IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図1
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図2
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図3
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図4
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図5
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図6
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図7
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図8
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図9
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図10
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図11
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図12
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図13
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図14
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図15
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図16
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図17
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図18
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図19
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図20
  • 特開-用紙排出装置および画像形成装置 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068582
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】用紙排出装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/26 20060101AFI20240513BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240513BHJP
   B65H 29/52 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
B65H31/26
G03G21/16 138
G03G21/16 133
B65H29/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179138
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神谷 将孝
【テーマコード(参考)】
2H171
3F054
3F101
【Fターム(参考)】
2H171FA22
2H171GA06
2H171HA02
2H171HA23
2H171HA24
2H171JA22
2H171QA02
2H171QA08
2H171QB02
2H171QB15
2H171QB32
2H171QB52
2H171QC03
2H171QC36
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA15
2H171SA18
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA28
2H171SA31
2H171SA36
3F054AA01
3F054AC01
3F054BA02
3F054BC04
3F054BC08
3F054BC09
3F054BC12
3F054BF08
3F101FB08
3F101FB11
3F101FC05
3F101FC11
3F101FC16
3F101FD02
3F101FE02
3F101FE08
3F101LA01
3F101LB03
(57)【要約】
【課題】用紙の積載性を向上するための用紙支え部を用紙の搬送ガイドに設けた場合に、用紙にジャムが発生することを抑制できる用紙排出装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】用紙排出装置11は、本体筐体2と、第1ガイド22と、第2ガイド23と、第3ガイド24と、用紙支え8とを備え、用紙支え8は、用紙当接面82と腕部86とを有し、本体筐体2は、用紙支え8が突出位置と収納位置との間にある状態で第2ガイド23が第2位置から第1位置へ移動する過程において、記第2ガイド23が第1位置に到達する前に腕部86が当接して、用紙支え8を収納位置へ向かう方向に移動させる当接部25を有する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体筐体と、
前記本体筐体に設けられ、印刷済の用紙が排出される排紙トレイと、
印刷済の用紙を前記排紙トレイに案内する排出経路の一部を形成する第1ガイドと、
前記第1ガイドを通過した片面印刷済の用紙を前記本体筐体内へ案内する再搬送経路の一部を形成する第1位置と、前記第1位置とは異なる第2位置とに第1軸部の軸回りに移動可能な第2ガイドと、
前記本体筐体に設けられ、前記第2ガイドが前記第1位置にあるときに前記排出経路の一部、および前記再搬送経路の一部を形成し、前記第2ガイドが前記第2位置にあるときに前記本体筐体から排出された用紙を支持可能な第3ガイドと、
前記第1軸部の軸方向と直交する方向において前記第2ガイドの前記第1軸部から遠い側の端部に配置され、用紙を支持可能な突出位置と、前記第2ガイドに収納される収納位置とに第2軸部の軸回りに移動可能な用紙支えであって、
前記第2ガイドが前記第2位置にある状態で、前記本体筐体から排出された用紙を前記第3ガイドとともに支持可能な用紙当接面と、
前記用紙支えの前記用紙当接面とは反対側の第1裏面から突出し、弾性変形可能な腕部と、を有する用紙支えと、
を備え、
前記本体筐体は、前記用紙支えが前記突出位置と前記収納位置との間にある状態で前記第2ガイドが前記第2位置から前記第1位置へ移動する過程において、前記第2ガイドが前記第1位置に到達する前に前記腕部が当接して、前記用紙支えを前記収納位置へ向かう方向に移動させる当接部を有する用紙排出装置。
【請求項2】
前記用紙支えは、前記第1裏面から突出し、前記第2ガイドと当接して、前記用紙支えを前記突出位置に位置決めする位置決め突起をさらに有し、前記用紙支えの前記腕部は、前記第2軸部の軸方向において前記位置決め突起を挟んで2つ設けられる請求項1に記載の用紙排出装置。
【請求項3】
前記第2ガイドは、用紙を案内する用紙ガイド面を先端部に有した複数のリブを備え、
前記用紙支えは、前記リブと前記リブとの間に配置され、
前記突出位置にある前記用紙支えは、前記リブの前記用紙ガイド面から突出し、
前記収納位置にある前記用紙支えは、前記リブの前記用紙ガイド面から突出しない請求項1または請求項2に記載の用紙排出装置。
【請求項4】
前記用紙支えは、前記用紙支えを前記収納位置に保持する保持部を有し、
前記第2ガイドは、
前記リブと前記リブとの間に位置し、前記用紙支えの前記位置決め突起と当接する位置決め部と、
前記リブの側面に位置し、前記用紙支えの前記保持部と係合する係合部と、
をさらに備える請求項3に記載の用紙排出装置。
【請求項5】
前記用紙支えは、前記用紙支えの両側に位置する前記リブとそれぞれ対向する対向面を有し、
前記第2軸部は、前記用紙支えのそれぞれの前記対向面から前記リブに向けて突出し、
前記リブは、前記第2軸部が嵌る孔部をそれぞれ有する請求項3に記載の用紙排出装置。
【請求項6】
前記第1ガイドは、用紙を案内するガイド面を有し、前記本体筐体に固定され、
前記用紙支えの前記腕部が当接する前記当接部は、前記ガイド面とは反対側の第2裏面側に位置する請求項2に記載の用紙排出装置。
【請求項7】
前記第2ガイドが前記第1位置にある状態で、前記用紙支えの前記位置決め突起および前記腕部は、前記第1ガイドの前記第2裏面と対向しており、
前記第2裏面の前記位置決め突起と対向する部分は、前記腕部の前記当接部に対する当接方向において前記当接部よりも前記腕部から離れて位置する請求項6に記載の用紙排出装置。
【請求項8】
前記第3ガイドは、前記第2ガイドが前記第2位置に位置した状態で、前記本体筐体から排出された用紙を支持可能な用紙支持部を有し、
前記第2ガイドが前記第2位置に位置するとともに、前記用紙支えが前記突出位置に位置するときに、前記用紙支えにおける前記用紙当接面の上端は、前記第3ガイドの前記用紙支持部よりも上方に位置する請求項1に記載の用紙排出装置。
【請求項9】
前記本体筐体は、前記第1軸部の軸回りに回動可能であり、前記本体筐体が有する開口を閉塞する閉位置と前記開口を開放する開位置とに移動可能な開閉カバーと、前記開閉カバーを前記閉位置に保持するための保持部と、を備え、
前記第2ガイドは、前記開閉カバーに備えられており、
前記開閉カバーは、前記保持部と係合して前記開閉カバーを前記閉位置に保持するための保持腕を有し、
前記用紙支えが前記突出位置と前記収納位置との間にある状態で前記開閉カバーが前記閉位置へ移動する過程において、前記保持腕と前記保持部とが係合して前記開閉カバーが前記閉位置に保持される前に、前記腕部と前記本体筐体の前記当接部とが当接する請求項1に記載の用紙排出装置。
【請求項10】
前記保持腕は、前記開閉カバーの、前記第1軸部の軸方向と直交する方向において前記第1軸部から遠い側の端部、かつ前記第1軸部の軸方向における両端部に設けられ、
前記保持部は、前記本体筐体の、前記第1軸部の軸方向において離れた2箇所に設けられる請求項9に記載の用紙排出装置。
【請求項11】
前記用紙支えが前記収納位置にあるとともに前記開閉カバーが前記閉位置にあるときに、前記腕部は、前記本体筐体の前記当接部に当接しない、または前記腕部の弾性変形領域内で変形したときに生じる押圧力で前記本体筐体の前記当接部に当接する請求項9に記載の用紙排出装置。
【請求項12】
前記収納位置にある前記用紙押えが前記本体筐体の前記当接部に当接するときの、前記腕部の前記当接部に対する押圧力は、前記保持腕と前記保持部とが前記開閉カバーを前記閉位置に保持するための保持力よりも小さい請求項11に記載の用紙排出装置。
【請求項13】
請求項9~請求項12の何れか一項に記載の用紙排出装置と、
用紙を圧接して加熱するための定着器とを備え、
前記開閉カバーは、リンクを介して前記定着器と連結され、
前記開閉カバーが前記開位置と前記閉位置とに移動することで、前記定着器の用紙を圧接する圧力が前記リンクを通じて変更され、
前記リンクは、長孔を有する第1リンク部材と、前記長孔に摺動可能に嵌るボスを有する第2リンク部材とを備え、
前記開閉カバーが前記開位置と前記閉位置との間で移動するときに、前記ボスが前記長孔内を摺動する画像形成装置。
【請求項14】
前記開閉カバーは、第1端部と前記第1端部とは反対側の第2端部とを有する長孔が形成された長孔形成部と、前記長孔の前記第2端部の上方に位置する第1マークとを有し、
前記第3ガイドは、前記第1軸部と平行な第3軸部の軸回りに回動可能であるとともに、前記長孔に摺動可能に嵌まるボスと前記ボスの上方に位置する第2マークとを有し、
前記開閉カバーが前記閉位置から前記開位置へ向けて前記第1軸部の軸回りに回動するのに伴って、前記第3ガイドは前記第3軸部の軸回りに回動し、前記ボスは前記長孔の前記第1端部から前記第2端部へ向けて摺動し、
前記開閉カバーが開位置にあるときに、前記ボスは前記長孔の前記第2端部に位置し、前記定着器の圧力が低減された状態にある請求項13に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙排出装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置においては、例えば片面印刷された用紙の印刷面が下方に面した状態で排紙されるフェースダウン排紙と、片面印刷された用紙の印刷面が上方に面した状態で排紙されるフェースアップ排紙とを切り替え可能に構成された画像形成装置が知られている。
【0003】
このような画像形成装置の多くは、例えば特許文献1に開示されるように、本体筐体に対して開閉可能に設けられたリアカバー等のカバーを備えており、カバーの開閉とともに、カバーに形成された用紙の搬送ガイドを移動させることで、用紙の排出経路を切り替えるように構成されている。
【0004】
この場合、カバーを閉じた状態ではフェースダウン排紙に切り替えられ、カバーを開いた状態ではフェースアップ排紙に切り替えられる。また、カバーを開いた状態でのフェースアップ排紙は、厚みがあって曲がりにくい厚紙に印刷を行うときにも利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-79049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように装置本体に対して開閉可能に設けられたカバーに、ジャム処理を行うための本体筐体内へのアクセス性を求める場合には、カバーの開き角度を大きく設定する必要があるため、開いた状態のカバーの先端の高さが低くなる傾向にある。このため、本体筐体から排出された用紙を開いたカバーによって支持するときに、支持した用紙がカバーから滑り落ち易くなり、用紙の積載性を十分に確保できないおそれがある。
【0007】
このような問題に対しては、カバーに形成された搬送ガイドに、折り畳み、スライド、および回動等の構成よって突出位置と収納位置とに切り替え可能な用紙支え部を設けて、突出位置に切り替えられた用紙支え部によって用紙を支持し、用紙の積載性を向上することが考えられる。しかし、用紙支え部は搬送ガイドに設けられるため、カバーを閉じた際に適正な位置に収納されていないと、用紙支え部が用紙の排出経路に飛び出して、用紙の詰まり等のジャムの発生要因となるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明においては、用紙の積載性を向上するための用紙支え部を用紙の搬送ガイドに設けた場合に、用紙にジャムが発生することを抑制できる用紙排出装置および画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する用紙排出装置および画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0010】
即ち、用紙排出装置は、本体筐体と、前記本体筐体に設けられ、印刷済の用紙が排出される排紙トレイと、印刷済の用紙を前記排紙トレイに案内する排出経路の一部を形成する第1ガイドと、前記第1ガイドを通過した片面印刷済の用紙を前記本体筐体内へ案内する再搬送経路の一部を形成する第1位置と、前記第1位置とは異なる第2位置とに第1軸部の軸回りに移動可能な第2ガイドと、前記本体筐体に設けられ、前記第2ガイドが前記第1位置にあるときに前記排出経路の一部、および前記再搬送経路の一部を形成し、前記第2ガイドが前記第2位置にあるときに前記本体筐体から排出された用紙を支持可能な第3ガイドと、前記第1軸部の軸方向と直交する方向において前記第2ガイドの前記第1軸部から遠い側の端部に配置され、用紙を支持可能な突出位置と、前記第2ガイドに収納される収納位置とに第2軸部の軸回りに移動可能な用紙支えであって、前記第2ガイドが前記第2位置にある状態で、前記本体筐体から排出された用紙を前記第3ガイドとともに支持可能な用紙当接面と、前記用紙支えの前記用紙当接面とは反対側の第1裏面から突出し、弾性変形可能な腕部と、を有する用紙支えと、を備え、前記本体筐体は、前記用紙支えが前記突出位置と前記収納位置との間にある状態で前記第2ガイドが前記第2位置から前記第1位置へ移動する過程において、前記第2ガイドが前記第1位置に到達する前に前記腕部が当接して、前記用紙支えを前記収納位置へ向かう方向に移動させる当接部を有する。
【0011】
これにより、第2ガイドが第1位置に到達したときに、用紙支えが第2ガイドから排出経路および再搬送経路に飛び出すことを抑制でき、用紙支えによってジャムが発生することを抑制できる。
【0012】
また、前記用紙支えは、前記第1裏面から突出し、前記第2ガイドと当接して、前記用紙支えを前記突出位置に位置決めする位置決め突起をさらに有し、前記用紙支えの前記腕部は、前記第2軸部の軸方向において前記位置決め突起を挟んで2つ設けられる。
【0013】
これにより、腕部は、位置決め突起を挟んだ2箇所で本体筐体の当接部と当接するため、腕部が当接部と当接したときに用紙支えが左右方向に対して傾くことを抑制できる。
【0014】
また、前記第2ガイドは、用紙を案内する用紙ガイド面を先端部に有した複数のリブを備え、前記用紙支えは、前記リブと前記リブとの間に配置され、前記突出位置にある前記用紙支えは、前記リブの前記用紙ガイド面から突出し、前記収納位置にある前記用紙支えは、前記リブの前記用紙ガイド面から突出しない。
【0015】
これにより、用紙支えは収納位置にあるときに第2ガイドにおけるリブの用紙ガイド面から突出しないため、用紙支えが搬送される用紙の邪魔になることがなく、用紙支えによってジャムが発生することを抑制できる。
【0016】
また、前記用紙支えは、前記用紙支えを前記収納位置に保持する保持部を有し、前記第2ガイドは、前記リブと前記リブとの間に位置し、前記用紙支えの前記位置決め突起と当接する位置決め部と、前記リブの側面に位置し、前記用紙支えの前記保持部と係合する係合部と、をさらに備える。
【0017】
これにより、用紙支えの突出位置での位置決め、および用紙支えの収納位置での保持を、簡単な構成で実現することができる。
【0018】
また、前記用紙支えは、前記用紙支えの両側に位置する前記リブとそれぞれ対向する対向面を有し、前記第2軸部は、前記用紙支えのそれぞれの前記対向面から前記リブに向けて突出し、前記リブは、前記第2軸部が嵌る孔部をそれぞれ有する。
【0019】
これにより、用紙支えは、用紙支えの保持部とリブの係合部との係合状態が解除された状態において、回動軸部の軸回りに自由に回動することができる。
【0020】
また、前記第1ガイドは、用紙を案内するガイド面を有し、前記本体筐体に固定され、前記用紙支えの前記腕部が当接する前記当接部は、前記ガイド面とは反対側の第2裏面側に位置する。
【0021】
これにより、腕部が当接する当接部は、用紙を案内するガイド面とは異なる位置に位置することとなるため、用紙支えが搬送される用紙の邪魔になることがなく、用紙支えによってジャムが発生することを抑制できる。
【0022】
また、前記第2ガイドが前記第1位置にある状態で、前記用紙支えの前記位置決め突起および前記腕部は、前記第1ガイドの前記第2裏面と対向しており、前記第2裏面の前記位置決め突起と対向する部分は、前記腕部の前記当接部に対する当接方向において前記当接部よりも前記腕部から離れて位置する。
【0023】
これにより、用紙支えの腕部が当接部と当接するときに、位置決め突起が当接部と干渉することがなく、腕部と当接部とを安定して当接させることができる。
【0024】
また、前記第3ガイドは、前記第2ガイドが前記第2位置に位置した状態で、前記本体筐体から排出された用紙を支持可能な用紙支持部を有し、前記第2ガイドが前記第2位置に位置するとともに、前記用紙支えが前記突出位置に位置するときに、前記用紙支えにおける前記用紙当接面の上端は、前記第3ガイドの前記用紙支持部よりも上方に位置する。
【0025】
これにより、用紙当接面および用紙支持部に支持された用紙が滑り落ちることが抑制され、用紙の積載性を向上して十分に確保することができる。
【0026】
また、前記本体筐体は、前記第1軸部の軸回りに回動可能であり、前記本体筐体が有する開口を閉塞する閉位置と前記開口を開放する開位置とに移動可能な開閉カバーと、前記開閉カバーを前記閉位置に保持するための保持部と、を備え、前記第2ガイドは、前記開閉カバーに備えられており、前記開閉カバーは、前記保持部と係合して前記開閉カバーを前記閉位置に保持するための保持腕を有し、前記用紙支えが前記突出位置と前記収納位置との間にある状態で前記開閉カバーが前記閉位置へ移動する過程において、前記保持腕と前記保持部とが係合して前記開閉カバーが前記閉位置に保持される前に、前記腕部と前記本体筐体の前記当接部とが当接する。
【0027】
これにより、開閉カバーが閉位置に到達して完全に閉じる前に、用紙支えを収納位置へ向けて移動させることができ、開閉カバーが閉位置に到達したときに、用紙支えが排出経路および再搬送経路に飛び出すことを抑制して、用紙支えによってジャムが発生することを抑制できる。
【0028】
また、前記保持腕は、前記開閉カバーの、前記第1軸部の軸方向と直交する方向において前記第1軸部から遠い側の端部、かつ前記第1軸部の軸方向における両端部に設けられ、前記保持部は、前記本体筐体の、前記第1軸部の軸方向において離れた2箇所に設けられる。
【0029】
これにより、開閉カバーは、閉位置に移動したときに、保持部と保持腕とによって第1軸部の軸方向における両端部で保持されるため、片閉まりが発生することを抑制できる。
【0030】
また、前記用紙支えが前記収納位置にあるとともに前記開閉カバーが前記閉位置にあるときに、前記腕部は、前記本体筐体の前記当接部に当接しない、または前記腕部の弾性変形領域内で変形したときに生じる押圧力で前記本体筐体の前記当接部に当接する。
【0031】
これにより、開閉カバーが閉位置で長期間保持された場合でも、腕部の弾性変形したときの付勢力が失われることがなく、開閉カバーに備えられる第2ガイドが第2位置から第1位置へ移動する過程において、腕部が本体筐体の当接部と当接して、用紙支えを収納位置側へ向けて移動させることができる。
【0032】
また、前記収納位置にある前記用紙押えが前記本体筐体の前記当接部に当接するときの、前記腕部の前記当接部に対する押圧力は、前記保持腕と前記保持部とが前記開閉カバーを前記閉位置に保持するための保持力よりも小さい。
【0033】
これにより、閉位置に保持される開閉カバーが、腕部の当接部に対する押圧力によって不意に開くことを抑制できる。
【0034】
また、画像形成装置は、請求項9~請求項12の何れか一項に記載の用紙排出装置と、用紙を圧接して加熱するための定着器とを備え、前記開閉カバーは、リンクを介して前記定着器と連結され、前記開閉カバーが前記開位置と前記閉位置とに移動することで、前記定着器の用紙を圧接する圧力が前記リンクを通じて変更され、前記リンクは、長孔を有する第1リンク部材と、前記長孔に摺動可能に嵌るボスを有する第2リンク部材とを備え、前記開閉カバーが前記開位置と前記閉位置との間で移動するときに、前記ボスが前記長孔内を摺動する。
【0035】
このような構成においては、開閉カバーを閉位置側へ向けて移動させたときに、用紙支えが収納位置にないこと等によって、開閉カバーが保持腕と保持部とが係合する手前までしか移動しなかった場合、第2リンク部材のボスは、第1リンク部材の長孔内を開閉カバーが開く方向へ摺動可能であるため、第2リンク部材の連結先である定着器の状態にかかわらず、開閉カバーは自重で開位置側へ移動することができる。これにより、用紙支えを再搬送経路から遠ざけることができ、ユーザは開閉カバーが閉位置にいないことを容易に認識することができる。また、開閉カバーは閉位置からの開き度合いを大きくすることができるため、本体筐体内から排出される用紙にジャムが生じることを抑制できる。
【0036】
また、前記開閉カバーは、第1端部と前記第1端部とは反対側の第2端部とを有する長孔が形成された長孔形成部と、前記長孔の前記第2端部の上方に位置する第1マークとを有し、前記第3ガイドは、前記第1軸部と平行な第3軸部の軸回りに回動可能であるとともに、前記長孔に摺動可能に嵌まるボスと前記ボスの上方に位置する第2マークとを有し、前記開閉カバーが前記閉位置から前記開位置へ向けて前記第1軸部の軸回りに回動するのに伴って、前記第3ガイドは前記第3軸部の軸回りに回動し、前記ボスは前記長孔の前記第1端部から前記第2端部へ向けて摺動し、前記開閉カバーが開位置にあるときに、前記ボスは前記長孔の前記第2端部に位置し、前記定着器の圧力が低減された状態にある。
【0037】
これにより、開閉カバーが開位置にあるときに、ボスの摺動方向において第1マークと第2マークとの位置が一致するため、ユーザは開閉カバーが開位置にあり、定着器に生じたジャムの解除が可能であることを容易に認識することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、第2ガイドが第1位置に到達したときに、用紙支えが第2ガイドから排出経路および再搬送経路に飛び出すことを抑制でき、用紙支えによってジャムが発生することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】画像形成装置を示す中央断面図である。
図2】定着器を示す側面断面図である。
図3】定着器の加熱ユニットと加圧ローラとを示す斜視図である。
図4】リアカバーが閉位置にある状態の用紙排出装置を示す側面断面図である。
図5】リアカバーが開位置にある状態の用紙排出装置を示す側面断面図である。
図6】(a)用紙支えを示す側面図であり、(b)は用紙支えの裏面側を示す右前斜視図である。
図7】(a)は用紙支えの裏面側を示す左前斜視図を示す斜視図であり、(b)は用紙支えの用紙当接面側を示す左後斜視図である。
図8】リアカバーを示す斜視図である。
図9】(a)は収納位置にある用紙支えおよびリアカバーを示す左側面図であり、(b)は収納位置にある用紙支えおよびリアカバーを示す右側面図である。
図10】(a)は突出位置にある用紙支えおよびリアカバーを示す左側面図であり、(b)は突出位置にある用紙支えおよびリアカバーを示す右側面図である。
図11】収納位置と突出位置との間にある用紙支えおよびリアカバーを示す右側面図である。
図12】用紙支えの位置決め突起および腕部と、第1ガイドの裏面および当接部とを示す斜視図である。
図13】リアカバーが閉位置と開位置との間にある状態の用紙排出装置を示す側面断面図である。
図14】リアカバーが閉位置と開位置との間であって、図13に示すリアカバーよりも閉位置側にある状態の用紙排出装置を示す側面断面図である。
図15】リアカバーが閉位置と開位置との間にあって、第1マークと第2マークとの位置が一致していない状態を示す平面図である。
図16】リアカバーが開位置にあって、第1マークと第2マークとの位置が一致している状態を示す平面図である。
図17】リアカバーが閉位置にあって、リンクが折り畳まれた状態にある画像形成装置を示す側面断面図である。
図18】リアカバーが開位置にあって、リンクが伸びた状態にある画像形成装置を示す側面断面図である。
図19】調整機構のアームがニップ位置にある状態の定着器を示す側面断面図である。
図20】調整機構のアームがニップ解除位置にある状態の定着器を示す側面断面図である。
図21】定着器における調整機構のアームがニップ位置にあるとともに、第2リンク部材のボスが第1リンク部材における長孔の他端部に位置し、リアカバーが閉位置から開位置側へ開いた状態を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0041】
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置1は、本発明に係る用紙排出装置を備えた画像形成装置の一実施形態であり、電子写真方式により用紙Sに画像を形成するレーザプリンタである。
【0042】
以下の説明では、図1における右側を画像形成装置1の前側、図1における左側を画像形成装置1の後側と規定し、図1おける紙面手前側を画像形成装置1の左側、図1における紙面奥側を画像形成装置1の右側と規定する。また、図1における上側および下側を、それぞれ画像形成装置1の上側および下側と規定する。
【0043】
画像形成装置1は、本体筐体2と、給紙部3と、画像形成部5と、定着器6と、排紙部7とを備えている。
【0044】
本体筐体2は、給紙部3と、画像形成部5と、定着器6と、排紙部7とを収容している。本体筐体2は後面に開口2Aを有しており、本体筐体2は開口2Aを開閉可能なリアカバー21を有している。リアカバー21は、軸方向が左右方向に沿った回動軸部211を下端部に有している。リアカバー21は、回動軸部211の軸回りに回動可能に構成されており、回動軸部211の軸回りに回動することにより、開口2Aを閉塞する閉位置と、開口2Aを開放する開位置との間を移動可能である。リアカバー21は開閉カバーの一例であり、回動軸部211は第1軸部の一例である。
【0045】
給紙部3は、用紙Sを支持する給紙トレイ30と、給紙機構32と、搬送ローラ対33と、レジストローラ対34とを備えている。給紙部3は、本体筐体2の下部に配置され、給紙トレイ30に支持される用紙Sを画像形成部5に搬送する。画像形成装置1は、給紙部3から画像形成部5を経由して排紙部7へ至る用紙Sの搬送経路P1を有している。
【0046】
給紙トレイ30は、圧板31と、押圧板311とを有している。圧板31は、用紙Sを下方から支持する板状部材である。圧板31は、後端部の回動支点31aを中心として回動可能であり、回動支点31aを中心に回動することで、下降位置と上昇位置との間で昇降可能である。押圧板311は、圧板31の下方に位置しており、圧板31を下降位置と上昇位置との間で昇降させることが可能である。
【0047】
給紙機構32は、給紙ローラ32a、分離ローラ32b、および分離パッド32cを備えている。給紙ローラ32aは、給紙トレイ30に支持される用紙Sを分離ローラ32bへ向けて送り出すためのローラである。分離ローラ32bは、給紙ローラ32aよりも用紙搬送方向の下流側に配置されており、分離パッド32cは、分離ローラ32bに対向して配置されるとともに分離ローラ32bに向けて付勢されている。
【0048】
給紙ローラ32aにより分離ローラ32bに向けて送り出された用紙Sは、分離ローラ32bと分離パッド32cとの間で1枚ずつに分離される。1枚ずつに分離された用紙Sは、搬送経路P1に送り出される。
【0049】
搬送経路P1に送り出された用紙Sは、搬送ローラ対33およびレジストローラ対34によって、画像形成部5に向けて搬送される。レジストローラ対34は、搬送される用紙Sの先端の移動を規制して一旦停止させた後、用紙Sを所定のタイミングにて画像形成部5に向けて搬送する。
【0050】
画像形成部5は、給紙部3よりも用紙搬送方向の下流側に配置され、給紙部3から搬送されてきた用紙Sに画像を形成する。画像形成部5は、給紙部3から搬送されてきた用紙Sの表面に画像を転写するプロセスカートリッジ50と、プロセスカートリッジ50の感光ドラム54に対向配置される転写ローラ55と、感光ドラム54の表面を露光する露光ユニット56とを備えている。
【0051】
プロセスカートリッジ50は、本体筐体2内における給紙部3よりも上方に配置されており、現像剤収容室51と、供給ローラ52と、現像ローラ53と、感光ドラム54等とを備えている。
【0052】
露光ユニット56は、レーザダイオード、ポリゴンミラー、レンズ、及び反射鏡等を備えており、画像形成装置1に入力された画像データに基づいてレーザ光を感光ドラム54へ向けて照射することにより、感光ドラム54の表面を露光する。
【0053】
現像剤収容室51には現像剤となるトナーが収容されている。現像剤収容室51に収容されたトナーは、図示しない撹拌部材により撹拌されながら供給ローラ52に送られる。供給ローラ52は、現像剤収容室51から送られてくるトナーをさらに現像ローラ53へ供給する。
【0054】
現像ローラ53は、供給ローラ52に密着して配置されており、供給ローラ52から供給されるとともに図示しない摺接部材により正帯電されたトナーを担持する。また、現像ローラ53には、図示しないバイアス印加手段により現像バイアスが印加される。
【0055】
感光ドラム54は、現像ローラ53に隣接して配置されている。感光ドラム54の表面は、図示しない帯電器により一様に帯電された後、露光ユニット56により露光される。感光ドラム54の露光された部分は他の部分よりも電位が低くなり、感光ドラム54に画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光ドラム54の表面に、正に帯電されたトナーが現像ローラ53から供給されることにより、静電潜像が顕像化されてトナー像となる。
【0056】
転写ローラ55は、感光ドラム54に対向配置され、帯電器57により転写バイアスが印加される。転写ローラ55の表面に転写バイアスがされている状態で、トナー像が形成された感光ドラム54と転写ローラ55との間で用紙Sを挟持しなから搬送することにより、感光ドラム54の表面に形成されたトナー像が用紙Sの表面に転写される。つまり、感光ドラム54は、用紙Sにトナー像を転写する。
【0057】
定着器6は、加熱ユニット61と加圧ローラ62とを備えており、用紙Sを圧接して加熱することにより、画像形成部5において用紙Sに転写されたトナー像を定着させる。加熱ユニット61は図示しない電源から電力を供給することで加熱される。加圧ローラ62は加熱ユニット61に対向配置されている。加熱ユニット61および加圧ローラ62の一方は、他方に対して付勢されており、加熱ユニット61と加圧ローラ62とは密着している。
【0058】
トナー像が転写された用紙Sが定着器6に搬送されてくると、加熱ユニット61と加圧ローラ62との間で用紙Sを挟持しながら搬送して用紙Sを加熱し、用紙Sにトナー像を定着させる。つまり、加熱ユニット61および加圧ローラ62は、用紙Sにトナーを定着させる。定着器6によってトナーが定着された用紙Sは、定着後搬送ローラ対75によって、排紙部へ搬送される。
【0059】
排紙部7は、定着器6よりも用紙搬送方向における下流側に位置しており、画像形成部5にて画像が形成された用紙Sを画像形成装置1の外部へ排出する、または用紙Sを画像形成部5へ向けて再び搬送する。排紙部7は、排紙ローラ対71と、排紙トレイ72とを備えている。排紙トレイ72は本体筐体2に設けられている。排紙トレイ72には、画像形成部5において画像が形成された印刷済の用紙Sが排出される。
【0060】
搬送経路P1のうち、定着器6よりも下流側の搬送経路P1は排出経路P1aとして形成されている。排紙ローラ71は、定着器6から排出経路P1aに沿って搬送されてきた用紙Sを本体筐体2の外部へ向けて排出可能に構成されている。排出経路P1aは、印刷済の用紙Sを排紙トレイ72に案内する経路である。排紙トレイ72は本体筐体2の上面に形成されており、排紙ローラ71によって本体筐体2の外部に排出された用紙Sを支持する。
【0061】
排紙ローラ71は、用紙Sを排紙トレイ72側へ向けて搬送する際の回転方向である排出方向と、排出方向とは逆の回転方向である再搬送方向とに回転可能に構成されている。画像形成装置1は、搬送経路P1に沿って搬送されて定着器6を通過した片面印刷済の用紙Sを、レジストローラ34よりも用紙搬送方向における上流側の搬送経路P1へ案内する再搬送経路P2を有している。
【0062】
再搬送経路P2は、定着器6と排紙ローラ71との間に位置する分岐点Pbにおいて排出経路P1aから分岐した後、画像形成部5と給紙トレイ30との間を前方に延び、搬送ローラ対33とレジストローラ対34との間に位置する合流点Paにおいて搬送経路P1と合流している。
【0063】
定着器6から排紙部7へ搬送されてきた用紙Sは、排紙ローラ71を再搬送方向へ回転させることにより、再搬送経路P2を通じて画像形成部5へ再び搬送することが可能である。排紙ローラ71により再搬送経路P2に搬送された用紙Sは、再搬送経路P2上に設けられる第1再搬送ローラ対35および第2再搬送ローラ対36によって、画像形成部5側へ向けて搬送される。
【0064】
画像形成装置1は、画像形成部5にて一面に画像が形成された用紙Sを、再搬送経路P2を通じて画像形成部5へ再び搬送して、用紙Sの他面に画像を形成する、両面印刷を行うことが可能である。
【0065】
[定着器]
図2図3に示すように、定着器6の加熱ユニット61は、ヒータ611と、ホルダ612と、ステイ613と、ベルト614とを備えている。ヒータ611は、左右方向に延びる平板状のヒータである。ヒータ611は、第1面611Aと、第1面611Aの反対側の第2面611Bとを有しており、第1面611Aがホルダ612に支持されている。
【0066】
ホルダ612は、例えば樹脂部材からなり、ガイド面612aと、支持壁612bとを有している。ガイド面612aは、ベルト614の内周面614aに接触してベルト614を案内している。支持壁612bは、ヒータ611を支持する支持面612Aを有している。支持壁612bの支持面612Aは、ヒータ611の第1面611Aと当接している。ステイ613は、ホルダ612を支持する部材であり、ホルダ612よりも剛性が大きい板材、例えば鋼板等を断面視略U字状に折り曲げることにより形成されている。
【0067】
ベルト614は、耐熱性と可撓性とを有する無端状のベルトであり、ステンレス鋼等の金属からなる金属素管と、その金属素管を被覆するフッ素樹脂層とを有する。ヒータ611、ホルダ612、およびステイ613は、ベルト614の内側に配置されている。ベルト614は、ヒータ611、ホルダ612、およびステイ613の周りを回転するように構成されている。ベルト614の内周面614aは、ヒータ611と接触する。
【0068】
加圧ローラ62は、金属製のシャフト62Aと、シャフト62Aを被覆する弾性層62Bとを有している。加圧ローラ62は、ベルト614を介して相対的にヒータ611に押圧されている。加圧ローラ62はヒータ611との間でベルト614を挟むことで、用紙Sを加熱および加圧するためのニップ部NPを形成している。つまり、加圧ローラ62は、ニップ部NPにおいて、ヒータ611とともに用紙Sを加熱および加圧する。
【0069】
加圧ローラ62は、画像形成装置1が備える駆動源からの駆動力が伝達されることにより回転駆動するように構成されている。加圧ローラ62は回転駆動することで、ベルト614、またはニップ部NPに挟まれた用紙Sとの摩擦力によりベルト614を従動回転させる。これにより、トナー像が転写された用紙Sは、加圧ローラ62と加熱されたベルト614の間を搬送されることでトナー像が熱定着される。
【0070】
[第1ガイド]
図1図4図5に示すように、本体筐体2は、排出経路P1aの一部を形成する第1ガイド22を有している。第1ガイド22は、用紙搬送方向において分岐点Pbよりも下流側の排出経路P1aに沿って搬送される用紙Sを案内するガイド面221を有している。第1ガイド22は、本体筐体2に固定されている。ガイド面221は第1ガイド22の前側に形成されており、前後方向において第1ガイド22のガイド面221とは反対側の後側にはガイド裏面222が形成されている。ガイド裏面222は第2裏面の一例である。
【0071】
[第2ガイド]
リアカバー21は、リアカバー21が閉位置(図4に示す位置)にあるときに再搬送経路P2の一部を形成する第2ガイド23を有している。つまり、第2ガイド23はリアカバー21に備えられている。第2ガイド23は、排出方向に回転する排紙ローラ71によって搬送されて第1ガイド22を通過した片面印刷済の用紙Sが、再搬送方向に回転する排紙ローラ71によって本体筐体2内の再搬送経路P2に沿って搬送される際に、用紙Sを案内する。
【0072】
第2ガイド23は、複数のリブ231を備えている。リブ231はリアカバー21から本体筐体2側へ向けて突出しており、先端部に用紙ガイド面231aを有している。用紙ガイド面231aは、再搬送経路P2に沿って搬送される用紙Sを案内する。
【0073】
第2ガイド23は、リアカバー21が開位置(図5に示す位置)にあるときに再搬送経路P2を開放する。リアカバー21が閉位置にあって再搬送経路P2の一部を形成するときの第2ガイド23の位置が、第1位置(図4に示す位置)であり、リアカバー21が開位置にあって再搬送経路P2を開放するときの第2ガイド23の位置が、第1位置とは異なる第2位置(図5に示す位置)である。第2ガイド23は、第1位置と第2位置とに、回動軸部211の軸回りに移動可能である。
【0074】
[第3ガイド]
本体筐体2は、用紙搬送方向における定着器6の下流側に配置される第3ガイド24を備えている。第3ガイド24は、リアカバー21が閉位置にあって第2ガイド23が第1位置にあるときに、排出経路P1aの一部および再搬送経路P2の一部を形成する。
【0075】
第3ガイド24は、第1ガイド面241と第2ガイド面242とを有しており、第1ガイド面241が排出経路P1aの一部を形成し、第2ガイド面242が再搬送経路P2の一部を形成する。第3ガイド24は、リアカバー21が開位置にあって第2ガイド23が第2位置にあるときに、排出経路P1aおよび再搬送経路P2を開放する。
【0076】
第3ガイド24は、回動軸部211と平行な回動軸部243の軸回りに回動可能であり、回動軸部243の軸回りに回動することで、排出経路P1aの一部および再搬送経路P2の一部を形成する経路形成位置(図4に示す位置)と、排出経路P1aおよび再搬送経路P2を開放する経路開放位置(図5に示す位置)に移動可能である。回動軸部243は、第3軸部の一例である。
【0077】
第3ガイド24はリアカバー21の開閉に伴って回動し、リアカバー21が閉位置にあって第2ガイド23が第1位置にあるときに経路形成位置に位置し、リアカバー21が開位置にあって第2ガイド23が第2位置にあるときに経路開放位置に位置する。
【0078】
第3ガイド24は、経路開放位置に位置した状態で、定着後搬送ローラ対75によって搬送され本体筐体2から排出された用紙Sを支持可能な用紙支持部244を有している。つまり、第3ガイド24は、経路開放位置にあるときに、本体筐体2から排出された用紙Sを支持可能である。
【0079】
[用紙支え]
図4図5に示すように、画像形成装置1は、第2ガイド23に支持される用紙支え8を備えている。用紙支え8は、回動軸部211の軸方向と直交する方向において、第2ガイド23の回動軸部211から遠い側の端部に配置されている。用紙支え8は、第2ガイド23が第1位置にあるときには、第2ガイド23の上端部に位置している。
【0080】
用紙支え8は、回動軸部211と平行な回動軸部81の軸回りに回動可能であり、回動軸部81の軸回りに回動することで、第2ガイド23に収納される収納位置(図4に示す位置)と、第2ガイド23から突出する突出位置(図5に示す位置)とに移動可能である。回動軸部81は、第2軸部の一例である。用紙支え8は、突出位置にあるときに、本体筐体2から排出された用紙Sを支持可能である。
【0081】
図5に示すように、リアカバー21が開位置にあって第2ガイド23が第2位置にあり、第3ガイド24が、経路開放位置にあるときには、用紙支え8の先端は用紙支持部244、および定着後搬送ローラ対75よりも上方にあり、用紙Sは後方が上がった状態で支持されるため、用紙積載性が保証される。
【0082】
図6図7に示すように、用紙支え8は、本体80と、回動軸部81と、用紙当接面82と、対向面83と、裏面84と、位置決め突起85と、腕部86と、第1突出片87と、第2突出片88とを有している。
【0083】
本体80は板状部材にて形成されており、本体80における一側の板面が用紙当接面82として形成され、本体80における他側の板面が裏面84として形成されている。用紙当接面82は本体筐体2から排出された用紙Sを支持可能であり、裏面84は用紙当接面82とは反対側の面である。裏面84は、第1裏面の一例である。
【0084】
用紙当接面82は、リアカバー21が開位置にあって第2ガイド23が第2位置にある状態で、用紙支え8が突出位置にあるときに、本体筐体2から排出された用紙Sを、第3ガイド24とともに支持可能である。
【0085】
対向面83は本体80の左右両端部から用紙当接面82側へ延出しており、回動軸部81は左右の対向面83からそれぞれ左右外側へ向けて突出している。つまり、左方の対向面83からは回動軸部81が左方へ突出しており、右方の対向面83からは回動軸部81が右方へ突出している。
【0086】
位置決め突起85は、裏面84から突出している。位置決め突起85は、用紙支え8が突出位置に移動したときに第2ガイド23と当接して、用紙支え8を突出位置に位置決めする。
【0087】
腕部86は、裏面84から突出している。腕部86は、弾性変形可能であり、バネ性を有している。腕部86は、回動軸部81の軸方向である左右方向において、位置決め突起85を挟んで2つ設けられている。腕部86は、位置決め突起85の左右両側に位置している。図4図5に示すように、本体筐体2は第1ガイド22のガイド裏面222側に位置する当接部25を備えており、腕部86は当接部25に当接可能である。
【0088】
第1突出片87は本体80の右端部から裏面84側へ突出しており、第1突出片87の右面からは、用紙支え8を収納位置に保持する保持部87aが右方へ突出している。第2突出片88は本体80の左端部から裏面84側へ突出しており、第2突出片88の左面からは、当接突起88aが左方へ突出している。
【0089】
第2ガイド23は、図8に示すように、複数のリブ231が左右方向に沿って配置され、左右中央部付近に位置するリブ231Aとリブ231Bとの間に位置決め部232を有し、用紙支え8は、リブ231Aとリブ231Bとの間に配置されている。リブ231Aはリブ231Bの右側に位置している。
【0090】
位置決め部232は、用紙支え8が突出位置に移動したときに用紙支え8の位置決め突起85と当接する。位置決め部232が用紙支え8の位置決め突起85と当接することにより、用紙支え8が突出位置に位置決めされる。
【0091】
リブ231Aおよびリブ231Bは用紙支え8の左右両側に位置しており、用紙支え8における右側の対向面83はリブ231Aと対向し、用紙支え8における左側の対向面83はリブ231Bと対向している。
【0092】
リブ231Aは、右側の対向面83からリブ231Aへ向けて突出する回動軸部81が嵌る孔部231bを有し、リブ231Bは、左側の対向面83からリブ231Bへ向けて突出する回動軸部81が嵌る孔部231bを有している。孔部231bは、リブ231Aおよびリブ231Bの用紙支え8側の側面に形成されている。孔部231bは、リブ231Aおよびリブ231Bを貫通する孔により形成されていてもよく、リブ231Aおよびリブ231Bを貫通しない有底の凹部により形成されていてもよい。
【0093】
用紙支え8の回動軸部81がリブ231Aおよびリブ231Bの孔部231bに嵌ることにより、用紙支え8は第2ガイド23に回動可能に支持されている。
【0094】
用紙支え8の突出位置での位置決めを、第2ガイド23の位置決め部232および用紙支え8の位置決め突起85で行うことで、用紙支え8の位置決めを簡単な構成で実現することが可能となっている。
【0095】
リブ231Aは、用紙支え8が収納位置に移動したときに用紙支え8の保持部87aと係合する第1係合部231cと、用紙支え8が突出位置に移動したときに用紙支え8の保持部87aと係合する第2係合部231dとを有している。第1係合部231cおよび第2係合部231dは、用紙支えの保持部と係合する係合部の一例である。
【0096】
第1係合部231cおよび第2係合部231dは、リブ231Aの用紙支え8側の側面に形成されている。第1係合部231cおよび第2係合部231dは、リブ231Aを貫通する孔により形成されていてもよく、リブ231Aを貫通しない有底の凹部により形成されていてもよい。
【0097】
図9に示すように、収納位置にある用紙支え8は、用紙ガイド面231aから突出していない。また、図9(b)に示すように、用紙支え8が収納位置にある状態では、用紙支え8の保持部87aはリブ231Aの第1係合部231cに係合している。保持部87aと第1係合部231cとが係合することで、用紙支え8が収納位置に保持される。
【0098】
図10に示すように、突出位置にある用紙支え8は、用紙ガイド面231aから突出している。また、図10(b)に示すように、用紙支え8が突出位置にある状態では、用紙支え8の保持部87aはリブ231Aの第2係合部231dに係合している。保持部87aと第2係合部231dとが係合することで、用紙支え8が突出位置に保持される。
【0099】
このように、リブ231Aに形成した第1係合部231cおよび第2係合部231dに用紙支え8の保持部87aを係合して、用紙支え8を収納位置および突出位置で保持することで、用紙支え8の収納位置での保持および突出位置での保持を、簡単な構成で実現することが可能となっている。
【0100】
図11に示すように、用紙支え8が収納位置と突出位置との間に位置している状態では、用紙支え8の保持部87aは、リブ231Aにおける第1係合部231cおよび第2係合部231dの何れにも係合していない。用紙支え8は、保持部87aが第1係合部231cおよび第2係合部231dと係合していない状態では、回動軸部81の軸回りに回動可能である。
【0101】
第2突出片88の当接突起88aは、リブ231Bに右方から当接している。用紙支え8は、回動軸部81がリブ231Aおよびリブ231Bの孔部231bに嵌ることにより第2ガイド23に支持されているが、回動軸部81と孔部231bとの間の遊び等によって第2ガイド23に対して左右方向のガタつきを有している。しかし、用紙支え8の当接突起88aがリブ231Bに当接することにより、用紙支え8の第2ガイド23に対するガタつきが吸収されており、用紙支え8は第2ガイド23に対して円滑に回動することが可能となっている。
【0102】
図12に示すように、リアカバー21が閉位置にあって第2ガイド23が第1位置にある状態で、用紙支え8が、裏面84と本体筐体2の当接部25とが対向する姿勢にある場合、用紙支え8の位置決め突起85および腕部86は、第1ガイド22のガイド裏面222と対向しており、ガイド裏面222の位置決め突起85と対向する部分は、腕部86の当接部25に対する当接方向において、当接部25よりも腕部86から離れて位置している。また、位置決め突起85は、腕部86と当接する当接部25に対して左右方向にずれた位置に位置している。
【0103】
従って、用紙支え8の腕部86が当接部25と当接するときに、位置決め突起85が当接部25と干渉することがなく、腕部86と当接部25とを安定して当接させることが可能となっている。
【0104】
また、腕部86が当接する当接部25は、第1ガイド22のガイド面221とは反対側のガイド裏面222側に配置されており、用紙Sを案内するガイド面221とは異なる位置に位置しているため、用紙支え8が搬送される用紙Sの邪魔になることがなく、用紙支え8によってジャムが発生することを抑制できる。
【0105】
画像形成装置1においては、本体筐体2、排紙トレイ72、第1ガイド22、第2ガイド23、第3ガイド24、および用紙支え8等により用紙排出装置11が構成されている。
【0106】
[第2ガイドが第2位置から第1位置へ移動する際の用紙支えの動作]
図5に示すように、リアカバー21が開位置にあって第2ガイド23が第2位置に位置する状態で、用紙支え8が突出位置に位置する場合、用紙支え8の用紙当接面82は上側に面している。また、リアカバー21が開位置にあるときには第3ガイド24は経路開放位置に位置しており、第3ガイド24の用紙支持部244は第3ガイド24の上端部に位置している。この状態において、用紙支え8における用紙当接面82の上端は、第3ガイド24の用紙支持部244よりも上方に位置している。
【0107】
ここで、第2ガイド23が第2位置に位置するとともに、用紙支え8が突出位置に位置する場合、本体筐体2から排出された用紙Sは、用紙搬送方向における先端側の第1部分S1が用紙支え8の用紙当接面82に支持され、第1部分S1よりも用紙搬送方向における上流側に位置する第2部分S2が第3ガイド24の用紙支持部244に支持される。
【0108】
この場合、用紙当接面82の上端が用紙支持部244よりも上方に位置するため、用紙当接面82および用紙支持部244に支持された用紙Sが後方へ向かって滑り落ちることが抑制され、用紙Sの積載性を向上して十分に確保することが可能となっている。
【0109】
開位置にあるリアカバー21を閉位置へ移動させる場合は、まず突出位置にある用紙支え8を収納位置側へ移動させて、用紙支え8の保持部87aとリブ231Aの第2係合部231dとの係合状態を解除する。保持部87aと第2係合部231dとの係合状態が解除された状態においては、用紙支え8は突出位置と収納位置との間に位置することになり、回動軸部81の軸回りに自由に回動することが可能となる。
【0110】
図13に示すように、用紙支え8が突出位置と収納位置との間に位置する状態で、リアカバー21が開位置から閉位置側へ移動すると、用紙支え8は自重により突出位置側から収納位置側へ回動して、用紙支え8の回動軸部81側とは反対側の先端部が、回動軸部81よりも下方に位置する姿勢となる。この場合、用紙支え8は、用紙支え8の保持部87aが用紙ガイド面231aと当接した状態となって、突出位置と収納位置との間に位置している。
【0111】
図14に示すように、リアカバー21がさらに閉位置側へ移動すると、第2ガイド23が第2位置側から第1位置側へ移動して、用紙支え8の腕部86が本体筐体2の当接部25に近づき、その後、腕部86が当接部25に当接する。
【0112】
腕部86が当接部25に当接した後に、リアカバー21がさらに閉位置側へ移動すると、腕部86は当接部25に押圧されて弾性変形する。腕部86が弾性変形すると、用紙支え8は弾性変形した腕部86の付勢力により収納位置へ向かう方向に移動し、用紙支え8の保持部87aとリブ231Aの第1係合部231cとが係合する。
【0113】
その後、図4に示すように、リアカバー21が閉位置に到達して、第2ガイド23が第1位置に移動した状態となる。この状態においては、用紙支え8は保持部87aと第1係合部231cとが係合した収納位置に位置している。
【0114】
このように、画像形成装置1の用紙排出装置11においては、用紙支え8が突出位置と収納位置との間にある状態で第2ガイド23が第2位置から第1位置へ移動する過程において、第2ガイド23が第1位置に到達する前に腕部86が本体筐体2の当接部25に当接し、当接部25によって用紙支え8が収納位置へ向かう方向に移動される。
【0115】
これにより、第2ガイド23が第1位置に到達したときに、用紙支え8が第2ガイド23から排出経路P1aおよび再搬送経路P2に飛び出すことを抑制でき、用紙支え8によってジャムが発生することを抑制できる。つまり、用紙支え8は収納位置にあるときに第2ガイド23におけるリブ231の用紙ガイド面231aから突出しないため、用紙支え8が搬送される用紙Sの邪魔になることがなく、用紙支え8によってジャムが発生することを抑制できる。
【0116】
この場合、用紙支え8の腕部86は、左右方向において位置決め突起85を挟んで2つ設けられており、位置決め突起85を挟んだ2箇所で本体筐体2の当接部25と当接するため、腕部86が当接部25と当接したときに用紙支え8が左右方向に対して傾くことを抑制可能となっている。
【0117】
なお、用紙支え8の保持部87aが、リブ231Aの第1係合部231cと係合する位置近傍まで移動すれば、用紙支え8の先端が第2ガイド23におけるリブ231の用紙ガイド面231aから突出しないようにすると、部品のばらつきや経年劣化によって、用紙支え8の保持部87aがリブ231Aの第1係合部231cと係合する位置まで移動できなくても、よりジャムの発生を抑制することができる。
【0118】
図4図5図8図15に示すように、リアカバー21は、第1端部213aと第1端部213aとは反対側の第2端部213bとを有する長孔213が形成された長孔形成部212と、長孔形成部212における長孔213の第2端部213bの上方に位置する第1マーク214と、を有している。第3ガイド24は、長孔213に摺動可能に嵌まるボス245と、ボス245の上方に位置する第2マーク246とを有している。
【0119】
図15に示すように、第1マーク214および第2マーク246は、例えば左右方向に延びる直線状の印により形成されている。但し、第1マーク214および第2マーク246は、これに限るものではなく、任意の形状等に形成することができる。
【0120】
ボス245は、リアカバー21が閉位置にあるときに、長孔213の第1端部213aに位置しており、リアカバー21が開位置にあるときに、長孔213の第2端部213bに位置している。
【0121】
また、リアカバー21が閉位置から開位置へ移動するのに伴って、ボス245は長孔213内を第1端部213aから第2端部へ向けて摺動し、第3ガイド24は回動軸部243の軸回りに経路形成位置から経路開放位置へ向けて移動する。逆に、リアカバー21が開位置から閉位置へ移動するのに伴って、ボス245は長孔213内を第2端部213bから第1端部213aへ向けて摺動し、第3ガイド24は回動軸部243の軸回りに経路開放位置から経路形成位置へ向けて移動する。
【0122】
リアカバー21が閉位置にあるとき(図4参照)、およびリアカバー21が閉位置と開位置との間にあるとき(図13参照)には、ボス245は長孔213内における第2端部213bよりも第1端部213a側に位置しているため、図15に示すように、第1マーク214と第2マーク246とのボス245の摺動方向における位置は異なっている。
【0123】
一方、リアカバー21が開位置にあるとき(図5参照)には、ボス245は長孔213内における第2端部213bに位置しているため、図16に示すように、第1マーク214と第2マーク246とのボス245の摺動方向における位置は一致している。
【0124】
このように、リアカバー21が開位置にあるときに、ボス245は長孔213の第2端部213bに位置し、ボス245の摺動方向において第1マーク214と第2マーク246との位置が一致するため、ユーザはリアカバー21が開位置にあることを容易に認識することが可能となっている。
【0125】
図17図18に示すように、本体筐体2は、リアカバー21を閉位置に保持するための保持部26を備えており、リアカバー21は、本体筐体2の保持部26と係合してリアカバー21を閉位置に保持するための保持腕215を有している。
【0126】
保持腕215は、図8に示すように、リアカバー21の、回動軸部211の軸方向である左右方向と直交する方向において回動軸部211から遠い側の端部、かつ左右方向における両端部に設けられている。リアカバー21が閉位置にあるときには、保持腕215は、リアカバー21の上端部、かつ左右両端部に位置している。保持部26は、保持腕215に対応して設けられており、本体筐体2の上端部、かつ左右方向において離れた2箇所に配置されている。
【0127】
リアカバー21が閉位置にあるときには、保持腕215と保持部26とが係合して、リアカバー21が閉位置に保持されている(図17参照)。一方、リアカバー21が開位置にあるときには、保持腕215と保持部26との係合が解除されている(図18参照)。
【0128】
また、用紙排出装置11においては、用紙支え8が突出位置と収納位置との間にある状態でリアカバー21が閉位置へ移動する過程において、保持腕215と保持部26とが係合してリアカバー21が閉位置に保持される前に、用紙支え8の腕部86と本体筐体2の当接部25とが当接するように構成されている。
【0129】
これにより、リアカバー21が閉位置に到達して完全に閉じる前に、用紙支え8を収納位置へ向けて移動させることができ、リアカバー21が閉位置に到達したときに、用紙支え8が排出経路P1aおよび再搬送経路P2に飛び出すことを抑制して、用紙支え8によってジャムが発生することを抑制可能となっている。
【0130】
また、リアカバー21は、閉位置に移動したときに、保持部26と保持腕215とによって左右方向における両端部で保持されるため、片閉まりが発生することを抑制できる。
【0131】
また、用紙支え8が収納位置にあるとともに、リアカバー21が閉位置にあるときに、腕部86は、腕部86の弾性変形領域内で変形したときに生じる押圧力で本体筐体2の当接部25に当接するように構成されている。さらに、腕部86は、用紙支え8が収納位置にあるとともに、リアカバー21が閉位置にあるときに、本体筐体2の当接部25に当接しないように構成することもできる。
【0132】
従って、リアカバー21が閉位置で長期間保持された場合でも、腕部86は弾性変形したときの付勢力が失われることがなく、リアカバー21に備えられる第2ガイド23が第2位置から第1位置へ移動する過程において、腕部86が本体筐体2の当接部25と当接して、用紙支え8を収納位置側へ向けて移動させることが可能となっている。
【0133】
また、リアカバー21が閉位置にある状態で収納位置にある用紙押え8が本体筐体2の当接部25に当接するときの、腕部86の当接部25に対する押圧力は、保持腕215と保持部26とがリアカバー21を閉位置に保持するための保持力よりも小さくなるように設定されている。これにより、閉位置に保持されるリアカバー21が、腕部86の当接部25に対する押圧力によって不意に開くことを抑制可能となっている。
【0134】
[定着器におけるニップ圧の調整機構]
図19図20に示すように、定着器6は、定着器6の加圧ローラ62等を支持する定着フレーム63と、加熱ユニット61を支持するガイド部材64と、ニップ部NPにおいて用紙Sを加圧する圧力であるニップ圧を調整する調整機構65とを備えている。
【0135】
ガイド部材64は、加熱ユニット61の上方に位置しており、定着フレーム63に上下移動可能に支持されている。調整機構65は、定着器6の左右両端部に設けられており、アーム66と、バネ67と、カム69とを備えている。
【0136】
アーム66は、略L字型の金属製の部材であり、ガイド部材64を押圧可能に構成されている。アーム66は、定着フレーム63のボス631に回動可能に嵌め込まれる外嵌部661と、ガイド部材64の上面641を押圧する押圧部662と、バネ67の上端部を支持する支持部663と、カム69に当接可能な平坦な表面を有する樹脂製の当接部664とを有している。
【0137】
アーム66は、押圧部662がガイド部材64の上面641を押圧することにより、加熱ユニット61が加圧ローラ62に圧接してニップ部NPを形成するニップ位置(図19に示す位置)と、押圧部662がガイド部材64の上面641から離間して、加熱ユニット61の加圧ローラ62に対する圧接力がニップ位置よりも小さい圧力となるニップ解除位置(図20に示す位置)との間で移動可能である。
【0138】
アーム66がニップ位置にあるときは、定着器6による用紙Sに対する熱定着が可能であり、アーム66がニップ解除位置にあるときには、用紙Sのジャム処理を行うことが可能である。
【0139】
バネ67は、例えば引張コイルバネであり、上端部がアーム66の支持部663に支持され、下端部が定着フレーム63に支持されている。バネ67は、アーム66をニップ解除位置からニップ位置へ向かう方向に付勢する。
【0140】
カム69は、回動軸心R1を中心として回動可能であり、回動軸心R1を中心として回動することによりアーム66をニップ解除位置に案内する。カム69は、断面D字型の樹脂製の部材であり、平面で構成される第1カム面691と、第1カム面691と連続して形成された円弧面で構成される第2カム面692とを有している。
【0141】
第1カム面691は、アーム66の当接部664と対向する位置にあるとき、当接部664と離間している。この状態において、アーム66はバネ67に引っ張られてニップ位置に位置する。なお、第1カム面691はアームと当接していてもよい。この場合、第1カム面691は、アーム66をニップ位置に案内する面となる。
【0142】
第2カム面692は、アーム66をニップ解除位置に案内する面である。第2カム面692は、アーム66の当接部664と対向する位置にあるとき、当接部664に当接してアーム66を押し上げる。この状態において、アーム66はバネ67の付勢力に抗して押し上げられてニップ解除位置に移動する。
【0143】
[リンク]
図17から図20に示すように、画像形成装置1は、定着器6の調整機構65とリアカバー21とを連結し、リアカバー21の開閉動作に調整機構65の動作を連動させるリンク9を備えている。リンク9は、本体筐体2の右端部に配置されている。リンク9は、第1リンク部材91と、第2リンク部材92と、第3リンク部材93と、第4リンク部材94と、シャフト95とを備えている。
【0144】
第1リンク部材91は、リアカバー21と連結される長尺部材である。第1リンク部材91は、一端部に形成されるボス911と、他端部に形成される長孔912とを有している。第1リンク部材91の一端部は他端部よりも後方に位置している。リアカバー21の右側の長孔形成部212には連結孔216が形成されており(図8参照)、第1リンク部材91のボス911は連結孔216に回動可能に嵌め込まれている。ボス911が連結孔216に嵌め込まれることにより、第1リンク部材91とリアカバー21とが連結されている。
【0145】
第2リンク部材92は、第1リンク部材91と連結される略円板状の部材である。第2リンク部材92は、左右方向に延びる回動軸心R2を中心として回動可能であり、回動軸心R2から径方向に離れて位置するボス921と、周方向においてボス921とは異なる位相に位置するボス922とを有している。第2リンク部材92のボス921はボス922よりも下方に位置している。ボス921は、第1リンク部材91の長孔912に摺動可能に嵌め込まれている。ボス921が長孔912に嵌め込まれることにより、第2リンク部材92と第1リンク部材91とが連結されている。
【0146】
第3リンク部材93は、第2リンク部材92および第4リンク部材94と連結される略直線状の部材である。第3リンク部材93は、一端部に形成された孔部931と、他端部に形成された孔部932とを有している。第3リンク部材93の一端部は他端部よりも後方に位置している。孔部931には、第2リンク部材92のボス922が回動可能に嵌め込まれている。ボス922が孔部931に嵌め込まれることにより、第2リンク部材92と第3リンク部材93とが連結されている。
【0147】
第4リンク部材94は、第3リンク部材93と連結されるアーム形状の部材である。第4リンク部材94は、一端部にボス941を有しており、他端部にシャフト95が連結されている。第4リンク部材94の一端部は他端部よりも上方に位置している。ボス941は、第3リンク部材93の孔部932に回動可能に嵌め込まれている。ボス941が孔部932に嵌め込まれることにより、第4リンク部材94と第3リンク部材93とが連結されている。
【0148】
シャフト95は左右方向に延びており、回動軸心R1を中心として回動可能に定着フレーム63に支持されている。シャフト95は、カム69に一体的に回動可能に嵌め込まれている。第4リンク部材94、シャフト95、およびカム69は、回動軸心R1を中心として一体的に回動可能である。
【0149】
図17図19に示すように、リアカバー21が閉位置にあるときには、リンク9は第1リンク部材91と第3リンク部材93とが前後方向において重なるように折り畳まれた状態にあり、調整機構65においては、第1カム面691が当接部664と対向する位置にある。これにより、アーム66はバネ67に引っ張られてニップ位置に位置し、加熱ユニット61は加圧ローラ62へ向かって押圧されてニップ部NPを形成している。従って、定着器6は、用紙Sに熱定着可能な状態、つまり印刷可能な状態となっている。また、第2リンク部材92のボス921は、第1リンク部材91における長孔912の一端部912aに位置している。
【0150】
一方、図18図20に示すように、リアカバー21が開位置にあるときには、リンク9は第1リンク部材91が第3リンク部材93の後方に位置する伸びた状態にあり、調整機構65においては、アーム66がニップ解除位置にある。これにより、加熱ユニット61の加圧ローラ62に対する圧接力がニップ位置よりも小さい圧力となっている。従って、定着器6は、用紙Sのジャム処理が可能な状態となっている。また、第2リンク部材92のボス921は、第1リンク部材91における長孔912の他端部912bに位置している。
【0151】
さらに、リアカバー21が開位置にあって、定着器6の圧力が低減された状態にあるときには、第3ガイド24のボス245は、リアカバー21における長孔213の第2端部213bに位置しており、第1マーク214と第2マーク246とのボス245の摺動方向における位置が一致している。
【0152】
リアカバー21が開位置にあるときには、第1マーク214と第2マーク246とのボス245の摺動方向における位置が一致しているため、定着器6における用紙Sを圧接する圧力が小さくなっていて、定着器6に生じたジャムの解除が可能な状態となっていることを、ユーザが容易に認識可能となっている。
【0153】
このように、リアカバー21は、リンク9を介して定着器6の調整機構65と連結されており、リアカバー21が閉位置と開位置とに移動することで、定着器6の用紙Sを圧接する圧力が、リンク9を通じて変更される。
【0154】
図17に示した閉位置にあるリアカバー21を開位置へ移動させる場合は、閉位置にあるリアカバー21の開位置側への移動を開始すると、保持腕215と保持部26との係合が解除されるとともに、第1リンク部材91がリアカバー21に引っ張られて後方へ移動する。第1リンク部材91が後方へ移動すると、第2リンク部材92のボス921は、第1リンク部材91における長孔912内を一端部912aから他端部912b側へ向けて相対的に移動し、やがて図21に示すように他端部912bに到達する。
【0155】
第2リンク部材92のボス921が長孔912の一端部912aから他端部912bへ相対的に移動するまでの間、第2リンク部材92、第3リンク部材93、第4リンク部材94、およびシャフト95は動作せず、調整機構65のアーム66はニップ位置に保持され、定着器6は印刷可能な状態を維持している。
【0156】
また、リアカバー21が、第2リンク部材92のボス921が長孔912の他端部912bに達するまで開位置側へ移動した状態では、リアカバー21は、リアカバー21の上端と本体筐体2との間の距離がLとなる位置まで開いた状態となる。リアカバー21の上端と本体筐体2との間の距離Lは、定着器6から搬送されてきた用紙Sを、リアカバー21と本体筐体2との間を通じて、本体筐体2の外部に排出することが可能な大きさである。
【0157】
第2リンク部材92のボス921が長孔912の他端部912bに達した後に、リアカバー21が開位置側へ移動すると、第2リンク部材92が第1リンク部材91に引っ張られて左方から見て時計回りに回動し、第3リンク部材93が第2リンク部材92に押されて前方へ移動する。第3リンク部材93が前方へ移動すると、第4リンク部材94、シャフト95、およびカム69が回動軸心R1を中心として一体的に左方から見て時計回りに回動する。
【0158】
その後、図18に示すようにリアカバー21が開位置に到達した状態になると、カム69の回動により調整機構65のアーム66がニップ解除位置に移動して、定着器6は用紙Sのジャム処理が可能な状態となる。
【0159】
また、図18に示した開位置にあるリアカバー21を閉位置へ移動させる場合は、開位置にあるリアカバー21の閉位置側への移動を開始すると、第1リンク部材91がリアカバー21に押されて前方へ移動する。第1リンク部材91が前方へ移動すると、第2リンク部材92のボス921は、第1リンク部材91における長孔912内を他端部912bから一端部912a側へ向けて相対的に移動し、やがて一端部912aに到達する。
【0160】
第2リンク部材92のボス921が長孔912の一端部912aに到達した後に、リアカバー21が閉位置側へ移動すると、第2リンク部材92が第1リンク部材91に押されて左方から見て反時計回りに回動し、第3リンク部材93が第2リンク部材92に引っ張られて後方へ移動する。第3リンク部材93が後方へ移動すると、第4リンク部材94、シャフト95、およびカム69が回動軸心R1を中心として一体的に左方から見て反時計回りに回動する。
【0161】
その後、図17に示すように、保持腕215と保持部26とが係合して、リアカバー21が開位置に到達した状態になると、カム69の回動により調整機構65のアーム66がニップ位置に移動して、定着器6は印刷可能な状態となる。
【0162】
このように、リアカバー21が開位置と閉位置との間で移動するときに、第2リンク部材92のボス921が第1リンク部材91の長孔912内を摺動可能に構成されている。
【0163】
従って、例えばリアカバー21を閉位置側へ向けて移動させたときに、用紙支え8が収納位置にないこと等によって、リアカバー21が保持腕215と保持部26とが係合する手前までしか移動しなかった場合、第2リンク部材92のボス921は、第1リンク部材91の長孔912内をリアカバー21が開く方向へ摺動可能であるため、第2リンク部材92の連結先である定着器6の状態にかかわらず、リアカバー21は自重で開位置側へ移動することができる。
【0164】
これにより、リアカバー21を図21に示す位置まで開いた状態として、用紙支え8を再搬送経路P2から遠ざけることができ、ユーザはリアカバー21が閉位置にいないことを容易に認識することができる。また、リアカバー21は閉位置からの開き度合いを大きくすることができるため、本体筐体2内から排出される用紙Sにジャムが生じることを抑制できる。
【符号の説明】
【0165】
1 画像形成装置
2 本体筐体
2A 開口
6 定着器
8 用紙支え
9 リンク
21 リアカバー
22 第1ガイド
23 第2ガイド
24 第3ガイド
25 当接部
26 保持部
72 排紙トレイ
81 回動軸部(第2軸部)
82 用紙当接面
83 対向面
84 裏面
85 位置決め突起
86 腕部
87a 保持部
91 第1リンク部材
92 第2リンク部材
912 長孔
921 ボス
211 回動軸部(第1軸部)
212 長孔形成部
213 長孔
213a 第1端部
213b 第2端部
214 第1マーク
215 保持腕
221 ガイド面
222 ガイド裏面
231、231A、231B リブ
231a 用紙ガイド面
231b 孔部
231c 第1係合部
231d 第2係合部
232 位置決め部
243 回動軸部(第3軸部)
244 用紙支持部
245 ボス
246 第2マーク
P1a 排出経路
P2 再搬送経路
S 用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21