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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068612
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】表示装置及び表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20240513BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20240513BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240513BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240513BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
H01L33/48
H01L33/32
G09F9/33
G09F9/00 342
G09F9/00 338
G09F9/30 348A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076188
(22)【出願日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0148130
(32)【優先日】2022-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】キム,スジョン
(72)【発明者】
【氏名】ミン,デホン
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5F241
5G435
【Fターム(参考)】
5C094BA25
5C094DA13
5C094FB14
5F142AA02
5F142AA82
5F142BA32
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD16
5F142DB24
5F142FA32
5F142GA01
5F241AA03
5F241AA42
5F241CA05
5F241CA40
5F241CA57
5F241CA77
5F241FF01
5G435BB04
5G435KK05
(57)【要約】
【課題】工程効率の向上と発光効率の改善とがなされた表示装置及び表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本開示の一実施形態による表示装置は、ベース層と、前記ベース層上に配置され、N型半導体層、P型半導体層、および前記N型半導体層と前記P型半導体層との間に配置された活性層を含む発光素子と、を含む。前記発光素子は、第1色の光を発散する第1発光素子及び第2色の光を発散する第2発光素子を含む。前記N型半導体層は、前記第1発光素子に対する第1N型半導体層および前記第2発光素子に対する第2N型半導体層を含む。前記活性層は、前記第1発光素子に対する第1活性層および前記第2発光素子に対する第2活性層を含む。前記第1N型半導体層および前記第2N型半導体層は、一体に形成され、前記活性層が配置された領域から突出することなく前記第1活性層および前記第2活性層を配置するための平面構造を形成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース層と、
前記ベース層上に配置され、N型半導体層、P型半導体層、および前記N型半導体層と前記P型半導体層との間に配置された活性層を含む発光素子と、を含み、
前記発光素子は、第1色の光を発散する第1発光素子及び第2色の光を発散する第2発光素子を含み、
前記N型半導体層は、前記第1発光素子に対する第1N型半導体層及び前記第2発光素子に対する第2N型半導体層を含み、
前記活性層は、前記第1発光素子に対する第1活性層及び前記第2発光素子に対する第2活性層を含み、
前記第1N型半導体層および前記第2N型半導体層は、一体に形成され、前記活性層の配置された領域から突出することなく平面構造を形成することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、同じ前記N型半導体層を共有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
互いに隣接する前記発光素子の間に配置されたカバー層をさらに含み、
前記N型半導体層は、第1領域及び第2領域を含み、
前記第1領域は、平面視において、前記カバー層と重畳し、
前記第2領域は、平面視において、前記カバー層と非重畳し、
前記活性層及び前記P型半導体層は、前記第2領域内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2領域内に配置された前記N型半導体層の一部は、前記ベース層の平面方向に沿って、前記カバー層と重畳しないことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記活性層は、障壁層及び井戸層を含み、
前記第1活性層及び前記第2活性層は、前記平面構造上に形成され、
前記N型半導体層は、前記障壁層が直接隣接するように前記活性層と接触することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記N型半導体層、前記活性層、および前記P型半導体層は、積層方向に沿って順次配置され、
前記N型半導体層は、シリコンドーパントを含み、
前記シリコンドーパントは、前記N型半導体層において前記積層方向に沿ってピーク濃度を持たない所定の濃度範囲で提供されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記N型半導体層は、第1導電型ドーパントを含むGaNを含み、
前記活性層は、lnGaNを含む井戸層及びGaNを含む障壁層を含み、
前記P型半導体層は、第2導電型ドーパントを含むGaNを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記発光素子は、前記活性層と前記N型半導体層との間に配置された超格子層及び前記活性層と前記P型半導体層との間に配置された電子ブロック層をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
発光素子を製造することと、
前記発光素子をベース層上に転写することと、を含み、
前記発光素子を製造することは、
成長基板上にN型半導体層を形成することと、
前記N型半導体層上にマスクを形成することと、
前記N型半導体層上に活性層を形成することと、
前記活性層上にP型半導体層を形成することと、を含み、
前記活性層は、前記マスクの下部に配置された前記N型半導体層上に直接形成されることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記マスクを形成することは、前記N型半導体層を露出するホールを形成することを含むことを特徴とする請求項9に記載の表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記ホールによって露出された前記N型半導体層に対するサーマルクリーニング工程を行うことをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記サーマルクリーニング工程を行うことは、初期工程温度をターゲット温度を含むターゲット温度範囲に昇温させることを含み、
前記ターゲット温度範囲は、600℃以上800℃以下であることを特徴とする請求項11に記載の表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記ターゲット温度は700℃を含み、
前記活性層を形成することを行う場合の工程温度と、前記ターゲット温度との差は、100℃以内であることを特徴とする請求項12に記載の表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記サーマルクリーニング工程は、HとNHとが同時に供給された環境で行われることを特徴とする請求項11に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記発光素子を製造することは、前記活性層を形成する前に超格子層を形成することと、前記活性層を形成した後に電子ブロック層を形成することと、をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の表示装置の製造方法。
【請求項16】
発光素子を製造することと、
前記発光素子をベース層上に転写することと、を含み、
前記発光素子を製造することは、
成長基板上にN型半導体層を形成することと、
前記N型半導体層上にマスクを形成することと、
前記N型半導体層に対するサーマルクリーニング工程を行うことと、
前記N型半導体層上に活性層を形成することと、
前記活性層上にP型半導体層を形成することと、を含み、
前記サーマルクリーニング工程を行うことは、
前記サーマルクリーニング工程を行う工程温度をターゲット温度範囲に昇温することと、
前記ターゲット温度範囲内で、前記マスクによって露出された前記N型半導体層をクリーニングすることと、を含み、
前記ターゲット温度範囲は、前記活性層を形成することが行われる工程温度範囲と重畳することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項17】
発光素子を製造することと、
前記発光素子をベース層上に転写することと、を含み、
前記発光素子を製造することは、
成長基板上に第1発光積層構造を形成することと、
前記成長基板上に第2発光積層構造を形成することと、
前記成長基板上に第3発光積層構造を形成することと、を含み、
前記第1発光積層構造を形成することは、
基底を形成するN型半導体層を形成することと、
前記N型半導体層上に前記N型半導体層を露出する第1ホールを形成する、第1マスクを形成するステップと、
前記第1ホールによって露出された前記N型半導体層に対する第1サーマルクリーニング工程を行うことと、
前記第1ホール内に第1活性層及び第1P型半導体層を形成することと、を含み、
前記第2発光積層構造を形成することは、
前記N型半導体層上に前記N型半導体層を露出する第2ホールを形成する、第2マスクを形成することと、
前記第2ホールによって露出された前記N型半導体層に対する第2サーマルクリーニング工程を行うことと、
前記第2ホール内に第2活性層及び第2P型半導体層を形成することと、を含み、
前記第3発光積層構造を形成することは、
前記N型半導体層上に前記N型半導体層を露出する第3ホールを形成する、第3マスクを形成することと、
前記第3ホールによって露出された前記N型半導体層に対する第3サーマルクリーニング工程を行うことと、
前記第3ホール内に第3活性層及び第3P型半導体層を形成することと、を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1活性層は、第1工程温度で形成され、
前記第2活性層は、前記第1工程温度よりも低い第2工程温度で形成され、
前記第3活性層は、前記第2工程温度よりも低い第3工程温度で形成されることを特徴とする請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1工程温度は720℃以上780℃以下の温度範囲から選択され、
前記第2工程温度は、690℃以上730℃以下の温度範囲から前記第1工程温度と重畳しないように選択され、
前記第3工程温度は、600℃以上700℃以下の温度範囲から前記第2工程温度と重畳しないように選択されることを特徴とする請求項18に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1発光積層構造は、青色発光素子を形成する積層構造であり、
前記第2発光積層構造は、緑色発光素子を形成する積層構造であり、
前記第3発光積層構造は、赤色発光素子を形成する積層構造であることを特徴とする請求項18に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化技術の発達につれてユーザと情報との間の連結媒体である表示装置の重要性が高まっている。表示装置は、光を発散できる発光素子を含む。発光素子は、P型半導体、N型半導体、およびそれらの間に配置された量子井戸構造を含むダイオードであり得る。
【0003】
一方、高い解像度を有する高性能の表示装置を製造するために、発光素子の大きさを小型化する必要があり、発光素子の発光効率をさらに改善する必要がある。
【0004】
このために、発光素子を製造する過程で発生する可能性のある工程上のリスクを解消する必要があり、さらに高い発光効率を有する発光素子構造を確保する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第2017-0100611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の一課題は、発光素子を製造するための工程におけるリスクを減少させ、工程効率の向上と発光効率の改善とがなされた表示装置及び表示装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態による表示装置は、ベース層と、前記ベース層上に配置され、N型半導体層、P型半導体層及び前記N型半導体層と前記P型半導体層との間に配置された活性層を含む発光素子と、を含んでよい。前記発光素子は、第1色の光を発散する第1発光素子及び第2色の光を発散する第2発光素子を含んでよい。前記N型半導体層は、前記第1発光素子に対する第1N型半導体層および前記第2発光素子に対する第2N型半導体層を含んでよい。前記活性層は、前記第1発光素子に対する第1活性層および前記第2発光素子に対する第2活性層を含む。前記第1N型半導体層および前記第2N型半導体層は、一体に形成されてもよく、前記活性層の配置された領域から突出することなく平面構造を形成する。
【0008】
本開示の一実施形態によれば、前記第1発光素子および前記第2発光素子は、同じ前記N型半導体層を共有してよい。
【0009】
本開示の一実施形態によれば、前記表示装置は、互いに隣接する前記発光素子の間に配置されるカバー層をさらに含んでよい。前記N型半導体層は、第1領域および第2領域を含んでよい。前記第1領域は、平面上で見たとき、前記カバー層と重畳してよい。前記第2領域は、平面上で見たとき、前記カバー層と非重畳してよい。前記活性層および前記P型半導体層は、前記第2領域内に配置されてよい。
【0010】
本開示の一実施形態によれば、前記第2領域内に配置された前記N型半導体層の一部は、前記ベース層の平面方向に沿って、前記カバー層と重畳しなくてよい。
【0011】
本開示の一実施形態によれば、前記活性層は、障壁層および井戸層を含むことができる。前記第1活性層および前記第2活性層は、前記平面構造上に形成されてよい。前記N型半導体層は、前記障壁層が直接隣接するように前記活性層と接触してよい。
【0012】
本開示の一実施形態によれば、前記N型半導体層、前記活性層、および前記P型半導体層は、積層方向に沿って順次配置されてよい。前記N型半導体層は、シリコンドーパントを含んでよい。前記シリコンドーパントは、前記N型半導体層において前記積層方向に沿ってピーク濃度を形成しないように、予め定められた範囲内の濃度範囲で提供されてよい。
【0013】
本開示の一実施形態によれば、前記N型半導体層は、第1導電型ドーパントがドープされたGaNを含んでもよい。前記活性層は、lnGaNを含む井戸層及びGaNを含む障壁層を含んでもよい。前記P型半導体層は、第2導電型ドーパントがドープされたGaNを含んでもよい。
【0014】
本開示の一実施形態によれば、前記発光素子は、前記活性層と前記N型半導体層との間に配置された超格子層および前記活性層と前記P型半導体層との間に配置された電子ブロック層をさらに含んでもよい。
【0015】
本開示の一実施形態による表示装置の製造方法は、発光素子を製造するステップと、前記発光素子をベース層上に転写することと、を含む。前記発光素子を製造することは、成長基板上にN型半導体層を形成することと、前記N型半導体層上にマスクを形成することと、前記N型半導体層上に活性層を形成することと、前記活性層上にP型半導体層を形成することと、を含む。前記活性層は、前記マスクの下部に配置された前記N型半導体層上に直接形成される。
【0016】
本開示の一実施形態によれば、前記マスクを形成することは、前記N型半導体層を露出するホールを形成することを含んでよい。
【0017】
実施例によれば、前記製造方法は、前記ホールによって露出された前記N型半導体層に対するサーマルクリーニング工程を行うことをさらに含んでよい。
【0018】
本開示の一実施形態によれば、前記サーマルクリーニング工程を行うことは、初期工程温度を、ターゲット温度を含むターゲット温度範囲に昇温させることを含むことができる。前記ターゲット温度範囲は、600℃以上800℃以下であってよい。
【0019】
本開示の一実施形態によれば、前記ターゲット温度は700℃を含むことができる。前記活性層を形成することが行われる場合の工程温度は、前記ターゲット温度と100℃ほどの差以内であってよい。
【0020】
本開示の一実施形態によれば、前記サーマルクリーニング工程は、HとNHとが同時に供給された環境で行われてよい。
【0021】
本開示の一実施形態によれば、前記発光素子を製造することは、前記活性層を形成する前に超格子層を形成することと、前記活性層を形成した後に電子ブロック層を形成することと、をさらに含んでよい。
【0022】
本開示の一実施形態による表示装置の製造方法は、発光素子を製造することと、前記発光素子をベース層上に転写することと、を含んでよい。前記発光素子を製造することは、成長基板上にN型半導体層を形成することと、前記N型半導体層上にマスクを形成することと、前記N型半導体層に対するサーマルクリーニング工程を行うことと、前記N型半導体層上に活性層を形成することと、前記活性層上にP型半導体層を形成することと、を含んでよい。前記サーマルクリーニング工程を行うことは、前記サーマルクリーニング工程を行う工程温度をターゲット温度範囲に昇温することと、前記ターゲット温度範囲内で、前記マスクによって露出された前記N型半導体層をクリーニングすることと、を含む。前記ターゲット温度範囲は、前記活性層を形成することが行われる工程温度範囲と重畳する。
【0023】
本開示の一実施形態による表示装置の製造方法は、発光素子を製造することと、前記発光素子をベース層上に転写することと、を含むことができる。前記発光素子を製造することは、成長基板上に第1発光積層構造を形成することと、前記成長基板上に第2発光積層構造を形成することと、前記成長基板上に第3発光積層構造を形成することと、を含む。前記第1発光積層構造を形成することは、基底を形成するN型半導体層を形成することと、前記N型半導体層上に前記N型半導体層を露出する第1ホールを形成する、第1マスクを形成することと、前記第1ホールにより露出された前記N型半導体層に対する第1サーマルクリーニング工程を行うことと、前記第1ホール内に第1活性層及び第1P型半導体層を形成することと、を含む。前記第2発光積層構造を形成することは、前記N型半導体層上に前記N型半導体層を露出する第2ホールを形成する、第2マスクを形成することと、前記第2ホールによって露出された前記N型半導体層に対する第2サーマルクリーニング工程を行うことと、前記第2ホール内に第2活性層及び第2P型半導体層を形成することと、を含む。前記第3発光積層構造を形成することは、前記N型半導体層上に前記N型半導体層を露出する第3ホールを形成する、第3マスクを形成することと、前記第3ホールによって露出された前記N型半導体層に対する第3サーマルクリーニング工程を行うことと、前記第3ホール内に第3活性層及び第3P型半導体層を形成することと、を含む。
【0024】
本開示の一実施形態によれば、前記第1活性層は、第1工程温度で形成されてよい。前記第2活性層は、前記第1工程温度よりも低い第2工程温度で形成されてよい。前記第3活性層は、前記第2工程温度よりも低い第3工程温度で形成されてよい。
【0025】
本開示の一実施形態によれば、前記第1工程温度は、720℃以上780℃以下の温度範囲から選択されてよい。前記第2工程温度は、690℃以上730℃以下の温度範囲から前記第1工程温度と重畳しないように選択されてよい。前記第3工程温度は、600℃以上700℃以下の温度範囲から前記第2工程温度と重畳しないように選択されてよい。
【0026】
本開示の一実施形態によれば、前記第1発光積層構造は、青色発光素子を形成する積層構造であり得る。前記第2発光積層構造は、緑色発光素子を形成する積層構造であってよい。前記第3発光積層構造は、赤色発光素子を形成する積層構造であってよい。
【発明の効果】
【0027】
本開示の一実施形態によれば、発光素子を製造するための工程におけるリスクを減少させ、工程効率の向上と発光効率の改善とがなされた表示装置及び表示装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本開示の一実施形態による表示装置を示す概略平面図である。
図2図1の画素の一例を示す例示図である。
図3】本開示の一実施形態による発光素子を示す図である。
図4】本開示の一実施形態による発光素子を示す図である。
図5】本開示の一実施形態による表示装置を示す概略断面図である。
図6】第1実施形態による表示装置の製造方法を示すフロー図である。
図7】第1実施形態による表示装置の製造方法を示すフロー図である。
図8】発光素子を製造することにおいて、時間区間毎の工程温度を示すグラフである。
図9】第1実施形態による表示装置の製造方法を示す工程毎の概略断面図である。
図10】第1実施形態による表示装置の製造方法を示す工程毎の概略断面図である。
図11】第1実施形態による表示装置の製造方法を示す工程毎の概略断面図である。
図12】第1実施形態による表示装置の製造方法を示す工程毎の概略断面図である。
図13】第1実施形態による表示装置の製造方法を示す工程毎の概略断面図である。
図14】第1実施形態による表示装置の製造方法を示す工程毎の概略断面図である。
図15】第2実施形態による表示装置の製造方法を示す概略図である。
図16】第2実施形態による表示装置の製造方法を示す概略図である。
図17】第2実施形態による表示装置の製造方法を示す概略図である。
図18】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図19】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図20】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図21】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図22】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図23】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図24】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図25】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図26】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図27】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図28】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図29】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図30】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図31】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図32】第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造することを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。
図33】本開示の一実施形態による表示装置の適用例を示す概略図である。
図34】本開示の一実施形態による表示装置の適用例を示す概略図である。
図35】本開示の一実施形態による表示装置の適用例を示す概略図である。
図36】本開示の一実施形態による表示装置の適用例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は、様々な変更が可能であり、様々な形態として実施することができるが、特定の実施形態だけを図面に例示しこれに基づいて本開示を説明する。しかし、本開示はこのような特定の形態に限定されるものではなく、本開示の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物は本開示に含まれるものと理解される。
【0030】
第1、第2などの用語は、様々な構成要素の説明に用いられるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されない。前記の用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で用いられる。例えば、本開示の範囲を逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と呼ばれることがあり、同様に第2構成要素も第1構成要素と呼ばれることがある。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【0031】
本開示で「含む」又は「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものを示し、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品又はこれらを組み合わせたもの又はこれらに付加されるものの可能性を予め排除するものではない。また、層、膜、領域、板等の部分が他の部分の「上に」あるとする場合、これは他の部分の「真上に」ある場合だけでなく、それらの間にさらに他の部分が位置する場合も含む。 また、本明細書において、ある層、膜、領域、板などの部分が他の部分の上(on)に形成されたとする場合、形成された方向は上部方向のみに限定されず、側面や下部方向に形成されたものを含む。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」あるとする場合、これは他の部分の「真下に」ある場合だけでなく、それらの間にさらに他の部分が位置する場合も含む。
【0032】
本開示は、表示装置に関する。以下では、添付の図面を参照して各実施形態による表示装置及び表示装置の製造方法について説明する。
【0033】
まず、図1図5を参照して、本開示の一実施形態による発光素子LE及び表示装置10について説明する。
【0034】
図1は、本開示の一実施形態による表示装置を示す概略平面図である。図2は、図1の画素の一例を示す例示図である。図3及び図4は、一実施例による発光素子を示す図である。図5は、本開示の一実施形態による表示装置を示す概略断面図である。
【0035】
表示装置10は、光情報を出力するように構成される。例えば、表示装置10は、動画や静止画を表示する装置であって、様々な装置に適用されることができる。表示装置10は、第1方向DR1の長辺と、第1方向DR1と交差する第2方向DR2の短辺と、を有する長方形状の平面で形成されることができる。第1方向DR1の長辺と第2方向DR2の短辺とが交わるコーナー(corner)は、所定の曲率を有するように丸く形成されてよく、直角に形成されてもよい。表示装置10の平面形状は四角形に限定されず、他の多角形、円形または楕円形に形成されることができる。表示装置10は、平坦に形成されることができるが、これに限定されない。例えば、表示装置10は、左右の端部に形成され、一定の曲率を有するか、変化する曲率を有する曲面部を含むことができる。その他に、表示装置10は、曲げたり、撓んだり、ベンディングしたり、折ったり、巻いたりできるように柔軟に形成することができる。
【0036】
表示装置10は、画像を表示するために画素PX、第1方向DR1に延びるスキャン配線、第2方向DR2に延びるデータ配線をさらに含んでもよい。画素PXは、第1方向DR1と第2方向DR2とにマトリックス状に配列されることができる。
【0037】
画素PXのそれぞれは、図2のように複数のサブ画素SPX1、SPX2、SPX3を含むことができる。図2では、画素PXのそれぞれが3つのサブ画素SPX1、SPX2、SPX3、すなわち第1サブ画素SPX1、第2サブ画素SPX2、および第3サブ画素SPX3を含むものとして例示したが、本開示の本開示の一実施形態はこれに限定されない。
【0038】
第1サブ画素SPX1、第2サブ画素SPX2、および第3サブ画素SPX3は、データ配線のうちのいずれか1つのデータ配線、およびスキャン配線のうちの少なくとも1つのスキャン配線に連結されることができる。
【0039】
第1サブ画素SPX1、第2サブ画素SPX2、および第3サブ画素SPX3のそれぞれは、長方形、正方形または菱形の平面形状を有することができる。例えば、第1サブ画素SPX1、第2サブ画素SPX2、及び第3サブ画素SPX3のそれぞれは、図2のように第1方向DR1の短辺と第2方向DR2の長辺とを有する長方形の平面形状を有することができる。または、本開示の一実施形態によれば、第1サブ画素SPX1、第2サブ画素SPX2、および第3サブ画素SPX3のそれぞれは、第1方向DR1と第2方向DR2に同じ長さを有する辺を含む正方形または菱形の平面形状を有することもできる。
【0040】
図2のように、第1サブ画素SPX1、第2サブ画素SPX2、及び第3サブ画素SPX3は、第1方向DR1に配列されることができる。または、第2サブ画素SPX2と第3サブ画素SPX3とのうちのいずれか1つと第1サブ画素SPX1は、第1方向DR1に配列され、残りの1つと第1サブ画素SPX1は、第2方向DR2に配列されることもできる。
【0041】
または、第1サブ画素SPX1と第3サブ画素SPX3とのうちのいずれか1つと第2サブ画素SPX2は、第1方向DR1に配列され、残りの1つと第2サブ画素SPX2は、第2方向DR2に配列されることができる。または、第1サブ画素SPX1と第2サブ画素SPX2とのうちのいずれか1つと第3サブ画素SPX3は、第1方向DR1に配列され、残りの1つと第3サブ画素SPX3は、第2方向DR2に配列されることができる。ただし、第1サブ画素SPX1、第2サブ画素SPX2、および第3サブ画素SPX3の配列構造は、特定の例に限定されない。
【0042】
第1サブ画素SPX1、第2サブ画素SPX2、及び第3サブ画素SPX3のそれぞれは、光を発光する発光素子LEとして、無機半導体を有する無機発光素子を含むことができる。第1サブ画素SPX1は第1光を発光し、第2サブ画素SPX2は第2光を発光し、第3サブ画素SPX3は第3光を発光することができる。
【0043】
例えば、発光素子LEは、第1発光素子LE1、第2発光素子LE2、及び第3発光素子LE3を含むことができる。第1サブ画素SPX1は、第1光を発散するように構成された第1発光素子LE1を含むことができる。第2サブ画素SPX2は、第2光を発散するように構成された第2発光素子LE2を含むことができる。第3サブ画素SPX3は、第3光を発散するように構成された第3発光素子LE3を含むことができる。
【0044】
本開示の一実施形態によれば、第1光は青色波長帯域の光であり、第2光は緑色波長帯域の光であり、第3光は赤色波長帯域の光であり得る。赤色波長帯域は、およそ600nm以上750nm以下の波長帯域であり、緑色波長帯域は、およそ480nm以上560nm以下の波長帯域であり、青色波長帯域は、およそ370nm以上460nm以下の波長帯域であり得るが、本開示の一実施形態は必ずしもこれに限定されない。
【0045】
図2のように、第1サブ画素SPX1の面積、第2サブ画素SPX2の面積、および第3サブ画素SPX3の面積は、実質的に同じであり得るが、本開示の本開示の一実施形態はこれに限定されない。第1サブ画素SPX1の面積、第2サブ画素SPX2の面積、および第3サブ画素SPX3の面積のうちの少なくともいずれか1つは他の1つと異なってもよい。または、第1サブ画素SPX1の面積、第2サブ画素SPX2の面積、および第3サブ画素SPX3の面積のうちのいずれか2つは実質的に同じであり、残りの1つは前記2つと異なってもよい。または、第1サブ画素SPX1の面積、第2サブ画素SPX2の面積、および第3サブ画素SPX3の面積は、互いに異なってもよい。
【0046】
図3及び図4を参照すると、発光素子LEは、光を発散するように構成される。発光素子LEは、N型半導体層SCL1、P型半導体層SCL2、そしてN型半導体層SCL1とP型半導体層SCL2との間に配置された活性層ALを含むことができる。
【0047】
発光素子LEは、様々な大きさを有することができる。例えば、発光素子LEは、マイクロスケール~ナノスケールの大きさを有することができる。発光素子LEの大きさは、特定の数値範囲に限定されない。
【0048】
発光素子LEは、第1端部EP1と第2端部EP2とを有することができる。本開示の一実施形態によれば、発光素子LEの第1端部EP1にはN型半導体層SCL1が隣接し、第2端部EP2にはP型半導体層SCL2が隣接することができる。
【0049】
N型半導体層SCL1は、活性層AL上に配置され、P型半導体層SCL2と異なるタイプの半導体層を含むことができる。例えば、N型半導体層SCL1は、N型半導体を含むことができる。例えば、N型半導体層SCL1は、InAlGaN、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、およびInNの群から選択された1つ以上を含むことができ、Si、Ge、およびSnなどのような第1導電型ドーパントのドープされたN型半導体層を含むことができる。ただし、本開示は前述の例に限定されない。N型半導体層SCL1は様々な物質を含み得る。
【0050】
活性層ALは、N型半導体層SCL1とP型半導体層SCL2との間に配置されることができる。活性層ALは、単一量子井戸(single-quantum well)または多重量子井戸(multi-quantum well)構造を含むことができる。活性層ALの位置は、特定の例に限定されず、発光素子LEの種類によって様々に変更することができる。
【0051】
活性層ALは、量子井戸構造を形成するための井戸層および障壁層を含むことができる。本開示の一実施形態によれば、活性層ALは、井戸層としてlnGaNを含むことができ、活性層ALは、障壁層としてGaNを含むことができる。ただし、本開示はここで示された構造に限定されない。
【0052】
P型半導体層SCL2は、活性層AL上に配置され、N型半導体層SCL1と異なるタイプの半導体層を含むことができる。例えば、P型半導体層SCL2は、P型半導体を含むことができる。例えば、P型半導体層SCL2は、InAlGaN、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、およびInNの群から選択された1つ以上の半導体材料を含むことができ、Ga、B、およびMgなどのような第2導電型ドーパントがドープされたP型半導体層を含むことができる。ただし、本開示は前述の例に限定されない。P型半導体層SCL2は、様々な物質を含むことができる。
【0053】
本開示の一実施形態によれば、発光素子LEは、電子ブロック層EBL及び超格子層SLLを含んでもよい(図4参照)。
【0054】
電子ブロック層EBLは、活性層ALとP型半導体層SCL2との間に配置されることができる。電子ブロック層EBLは、活性層ALとP型半導体層SCL2との間で、電子の少なくとも一部を遮断して発光のための電子-正孔対の再結合効率を向上させることができる。本開示の一実施形態によれば、電子ブロック層EBLは、電子のオーバーフローを防止するために、P型半導体層SCL2よりもバンドギャップエネルギーのさらに大きい物質を含むことができる。例えば、電子ブロック層EBLは、MgのドープされたAlGaNを含むことができる。
【0055】
超格子層SLLは、活性層ALとN型半導体層SCL1との間に配置されることができる。超格子層SLLは、組成が互いに異なる2つ以上の層が交互に積層された構造を有することができる。例えば、超格子層SLLは、GaN層とlnGaN層とが互いに交互に配置された構造を有することができる。本開示の一実施形態によれば、超格子層SLLは、N型半導体層SCL1と活性層ALとの間の応力を緩和することができる。
【0056】
ただし、発光素子LEの構造は、前述の例に必ずしも限定されるわけではない。例えば、発光素子LEの第2端部EP2に隣接して電極層(例えば、オーミック電極)をさらに配置してもよい。
【0057】
発光素子LEの第1端部EP1と第2端部EP2とに閾電圧以上の電圧が印加される場合、活性層ALで電子-正孔対は互いに再結合することができ、発光素子LEは光を発散することができる。このような原理を利用して発光素子LEの発光を制御することによって、発光素子LEは様々な装置で光源として用いられることができる。
【0058】
図5を参照すると、表示装置10は、画素回路層PCLおよび発光素子層EMLを含むことができる。
【0059】
画素回路層PCLは、発光素子LEを駆動するための画素回路を含む層であり得る。画素回路層PCLは、ベース層、画素回路を形成するための金属層および前記金属層の間に配置された絶縁層を含むことができる。本開示の一実施形態によれば、ベース層は、表示装置10を支持するためのベース基板またはベース部材であり得る。ベース層は、ガラス材質のリジッド(rigid)基板であり得る。例えば、ベース層は、シリコン基板またはサファイア基板(例えば、Alを含む基板)であってもよい。または、ベース層は、ベンディング(Bending)、フォールディング(Folding)、ローリング(Rolling)などの可能なフレキシブル(Flexible)基板であってもよい。この場合、ベース層は、ポリイミド(polyimide)のような高分子樹脂などの絶縁物質を含んでもよい。本開示の一実施形態によれば、画素回路は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)を含むことができる。画素回路は、記憶キャパシタをさらに含んでもよい。画素回路は、発光素子LEと電気的に連結されて、発光素子LEが光を発散するための電気的信号を提供することができる。
【0060】
発光素子層EMLは、画素回路層PCL上に配置されることができる。発光素子層EMLは、第1電極CM、発光素子LE、および第2電極CEを含むことができる。本開示の一実施形態によれば、発光素子層EMLは、カバー層CLおよび中間層CTLをさらに含んでもよい。
【0061】
第1電極CMは、画素回路層PCL上に配置されることができる。第1電極CMは、発光素子LEの下部に配置されて、発光素子LEと電気的に連結されることができる。例えば、第1電極CMは、発光素子LEのP型半導体層SCL2と隣接する第2端部EP2を介して発光素子LEと電気的に連結されることができる。
【0062】
第1電極CMは、画素回路層PCLに形成された画素回路(例えば、駆動トランジスタなど)と電気的に連結されることができ、これにより、発光素子LEを駆動するための電気的信号(例えば、アノード信号として駆動信号)が提供されることができる。第2電極CEは、電源配線と電気的に連結されて、電源配線の電圧を発光素子LEに供給することができる。第2電極CEは、カソード電極としてカソード信号が供給されることができる。
【0063】
第1電極CMは、第1発光素子LE1と電気的に連結された第1-1電極CM1、第2発光素子LE2と電気的に連結された第1-2電極CM2、及び第3発光素子LE3と電気的に連結された第1-3電極CM3を含むことができる。第1-1電極CM1、第1-2電極CM2、および第1-3電極CM3は、互いに分離可能である。これにより、異なるサブ画素SPX1、SPX2、SPX3を形成できる発光素子LEは、個別に駆動されることができる。
【0064】
第2電極CEは、発光素子LEの上部に配置されて、発光素子LEと電気的に連結されることができる。例えば、第2電極CEは、発光素子LEのN型半導体層SCL1と隣接する第1端部EP1を介して発光素子LEと電気的に連結されることができる。
【0065】
本開示の一実施形態によれば、第1電極CMは、発光素子LEに対する画素電極であり、第2電極CEは、発光素子LEに対する共通電極であり得る。第1電極CMと第2電極CEは、発光素子LEを挟んで互いに対向するように配置されることができる。
【0066】
第1電極CMと第2電極CEは、導電性物質を含むことができる。例えば、第1電極CMは、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、およびチタン(Ti)の群のうちの1つ以上を含むことができる。第2電極CEは、インジウムスズ酸化物(indium tin oxide、ITO)、インジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide、IZO)、亜鉛酸化物(zinc oxide、ZnO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(indium gallium zinc oxide,IGZO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(indium tin zinc oxide,ITZO)のような導電性酸化物、およびPEDOT(poly(3,4-ethylenedioxythiophene))のような導電性高分子の群のうちの1つ以上を含むことができる。ただし、本開示は前述の例に限定されない。
【0067】
中間層CTLは、画素回路層PCL上に配置されることができ、また第1電極CMの間に配置されることができる。例えば、特にこれに限定されないが、中間層CTLは、透明粘着層(または接着層)であってよく、中間層CTLには有機物質が含まれてもよい。
【0068】
カバー層CLは、画素回路層PCLとN型半導体層SCL1との間に配置されることができる。カバー層CLは、互いに隣接する発光素子LEの間に配置されることができる。カバー層CLは、N型半導体層SCL1と接触することができる。カバー層CLは、活性層ALおよびP型半導体層SCL2と直接隣接することができる。
【0069】
例えば、カバー層CLは、発光素子LEの活性層ALの間に配置されることができる。カバー層CLは、発光素子LEのP型半導体層SCL2の間に配置されることができる。
【0070】
本開示の一実施形態によれば、カバー層CLは、発光素子LEのそれぞれの活性層ALをパターニングするためのマスクMであり得る。マスクMは、後述の第1マスクM1或いは第3マスクM3であり得る。本開示の一実施形態によれば、カバー層CLは、N型半導体層SCL1の少なくとも一部を露出することができ、カバー層CLによって露出されたN型半導体層SCL1上には、活性層ALおよびP型半導体層SCL2がパターニングされて、発光素子LEのダイオード構造が形成されることができる。
【0071】
カバー層CLは、様々な絶縁物質を含むことができる。例えば、カバー層CLは、シリコン酸化物(SiO)を含んでもよい。ただし、本開示はここで示される構成に限定されない。本開示の一実施形態によれば、カバー層CLは、シリコン窒化物(SiN)を含んでもよい。
【0072】
発光素子LEは、第1電極CM上に配置されて、第1電極CMと電気的に連結されることができる。発光素子LEは、第2電極CEの下部に配置されて、第2電極CEと電気的に連結されることができる。発光素子LEは、サブ画素SPX1、SPX2、SPX3のそれぞれに提供されることができる。
【0073】
活性層ALは、第1発光素子LE1に対する第1活性層AL1、第2発光素子LE2に対する第2活性層AL2、及び第3発光素子LE3に対する第3活性層AL3を含むことができる。
【0074】
P型半導体層SCL2は、第1発光素子LE1に対する第1P型半導体層SCL2-1、第2発光素子LE2に対する第2P型半導体層SCL2-2、及び第3発光素子LE3に対する第3P型半導体層SCL2-3を含むことができる。
【0075】
本開示の一実施形態によれば、N型半導体層SCL1は、第1発光素子LE1、第2発光素子LE2、および第3発光素子LE3のそれぞれのN型半導体構造を形成することができる。
【0076】
例えば、第1発光素子LE1、第2発光素子LE2、及び第3発光素子LE3のそれぞれのN型半導体層SCL1は、一体に形成されることができる。第1発光素子LE1、第2発光素子LE2、および第3発光素子LE3のそれぞれは、N型半導体層SCL1を共有することができる。本開示の一実施形態によれば、第1発光素子LE1、第2発光素子LE2、および第3発光素子LE3のそれぞれの活性層ALおよびP型半導体層SCL2は、同じN型半導体層SCL1上に順次パターニングされて製造されることができる。
【0077】
本開示の一実施形態によれば、N型半導体層SCL1は、N型半導体層SCL1、活性層AL、およびP型半導体層SCL2の積層方向SDR(例えば、画素回路層PCLの厚さ方向であって、第3方向DR3)に沿って突出した構造を含まなくてもよい。
【0078】
例えば、N型半導体層SCL1は、平面上で見たとき、カバー層CLと重畳する第1領域A1およびカバー層CLと重畳しない第2領域A2を含むことができる。N型半導体層SCL1は、第1領域A1および第2領域A2において同一平面PLAを形成することができる。本開示の一実施形態によれば、活性層ALおよびP型半導体層SCL2は、第2領域A2内に配置されることができる。
【0079】
例えば、第2領域A2内に配置されたN型半導体層SCL1の一部は、画素回路層PCLの平面方向(例えばベース層の平面方向)に沿って、カバー層CLと重畳しなくてもよい。ここで、画素回路層PCLの平面方向は、第3方向DR3と垂直な方向であって、第1方向DR1と第2方向DR2とが形成する平面の方向を意味することができる。
【0080】
本開示の一実施形態によれば、活性層ALは、発光素子LEの基底を形成できるN型半導体層SCL1上に直接形成されることができる。これにより、基底を形成するN型半導体層SCL1上に追加のN型半導体構造が形成されず、活性層ALをパターニングすることができる。例えば、活性層ALの障壁層のうちの1つ以上が基底を形成するN型半導体層SCL1と直接隣接することができる。この場合、追加のN型半導体構造が、基底を形成するN型半導体層SCL1上に形成されていない状態で活性層ALをパターニングすることができる。
【0081】
本開示の一実施形態によれば、基底を形成するN型半導体層SCL1上に追加のN型半導体構造が形成されていないことによって、電荷移動経路が減少され、これによって発光素子LEの駆動電圧が減少する効果を提供することができる。
【0082】
また、基底を形成するN型半導体層SCL1上に追加のN型半導体構造が形成されていないことによって、側方向(例えば、発光素子LEの長さ方向)に延びる表面積を最小化できることから、漏洩電流が減少されることができる。
【0083】
また、基底を形成するN型半導体層SCL1上に追加のN型半導体構造を形成しようとする場合、追加のN型半導体構造を形成するためのマスクの厚さはもっと大きくなるが、本開示の一実施形態によれば、追加のN型半導体構造は必須ではないことから、マスクの厚さが減少して、工程コストの削減が可能になる。
【0084】
一方、本開示の一実施形態によれば、N型半導体層SCL1は、1つのドーパントを含んでもよい。例えば、N型半導体層SCL1は、結晶性向上及び発光特性の改善のためにシリコンドーパントを含んでもよい。本開示の一実施形態によれば、シリコンドーパントは、N型半導体層SCL1において1つの濃度勾配で形成されることができる。例えば、シリコンドーパントは、N型半導体層SCL1において積層方向SDRに沿って、予め定められた範囲内の濃度範囲で提供されることができる。例えば、シリコンドーパントは、1018個/cm以上1020個/cm以下の濃度範囲で提供されることができる。
【0085】
シリコンドーパントは、N型半導体層SCL1において予め定められた範囲内の濃度範囲を過度に超えるピーク濃度を形成しないことが可能である。これは、基底を形成するN型半導体層SCL1上に追加のN型半導体構造が再形成されることなく、活性層ALがN型半導体層SCL1上に直接形成されることを意味することができる。ここで、ピーク濃度は、局所の分析区間内において、予め定められた濃度範囲の上限を超えるピーク濃度を意味することができる。
【0086】
第1電極CMは、ボンディング電極であってもよい。発光素子LEは、第1電極CMとボンディング結合することができる。例えば、発光素子LEは、様々な転写方式によって第1電極CM上に転写されることができ、一つのボンディング方式によって第1電極CMとボンディングされて、電気的に連結されることができる。ボンディング方式としては、ACF(anisotropic conductive film)ボンディング方式、レーザを用いたLAB(Laser assist bonding)方式、超音波ボンディング方式、バンプ-ボール表面実装方式(Ball Grid Array、BGA)、加圧及び加熱ボンディング方式(TC、Thermo compression bonding)などが用いられることができる。加圧及び加熱ボンディング方式は、発光素子LEと第1電極CMとを接触させた後、第1電極CMの融点(melting point)よりも高い温度に加熱してから、圧力を加えて発光素子LEと第1電極CMとを電気的及び物理的に連結する方式を意味することができる。
【0087】
表示装置10の積層構造は、前述の例に必ずしも限定されない。本開示の一実施形態によれば、表示装置10は、追加の層(例えば、カラーフィルタ、外郭フィルムなど)をさらに含んでもよい。
【0088】
以下では、図6図32を参照して、本開示の一実施形態による表示装置10の製造方法について説明する。前述の内容と重複する内容は説明を省略する。
【0089】
まず、図6図14を参照して、第1実施形態による表示装置10の製造方法について説明する。図6図14は、第1実施形態による表示装置の製造方法を示す概略図である。図6及び図7は、第1実施形態による表示装置の製造方法を示すフロー図である。図7は、第1実施形態による表示装置10の製造方法の一部のステップを具体的に示すものであって、発光素子LEを製造するステップを示すフロー図である。図8は、発光素子を製造するステップにおいて、時間区間毎の工程温度を示すグラフである。図9図14は、第1実施形態による表示装置の製造方法を示す工程ステップ毎の概略断面図である。
【0090】
図6及び図7を参照すると、表示装置10の製造方法は、発光素子を製造するステップS10及び発光素子を画素回路層上に転写するステップS20を含むことができる。本開示の一実施形態によれば、発光素子を製造するステップS10は、N型半導体層を形成するステップS120、N型半導体層上にマスクを形成するステップS140、N型半導体層に対するサーマルクリーニング工程を行うステップS160、活性層を形成するステップS180、およびP型半導体層を形成するステップS190を含むことができる。
【0091】
図6図7、および図9を参照すると、N型半導体層を形成するステップS120において、成長基板GS上にバッファ層BFL、未ドープ半導体層USCL、およびN型半導体層SCL1を形成することができる。
【0092】
成長基板GSは、対象物質を成長させるためのベース板であり得る。例えば、成長基板GSは、一物質に対するエピタキシャル成長(epitaxial growth)のためのウェハ(wafer)であり得る。成長基板GSは、GaAs、GaP、またはInP基板であり得るが、成長基板GSを形成するための物質は特定の例に限定されない。
【0093】
バッファ層BFLは、成長基板GS上に配置され、成長基板GS上に形成される半導体層の結晶性を向上させることができる。本開示の一実施形態によれば、バッファ層BFLは、GaNまたはAlNを含むことができるが、バッファ層BFLを形成するための物質は特定の例に限定されない。
【0094】
未ドープ半導体層USCLは、バッファ層BFL上に配置され、成長基板GS上に形成される半導体層の欠陥を減少させることができる。本開示の一実施形態によれば、未ドープ半導体層USCLは、別途のドーパントを含まないGaNを含むことができるが、未ドープ半導体層USCLを形成するための物質は特定の例に限定されない。
【0095】
N型半導体層SCL1は、未ドープ半導体層USCL上にエピタキシャル成長されることができる。N型半導体層SCL1は、前述のN型半導体物質のうちの1つ以上を含むことができる。本開示の一実施形態によれば、N型半導体層SCL1は、シリコンをドープしたGaNを含んでもよい。
【0096】
図6図7、および図10を参照すると、N型半導体層上にマスクを形成するステップS140において、N型半導体層SCL1上に第1マスクM1を形成することができる。
【0097】
第1マスクM1は絶縁層を含むことができ、N型半導体層SCL1の一部の領域をカバーするようにパターニングされることができる。本開示の一実施形態によれば、第1マスクM1は、シリコン酸化物(SiOx)を含むことができる。他の本開示の一実施形態によれば、第1マスクM1は、シリコン窒化物(SiNx)を含んでもよい。第1マスクM1は、N型半導体層SCL1の一部を露出して、第1ホールH1を形成することができる。第1ホールH1の位置は、活性層ALを形成するための位置に対応することができる。
【0098】
図6図7図8及び図11を参照すると、N型半導体層に対するサーマルクリーニング工程を行うステップS160において、第1マスクM1によって露出されたN型半導体層SCL1の少なくとも一部にサーマルクリーニング(thermal cleaning)工程500を適用することができる。
【0099】
本ステップにおいて、第1マスクM1によって露出されたN型半導体層SCL1の一面は、クリーニングされることができる。例えば、サーマルクリーニング工程500を行うことにより、露出されたN型半導体層SCL1の面は平坦化されることができ、露出されたN型半導体層SCL1の面上の不純物を除去することができる。
【0100】
本開示の一実施形態によれば、サーマルクリーニング工程500を適用するために、初期温度T0をターゲット温度範囲△Tに昇温することができる。ターゲット温度範囲△Tは、ターゲット温度Tを少なくとも含むことができる。ターゲット温度範囲△Tは、第1温度T1と第2温度T2との間の範囲であり得る。N型半導体層に対するサーマルクリーニング工程を行うステップS160が行われる際に、工程温度はターゲット温度範囲△T内に維持する。本開示の一実施形態によれば、ターゲット温度範囲△Tは、600℃以上800℃以下であり得る。例えば、ターゲット温度Tは、700℃或いは750℃であり得る。本開示の一実施形態によれば、ターゲット温度範囲△Tが800℃を超える場合、後続的に活性層ALを形成する工程環境をつくるために工程コストがかかりすぎ、活性層ALが破損する恐れがあり、ターゲット温度範囲△Tが600℃未満である場合、N型半導体層SCL1に対するクリーニング工程を適切に行うのが困難である。
【0101】
本開示の一実施形態によれば、サーマルクリーニング工程500は、HとNHとが同時に供給された環境で行われることができる。この場合、サーマルクリーニング工程500は、相対的に低い温度であるターゲット温度範囲△T下でも適切に行われることができる。すなわち、本開示の一実施形態によれば、工程温度の過度な昇温が必須ではないことから、工程コストを削減することができる。
【0102】
一方、サーマルクリーニング工程500を行うためのターゲット温度範囲△Tは、活性層ALを形成する際の工程温度と予め定められた差(例えば、100℃)以内であり得る。あるいは、本開示の一実施形態によれば、サーマルクリーニング工程500を行うためのターゲット温度範囲△Tは、活性層ALを形成する際の工程温度と重畳してもよい。この場合、サーマルクリーニング工程500を行った後、活性層ALを形成するための工程環境をつくるに好適である。
【0103】
図6図8、および図12を参照すると、活性層を形成するステップS180およびP型半導体層を形成するステップS190において、第1マスクM1の露出したN型半導体層SCL1の一部の領域上に活性層ALおよびP型半導体層SCL2を形成することができる。
【0104】
本ステップにおいて、N型半導体層SCL1の一部、活性層AL、およびP型半導体層SCL2は、ダイオード構造を有する発光積層構造ESLを形成することができる。
【0105】
活性層ALは、第1マスクM1の配置されていない領域で、N型半導体層SCL1上にエピタキシャル成長してパターニングされることができる。本開示の一実施形態によれば、活性層ALは、井戸層としてlnGaNを含むことができ、活性層ALは、障壁層としてGaNを含むことができる。
【0106】
P型半導体層SCL2は、第1マスクM1の配置されていない領域で、活性層AL上にエピタキシャル成長してパターニングされることができる。P型半導体層SCL2は、前述のP型半導体物質のうちの1つ以上を含むことができる。本開示の一実施形態によれば、P型半導体層SCL2は、MgのドープされたGaNを含むことができる。
【0107】
本開示の一実施形態によれば、活性層を形成するステップS180およびP型半導体層を形成するステップS190を行う工程温度は、先のサーマルクリーニング工程500を行えるターゲット温度範囲△Tに含まれることができる。
【0108】
例えば、ターゲット温度範囲△Tは、活性層ALおよびP型半導体層SCL2を成長させるための工程温度に対応することができる。すなわち、サーマルクリーニング工程500を行うための工程温度に昇温された後、別途の付加的な昇温を行う必要がない。本開示の一実施形態によれば、活性層を形成するステップS180およびP型半導体層を形成するステップS190を行う工程温度は、ターゲット温度Tよりも小さいか同じであり得る。
【0109】
一方、図13を参照すると、活性層ALの下部に超格子層SLLを形成するステップと、活性層ALの上部に電子ブロック層EBLを形成するステップと、をさらに行ってもよい。例えば、超格子層SLLおよび電子ブロック層EBLは、第1マスクM1の配置されていないN型半導体層SCL1の一部の領域上に選択的にパターニングされることができる。
【0110】
図6及び図14を参照すると、発光素子を画素回路層上に転写するステップS20において、発光素子LEを画素回路層PCL上に転写することができる。
【0111】
本ステップを行うために、発光積層構造ESLを形成した後、N型半導体層SCL1の一部をカッティングして、成長基板GSから分離された発光素子LEを提供することができる。例えば、N型半導体層SCL1の一部は、レーザリフトオフ方式によってカッティング可能であるが、本開示は必ずしもこれに限定されるわけではない。
【0112】
本ステップにおいて、製造された発光素子LEは、P型半導体層SCL2が画素回路層PCL上の第1電極CMに向かうように転写されることができる。これにより、発光素子LEは、第1電極CMと電気的に連結されることができる。
【0113】
本ステップにおいて、第1マスクM1は、別途除去されなくてもよく、第1マスクM1は、前述のカバー層CLで提供されることができる。
【0114】
次に、図15図17を参照して、第2実施形態による表示装置10の製造方法について説明する。前述の内容と重複する内容は説明を省略する。
【0115】
図15図17は、第2実施形態による表示装置の製造方法を示す概略図である。図15は、第2実施形態による表示装置10の製造方法の一部のステップを具体的に示すものであって、発光素子LEを製造するステップを示すフロー図である。図16及び図17は、第2実施形態による表示装置の製造方法を示す工程ステップ毎の概略断面図である。前述の内容と重複する内容は説明を省略する。
【0116】
第2実施形態による発光素子LEの製造方法は、第1実施形態による発光素子LEの製造方法と比較すると、追加のN型半導体層を形成するステップS170をさらに含むところが異なる。
【0117】
図15図17を参照すると、追加のN型半導体層を形成するステップS170をさらに行って、第1マスクM1によって露出されたN型半導体層SCL1上に追加のN型半導体層ASCLをさらに形成することができる。
【0118】
追加のN型半導体層ASCLは、活性層ALを形成する前に、一部の領域内に選択的にパターニングされることができる。本開示の一実施形態によれば、追加のN型半導体層ASCLおよびN型半導体層SCL1の一部、活性層AL、およびP型半導体層SCL2が、発光積層構造ESL(あるいは発光素子LE)を形成することができる。
【0119】
一方、第2実施形態も同様に、サーマルクリーニング工程500がターゲット温度範囲△T内で行われることで、工程コストが削減されると共にターゲット温度範囲△Tが活性層ALおよびP型半導体層SCL2を形成するための工程温度に対応することから、工程の利便性が向上される。
【0120】
次に、図6図18図32を参照して、第1実施形態の具体的な実施形態として、2つ以上の発光素子LEを製造するステップを含む表示装置10の製造方法について説明する。前述の内容と重複する内容は説明を省略する。
【0121】
図18図32は、第1実施形態の具体的な実施形態を示す図であって、2つ以上の発光素子を製造するステップを含む表示装置の製造方法を示す概略図である。図18及び図19は、第1実施形態による表示装置10の製造方法の一部のステップを具体的に示すものであって、発光素子LEを製造するステップを示すフロー図である。図20図21図23図25図27図29図31、および図32は、図18及び図19に対応する表示装置の製造方法を示す工程ステップ毎の概略断面図である。図22図26、および図30は、図18および図19に対応する表示装置の製造方法を示す工程ステップ毎の概略平面図である。
【0122】
図18及び図19を参照すると、本開示の一実施形態による発光素子を製造するステップS10は、N型半導体層を形成するステップS120、N型半導体上に第1発光積層構造を形成するステップS2100、N型半導体上に第2発光積層構造を形成するステップS3100及びN型半導体上に第3発光積層構造を形成するステップS4100を含むことができる。本開示の一実施形態によるN型半導体上に第1発光積層構造を形成するステップS2100は、N型半導体層上に第1マスクを形成するステップS2140、N型半導体層に対する第1サーマルクリーニング工程を行うステップS2160、第1活性層を形成するステップS2180、及び第1P型半導体層を形成するステップS2190を含むことができる。N型半導体上に第2発光積層構造を形成するステップS3100は、N型半導体層上に第2マスクを形成するステップS3140、N型半導体層に対する第2サーマルクリーニング工程を行うステップS3160、第2活性層を形成するステップS3180、及び第2P型半導体層を形成するステップS3190を含むことができる。N型半導体上に第3発光積層構造を形成するステップS4100は、N型半導体層上に第3マスクを形成するステップS4140、N型半導体層に対する第3サーマルクリーニング工程を行うステップS4160、第3活性層を形成するステップS4180、及び第3P型半導体層を形成するステップS4190を含むことができる。
【0123】
図18図20を参照すると、N型半導体層上に第1マスクを形成するステップS2140及びN型半導体層に対する第1サーマルクリーニング工程を行うステップS2160において、N型半導体層SCL1上に第1マスクM1を形成することができる。そして、第1マスクM1の露出するN型半導体層SCL1の一部の領域に対する第1サーマルクリーニング工程520を行うことができる。
【0124】
本ステップにおいて、第1マスクM1は第1ホールH1を形成することができ、第1ホールH1からN型半導体層SCL1が露出されることができる。
【0125】
本ステップにおいて、第1サーマルクリーニング工程520を行うための工程温度は、ターゲット温度範囲△Tまで昇温されることができる。これにより、第1ホールH1から露出されたN型半導体層SCL1の上面は平坦化されることができる。
【0126】
図18図19図21及び図22を参照すると、第1活性層を形成するステップS2180及び第1P型半導体層を形成するステップS2190において、第1マスクM1によって露出されたN型半導体層SCL1上に第1活性層AL1及び第1P型半導体層SCL2-1をパターニングすることができる。
【0127】
本ステップにおいて、N型半導体層SCL1の一部、第1活性層AL1及び第1P型半導体層SCL2-1は、第1発光素子LE1を提供するための第1発光積層構造ESL1を形成することができる。
【0128】
本開示の一実施形態によれば、第1活性層AL1をパターニングする際の工程温度は、第1サーマルクリーニング工程520を行う温度よりも小さいか同じであり得る。例えば、第1活性層AL1は、青色光を発散するための第1発光素子LE1の活性層ALであって、第1活性層AL1をパターニングする際の工程温度は、720℃以上780℃以下であり得る。
【0129】
図18図19図23、および図24を参照すると、N型半導体層上に第2マスクを形成するステップS3140およびN型半導体層に対する第2サーマルクリーニング工程を行うステップS3160において、N型半導体層SCL1上に第2マスクM2を形成することができる。そして、第2マスクM2の露出するN型半導体層SCL1の一部の領域に対する第2サーマルクリーニング工程540を行うことができる。
【0130】
本ステップにおいて、第1マスクM1上に第1追加マスク層AM1を形成することができ、第1マスクM1および第1追加マスク層AM1をパターニングして、第2マスクM2を製造することができる。第2マスクM2は第2ホールH2を形成することができ、第2ホールH2からN型半導体層SCL1は露出されることができる。
【0131】
本ステップにおいて、第2サーマルクリーニング工程540を行うための工程温度は、ターゲット温度範囲△Tまで昇温されることができる。これにより、第2ホールH2から露出されたN型半導体層SCL1の上面は、平坦化されることができる。
【0132】
図18図19図25及び図26を参照すると、第2活性層を形成するステップS3180及び第2P型半導体層を形成するステップS3190において、第2マスクM2によって露出されたN型半導体層SCL1上に第2活性層AL2及び第2P型半導体層SCL2-2をパターニングすることができる。
【0133】
本ステップにおいて、N型半導体層SCL1の一部、第2活性層AL2及び第2P型半導体層SCL2-2は、第2発光素子LE2を提供するための第2発光積層構造ESL2を形成することができる。
【0134】
本開示の一実施形態によれば、第2活性層AL2をパターニングする際の工程温度は、第2サーマルクリーニング工程540を行う温度よりも小さいか同じであり得る。例えば、第2活性層AL2は、緑色光を発散するための第2発光素子LE2の活性層ALであって、第2活性層AL2をパターニングする際の工程温度は、690℃以上730℃以下であり得る。第2活性層AL2を形成する際の工程温度は、第1活性層AL1を形成する際の工程温度と非重畳するように選択されることができる。
【0135】
図18図19図27、および図28を参照すると、N型半導体層上に第3マスクを形成するステップS4140およびN型半導体層に対する第3サーマルクリーニング工程を行うステップS4160において、N型半導体層SCL1上に第3マスクM3を形成することができる。そして、第3マスクM3の露出するN型半導体層SCL1の一部の領域に対する第3サーマルクリーニング工程560を行うことができる。
【0136】
本ステップにおいて、第2マスクM2上に第2追加マスク層AM2を形成することができ、第2マスクM2および第2追加マスク層AM2をパターニングして、第3マスクM3を製造することができる。第3マスクM3は第3ホールH3を形成することができ、第3ホールH3からN型半導体層SCL1は露出されることができる。
【0137】
本ステップにおいて、第3サーマルクリーニング工程560を行うための工程温度は、ターゲット温度範囲△Tまで昇温されることができる。これにより、第3ホールH3から露出されたN型半導体層SCL1の上面は平坦化されることができる。
【0138】
図18図19図29、および図30を参照すると、第3活性層を形成するステップS4180および第3P型半導体層を形成するステップS4190において、第3マスクM3によって露出されたN型半導体層SCL1上に第3活性層AL3および第3P型半導体層SCL2-3をパターニングすることができる。
【0139】
本ステップにおいて、N型半導体層SCL1の一部、第3活性層AL3および第3P型半導体層SCL2-3は、第3発光素子LE3を提供するための第3発光積層構造ESL3を形成することができる。
【0140】
本開示の一実施形態によれば、第3活性層AL3をパターニングする際の工程温度は、第3サーマルクリーニング工程560を行う温度よりも小さいか同じであり得る。例えば、第3活性層AL3は、赤色光を発散するための第3発光素子LE3の活性層ALであって、第3活性層AL3をパターニングする際の工程温度は、600℃以上700℃以下であり得る。第3活性層AL3を形成する際の工程温度は、第2活性層AL2を形成する際の工程温度と非重畳するように選択されることができる。
【0141】
一方、本開示の一実施形態によれば、活性層ALのうち相対的に温度に強い活性層ALを優先的にパターニングすることができる。例えば、各活性層ALを形成するための工程温度は、第1活性層AL1、第2活性層AL2、および第3活性層AL3の順に高い。第1活性層AL1は、第1工程温度で形成することができ、第2活性層AL2は、第2工程温度で形成することができ、第3活性層AL3は、第3工程温度で形成することができる。この際、第2工程温度は第1工程温度よりも低くてもよく、第3工程温度は第2工程温度よりも低くてもよい。
【0142】
例えば、第1活性層AL1、第2活性層AL2、および第3活性層AL3を順次形成し、その後に形成する活性層ALに対する工程温度はさらに低くてもよい。この場合、先に形成されて相対的に高温環境に強い活性層ALは、後に形成する活性層ALの工程温度によって損傷する恐れを低減することができる。
【0143】
また、各活性層AL1、AL2、AL3に対する工程温度が、サーマルクリーニング工程500を行う温度と予め定められた差以内に設定されることから、活性層AL1、AL2、AL3の損傷が防止され、不要なコストがかかることを防ぐことができる。
【0144】
続いて、図32を参照すると、製造された第1発光素子LE1、第2発光素子LE2、および第3発光素子LE3は、それぞれ対応する画素回路層PCL上の第1-1電極CM1、第1-2電極CM2、および第1-3電極CM3上に転写されることができる。
【0145】
以下では、図33図36を参照して、本開示の一実施形態による表示装置10の適用分野について説明する。ただし、表示装置10の適用分野は、必ずしも後述の例に限定されない。図33図36は、本開示の一実施形態による表示装置の適用例を示す概略図である。
【0146】
まず、図33を参照すると、表示装置10は、ディスプレイ部1220およびストラップ部1240を含むスマートウォッチ1200に適用されることができる。
【0147】
スマートウォッチ1200は、ウェアラブル電子装置であって、ストラップ部1240をユーザの手首に装着する構造を有することができる。ここで、ディスプレイ部1220には表示装置10が適用され、時間情報を含むイメージデータをユーザに提供することができる。
【0148】
図34を参照すると、表示装置10は、オートモーティブディスプレイ(automotive display)1300に適用されることができる。ここで、オートモーティブディスプレイ1300は、車両の内外部に備えられて、イメージデータを提供する電子装置を意味することができる。
【0149】
例えば、表示装置10は、車両に備えられたインフォテインメントパネル(infortainment panel)1310、クラスタ(cluster)1320、コドライバーディスプレイ(co-driver display)1330、ヘッドアップディスプレイ(head-up display)1340、サイドミラーディスプレイ(side mirror display)1350、およびリアシートディスプレイ(rear seat display)1360のうちの少なくともいずれか1つに適用されることができる。
【0150】
図35を参照すると、表示装置10は、フレーム170及びレンズ部171を含むスマートグラスに適用されることができる。スマートグラスは、ユーザの顔に着用可能なウェアラブル電子装置であって、フレーム170の一部がフォールディング或いはアンフォールディングされる構造であり得る。例えば、スマートグラスは、拡張現実(AR;Augmented Reality)用ウェアラブル装置であり得る。
【0151】
フレーム170は、レンズ部171を支持するハウジング170b及びユーザの着用のための脚部170aを含むことができる。脚部170aは、ヒンジによってハウジング170bに連結されて、フォールディング或いはアンフォールディングされることができる。
【0152】
フレーム170には、バッテリ、タッチパッド、マイク、カメラなどが内蔵されることができる。また、フレーム170には、光を出力するプロジェクタ、光信号などを制御するプロセッサなどが内蔵されることができる。
【0153】
レンズ部171は、光を透過させたり、光を反射させたりする光学部材であり得る。レンズ部171は、ガラス、透明な合成樹脂等を含むことができる。
【0154】
また、レンズ部171は、フレーム170のプロジェクタから送出された光信号による映像をレンズ部171の後面(例えば、ユーザの目に向かう方向の面)によって反射させてユーザの目で認識可能にすることができる。例えば、ユーザは、図示のように、レンズ部171に表示された時間、日付などの情報を認識することができる。すなわち、レンズ部171は一種の表示装置であり、表示装置10はレンズ部171に適用することができる。
【0155】
図36を参照すると、表示装置10は、ヘッド装着バンド180およびディスプレイ収納ケース181を含むヘッドマウントディスプレー(HMD;Head Mounted Display)に適用されることができる。ヘッドマウントディスプレーは、ユーザの頭に着用可能なウェアラブル電子装置である。
【0156】
ヘッド装着バンド180は、ディスプレイ収納ケース181に連結されて、ディスプレイ収納ケース181を固定する部分である。図面において、ヘッド装着バンド180は、ユーザの頭の上面と両側面を取り囲むものとして示されたが、これに限定されない。ヘッド装着バンド180は、ユーザの頭にヘッドマウントディスプレーを固定するためのものであって、メガネフレーム形態またはヘルメット形態に形成することもできる。
【0157】
ディスプレイ収納ケース181は、表示装置10を収納し、少なくとも1つのレンズを含むことができる。少なくとも1つのレンズは、ユーザに映像を提供する部分である。例えば、ディスプレイ収納ケース181に具現される左眼レンズおよび右眼レンズには、表示装置10が適用されることができる。
【0158】
以上に述べたように、本開示の好ましい各実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の当業者又は当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本開示の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本開示を様々に修正及び変更可能である。
【0159】
したがって、本開示の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されず、特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0160】
10 表示装置
PX 画素
LE 発光素子
SCL1 N型半導体層
SCL2 P型半導体層
AL 活性層
PCL 画素回路層
EML 発光素子層
CM 第1電極
CE 第2電極
T0 初期温度
T ターゲット温度
500 サーマルクリーニング工程
M1、M2、M3 第1マスク、第2マスク、第3マスク
ESL 発光積層構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36