(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068559
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】情報処理システム、コンピュータプログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0202 20230101AFI20240513BHJP
【FI】
G06Q30/02 310
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179099
(22)【出願日】2022-11-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】394025924
【氏名又は名称】株式会社博報堂
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】奥井 環
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB04
5L049BB04
(57)【要約】
【課題】商品の陳列及び販売促進活動の少なくとも一方に関する特徴を、比較的収集が容易な情報に基づいて判別可能な技術を提供する。
【解決手段】対象店舗群のうちの、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗への訪問を通じて又はカメラによる対応する店舗内の撮影を通じて収集された商品の陳列及び販売促進活動の少なくとも一方に関する第一の特徴を説明する第一のデータが取得される(S120)。対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の第二の特徴を説明する第二のデータが更に取得される(S110)。対象店舗群のうちの、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における第一の特徴が、第一のデータ及び第二のデータに基づいて推定される(S130-160)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象店舗群のうちの、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗への訪問を通じて又はカメラによる前記対応する店舗内の撮影を通じて収集された商品の陳列及び販売促進活動の少なくとも一方に関する第一の特徴を説明する第一のデータを取得する第一の取得部と、
前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の第二の特徴を説明する第二のデータを取得する第二の取得部と、
前記対象店舗群のうちの、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記第一の特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する推定部と、
を備え、
前記第二の特徴は、前記第一の特徴との間に相関を有する特徴であって、対応する店舗の、商品の販売活動計画、販売環境、及び、業績の少なくとも一つによって説明される特徴である情報処理システム。
【請求項2】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で行われた商品の陳列に関する特徴を説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列に関する特徴を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で行われた前記商品の陳列に関する特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記推定部は、前記第一のデータ及び前記第二のデータから判別される前記第一の店舗群についての前記第一の特徴の確率分布に基づき、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で行われた前記商品の陳列に関する特徴を推定する請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置である第一の陳列位置を説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列位置である第二の陳列位置を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の前記商品の陳列位置を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記推定部は、前記第一のデータ及び前記第二のデータから判別される前記第一の店舗群についての前記第一の陳列位置の確率分布に基づき、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の前記商品の陳列位置を推定する請求項4記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の陳列量を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記商品の陳列量を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の前記業績として前記商品の販売成績を説明する請求項6記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置である第一の陳列位置を更に説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列位置である第二の陳列位置を更に説明し、
前記推定部は、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づき、前記販売成績及び前記第一の陳列位置の組み合わせに対する前記陳列量の推定モデルである第一のモデル、及び、前記販売成績に対する前記第一の陳列位置の推定モデルである第二のモデルを構築し、
前記第一のモデル及び第二のモデルを用いて、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記販売成績に基づいて、前記陳列量を推定する請求項7記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記陳列量は、商品のフェース数である請求項6記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の欠品に関する特徴を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記商品の欠品に関する特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の前記業績として前記商品の販売成績を説明する請求項10記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置である第一の陳列位置を更に説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列位置である第二の陳列位置を更に説明し、
前記推定部は、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づき、前記販売成績及び前記第一の陳列位置の組み合わせに対する前記欠品に関する特徴の推定モデルである第一のモデル、及び、前記販売成績に対する前記第一の陳列位置の推定モデルである第二のモデルを構築し、
前記第一のモデル及び第二のモデルを用いて、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記販売成績に基づいて、前記欠品に関する特徴を推定する請求項11記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の販売促進活動に関する特徴を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記商品の販売促進活動に関する特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の前記業績として前記商品の販売成績を説明する請求項13記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における複数の商品ブランドの販売促進活動に関する特徴を説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の前記業績として前記複数の商品ブランドに関する商品ブランド別の販売成績を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記複数の商品ブランドの販売促進活動に関する特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項16】
請求項1~請求項15のいずれか一項記載の情報処理システムにおける前記第一の取得部と、前記第二の取得部と、前記推定部としての機能を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項17】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
対象店舗群のうちの、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗への訪問を通じて又はカメラによる前記対応する店舗内の撮影を通じて収集された商品の陳列及び販売促進活動の少なくとも一方に関する第一の特徴を説明する第一のデータを取得することと、
前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の第二の特徴を説明する第二のデータを取得することと、
前記対象店舗群のうちの、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記第一の特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定することと、
を含み、
前記第二の特徴は、前記第一の特徴との間に相関を有する特徴であって、対応する店舗の、商品の販売活動計画、販売環境、及び、業績の少なくとも一つによって説明される特徴である情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、コンピュータプログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の販売に関する施策検討のために、商品棚の撮影画像データから取得される複数店舗分の商品棚情報(商品コード、段数、フェース数等)を集計して、商品棚に対象商品が配置された位置の度数を導出するシステムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
適切な施策検討のためには、多くの店舗を調査するのが好ましい。しかしながら、多くの店舗を、調査員の店舗訪問によって調査する手法は、人員の確保やコストの観点から実質的に採用することができない場合がある。人員に代えて、カメラを用いた店舗内の撮影により、店舗を調査する手法でさえも、カメラの設置に関するコストが大きい理由で、その手法を採用することができない場合がある。
【0005】
そこで、本開示の一側面によれば、複数の店舗における商品の陳列及び販売促進活動の少なくとも一方に関する特徴を、比較的収集が容易な情報に基づいて判別可能な技術を提供できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面によれば、情報処理システムが提供される。情報処理システムは、第一の取得部と、第二の取得部と、推定部とを備える。第一の取得部は、第一のデータを取得する。第一のデータは、対象店舗群のうちの、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗への訪問を通じて又はカメラによる対応する店舗内の撮影を通じて収集された商品の陳列及び販売促進活動の少なくとも一方に関する第一の特徴を説明する。
【0007】
第二の取得部は、第二のデータを取得する。第二のデータは、対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の第二の特徴を説明する。推定部は、対象店舗群のうちの、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における第一の特徴を、第一のデータ及び第二のデータに基づいて推定する。
【0008】
第二の特徴は、第一の特徴との間に相関を有する特徴であって、対応する店舗の、商品の販売活動計画、販売環境、及び、業績の少なくとも一つによって説明される特徴であり得る。
【0009】
対象店舗群の第二の特徴と、訪問によって又はカメラを用いて得られた対象店舗群のうちの第一の店舗群の第一の特徴と、に基づいて、第二の店舗群の第一の特徴を推定する情報処理システムによれば、情報収集が容易な第二の特徴を根拠に、推定によって、第二の店舗群の第一の特徴を判別可能である。
【0010】
従って、本開示の一側面によれば、複数の店舗における商品の陳列及び販売促進活動の少なくとも一方に関する特徴を、比較的収集が容易な情報に基づいて判別可能な情報処理システムを提供することができる。
【0011】
本開示の一側面によれば、第一のデータは、第一の特徴として、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で行われた商品の陳列に関する特徴を説明し得る。第二のデータは、第二の特徴として、対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列に関する特徴を説明し得る。推定部は、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で行われた商品の陳列に関する特徴を、第一のデータ及び第二のデータに基づいて推定し得る。
【0012】
計画された陳列に関する特徴と、行われた陳列に関する特徴と、の間には相関がある。計画情報は、訪問やカメラによる情報収集が不要な情報である。従って、計画に基づいて、実際の陳列に関する特徴を推定するシステムによれば、複数の店舗における商品の陳列に関する特徴を、比較的収集が容易な情報に基づいて判別可能である。
【0013】
本開示の一側面によれば、推定部は、第一のデータ及び第二のデータから判別される第一の店舗群についての第一の特徴の確率分布に基づき、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で行われた商品の陳列に関する特徴を推定してもよい。
【0014】
確率分布に基づく推定によれば、第一の店舗群に関する情報を統計的に有意義に活用して、第二の店舗群に関する特徴を精度よく推定することができる。
【0015】
本開示の一側面によれば、第一のデータは、第一の特徴として、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置である第一の陳列位置を説明し得る。第二のデータは、第二の特徴として、対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列位置である第二の陳列位置を説明し得る。推定部は、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置を、第一のデータ及び第二のデータに基づいて推定し得る。
【0016】
本開示の一側面によれば、推定部は、第一のデータ及び第二のデータから判別される第一の店舗群についての第一の陳列位置の確率分布に基づき、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置を推定し得る。
【0017】
この推定によって、第二の店舗群における商品の陳列位置を、第二の店舗群に対する訪問やカメラによる情報収集によらずに判別することができる。従って、本開示の一側面によれば、複数の店舗における商品の陳列位置を、比較的収集が容易な情報に基づいて判別可能な情報処理システムを提供することができる。
【0018】
本開示の一側面によれば、第一のデータは、第一の特徴として、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の陳列量を説明し得る。推定部は、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の陳列量を、第一のデータ及び第二のデータに基づいて推定し得る。この推定によれば、第二の店舗群における商品の陳列量を、第二の店舗群に対する訪問やカメラによる情報収集によらずに判別することができる。
【0019】
本開示の一側面によれば、第二のデータは、第二の特徴として、対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の業績として商品の販売成績を説明し得る。陳列量と相関が高く、入手が容易な販売成績を活用することによって、低負荷で第二の店舗群における陳列量の情報を得ることが可能である。
【0020】
本開示の一側面によれば、第一のデータは、第一の特徴として、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置である第一の陳列位置を、商品の陳列量に加えて更に説明し得る。第二のデータは、第二の特徴として、対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列位置である第二の陳列位置を、商品の販売成績に加えて更に説明し得る。
【0021】
推定部は、第一のデータ及び第二のデータに基づき、第一のモデル、及び、第二のモデルを構築してもよい。第一のモデルは、販売成績及び第一の陳列位置の組み合わせに対する陳列量の推定モデルであり得る。第二のモデルは、販売成績に対する第一の陳列位置の推定モデルであり得る。
【0022】
推定部は、第一のモデル及び第二のモデルを用いて、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における販売成績に基づいて、陳列量を推定し得る。こうした推定によれば、精度よく陳列量を推定することが可能である。本開示の一側面によれば、上述の陳列量は、商品のフェース数であり得る。
【0023】
本開示の一側面によれば、第一のデータは、第一の特徴として、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の欠品に関する特徴を説明し得る。推定部は、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の欠品に関する特徴を、第一のデータ及び第二のデータに基づいて推定し得る。この推定によれば、第二の店舗群における商品の欠品に関する特徴を、第二の店舗群に対する訪問やカメラによる情報収集によらずに判別することができる。
【0024】
本開示の一側面によれば、第一のデータは、第一の特徴として、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置である第一の陳列位置を、欠品に関する特徴に加えて更に説明し得る。第二のデータは、第二の特徴として、対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列位置である第二の陳列位置を、商品の販売実績に加えて更に説明し得る。
【0025】
推定部は、第一のデータ及び第二のデータに基づき、販売成績及び第一の陳列位置の組み合わせに対する欠品に関する特徴の推定モデルである第一のモデル、及び、販売成績に対する第一の陳列位置の推定モデルである第二のモデルを構築し得る。
【0026】
推定部は、第一のモデル及び第二のモデルを用いて、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における販売成績に基づいて、欠品に関する特徴を推定し得る。こうした推定によれば、精度よく欠品に関する特徴を推定することが可能である。
【0027】
本開示の一側面によれば、第一のデータは、第一の特徴として、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の販売促進活動に関する特徴を説明し得る。推定部は、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の販売促進活動に関する特徴を、第一のデータ及び第二のデータに基づいて推定し得る。この推定によって、第二の店舗群における販売促進活動に関する特徴を、第二の店舗群に対する訪問やカメラによる情報収集によらずに判別することができる。
【0028】
本開示の一側面によれば、第一のデータは、第一の特徴として、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における複数の商品ブランドの販売促進活動に関する特徴を説明し得る。第二のデータは、第二の特徴として、対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の業績として複数の商品ブランドに関する商品ブランド別の販売成績を説明し得る。推定部は、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における複数の商品ブランドの販売促進活動に関する特徴を、第一のデータ及び第二のデータに基づいて推定し得る。
【0029】
本開示の一側面によれば、上述した情報処理システムにおける第一の取得部と、第二の取得部と、推定部としての機能を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムが提供されてもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な一時的でない記録媒体に記録され得る。
【0030】
本開示の一側面によれば、情報処理方法が提供されてもよい。情報処理方法は、コンピュータに実行される方法であり得る。情報処理方法は、第一のデータを取得することと、第二のデータを取得することと、を含み得る。
【0031】
第一のデータは、対象店舗群のうちの、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗への訪問を通じて又はカメラによる対応する店舗内の撮影を通じて収集された商品の陳列及び販売促進活動の少なくとも一方に関する第一の特徴を説明するデータであり得る。
【0032】
第二のデータは、対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の第二の特徴を説明するデータであり得る。第二の特徴は、第一の特徴との間に相関を有する特徴であって、対応する店舗の、商品の販売活動計画、販売環境、及び、業績の少なくとも一つによって説明される特徴であり得る。
【0033】
情報処理方法は更に、対象店舗群のうちの、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における第一の特徴を、第一のデータ及び第二のデータに基づいて推定することを含み得る。こうした情報処理方法によれば、上述した情報処理システムと同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】情報処理システムの構成を表すブロック図である。
【
図2】店舗関連データ、調査報告データ、及び推定データの構成を表す図である。
【
図3】プロセッサが実行する分析処理を表すフローチャートである。
【
図4】プロセッサが実行する陳列位置推定処理を表すフローチャートである。
【
図5】陳列位置の推定モデルに関する概念図である。
【
図6】プロセッサが実行するフェース数推定処理を表すフローチャートである。
【
図7】フェース数の推定モデルに関する概念図である。
【
図8】プロセッサが実行する欠品推定処理を表すフローチャートである。
【
図9】欠品確率の推定モデルに関する概念図である。
【
図10】プロセッサが実行する販促推定処理を表すフローチャートである。
【
図11】販促ツール設置確率の推定モデルに関する概念図である。
【
図12】カメラを用いた店舗調査に関する変形例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に本開示の例示的実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の情報処理システム1は、汎用のコンピュータシステムに、本実施形態に特有のコンピュータプログラムがインストールされることにより構成される。
図1に示す情報処理システム1は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、ディスプレイ15と、入力デバイス17と、メディアリーダ/ライタ18と、通信デバイス19とを備える。
【0036】
プロセッサ11は、ストレージ13が記憶するコンピュータプログラムに従う処理を実行するように構成される。メモリ12は、RAMを含む。メモリ12は、プロセッサ11がコンピュータプログラムに従う処理を実行する際、作業領域として使用される。メモリ12は、ストレージ13から読み出されたコンピュータプログラム及びデータを一時記憶する。
【0037】
ストレージ13は、コンピュータプログラム及び各種データを格納する。ストレージ13に格納されるコンピュータプログラムの一つには、複数の店舗の訪問調査により得られた商品陳列に関する情報から、未調査店舗における商品陳列に関する情報を、欠損補完により得るためのコンピュータプログラムが含まれる。ストレージ13の例には、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブが含まれる。
【0038】
ディスプレイ15は、ユーザに向けて各種情報を表示するように構成される。ディスプレイ15は、例えば液晶ディスプレイである。入力デバイス17は、ユーザからの操作信号をプロセッサ11に入力するように構成される。入力デバイス17は、ユーザが操作可能なキーボード及びポインティングデバイスを備える。
【0039】
メディアリーダ/ライタ18は、メモリカードなどの記録メディアに記録された情報を読取可能、及び、記録メディアに新規情報を書込可能に構成される。通信デバイス19は、プロセッサ11により制御されて、ローカルエリアネットワーク内の、及び/又は、広域ネットワーク内の外部装置と通信するように構成される。
【0040】
上述のように、本実施形態の情報処理システム1は、コンピュータプログラムに基づく処理の実行を通じて、未調査店舗における商品陳列に関する情報を、欠損補完により生成するように構成される。これにより、情報処理システム1は、調査店舗及び未調査店舗を含む複数の対象店舗における商品陳列を説明するデータベースを生成するように構成される。
【0041】
以下では、このデータベースの生成のために、予め準備されるデータ、及び、プロセッサ11が実行する分析処理の詳細を説明する。
【0042】
本実施形態によれば、分析処理の実行に先駆けて、複数の対象店舗に関し、店舗毎に、対応する店舗の基本データ、対応する店舗の売上データ、及び、対応する店舗の計画データが準備される(
図2参照)。
【0043】
複数の対象店舗は、調査店舗の一群及び未調査店舗の一群を含む店舗の一群である。調査店舗は、調査員による訪問調査を通じて商品陳列に関する情報が収集される店舗である。すなわち、調査店舗は、商品陳列に関する情報が、店舗内の観察により収集される店舗である。
【0044】
これに対して、未調査店舗は、複数の対象店舗のうち、調査店舗以外の店舗である。具体的に、未調査店舗は、店舗内の観察を通じた調査が行われず、欠損補完により、商品陳列に関する情報が生成される店舗である。
【0045】
以下では、説明を簡単に説明するために、調査が、調査員による店舗の訪問を通じた店舗内の視覚的な観察により実現される例を説明する。しかしながら、調査は、店舗内を撮影するカメラ30を用いて実現されてもよい。カメラ30を用いた調査の例は、変形例として
図12を用いながら後述する。
【0046】
各店舗の基本データは、対応する店舗の属性として、対応する店舗の規模及び立地を説明する。規模は、例えば、売り場面積を指標に定義される。立地は、例えば、店舗周辺の人口密度及び交通機関の有無等を指標に定義される。
【0047】
各店舗の売上データは、対応する店舗の購買活動に関するトランザクションデータを含む。トランザクションデータの例には、POS(Point of sale)システムを通じて蓄積されたPOSデータが含まれる。例えば、情報処理システム1は、各店舗の売上データを、対応する店舗のPOSシステムから、通信ネットワークを通じて収集し、ストレージ13に記録することができる。
【0048】
各店舗の計画データは、対応する店舗における商品の販売活動に関する計画である販売活動計画を説明する。以下では、販売活動計画のことを、単に販売計画と表現する。販売計画は、商品の陳列計画を含む。例えば、計画データは、対応する店舗に採用された棚割りパターンの識別情報、及び、複数の商品に関して各商品の商品棚における計画上の陳列位置を表す情報を含む。
【0049】
商品の陳列位置は、例えば、商品棚を縦方向及び横方向にメッシュ状に区切って定義される複数の区画のうち、対応する商品が陳列される区画の位置を表す。別例によれば、陳列位置は、縦方向の位置を、商品棚において商品が置かれる段の番号で表し、横方向の位置を、対応する段の端から商品が置かれる地点までのフェース数で表した位置であり得る。
【0050】
各店舗の計画データは、例えば、対応する店舗から通信ネットワークを通じて提供され、ストレージ13に記録され得る。別例によれば、各店舗の計画データは、複数の対象店舗の販売計画をまとめて策定する分析依頼主から提供され、ストレージ13に記録され得る。
【0051】
ストレージ13には、
図2に示すように、複数の対象店舗に関して店舗毎に、対応する店舗のIDに関連付けて、基本データ、売上データ、及び計画データを含む店舗関連データが、分析処理実行前の準備データとして記録される。
【0052】
各店舗の店舗関連データは、対応する店舗が調査店舗及び未調査店舗のいずれかであるかを表す調査/未調査店舗識別データを更に有することができる。更にストレージ13には、調査店舗毎に、対応する店舗の調査報告データが、店舗のIDに関連付けて記録される。
【0053】
調査報告データは、少なくとも一つの注目商品に関し、商品毎に、訪問調査で観測された、対応する商品の実際の陳列位置である実陳列位置、対応する商品の商品棚におけるフェース数、及び、対応する商品の欠品の有無を表す情報を含む。調査報告データは更に、注目商品に関連する複数の販売促進ツールの設置有無を表す情報を含む。
【0054】
注目商品は、特定企業が有する特定ブランドの商品であり得る。特定企業は、分析依頼主に対応し得る。調査報告データは、複数の販売促進ツールの設置有無を表す情報として、特定企業のブランド、及び、関連する他社ブランドの販売促進ツールの設置有無を表す情報を含む。
【0055】
このように調査報告データは、各調査店舗における注目商品の「実陳列位置」「フェース数」及び「欠品の有無」を表す情報、更には、注目商品の商品ブランドに関連する「販売促進ツールの設置有無」を表す情報を備える。
【0056】
ユーザは、未調査店舗に関して、調査店舗の調査報告データが有する情報と同等の情報を得るために、
図3に示す分析処理の実行を、入力デバイス17を通じてプロセッサ11に指令する。
【0057】
プロセッサ11は、入力デバイス17を通じた指令入力により
図3に示す分析処理を開始すると、複数の対象店舗に関して、店舗毎に、店舗関連データをストレージ13から読み出す(S110)。更に、プロセッサ11は、店舗関連データから判別される複数の調査店舗に関して、店舗毎に、調査報告データをストレージ13から読み出す(S120)。
【0058】
続くS130において、プロセッサ11は、未調査店舗の一群に関して、店舗毎に、対応する店舗における注目商品の「実陳列位置」を、調査店舗の一群に対応する調査報告データの一群及び対象店舗の一群に対応する店舗関連データの一群に基づいて推定する。
【0059】
具体的にプロセッサ11は、S130において、
図4に示す陳列位置推定処理を実行することができる。ここでは、陳列位置推定処理の説明を簡単にするために、注目商品が一つであるとの前提を置く。注目商品が複数ある場合、プロセッサ11は、商品毎に、陳列位置推定処理を実行することができる。
【0060】
陳列位置推定処理を開始すると、プロセッサ11は、調査店舗の一群に関して、店舗毎に、注目商品の陳列位置に関する確率密度関数を設定する(S131)。本実施形態における確率密度関数は、二変量正規分布を示し、二次元空間における各位置での設置確率を表現する。
【0061】
一例によれば、プロセッサ11は、店舗毎に、対応する店舗の調査報告データが示す注目商品の実陳列位置に基づき、対応する店舗での実陳列位置にピークを有する二変量正規分布を示す確率密度関数を設定することができる。この際、プロセッサ11は、店舗毎に、対応する店舗の計画データ及び調査報告データに基づき、更には、他の調査店舗の計画データ及び調査報告データに基づき、対応する店舗を含む計画上の陳列位置が同じである調査店舗群における、調査時点での実陳列位置の分散を判別し、この分散を、二変量正規分布の分散として設定する。すなわち、プロセッサ11は、計画上の陳列位置を同じくする店舗群において、そこから逸脱した店舗が多いほど、分散の大きい二変量正規分布を確率密度関数に設定する。
【0062】
この確率密度関数は、商品棚の縦に対応する次元及び横に対応する次元を有し、商品棚の各位置に商品が陳列される確率を表す。確率密度関数の設定により、S131では、計画を同じくする店舗群での陳列位置に関する推定上の確率分布が設定される。確率分布は、調査店舗ごとに算出され、その確率分布である二変量正規分布のパラメータである平均は、調査上の実陳列位置であり、二変量正規分布の分散は、計画を同じくする店舗群で共通した分散値である。
【0063】
続くS133において、プロセッサ11は、S131で設定された店舗毎の確率密度関数から判別される商品棚の各位置(具体的には各区画)に対する注目商品の設置確率と、店舗毎の注目商品の販売成績である売上と、を教師データとして用いた機械学習により、陳列位置を推定するための第一の推定モデルを構築する。一例によれば、注目商品の売上だけでなく、関連商品の売上が、教師データとして用いられてもよい。以下でいう「注目商品等」の売上は、注目商品の売上、又は、注目商品及び関連商品の売上のことを示す。注目商品と製造企業を同じくする商品のうち、店舗内で陳列された商品が、関連商品に該当する。関連商品は、注目商品の配置及び売上双方に影響し得る。
【0064】
各教師データは、対応する調査店舗における注目商品の確率密度関数に基づく商品棚の各位置(具体的には各区画)に対する注目商品の設置確率と、対応する調査店舗における注目商品等の売上と、を説明するデータである。
【0065】
第一の推定モデルは、注目商品等の売上を説明変数とし、商品棚における区画毎の注目商品の設置確率を目的変数として有する回帰モデルであり得る。
図5には、第一の推定モデルの概念図が示される。各区画は、上述した通り、商品棚を縦及び横方向にメッシュ化して定義される。回帰モデルは、例えばランダムフォレスト回帰モデルであり得る。
【0066】
続くS135において、プロセッサ11は、S133で得られた第一の推定モデルを用いて、未調査店舗の一群に関して、店舗毎に、対応する店舗における注目商品の実陳列位置を、対応する店舗における注目商品等の売上に基づいて推定する。
【0067】
プロセッサ11は、未調査店舗の一群に関して、店舗毎に、対応する店舗における注目商品等の売上を第一の推定モデルに入力し、第一の推定モデルの出力として、商品棚の各区画における注目商品の設置確率の情報を取得することができる。プロセッサ11は、店舗毎に、商品棚における設置確率が最大の区画を、注目商品の実陳列位置として推定することができる。プロセッサ11は、上記区画の中心位置を、注目商品の実陳列位置として推定することができる。
【0068】
このようにして陳列位置推定処理では、未調査店舗の一群に関し、店舗毎に、対応する店舗における注目商品等の売上に基づいて、対応する店舗における注目商品の実陳列位置を推定する。その後、プロセッサ11は、陳列位置推定処理を終了する。
【0069】
続くS140においてプロセッサ11は、未調査店舗の一群に関して、店舗毎に、対応する店舗における注目商品の「フェース数」を、調査店舗の一群に対応する調査報告データの一群及び対象店舗の一群に対応する店舗関連データの一群に基づいて推定する。
【0070】
プロセッサ11は、S140において、
図6に示すフェース数推定処理を実行することができる。陳列位置推定処理と同様に、ここでは注目商品が一つであるとの前提を置く。注目商品が複数ある場合には、プロセッサ11は、商品毎に、フェース数推定処理を実行することができる。
【0071】
フェース数推定処理を開始すると、プロセッサ11は、注目商品の商品棚におけるフェース数を推定するための第二の推定モデルを機械学習により構築するために、教師データの一群を、調査店舗の一群に対応する売上データ及び調査報告データの一群を参照して生成する(S141)。
【0072】
各教師データは、対応する調査店舗において観測された注目商品の実陳列位置と、対応する調査店舗における注目商品の売上と、対応する調査店舗において観測された注目商品のフェース数とを説明するデータである。
【0073】
続くS143において、プロセッサ11は、教師データの一群に基づいて、第二の推定モデルを構築する。第二の推定モデルは、
図7に示すように、注目商品の陳列位置及び注目商品の売上の入力に基づいて、推定される注目商品のフェース数を出力するように構成される。例えば、第二の推定モデルは、XGboostを用いた決定木モデルであり得る。第二の推定モデルは、回帰モデル又はニューラルネットワークモデルであってもよい。
【0074】
具体的に、プロセッサ11は、棚割りパターン毎に、第二の推定モデルを構築することができる。プロセッサ11は、棚割りパターン毎に、対応する棚割りパターンが採用された調査店舗の一群に対応する教師データの一群を用いた機械学習によって、対応する棚割りパターン用の推定モデルを構築することができる。各店舗の棚割りパターンは、対応する店舗に関してストレージ13が記憶する店舗関連データを参照して判別される。
【0075】
続くS145において、プロセッサ11は、未調査店舗の一群に関して、店舗毎に、S130で推定された注目商品の実陳列位置と、対応する店舗における注目商品の売上とを第二の推定モデルに入力し、推定される注目商品のフェース数の情報を、第二の推定モデルの出力として取得する。各未調査店舗におけるフェース数の推定に際しては、対応する店舗に採用された棚割りパターン用の推定モデルが使用され得る。
【0076】
このようにして、プロセッサ11は、フェース数推定処理において、未調査店舗の一群に関し、店舗毎に、注目商品の商品棚における陳列量であるフェース数を推定する。
【0077】
続くS150においてプロセッサ11は、未調査店舗の一群に関して、店舗毎に、対応する店舗における注目商品の「欠品の有無」を、調査店舗の一群に対応する調査報告データの一群及び対象店舗の一群に対応する店舗関連データの一群に基づいて推定する。
【0078】
S150において、プロセッサ11は、
図8に示す欠品推定処理を実行することができる。陳列位置推定処理と同様に、ここでは注目商品が一つであるとの前提を置く。注目商品が複数ある場合、プロセッサ11は、商品毎に欠品推定処理を実行することができる。
【0079】
欠品推定処理を開始すると、プロセッサ11は、注目商品の商品棚における欠品の有無を推定するための第三の推定モデルを、機械学習により構築するために、教師データの一群を、調査店舗の一群に対応する売上データ及び調査報告データの一群を参照して生成する(S151)。
【0080】
各教師データは、対応する調査店舗において観測された注目商品の実陳列位置と、対応する調査店舗における注目商品の売上と、対応する調査店舗において観測された注目商品の欠品の有無とを説明するデータである。
【0081】
続くS153において、プロセッサ11は、教師データの一群に基づいて第三の推定モデルを構築する。第三の推定モデルは、
図9に示すように、注目商品の陳列位置と注目商品の売上との入力に基づいて、推定される注目商品の欠品確率を出力するモデルである。具体的に、プロセッサ11は、棚割りパターン毎に、第三の推定モデルを構築することができる。
【0082】
続くS155において、プロセッサ11は、未調査店舗の一群に関して、店舗毎に、S130で推定された注目商品の実陳列位置と、対応する店舗における注目商品の売上とを第三の推定モデルに入力し、推定される推定商品の欠品確率を第三の推定モデルの出力として取得する。各未調査店舗における注目商品の欠品確率の推定に際しては、対応する店舗に採用された棚割りパターン用の推定モデルが使用され得る。
【0083】
このようにして、プロセッサ11は、欠品推定処理において、未調査店舗の一群に関し、店舗毎に、注目商品の商品棚における欠品に関する特徴である欠品確率を推定する。
【0084】
S150において「欠品の有無」として欠品確率の推定が終了すると、続くS160(
図3参照)においてプロセッサ11は、未調査店舗の一群に関して、店舗毎に、対応する店舗における「販売促進ツールの設置有無」を、調査店舗の一群に対応する調査報告データの一群及び対象店舗の一群に対応する店舗関連データの一群に基づいて推定する。
【0085】
S160において、プロセッサ11は、
図10に示す販促推定処理を実行することができる。陳列位置推定処理と同様に、ここでは注目商品が一つであるとの前提を置く。注目商品が複数ある場合、プロセッサ11は、商品毎に、販促推定処理を実行することができる。
【0086】
販促推定処理を開始すると、プロセッサ11は、販売促進ツールの設置有無を推定するための第四の推定モデルを機械学習により構築するために、教師データの一群を、調査店舗の一群に対応する売上データ及び調査報告データの一群を参照して生成する(S161)。
【0087】
各教師データは、対応する店舗における、注目商品に関連する複数の商品ブランドに関する商品ブランド別の売上と、複数の商品ブランドに関連する一以上の販売促進ツールの販売促進ツール別の設置有無と、を説明するデータである。注目商品に関連する複数の商品ブランドは、注目商品の商品ブランドと、競合する他社の一以上の商品ブランドと、を含む。
【0088】
続くS163において、プロセッサ11は、教師データの一群に基づいて第四の推定モデルを構築する。第四の推定モデルは、
図11に示すように、複数の商品ブランドに関する商品ブランド別の売上の入力に基づいて、一以上の販売促進ツールに関する販売促進ツール別の設置確率を出力するように構築される。具体的に、プロセッサ11は、棚割りパターン毎に、第四の推定モデルを構築することができる。
【0089】
続くS165において、プロセッサ11は、未調査店舗の一群に関して、店舗毎に、対応する店舗における複数の商品ブランドについての商品ブランド別の売上を、第四の推定モデルに入力し、推定される販売促進ツール別の設置確率を第四の推定モデルの出力として取得する。各未調査店舗における販売促進ツール別の設置確率の推定には、対応する店舗に採用された棚割りパターン用の推定モデルが使用され得る。
【0090】
このようにして、プロセッサ11は、販促推定処理において、未調査店舗の一群に関し、店舗毎に、販売促進ツール別の設置確率を推定する。
【0091】
その後、プロセッサ11は、各未調査店舗の、推定された注目商品の実陳列位置、フェース数、及び、欠品確率、並びに、推定された販売促進ツール毎の設置確率の情報を、調査報告データに代替する推定データとして、対応する未調査店舗の店舗関連データに関連付けるように、ストレージ13に記録する(S170)。
【0092】
S170において、プロセッサ11は、複数の対象店舗のうち、調査店舗の一群については、調査店舗毎に、対応する店舗のIDに関連付けられた店舗関連データ及び調査報告データを有し、複数の対象店舗のうち、未調査店舗の一群については、未調査店舗毎に、対応する店舗のIDに関連付けられた店舗関連データ及び推定データを有する、欠損補完されたデータベースをストレージ13に生成する。
【0093】
その後、プロセッサ11は、複数の対象店舗のそれぞれについて、商品陳列に関する情報として、注目商品の陳列位置、フェース数、及び、欠品確率、並びに、販売促進ツール毎の設置確率の情報を記した分析結果を説明する画面をディスプレイ15に表示し(S180)、分析処理を終了する。
【0094】
以上に説明したように本実施形態の情報処理システム1は、全店舗から比較的簡単に収集可能な、店舗毎の基本データ、売上データ、及び計画データと、収集負荷の高い訪問調査により得られた一部店舗の調査報告データとに基づき、各未調査店舗に関し、調査報告データと同等の商品陳列に関する情報を有する推定データを生成する。
【0095】
情報処理システム1は、この推定データを用いて、調査店舗及び未調査店舗を含む複数の店舗について、商品陳列に関する情報を記述したデータベースを生成する。すなわち、情報処理システム1は、未調査店舗に関して欠けている調査報告データを、推定データで補完して、調査店舗及び未調査店舗のそれぞれについて、商品陳列に関する情報を有するデータベースを生成する。
【0096】
従って、本実施形態によれば、複数の店舗における商品の陳列に関する特徴を記述したデータベースを、全店舗訪問調査のような高負荷な情報収集を行うことなく生成することができる。
【0097】
特に、本実施形態によれば、販売促進活動に関する特徴として、販売促進ツールの設置有無に関する情報も、全店舗訪問調査を行うことなく欠損補完により得ることができる。本実施形態によれば、計画データを活用して、確率的に実陳列位置を推定することにより、少ない情報で高精度に実陳列位置を推定することができる。従って、本実施形態の情報処理システム1によれば、商品販売の施策検討に役立つ情報を提供することができる。
【0098】
本実施形態の情報処理システム1は、確率分布を根拠に推定を行う点で有意義である。陳列状況の推定は、商品棚という物理空間上での商品や販売促進ツール等の配置に関する推定、及び、欠品などの状態空間の変化に関する推定を行う問題と捉えられることができる。このため、二次元空間上での確率分布を根拠とする推定によれば、調査店舗群に関する情報を統計的に有意義に活用して、未調査店舗群に関する特徴を精度よく推定できる。
【0099】
[その他の実施形態]
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
【0100】
例えば、上記実施形態では、調査員による店舗への訪問調査を通じて調査報告データが生成された。しかしながら、店舗内の観察による商品陳列及び販売促進活動に関する情報の収集は、カメラ30を用いた店舗内の撮影を通じて実現されてもよい。
図12に示すように、カメラ30は、店舗内に複数設置され得る。カメラ30による撮影画像が画像解析装置35により解析されて、調査報告データが生成され得る。
【0101】
全店舗にカメラ30を設置する手法では、調査報告データの収集に大きなコストがかかる。本実施形態によれば、このようなコストを抑えつつ、各店舗の商品陳列に関する情報を得ることができる。
【0102】
この他、上記実施形態では、棚割りパターン毎に第二、第三、第四の推定モデルを構築したが、これらの推定モデルは、店舗属性毎に、あるいは、棚割りパターンと店舗属性との組み合わせ毎に作成されてもよい。店舗の規模や立地は、販売環境を表す。このような販売環境を考慮して推定モデルを構築すれば、より高精度な推定を実現し得る。
【0103】
あるいは、第二、第三、及び第四の推定モデルのそれぞれは、棚割りパターン及び/又は店舗属性の入力に更に基づいて、フェース数、欠品確率、及び、販売促進ツール別設置確率を推定するように構成されてもよい。
【0104】
店舗属性等の販売環境を考慮した推定モデルの構築は、第一の推定モデルにも適用することができる。各推定モデルの入力パラメータは、推定モデルの出力パラメータとの間の相関の強さに基づいて、商品の販売活動計画、販売環境、及び、業績等の中から選択することができる。
【0105】
上記実施形態における1つの構成要素が有する機能は、複数の構成要素に分散して設けられてもよい。複数の構成要素が有する機能は、1つの構成要素に統合されてもよい。上記実施形態の構成の一部は、省略されてもよい。上記実施形態の構成の少なくとも一部は、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換されてもよい。特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【0106】
[本明細書が開示する技術思想]
本明細書には、次の技術思想が開示されていると理解することができる。
[項目1]
対象店舗群のうちの、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗への訪問を通じて又はカメラによる前記対応する店舗内の撮影を通じて収集された商品の陳列及び販売促進活動の少なくとも一方に関する第一の特徴を説明する第一のデータを取得する第一の取得部と、
前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の第二の特徴を説明する第二のデータを取得する第二の取得部と、
前記対象店舗群のうちの、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記第一の特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する推定部と、
を備え、
前記第二の特徴は、前記第一の特徴との間に相関を有する特徴であって、対応する店舗の、商品の販売活動計画、販売環境、及び、業績の少なくとも一つによって説明される特徴である情報処理システム。
[項目2]
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で行われた商品の陳列に関する特徴を説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列に関する特徴を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で行われた前記商品の陳列に関する特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する項目1記載の情報処理システム。
[項目3]
前記推定部は、前記第一のデータ及び前記第二のデータから判別される前記第一の店舗群についての前記第一の特徴の確率分布に基づき、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で行われた前記商品の陳列に関する特徴を推定する項目2記載の情報処理システム。
[項目4]
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置である第一の陳列位置を説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列位置である第二の陳列位置を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の前記商品の陳列位置を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する項目1記載の情報処理システム。
[項目5]
前記推定部は、前記第一のデータ及び前記第二のデータから判別される前記第一の店舗群についての前記第一の陳列位置の確率分布に基づき、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の前記商品の陳列位置を推定する項目4記載の情報処理システム。
[項目6]
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の陳列量を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記商品の陳列量を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する項目1~項目5のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目7]
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の前記業績として前記商品の販売成績を説明する項目6記載の情報処理システム。
[項目8]
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置である第一の陳列位置を更に説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列位置である第二の陳列位置を更に説明し、
前記推定部は、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づき、前記販売成績及び前記第一の陳列位置の組み合わせに対する前記陳列量の推定モデルである第一のモデル、及び、前記販売成績に対する前記第一の陳列位置の推定モデルである第二のモデルを構築し、
前記第一のモデル及び第二のモデルを用いて、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記販売成績に基づいて、前記陳列量を推定する項目7記載の情報処理システム。
[項目9]
前記陳列量は、商品のフェース数である項目6~項目8のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目10]
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の欠品に関する特徴を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記商品の欠品に関する特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する項目1~項目9のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目11]
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の前記業績として前記商品の販売成績を説明する項目10記載の情報処理システム。
[項目12]
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置である第一の陳列位置を更に説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列位置である第二の陳列位置を更に説明し、
前記推定部は、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づき、前記販売成績及び前記第一の陳列位置の組み合わせに対する前記欠品に関する特徴の推定モデルである第一のモデル、及び、前記販売成績に対する前記第一の陳列位置の推定モデルである第二のモデルを構築し、
前記第一のモデル及び第二のモデルを用いて、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記販売成績に基づいて、前記欠品に関する特徴を推定する項目11記載の情報処理システム。
[項目13]
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の販売促進活動に関する特徴を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記商品の販売促進活動に関する特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する項目1~項目12のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目14]
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の前記業績として前記商品の販売成績を説明する項目13記載の情報処理システム。
[項目15]
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における複数の商品ブランドの販売促進活動に関する特徴を説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の前記業績として前記複数の商品ブランドに関する商品ブランド別の販売成績を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記複数の商品ブランドの販売促進活動に関する特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する項目1~項目14のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目16]
項目1~項目15のいずれか一項記載の情報処理システムにおける前記第一の取得部と、前記第二の取得部と、前記推定部としての機能を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
[項目17]
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
対象店舗群のうちの、第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗への訪問を通じて又はカメラによる前記対応する店舗内の撮影を通じて収集された商品の陳列及び販売促進活動の少なくとも一方に関する第一の特徴を説明する第一のデータを取得することと、
前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の第二の特徴を説明する第二のデータを取得することと、
前記対象店舗群のうちの、第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記第一の特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定することと、
を含み、
前記第二の特徴は、前記第一の特徴との間に相関を有する特徴であって、対応する店舗の、商品の販売活動計画、販売環境、及び、業績の少なくとも一つによって説明される特徴である情報処理方法。
【符号の説明】
【0107】
1…情報処理システム、11…プロセッサ、12…メモリ、13…ストレージ、15…ディスプレイ、17…入力デバイス、18…メディアリーダ/ライタ、19…通信デバイス、30…カメラ、35…画像解析装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の店舗群及び前記第一の店舗群とは異なる第二の店舗群を含む対象店舗群のうちの、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗への訪問を通じて又はカメラによる前記対応する店舗内の撮影を通じて収集された商品の陳列及び販売促進活動の少なくとも一方に関する第一の特徴を説明する第一のデータを取得する第一の取得部と、
前記対象店舗群に含まれる前記第一の店舗群及び前記第二の店舗群に関して、店舗毎に、対応する店舗の第二の特徴を説明する第二のデータを取得する第二の取得部と、
前記対象店舗群のうちの前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記第一の特徴を、前記第一のデータが説明する前記第一の店舗群に属する店舗毎の前記第一の特徴、前記第二のデータが説明する前記第一の店舗群に属する店舗毎の前記第二の特徴、及び、前記第二のデータが説明する前記第二の店舗群に属する店舗毎の前記第二の特徴に基づいて推定する推定部と、
を備え、
前記第二の特徴は、前記第一の特徴との間に相関を有する特徴であって、対応する店舗の、商品の販売活動計画、販売環境、及び、業績の少なくとも一つによって説明される特徴である情報処理システム。
【請求項2】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で行われた商品の陳列に関する特徴を説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列に関する特徴を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で行われた前記商品の陳列に関する特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記推定部は、前記第一のデータ及び前記第二のデータから判別される前記第一の店舗群についての前記第一の特徴の確率分布に基づき、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で行われた前記商品の陳列に関する特徴を推定する請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置である第一の陳列位置を説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列位置である第二の陳列位置を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の前記商品の陳列位置を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記推定部は、前記第一のデータ及び前記第二のデータから判別される前記第一の店舗群についての前記第一の陳列位置の確率分布に基づき、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の前記商品の陳列位置を推定する請求項4記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の陳列量を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記商品の陳列量を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の前記業績として前記商品の販売成績を説明する請求項6記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置である第一の陳列位置を更に説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列位置である第二の陳列位置を更に説明し、
前記推定部は、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づき、前記販売成績及び前記第一の陳列位置の組み合わせに対する前記陳列量の推定モデルである第一のモデル、及び、前記販売成績に対する前記第一の陳列位置の推定モデルである第二のモデルを構築し、
前記第一のモデル及び第二のモデルを用いて、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記販売成績に基づいて、前記陳列量を推定する請求項7記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記陳列量は、商品のフェース数である請求項6記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の欠品に関する特徴を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記商品の欠品に関する特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の前記業績として前記商品の販売成績を説明する請求項10記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における実際の商品の陳列位置である第一の陳列位置を更に説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗で計画された商品の陳列位置である第二の陳列位置を更に説明し、
前記推定部は、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づき、前記販売成績及び前記第一の陳列位置の組み合わせに対する前記欠品に関する特徴の推定モデルである第一のモデル、及び、前記販売成績に対する前記第一の陳列位置の推定モデルである第二のモデルを構築し、
前記第一のモデル及び第二のモデルを用いて、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記販売成績に基づいて、前記欠品に関する特徴を推定する請求項11記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における商品の販売促進活動に関する特徴を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記商品の販売促進活動に関する特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の前記業績として前記商品の販売成績を説明する請求項13記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記第一のデータは、前記第一の特徴として、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における複数の商品ブランドの販売促進活動に関する特徴を説明し、
前記第二のデータは、前記第二の特徴として、前記対象店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗の前記業績として前記複数の商品ブランドに関する商品ブランド別の販売成績を説明し、
前記推定部は、前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記複数の商品ブランドの販売促進活動に関する特徴を、前記第一のデータ及び前記第二のデータに基づいて推定する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項16】
請求項1~請求項15のいずれか一項記載の情報処理システムにおける前記第一の取得部と、前記第二の取得部と、前記推定部としての機能を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項17】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
第一の店舗群及び前記第一の店舗群とは異なる第二の店舗群を含む対象店舗群のうちの、前記第一の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗への訪問を通じて又はカメラによる前記対応する店舗内の撮影を通じて収集された商品の陳列及び販売促進活動の少なくとも一方に関する第一の特徴を説明する第一のデータを取得することと、
前記対象店舗群に含まれる前記第一の店舗群及び前記第二の店舗群に関して、店舗毎に、対応する店舗の第二の特徴を説明する第二のデータを取得することと、
前記対象店舗群のうちの前記第二の店舗群に属する店舗毎に、対応する店舗における前記第一の特徴を、前記第一のデータが説明する前記第一の店舗群に属する店舗毎の前記第一の特徴、前記第二のデータが説明する前記第一の店舗群に属する店舗毎の前記第二の特徴、及び、前記第二のデータが説明する前記第二の店舗群に属する店舗毎の前記第二の特徴に基づいて推定することと、
を含み、
前記第二の特徴は、前記第一の特徴との間に相関を有する特徴であって、対応する店舗の、商品の販売活動計画、販売環境、及び、業績の少なくとも一つによって説明される特徴である情報処理方法。