(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068462
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲーム制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240513BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240513BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240513BHJP
A63F 13/825 20140101ALI20240513BHJP
A63F 13/812 20140101ALI20240513BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/58
A63F13/79 510
A63F13/825
A63F13/812 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178932
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100140660
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 理恵
(74)【代理人】
【識別番号】100174148
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 和教
(72)【発明者】
【氏名】早川 大輔
(72)【発明者】
【氏名】木村 和久
(72)【発明者】
【氏名】水野 優樹
(72)【発明者】
【氏名】細江 毅
(72)【発明者】
【氏名】三浦 陵介
(72)【発明者】
【氏名】川上 勇治
(72)【発明者】
【氏名】河島 健司
(57)【要約】
【課題】あるゲームをプレイするユーザに対して、他のゲームを積極的にプレイすることの動機付けを与える。
【解決手段】報酬付与決定部は、ユーザが第1ゲームをプレイすることにより当該ユーザに報酬を付与することを決定する。報酬付与部は、前記報酬を受け取ったユーザのユーザ識別情報に前記報酬を関連付ける。報酬価値変動部は、ユーザに報酬を付与することが決定されてからユーザが報酬を受け取るまでの間に、ユーザが第2ゲームをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、報酬の価値が高くなるようにする。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1ゲームおよび当該第1ゲームとは異なる第2ゲームを含むゲームを提供するゲームシステムであって、
ユーザが前記第1ゲームをプレイすることにより当該ユーザに報酬を付与することを決定する報酬付与決定手段と、
前記報酬を受け取った前記ユーザのユーザ識別情報に前記報酬を関連付ける報酬付与手段と、
前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから前記ユーザが前記報酬を受け取るまでの間に、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、前記報酬の価値が高くなるようにする報酬価値変動手段と、
を含むゲームシステム。
【請求項2】
前記報酬価値変動手段は、前記ユーザに前記報酬が付与されるまでにプレイした前記第2ゲームのゲーム結果に基づいて、前記報酬の価値を変動させる
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記報酬は、前記第2ゲームで使用可能な報酬を含む
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記報酬付与決定手段は、前記第2ゲームでパラメータの変更または設定が行われたゲーム要素が前記第1ゲームで使用されることにより、前記ゲーム要素のパラメータに応じた前記報酬を付与することを決定する
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから前記第1ゲームで所定の条件を満たすまで、前記ユーザが前記報酬を受け取れない期間を設定する期間設定手段をさらに含む
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記報酬付与手段は、前記報酬が受け取り可能となった後に前記ユーザによって前記報酬を受け取るための受取操作が行われた場合に、前記ユーザのユーザ識別情報に前記報酬を関連付ける
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記報酬付与手段は、前記報酬が受け取り可能となってから所定の受取可能期間を経過するまでに前記受取操作が行われなかった場合、前記報酬を前記ユーザに付与しない
請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記報酬価値変動手段は、
少なくとも前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから前記ユーザが前記報酬を受け取るまで、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイすることにより向上し得るゲームパラメータを管理するゲームパラメータ管理手段と、
前記ユーザが前記報酬を受け取る際の前記ゲームパラメータに基づいて前記報酬の価値を決定する価値決定手段と、を含む
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項9】
少なくとも第1ゲームおよび当該第1ゲームとは異なる第2ゲームを含むゲームを提供するゲーム制御装置であって、
ユーザが前記第1ゲームをプレイすることにより当該ユーザに報酬を付与することを決定する報酬付与決定手段と、
前記報酬を受け取った前記ユーザのユーザ識別情報に前記報酬を関連付ける報酬付与手段と、
前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから前記ユーザが前記報酬を受け取るまでの間に、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、前記報酬の価値が高くなるようにする報酬価値変動手段と、
を含むゲーム制御装置。
【請求項10】
請求項1ないし8の何れか1項に記載のゲームシステムまたは請求項9に記載のゲーム制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲームシステム、ゲーム制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザがあるゲームをプレイすることで、他のゲームで使用できるアイテム等の報酬を獲得できるゲームがある。そして、他のゲームでの報酬の消費を促進させるために、ユーザが報酬を獲得してからそれを使用するまでの経過期間に応じて、報酬の内容を変更するようにしたゲームシステムもある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のゲームでは、報酬の消費を促進させることで、あるゲームをプレイするユーザの他のゲームの利用を促しているが、ユーザにより強い動機付けを与える工夫が望まれる。
【0005】
そこで、本発明の目的の一つは、あるゲームをプレイするユーザに対して、他のゲームを積極的にプレイすることの動機付けを与えることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるゲームシステムは、少なくとも第1ゲームおよび当該第1ゲームとは異なる第2ゲームを含むゲームを提供するゲームシステムであって、ユーザが前記第1ゲームをプレイすることにより当該ユーザに報酬を付与することを決定する報酬付与決定手段と、前記報酬を受け取った前記ユーザのユーザ識別情報に前記報酬を関連付ける報酬付与手段と、前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから前記ユーザが前記報酬を受け取るまでの間に、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、前記報酬の価値が高くなるようにする報酬価値変動手段と、を含む。
【0007】
本発明の他の一態様によるゲーム制御装置は、少なくとも第1ゲームおよび当該第1ゲームとは異なる第2ゲームを含むゲームを提供するゲーム制御装置であって、ユーザが前記第1ゲームをプレイすることにより当該ユーザに報酬を付与することを決定する報酬付与決定手段と、前記報酬を受け取った前記ユーザのユーザ識別情報に前記報酬を関連付ける報酬付与手段と、前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから前記ユーザが前記報酬を受け取るまでの間に、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、前記報酬の価値が高くなるようにする報酬価値変動手段と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るゲームシステムの構成例を示す概略のブロック図である。
【
図2】チーム育成モードのマップ構成の一例を示す図である。
【
図3】チーム育成モードのメイン画面の一例を示す図である。
【
図4】遠征モードのメイン画面の一例を示す図である。
【
図6】遠征モードのメイン画面の一例を示す図である。
【
図10】ゲームシステムの機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
【
図11】アイテムマスタテーブルの一例を示す図である。
【
図12】ユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【
図15】遠征モードを実行するゲームシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】遠征モードを実行するゲームシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17】ランクボーナス値の管理処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】装備品のランク決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】金ボーナスレベルの管理処理の一例を示すフローチャートである。
【
図20】装備品のレアリティ決定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
【0010】
[1.ゲームシステムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るゲームシステム1の構成例を示す概略のブロック図である。このゲームシステム1は、複数のゲーム端末10-n(nは正の整数。10-1、10-2、・・・)と、サーバ30とを含んでいる。ゲームシステム1内のゲーム端末10-n及びサーバ30は、インターネットなどのネットワークNを介して、相互にデータ通信可能に接続されている。ここで、複数のゲーム端末10-nは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、単に「ゲーム端末10」と記載して説明する。
【0011】
本実施の形態のネットワークNは、インターネットに限定されるものではなく、ゲームシステム1内のゲーム端末10-n及びサーバ30を通信可能に相互に接続できるものであれば、例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等であってもよく、或いはインターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。
【0012】
ユーザが操作するゲーム端末10は、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータである。ゲーム端末10は、例えば、家庭用のゲーム機(据置型又は携帯型)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)、遊戯施設等に設置される業務用(商業用)ゲーム機等である。
【0013】
サーバ30は、例えば、サーバコンピュータである。サーバ30は、各ユーザを一意に識別するためのユーザIDと関連付けて、ユーザのゲームに関する情報を、例えばデータベースDBに記憶して管理する。データベースDBはサーバ30内に構築されていてもよいし、サーバ30とは別のサーバコンピュータ内に構築されていてもよい。
【0014】
ゲームシステム1では、コンピュータ対戦(またはCPU対戦とも称される)や通信対戦が可能である。通信対戦では、例えば、ゲーム端末10-1を操作するユーザAと、ゲーム端末10-2を操作するユーザBとが、ネットワークNを介して対戦ゲームを行うことができる。この通信対戦の場合、例えば、サーバ30によってマッチングされたゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間で、P2P(Peer to Peer)接続等により直接通信して対戦する方法がある。あるいは、ゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間のデータのやり取りを、サーバ30を経由して通信対戦する方法もある。何れの方法で通信対戦が行われてもよい。
【0015】
ゲーム端末10-nとサーバ30との間の通信は、例えば、ベースのプロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)上で動作するHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を使用し、本システムで規定するアプリケーションプロトコルを上位に実装することによって実現できる。
【0016】
一方、P2P等で接続されるゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間の通信は、例えば、OSI参照モデルのトランスポート層上の通信規約であって主にIPプロトコル上に実装されるUDP(User Datagram Protocol)によって実現できる。上記のUDPは、データの送達確認やエラー訂正を行わず、データを相手側のゲーム端末に送りっぱなしにする通信方式であるため、データの信頼度は低いがデータの転送速度が高いという利点がある。なお、ゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間の通信にUDP以外の他の既存プロトコルを用いたり、今後、新たに規定される新規プロトコルを用いたりすることも勿論可能である。
【0017】
また、例えば、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能を有するゲーム端末10-nでは、複数台のゲーム端末10-n間で、直接通信を行って対戦ゲーム等を実行することもできる。
【0018】
(ゲーム端末のハード構成)
ゲーム端末10は、主に、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、補助記憶装置14、通信部15、操作部16、表示部17、および音声出力部18を備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスラインを介して相互に接続されている。なお、バスラインと各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路、画像処理部、またはサウンド処理部等が介在しているが、ここでは図示を省略している。
【0019】
CPU11は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム端末10全体の制御を行う。ROM12は、ゲーム端末10の基本的な動作制御に必要なプログラムやデータ等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
【0020】
補助記憶装置14は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置14としては、例えば、不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0021】
通信部15は、図示しない通信インタフェースを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、インターネット接続機能、無線LAN(Local Area Network)接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信部15は、CPU11からの命令に基づいてゲーム端末10をネットワークNに接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU11へ供給する。
【0022】
操作部16は、ユーザが種々の操作命令をゲーム端末10に入力するためのものである。操作部16の一例としては、タッチインターフェースを備えた位置入力部(タッチパネルの構成要素)、物理的なボタン、コントローラ、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等を挙げることができる。また、マイクロフォン等の音声入力部から入力された音声を識別することにより、音声入力可能な操作部16として構成してもよい。
【0023】
表示部17は、CPU11からの画像表示命令に基づいて駆動され、ゲーム画面等を表示する。表示部17には、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の既知の種々の表示装置が適用できる。また、表示部17を、液晶ディスプレイ等の表示装置にタッチインターフェースを備えた位置入力部を組み合わせたタッチパネルとすることもできる。表示部17をタッチパネルとして構成した場合、ゲーム端末10は図示しないタッチ入力検出部を備える。このタッチ入力検出部は、指やペン等の指示体が画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU11へと供給する。これによって、表示部17の画面上の接触位置がCPU11に認識されるようになっている。表示部17は、ゲーム端末10と一体である必要はなく、例えば、ゲーム端末10に対して外部接続されるテレビジョンモニタ等であってもよい。このように、表示部17が外部接続されるテレビジョンモニタ等の場合、当該表示部17はゲーム端末10の構成には含まれない。
音声出力部18は、CPU11からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成してスピーカーより音声等を出力する。
【0024】
また、ゲーム端末10は、記録媒体ドライブを具備していてもよい。記録媒体ドライブとしては、例えば、DVD-ROMドライブ、CD-ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体としては、DVD-ROM、CD-ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。記録媒体ドライブは、記録媒体から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダを介してRAM13等に供給する。
【0025】
(サーバのハード構成)
サーバ30は、主に、CPU31、ROM32、RAM33、補助記憶装置34、および通信部35を備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスラインを介して相互に接続されている。なお、バスラインと各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
【0026】
CPU31は、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアの命令を解釈して実行し、サーバ30全体の制御を行う。ROM32は、サーバ30の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM33は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU31に対する作業領域を確保する。補助記憶装置34は、プログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置34としては、例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0027】
通信部35は、図示しない通信インタフェースを備え、ネットワークNを介した各ゲーム端末10-nとの間の通信を制御する。また、通信部35は、ネットワークNに接続されている図示しない他のサーバとの通信も制御するようになっている。例えば、サーバ30をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に組み込んだシステム構成とした場合、サーバ30の通信部35は、SNSサーバとの間の通信を制御する。また、例えば、サーバ30は、ユーザがプレイしたゲーム動画を、観戦者に配信する動画配信サーバとの間の通信を制御する。なお、サーバ30に動画配信機能を持たせることもできる。
【0028】
サーバ30は、単独のコンピュータで構成することもできるが、サーバ30の有する各機能を複数のサーバに分散して持たせる機能分散型の構成とすることもできる。あるいは、ネットワークN上に複数のサーバ30を設けて冗長化(多重化)を図ることにより、負荷分散型の構成としてもよい。また、サーバ30は、クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとして構成されてもよい。
【0029】
プログラムやデータは、ネットワークNを介して遠隔地からゲーム端末10又はサーバ30に供給されて、RAM13、補助記憶装置14、RAM33又は補助記憶装置34に記憶される。なお、情報記憶媒体(例えば光ディスク又はメモリカード等)に記憶されたプログラムやデータを読み取るための構成要素(例えば光ディスクドライブ又はメモリーカードスロット等)がゲーム端末10又はサーバ30に備えられてもよい。そして、プログラムやデータが、前記情報記憶媒体を介してゲーム端末10又はサーバ30に供給されてもよい。
【0030】
なお、以下では、ゲーム端末10がタッチパネルを備えたスマートフォン又はタブレット型コンピュータである場合を想定する。画面へのタッチ、スライド、タッチオフ等の各種操作は、指やペン等の指示体によって行われるが、以下の説明では、指を用いた操作として説明する。
【0031】
[2.ゲームの一例の概要]
ゲームの一例の概要を、以下に説明する。
ゲームシステム1では、各種ゲームを実行できる。例えば、スポーツゲーム(野球、サッカー、テニス、アメリカンフットボール等を題材としたゲーム)、レースゲーム、格闘ゲーム、戦闘ゲーム、デジタルカードゲーム等、ゲーム形式・ジャンルを問わず様々なゲームを実行できる。なお、ゲームは、ゲーム端末10がサーバ30又は他のゲーム端末10との間でデータ通信を行うことによって実行されてもよいし、ゲーム端末10単体で実行されてもよい。以下では、ゲームシステム1で実行されるゲームの一例として、野球を題材とした野球ゲームについて説明し、必要に応じてその他のゲームについても言及する。
【0032】
本実施形態の野球ゲームには、育成モード、チーム育成モード、遠征モード、抽選入手モード、強化モード、CPU対戦モード、リアルタイム対戦モード、サブゲームモード、大会モード等の様々なゲームモードが搭載されている。
【0033】
育成モードは、ユーザが育成対象キャラクタを育成して、育成対象キャラクタの能力等のパラメータの変更または設定を行い、自分だけのオリジナルのゲームキャラクタを作成するキャラクタ育成モードである。この育成モードでは、育成対象キャラクタを、練習やイベントを経て投手又は野手の選手キャラクタとして育成する。以下、ユーザが育成モードで作成したゲームキャラクタを「育成選手」と称する。育成選手は、チーム育成モード、CPU対戦モード等の他のゲームモードで使用できる。
【0034】
抽選入手モードは、育成モードで育成対象キャラクタを育成するときに補助のオブジェクトとして利用できる「イベントキャラクタ」を抽選により入手可能なゲームモードである。この抽選入手モードでは、例えば、ゲーム内の全てのイベントキャラクタの中からユーザに付与するイベントキャラクタの抽選(いわゆるガチャ)が行われる。ユーザが抽選入手モードを実行するためには、例えば、所定量のゲーム内ポイント、課金アイテム等を必要としてもよい。
強化モードは、抽選入手モード等で入手したイベントキャラクタ同士を合成などすることでイベントキャラクタのレベルを向上させて強化できるモードである。
【0035】
CPU対戦モードは、コンピュータ対戦モードとも称される。例えば、CPU対戦モードに「スタジアム」等の名称を付けてもよい。以降では、このCPU対戦モードを「スタジアム」と称する。スタジアムでは、ユーザが育成モードで育成した育成選手で編成した自チームの選手キャラクタの打撃操作、投球操作または守備操作等を行い、CPUが自動制御する対戦相手のチームと対戦する。例えば、CPUが自動制御する対戦相手チームは、他のユーザが育成モードで育成した育成選手で編成したチームである。
リアルタイム対戦モードは、ネットワークNを介して、ユーザが遠隔地の他のユーザとオンラインで通信対戦できるモードである。
【0036】
サブゲームモードは、ユーザが育成モードで育成した育成選手、または育成モードでも補助のオブジェクトとして使用されるイベントキャラクタ等を使用して実行できる様々なゲームを含む。
大会モードは、大会に参加した各ユーザが、前記育成モードの結果および/またはサブゲームモードの結果に基づいて順位を競うモードである。
【0037】
次に、遠征モード(第1ゲームの一例)およびチーム育成モード(第2ゲームの一例)について説明する。本実施の形態では、チーム育成モードで育成したチームを使用して遠征モードをプレイできる一例を示す。先ず、チーム育成モードを説明し、その後、遠征モードの詳細を説明する。
【0038】
(2-1.チーム育成モード)
以下、チーム育成モードについて説明する。
チーム育成モードは、マップ内の経路を選択的に移動しながらチームの育成等を行うゲームであり、その概要は次のとおりである。
【0039】
(2-1-1.チーム育成モードの概要)
チーム育成モードを開始するにあたり、各ユーザには初期チームが付与される。初期チームのオーダー(構成メンバ)は、全てのユーザで共通の固定のオーダーであり、ゲーム運営側が定めたものである。例えば、初期オーダーの25名の初期選手キャラクタは、ゲームシステム1で提供される選手キャラクタの中でも比較的能力の低い選手キャラクタから構成される。よって、各ユーザは弱小チームからスタートする。
【0040】
チーム育成モードでは、経路を構成する複数のマスが配置されたマップが用いられる。各マスにはチームを育成する要素が割り当てられている。ユーザは、どのようにチームを育成するかを決めて、マップ上の行きたいマスをタップしながらチームを育成する。例えば、イベントキャラクタを自分のチームのメンバとしてスカウト(獲得)できるスカウトマスがある。このスカウトマスが選択された場合に、ユーザが育成モードで作成した育成選手を、スカウトした選手キャラクタのパラメータを変更又は設定するための補助のオブジェクトとして使用可能である。スカウトした選手キャラクタがチームに加わることでメンバが充実し、チームが成長する。また、スカウトマス以外にも、練習マス、試合マス等の様々なマスがある。練習や試合を行うことでチームが成長する。マップ内の各マスの効果またはユーザがゲーム開始時に持ち込んだアイテムの効果によりチーム内の選手キャラクタを育成し、より強いチームを作り上げることが、チーム育成モードの目的である。また、ユーザが複数のステージ(クエスト)を順次クリアすることも、チーム育成モードの目的である。マップの詳細は後述する。
【0041】
マップ内では、チーム育成モードにおける育成を有利に進めることができるアイテムを取得することができる。また、後述する遠征モードをプレイすることでも、報酬としてチーム育成モードで使用できる「装備品」というアイテムを獲得できる。各アイテムにはコストが設定されており、チーム育成モードのステージ開始時に持っていけるアイテムは、ユーザが所持しているアイテムコスト以内に限定される。アイテムコストは、ユーザがチーム育成モードのプレイを重ねるごとに増えていく。ユーザが所持しているアイテムコストが増えると、チーム育成モードのステージ開始時に選択する「持っていけるアイテム」の数が増えるため、チームの育成が有利になる。結果的に、チーム育成モードのステージの周回により、より難しいステージをクリアできるようになり、育成できるチームが強くなる。
【0042】
なお、ユーザが所持できるチーム育成モードのアイテムの最大数(例えば400)が定められている。ユーザは、任意のアイテムを売却することで、所持数を調整することができる。
【0043】
(2-1-2.育成対象のチーム)
チーム育成モードにおける育成対象のチームについて説明する。
各ユーザは、固定の初期オーダーのチームからスタートする。初期オーダーは、例えば25名の初期選手キャラクタ(野手スターティングメンバ8名、野手控え8名、先発投手3名、中継ぎ投手5名、抑え投手1名)で構成される。初期選手キャラクタには、それぞれ初期のステータスとレベル上昇時のアップ値が設定されている。
【0044】
チーム育成モードのマップのスカウトマスの効果で、ユーザが獲得した選手キャラクタ(以下、「スカウト選手」と称する。)は、基本的に初期選手キャラクタよりも強力であり、スカウト選手をチームオーダーに加えることでチームが成長する。以降、スカウトマスの効果でユーザが選手キャラクタを獲得することを「スカウトする」と称する場合がある。本実施の形態では、スカウト選手として、育成モードで補助のオブジェクトとして使用されるイベントキャラクタが採用される。ゲームシステム1が管理している全てのイベントキャラクタのうちの所定数のイベントキャラクタがスカウト選手となり得るキャラクタとして管理されている。
【0045】
ユーザのチーム内の各選手キャラクタには、野手の場合、弾道、ミート、パワー、走力、肩力、守備力、捕球の能力パラメータが設定されている。それに加えて、投手の場合、球速、コントロール、スタミナ、変化球の能力パラメータを有する。各選手キャラクタの能力は、レベルが上がると能力が向上するレベル制が採用される。各選手キャラクタのレベルは、チーム育成モード内で獲得した「経験値」に応じて上昇する。経験値は、マップ内の特定のマス(例えば、後述の総合特訓マスまたは試合マス)の効果で上げることができる。また、選手キャラクタ毎に、レベル上昇時のアップ値(1レベル上がるにつきどれだけ各能力値が上昇するのかという情報)が設定されている。また、選手キャラクタ毎に、初期レベルおよび最大レベルが設定されている。
【0046】
初期選手キャラクタは、レベル「1」からスタートする。また、初期選手キャラクタの最大レベルは例えば「20」と決められている。一方、スカウト選手の場合は、初期レベル、レベル上昇時のアップ値または最大レベル等のパラメータが、初期選手キャラクタとは異なる。スカウト選手の場合、スカウトのためのアイテムである契約書アイテムのパラメータに基づいて、初期レベル等のパラメータが決定される。
【0047】
また、ユーザのチーム内の各選手キャラクタには、各能力を高めるための特訓値というパラメータも設定されている。特訓値は、マップ内の特定のマス(例えば、特訓マス)の効果で上げることができる。なお、特訓値には上限(例えば最大50)を設けてもよい。また、ユーザのチーム内の各選手キャラクタには、特殊能力というパラメータも設定されている。
【0048】
各選手キャラクタの打撃力は、弾道、ミート、パワーおよび特殊能力での打撃値のパラメータに基づいて算出される。また、各選手キャラクタの守備力は、走力、守備、肩力、捕球および特殊能力での守備値のパラメータに基づいて算出される。また、各選手キャラクタの機動力は、走力および特殊能力での機動値のパラメータに基づいて算出される。また、各選手キャラクタの投手力は、投手の球速、スタミナ、コントロール、変化球および特殊能力での投手力値のパラメータに基づいて算出される。
【0049】
ユーザは、自分のチームの打順およびポジションを変更して、オーダーを編成することができる。ここで、選手キャラクタの適正ポジションとは異なるポジションに設定した場合は、ポジション不適正のペナルティが発生する。例えば、ポジション「一塁手」の選手キャラクタを、一塁手以外の守備位置に配置すると、ポジション不適正のペナルティで、ポジション不適正がない場合よりも、当該選出キャラクタの守備力の値が低下する。これにより、チーム総合力値も、ポジション不適正がない場合よりも減少する。
【0050】
チーム総合力は、チームの構成メンバのパラメータから算出される。チーム総合力は、例えば、関門マス(そのマスでの結果によりゲームが終了となるか否かが決まるマス)の試合の勝敗に使用される。チーム総合力は、チーム打撃力、チーム守備力、チーム機動力およびチーム投手力の合計値である。チーム打撃力、チーム守備力およびチーム機動力は、チームの構成メンバの打撃力、守備力および機動力に基づいて算出されるが、当該算出にあたり、野手の方が投手よりも高く評価され、さらに野手の先発メンバ8名の方が野手の控えメンバよりも高く評価される。チーム投手力は、チームに所属する投手キャラクタの投手力に基づいて算出されるが、当該算出にあたり、次回先発で登板予定の投手キャラクタの方がその他の投手キャラクタよりも高く評価される。
【0051】
ところで、先発投手キャラクタは、一度試合に先発出場すると、その後は所定の試合数だけ出場できないようになっている。すなわち、複数の先発投手キャラクタは、ローテーションがあり、次回先発で登板予定の投手キャラクタは、試合毎に異なる。よって、チーム投手力およびチーム総合力は、試合が実行される毎に、次回先発で登板予定の投手キャラクタを変更して算出しなおされる。つまり、チームのメンバ構成が同じでも、次回先発で登板予定の投手キャラクタに応じて、チーム総合力が異なることになる。
【0052】
また、チーム総合力の値に応じて、チーム総合力のランクが決まる。例えば、10000以下ならGランク、10001~15000ならFランク、15001~20000ならEランク、…というように、チーム総合力の値の範囲とランクとの関係が予め定められている。例えば、ランクは、低い方からG、F、E、D、C、B、A、S、S1~S9、SS、SS1~SS9、PG、PG1~PG9、PF、PF1~PF9、PE、PE1~PE9、PD、PD1~PD9、…である。
【0053】
(2-1-3.チーム育成モードのマップ)
チーム育成モードのチーム育成ゲームは、基本的に、マップ内に配置されたマスを進んでいくことにより進行する(
図3参照)。
図2には、チーム育成モード全体のマップ構成の一例を示す。
図2に示すように、複数のマップ(マップ1~マップn)により1つのステージが構成される。ステージ毎にマップの数nが異なっていてもよい。マップを「エリア」と称してもよい。また、本実施の形態では、ステージを「クエスト」とも称する。ステージ内の1つのマップをクリアすると、次のマップに遷移する。ユーザはステージ開始時に持ち込みアイテムを選択し、同一ステージ中は同一の持ち込みアイテムを使用する。なお、ステージ内で新規に獲得したアイテムについては、当該ステージでも使用できる。1つのステージをクリア(達成)すると、チーム育成が完了する。ステージのクリアは、例えば、最終エリア(最終のマップn)内の関門マス(ボス戦マス)での試合に勝利することである。1つのステージをクリアすると、次のステージが解放されてプレイすることができるようになる。
【0054】
ステージが進む毎に(前のステージをクリアして次のステージに進む毎に)、難易度が高くなる。ステージをどうしてもクリアできないユーザのために、ステージの開始時によってはノーマルモードの他に、イージーモードを選択できるようになっている。イージーモードを選択したステージでは、ノーマルモードよりもクリアするためのゲーム難易度が下がる一方、獲得できるアイテムのランクが下がったり、チーム内の選手キャラクタの能力が向上し難くなる。また、所定のステージまで進むと、イージーモードを使うことができず、ノーマルモードでクリアする必要がある。本実施の形態では、ステージ20まではノーマルモードまたはイージーモードを選択できるが、それ以降のステージでは、ノーマルモードしか使用できない。
【0055】
また、複数のステージ(ステージ1~ステージn)により1つのストーリーが構成される。本実施の形態では、23個のステージにより1つのストーリーが構成されている。予め複数のストーリーが用意されており、ユーザが任意のストーリーを選択できる。なお、ユーザがあるストーリーの所定のステージまでクリアしないことには、別のストーリーがプレイできないようにしてもよい。例えば、ストーリー1でステージ19までクリアしなければ、次のストーリー2をプレイできない。また、ストーリーのバリエーションを増加させるため、ゲーム端末10は、サーバ30から、追加のストーリーをダウンロードできるようにしてもよい。例えば、サーバ30からは、定期的に(例えば3か月に1回等)又は不定期で新しいストーリーが提供される。また、期間限定でプレイできるストーリーがあってもよい。ストーリーは、「シナリオ」または「テーマ」等と称してもい。
【0056】
図3は、現在地のマップが表示されるチーム育成モードのメイン画面G100の一例を示す。メイン画面G100の表示領域A101には、現在のストーリー名、ステージ名およびマップ名が表示される。なお、ストーリー名には、そのストーリーの内容に応じた名称やタイトルが表示されてもよい。同様に、ステージ名またはマップ名にも内容に応じた名称やタイトルが表示されてもよい。表示領域A101には、パーツP102およびパーツP103も表示される。パーツP102は、現在のマップ内で拾得したアイテムの数を示す。パーツP103はメニューボタンである。メニューボタンP103が選択されると、メニュー画面が表示され、ユーザはミッションを確認したりゲームを中断したりすることができる。
【0057】
また、メイン画面G100には、オーダーボタンP104およびアイテムボタンP105が表示される。オーダーボタンP104が選択されると、オーダー設定画面が表示され、ユーザはチームの現オーダーを確認したり、打順およびポジションを変更したりできる。アイテムボタンP105が選択されると、アイテム確認画面が表示され、ユーザはステージ開始時に持ち込んだアイテム及びステージ開始後に獲得したアイテムを確認できる。
【0058】
また、メイン画面G100には、現在のチーム総合力の値およびランクを表示するパーツP106が表示される。また、表示領域A107には、現在のチーム打撃力、チーム守備力、チーム機動力およびチーム投手力の値が表示される。
【0059】
また、メイン画面G100のマップ表示領域A108には、マップを構成する複数のマスP110および経路P111が表示される。メイン画面G100に表示されるマップ表示領域A108は、マップの一部の領域であり、マップサイズ変更スライドバーP112をスライドさせることにより、マップサイズを変更できる。
【0060】
各ステージは、指定されているマップのSTARTマスから開始となる。現在のマスP110には、カーソルオブジェクトP113が配置される。現在のマスP110から、経路P111で繋がった次回移動可能なマスP110のうち、ユーザが移動したいマスを選択する操作をすると、次のマスP110に移動することができる。次のマスP110に移動すると、移動したマスP110の種類に応じた効果が発生する。マスP110には、例えば、STARTマス、GOALマス、ENDマス、空白マス、スカウトマス、野手特訓マス、投手特訓マス、練習マス、特殊能力マス、練習試合マス、ボス戦マス、イベントマス、マイナスイベントマス、ミラクルマス、ターン数回復マス、及びターン数減少マス等の効果の異なる様々な種類がある。
【0061】
各マップで使用できるターン数が制限されており、1マス移動する毎に1ターンを消費する。ターン数がゼロになるまでにマップをクリア(GOALに到達)できなければ、その時点で強制ゲームオーバーになる。メイン画面G100には、現在の残りターンの数を示すパーツP114が表示される。
【0062】
チーム育成モードでは、マップ移動の結果、所定の育成終了条件を満たした場合に、チームの育成が完了する。ここで、育成終了条件の1つは、ステージの最終エリアでボス戦に勝利してそのステージをクリア(達成)することである。他の育成終了条件は、ボス戦に敗北してゲームオーバーとなる、またはマップをクリアする前に残りターンがなくなってゲームオーバーとなることである。
【0063】
チーム育成モードで育成したチームを「育成チーム」と称する。あるストーリーのステージで育成した育成チームが、当該ストーリーにおいてこれまでで最もチームのパラメータが高かった場合(例えば、チーム総合力が最も高かった場合)、当該育成チームの情報はユーザIDと関連付けて「ベストチーム」として登録され、保持しておくことが可能である。すなわち、各ユーザは、ストーリー毎に、ベストチームとなった育成チームを1つずつ登録できる。ベストチームとして登録された育成チームの情報については、ユーザがいつでも確認できる。
【0064】
なお、バリエーションとしては、ベストチームに限らず、ユーザが育成した全ての育成チーム、またはストーリー毎に所定数以内の育成チーム(例えば、ユーザが登録したいと判断した所定数以内の育成チーム)をユーザIDと関連付けて登録できるようにしてもよい。
【0065】
チームの育成完了後は、再度、選択可能なストーリーの選択可能なステージを選び、初期オーダーのチームを一から育成することができる。ユーザは未達成のステージを新たにクリアしたり、ベストチームの更新を目指す。
【0066】
また、ユーザがチーム育成モードで作成したストーリー毎のベストチームを用いて、遠征モードをプレイすれば、ベストチームのパラメータ等に基づいた報酬を獲得できる。次に、遠征モードの詳細について説明する。
【0067】
(2-2.遠征モード)
遠征モードは、ユーザがチーム育成モードで作成した育成チームを「遠征先に遠征させる(所定の遠征時間が経過するまで放置する)ことで、遠征時間や育成チームのチーム総合力等に応じた報酬を獲得できるゲームである。
図4は、遠征モードのメイン画面G200の一例である。
【0068】
メイン画面G200には、複数の遠征先表示領域A201が設けられており、ユーザが育成チームを遠征させることが可能な遠征先が一覧表示される。本実施の形態では、3つの遠征先が設けられる例を示すが、その数は3つに限定されるものではなく、任意に設定可能である。遠征先の数は固定であってもよいし、変動してもよい。例えば、チーム育成モードのストーリーが増える毎に、遠征モードの遠征先の数を増やしてもよい。チーム育成モードのそれぞれのストーリーで作成した育成チームを有効利用するためには、遠征先の数はストーリーの数と同数またはストーリーの数以上であることが望ましい。また、期間限定で遠征先を追加してもよい。メイン画面G200に表示できない遠征先表示領域A201があれば、画面をスクロールする操作によって、隠れている遠征先表示領域A201が表示される。
【0069】
遠征先表示領域A201に表示される内容は、遠征前、遠征中および遠征完了後で異なる。
図4の例では、3つの遠征先表示領域A201のうち、一番上および一番下が遠征前のものである。
図4の上から二番目の遠征先表示領域A201が遠征中のものであり、遠征中を示すラベルP208等が表示される。また、
図6に例示するように、遠征完了後の遠征先表示領域A201には遠征完了を示すラベルP212等が表示される。先ず、遠征前について説明する。遠征前の遠征先表示領域A201には、遠征先名P202、遠征時間情報P203、宝箱の基本個数表示領域A204、ボーナス表示領域A205、リセットボタンP206、および金ボーナスレベル表示ラベルP207が表示される。
【0070】
遠征先名P202には、複数の遠征先から抽選で決定された遠征先の名称(遠征先名)が表示される。なお、遠征先表示領域A201の背景には、遠征先に応じた背景画像が表示されるが、
図4ではその表示を省略している(他の画面でも同様)。遠征時間情報P203には、遠征時間が表示される。遠征時間は、ユーザが報酬を獲得できるまでに要する現実世界の時間である。
【0071】
宝箱の基本個数表示領域A204には、遠征時間に基づいて決定される基本の報酬の数が表示される。本実施の形態では、報酬が宝箱で表される例を示す。宝箱の基本個数は、遠征時間が長いほど多くなる。なお、宝箱の総数は、遠征時間に基づいて決定される基本個数だけではなく、後述するように、育成チームのチーム総合力、個数UPボーナスの有無、その他によって決定される宝箱の個数の合計である。ボーナス表示領域A205には、抽選により決定された各種ボーナスの情報(アイコン等)が表示される。各種ボーナスについての説明は後述する。また、リセットボタンP206についても後述する。
【0072】
金ボーナスレベル表示ラベルP207には、金ボーナスのレベルが表示される。金ボーナスとは、そのレベルに応じて、報酬の一つである装備品のレアリティ「金」の出現率(抽選確率)を向上させるボーナスである。遠征先が生成された時点での金ボーナスのレベルは初期値の「1」であるが、ユーザが報酬を受け取るまでであれば、チーム育成モードをプレイすることによって、いつでも向上させることができる。この金ボーナスの詳細は後述する。
【0073】
また、メイン画面G200には、ランクボーナスの表示領域A230が設けられている。ランクボーナスは、その高さに応じて、ユーザが報酬として受け取る装備品のランクを向上させるボーナスである。ランクボーナスは、チーム育成モードをプレイすることによって、いつでも向上させることができ、複数の遠征先の全てに対して有効である。ユーザが報酬を受け取るまでであれば、チーム育成モードのステージ(クエスト)をクリアするほど、高いランクの装備品を受け取ることができるようになる。このランクボーナスの詳細は後述する。
【0074】
(2-2-1.遠征の生成)
ここで、遠征時間および遠征先の決定等を実行する遠征の生成処理の一例について説明する。遠征の生成処理は、チーム育成モードの開始時、リセットボタンP206が操作された場合、および遠征完了後にユーザが報酬を受け取った後、または報酬受取期間を超過した後、にそれぞれ実行される。
【0075】
先ず、遠征時間が抽選により決定される。本実施の形態では、4時間、6時間、8時間、10時間および12時間の中から所定の確率に基づいて遠征時間が決定される。次に、遠征先に付けるボーナス(前記ボーナス表示領域A205に表示されるボーナス)が抽選により決定される。ここで、遠征時間が長いほどボーナスが付き易いようにする。例えば、ボーナスの個数は最大で4つであり、遠征時間が長いほど抽選回数を多くする。あるいは抽選回数は同じでも、遠征時間が長いほど当選確率を高くしてもよい。ボーナスには、例えば、指定のストーリーと同じストーリーの育成チームを遠征させると報酬の一つである装備品のランク、および後述の成果ポイントが高くなり易いという「ストーリー合致ボーナス」がある。
図4のパーツP241は、ストーリー名として「ストーリー2」が指定されたストーリー合致ボーナスを示す。この場合、ユーザがトーリー2で育成した育成チームを遠征させる(遠征先に育成チームを関連付ける)ことによりストーリー合致ボーナスが発動し、装備品のランクおよび成果ポイントが高くなり易いという効果が生じる。
【0076】
前記ボーナスには、その他にも、例えば、何れかのレアリティの宝箱の生成数・獲得数を所定数(例えば1個)増加させる個数UPボーナス、所定のレアリティの宝箱の生成数・獲得数を所定数増加させる個数UPボーナス、所定のレアリティの宝箱の出現率(抽選確率)を向上させるレアリティUPボーナス、所定のアイテムの出現率を向上させる出現率UPボーナス、その他様々なボーナスがある。例えば、
図4のパーツP242は、装備品の一つであるグラブの出現率を向上させる「グラブ出現率UP」ボーナスを示す。
【0077】
次に、遠征先が抽選で決定される。本実施の形態では、複数の遠征先(例えば、打高球場、投高球場、強化合宿、バカンス、バット探索、グラブ探索など)がありその中からランダムに遠征先が決定される。なお、遠征先によって出現率を変えてもよい。また、それぞれの遠征先には固定で付く追加ボーナスが関連付けられている場合があり、決定された遠征先に応じてボーナスが追加されるようにしてもよい。この場合、遠征先によって、固定で付く追加ボーナスの数が異なっている(例えば0~2)ようにしてもよい。各遠征先にはそれらを一意に識別する識別情報(遠征先ID)が付され、遠征先マスタテーブルで管理される。各遠征先IDには、背景の画像、演出表示用の動画、固定の追加ボーナスの情報等が関連付けられている。
【0078】
チーム育成モードの開始時は、前記遠征の生成処理が、予め定められた遠征先の数だけ実行され、その結果が、
図4に例示する各遠征先表示領域A201に反映される。遠征前の遠征先表示領域A201には、リセットボタンP206が表示されている。ユーザが前記リセットボタンP206をタップすると、所定のゲーム内通貨が消費され、前記遠征の生成処理が再度実行されることにより、遠征先が再抽選される。この遠征先の再抽選を、遠征先のリセットと称する。すなわち、ユーザは、遠征前の遠征先表示領域A201の情報(遠征先、遠征時間、宝箱の数、ボーナス等)を確認し、遠征先をリセットするか否かを判断し、必要に応じてリセットボタンP206を操作する。遠征先のリセットに必要なゲーム内通貨の消費量は、例えば遠征時間が長いほど多い。なお、遠征先のリセットの条件は、ゲーム内通貨の消費に限らず、様々な条件を設定できる。また、1つの遠征先に対してリセットできる回数は、例えば一日に所定回数(例えば1回だけ)に限定されている。所定回数の遠征先のリセットが実行された遠征先表示領域A201では、リセットボタンP206がグレーアウト表示で無効化され(または消去され)、リセットできないようになる。リセットできなくなった遠征先については、毎日所定時刻(例えば午前3時)になるとリセットボタンP206が有効になる。また、新たな遠征の生成処理が実行された場合も、リセットボタンP206が有効になるので、リセットできなくなった遠征先の遠征を完了させて新たな遠征先に差し変わるとリセット可能となる。
【0079】
(2-2-2.育成チーム等の遠征)
次に、遠征先に育成チームを遠征させる方法について説明する。
図4のメイン画面G200には、遠征先の並び替えを設定するための領域A210が設けられている。この領域A210をタップすれば遠征時間または宝箱の数に基づいた、遠征先表示領域A201の並び替え(降順または昇順)の設定が可能である。ユーザが遠征前の遠征先表示領域A201をタップして遠征先を選択すると、
図5に例示する遠征チーム選択画面G300に遷移する。遠征チーム選択画面G300は、選択された遠征先に遠征させるチームを選択するための画面である。なお、遠征先に遠征する又は遠征したチームを「遠征チーム」と称する場合がある。
【0080】
遠征チーム選択画面G300には、遠征先表示領域A301、および遠征チーム選択領域A302等が表示される。遠征先表示領域A301には、
図4のメイン画面G200で選択した遠征先の表示領域A201と同様の情報(遠征先名、遠征時間、宝箱の基本個数、ボーナス、および金ボーナスのレベル等のリセットボタンP206以外の情報)が表示される。遠征チーム選択領域A302には、ユーザが遠征させることができるチームの情報が一覧表示される。遠征可能なチームは、ユーザがチーム育成モードで作成したストーリー毎のベストチームとしての「育成チーム」、および所定数(例えば1つ)のデフォルトのチームである。デフォルトのチームのチーム総合力は常時固定であり、どのユーザも共通である。一方、ストーリー毎の育成チームの数およびチーム総合力は、ユーザによって異なり得る。すなわち、チーム育成モードで1つのストーリーしかプレイしていないユーザは、1つのストーリーのベストチームしか遠征させることができない。チーム育成モードで複数のストーリーをプレイしているユーザは、プレイしているストーリーの数だけベストチームを遠征させることができる。また、各ストーリーの育成チームのチーム総合力は、それぞれのユーザのプレイデータ(ユーザIDに関連付けられたベストチームの情報)に依存する。ユーザが遠征可能なチームを複数持っている場合、それらのチームを同時に遠征できる。
【0081】
遠征チーム選択領域A302には、選択可能な複数のチームの表示領域A310が設けられている。なお、遠征中(遠征完了も含む)のチームの表示領域A310には、遠征中ラベルP303が表示され、選択できないように例えばグレーアウトの表示となっている。チームの表示領域A310には、チーム名、チームランク、およびチーム総合力等のチーム情報を表示する領域A311が含まれる。本実施の形態では、各ストーリーの育成チームのチーム名を、便宜上、ストーリー名とする。例えば、ストーリー1で育成されたベストチームとしての「育成チーム」のチーム名は、「ストーリー1」とする。また、デフォルトのチームのチーム名を、便宜上、「デフォルト」とする。なお、各チームのチーム名は任意に設定できるようにしてもよい。また、チームの表示領域A310には、報酬獲得予想情報を表示する領域A312が含まれる。報酬獲得予想情報としては、宝箱の獲得数の情報および装備品ランクの情報が含まれる。
図5の例では、上から2番目の「ストーリー2の育成チーム」の領域A312の場合、宝箱の数が12個以上、および装備品ランクが66以上という報酬獲得予想情報が表示されている。また、ストーリー合致ボーナスが発生するチームの表示領域A310には、それを示すアイコンP304が表示される。
【0082】
また、遠征チーム選択領域A302には、チームの並び替えを設定するための領域A305が設けられている。この領域A305をタップすればチーム総合力またはストーリーに基づいた、チームの表示領域A310の並び替え(降順または昇順)の設定が可能である。ユーザがタップして選択したチームの表示領域A310には、チェックマークP306が表示される。
【0083】
また、遠征チーム選択画面G300には、通常遠征ボタンP321およびノリノリ遠征ボタンP322が表示される。ユーザは、遠征の開始時に、通常遠征またはノリノリ遠征の何れかを選択できる。ノリノリ遠征は、所定のゲーム内通貨を消費するが、通常遠征の場合よりも宝箱の生成数を増加させることができるモードである。前記消費されるゲーム内通貨の量は、遠征チームのチーム総合力が高いほど多くなる。なお、消費されるゲーム内通貨の量を固定としてもよい。また、ノリノリ遠征の実行条件として、所定のゲーム内通貨の消費以外の条件を設定してもよい。なお、後述するように、ノリノリ遠征を選択した場合、宝箱の生成数=獲得数ではなく、通常遠征と同じ数の宝箱しか獲得できないが、通常遠征よりレアリティの高い宝箱を獲得し易くなる。ユーザが遠征させたいチームを選択して、通常遠征ボタンP321またはノリノリ遠征ボタンP322をタップすれば、遠征が開始され、
図4のメイン画面G200に戻る。なお、キャンセルボタンP323をタップすれば、遠征を開始することなく、
図4のメイン画面G200に戻る。
【0084】
図4に例示するように、遠征中の遠征先表示領域A201には、遠征中を示すラベルP208および遠征中のチームの情報を示す領域A209が表示される。さらに、遠征完了までの残り時間を表示するためのゲージP210および遠征完了までの残り時間の情報P211が表示される。遠征を開始させた後は、遠征時間が経過するだけで遠征が完了し、ユーザが報酬を受け取ることができるようになる。
【0085】
図6は、遠征が完了した遠征先表示領域A201を含むメイン画面G200の一例を示す。遠征が完了した遠征先表示領域A201には、遠征中を示すラベルP208に代えて、遠征完了を示すラベルP212が表示される。さらに、報酬を受け取ることができる受取期限までの残り時間の情報P213が表示される。例えば、受取期限は遠征の完了から7日後に設定される。遠征が完了してから受取期限までが、ユーザが報酬を受け取ることが可能な期間である。
【0086】
(2-2-3.抽選設定)
ところで、遠征完了後にユーザが最終的に受け取ることができる報酬は、抽選により決定される宝箱の中身のアイテムまたはゲーム内通貨等である。よって、宝箱は、それ自体が報酬としてのアイテムでもあるが、その中身のアイテム等を獲得できる権利ともいえる。
図4または
図6のメイン画面G200には、抽選設定ボタンP221が設けられ、これをタップすれば
図7の抽選設定画面G400に遷移する。この抽選設定画面G400では、ユーザが抽選の対象から外す報酬の条件を設定する(これを「抽選設定」と称する)ことができる。この抽選設定は、宝箱の中身が抽選させるまでならいつでも可能である。遠征モードで報酬として獲得可能なアイテムには、チーム育成モードで使用できる装備品、育成モードで使用できる育成モードアイテム、およびスタジアム(CPU対戦モード)で使用できるスタジアムアイテムが含まれる。なお、後述するが、報酬にはその他のアイテムやゲーム内通貨も含まれる。抽選設定画面G400には、装備品の抽選設定領域A410、育成モードアイテムの抽選設定領域A420、およびスタジアムアイテムの抽選設定領域A430が含まれる。
【0087】
装備品の抽選設定領域A410には、装備品のレアリティの条件を設定する領域A411およびランクの条件を設定する領域A412が含まれる。レアリティは希少性の高さを示す。装備品のレアリティには、希少性の高い順に「金」、「銀」、「銅」がある。領域A411をタップ等して操作すれば、抽選の対象から外す装備品のレアリティの条件として、「金以下」、「銀以下」、「銅以下」、または「-(条件を設定しない)」の何れかを設定できる。装備品のランクは、効果の高さを示す。領域A412をタップ等して操作すれば、抽選の対象から外す装備品のランクの条件を設定できる。もちろん、ランクの条件を設定しないこともできる。レアリティおよびランクの条件は「AND条件」であり、レアリティおよびランクの条件が両方とも設定された場合は、両方の条件を満たす装備品が抽選の対象から外され、代わりにゲーム内通貨が抽選されることになる。
図7の例では、「レアリティ銅以下」、且つ、「ランク80以下」の条件を満たす装備品が抽選の対象から外される。レアリティの条件またはランクの条件の何れか一方の条件だけが設定された場合、当該設定された条件を満たす装備品が抽選の対象から外され、代わりにゲーム内通貨が抽選されることになる。領域A411または領域A412の少なくとも一方を操作して条件の設定を変更した場合は、設定変更ボタンA413をタップすれば変更後の設定が有効となる。
【0088】
育成モードアイテムの抽選設定領域A420には、遠征モードの報酬として抽選され得る複数の育成モードアイテムP422が表示される。抽選から外したい育成モードアイテムP422をタップすればOFF設定が可能であり、再度タップすればOFF設定を解除できる。OFF設定にした育成モードアイテムP422にはラベルP401が付される。OFF設定にした育成モードアイテムP422は抽選の対象から外され、代わりにゲーム内通貨が抽選されることになる。OFF設定を変更した場合は、設定変更ボタンA423をタップすれば変更後の設定が有効となる。
【0089】
スタジアムアイテムの抽選設定領域A430には、遠征モードの報酬として抽選され得る複数のスタジアムアイテムP432が表示される。抽選から外したい育スタジアムアイテムP432をタップすればOFF設定が可能であり、再度タップすればOFF設定を解除できる。OFF設定にしたスタジアムアイテムP432は抽選の対象から外され、代わりにゲーム内通貨が抽選されることになる。OFF設定を変更した場合は、設定変更ボタンA433をタップすれば変更後の設定が有効となる。
【0090】
すなわち、抽選設定領域A420または抽選設定領域A430では、「抽選の対象から外す報酬の条件」を、具体的なアイテムを指定することにより設定できる。
抽選設定画面G400の戻るボタンP402をタップすれば、
図4または
図6のメイン画面G200に戻る。
【0091】
(2-2-4.報酬の受け取り)
図6のメイン画面G200に例示するように、遠征が完了している遠征先があり、受取期限前であれば、任意のタイミングでユーザが所定の受取操作をすることにより、報酬を受け取ることができる。
【0092】
メイン画面G200には、通知設定ボタンP222がある。この通知設定ボタンP222を操作することにより、遠征が完了となった旨、受取期限が迫っている旨等の通知が行われるようにすることができる。例えば、何れかの遠征先で遠征が完了となったタイミング、受取期限の所定時間前のタイミング等で、ユーザのゲーム端末10に通知(例えば、スマートフォン等へのプッシュ通知)が行われるように設定することができる。また、図示しないゲームのトップ画面には、遠征が完了となった旨の通知が表示される。
【0093】
ユーザによる受取操作の一例を以下に説明する。遠征が完了している遠征先表示領域A201をユーザがタップすることにより、
図8の遠征結果画面G500に遷移する。この遠征結果画面G500には、遠征の結果の情報を表示する領域A510、基本報酬を表示する領域A520、および成果報酬を表示する領域A530が含まれる。領域A510には、後述の成果ポイントの情報P511が表示される。また、領域A510には、遠征先名、宝箱の基本個数、ボーナス、金ボーナスのレベル、遠征チームの情報(チーム名、チームランク、およびチーム総合力)、遠征モード(通常遠征またはノリノリ遠征)等が表示される。また、発動したボーナス(宝箱のレアリティ向上、装備品のランク向上等)があればそれを示すラベルも表示される。
【0094】
また、領域A520には、遠征時間に基づいて決定された基本の報酬として受け取ることができるアイテムITが表示される。また、領域A530には、基本の報酬以外の報酬であり、チーム総合力やボーナスの発動等により決定された成果報酬として受け取ることができるアイテムIT等が表示される。領域A520または領域A530に表示される報酬には、
図7の抽選設定画面G400で設定された「抽選の対象から外す報酬の条件」を満たす報酬は含まれない。前述の受け取ることができるアイテムIT等には、抽選設定により抽選の対象から外されたアイテムの代わりに抽選されたゲーム内通貨ITcが含まれる。
【0095】
ユーザが遠征結果画面G500の次へボタンP540をタップすると、
図9に例示する結果詳細画面G600へ遷移する。この結果詳細画面G600には、ユーザが受け取り可能な装備品以外のアイテムIT等の一覧を表示する領域A610、およびユーザが受け取り可能な装備品の一覧を表示する領域A620が含まれる。
【0096】
領域A620には、ぞれぞれの装備品の詳細情報を表示する領域A621が含まれる。領域A621には、装備品のアイコン、名称、ランク、レアリティ、スキル等の情報が表示される。ユーザは、領域A620に表示される装備品の一覧の中から、獲得を希望する装備品(または獲得を希望しない装備品)を設定できる。
図9の例では、チェックマークP622が設定されている装備品のみをユーザが獲得する。例えば、デフォルトでは領域A621内の全ての装備品にチェックマークP622が設定されており、獲得を希望しない装備品があれば、その装備品を表示する領域A621をタップすれば、チェックマークP622の設定を解除できる。また、前記解除後に再度タップすればチェックマークP622を設定できる。
【0097】
ユーザは、領域A620内の全ての装備品にチェックマークP622を設定して、すべて獲得ボタンP631をタップすることにより、領域A610内のアイテムIT等および領域A620内の装備品の全てを受け取ることができる。また、ユーザは、領域A620内の一部の装備品にチェックマークP622を設定して、一部獲得ボタンP632をタップすることにより、領域A610内のアイテムIT等および領域A620内のチェックマークP622を設定した装備品を受け取ることができる。この場合、チェックマークP622を設定しなかった装備品については、売却されて対価としてのゲーム内通貨に変換されてユーザに付与される。
【0098】
なお、前述の説明は受取操作の一例であり、これに限定されない。例えば、
図8の遠征結果画面G500で次へボタンP540をタップすれば、受け取り可能なすべての報酬を受け取ることができるようにしてもよい。
【0099】
(2-2-5.宝箱の生成)
ここで、宝箱の生成について説明する。
(2-2-5-1.宝箱の生成数の決定)
遠征先毎の宝箱の生成数は、(A)遠征時間、(B)遠征先の個数UPボーナスの有無、(C)遠征チームのチーム総合力、および(D)ノリノリ遠征の設定の有無等に基づいて、下記のように決定される。
(A)遠征先の遠征時間が長いほど、より多くの宝箱が生成される(又は、より多くの宝箱が生成され易くなる)。遠征時間に基づいて決定される宝箱の生成数は、基本の生成数である(前述の基本の報酬の数に相当)。例えば、遠征時間4時間で「1~4個」、遠征時間6時間で「2~4個」、遠征時間8時間で「2~5個」、遠征時間10時間で「3~5個」、遠征時間12時間で「3~6個」の各範囲で抽選により宝箱の基本の生成数が決定される。この基本の生成数に、下記の生成数が追加される。
【0100】
(B)遠征先に前述の個数UPボーナスが付いている場合は、当該ボーナスの効果に応じた数だけ宝箱の生成数が追加される。
【0101】
(C)遠征チームのチーム総合力に基づいて決定される、追加の宝箱の生成数は次のとおりである。例えば、遠征チームのチーム総合力の値をP1、係数をa1として、成果ポイントP2が下式(1)により算出される。
P2=a1×P1 ・・・(1)
ここで、上式(1)中の係数a1は、例えば、0.75≦a1≦1.25であり、当該範囲の中でランダムに係数a1の値が決定される。例えば、既知の擬似乱数生成アルゴリズムを適用して、係数a1の値が決定される。なお、遠征先にストーリー合致ボーナスが付いており、且つ、当該ボーナスが発動している場合は、例えば、係数a1の値の範囲が1≦a1≦1.5に変更される。これにより、ストーリー合致ボーナスが発動すれば、成果ポイントP2が向上し易くなる。なお、バリエーションとしては係数a1を固定値としてもよい。算出された成果ポイントP2が大きいほど、より多くの宝箱が生成される。例えば、成果ポイントP2を遠征ランクに変換し(例えば10000未満はGランク、10000以上且つ12000未満はFランク、…等)、遠征ランクに応じて宝箱の生成数を決定する。
【0102】
(D)ノリノリ遠征が設定されている場合、宝箱の生成数が追加されることにより、通常遠征の場合よりも生成数が多くなる。例えば、「宝箱の基本の個数」+「遠征チームのチーム総合力に基づいて決定される宝箱の生成数」が大きいほど、ノリノリ遠征で追加される宝箱の生成数が多くなる。
上記は一例でありこれに限定されない。たとえば、前記(A)~(D)の1つ以上の基づいて宝箱の生成数を決定してもよいし、その他のゲーム要素(例えば、ランクボーナスの値等)に基づいて宝箱の生成数を決定してもよい。
【0103】
宝箱の生成数は、遠征時、すなわちユーザが遠征先に遠征させるチームを選択して遠征を開始した際に決定される。
バリエーションとしては、例えば、宝箱の生成数が決定(ユーザに報酬を付与することが決定される一例)される遠征開始から又は遠征完了からユーザが報酬を受け取るまでの間に、チーム育成モードをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、その間のチーム育成モードのプレイ回数、時間、またはゲーム結果等に基づいて、報酬を受け取る際に宝箱の生成数を追加(増加)してもよい。
【0104】
(2-2-5-2.宝箱のレアリティの決定)
宝箱の生成数が決定した後、それぞれの宝箱のレアリティが所定の確率(出現率)に基づいた抽選で決定される。宝箱のレアリティは、高い順に、「金」、「銀」、「銅」および「木」である。レアリティが高いほど、出現率は低く設定される。例えば、宝箱の生成数が10個の場合、10回抽選が実行され、10個の宝箱のレアリティがそれぞれ決定される。なお、遠征先に前述のレアリティUPボーナスが付いている場合、所定のレアリティの宝箱の出現率が向上された上で、抽選が実行される。
【0105】
以上では各宝箱のレアリティが確率に基づいて決定される例を示したが、確率に基づくことなく各宝箱のレアリティが決定される場合があってもよい。例えば、宝箱の生成数に応じて、全てのレアリティ「金」、「銀」、「銅」、「木」のそれぞれの個数または割合が予め決められていてもよい。あるいは、宝箱の生成数に応じて、一部のレアリティ(例えば「金」および「銀」)の個数または割合が予め決められていてもよい。
それぞれの宝箱のレアリティは、遠征を開始した際に決定される。
バリエーションとしては、例えば、遠征開始から又は遠征完了からユーザが報酬を受け取るまでの間に、チーム育成モードをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、その間のチーム育成モードのプレイ回数、時間、またはゲーム結果等に基づいて、報酬を受け取る際に、少なくとも1つの宝箱のレアリティが高くなるようにしてもよい。
【0106】
(2-2-5-3.宝箱の獲得数について)
通常遠征の場合は、宝箱の生成数と獲得数は同一である。一方、ノリノリ遠征の場合は、前述のとおり宝箱の生成数は通常遠征の場合よりも多くなるが、獲得数は通常遠征の場合と同じ数である。ノリノリ遠征の場合、生成された複数の宝箱のうち、レアリティの高い順に、通常遠征の場合に獲得できる数だけ、ユーザが獲得できる宝箱が決定される。これで決定されずに残ったレアリティの低い宝箱は破棄される。具体例を挙げると、通常遠征で生成数(=獲得数)が12個(例えばレアリティは金1、銀2、銅3、木6)であったところ、ノリノリ遠征では生成数が3個増えて、増えた3個のレアリティが金1、銅2であったとする。この場合、ノリノリ遠征では生成数は15個(金2、銀2、銅5、木6)となるが、このうち実際に獲得できるのはレアリティの高い方から12個なので、獲得できる宝箱は金2、銀2、銅5、木3となる。この例のように、通常遠征とノリノリ遠征とでは、宝箱の獲得数は同じでも、獲得できる宝箱のレアリティはノリノリ遠征の方が向上し易い。
【0107】
宝箱の獲得数および獲得できる宝箱の決定は、ユーザが報酬を受け取るタイミングであるが、ユーザが報酬を受け取る前、例えば、遠征開始時または遠征完了時等であってもよい。
バリエーションとしては、例えば、遠征開始から又は遠征完了からユーザが報酬を受け取るまでの間に、チーム育成モードをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、その間のチーム育成モードのプレイ回数、時間、またはゲーム結果等に基づいて、報酬を受け取る際に宝箱の獲得数を追加(増加)してもよい。
【0108】
(2-2-5-4.宝箱の中身(種類)の決定)
宝箱のレアリティ毎に定められた、中身の確率(出現率)に基づいて、宝箱の中身(種類)が抽選により決定される。種類には、チーム育成モードで使用できる装備品(バット、グラブ、リストバンド)、育成モードで使用できる育成モードアイテム、スタジアムで使用できるスタジアムアイテム、抽選入手モードで使用できるアイテム、強化モードで使用できるアイテム、ゲーム内通貨等がある。宝箱のレアリティによって、抽選対象の種類および種類毎の出現率は異なっている。宝箱のレアリティが高いほど、より価値の高い種類が抽選対象に含まれる。また、宝箱のレアリティが高いほど、より価値の高い種類の出現率が高くなる。例えば、宝箱の獲得数が10個の場合、10回抽選が実行され、10個の宝箱の種類がそれぞれ決定される。なお、遠征先に前述の出現率UPボーナスが付いている場合、所定のアイテムの出現率が向上された上で、種類の抽選が実行される。
【0109】
なお、
図7の抽選設定画面G400で設定された「抽選の対象から外す報酬の条件」を満たす種類は、抽選の対象から外されて、代わりにゲーム内通貨が抽選の対象となる。この場合、抽選の対象から外された種類の価値に応じて、代わりに抽選対象となるゲーム内通貨の量が異なる。価値の高い種類(アイテム)ほど、より多くのゲーム内通貨が代わりに抽選対象となる。種類(アイテム)とゲーム内通貨との関係は、例えばルックアップテーブルにより予め定められている。
【0110】
以上では宝箱の中身(種類)が、宝箱のレアリティ毎に定められた確率に基づいて決定される例を示したが、確率に基づくことなく各宝箱の中身が決定される場合があってもよい。例えば、予め宝箱のレアリティによってその中身が決定されている場合があってもよい。生成された全ての宝箱の中身が、宝箱のレアリティによって予め決定されていてもよいし、全ての宝箱のうちの一部の中身が、宝箱のレアリティによって予め決定されていてもよい。
それぞれの宝箱の種類の決定は、ユーザが報酬を受け取るタイミングであるが、ユーザが報酬を受け取る前、例えば遠征開始時または遠征完了時等であってもよい。
バリエーションとしては、例えば、遠征開始から又は遠征完了からユーザが報酬を受け取るまでの間に、チーム育成モードをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、その間のチーム育成モードのプレイ回数、時間、またはゲーム結果等に基づいて、報酬を受け取る際に、少なくとも1つの宝箱の種類をより価値の高いものに変更するようにしてもよい。
【0111】
(2-2-6.装備品の生成)
前述の抽選により宝箱の中身が装備品に決定された場合、以下に示す装備品の生成処理が実行される。ここで、装備品は、遠征モードで獲得できるメインの報酬である。チーム育成モードで使用できるアイテムのうち、装備品以外のアイテムはチーム育成モードのゲーム内で獲得できるが、装備品だけは遠征モードでしか獲得できない。装備品は、チーム育成モードにおいて、育成対象のチーム(またはチーム内の選手キャラクタ)に装備することで、チーム内の選手キャラクタの能力を高め、延いてはチーム総合力を向上させる効果を生じる。装備品には、バット、グラブおよびリストバンドがある。バットは、主に打撃系の能力を向上させるアイテムである。グラブは、主に守備系能力または投手系能力を向上させるアイテムである。リストバンドは、能力全般を向上させるアイテムである。各装備品にはランク、レアリティおよびスキルのパラメータが設定される。
【0112】
(2-2-6-1.装備品のランクの決定)
ランクは、装備品の強さ(効果の高さ)を示す。装備品のランクは、遠征チームの強さ(チーム総合力)、ストーリー合致ボーナス発動の有無、およびランクボーナス等に基づいて決定される。遠征チームが強いほど、強い装備品が獲得できる。また、ストーリー合致ボーナスの効果によりさらに強い装備品が獲得できる。また、ユーザが報酬を受け取るまでにチーム育成モードにおいてステージをより多くクリアするほど(ランクボーナスが高いほど)、より強い装備品が獲得できる。ランク決定の一例を以下に示す。
【0113】
例えば、報酬レベルをP3、係数をa2として、装備品のランクP4が下式(2)により算出される。
P4=a2×P3 ・・・(2)
ここで、上式(2)中の係数a2は、例えば、0.75≦a2≦1.25であり、当該範囲の中でランダムに係数a2の値が決定される。例えば、既知の擬似乱数生成アルゴリズムを適用して、係数a2の値が決定される。なお、遠征先にストーリー合致ボーナスが付いており、且つ、当該ボーナスが発動している場合は、例えば、係数a2の値の範囲が1≦a2≦1.5に変更される。これにより、ストーリー合致ボーナスが発動すれば、装備品のランクが向上し易くなる。なお、バリエーションとしては係数a2を固定値としてもよい。
【0114】
また、遠征チームのチーム総合力の値をP1、係数をa3、ランクボーナスの値をP5として、報酬レベルP3が下式(3)により算出される。
P3=a3×P1×P5 ・・・(3)
ここで、上式(3)中の係数a3は、0より大きい固定の値である。式(2)および式(3)より、装備品のランクP4は、遠征チームのチーム総合力の値P1の関数として算出されるので、チーム総合力が高いほど装備品のランクP4が高くなる。
【0115】
(ランクボーナス)
また、式(2)および式(3)より、装備品のランクP4は、ランクボーナスの値P5の関数としても算出されるので、ランクボーナスが高いほど装備品のランクP4が高くなる。
【0116】
ここで、前記ランクボーナスの値P5は、ユーザがチーム育成モードをプレイし、何れかのストーリーの未クリアのステージを新たにクリアする毎に向上するゲームパラメータである。ユーザがチーム育成モードをプレイして、何れかのストーリーのステージを新たにクリアする毎に、ランクボーナスの値P5がその都度算出される。例えば、ランクボーナスの値P5は、クリア済みのステージの数の関数として、任意の演算式により算出することができる。あるいは、クリア済みのステージの数とランクボーナスの値P5との関係を予め定めた情報(テーブル)に基づいて、ランクボーナスの値P5を決定してもよい。
【0117】
ステージをノーマルモードでクリアした場合と、イージーモードでクリアした場合とで、ランクボーナスの値が向上する量または向上率を変えてもよいし、同じでもよい。本実施の形態では、ステージ1~20の各ステージは、ノーマルモードまたはイージーモードの何れでクリアしてもランクボーナスの値が向上する大きさは同じである。ステージ21~23についてはノーマルモードしか使用できず、難易度が高いステージであることから、ステージ1~20をクリアするよりもランクボーナスの値はより大きく向上する。
なお、ステージをノーマルモードでクリアした場合の方が、イージーモードでクリアした場合よりもランクボーナスの値が向上する量または向上率を大きくしてもよい。また、ステージが進むほど難易度が高くなるので、ステージが進むほど、ステージをクリアした場合にランクボーナスの値が向上する量または向上率を大きくしてもよい。
【0118】
ランクボーナスの値は、ユーザがチーム育成モードをプレイしてステージをクリアすることによって、いつでも向上させることができる。
図4または
図6に例示するメイン画面G200の表示領域A230には、ランクボーナスの現在の値が表示されており、ユーザがチーム育成モードのステージをクリアする毎に表示領域A230のランクボーナスの値が更新される。ランクボーナスの値はリセットされることはないので、ユーザがチーム育成モードのステージをクリアする毎に上がり続ける。
【0119】
また、ランクボーナスは、生成された複数の遠征先の全てに対して共通に適用されるボーナスであり、遠征先の状態が「遠征前」、「遠征中」、「遠征完了」の何れであっても適用される。例えば、
図6のメイン画面G200には、遠征中の遠征先(バカンス)と、遠征完了の遠征先(バット探索)と、遠征前の遠征先(グラブ探索)の3つの遠征先があり、ランクボーナスの値が「50」となっている。この場合、3つの遠征先には何れもランクボーナスの値「50」が適用される。最終的にユーザが獲得する装備品のランクは、ユーザが報酬を受け取るタイミングで決定されるので、ユーザが報酬を受け取るまでに、ユーザがチーム育成モードの新たなステージをクリアすればするほど、ランクボーナスの値も向上し、結果的に装備品のランクも向上する。つまり、ユーザは報酬を受け取るまでは、チーム育成モードをいつプレイしても、装備品のランクを向上させ得る。そして、ユーザは、自らが報酬を受け取る任意のタイミングまで、装備品のランクを上げ続けることができる。
【0120】
すなわち、ユーザに報酬を付与することが決定される遠征開始から又は遠征完了からユーザが報酬を受け取るまでに、チーム育成モードをプレイしなかった場合よりもプレイしてステージをクリアした場合の方が、装備品のランクを向上させることができる(又は向上させ易くなる)。
【0121】
また、ランクボーナスの値は、ユーザがチーム育成モードのストーリーをクリア(1つのストーリーに含まれる23のステージをすべてクリア)する毎に向上するようにしてもよい。すなわち、クリアしたストーリーの数に応じて、ランクボーナスの値が向上するようにしてもよい。この場合、ユーザが報酬を受け取るまでに、チーム育成モードのステージをクリアする及び/又はストーリーをクリアすることにより、ランクボーナスの値が向上し、獲得できる装備品のランクも向上する。
【0122】
(2-2-6-2.装備品のレアリティの決定)
装備品のレアリティは、その装備品が出現した宝箱のレアリティ毎に定められている確率に基づいて決定される。すなわち、宝箱のレアリティが高いほど、宝箱の中身としての装備品のレアリティも高くなるように、宝箱のレアリティ毎に、装備品のレアリティ毎の出現率(出現比)が設定されている。一例を挙げると、「木」の宝箱の場合、装備品の各レアリティの出現率は、「金」0%、「銀」5%、「銅」95%である。また、「金」の宝箱の場合、装備品の各レアリティの出現率は、「金」20%、「銀」80%、「銅」0%である。「銅」および「銀」の宝箱については省略する。
【0123】
(金ボーナス)
金ボーナスは、そのレベルに応じて、装備品のレアリティ「金」の出現率を向上させるボーナスである。金ボーナスのレベルが高いほど、装備品のレアリティ「金」の出現率が向上する。金ボーナスの発動対象は、生成された複数の遠征先の全てであるが、前述のランクボーナスのように遠征先の全てに対して共通の値が適用されるのではなく、遠征先ごとに金ボーナスのレベルは変わり得る。例えば、
図4のメイン画面G200に一覧表示されている3つの遠征先の場合、遠征先「バカンス」の金ボーナスのレベルは「30」、その他の遠征先のレベルは「1」となっている。なお、金ボーナスは、遠征先の状態が「遠征前」、「遠征中」、「遠征完了」の何れであっても適用される。
【0124】
それぞれの遠征先が新規に生成された時点では、金ボーナスのレベルは初期値「1」である。その後、ユーザがチーム育成モードをプレイして、何れかのストーリーでステージをクリアして育成チームを作成すると、金ボーナスのレベルが2以上になる。遠征先ごとの金ボーナスのレベルは、例えば次のようにして変更される。
【0125】
ユーザがチーム育成モードをプレイして、何れかのストーリーのステージをクリアする毎に、金ボーナスのレベルがその都度算出される。ここでクリアするステージは、新規のステージであってもよいし、既にクリア済のステージの再度のクリアであってもよい。例えば、金ボーナスのレベルは、ステージをクリアした際に作成された育成チームのチーム総合力の関数として、任意の演算式により算出することができる。あるいは、ステージをクリアした際のチーム総合力と金ボーナスのレベルとの関係を予め定めた情報(テーブル)に基づいて、金ボーナスのレベルを決定してもよい。
前記のようにチーム育成モードのステージをクリアした際のチーム総合力に基づいて算出された金ボーナスのレベルと、それぞれの遠征先の現在の金ボーナスのレベルとが比較される。ここで、前記算出された金ボーナスのレベルの方が、現在の金ボーナスのレベルよりも大きい遠征先があれば、当該遠征先の金ボーナスのレベルが、前記算出された金ボーナスのレベルに変更(上書き)される。
【0126】
なお、バリエーションとしては、ユーザがチーム育成モードのステージをクリアできずにゲームオーバーによって育成チームが作成された場合でも、当該育成チームのチーム総合力に基づいて金ボーナスのレベルを算出し、前記と同様の処理をしてもよい。
【0127】
それぞれの遠征先の金ボーナスは、当該遠征先においてユーザが報酬を受け取るまでリセットされない。最終的にユーザが獲得する装備品のレアリティは、ユーザが報酬を受け取るタイミングで決定されるので、ユーザが報酬を受け取るまでに、ユーザがチーム育成モードをプレイして、チーム総合力の高い育成チームを作成するほど、遠征先の金ボーナスも向上し、結果的に装備品のレアリティも向上し易くなる。つまり、ユーザは報酬を受け取るまでは、チーム育成モードをいつプレイしても、装備品のレアリティを向上させ得る。そして、ユーザは、自らが報酬を受け取る任意のタイミングまで、装備品のレアリティを上げ続けることができる。
【0128】
すなわち、ユーザに報酬を付与することが決定される遠征開始から又は遠征完了からユーザが報酬を受け取るまでに、チーム育成モードをプレイしなかった場合よりもプレイしてチーム総合力の高い育成チームを作成した場合の方が、装備品のレアリティを向上させることができる(又は向上させ易くなる)。
【0129】
それぞれの遠征先の金ボーナスは、当該遠征先においてユーザが報酬を受け取ることによってリセットされる。すなわち、ユーザが報酬を受け取ったことにより遠征先が新規に生成(補充)されたタイミングで金ボーナスのレベルは初期値「1」にリセットされる。
【0130】
なお、遠征前の遠征先において、リセットボタンP206(
図4参照)が操作されたことにより遠征先がリセットされても、当該遠征先の金ボーナスのレベルが初期値「1」にリセットされない。例えば、
図4の遠征先「バカンス」の金ボーナスのレベルは「30」であり、リセットボタンP206の操作により遠征先がリセット(再抽選)され、遠征先が「バカンス」以外になっても、金ボーナスのレベルは「30」のままである。
なお、バリエーションとしては、遠征先がリセットされた場合、当該遠征先の金ボーナスのレベルが初期値「1」にリセットされるようにしてもよい。
【0131】
本実施の形態では、金ボーナスのレベルに応じて装備品のレアリティ「金」の出現率が向上するのは、「金」または「銀」の宝箱から装備品が出現する場合のみである。これに限定されるものではなく、どのレアリティの宝箱でも、金ボーナスのレベルに応じて装備品のレアリティ「金」の出現率が向上するようにしてもよい。
また、以上では装備品のレアリティが、その装備品が出現した宝箱のレアリティ毎に定められている確率に基づいて決定される例を示したが、確率に基づくことなく装備品のレアリティが決定される場合があってもよい。例えば、装備品が出現した宝箱のレアリティによって、当該装備品のレアリティが予め決定されている場合があってもよい。どのレアリティの宝箱から出現した装備品も、宝箱のレアリティによって装備品のレアリティが予め決定されていてもよい。あるいは、一部のレアリティの宝箱(例えば「金」および「銀」の宝箱)から出現した装備品のみ、宝箱のレアリティによって装備品のレアリティが予め決定されていてもよい。なお、装備品の「金」等のレアリティが確率に基づいて決定されない場合、前述の金ボーナスの効果を、金ボーナスのレベルに応じて装備品のレアリティ「金」の出現率を向上させることに代えて、次のようにしてもよい。例えば、金ボーナスは、そのレベルに応じて装備品のレアリティが向上するように「装備品のレアリティを変更する効果」を生じるようにしてもよい。例えば、金ボーナスのレベルが高いほど、装備品のレアリティ「銀」を「金」に変更する数を増やしたり、装備品のレアリティ「銅」を「銀」に変更する数を増やしたりしてもよい。
【0132】
(2-2-6-3.装備品のスキルの決定)
装備品のレアリティが「銀」または「金」の場合に、抽選により選ばれたスキルが付加される。装備品に付加されるスキルの最大枠数は、装備品のレアリティによって決まっている。スキルの最大枠数は、装備品のレアリティが「銅」で0、「銀」で1、「金」で2~3である。装備品のレアリティが「金」の場合は、ランダム抽選によりスキルの最大枠数が2または3に決定される。その後、所定の抽選が実行され、スキルの最大枠数の中で付加されるスキルが決定される。なお、スキルの最大枠数がスキルの抽選回数でなく、最大枠数より多くのスキルの抽選が実行される。装備品のレアリティが「金」の場合の方が、「銀」の場合よりもスキルの抽選回数が多い。1つの装備品に同じスキルが複数付くことはないが、抽選の結果、同じスキルが複数選ばれた場合、スキルがレベルアップする(上位のスキルに昇格する)。例えば、抽選で同じスキルが2つ選ばれた場合は当該スキルのレベルは「2」になり、3つ選ばれた場合は「3」になる。抽選の結果、付加可能なスキルの数が最大枠数以上になった場合、よりレベルの高いスキルが優先的に付加される。また、レベルが同じであればより早く抽選されたスキルが優先的に付加される。
【0133】
なお、装備品のランクに応じて、付加されるスキルのレベルに制限をかけてもよい。例えば、装備品のランクが「50」以上でなければ、レベル「3」以上のスキルは付加されないようにする。
【0134】
装備品の種類(バット、グラブまたはリストバンド)によって、付加され易い(抽選され易い)スキルのジャンルが変わる。バットの場合はバット系(打撃系)のスキルの出現率が高い。グラブの場合はグラブ系(守備系および投手系)のスキルの出現率が高い。リストバンドの場合は、ジャンルによる出現率の偏りは少ない。
【0135】
なお、バリエーションとしては、例えば、遠征開始から又は遠征完了からユーザが報酬を受け取るまでの間に、チーム育成モードをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、その間のチーム育成モードのプレイ回数、時間、またはゲーム結果等に基づいて、報酬を受け取る際に、装備品のスキルが追加(増加)する、またはスキルのランクが向上するようにしてもよい。
【0136】
[3.ゲームシステムの機能的構成]
図10は、ゲームシステム1の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
図10に示すように、ゲームシステム1はデータ記憶部100を含む。例えば、データ記憶部100は、データベースDB、ROM12、RAM13、補助記憶装置14、ROM32、RAM33、及び補助記憶装置34の少なくとも一つによって実現される。データ記憶部100はゲームを提供するために必要なデータを記憶する。
【0137】
例えば、データ記憶部100に記憶されているゲームを実行するための各種データは、データベースDB又はサーバ30の補助記憶装置34等に記憶されており、ゲーム端末10がサーバ30にアクセスした場合に、必要なデータがゲーム端末10のRAM13又は補助記憶装置14にダウンロードされるようにすることができる。また、ゲーム端末10で実行されたゲームの結果やデータの変更についての情報は、リアルタイムで又は所定のタイミングでゲーム端末10からサーバ30へ送信され、データベースDB又はサーバ30の補助記憶装置34等に記憶されているデータが適宜更新されるようにすることができる。また、例えば、ゲームの少なくとも一部を、各ユーザのゲーム端末10において、サーバ30にログインせずにオフラインでもゲームが実行できるように、必要なデータをゲーム端末10の補助記憶装置14等に記憶しておくようにしてもよい。
【0138】
データ記憶部100に記憶されるデータの具体例として、前記で説明した野球ゲームを提供するために必要なデータについて説明する。データ記憶部100は、アイテムマスタテーブルTBL101、ユーザ情報テーブルTBL102、遠征管理テーブルTBL103、報酬管理テーブルTBL104等を記憶する。なお、
図10では省略されているが、データ記憶部100には、ゲーム内で用いられる全てのキャラクタの基本情報を記憶したキャラクタマスタテーブル等も格納されている。
【0139】
図11は、アイテムマスタテーブルTBL101の一例を示す。アイテムマスタテーブルTBL101は、ゲームシステム1が提供するゲーム内で扱う全てのアイテムを管理するためのマスターデータである。アイテムマスタテーブルTBL101は、それぞれのアイテムを一意に識別する「アイテムID」の情報フィールドを含む。また、それぞれの「アイテムID」に関連付けて、「適用ゲームモード」、「アイテム種別」、「アイテム名」、「効果」等の情報フィールドを含む。アイテムには、例えば装備品のように、同じアイテム名でも所定のゲームモードにおけるゲーム結果により、設定されるパラメータ(ランク、レアリティ、スキル等)の異なるものが存在する。アイテムマスタテーブルTBL101で管理されるアイテムの情報は、ゲーム結果により変動するパラメータの情報を除く基本情報である。例えば、アイテムマスタテーブルTBL101は、サーバ30及びゲーム端末10のそれぞれの記憶装置(例えば、RAM13、補助記憶装置14、RAM33、補助記憶装置34、データベースDB等)に記憶されて管理されている。サーバ30及びゲーム端末10に記憶されるアイテムマスタテーブルTBL101は基本的に同じものであり、例えば、サーバ30においてゲーム運営側がアイテムマスタテーブルTBL101を変更した場合、変更した情報がネットワークNを介してサーバ30からゲーム端末10へ配信される。
【0140】
図12は、ユーザ情報テーブルTBL102の一例を示す。
図12の例ではユーザID「U1」のユーザ1人分の情報が記憶されるユーザ情報テーブルTBL102を示しているが、ゲームシステム1に登録されている全てのユーザを対象としたユーザ情報テーブルTBL102が、ゲームシステム1のデータ記憶部100(例えば、データベースDBや補助記憶装置34等)に記憶されている。なお、
図13の遠征管理テーブルTBL103および
図14の報酬管理テーブルTBL104でも、ユーザ1人分の情報だけを例示しているが、同様である。
【0141】
ユーザ情報テーブルTBL102は、「ユーザID」、「ユーザ名」、「育成モード」、「チーム育成モード」、「遠征モード」、「CPU対戦モード(スタジアム)」等のゲームシステム1が提供する複数のゲームモードの管理フィールドを含む。「ユーザID」フィールドは各ユーザを一意に特定するための識別情報を示す。「ユーザ名」フィールドはユーザの名前を示す。複数のゲームモードの管理フィールドには、ユーザIDと関連付けて、それぞれのゲームモードに関するユーザのゲームデータが記憶される。例えば、「育成モード」フィールドには、ユーザがこれまでに育成した育成選手の情報、ユーザが所持しているイベントキャラクタの情報、ユーザが所持している育成モードアイテムの情報、その他育成モードのゲーム進行情報等が記憶される。また、「チーム育成モード」フィールドには、ユーザがクリアしたストーリーおよびステージ(クエスト)の情報、ユーザが所持しているチーム育成モードアイテムの情報、ユーザが育成したストーリー毎のベストチームの情報、その他チーム育成モードのゲーム進行情報等が記憶される。また、「遠征モード」フィールドには、遠征に関する情報(遠征管理テーブルTBL103等)、報酬に関する情報(報酬管理テーブルTBL103等)、および抽選設定の情報等が記憶される。「CPU対戦モード」フィールドには、ユーザのチーム(マイチーム)の情報、ユーザが所持しているスタジアムアイテムの情報、その他CPU対戦モードのゲーム進行情報等が記憶される。
【0142】
なお、
図12では省略されているが、その他のフィールドもユーザ情報テーブルTBL102に含まれる。例えば、ユーザが所有しているゲーム内の様々なポイント、ユーザのユーザIDに関連付けられる他のユーザ(仲間、フレンド等)のユーザID、対戦履歴等のフィールドが、ユーザ情報テーブルTBL102に含まれる。
【0143】
図13は、遠征管理テーブルTBL103の一例を示す。
図13ではユーザID「U1」に関連付けられた遠征に関する情報を例示する。遠征管理テーブルTBL103は、生成されたそれぞれの遠征先を一意に識別する「遠征ID」の情報フィールドを含む。また、それぞれの「遠征ID」に関連付けて、「遠征時間」、「ボーナス」、「遠征先(遠征先名)」、「状態(遠征前、遠征中、又は遠征完了)」、「遠征チーム」、「モード(ノーマル遠征またはノリノリ遠征)」、「遠征終了時刻」、「受取期限」、「ランクボーナス」、および「金ボーナス」等の情報フィールドを含む。
【0144】
図14は、報酬管理テーブルTBL104の一例を示す。
図14ではユーザID「U1」の「遠征ID=E2」に関連付けられた報酬に関する情報を例示する。報酬管理テーブルTBL104は、対象の遠征先において生成された報酬としてのそれぞれの宝箱を一意に識別する「宝箱ID」の情報フィールドを含む。また、それぞれの「宝箱ID」に関連付けて、「宝箱のレアリティ」および「種類(宝箱の中身)」等の情報フィールドを含む。また、「種類(宝箱の中身)」の情報フィールドには、「アイテムID」、「アイテム名」、「アイテムのパラメータ(ランク、レアリティ、スキル)」の情報フィールドを含む。
【0145】
本実施の形態のゲームシステム1、サーバ30又はゲーム端末10は、少なくとも第1ゲームおよび当該第1ゲームとは異なる第2ゲームを含むゲームを提供する。前述の野球ゲームの例では、第1ゲームの一例としての遠征モードのゲームと、第2ゲームの一例としてのチーム育成モードのゲームを提供する。
【0146】
ここで、第1ゲームおよび第2ゲームのそれぞれは、ある1つのゲームの一部分であってもよいし、ゲームとして別体であってもよい。例えば、ある1つのゲームプログラムにより実行されるゲームに含まれる複数のゲームモードの中の一のゲームモードが「第1ゲーム」の一例に相当し、その中の他のゲームモードが「第2ゲーム」の一例に相当する。また、第1ゲームプログラムにより実行されるのが第1ゲームであり、第2ゲームプログラムにより実行されるのが第2ゲームであってもよい。
【0147】
図10に示すように、ゲームシステム1は制御部110を含む。制御部110は、記憶装置(ROM12、RAM13、補助記憶装置14、ROM32、RAM33又は補助記憶装置34等)に記憶されているゲームプログラムを、ゲーム端末10のCPU11又はサーバ30のCPU31が実行することにより実現される。制御部110の機能の一部をゲーム端末10によって実現し、残りの機能をサーバ30によって実現してもよい。または、制御部110の機能の全てをサーバ30によって実現してもよいし、制御部110の機能の全てをゲーム端末10によって実現してもよい。
【0148】
制御部110は、報酬付与決定部111(報酬付与決定手段の一例)、報酬付与部112(報酬付与手段の一例)、報酬価値変動部113(報酬価値変動手段の一例)、及び期間設定部114(期間設定手段の一例)を含む。なお、制御部110の構成の一部を省略してもよい。例えば、期間設定部114を省略してもよい。
【0149】
報酬付与決定部111は、ユーザが前記第1ゲームをプレイすることにより当該ユーザに報酬を付与することを決定する機能を有する。ここで、「ユーザ」とは、例えば、ゲームシステムによって提供されるゲームをプレイする人である。例えば、ユーザ識別情報が各ユーザに対して設定され、各ユーザはユーザ識別情報によって識別(特定)される。前記「ユーザ識別情報」とは、各ユーザを一意に識別するための情報である。例えば、ユーザID、重複しないユーザ名、又はメールアドレス等が「ユーザ識別情報」の一例に相当する。
【0150】
前記「報酬」は、ゲームの提供者またはユーザが価値を有するものと認識できるものであればよい。例えば、アイテムやキャラクタ等のオブジェクト、ゲームポイント、ゲーム内通貨またはゲームに関する権利等のゲーム内で使用できるものが「報酬」の一例に相当する。ここで、ゲームに関する権利は、例えば、アイテム等を獲得できる権利、所定のゲームモードをプレイできる権利、所定のゲームモードの中の所定のステージをプレイできる権利、ゲーム内で開催される大会等のイベントに参加できる権利等である。また、「報酬」は、ゲーム内で使用されるものでなくてもよく、例えば、単にコレクションとして集めるだけのオブジェクト等であってもよい。
「報酬」がゲーム内で使用できるものである場合、第1ゲームで使用できるものであってもよいし、第2ゲームで使用できるものであってもよいし、第1ゲームおよび第2ゲームの両方で使用できるものであってもよいし、その他のゲームで使用できるものであってもよい。「報酬」として受け取ったものは、一度(または規定回数)使用すればなくなるもの(すなわち、消費されるもの)であってもよいし、何度使用してもなくなることのないものであってもよい。
【0151】
前記「ユーザに報酬を付与することを決定する」は、実際にユーザに報酬を付与する(すなわち、ユーザが報酬を受け取る)前に実行される処理である。「ユーザに報酬を付与することを決定する」には、どのような報酬をユーザに付与するかという報酬の内容(例えば報酬の種類やランク等のパラメータ)までは決定しない場合も含まれるし、付与する報酬の内容まで決定する場合も含まれる。例えば、第1ゲームの開始時(例えば遠征の開始時)等にユーザに付与する宝箱の数を決定する(宝箱のレアリティや中身(種類)までは決定しない)ことは、「ユーザに報酬を付与することを決定する」の一例に相当する。また、例えば、ユーザに付与する宝箱の数および各宝箱のレアリティを決定する(中身までは決定しない)ことは、「ユーザに報酬を付与することを決定する」の一例に相当する。また、例えば、ユーザに付与する宝箱の数、各宝箱のレアリティ、各宝箱の中身を決定する(中身のランク、レアリティ、スキル等のパラメータまでは決定しない)ことは、「ユーザに報酬を付与することを決定する」の一例に相当する。また、各宝箱の中身のランク、レアリティ、スキル等のパラメータまで決定することは、「ユーザに報酬を付与することを決定する」の一例に相当する。
【0152】
また、「ユーザに報酬を付与することを決定する」タイミングと「ユーザが報酬を受け取ることが可能になる」タイミングとは異なっていてもよいし、同じであってもよい。例えば、遠征開始時に宝箱の個数等を決定しており、遠征開始時はユーザに報酬として宝箱を付与することを決定するタイミングであるが、当該宝箱(その中身)を受け取ることができるタイミングは遠征完了時である。
また、例えば、後述のバリエーションのように、遠征完了時(ユーザが報酬を受け取ることが可能になるタイミング)に宝箱の中身の装備品が決定される場合を想定すると、当該「装備品」をユーザに付与することを決定するタイミングとユーザが装備品を受け取ることが可能になるタイミングとは、何れも遠征完了時で同じである。
【0153】
また、前記「第1ゲームをプレイすることによりユーザに報酬を付与することを決定する」に関し、第1ゲームをプレイすることは、ユーザに報酬を付与することを決定するための必須条件ではあるが、それ以外の条件を追加してもよい。例えば、第1ゲームで使用するゲーム要素(チーム等)のランクが所定以上の場合に、報酬を付与することを決定する等の条件が付加されていてもよい。
ユーザに報酬を付与することを決定するタイミングは任意に設定できる。例えば、第1ゲームの開始時、ゲーム進行中、又はゲーム終了時の何れのタイミングで付与することが決まる報酬であっても対象となる。
【0154】
前述の野球ゲームの例では、報酬付与決定部111は、ユーザが遠征モードのゲームをプレイして遠征を開始することにより、当該ユーザに報酬としての宝箱(または宝箱の中身)を付与することを決定する。
【0155】
前記報酬付与部112は、前記報酬を受け取った前記ユーザのユーザ識別情報に前記報酬を関連付ける機能を有する。ここで、「ユーザが報酬を受け取る」とは、ユーザに報酬が付与されることであり、ユーザの識別情報に報酬の情報を関連付けて、当該報酬をユーザが使用できる所有状態にすることをいう。例えば、ユーザが受け取った報酬が、一旦、プレゼントボックス等のゲーム内の仮想的な保管場所に移され、その後にユーザが所定の操作を行うことにより、前記保管場所から取り出して使用できる状態になる場合でも、報酬が前記保管場所に移された状態になることは「ユーザが報酬を受け取る」に含まれる。ここで、ユーザが受け取った報酬を使用するには、報酬としてのオブジェクト等が有する本来の効果を奏する使用だけではなく、例えば報酬として受け取ったものを売却してゲーム内通貨等に変換する、他のオブジェクトを強化するための素材として使用する、他のユーザに無償または有償で譲渡する等も含まれる。
【0156】
なお、報酬付与決定部111がユーザに付与することを決定した報酬が「宝箱」であり、報酬付与部112がユーザに付与する報酬は「宝箱の中身(装備品等)」というように、報酬の形態が変化してもよい。
【0157】
「ユーザが報酬を受け取る」には、ユーザによって行われる報酬を受け取るための受取操作に基づいてユーザに報酬が付与される場合の他、当該受取操作が行われることなく自動的にユーザに報酬が付与されることによりユーザが報酬を受け取る場合も含まれる。
【0158】
前述の野球ゲームの例では、報酬付与部112は、遠征の完了後にユーザによって行われる受取操作に基づいて、ユーザに報酬として宝箱(宝箱の中身)を付与する。
【0159】
前記報酬価値変動部113は、前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから前記ユーザが前記報酬を受け取るまでの間に、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、前記報酬の価値が高くなるようにする機能を有する。ここで、「報酬の価値」とは、例えば、報酬の量、種類、能力や性能、発生する効果、希少性等によって変動するものである。ゲームで使用できる報酬の場合は、ゲームに影響を及ぼす大きさの程度、またはゲーム上のメリットの大きさが「報酬の価値」の一例に相当する。また、ゲームで使用されない報酬(コレクション用オブジェクト等)の場合は、その希少性が「報酬の価値」の一例に相当する。
【0160】
例えば、報酬の量(アイテム等のオブジェクトの個数、ポイントやゲーム内通貨の数量)を増やすことが、「報酬の価値が高くなるようにする」の一例に相当する。また、例えば、報酬としてのオブジェクト等のランク、レアリティ、スキル、能力、性能、発生する効果等を示す各種パラメータの少なくとも1つを高めることが、「報酬の価値が高くなるようにする」の一例に相当する。また、例えば、報酬自体をより価値が高い別の報酬に変える(報酬の種類をより価値が高い別の種類の報酬に変える)ことが、「報酬の価値が高くなるようにする」の一例に相当する。具体例を挙げると、報酬の種類によって発生する効果の大きさが異なる場合、報酬の種類をより効果の大きいものに変更することが、「報酬の価値が高くなるようにする」の一例に相当する。
【0161】
また、前記「報酬の価値が高くなるようにする」には、報酬の価値が高くなり易いようにすることが含まれる。すなわち、確率に基づいて報酬の価値が決定される場合、当該確率を報酬の価値が高くなり易いように変更することが、「報酬の価値が高くなるようにする」の一例に相当する。一例を挙げると、アイテムのレアリティを抽選で決定する場合に、最も高いレアリティ(又は所定以上の高さのレアリティ)の出現率を高くなるように変更する、あるいはそれ以外のレアリティの出現率を低くなるように変更するすることが、「報酬の価値が高くなるようにする」の一例に相当する。
【0162】
「前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから前記ユーザが前記報酬を受け取るまでの間に、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、前記報酬の価値が高くなるようにする」には、例えば、次のような態様が含まれる。例えば、前記の期間に第2ゲームを1回でもプレイすれば、前記第2ゲームをプレイしなかった場合よりも、報酬の価値を高くする、又は高くなり易いようにする。また、例えば、前記の期間に1回以上プレイした第2ゲームのゲーム結果に基づいて、報酬の価値を高くする、又は高くなり易いようにする。また、例えば、前記の期間に第2ゲームをプレイした回数に基づいて、前記回数が多いほど報酬の価値を高くする、又は高くなり易いようにする。例えば、前記の期間に第2ゲームをプレイした時間の長さに基づいて、前記時間が長いほど報酬の価値を高くする、又は高くなり易いようにする。
【0163】
前記報酬価値変動部113は、少なくとも前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから前記ユーザが前記報酬を受け取るまで、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイすることにより向上し得るゲームパラメータを管理するゲームパラメータ管理部1131と、前記ユーザが前記報酬を受け取る際の前記ゲームパラメータに基づいて前記報酬の価値を決定する価値決定部1132とを含む。ここで、「前記ユーザが前記第2ゲームをプレイすることにより向上し得るゲームパラメータ」は、ユーザが第2ゲームをプレイすることにより必ず向上するものであってもよいし、第2ゲームをプレイ結果が所定の条件を満たすことにより向上するものであってもよい。
【0164】
前述の野球ゲームの例では、ユーザがチーム育成モードをプレイすることにより、ステージをクリアする毎に向上し、リセットされることのない「ランクボーナスの値」が、「少なくとも前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから前記ユーザが前記報酬を受け取るまで、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイすることにより向上し得るゲームパラメータ」の一例に相当する。前述のように、ランクボーナスの値は、リセットされることもなく、遠征モードの遠征前(報酬を付与することが決定される前)からユーザが前記報酬を受け取るまで、ユーザチーム育成モードをプレイすることにより向上させ得る。すなわち、報酬価値変動部113は、少なくともユーザに前記報酬を付与することが決定されてからユーザが報酬を受け取るまで、ユーザがチーム育成モードをプレイすることにより向上し得るランクボーナスの値を管理する機能を有する。この場合、価値決定部1132は、ユーザが報酬を受け取る際(報酬の受取操作の際)のランクボーナスの値に基づいて、装備品のランクを算出して決定する。ここで、遠征の開始時(または遠征の完了時)のランクボーナスの値をP5(0)、ユーザが報酬を受け取る際のランクボーナスの値をP5(1)とすると、遠征の開始時(または遠征の完了時)からユーザが報酬を受け取るまでの期間に、ユーザがチーム育成モードをプレイしなければ、P5(0)=P5(1)でランクボーナスの値は変化しない。一方、前記期間にユーザがチーム育成モードをプレイすることによりP5(0)<P5(1)となり得る。よって、ユーザが報酬を受け取るまでの間に、ユーザがチーム育成モードをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、報酬として受け取る装備品のランクが高くなる(又は高くなり易くなる)。
【0165】
また、ユーザが遠征モードの報酬を受け取るまで、チーム育成モードをプレイすることにより、チーム総合力の高い育成チームを作成する毎に向上する金ボーナスのレベルが、前記「ゲームパラメータ」の一例に相当する。前述のように、金ボーナスのレベルは、ユーザが報酬を受け取るまでリセットされないので、遠征モードの遠征前(報酬を付与することが決定される前)からユーザが前記報酬を受け取るまで、ユーザチーム育成モードをプレイすることにより向上させ得る。すなわち、報酬価値変動部113は、少なくともユーザに前記報酬を付与することが決定されてからユーザが報酬を受け取るまで、ユーザがチーム育成モードをプレイすることにより向上し得る金ボーナスのレベルを管理する機能を有する。この場合、価値決定部1132は、ユーザが報酬を受け取る際(報酬の受取操作の際)の金ボーナスのレベルに基づいて、装備品の「金」のレアリティの出現率を高くして、装備品のレアリティを決定する。ここで、遠征の開始時(または遠征の完了時)の金ボーナスのレベルをP6(0)、報酬を受け取るタイミンにおける金ボーナスのレベルをP6(1)とすると、遠征の開始時(または遠征の完了時)からユーザが報酬を受け取るまでの期間に、ユーザがチーム育成モードをプレイしなければ、P6(0)=P6(1)で金ボーナスのレベルは変化しない。一方、前記期間にユーザがチーム育成モードをプレイすることによりP6(0)<P6(1)となり得る。よって、ユーザが報酬を受け取るまでの間に、ユーザがチーム育成モードをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、報酬として受け取る装備品のレアリティが高くなる(又は高くなり易くなる)。
【0166】
これにより、ユーザが遠征モードをプレイすることにより付与されることが決定した報酬をユーザが受け取るまでに、ユーザがチーム育成モードをプレイすれば、報酬として受け取る装備品のランクまたはレアリティを高めることができる。従って、遠征モードをプレイするユーザに対して、チーム育成モードを積極的にプレイすることの動機付けを与えることができる。
【0167】
また、前述の野球ゲームの例では、報酬価値変動部113は、遠征が完了してユーザが報酬を受け取り可能となってからユーザが報酬を受け取るまでの間に、ユーザがチーム育成モードをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、報酬として受け取る装備品のランクまたはレアリティが高くなるようにする機能を有する。この構成の前記報酬価値変動部113は、少なくともユーザが報酬を受け取り可能となってから前記ユーザが前記報酬を受け取るまで、前記ユーザがチーム育成モードをプレイすることにより向上し得るゲームパラメータ(ランクボーナスの値、又は金ボーナスのレベル)を管理するゲームパラメータ管理部1131と、前記ユーザが前記報酬を受け取る際の前記ゲームパラメータに基づいて、ユーザが受け取る装備品のランク又はレアリティを決定する価値決定部1132とを含む。
この構成によれば、ユーザが遠征モードをプレイすることにより報酬を受け取り可能となった後もすぐに報酬を受け取らずにチーム育成モードをプレイすれば、実際に報酬をユーザが受け取るまで、報酬として受け取る装備品のランクまたはレアリティを高めることができる。これにより、遠征モードをプレイするユーザに対して、チーム育成モードを積極的にプレイすることの動機付けを与えることができる。
【0168】
前記報酬価値変動部113は、前記ユーザに前記報酬が付与されるまでにプレイした前記第2ゲームのゲーム結果に基づいて、前記報酬の価値を変動させることが好ましい。ここで、「第2ゲームのゲーム結果」に関し、第2ゲームのプレイ回数は限定されないので、第2ゲームを1回プレイした場合の結果であっても、複数回プレイした場合の結果であってもよい。例えば、第2ゲームでクリア(達成)したステージの数またはレベルが、「第2ゲームのゲーム結果」の一例に相当する。また、例えば、第2ゲームがスコアを競うゲームの場合、第2ゲームで獲得したスコアが「第2ゲームのゲーム結果」の一例に相当する。また、例えば、第2ゲームが勝敗を決めるゲームの場合、第2ゲームで勝利した数が「第2ゲームのゲーム結果」の一例に相当する。その他、第2ゲームのゲーム内容に応じたゲーム結果が適用できる。
【0169】
前述の野球ゲームの例では、報酬価値変動部113は、ユーザに報酬が付与されるまでにプレイしたチーム育成モードのゲーム結果である「ステージまたはストーリーをクリアした数等」に基づいたランクボーナスを適用し、ユーザが獲得する装備品のランクが高くなるようにする。また、報酬価値変動部113は、ユーザに報酬が付与されるまでにプレイしたチーム育成モードのゲーム結果である「チーム総合力」に基づいた金ボーナスレベルを適用し、ユーザが獲得する装備品のレアリティが「金」になり易いようにする。
この構成よれば、報酬を受け取るまでに何度もチーム育成モードをプレイしてゲーム結果を残せば、それだけ装備品のランク又はレアリティを高めることができるので、ユーザに対して、チーム育成モードをプレイするより強い動機付けを与えることができる。
【0170】
前記報酬は、前記第2ゲームで使用可能な報酬を含むようにしてもよい。前述の野球ゲームの例では、遠征モードの報酬として獲得できる装備品は、チーム育成モードで使用可能である。これによれば、遠征モードで報酬を受け取るまでにチーム育成モードをプレイすることにより、チーム育成モードで使用可能な装備品の価値を高めることができるので、遠征モードをプレイするユーザに対してチーム育成モードをプレイするより強い動機付けを与えることができる。
【0171】
前記報酬付与決定部111は、前記第2ゲームでパラメータの変更または設定が行われたゲーム要素が前記第1ゲームで使用されることにより、前記ゲーム要素のパラメータに応じた前記報酬を付与することを決定するようにしてもよい。ここで、前記「ゲーム要素」は、第2ゲームでパラメータの変更または設定が行われるオブジェクト等である。ここで「オブジェクト」とは、ゲームにおいて使用され得るものである。例えば、ゲームキャラクタ、ゲームカード(デジタルカード)、又はゲームアイテム等が「オブジェクト」の一例に相当する。例えば、スポーツ選手等の人物、競走馬等の生物、モンスター等の架空の人物や生物、ロボット等の非生物を示すゲームキャラクタやゲームカードが「オブジェクト」の一例に相当する。例えば、「オブジェクト」は、実在する人物や生物に対応するゲームキャラクタやゲームカードであってもよいし、実在する人物等に対応するものでなくてもよい。「ゲーム要素」は、複数のオブジェクトを含むグループ(チーム、デッキ、集団、隊、パーティ、ギルド等)であってもよい。例えば、野球ゲームの場合、所定数(例えば25名)の選手キャラクタで構成されるチームが「ゲーム要素」の一例に相当する。また、競馬レースやカーレースの場合、レースに出場する所定数以内(例えば3頭以内)の競走馬キャラクタやレーシングカーキャラクタで構成されるデッキが「ゲーム要素」の一例に相当する。
【0172】
また、「パラメータを変更する」とは、オブジェクト等のゲーム要素に設定されているパラメータを変化させることである。例えば、オブジェクトに設定されているパラメータを向上させること又は低下させることが「パラメータを変更する」の一例に相当する。野球ゲームの選手キャラクタの例では、能力のパラメータ(弾道、ミート、パワー、走力、肩力、守備力、または捕球等)の値を向上させることが、「パラメータを変更する」の一例に相当する。
また、前記「パラメータを設定する」とは、例えば、オブジェクト等のゲーム要素にまだ設定されていないパラメータを設定することである。例えば、オブジェクトが有していなかった能力等を当該オブジェクトに追加する(例えば、オブジェクトに特殊能力を新たに関連付ける)ことが、「パラメータを設定する」の一例に相当する。
【0173】
前述の野球ゲームの例では、報酬付与決定部111は、チーム育成モードでパラメータの変更または設定が行われた育成チームが遠征モードで使用されることにより、前記育成チームのチーム総合力に応じた数の宝箱を付与することを決定する。これにより、ユーザに対して、チーム育成モードのプレイ後に育成チームを使用して遠征モードをプレイする動機付けを与えることができる。
【0174】
また、前記期間設定部114は、前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから前記第1ゲームで所定の条件を満たすまで、前記ユーザが前記報酬を受け取れない期間を設定する機能を有する。ここで、前記「所定の条件」とは、ユーザが報酬を受け取れない期間の終期を定める(換言すれば、ユーザが報酬を受け取れるようになる)第1ゲームにおける条件である。例えば、第1ゲームにおいて設定された期間を経過するという条件が、「所定の条件」の一例に相当する。その他にも、「所定の条件」には、例えば、所定のスコアを獲得する、対戦に勝利する、ステージをクリアする等、第1ゲームのゲーム内容に応じた様々な条件を適用できる。
【0175】
前述の野球ゲームの例では、期間設定部114は、遠征モードで遠征を開始してから(ユーザに報酬を付与することが決定されてから)所定の遠征時間を経過して遠征が完了するまで、ユーザが報酬を受け取れない期間を設定する。この構成では、ユーザが報酬を受け取れない期間が設定されるが、当該期間中もユーザがチーム育成モードをプレイすれば報酬の価値を高めることができる。
【0176】
また、前記報酬付与部112は、前記報酬が受け取り可能となった後に前記ユーザによって前記報酬を受け取るための受取操作が行われた場合に、前記ユーザのユーザ識別情報に前記報酬を関連付けるようにしてもよい。ここで、前記「受取操作」は、ユーザが報酬を受け取るための操作であり、報酬が受け取り可能となった後に、ユーザの意思により任意のタイミングで行うことができる操作である。「受取操作」は、例えば、タッチインターフェースに対するタッチ入力操作、物理的なボタン等の操作、ポインティングディバイスを用いた操作、または音声入力による操作等であってもよい。
【0177】
前述の野球ゲームの例では、報酬付与部112は、遠征の完了により報酬が受け取り可能となった後にユーザによって受取操作が行われた場合に、ユーザに報酬である宝箱の中身を付与する(ユーザIDに宝箱の中身を関連付ける)。これによれば、ユーザが報酬を受け取るタイミングを自ら決定できる。つまり、ユーザ自ら報酬を受け取る任意のタイミングまで、チーム育成モードをプレイすることで報酬の価値を上げ続けることができる。これにより、遠征モードをプレイするユーザにチーム育成モードをプレイする強い動機付けを与えることができる。また、ユーザは報酬が受け取り可能となった後にそれを直ぐに受け取って使用できるようにするか、報酬を受け取るタイミングを遅らせてチーム育成モードをプレイすることでその価値を高めてから受け取るのかを比較考量することになり、ゲームの興趣性の向上を図れる。
【0178】
また、前記報酬付与部112は、前記報酬が受け取り可能となってから所定の受取可能期間を経過するまでに前記受取操作が行われなかった場合、前記報酬を前記ユーザに付与しないようにしてもよい。ここで、「報酬をユーザに付与しない」には、受取可能期間を経過後に、報酬を取り消すことが含まれる。また、「報酬をユーザに付与しない」には、受取可能期間を経過した後にユーザによって受取操作が行われた場合でも、当該ユーザのユーザ識別情報に報酬を関連付けないことが含まれる。
【0179】
前述の野球ゲームの例では、報酬付与部112は、遠征の完了により報酬が受け取り可能となってから受取可能期間(例えば7日間)を経過するまでに受取操作が行われなかった場合、報酬をユーザに付与しない。この構成によれば、報酬を受け取るまでチーム育成モードをプレイすることで報酬の価値を上げ続けることができるといっても、いつまでも報酬の価値を高められるわけではない。よって、ユーザに対して、受取可能期間を経過するまでにチーム育成モードを集中してプレイする動機付けを与えることができる。
【0180】
[4.処理]
次に、本実施の形態のゲームシステム1で実行される処理の一例を以下に説明する。ここでは、前述の野球ゲームを実行する場合のゲームシステム1の処理の一例を説明する。
【0181】
図15ないし
図20は、ゲームシステム1の処理の一例を示すフローチャートである。以下に説明する処理は、例えば、記憶装置(ROM12、RAM13、補助記憶装置14、ROM32、RAM33又は補助記憶装置34等)に記憶されているゲームプログラムを、制御部110(ゲーム端末10のCPU11又はサーバ30のCPU31)が実行することにより実現される。
【0182】
図15および
図16は遠征モードを実行するゲームシステム1の処理の一例を示すフローチャートである。
制御部110は、所定数の遠征先を生成する(S100)。ユーザが複数の遠征先の中から任意の遠征先を選択する操作をし(S102)、遠征させる遠征チームを選択する操作をして(S104)、遠征を開始させれば、制御部110は、遠征先に関連付けられている遠征時間の計時を開始する(S106)。また、制御部110は、遠征の開始時に、前述のとおり遠征時間、遠征先の個数UPボーナスの有無、遠征チームのチーム総合力、およびノリノリ遠征の設定の有無等に基づいて、宝箱の生成数を決定する(S108)。また、制御部110は、前述のとおり各宝箱のレアリティを抽選により決定する(S110)。
【0183】
なお、遠征先が複数あり、ユーザ遠征させることができる育成チーム等が複数ある場合、前記S102~S106により、同時に複数のチームを遠征させることができる。なお、
図15の例は、S102以降の処理は、S102でユーザが選択した特定の遠征先に対する処理として記載している。
【0184】
遠征の開始後は、遠征先毎の遠征時間が経過するまで報酬を受け取ることができないので、ユーザは遠征時間が経過するまで放置すればよい。遠征開始後は、
図4のメイン画面G200の戻るボタンP230をタップすれば、図示しないトップ画面に遷移し、ゲームシステム1が提供する様々なゲームモードのゲームをプレイできる。そして、遠征時間が経過するまでの放置時間に、ユーザがチーム育成モードをプレイすることにより、ランクボーナスの値及び/又は金ボーナスのレベルを向上させることができる。そして、ランクボーナスの値または金ボーナスのレベルを向上させることにより、報酬として受け取れる装備品のランクまたはレアリティを向上させ得る。この処理については
図17ないし
図20のフローチャートを用いて後述する。
【0185】
制御部110は、遠征先の遠征時間が経過したことをもって(S112でYES)、当該遠征先を遠征完了状態にし、ユーザが報酬を受け取ることができる状態にする(S114)。また、制御部110は、遠征完了から所定時間後(例えば7日間)を、報酬の受取期限に設定し、計時を開始する(
図16のS116)。
【0186】
遠征が完了して、ユーザが報酬を受け取ることができる状態になってからも、報酬の受取期限内でユーザが報酬を受け取るまでは、ユーザがチーム育成モードをプレイすることにより、ランクボーナスの値及び/又は金ボーナスのレベルを向上させることができる。
【0187】
受取期限が経過するまでに(S118でNO)、ユーザが報酬の受取操作を行えば(S120でYES)、制御部110は、各宝箱の種類(中身)を抽選により決定する(S122)。例えば、前記受取操作は、
図6に例示するメイン画面G200において、遠征が完了している遠征先表示領域A201をタップする操作である。なお、ユーザが前述の抽選設定により、抽選の対象から外す報酬の条件を設定していた場合、条件を満たすアイテムの代わりにゲーム内通貨が抽選されることになる。また、決定された各宝箱の種類が装備品(バット、グラブまたはリストバンド)であれば、制御部110は、装備品の価値を決定するパラメータであるランク、レアリティ及びスキルを決定する(S124)。そして、ユーザは、決定した装備品等の報酬をユーザのユーザIDに関連付けることにより、当該報酬をユーザに付与する(S126)。なお、
図9に例示するように、ユーザが報酬として獲得できることが決定したアイテム等の一部を、ゲーム内通貨(又はポイント等)に変換した上で獲得できるようにしてもよい。
【0188】
一方、ユーザが報酬の受取操作を行うことなく(S120でNO)、受取期限が経過した場合(S118でYES)、制御部110は、対象の遠征先の報酬を取り消し、ユーザに報酬を付与しない(S128)。
【0189】
次に、前記S124の装備品のパラメータの決定に関し、装備品のランクおよびレアリティの決定に関する処理を、
図17ないし
図20のフローチャートを用いて説明する。
図17は、ランクボーナス値の管理処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、制御部110における報酬価値変動部113のゲームパラメータ管理部1131により実行される。
【0190】
制御部110は、ユーザのユーザIDに関連付けて記憶されている「チーム育成モードでクリアしたステージの情報」を、ユーザ情報テーブルTBL102から読み出して取得する(S200)。そして制御部110は、取得した「チーム育成モードでクリアしたステージの情報」に基づいて、ランクボーナスの値を算出する(S202)。例えば、制御部110は、チーム育成モードでクリア済みのステージの数の関数として、所定の演算式によりランクボーナスの値を算出する。そして、制御部110は、算出したランクボーナスの値を、遠征管理テーブルTBL103(
図13参照)のランクボーナスフィールドに書き込んで保存する(S204)。なお、ランクボーナスの値はすべて遠征先で共通の値となるので、すべての遠征先の遠征IDに関連付けてランクボーナスの値が記憶される。また、遠征先の状態が「遠征前」、「遠征中」、「遠征完了」の何れであっても、ランクボーナスの値が記憶される。また、制御部110は、ユーザが
図4または
図6に例示する遠征モードのメイン画面G200を開いたとき、現在のランクボーナスの値を、領域A230に表示するように表示部17を制御する。
【0191】
また、制御部110は、チーム育成モードで新たなステージがクリアされた場合(S206でYES)、S200に戻って前記S200~S204を実行し、ランクボーナスの値を向上させて更新する。ランクボーナスの値はリセットされることなく、チーム育成モードで新たなステージがクリアされる毎に上がり続ける。
【0192】
図18は、装備品のランク決定処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、制御部110における報酬価値変動部113の価値決定部1132により実行される。
制御部110は、対象の遠征先に遠征している遠征チームのチーム総合力の情報を、ユーザ情報テーブルTBL102から読み出して取得する(S300)。また、制御部110は、ユーザによって報酬の受取操作が行われたタイミングにおけるランクボーナスの値を、遠征管理テーブルTBL103から読み出して取得する(S302)。そして制御部110は、取得した遠征チームのチーム総合力、およびランクボーナスの値に基づいて、装備品のランクを算出する(S304)。例えば、制御部110は、前述の式(2)および式(3)に基づいて、装備品のランクを算出する。よって、ユーザは、報酬の受取操作により報酬を受け取るまでに、育成モードをプレイしてランクボーナスの値を向上させれば、装備品のランクを高めることができる。
【0193】
図19は、金ボーナスレベルの管理処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、制御部110における報酬価値変動部113のゲームパラメータ管理部1131により実行される。
図19は、ある1つの遠征先を対象とした処理例を示すものであり、遠征先が複数ある場合は、それぞれの遠征先について
図19に例示する処理が実行される。
【0194】
制御部110は、新たな遠征先が生成された場合に(S400でYES)、当該遠征先の金ボーナスのレベルを初期値「1」に設定する(S402)。すなわち、制御部110は、金ボーナスのレベルを、遠征管理テーブルTBL103(
図13参照)の対象の遠征先の金ボーナスフィールドに書き込んで保存する。その後、ユーザがチーム育成モードでステージをクリアして育成チームを作成した場合(S404でYES)、制御部110は、当該育成チームのチーム総合力の情報を取得する(S406)。そして、制御部110は、取得したチーム総合力に基づいて、金ボーナスのレベルを所定の演算式により算出する(S408)。そして、制御部110は、算出した金ボーナスのレベルと、対象の遠征先の金ボーナスフィールドに現在記憶されている金ボーナスのレベルとを比較する(S410)。ここで、算出した金ボーナスのレベルの方が高い場合(S410でYES)、制御部110は、遠征管理テーブルTBL103の対象の遠征先の金ボーナスフィールドの情報を、算出した金ボーナスのレベルに更新する(S412)。その後、S404に戻り、制御部110は、ユーザが対象の遠征先の報酬を受け取るまで、前記S404~S412を繰り返す。ユーザが対象の遠征先の報酬を受け取れば(S414でYES)、S400に戻って遠征先が新規に生成(補充)され、金ボーナスのレベルは初期値「1」にリセットされる(S402)。
【0195】
このように、金ボーナスのレベルは、ユーザが対象の遠征先の報酬を受け取るまでリセットされることはなく、ユーザがチーム育成モードをプレイしてチーム総合力を更新する毎に上がり続ける。
【0196】
図20は、装備品のレアリティ決定処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、制御部110における報酬価値変動部113の価値決定部1132により実行される。
制御部110は、ユーザによって報酬の受取操作が行われたタイミングにおける金ボーナスのレベルを、遠征管理テーブルTBL103から読み出して取得する(S502)。その後、制御部110は、取得した遠征チームの金ボーナスのレベルに応じて、装備品のレアリティ「金」の出現率を向上させる(S504)。これにより、金ボーナスのレベルが高いほど、装備品のレアリティ「金」の出現率が向上する。そして、制御部110は、S504のレアリティ「金」の出現率が反映された確率に基づいて、装備品のレアリティを抽選により決定する(S504)。よって、ユーザは、報酬の受取操作により報酬を受け取るまでに、育成モードをプレイして金ボーナスのレベルを向上させれば、装備品のレアリティを高め易くなる。
【0197】
[5.変形例]
本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
[5-1]報酬受け取り可能時および報酬受け取り時に報酬を決定するバリエーション
第1ゲームにおける報酬受け取り可能時に、報酬の個数、種類、またはランク等のパラメータ等の報酬の価値を決定してもよい。この決定した報酬の内容をユーザが認識可能に報知(画面表示等)することが好ましい。そして、その後、第1ゲームの報酬をユーザが受け取るまでに、第2ゲームをプレイすることにより、報酬受け取り可能時に決定した報酬の価値が向上した場合、当該向上した報酬をユーザに付与するようにしてもよい。
【0198】
前述の野球ゲームの例では、遠征完了時(報酬が受け取り可能となったタイミング)と報酬受け取り時との両方で、装備品のパラメータ(ランク、レアリティ、スキルの少なくとも1つ)を決定してもよい。例えば、遠征完了時に宝箱の中身を決定し、中身が装備品の場合は次のようにして、装備品のパラメータを決定する。
【0199】
例えば、遠征完了時のランクボーナスの値を適用して、遠征完了時の装備品のランクを算出して決定する。遠征完了時には、決定した装備品のランクをユーザに報知(画面表示等)する。その後、ユーザが報酬を受け取るまでにチーム育成モードの新たなステージをクリアすることにより、ランクボーナスの値が向上すれば、報酬受け取り時の向上したランクボーナスの値を適用して、装備品のランクを算出し直して、ユーザが獲得する装備品のランクを変更(上書き)する。なお、この場合、装備品のランクを算出する前述の式(2)中の係数a2の値としては、遠征完了時に決定された値と同じ値を、報酬受け取り時に使用すれば、ユーザが獲得する装備品のランクは必ず遠征完了時の装備品のランクよりも高くなる。
【0200】
同様に、遠征完了時の金ボーナスレベルを適用して、遠征完了時の装備品のレアリティを決定する。遠征完了時には、決定した装備品のレアリティをユーザに報知(画面表示等)する。その後、ユーザが報酬を受け取るまでにチーム育成モードをプレイすることにより、金ボーナスレベルが向上すれば、報酬受け取り時の向上した金ボーナスレベルを適用して、装備品のレアリティを決定し直して、ユーザが獲得する装備品のレアリティを変更する。また、レアリティの変更(向上)にともなってスキルを決定し直してもよい。
【0201】
このバリエーションの場合、遠征完了時は、ユーザが報酬を受け取り可能となったタイミングであり、装備品を付与することが決定されたタイミングでもあり、装備品の内容(価値)が決定されたタイミングでもある。当該タイミングからユーザが報酬を受け取るまでに、ユーザがチーム育成モードをプレイすることにより、遠征完了時に決定された装備品がより価値の高いものに変動し得る。
また、このバリエーションの場合、ユーザは報酬の受け取り可能時の報酬の内容(価値)と、実際に報酬を受け取った際の報酬の内容(価値)を比較して、第2ゲームをプレイしたことによる報酬の価値の向上を実感できる。
【0202】
[5-2]前記と同様に、報酬を付与することが決定されたタイミング、および報酬の受け取りタイミングのそれぞれで、報酬の価値を決定してユーザに報知してもよい。あるいは、報酬を付与することが決定されたタイミング、報酬を受け取り可能となったタイミング、および報酬の受け取りタイミングのそれぞれで、報酬の価値を決定してユーザに報知してもよい。前述の野球ゲームの例では、遠征開始時に(報酬を付与することが決定されたタイミングで)、宝箱の中身を決定し、中身が装備品の場合は遠征開始時のランクボーナスの値および金ボーナスのレベルを適用して、宝箱のパラメータを決定し、それを画面表示等で報知する。また、遠征完了時、および報酬受け取り時には、それぞれのタイミングのランクボーナスの値および金ボーナスのレベルを適用し、第2ゲームをプレイすることにより変動した報酬の価値をユーザに報知する。この場合、ユーザは遠征開始時よりも遠征完了時の方が、また遠征完了時よりも報酬の受け取り時の方が、チーム育成モードをプレイすることにより装備品の価値が向上したことを、それぞれのタイミングで実感できる。
【0203】
[5-3]装備品のレアリティの抽選等のように、第1ゲームの報酬の価値の決定が確率に基づく場合、第2ゲームをプレイすることにより価値が上がりやすいように確率が変更されても、抽選の結果、報酬を付与することが決定されたタイミング、または報酬を受け取り可能となったタイミングよりも、受け取る報酬の価値が下がる場合があってもよい。なお、このような価値が下がる事態を回避するために、価値が下がる場合は、報酬の内容(価値)を、報酬を付与することが決定されたタイミング、または報酬を受け取り可能となったタイミングで決定されたものから変更しないようにしてもよい。
【0204】
[5-4]第1ゲームでユーザに報酬を付与することが決定されてから(又は報酬が受け取り可能となってから)ユーザが報酬を受け取るまでの間に、ユーザがプレイした第2ゲームのゲーム結果に基づいて、ユーザが受け取る前記報酬の価値を変動させる構成としてもよい。ここで、報酬の価値を変動させるには、前記期間にユーザが第2ゲームをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が報酬の価値を上げることの他、報酬の価値を下げることを含めてもよい。報酬の価値を下げる場合に関し、例えば、前記期間の第2ゲームのゲーム結果が所定の基準を満たさない場合に、報酬の価値を下げるようにしてもよい。所定の基準を満たさない場合としては、例えば、所定の強さ以下の対戦相手との対戦に負ける、獲得ポイントが所定以下である(これらにより報酬の価値を決定するためのゲームパラメータが下がる)等、ゲームの内容に応じて任意に設定できる。
【0205】
[5-5]前述の野球ゲームの例では、遠征モード(第1ゲームの一例)の報酬の一つである装備品を、チーム育成モード(第2ゲームの一例)で使用できる例について説明したが、その他のゲーム(第3ゲーム)で使用できるようにしてもよい。その一例を次に示す。
図4のメイン画面G200のマイチームボタンP223をタップすると、スタジアム(第3ゲームの一例)の「マイチームのオーダー設定画面」に遷移する。ここでマイチームは、ユーザが育成モードで育成した育成選手をオーダーに組み込んでユーザが編成した野球チームである。このオーダー設定画面では、ユーザが遠征モードで獲得した装備品を、マイチーム(またはマイチームを構成する選手キャラクタ)に装備して使用することができる。
これは一例であり、遠征モードで獲得した装備品は、例えば、育成モード、リアルタイム対戦モード等の他のゲームモードで使用できるようにしてもよい。
【0206】
[5-6]以上では、野球ゲームの例について主に説明したが、本発明は他のゲームにも適用できる。例えば、他のスポーツゲーム(サッカー、テニス、アメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケー、バレーボール、ラグビー等を題材としたゲーム)、戦闘ゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、アドベンチャーゲーム又は育成ゲームのように、ゲーム形式・ジャンルを問わず、「少なくとも第1ゲームおよび当該第1ゲームとは異なる第2ゲームを含むゲーム」なら様々なゲームに適用できる。
【0207】
[5-7]ゲーム端末10とサーバ30は、互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、基本的には同様のハード構成を有する。よって、以上に説明した各種機能の一部をゲーム端末10のCPU11によって実現し、残りをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。又は、以上に説明した各種機能のすべてをゲーム端末10のCPU11によって実現してもよい。あるいは、以上に説明した各種機能のすべてをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。
【0208】
[5-8]各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲームシステム1の内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲームシステム1内の記憶装置(例えば、RAM13、補助記憶装置14、RAM33、補助記憶装置34、データベースDB等)、あるいはこれらとは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
【0209】
[5-9]本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD-ROM、DVD-ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてゲームシステム1又はゲーム制御装置を構成するコンピュータのCPUにより実行される。また、プログラムをコンピュータに提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。
【0210】
[6.付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0211】
1)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)又はゲーム制御装置(10又は30)は、少なくとも第1ゲーム(例えば遠征モード)および当該第1ゲームとは異なる第2ゲーム(例えばチーム育成モード)を含むゲームを提供するものであって、ユーザが前記第1ゲームをプレイすることにより当該ユーザに報酬(例えば宝箱、宝箱の中身の装備品等)を付与することを決定する報酬付与決定手段(111)と、前記報酬を受け取った前記ユーザのユーザ識別情報に前記報酬を関連付ける報酬付与手段(112)と、前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから(例えば遠征開始時から、または遠征完了時から)前記ユーザが前記報酬を受け取るまでの間に、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、前記報酬の価値(例えば装備品のランク、レアリティ)が高くなるようにする報酬価値変動手段(113)と、を含む。
【0212】
12)本発明の一態様に係るプログラムは、1)~11)のいずれかに記載のゲームシステム(1)又はゲーム制御装置(10又は30)としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0213】
13)本発明の一態様に係る情報記憶媒体は、12)に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0214】
14)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)又はゲーム制御装置(10又は30)の制御方法は、少なくとも第1ゲーム(例えば遠征モード)および当該第1ゲームとは異なる第2ゲーム(例えばチーム育成モード)を含むゲームを提供するゲームシステム(1)又はゲーム制御装置(10又は30)を制御する方法であって、ユーザが前記第1ゲームをプレイすることにより当該ユーザに報酬(例えば宝箱、宝箱の中身の装備品等)を付与することを決定する報酬付与決定ステップ(S108、S110)と、前記報酬を受け取った前記ユーザのユーザ識別情報に前記報酬を関連付ける報酬付与ステップ(S126)と、前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから前記ユーザが前記報酬を受け取るまでの間に、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、前記報酬の価値が高くなるようにする報酬価値変動ステップ(S200~S206、S302、S304、S400~S412、S500~S504)と、を含む。
【0215】
上記1)、11)~14)に記載の態様によれば、ユーザが第1ゲームをプレイすることにより付与されることが決定した報酬をユーザが受け取るまでに、ユーザが第2ゲームをプレイすれば、当該報酬の価値を高めることができる。これにより、第1ゲームをプレイするユーザに対して、第2ゲームを積極的にプレイすることの動機付けを与えることができる。
【0216】
2)本発明の一態様では、上記1)に記載の態様において、前記報酬価値変動手段(113)は、前記ユーザに前記報酬が付与されるまでにプレイした前記第2ゲームのゲーム結果(例えば、チーム育成モードのステージをクリアした数、ステージをクリア際のチーム総合力)に基づいて、前記報酬の価値(例えば装備品のランク、レアリティ)を変動させるようにしてもよい。
【0217】
上記2)に記載の態様によれば、報酬を受け取るまでにプレイした第2ゲームのゲーム結果に基づいて報酬の価値を高めることができる。例えば、ユーザに報酬を付与することが決定されてから当該報酬を受け取るまでに何度も第2ゲームをプレイしてゲーム結果を残せば、それだけ報酬の価値も高くなるので、第1ゲームをプレイするユーザに対して、第2ゲームをプレイするより強い動機付けを与えることができる。
【0218】
3)本発明の一態様では、上記1)または2)に記載の態様において、前記報酬は、前記第2ゲームで使用可能な報酬(例えば装備品)を含むようにしてもよい。
【0219】
上記3)に記載の態様によれば、報酬を受け取るまでに第2ゲームをプレイすることにより、第2ゲームで使用可能な報酬の価値を高めることができるので、第1ゲームをプレイするユーザに対して、第2ゲームをプレイするより強い動機付けを与えることができる。
【0220】
4)本発明の一態様では、上記1)ないし3)の何れかに記載の態様において、前記報酬付与決定手段(111)は、前記第2ゲーム(例えばチーム育成モード)でパラメータの変更または設定が行われたゲーム要素(例えば育成チーム)が前記第1ゲーム(例えば遠征モード)で使用されることにより、前記ゲーム要素のパラメータ(例えば育成チームのチーム総合力)に応じた前記報酬を付与することを決定するようにしてもよい。
【0221】
上記4)に記載の態様によれば、第2ゲームでパラメータの設定または変更が行われたゲーム要素を使用して第1ゲームをプレイすることにより、ゲーム要素のパラメータに応じた報酬を獲得可能となる。これにより、ユーザに対して、第2ゲームのプレイ後にゲーム要素を使用して第1ゲームをプレイする動機付けを与えることができる。
【0222】
5)本発明の一態様では、上記1)ないし4)の何れかに記載の態様において、前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから(例えば遠征開始から)前記第1ゲームで所定の条件を満たす(例えば遠征時間の経過)まで、前記ユーザが前記報酬を受け取れない期間(例えば遠征時間)を設定する期間設定手段(114)をさらに含むようにしてもよい。
【0223】
上記5)に記載の態様によれば、ユーザに報酬を付与することが決定されてからユーザが報酬を受け取れない期間が設定されるが、当該期間中もユーザが第2ゲームをプレイすれば報酬の価値を高めることができる。
【0224】
6)本発明の一態様では、上記1)ないし5)の何れかに記載の態様において、前記報酬付与手段(112)は、前記報酬が受け取り可能となった後(例えば遠征完了後)に前記ユーザによって前記報酬を受け取るための受取操作が行われた場合に、前記ユーザのユーザ識別情報に前記報酬を関連付けるようにしてもよい。
【0225】
上記6)に記載の態様によれば、ユーザが報酬を受け取るタイミングを自ら決定できる。つまり、ユーザ自ら報酬を受け取る任意のタイミングまで、第2ゲームをプレイすることで報酬の価値を上げ続けることができる。これにより、第1ゲームをプレイするユーザに、第2ゲームをプレイする強い動機付けを与えることができる。また、ユーザは報酬が受け取り可能となった後にそれを直ぐに受け取って使用できるようにするか、報酬を受け取るタイミングを遅らせて第2ゲームをプレイすることでその価値を高めてから受け取るのかを比較考量することになり、ゲームの興趣性の向上を図れる。
【0226】
7)本発明の一態様では、上記6)の態様において、前記報酬付与手段は、前記報酬が受け取り可能となってから所定の受取可能期間を経過するまでに前記受取操作が行われなかった場合、前記報酬を前記ユーザに付与しないようにしてもよい。
【0227】
上記7)に記載の態様によれば、ユーザが報酬を受け取ることができる期限が設けられるため、報酬を受け取るまで、第2ゲームをプレイすることで報酬の価値を上げ続けることができるといっても、いつまでも報酬の価値を高められるわけではない。よって、ユーザに対して、受取可能期間を経過するまでに第2ゲームを集中してプレイする動機付けを与えることができる。
【0228】
8)本発明の一態様では、上記1)ないし7)の何れかに記載の態様において、前記報酬価値変動手段(113)は、少なくとも前記ユーザに前記報酬を付与することが決定されてから前記ユーザが前記報酬を受け取るまで、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイすることにより向上し得るゲームパラメータ(例えばランクボーナスの値、金ボーナスのレベル)を管理するゲームパラメータ管理手段(1131)と、前記ユーザが前記報酬を受け取る際の前記ゲームパラメータに基づいて前記報酬の価値(例えば装備品のランク、レアリティ)を決定する価値決定手段(1132)とを含むようにしてもよい。
【0229】
9)本発明の一態様では、上記1)ないし7)の何れかに記載の態様において、前記報酬価値変動手段(113)は、前記ユーザが前記報酬を受け取るまでリセットされず、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイすることにより向上し得るゲームパラメータ(例えばランクボーナスの値、金ボーナスのレベル)を管理するゲームパラメータ管理手段(1131)と、前記ユーザが前記報酬を受け取る際の前記ゲームパラメータに基づいて前記報酬の価値(例えば装備品のランク、レアリティ)を決定する価値決定手段(1132)とを含むようにしてもよい。
【0230】
上記8)または9)に記載の態様によれば、第1ゲームにおいてユーザが報酬を受け取るまで、ユーザが第2ゲームをプレイすることにより、ゲームパラメータを上げ続けることができる。そして、ユーザが報酬を受け取る際のゲームパラメータに基づいて報酬の価値が決定されるので、ユーザは報酬を受け取るまで、第2ゲームをプレイすることで報酬の価値を上げ続けることができる。
【0231】
10)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)又はゲーム制御装置(10又は30)は、少なくとも第1ゲーム(例えば遠征モード)および当該第1ゲームとは異なる第2ゲーム(例えばチーム育成モード)を含むゲームを提供するものであって、ユーザが前記第1ゲームをプレイすることにより当該ユーザに報酬(例えば宝箱、宝箱の中身の装備品等)を付与することを決定する報酬付与決定手段(111)と、前記報酬を受け取った前記ユーザのユーザ識別情報に前記報酬を関連付ける報酬付与手段(112)と、前記ユーザが前記報酬を受け取り可能となってから(例えば遠征完了時から)前記ユーザが前記報酬を受け取るまでの間に、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイしなかった場合よりもプレイした場合の方が、前記報酬の価値(例えば装備品のランク、レアリティ)が高くなるようにする報酬価値変動手段(113)と、を含む。
【0232】
上記10)に記載の態様によれば、第1ゲームにおいてユーザが報酬を受け取り可能となった後もすぐに報酬を受け取らずに第2ゲームをプレイすれば、実際に報酬をユーザが受け取るまで、報酬の価値を高めることができる。これにより、第1ゲームをプレイするユーザに第2ゲームを積極的にプレイすることの動機付けを与えることができる。また、ユーザは報酬が受け取り可能となった後にそれを直ぐに受け取って使用できるようにするか、報酬を受け取るタイミングを遅らせて第2ゲームをプレイすることでその価値を高めてから受け取るのかを比較考量することになり、ゲームの興趣性の向上を図れる。
【0233】
11)本発明の一態様では、上記10)に記載の態様において、前記報酬価値変動手段(113)は、少なくとも前記ユーザが報酬を受け取り可能となってから前記ユーザが前記報酬を受け取るまで、前記ユーザが前記第2ゲームをプレイすることにより向上し得るゲームパラメータ(例えばランクボーナスの値、金ボーナスのレベル)を管理するゲームパラメータ管理手段(1131)と、前記ユーザが前記報酬を受け取る際の前記ゲームパラメータに基づいて前記報酬の価値(例えば装備品のランク、レアリティ)を決定する価値決定手段(1132)とを含むようにしてもよい。
【0234】
上記11)に記載の態様によれば、第1ゲームにおいてユーザが報酬を受け取り可能となった後も、報酬を受け取るまで、ユーザが第2ゲームをプレイすることにより、ゲームパラメータを上げ続けることができる。そして、ユーザが報酬を受け取る際のゲームパラメータに基づいて報酬の価値が決定されるので、ユーザは報酬を受け取るまで、第2ゲームをプレイすることで報酬の価値を上げ続けることができる。
【0235】
なお、発明を実施するための形態においてなされた具体的な実施態様又は実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の技術思想と特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
【符号の説明】
【0236】
1…ゲームシステム、N…ネットワーク、DB…データベース、10…ゲーム端末、11…CPU、13…RAM、14…補助記憶装置、17…表示部、30…サーバ、31…CPU、33…RAM、34…補助記憶装置、100…データ記憶部、110…制御部、111…報酬付与決定部、112…報酬付与部、113…報酬価値変動部、114…期間設定部、1131…ゲームパラメータ管理部、1132…価値決定部、TBL101…アイテムマスタテーブル、TBL102…ユーザ情報テーブル、TBL103…遠征管理テーブル、TBL104…報酬管理テーブル