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特開2024-68625溶接チップ脱去装置{WELD TIP REMOVER}
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068625
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】溶接チップ脱去装置{WELD TIP REMOVER}
(51)【国際特許分類】
   B23K 11/30 20060101AFI20240513BHJP
   B23K 11/36 20060101ALI20240513BHJP
   B23K 11/11 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
B23K11/30 350
B23K11/36
B23K11/11
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023147243
(22)【出願日】2023-09-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0147811
(32)【優先日】2022-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515119619
【氏名又は名称】コリア ティーアンドエム カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523346939
【氏名又は名称】リ スン ヘ
【氏名又は名称原語表記】LEE SEUNG HAE
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】リ スン ヘ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ドゥ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】リ ドン ギル
【テーマコード(参考)】
4E165
【Fターム(参考)】
4E165BB02
4E165BB33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業効率が向上され、溶接チップ脱去過程で、シャンクと溶接チップの反りを防止する溶接チップ脱去装置を提供する。
【解決手段】溶接チップ脱去装置は、管壁の周りに沿って傾斜ガイド溝が形成された円筒管型ケース、外周面に備えられ、傾斜ガイド溝に嵌められるガイドバーによって円筒管型ケースの内部に軸回転可能に装着され、内周面は貫通形成されたチップ収容孔を定義する回転盤、および、一端部は並進アクチュエータにヒンジ結合され、本体部は回転盤の一側にヒンジ結合され、他端部には回転盤の内周面一側に露出される駆動ジョー(jaw)が備えられるヒンジバー、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管壁の周りに沿って傾斜ガイド溝が形成された円筒管型ケース;
外周面に備えられ、前記傾斜ガイド溝に嵌められるガイドバーによって前記円筒管型ケースの内部に軸回転可能に装着され、内周面は貫通形成されたチップ収容孔を定義する回転盤;および、
一端部は並進アクチュエータにヒンジ結合され、本体部は前記回転盤の一側にヒンジ結合され、他端部には前記回転盤の内周面一側に露出される駆動ジョー(jaw)が備えられるヒンジバー;を含む、溶接チップ脱去装置。
【請求項2】
第1の請求項1の溶接チップ脱去装置(第1装置)と第2の請求項1の溶接チップ脱去装置(第2装置)が軸方向に重なって配置され、第1装置の傾斜ガイド溝および第2装置の傾斜ガイド溝が反対方向に傾斜するように配置され、第1装置のヒンジバーの一端部と第2装置のヒンジバーの一端部は、同一並進アクチュエータにヒンジ結合された、溶接チップ脱去装置。
【請求項3】
第1の請求項1の溶接チップ脱去装置(第1装置)と第2の請求項1の溶接チップ脱去装置(第2装置)が軸方向に垂直に並んで配置され、前記第1装置の傾斜ガイド溝と前記第2装置の傾斜ガイド溝が反対方向に傾斜するように配置され、前記第1装置のヒンジバーの一端部と前記第2装置のヒンジバーの一端部は、同一並進アクチュエータにヒンジ結合された、溶接チップ脱去装置。
【請求項4】
前記円筒管型ケースの軸方向一端には、前記回転盤の回転によって駆動されて、前記チップ収容孔端の少なくとも一部を塞ぐ遮断片が備えられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の溶接チップ脱去装置。
【請求項5】
前記傾斜ガイド溝は、前記円筒管型ケースの周方向と平行する第1領域、および前記円筒管型ケースの周方向に対して傾斜する第2領域を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の溶接チップ脱去装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示(The Present Disclosure)は、スポット溶接に用いられる溶接チップを脱去する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
溶接チップ脱去装置は、溶接チップ交換装置において新しい溶接チップをシャンクに結合する前に用いた溶接チップを脱去する装置である。
【0003】
大韓民国登録特許第10-1310291号公報における溶接チップ交換装置には、溶接チップ脱去装置の一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-1310291号公報(2013.09.24.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シャンクから溶接チップを脱去する作業効率が向上され、溶接チップ脱去過程で、シャンクと溶接チップの反りを防止する溶接チップ脱去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1実施形態による溶接チップ脱去装置は、管壁の周りに沿って傾斜ガイド溝が形成された円筒管型ケース;外周面に備えられ、傾斜ガイド溝に嵌められるガイドバーによって円筒管型ケースの内部に軸回転可能に装着され、内周面は貫通形成されたチップ収容孔を定義する回転盤;および、一端部は並進アクチュエータにヒンジ結合され、本体部は回転盤の一側にヒンジ結合され、他端部には回転盤の内周面の一側に露出される駆動ジョー(jaw)が備えられるヒンジバー;を含む。
【0007】
第2実施形態による溶接チップ脱去装置は、第1の第1実施形態による溶接チップ脱去装置(第1装置)と第2の第1実施形態による溶接チップ脱去装置(第2装置)が軸方向に重なって配置され、第1装置の傾斜ガイド溝および第2装置の傾斜ガイド溝が反対方向に傾斜するように配置され、第1装置のヒンジバーの一端部と第2装置のヒンジバーの一端部は同一並進アクチュエータにヒンジ結合される。
【0008】
第3実施形態による溶接チップ脱去装置は、第1の第1実施形態による溶接チップ脱去装置(第1装置)と第2の第1実施形態による溶接チップ脱去装置(第2装置)が軸方向に垂直に並んで配置され、第1装置の傾斜ガイド溝および第2装置の傾斜ガイド溝が反対方向に傾斜するように配置され、第1装置のヒンジバーの一端部と第2装置のヒンジバーの一端部は同一並進アクチュエータにヒンジ結合される。
【0009】
第1~第3実施形態による溶接チップ脱去装置は、円筒管型ケースの軸方向一端には、回転盤の回転によって駆動されて、チップ収容孔端の少なくとも一部を塞ぐ遮断片が備えられてもよい。
【0010】
第1~第3実施形態による溶接チップ脱去装置は、傾斜ガイド溝は円筒管型ケースの周方向と平行する第1領域と、円筒管型ケースの周方向に対して傾斜する第2領域を含んでもよい。
【発明の効果】
【0011】
実施形態による溶接チップ脱去装置は、部品数が少なく、構造が簡単で、細かい故障がなく、耐久性が高い。
【0012】
実施形態による溶接チップ脱去装置は、動力伝達構造が簡単で、脱去作業効率に優れている。
【0013】
実施形態による溶接チップ脱去装置は、シャンクと溶接チップの軸が傾斜する方向への力を印加しないように構成されているので、溶接チップ脱去過程で、シャンクと溶接チップの反りが防止される。
【0014】
実施形態による溶接チップ脱去装置は、構造が簡単で、メンテナンスが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態による溶接チップ脱去装置の斜視図である。
図2】第1実施形態による溶接チップ脱去装置の分解図である。
図3】第1実施形態による溶接チップ脱去装置の使用例を示す断面図である。
図4】第1実施形態による溶接チップ脱去装置の使用例を示す斜視図である。
図5】第2実施形態による溶接チップ脱去装置の斜視図である。
図6】第2実施形態による溶接チップ脱去装置の分解図である。
図7】第2実施形態による溶接チップ脱去装置の使用例を示す断面図である。
図8】第3実施形態による溶接チップ脱去装置の斜視図である。
図9】第3実施形態による溶接チップ脱去装置の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の利点および特徴、そしてそれらを達する方法は、添付図面とともに詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になり得る。しかしながら、本開示は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現されてもよい。ただ本実施形態は、本開示を完全にし、本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本開示は特許請求範囲の範疇によって定義されるだけである。明細書全体にかけて同じ参照符号は同じ構成要素を指称する。
【0017】
図面を参照して、第1~第3実施形態による溶接チップ脱去装置100、100’、100’’を具体的に説明する。
【0018】
第1実施形態による溶接チップ脱去装置100
【0019】
図1図4を参照して、第1実施形態による溶接チップ脱去装置100(以下、『溶接チップ脱去装置100’』とする。)について具体的に説明する。
【0020】
図1は、溶接チップ脱去装置100の斜視図であり、図2は、溶接チップ脱去装置100の分解図であり、図3は、溶接チップ脱去装置100の使用例を示す断面図であり、図4は、溶接チップ脱去装置100の使用例を示す斜視図である。
【0021】
図1および図2を参照すると、溶接チップ脱去装置100は、円筒管型ケース110、回転盤120、およびヒンジバー130を含む。
【0022】
円筒管型ケース110は、所定の高さを有し、管壁110aの周りに沿って傾斜ガイド溝111が形成される。
【0023】
傾斜ガイド溝111は、管壁110aの周りに沿って傾斜するように形成される。ここで、『傾斜』の意味は、開始点から終止点までの全区間の全ての地点での接線が傾斜していることを意味するのではなく、開始点と終止点とを連結する直線が傾斜していることを意味する。具体的には、傾斜ガイド溝111は、管壁110aの周りに平行に延長形成される第1領域111a、および第1領域111aで管壁110aの周りに対して傾斜するように延長形成される第2領域111bを含むことができる。
【0024】
回転盤120は、円筒管型ケース110の内周面に備えられ、ガイドバー122およびチップ収容孔123を含む。
【0025】
回転盤120は、外周面にガイドバー122の一端を収容する側面溝121が形成されることができる。
【0026】
ガイドバー122は、一端が回転盤120の側面溝121に収容され、他端が傾斜ガイド溝111に収容される。これによって、回転盤120は円筒管型ケース110の内側で回転可能に結合される。
【0027】
実施形態では、傾斜ガイド溝111が管壁110aに貫通形成されていることに図示されているが、傾斜ガイド溝111は円筒管型ケース110の内周面に彫られた貫通されない溝で、ガイドバー122は回転盤120の外周面に設置されて、回転盤120の半径方向内外に弾性変形されるボールプランジャで構成されることも可能である。
【0028】
回転盤120の内周面がチップ収容孔123を定義するように、チップ収容孔123は回転盤120の中央に貫通形成される。
【0029】
回転盤120は、チップ収容孔123の内側に露出された形態で固定ジョー(jaw)124が備えられてもよい。固定ジョー124は、後述する駆動ジョー131とともに溶接チップTを固定する機能を果たす。
【0030】
ヒンジバー130は、一端部が並進アクチュエータ170にヒンジ結合され、本体部が回転盤120の一側にヒンジ結合される。
【0031】
ヒンジバー130の他端部には回転盤120の内周面一側に露出される駆動ジョー131が備えられる。
【0032】
並進アクチュエータ170の駆動によってヒンジバー130の本体部が所定の角度に回転されることによって、駆動ジョー131はチップ収容孔123の中央に向かって突出される。
【0033】
図3を参照して、溶接チップ脱去装置100が溶接チップTを脱去する過程を具体的に説明する。
【0034】
溶接チップ脱去装置100の初期状態にはガイドバー122が傾斜ガイド溝111の第1領域111aの末端に位置されている。具体的には、第1領域111aと第2領域111bとがつながる部分の反対側に位置する。
【0035】
溶接チップTがチップ収容孔123に挿入されると、並進アクチュエータ170が駆動される。
【0036】
溶接チップ脱去装置100は、並進アクチュエータ170が駆動される時、ヒンジバー130が回転されて、ヒンジバー130の他端部の駆動ジョー131がチップ収容孔123の中央に向かって突出される。この時、駆動ジョー131は、固定ジョー124とともに溶接チップTを固定する。
【0037】
駆動ジョー131が固定ジョー124とともに溶接チップTを固定することができるほどにヒンジバー130が回転すると、ヒンジバー130が回転盤120に備えられた係止突起127に当接することによって、回転盤120に対するヒンジバー130の回転は中断される。
【0038】
その後には、並進アクチュエータ170によるヒンジバー130の回転は、回転盤120を円筒管型ケース110で回転させる。
【0039】
実施形態では、係止突起127によって回転盤120に対するヒンジバー130の回転が中断される構成を説明したが、係止突起127なしに、駆動ジョー131が固定ジョー124とともに溶接チップTを固定することができるほどにヒンジバー130が回転した後には、固定ジョー124がヒンジバー130とともに回転することによって、固定ジョー124と一体になっている回転盤120も一緒に回転することができる構成だけにすることも可能である。
【0040】
この時、回転盤120のガイドバー122は、傾斜ガイド溝111で第1領域111aと第2領域111bの順に移動される。具体的に説明すると、第1領域111aが管壁110aの周りに平行に延長形成されているので、回転盤120はガイドバー122によって高さの変化なしに回転される。これによって、駆動ジョー131は固定ジョー124とともに溶接チップTを固定する。
【0041】
その後、第2領域111bが管壁110aの周りに傾斜するように延長形成されているので、回転盤120はガイドバー122を円筒管型ケース110の周り方向に回転させ、同時に、円筒管型ケース110の軸方向に移動される。これによって、溶接チップTは回転盤120とともに移動されて、シャンクSから脱去される。すなわち、回転盤120がガイドバー122によって高さの変化なしに回転される過程で、駆動ジョー131はシャンクSに嵌められた溶接チップTを把持するようになり、その次、回転盤120が軸方向へ移動する過程で溶接チップTはシャンクSから完全に脱去される。これによって、溶接チップ脱去装置100は、溶接チップTの両側面を固定したまま回転させ、シャンクSと溶接チップTの反りが発生せず、溶接チップTがシャンクSから脱去されることができる。
【0042】
溶接チップ脱去装置100は、チップ収容孔123にボールプランジャ128がさらに備えられてもよく、ボールプランジャ128は、溶接チップTをチップ収容孔123から押し出して、溶接チップTが自然に下方に落下されるように誘導することができる。
【0043】
図2を参照すると、溶接チップ脱去装置100は、第1カバー150、第2カバー、溶接チップTがチップ収容孔123に挿入される時、溶接チップTとシャンクSとの間に挿入される遮断片140を含むことができる。
【0044】
第1カバー150は、円筒管型ケース110の上部に配置されて、円筒管型ケース110の上面を覆う。第1カバー150は遮断片140の下部を収容し、遮断片140がチップ収容孔123に向かって引出される経路を提供する第1遮断片収容部151が形成される。
【0045】
第2カバー160は、第1カバー150の上部に配置されて、第1カバー150の上面を覆う。第2カバー160は遮断片140の上部を収容し、遮断片140のチップ収容孔123に向かって引出される経路を提供する第2遮断片収容部152が形成される。
【0046】
遮断片140は、第1カバー150の第1遮断片収容部151と第2カバー160の第2遮断片収容部152とのに間に配置され、チップ収容孔123に向かって引出される時、チップ収容孔123端の少なくとも一部を塞ぐことができる。
【0047】
回転盤120の回転から遮断片140に動力が伝達されるように、溶接チップ脱去装置100は棒126を含んでもよい。
【0048】
棒126は、回転盤120、第1カバー150、および遮断片140に連続的に通過する形態に配置される。
【0049】
回転盤120には棒ガイド溝125が回転盤120の軸方向に貫通形成される。具体的に説明すると、棒ガイド溝125は、棒126を前方または後方に移動させることができるように、回転盤120の中心に向かって傾斜するように貫通形成される。
【0050】
第1カバー150には孔が軸方向に棒ガイド溝125と連通され、回転盤120の半径方向に長く貫通形成される。
【0051】
遮断片140には、棒ガイド溝125、および第1カバー150の孔と連通される棒収容孔141が形成される。棒収容孔141には棒126の端部が収容される。
【0052】
図4を参照して、溶接チップ脱去装置100の遮断片140が作動する過程を具体的に説明する。
【0053】
図4を参照すると、並進アクチュエータ170が駆動される時、ヒンジバー130が回転盤120のチップ収容孔123の一側に当接することによって、回転盤120は円筒管型ケース110で回転される。
【0054】
回転盤120が回転される時、棒ガイド溝125の位置が移動され、棒126は棒ガイド溝125に沿ってチップ収容孔123に向かって移動される。
【0055】
棒126が遮断片140と連結されているので、遮断片140は棒126の位置によってチップ収容孔123に向かって引出され、溶接チップTとシャンクSとの間に挿入されて溶接チップTを軸方向に脱去する時、シャンクSが軸方向に移動できないようにする。同じく、遮断片140を強制的にチップ収容孔123から遠くなる方向に力を加える時、棒ガイド溝125に沿って遮断片140を移動させなければならないので、並進アクチュエータ170にかかる直接的な負荷が減少するようになる。
【0056】
第2実施形態による溶接チップ脱去装置100’
【0057】
図5図7を参照して、第2実施形態による溶接チップ脱去装置100’(以下、『溶接チップ脱去装置100’』とする。)について具体的に説明する。ただ、『円筒管型ケース110’、管壁110a’、傾斜ガイド溝111’、第1領域111a’、第2領域111b’、回転盤120’、側面溝121’、ガイドバー122’、チップ収容孔123’、固定ジョー124’、棒ガイド溝125’、棒126’、ヒンジバー130’、駆動ジョー131’、遮断片140’、棒収容孔141’、第1カバー150’、第1遮断片収容部151’、第2カバー160’、および第2遮断片収容部161』は、前述した『円筒管型ケース110、管壁110a、傾斜ガイド溝111、第1領域111a、第2領域111b、回転盤120、側面溝121、ガイドバー122、チップ収容孔123、固定ジョー124、棒ガイド溝125、棒126、ヒンジバー130、駆動ジョー131、遮断片140、棒収容孔141、第1カバー150、第1遮断片収容部151、第2カバー160、および第2遮断片収容部161』と同じ結合構造を有し、結合される方向が上下が変更されたので、形態および結合関係に対する説明を省略する。
【0058】
図5は、溶接チップ脱去装置100’の斜視図であり、図6は、溶接チップ脱去装置100’の分解図であり、図7は、溶接チップ脱去装置100’の使用例を示す断面図である。
【0059】
図5図6を参照すると、溶接チップ脱去装置100’は、一つの並進アクチュエータ170でヒンジバー130、130’、回転盤120、120’、遮断片140、140’を移動させて、上から挿入される溶接チップTと下から挿入される溶接チップTを脱去することができる。
【0060】
図6を参照すると、円筒管型ケース110、110’は、互いに重なって配置される。上部に位置した円筒管型ケース110の傾斜ガイド溝111は下方へ傾斜するように配置され、下部に位置した円筒管型ケース110’の傾斜ガイド溝111’は上方へ傾斜するように配置される。具体的には、下部に位置した円筒管型ケース110’の傾斜ガイド溝111’は、管壁110a’の周方向に延長形成される第1領域111a’、および円筒管型ケース110’の軸方向を基準として上方へ延長形成される第2領域111b’を含むことができる。参考に、駆動ジョー131、131’が溶接チップTに当接された状態で、回転盤120、120’はヒンジバー130、130’によって回転される。上部に配置された回転盤120は、円筒管型ケース110の軸方向を基準として下方へ移動され、下部に配置された回転盤120’は、円筒管型ケース110’の軸方向を基準として上方へ移動される。
【0061】
これによって、溶接チップ脱去装置100’で溶接チップTを脱去するためには、上部に配置されたチップ収容孔123には下降する溶接チップTが挿入されることが好ましく、下部に配置されたチップ収容孔123’には昇降する溶接チップTが挿入されることが好ましい。
【0062】
溶接チップ脱去装置100’は、昇降する溶接チップTを順次収容した後に脱去することが好ましい。ただ、溶接チップ脱去装置100’を利用して昇降する溶接チップTを脱去する順序は限定されない。
【0063】
図7を参照すると、上部に配置された『円筒管型ケース110、管壁110a、傾斜ガイド溝111、第1領域111a、第2領域111b、回転盤120、側面溝121、ガイドバー122、チップ収容孔123、固定ジョー124、ヒンジバー130、駆動ジョー131』の溶接チップTを脱去する過程は、前述と同じであるので省略し、下部に配置された『円筒管型ケース110’、管壁110a’、傾斜ガイド溝111’、第1領域111a’、第2領域111b’、回転盤120’、側面溝121’、ガイドバー122’、チップ収容孔123’、固定ジョー124’、ヒンジバー130’、駆動ジョー131’』の溶接チップTに脱去する過程を説明する。
【0064】
溶接チップTがチップ収容孔123’に挿入されると、並進アクチュエータ170が駆動される。
【0065】
溶接チップ脱去装置100’は、並進アクチュエータ170が駆動される時、ヒンジバー130’が回転盤120’の一側を基準として回転されて、駆動ジョー131’がチップ収容孔123’の中央に向かって回転される。この時、駆動ジョー131’は、固定ジョー123’とともに溶接チップTを固定することができ、結局、駆動ジョー131’が回転盤120’の中心に突出されない。
【0066】
駆動ジョー131’が溶接チップTに当接した状態で、ヒンジバー130’は、回転盤120’を円筒管型ケース110’で回転させる。この時、回転盤120’のガイドバー122’は傾斜ガイド溝111’で第1領域111a’および第2領域111b’の順に移動される。具体的に説明すると、第1領域111a’が管壁110a’の周りに平行に延長形成されているので、回転盤120’は、ガイドバー122’によって高さの変化なしに回転される。これによって、駆動ジョー131は固定ジョー124とともに溶接チップTを固定する。
【0067】
その後、第2領域111b’が管壁110a’の周りに上方へ傾斜するように延長形成されているので、回転盤120、120’は、ガイドバー122’を円筒管型ケース110’の周方向に回転させ、同時に、円筒管型ケース110’の軸方向を基準として上方へ移動される。結局、溶接チップTはシャンクSを基準として上方へ移動され、シャンクSから脱去される。
【0068】
溶接チップ脱去装置100は、チップ収容孔123にボールプランジャ128がさらに備えられてもよく、ボールプランジャ128は、溶接チップTをチップ収容孔123から押し出して、溶接チップTが自然に下方へ落下されるように誘導することができる。
【0069】
図4および図6を参照して、上部に配置された『円筒管型ケース110、管壁110a、傾斜ガイド溝111、第1領域111a、第2領域111b、回転盤120、側面溝121、ガイドバー122、チップ収容孔123、固定ジョー124、棒ガイド溝125、棒126、ヒンジバー130、駆動ジョー131、遮断片140、棒収容孔141、第1カバー150、第1遮断片収容部151、第2カバー160、および第2遮断片収容部161’の遮断片140、140が作動する過程は、前述と同一であるので省略し、下部に配置された『円筒管型ケース110’、管壁110a’、傾斜ガイド溝111’、第1領域111a’、第2領域111b’、回転盤120’、側面溝121’、ガイドバー122’、チップ収容孔123’、固定ジョー124’、棒ガイド溝125’、棒126、ヒンジバー130’、駆動ジョー131’、遮断片140’、棒収容孔141’、第1カバー150’、第1遮断片収容部151’、第2カバー160’、および第2遮断片収容部161’』の遮断片140’が作動する過程を説明する。
【0070】
図4および図6を参照すると、溶接チップTがチップ収容孔123’に挿入されると、並進アクチュエータ170が駆動される。
【0071】
回転盤120’が回転される時、棒ガイド溝125’の位置が移動され、棒126は棒ガイド溝125’に沿ってチップ収容孔123’に向かって移動される。
【0072】
棒126が遮断片140’と連結されているので、遮断片140’は、棒126の位置によってチップ収容孔123’に向かって引出され、溶接チップTとシャンクSとの間に挿入されて溶接チップTを軸方向に脱去する時、シャンクSが軸方向に移動できないようにする。
【0073】
第3実施形態による溶接チップ脱去装置100’’
【0074】
図6図8および図9を参照して、第3実施形態による溶接チップ脱去装置100’’(以下、『溶接チップ脱去装置100’’』とする。)について具体的に説明する。ただ、溶接チップ脱去装置100’’の『円筒管型ケース100、110’、管壁110a、110a’、傾斜ガイド溝111、111’、第1領域111a、111a’、第2領域111b、111b’、回転盤120、120’、側面溝121、121’、ガイドバー122、122’、チップ収容孔123、123’、固定ジョー124、124’、棒ガイド溝125、125’、棒126,126’、ヒンジバー130、130’、駆動ジョー131、131’、遮断片140、140’、棒収容孔141、141’、第1カバー150、150’、第1遮断片収容部151、151’、第2カバー160,160’、および第2遮断片収容部161、161’』は、前述の溶接チップ脱去装置100’の『円筒管型ケース100、110’、管壁110a、110a’、傾斜ガイド溝111、111’、第1領域111a、111a’、第2領域111b、111b’、回転盤120、120’、側面溝121,121’、ガイドバー122、122’、チップ収容孔123、123’、固定ジョー124、124’、棒ガイド溝125、125’、棒126、126’、ヒンジバー130、130’、駆動ジョー131,131’、遮断片140、140’、棒収容孔141、141’、第1カバー150、150’、第1次断片収容部151、151’、第2カバー160、160’および第2遮断片収容部161、161』と同じ配置および結合構造を有するので、具体的な説明を省略する。
【0075】
図8は、溶接チップ脱去装置100’’の斜視図であり、図9は、溶接チップ脱去装置100’’の分解図である。
【0076】
図8および図9を参照すると、溶接チップ脱去装置100’’は、一つの並進アクチュエータ170でヒンジバー130、130’、回転盤120、120’、遮断片140、140’を移動させ、前側に位置したチップ収容孔123に挿入される溶接チップTと後側に位置したチップ収容孔123’に挿入される溶接チップTを脱去することができる。
【0077】
図9を参照すると、円筒管型ケース110、110’は、前側と後側に並んで配置される。前側に位置した円筒管型ケース110の傾斜ガイド溝111は、下方へ傾斜するように配置され、後側に位置した円筒管型ケース110’の傾斜ガイド溝111’は、上方へ傾斜するように配置される。具体的には、前側に位置した円筒管型ケース110の傾斜ガイド溝111は、管壁110aの周方向に延長形成される第1領域111a、および円筒管型ケース110の軸方向を基準として下方へ延長形成される第2領域111bを含むことができる。そして、後側に位置した円筒管型ケース110’の傾斜ガイド溝111’は、管壁110a’の周方向に延長形成される第1領域111a’、および円筒管型ケース110’の軸方向を基準として上方へ延長形成される第2領域111b’を含むことができる。
【0078】
参考に、2つの回転盤120、120’のそれぞれは、それぞれの駆動ジョー131、131’が溶接チップTに当接した状態でそれぞれのヒンジバー130、130’によって軸を基準として方向に回転され、前側に配置された回転盤120は下方へ移動され、後側に配置された回転盤120’は上方へ移動される。
【0079】
これによって、前側に配置されたチップ収容孔123には、下降する溶接チップTが挿入されることが好ましく、後側に配置されたチップ収容孔123’には、昇降する溶接チップTが挿入されることが好ましい。
【0080】
図8および図9を参照すると、溶接チップ脱去装置100’’は、昇降する溶接チップTが同時に収容された後に脱去することができる。ただ、チップ収容孔123、123’のいずれか一つに昇降する溶接チップTが順次収容される時、溶接チップ脱去装置100’’を利用して昇降する溶接チップTを脱去する順序は限定されない。
【0081】
図4図6および図9を参照すると、前側に配置された『円筒管型ケース110、傾斜ガイド溝111、第1領域111a、第2領域111b、回転盤120、側面溝121、ガイドバー122、チップ収容孔123、固定ジョー124、ヒンジバー130、駆動ジョー131』の溶接チップTを脱去する過程は、第1実施形態または第2実施形態による溶接チップ脱去装置100、100’の上部に配置された『円筒管型ケース110、傾斜ガイド溝111、第1領域111a、第2領域111b、回転盤120、側面溝121、ガイドバー122、チップ収容孔123、固定ジョー124、ヒンジバー130、駆動ジョー131』の溶接チップTを脱去する過程と同じである。
【0082】
そして、後側に配置された『円筒管型ケース110’、傾斜ガイド溝111’、第1領域111a’、第2領域111b’、回転盤120’、側面溝121’、ガイドバー122’、チップ収容孔123’、固定ジョー124’、ヒンジバー130’、駆動ジョー131’』の溶接チップTを脱去する過程は、第2実施形態による溶接チップ脱去装置100’の下部に配置された『円筒管型ケース110’、傾斜ガイド溝111’、第1領域111a’、第2領域111b’、回転盤120’、側面溝121’、ガイドバー122’、チップ収容孔123’、固定ジョー124’、ヒンジバー130’、駆動ジョー131’』の溶接チップTを脱去する過程と同じである。
【0083】
図4図6および図9を参照すると、前側に配置された『円筒管型ケース110、傾斜ガイド溝111、第1領域111a、第2領域111b、回転盤120、側面溝121、ガイドバー122、チップ収容孔123、固定ジョー124、ヒンジバー130、駆動ジョー131』の遮断片140が作動する過程は、第1実施形態または第2実施形態による溶接チップ脱去装置100、100’の上部に配置された『円筒管型ケース110、傾斜ガイド溝111、第1領域111a、第2領域111b、回転盤120、側面溝121、ガイドバー122、チップ収容孔123、固定ジョー124、ヒンジバー130、駆動ジョー131』の遮断片140が作動する過程と同じである。
【0084】
後側に配置された『円筒管型ケース110’、傾斜ガイド溝111’、第1領域111a’、第2領域111b’、回転盤120’、側面溝121’、ガイドバー122’、チップ収容孔123’、固定ジョー124’、ヒンジバー130’、駆動ジョー131’』の遮断片140’が作動する過程は、第2実施形態による溶接チップ脱去装置100’’の下部に配置された『円筒管型ケース110’、傾斜ガイド溝111’、第1領域111a’、第2領域111b’、回転盤120’、側面溝121’、ガイドバー122’、チップ収容孔123’、固定ジョー124’、ヒンジバー130’、駆動ジョー131’』の遮断片140’が作動する過程と同じである。
【0085】
溶接チップ脱去装置100’’は、2つのスポット溶接機の一つが前側に配置された円筒管型ケース110と、これと結合された構成要素によって溶接チップTに脱去させることができ、2つのスポット溶接機の他の一つが後側に配置された円筒管型ケース110’と、これと結合された構成要素によって脱去させることができる。
【符号の説明】
【0086】
100、100’、100’’:溶接チップ脱去装置
110、110’:円筒管型ケース
110a、110a’:管壁
111、111’:傾斜ガイド溝
111a、111a’:第1領域
111b、111b’:第2領域
120、120’:回転盤
122、122’:ガイドバー
123、123’:チップ収容孔
125、125’:棒ガイド溝
126、126’:棒
130、130’:ヒンジバー
131、131’:駆動ジョー
140、140’:遮断片
141、141’:棒収容孔
170:並進アクチュエータ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9