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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068636
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】移送台車の線路測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240513BHJP
   B65G 1/00 20060101ALN20240513BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G1/00 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174431
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】10-2022-0148290
(32)【優先日】2022-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョ、チェ イク
(72)【発明者】
【氏名】チョ、チュンイル
(72)【発明者】
【氏名】リ、チュル ヒョン
【テーマコード(参考)】
3F022
5F131
【Fターム(参考)】
3F022AA08
3F022BB09
3F022EE05
3F022JJ11
3F022LL12
3F022MM03
3F022MM13
3F022PP06
3F022QQ17
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA10
5F131CA46
5F131CA53
5F131DA05
5F131DA22
5F131DC06
5F131DD02
5F131DD33
5F131DD43
5F131DD44
5F131DD94
5F131GA14
5F131GA24
5F131GB02
5F131GB13
5F131JA10
5F131KA12
5F131KA14
5F131KA40
5F131KA72
5F131KB12
5F131KB45
(57)【要約】      (修正有)
【課題】移送台車の線路が規定に従って設置されるように線路の設置状態を確認する移送台車の線路測定装置及び方法を提供する
【解決手段】線路測定装置100は、移送台車の線路1と対応するように形成されるボディー10と、ボディー10に形成され、線路1と接触する探知部20と、線路1と接触した探知部20の変位を測定する変位測定部30と、を含む。探知部20は、線路1と接触する接触面が形成される可動台21と、先端部が可動台21に形成され、中間部がボディー10に形成されたガイド孔に沿って第1方向に前後進可能に設置され、後端部が変位測定部30と連結されるガイド棒22と、可動台21とボディー10との間に設置され、可動台21が線路1と接触する方向に弾性復帰力が作用する弾性スプリング23と、を含む
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送台車の線路と対応するように形成されるボディーと、
前記ボディーに形成され、前記線路と接触する探知部と、
前記線路と接触した前記探知部の変位を測定する変位測定部とを含む、移送台車の線路測定装置。
【請求項2】
前記探知部は、
前記線路と接触する接触面が形成される可動台と、
先端部が前記可動台に形成され、中間部が前記ボディーに形成されたガイド孔に沿って第1方向に前後進可能に設置され、後端部が前記変位測定部と連結されるガイド棒と、
前記可動台と前記ボディーとの間に設置され、前記可動台が前記線路と接触する方向に弾性復帰力が作用する弾性スプリングとを含む、請求項1に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項3】
前記探知部は、
前記ガイド棒と前記変位測定部との間に設置され、前記ガイド棒の前記第1方向の移動を、前記第1方向と異なる第2方向の移動に転換させる方向転換装置をさらに含む、請求項2に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項4】
前記方向転換装置は、
前記ガイド棒と共に移動可能なようにガイド棒の後端に設置され、一側に傾斜面が形成される傾斜ブロックと、
前記傾斜ブロックの前記傾斜面と転がり接触するローラーと、
前記ローラーを回転可能に支持し、前記変位測定部と連結される変位測定ロッドとを含む、請求項3に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項5】
前記移送台車は、OHT(overhead hoist transport)の台車であり、
前記線路は、
前記移送台車の上部車輪と対応する少なくとも1つの上部レールと、
前記移送台車の左側車輪と対応する少なくとも1つの左側レールと、
前記移送台車の右側車輪と対応する少なくとも1つの右側レールとを含む、請求項1に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項6】
前記ボディーは、
前記左側レールと前記右側レールに跨って前記左側レール及び前記右側レールの設置状態を測定できるように全体的に水平状に形成される水平部材と、
前記水平部材から上方に突出して形成され、前記上部レールの設置状態を測定できるように全体的に垂直状に形成される垂直部材とを含む、請求項5に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項7】
前記探知部は、
前記垂直部材に設置され、前記上部レールの側面の設置状態を測定できるように、前記上部レールの前記側面と接触する第1探知部と、
前記水平部材に設置され、前記左側レールと前記右側レールとの間の設置間隔を測定できるように、前記左側レールの側面又は前記右側レールの側面と接触する第2探知部とを含む、請求項6に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項8】
前記水平部材の一端部には、前記右側レール又は前記左側レールの上面に密着して高さ測定の基準となる第1基準密着面が形成され、前記右側レール又は前記左側レールの側面に密着して間隔測定の基準となる第2基準密着面が形成され、
前記水平部材の他端部には、前記左側レール又は前記右側レールの上面に載置される載置面が形成され、前記載置面の下方に前記第2探知部が設置される、請求項7に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項9】
前記水平部材に設置され、前記左側レール又は前記右側レールの設置高さによる前記水平部材の水平に対する傾きを測定できる水平角度計をさらに含む、請求項8に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項10】
前記探知部は、
前記垂直部材に設置され、前記上部レールの下面の設置状態を測定できるように、前記上部レールの前記下面と接触する第3探知部をさらに含む、請求項7に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項11】
前記探知部は、
移動測定が可能なように前記線路と転がり接触する転がり車輪と、
前記転がり車輪を回転自在に支持する可動台と、
先端部が前記可動台に形成され、中間部が前記ボディーに形成されたガイド孔に沿って第1方向に前後進可能に設置されるガイド棒と、
前記可動台と前記ボディーとの間に設置され、前記転がり車輪が前記線路と接触する方向に弾性復帰力が作用する弾性スプリングとを含む、請求項1に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項12】
前記探知部は、
前記可動台と前記変位測定部との間に設置され、前記可動台の前記第1方向の移動を、前記第1方向と異なる第2方向の移動に転換させる方向転換装置をさらに含み、
前記方向転換装置は、
前記可動台と共に移動可能なように前記可動台に設置され、一側に傾斜面が形成される傾斜ブロックと、
前記傾斜ブロックの前記傾斜面と転がり接触するローラーと、
前記ローラーを回転可能に支持し、前記変位測定部と連結される変位測定ロッドとを含む、請求項11に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項13】
前記ボディーの水平部材の一端部には、右側レール又は左側レールの上面に密着して高さ測定の基準となる第1基準車輪が形成され、前記右側レール又は前記左側レールの側面に密着して間隔測定の基準となる第2基準車輪が形成され、
前記水平部材の他端部には、左側レール又は右側レールの上面に載置される載置車輪が形成される、請求項11に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項14】
前記変位測定部で測定された変位値と基準範囲を比較し、前記変位値が基準範囲を外れる場合、これを表示部に表示する制御部を含む、請求項1に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項15】
前記表示部は、
作業者が目視で確認し易いように、前記変位値が基準範囲に達していない場合に活性化される未達状態通知部と、
前記変位値が基準範囲に含まれる場合に活性化される正常状態通知部と、
前記変位値が基準範囲を超える場合に活性化される超過状態通知部とを含む、請求項14に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項16】
前記探知部が接触した前記線路の位置を感知できる位置感知センサをさらに含み、
前記制御部は、
前記位置感知センサで感知された位置情報と、前記変位測定部で測定された変位情報とをマッチングする、請求項14に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項17】
前記位置感知センサは、少なくとも、カメラ、前記線路に表示されたバーコードや、QRコード(登録商標)や、RFIDや磁石や半導体チップなどの識別子を識別する識別装置、GPS感知装置、前記線路と接触して転がり回転可能に前記ボディーに設置され、直径及び回転数で基準点からの移動距離を感知する距離測定車輪、レーザー反射光を用いて距離を測定するレーザー距離測定器、及び音波や超音波を用いて距離を測定する超音波距離測定器のいずれか1つまたはこれらの組み合わせのいずれか1つを含む、請求項16に記載の移送台車の線路測定装置。
【請求項18】
(a)移送台車の線路と対応するように形成されるボディーと、前記ボディーに形成され、前記線路と接触する探知部と、前記線路と接触した前記探知部の変位を測定する変位測定部とを含む移送台車の線路測定装置を準備するステップと、
(b)前記ボディーの少なくとも一部分又は前記探知部が前記線路と接触するように前記線路測定装置を前記線路に載せるステップと、
(c)前記変位測定部を用いて、前記探知部の第1地点での第1変位情報を測定するステップと、
(d)前記ボディー及び前記探知部が前記線路と接触した状態で、前記線路に沿って前記ボディーを移動させ、前記探知部の第2地点での第2変位情報を測定するステップとを含む、移送台車の線路測定方法。
【請求項19】
前記(d)ステップは、
前記ボディーに設置された少なくとも1つの車輪を用いて前記ボディーを移動させる、請求項18に記載の移送台車の線路測定方法。
【請求項20】
移送台車の線路と対応するように形成されるボディーと、
前記ボディーに形成され、前記線路と接触する探知部と、
前記線路と接触した前記探知部の変位を測定する変位測定部とを含み、
前記探知部は、
前記線路と接触する接触面が形成される可動台と、
先端部が前記可動台に形成され、中間部が前記ボディーに形成されたガイド孔に沿って第1方向に前後進可能に設置され、後端部が前記変位測定部と連結されるガイド棒と、
前記可動台と前記ボディーとの間に設置され、前記可動台が前記線路と接触する方向に弾性復帰力が作用する弾性スプリングと、
前記ガイド棒と前記変位測定部との間に設置され、前記ガイド棒の前記第1方向の移動を、前記第1方向と異なる第2方向の移動に転換させる方向転換装置とを含み、
前記方向転換装置は、
前記ガイド棒と共に移動可能なようにガイド棒の後端に設置され、一側に傾斜面が形成される傾斜ブロックと、
前記傾斜ブロックの前記傾斜面と転がり接触するローラーと、
前記ローラーを回転可能に支持し、前記変位測定部と連結される変位測定ロッドとを含み、
前記移送台車は、OHT(overhead hoist transport)の移送台車であり、
前記線路は、
前記移送台車の上部車輪と対応する少なくとも1つの上部レールと、
前記移送台車の左側車輪と対応する少なくとも1つの左側レールと、
前記移送台車の右側車輪と対応する少なくとも1つの右側レールとを含み、
前記ボディーは、
前記左側レールと前記右側レールに跨って前記左側レール及び前記右側レールの設置状態を測定できるように全体的に水平状に形成される水平部材と、
前記水平部材から上方に突出して形成され、前記上部レールの設置状態を測定できるように全体的に垂直状に形成される垂直部材とを含み、
前記探知部は、
前記垂直部材に設置され、前記上部レールの側面の設置状態を測定できるように、前記上部レールの前記側面と接触する第1探知部と、
前記水平部材に設置され、前記左側レールと前記右側レールとの間の設置間隔を測定できるように、前記左側レールの側面又は前記右側レールの側面と接触する第2探知部とを含み、
前記水平部材の一端部には、前記右側レール又は前記左側レールの上面に密着して高さ測定の基準となる第1基準密着面が形成され、前記右側レール又は前記左側レールの側面に密着して間隔測定の基準となる第2基準密着面が形成され、
前記水平部材の他端部には、前記左側レール又は前記右側レールの上面に載置される載置面が形成され、前記載置面の下方に前記第2探知部が設置される、移送台車の線路測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移送台車の線路測定装置及び方法に関し、より詳細には、移送台車の線路が規定に従って設置され得るように線路の設置状態を確認できるようにする移送台車の線路測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造効率の向上のために、半導体製造設備によって行われる各種工程(例:露光、蒸着、エッチング、イオン注入、洗浄など)を改善するための技術だけでなく、物品(例:ウエハ(wafer)を収納するコンテナ(container)や前方開放型統合ポッド(Front Opening Unified Pod、FOUP)、レチクルを保管するレチクルポッド(POD)など)を半導体製造設備間にさらに効果的に移送するための設備が導入されて使用されている。一例として、半導体製造工場の天井側に提供された移送経路に沿って移動しながら物品を移送するように構成されたオーバーヘッドホイストトランスポート(overhead hoist transport、OHT)を含む物品移送装置が多く使用されている。
【0003】
オーバーヘッドホイストトランスポート(以下、OHTとも称する)を含む物品移送装置は、移送経路を提供する走行レール(travel rail)、走行レールに沿って走行する移送台車(vehicle)、及び移送台車の下部に提供されたホイスト装置を含むことができる。ホイスト装置は、移送する物品を支持することができ、ホイストは、物品を回転させたり、水平方向に移動させたり、垂直方向に昇下降させたりして物品保管台上に載置させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来は、移送台車の線路を最初に設置するか、または使用中に補修する際に、作業者が標準棒や基準となるジグに各種ギャップゲージ(Gap Gauge)またはスケーラーや物差しなどを別途に持ち歩きながら、天井に設置された線路を非常に不便な姿勢で手作業に依存して測定しなければならないという問題があった。
【0005】
このような従来の手作業に依存する線路測定方法は、作業者が直接手で目盛りを読んで測定するものであって、作業者間の誤差が多く発生し、面倒な作業手順や作業者の不便な姿勢により時間が多くかかるなど、多くの問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を含めて種々の問題点を解決するためのものであって、レールに載せた状態で簡便に線路を移動させながら、デジタル数値や識別が容易な表示部などを用いて、線路の設置状態を非常に直観的で便利に、しかも正確かつ迅速に測定できるようにする移送台車の線路測定装置及び方法を提供することを目的とする。しかし、このような課題は例示的なものであって、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の思想による移送台車の線路測定装置は、移送台車の線路と対応するように形成されるボディーと;前記ボディーに形成され、前記線路と接触する探知部と;前記線路と接触した前記探知部の変位を測定する変位測定部と;を含むことができる。
【0008】
また、本発明によれば、前記探知部は、前記線路と接触する接触面が形成される可動台と;先端部が前記可動台に形成され、中間部が前記ボディーに形成されたガイド孔に沿って第1方向に前後進可能に設置され、後端部が前記変位測定部と連結されるガイド棒と;前記可動台と前記ボディーとの間に設置され、前記可動台が前記線路と接触する方向に弾性復帰力が作用する弾性スプリングと;を含むことができる。
【0009】
また、本発明によれば、前記探知部は、前記ガイド棒と前記変位測定部との間に設置され、前記ガイド棒の前記第1方向の移動を、前記第1方向と異なる第2方向の移動に転換させる方向転換装置をさらに含むことができる。
【0010】
また、本発明によれば、前記方向転換装置は、前記ガイド棒と共に移動可能なようにガイド棒の後端に設置され、一側に傾斜面が形成される傾斜ブロックと;前記傾斜ブロックの前記傾斜面と転がり接触するローラーと;前記ローラーを回転可能に支持し、前記変位測定部と連結される変位測定ロッドと;を含むことができる。
【0011】
また、本発明によれば、前記移送台車は、OHT(overhead hoist transport)の台車であり、前記線路は、前記移送台車の上部車輪と対応する少なくとも1つの上部レールと;前記移送台車の左側車輪と対応する少なくとも1つの左側レールと;前記移送台車の右側車輪と対応する少なくとも1つの右側レールと;を含むことができる。
【0012】
また、本発明によれば、前記ボディーは、前記左側レールと前記右側レールに跨って前記左側レール及び前記右側レールの設置状態を測定できるように全体的に水平状に形成される水平部材と;前記水平部材から上方に突出して形成され、前記上部レールの設置状態を測定できるように全体的に垂直状に形成される垂直部材と;を含むことができる。
【0013】
また、本発明によれば、前記探知部は、前記垂直部材に設置され、前記上部レールの側面の設置状態を測定できるように、前記上部レールの前記側面と接触する第1探知部と;前記水平部材に設置され、前記左側レールと前記右側レールとの間の設置間隔を測定できるように、前記左側レールの側面又は前記右側レールの側面と接触する第2探知部と;を含むことができる。
【0014】
また、本発明によれば、前記水平部材の一端部には、前記右側レール又は前記左側レールの上面に密着して高さ測定の基準となる第1基準密着面が形成され、前記右側レール又は前記左側レールの側面に密着して間隔測定の基準となる第2基準密着面が形成され、前記水平部材の他端部には、前記左側レール又は前記右側レールの上面に載置される載置面が形成され、前記載置面の下方に前記第2探知部が設置され得る。
【0015】
また、本発明によれば、前記水平部材に設置され、前記左側レール又は前記右側レールの設置高さによる前記水平部材の水平に対する傾きを測定できる水平角度計をさらに含むことができる。
【0016】
また、本発明によれば、前記探知部は、前記垂直部材に設置され、前記上部レールの下面の設置状態を測定できるように、前記上部レールの前記下面と接触する第3探知部をさらに含むことができる。
【0017】
また、本発明によれば、前記探知部は、移動測定が可能なように前記線路と転がり接触する転がり車輪と;前記転がり車輪を回転自在に支持する可動台と;先端部が前記可動台に形成され、中間部が前記ボディーに形成されたガイド孔に沿って第1方向に前後進可能に設置されるガイド棒と;前記可動台と前記ボディーとの間に設置され、前記転がり車輪が前記線路と接触する方向に弾性復帰力が作用する弾性スプリングと;を含むことができる。
【0018】
また、本発明によれば、前記探知部は、前記可動台と前記変位測定部との間に設置され、前記可動台の前記第1方向の移動を、前記第1方向と異なる第2方向の移動に転換させる方向転換装置をさらに含み、前記方向転換装置は、前記可動台と共に移動可能なように前記可動台に設置され、一側に傾斜面が形成される傾斜ブロックと;前記傾斜ブロックの前記傾斜面と転がり接触するローラーと;前記ローラーを回転可能に支持し、前記変位測定部と連結される変位測定ロッドと;を含むことができる。
【0019】
また、本発明によれば、前記ボディーの水平部材の一端部には、右側レール又は左側レールの上面に密着して高さ測定の基準となる第1基準車輪が形成され、前記右側レール又は前記左側レールの側面に密着して間隔測定の基準となる第2基準車輪が形成され、前記水平部材の他端部には、左側レール又は右側レールの上面に載置される載置車輪が形成され得る。
【0020】
また、本発明によれば、前記変位測定部で測定された変位値と基準範囲を比較し、前記変位値が基準範囲を外れる場合、これを表示部に表示する制御部を含むことができる。
【0021】
また、本発明によれば、前記表示部は、作業者が目視で確認し易いように、前記変位値が基準範囲に達していない場合に活性化される未達状態通知部と;前記変位値が基準範囲に含まれる場合に活性化される正常状態通知部と;前記変位値が基準範囲を超える場合に活性化される超過状態通知部と;を含むことができる。
【0022】
また、本発明によれば、前記探知部が接触した前記線路の位置を感知できる位置感知センサをさらに含み、前記制御部は、前記位置感知センサで感知された位置情報と、前記変位測定部で測定された変位情報とをマッチングすることができる。
【0023】
また、本発明によれば、前記位置感知センサは、少なくとも、カメラ、前記線路に表示されたバーコードや、QRコード(登録商標)や、RFIDや磁石や半導体チップなどの識別子を識別する識別装置、GPS感知装置、前記線路と接触して転がり回転可能に前記ボディーに設置され、直径及び回転数で基準点からの移動距離を感知する距離測定車輪、レーザー反射光を用いて距離を測定するレーザー距離測定器、及び音波や超音波を用いて距離を測定する超音波距離測定器のいずれか1つまたはこれらの組み合わせのいずれか1つを含むことができる。
【0024】
一方、上記課題を解決するための本発明の思想による移送台車の線路測定方法は、(a)移送台車の線路と対応するように形成されるボディーと、前記ボディーに形成され、前記線路と接触する探知部と、前記線路と接触した前記探知部の変位を測定する変位測定部とを含む移送台車の線路測定装置を準備するステップと;(b)前記ボディーの少なくとも一部分又は前記探知部が前記線路と接触するように前記線路測定装置を前記線路に載せるステップと;(c)前記変位測定部を用いて、前記探知部の第1地点での第1変位情報を測定するステップと;(d)前記ボディー及び前記探知部が前記線路と接触した状態で、前記線路に沿って前記ボディーを移動させ、前記探知部の第2地点での第2変位情報を測定するステップと;を含むことができる。
【0025】
また、本発明によれば、前記(d)ステップは、前記ボディーに設置された少なくとも1つの車輪を用いて前記ボディーを移動させることができる。
【0026】
一方、上記課題を解決するための本発明の思想による移送台車の線路測定装置は、移送台車の線路と対応するように形成されるボディーと;前記ボディーに形成され、前記線路と接触する探知部と;前記線路と接触した前記探知部の変位を測定する変位測定部と;を含み、前記探知部は、前記線路と接触する接触面が形成される可動台と;先端部が前記可動台に形成され、中間部が前記ボディーに形成されたガイド孔に沿って第1方向に前後進可能に設置され、後端部が前記変位測定部と連結されるガイド棒と;前記可動台と前記ボディーとの間に設置され、前記可動台が前記線路と接触する方向に弾性復帰力が作用する弾性スプリングと;前記ガイド棒と前記変位測定部との間に設置され、前記ガイド棒の前記第1方向の移動を、前記第1方向と異なる第2方向の移動に転換させる方向転換装置と;を含み、前記方向転換装置は、前記ガイド棒と共に移動可能なようにガイド棒の後端に設置され、一側に傾斜面が形成される傾斜ブロックと;前記傾斜ブロックの前記傾斜面と転がり接触するローラーと;前記ローラーを回転可能に支持し、前記変位測定部と連結される変位測定ロッドと;を含み、前記移送台車は、OHT(overhead hoist transport)の移送台車であり、前記線路は、前記移送台車の上部車輪と対応する少なくとも1つの上部レールと;前記移送台車の左側車輪と対応する少なくとも1つの左側レールと;前記移送台車の右側車輪と対応する少なくとも1つの右側レールと;を含み、前記ボディーは、前記左側レールと前記右側レールに跨って前記左側レール及び前記右側レールの設置状態を測定できるように全体的に水平状に形成される水平部材と;前記水平部材から上方に突出して形成され、前記上部レールの設置状態を測定できるように全体的に垂直状に形成される垂直部材と;を含み、前記探知部は、前記垂直部材に設置され、前記上部レールの側面の設置状態を測定できるように、前記上部レールの前記側面と接触する第1探知部と;前記水平部材に設置され、前記左側レールと前記右側レールとの間の設置間隔を測定できるように、前記左側レールの側面又は前記右側レールの側面と接触する第2探知部と;を含み、前記水平部材の一端部には、前記右側レール又は前記左側レールの上面に密着して高さ測定の基準となる第1基準密着面が形成され、前記右側レール又は前記左側レールの側面に密着して間隔測定の基準となる第2基準密着面が形成され、前記水平部材の他端部には、前記左側レール又は前記右側レールの上面に載置される載置面が形成され、前記載置面の下方に前記第2探知部が設置され得る。
【発明の効果】
【0027】
前記のようになされた本発明の種々の実施例によれば、レールに載せた状態で簡便に線路を移動させながら、デジタル数値や識別が容易な表示部などを用いて、線路の設置状態やスペックに合うか否かを非常に直観的で便利に、しかも正確かつ迅速に測定することができ、測定時間を短縮させて業務の生産性を大幅に向上させることができ、非常に精密な数値で設置状態を測定することができ、作業者間の測定誤差を最小化して作業の信頼度及び利便性を大幅に向上させることができ、方向転換装置などを用いて様々な部分を測定することができ、車輪などを用いて移動時の摩擦を減少させ、移動性及び利便性を向上させることができる効果を有する。もちろん、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一部の実施例に係る移送台車の線路測定装置を示す正面図である。
図2図1の移送台車の線路測定装置を示す斜視図である。
図3図1の移送台車の線路測定装置の使用状態を示す斜視図である。
図4図1の移送台車の線路測定装置の探知部を拡大して示す拡大図である。
図5】本発明の一部の他の実施例に係る移送台車の線路測定装置の探知部を示す正面図である。
図6】本発明の一部の更に他の実施例に係る移送台車の線路測定装置を示す正面図である。
図7】本発明の一部の更に他の実施例に係る移送台車の線路測定装置を示す正面図である。
図8図1の移送台車の線路測定装置の線路測定状態を示す斜視図である。
図9】本発明の一部の実施例に係る移送台車の線路測定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい様々な実施例を詳細に説明する。
【0030】
本発明の実施例は、当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。むしろ、これらの実施例は、本開示をさらに充実かつ完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。また、図面において各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張されたものである。
【0031】
本明細書で使用された用語は、特定の実施例を説明するために使用され、本発明を制限するためのものではない。本明細書で使用されたように、単数の形態は、文脈上別の場合を明確に指し示すものでなければ、複数の形態を含むことができる。また、本明細書で使用される「含む(comprise)」及び/又は「含む(comprising)」は、言及した形状、数字、段階、動作、部材、要素及び/又はこれらのグループの存在を特定するものであり、一つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素及び/又はグループの存在又は付加を排除するものではない。
【0032】
以下、本発明の実施例は、本発明の理想的な実施例を概略的に示す図面を参照して説明する。図面において、例えば、製造技術及び/又は公差(tolerance)によって、図示された形状の変形が予想され得る。したがって、本発明の思想の実施例は、本明細書に図示された領域の特定の形状に制限されるものと解釈されてはならず、例えば、製造上招かれる形状の変化を含まなければならない。
【0033】
本発明は、半導体又は平板ディスプレイ(flat panel display、FPD)を製造するための工場において、物品を任意の位置から目的とする位置に移送するのに主に使用され得る。例えば、本発明は、物品を半導体(又は平板ディスプレイ)製造設備間に移送することができる。このとき、物品は基板(ウエハなど)を含むことができる。一例として、物品は、基板が収納されるコンテナであってもよい。さらに、コンテナは、収納された基板を外部から保護できる密閉型コンテナであってもよい。そして、密閉型コンテナは前面開放統合ポッド(front opening unified pod、FOUP)であってもよい。その他にも、コンテナは、レチクルを保管するレチクルポッド(POD)を含むことができる。
【0034】
本発明は、様々な技術分野で物品を移送するのに使用できるものであるが、本発明の実施例は、半導体製造工場において、物品として内部空間にウエハが収納される前面開放統合ポッド(以下、FOUPとも称する)を半導体製造設備間に移送する場合を中心として説明する。
【0035】
半導体製造工場は、少なくとも1つ以上のクリーンルーム(clean room)で構成され得、半導体製造工程を行う半導体製造設備はクリーンルームに設置され得る。半導体は、ウエハに半導体製造工程を繰り返して行うことによって完成し得る。特定の半導体製造設備で工程の遂行が完了したウエハは、次の工程のための半導体製造設備に移送され得る。このとき、ウエハは、FOUPに収納された状態でOHTを含む物品移送設備によって移送され得る。
【0036】
図1は、本発明の一部の実施例に係る移送台車の線路測定装置100を示す正面図であり、図2は、図1の移送台車の線路測定装置100を示す斜視図であり、図3は、図1の移送台車の線路測定装置100の使用状態を示す斜視図であり、図4は、図1の移送台車の線路測定装置100の探知部20を拡大して示す拡大図である。
【0037】
図1乃至図4に示されたように、本発明の一部の実施例に係る移送台車の線路測定装置100は、大きく、ボディー10と、探知部20と、変位測定部30とを含むことができる。
【0038】
本発明の線路測定装置100は、移送台車の線路1の設置状態を測定することができる。ここで、移送台車(図示せず)は、ウエハやディスプレイ基板などの基板を処理できる半導体工場の天井に設置されるOHT(overhead hoist transport)の移送台車であり得る。
【0039】
このようなOHTは、半導体製造効率の向上のために、半導体製造設備によって行われる各種工程(例:露光、蒸着、エッチング、イオン注入、洗浄など)を通じて生産される物品(例:ウエハ(wafer)を収納するコンテナ(container)や前方開放型統合ポッド(Front Opening Unified Pod、FOUP)、レチクルを保管するレチクルポッド(POD)など)を半導体製造設備間にさらに効果的に移送するための設備であって、移送経路を提供する走行線路(travel line、travel rail)、線路に沿って走行する移送台車(vehicle)、及び移送台車の下部に提供されたホイスト装置を含むことができる。ホイスト装置は、移送する物品を支持することができ、ホイストは、物品を回転させたり、水平方向に移動させたり、垂直方向に昇下降させたりして物品保管台上に載置させることができる。
【0040】
線路1は、移送台車の操向や電源供給のために設置される上部車輪と対応する少なくとも1つの上部レール2と、移送台車の走行のための左側車輪と対応する少なくとも1つの左側レール3と、移送台車の走行のための右側車輪と対応する少なくとも1つの右側レール4とを含むことができる。
【0041】
このような線路1には、物品に対する臨時保管空間を提供する単数又は複数の物品保管台であるバッファ(図示せず)などが設置され得る。線路1は、半導体製造工場の天井側に配置されるものであって、移送台車は、物品を半導体製造設備のうち特定の設備から他の設備に直ぐに移送することもでき、またはバッファに一時的に臨時保管した後に他の設備に移送することもできる。
【0042】
バッファは、線路1の側方に設置されたサイドトラックバッファ(side track buffer、STB)であるか、または線路1の下方に設置されたアンダートラックバッファ(under track buffer、UTB)であってもよい。
【0043】
本発明の一部の実施例に係る線路測定装置100は、OHTの移送台車が走行できる線路1の設置状態を測定できるものであって、このような線路1には、レールだけでなく、移送台車に電源を供給する給電ユニットや信号伝達ユニットの設置状態を測定することも可能である。
【0044】
また、このような線路1は、直線状である直線区間のレールはもちろんのこと、これと連結された曲線状の曲線区間も測定することができる。
【0045】
しかし、このような本発明の移送台車の線路測定装置100は、必ずしもOHTにのみ限定されるものではなく、これ以外にも、非常に様々な形態のあらゆる線路に適用することができる。
【0046】
例えば、ボディー10は、移送台車の線路1の少なくとも一部分に跨るように形成される一種のジグ状の構造体であって、移送台車の線路1と対応するように形成され得る。
【0047】
より具体的に例を挙げると、ボディー10は、左側レール3と右側レール4に跨って左側レール3及び右側レール4の設置状態を測定できるように全体的に水平状に形成される水平部材11と、水平部材11から上方に突出して形成され、上部レール2の設置状態を測定できるように全体的に垂直状に形成される垂直部材12とを含むことができる。
【0048】
図1乃至図4に示されたように、ボディー10は、全体的に水平部材11の上方に垂直部材12が突出した形状である逆T字状に形成され得る。
【0049】
ここで、ボディー10は、水平部材11と垂直部材12をボルトやナットなどの固定具で組み立てて形成するか、または一体型鋳物構造物で形成するフレーム構造物であってもよい。
【0050】
このようなボディー10の材質は、熱伝導率が非常に低いか、または熱的変形がほとんどないインバー(invar)などの材質で作製されてもよく、作業者が携帯し易いように比較的軽いアルミニウム材質などで作製されてもよい。
【0051】
しかし、本発明の移送台車の線路測定装置100のボディー10は、線路1の形状や、移送台車の形状や、測定しようとする部分や、測定環境などによって、便宜により非常に様々な形状及び材質からなることができる。
【0052】
一方、図1乃至図4に示されたように、探知部20は、ボディー10に形成されるものであって、測定の対象物となる線路1と接触する一種の探知構造物であり得る。
【0053】
例えば、図4に示されたように、探知部20は、線路1と接触する接触面が形成される可動台21と、先端部が可動台21に形成され、中間部がボディー10に形成されたガイド孔22aに沿って第1方向(線路1の方向)に前後進可能に設置され、後端部が変位測定部30と連結されるガイド棒22と、可動台21とボディー10との間に設置され、可動台21が線路1と接触する方向に弾性復帰力が作用する弾性スプリング23とを含むことができる。
【0054】
ここで、ガイド棒22は、ガイド孔22aによって線路1に向かう方向に摺動案内され得、これは、測定しようとする方向と一致するように形成され得る。
【0055】
例えば、線路1の側面のスペックを測定しようとするときは、前後方向又は左右方向にガイド棒22が摺動案内され得、仮に、線路1の上面や下面のスペックを測定しようとするときは、上下方向にガイド棒22が摺動案内され得る。
【0056】
しかし、このようなガイド棒22の摺動案内方向は、傾斜して形成されることも可能であり、線路1の測定しようとする形状に応じて非常に多様に形成可能である。
【0057】
したがって、図1及び図3に示されたように、本発明のボディー10を線路1に載せると、弾性スプリング23によって、可動台21がボディー10を基準として線路1の方向に加圧され、線路1と常に接触することができる。
【0058】
このとき、線路1と常に接触する可動台21の位置は、線路1の設置状態をそのまま反映できるもので、作業者がボディー10と線路1との間の距離を別途の測定装備で測定する必要がなく、線路1の設置状態を可動台21が常に反映して、ボディー10が線路1に沿って移動する際に、線路1の設置状態によって、例えば、線路1の突出した箇所では可動台21が後進変位し、または線路1の陥没した箇所では可動台21が前進変位することができる。
【0059】
一方、図1乃至図4に示されたように、変位測定部30は、線路1と接触した探知部20の前後進変位を測定して数字の形態で表示できる一種のデジタル測定装置であり得る。
【0060】
このような変位測定部30は、探知部20の位置変化、すなわち、変位による電気抵抗値や圧力値や電気伝導度や荷重やストレスや光学的反射波または超音波などを用いた距離測定方法などの非常に様々な方法を用いて、探知部20の変化する位置を測定し、デジタル数字の形態で表示できる装置であり得る。
【0061】
したがって、変位測定部30を用いると、線路1の形状に沿って前後進変位する可動台21の変位量を測定し、変位の程度によって、線路1が定められたスペックに従って正常に設置されたか、あるいは定められたスペックを外れて定められたスペックに達せずに設置されたか、あるいは定められたスペックを超えて設置されたかに対する程度を、既存の目盛りを読む形態ではなく、デジタル化された数字の形態で把握することができる。
【0062】
一方、図1乃至図4に示されたように、探知部20は、ガイド棒22と変位測定部30との間に設置され、ガイド棒22の第1方向の移動を、第1方向と異なる第2方向の移動に転換させる方向転換装置24をさらに含むことができる。
【0063】
このような方向転換装置24を用いると、線路1を様々な方向で測定できることは勿論であり、作業者が変位測定部30で測定されたデジタル化された数字を容易に目視で確認できる方向に変位測定部30を配置することができる。
【0064】
より具体的に例を挙げると、図4に示されたように、方向転換装置24は、ガイド棒22と共に移動可能なようにガイド棒22の後端に設置され、一側に傾斜面Fが形成される傾斜ブロック25と、傾斜ブロック25の傾斜面Fと転がり接触するローラー26と、ローラー26を回転可能に支持し、変位測定部30と連結される変位測定ロッド27とを含むことができる。
【0065】
したがって、図4に示されたように、このような方向転換装置24を用いると、傾斜面Fを用いてガイド棒22の前後方向(図4での1番の矢印方向)への変位を、前記変位測定ロッド27の上下方向(図4での2番の矢印方向)への変位に方向を転換することができ、これを通じて、変位測定部30の設置位置を非常に多様に配置することができる。
【0066】
ここで、ガイド棒22の前後方向への変位と変位測定ロッド27の上下方向への変位が一対一(1:1)にマッチングされ得るように、傾斜面Fの傾斜角度は45°であることが好ましい。
【0067】
しかし、このような傾斜面Fの傾斜は45°であることに必ずしも限定されるものではなく、線路1の測定方向や測定環境などによって様々な角度で形成されてもよく、45°角度以外の角度で設置する際には、角度に応じて方向転換時の変位量を算術級数的に補正する過程が必要となり得る。
【0068】
すなわち、このような補正過程は、一般に可動台21の実際の変位がXであり、このとき、変位測定部30で測定されたデジタル化された数値がYとすると、以降には、逆に変位測定部30で測定された数値が2Yである場合、可動台21の変位は2Xと類推できるように、互いに算術級数的に補正することができる。
【0069】
しかし、全ての補正作業が算術級数的にのみ限定されず、例えば、幾何級数的になされたり、これ以外にも、1次関数、2次関数、3次関数などの補正公式で実際の測定環境や追加で考慮され得るパラメーターや定数や変数などによって適用されることも可能である。
【0070】
図1乃至図4に示されたように、探知部20は、垂直部材12に設置され、上部レール2の側面2aの設置状態を測定できるように上部レール2の側面2aと接触する第1探知部20-1と、水平部材11に設置され、左側レール3と右側レール4との間の設置間隔を測定できるように左側レール3の側面3a又は右側レール4の側面4aと接触する第2探知部20-2とを含むことができる。
【0071】
ここで、より正確な測定のために、ボディー10には、左側レールと右側レールとの間の設置間隔を測定する測定作業の基準となる基準面が形成され得る。
【0072】
このような基準面を形成できるように、水平部材11の一端部には、右側レール4の上面4bに密着して高さ測定の基準となる第1基準密着面F1が形成され得、右側レール4の側面4aに密着して間隔測定の基準となる第2基準密着面F2が形成され得る。
【0073】
これ以外にも、左側レールと右側レールとの間の水平度、すなわち、レベルの測定が可能なように、水平部材11の他端部には、前記左側レール3の上面3bに載置される載置面F3が形成され、前記載置面F3の下方に前記第2探知部20-2が設置され得る。
【0074】
このとき、ボディー10は、水平部材11に、左側レール3又は右側レール4の設置高さによる水平部材11の水平に対する傾きを測定できる水平角度計13がさらに設置され得る。
【0075】
このような水平角度計13も、デジタル化された数字で水平に対する水平部材11の角度を表示できるものであって、これ以外にも、様々な形態の角度計が全て適用され得る。
【0076】
したがって、図1及び図3に示されたように、本発明の一部の実施例に係る移送台車の線路測定装置100を線路1に載せることができる。
【0077】
このとき、まず、ボディー10の水平部材11の一端部に形成された第1基準密着面F1を右側レール4の上面4bに密着させ、第2基準密着面F2を右側レール4の側面4aに密着させることができる。
【0078】
次いで、線路1と接触した変位測定部30を用いて、探知部20の第1地点での第1変位情報をデジタル化された数値情報の形態で測定することができる。
【0079】
次いで、ボディー10及び探知部20が線路1と接触した状態で、線路1に沿ってボディー10を移動させ、探知部20の第2地点での第2変位情報をデジタル化された数値情報の形態で測定することができる。
【0080】
したがって、本発明の一部の実施例に係る線路測定装置100を用いて、作業者がボディー10を押して線路1に沿って移動しながら非常に簡便にデジタル化された数値情報を確認できるので、線路の設置状態やスペックに合うか否かを非常に直観的で便利に、しかも正確かつ迅速に測定することができ、測定時間を短縮させて業務の生産性を大幅に向上させることができ、非常に精密な数値で設置状態を測定することができ、作業者間の測定誤差を最小化して作業の信頼度及び利便性を大幅に向上させることができ、方向転換装置などを用いて様々な部分を測定することができる。
【0081】
図5は、本発明の一部の他の実施例に係る移送台車の線路測定装置200の探知部20を示す正面図である。
【0082】
図5に示されたように、本発明の一部の他の実施例に係る移送台車の線路測定装置200の探知部20は、垂直部材12に設置され、上部レール2の下面2bの設置状態を測定できるように、図1の上部レール2の下面2bと接触する第3探知部20-3をさらに含むことができる。
【0083】
したがって、第3探知部20-3を用いて、操向や配電のための上部レール2の下面2bの設置状態も正確に測定することができる。
【0084】
例えば、このような探知部20は、測定が必要な線路1の全ての部分を探知できるように、ボディー10の様々な部分に設置されてもよい。
【0085】
図6は、本発明の一部の更に他の実施例に係る移送台車の線路測定装置300を示す正面図である。
【0086】
図6に示されたように、本発明の一部の更に他の実施例に係る移送台車の線路測定装置300は、変位測定部30で測定された変位値と基準範囲を比較し、変位値が基準範囲を外れる場合、これを表示部Dに表示する制御部50をさらに含むことができる。
【0087】
ここで、表示部Dは、作業者が目視で確認し易いように、変位値が基準範囲に達していない場合に活性化される未達状態通知部D1と、変位値が基準範囲に含まれる場合に活性化される正常状態通知部D2と、変位値が基準範囲を超える場合に活性化される超過状態通知部D3とを含むことができる。
【0088】
したがって、作業者は、デジタル化された数字を一々確認しなくても非常に直観的に線路1の状態を確認できるように活性化された未達状態通知部D1や、正常状態通知部D2や超過状態通知部D3などを通じて、線路1の設置状態を非常に迅速に把握したり後続措置を取るようにすることができる。
【0089】
一方、図6に示されたように、本発明の一部の更に他の実施例に係る移送台車の線路測定装置300は、探知部20が接触した線路1の位置を感知できる位置感知センサSをさらに含み、制御部50は、位置感知センサSで感知された位置情報と、変位測定部30で測定された変位情報とをマッチングし、線路1のスペックを位置別に格納又は把握することができる。
【0090】
ここで、位置感知センサSは、少なくとも、カメラ、前記線路に表示されたバーコードや、QRコード(登録商標)や、RFIDや磁石や半導体チップなどの識別子Mを識別する識別装置、GPS感知装置、前記線路と接触して転がり回転可能に前記ボディーに設置され、直径及び回転数で基準点からの移動距離を感知する距離測定車輪、レーザー反射光を用いて距離を測定するレーザー距離測定器、及び音波や超音波を用いて距離を測定する超音波距離測定器のいずれか1つまたはこれらの組み合わせのいずれか1つを含むことができる。
【0091】
したがって、図6に示されたように、作業者は、未達状態通知部D1や正常状態通知部D2や超過状態通知部D3を用いて、非常に直観的に迅速に線路1の概略的な設置状態を把握することができ、詳細な測定事項は、作業者が記録する必要なく、線路1の位置別にマッチングされた測定された変位情報を格納し、後続措置時に参考にすることができる。
【0092】
図7は、本発明の一部の更に他の実施例に係る移送台車の線路測定装置400を示す正面図である。
【0093】
図7に示されたように、本発明の一部の更に他の実施例に係る移送台車の線路測定装置400の探知部40は、移動測定が可能なように線路1と転がり接触する転がり車輪Wと、転がり車輪Wを回転自在に支持する可動台41と、先端部が可動台41に形成され、中間部がボディー10に形成されたガイド孔42aに沿って第1方向に前後進可能に設置されるガイド棒42と、可動台41とボディー10との間に設置され、転がり車輪Wが線路1と接触する方向に弾性復帰力が作用する弾性スプリング43とを含むことができる。
【0094】
また、例えば、探知部40は、可動台41と変位測定部30との間に設置され、可動台41の第1方向の移動を、第1方向と異なる第2方向の移動に転換させる方向転換装置44をさらに含むことができる。
【0095】
ここで、方向転換装置44は、可動台41と共に移動可能なように可動台41に設置され、一側に傾斜面Fが形成される傾斜ブロック45と、傾斜ブロック45の傾斜面Fと転がり接触するローラー46と、ローラー46を回転可能に支持し、変位測定部30と連結される変位測定ロッド47とを含むことができる。
【0096】
ここで、例えば、ボディー10の水平部材11の一端部には、右側レール4の上面4bに密着して高さ測定の基準となる第1基準車輪W1が形成され、右側レール4の側面4aに密着して間隔測定の基準となる第2基準車輪W2が形成されてもよい。
【0097】
また、例えば、水平部材11の他端部には、左側レール3の上面3bに載置される載置車輪W3が形成されてもよい。
【0098】
したがって、図7に示されたように、本発明の一部の更に他の実施例に係る移送台車の線路測定装置400を線路1に載せ、車輪(W)(W1)(W2)(W3)を用いて容易に移動させることができる。
【0099】
このとき、まず、ボディー10の水平部材11の一端部に形成された第1基準車輪W1を右側レール4の上面4bに密着させ、第2基準車輪W2を右側レール4の側面4aに密着させ、載置車輪W3を左側レール3の上面3bに載置させて、ボディー10を転がし移動させることができる。
【0100】
次いで、線路1と接触した変位測定部30を用いて、探知部40の第1地点での第1変位情報をデジタル化された数値情報の形態で測定することができる。
【0101】
次いで、ボディー10及び探知部40が線路1と接触した状態で、線路1に沿って車輪(W)(W1)(W2)(W3)を用いてボディー10を容易に移動させ、探知部40の第2地点での第2変位情報をデジタル化された数値情報の形態で測定することができる。
【0102】
したがって、本発明の一部の実施例に係る線路測定装置400を用いて、作業者が車輪(W)(W1)(W2)(W3)を用いてボディー10を押して線路1に沿って移動しながら非常に簡便にデジタル化された数値情報を確認できるので、線路の設置状態やスペックに合うか否かを非常に直観的で便利に、しかも正確かつ迅速に測定することができ、測定時間を短縮させて業務の生産性を大幅に向上させることができ、非常に精密な数値で設置状態を測定することができ、作業者間の測定誤差を最小化して作業の信頼度及び利便性を大幅に向上させることができ、方向転換装置などを用いて様々な部分を測定することができ、車輪などを用いて移動時の摩擦を減少させ、移動性及び利便性を向上させることができる。
【0103】
図8は、図1の移送台車の線路測定装置100の線路測定状態を示す斜視図である。
【0104】
図8に示されたように、線路1は、移送台車の操向や電源供給のために設置される上部車輪と対応する少なくとも1つの上部レール2と、移送台車の走行のための左側車輪と対応する少なくとも1つの左側レール3と、移送台車の走行のための右側車輪と対応する少なくとも1つの右側レール4とを含むことができるもので、直線区間だけでなく曲線区間も含むことができる。
【0105】
このような線路1は半導体工場の天井パネル5に設置され得、必要に応じて、上部レール2と左側レール及び右側レールはこれらを互いに連結させて互いに支持することができるように支持構造物6が形成され得る。
【0106】
したがって、移送台車は、物品を半導体製造設備間に移送するための移送経路を提供する線路1に沿って走行することができる。
【0107】
本発明の様々な実施例に係る移送台車の線路測定装置100は、このような線路1に載せて手軽に移動させながら、非常に即時的にデジタル化された数字や表示部を用いて、作業者が特定の位置で線路1の設置が正常であるか異常であるかを容易に測定して判別することができる。
【0108】
図9は、本発明の一部の実施例に係る移送台車の線路測定方法を示すフローチャートである。
【0109】
図1乃至図9に示されたように、本発明の一部の実施例に係る移送台車の線路測定方法は、(a)移送台車の線路1と対応するように形成されるボディー10と、前記ボディー10に形成され、前記線路1と接触する探知部20と、前記線路1と接触した前記探知部20の変位を測定する変位測定部30とを含む移送台車の線路測定装置100を準備するステップと、(b)前記ボディー10の少なくとも一部分又は前記探知部20が前記線路1と接触するように前記線路測定装置100を前記線路1に載せるステップと、(c)前記変位測定部30を用いて、前記探知部20の第1地点での第1変位情報を測定するステップと、(d)前記ボディー10及び前記探知部20が前記線路1と接触した状態で、前記線路1に沿って前記ボディー10を移動させ、前記探知部20の第2地点での第2変位情報を測定するステップとを含むことができる。
【0110】
ここで、前記(d)ステップは、前記ボディー10に設置された少なくとも1つの車輪(W)(W1)(W2)(W3)を用いて前記ボディー10を移動させることができる。
【0111】
本発明は、図面に示された実施例を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であるということが理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0112】
1 線路
2 上部レール
3 左側レール
4 右側レール
5 天井パネル
6 支持構造物
10 ボディー
11 水平部材
12 垂直部材
13 水平角度計
20,40 探知部
20-1 第1探知部
20-2 第2探知部
20-3 第3探知部
21 可動台
22 ガイド棒
22a ガイド孔
23 弾性スプリング
24 方向転換装置
25 傾斜ブロック
F 傾斜面
26 ローラー
27 変位測定ロッド
F1 第1基準密着面
F2 第2基準密着面
F3 載置面
30 変位測定部
W 転がり車輪
41 可動台
42 ガイド棒
42a ガイド孔
43 弾性スプリング
44 方向転換装置
45 傾斜ブロック
46 ローラー
47 変位測定ロッド
W1 第1基準車輪
W2 第2基準車輪
W3 載置車輪
50 制御部
D 表示部
D1 未達状態通知部
D2 正常状態通知部
D3 超過状態通知部
S 位置感知センサ
M 識別子
100,200,300,400 線路測定装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9