラックマークBKは、ラベル紙LPの長手方向および幅方向に延びる端縁を有し、ラベル紙LPが搬送されるときに反射型センサ31の検知位置、つまりラベル紙LPの裏面における投光素子32からの光の反射位置を横切る長さの長方形状または正方形状に形成されていればよい。
【0045】
ラベル紙LPには、各ラベルLが設けられた一定の領域ごとに切り離すことが可能なように、ミシン目Cが付けられている。
図3~
図6には、各ラベルLがミシン目Cに挟まれる一定の領域の中央に設けられた例が示されているが、各ラベルLは、ミシン目Cに挟まれる一定の領域の全域に設けられてもよい。以下、各ラベルLが設けられた一定の領域を、単に「ラベルL」という。
【0046】
各ラベルLにおける印刷開始位置を決定するため、コントローラ41(CPU42)は、
図7に示される印刷開始位置決定処理を実行する。
【0047】
印刷開始位置決定処理では、コントローラ41は、反射型センサ31の検知信号を参照する。反射型センサ31の検知位置にラベル紙LP(台紙P)が存在していないときには、投光素子32からの光が台紙Pの裏面で反射しないので受光素子33による受光量が小さく、反射型センサ31の検知信号のレベル(電圧)が低い。反射型センサ31の検知位置にブラックマークBKが存在しているときは、投光素子32からの光がブラックマークBKで反射するが、その反射光量が小さいため、受光素子33による受光量が小さく、反射型センサ31の検知信号のレベルが低い。一方、反射型センサ31の検知位置に台紙PにおけるブラックマークBKが付されていない部分が存在するときには、その部分における投光素子32からの光の反射光量が大きいため、受光素子33による受光量が大きく、反射型センサ31の検知信号のレベルが高い。
【0048】
したがって、ラベル紙LPの先端が反射型センサ31の検知位置を通過すると、反射型センサ31の検知信号は、そのレベルが予め設定された閾値未満の状態から閾値を超える状態に立ち上がる。また、ブラックマークBKの後端が反射型センサ31の検知位置を通過すると、反射型センサ31の検知信号は、そのレベルが予め設定された閾値未満の状態から閾値を超える状態に立ち上がる。
【0049】
コントローラ41は、反射型センサ31の検知信号のレベルが閾値未満の状態から閾値を超えたことを以て、反射型センサ31から検知信号が出力されたと判断する(S1:YES)。
【0050】
コントローラ41は、反射型センサ31から検知信号が出力されたことに応じて、検知信号の出力の原因を判定する判定距離を設定する(S2)。
【0051】
図3に示されるラベル紙LPでは、ブラックマークBKが各ラベルLにおける搬送方向の下流側の端縁、つまり各ラベルLの先端縁に沿って付されている。また、ラベルLが設けられるピッチ(ラベルピッチ)は、反射型センサ31の検知位置とヘッド27の印刷位置との間の検知-印刷位置間距離よりも小さい。ヘッド27の印刷位置は、たとえば、ヘッド27で搬送方向の最上流(最後方)に設けられたノズルによるドットの形成位置である。
【0052】
そのため、各ラベルLが反射型センサ31の検知位置を通過する間に、反射型センサ31が検知信号を出力する回数(コントローラ41が反射型センサ31から検知信号が出力されたと判断する回数)は1回である。したがって、反射型センサ31が検知信号を出力してからラベル紙LPがラベルピッチ分の距離を搬送される間に、反射型センサ31から検知信号は出力されない。
【0053】
そこで、
図3に示されるラベル紙LPがラベルプリンタ1で使用される場合、コントローラ41は、ラベルピッチを判定距離として設定する。そして、コントローラ41は、ラベル紙LPが判定距離を搬送される間に、反射型センサ31から検知信号が再び出力されたか否かを判定する(S3)。
【0054】
図3に示されるラベル紙LPがラベルプリンタ1で使用される場合、ラベル紙LPが判定距離を搬送される間には、反射型センサ31から検知信号が再び出力されない。したがって、コントローラ41は、反射型センサ31から検知信号が再び出力されずに、ラベル紙LPが判定距離を搬送されたと判断し(S4:YES)、判定距離を設定した際の反射型センサ31からの検知信号の出力が反射型センサ31の検知位置をブラックマークBKの後端が通過したことによるものであると判断する(S5)。そして、コントローラ41は、ブラックマークBKの後端が検知位置を通過した時点でのラベル紙LPの位置を基準に、その検知されたブラックマークBKに対応するラベルLにおける印刷開始位置を決定する(S6)。
【0055】
なお、反射型センサ31の検知位置とヘッド27の印刷位置との間の検知-印刷位置間距離は、既知の値であって、コントローラ41のメモリ43に保存されている。また、ラベル紙LPの種類によって、ラベルピッチが異なるので、ラベルプリンタ1で使用されるラベル紙LPにおけるラベルピッチは、たとえば、外部端末から通信インタフェース45を介してコントローラ41に予め入力される。
【0056】
図4に示されるラベル紙LPでは、ブラックマークBKが各ラベルLの先端縁に沿って付されている。ラベルピッチは、反射型センサ31の検知位置とヘッド27の印刷位置との間の検知-印刷位置間距離よりも大きい。
【0057】
そのため、各ラベルLが反射型センサ31の検知位置を通過する間に、反射型センサ31が検知信号を出力する回数は1回であり、反射型センサ31が検知信号を出力してからラベル紙LPがラベルピッチ分の距離を搬送される間に、反射型センサ31から検知信号は出力されない。しかし、ラベル紙LPがラベルピッチ分の距離を搬送される間に、反射型センサ31の検知位置を通過し終えたラベルLの先端部分がヘッド27の印刷位置を超えてしまい、そのラベルLへの画像の印刷ができなくなる。
【0058】
そこで、
図4に示されるラベル紙LPがラベルプリンタ1で使用される場合、コントローラ41は、検知-印刷位置間距離を判定距離として設定する。そして、コントローラ41は、ラベル紙LPが判定距離を搬送される間に、反射型センサ31から検知信号が再び出力されたか否かを判定する(S3)。
【0059】
図4に示されるラベル紙LPがラベルプリンタ1で使用される場合、検知-印刷位置間距離がラベルピッチよりも小さいので、ラベル紙LPが判定距離である検知-印刷位置間距離を搬送される間には、反射型センサ31から検知信号が再び出力されない。したがって、コントローラ41は、反射型センサ31から検知信号が再び出力されずに、ラベル紙LPが判定距離を搬送されたと判断し(S4:YES)、判定距離を設定した際の反射型センサ31からの検知信号の出力が反射型センサ31の検知位置をブラックマークBKの後端が通過したことによるものであると判断する(S5)。そして、コントローラ41は、ブラックマークBKの後端が検知位置を通過した時点でのラベル紙LPの位置を基準に、その検知されたブラックマークBKに対応するラベルLにおける印刷開始位置を決定する(S6)。
【0060】
図5に示されるラベル紙LPでは、ブラックマークBKが各ラベルLの先端縁に対して一定の距離を空けた位置に付されている。ラベルピッチは、反射型センサ31の検知位置とヘッド27の印刷位置との間の検知-印刷位置間距離よりも小さい。
【0061】
そのため、
図5に示されるラベル紙LPがラベルプリンタ1で使用される場合、
図3に示されるラベル紙LPが使用される場合と同様、コントローラ41は、ラベルピッチを判定距離として設定する。そして、コントローラ41は、ラベル紙LPが判定距離を搬送される間に、反射型センサ31から検知信号が再び出力されたか否かを判定する(S3)。
【0062】
図5に示されるラベル紙LPがラベルプリンタ1で使用される場合、先頭のラベルLの先端縁とそのラベルLに対応するブラックマークBKとの間の距離が一定以上であると、ラベル紙LPの先端が反射型センサ31の検知位置を通過してから先頭のブラックマークBKの先端が検知位置に到達するまでの間に、反射型センサ31の検知信号のレベルが閾値未満の状態から閾値を超える。そして、コントローラ41は、反射型センサ31の検知信号のレベルが閾値未満の状態から閾値を超えたことを以て、反射型センサ31から検知信号が出力されたと判断する(S1:YES)。
【0063】
その後、ブラックマークBKが反射型センサ31の検知位置に存在する間は、反射型センサ31の検知信号のレベルが閾値未満となるが、ブラックマークBKの後端が反射型センサ31の検知位置を通過すると、反射型センサ31の検知信号のレベルが閾値未満の状態から閾値を超える。そのため、コントローラ41は、ラベル紙LPが判定距離を搬送される間に、反射型センサ31から検知信号が再び出力されたと判定する(S3:YES)。
【0064】
この場合、反射型センサ31からの先の検知信号の出力は、ラベル紙LPの先端が反射型センサ31の検知位置を通過したことによるものであり、反射型センサ31からの後の検知信号の出力は、ブラックマークBKの後端が反射型センサ31の検知位置を通過したことによるものである。そこで、コントローラ41は、反射型センサ31からの後の検知信号の出力が反射型センサ31の検知位置をブラックマークBKの後端が通過したことによるものであると判断する(S7)。そして、コントローラ41は、ブラックマークBKの後端が検知位置を通過した時点でのラベル紙LPの位置を基準に、その検知されたブラックマークBKに対応するラベルLにおける印刷開始位置を決定する(S6)。
【0065】
図6に示されるラベル紙LPでは、ブラックマークBKが各ラベルLの先端縁に対して一定の距離を空けた位置に付されている。ラベルピッチは、反射型センサ31の検知位置とヘッド27の印刷位置との間の検知-印刷位置間距離よりも大きい。
【0066】
そのため、
図6に示されるラベル紙LPがラベルプリンタ1で使用される場合、
図5に示されるラベル紙LPが使用される場合と同様、コントローラ41は、検知-印刷位置間距離を判定距離として設定する。そして、コントローラ41は、ラベル紙LPが判定距離を搬送される間に、反射型センサ31から検知信号が再び出力されたか否かを判定する(S3)。
【0067】
図6に示されるラベル紙LPがラベルプリンタ1で使用される場合、
図5に示されるラベル紙LPが使用される場合と同様、先頭のラベルLの先端縁とそのラベルLに対応するブラックマークBKとの間の距離が一定以上であると、ラベル紙LPの先端が反射型センサ31の検知位置を通過してから先頭のブラックマークBKの先端が検知位置に到達するまでの間に、反射型センサ31の検知信号のレベルが閾値未満の状態から閾値を超える。そして、コントローラ41は、反射型センサ31の検知信号のレベルが閾値未満の状態から閾値を超えたことを以て、反射型センサ31から検知信号が出力されたと判断する(S1:YES)。
【0068】
その後、ブラックマークBKが反射型センサ31の検知位置に存在する間は、反射型センサ31の検知信号のレベルが閾値未満となるが、ブラックマークBKの後端が反射型センサ31の検知位置を通過すると、反射型センサ31の検知信号のレベルが閾値未満の状態から閾値を超える。そのため、コントローラ41は、ラベル紙LPが判定距離を搬送される間に、反射型センサ31から検知信号が再び出力されたと判定する(S3:YES)。
【0069】
この場合、反射型センサ31からの先の検知信号の出力は、ラベル紙LPの先端が反射型センサ31の検知位置を通過したことによるものであり、反射型センサ31からの後の検知信号の出力は、ブラックマークBKの後端が反射型センサ31の検知位置を通過したことによるものである。そこで、コントローラ41は、反射型センサ31からの後の検知信号の出力が反射型センサ31の検知位置をブラックマークBKの後端が通過したことによるものであると判断する(S7)。そして、コントローラ41は、ブラックマークBKの後端が検知位置を通過した時点でのラベル紙LPの位置を基準に、その検知されたブラックマークBKに対応するラベルLにおける印刷開始位置を決定する(S6)。
【0070】
<作用効果>
以上のように、ラベル紙LPには、複数のラベルLがラベル紙LPの搬送方向に並べて設けられるとともに、各ラベルLに対して一定の位置にブラックマークBKが付されている。ラベル紙LPの先端が反射型センサ31の検知位置よりも搬送方向の上流側に位置する状態から、ラベル紙LPが搬送方向に搬送されて、ラベル紙LPの先端が反射型センサ31の検知位置を通過すると、反射型センサ31から検知信号が出力される。
【0071】
反射型センサ31から検知信号が出力されたことに応じて、判定距離が設定される。そして、判定距離が設定された時点からラベル紙LPが判定距離を搬送される間に、反射型センサ31から検知信号が再び出力されたか否かが判定される。反射型センサ31から検知信号が再び出力された場合、先の検知信号の出力は、ラベル紙LPの先端が検知位置を通過したことによるものであり、後の検知信号の出力は、ブラックマークBKの後端が検知位置を通過したことによるものであると判断される。一方、反射型センサ31から検知信号が出力されなかった場合、判定距離の設定の際の検知信号の出力は、ブラックマークBKの後端が検知位置を通過したことによるものであると判断される。
【0072】
よって、1個の反射型センサ31から出力される検知信号に基づいて、ブラックマークBKの境界である後端の位置を検知することができる。
【0073】
そして、ブラックマークBKの後端が検知位置を通過した時点でのラベル紙LPの位置を基準に、そのブラックマークBKに対応するラベルLにおける印刷開始位置が決定される。これにより、印刷開始位置を精度よく決定することができ、ラベルLに画像を良好に印字することができる。
【0074】
ラベルピッチ内に存在するブラックマークBKは、1個であるので、判定距離がラベルピッチに設定されることにより、判定距離内に存在する1個のブラックマークBKの後端を反射型センサ31により検知することができる。
【0075】
ただし、判定距離が反射型センサ31による検知位置とヘッド27による印刷位置との間の距離よりも長いと、先のブラックマークBKの後端が反射型センサ31に検知されてから次のブラックマークBKの後端が反射型センサ31に検知されるまでに、先のブラックマークBKに対応するラベルLにおける印刷開始位置がヘッド27の印刷位置を超える。この不都合は、判定距離を反射型センサ31による検知位置とヘッド27による印刷位置との間の距離以下に設定することにより回避できる。
【0076】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0077】
たとえば、前述の実施形態では、ラベル紙LPがラベルプリンタ1で使用される場合を取り上げた。しかし、ラベルプリンタ1で使用される媒体は、ラベル紙LPに限らず、長尺の普通紙の印刷面に画像が印刷される印刷領域を一定間隔で設定する下地画像が既に印刷された無定長紙(連続紙)であってもよい。
【0078】
また、前述の実施形態では、ラベル紙LPの台紙Pの裏面にブラックマークBKが付されているとしたが、台紙Pにおける各ラベルLに対して一定の位置に、ブラックマークBKに代えて、たとえば、矩形状の孔からなるマークが形成されていてもよい。すなわち、ラベル紙LPの台紙Pには、各ラベルLに対して一定の位置に、マークとして、マーク以外の部分と光学特性が異なる領域が設けられていればよい。
【0079】
台紙Pに光学特性が異なる領域がマークとして設けられる構成では、反射型センサ31に代えて、搬送路15を挟んで対向する発光素子および受光素子を含み、発光素子からの光を受光素子で受光する透過型センサが設けられてもよい。
【0080】
台紙Pには、各ラベルLに対して一定の位置に、厚みを持たせたマークが設けられてもよい。この場合、ラベルプリンタ1には、マークの後端が検知位置を通過したことに応じて検知信号を出力する近接センサが備えられてもよい。
【0081】
また、台紙Pには、各ラベルLに対して一定の位置に、磁性体からなるマークが設けられてもよい。この場合、ラベルプリンタ1には、マークの後端が検知位置を通過したことに応じて検知信号を出力する磁気センサが備えられてもよい。
【0082】
ヘッド27は、インクジェット記録方式により画像を印刷する構成に限らず、熱転写方式により画像を印刷する構成であってもよいし、電子写真方式により画像を印刷する構成であってもよい。
【0083】
また、前述の実施形態では、ラベルプリンタ1を取り上げた。しかし、ラベルプリンタ1に限らず、本発明は、たとえば、ラベルLに印刷された画像を読み取る装置にマークの境界の位置を検知するために適用されてもよい。
【0084】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0085】
1:ラベルプリンタ
21:搬送ローラ
27:ヘッド
31:反射型センサ
41:コントローラ
BK:ブラックマーク
L:ラベル
LP:ラベル紙