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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068476
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/04 20060101AFI20240513BHJP
【FI】
B06B1/04 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178971
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000112565
【氏名又は名称】フォスター電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 信一郎
(72)【発明者】
【氏名】森田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 義一
【テーマコード(参考)】
5D107
【Fターム(参考)】
5D107AA03
5D107AA13
5D107BB08
5D107CC09
5D107CC10
5D107FF10
(57)【要約】
【課題】アクチュエータ全体の寸法拡大を抑えつつ、弾性支持体のアームの長さを確保する。
【解決手段】弾性支持体16の変形部80が有する第一アーム82A、第二アーム82B、第三アーム82C及び第四アーム82Dの各々は、伸長方向がX方向で折り返されるX方向折返部82b,82eと、伸長方向がY方向で折り返されるY方向折返部82c、82d、82gと、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルを含んで構成される取付部材と、
マグネットを含んで構成され、前記取付部材に対して所定の変位方向に相対変位する可動子と、
前記取付部材に固定される取付部材側被固定部、前記可動子に固定される可動子側被固定部、及び、前記取付部材側被固定部と前記可動子側被固定部との間に位置する変形部を有する弾性支持体と、を備えるアクチュエータであって、
前記変位方向を±Z方向とし、±Z方向に直交する平面内の方向のうち互いに垂直な方向をX方向及びY方向としたとき、
前記変形部は、
前記可動子側被固定部に隣接する始点部と、
前記取付部材側被固定部に隣接する終点部と、
前記始点部から前記終点部までを繋ぐアーム部と、を備え、
前記始点部は、
前記可動子側被固定部に対してY方向一方側に位置する一方側始点部と、
前記可動子側被固定部に対してY方向他方側に位置する他方側始点部と、を備え、
前記終点部は、
前記可動子側被固定部に対してX方向一方側に位置する一方側終点部と、
前記可動子側被固定部に対してX方向他方側に位置する他方側終点部と、を備え、
前記アーム部は、
前記一方側始点部から前記一方側終点部まで伸びる第一アームと、
前記一方側始点部から前記他方側終点部まで伸びる第二アームと、
前記他方側始点部から前記一方側終点部まで伸びる第三アームと、
前記他方側始点部から前記他方側終点部まで伸びる第四アームと、を備え、
前記第一アーム、前記第二アーム、前記第三アーム及び前記第四アームの各々は、
伸長方向がX方向で折り返されるX方向折返部と、
伸長方向がY方向で折り返されるY方向折返部と、を有する、
アクチュエータ。
【請求項2】
前記第一アーム、前記第二アーム、前記第三アーム及び前記第四アームの各々は、
前記X方向折返部と前記Y方向折返部の一方又は両方を2箇所以上に有する、
請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記第一アーム、前記第二アーム、前記第三アーム及び前記第四アームの各々は、
前記始点部からX方向外側へ伸びる第一X方向外側伸長部と、
前記第一X方向外側伸長部よりも前記終点部側に形成され、伸長方向がX方向外側からX方向内側へ折り返される第一X方向折返部と、
前記第一X方向折返部からX方向内側へ伸びるX方向内側伸長部と、を有し、
前記X方向内側伸長部は、
伸長方向がY方向内側からY方向外側に折り返される第一Y方向折返部と、
前記第一Y方向折返部よりも前記終点部側に形成され、伸長方向がY方向外側からY方向内側に折り返される第二Y方向折返部と、を有する、
請求項1又は請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記一方側終点部は、前記第一アームが繋がる第一終点部と、前記第三アームが繋がる第三終点部と、を備え、
前記他方側終点部は、前記第二アームが繋がる第二終点部と、前記第四アームが繋がる第四終点部と、を備え、
前記取付部材側被固定部は、
前記第一終点部と隣接する第一被固定部と、
前記第三終点部と隣接する第三被固定部と、
前記第二終点部と隣接する第二被固定部と、
前記第四終点部と隣接する第四被固定部と、を備え、
前記第一終点部及び前記第三終点部は、前記第一被固定部と前記第三被固定部との間に位置し、
前記第二終点部及び前記第四終点部は、前記第二被固定部と前記第四被固定部との間に位置する、
請求項1又は請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記取付部材は、前記第一被固定部、前記第三被固定部、前記第二被固定部及び前記第四被固定部の各々に対してY方向外側に配置される4つの回転防止部を備える、
請求項4に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記変形部は、
前記第一アームと前記第三アームとを連結する一方側連結部と、
前記第二アームと前記第四アームとを連結する他方側連結部と、を備える、
請求項4に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記弾性支持体は、前記第一被固定部、前記第二被固定部、前記第三被固定部及び前記第四被固定部のうちX方向又はY方向で離間する2つの被固定部を連結する一対の連結部を有する、
請求項4に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記第一アーム、前記第二アーム、前記第三アーム及び前記第四アームの各々は、X方向外側かつY方向内側へ伸びる傾斜伸長部を備え、
Z方向に平行な軸であって、前記可動子の重心を通る軸を前記可動子の重心軸としたとき、
前記傾斜伸長部は、前記可動子の重心軸から離れる方向に凸となる円弧状部を有する、
請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記可動子は、ヨークを備え、
前記ヨークは、天壁部と、前記天壁部の外側周縁から下方向に延びる垂下部と、を有し、
前記天壁部のZ方向他方側を向く面は、
前記マグネットが固定されるマグネット固定面と、
前記マグネット固定面を取り囲むと共に前記コイルとZ方向で対向するコイル対向面と、を有し、
前記コイル対向面は、前記マグネット固定面よりもZ方向一方側に位置する、
請求項1又は請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記第一Y方向折返部は、前記第二Y方向折返部よりも細い幅を有する、
請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記第一アーム、前記第二アーム、前記第三アーム及び前記第四アームの各々は、一部に幅の狭い幅狭部を有する、
請求項1又は請求項2に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コイルを含んで構成される取付部材と、マグネットを含んで構成される可動子と、取付部材に対して可動子を弾性的に支持する弾性支持体と、を備えるアクチュエータが開示されている。弾性支持体は、複数のアームを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/184439号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、アクチュエータ全体の寸法拡大を抑えつつ、弾性支持体のアームの長さを確保することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様に係るアクチュエータは、コイルを含んで構成される取付部材と、マグネットを含んで構成され、前記取付部材に対して所定の変位方向に相対変位する可動子と、前記取付部材に固定される取付部材側被固定部、前記可動子に固定される可動子側被固定部、及び、前記取付部材側被固定部と前記可動子側被固定部との間に位置する変形部を有する弾性支持体と、を備えるアクチュエータであって、前記変位方向を±Z方向とし、±Z方向に直交する平面内の方向のうち互いに垂直な方向をX方向及びY方向としたとき、前記変形部は、前記可動子側被固定部に隣接する始点部と、前記取付部材側被固定部に隣接する終点部と、前記始点部から前記終点部までを繋ぐアーム部と、を備え、前記始点部は、前記可動子側被固定部に対してY方向一方側に位置する一方側始点部と、前記可動子側被固定部に対してY方向他方側に位置する他方側始点部と、を備え、前記終点部は、前記可動子側被固定部に対してX方向一方側に位置する一方側終点部と、前記可動子側被固定部に対してX方向他方側に位置する他方側終点部と、を備え、前記アーム部は、前記一方側始点部から前記一方側終点部まで伸びる第一アームと、前記一方側始点部から前記他方側終点部まで伸びる第二アームと、前記他方側始点部から前記一方側終点部まで伸びる第三アームと、前記他方側始点部から前記他方側終点部まで伸びる第四アームと、を備え、前記第一アーム、前記第二アーム、前記第三アーム及び前記第四アームの各々は、伸長方向がX方向で折り返されるX方向折返部と、伸長方向がY方向で折り返されるY方向折返部と、を有する。
【0006】
上記態様では、第一アーム、第二アーム、第三アーム及び第四アームの各々は、伸長方向がX方向で折り返されるX方向折返部と、伸長方向がY方向で折り返されるY方向折返部と、を有する。このため、アクチュエータのX方向の寸法とY方向の寸法を効果的に用いてアームの長さを確保できる。
つまり、上記態様によれば、アクチュエータ全体の寸法拡大を抑えつつ、弾性支持体のアームの長さを確保できる。
【0007】
第2の態様に係るアクチュエータは、第1の態様において、前記第一アーム、前記第二アーム、前記第三アーム及び前記第四アームの各々は、前記X方向折返部と前記Y方向折返部の一方又は両方を2箇所以上に有する。
【0008】
この態様では、各アームが、X方向折返部とY方向折返部の一方又は両方を2箇所以上に有する。このため、アームの長さをより一層効果的に確保することができる。
【0009】
第3の態様に係るアクチュエータは、第1又は第2の態様において、前記第一アーム、前記第二アーム、前記第三アーム及び前記第四アームの各々は、前記始点部からX方向外側へ伸びる第一X方向外側伸長部と、前記第一X方向外側伸長部よりも前記終点部側に形成され、伸長方向がX方向外側からX方向内側へ折り返される第一X方向折返部と、前記第一X方向折返部からX方向内側へ伸びるX方向内側伸長部と、を有し、前記X方向内側伸長部は、伸長方向がY方向内側からY方向外側に折り返される第一Y方向折返部と、前記第一Y方向折返部よりも前記終点部側に形成され、伸長方向がY方向外側からY方向内側に折り返される第二Y方向折返部と、を有する。
【0010】
上記態様では、第一アーム、第二アーム、第三アーム及び第四アームの各々は、第一X方向外側伸長部と、第一X方向折返部と、X方向内側伸長部と、を有する。第一X方向外側伸長部は、始点部からX方向外側へ伸びる。第一X方向折返部は、第一X方向外側伸長部よりも終点部側に形成される。第一X方向折返部では、伸長方向がX方向外側からX方向内側へ折り返される。X方向内側伸長部は、第一折返部からX方向内側へ伸びる。
このため、各アームが、X方向外側へ伸びる部分と、X方向内側へ伸びる部分とを備えるので、アクチュエータのX方向寸法を拡大することなくアームの長さを確保することができる。
更に、X方向内側伸長部は、第一Y方向折返部と、第一Y方向折返部よりも終点部側に形成される第二Y方向折返部と、を有する。第一Y方向折返部では、伸長方向がY方向内側からY方向外側に折り返され、第二Y方向折返部では、伸長方向がY方向外側からY方向内側に折り返される。
このため、アクチュエータのY方向の寸法を効果的に用いてアームの長さを確保できるので、より一層アームの長さを確保することができる。
【0011】
なお、後述する実施形態では、一方側始点部のうち、第一アームに繋がる部分と第二アームに繋がる部分とが一体に形成される例を説明する。しかし、本態様の一方側始点部は、これに限定されない。一方側始点部のうち第一アームに繋がる部分と第二アームに繋がる部分と分離されていてもよい。換言すると、一方側始点部が2つ形成されていてもよい。他方側始点部についても同様である。
また、後述する実施形態では、一方側終点部が、互いに分離して形成された第一終点部及び第三終点部とを有し、第一終点部に第一アームが繋がり、第三終点部に第三アームが繋がる例を説明する。しかし、本態様の一方側終点部は、これに限定されず、第一アームが繋がる部分と第三アームが繋がる部分とが一体に形成されてもよい。他方側終点部についても同様である。
また、後述する実施形態では、X方向内側伸長部が、X方向外側に伸長する部分を含まない例を説明する。しかし、本態様のX方向内側伸長部は、これに限定されず、全体としてX方向内側へ伸長する部分であれば、その一部においてX方向外側へ伸長する部分を含んでいてもよい。
【0012】
第4の態様に係るアクチュエータは、第1~第3の何れかの態様において、前記一方側終点部は、前記第一アームが繋がる第一終点部と、前記第三アームが繋がる第三終点部と、を備え、前記他方側終点部は、前記第二アームが繋がる第二終点部と、前記第四アームが繋がる第四終点部と、を備え、前記取付部材側被固定部は、前記第一終点部と隣接する第一被固定部と、前記第三終点部と隣接する第三被固定部と、前記第二終点部と隣接する第二被固定部と、前記第四終点部と隣接する第四被固定部と、を備え、前記第一終点部及び前記第三終点部は、前記第一被固定部と前記第三被固定部との間に位置し、前記第二終点部及び前記第四終点部は、前記第二被固定部と前記第四被固定部との間に位置する。
【0013】
上記態様では、一方側終点部は、第一アームが繋がる第一終点部と、第三アームが繋がる第三終点部と、を備える。他方側終点部は、第二アームが繋がる第二終点部と、第四アームが繋がる第四終点部と、を備える。そして、取付部材側被固定部は、第一終点部と隣接する第一被固定部と、第三終点部と隣接する第三被固定部と、第二終点部と隣接する第二被固定部と、第四終点部と隣接する第四被固定部と、を備える。
ここで、第一終点部及び第三終点部は、第一被固定部と第三被固定部との間に位置し、第二終点部及び第四終点部は、第二被固定部と第四被固定部との間に位置する。
つまり、第一被固定部と第三被固定部との間の空間、及び、第二被固定部と第四被固定部との間の空間を利用して、変形部が形成されるため、アームの長さが長く形成される。このため、可動子の振幅量を確保しやすい。
【0014】
第5の態様に係るアクチュエータは、第4の態様において、前記取付部材は、前記第一被固定部、前記第三被固定部、前記第二被固定部及び前記第四被固定部の各々に対してY方向外側に配置される4つの回転防止部を備える。
【0015】
上記態様では、取付部材は、第一被固定部、第三被固定部、第二被固定部及び第四被固定部の各々に対してY方向外側に配置される4つの回転防止部を備える。
このため、取付部材側被固定部を取付部材に固定する際に、弾性支持体がZ方向周りに回転して、第一被固定部、第三被固定部、第二被固定部及び第四被固定部の各々が所定の固定位置からズレてしまうことが抑制され、弾性支持体を狙いの位置に組付けることができる。
【0016】
第6の態様に係るアクチュエータは、第4の態様において、前記変形部は、前記第一アームと前記第三アームとを連結する一方側連結部と、前記第二アームと前記第四アームとを連結する他方側連結部と、を備える。
【0017】
上記態様では、変形部は、第一アームと第三アームとを連結する一方側連結部と、第二アームと第四アームとを連結する他方側連結部と、を備える。
このため、取付部材側被固定部を取付部材に固定する際、各アームが正規の形状に対して捩じれた状態になることが抑制される。また、可動子が変位して変形部が変形する際の捩じれも抑制される。
【0018】
第7の態様に係るアクチュエータは、第4の態様において、前記弾性支持体は、前記第一被固定部、前記第二被固定部、前記第三被固定部及び前記第四被固定部のうちX方向又はY方向で離間する2つの被固定部を連結する一対の連結部を有する。
【0019】
上記態様では、弾性支持体は、一対の連結部を有する。一対の連結部の各々は、第一被固定部、第二被固定部、第三被固定部及び第四被固定部のうちX方向又はY方向で離間する2つの被固定部を連結する。
このため、取付部材側被固定部を取付部材に固定する際、各アームが正規の形状に対して捩じれた状態になることが抑制される。
【0020】
第8の態様に係るアクチュエータは、第3の態様において、前記第一アーム、前記第二アーム、前記第三アーム及び前記第四アームの各々は、前記X方向内側伸長部と前記終点部とを繋ぐ第二X方向外側伸長部を備え、前記第二X方向外側伸長部は、X方向外側かつY方向内側へ伸びる傾斜伸長部を備え、Z方向に平行な軸であって、前記可動子の重心を通る軸を前記可動子の重心軸としたとき、前記傾斜伸長部は、前記可動子の重心軸から離れる方向に凸となる円弧状部を有する。
【0021】
上記態様では、第一アーム、第二アーム、第三アーム及び第四アームの各々は、X方向外側かつY方向内側へ伸びる傾斜伸長部を備える。
ここで、傾斜伸長部は、可動子の重心軸から離れる方向に凸となる円弧状部を有する。
このため、可動子と弾性支持体との接触を避けつつ、効果的に各アームの長さを稼ぐことができる。
【0022】
第9の態様に係るアクチュエータは、第1~第8の何れかの態様において、前記可動子は、ヨークを備え、前記ヨークは、天壁部と、前記天壁部の外側周縁から下方向に延びる垂下部と、を有し、前記天壁部のZ方向他方側を向く面は、前記マグネットが固定されるマグネット固定面と、前記マグネット固定面を取り囲むと共に前記コイルとZ方向で対向するコイル対向面と、を有し、前記コイル対向面は、前記マグネット固定面よりもZ方向一方側に位置する。
【0023】
上記態様では、可動子のヨークは、天壁部と、天壁部の外側周縁から下方向に延びる垂下部と、を有する。そして、天壁部のZ方向他方側を向く面は、マグネットが固定されるマグネット固定面と、マグネット固定面を取り囲むと共に前記コイルとZ方向で対向するコイル対向面と、を有する。
ここで、コイル対向面は、マグネット固定面よりもZ方向一方側に位置する。
このため、コイル対向面がマグネット固定面とZ方向で同じ位置に位置する態様と比較して、可動子のZ方向他方側への可動域を広げることができ、その結果、可動子の振幅量を大きくすることができる。
【0024】
第10の態様に係るアクチュエータは、第3の態様において、前記第一Y方向折返部は、前記第二Y方向折返部よりも細い幅を有する。
【0025】
上記態様では、第一Y方向折返部は、第二Y方向折返部よりも細い幅を有する。
このため、応力集中を回避して各アームの破断を抑制すると共に、可動子の振幅を大きくすることができる。
【0026】
なお、後述する実施形態では、第一Y方向折返部が、アームにおける各部において最も細い幅を有する例を説明する。しかし、本態様の第一Y方向折返部はこれに限定されない。
【0027】
第11の態様に係るアクチュエータは、第1~第10の何れかの態様において、前記第一アーム、前記第二アーム、前記第三アーム及び前記第四アームの各々は、一部に幅の狭い幅狭部を有する。
【0028】
この態様では、各アームは、一部に幅の狭い幅狭部を有する。このため、応力集中を回避すると共に、可動子の大きな振幅を実現できる弾性支持体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施形態に係るアクチュエータの斜視図である。
図2】アクチュエータの分解斜視図である。
図3】アクチュエータの平面図である。
図4】弾性支持体の平面図である。
図5】アクチュエータの断面図(Y方向に直交する断面図)である。
図6】変形例に係る弾性支持体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1図5を用いて、実施形態に係るアクチュエータ10について説明する。
【0031】
以下の説明では、各図に示す+Z方向を上方向といい、-Z方向を下方向という。但し、これはアクチュエータを基準にした方向概念であり、アクチュエータの取付姿勢を限定するものではない。
また、Z方向に平行な軸であって、可動子14の重心を通る軸を可動子14の重心軸AXという。そして、X方向において可動子14の重心軸AXに近づく方向をX方向内側、離れる方向をX方向外側といい、Y方向において可動子14の重心軸AXに近づく方向をY方向内側、離れる方向をY方向外側という。また、+X方向をX方向一方側、-X方向をX方向他方側、+Y方向をY方向一方側、-Y方向をY方向他方側、+Z方向をZ方向一方側、-Z方向をZ方向他方側という。
【0032】
図1は、実施形態のアクチュエータ10の斜視図であり、図2は、分解斜視図である。
【0033】
アクチュエータ10は、一例としてタッチパネルとして構成された液晶パネル等の表示部や各種のコントローラ等(取付対象物)に取り付けられることにより、当該表示部やコントローラを振動させるアクチュエータである。このアクチュエータ10への通電を制御することにより、タッチパネルやコントローラ等に触れる使用者の指に対して様々な触感を与えることが可能となっている。
【0034】
図2に示すように、アクチュエータ10は、取付対象物に取り付けられる取付部材12と、取付部材12に対して所定の変位方向(±Z方向)に相対変位する可動子14と、取付部材12に対して可動子14を弾性的に支持する弾性支持体16と、を備える。
弾性支持体16が弾性変形することで、可動子14が取付部材12に対して相対変位することが許容される。アクチュエータ10は、Z方向から見て、X方向を長手方向、Y方向を短手方向とする形状(具体的には略長方形)とされる。
【0035】
また、アクチュエータ10は、弾性支持体16の振動を減衰する2つの緩衝材18と、弾性支持体16に取り付けられると共に緩衝材18における一方側の面を覆う2つのカバー部材20と、を備える。
【0036】
≪取付部材12≫
図2に示すように、取付部材12は、フレーム22と、コイル40と、取付用接着シート66と、を備える。
【0037】
(フレーム22)
フレーム22は、+Z方向に開放された箱状に形成される。
フレーム22は、弾性支持体16が固定される支持体固定部26を有する。支持体固定部26は、4つ形成される。4つの支持体固定部26は、Z方向視で略矩形状のフレーム22における4つの角部に対応する位置に形成される。各支持体固定部26は、底壁部24(図5参照)から上方に向けて立設する。各支持体固定部26の上面に弾性支持体16の一部(各被固定部51)が固定される。
【0038】
フレーム22は、金属製の骨格部材28をインサート品として樹脂インサート成形されることで作られる。骨格部材28は、4つの露出部30を有する。図2に示すように、4つの露出部30の各々は、各支持体固定部26の上面に露出している。骨格部材28の4つの露出部30と、弾性支持体16の4つの被固定部51A,51B,51C,51Dとがそれぞれレーザ溶接で接合される。これにより、弾性支持体16が取付部材12に固定される。
【0039】
フレーム22は、4つの支持体固定部26のうちX方向一方側の2つの支持体固定部26の間に位置する一方側台座部32と、4つの支持体固定部26のうちX方向他方側の2つの支持体固定部26の間に位置する他方側台座部32と、を有する。一方側台座部32と他方側台座部32とを特に区別しないときは、単に台座部32と呼ぶ。
台座部32の上面には、緩衝材18が配置される(図5参照)。上下方向の位置に関し、台座部32の上面は、支持体固定部26の上面よりも下方に位置する。
【0040】
一方側台座部32は、電線92をフレーム22の外側から内側へ引き入れ可能に構成される。
一方側台座部32は、他方側台座部32よりもX方向寸法側大きい。これにより、一方側台座部32は、Y方向で隣り合う2つの支持体固定部26によりもX方向一方側に突出する。
【0041】
フレーム22は、4つの支持体固定部26のうちY方向一方側の2つの支持体固定部26の間に位置する一方側側壁部34と、4つの支持体固定部26のうちY方向他方側の2つの支持体固定部26の間に位置する他方側側壁部34と、を有する。一方側側壁部34と他方側側壁部34とを特に区別しないときは、単に側壁部34と呼ぶ。
側壁部34は、2つの支持体固定部26を連結している。上下方向の位置に関し、側壁部34の上端は、支持体固定部26の上面よりも下方に位置し、また、台座部32の上面よりも下方に位置する。これにより、弾性支持体16の大きな変形が許容される。
【0042】
(コイル40)
図5に示すように、コイル40は、Z方向を軸方向とする環状に形成されたコイルベース42と、コイルベース42のまわりに環状に巻回された電線部44と、を備える。コイル40は、フレーム22の底壁部24の上側に配置される。
【0043】
(取付用接着シート66)
取付用接着シート66は、アクチュエータ10を取付対象物に取り付けるための部材である。取付用接着シート66は、両面が接着面とされた接着シートである。取付用接着シート66は、フレーム22の下面側に接着される。
【0044】
≪可動子14≫
図2図5に示すように、可動子14は、ヨーク60と、マグネット63と、ポールピース64と、を有する。
【0045】
ヨーク60は、軟磁性体で形成される。ヨーク60は、壁厚方向を概ね上下方向に向けた天壁部61と、天壁部61の外側周縁から下方向に延びる垂下部62と、から構成される。天壁部61は、平面視で円形であり、垂下部62の壁厚方向は、天壁部61の中心軸(可動子14の重心軸AXと一致する。)に直交する方向を向く。
【0046】
天壁部61は、当該天壁部61の中心部を構成するマグネット固定部61Aと、当該天壁部61の周縁部を構成するコイル対向部61Bと、を有する。
図5に示すように、マグネット固定部61Aの下面61A2(マグネット固定面61A2)には、マグネット63が接着等により固定される。コイル対向部61Bの下面61B2(コイル対向面61B2)は、コイル40と上下方向で対向する。
【0047】
マグネット固定部61Aは、コイル対向部61Bに対して下方へ窪んでいる。このため、コイル対向部61Bの下面であるコイル対向面61B2は、マグネット固定部61Aの下面であるマグネット固定面61A2に対して上方側に位置する。これにより、可動子14の下方向への可動範囲が拡大されている。
【0048】
マグネット固定部61Aの上面は、コイル対向部61Bの上面に対して下方向に窪んでいる。コイル対向部61Bの上面は、複数の箇所において、弾性支持体16の可動子側被固定部70に固定される。ヨーク60と弾性支持体16との固定方法は、例えば、レーザ溶接である。
【0049】
マグネット63の形状は円柱形状である。
【0050】
ポールピース64は、軟磁性体で形成される。ポールピース64は、マグネット63の下面側に固定される。ポールピース64は、径方向において、コイル50と対向するように配置されている。ポールピース64の下面は、ヨーク60の垂下部62の下面と略同じ位置、又は垂下部62の下面より下方に形成されている。ポールピース64の形状は円柱形状である。ポールピース64の直径は、マグネット63の直径よりも大きい。弾性支持体16が自由状態(弾性変形していない状態)にあるとき、ポールピース64の全体が、コイル40の電線部44が形成された上下方向の範囲に収まる(図5参照)。
【0051】
可動子14は、ヨーク60、マグネット63及びポールピース64により、磁気回路を形成する。マグネット63及びポールピース64と、ヨーク60の垂下部62との間には、コイル40が相対的に移動可能な空間が形成される(図4)。
【0052】
≪弾性支持体16≫
弾性支持体16の自由状態では、弾性支持体16の全体が上下方向に直交する同一平面上に位置する。弾性支持体16は、例えば、平板状の金属材に抜き加工を施すことで作られる。弾性支持体16の材料としては、例えばステンレスである。
【0053】
弾性支持体16は、一部において取付部材12に固定され、他の一部において可動子14に固定される。取付部材12に固定される部分と、可動子14に固定される部分との間の部分が、可動子14が変位(振動)する際に変形する部分となる。
すなわち、図4に示すように、弾性支持体16は、取付部材12に固定される取付部材側被固定部50と、可動子14に固定される可動子側被固定部70と、取付部材側被固定部50と可動子側被固定部70とを繋ぐ変形部80と、から構成される。
【0054】
(取付部材側被固定部50)
取付部材側被固定部50は、4つの被固定部51A,51B,51C,51Dから構成される。具体的には、取付部材側被固定部50は、第一被固定部51A、第二被固定部51B、第三被固定部51C及び第四被固定部51Dから構成される。
第一被固定部51A及び第三被固定部51Cは、可動子側被固定部70に対してX方向一方側に位置する。第一被固定部51A及び第三被固定部51Cを纏めて一方側取付部材側被固定部50A,50Cと呼ぶことがある。
第二被固定部51B及び第四被固定部51Dは、可動子側被固定部70に対してX方向他方側に位置する。第二被固定部51B及び第四被固定部51Dを纏めて他方側取付部材側被固定部50B,50Dと呼ぶことがある。
第一被固定部51A、第二被固定部51B、第三被固定部51C及び第四被固定部51Dを特に区別しないときは、単に被固定部51と呼ぶ。
【0055】
被固定部51は、板厚方向を上下方向に向ける。これに対し、骨格部材28の露出部30も、板厚方向を上下方向に向ける。被固定部51が露出部30の上側に重ね合わされた状態でレーザ溶接により両者が接合される。
被固定部51は、平面視で矩形状である。
【0056】
図1図3に示すように、フレーム22の4つの支持体固定部26の各々は、被固定部51が配置される上面に対して上方へ突出した4つの回転防止部36を有する。回転防止部36は、被固定部51に対してY方向外側に近接して配置される。これにより、回転防止部36は、弾性支持体16を取付部材12に固定する際に、各被固定部51が所定の位置からズレることを抑制するように機能する。回転防止部36は、平面視でX方向を長手とする形状である。回転防止部36のX方向寸法は、被固定部51のX方向寸法の95~105%である。
回転防止部36は、被固定部51に対してX方向外側には形成されていない。これにより、フレーム22のX方向での大型化が抑制されている。
【0057】
(可動子側被固定部70)
可動子側被固定部70は、可動子14の上面側に固定される。具体的には、可動子側被固定部70は、可動子14のヨーク60の上面(具体的にはコイル対向部61Bの上面)に接合される。
可動子側被固定部70は、円形である。円形の可動子側被固定部70の中心は、可動子14の重心軸AX上に位置する。円形の可動子側被固定部70における縁部付近に位置する複数箇所(本実施形態では6箇所)が、接合箇所となる。複数の接合箇所における2つの接合箇所は、一方側始点部81Pに隣接する箇所及び他方側始点部81Mに隣接する箇所である。
【0058】
(変形部80)
図4に示すように、変形部80は、一方側始点部81P及び他方側始点部81Mと、4つのアーム82A,82B,82C,82Dと、4つの終点部(終端部ともいう)83A,83B,83C,83Dと、を有する。
4つのアーム82A,82B,82C,82Dを纏めてアーム部82A,82B,82C,82Dと呼ぶことがある。
【0059】
一方側始点部81P及び他方側始点部81Mは、共に、可動子側被固定部70とY方向で隣接した部分である。一方側始点部81Pは、可動子側被固定部70のY方向一方側に位置し、他方側始点部81Mは、可動子側被固定部70のY方向他方側に位置する。
【0060】
変形部80は、一方側始点部81Pから、X方向の一方側と他方側へ向けて分枝しており、それぞれ第一アーム82Aと第二アーム82Bとに繋がっている。他方側始点部81Mからも、X方向の一方側と他方側に向けて分枝しており、それぞれ第三アーム82Cと第四アーム82Dとに繋がっている。なお、一方側始点部81Pと他方側始点部81Mとを特に区別しないときは、単に始点部(始端部ともいう)81という。
【0061】
4つの終点部83A,83B,83C,83Dは、第一終点部83A、第二終点部83B、第三終点部83C及び第四終点部83Dから構成される。
第一終点部83Aは、第一アーム82Aと接続すると共に第一被固定部51Aと隣接する。
第二終点部83Bは、第二アーム82Bと接続すると共に第二被固定部51Bと隣接する。
第三終点部83Cは、第三アーム82Cと接続すると共に第三被固定部51Cと隣接する。
第四終点部83Dは、第四アーム82Dと接続すると共に第四被固定部51Dと隣接する。
【0062】
第一終点部83A及び第三終点部83Cは、可動子側被固定部70に対してX方向一方側に位置する。第一終点部83A及び第三終点部83Cを纏めて一方側終点部83A,83Cと呼ぶことがある。
第二終点部83B及び第四終点部83Dは、可動子側被固定部70に対してX方向他方側に位置する。第二終点部83B及び第四終点部83Dを纏めて他方側終点部83B,83Dと呼ぶことがある。
4つの終点部83A,83B,83C,83Dを特に区別しないときは、単に終点部83という。
終点部83は、対応する被固定部51のY方向内側に隣接する。
【0063】
(各アームの構成)
変形部80は、X方向とY方向の両方について対称の形状である。このため、4つのアーム82A,82B,82C,82Dは、互いに同様の形状である。詳述すると、第一アーム82A及び第三アーム82Cは、可動子側被固定部70に対してX方向一方側に配置されていると共にY方向に対称に形成されている。また、第二アーム82B及び第四アーム82Dは、可動子側被固定部70に対してX方向他方側に配置されていると共にY方向に対称に形成されている。さらに、第一アーム82Aと第二アーム82Bとは、X方向に対称に形成されている。また、第三アーム82Cと第四アーム82Dとは、X方向に対称に形成されている。以下、4つのアーム82A,82B,82C,82Dを区別しないときは、単にアーム82という。
【0064】
アーム82は、X方向外側へ伸びる第一X方向外側伸長部82aと、伸長方向がX方向外側からX方向内側へ折り返される第一X方向折返部82bと、X方向内側へ伸びるX方向内側伸長部82c,82dと、伸長方向がX方向内側からX方向外側へ折り返される第二X方向折返部82eと、X方向外側へ伸びる第二X方向外側伸長部82f,82g,82hと、を始点部81から終点部83に向かってこの順に備える。
【0065】
第一X方向外側伸長部82aは、X方向外側に向けてX方向に平行に伸びる。Y方向の位置に関し、第一X方向外側伸長部82aは、可動子側被固定部70よりもY方向外側に位置する。各アーム82の第一X方向外側伸長部82aは始点部81から伸び、この始点部81は可動子側被固定部70に対してY方向外側に位置するので、アクチュエータ10のY方向寸法を有効に活用して、アームの長さを稼ぐことができる。
【0066】
Y方向の位置に関し、第一X方向外側伸長部82aのY方向外側端は、被固定部51のY方向外側端よりもY方向外側に位置する。被固定部51のY方向外側には、既に述べたとおり回転防止部36が配置される(図3参照)。
【0067】
第一アーム82Aの第一X方向外側伸長部82aのY方向外側端、一方側始点部81PのY方向外側端及び第二アーム82Bの第一X方向外側伸長部82aのY方向外側端は、X方向に平行に延びる直線を形成する。
第三アーム82Cの第一X方向外側伸長部82aのY方向外側端、他方側始点部81MのY方向外側端及び第四アーム82Dの第一X方向外側伸長部82aのY方向外側端は、X方向に平行に延びる直線を形成する。
【0068】
第一X方向折返部82bにおける折返し方向は、Y方向内側である。
【0069】
X方向内側伸長部82c,82dは、具体的には、伸長方向がY方向内側からY方向外側に折り返される第一Y方向折返部82cと、伸長方向がY方向外側からY方向内側に折り返される第二Y方向折返部82dと、を有する。第一Y方向折返部82cの折返し方向及び第二Y方向折返部82dの折返し方向は、共に、X方向内側である。これにより、X方向内側伸長部82c,82dは、S字の形状を有する。第一Y方向折返部82cは、アーム82における各部において、最も細い幅を有する。
【0070】
第二X方向折返部82eにおける折返し方向は、Y方向内側である。
【0071】
第二X方向外側伸長部82f,82g,82hは、X方向内側伸長部82c,82dと終点部83とを繋ぐ。
第二X方向外側伸長部82f,82g,82hは、具体的には、X方向外側かつY方向内側へ伸びる第一傾斜伸長部82fと、X方向外側かつY方向外側に延びる第二傾斜伸長部82hと、を有する。第一傾斜伸長部82fと第二傾斜伸長部82hとの間の部分を第三Y方向折返部82gと把握することもできる。第三Y方向折返部82gの曲率半径は、第一Y方向折返部82c及び第二Y方向折返部82dの両方の曲率半径よりも大きい。第一Y方向折返部82c、第二Y方向折返部82d及び第三Y方向折返部82gの幅寸法は、第三Y方向折返部82gが最も大きく、第一Y方向折返部82cが最も小さい。なお、この場合の幅寸法とは、幅寸法の平均値を意味する。
【0072】
第一傾斜伸長部82fは、可動子14の重心軸AXから離れる方向に凸となる円弧状部82fとなっている。円弧状部82fのうち可動子側被固定部70に近い側の縁は、円形の可動子側被固定部70の外形に沿うような円弧状を成している。
【0073】
また、変形部80は、一方側連結部84Pと、他方側連結部84Mと、を有する。
一方側連結部84Pは、第一アーム82Aの第二傾斜伸長部82hと第三アーム82Cの第二傾斜伸長部82hとを連結し、他方側連結部84Mは、第二アーム82Bの第二傾斜伸長部82hと第四アーム82Dの第二傾斜伸長部82hとを連結する。一方側連結部84Pと他方側連結部84Mとを特に区別しないときは、単に連結部84と呼ぶ。
連結部84は、可動子14の変位に伴い変位する。
【0074】
これにより、第一被固定部51A及び第三被固定部51Cは、第一終点部83A、第三終点部83C、第一アーム82A、第三アーム82C及び一方側連結部84Pによって連結されることになる。つまり、第一被固定部51A及び第三被固定部51Cが可動子側被固定部70を介さずに連結されることになる。
また、第二被固定部51B及び第四被固定部51Dは、第二終点部83B、第四終点部83D、第二アーム82B、第四アーム82D及び他方側連結部84Mによって連結されることになる。つまり、第二被固定部51B及び第四被固定部51Dが可動子側被固定部70を介さずに連結されることになる。
このため、取付部材側被固定部50が4つの被固定部51A,51B,51C,51Dに分割された弾性支持体16において、各被固定部51を取付部材12に固定する作業が容易になる。
【0075】
連結部84は、X方向外側に凸となるアーチ形状である。これにより、連結部84を有する弾性支持体16の加工性が向上する。X方向の位置に関して、連結部84のX方向外側端は、各被固定部51のX方向外側端と同じ位置か、X方向内側に位置する。
【0076】
(緩衝材18)
図1に示すように、緩衝材18は、粘弾性を有する素材を用いて板状に形成されており、Z方向を厚み方向とすると共にZ方向から見て矩形状に形成されている。具体的には、緩衝材18は、Y方向を長手方向とすると共にX方向を短手方向とする長方形状に形成されている。
【0077】
緩衝材18の下面は、他の部材と接着可能な接着面となっており、緩衝材18の上面も、他の部材と接着可能な接着面となっている。
図5に示すように、緩衝材18の下面は、フレーム22の台座部32の上面に接着する。緩衝材18の上面は、変形部80のうち緩衝材18と重なる部分の下面に接着する。
【0078】
一方の緩衝材18は、第一アーム82A及び第三アーム82Cのそれぞれの第二X方向外側伸長部82f,82g,82hの一部(具体的には第三Y方向折返部82g及び第二傾斜伸長部82hの一部)と重なると共に、一方側連結部84Pの一部とも重なる。
他方の緩衝材18は、上方向から見て、第二アーム82B及び第四アーム82Dのそれぞれの第二X方向外側伸長部82f,82g,82hの一部(具体的には第三Y方向折返部82g及び第二傾斜伸長部82hの一部)と重なると共に、他方側連結部84Mの一部とも重なる。
【0079】
緩衝材18の部品単体の状態における厚み寸法は、フレーム22の台座部32の上面と弾性支持体16との間のクリアランスよりも大きな寸法に設定されている。このため、緩衝材18は、フレーム22と弾性支持体16によって上下方向で圧縮された状態となる。
【0080】
(カバー部材20)
カバー部材20は、粘弾性を有する素材を用いて板状に形成されており、Z方向を厚み方向とすると共にZ方向から見て矩形状に形成されている。具体的には、カバー部材20は、緩衝材18と同様の形状であり、Y方向を長手方向とすると共にX方向を短手方向とする長方形状に形成されている。カバー部材20の厚み寸法は、緩衝材18の厚み寸法よりも小さい。
【0081】
カバー部材20の下面は、他の部材と接着可能な接着面となっている。カバー部材20の下面は、緩衝材18の上面に接着すると共に、変形部80のうち緩衝材18と重なる部分における上面に接着する。これにより、緩衝材18とカバー部材20との間に、変形部80の一部が配置された状態となる。
【0082】
以上のように構成されたアクチュエータ10は、可動子14が弾性支持体16に支持され、コイル40に通電していない状態では図5に示す原点位置にある。可動子14に発生する推力は、基本的にはフレミングの左手の法則に基づいて与えられる推力に準じられる。アクチュエータ10においては、コイル40がフレーム22に固定され、マグネット63等が可動子14に取り付けられているので、コイル40に通電することにより、可動子14にコイル40から発生する力の反力としての推力が発生する。そして、コイル40に交流を通電させることにより、可動子14が重心軸AXに沿って上下方向に振幅し、振動する。
【0083】
<作用効果>
次に、本実施形態における作用効果について説明する。
【0084】
本実施形態では、図2に示すように、コイル40を含んで構成される取付部材12と、マグネット63を含んで構成され、取付部材12に対して所定の変位方向(Z方向)に相対変位する可動子14と、弾性支持体16と、を備える。
図4に示すように、弾性支持体16は、取付部材12に固定される取付部材側被固定部50、可動子14に固定される可動子側被固定部70、及び、取付部材側被固定部50と可動子側被固定部70との間に位置する変形部80を有する。
変形部80は、可動子側被固定部70に隣接する始点部81P,81Mと、取付部材側被固定部50に隣接する終点部83A,83B,83C,83Dと、始点部81P,81Mから終点部83A,83B,83C,83Dまでを繋ぐアーム部82A,82B,82C,82Dと、を備える。
始点部81P,81Mは、可動子側被固定部70に対してY方向一方側に位置する一方側始点部81Pと、可動子側被固定部70に対してY方向他方側に位置する他方側始点部81Mと、を備える。
終点部83A,83B,83C,83Dは、可動子側被固定部70に対してX方向一方側に位置する一方側終点部83A,83Cと、可動子側被固定部70に対してX方向他方側に位置する他方側終点部83B,83Dと、を備える。
アーム部82A,82B,82C,82Dは、一方側始点部81Pから一方側終点部83Aまで伸びる第一アーム82Aと、一方側始点部81Pから他方側終点部83Bまで伸びる第二アーム82Bと、他方側始点部81Mから一方側終点部83Cまで伸びる第三アーム82Cと、他方側始点部81Mから他方側終点部83Dまで伸びる第四アーム82Dと、を備える。
【0085】
ここで、本実施形態では、第一アーム82A、第二アーム82B、第三アーム82C及び第四アーム82Dの各々は、伸長方向がX方向で折り返されるX方向折返部82b,82eと、伸長方向がY方向で折り返されるY方向折返部82c、82d、82gと、を有する。このため、アクチュエータ10のX方向の寸法とY方向の寸法を効果的に用いてアームの長さを確保できる。
【0086】
また、本実施形態では、第一アーム82A、第二アーム82B、第三アーム82C及び第四アーム82Dの各々は、X方向折返部82b,82eとY方向折返部82c、82d、82gの両方を2箇所以上に有する。このため、アームの長さをより一層効果的に確保することができる。
なお、本実施形態では、第一X方向外側伸長部82aも、Y方向折返部82aであるといえる。そのため、各アーム82は、Y方向折返部82a,82c、82d、82gを4箇所に有する。
【0087】
また、本実施形態では、第一アーム82A、第二アーム82B、第三アーム82C及び第四アーム82Dの各々は、第一X方向外側伸長部82aと、第一X方向折返部82bと、X方向内側伸長部82c,82dと、を備える。第一X方向外側伸長部82aは、始点部81からX方向外側へ伸びる。第一X方向折返部82bは、第一X方向外側伸長部82aよりも終点部83側に形成される。第一X方向折返部82bでは、伸長方向がX方向外側からX方向内側へ折り返される。X方向内側伸長部82c,82dは、第一X方向折返部82bからX方向内側へ伸びる。
このため、各アーム82が、X方向外側へ伸びる部分と、X方向内側へ伸びる部分とを備えるので、アクチュエータ10のX方向寸法を拡大することなくアームの長さを確保することができる。
更に、X方向内側伸長部82c,82dは、第一Y方向折返部82cと、第一Y方向折返部82cよりも終点部83側に形成される第二Y方向折返部82dと、を有する。第一Y方向折返部82cでは、伸長方向がY方向内側からY方向外側に折り返され、第二Y方向折返部82dでは、伸長方向がY方向外側からY方向内側に折り返される。
このため、アクチュエータ10のY方向の寸法を効果的に用いてアームの長さを確保できるので、より一層アームの長さを確保することができる。
【0088】
また、本実施形態では、図4に示すように、一方側終点部83A,83Cは、第一アーム82Aが繋がる第一終点部83Aと、第三アーム82Cが繋がる第三終点部83Cと、を備える。他方側終点部83B,83Dは、第二アーム82Bが繋がる第二終点部83Bと、第四アーム82Dが繋がる第四終点部83Dと、を備える。そして、取付部材側被固定部50は、第一終点部83Aと隣接する第一被固定部51Aと、第三終点部83Cと隣接する第三被固定部51Cと、第二終点部83Bと隣接する第二被固定部51Bと、第四終点部83Dと隣接する第四被固定部51Dと、を備える。
ここで、第一終点部83A及び第三終点部83Cは、第一被固定部51Aと第三被固定部51Cとの間に位置し、第二終点部83B及び第四終点部83Dは、第二被固定部51Bと第四被固定部51Dとの間に位置する。
つまり、第一被固定部51Aと第三被固定部51Cとの間の空間、及び、第二被固定部51Bと第四被固定部51Dとの間の空間を利用して、変形部80が形成されるため、アームの長さが長く形成される。このため、可動子14の振幅量を確保しやすい。
【0089】
また、本実施形態では、図1に示すように、取付部材12は、第一被固定部51A、第三被固定部51C、第二被固定部51B及び第四被固定部51Dの各々に対してY方向外側に配置される4つの回転防止部36を備える。
このため、取付部材側被固定部50を取付部材12に固定する際に、弾性支持体16がZ方向周りに回転して、第一被固定部51A、第三被固定部51C、第二被固定部51B及び第四被固定部51Dの各々が所定の固定位置からズレてしまうことが抑制され、弾性支持体を狙いの位置に組付けることができる。
【0090】
また、本実施形態では、図4に示すように、変形部80は、第一アーム82Aと第三アーム82Cとを連結する一方側連結部84Pと、第二アーム82Bと第四アーム82Dとを連結する他方側連結部84Mと、を備える。
このため、取付部材側被固定部50を取付部材12に固定する際、各アーム82が正規の形状に対して捩じれた状態になることが抑制される。また、可動子14が変位して変形部80が変形する際の捩じれも抑制される。
【0091】
また、本実施形態では、図4に示すように、一方側連結部84Pは、X方向一方側に凸となるアーチ形状であり、他方側連結部84Mは、X方向他方側に凸となるアーチ形状である。つまり、各連結部84は、X方向外側に凸となるアーチ形状である。
このため、連結部84を有する弾性支持体16の加工性が向上する。また、弾性支持体16に作用する応力を分散することができる。
【0092】
また、本実施形態では、図4に示すように、第一アーム82A、第二アーム82B、第三アーム82C及び第四アーム82Dの各々は、X方向外側かつY方向内側へ伸びる傾斜伸長部82fを備える。
ここで、傾斜伸長部82fは、可動子の重心軸AX(図5参照)から離れる方向に凸となる円弧状部82fを有する。
このため、可動子14と弾性支持体16との接触を避けつつ、効果的に各アームの長さを稼ぐことができる。
【0093】
また、本実施形態では、図5に示すように、可動子14のヨーク60は、天壁部61と、天壁部61の外側周縁から下方向に延びる垂下部62と、を有する。そして、天壁部61のZ方向他方側を向く面61A2,61B2は、マグネット63が固定されるマグネット固定面61A2と、マグネット固定面61A2を取り囲むと共にコイル40とZ方向で対向するコイル対向面61B2と、を有する。
ここで、コイル対向面61B2は、マグネット固定面61A2よりもZ方向一方側に位置する。
このため、コイル対向面61B2がマグネット固定面61A2とZ方向で同じ位置に位置する態様と比較して、可動子14のZ方向他方側への可動域を広げることができ、その結果、可動子14の振幅量を大きくすることができる。
なお、上記構成による上記効果は、弾性支持体16の変形部80の具体的形状とは関係なく奏する効果である。
【0094】
また、本実施形態では、第一Y方向折返部82cは、第二Y方向折返部82dよりも細い幅を有する。
このため、応力集中を回避して各アームの破断を抑制すると共に、可動子14の振幅を大きくすることができる。
【0095】
〔補足説明〕
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。以下、念のため補足する。
【0096】
上記実施形態では、平面視で円形であるコイル40を例を説明した。しかし、本開示の「コイル」はこれに限定されず、平面視で矩形やその他の多角形状であってもよいし、これら以外の形状であってもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、骨格部材28をインサート品として成形されたフレーム22を説明した。しかし、本開示のフレームは、これに限定されず、例えば樹脂材料のみから形成されてもよいし、金属材料のみから形成されてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、弾性支持体として、平板状とされ、自由状態で全体が上下方向に直交する同一平面上に位置する弾性支持体16を説明した。しかし、本開示の「弾性支持体」は、これに限定されず、自由状態でも同一平面上に位置しない弾性支持体であってもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、弾性支持体16が、1枚の板バネのみから構成される例を説明した。しかし、本開示の弾性支持体は、これに限定されず、2枚の板バネと、これら2枚の板バネの間に挟まれた緩衝材と、から構成されるものであってもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、弾性支持体として図4に示す弾性支持体16を説明した。しかし、本開示の弾性支持体は、これに限定されず、例えば図6に示す変形例に係る弾性支持体116としてもよい。
【0101】
(弾性支持体116)
変形例に係る弾性支持体116の変形部180は、上記実施形態で説明した一方側連結部84P及び他方側連結部84Mを有しない。
その代わり、変形例に係る弾性支持体116は、変形部180とは別に、第一被固定部51A及び第三被固定部51Cを連結する一方側連結部184Pと、第二被固定部51B及び第四被固定部51Dを連結する他方側連結部184Mと、を有する。一方側連結部184Pと他方側連結部184Mとを特に区別しないときは、単に連結部184と呼ぶ。
連結部184は、可動子14の変位に伴い変位する部分ではない。
【0102】
これにより、上記実施形態と同様、第一被固定部51A及び第三被固定部51Cが可動子側被固定部70を介さずに連結されることになり、第二被固定部51B及び第四被固定部51Dが可動子側被固定部70を介さずに連結されることになる。
このため、取付部材側被固定部50が4つの被固定部51A,51B,51C,51Dに分割された弾性支持体16において、各被固定部51を取付部材12に固定する作業が容易になる。
【0103】
一方側連結部184Pは、第一被固定部51A及び第三被固定部51CのX方向外側部分同士をY方向に連結し、他方側連結部184Mは、第二被固定部51B及び第四被固定部51DのX方向外側部分同士をY方向に連結する。これにより、各連結部184は、Y方向で離間する2つの被固定部51をY方向に沿って直線状に連結する。各連結部184のX方向外側端と、当該連結部184によって連結された2つの被固定部51のX方向外側端とは、Y方向に延びる同一直線状に位置する。
【0104】
各連結部184の幅寸法は、細幅に形成される。具体的には、各連結部は、弾性支持体116の他の何れの部分よりも細い幅を有する。
【0105】
また、変形例に係る弾性支持体116では、変形部180の形状が、上記実施形態の変形例80の形状とは異なる。
【0106】
変形部180の各アーム82には、伸長方向が大きく変わっている部分(コーナー部)の前後に幅が狭い部分(幅狭部)が形成されている。換言すると、コーナー部は、その前後の部分より幅が太く形成された部分を有する。
【0107】
図6を参照して具体的にみると、第一Y方向折返部82cが属するコーナー部は、その前後の部分よりも幅が太く形成された部分を有する。
また、第二Y方向折返部82d及び第二X方向折返部82eが属するコーナー部は、その前後の部分よりも幅が太く形成された部分を有する。
また、第三Y方向折返部82gが属するコーナー部は、その前後の部分よりも幅が太く形成された部分を有する。
【0108】
なお、上記実施形態の構成と上記変形例の構成とは適宜組み合わせてもよい。例えば、上記実施形態の弾性支持体16において、連結部84の構造をそのままに、変形例の変形部180の形状を採用してもよい。また、上記実施形態の弾性支持体16において、変形部180(連結部84を除く部分)の形状をそのままに、変形例の連結部184の構造を採用してもよい。
また、上記変形例では、連結部184が、Y方向で離間する2つの被固定部51(第一被固定部51A及び第三被固定部51Cの2つの被固定部51、又は、第二被固定部51B及び第四被固定部51Dの2つの被固定部51)を連結する例を説明した。しかし、本開示の連結部は、X方向で離間する2つの被固定部を連結するものであってもよい。第一被固定部51A及び第二被固定部51Bの2つの被固定部、又は、第三被固定部51C及び第四被固定部51Dの2つの被固定部が、X方向で離間する2つの被固定部に該当する。
【符号の説明】
【0109】
10 アクチュエータ
12 取付部材
14 可動子
16 弾性支持体
18 緩衝材
20 カバー部材
22 フレーム
36 回転防止部
40 コイル
50 取付部材側被固定部
50A,50C 一方側取付部材側被固定部
50B,50D 他方側取付部材側被固定部
51A,51B,51C,51D 被固定部
51A 第一被固定部
51B 第二被固定部
51C 第三被固定部
51D 第四被固定部
60 ヨーク
61 天壁部
61A1,61B2 天壁部の下面
61A マグネット固定部
61A2 マグネット固定部の下面(マグネット固定面)
61B コイル対向部
61B2 コイル対向部の下面(コイル対向面)
62 垂下部
63 マグネット
64 ポールピース
70 可動子側被固定部
80 変形部
81P,81M 始点部
81P 一方側始点部
81M 他方側始点部
82A,82B,82C,82D アーム(アーム部)
82A 第一アーム
82B 第二アーム
82C 第三アーム
82D 第四アーム
82a X方向外側伸長部
82b 第一X方向折返部
82c,82d X方向内側伸長部
82c 第一Y方向折返部
82d 第二Y方向折返部
82e 第二X方向折返部
82f,82g,82h 第二X方向外側伸長部
82f 第一傾斜伸長部(傾斜伸長部、円弧状部)
82g 第三Y方向方向折返部
82h 第二傾斜伸長部
83A,83B,83C,83D 終点部
83A,83C 一方側終点部
83B,83D 他方側終点部
83A 第一終点部
83B 第二終点部
83C 第三終点部
83D 第四終点部
84P 一方側連結部(連結部)
84M 他方側連結部(連結部)
AX 可動子の重心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6