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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068541
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】電動アシスト台車
(51)【国際特許分類】
   B62B 1/10 20060101AFI20240513BHJP
【FI】
B62B1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179072
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000139355
【氏名又は名称】ヤマハモーターエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101351
【弁理士】
【氏名又は名称】辰巳 忠宏
(72)【発明者】
【氏名】山田 正利
(72)【発明者】
【氏名】石野 勝也
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050BB03
3D050EE05
3D050EE13
3D050GG02
3D050GG06
3D050KK14
(57)【要約】
【課題】ハンドル部のがたつきを抑制するとともに左右方向の横剛性を大きくし操作性を向上できる、電動アシスト台車を提供する。
【解決手段】電動アシスト台車10は、荷台12と、荷台12に設けられる車輪24a,24bと、車輪24a,24bの駆動をアシストするための電動機28a,28bと、荷台12を牽引するために荷台12の前方に設けられるハンドル部42と、ハンドル部42に伴って荷台12に対して前後方向に往復動可能な一対のスライド軸66a,66bを含み、ハンドル部42と荷台12とを連結する連結部材60と、スライド軸66a,66bを後方に付勢するためにスライド軸66a,66bの間に設けられるスプリング96と、スライド軸66a,66bのストローク量を検出するストロークセンサ112と、ストロークセンサ112の検出結果に基づいて電動機28a,28bによるアシスト量を制御する制御部34とを備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台と、
前記荷台に設けられる一対の車輪と、
前記一対の車輪の駆動をアシストするための電動機と、
前記荷台を牽引するために前記荷台の前方に設けられるハンドル部と、
前記ハンドル部に伴って前記荷台に対して前後方向に往復動可能な一対のスライド軸を含み、前記ハンドル部と前記荷台とを連結する連結部材と、
前記一対のスライド軸を後方に付勢するために前記一対のスライド軸の間に設けられる弾性部材と、
前記一対のスライド軸のストローク量を検出するストロークセンサと、
前記ストロークセンサの検出結果に基づいて前記電動機によるアシスト量を制御する制御部とを備える、電動アシスト台車。
【請求項2】
前記連結部材は、前記ハンドル部と前記荷台とを揺動可能に連結し、
前記一対のスライド軸と前記弾性部材とは側面視で重なる、請求項1に記載の電動アシスト台車。
【請求項3】
前記一対のスライド軸の往復動を減衰させるダンパをさらに含む、請求項1または2に記載の電動アシスト台車。
【請求項4】
前記ストロークセンサと前記ダンパとは、前記一対のスライド軸の下方に設けられる、請求項3に記載の電動アシスト台車。
【請求項5】
前記ストロークセンサと前記ダンパとの間を通るブレーキワイヤおよびハーネスをさらに含む、請求項4に記載の電動アシスト台車。
【請求項6】
前記荷台に消火用のホースを積載できるホースカーである、請求項1から5のいずれかに記載の電動アシスト台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電動アシスト台車に関し、より特定的にはホースカーなどの電動アシスト台車に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術の一例として、特許文献1において消防用ホースカーが開示されている。この消防用ホースカーは、荷台と、バッテリーが収納されているバッテリーボックスおよび制御基板が収納されているコントロールボックスを有する本体と、本体の正面に設けられている引き手と、本体の左右両側に設けられている左右一対の車輪と、一対の車輪のそれぞれに組み込まれている各電動モーターとを備える。また、この消防用ホースカーは、引き手を構成する軸の後方に接触形直線変位センサーを有し、アシスト走行時に引き手に加わる引張力によって当該軸が移動する距離の変化量を当該センサーにより検出・出力させ、その出力データに基づいて電動モーターの駆動力を調整できる。さらに、この消防用ホースカーは、当該軸が回転するのを抑制する軸回転規制具を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-42426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように特許文献1に開示された消防用ホースカーでは、引き手を構成する軸は一軸であるので、引き手の回転方向のがたつきを抑制すべく軸回転規制具が別途設けられているが、引き手の左右方向の横剛性を大きくするための構成につき何ら開示されていない。
【0005】
それゆえにこの発明の主たる目的は、ハンドル部のがたつきを抑制するとともに左右方向の横剛性を大きくし操作性を向上できる、電動アシスト台車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、荷台と、荷台に設けられる一対の車輪と、一対の車輪の駆動をアシストするための電動機と、荷台を牽引するために荷台の前方に設けられるハンドル部と、ハンドル部に伴って荷台に対して前後方向に往復動可能な一対のスライド軸を含み、ハンドル部と荷台とを連結する連結部材と、一対のスライド軸を後方に付勢するために一対のスライド軸の間に設けられる弾性部材と、一対のスライド軸のストローク量を検出するストロークセンサと、ストロークセンサの検出結果に基づいて電動機によるアシスト量を制御する制御部とを備える、電動アシスト台車が提供される。
【0007】
この発明では、スライド軸を2軸化することによって、ハンドル部の回転方向のがたつきを抑制できかつ左右方向の横剛性が大きくなり、ハンドル部の操作性を向上できる。また、一対のスライド軸の間に弾性部材を配置することによって、一対のスライド軸の前端から弾性部材の後端までの前後長をコンパクトにでき、一対のスライド軸および弾性部材を荷台側に寄せることができるので、一対のスライド軸の前方の操縦空間が広がり、操作性を向上できる。
【0008】
好ましくは、連結部材は、ハンドル部と荷台とを揺動可能に連結し、一対のスライド軸と弾性部材とは側面視で重なる。この場合、ハンドル部を荷台に対して揺動させて折り畳んだときに、一対のスライド軸および弾性部材が荷台の上方にさほど出っ張らず、コンパクトに折り畳むことができる。
【0009】
また好ましくは、当該電動アシスト台車は、一対のスライド軸の往復動を減衰させるダンパをさらに含む。この場合、ハンドル部を押し引きしても、ダンパによって、一対のスライド軸ひいてはハンドル部の不本意な往復動を減衰できる。
【0010】
さらに好ましくは、ストロークセンサとダンパとは、一対のスライド軸の下方に設けられる。この場合、ストロークセンサおよびダンパは一対のスライド軸の上方に位置しないので、上方からの負荷を受けにくい。したがって、上方からの負荷に対してストロークセンサおよびダンパの損傷を抑制できる。
【0011】
好ましくは、当該電動アシスト台車は、ストロークセンサとダンパとの間を通るブレーキワイヤおよびハーネスをさらに含む。この場合、ブレーキワイヤおよびハーネスを、ハンドル部の前部からハンドル部に沿って後方に延びかつ荷台に沿って下方に延びるように配索でき、曲率半径を大きくできるので、配策時にブレーキワイヤおよびハーネスを曲げようとする応力を抑制できる。また、ブレーキワイヤおよびハーネスを、ハンドル部、連結部材および荷台に沿って配索できるので、運行時や操作時にブレーキワイヤやハーネスに引っ掛かる等の作業に支障をきたす弊害を抑制できる。
【0012】
この発明に係る電動アシスト台車は、荷台に消火用のホースを積載できるホースカーに好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、ハンドル部のがたつきを抑制するとともに左右方向の横剛性を大きくし操作性を向上できる、電動アシスト台車が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の一実施形態に係る電動アシスト台車を示す側面図である。
図2図1の電動アシスト台車を示す平面図である。
図3図1の電動アシスト台車を示す正面図である。
図4図1の電動アシスト台車を示す背面図である。
図5】ハンドル部の前部の近傍を示す側面図である。
図6】ハンドル部の後部の近傍を示す側面図である。
図7】ハンドル部の前部の近傍を示す平面図である。
図8】ハンドル部の後部の近傍を示す平面図である。
図9】連結部材の近傍の概略を示す分解斜視図である。
図10】連結部材の近傍の概略を示す斜視図である。
図11】(a)はハウジング、ステアリングセットおよび一対のスライド軸の近傍を示すA-A線断面図であり、(b)はハウジングおよびステアリングセットを示す一部省略正面図である。
図12】ストロークセンサの近傍を示すB-B線断面図であり、
図13】ダンパの近傍を示すC-C線断面図である。
図14】この発明の他の実施形態に係る連結部材の要部の近傍を示す側面図である。
図15図14の連結部材の要部の近傍を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。図中において、「Fr」は前方を示し、「Rr」は後方を示し、「R」は右方を示し、「L」は左方を示し、「U」は上方を示し、「Lo」は下方を示す。
【0016】
図1図4を参照して、この発明の一実施形態に係る電動アシスト台車10は、ホースカーであり、直方体状の荷台12を含む。荷台12には、消火用のホース(図示せず)を積載できる。荷台12は、底板14と、一対の側枠16a,16bと、前枠18と、後カバー20と、上枠22とを含む。後カバー20および上枠22は、開閉可能に設けられる。これにより、荷台12の後部および上部からホースを取り出すことが可能となる。
【0017】
荷台12には、一対の車輪24a,24bが設けられる。一対の車輪24a,24bは、一対の車軸26a,26bを介して荷台12に取り付けられる。一対の車輪24a,24bは、荷台12の前後方向の略中央部において荷台12を挟むように車幅方向に間隔をあけて設けられる。
【0018】
荷台12の下方には、一対の車輪24a,24bの駆動をアシストするための一対の電動機28a,28bが設けられる。電動機28a,28bはそれぞれ、車軸26a,26bと同軸上に設けられかつ車軸26a,26bに接続される。
【0019】
荷台12の中央部の下方には、複数のバッテリ30および電装ボックス32が設けられる。複数のバッテリ30は、電動機28a,28bの間において、前後方向に並ぶように配置される。電装ボックス32は、バッテリ30の前方に配置され、制御部34を含む。制御部34は、ストロークセンサ112(後述)の検出結果に基づいて電動機28a,28bによるアシスト量を制御する。したがって、ハンドル部42(後述)の押し引きだけで電動アシストが可能となる。
【0020】
荷台12の下方前部には、スタンド36が設けられる。使用者がハンドル部42を手放して電動アシスト台車10から離れているとき、一対の車輪24a,24bとスタンド36とによって、電動アシスト台車10が地面上で支持される。また、荷台12の下方かつ一対の車輪24a,24bの前方には、一対のタイヤガード38a,38bが設けられる。さらに、荷台12の前面の右上方には、スイッチボックス40が取り付けられる。
【0021】
図5図8をも参照して、荷台12を牽引するために荷台12の前方にはハンドル部42が設けられる。ハンドル部42は、略T字状に形成されるハンドル本体44と、ハンドル本体44の前部の幅方向両端部に取り付けられる一対のグリップ46a,46bと、ハンドル本体44の後端部に設けられるフランジ部48とを含む。ハンドル本体44における左方のグリップ46a近傍には、パーキング・ブレーキ用のレバー50およびモード切替スイッチ52が取り付けられる。レバー50からはブレーキワイヤ54およびブレーキスイッチ用リード線を含むハーネス56が引き出され、モード切替スイッチ52からはモード切替用リード線を含むハーネス58が引き出される。ブレーキワイヤ54およびハーネス56,58は、ハンドル部42に沿って後方に配策される。
【0022】
ハンドル部42と荷台12とは、連結部材60によって連結される。図9図11を参照して、連結部材60は、ハウジング62と、ステアリングセット64と、一対のスライド軸66a,66bと、接続部68とを含む。
【0023】
ハウジング62は、断面略H字状に形成され、前後方向に延びる2つの筒状部70a,70bを含む。筒状部70a,70bはそれぞれ、貫通孔72a,72bを有する。各貫通孔72a,72bには、たとえば無給油ブッシュからなる軸受74、クリップ76、ダストシール78、サークリップ80およびダストシール82が組み込まれる。クリップ76によって軸受74の位置が固定され、サークリップ80によってダストシール78の位置が固定される。
【0024】
ステアリングセット64は、筐体状のカバー部84と、カバー部84から後方に延びる一対のフレーム部86a,86bとを含む。カバー部84の前部には、2つの貫通孔88a,88bが形成される。
【0025】
貫通孔88a,88bに筒状部70a,70bの後部が挿入されてハウジング62の後部がカバー部84によって覆われた状態で、ステアリングセット64にハウジング62が組み付けられる。このとき、ハウジング62の四隅がボルト90とナット92とによってカバー部84の前部に固定される。また、ハウジング62の後部には、カバー部84の前部を挟んだ状態で、断面円形の位置決め部材94が固定される。位置決め部材94は、筒状部70a,70bのそれぞれの後部の間に設けられる。
【0026】
このようなハウジング62の貫通孔72a,72bには、一対のスライド軸66a,66bが挿通される。貫通孔72a,72bとスライド軸66a,66bとの間には軸受74が介挿されているので、一対のスライド軸66a,66bは、ハウジング62に対して摺動可能となる。カバー部84内において、一対のスライド軸66a,66b間に、弾性部材としてスプリング96が配置される。一対のスライド軸66a,66bとスプリング96とは側面視で重なる。スプリング96は、位置決め部材94に嵌められ、ハウジング62と端部プレート98とによって前後方向に挟まれる。端部プレート98の左右両端部は、スライド軸66a,66bの後端部にボルト100によって固定される。このとき、ハウジング62の円筒部70a,70bの後端部と端部プレート98との間にはワッシャ102が介挿され、端部プレート98とボルト100との間にはワッシャ104が介挿される。スプリング96によって、一対のスライド軸66a,66bが後方に付勢される。
【0027】
このような一対のスライド軸66a,66bの前端部は、ハンドル部42のフランジ部48にボルト106によって取り付けられる。これにより、一対のスライド軸66a,66bは、ハンドル部42の押し引きに伴って荷台12に対して前後方向に往復動可能となる。このとき、フランジ部48とボルト106との間にはワッシャ108が介挿され、フランジ部48とハウジング62との間にはワッシャ110が介挿される。
【0028】
接続部68は、荷台12の前部上方に取り付けられる。接続部68には、ステアリングセット64の一対のフレーム部86a,86bの後端部が、揺動自在に取り付けられる。すなわち、連結部材60は、ハンドル部42と荷台12とを矢印Pで示す前後方向(縦方向)に揺動可能に連結する(図1参照)。したがって、ハンドル部42を荷台12に対して揺動させて折り畳むことができ、その状態で、電動アシスト台車10を消防車に乗せることができる。
【0029】
図6および図8を参照して、一対のスライド軸66a,66bの下方には、ストロークセンサ112およびダンパ114が左右に並置されかつ前後方向に延びるように設けられる。図12および図13をも参照して、ストロークセンサ112は、ハンドル部42のフランジ部48にブラケット116を介して接続され、かつステアリングセット64のカバー部84にブラケット118を介して接続される。ダンパ114は、ハンドル部42のハンドル本体44にブラケット120を介して接続され、かつステアリングセット64のカバー部84にブラケット122を介して接続される。したがって、ストロークセンサ112およびダンパ114は、ハンドル部42ひいては一対のスライド軸66a,66bの前後方向の往復動に連動して、前後方向に往復動できる。この実施形態では、スライド軸66a,66b、ストロークセンサ112およびダンパ114はいずれも、ストロークS分往復動できる(図8および図11参照)。ストロークセンサ112によって、一対のスライド軸66a,66bのストローク量を検出でき、ダンパ114によって、一対のスライド軸66a,66bの往復動を減衰させることができる。
【0030】
また、ストロークセンサ112からストロークセンサリード線を含むハーネス124が引き出される。ハーネス56,58および124の後端部は、ワイヤリードエクステンションを含むハーネス126に接続される。すなわち、ハーネス126は、三股構造を有し、サブリード線128a,128b,128cを含み、サブリード線128a,128b,128cがそれぞれ、ハーネス56,58および124に接続される。そして、ブレーキワイヤ54およびハーネス124,126が、ストロークセンサ112とダンパ114との間を通って後方に延び、ブレーキワイヤ54およびハーネス126が荷台12に沿って配策される。
【0031】
さらに、ハウジング62、ステアリングセット64のカバー部84、一対のスライド軸66a,66b、ストロークセンサ112、およびダンパ114の大部分等は、上カバー130aおよび下カバー130bによって覆われる。
【0032】
電動アシスト台車10によれば、2つのスライド軸66a,66bを用いてスライド軸を2軸化し、2軸スライド構造とすることによって、ハンドル部42の回転方向のがたつきを抑制できかつ左右方向の横剛性が大きくなり、ハンドル部42の操作性を向上できる。また、一対のスライド軸66a,66bの間に弾性部材であるスプリング96を配置することによって、一対のスライド軸66a,66bの前端からスプリング96の後端までの前後長をコンパクトにでき、一対のスライド軸66a,66bおよびスプリング96を荷台12側に寄せることができるので、一対のスライド軸66a,66bの前方の操縦空間が広がり、操作性を向上できる。
【0033】
一対のスライド軸66a,66bとスプリング96とは側面視で重なるので、ハンドル部42を荷台12に対して揺動させて折り畳んだときに、一対のスライド軸66a,66bおよびスプリング96が荷台12の上方にさほど出っ張らず、コンパクトに折り畳むことができる。
【0034】
ハンドル部42を押し引きしても、ダンパ114によって、一対のスライド軸66a,66bひいてはハンドル部42の不本意な往復動を減衰できる。
【0035】
ストロークセンサ112およびダンパ114は一対のスライド軸66a,66bの上方に位置しないので、上方からの負荷を受けにくい。したがって、上方からの負荷に対してストロークセンサ112およびダンパ114の損傷を抑制できる。
【0036】
ブレーキワイヤ54およびハーネス56,58がハンドル部42の前部からハンドル部42に沿って後方に延び、ブレーキワイヤ54およびハーネス124,126がストロークセンサ112とダンパ114との間を通り、ブレーキワイヤ54およびハーネス126が荷台12に沿って下方に延びるように配索でき、曲率半径を大きくできるので、配策時にブレーキワイヤ54およびハーネス56,58,124,126を曲げようとする応力を抑制できる。また、ブレーキワイヤ54およびハーネス56,58,124,126を、ハンドル部42、連結部材60および荷台12に沿って配索できるので、運行時や操作時にブレーキワイヤ54やハーネス56,58,124,126に引っ掛かる等の作業に支障をきたす弊害を抑制できる。
【0037】
電動アシスト台車10は、荷台12に消火用のホースを積載できるホースカーに好適に用いることができる。
【0038】
また、図14および図15に示す実施形態のように、2つのハウジング62を用い、ステアリングセット64に代えてステアリングセット132を用い、一対のスライド軸66a,66bに代えて一対のスライド軸134a,134bを用いてもよい。2つのハウジング62は前後方向に並べられる。ステアリングセット132は、カバー部84より小さいカバー部136と、カバー部136から後方に延びる一対のフレーム部138a,138bとを含む。スライド軸134a,134bはそれぞれ、スライド軸66a,66bより長く、2つのハウジング62に挿通され、2つの軸受74によって支持される。その他の構成については上述の連結部材60と略同様であるので、各構成部材に同様の符号を付することで、その重複する説明は省略する。
【0039】
なお、この発明は、ホースカーに限定されず、任意の電動アシスト台車に適用できる。
【符号の説明】
【0040】
10 電動アシスト台車
12 荷台
24a,24b 車輪
28a,28b 電動機
34 制御部
42 ハンドル部
54 ブレーキワイヤ
56,58,124,126 ハーネス
60 連結部材
62 ハウジング
64,132 ステアリングセット
66a,66b,134a,134b スライド軸
68 接続部
96 スプリング
112 ストロークセンサ
114 ダンパ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15