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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068610
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240513BHJP
   H01L 21/306 20060101ALN20240513BHJP
【FI】
H01L21/304 643C
H01L21/304 643A
H01L21/306 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047592
(22)【出願日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0147522
(32)【優先日】2022-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジュン,ブ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジュ ファン
(72)【発明者】
【氏名】べ,ヒュン ウ
【テーマコード(参考)】
5F043
5F157
【Fターム(参考)】
5F043AA35
5F043BB23
5F043DD13
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE22
5F157AA73
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB23
5F157BB32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板に供給される薬液の温度を一定に保持する基板処理装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る基板処理装置1000は、基板に第1薬液を供給する第1供給管510と、上記第1供給管と離隔配置され、上記基板に第2薬液を供給する第2供給管520と、上記第1供給管に連結されて上記第1薬液を回収し、上記第1供給管と上記第2供給管との間に配置された回収管420と、を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に第1薬液を供給する第1供給管と、
前記第1供給管と離隔配置され、前記基板に第2薬液を供給する第2供給管と、
前記第1供給管に連結されて前記第1薬液を回収し、前記第1供給管と前記第2供給管との間に配置された回収管と、を含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記回収管は、前記第1供給管を囲む構造となっている、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記回収管と前記第1供給管との間にエアポケット構造のエア断熱層が形成されるように、前記回収管は前記第1供給管と離隔配置された、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記回収管は、前記第1供給管によって内部が貫通された構造となっている、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1供給管が貫通された前記回収管の両端部は、前記第1供給管に熱融着された、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記回収管は、前記第1供給管を螺旋状に囲む、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項7】
互いに隣接する前記回収管の傾斜した部分は、互いに密着して形成された、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
螺旋状構造の前記回収管と前記第1供給管との間にエアポケット構造のエア断熱層が形成されるように、前記回収管は前記第1供給管と離隔配置された、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第1供給管、前記第2供給管及び前記回収管は、工程チャンバの外部に配置された、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
ノズルアーム、メインノズルヘッド、及びサイドノズルヘッドを含むノズルユニットと、
前記ノズルアームに設置され、前記メインノズルヘッドに第1薬液を供給する第1供給管と、
前記ノズルアームに設置され、前記第1供給管と離隔配置され、前記サイドノズルヘッドに第2薬液を供給する第2供給管と、
前記ノズルアームに設置され、前記第1供給管に連結されて前記第1薬液を回収し、前記第1供給管と前記第2供給管との間に配置された回収管と、を含む、基板処理装置。
【請求項11】
前記メインノズルヘッドは前記ノズルアームの端部に設置され、前記第1供給管及び前記回収管は、前記ノズルアームの内部から延びて前記メインノズルヘッドに連結され、
前記サイドノズルヘッドは、前記ノズルアームの側部から延びた延長支持部の端部に設置され、前記第2供給管は、前記ノズルアームの内部から外部に延びて前記サイドノズルヘッドに連結され、
前記回収管は、前記ノズルアームの内部において前記第1供給管を囲む構造となっている、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記回収管と前記第1供給管との間にエアポケット構造のエア断熱層が形成されるように、前記回収管は前記第1供給管と離隔配置された、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記回収管は、前記第1供給管によって内部が貫通された構造となっている、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記回収管は、前記第1供給管を螺旋状に囲む、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項15】
互いに隣接する前記回収管の傾斜した部分は互いに密着して形成され、
螺旋状構造の前記回収管と前記第1供給管との間にエアポケット構造のエア断熱層が形成されるように、前記回収管は前記第1供給管と離隔配置された、請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
工程チャンバと、
前記工程チャンバ内に設置され、基板を処理する処理空間を有する処理容器と、
前記処理空間で前記基板を支持する支持ユニットと、
前記基板に薬液を吐出するメインノズルヘッドとサイドノズルヘッド、及び前記メインノズルヘッドと前記サイドノズルヘッドが設置されたノズルアームを含むノズルユニットと、
液供給部から前記ノズルユニットの内部まで延びた液供給ラインと、を含み、
前記液供給ラインは、
前記ノズルアームに設置され、前記メインノズルヘッドに第1薬液を供給する第1供給管と、
前記ノズルアームに設置され、前記第1供給管と離隔配置され、前記サイドノズルヘッドに第2薬液を供給する第2供給管と、
前記ノズルアームに設置され、前記第1供給管に連結されて前記第1薬液を回収し、前記第1供給管と前記第2供給管との間に配置された回収管と、を含む、基板処理装置。
【請求項17】
前記メインノズルヘッドは、前記ノズルアームの端部に設置され、前記第1供給管及び前記回収管は、前記ノズルアームの内部から延びて前記メインノズルヘッドに連結され、
前記サイドノズルヘッドは、前記ノズルアームの側部から延びた延長支持部の端部に設置され、前記第2供給管は、前記ノズルアームの内部から外部に延びて前記サイドノズルヘッドに連結され、
前記回収管は、前記ノズルアームの内部で前記第1供給管を囲む構造となっている、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記回収管と前記第1供給管との間にエアポケット構造のエア断熱層が形成されるように、前記回収管は前記第1供給管と離隔配置された、請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記回収管は、前記第1供給管によって内部が貫通された構造となっている、請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記回収管は、前記第1供給管を螺旋状に囲む、請求項17に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子又は液晶ディスプレイを製造するために、基板にフォトリソグラフィ、エッチング、アッシング、イオン注入、及び薄膜蒸着などの様々な工程が行われる。このような工程が行われる前又は後には、各工程で生成された汚染物及びパーティクルを除去するために基板を洗浄する洗浄工程が行われる。
【0003】
一般に、洗浄工程は、基板上に薬液を供給して基板上に付着した汚染物及びパーティクルを除去する工程である。このような洗浄工程は、液貯蔵タンクから工程チャンバに薬液が提供され、工程チャンバ内に位置した基板上に薬液が供給されて行われる。工程チャンバに薬液が提供されるためには、工程チャンバと液貯蔵タンクが液供給管によって連結される。液貯蔵タンクに貯蔵された薬液は、液供給管を介して工程チャンバに提供される。
【0004】
また、液供給管は、互いに異なる薬液を供給するように複数個が提供されてもよい。また、薬液の種類に応じて温度差の大きい薬液が1つの施設内で複数個の液供給管を介して供給されてもよい。これにより、液供給管を介して供給される薬液の温度が隣接する他の液供給管を介して供給される薬液に影響を及ぼす。そのため、洗浄工程においてエッチング率に影響を与えるようになり、工程不良が発生するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本公開特許公報第1996-100717号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたものであって、基板に薬液を供給する液供給管が互いに異なる温度の隣接する他の液供給管から熱影響を受けないようにする基板処理装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような目的を達成するために、本発明の一側面による基板処理装置は、基板に第1薬液を供給する第1供給管と、上記第1供給管と離隔配置され、上記基板に第2薬液を供給する第2供給管と、上記第1供給管に連結されて上記第1薬液を回収し、上記第1供給管と上記第2供給管との間に配置された回収管と、を含む。
【0008】
上記回収管は、上記第1供給管を囲む構造からなってもよい。
【0009】
本発明の第1実施形態として、上記回収管と上記第1供給管との間にエアポケット構造のエア断熱層が形成されるように、上記回収管は上記第1供給管と離隔配置されてもよい。
【0010】
本発明の第2実施形態として、上記回収管は、上記第1供給管によって内部が貫通された構造からなってもよい。上記第1供給管が貫通された上記回収管の両端部は、上記第1供給管に熱融着されることができる。
【0011】
本発明の第3実施形態として、上記回収管は、上記第1供給管を螺旋状に囲むことができる。互いに隣接する上記回収管の傾斜した部分は互いに密着して形成されてもよい。螺旋状構造の上記回収管と上記第1供給管との間にエアポケット構造のエア断熱層が形成されるように、上記回収管は上記第1供給管と離隔配置されてもよい。
【0012】
本発明の第4実施形態として、上記第1供給管、上記第2供給管及び上記回収管は、上記工程チャンバの外部に配置されてもよい。
【0013】
本発明の他の側面によれば、メインノズルヘッド及びサイドノズルヘッドを含むノズルユニットと、上記ノズルユニットのノズルアームに設置され、上記メインノズルヘッドに第1薬液を供給する第1供給管と、上記ノズルアームに設置され、上記第1供給管と離隔配置され、上記サイドノズルヘッドに第2薬液を供給する第2供給管と、上記ノズルアームに設置され、上記第1供給管に連結されて上記第1薬液を回収し、上記第1供給管と上記第2供給管との間に配置された回収管と、を含む基板処理装置が提供されることができる。
【0014】
上記メインノズルヘッドは上記ノズルアームの端部に設置され、上記第1供給管及び上記回収管は上記ノズルアームの内部から延びて上記メインノズルヘッドに連結され、上記サイドノズルヘッドは上記ノズルアームの側部から延びた延長支持部の端部に設置され、上記第2供給管は上記ノズルアームの内部から外部に延びて上記サイドノズルヘッドに連結され、上記回収管はノズルアームの内部で上記第1供給管を囲む構造となっていることができる。
【0015】
本発明のさらに他の側面によれば、工程チャンバと、上記工程チャンバ内に設置され、基板を処理する処理空間を有する処理容器と、上記処理空間で上記基板を支持する支持ユニットと、上記基板に薬液を吐出するメインノズルヘッドとサイドノズルヘッド、及び上記メインノズルヘッドと上記サイドノズルヘッドが設置されたノズルアームを含むノズルユニットと、液供給部から上記ノズルユニットの内部まで延びた液供給ラインと、を含み、上記液供給ラインは、上記ノズルアームに設置され、上記メインノズルヘッドに第1薬液を供給する第1供給管と、上記ノズルアームが設置され、上記第1供給管と離隔配置され、上記サイドノズルヘッドに第2薬液を供給する第2供給管と、上記ノズルアームに設置され、上記第1供給管に連結されて上記第1薬液を回収し、上記第1供給管と上記第2供給管との間に配置された回収管と、を含む基板処理装置が提供されることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、互いに異なる薬液を供給する第1供給管と第2供給管との間に第1供給管の薬液を回収する回収管が配置されることにより、第1供給管を第2供給管から断熱させ、第1供給管から供給される薬液が設定された適正供給温度を保持可能にする効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明が適用される基板処理装置を示す平面図である。
図2図1の基板処理装置の内部を示す図である。
図3図2の基板処理装置のノズルユニットを示す斜視図である。
図4図3のノズルユニットの内部を示す図である。
図5】従来技術に係る基板処理装置を示す図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置を示す図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る基板処理装置を示す図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る基板処理装置を示す図である。
図9】本発明の第4実施形態に係る基板処理装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように好ましい実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明するに当たり、関連する公知の機能又は構成に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不必要に不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。また、類似の機能及び作用をする部分については、図面全体にわたって同じ符号を用いる。なお、本明細書において、「上」、「上部」、「上面」、「下」、「下部」、「下面」、「側面」等の用語は図面を基準としたものであり、実際には構成要素が配置される方向によって異なることがある。
【0019】
さらに、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されていると言うとき、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の構成要素を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある構成要素を「含む」とは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0020】
図1は、本発明が適用される基板処理装置を示す平面図であり、図2図1の基板処理装置の内部を示す図である。
【0021】
図面を参照すると、本発明の基板処理装置1000は、液により基板Wに対する工程を行う工程チャンバ100を含む。このような工程チャンバ100内では、基板Wを水平に保持した状態で基板Wに対して工程を行う。上記工程は、基板W上に形成された窒化膜をエッチングする工程であってもよい。このとき、液はリン酸を含むことができる。さらに、工程チャンバ100は、様々な液を使用して基板Wの表面に残留する異物及び膜質を除去する工程において使用されることができる。
【0022】
具体的に、上記工程チャンバ100は密閉された内部空間を提供し、上部にはファンフィルタユニット110が設置される。上記ファンフィルタユニット110は、工程チャンバ100の内部に垂直気流を発生させる。このようなファンフィルタユニット110は、フィルタと空気供給ファンが1つのユニットにモジュール化されたものであって、清浄空気をフィルタリングして工程チャンバ100の内部に供給する。清浄空気はファンフィルタユニット110を通過した後、工程チャンバ100の内部に供給されて垂直気流を形成する。このような垂直気流は、基板Wの上部に均一な気流を提供し、処理流体によって基板Wの表面が処理される過程で発生する汚染物質(ヒューム)を空気と共に処理容器200の吸入ダクト210、220、230を介して排出ライン131、132、133に排出させて除去することにより、処理容器の内部の高清浄度を保持させる。
【0023】
工程チャンバ100は、水平隔壁101によって区画される工程領域100aとメンテナンス領域100bとを含む。上記水平隔壁101には、昇降ユニット290の駆動部材293と、ノズルユニット400の駆動部材490とが設置される。また、メンテナンス領域100bには、処理容器200と連結される排出ライン131、132、133、排気部材120が位置する空間であり、このようなメンテナンス領域100bは基板Wの処理が行われる工程領域100aから隔離されることが好ましい。
【0024】
本発明の基板処理装置1000は、工程チャンバ100内に処理容器200、支持ユニット300、及びノズルユニット400を含むことができる。上記処理容器200は工程チャンバ100の内部に設置され、上部が開口した円筒形状を有し、基板Wを処理するための処理空間を提供する。処理容器200の開口した上面は、基板Wの搬出及び搬入の通路として設置される。ここで、上記処理空間には支持ユニット300が位置する。このとき、支持ユニット300は、工程の進行時に基板Wを支持し、基板Wを回転させる。
【0025】
また、処理容器200は、支持ユニット300のスピンヘッド310が位置する上部空間200aと、強制排気が行われるように下部には排気ダクト250が連結された下部空間200bとを提供する。このような排気ダクト250は、工程チャンバ100の外部に延びた排気部材120と連結される。処理容器200の上部空間200aには、回転する基板W上から飛散する薬液と気体を流入及び吸入する環状の第1、第2及び第3吸入ダクト210、220、230が多段で配置される。上記第1、第2及び第3吸入ダクト210、220、230は、1つの共通の環状空間(処理容器の下部空間に該当する)と通じる排気口hを有する。
【0026】
ここで、第1、第2及び第3吸入ダクト210、220、230は、基板Wから飛散した液及びヒュームを含む気流が流入する第1~第3回収空間RS1、RS2、RS3を提供する。第1回収空間RS1は、第1吸入ダクト210によって区画されて形成され、第2回収空間RS2は、第1吸入ダクト210と第2吸入ダクト220との間の離隔空間で形成され、第3回収空間RS3は、第2吸入ダクト220と第3吸入ダクト230との間の離隔空間で形成される。
【0027】
これに加えて、上記処理容器200は、処理容器200の垂直位置を変更させる昇降ユニット290と結合される。昇降ユニット290は、処理容器200を上下方向に直線移動させる。処理容器200が上下に移動することによって、スピンヘッド310に対する処理容器200の相対高さが変更される。このような昇降ユニット290は、ブラケット291、移動軸292、及び駆動部材293を有する。ブラケット291は処理容器200の外壁に固定設置され、ブラケット291には駆動部材293によって上下方向に移動する移動軸292が固定結合される。基板Wがスピンヘッド310にロード又はスピンヘッド310からアンロードされるとき、スピンヘッド310が処理容器200の上部に突出するように処理容器200が下降する。
【0028】
また、工程の進行時には、基板Wに供給された液の種類に応じて、液が既設定の吸入ダクト210、220、230に流入できるように処理容器200の高さが調節される。これにより、処理容器200と基板W間の相対的な垂直位置が変更される。したがって、処理容器200は、各回収空間RS1、RS2、RS3別に回収される液と汚染ガスの種類を異ならせることができる。
【0029】
上記支持ユニット300は処理容器200の内側に設置される。支持ユニット300は、工程進行中に基板Wを支持し、工程が行われる間、駆動部材330によって回転することができる。また、上記支持ユニット300は、円形の上部面を有するスピンヘッド310を有する。スピンヘッド310の上部面には、基板Wを支持する複数個の支持ピン311と複数個のチャッキングピン312とを有する。支持ピン311は、スピンヘッド310の上部面の縁部に一定間隔離隔して一定の配列で複数個が配置され、スピンヘッド310から上側に突出するように備えられる。支持ピン311は、基板Wの下面を支持して基板Wがスピンヘッド310から上側方向に離隔した状態で支持されるようにする。支持ピン311の外側には複数個のチャッキングピン312がそれぞれ配置され、このようなチャッキングピン312は上側に突出するように備えられる。複数個のチャッキングピン312は、複数個の支持ピン311によって支持された基板Wがスピンヘッド310上の定位置に載置されるように基板Wを整列する。工程の進行時に、複数個のチャッキングピン312は、基板Wの側部と接触して基板Wが定位置から外れることを防止する。スピンヘッド310の下部には、スピンヘッド310を支持する支持軸320が連結され、支持軸320は、その下端に連結された駆動部材330によって回転する。このとき、駆動部材330はモータ等で設けられ、このような駆動部材330により支持軸320が回転することで、スピンヘッド310及び基板Wが回転するようになる。
【0030】
一方、上記ノズルユニット400は、支持ユニット300に支持された基板Wに液を吐出する。このようなノズルユニット400は、移動ノズル機器400M又は固定ノズル機器400Fであってもよい。このとき、移動ノズル機器400Mは、処理容器200の外側に複数個が設置されてもよい。
【0031】
図3図2の基板処理装置のノズルユニットを示す斜視図であり、図4図3のノズルユニットの内部を示す図である。
【0032】
図面を参照すると、ノズルユニット400は、ノズルアーム410、メインノズルヘッド420、及びサイドノズルヘッド430を含む。ここで、ノズルアーム410の端部にはメインノズルヘッド420が設置され、ノズルアーム410の側部には一側に延びた延長支持部411が設置され、延長支持部411の端部にはサイドノズルヘッド430が設置される。
【0033】
上記ノズルアーム410は、メインノズルヘッド420に第1薬液(図5図8の510a)を供給する第1供給管510及び回収管530が設置され、薬液が循環する構成をとることができる。すなわち、第1薬液510aは、回収管530を介して液供給部(図示せず、一例として液供給タンク)に回収され、液供給タンクから再び第1供給管510を介して供給されることができる。第1薬液510aは、設定された適正温度で第1供給管510を介して供給されるが、メインノズルヘッド420から吐出されない場合でも、引き続き適正温度を保持させるために、回収管530を介して回収されながら循環する。すなわち、第1薬液510aは、循環しながら液供給部の温度保持装置(ヒータ等)によって設定された適正温度を保持することができる。
【0034】
また、上記ノズルアーム410にはサイドノズルヘッド430に連結されて第2薬液(図5図8の520a)を供給する第2供給管520が設置されてもよい。
【0035】
図5は、従来技術に係る基板処理装置を示す図である。
【0036】
従来技術の基板処理装置10は、半導体設備において高温薬液と常温薬液とが混在して使用される。一例として、図面に示すように、第1供給管1を介して常温薬液が供給され、第2供給管2を介して高温薬液が供給されることができる。ところが、第1供給管1及び第2供給管2が設置されたノズルアームの内部には設置空間が狭いため、第1供給管1と第2供給管2とが隣接して配置されることがある。このとき、高温の第2供給管2が常温の第1供給管1に熱を伝達することにより、第1供給管1の内部薬液の温度変化が生じることになる。もちろん、高温の第2供給管2は、一般に保温材(図示せず)で覆われることにより、外部に放出される熱を減らす構成をとっているが、長時間運用すると、保温材も高温になって隣接配置された常温の第1供給管1に影響を与えることになる。
【0037】
上述のように、温度が互いに異なる配管が近接して配置された場合、熱伝達によって配管内部の薬液温度が変化する。したがって、基板に供給される薬液の温度を一定に保持できなくなると共に、これによりノズルヘッドにおける薬液の吐出圧力も変化するため、均一な洗浄が行われなくなるという問題点がある。
【0038】
なお、図5において、図面符号4はメインノズルヘッドであって、第1供給管1と回収管3とが連結される部分である。
【0039】
図6図9は、本発明に係る基板処理装置を示す図である。
【0040】
図面を参照すると、本発明に係る基板処理装置1000は、第1供給管510及び回収管530を含むことができる。
【0041】
ここで、第1供給管510は基板に第1薬液510aを供給し、上記第2供給管520は第1供給管510と離隔配置され、基板に第2薬液520aを供給する。
【0042】
そして、回収管530は第1供給管510と連結されて第1薬液510aを回収する。
【0043】
このような第1供給管510、第2供給管520及び回収管530は、一例として、図4に示すようにノズルユニット400のノズルアーム410に設置されてもよい。このとき、第1供給管510はメインノズルヘッド420に連結されてメインノズルヘッド420に第1薬液510aを供給することができ、第2供給管520はサイドノズルヘッド430に連結されてサイドノズルヘッド430に第2薬液520aを供給することができる。また、回収管530は、メインノズルヘッド420において第1供給管510と連結された構造をとることができる。
【0044】
そして、回収管530は、第1供給管510と離隔配置された第2供給管520と第1供給管510との間に配置され、第1供給管510を第2供給管520から断熱させる役割とともに、第1供給管510から供給される第1薬液510aが設定された適正供給温度を保持させることができる。
【0045】
具体的に、上記第1供給管510と第2供給管520とは互いに異なる温度の薬液を供給するように構成される。すなわち、第2供給管520の薬液は第1供給管510の薬液の温度よりも高い又は低い状態で供給されることができる。言い換えれば、一例として、第1供給管510の第1薬液510aが常温で、第2供給管520の第2薬液520aが高温である場合、第1供給管510から供給される第1薬液に対して回収管530で回収される常温の第1薬液510aが断熱及び冷却作用を行うことができる。あるいは、他の例として、第1供給管510の第1薬液510aが高温で、第2供給管520の第2薬液520aが常温である場合、第1供給管510から供給される第1薬液510aに対して回収管530で回収される高温の第1薬液510aが断熱及び加熱作用を行うこともできる。
【0046】
以下、本発明では、第2供給管520の薬液が高温で、第2供給管520の薬液が常温である場合を一例に挙げて説明する。
【0047】
具体的に、回収管530は、ノズルアーム410の内部において、第1供給管510を囲む構造となっていることができる。すなわち、第1供給管510の周りに回収管530が配置されてもよい。これにより、回収管530は、高温の第2供給管520から熱が常温の第1供給管510に伝達されることを遮断することができる。
【0048】
これにより、本発明は別途の追加の冷却装置がなくても、回収管530を介して第1薬液510aを回収(リターン)する過程で、第2供給管520から第1供給管510への熱伝達を自然に防止することができる。仮に、第1供給管510を追加の冷却装置で冷却する場合、第1供給管510の第1薬液510aが設定された適正供給温度に達するように冷却装置に温度調節装置を加えなければならない。さらに、もし、このような冷却装置に異常が発生した場合、第1供給管510の第1薬液510aの温度が意図せずに変化することがあるため、安定的な運用が困難であるという限界点がある。これに対し、本発明は、第2供給管520から第1供給管510への熱伝達を回収管530により遮断することで、更なる冷却装置及び温度調節装置が不要となる。さらに、本発明は、回収管530により回収される薬液が第1薬液510aとして既に適正供給温度に合わせられているため、第1供給管510から供給される第1薬液510aも回収管530の第1薬液510aの温度に影響され、適正供給温度を保持する安定した運用が可能である。
【0049】
一方、上述した回収管530の様々な実施形態について説明すると、以下の通りである。
【0050】
まず、本発明の第1実施形態として、図6に示すように、回収管530と第1供給管510との間にエアポケット構造のエア断熱層AIが形成されるように、回収管530は第1供給管510と離隔配置されてもよい。
【0051】
すなわち、エア断熱層AIは、回収管530と第1供給管510との間にエアで満たされたエアポケット構造をとることができる。このような構成により、第1供給管510と第2供給との間には回収管530とエア断熱層AIとが配置される二重の断熱構造が形成される。
【0052】
このように本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1000は、第1供給管510方向に伝達される第2供給管520の熱が、回収管530と共にエア断熱層AIによって二重遮断されることで、断熱性能が向上することができる。
【0053】
また、本発明の第2実施形態として、図7に示すように、回収管530は、第1供給管510によって内部が貫通された構造からなってもよい。すなわち、第1供給管510は、回収管530の内部を貫通する配置構造をとることができる。
【0054】
このとき、回収管530は中空構造ではないため、内部の厚み部分がなく、外部の厚み部分のみがある構造をとることになる。このような構成により、回収管530の管全体の直径を小さくすることができるため、ノズルアームの内部のように狭い設置空間においても回収管530を容易に設置することができる。
【0055】
このように、本発明の第2実施形態に係る基板処理装置1000は、回収管530が第1供給管510によって内部が貫通された構造をとることにより、狭い設置空間においても回収管530を容易に設置することができる。
【0056】
より具体的に、第1供給管510が貫通された回収管530の両端部は、第1供給管510に熱融着されることができる。製造方法的な観点から、第1供給管510が回収管530を貫通するように配置されると、ねじ締結方式のような組立方法では第1供給管510に回収管530を設置しにくい。よって、第1供給管510が貫通された回収管530の両端部は、第1供給管510に熱融着されることにより、回収管530が第1供給管510に設置されることができる。
【0057】
このように本発明の第2実施形態に係る基板処理装置1000は、第1供給管510が貫通された回収管530の両端部が第1供給管510に熱融着された構造をとることにより、回収管530が第1供給管510に容易かつ気密に設置されることができる。ちなみに、図7において図面符号TFは、第1供給管510に回収管530が熱融着された部分である。
【0058】
そして、本発明の第3実施形態として図8に示すように、回収管530は、第1供給管510を螺旋状に囲む構造からなってもよい。すなわち、第1供給管510の周りに沿って回収管530が螺旋状に囲みながら延長して配置されることができる。
【0059】
このとき、回収管530は、螺旋状の配置により、長さが非常に長い構造をとる。これにより、回収管530の内部を介して回収される薬液は、第1供給管510との相対的に長い熱交換時間を有することになる。さらに、螺旋状構造の回収管530において内側の屈曲した面積は、熱伝達面積を大きく形成させる。
【0060】
このように、本発明の第3実施形態に係る基板処理装置1000は、回収管530が第1供給管510を螺旋状に囲む構造をとることにより、熱交換時間が長くなり、熱伝達面積が大きくなることによって、回収管530による第1供給管510の冷却効率を増大させることができる。
【0061】
具体的な一例として、互いに隣接する回収管530の傾斜した部分531は互いに密着して形成されてもよい。螺旋状構造の回収管530は、第1供給管510を囲みながら傾斜して形成された部分が互いに隣接して配置されるが、このような傾斜した部分531の間に隙間がないように、互いに隣接する傾斜した部分531が互いに密着した構造をとることができる。
【0062】
このように、本発明の第3実施形態に係る基板処理装置1000は、互いに隣接する回収管530の傾斜した部分531が互いに密着して形成された構造をとることにより、第1供給管510と第2供給管520との間を確実に遮断することができる。
【0063】
他の一例として、螺旋状構造の回収管530と第1供給管510との間にエアポケット構造のエア断熱層AIが形成されるように、回収管530は第1供給管510と離隔配置されてもよい。
【0064】
このように、本発明の第3実施形態に係る基板処理装置1000は、第1供給管510方向に伝達される第2供給管520の熱が、回収管530と共にエア断熱層AIにより二重遮断されることで、断熱性能が向上することができる。
【0065】
一方、本発明の第4実施形態として、図9に示すように、第1供給管510及び第2供給管520がノズルユニット400のノズルアーム410ではなく、工程チャンバ100の外部に配置された場合でも、回収管530によって第1供給管510を第2供給管520から断熱させることができる。
【0066】
このように、本発明の第4実施形態に係る基板処理装置1000は、第1供給管510と第2供給管520の配置位置がノズルユニットに限定されず、ノズルユニットを除く如何なる位置においても回収管530による断熱構造をとることができる。
【0067】
具体的に、第1供給管510、第2供給管520及び回収管530を含む液供給ライン500は、ノズルユニット400から工程チャンバ100の外部に延びるが、このとき、回収管530は第1供給管510を囲む構造をとることにより、第2供給管520から第1供給管510への熱伝達を遮断することができる。また、回収管530は単に断熱作用だけでなく、第1供給管510から供給される第1薬液510aが設定された適正供給温度を保持させることができる。
【0068】
図9に説明されていない構成要素のうち、図6と同じ図面符号を有する構成要素は同じ構成要素であるため、それに対する説明は省略する。
【0069】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずとも他の具体的な形態で実施可能であることを理解することができる。したがって、上述した実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないものと理解すべきである。
【符号の説明】
【0070】
100:工程チャンバ
100a:工程領域
100b:メンテナンス領域
101:水平隔壁
110:ファンフィルタユニット
120:排気部材
131、132、133:排出ライン
200:処理容器
200a:上部空間
200b:下部空間
210:第1吸入ダクト
220:第2吸入ダクト
230:第3吸入ダクト
250:排気ダクト
290:昇降ユニット
291:ブラケット
292:移動軸
293:駆動部材
300:支持ユニット
310:スピンヘッド
320:支持軸
330:駆動部材
400:ノズルユニット
400M:移動ノズル機器
400F:固定ノズル機器
410:ノズルアーム
411:延長支持部
420:メインノズルヘッド
430:サイドノズルヘッド
500:液供給ライン
510:第1供給管
510a:第1薬液
520:第2供給管
520a:第2薬液
530:回収管
1000:基板処理装置
531:傾斜した部分
W:基板
TF:熱融着された部分
AI:エア断熱層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9