(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068595
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】侵入感知警報システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/10 20060101AFI20240513BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240513BHJP
G08B 13/19 20060101ALI20240513BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20240513BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240513BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20240513BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
G08B25/10 A
G08B25/04 E
G08B13/19
G08B21/00 A
H02J7/00 N
H02J7/35 B
H02J13/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179173
(22)【出願日】2022-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】599128206
【氏名又は名称】株式会社日惠製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100074125
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 昌夫
(74)【代理人】
【識別番号】100129986
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓生
(72)【発明者】
【氏名】恩田 惠
【テーマコード(参考)】
5C084
5C086
5C087
5G064
5G503
【Fターム(参考)】
5C084AA02
5C084AA07
5C084AA13
5C084BB34
5C084CC16
5C084DD42
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5C086AA27
5C086CA12
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5C086FA06
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5C087AA11
5C087AA23
5C087AA32
5C087AA35
5C087AA37
5C087AA44
5C087BB20
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5C087DD20
5C087EE09
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5C087FF04
5C087FF16
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG84
5G064AA01
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5G064BA07
5G064CB06
5G064CB16
5G064DA05
5G503AA06
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA11
5G503CC02
5G503DA04
5G503DA07
5G503EA01
5G503EA06
5G503GD03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】容易に位置変更されない防犯性を有し、また、長期間設置による対候劣化や表面汚染の影響を抑え、比較的耐久性・対候性に優れた侵入感知警報システムを提供する。
【解決手段】侵入感知警報システムは、複数エリアにそれぞれ設置された、少なくとも人感センサー及び無線送信機を備える壁付型のセンサユニット1と、各センサユニットからの人感センサー11Sの感知情報を無線受信する受信機を備える受信ユニット2と、から構成される。各センサユニットは、ユニット内の駆動電源として太陽電池12Bと充電池10Bを具備し、また、充電コントローラ12Cと電源回路とを具備してなり、前記各電池への充電と駆動電源の供給とが自動切り替え可能に構成され、さらに少なくとも人感センサー、充電池、電源回路及び無線送信機を密閉収容する密閉ボックスを具備し、構造物の壁面又は柱面に突出固定した庇形状の側方突出片を有する壁固定器の下部に設置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の施設内を区分する複数エリアにそれぞれ設置された、少なくとも人感センサと無線送信機を備えた壁付型のセンサユニットと、
各センサユニットからの前記人感センサの感知情報を無線受信する受信機を備えた受信ユニットと、から構成される侵入感知警報システムであって、
前記各センサユニットは、ユニット内の駆動電源として太陽電池と充電池を具備し、また充電コントローラと電源回路とを具備してなり、前記各電池への充電と・電源供給自動切り替え可能に構成され、
さらに前記各センサユニットは、少なくとも前記人感センサ、充電池、電源回路、無線送信機を密閉収容する密閉ボックス10を具備し、構造物の壁面又は柱面に突出固定された庇形状の側方突出片を有した壁固定器の下部に設置されることを特徴とする、侵入感知警報システム。
【請求項2】
前記各センサユニットはさらに、前記太陽電池を保持するソーラーパネル12を具備し、このソーラーパネルが前記壁固定器の庇形状の側方突出片13の上方に所定の傾斜角度で固定設置され、各センサユニットの前記壁固定器の側方突出片13が、前記複数のセンサユニットにおいて共通の上面/下面取り付け機構を具備することを特徴とする、請求項1に記載の侵入感知警報システム。
【請求項3】
各センサユニットの前記壁固定器がさらに、構造物の壁面又は柱面に対して面接触する縦面方向の免振構造と、前記複数のセンサユニットにおいて共通の側面取り付け機構とを具備し、前記各センサユニットの側方突出片が、各側面取り付け機構を介して各免震構造によって構造物の側面に中空設置されることを特徴とする、請求項1に記載の侵入感知警報システム。
【請求項4】
各センサユニットは複数個体同士を区別する認識コードが設定されており、
各センサユニットの前記無線送信機は、当該センサユニットの前記人感センサが熱源の赤外線の通過を検知したとき、その検知情報及び自身の認識コードを、前記受信ユニットの受信機へ送信するものであり、前記受信ユニットは、光又は音による複数種類の報知パターンの報知機を備えてなり、
各センサユニットからの各検知情報ないし電圧情報を受信したとき、発信元であるセンサユニットごとの認識コードに対応した、前記複数種類のうちいずれかの特定の報知パターンで報知することを特徴とする、請求項1に記載の侵入感知警報システム。
【請求項5】
各センサユニットは複数個体同士を区別する認識コードが設定されており、
各センサユニットの前記無線送信機は、当該センサユニットの前記人感センサが熱源の赤外線の通過を検知したとき、その検知情報及び自身の認識コードに加え、当該センサユニットの充電池の電圧が所定の閾値未満まで低下したとき、並びに当該センサユニットの充電池の電圧が所定の閾値以上に復帰したとき、それらの各電圧情報及び認識コードを前記受信ユニットの受信機へ送信するものであり、前記受信ユニットは、光又は音による複数種類の報知パターンの報知機を備えてなり、
各センサユニットからの各検知情報ないし電圧情報を受信したとき、発信元であるセンサユニットごとの認識コードに対応した、前記複数種類のうちいずれかの特定の報知パターンで報知することを特徴とする、請求項1に記載の侵入感知警報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数エリアに設置されたセンサ(例えば人感センサ)の内、いずれかのエリアへの侵入者を感知した際に、無線送信によって管理者の受信機に警報を知らせるシステムであって、「どのエリアが感知したのか」を管理者に知らせる侵入感知警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セキュリティ監視エリア(敷地)の要所に、人の侵入を検知する複数個のセンサ装置3が設けられたセキュリティシステムが開示される(特許文献1参照)。このシステムは異常等検出用のセンサ装置を夫々設置するようにしたセキュリティシステムであって、センサ装置3(センサ本体4)のいずれかによって不審人物の侵入が検知されると、通信装置5によってコントローラ2に検知信号が送信される。また、各センサ装置は、無線通信によりシステムのコントローラに接続されていると共に、動作電源となる二次電池及びその二次電池に充電するための太陽電池パネルを備えて構成されており、前記複数個のセンサ装置における各太陽電池パネルは、前記セキュリティ監視エリア内に仮想される一つの仮想平面上に、該仮想平面上の所定点を向いて配置されており、前記各太陽電池パネルにおける発電に必要な光エネルギを供給するために、前記所定点から前記仮想平面に沿って放射方向に光を照射可能な1個の回転投光器が、回転駆動機構によって前記所定点を中心に回転可能に設けられている。
【0003】
またほかに、複数のユニットにより構成される侵入検知装置を備えた侵入検知システムとして、ユニット12a~12dの各々が、演算回路(CPU等)と記憶回路(RAMやROM等)を有したものが開示される(特許文献2参照)。この記憶回路はフェンスセンサ11と太陽電池13と充電回路51とバッテリー52と電圧監視部53と情報処理部54と通信部55とセンサドレス付加部56とユニットアドレス付加部57とタイマー部58と検知判断部59とを備えた装置として機能する。また、また、侵入検知に用いるフェンスセンサ11は、振動式センサに限らず、赤外線センサやパッシブセンサ等でも可能である、とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特登05168088号公報
【特許文献2】特開2006-163659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来のシステムはいずれも、ポールを起立設置し、その先に取り付けた自立棒型のセンサユニットによって検知するものであった。このような自立棒型のユニットは設置後に場所や向きを可変されやすく、ユニットを徒に位置調整されたり向き変更されたりするなど、防犯性に劣る場合があった。
【0006】
また、ユニットの稼働電源である太陽電池モジュールによる充電量を確保するために周囲に拓けた平面領域に単独設置されることが多く、長期間設置によって対候劣化したり表面汚染されたりするなど、頻繁なメンテナンスを行わなければ耐久性・対候性に欠けてしまう場合があった。
【0007】
そこで本発明は、容易に位置変更されないだけの防犯性を有し、また、長期間設置による対候劣化や表面汚染の影響を抑え、比較的耐久性・対候性に優れた侵入感知警報システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく下記〔1〕~〔4〕の解決手段を講じている。なお、以下の各用語に続けて記載する数字ないしアルファベット文字列、或いはカッコつきで起債する数字ないしアルファベット文字列は後述する実施例或いは図面において理解のために便宜的に付した符号であって、それ自体が概念又は用語の意味を有するものではない。後述する実施例の説明においても同様である。
【0009】
〔1〕本発明の侵入感知警報システムは、
一地域を区分する複数エリアにそれぞれ設置された、少なくとも人感センサ(11S)と無線送信機(10T)を備えた壁付型のセンサユニット(1)(1A、1B、1C、・・・)と、
各センサユニット(1A、1B、1C、・・・)からの前記人感センサ(11S)の感知情報を無線受信する受信機を備えた受信ユニット(2)と、から構成される侵入感知警報システムであって、
前記各センサユニット(1)(1A、1B、1C、・・・)は、ユニット内の駆動電源として太陽電池(12B)と充電池(10B)を具備し、また充電コントローラ(12C)と電源回路とを具備してなり、前記各電池(すなわち太陽電池(12B)ないし充電池(10B)への充電と駆動電源の供給とが自動切り替え可能に構成され、
さらに前記各センサユニット(1)(1A、1B、1C、・・・)は、少なくとも前記人感センサ(11S)、充電池(10B)、電源回路、及び無線送信機(10T)を纏めて密閉収容する密閉ボックス(10)を具備し、この密閉ボックス(10)が、取り付け箇所である構造物の壁面又は柱面に突出固定された庇形状の側方突出片(13)を有した壁固定器の下部に設置されることを特徴とする。
【0010】
〔2〕前記侵入感知警報システムにおいて、
前記各センサユニット(1)はさらに、前記太陽電池(12B)を保持するソーラーパネル(12)を具備し、このソーラーパネル(12)が前記壁固定器の庇形状の側方突出片(13)の上方に所定の傾斜角度で固定設置され、
各センサユニット(1)の前記壁固定器の側方突出片(13)が、前記複数のセンサユニット(1)(1A、1B、1C、・・・)において共通の上面/下面取り付け機構を具備することを特徴とする。
上記構成はすなわち、複数のセンサユニット(1)(1A、1B、1C、・・・)において互いに共通する上面/下面取り付け機構を有することになる。これによって、各ユニット(1A、1B、1C、・・・)を構成する密閉ボックス(10)及びソーラーパネル(12)を再取り付け又は交換可能となり、メンテナンス性が向上する。
【0011】
〔3〕前記侵入感知警報システムにおいて、
各センサユニットの前記壁固定器がさらに、構造物の壁面又は柱面に対して面接触する縦面方向の免振構造と、前記複数のセンサユニットにおいて共通の側面取り付け機構とを具備し、
前記各センサユニットの側方突出片13が、各側面取り付け機構を介して各免震構造によって構造物の側面に中空設置されることを特徴とする。
【0012】
〔4〕前記システムにおいて、
各センサユニットは複数個体同士を区別する認識コードが設定されており、
各センサユニットの前記無線送信機は、当該センサユニットの前記人感センサが熱源の赤外線の通過を検知したとき、その検知情報及び自身の認識コードを、前記受信ユニットの受信機へ送信するものであり、
前記受信ユニットは、光又は音による複数種類の報知パターンの報知機を備えており、
各センサユニットからの各検知情報を受信したとき、発信元であるセンサユニットごとの認識コードに対応した、前記複数種類のうちいずれかの特定の報知パターンで報知することを特徴とする。
【0013】
〔5〕前記システムにおいて、
各センサユニットは複数個体同士を区別する認識コードが設定されており、
各センサユニットの前記無線送信機は、当該センサユニットの前記人感センサが熱源の赤外線の通過を検知したとき、その検知情報及び自身の認識コードを、前記受信ユニットの受信機へ送信するものであり、前記受信ユニットは、光又は音による複数種類の報知パターンの報知機を備えてなり、
各センサユニットからの各検知情報ないし電圧情報を受信したとき、発信元であるセンサユニットごとの認識コードに対応した、前記複数種類のうちいずれかの特定の報知パターンで受信内容を区別可能に報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記手段を講じることで、徒に位置変更されないだけの防犯性を有し、また、長期間設置による対候劣化や表面汚染の影響を抑え、比較的耐久性・対候性に優れた侵入感知警報システムを提供することができるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の侵入感知警報システムの機能構成を示す概念図。
【
図2】実施例1の侵入感知警報システムのセンサユニットの正面図(a)及び密閉ボックスの内部構造の部分説明図(b)。
【
図3】実施例1の侵入感知警報システムのセンサユニットの取り付け状態例の側面図。
【
図4】実施例1の侵入感知警報システムのセンサユニットの背面図。
【
図5】実施例1の侵入感知警報システムの受信ユニットの正面図(a)及び側面図(b)。
【
図6】実施例1の侵入感知警報システムの配置例及び領域区分例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための形態例について以下に説明する。
図1は本発明の侵入感知警報システムの一実施形態における機能構成図、
図2~4は実施例1の侵入感知警報システムにおけるセンサユニットの正面、側面、及び背面方向の各図、
図5はとは実施例1の侵入感知警報システムにおける受信ユニットの正面、側面方向の各図、
図6は実施例の侵入感知警報システムにおける各ユニットの配置例とこれによる権利エリアの領域区分例の説明図である。ただし以下の説明および図面の記載は、本発明の実施形態やその組み合わせ例を例示したものであって、各説明や表現、文言、図示によって概念、構成、機能ないし形状を不要に限定する趣旨ではない。
【0017】
<本発明の基本構成>
本発明はその基本構成として、施設領域を区分した複数エリアに設置された複数のセンサユニットと、各センサユニットからの無線送信情報を受信する一または複数の受信ユニットと、から構成される。各センサユニットはセンサ (人感センサ)を備え。いずれかのセンサが侵入者を感知した際に、無線送信により固定箇所に設置されるかあるいは所定の管理者が保有する受信ユニットに情報を無線送信し、受信ユニットの報知手段によって侵入感知情報を警報する(管理者に報知する)システムである。特に各センサユニットは互いを識別し得る個別の識別符号(ID)が付与されており、送信データにてID情報を識別可能とすることで、侵入感知したときは「どのエリアが感知したのか」を管理者に知らせることが可能となる。
【0018】
図1に示すように、複数のセンサユニット1(1A,1B,1C)は共通する機能構成からなる。具体的には、人感センサ (熱源の赤外線を検知するモーションセンサ)、太陽電池、充電池、無線マイコンから構成される。侵入者を感知した際に、無線マイコンから管理者のいる受信機にID番号を付与して送信する。ただし個別の識別情報(ID)が(例えば1A,1B,1Cのように)付与されることで送信するデータセットDA、DB,DCがID識別可能となっている。
【0019】
各センサユニット1(1A,1B,1C)は、例えば
図1に示すように、太陽電池、充電コントローラ及び充電池、人感センサの各機能ブロックと、これら機能ブロックを制御する無線マイコンとで少なくとも機能構成される。無線マイコンは無線送信機、電源回路機能を備える。無線送信機によって送信される送信データは当該センサユニットの個体を識別可能なデータ、すなわち個別の認識コード情報IDを具備する。
【0020】
なお、各センサユニットからの送信データは、
図1に図示したデータからなるものとしてもよい。このデータは例えば、識別情報ID,人感センサによる熱源の感知情報DT、日時及び時間情報TT、及び、電圧低下ないし復帰を含む運転情報EDをデータ領域に含む。
【0021】
このデータによって、どの個別の識別情報(例えば1A,1B,1Cのいずれか)のセンサユニットが熱源の移動を検知したか、受信機の制御用マイコンによってリアルタイムに識別可能になっている。また、受信機のフラッシュメモリまたはSDカードからなる記録装置によって、感知情報を記録可能となっている。
【0022】
受信ユニットは例えば
図1に示すように、受信装置を含む無線マイコン、電源回路を含む制御マイコン、メモリまたはSDカードスロットとスロット内に接続される記録装置、光や音をあらかじめ記憶された複数のパターンのいずれかで発することのできる報知装置から構成される。報知装置は例えばLEDドライバー経由で動作する光源部(LED)と、オーディオアンプ経由で動作するスピーカー部とからなり、点滅、点灯、連続音、断続音、複数音源などの組み合わせによってあらかじめ報知パターンが複数種類記憶される。
【0023】
<実施例1>
図2~
図4に示すように、実施例1のセンサユニットは、庇(ひさし)を有する壁付きLアングルと、アングルの庇(ひさし)部に取り付けられた耐水の密閉ボックスと、アングルの庇(ひさし)上にアームで上方設置されたソーラーパネル12の3つのサブユニットで構成される。
【0024】
密閉ボックス10は、充電コントローラ12Cで電位制御された充電池10Bと、送信機回路及び電源回路を備えた無線マイコン10Tを備える。また、電圧降下時は、太陽電池を有したソーラーパネルからの充電電圧が充電コントローラ12Cを介して自動補充される。これにより各センサユニットは太陽電池と充電池で充電・電源供給自動切り替えで駆動電源が制御され、外部電源を必要としない自立運転が可能となる。但し、ソーラーパネルを取り外すかメンテナンスする際は、背部に備えたバックスイッチ10BSによって太陽電池の電圧補充を矯正遮断することもできる。
【0025】
また各センサユニットは球冠領域タイプのモーションセンサ(人感センサ)を密閉ボックスの正面パネルに半埋め込み状態で備える(
図2、
図3)。密閉ボックス内部に埋め込み式の人感センサと運転ランプ、無線送信機・電源回路付きの無線マイコンを備えるとともに、外部にアンテナ11Aを備える。センサが熱源の赤外線(トラックや生体物)の通過を検知したとき、各無線送信機が検知情報をリアルタイムで送信する。
【0026】
各センサユニットの充電池電圧が低下したとき、充電コントローラ12Cと無線マイコン10Tの電源回路によって、自動で電圧補充モードに切り替わる。電圧補充モードはソーラーパネルによる充電電圧を充電池10Bに自動給電するモードであり、充電池10Bの電圧が所定の閾値未満に低下したときに電圧補充モードとなる。
【0027】
また、各センサユニットは複数個体同士を区別する認識コードが設定されており、
各センサユニットの前記無線送信機は、当該センサユニットの前記人感センサが熱源の赤外線の通過を検知したとき、その検知情報及び自身の認識コードに加え、当該センサユニットの充電池の電圧が所定の閾値未満まで低下したとき、並びに当該センサユニットの充電池の電圧が所定の閾値以上に復帰したとき、それらの各電圧情報及び認識コードを前記受信ユニットの受信機へ送信するものでもよい。
【0028】
受信ユニットは、光又は音による複数種類の報知パターンの報知機を備えてなり、
各センサユニットからの各検知情報ないし電圧情報を受信したとき、発信元であるセンサユニットごとの認識コード(ID情報)に対応した、前記複数種類のうちいずれかの特定の報知パターンで報知する。
【0029】
各センサユニット1は
図4に示すように、構造物側面へ中空設置するための壁固定器を備える。壁固定器は具体的には、構造物の壁面又は柱面に対して面接触する縦面方向の免振構造(142,143)と、前記複数のセンサユニットにおいて共通の側面取り付け機構(14)とを具備し、筒枠141で囲われたドーナツ状弾性材からなる免震材の弾性支持構造と、この免震材内へ周方向等角度間隔に打ち込まれた複数本の免震ボルトの螺合支持構造とによって、壁面から離した位置でのアングル支持構造を成立させている(
図4)。
【0030】
前記各センサユニット1の側方突出片13が、各側面取り付け機構を介して各免震構造によって構造物の側面に中空設置(つまり、設置面の地面よりも上方に設置)されることを特徴とする。
【0031】
図5に示すように、実施例1の受信ユニットは例えば、電池ユニット、無線マイコン、制御マイコンを筒状内部に備え、前面に拡光レンズ及び拡声通路が一体構成された半透明カバー21とその中央に備えた筒状のスピーカー、及び筒底部に備えた面発光体22Lを備えた報知装置からなる。例えば後面背部に記憶装置ユニット24内にフラッシュメモリ、SDカードなどの記憶装置の収納スロットを備え、報知情報を記憶する記憶メディアを収納することができる。
【0032】
図6に、「センサの検知エリア」区画例を示す。区画された検知領域(エリア)の対応構成は例えば以下となる。
第一エリアA1:人感センサ11Sと信号送信機(無線(送信)基板とLiイオン電池が密閉ボックス10に内蔵されたセンサユニット1Aの対象エリアである。このセンサユニット1Aは、壁固定器によって建物の外壁近傍の支柱(図示せず)に設置される。壁固定器の上部にはソーラーパネルが所定角度で設置される。
第二エリアA2:人感センサ信号送信機(無線(送信)基板とLiイオン電池が密閉ボックス10に内蔵されたセンサユニット1Bの対象エリアである。このセンサユニット1Bは、壁固定器によって建物の入口の側部の外壁近傍に設置される。壁固定器の上部にはソーラーパネルが、第一エリアとは異なる所定角度で設置される。
第三エリアA3:人感センサ信号送信機(無線(送信)基板とLiイオン電池が密閉ボックス10に内蔵されたセンサユニット1Cの対象エリアである。このセンサユニット1Aは、壁固定器によって建物の入り口近傍の外壁近傍に設置される。壁固定器の上部にはソーラーパネルが、第ニエリアとは異なる所定角度で設置される。
管理エリア:建物内の管理センターで、複数エリア区画情報と検知情報によって経路を特定予測する受信ユニット。
【0033】
図6の配置例では、第二エリアA2の特定の一部分が第一エリアと重畳する共通エリアAA2を含み、また、第二エリアA2の前記一部分と異なる特定の一部分が、第三エリアA3と重畳する共通エリアAA3を含むようにエリア設定される。
これら共通エリアAA2、AA3では複数のセンサユニットが同時検知可能な細部エリアとなっている。例えばセンサユニット1A,1Bが熱源体を同時検知した場合は、熱源体がこの共通エリアAA2内に位置することが確認できる。またセンサユニット1Aのみが熱源体を検知したのちに,1A及び1Bが熱源体を同時検知した場合には、第一エリアA1から共通エリアAA2に熱源体が移動したことが確認できる。
上記の他に、受信ユニットまたは管理エリア内において、複数エリアに設置されたセンサの配置情報を有し、前記受信ユニットは、各センサからの熱源情報と配置情報、熱源の移動時間情報又は待機時間情報とを組み合わせるにことよって、侵入箇所、進入経路、経路予測を報知するものでもよい。
【0034】
受信ユニット2は受信機と報知機(無線(受信)基板が内蔵されており、LED発光と音声で報知する。複数のセンサの動作状況、検知状況、センサ感度を管理して報知の際は地図情報と共にモニタ2Mへ表示するものでもよい(
図6)。
【0035】
本実施形態の侵入感知警報システムは、以下の特徴を有する。
〔1〕(庇形状の側方突出片13の下部の密閉ボックス10でセンサ11Sが固定)
一施設地域を区分する複数エリアにそれぞれ設置された、少なくとも人感センサと無線送信機を備えた壁付型のセンサユニット(1)と、
各センサユニットからの前記人感センサの感知情報を無線受信する受信機を備えた受信ユニット(2)と、から構成される侵入感知警報システムであって、
前記各センサユニットは、ユニット内の駆動電源として太陽電池と充電池を具備し、また充電コントローラと電源回路とを具備してなり、前記各電池への充電と・電源供給自動切り替え可能に構成され、
さらに前記各センサユニットは、少なくとも前記人感センサ11S、充電池、電源回路、無線送信機を密閉収容する密閉ボックス10を具備し、構造物の壁面又は柱面に突出固定された庇形状の側方突出片13を有した壁固定器の下部に設置されることを特徴とする。
【0036】
また、実施例では壁固定された壁固定器のL字型アングルの縦片に免振緩衝材を筒状に備え、平行な複数のボルトで壁面と離間固定することによって密閉ボックスの背部を免振保護すると共に、突出固定された庇形状の側方突出片13に下部固定することによって密閉ボックスの上部を保護し、センサユニットの誤作動や鳥類などの害を防止している。
【0037】
〔2〕(ソーラーパネルが庇上部に固定)
前記各センサユニットはさらに、前記太陽電池を保持するソーラーパネル12を具備し、このソーラーパネルが前記壁固定器の庇形状の側方突出片13の上方に所定の傾斜角度で固定設置されている。
【0038】
各センサユニットの前記壁固定器の側方突出片13が、前記複数のセンサユニットにおいて共通の上面/下面取り付け機構を具備することを特徴とする。
【0039】
共通する上面/下面取り付け機構によって、各ユニットを構成する密閉ボックス10及びソーラーパネル12を再取り付け又は交換可能である。
【0040】
〔3〕(壁免震構造で側面中空固定)
前記各センサユニットの前記壁固定器はさらに、構造物の壁面又は柱面に対して面接触する縦面方向の免振構造(142,143)と、前記複数のセンサユニットにおいて共通の側面取り付け機構(14)とを具備し、メンテナンスや部品交換、材料確保を容易にしている。
【0041】
また、前記各センサユニットの側方突出片13が、壁面埋め込みの免震材と免震ボルトからなる免震構造によって構造物の側面に中空設置(つまり、設置面の地面よりも上方に設置)され、各側面取り付け機構を介して壁面固定される。
【0042】
〔4〕(センサユニット同士の認識コード識別)
前記各センサユニット(1)は複数の個体同士を区別する認識コード(ID:1A,1B,1C・・・)が設定されており、
各センサユニットの前記無線送信機(10T)は、当該センサユニットの前記人感センサ(11S)が熱源の通過を赤外線検知したとき、その検知情報及び自身の認識コードを、前記受信ユニットの受信機へリアルタイムで送信するものとなっている。
【0043】
各センサユニットが検知情報と認識コードを検知してすぐに送信するため、受信ユニットではどのセンサユニットから検知情報が送信されたかをリアルタイムに報知することができる。また受信ユニットの記憶装置によって、どのセンサユニットからどの時刻からどの時刻まで、すなわちどれだけの時間にわたって検知情報が送信されたかを記録することができる。
【0044】
そして前記受信ユニット(2)は、光又は音による複数種類の報知パターンの報知機を備えてなり、各センサユニットからの各検知情報ないし電圧情報を受信したとき、発信元であるセンサユニットごとの認識コードに対応した、前記複数種類のうちいずれかの特定の報知パターンで報知することを特徴とする。
【0045】
〔5〕各センサユニットは複数個体同士を区別する認識コード(個別の認識ID)が設定されており、
各センサユニットの前記無線送信機は、当該センサユニットの前記人感センサが熱源の赤外線の通過を検知したとき、その検知情報及び自身の認識コードの情報を前記受信ユニットの受信機へ送信する。
前記受信ユニットは、光又は音による複数種類の報知パターンを予め記憶した報知機を備えてなり、
各センサユニットからの各検知情報を受信したとき、発信元であるセンサユニットごとの認識コードに対応した、前記複数種類のうちいずれかの特定の報知パターンで報知することを特徴とする。
【0046】
また、当該センサユニットの充電池の電圧が所定の閾値未満まで低下したとき、センサユニットは自動的にソーラーパネルからの電圧を給電する充電モードに移行する。このモードに移行したとき、並びに当該センサユニットの充電池の電圧が所定の閾値以上に復帰したとき、それらの各電圧情報及び認識コードを前記受信ユニットの受信機へ送信することもできる。
【0047】
この場合、前記受信ユニットは、光又は音による複数種類の報知パターンを予め記憶した報知機を備えてなり、
各センサユニットからの各検知情報を受信したとき、発信元であるセンサユニットごとの認識コードに対応した、前記複数種類のうちいずれかの特定の報知パターンであって、検知情報の受信時とは異なる報知パターンで報知することができる。
【0048】
どのセンサユニットから検知情報が届いたか、あるいはモード移行情報又は復帰情報がとどいたかを、受信ユニットでリアルタイムに検知することができる。
【0049】
また各センサユニットはその部品構成を、アングルの固定構造部分と、ソーラーパネル部分と、密閉ボックス部分とで分離構成され、太陽電源による電圧補充機能と、壁面への固定機能と、センサおよび送信機能とからなる機能ブロックごとに、互いを交換可能な物理構成として備えたものとなる。
【0050】
さらに各センサユニットは構造物側面(壁面ないし柱面)に中空状態で免震構造を介して設置固定されることで、常に背部が構造物で遮られ、雨風や紫外線、振動などの外的負荷を抑えるとともに,設置後は設置個所の移設やセンサ方向の可変を容易にできないものとなっている。このため防犯性に優れたシステム運転を長期間継続しやすい。
【0051】
また、密閉ボックスが庇状の側方突出片の下部に設置固定されることで紫外線や雨風の直接の対外刺激を削減することができ、密閉ボックス自体の密閉機能を維持しやすい、対候性に優れたものとなる。
【0052】
その他、本発明は上記の実施形態に限らず種々の変形が可能である。要素ごとの組合せ、一部要素の抽出、部品ごとへの分解構成或いは一体構成も可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 センサユニット
1,1A,1B,1C センサ装置
10 密閉ボックス
10B 充電池
10BS バックスイッチ
10T 無線マイコン
11S、11S´、11S´´ 人感センサー
11A アンテナ
11L 運転ランプ
12 ソーラーパネル
12B 太陽電池
12C 充電コントローラ
13 壁連結アングル
131 下連結アングル
132 上連結アングル
13C コード
141 埋め込み枠
142 免震材
143 免震ボルト
14 壁プレート
14T テーパー部
2 受信ユニット
21 半透明カバー
21M 無線マイコン
22M 制御用マイコン
24 メモリ
22L 報知LED
22S 報知スピーカー
2B 電池