(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068509
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】管理システム、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20240513BHJP
G06Q 50/18 20120101ALI20240513BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q50/18 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179025
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】716001876
【氏名又は名称】株式会社root ip
(72)【発明者】
【氏名】大倉 昭人
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA02
5L049AA02
5L049CC33
5L050CC33
(57)【要約】
【課題】独自の入力ルールをシステムで共有する方法がなく、個人ごとに入力データにばらつきが生じるという問題があった。
【解決手段】本発明に係る管理システムは、知的財産権に関する案件を管理し、入力支援情報の表示機能を備える管理システムであって、システム標準の入力支援情報と、組織及び個人の少なくとも一方の入力支援情報とを、対応する入力項目と関連付けて表示する制御部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
案件データを管理し、入力支援情報の表示機能を備える管理システムであって、
システム標準の入力支援情報と、
組織及び個人の少なくとも一方の入力支援情報とを、
対応する入力項目と関連付けて表示する制御部を備える、管理システム。
【請求項2】
コンピュータに、案件データの管理を実行させ、入力支援情報の表示機能を備えるプログラムであって、
システム標準の入力支援情報と、
組織及び個人の少なくとも一方の入力支援情報とを、
対応する入力項目と関連付けて表示するステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム及びプログラムに関し、特に、知的財産権に関する案件を管理し、入力支援情報の表示機能を備える管理システム及びコンピュータに当該管理システムのステップを実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
知的財産権である特許、実用新案、意匠及び商標の案件情報を管理する管理システムが知られている。案件情報には、出願日、出願番号、登録査定日、権利満了日など、種々の入力項目が含まれる。知財管理システムを利用する組織の運用ルールは様々であり、組織やユーザごとに入力内容にばらつきが生じる場合がある。例えば、特許文献1には、明細書作成時に、取り扱っているデータに対応した適切なヘルプを提示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
知的財産権の権利取得を目指す場合、法律や条約、組織ルールなどに基づく種々の手続を行う必要がある。知財管理システムの入力項目は、出願日や出願番号など、標準的な項目は備えるものの、外国法対応や、組織ごとの詳細なルールに基づく入力項目を全て備えることは難しい。そのため、知財管理システムの備考欄など汎用的な入力項目や、特定項目を代用するデータ管理が行われる。しかし、独自の入力ルールをシステムで共有する方法がなく、個人ごとに入力データにばらつきが生じるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る管理システムは、案件データを管理し、入力支援情報の表示機能を備える管理システムであって、システム標準の入力支援情報と、組織及び個人の少なくとも一方の入力支援情報とを、対応する入力項目と関連付けて表示する制御部を備える。
【0006】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、案件データの管理を実行させ、外部データによる案件データ更新機能を備えるプログラムであって、システム標準の入力支援情報と、組織及び個人の少なくとも一方の入力支援情報とを、対応する入力項目と関連付けて表示するステップを実行させる。
【0007】
また、本発明の一実施形態に係る記憶媒体は、本発明の一実施形態に係るプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0008】
本開示の管理システム、プログラム及び記録媒体によれば、案件データの管理について、ユーザは入力項目ごとに入力ルールを容易に認識することができ、入力のばらつきなどによる不利益を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るプログラムを実行するシステムを示す図である。
【
図2】管理システム1の画面表示の一例を示す図である。
【
図8】管理プログラムが行う情報処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る管理システムは、知的財産権に関する案件データの管理システムであって、入力支援情報の表示機能を備える管理システムである。
【0011】
また、本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、知的財産権に関する案件の管理を実行させ、入力支援情報を表示可能なプログラム(以下「管理プログラム」と称する)である。
【0012】
入力支援情報とは、ヘルプやマニュアルなど、ユーザのデータ入力を支援する任意の情報である。例えば、「出願日」という入力項目に対して、「出願日を入力する項目である」という入力支援情報が設定される。入力支援情報はテキストや図表などを含む。
【0013】
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る管理システム1を示す図である。管理システム1は、制御部10と表示部20と記憶部30とを備える。制御部10は、管理システム1を制御するプロセッサである。制御部10は、管理プログラムに関するソフトウェアを読み込み、表示部20及び記憶部30と協働して管理プログラムに関する情報処理を実現する。表示部20は、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等の任意の表示デバイスである。記憶部30は、情報を記憶するメモリ、ハードディスク、データベース等の任意の記憶デバイスである。
【0014】
管理システム1は、制御部10と表示部20と記憶部30とを含む単独のコンピュータとして実装することができる。なお、コンピュータとは、サーバ、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン端末などを含む。また、管理システム1は、制御部10と表示部20と記憶部30とをネットワークを介して相互にアクセス可能な独立したコンピュータとして実装することもできる。この場合、例えば管理システム1は、制御部10を含むアプリケーションサーバ、表示部20を含む利用者コンピュータ、及び記憶部30を含むデータベースサーバなどにより構成できる。
【0015】
記憶部30は、知的財産権に関する案件データを記憶する。案件データには、出願日、出願番号、登録査定日、権利満了日など、種々の入力項目が含まれる。また、記憶部30は、入力項目に対する入力支援情報を記憶する。
【0016】
図2は、管理システム1の画面表示の一例を示す図である。表示部20には、案件情報テーブル21が表示される。案件情報テーブル21は案件作成日、仮作成、法域、国、案件終了日、件名、備考の入力項目を含む。各入力項目の近傍には、入力支援表示トリガ22が表示される。近傍とは、入力項目の上下左右を問わず、入力項目との対応付けられる任意の位置を含む。入力支援表示トリガ22は、ボタン、アイコン、画像、文字列など、任意の項目を含む。また、入力支援表示トリガ22は可視項目だけではなく、不可視項目も含む。例えば、制御部10は、ユーザには表示されないが、マウスの移動などユーザ操作を検知できる領域として入力支援表示トリガ22を配置することができる。また、制御部10は、入力支援表示トリガ22の可視/不可視の状態を動的に切り替えることができる。例えば、制御部10は、ユーザ操作が特定の入力項目に行なわれた場合、当該入力項目に対応する入力支援表示トリガ22を可視状態とすることができる。また、制御部10は、ユーザ操作が当該入力項目から外れた場合、当該入力項目に対応する入力支援表示トリガ22を不可視状態とすることができる。また、入力項目の表示自体を入力支援表示トリガ22とすることができる。
【0017】
制御部10は、入力支援表示トリガ22への操作を検出すると、入力支援情報を表示部20に表示する。本発明の一実施形態に係る入力支援情報は、システムヘルプと、組織用ヘルプと、個人用ヘルプと、データ形式とを含む。システムヘルプとは、システムの標準的な入力ルールを示すものである。組織用ヘルプとは、企業や知財事務所など組織内の入力ルールを示すものである。個人用ヘルプとは、備忘録やメモ書きなど、個人用の入力ルールを示すものである。データ形式とは、システムが受付可能なデータ形式を示すものである。システムヘルプ及びデータ形式はシステム標準の入力支援情報となる。制御部10は、システムヘルプ、組織用ヘルプ、個人用ヘルプ、及びデータ形式の一部又は全部を表示部20に表示させることができる。例えば、制御部10は、システムヘルプと、組織用ヘルプ又は個人用ヘルプのいずれか一方を表示させることができる。また、制御部10は、システムヘルプと、組織用ヘルプ及び個人用ヘルプとを表示させることができる。
【0018】
図3は、「案件作成日」に対する入力支援情報の一例を示す図である。案件作成日は、比較的名称から入力内容を特定しやすい項目となるため、システムヘルプ以外の組織用ヘルプ及び個人用ヘルプは入力されていない。
【0019】
図4は、「仮作成」に対する入力支援情報の一例を示す図である。仮作成に対しては、システムヘルプに加え、組織用ヘルプが表示されている。これにより、ユーザは組織として共通の入力ルールを確認することができる。
【0020】
図5は、「案件終了日」に対する入力支援情報の一例を示す図である。案件終了日に対しては、システムヘルプに加え、組織用ヘルプ及び個人用ヘルプが表示されている。これにより、ユーザは組織として共通の入力ルールに加え、個人的な入力ルールを確認することができる。
【0021】
図6は、「備考」に対する入力支援情報の一例を示す図である。備考に対しては、システムヘルプに加え、組織用ヘルプ及び個人用ヘルプが表示されている。これにより、ユーザは組織として共通の入力ルールに加え、個人的な入力ルールを確認することができる。また、データ形式として最大文字数を把握することができ、入力方法の検討材料とすることができる。例えば、備考欄の文字制限が短い場合、詳細な記述は他の項目を利用するルールとしたり、記載を短縮する独自のルールを検討したりすることができる。
【0022】
図7は、編集ボタンを備える入力支援情報の一例を示す図である。編集ボタン41は、各ヘルプの近傍に配置される。ユーザが編集ボタン41への入力を行うと、制御部10は、入力情報編集画面を表示させることができる。これにより、ユーザは直感的な操作で入力情報を編集することが可能となる。なお、制御部10は、編集ボタン41の表示有無を、ユーザの権限ごとに変更することができる。例えば、組織のリーダー権限を有するユーザに対してのみ、組織用ヘルプの編集ボタンをさせることができる。
【0023】
図8は、管理システム1(及び管理プログラム)が行う情報処理のフローチャートの一例である。制御部10は、入力支援表示トリガ22への操作を検出する(ステップS1)。制御部10は、記憶部30を参照し、対応する入力支援情報の有無を確認する(ステップS2)。制御部10は、対応する入力支援情報が記憶部30にある場合、入力支援情報を表示部20に表示する。
【0024】
このように、本発明の一実施形態に係る管理システム1は、システム標準の入力支援情報と、組織及び個人の少なくとも一方の入力支援情報とを、対応する入力項目と関連付けて表示する制御部10を備える。ユーザは入力項目ごとに入力ルールを容易に認識することができ、入力のばらつきなどによる不利益を防ぐことができる。
【0025】
本発明を実施形態に基づき説明してきたが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0026】
例えば、制御部10は、入力支援表示トリガ22の表示形態を、記憶された入力支援情報に応じて変更することができる。表示形態とは、テキストや図形の模様、色彩、形状を含む。制御部10は、入力支援情報としてシステムヘルプのみ記憶されている場合と、組織用ヘルプ及び個人用ヘルプの少なくとも一方が記憶されている場合とで、表示形態を変化させることができる。これにより、ユーザは組織用ヘルプ又は個人用ヘルプが記憶されていることを容易に認識することができる。また、組織用ヘルプと個人用ヘルプとの記憶状態の違いにより、入力支援表示トリガ22の表示形態を変化させることができる。これにより、ユーザはより明瞭に、組織用ヘルプが記憶されているか、又は、個人用ヘルプが記憶されているかを認識することができる。また、制御部10は、入力支援情報として、システムヘルプ、組織用ヘルプ、個人用ヘルプのいずれもが記憶されていない場合、入力支援表示トリガ22の表示形態を変化させることができる。
【0027】
また、制御部10は、入力支援表示トリガ22を設定する対象を、全部又は一部の入力項目に任意に設定することができる。例えば、制御部10は、入力項目の名称等から入力ルールが明らかな場合、入力支援表示トリガ22の設定対象外とすることができる。また制御部10は、組織用ヘルプ及び個人用ヘルプのいずれも未設定の場合、入力支援表示トリガ22の設定対象外とすることができる。なお、制御部10は、入力支援表示トリガ22を設定しない入力項目に対して、入力支援情報入力用の表示を行うことができる。この場合、ユーザがボタンなどの当該入力支援情報入力用の表示へ操作を行うと、入力支援情報入力画面が表示され、ユーザは組織又は個人の入力ルールを入力することができる。
【0028】
また、制御部10は、システム管理者など特定のユーザに対して、システムヘルプなどシステム標準の入力支援情報の編集を許可することができる。例えば、制御部10は、特定のユーザに対してのみ、システムヘルプ編集用の表示を行うことができる。
【0029】
また、制御部10は、個別入力項目だけでなく、包括的な入力項目に対して入力支援表示トリガ22を設定することができる。例えば、制御部10は、
図2において、案件情報テーブル21全体に対する入力支援表示トリガ22をすることができる。この場合、当該入力支援表示トリガ22は、
図2の「案件情報」文字列と対応づけられるように、表示部20に表示される。これにより、個別の項目に限られず、特定テーブル全体など、まとまりある範囲に対する入力ルールを共有することができる。
【0030】
また、制御部10は、入力項目に対して、組織用ヘルプを複数記憶し表示させることができる。例えば、組織には部、課など種々の組織構造があり、各階層により入力ルールに差がある場合がある。制御部10は、階層ごとの組織用ヘルプを区別して記憶し、表示させることができる。また、制御部10は、組織用ヘルプの表示有無を、利用するユーザの所属(部課)や権限により切り替えることができる。これにより、特定の組織用ヘルプを所属ユーザに対してのみ表示することが可能となる。
【0031】
また、本出願に係る管理システム及びプログラムは、上記実施形態に限定されず、特許、実用新案、意匠、商標など、知的財産権に関する任意の入力項目管理に適用可能である。また、知財管理システムに限らず、任意のデーター管理システムに適用可能である。
【0032】
また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO、ブルーレイディスク(登録商標)等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。なお、記録媒体は、可搬型記録媒体に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明によれば、知的財産権に関する案件の管理について、ユーザは入力項目ごとに入力ルールを容易に認識することができ、入力のばらつきなどによる不利益を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0034】
1 管理システム
10 制御部
20 表示部
21 案件情報テーブル
22 入力支援情報トリガ
30 記憶部
31 入力支援情報
32 入力支援情報
33 入力支援情報
34 入力支援情報
35 入力支援情報
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