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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068448
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】動力伝達クラッチ構造
(51)【国際特許分類】
   F16D 43/26 20060101AFI20240513BHJP
   F16H 1/16 20060101ALI20240513BHJP
   F16H 55/22 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
F16D43/26 D
F16H1/16 Z
F16H55/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178906
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】512308340
【氏名又は名称】株式会社テクノソルバ
(71)【出願人】
【識別番号】503361400
【氏名又は名称】国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】中村 和行
(72)【発明者】
【氏名】松村 健三
(72)【発明者】
【氏名】坂本 佑介
(72)【発明者】
【氏名】池田 直史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智美
【テーマコード(参考)】
3J009
3J030
【Fターム(参考)】
3J009EA19
3J009ED05
3J009FA30
3J030BA02
(57)【要約】
【課題】第1回転軸への回転力の伝達を駆動軸の回転角度に応じて遮断することが可能な動力伝達クラッチ構造を提供する。
【解決手段】動力伝達クラッチ構造100は、アクチュエータ(駆動モータ11)により回転駆動される駆動軸15と、駆動軸15の回転に伴いそれぞれ回転する第1回転軸21及び第2回転軸22と、駆動軸15から第1回転軸21に対して回転力を伝達する状態と伝達しない状態とを切り替えるクラッチ機構と、を備え、駆動軸15が一方向に回転する過程で、クラッチ機構は、駆動軸15の回転角度が特定範囲のときには駆動軸15の回転力を第1回転軸21へ伝達する駆動伝達状態となり、特定範囲の範囲外のときには駆動軸15の回転力を第1回転軸21へ伝達しない駆動遮断状態となり、第2回転軸22は、クラッチ機構が駆動伝達状態のときと駆動遮断状態のときとの双方において駆動軸15の回転に伴い回転しうる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータにより回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸の回転に伴いそれぞれ回転する第1回転軸及び第2回転軸と、
前記駆動軸から前記第1回転軸に対して回転力を伝達する状態と伝達しない状態とを切り替えるクラッチ機構と、
を備え、
前記駆動軸が一方向に回転する過程で、前記クラッチ機構は、前記駆動軸の回転角度が特定範囲のときには前記駆動軸の回転力を前記第1回転軸へ伝達する駆動伝達状態となり、前記駆動軸の回転角度が前記特定範囲の範囲外のときには前記駆動軸の回転力を前記第1回転軸へ伝達しない駆動遮断状態となり、
前記第2回転軸は、前記駆動軸が前記一方向に回転する過程で、前記クラッチ機構が前記駆動伝達状態のときと前記駆動遮断状態のときとの双方において前記駆動軸の回転に伴い回転しうる動力伝達クラッチ構造。
【請求項2】
前記第2回転軸は、前記駆動軸が前記一方向に回転する過程で常に回転する請求項1に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項3】
前記駆動軸が前記一方向に回転する過程の初期と終期において、前記クラッチ機構が前記駆動遮断状態となり、
前記初期と前記終期と間の中間期において、前記クラッチ機構が前記駆動伝達状態となる請求項1に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項4】
前記クラッチ機構は、
前記第1回転軸に設けられた係合部材と、
前記駆動軸と一体に設けられ、前記係合部材が係合可能な被係合部を有する被係合部材と、
を有し、
前記係合部材が前記被係合部に係合しているときには、前記クラッチ機構が前記駆動伝達状態となって、前記駆動軸に伴って前記第1回転軸が回転し、
前記係合部材が前記被係合部から離脱しているときには、前記クラッチ機構が前記駆動遮断状態となって前記第1回転軸が回転停止する請求項1に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項5】
前記被係合部は、前記駆動軸の径方向における前記被係合部材の端部に形成されているとともに当該径方向における外方に向けて開放した形状の凹部であり、
前記係合部材が前記凹部に対して相対的に前記径方向における外方に移動して当該凹部から離脱することによって、前記クラッチ機構が前記駆動遮断状態となる請求項4に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項6】
前記被係合部材は前記駆動軸と同軸に配置された円盤状の部材であり、
前記被係合部は、前記被係合部材の外周面に形成されている請求項5に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項7】
前記第1回転軸は前記駆動軸の延長上に配置されている請求項6に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項8】
前記係合部材は、前記駆動軸の軸方向に対して平行に延在する円柱状のピンであり、
前記ピンの軸方向における一部分が前記凹部に係合する請求項7に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項9】
前記被係合部材の径方向における前記凹部の寸法は、前記ピンの半径よりも大きい請求項8に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項10】
前記凹部は、前記ピンの外周面に沿う円弧状の形状に形成されている請求項9に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項11】
前記被係合部材の周方向における前記凹部の両端部は面取り形状に形成されている請求項10に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項12】
前記クラッチ機構は、前記ピンにおいて前記凹部に係合する部位とは別の部位を案内する案内路を有する案内部材を備え、
前記ピンが前記案内路により案内される過程で、前記ピンが前記凹部に係合した前記駆動伝達状態と、前記ピンが前記凹部から離脱した前記駆動遮断状態と、に切り替わる請求項8から11のいずれか一項に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項13】
前記案内部材は盤状の部材であり、
前記案内路は、前記案内部材の一方の面に形成された案内溝であり、前記ピンの一端部を案内する請求項12に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項14】
前記案内路は、前記駆動軸と同軸の円弧状に延在する主部と、前記主部の端に連なっていて前記主部の端から前記駆動軸の径方向外側に向けて延出している端部と、を含み、
前記ピンの前記一端部が前記主部により案内される状態のときが前記駆動伝達状態であり、前記ピンの前記一端部が前記端部により案内される状態のときが前記駆動遮断状態である請求項13に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項15】
前記主部から前記端部に向けて、前記案内路の延在方向の方向成分のうち、前記駆動軸の径方向の成分が徐々に増大している請求項14に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項16】
前記端部において、少なくとも前記主部から最も遠い部分では、当該端部の延在方向の方向成分のうち、前記駆動軸の径方向の成分が、前記駆動軸の周方向の成分よりも大きい請求項15に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項17】
前記クラッチ機構は、前記ピンを前記駆動軸の径方向内側に向けて付勢している付勢部を備える請求項12に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項18】
前記付勢部は、引っ張り型のコイルスプリングにより構成されている請求項17に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項19】
前記クラッチ機構は、前記第1回転軸の軸心からオフセットした位置において、前記第1回転軸に対して平行な揺動軸にて前記第1回転軸に対して揺動可能に軸支された揺動部材を備え、
前記ピンは、前記揺動部材において前記揺動軸から離間した部位に設けられており、
前記付勢部は、前記揺動部材において前記揺動軸よりも前記ピンに近い部位を前記駆動軸の径方向内側に向けて付勢している請求項17に記載の動力伝達クラッチ構造。
【請求項20】
前記アクチュエータは、出力軸を備え、
当該動力伝達クラッチ構造は、
前記出力軸の回転を前記駆動軸に伝達するウォームギアと、
前記駆動軸の回転を前記第2回転軸に伝達する傘歯車と、
を備え、
前記出力軸の軸方向と前記駆動軸の軸方向とは互いに直交しており、
前記駆動軸の軸方向と前記第2回転軸の軸方向とは互いに直交しており、
前記出力軸の軸方向と前記第2回転軸の軸方向とは互いに平行となっている請求項1から11のいずれか一項に記載の動力伝達クラッチ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達クラッチ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電動モータ(アクチュエータ)と、クラッチと、クラッチの外周面に対して接離可能なソレノイドピンと、を備える動力伝達クラッチ構造(同文献の車両用駆動装置)について記載されている。クラッチの外周面には、クラッチの回転方向に対して交差する案内面を有する案内溝と、ソレノイドピンを案内溝に導入する導入溝と、解除用溝と、が形成されている。電動モータが回転すると、ソレノイドピンが導入溝から案内溝及び解除用溝へと順次に移動することによりクラッチが移動し、クラッチと減速機構との係合が解除されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-138425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本願発明者等は、アクチュエータにより駆動される駆動軸の回転力を第1回転軸及び第2回転軸に伝達する機構において、第1回転軸への回転力の伝達を駆動軸の回転角度に応じて遮断することが可能な構造について、ニーズがあると考えた。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、第1回転軸への回転力の伝達を駆動軸の回転角度に応じて遮断することが可能な動力伝達クラッチ構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、アクチュエータにより回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸の回転に伴いそれぞれ回転する第1回転軸及び第2回転軸と、
前記駆動軸から前記第1回転軸に対して回転力を伝達する状態と伝達しない状態とを切り替えるクラッチ機構と、
を備え、
前記駆動軸が一方向に回転する過程で、前記クラッチ機構は、前記駆動軸の回転角度が特定範囲のときには前記駆動軸の回転力を前記第1回転軸へ伝達する駆動伝達状態となり、前記駆動軸の回転角度が前記特定範囲の範囲外のときには前記駆動軸の回転力を前記第1回転軸へ伝達しない駆動遮断状態となり、
前記第2回転軸は、前記駆動軸が前記一方向に回転する過程で、前記クラッチ機構が前記駆動伝達状態のときと前記駆動遮断状態のときとの双方において前記駆動軸の回転に伴い回転しうる動力伝達クラッチ構造が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1回転軸への回転力の伝達を駆動軸の回転角度に応じて遮断することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造の斜視図である。
図2】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造の内部構造を示す斜視図である。
図3】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造の内部構造の一部分を示す斜視図である。
図4】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造の内部構造の一部分を示す斜視図である。
図5】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造の内部構造の一部分を示す平面図であり、アクチュエータの動作が開始する前の初期状態を示す。
図6】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造の内部構造の一部分を示す平面図であり、アクチュエータの動作の開始時と終了時との途中の状態を示す。
図7】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造の内部構造の一部分を示す平面図であり、アクチュエータの動作の終了時の状態を示す。
図8】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造における被係合部材の平面図である。
図9】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造における案内部材の平面図である。
図10】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造の動作を説明するための模式的な平面図であり、アクチュエータの動作が開始する前の初期状態を示す。
図11】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造の動作を説明するための模式的な平面図であり、アクチュエータの動作の開始時と終了時との途中の状態を示す。
図12】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造の動作を説明するための模式的な平面図であり、アクチュエータの動作の終了時の状態を示す。
図13】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造を展開構造物の展開に用いる例を示す斜視図であり、展開構造物が畳まれた収納状態を示す。
図14】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造を展開構造物の展開に用いる例を示す斜視図であり、展開構造物が途中まで展開した状態を示す。
図15】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造を展開構造物の展開に用いる例を示す斜視図であり、展開構造物が展開した状態を示す。
図16】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造を展開構造物の展開に用いる例を示す平面図であり、展開構造物が畳まれた収納状態を示す。
図17】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造を展開構造物の展開に用いる例を示す平面図であり、展開構造物が途中まで展開した状態を示す。
図18】実施形態に係る動力伝達クラッチ構造を展開構造物の展開に用いる例を示す平面図であり、展開構造物が展開した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
図1及び図2は、実施形態に係る動力伝達クラッチ構造100の斜視図であり、このうち図2においては、筐体60の図示を省略することで、動力伝達クラッチ構造100の内部構造を示している。
なお、以下では説明を容易にするため、図1及び図2における上方が上、下方が下であるものとする。
【0010】
図1ないしは図2に示すように、本実施形態に係る動力伝達クラッチ構造100は、アクチュエータ(本実施形態の場合、駆動モータ11)により回転駆動される駆動軸15と、駆動軸15の回転に伴いそれぞれ回転する第1回転軸21及び第2回転軸22と、駆動軸15から第1回転軸21に対して回転力を伝達する状態と伝達しない状態とを切り替えるクラッチ機構と、を備えている。
駆動軸15が一方向に回転する過程で、クラッチ機構は、駆動軸15の回転角度が特定範囲のときには駆動軸15の回転力を第1回転軸21へ伝達する駆動伝達状態となり、駆動軸15の回転角度が特定範囲の範囲外のときには駆動軸15の回転力を第1回転軸21へ伝達しない駆動遮断状態となる。
一方、第2回転軸22は、駆動軸15が上記一方向に回転する過程で、クラッチ機構が駆動伝達状態のときと駆動遮断状態のときとの双方において駆動軸15の回転に伴い回転しうる。
【0011】
本実施形態によれば、駆動モータ11から第1回転軸21への回転力の伝達を駆動軸15の回転角度に応じて遮断することが可能である。動力伝達クラッチ構造100は、後述するように、例えば、宇宙空間で太陽電池パドルやアンテナなどの展開構造物200を展開するために利用することができるが、宇宙空間に限らず、地上で用いることもできる。
【0012】
本実施形態の場合、第2回転軸22は、駆動軸15が上記一方向に回転する過程で常に回転するようになっている。これにより、第1回転軸21と第2回転軸22とのうち第1回転軸21のみ選択的に、駆動モータ11からの回転力の伝達を駆動軸15の回転角度に応じて遮断することが可能となる。
【0013】
本実施形態の場合、駆動軸15が上記一方向に回転する過程の初期と終期において、クラッチ機構が駆動遮断状態となり、初期と終期と間の中間期において、クラッチ機構が駆動伝達状態となるようになっている。
例えば、後述するような展開構造物200の展開に動力伝達クラッチ構造100を用いる場合に、第1回転軸21により展開構造物200の展開を完了させた後も、第2回転軸22によりロック機構の動作を継続したり、第1回転軸21により展開構造物200の収納を完了させた後も、第2回転軸22によりロック機構の動作を継続したりすることができる。また、第1回転軸21により展開構造物200の展開を開始する以前に、第2回転軸22によりロック機構の動作を開始させたり、第1回転軸21により展開構造物200の収納を開始する以前に、第2回転軸22によりロック機構の動作を開始させたりすることができる。
なお、本発明は、この例に限らず、クラッチ機構が駆動遮断状態となるのは、駆動軸15が一方向に回転する過程の初期だけであってもよいし、終期だけであってもよい。
【0014】
以下、より詳細に説明する。
【0015】
図2に示すように、本実施形態の場合、アクチュエータとしての駆動モータ11は、出力軸12(図2等)を備えている。動力伝達クラッチ構造100は、出力軸12の回転を駆動軸15に伝達するウォームギア(ウォーム13及びウォームホイール14)と、駆動軸15の回転を第2回転軸22に伝達する傘歯車(第1傘歯車16及び第2傘歯車17)と、を備えている。
出力軸12の軸方向と駆動軸15の軸方向とは互いに直交している。
駆動軸15の軸方向と第2回転軸22の軸方向とは互いに直交している。
出力軸12の軸方向と第2回転軸22の軸方向とは互いに平行となっている。
【0016】
ウォーム13は、出力軸12の外周囲に出力軸12と一体に設けられており、ウォーム13の軸方向は、出力軸12の軸方向と一致している。
ウォームホイール14は、駆動軸15の外周囲に駆動軸15と一体に設けられており、ウォームホイール14の軸方向は駆動軸15の軸方向と一致している。ウォームホイール14は、例えば、駆動軸15の下端部に設けられている。
第1傘歯車16は、駆動軸15の外周囲に駆動軸15と一体に設けられており、第1傘歯車16の軸方向は駆動軸15の軸方向と一致している。第1傘歯車16は、例えば、ウォームホイール14よりも上方に配置されている。
第2傘歯車17は、第2回転軸22の外周囲に第2回転軸22と一体に設けられており、第2傘歯車17の軸方向は第2回転軸22の軸方向と一致している。第2傘歯車17は、例えば、第2回転軸22の一端部に設けられている。
【0017】
本実施形態の場合、第1回転軸21は駆動軸15の延長上に配置されている。
このため、第1回転軸21の軸方向と第2回転軸22の軸方向とは互いに交差(より詳細には直交)している。このため、駆動モータ11の回転力を、互いに異なる軸方向に設定された第1回転軸21と第2回転軸22とにそれぞれ伝達することができるとともに、このうち第1回転軸21については、駆動モータ11から回転力の伝達を駆動軸15の回転角度に応じて遮断することが可能である。
【0018】
図1に示すように、動力伝達クラッチ構造100は、クラッチ機構を収容する筐体60を備えている。
筐体60は、例えば、下から順に、第1筐体61、第2筐体62及び第3筐体63を備えており、これら第1筐体61、第2筐体62及び第3筐体63は互いに一体化されている。
第1筐体61は、例えば、出力軸12の一部分と、ウォーム13と、ウォームホイール14と、駆動軸15の一部分(下部)と、を収容している。
第2筐体62は、例えば、駆動軸15の他の一部分(上下方向における中間部)と、第1傘歯車16と、第2傘歯車17と、第2回転軸22の一部分(一端側の部分)と、を収容している。
第3筐体63は、例えば、駆動軸15の残りの部分(上部)と、それぞれ後述するピン30、揺動部材35、固定部材36、付勢部37、被係合部材40及び案内路51等を収容している。
【0019】
出力軸12は、例えば、第1筐体61を貫通して設けられており、第1筐体61の外面にそれぞれ設けられた一対の軸受部材64によりそれぞれ軸受けされている。このうち一方の軸受部材64は、出力軸12の先端部を軸受けしており、他方の軸受部材64は、出力軸12の中間部を軸受けしている。なお、ウォーム13は、一対の軸受部材64の間に配置されている。
説明は省略するが、駆動軸15の両端部(上端部及び下端部)は、筐体60に設けられた一対の軸受部材によりそれぞれ軸受けされている。
第2回転軸22は、第2筐体62の内部から外部に亘って配置されており、第2筐体62の外面に設けられた軸受部材65と、第2筐体62の外部に配置された外部軸受部67と、によりそれぞれ軸受けされている。
第1回転軸21は、例えば、第3筐体63の上面に設けられた軸受部材66によって軸受けされている。
【0020】
動力伝達クラッチ構造100は、更に、駆動モータ11に制御信号を伝達したり電力を供給したりするための制御ケーブル80を備えている。駆動モータ11は、制御信号に従って、一方向への回転(及び回転停止)と、逆方向への回転(及び回転停止)と、が可能となっている。
【0021】
図3及び図4においては、動力伝達クラッチ構造100が備える第1回転軸21、ピン30、揺動部材35、付勢部37、被係合部材40、案内部材50等を抜粋して示している。このうち、図3においては、これらの構造を斜め下方から見上げた状態を示しており、図4においては、これらの構造を斜め上方から見下ろした状態を示している。
【0022】
図3及び図4に示すように、クラッチ機構は、第1回転軸21に設けられた係合部材(本実施形態の場合、ピン30)と、駆動軸15と一体に設けられ係合部材(ピン30)が係合可能な被係合部(本実施形態の場合、凹部41)を有する被係合部材40と、を有する。
係合部材(ピン30)が被係合部(凹部41)に係合しているときには、クラッチ機構が駆動伝達状態となって駆動軸15に伴って第1回転軸21が回転し、係合部材(ピン30)が被係合部(凹部41)から離脱しているときにはクラッチ機構が駆動遮断状態となって第1回転軸21が回転停止するようになっている。
このため、駆動伝達状態と駆動遮断状態との切り替えは、駆動モータ11により駆動軸15を回転させる過程において、ピン30を被係合部材40の凹部41に対して係合させたり、ピン30を凹部41から離脱させたりすることによって切り替えることができる。
なお、図3及び図4では、ピン30が凹部41に係合している状態を示している。
被係合部材40は、例えば、駆動軸15の上端部に設けられている。
【0023】
本実施形態の場合、被係合部は、駆動軸15の径方向における被係合部材40の端部に形成されているとともに当該径方向における外方に向けて開放した形状の凹部41である。係合部材(ピン30)が凹部41に対して相対的に径方向における外方に移動して当該凹部41から離脱することによって、クラッチ機構が駆動遮断状態となるようになっている。
本実施形態の場合、被係合部材40は、駆動軸15と同軸に配置された円盤状の部材であり、被係合部(凹部41)は、被係合部材の外周面43の周方向における1箇所に形成されている。被係合部材40の外周面43は、凹部41の形成箇所を除き、円筒状に形成されている。
本実施形態の場合、係合部材は、駆動軸15の軸方向に対して平行に延在する円柱状のピンである。つまり、係合部材(ピン30)は、第1回転軸21の軸方向に対して平行に延在している。
そして、ピン30の軸方向における一部分が、凹部41に係合する係合部31を構成している。本実施形態の場合、ピン30の下端部が係合部31である。
【0024】
図8に示すように、被係合部材40の径方向における凹部41の寸法(図8に示す寸法D)は、ピン30の半径よりも大きい。
このため、凹部41に対してピン30が安定的に係合し、ピン30が凹部41に係合しているときに、駆動軸15及び被係合部材40の回転に伴って第1回転軸21が安定的に回転することができる。
ここで、図8に示す寸法Dは、被係合部材40の軸方向に視たときの被係合部材40の外接円である仮想円VOから凹部41の最奥部までの距離である。
より詳細には、寸法Dは、例えば、係合部31の直径(外径)と同等の寸法に設定されている。
【0025】
凹部41は、ピン30の外周面に沿う円弧状の形状に形成されている。このため、凹部41に対してピン30が安定的に位置決めされるようにできる。
【0026】
また、図8に示すように、被係合部材40の周方向における凹部41の両端部(端部41a、41b)は、それぞれは面取り形状に形成されている。このため、被係合部材40が回転する過程で、凹部41に対してピン30がスムーズに入り込んで係合したり、ピン30がスムーズに凹部41から離脱したりすることができるようになっている。
【0027】
図3及び図4に示すように、クラッチ機構は、ピン30において凹部41に係合する部位とは別の部位(例えば、ピン30の上端部である被案内部32)を案内する案内路51を有する案内部材50を備えている。
ピン30が案内路51により案内される過程で、ピン30が凹部41に係合した駆動伝達状態と、ピン30が凹部41から離脱した駆動遮断状態と、に切り替わるようになっている。
つまり、ピン30を案内路51により案内させることにより、駆動伝達状態と駆動遮断状態との切り替えを実現できる。
【0028】
本実施形態の場合、案内部材50は盤状の部材であり、案内路51は、案内部材50の一方の面に形成された案内溝であり、ピン30の一端部(ピン30の上端部である被案内部32)を案内する。
このため、簡易な構造によって、ピン30を案内することができる。
【0029】
より詳細には、案内部材50は、図3図4及び図9に示すように、例えば、平板状の本体部52と、本体部52の一方の面(本実施形態の場合、下面)から起立(本実施形態の場合、下方に起立)している案内路形成壁53と、を有し、案内路形成壁53によって囲まれた領域が案内路51を構成している。
案内路51の幅寸法は、ピン30の外径寸法と同等であるか、又は、ピン30の外径寸法よりも若干大きい程度に設定されている。
【0030】
図9に示すように、案内路51は、駆動軸15と同軸の(つまり第1回転軸21と同軸の)円弧状に延在する主部51aと、主部51aの端に連なっていて主部51aの端から駆動軸15の径方向外側(つまり第1回転軸21の径方向外側)に向けて延出している端部51b、51cと、を含む。
そして、ピン30の一端部(被案内部32)が主部51aにより案内される状態のときが駆動伝達状態(つまりピン30の係合部31が凹部41に係合している状態)であり、ピン30の一端部(被案内部32)が端部51b、51cにより案内される状態のときが駆動遮断状態(つまりピン30の係合部31が凹部41から離脱している状態)である。
なお、本実施形態の場合、案内路51が主部51aの両端にそれぞれ径方向外方に向けて延出している端部51b、51cを有する例を説明するが、本発明は、この例に限らず、主部51aの一端部のみに、径方向外方に向けて延出している端部を有していてもよい。
【0031】
本実施形態の場合、駆動軸15の周方向(第1回転軸21の周方向)において主部51aが延在している角度範囲は、360度よりも小さいが360度に近い角度であり、例えば、約350度である。つまり、一例として、上記特定範囲の角度範囲は、約350度であり、約350度の角度範囲に亘って、クラッチ機構が駆動伝達状態となる。そして、本実施形態の場合、駆動軸15が上記一方向に回転する過程の初期と終期において、クラッチ機構が駆動遮断状態となる。一例として、駆動軸15が上記一方向に回転する過程の初期において駆動軸15が回転する角度範囲は約25度であり、駆動軸15が上記一方向に回転する過程の終期において駆動軸15が回転する角度範囲も約25度である。つまり、一例として、駆動軸15が一方向に約390度回転する過程で、最初の約15度回転する間と、最後の約15度回転する間は、それぞれ駆動遮断状態となり、途中の約350度回転する間は、駆動伝達状態となる。
なお、特定範囲はこの例に限らない。
【0032】
図9に示すように、主部51aから端部51b、51cに向けて、案内路51の延在方向の方向成分のうち、駆動軸15の径方向の成分(第1回転軸21の径方向の成分)が徐々に増大している。
つまり、主部51aにおいては、案内路51の延在方向の方向成分は、駆動軸15の周方向の成分(第1回転軸21の周方向の成分)のみとなっているのに対して、主部51aから端部51bに向かうにつれて、案内路51の延在方向の方向成分のうち、駆動軸15の径方向の成分(第1回転軸21の径方向の成分)が徐々に増大している。同様に、主部51aから端部51cに向かうにつれて、案内路51の延在方向の方向成分のうち、駆動軸15の径方向の成分(第1回転軸21の径方向の成分)が徐々に増大している。
このため、主部51aから端部51bへのピン30(係合部31)の移動、主部51aから端部51cへのピン30(係合部31)の移動、端部51bから主部51aへのピン30(係合部31)の移動、及び、端部51cから主部51aへのピン30(係合部31)の移動を、いずれもスムーズにすることができる。
【0033】
より詳細には、端部51b、51cにおいて、少なくとも主部51aから最も遠い部分では、当該端部51b、51cの延在方向の方向成分のうち、駆動軸15の径方向の成分(第1回転軸21の径方向の成分)が、駆動軸15の周方向の成分(第1回転軸21の周方向の成分)よりも大きい。
このため、ピン30(係合部31)が主部51aから端部51b又は端部51cに移動した後は、速やかに(短時間で)ピン30を径方向外方に移動させて、凹部41から離脱させることができる。また、ピン30(係合部31)が端部51b又は端部51cから主部51aに向かいはじめる際も、径方向内方へのピン30の移動を速やかに(短時間で)行うことができる。つまり、ピン30が凹部41に入り込む動作も速やかに行うことができる。
【0034】
クラッチ機構は、ピン30を駆動軸15の径方向内側(第1回転軸21の径方向内側)に向けて付勢している付勢部37を備えている。
このため、駆動軸15に伴い被係合部材40が回転する過程で、ピン30(の係合部31)を付勢部37の付勢に従って径方向内側に移動させて凹部41に入り込ませることができる。また、駆動軸15に伴い被係合部材40が回転する過程で、付勢部37の付勢に抗してピン30を径方向外方に移動させて凹部41から離脱させることもできる。
付勢部37は、例えば、引っ張り型のコイルスプリングにより構成されている。
【0035】
クラッチ機構は、第1回転軸21の軸心からオフセットした位置において第1回転軸21に対して平行な揺動軸35bにて第1回転軸21に対して揺動可能に軸支された揺動部材35を更に備えている。
ピン30は、揺動部材35において揺動軸35bから離間した部位に設けられている。付勢部37は、揺動部材35において揺動軸35bよりもピン30に近い部位を駆動軸15の径方向内側(第1回転軸21の径方向内側)に向けて付勢している。
このため、ピン30が径方向外方に移動して凹部41から離脱する際には、付勢部37の付勢に抗して揺動部材35が揺動する。逆に、ピン30が径方向内方に移動して凹部41に入り込む際には、付勢部37の付勢に従って揺動部材35が揺動する。
【0036】
図5から図7においては、案内部材50及び被係合部材40を仮想線(二点鎖線)で示し、ピン30、揺動部材35、固定部材36及び付勢部37を実線又は点線(隠れ線)で示している。
【0037】
揺動部材35は、例えば、板状の部材であり、平面形状が略長方形状に形成されている。
揺動部材35は、平面形状が略長方形状の板状の本体部35aと、本体部35aに設けられている揺動軸35bと、を備えている。揺動軸35bは、本体部35aから上方に向けて突出している。
【0038】
クラッチ機構は、第1回転軸21の下端部に設けられている固定部材36を備えている。
固定部材36は、平面形状が略円形の本体部36aと、本体部36aから径方向外側に向けて突出している突出部36bと、を備えている。固定部材36は、本体部36aと突出部36bとを含む全体が盤状に形成されている。
本体部36aの平面視において、本体部36aの中心と第1回転軸21の軸心とは互いに一致している。
突出部36bに揺動軸35bが軸支されている。これにより、揺動部材35は、揺動軸35bを支点として、水平面内で揺動可能となっている。
揺動部材35の本体部35aにおいて、揺動軸35b側とは反対側の端部は、ピン30を保持する保持部35cを構成している。保持部35cは、ピン30の上下方向における中間部である被保持部33を保持している。
【0039】
ここで、図5から図7に示すように、平面視において、揺動軸35bとピン30の中心とを結ぶ直線(線分)は、常に、概ね被係合部材40の外形線の接線方向に延在するようになっている。
図3及び図4に示すように、付勢部37の一端は、揺動部材35に固定されており、付勢部37の他端は、固定部材36に固定されている。より詳細には、付勢部37の一端は、本体部36aから下方に突出している付勢部保持部により保持されており、付勢部37の他端は、本体部35aから水平に突出した付勢部保持部により保持されている。平面視において、揺動部材35において付勢部37の他端が固定されている部位と、揺動軸35bと、の間に、ピン30を保持する保持部35cが配置されている。
なお、付勢部37が(揺動部材35を介して)ピン30を引っ張る方向は、第1回転軸21の径方向(駆動軸15の径方向)に完全に一致していてもよいが、本実施形態の場合、第1回転軸21の径方向(駆動軸15の径方向)からずれた方向となっている。
【0040】
固定部材36は、被係合部材40の上方に配置されている。
固定部材36の下方、且つ、被係合部材40の上方に、付勢部37と揺動部材35とがそれぞれ水平に配置されている。
案内部材50は、固定部材36の上方に配置されている。
【0041】
動力伝達クラッチ構造100は、以上のように構成されている。
【0042】
次に、図5から図7、及び、図10から図12を用いて、動力伝達クラッチ構造100の動作を説明する。
図10から図12においては、クラッチ機構の構成のうち、ピン30、凹部41を有する被係合部材40及び案内路51を抜粋して示しており、且つ、被係合部材40と案内路51については仮想線(二点鎖線)で示している。
図5図10は互いに同じタイミングを示しており、図6図11は互いに同じタイミングを示しており、図7図12は互いに同じタイミングを示している。なお、図3及び図4も、図6及び図11と同じタイミングを示している。
【0043】
初期状態では、例えば、図10に示すように、ピン30の被案内部32が端部51bに位置しているとともに、ピン30の係合部31が凹部41から離脱しているものとする。より詳細には、図10に示すように、平面視において、例えば、ピン30を基準として時計回り方向に少しずれた位置に凹部41が位置しているものとする。また、この状態では、ピン30の係合部31は被係合部材40の外周面43に接触している。このため、ピン30は付勢部37によって径方向内側に付勢されているものの、外周面43によって、径方向内側への移動が規制された状態となっている。
【0044】
この状態から、駆動モータ11の出力軸12が一方向に回転しはじめると、それに伴い、駆動軸15が一方向(例えば、平面視において、反時計回り)に回転しはじめる。すると、駆動軸15に設けられた被係合部材40も駆動軸15と一体に反時計回りに回転しはじめる。
駆動軸15が回転するとき、第2回転軸22は常に回転する。
ただし、駆動軸15の回転しはじめの段階では、クラッチ機構は駆動遮断状態であるため、第1回転軸21は停止状態となっている。
初期の駆動遮断状態では、ピン30は付勢部37の付勢力により被係合部材40の外周面43に対して接触した状態で、外周面43がピン30の外周面に対して摺動する。
被係合部材40が反時計回りに回転したことにより、ピン30の位置に凹部41が到達すると、付勢部37によって径方向内側に付勢されているピン30が、付勢部37の付勢に従って径方向内側に移動し、凹部41に入り込む。つまり、ピン30の被案内部32が案内路51の端部51bから主部51aに移動するとともに、ピン30の係合部31が凹部41に入り込む。
係合部31が凹部41に入り込むことによって、クラッチ機構は駆動遮断状態から駆動伝達状態に移行する。
【0045】
駆動伝達状態となると、ピン30が主部51aによって案内されつつ被係合部材40により押されて移動することによって、ピン30は第1回転軸21の軸心の回りを公転することとなる。これに伴い、第1回転軸21が回転する。つまり、第1回転軸21が駆動軸15と一体に回転(平面視において反時計回りに回転)する状態となる。
係合部31が凹部41に入り込んで以降は、すなわち駆動遮断状態から駆動伝達状態に移行して以降は、再び係合部31が凹部41から離脱して駆動遮断状態に移行するまでの間、第1回転軸21が駆動軸15と一体に回転する。
図6及び図11は、図5及び図10の状態から、被係合部材40及びピン30がおよそ半回転した状態を示している。
【0046】
図6及び図11の状態から、更に被係合部材40及びピン30がおよそ半回転すると、図7及び図12に示すように、被案内部32が主部51aから端部51cに移動するとともに係合部31が凹部41から離脱し、クラッチ機構が駆動伝達状態から駆動遮断状態に移行する。すなわち、被係合部材40は凹部41に伴ってピン30の係合部31を回転させようとするが、ピン30の被案内部32は主部51aから端部51cに移動、すなわち径方向外方に移動するため、凹部41から離脱する。この際、ピン30の係合部31は、凹部41の内周面によって反時計回り方向に押されるが、被案内部32が案内路51により案内されて主部51aから端部51cに移動する。すなわち、ピン30は付勢部37の付勢に抗して径方向外方に移動する。つまり、ピン30は、凹部41の内周面によって径方向外方に押し出されるとともに、案内路51により案内されることによっても径方向外方に移動する。
クラッチ機構が駆動伝達状態から駆動遮断状態に移行することにより、第1回転軸21は再び停止状態となるが、駆動軸15、被係合部材40及び第2回転軸22の回転は継続する。
ピン30が凹部41により径方向外方に押し出されて以降は、図12に示すように、ピン30は付勢部37の付勢力により被係合部材40の外周面43に対して接触した状態となり、外周面43がピン30の外周面に対して摺動する。
その後、駆動モータ11が回転停止するまで、駆動軸15、被係合部材40及び第2回転軸22は回転し、駆動モータ11が回転停止すると、駆動軸15、被係合部材40及び第2回転軸22も回転停止する。
駆動モータ11が回転停止した状態では、図12に示すように、平面視において、例えば、ピン30を基準として反時計回り方向に少しずれた位置に凹部41が位置している。
このため、本実施形態の場合、駆動モータ11の一方向の回転が開始してから駆動モータ11の回転が停止するまでの間には、駆動軸15及び被係合部材40は、360度を超える角度(例えば、約390度程度)だけ回転することとなる。
そして、駆動軸15及び被係合部材40が約390度回転する過程のうち、駆動軸15及び被係合部材40が最初の約25度回転する間(初期)と、駆動軸15及び被係合部材40が最後の約25度回転する間(終期)には、それぞれクラッチ機構が駆動遮断状態となる。
駆動軸15及び被係合部材40が約390度回転する過程のうち、初期と終期とを除く中間期において、クラッチ機構が駆動伝達状態となる。
【0047】
なお、ここでは、ピン30の被案内部32が端部51bから主部51aを経由して端部51cに移動する動作を説明したが、これとは逆に、ピン30の被案内部32が端部51cから主部51aを経由して端部51bに移動する動作についても、同様に行うことができる。ただし、この逆の動作の際には、駆動モータ11、駆動軸15、被係合部材40、ピン30、第1回転軸21及び第2回転軸22の回転方向(公転方向)は、それぞれ逆方向となる。
【0048】
次に、本実施形態に係る動力伝達クラッチ構造100を展開構造物200の展開や収納に用いる例について、図13から図18を用いて説明する。
【0049】
図13から図18に示すように、展開構造物200は、複数(例えば9枚)の展開羽根70を備えている。各展開羽根70は、第1回転軸21の軸方向に対して平行な平板状に形成されており、それぞれ上下一対のアーム(上側の第1アーム71及び下側の第2アーム72)を介して第1回転軸21に軸支又は固定されている。
各展開羽根70を保持する第1アーム71は、概ね各第1アーム71の厚み分だけ互いに上下にずれた位置に配置されている。同様に、各展開羽根70を保持する第2アーム72は、概ね各第2アーム72の厚み分だけ互いに上下にずれた位置に配置されている。
【0050】
図13及び図16に示す収納状態では、複数の展開羽根70は互いに近接状態となっている。
複数の展開羽根70には、例えば、第1回転軸21に伴って回転する展開羽根70aと、筐体60に対する位置が不変の展開羽根70bと、第1回転軸21の軸周りにおいて展開羽根70aと展開羽根70bとの間に位置している展開羽根70cと、が含まれている。本実施形態の場合、展開羽根70cの数は7である。
展開羽根70aは、例えば、第1アーム71及び第2アーム72を介して第1回転軸21に対して固定されており、第1回転軸21と一体に第1回転軸21の軸周りに回転する。
展開羽根70bは、例えば、第1アーム71及び第2アーム72を介して第3筐体63に対して固定されているとともに第1回転軸21に対して軸支されており、展開羽根70aの位置にかかわらず(展開構造物200の展開状態にかかわらず)第3筐体63に対する位置が不変となっている。
展開羽根70cは、第1アーム71及び第2アーム72を介して第1回転軸21に対して軸支されている。
図13及び図16に示す例では、第1回転軸21の軸周りにおいて、複数の展開羽根70が存在する角度範囲は、約10度となっている。つまり、展開羽根70aと展開羽根70bとのなす角度は約10度となっている。
図15及び図18に示す展開状態では、展開羽根70aは展開羽根70bに対して略面接触する位置に移動し、展開羽根70a及び展開羽根70bと、その他の各展開羽根70cと、が略等角度間隔(つまり、約45度間隔)に配置される。
展開状態では、例えば、一の展開羽根70を保持する第1アーム71及び第2アーム72が有する係止爪が、当該一の展開羽根70の隣の展開羽根70を保持する第1アーム71及び第2アーム72に対して係止した状態となり、これにより、隣合う展開羽根70同士の回転角度がそれ以上拡大することが規制される。これにより、各展開羽根70間の回転角度が略等角度間隔となるようになっている。つまり、展開羽根70aが図16に示す位置から図18に示す位置へと回転することによって、展開羽根70a及び展開羽根70bを除く展開羽根70である各展開羽根70cは、展開羽根70aの回転につられて回転するが、隣合う展開羽根70同士の回転角度の上限が約45度であるため、図18に示す展開状態では、各展開羽根70間の回転角度が略等角度間隔となる。
【0051】
展開構造物200は、更に、収納状態と展開状態とにおいてそれぞれ複数の展開羽根70をロック(位置が変化しないように拘束)するロックレバー75を備えている。
ロックレバー75は、第2回転軸22に固定されている。より詳細には、ロックレバー75は、一端が第2回転軸22に固定されており、ロックレバー75の延在方向は、第2回転軸22の軸方向に対して直交している。このため、ロックレバー75は、第2回転軸22の回転に伴って旋回動作する。
図13及び図16に示す収納状態では、ロックレバー75の先端は、展開羽根70aに近接又は接触して、展開羽根70aが展開羽根70bから離間する展開方向へと移動してしまうことを規制している。
図15及び図18に示す展開状態では、ロックレバー75の先端は、展開羽根70aに近接又は接触して、展開羽根70aが展開羽根70bから離間する収納方向へと移動してしまうことを規制している。
なお、展開羽根70aの表裏の面のうち、収納状態においてロックレバー75の先端が当接又は近接する面(一方の面)と、展開状態においてロックレバー75の先端が当接又は近接する面(他方の面)とは、互いに反対側の面である。複数の展開羽根70が展開する過程で、ロックレバー75は、展開羽根70との干渉を避けた経路で旋回し、展開羽根70aの一方の面に先端が当接又は近接する旋回角度から、展開羽根70aの他方の面に先端が当接又は近接する旋回角度へと移動する。
【0052】
展開構造物200は、例えば、複数の展開羽根70の上側の縁辺により支持されている図示しない支持膜を備えている。支持膜は、収納状態では折り畳まれた状態であり、複数の展開羽根70が展開するのに伴い展開し、展開状態では複数の展開羽根70の上側の縁辺を含む面状に拡がる。
支持膜は、例えば、複数の太陽電池セルを支持している。
【0053】
次に、展開構造物200を収納状態から展開状態にするための動作について説明する。
図13及び図16に示す収納状態では、動力伝達クラッチ構造100は、図5及び図10に示す状態となっている。つまり、クラッチ機構は駆動遮断状態となっている。この状態から駆動モータ11が一方向に回転しはじめると、出力軸12の回転に伴い駆動軸15及び第2回転軸22が回転しはじめる。このため、ロックレバー75の旋回動作が開始する。また、駆動軸15に伴い被係合部材40も回転(図10において反時計回りに回転)する。
その後、ピン30の被案内部32が案内路51の端部51bから主部51aに移動するとともにピン30の係合部31が被係合部材40の凹部41に入り込むことにより、クラッチ機構が駆動遮断状態から駆動伝達状態に移行する。すると、被係合部材40の回転に伴いピン30が第1回転軸21の軸周りに公転しはじめ、ピン30と一体に第1回転軸21が回転しはじめる。これにより、展開羽根70aが展開羽根70bから離間する方向へと第1回転軸21の軸周りに(図16において反時計回りに)移動しはじめる。
その後、ピン30の被案内部32が案内部材50の主部51aから端部51cに移動するとともにピン30の係合部31が凹部41から離脱することにより、クラッチ機構が駆動伝達状態から駆動遮断状態に移行する。すると、被係合部材40は駆動軸15とともに回転を継続しても、ピン30は第1回転軸21の軸周りにおける公転を停止するので、第1回転軸21の回転は停止する。よって、第1回転軸21の軸周りにおける展開羽根70aの回転も停止する。ただし、第2回転軸22は駆動軸15とともに回転を継続するので、ロックレバー75の旋回動作は継続する。
その後、図15及び図18に示すように、ロックレバー75が展開羽根70aの上記他方の面に当接又は近接するまで旋回したタイミングで、駆動モータ11の回転が停止し、ロックレバー75の回転も停止する。
こうして、展開構造物200は展開状態となる。
【0054】
展開構造物200を展開状態から収納状態に戻すための動作は、展開構造物200を収納状態から展開状態にするための動作とは逆の動作となる。つまり、駆動モータ11を上記一方向に対する反対方向に回転させ、ロックレバー75が展開羽根70の上記一方の面に当接又は近接するまで旋回したタイミングで、駆動モータ11の回転を停止させることによって、展開構造物200を再び収納状態に戻すことができる。
【0055】
なお、上述のように、駆動軸15が上記一方向に回転する際には、例えば約390度回転し、被係合部材40も駆動軸15に伴って約390度回転するが、図13図15との比較から分かるように、ロックレバー75の回転角度は、360度に満たず、例えば、約315度程度である。つまり、駆動軸15の回転数(単位時間あたりの回転数)と、第1傘歯車16及び第2傘歯車17を介して駆動軸15から第2回転軸22に伝達される回転力により回転する第2回転軸22の回転数とは、必ずしも1対1の関係には限らず、本実施形態の場合、駆動軸15の回転数よりも第2回転軸22の回転数が小さくなるように、第1傘歯車16及び第2傘歯車17の歯数が設定されている。
一方、本実施形態の場合、駆動伝達状態における駆動軸15の回転角度と第1回転軸21の回転角度との関係は、実質的に1対1となっている。つまり、ピン30の被案内部32が、端部51bから主部51aに移動するとき、主部51aから端部51cに移動するとき、端部51cから主部51aに移動するとき、及び、主部51aから端部51bに移動するときには、第1回転軸21の回転数が駆動軸15の回転数よりも小さくなるが、被案内部32が主部51aにより案内されるときには、第1回転軸21の回転数が駆動軸15の回転数と一致するようになっている。
【0056】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0057】
例えば、上記においては、案内部材50が起立した案内路形成壁53を有し、案内路形成壁53により囲まれた領域が案内路51となっている例を示したが、本発明は、この例に限らず、案内路51は、盤状の案内部材50の一方の面に彫り込み形成された溝により構成されていてもよい。
【0058】
また、動力伝達クラッチ構造100の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0059】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)アクチュエータにより回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸の回転に伴いそれぞれ回転する第1回転軸及び第2回転軸と、
前記駆動軸から前記第1回転軸に対して回転力を伝達する状態と伝達しない状態とを切り替えるクラッチ機構と、
を備え、
前記駆動軸が一方向に回転する過程で、前記クラッチ機構は、前記駆動軸の回転角度が特定範囲のときには前記駆動軸の回転力を前記第1回転軸へ伝達する駆動伝達状態となり、前記駆動軸の回転角度が前記特定範囲の範囲外のときには前記駆動軸の回転力を前記第1回転軸へ伝達しない駆動遮断状態となり、
前記第2回転軸は、前記駆動軸が前記一方向に回転する過程で、前記クラッチ機構が前記駆動伝達状態のときと前記駆動遮断状態のときとの双方において前記駆動軸の回転に伴い回転しうる動力伝達クラッチ構造。
(2)前記第2回転軸は、前記駆動軸が前記一方向に回転する過程で常に回転する(1)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(3)前記駆動軸が前記一方向に回転する過程の初期と終期において、前記クラッチ機構が前記駆動遮断状態となり、
前記初期と前記終期と間の中間期において、前記クラッチ機構が前記駆動伝達状態となる(1)又は(2)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(4)前記クラッチ機構は、
前記第1回転軸に設けられた係合部材と、
前記駆動軸と一体に設けられ、前記係合部材が係合可能な被係合部を有する被係合部材と、
を有し、
前記係合部材が前記被係合部に係合しているときには、前記クラッチ機構が前記駆動伝達状態となって、前記駆動軸に伴って前記第1回転軸が回転し、
前記係合部材が前記被係合部から離脱しているときには、前記クラッチ機構が前記駆動遮断状態となって前記第1回転軸が回転停止する(1)から(3)のいずれか一項に記載の動力伝達クラッチ構造。
(5)前記被係合部は、前記駆動軸の径方向における前記被係合部材の端部に形成されているとともに当該径方向における外方に向けて開放した形状の凹部であり、
前記係合部材が前記凹部に対して相対的に前記径方向における外方に移動して当該凹部から離脱することによって、前記クラッチ機構が前記駆動遮断状態となる(4)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(6)前記被係合部材は前記駆動軸と同軸に配置された円盤状の部材であり、
前記被係合部は、前記被係合部材の外周面に形成されている(5)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(7)前記第1回転軸は前記駆動軸の延長上に配置されている(6)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(8)前記係合部材は、前記駆動軸の軸方向に対して平行に延在する円柱状のピンであり、
前記ピンの軸方向における一部分が前記凹部に係合する(7)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(9)前記被係合部材の径方向における前記凹部の寸法は、前記ピンの半径よりも大きい(8)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(10)前記凹部は、前記ピンの外周面に沿う円弧状の形状に形成されている(9)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(11)前記被係合部材の周方向における前記凹部の両端部は面取り形状に形成されている請求項(10)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(12)前記クラッチ機構は、前記ピンにおいて前記凹部に係合する部位とは別の部位を案内する案内路を有する案内部材を備え、
前記ピンが前記案内路により案内される過程で、前記ピンが前記凹部に係合した前記駆動伝達状態と、前記ピンが前記凹部から離脱した前記駆動遮断状態と、に切り替わる(8)から(11)のいずれか一項に記載の動力伝達クラッチ構造。
(13)前記案内部材は盤状の部材であり、
前記案内路は、前記案内部材の一方の面に形成された案内溝であり、前記ピンの一端部を案内する(12)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(14)前記案内路は、前記駆動軸と同軸の円弧状に延在する主部と、前記主部の端に連なっていて前記主部の端から前記駆動軸の径方向外側に向けて延出している端部と、を含み、
前記ピンの前記一端部が前記主部により案内される状態のときが前記駆動伝達状態であり、前記ピンの前記一端部が前記端部により案内される状態のときが前記駆動遮断状態である(13)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(15)前記主部から前記端部に向けて、前記案内路の延在方向の方向成分のうち、前記駆動軸の径方向の成分が徐々に増大している(14)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(16)前記端部において、少なくとも前記主部から最も遠い部分では、当該端部の延在方向の方向成分のうち、前記駆動軸の径方向の成分が、前記駆動軸の周方向の成分よりも大きい(15)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(17)前記クラッチ機構は、前記ピンを前記駆動軸の径方向内側に向けて付勢している付勢部を備える(8)から(12)のいずれか一項に記載の動力伝達クラッチ構造。
(18)前記付勢部は、引っ張り型のコイルスプリングにより構成されている(17)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(19)前記クラッチ機構は、前記第1回転軸の軸心からオフセットした位置において、前記第1回転軸に対して平行な揺動軸にて前記第1回転軸に対して揺動可能に軸支された揺動部材を備え、
前記ピンは、前記揺動部材において前記揺動軸から離間した部位に設けられており、
前記付勢部は、前記揺動部材において前記揺動軸よりも前記ピンに近い部位を前記駆動軸の径方向内側に向けて付勢している(17)又は(18)に記載の動力伝達クラッチ構造。
(20)前記アクチュエータは、出力軸を備え、
当該動力伝達クラッチ構造は、
前記出力軸の回転を前記駆動軸に伝達するウォームギアと、
前記駆動軸の回転を前記第2回転軸に伝達する傘歯車と、
を備え、
前記出力軸の軸方向と前記駆動軸の軸方向とは互いに直交しており、
前記駆動軸の軸方向と前記第2回転軸の軸方向とは互いに直交しており、
前記出力軸の軸方向と前記第2回転軸の軸方向とは互いに平行となっている(1)から(19)のいずれか一項に記載の動力伝達クラッチ構造。
なお、上記の説明において、「動力伝達クラッチ構造」は「動力伝達クラッチ装置」と読み替えることができる。
【符号の説明】
【0060】
11 駆動モータ(アクチュエータ)
12 出力軸
13 ウォーム(ウォームギア)
14 ウォームホイール(ウォームギア)
15 駆動軸
16 第1傘歯車(傘歯車)
17 第2傘歯車(傘歯車)
21 第1回転軸
22 第2回転軸
30 ピン(係合部材)
31 係合部(ピンの軸方向における一部分)
32 被案内部
33 被保持部(ピンにおいて凹部に係合する部位とは別の部位)
35 揺動部材
35a 本体部(板状)
35b 揺動軸
35c 保持部
36 固定部材
36a 本体部
36b 突出部
37 付勢部
40 被係合部材
41 凹部(被係合部)
41a、41b 端部
43 外周面
50 案内部材
51 案内路
51a 主部
51b 端部
51c 端部
52 本体部
53 案内路形成壁
60 筐体
61 第1筐体
62 第2筐体
63 第3筐体
64、65、66 軸受部材
67 外部軸受部
70 展開羽根
70a 展開羽根
70b 展開羽根
70c 展開羽根
71 第1アーム
72 第2アーム
75 ロックレバー
80 制御ケーブル
100 動力伝達クラッチ構造
200 展開構造物
図1
図2
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