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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068433
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】切断装置、システム、及び切断方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 9/00 20060101AFI20240513BHJP
   B26D 1/09 20060101ALI20240513BHJP
   B26D 7/02 20060101ALI20240513BHJP
   B26D 5/32 20060101ALI20240513BHJP
   B26F 1/40 20060101ALI20240513BHJP
   B23D 36/00 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
B26D9/00
B26D1/09
B26D7/02 B
B26D5/32
B26F1/40 Z
B23D36/00 502A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178878
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000107147
【氏名又は名称】ニデックドライブテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】船津 壽隆
【テーマコード(参考)】
3C021
3C060
【Fターム(参考)】
3C021CA02
3C060AA04
3C060AA16
3C060AB01
3C060BA03
3C060BB06
3C060BC01
3C060BD01
3C060BE10
3C060BF02
3C060BH01
(57)【要約】
【課題】切断装置の長寿命化が可能な技術を提供すること。
【解決手段】せん断装置において、搬送部は、複数の貫通孔が第1方向に形成されているシート材を搬送路上で第1方向に搬送可能である。センサは、搬送部より搬送路の上流で、シート材における貫通孔を検出する。クランプ部は、搬送部より搬送路の上流で、複数のクランプ部材がシート材を挟んで支持する第1状態と、複数のクランプ部材が互いに離れる第2状態とに変更可能である。せん断部は、搬送部より搬送路の下流で、複数のせん断部材がシート材をせん断する第3状態と、複数のせん断部材が互いに離れる第4状態とに変更可能である。第2状態且つ第4状態で搬送部が前記シート材を搬送し、センサの検出結果に基づくタイミングでクランプ部が複数のクランプ部材を第2状態から第1状態に変更し、せん断部が複数のせん断部材を第4状態から第3状態に変更する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通孔が第1方向に形成されているシート材の搬送路と、
前記搬送路上で前記シート材を前記第1方向に搬送可能な搬送部と、
前記搬送部より前記搬送路の上流に位置し、前記シート材における前記貫通孔を検出するセンサと、
前記搬送部より前記搬送路の上流に位置し、複数のクランプ部材を有し、前記複数のクランプ部材が前記シート材を挟んで支持する第1状態と、前記複数のクランプ部材が互いに離れる第2状態とに変更可能なクランプ部と、
前記搬送部より前記搬送路の下流に位置し、複数のせん断部材を有し、前記複数のせん断部材が前記シート材をせん断する第3状態と、前記複数のせん断部材が互いに離れる第4状態とに変更可能であるせん断部と
を備え、
前記第2状態且つ前記第4状態で前記搬送部が前記シート材を搬送し、
前記センサの検出結果に基づくタイミングで前記クランプ部が前記複数のクランプ部材を前記第2状態から前記第1状態に変更し、前記せん断部が前記複数のせん断部材を前記第4状態から前記第3状態に変更する、切断装置。
【請求項2】
制御部を更に備え、
前記制御部は、
前記第2状態及び前記第4状態で、前記搬送部により前記シート材を搬送させ、
前記タイミングに基づいて、前記クランプ部に前記複数のクランプ部材を前記第2状態から前記第1状態に変更させ、前記せん断部に前記複数のせん断部材を前記第4状態から前記第3状態に変更させる、請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記センサは、検出結果を示す信号を前記制御部に出力し、
前記信号は、前記貫通孔が検出されていることを示す第1レベルと、前記貫通孔が検出されていないことを示す第2レベルとを有し、
前記制御部は、前記センサから前記第1レベルの前記信号が出力されている時間帯に基づいて前記タイミングを決定する、請求項2に記載の切断装置。
【請求項4】
前記センサは、検出結果を示す信号を前記制御部に出力し、
前記信号は、前記貫通孔が検出されていることを示す第1レベルと、前記貫通孔が検出されていないことを示す第2レベルとを有し、
前記制御部は、前記センサから前記第1レベルの前記信号が出力されている時間帯のうち、予め設定された条件を満たす時間帯に基づいて前記タイミングを決定する、請求項2に記載の切断装置。
【請求項5】
前記センサの位置を前記第1方向に変更可能に支持する支持機構を更に備える、請求項1から4のいずれかに記載の切断装置。
【請求項6】
前記搬送部は、
前記搬送路上の前記シート材に前記第1方向に沿う搬送力を加えることが可能なローラ対と、
前記ローラ対が互いにニップする第5状態と、前記ローラ対が互いに離れる第6状態とに変更可能なローラ移動機構と
を有し、
前記制御部は、
前記第2状態及び前記第4状態で、前記第5状態の前記ローラ対を回転させ、
決定した前記タイミングに基づいて、前記ローラ対の回転を停止させることなく前記ローラ移動機構により前記第5状態から前記第6状態に変更し、前記クランプ部により前記第2状態から前記第1状態に変更し、前記せん断部により前記第4状態から前記第3状態に変更する、請求項2に記載の切断装置。
【請求項7】
前記複数の貫通孔は、互いに同じ外径を有し、前記第1方向において等しい間隔で形成されており、
前記センサと、前記複数のせん断部材とは、前記第1方向において、前記貫通孔の外径と前記間隔との加算値に基づく距離だけ離れて位置する、請求項1に記載の切断装置。
【請求項8】
切断装置と制御部とを備えるシステムであって、
前記切断装置は、
複数の貫通孔が第1方向に形成されているシート材の搬送路と、
前記搬送路上で前記シート材を前記第1方向に搬送可能な搬送部と、
前記搬送部より前記搬送路の上流に位置し、前記シート材における前記貫通孔を検出するセンサと、
前記搬送部より前記搬送路の上流に位置し、複数のクランプ部材を有し、前記複数のクランプ部材が前記シート材を挟んで支持する第1状態と、前記複数のクランプ部材が互いに離れる第2状態とに変更可能なクランプ部と、
前記搬送部より前記搬送路の下流に位置し、複数のせん断部材を有し、前記複数のせん断部材が前記シート材をせん断する第3状態と、前記複数のせん断部材が互いに離れる第4状態とに変更可能であるせん断部と
を備え、
前記制御部は、
前記第2状態及び前記第4状態で前記搬送部により前記シート材を搬送させ、
前記センサの検出結果に基づくタイミングで前記クランプ部を前記第2状態から前記第1状態に変更し、
前記せん断部を前記第4状態から前記第3状態に変更する、システム。
【請求項9】
前記シート材に前記複数の貫通孔を前記第1方向に沿って形成するプレス機を更に備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記プレス機は、前記制御部を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
複数の貫通孔が第1方向に形成されているシート材に前記第1方向に沿う搬送力を搬送部により加えて、前記シート材を搬送路上で搬送し、
前記搬送部より前記搬送路の上流側に位置するセンサにより、前記搬送路上で搬送される前記シート材の各前記貫通孔を検出し、
前記センサの検出結果に基づくタイミングで前記搬送部より前記搬送路の上流側に位置する複数のクランプ部材により前記シート材を挟んで支持し、
前記搬送部より前記シート材に前記搬送力を加えることを停止し、
前記搬送部より前記搬送路の下流側に位置する複数のせん断部材により前記シート材をせん断する、切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切断装置、システム、及び切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1に記載の切断装置では、押出プレスのエンドプラテンから押出される形材のストップマークが検知された後、ソー台車は、形材に併走させつつ形材をクランプ手段によって把持させる。ソー台車に設けたカッタ手段にてストップマーク部位が切断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-233317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
切断装置には、長寿命化が求められる。
【0005】
本開示の目的は、切断装置の長寿命化が可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様は、切断装置である。前記切断装置は、複数の貫通孔が第1方向に形成されているシート材の搬送路と、前記搬送路上で前記シート材を前記第1方向に搬送可能な搬送部と、前記搬送部より前記搬送路の上流に位置し、前記シート材における前記貫通孔を検出するセンサと、前記搬送部より前記搬送路の上流に位置し、複数のクランプ部材を有し、前記複数のクランプ部材が前記シート材を挟んで支持する第1状態と、前記複数のクランプ部材が互いに離れる第2状態とに変更可能なクランプ部と、前記搬送部より前記搬送路の下流に位置し、複数のせん断部材を有し、前記複数のせん断部材が前記シート材をせん断する第3状態と、前記複数のせん断部材が互いに離れる第4状態とに変更可能であるせん断部とを備える。前記第2状態且つ前記第4状態で前記搬送部が前記シート材を搬送する。前記センサの検出結果に基づくタイミングで前記クランプ部が前記複数のクランプ部材を前記第2状態から前記第1状態に変更し、前記せん断部が前記複数のせん断部材を前記第4状態から前記第3状態に変更する。
【0007】
本開示の第2態様は、切断装置と制御部とを備えるシステムである。前記切断装置は、複数の貫通孔が第1方向に形成されているシート材の搬送路と、前記搬送路上で前記シート材を前記第1方向に搬送可能な搬送部と、前記搬送部より前記搬送路の上流に位置し、前記シート材における前記貫通孔を検出するセンサと、前記搬送部より前記搬送路の上流に位置し、複数のクランプ部材を有し、前記複数のクランプ部材が前記シート材を挟んで支持する第1状態と、前記複数のクランプ部材が互いに離れる第2状態とに変更可能なクランプ部と、前記搬送部より前記搬送路の下流に位置し、複数のせん断部材を有し、前記複数のせん断部材が前記シート材をせん断する第3状態と、前記複数のせん断部材が互いに離れる第4状態とに変更可能であるせん断部とを備える。前記制御部は、前記第2状態及び前記第4状態で前記搬送部により前記シート材を搬送させ、前記センサの検出結果に基づくタイミングで前記クランプ部を前記第2状態から前記第1状態に変更し、前記せん断部を前記第4状態から前記第3状態に変更する。
【0008】
本開示の第3態様は、切断方法である。前記切断方法は、複数の貫通孔が第1方向に形成されているシート材に前記第1方向に沿う搬送力を搬送部により加えて、前記シート材を搬送路上で搬送し、前記搬送部より前記搬送路の上流側に位置するセンサにより、前記搬送路上で搬送される前記シート材の各前記貫通孔を検出し、前記センサの検出結果に基づくタイミングで前記搬送部より前記搬送路の上流側に位置する複数のクランプ部材により前記シート材を挟んで支持し、前記搬送部より前記シート材に前記搬送力を加えることを停止し、前記搬送部より前記搬送路の下流側に位置する複数のせん断部材により前記シート材をせん断する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、切断装置の長寿命化が可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係るシステムを示す図である。
図2】複数の貫通孔が形成されたシート材を示す図である。
図3図1に示される切断装置の内部構成を示す図である。
図4図3に示される線IV-IVに沿う切断装置の断面図である。
図5図1に示される切断装置の動作を示すフローチャートである。
図6図3に示されるセンサの支持部の平面図である。
図7図3に示されるセンサの支持部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
図1は、本開示の実施形態に係るシステム100の構成を示すブロック図である。システム100は、プレス機1と、引取装置2と、搬送路3と、切断装置4とを備えている。
【0013】
プレス機1内には、シート材Wが送り込まれる。シート材Wは、薄い帯状である。シート材Wの材料は、典型的には、樹脂又は金属である。プレス機1内では、シート材Wは、第1方向D11に搬送される。第1方向D11は、シート材Wの長手方向である。プレス機1は、打抜き処理を制御する制御部11を備えている。プレス機1は、打抜き処理により、シート材Wに複数の貫通孔H(図2参照)を第1方向D11に沿って形成する。
【0014】
引取装置2は、打抜き処理済のシート材Wに、第1方向D11に沿う搬送力を加える。引取装置2は、シート材Wを搬送路3に送り出す。シート材Wは、搬送路3内で搬送された後、切断装置4内に送り込まれる。
【0015】
切断装置4内では、打抜き処理済のシート材Wは、第1方向D11に搬送される。切断装置4は、切断装置4内で搬送されるシート材Wを切断する。切断装置4の詳細については後述する。切断装置4におけるシート材Wの搬送速度は、引取装置2における搬送速度よりも低速となる。搬送速度の差を吸収するために、搬送路3内にはバッファ領域31が形成される。
【0016】
図2は、複数の貫通孔Hが形成されたシート材Wを示す図である。図2では、シート材Wの一部のみが示される。図2に示されるように、実施形態では、シート材Wには、多列取りより、第1方向D11に沿う複数列の貫通孔Hが形成される。図2では、3個の貫通孔にのみ参照符号「H」が付されている。実施形態では、列数は2である。貫通孔Hの一方の列H1は、他方の列H2よりも第2方向D12の一方側に位置する。第2方向D12は、シート材Wの短手方向であって、第1方向D11に交差する方向である。
【0017】
実施形態では、各貫通孔Hは、互いに同じ外径を有する。詳細には、各貫通孔Hの形状は、実質的に同じ円形である。この場合、各貫通孔Hの外径(即ち、直径)は、Rである。実施形態において、「実質的に同じ」という用語は、完全に同じもののみを意味するのでは無く、公差の範囲をもって概ね同じであるものを含む。なお、各貫通孔Hの形状は、多角形でもよい。
【0018】
以下、第1方向D11に隣り合う2個の貫通孔Hを「隣接孔H」と記載する。隣接孔Hの間隔G11は、互いに実質的に同じである。即ち、複数の貫通孔Hは、第1方向D11において等しい間隔で形成されている。また、各貫通孔Hは、第1方向D11において、隣の列(即ち、列H1又は列H2)の隣接孔Hの中心Oの間に位置する(破線部分を参照)。更に、距離D51は、各貫通孔Hの外径よりも短い。距離D51は、列H1に含まれる各貫通孔Hの中心Oと、列H2に含まれる各貫通孔Hの中心Oとの間の第2方向D12における距離である。
【0019】
図3は、図1に示される切断装置4の内部構成を示す図である。図4は、図3に示される線IV-IVに沿う切断装置4の縦断面を示す図である。図3及び図4に示されるように、切断装置4は、筐体41と、ガイド板42と、挿入部43と、センサ44と、クランプ部45と、搬送部46と、せん断部47と、制御部48と、搬送路49とを備える。
【0020】
筐体41は、第1面411と、第2面412とを備える。第1面411及び第2面412は、第1方向D11において互いに離れている。実施形態では、第1面411は、底面であり、第2面412は、上面である。第1面411は、切断装置4の使用時に設置面に接触する。第1面411は、第2面412から第1方向D11(即ち、下方向)に離れている。
【0021】
第2面412には、入口413が形成される。入口413は、スリット状の貫通孔であり、シート材Wを筐体41内に導入するために使用される。入口長さは、シート幅よりも長い。入口長さ及びシート幅は、入口413及びシート材Wの第2方向D12における寸法である。入口幅は、シート厚さよりも若干広い。入口幅及びシート厚さは、入口413及びシート材Wの第3方向D13における寸法である。第3方向D13は、第1方向D11及び第2方向D12に交差する方向である。
【0022】
以下、第2方向D12の一方側は、第2方向一方側D12Aと記載され、第2方向D12の他方側は、第2方向他方側D12Bと記載される場合がある。第3方向D13の一方側は、第3方向一方側D13Aと記載され、第3方向D13の他方側は、第3方向他方側D13Bと記載される場合がある。
【0023】
ガイド板42は、略矩形状の平板であり、例えば樹脂又は金属のような硬質材料で作製される。ガイド板42は、筐体41に固定されている。ガイド板42の下端は、第2面412において入口413よりも第3方向一方側D13Aに位置する。詳細には、ガイド板42は、第3方向他方側D13Bに主面421を有する。主面421は、好ましくは、入口413の第3方向一方側D13Aの端部と面一である。実施形態において「面一」という用語は、「段差無く平行であること」を意味する。ガイド板42及び主面421は、第2面412の直上で第1方向D11及び第2方向D12に拡がる。
【0024】
ガイド板42には、2つの透光部422,423が形成されている(図4を特に参照)。実施形態では、透光部422,423は、ガイド板42において、第2方向一方側D12Aの端部よりも第2方向他方側D12Bの端部の近くに位置する。透光部422,423は、ガイド板42を第3方向D13に貫通する孔である。透光部422,423の各々は、第1方向D11に延びるスリット状であり、第2方向D12において互いに離れている。
【0025】
挿入部43は、ガイド板42に固定されており、ガイド板42の上端に沿って第2方向D12に延びている。挿入部43は、硬質材料で作製され、第1面431と、第2面432とを有する。第1面431は、入口413の第3方向一方側D13Aの端部と面一である。第2面432は、第1面431から第3方向他方側D13Bに所定距離だけ離れた位置で、第1面431と向かい合っている。所定距離は、シート厚さより若干大きい距離である。
【0026】
挿入部43の第1面431と第2面432との間には、搬送路3からシート材Wが送り込まれる。シート材Wは、ガイド板42の主面421上を第1方向D11に搬送される。従って、挿入部43と、主面421とは、切断装置4におけるシート材Wの搬送路49の一部を規定する。搬送路49は、本発明における「搬送路」の一例である。
【0027】
センサ44は、搬送部46よりも搬送路49の上流に位置する。センサ44は、搬送路49で搬送されるシート材W(図2参照)における貫通孔Hを検出する。センサ44は、検出結果を示す信号(以下、「センサ信号」と記載する)を制御部48に出力する。センサ信号は、貫通孔Hが検出されていることを示すハイレベルと、貫通孔Hが検出されていないことを示すローレベルとを有する。
【0028】
実施形態では、センサ44は、能動型で透過型の光センサであり、発光素子441と、受光素子442とを有する。発光素子441及び受光素子442は、ガイド板42の透光部422,423のいずれかを挟んで第3方向D13に向かい合う。発光素子441は、受光素子442に向けて光を出射する。受光素子442は、自身の受光面への入射光量に応じたレベルのセンサ信号を出力する。従って、出射光がシート材Wに照射される場合、ローレベルのセンサ信号が受光素子442から出力される。一方、出射光が貫通孔Hを通過する場合、ハイレベルのセンサ信号が出力される。ローレベルは、本開示における「第2レベル」の一例であり、ハイレベルは、本開示における「第1レベル」に一例である。
【0029】
クランプ部45は、搬送部46より搬送路49の上流に位置する。クランプ部45は、複数のクランプ部材451,452を有する。クランプ部45は、複数のクランプ部材451,452がシート材Wを挟んで支持する第1状態と、複数のクランプ部材451,452が互いに離れる第2状態とに変更可能である。
【0030】
実施形態では、クランプ部材451,452は、プラテン及び押さえ部材である。従って、以下では、「プラテン」及び「押さえ部材」に、参照符号「451」及び「452」を付す。クランプ部45は更に、押さえ駆動機構453を有する。
【0031】
プラテン451は、略矩形状の平板であり、硬質材料で作製される。プラテン451は、筐体41の第2面412よりも下方向であって、入口413よりも第3方向一方側D13Aの位置で筐体41に固定される。詳細には、プラテン451は、第3方向他方側D13Bに主面4511を有する。主面4511は、好ましくは、ガイド板42の主面421と面一であり、搬送路49の一部を規定する。
【0032】
押さえ部材452は、主面4511よりも第3方向他方側D13Bで、第2方向D12に概ね直線的に延びる棒状の部材である。詳細には、押さえ部材452の第2方向D12における両端部は、搬送路49よりも外側の位置まで延びている(図4参照)。また、押さえ部材452は、筐体41に固定されたガイド(図示せず)により第3方向D13に移動可能に支持される。押さえ駆動機構453は、シリンダ及び引っ張りコイルばね等の有する。押さえ部材452は、シリンダからの推力がない状態では、引っ張りコイルばねにより主面4511から離れて位置する。なお、押さえ駆動機構453は、引っ張りコイルばねを有していなくともよい。この時、プラテン451及び押さえ部材452は、第2状態にある。一方、押さえ部材452は、シリンダからの推力を受けている状態では、主面4511を押圧する。この時、プラテン451及び押さえ部材452は、シート材Wを挟んで支持し、第1状態にある。
【0033】
搬送部46は、搬送路49上でシート材Wを第1方向D11に搬送可能である。搬送部46は、2個一対のローラ461,462と、第1駆動機構463と、第2駆動機構464とを有する。2個一対のローラ461,462は、本開示における「ローラ対」の一例である。第2駆動機構464は、「ローラ移動機構」の一例である。
【0034】
ローラ461,462の各々は、プラテン451よりも下方向に位置する。ローラ461,462は、主面4511よりも第3方向D13の一方側及び他方側の位置で、第2方向D12に概ね直線状にそれぞれ延びる。ローラ461,462の各々における第2方向D12の両端部は、搬送路49よりも外側の位置まで延びている(図4参照)。ローラ461には、モータ、ギヤ及びベルトを含む第1駆動機構463から伝達される動力により、第2方向D12に沿う軸周りに回転する。即ち、ローラ461は、駆動ローラである。ローラ462は、筐体41に固定されたガイド(図示せず)により第3方向D13に移動可能に支持される。
【0035】
第2駆動機構464は、シリンダ及び圧縮コイルばね等の有しており、ローラ461,462が互いにニップする第5状態と、ローラ461,462が互いに離れる第6状態とに変更可能である。ローラ462は、シリンダからの推力がない状態では、圧縮コイルばねにより、第3方向他方側D13B側からローラ461を押圧し、ニップをローラ461と形成する。ニップは、搬送路49の一部を規定する。この時、ローラ461,462は第5状態にある。第5状態にあるとき、ローラ461は、第1駆動機構463からの動力により回転し、ローラ462は、ローラ461に従動し回転する。これにより、ローラ461,462は、搬送路49上のシート材Wに第1方向D11に沿う搬送力を加えることが可能となる。一方、ローラ462は、シリンダからの推力がある状態では、第3方向他方側D13Bにローラ461から離れて位置する。この時、ローラ461,462は、第6状態にある。なお、第2駆動機構464は、圧縮コイルばねを有しておらず、シリンダだけでも、第5状態と、第6状態とを変更可能である。
【0036】
せん断部47は、搬送部46より搬送路49の下流に位置する。せん断部47は、複数のせん断部材471,472を有する。せん断部47は、複数のせん断部材471,472がシート材Wをせん断する第3状態と、複数のせん断部材471,472が互いに離れる第4状態とに変更可能である。
【0037】
実施形態では、せん断部材471,472は、固定刃及び移動刃である。従って、以下では、「固定刃」及び「移動刃」に、参照符号「471」及び「472」を付す。せん断部47は更に、刃駆動機構473を有する。
【0038】
固定刃471及び移動刃472の各々は、第2方向D12に概ね直線的に延びる。詳細には、固定刃471及び移動刃472の各々の第2方向D12における両端部は、搬送路49よりも外側の位置まで延びている(図4参照)。また、固定刃471は、ローラ462よりも下方向、且つ主面4511よりも第3方向他方側D13Bの位置で筐体41に固定されている。移動刃472は、第1方向D11において固定刃471よりもすぐ下方向に位置する。
【0039】
刃駆動機構473は、モータ及びリンク機構を有している。リンク機構には、モータの出力軸と、移動刃472とが機械的に接続される。リンク機構は、モータで生成される回転運動を往復運動に変換する。その結果、移動刃472が第1位置と第2位置との間で往復運動する。第1位置及び第2位置は、第1方向D11において、互いに同じであり、固定刃471の直下である。第1位置は、搬送路49よりも第3方向一方側D13Aの位置である。第2位置は、搬送路49よりも第3方向他方側D13Bである。移動刃472が第1位置及び第2位置の間で往復運動することにより、固定刃471及び移動刃472は、シート材Wにせん断する第3状態と、固定刃471及び移動刃472が互いに離れる第4状態とに変更される。
【0040】
制御部48は、典型的には、中央演算処理装置又はマイクロコンピュータであり、回路基板に実装される。制御部48は、内部に有するメモリ、又は回路基板に実装されたメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行し、切断装置4を構成する各部を制御する。
【0041】
図5は、切断装置4の動作を示すフローチャートである。図5に示されるように、ステップS101で、制御部48は、シート材Wのセット処理を実行する。詳細には、制御部48は、押さえ駆動機構453を制御することで、クランプ部45を第2状態にする。制御部48は、第2駆動機構464を制御することで、ローラ461,462を第5状態にする。制御部48は、刃駆動機構473を制御することで、せん断部47を第4状態にする。
【0042】
ステップS101の終了後、制御部48は、シート材Wのセットが完了することを待機する。作業者は、ステップS101の終了後、搬送路3(図1参照)の下流端から引き出されたシート材Wを、挿入部43の第1面431及び第2面432の間、発光素子441及びガイド板42の間、押さえ部材452及びプラテン451の間に通した後、ローラ461,462のニップに突き当てる。
【0043】
ステップS102において、制御部48は、作業者によるシート材Wのセットが完了した後、第1駆動機構463を制御することで、ローラ461を予め定められた回転数R11で回転させ始める。その結果、ローラ462が従動回転し、ローラ461,462のニップから、シート材Wは、搬送速度Vで第1方向D11に送り出される。その結果、シート材Wには、第1方向D11に沿う搬送力が搬送部46により加えられ、シート材Wは、搬送路49上で搬送される。即ち、制御部48は、第2状態且つ第4状態で、第5状態のローラ461、462を回転させ、搬送部46にシート材Wを搬送させる。
【0044】
ステップS103で、制御部48は、センサ44から信号(以下、「センサ信号」と記載する。)の取得を開始する。センサ信号の時間波形には、ローレベルと、ハイレベルとが交互に現れる。実施形態では、搬送速度Vは、実質的に一定であるため、ローレベルは周期的に表れる。制御部48は、センサ信号から立ち上がりエッジを特定する。即ち、搬送路49上で搬送されるシート材Wの貫通孔Hが検出される。
【0045】
ステップS104で、制御部48は、センサ44の検出結果に基づいて、シート材Wを停止させるタイミングを決定する。
【0046】
以下、ステップS104の詳細な処理の一例について説明する。第1方向D11において、発光素子441の光軸の位置から、せん断部47によりシート材Wが切断される位置までの距離D61(図4参照)は、予め定められている。
【0047】
再度図2を参照する。図2に示されるように、貫通孔Hの直径はRであり、隣接孔Hの間隔はG11であり、列数が2である。この場合、固定刃471及び移動刃472は、貫通孔Hの下端E01から上方向に距離ΔD71までの範囲(以下、「低負荷範囲」と記載する。)でシート材Wをせん断することが好ましい。なぜなら、低負荷範囲外でシート材Wをせん断する場合と比較して、固定刃471及び移動刃472がシート材Wに当たる範囲が狭まり、その結果、固定刃471及び移動刃472がせん断時に受ける負荷が低減されるからである。なお、ΔD71は、(R-G11)/2である。
【0048】
従って、制御部48は、ステップS104において、立ち上がりエッジ(即ち、ローレベルからハイレベルへの遷移)から時間T01の経過時点をタイミングとして決定する。T01は、(D61+ΔD71)/Vである。即ち、制御部48は、センサ44からハイレベルのセンサ信号が出力されている時間帯に基づいてタイミングを決定している。ここで、タイミングは、制御部48が演算で求めることも可能であるが、コンピュータプログラムに記述されていたり、メモリに記憶されていたりしてもよい。
【0049】
ステップS104の次に、ステップS105で、制御部48は、ステップS104で決定したタイミングで押さえ駆動機構453を制御することで、クランプ部45に、プラテン451及び押さえ部材452を第2状態から第1状態に変更させる。即ち、シート材Wは、クランプ部45により挟まれ支持されることで、搬送路49上で一旦停止する。また、刃駆動機構473は、制御部48の制御下で、第1位置及び第2位置の間で往復運動することで、せん断部47を第4状態から第3状態に変更させる。その結果、せん断部47は、搬送路49上で停止した状態のシート材Wを低負荷で切断する。その結果、切断装置4の長寿命化が可能となる。
【0050】
ステップS105では更に、制御部48は、クランプ部45が第2状態から第1状態に変更させられ、更にローラ461の回転を停止させることなく第2駆動機構464を制御することにより第5状態から第6状態に変更することが好ましい。即ち、制御部48は、搬送部46よりシート材Wに搬送力を加えることを停止する。切断装置4の稼働中にローラ461が停止しないため、切断装置4のダウンタイムが低減される。
【0051】
ステップS105において、更に好ましくは、制御部48は、せん断部47が第4状態から第3状態に変更されるタイミングに同期して、ローラ461,462が第5状態から第6状態へと変更させる。
【0052】
以上、図面を参照して本開示の実施形態について説明した。ただし、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0053】
また、図面は、本開示の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0054】
制御部48は、ステップS104において、センサ信号における各立ち上がりエッジを検出し、各立ち上がりエッジの特定から時間T01の経過時点をタイミングとして決定してもよい。
【0055】
実施形態では、各貫通孔Hは、実質的に同じ形状を有する(図2参照)。また、隣接孔Hの各間隔G11は、実質的に同じである。この条件下では、制御部48は、ステップS104において、センサ信号における最初の立ち上がりエッジを検出し、検出した立ち上がりエッジの特定から時間T01の経過時点をタイミングとして決定してもよい。
【0056】
実施形態では、図5の処理は、切断装置4が内部に備える制御部48により実行されていた。しかし、これに限らず、図5の処理は、プレス機1が内部に備える制御部11により実行されてもよい。この場合、プレス機1の制御部11からは、切断装置4における押さえ駆動機構453、第1駆動機構463、第2駆動機構464及び刃駆動機構473には、有線又は無線を通じて各種制御コマンドを送信する必要がある。即ち、切断装置4が制御部48を備えず、制御部11の制御下で動作する場合もある。
【0057】
実施形態では、センサ信号における各立ち上がりエッジの特定から時間T01が経過する度に、シート材Wが切断されていた。即ち、制御部48は、前記センサ44からハイレベルのセンサ信号が出力される各時間帯に、固定刃471及び移動刃472が第4状態から第3状態に変更されるタイミングを決定されてもよい。しかし、これに限らず、制御部48は、センサ44からハイレベルのセンサ信号が出力される時間帯のうち、予め設定された条件を満たす時間帯に基づいて、固定刃471及び移動刃472を第4状態から第3状態に変更するタイミングが決定されてもよい。条件としては、1個の立ち上がりエッジを特定後、n個(nは自然数)の立ち上がりエッジを無視することが例示される。これにより、切断されたシート材Wの長さを変更できるため、使い勝手の良い切断装置4が提供される。
【0058】
図6は、センサ44の支持部410の平面図である。図7は、センサ44の支持部の正面図である。図6及び図7に示されるように、支持部410は、センサ44の位置を少なくとも上下方向(即ち、第1方向D11及びその逆方向)に変更可能に、センサ44を支持する。実施形態では、支持部410は、センサ44の位置を第2方向D12も変更可能に支持する。支持部410により、シート材W(図2参照)がせん断される位置を調整可能となる。
【0059】
詳細には、支持部410により、センサ44の位置は、第1方向D11において、各透光部422,423の上端及び下端の間で移動可能となる。また、支持部410により、センサ44の位置は、第2方向D12において、透光部422及び透光部423の間で移動可能となる。
【0060】
実施形態では、ステップS104でタイミングが決定されていた。しかし、これに限らず、距離D61が、貫通孔Hの外径Rと、間隔G11との加算値に基づいて決定されていてもよい。詳細には、距離D61が加算値の整数倍である。この場合、立ち上がりエッジの特定と実質的に同じタイミングで、固定刃471及び移動刃472を第4状態から第3状態に変更されれば、実施形態と同様に、せん断部47は低負荷でシート材Wを切断できる。
【0061】
なお、本技術は、以下のような構成を採用することも可能である。
【0062】
(1)複数の貫通孔が第1方向に形成されているシート材の搬送路と、
前記搬送路上で前記シート材を前記第1方向に搬送可能な搬送部と、
前記搬送部より前記搬送路の上流に位置し、前記シート材における前記貫通孔を検出するセンサと、
前記搬送部より前記搬送路の上流に位置し、複数のクランプ部材を有し、前記複数のクランプ部材が前記シート材を挟んで支持する第1状態と、前記複数のクランプ部材が互いに離れる第2状態とに変更可能なクランプ部と、
前記搬送部より前記搬送路の下流に位置し、複数のせん断部材を有し、前記複数のせん断部材が前記シート材をせん断する第3状態と、前記複数のせん断部材が互いに離れる第4状態とに変更可能であるせん断部と
を備え、
前記第2状態且つ前記第4状態で前記搬送部が前記シート材を搬送し、
前記センサの検出結果に基づくタイミングで前記クランプ部が前記複数のクランプ部材を前記第2状態から前記第1状態に変更し、前記せん断部が前記複数のせん断部材を前記第4状態から前記第3状態に変更する、切断装置。
【0063】
(2)制御部を更に備え、
前記制御部は、
前記第2状態及び前記第4状態で、前記搬送部により前記シート材を搬送させ、
前記タイミングに基づいて、前記クランプ部に前記複数のクランプ部材を前記第2状態から前記第1状態に変更させた後に、前記せん断部に前記複数のせん断部材を前記第4状態から前記第3状態に変更させる、(1)に記載の切断装置。
【0064】
(3)前記センサは、検出結果を示す信号を前記制御部に出力し、
前記信号は、前記貫通孔が検出されていることを示す第1レベルと、前記貫通孔が検出されていないことを示す第2レベルとを有し、
前記制御部は、前記センサから前記第1レベルの前記信号が出力されている時間帯に基づいて前記タイミングを決定する、(2)に記載の切断装置。
【0065】
(4)前記センサは、検出結果を示す信号を前記制御部に出力し、
前記信号は、前記貫通孔が検出されていることを示す第1レベルと、前記貫通孔が検出されていないことを示す第2レベルとを有し、
前記制御部は、前記センサから前記第1レベルの前記信号が出力されている時間帯のうち、予め設定された条件を満たす時間帯に基づいて前記タイミングを決定する、(2)に記載の切断装置。
【0066】
(5)前記センサの位置を前記第1方向に変更可能に支持する支持機構を更に備える、(1)から(4)のいずれかに記載の切断装置。
【0067】
(6)前記搬送部は、
前記搬送路上の前記シート材に前記第1方向に沿う搬送力を加えることが可能なローラ対と、
前記ローラ対が互いにニップする第5状態と、前記ローラ対が互いに離れる第6状態とに変更可能なローラ移動機構と
を有し、
前記制御部は、
前記第2状態及び前記第4状態で、前記第5状態の前記ローラ対を回転させ、
決定した前記タイミングに基づいて、前記ローラ対の回転を停止させることなく前記ローラ移動機構により前記第5状態から前記第6状態に変更し、前記クランプ部により前記第2状態から前記第1状態に変更した後に、前記せん断部により前記第4状態から前記第3状態に変更する、(2)から(5)のいずれかに記載の切断装置。
【0068】
(7)前記複数の貫通孔は、互いに同じ外径を有し、前記第1方向において等しい間隔で形成されており、
前記センサと、前記複数のせん断部材とは、前記第1方向において、前記貫通孔の外径と前記間隔との加算値に基づく距離だけ離れて位置する、(1)から(6)のいずれかに記載の切断装置。
【0069】
(8)切断装置と制御部とを備えるシステムであって、
前記切断装置は、
複数の貫通孔が第1方向に形成されているシート材の搬送路と、
前記搬送路上で前記シート材を前記第1方向に搬送可能な搬送部と、
前記搬送部より前記搬送路の上流に位置し、前記シート材における前記貫通孔を検出するセンサと、
前記搬送部より前記搬送路の上流に位置し、複数のクランプ部材を有し、前記複数のクランプ部材が前記シート材を挟んで支持する第1状態と、前記複数のクランプ部材が互いに離れる第2状態とに変更可能なクランプ部と、
前記搬送部より前記搬送路の下流に位置し、複数のせん断部材を有し、前記複数のせん断部材が前記シート材をせん断する第3状態と、前記複数のせん断部材が互いに離れる第4状態とに変更可能であるせん断部と
を備え、
前記制御部は、
前記第2状態及び前記第4状態で前記搬送部により前記シート材を搬送させ、
前記センサの検出結果に基づくタイミングで前記クランプ部を前記第2状態から前記第1状態に変更し、
前記せん断部を前記第4状態から前記第3状態に変更する、システム。
【0070】
(9)前記シート材に前記複数の貫通孔を前記第1方向に沿って形成するプレス機を更に備える、(8)に記載のシステム。
【0071】
(10)前記プレス機は、前記制御部を備える、(9)に記載のシステム。
【0072】
(11)複数の貫通孔が第1方向に形成されているシート材に前記第1方向に沿う搬送力を搬送部により加えて、前記シート材を搬送路上で搬送し、
前記搬送部より前記搬送路の上流側に位置するセンサにより、前記搬送路上で搬送される前記シート材の各前記貫通孔を検出し、
前記センサの検出結果に基づくタイミングで前記搬送部より前記搬送路の上流側に位置する複数のクランプ部材により前記シート材を挟んで支持し、
前記搬送部より前記シート材に前記搬送力を加えることを停止し、前記搬送部より前記搬送路の下流側に位置する複数のせん断部材により前記シート材をせん断する、切断方法。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本開示に係る切断装置、システム及び切断方法は、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0074】
100 :システム
1 :プレス機
11 :制御部
4 :切断装置
41 :筐体
44 :センサ
45 :クランプ部
451 :クランプ部材(プラテン)
452 :クランプ部材(押さえ部材)
453 :押さえ駆動機構
46 :搬送部
461,462 :ローラ
463 :第1駆動機構
464 :第2駆動機構
47 :せん断部
471 :せん断部材(固定刃)
472 :せん断部材(移動刃)
473 :刃駆動機構
48 :制御部
3,49 :搬送路
410 :支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7