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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068638
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】点灯装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/14 20200101AFI20240513BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20240513BHJP
   H05B 45/375 20200101ALI20240513BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240513BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
H05B45/14
H02M3/155 H
H05B45/375
H05B47/105
B60Q1/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023182617
(22)【出願日】2023-10-24
(31)【優先権主張番号】22206132.7
(32)【優先日】2022-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト グラフ
【テーマコード(参考)】
3K273
3K339
5H730
【Fターム(参考)】
3K273AA02
3K273BA02
3K273BA07
3K273CA02
3K273DA02
3K273EA06
3K273EA25
3K273EA35
3K273FA03
3K273FA14
3K273FA28
3K273FA41
3K273GA06
3K273GA14
3K273GA25
3K339AA02
3K339AA30
3K339BA01
3K339BA07
3K339BA25
3K339CA01
3K339CA03
3K339CA11
3K339DA01
3K339GB01
3K339JA02
3K339JA05
3K339JA21
3K339JA22
3K339KA07
3K339LA06
3K339MC41
5H730AA14
5H730AS01
5H730AS05
5H730AS11
5H730BB13
5H730EE59
5H730FD01
5H730FG12
5H730FG25
(57)【要約】
【課題】点灯装置の効率を更に改善する。
【解決手段】本発明は、点灯装置(1)に関し、点灯装置(1)は、マルチLEDチップ(2)を含み、マルチLEDチップ(2)は、所定数のLED光源(2’)並びに所定数の調整要素(2”)を有し、各LED光源(2’)には、それぞれのLED光源(2’)の電流消費を調整するための直列接続された1つの調整要素(2”)が割り当てられており、当該調整要素(2”)とともに、調整可能なセクション(2a、2b、2c)を構成し、各LED光源(2’)は、個々に切替可能に構成されており、点灯装置(1)は、電気的な制御ユニット(3)を含み、電気的な制御ユニット(3)は、電圧入力部(3aVin)と、フィードバック入力部(3aFB)と、電圧出力部(3aVout)とを備えたステップダウンコンバータ(3a)、並びに信号入力部(3bSin)と信号出力部(3bSout)とを備えたマイクロコントローラ(3b)を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点灯装置(1)であって
- 前記点灯装置(1)は、マルチLEDチップ(2)を含み、前記マルチLEDチップ(2)は、所定数のLED光源(2’)並びに所定数の調整要素(2”)を有し、各前記LED光源(2’)には、それぞれの前記LED光源(2’)の電流消費を調整するための直列接続された1つの前記調整要素(2”)が割り当てられており、当該調整要素(2”)とともに、調整可能なセクション(2a、2b、2c)を構成し、各前記LED光源(2’)は、個々に切替可能に構成されており、
- 前記点灯装置(1)は、電気的な制御ユニット(3)を含み、電気的な前記制御ユニット(3)は、電圧入力部(3aVin)と、フィードバック入力部(3aFB)と、電圧出力部(3aVout)とを備えたステップダウンコンバータ(3a)、並びに信号入力部(3bSin)と信号出力部(3bSout)とを備えたマイクロコントローラ(3b)を有し、
前記ステップダウンコンバータ(3a)は、前記電圧入力部(3aVin)に印加する入力直流電圧(Vin)をより低い出力直流電圧(Vout)に変換し、前記電圧出力部(3aVout)を介して出力するように構成されており、前記電圧出力部(3aVout)は、前記マルチLEDチップ(2)の前記セクション(2a、2b、2c)を給電するために前記マルチLEDチップ(2)と接続されており、前記出力直流電圧(Vout)の電圧値は、フィードバックループにより決定され、前記フィードバックループでは、前記出力直流電圧(Vout)の所定の電圧部分(Vfb)が前記フィードバック入力部(3aFB)に帰還され、帰還された前記電圧部分(Vfb)に依存して前記出力直流電圧(Vout)が生じ、
前記マイクロコントローラ(3b)は、前記信号入力部(3bSin)を介して入力信号(Sin)を受信し、出力信号(Sout)に変換するように構成されており、前記出力信号(Sout)を用い、前記マルチLEDチップ(2)により放射すべき光像(4a、4b)が予設定可能であり、放射すべき各前記光像(4a、4b)は、前記セクション(2a、2b、2c)の調整状態の構成形態と関連しており、また前記信号出力部(3bSout)は、前記出力信号(Sout)を伝送するために前記マルチLEDチップ(2)と接続されている構成であり、
更に前記マルチLEDチップ(2)は、各前記光像(4a、4b)のために、各前記光像(4a、4b)に適合する前記セクション(2a、2b、2c)の前記調整状態を導き出し、活性化すべき及び活性化すべきでない前記セクション(2a、2b、2c)を区別し、各前記光像(4a、4b)のために導き出された前記調整状態から、活性化すべき各前記セクション(2a、2b、2c)のための前記調整要素(2”)の電圧損失を考慮のもと、必要な最小作動電圧(Vmin2a、Vmin2b、Vmin2c)を計算し、各前記光像(4a、4b)のための活性化すべき前記セクション(2a、2b、2c)の前記最小作動電圧(Vmin2a、Vmin2b、Vmin2c)の比較により、最大の前記最小作動電圧を検出し、該当の前記光像(4a、4b)のための目標作動電圧(Vsoll)として決定し、そして前記目標作動電圧(Vsoll)を前記マイクロコントローラ(3b)に伝えるように構成されており、前記マイクロコントローラ(3b)は、前記マルチLEDチップ(2)により伝えられた前記目標作動電圧(Vsoll)に依存し、前記フィードバック入力部(3aFB)への前記電圧部分(Vfb)の電圧帰還を、前記目標作動電圧(Vsoll)だけが出力電圧(Vout)として前記電圧出力部(3aVout)に出力されるように操作する構成を有すること、
を特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記マイクロコントローラ(3b)は、前記フィードバック入力部(3aFB)への前記電圧部分(Vfb)の電圧帰還を操作するために、前記マイクロコントローラ(3b)により切替可能な抵抗器ネットワーク(5)と接続されており、切替可能な前記抵抗器ネットワーク(5)は、前記フィードバック入力部(3aFB)と接続され、従って前記電圧部分(Vfb)の電圧帰還部と接続されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
前記抵抗器ネットワーク(7)は、R2Rネットワークとして構成されていること、
を特徴とする、請求項2に記載の点灯装置(1)。
【請求項4】
前記R2Rネットワークは、4つの切替ステージ(S1、S2、S3、S4)を有し、前記切替ステージ(S1、S2、S3、S4)は、それぞれ、前記切替ステージ(S1、S2、S3、S4)を制御するために前記マイクロコントローラ(3b)と接続されていること、
を特徴とする、請求項3に記載の点灯装置(1)。
【請求項5】
前記出力電圧(Vout)は、分圧器(8)を介して前記フィードバック入力部(3aVin)に帰還されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の点灯装置(1)。
【請求項6】
前記分圧器(8)は、グラウンドに対して接続されており、前記抵抗器ネットワーク(7)は、前記分圧器(8)の抵抗器(RO、RU)の間の結節ポイント(P)に係合し、また同様にグラウンドに対して接続されていること、
を特徴とする、請求項5に記載の点灯装置(1)。
【請求項7】
前記点灯装置(1)は、更に用途特有のIC(6)を有し、用途特有の前記IC(6)は、前記マイクロコントローラ(3b)の前記信号出力部(3bSout)と接続されており、前記出力信号(Sout)を、前記マルチLEDチップ(2)の前記LED光源を制御するための制御信号(Sa、Sb、Sc)に変換するように構成されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の点灯装置(1)。
【請求項8】
前記出力電圧(Vout)は、3Vと5Vの間、特に3.5Vと4.5Vの間の値をとること、
を特徴とする、請求項1に記載の点灯装置(1)。
【請求項9】
前記入力信号(Sin)は、現在の前記光像(4a、4b)並びに後続して放射すべき前記光像(4a、4b)に関する情報を含み、それに基づき、前もって後続の前記光像(4a、4b)の対応の前記目標作動電圧(Vsoll)が、前記マイクロコントローラ(3b)により後続の前記光像(4a、4b)への交換の時点に対して既に直接的にこの前記光像(4a、4b)に適合する前記目標作動電圧(Vsoll)を予設定するために、導き出されること、
を特徴とする、請求項1に記載の点灯装置(1)。
【請求項10】
前記マイクロコントローラ(3b)は、繰り返される前記光像(4a、4b)のために前記マルチLEDチップ(2)により予設定された目標電圧値(Vsoll)を保存し、そして前記光像(4a、4b)の予設定に対応して保存された目標電圧値(Vsaved)を、他の前記光像(4a、4b)が予設定されるまでか、又は前記マルチLEDチップ(2)により、保存された目標電圧値(Vsaved)とは異なる、該当の前記光像(4a、4b)のための目標電圧値(Vsoll)が出力されるまで、前もって設定し且つ維持するように構成されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の点灯装置(1)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の点灯装置(1)を含む自動車投光器。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の点灯装置(1)を含む自動車。
【請求項13】
請求項11に記載の自動車投光器を含む自動車。
【請求項14】
点灯装置(1)をエネルギー効率的に作動するための方法であって
- 前記点灯装置(1)は、マルチLEDチップ(2)を含み、前記マルチLEDチップ(2)は、所定数のLED光源(2’)並びに所定数の調整要素(2”)を有し、各前記LED光源(2’)には、それぞれの前記LED光源(2’)の電流消費を調整するための直列接続された1つの前記調整要素(2”)が割り当てられており、当該調整要素(2”)とともに、調整可能なセクション(2a、2b、2c)を構成し、各前記LED光源(2’)は、個々に切替可能に構成されており、
- 前記点灯装置(1)は、電気的な制御ユニット(3)を含み、電気的な前記制御ユニット(3)は、電圧入力部(3aVin)と、フィードバック入力部(3aFB)と、電圧出力部(3aVout)とを備えたステップダウンコンバータ(3a)、並びに信号入力部(3bSin)と信号出力部(3bSout)とを備えたマイクロコントローラ(3b)を有し、
前記ステップダウンコンバータ(3a)は、前記電圧入力部(3aVin)に印加する入力直流電圧(Vin)をより低い出力直流電圧(Vout)に変換し、前記電圧出力部(3aVout)を介して出力するように構成されており、前記電圧出力部(3aVout)は、前記マルチLEDチップ(2)の前記セクション(2a、2b、2c)を給電するために前記マルチLEDチップ(2)と接続されており、前記出力直流電圧(Vout)の電圧値は、フィードバックループにより決定され、前記フィードバックループでは、前記出力直流電圧(Vout)の所定の電圧部分(Vfb)が前記フィードバック入力部(3aFB)に帰還され、帰還された前記電圧部分(Vfb)に依存して前記出力直流電圧(Vout)が生じ、
前記マイクロコントローラ(3b)は、前記信号入力部(3bSin)を介して入力信号(Sin)を受信し、出力信号(Sout)に変換するように構成されており、前記出力信号(Sout)を用い、前記マルチLEDチップ(2)により放射すべき光像(4a、4b)が予設定可能であり、放射すべき各前記光像(4a、4b)は、前記セクション(2a、2b、2c)の調整状態の構成形態と関連しており、また前記信号出力部(3bSout)は、前記出力信号(Sout)を伝送するために前記マルチLEDチップ(2)と接続されている構成であり、
前記方法は、以下のステップを含むこと:
a)前記マルチLEDチップ(2)により前記出力信号(Sout)を受信するステップ、
b)前記出力信号(Sout)から、その都度放射すべき前記光像(4a、4b)を導き出し、その前記光像(4a、4b)に適合する前記セクション(2a、2b、2c)の前記調整状態を計算するステップ、
c)ステップbで検出された前記調整状態に基づき、前記調整要素(2”)の電圧損失を考慮のもと、各前記セクション(2a、2b、2c)のために必要な最小作動電圧(Vmin2a、Vmin2b、Vmin2c)を計算するステップ、
d)前記セクション(2a、2b、2c)の前記最小作動電圧(Vmin2a、Vmin2b、Vmin2c)のうちの最大の前記最小作動電圧を決定することにより目標作動電圧(Vsoll)を検出するステップ、
e)前記目標作動電圧(Vsoll)を前記マイクロコントローラ(3b)に伝えるステップ、
f)伝えられた前記目標作動電圧(Vsoll)に依存し、前記マイクロコントローラ(3b)により、前記フィードバック入力部(3aFB)への前記電圧部分(Vfb)の電圧帰還を操作し、それにより前記目標作動電圧(Vsoll)だけが出力電圧(Vout)として前記電圧出力部(3aVout)に出力されるステップ、
を特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の記載)
本出願は、2022年11月8日付けで出願の欧州特許出願第22206132.7号(DAS Code: BF77)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は、引用をもって本明細書に組み込み記載されているものとする。
【0002】
本発明は、特にマルチLEDチップを含む点灯装置(発光装置)に関し、マルチLEDチップは、所定数のLED光源並びに所定数の調整要素を有し、各LED光源には、それぞれのLED光源の電流消費を調整するための直列接続された1つの調整要素が割り当てられており、当該調整要素とともに、調整可能なセクションを構成し、各LED光源は、個々に切替可能に構成されており、更に点灯装置は、電気的な制御ユニットを含み、電気的な制御ユニットは、電圧入力部と、フィードバック入力部と、電圧出力部とを備えたステップダウンコンバータ(バックコンバータ)、並びに信号入力部と信号出力部とを備えたマイクロコントローラを有し、ステップダウンコンバータは、電圧入力部に印加する入力直流電圧をより低い出力直流電圧に変換し、電圧出力部を介して出力するように構成されており、電圧出力部は、マルチLEDチップのセクションを給電するためにマルチLEDチップと接続されており、出力直流電圧の電圧値は、フィードバックループにより決定され、このフィードバックループでは、出力直流電圧の所定の電圧部分がフィードバック入力部に帰還され、帰還された電圧部分に依存して出力直流電圧が生じ、マイクロコントローラは、信号入力部を介して入力信号を受信し、出力信号に変換するように構成されており、この出力信号を用い、マルチLEDチップにより放射すべき光像が予設定可能であり、放射すべき各光像は、セクションの調整状態の構成形態(コンフィギュレーション)と関連(相関)しており、また信号出力部は、出力信号を伝送するためにマルチLEDチップと接続されている。
【背景技術】
【0003】
この種の点灯装置は、しだいに益々使用されている。点灯装置の正確な作動を保証するためには、今まで、単純に点灯装置のそれぞれのコンポーネントのために設けられた作動電圧を固定で設定すること、即ち点灯装置の全ての作動モードを十分に給電可能とするために作動電圧が十分であることが通常であった。そのような点灯装置の効率向上は、今まで、使用されるコンポーネントの選択、光源の効率、並びに後接続された光学系の効率、及び放射される光の利用の最適化により達成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3255959号
【特許文献2】国際公開第2021/251375号
【特許文献3】独国特許出願公開第102015219100号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Driver Fet ET AL: “Rsd Csd D Rs Cs Ds N-FET Induc tor V IN V OUT DC/DC BOOk OF kNOWLEDGE Practical tips for the User", 30. Dezember 2014 (2014-12-30), XP055813172, found in the Internet: URL:https://www.schukat.com/schukat/pdf.nsf/EC53E983176DF812C1257E6200395568/$file/Recom_Book of_Knowledge_English.pdf [found on 2021-06-11]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、そのような点灯装置の効率を更に改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、冒頭に記載した点灯装置において、以下の構成により解決される。即ち本発明により更にマルチLEDチップは、各光像のために、各光像に適合するセクションの調整状態を導き出し、この際、活性化すべき及び活性化すべきでないセクションを区別し、各光像のために導き出された調整状態から、活性化すべき各セクションのための調整要素の電圧損失を考慮のもと、必要な最小作動電圧を計算し、各光像のための活性化すべきセクションの最小作動電圧の比較により、最大の最小作動電圧を検出し、該当の光像のための目標作動電圧として決定し、そしてこの目標作動電圧をマイクロコントローラに伝えるように構成されており、この際、マイクロコントローラは、マルチLEDチップにより伝えられた目標作動電圧に依存し、フィードバック入力部への電圧部分の電圧帰還を、目標作動電圧だけが出力電圧として電圧出力部に出力されるように操作(マニピュレート)する構成を有する。
【0008】
即ち本発明の第1の視点により、
点灯装置であって
- 前記点灯装置は、マルチLEDチップを含み、前記マルチLEDチップは、所定数のLED光源並びに所定数の調整要素を有し、各前記LED光源には、それぞれの前記LED光源の電流消費を調整するための直列接続された1つの前記調整要素が割り当てられており、当該調整要素とともに、調整可能なセクションを構成し、各前記LED光源は、個々に切替可能に構成されており、
- 前記点灯装置は、電気的な制御ユニットを含み、電気的な前記制御ユニットは、電圧入力部と、フィードバック入力部と、電圧出力部とを備えたステップダウンコンバータ、並びに信号入力部と信号出力部とを備えたマイクロコントローラを有し、
前記ステップダウンコンバータは、前記電圧入力部に印加する入力直流電圧をより低い出力直流電圧に変換し、前記電圧出力部を介して出力するように構成されており、前記電圧出力部は、前記マルチLEDチップの前記セクションを給電するために前記マルチLEDチップと接続されており、前記出力直流電圧の電圧値は、フィードバックループにより決定され、前記フィードバックループでは、前記出力直流電圧の所定の電圧部分が前記フィードバック入力部に帰還され、帰還された前記電圧部分に依存して前記出力直流電圧が生じ、
前記マイクロコントローラは、前記信号入力部を介して入力信号を受信し、出力信号に変換するように構成されており、前記出力信号を用い、前記マルチLEDチップにより放射すべき光像が予設定可能であり、放射すべき各前記光像は、前記セクションの調整状態の構成形態と関連しており、また前記信号出力部は、前記出力信号を伝送するために前記マルチLEDチップと接続されている構成であり、
更に前記マルチLEDチップは、各前記光像のために、各前記光像に適合する前記セクションの前記調整状態を導き出し、活性化すべき及び活性化すべきでない前記セクションを区別し、各前記光像のために導き出された前記調整状態から、活性化すべき各前記セクションのための前記調整要素の電圧損失を考慮のもと、必要な最小作動電圧を計算し、各前記光像のための活性化すべき前記セクションの前記最小作動電圧の比較により、最大の前記最小作動電圧を検出し、該当の前記光像のための目標作動電圧として決定し、そして前記目標作動電圧を前記マイクロコントローラに伝えるように構成されており、前記マイクロコントローラは、前記マルチLEDチップにより伝えられた前記目標作動電圧に依存し、前記フィードバック入力部への前記電圧部分の電圧帰還を、前記目標作動電圧だけが出力電圧として前記電圧出力部に出力されるように操作する構成を有すること、
を特徴とする点灯装置が提供される。
更に本発明の第2の視点により、前記点灯装置を含む自動車投光器が提供される。
更に本発明の第3の視点により、前記点灯装置を含む自動車が提供される。
更に本発明の第4の視点により、前記自動車投光器を含む自動車が提供される。
更に本発明の第5の視点により、点灯装置をエネルギー効率的に作動するための方法であって
- 前記点灯装置は、マルチLEDチップを含み、前記マルチLEDチップは、所定数のLED光源並びに所定数の調整要素を有し、各前記LED光源には、それぞれの前記LED光源の電流消費を調整するための直列接続された1つの前記調整要素が割り当てられており、当該調整要素とともに、調整可能なセクションを構成し、各前記LED光源は、個々に切替可能に構成されており、
- 前記点灯装置は、電気的な制御ユニットを含み、電気的な前記制御ユニットは、電圧入力部と、フィードバック入力部と、電圧出力部とを備えたステップダウンコンバータ、並びに信号入力部と信号出力部とを備えたマイクロコントローラを有し、
前記ステップダウンコンバータは、前記電圧入力部に印加する入力直流電圧をより低い出力直流電圧に変換し、前記電圧出力部を介して出力するように構成されており、前記電圧出力部は、前記マルチLEDチップの前記セクションを給電するために前記マルチLEDチップと接続されており、前記出力直流電圧の電圧値は、フィードバックループにより決定され、前記フィードバックループでは、前記出力直流電圧の所定の電圧部分が前記フィードバック入力部に帰還され、帰還された前記電圧部分に依存して前記出力直流電圧が生じ、
前記マイクロコントローラは、前記信号入力部を介して入力信号を受信し、出力信号に変換するように構成されており、前記出力信号を用い、前記マルチLEDチップにより放射すべき光像が予設定可能であり、放射すべき各前記光像は、前記セクションの調整状態の構成形態と関連しており、また前記信号出力部は、前記出力信号を伝送するために前記マルチLEDチップと接続されている構成であり、
前記方法は、以下のステップを含むこと、即ち
a)前記マルチLEDチップにより前記出力信号を受信するステップ、
b)前記出力信号から、その都度放射すべき前記光像を導き出し、その前記光像に適合する前記セクションの前記調整状態を計算するステップ、
c)ステップbで検出された前記調整状態に基づき、前記調整要素の電圧損失を考慮のもと、各前記セクションのために必要な最小作動電圧を計算するステップ、
d)前記セクションの前記最小作動電圧のうちの最大の前記最小作動電圧を決定することにより目標作動電圧を検出するステップ、
e)前記目標作動電圧を前記マイクロコントローラに伝えるステップ、
f)伝えられた前記目標作動電圧に依存し、前記マイクロコントローラにより、前記フィードバック入力部への前記電圧部分の電圧帰還を操作し、それにより前記目標作動電圧だけが出力電圧として前記電圧出力部に出力されるステップ、
を含むことを特徴とする方法が提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
点灯装置であって
- 前記点灯装置は、マルチLEDチップを含み、前記マルチLEDチップは、所定数のLED光源並びに所定数の調整要素を有し、各前記LED光源には、それぞれの前記LED光源の電流消費を調整するための直列接続された1つの前記調整要素が割り当てられており、当該調整要素とともに、調整可能なセクションを構成し、各前記LED光源は、個々に切替可能に構成されており、
- 前記点灯装置は、電気的な制御ユニットを含み、電気的な前記制御ユニットは、電圧入力部と、フィードバック入力部と、電圧出力部とを備えたステップダウンコンバータ、並びに信号入力部と信号出力部とを備えたマイクロコントローラを有し、
前記ステップダウンコンバータは、前記電圧入力部に印加する入力直流電圧をより低い出力直流電圧に変換し、前記電圧出力部を介して出力するように構成されており、前記電圧出力部は、前記マルチLEDチップの前記セクションを給電するために前記マルチLEDチップと接続されており、前記出力直流電圧の電圧値は、フィードバックループにより決定され、前記フィードバックループでは、前記出力直流電圧の所定の電圧部分が前記フィードバック入力部に帰還され、帰還された前記電圧部分に依存して前記出力直流電圧が生じ、
前記マイクロコントローラは、前記信号入力部を介して入力信号を受信し、出力信号に変換するように構成されており、前記出力信号を用い、前記マルチLEDチップにより放射すべき光像が予設定可能であり、放射すべき各前記光像は、前記セクションの調整状態の構成形態と関連しており、また前記信号出力部は、前記出力信号を伝送するために前記マルチLEDチップと接続されている構成であり、
更に前記マルチLEDチップは、各前記光像のために、各前記光像に適合する前記セクションの前記調整状態を導き出し、活性化すべき及び活性化すべきでない前記セクションを区別し、各前記光像のために導き出された前記調整状態から、活性化すべき各前記セクションのための前記調整要素の電圧損失を考慮のもと、必要な最小作動電圧を計算し、各前記光像のための活性化すべき前記セクションの前記最小作動電圧の比較により、最大の前記最小作動電圧を検出し、該当の前記光像のための目標作動電圧として決定し、そして前記目標作動電圧を前記マイクロコントローラに伝えるように構成されており、前記マイクロコントローラは、前記マルチLEDチップにより伝えられた前記目標作動電圧に依存し、前記フィードバック入力部への前記電圧部分の電圧帰還を、前記目標作動電圧だけが出力電圧として前記電圧出力部に出力されるように操作する構成を有すること。
(形態2)
形態1に記載の点灯装置において、前記マイクロコントローラは、前記フィードバック入力部への前記電圧部分の電圧帰還を操作するために、前記マイクロコントローラにより切替可能な抵抗器ネットワークと接続されており、切替可能な前記抵抗器ネットワークは、前記フィードバック入力部と接続され、従って前記電圧部分の電圧帰還部と接続されていること、が好ましい。
(形態3)
形態2に記載の点灯装置において、前記抵抗器ネットワークは、R2Rネットワークとして構成されていること、が好ましい。
(形態4)
形態3に記載の点灯装置において、前記R2Rネットワークは、4つの切替ステージを有し、前記切替ステージは、それぞれ、前記切替ステージを制御するために前記マイクロコントローラと接続されていること、が好ましい。
(形態5)
形態1~4のいずれか1つに記載の点灯装置において、前記出力電圧は、分圧器を介して前記フィードバック入力部に帰還されていること、が好ましい。
(形態6)
形態5に記載の点灯装置において、前記分圧器は、グラウンドに対して接続されており、前記抵抗器ネットワークは、前記分圧器の抵抗器の間の結合ポイントに係合し、また同様にグラウンドに対して接続されていること、が好ましい。
(形態7)
形態1~6のいずれか1つに記載の点灯装置において、前記点灯装置は、更に用途特有のICを有し、用途特有の前記ICは、前記マイクロコントローラの前記信号出力部と接続されており、前記出力信号を、前記マルチLEDチップの前記LED光源を制御するための制御信号に変換するように構成されていること、が好ましい。
(形態8)
形態1~7のいずれか1つに記載の点灯装置において、前記出力電圧は、3Vと5Vの間、特に3.5Vと4.5Vの間の値をとること、が好ましい。
(形態9)
形態1~8のいずれか1つに記載の点灯装置において、前記入力信号は、現在の前記光像並びに後続して放射すべき前記光像に関する情報を含み、それに基づき、前もって後続の前記光像の対応の前記目標作動電圧が、前記マイクロコントローラにより後続の前記光像への交換の時点で既に直接的にこの前記光像に適合する前記目標作動電圧を予設定するために、導き出されること、が好ましい。
(形態10)
形態1~9のいずれか1つに記載の点灯装置において、前記マイクロコントローラは、繰り返される前記光像のために前記マルチLEDチップにより予設定された目標電圧値を保存し、そして前記光像の予設定に対応して保存された目標電圧値を、他の前記光像が予設定されるまでか、又は前記マルチLEDチップにより、保存された目標電圧値とは異なる、該当の前記光像のための目標電圧値が出力されるまで、前もって設定し且つ維持するように構成されていること、が好ましい。
(形態11)
形態1~10のいずれか1つに記載の点灯装置を含む自動車投光器。
(形態12)
形態1~10のいずれか1つに記載の点灯装置を含む、及び/又は形態11に記載の自動車投光器を含む自動車。
(形態13)
点灯装置をエネルギー効率的に作動するための方法であって
- 前記点灯装置は、マルチLEDチップを含み、前記マルチLEDチップは、所定数のLED光源並びに所定数の調整要素を有し、各前記LED光源には、それぞれの前記LED光源の電流消費を調整するための直列接続された1つの前記調整要素が割り当てられており、当該調整要素とともに、調整可能なセクションを構成し、各前記LED光源は、個々に切替可能に構成されており、
- 前記点灯装置は、電気的な制御ユニットを含み、電気的な前記制御ユニットは、電圧入力部と、フィードバック入力部と、電圧出力部とを備えたステップダウンコンバータ、並びに信号入力部と信号出力部とを備えたマイクロコントローラを有し、
前記ステップダウンコンバータは、前記電圧入力部に印加する入力直流電圧をより低い出力直流電圧に変換し、前記電圧出力部を介して出力するように構成されており、前記電圧出力部は、前記マルチLEDチップの前記セクションを給電するために前記マルチLEDチップと接続されており、前記出力直流電圧の電圧値は、フィードバックループにより決定され、前記フィードバックループでは、前記出力直流電圧の所定の電圧部分が前記フィードバック入力部に帰還され、帰還された前記電圧部分に依存して前記出力直流電圧が生じ、
前記マイクロコントローラは、前記信号入力部を介して入力信号を受信し、出力信号に変換するように構成されており、前記出力信号を用い、前記マルチLEDチップにより放射すべき光像が予設定可能であり、放射すべき各前記光像は、前記セクションの調整状態の構成形態と関連しており、また前記信号出力部は、前記出力信号を伝送するために前記マルチLEDチップと接続されている構成であり、
前記方法は、以下のステップを含むこと:
a)前記マルチLEDチップにより前記出力信号を受信するステップ、
b)前記出力信号から、その都度放射すべき前記光像を導き出し、その前記光像に適合する前記セクションの前記調整状態を計算するステップ、
c)ステップbで検出された前記調整状態に基づき、前記調整要素の電圧損失を考慮のもと、各前記セクションのために必要な最小作動電圧を計算するステップ、
d)前記セクションの前記最小作動電圧のうちの最大の前記最小作動電圧を決定することにより目標作動電圧を検出するステップ、
e)前記目標作動電圧を前記マイクロコントローラに伝えるステップ、
f)伝えられた前記目標作動電圧に依存し、前記マイクロコントローラにより、前記フィードバック入力部への前記電圧部分の電圧帰還を操作し、それにより前記目標作動電圧だけが出力電圧として前記電圧出力部に出力されるステップ。
【0010】
セクション(回路部分ないしストリング)の数は、少なくとも2つであるが、実際にセクションの数は、それよりも明らかに多く、例えば2と500の間、特に30と100の間の任意の自然数とすることができる。セクションの具体的な数は、どの解像度がその都度の点灯装置により達成されるべきであるかに依存し、この際、各セクションは、放射される光像の少なくとも1つのピクセルを表す。個々のLED光源の簡単化された制御のために、セクションの数は、2nである多数の値とすることもでき、この際、nは、2進数の桁の数に対応する。
【0011】
本発明により、マルチLEDチップの作動電圧は、マルチLEDチップ又は放射すべき配光の要求に対して可変に適合される。このようにして作動のために必要な電圧だけを提供し、またさもなければマルチLEDチップ内で損失電圧として生じるであろう或いはマルチLEDチップの調整コンポーネントにより適切に排除調整される(従って損失熱に変換される)であろう過剰の電圧部分(Spannungsanteile)を回避することが可能である。このようにして点灯装置のより良い効率が達成される。
【0012】
調整要素は、例えば、抵抗値が調節可能であるリニアレギュレータとすることができる。或いはまた、抵抗性の構成部材を有するスイッチ及び/又はスイッチの組み合わせも考えられる(場合によりトランジスタにより構成される)。特にマイクロコントローラは、フィードバック入力部への電圧部分の電圧帰還を操作するために、マイクロコントローラにより切替可能な抵抗器ネットワークと接続されていることができ、この際、切替可能な抵抗器ネットワークは、フィードバック入力部と接続され、従って電圧部分の電圧帰還部と接続されている。このようにして、電圧帰還を操作するため、並びにそれから得られる電圧出力を操作するための特に堅固で且つ低コストの可能性が創作される。
【0013】
有利には、抵抗器ネットワークは、R2Rネットワークとして構成されていることができる。特にR2Rネットワークは、4つの切替ステージ(切替段)を有し、これらの切替ステージは、それぞれ、切替ステージを制御するためにマイクロコントローラと接続されていることができる。それにより既に16(2x2x2x2)の様々な切替状態と、それに対応する出力電圧(複数)を実現することができる。
【0014】
更に、出力電圧は、分圧器を介してフィードバック入力部に帰還されていることができる。この種の帰還は、特に堅固で且つ低コストである。この際、分圧器は、グラウンドに対して接続されており、抵抗器ネットワークは、分圧器の抵抗器の間の結節ポイント(ノード)に係合(作用するように接続)し、また同様にグラウンドに対して接続されていることができる。
【0015】
更に、点灯装置は、用途特有のICを有することができ、この際、この用途特有のICは、マイクロコントローラの信号出力部と接続されており、その出力信号を、マルチLEDチップのLED光源を制御するための制御信号に変換するように構成されている。
【0016】
特に、出力電圧は、3Vと5Vの間、特に3.5Vと4.5Vの間の値をとることができる。
【0017】
更に、入力信号は、現在の光像並びに後続して放射すべき光像に関する情報を含み、それに基づき、前もって後続の光像の対応の目標作動電圧が、マイクロコントローラにより後続の光像への交換の時点に対して既に直接的にこの光像に適合する目標作動電圧を予設定するために、導き出されることができる。それにより、もしも例えば後続の光像がより高い目標作動電圧を要求し、移行中に、さもなければまだ短期的に、以前の光像の少なすぎる目標作動電圧が、より高い目標作動電圧が設定されるまでまだ印加しているであろう場合には、時間的なディレイを最小化することができ、特に放射において場合により必要な再調整を最小化することができる。
【0018】
特に、マイクロコントローラは、繰り返される光像のためにマルチLEDチップにより予設定された目標電圧値を保存し、そして光像の予設定に対応して保存された目標電圧値を、他の光像が予設定されるまでか、又はマルチLEDチップにより、保存された目標電圧値とは異なる、該当の光像のための目標電圧値が出力されるまで、前もって設定し且つ維持するように構成されていることができる。その後、保存された値は、上書きされ、変更された目標値が引き継がれる。保存された目標電圧値を呼び出すためには、例えばルックアップテーブルを使用することができる。それに加え又はそれに代わり、目標電圧値は、計算(カルキュレーション)を介して検出可能とすることもできる。
【0019】
目標電圧値が保存される、繰り返される光像は、例えば、x個の最も頻繁な光像、ないしこれらの光像に割り当てられた光機能とすることができ、この際、xは、自然数であり、3と20の間の値をとることができる。光機能としては、例えば、ロービーム機能、ハイビーム機能、パーキングライト機能、コーナリングライト機能などとすることができる。
【0020】
更に本発明は、本発明による点灯装置を含む自動車投光器に関する。
【0021】
同様に本発明は、本発明による点灯装置を含む及び/又は本発明による自動車投光器を含む自動車に関する。
【0022】
更に本発明は、点灯装置をエネルギー効率的に作動するための方法に関し、この際、点灯装置は、マルチLEDチップを含み、マルチLEDチップは、所定数のLED光源並びに所定数の調整要素を有し、各LED光源には、それぞれのLED光源の電流消費を調整するための直列接続された1つの調整要素が割り当てられており、当該調整要素とともに、調整可能なセクションを構成し、各LED光源は、個々に切替可能に構成されており、更に点灯装置は、電気的な制御ユニットを含み、電気的な制御ユニットは、電圧入力部と、フィードバック入力部と、電圧出力部とを備えたステップダウンコンバータ(バックコンバータ)、並びに信号入力部と信号出力部とを備えたマイクロコントローラを有し、ステップダウンコンバータは、電圧入力部に印加する入力直流電圧をより低い出力直流電圧に変換し、電圧出力部を介して出力するように構成されており、電圧出力部は、マルチLEDチップのセクションを給電するためにマルチLEDチップと接続されており、出力直流電圧の電圧値は、フィードバックループにより決定され、このフィードバックループでは、出力直流電圧の所定の電圧部分がフィードバック入力部に帰還され、帰還された電圧部分に依存して出力直流電圧が生じ、マイクロコントローラは、信号入力部を介して入力信号を受信し、出力信号に変換するように構成されており、この出力信号を用い、マルチLEDチップにより放射すべき光像が予設定可能であり、放射すべき各光像は、セクションの調整状態の構成形態(コンフィグレーション)と関連(相関)しており、また信号出力部は、出力信号を伝送するためにマルチLEDチップと接続されている。
【0023】
該方法は、以下のステップを含むこと:
a)マルチLEDチップにより出力信号を受信するステップ、
b)出力信号から、その都度放射すべき光像を導き出し、その光像に適合するセクションの調整状態を計算するステップ、
c)ステップbで検出された調整状態に基づき、調整要素の電圧損失を考慮のもと、各セクションのために必要な最小作動電圧を計算するステップ、
d)セクションの最小作動電圧のうちの最大の最小作動電圧を決定することにより目標作動電圧を検出するステップ、
e)目標作動電圧をマイクロコントローラに伝えるステップ、
f)伝えられた目標作動電圧に依存し、マイクロコントローラにより、フィードバック入力部への電圧部分の電圧帰還を操作(マニピュレート)し、それにより目標作動電圧だけが出力電圧として電圧出力部に出力されるステップ。
【0024】
本明細書で説明される点灯装置の全ての技術的な特徴は、もちろん、上記の方法においても実現され、またその逆も同様である。
【0025】
以下、図面に具体的に示された、例示であり限定を意図するものではない実施形態に基づき、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による点灯装置の例示の一実施形態を示す図である。
図2】本発明に使用可能な例示の一ステップダウンコンバータの概略図である。
図3a】点灯装置により生成可能な例示の一光像を示す図である。
図3b】点灯装置により生成可能な例示の一光像を示す図である。
図4】R2Rネットワークを有する本発明の例示の一実施形態を示す図である。
図5図4の実施形態への接続の示唆を含む、4つの切替ステージを有するR2Rネットワークの詳細図である。
図6図5の切替ステージの異なる切替状態に対する例示の出力電圧を示す図である。
【実施例0027】
添付の図では、特に明記しない限り、同じ参照番号は、同じ構成要素を示す。
【0028】
図1は、本発明による点灯装置1の例示の一実施形態の図を示している。点灯装置1は、マルチLEDチップ2を含み、マルチLEDチップ2は、所定数のLED光源2’並びに所定数の調整要素2”を有し、この際、各LED光源2’には、それぞれのLED光源2’の電流消費(電流受入分)を調整するための直列接続された1つの調整要素2”が割り当てられており、当該調整要素2”とともに、調整可能なセクション(回路部分)2a、2b、2cを構成する。各LED光源2’は、個々に切替可能に構成されている。このようにして複雑な光像を生成することができる。図1の図面では、3つのセクションだけが明示的に図示されている。この数は、基本的に任意に変更可能であり、当業者により、点灯装置1のそれぞれの使用目的に合わせ、それに対応して選択可能であることは、勿論である。
【0029】
更に点灯装置1は、電気的な制御ユニット3を含む。また制御ユニット3は、電圧入力部3aVinと、フィードバック入力部3aFBと、電圧出力部3aVoutとを備えたステップダウンコンバータ(バックコンバータ)3aを含む。更に制御ユニット3は、信号入力部3bSinと信号出力部3bSoutとを備えたマイクロコントローラ3bを含む。
【0030】
ステップダウンコンバータ3aは、電圧入力部3aVinに印加する入力直流電圧Vinをより低い出力直流電圧Voutに変換し、電圧出力部3aVoutを介して出力するように構成されている。そのようなステップダウンコンバータの一例が、図2に図示されている。更に図1を見ると、電圧出力部3aVoutは、マルチLEDチップ2のセクション2a、2b、2cを給電するためにマルチLEDチップ2と接続されていることが分かり、この際、直流出力電圧Voutの電圧値は、フィードバックループにより決定され、このフィードバックループでは、出力直流電圧Voutの所定の電圧部分Vfb(図2を参照)がフィードバック入力部3aFBに帰還され、帰還された電圧部分Vfbに依存して出力直流電圧Voutが生じる。
【0031】
マイクロコントローラ3bは、信号入力部3bSinを介して入力信号Sinを受信し、出力信号Soutに変換するように構成されている。入力信号Sinは、例えば車両の通信バスの制御装置から来て制御ユニット3に入力することができる。出力信号Soutは、マルチLEDチップ2により放射すべき光像4a、4bを予設定するために使用され、この際、放射すべき各光像4a、4b(図3a、3bを参照;”on”はLEDのオン状態、”off”はLEDのオフ状態を表す)は、セクション2a、2b、2cの調整状態の構成形態(コンフィグレーション)と関連(相関)しており、またこの際、信号出力部3bSoutは、出力信号Soutを伝送するためにマルチLEDチップ2と接続されている。信号伝送のためには、例えばバスシステム、特にCAN、GMSL、及び/又はLVDSのような様々な通信システムを使用することができる。
【0032】
更に、例えばマルチLEDチップ2における設定を行うため、又は状態パラメータを読み出すために、データインタフェース3bDatが設けられている。このデータインタフェース3bDatは、例えば、UART、SPI、又はI2Cインターフェイスを含むことができる。状態パラメータは、例えば温度パラメータ又は出力パラメータを含むことができる。データインタフェース3bDatは、有利には双方向データ通信を可能にし、それによりデータをマイクロコントローラ3bからマルチLEDチップ2に直接的に又は後述する回路6を介して間接的に伝送することができる。
【0033】
更にマルチLEDチップ2は、各光像4a、4b(図3a、3bを参照)のために、各光像4a、4bに適合するセクション2a、2b、2cの調整状態を導き出し、この際、活性化すべき及び活性化すべきでないセクション2a、2b、2cを区別し、各光像4a、4bのために導き出された調整状態から、活性化すべき各セクション2a、2b、2cのための調整要素2”の電圧損失を考慮のもと、必要な最小作動電圧Vmin2a、Vmin2b、Vmin2cを計算し、各光像4a、4bのための活性化すべきセクション2a、2b、2cの最小作動電圧Vmin2a、Vmin2b、Vmin2cの比較により、最大の最小作動電圧Vmin2a、Vmin2b、Vmin2cを検出するように構成されている。
【0034】
個々のセクションの必要な最小作動電圧は、例えばセクションの所定の部分領域における電圧測定に基づいて計算されることが可能である。その部分領域は、例えばLED光源2’自体か又は割り当てられた調整要素2”を含むことができる。
【0035】
またこの最大の最小作動電圧は、該当の光像のための目標作動電圧Vsollとして決定され、マイクロコントローラ3bに伝えられることが可能であり、マイクロコントローラ3bは、出力電圧Voutがこの目標作動電圧をとることをもたらす。そのためにマイクロコントローラ3bは、マルチLEDチップ2により伝えられた目標作動電圧Vsollに依存し、フィードバック入力部3aFBへの電圧部分Vfbの電圧帰還を、目標作動電圧Vsollだけが出力電圧Voutとして電圧出力部3aVoutに出力されるように操作(マニピュレート)する構成を有する。このようにして調整要素2”において過剰の電圧値が消費されなくてはならないことを回避することができる。それにより点灯装置1は、高められた効率を有する。この際、目標作動電圧Vsollは、マルチLEDチップ2からマイクロコントローラ3bに対し、別個のラインを介して伝送されるか、又はデータインタフェース3bDatを介して伝送される。またマイクロコントローラ3bが目標作動電圧Vsollを照会し、従って最大の最小作動電圧の検出をトリガすることも可能である。このことは、規則的な時間間隔で行われるか、又は有利には、新たに放射すべき光像4a、4bの予設定の後に又はそれと同時に、常に行われることが可能である。
【0036】
図3aと図3bは、本発明による点灯装置1の一実施形態により生成可能である例示の光像を示している。点灯装置1は、7行15列を含むマトリクス状で配設された所定数105のセクションを有する。つまり解像度は、7x15であり、光像の「ピクセル」の総数は105である。この際、図3aと図3bは、異なる配光を示している。両方の光像においては、全てのLED光源2’ないしセクションがオンにされているわけではない。異なる光像のために、通常は、異なる目標作動電圧が得られる。その理由は、例えば、マルチLEDチップ2の所定数のLED光源2’内の温度差又は製造許容誤差が挙げられる。
【0037】
図4は、R2Rネットワークを有する本発明の例示の一実施形態を示している。マイクロコントローラ3bは、フィードバック入力部3aFBへの電圧部分Vfbの電圧帰還を操作するために、マイクロコントローラ3bにより切替可能な抵抗器ネットワーク7と接続されており、この際、切替可能な抵抗器ネットワーク7は、フィードバック入力部3aFBと接続され、従って電圧部分Vfbの電圧帰還部と接続されている。この際、抵抗器ネットワーク7は、R2Rネットワークとして構成されている。
【0038】
また抵抗器ネットワーク7は、互いに且つ抵抗器RUに対して並列接続されている複数の抵抗器から構成されていることも可能であり、この際、それらの抵抗器の各抵抗器には、また抵抗器RUにも、電子的なスイッチ、例えばスイッチングトランジスタを割り当てることができ、このスイッチングトランジスタは、抵抗器ネットワーク内のそれぞれの抵抗器を活性化又は非活性化することができる。1つの抵抗器又は複数の抵抗器がそれぞれに割り当てられたスイッチングトランジスタにより非活性化されるのであれば、電圧部分Vfbの電圧帰還の操作が成される。この際、複数の抵抗器に割り当てられた複数のスイッチングトランジスタは、マイクロコントローラ3bにより制御されることが可能である。
【0039】
代替的にマイクロコントローラ3bは、フィードバック入力部3aFBへの電圧部分Vfbの電圧帰還を操作するために、調節可能な抵抗器と接続されていることが可能であり、この際、調節可能な抵抗器は、フィードバック入力部3aFBと接続され、従って電圧部分Vfbの電圧帰還部と接続されている。そのような調節可能な抵抗器は、有利には、マイクロコントローラ3bと接続されてるトランジスタとして構成されており、それによりトランジスタの抵抗値は、マイクロコントローラ3bを介して調節可能である。この際、調整可能な抵抗器は、抵抗器RUの代わりに使用されることが可能である。
【0040】
図5は、図4の実施形態への接続の示唆を含む、4つの切替ステージ(段)を有するR2Rネットワークの詳細図を示している。この際、R2Rネットワークは、4つの切替ステージS1、S2、S3、S4を有し、これらの切替ステージは、それぞれ、切替ステージS1、S2、S3、S4を制御するためのマイクロコントローラ3bと接続されており、この際、抵抗器ネットワークは、抵抗器RUに係合(作用するよう接続)し、グラウンドに対し並びに基準電圧URefに対して接続されている。
【0041】
そのような抵抗器ネットワークの技術的な機能について、ここで詳細には説明しないものとする。その技術的な機能は、当業者には十分知られている。マイクロコントローラ3bは、プッシュプル接続部を介し、R2Rネットワークの接続部(Bit0~Bit3ないしS1~S4)を、選択的に+5V又はGNDに設定し、そして出力電圧をRUに結合する。
【0042】
スイッチ位置S1~S4の組み合わせにより、全部で16の様々な状態を生じさせることができ、これらの状態は、フィードバック領域FBを介してステップダウンコンバータ3aにフィードバックされることが可能である。それにより出力電圧Voutは、図5によるそのような抵抗器ネットワークにより16ステージで操作可能である。
【0043】
出力電圧Voutないしその一部分は、分圧器8を介してフィードバック入力部3aFBにフィードバックされる。分圧器8は、グラウンドに対して接続されており、抵抗器ネットワーク7は、分圧器8の抵抗器ROと抵抗器RUの間の結合ポイントP(図4を参照)に係合し、また同様にグラウンドに対して接続されている。
【0044】
点灯装置1は、図1に従い、好ましくは、更に用途特有の集積回路(例えばASIC又はFPGA)6を有し、この際、この回路6は、マイクロコントローラ3bの信号出力部3bSoutと接続されており、その出力信号Soutを、マルチLEDチップ2のLED光源2’を制御するための制御信号Sa、Sb、Scに変換するように構成されている。
【0045】
出力電圧Voutは、例えば3Vと5Vの間、特に3.5Vと4.5Vの間の値をとることができる。
【0046】
有利には、入力信号Sinは、現在の光像4a、4b並びに後続して放射すべき光像4a、4bに関する情報を含み、それに基づき、前もって後続の光像4a、4bの対応の目標作動電圧Vsollが、マイクロコントローラ3bにより後続の光像4a、4bへの交換の時点に対して既に直接的にこの光像4a、4bに適合する目標作動電圧Vsollを予設定するために、導き出されることができる。それにより、もしも例えば後続の光像がより高い目標作動電圧Vsollを要求し、移行中に、さもなければまだ短期的に、以前の光像の少なすぎる目標作動電圧Vsollが、より高い目標作動電圧が設定されるまでまだ印加しているであろう場合には、時間的なディレイを最小化することができ、特に放射において場合により必要な再調整を最小化することができる。
【0047】
更にマイクロコントローラ3bは、繰り返される光像4a、4bのためにマルチLEDチップ2により予設定された目標電圧値Vsollを保存し、そして光像4a、4bの予設定に対応して保存された目標電圧値Vsaved(図1を参照)を、他の光像4a、4bが予設定されるまでか、又はマルチLEDチップ2により、保存された目標電圧値Vsavedとは異なる、該当の光像4a、4bのための目標電圧値Vsollが出力されるまで、前もって設定し且つ維持するように構成されていることができる。
【0048】
図6は、図5の切替ステージS1~S4の異なる切替状態に対する例示の出力電圧を示している。期間CにおいてR2Rネットワークは、作動しており、この際、全てのスイッチS1~S4は、アクティブであり、それにより切替入力部S1~S4において測定された電圧値は、それぞれURefの電圧値、ここでは例えば5Vの値を有する。このようにして結節ポイントP(図4を参照)の電位は、最大に上げられる。この際、フィードバック入力部3aFBへのフィードバックの接続により、出力電圧Voutは、最小値をとり、4.39Vの値を有する。期間Dにおいて、最低位ビット(ビット0とも呼ばれる)を表すスイッチS1が非アクティブとされる。それにより結節ポイントP(図4を参照)の電圧は、できるだけ小さい電圧ジャンプで上昇する。期間Eにおいて、期間Eの終わりで全てのスイッチS1~S4がオフにされているまで、残りのスイッチ組み合わせの全てが行われる。この際、5.24Vのかたちの最大の出力電圧が達成される。
【0049】
本発明は、更に本発明による点灯装置1を少なくとも1つ備えた自動車投光器を含む。更に本発明は、本発明による点灯装置1を少なくとも1つ及び/又は本発明による自動車投光器を少なくとも1つ備えた自動車を含む。
【0050】
更に本発明は、点灯装置1、特に上記の形式の点灯装置をエネルギー効率的に作動するための方法に関し、点灯装置1は、マルチLEDチップ2を含み、この際、マルチLEDチップ2は、所定数のLED光源2’並びに所定数の調整要素2”を有し、この際、各LED光源2’には、それぞれのLED光源2’の電流消費を調整するための直列接続された1つの調整要素2”が割り当てられており、当該調整要素2”とともに、調整可能なセクション2a、2b、2cを構成し、この際、各LED光源2’は、個々に切替可能に構成されており、更に点灯装置1は、電気的な制御ユニット3を含み、電気的な制御ユニット3は、電圧入力部3aVinと、フィードバック入力部3aFBと、電圧出力部3aVoutとを備えたステップダウンコンバータ(バックコンバータ)3a、並びに信号入力部3bSinと信号出力部3bSoutとを備えたマイクロコントローラ3bを有し、この際、ステップダウンコンバータ3aは、電圧入力部3aVinに印加する入力直流電圧Vinをより低い出力直流電圧Voutに変換し、電圧出力部3aVoutを介して出力するように構成されており、この際、電圧出力部3aVoutは、マルチLEDチップ2のセクション2a、2b、2cを給電するためにマルチLEDチップ2と接続されており、この際、出力直流電圧Voutの電圧値は、フィードバックループにより決定され、このフィードバックループでは、出力直流電圧Voutの所定の電圧部分Vfbがフィードバック入力部3aFBに帰還され、帰還された電圧部分Vfbに依存して出力直流電圧Voutが生じ、この際、マイクロコントローラ3bは、信号入力部3bSinを介して入力信号Sinを受信し、出力信号Soutに変換するように構成されており、この出力信号Soutを用い、マルチLEDチップ2により放射すべき光像4a、4bが予設定可能であり、この際、放射すべき各光像4a、4bは、セクション2a、2b、2cの調整状態の構成形態(コンフィグレーション)と関連(相関)しており、またこの際、信号出力部3bSoutは、出力信号Soutを伝送するためにマルチLEDチップ2と接続されている。
【0051】
本方法は、以下のステップを含む:
a)マルチLEDチップ2により出力信号Soutを受信するステップ、
b)出力信号Soutから、その都度放射すべき光像4a、4bを導き出し、その光像4a、4bに適合するセクション2a、2b、2cの調整状態を計算するステップ、
c)ステップbで検出された調整状態に基づき、調整要素2”の電圧損失を考慮のもと、各セクション2a、2b、2cのために必要な最小作動電圧Vmin2a、Vmin2b、Vmin2cを計算するステップ、
d)セクション2a、2b、2cの最小作動電圧Vmin2a、Vmin2b、Vmin2cのうちの最大の最小作動電圧を決定することにより目標作動電圧Vsollを検出するステップ、
e)目標作動電圧Vsollをマイクロコントローラ3bに伝えるステップ、
f)伝えられた目標作動電圧Vsollに依存し、マイクロコントローラ3bにより、フィードバック入力部3aFBへの電圧部分Vfbの電圧帰還を操作(マニピュレート)し、それにより目標作動電圧Vsollだけが出力電圧Voutとして電圧出力部3aVoutに出力されるステップ。
【0052】
本発明は、示された実施形態に限定されるものではなく、請求項の保護範囲全体により規定される。また本発明ないし実施形態の個々の構成要件を取り上げて、互いに組み合わせることもできる。請求項に付記された参照記号は、例示であり、請求項を限定することなく、単に請求項をより容易に分かりやすくするためのものである。
【0053】
尚、上記の特許文献ないし非特許文献の各開示は、それらの引用をもって本書に組み込まれているものとする。また本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、更にその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。更に本発明の全開示の枠内において、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。即ち本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想に従って当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0054】
1 点灯装置
2 マルチLEDチップ
2’ LED光源
2” 調整要素
2a セクション
2b セクション
2c セクション
3 制御ユニット
3a ダウンステップコンバータ
3aVin 電圧入力部
3aFB フィードバック入力部
3aVout 電圧出力部
3b マイクロコントローラ
3bSin 信号入力部
3bSout 信号出力部
3bDat データインタフェース
4a 光像
4b 光像
6 回路
7 抵抗器ネットワーク
8 分圧器

RO 抵抗器
RU 抵抗器
P 結節ポイント(ノード)
FB フィードバック領域

S1 切換ステージ/スイッチ
S2 切換ステージ/スイッチ
S3 切換ステージ/スイッチ
S4 切換ステージ/スイッチ

Vin 入力直流電圧
Vout 出力直流電圧
Vfb 電圧部分
Vsoll 目標作動電圧
Vsaved 保存された目標電圧値
Sin 入力信号
Sout 出力信号
Sa 制御信号
Sb 制御信号
Sc 制御信号
URef 基準電圧

A 期間
B 期間
C 期間
D 期間
E 期間
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点灯装置あって
- 前記点灯装置(1)は、マルチLEDチップ(2)を含み、前記マルチLEDチップ(2)は、所定数のLED光源(2’)並びに所定数の調整要素(2”)を有し、各前記LED光源(2’)には、それぞれの前記LED光源(2’)の電流消費を調整するための直列接続された1つの前記調整要素(2”)が割り当てられており、当該調整要素(2”)とともに、調整可能なセクション(2a、2b、2c)を構成し、各前記LED光源(2’)は、個々に切替可能に構成されており、
- 前記点灯装置(1)は、電気的な制御ユニット(3)を含み、電気的な前記制御ユニット(3)は、電圧入力部(3aVin)と、フィードバック入力部(3aFB)と、電圧出力部(3aVout)とを備えたステップダウンコンバータ(3a)、並びに信号入力部(3bSin)と信号出力部(3bSout)とを備えたマイクロコントローラ(3b)を有し、
前記ステップダウンコンバータ(3a)は、前記電圧入力部(3aVin)に印加する入力直流電圧(Vin)をより低い出力直流電圧(Vout)に変換し、前記電圧出力部(3aVout)を介して出力するように構成されており、前記電圧出力部(3aVout)は、前記マルチLEDチップ(2)の前記セクション(2a、2b、2c)を給電するために前記マルチLEDチップ(2)と接続されており、前記出力直流電圧(Vout)の電圧値は、フィードバックループにより決定され、前記フィードバックループでは、前記出力直流電圧(Vout)の所定の電圧部分(Vfb)が前記フィードバック入力部(3aFB)に帰還され、帰還された前記電圧部分(Vfb)に依存して前記出力直流電圧(Vout)が生じ、
前記マイクロコントローラ(3b)は、前記信号入力部(3bSin)を介して入力信号(Sin)を受信し、出力信号(Sout)に変換するように構成されており、前記出力信号(Sout)を用い、前記マルチLEDチップ(2)により放射すべき光像(4a、4b)が予設定可能であり、放射すべき各前記光像(4a、4b)は、前記セクション(2a、2b、2c)の調整状態の構成形態と関連しており、また前記信号出力部(3bSout)は、前記出力信号(Sout)を伝送するために前記マルチLEDチップ(2)と接続されている構成であり、
更に前記マルチLEDチップ(2)は、各前記光像(4a、4b)のために、各前記光像(4a、4b)に適合する前記セクション(2a、2b、2c)の前記調整状態を導き出し、活性化すべき及び活性化すべきでない前記セクション(2a、2b、2c)を区別し、各前記光像(4a、4b)のために導き出された前記調整状態から、活性化すべき各前記セクション(2a、2b、2c)のための前記調整要素(2”)の電圧損失を考慮のもと、必要な最小作動電圧計算し、各前記光像(4a、4b)のための活性化すべき前記セクション(2a、2b、2c)の前記最小作動電圧比較により、最大の前記最小作動電圧を検出し、該当の前記光像(4a、4b)のための目標作動電圧(Vsoll)として決定し、そして前記目標作動電圧(Vsoll)を前記マイクロコントローラ(3b)に伝えるように構成されており、前記マイクロコントローラ(3b)は、前記マルチLEDチップ(2)により伝えられた前記目標作動電圧(Vsoll)に依存し、前記フィードバック入力部(3aFB)への前記電圧部分(Vfb)の電圧帰還を、前記目標作動電圧(Vsoll)だけが出力電圧(Vout)として前記電圧出力部(3aVout)に出力されるように操作する構成を有すること、
を特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記マイクロコントローラ(3b)は、前記フィードバック入力部(3aFB)への前記電圧部分(Vfb)の電圧帰還を操作するために、前記マイクロコントローラ(3b)により切替可能な抵抗器ネットワーク()と接続されており、切替可能な前記抵抗器ネットワーク()は、前記フィードバック入力部(3aFB)と接続され、従って前記電圧部分(Vfb)の電圧帰還部と接続されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
前記抵抗器ネットワーク(7)は、R2Rネットワークとして構成されていること、
を特徴とする、請求項2に記載の点灯装置
【請求項4】
前記R2Rネットワークは、4つの切替ステージ(S1、S2、S3、S4)を有し、前記切替ステージ(S1、S2、S3、S4)は、それぞれ、前記切替ステージ(S1、S2、S3、S4)を制御するために前記マイクロコントローラ(3b)と接続されていること、
を特徴とする、請求項3に記載の点灯装置
【請求項5】
前記出力電圧(Vout)は、分圧器(8)を介して前記フィードバック入力部(3aFB)に帰還されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の点灯装置
【請求項6】
前記分圧器(8)は、グラウンドに対して接続されており、前記抵抗器ネットワーク(7)は、前記分圧器(8)の抵抗器(RO、RU)の間の結節ポイント(P)に係合し、また同様にグラウンドに対して接続されていること、
を特徴とする、請求項5に記載の点灯装置
【請求項7】
前記点灯装置(1)は、更に用途特有のIC(6)を有し、用途特有の前記IC(6)は、前記マイクロコントローラ(3b)の前記信号出力部(3bSout)と接続されており、前記出力信号(Sout)を、前記マルチLEDチップ(2)の前記LED光源(2’)を制御するための制御信号(Sa、Sb、Sc)に変換するように構成されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の点灯装置
【請求項8】
前記出力電圧(Vout)は、3Vと5Vの間、又は3.5Vと4.5Vの間の値をとること、
を特徴とする、請求項1に記載の点灯装置
【請求項9】
前記入力信号(Sin)は、現在の前記光像(4a、4b)並びに後続して放射すべき前記光像(4a、4b)に関する情報を含み、それに基づき、前もって後続の前記光像(4a、4b)の対応の前記目標作動電圧(Vsoll)が、前記マイクロコントローラ(3b)により後続の前記光像(4a、4b)への交換の時点に対して既に直接的にこの前記光像(4a、4b)に適合する前記目標作動電圧(Vsoll)を予設定するために、導き出されること、
を特徴とする、請求項1に記載の点灯装置
【請求項10】
前記マイクロコントローラ(3b)は、繰り返される前記光像(4a、4b)のために前記マルチLEDチップ(2)により予設定された目標電圧値(Vsoll)を保存し、そして前記光像(4a、4b)の予設定に対応して保存された目標電圧値(Vsaved)を、他の前記光像(4a、4b)が予設定されるまでか、又は前記マルチLEDチップ(2)により、保存された目標電圧値(Vsaved)とは異なる、該当の前記光像(4a、4b)のための目標電圧値(Vsoll)が出力されるまで、前もって設定し且つ維持するように構成されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の点灯装置
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の点灯装置含む自動車投光器。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の点灯装置含む自動車。
【請求項13】
請求項11に記載の自動車投光器を含む自動車。
【請求項14】
点灯装置エネルギー効率的に作動するための方法であって
- 前記点灯装置(1)は、マルチLEDチップ(2)を含み、前記マルチLEDチップ(2)は、所定数のLED光源(2’)並びに所定数の調整要素(2”)を有し、各前記LED光源(2’)には、それぞれの前記LED光源(2’)の電流消費を調整するための直列接続された1つの前記調整要素(2”)が割り当てられており、当該調整要素(2”)とともに、調整可能なセクション(2a、2b、2c)を構成し、各前記LED光源(2’)は、個々に切替可能に構成されており、
- 前記点灯装置(1)は、電気的な制御ユニット(3)を含み、電気的な前記制御ユニット(3)は、電圧入力部(3aVin)と、フィードバック入力部(3aFB)と、電圧出力部(3aVout)とを備えたステップダウンコンバータ(3a)、並びに信号入力部(3bSin)と信号出力部(3bSout)とを備えたマイクロコントローラ(3b)を有し、
前記ステップダウンコンバータ(3a)は、前記電圧入力部(3aVin)に印加する入力直流電圧(Vin)をより低い出力直流電圧(Vout)に変換し、前記電圧出力部(3aVout)を介して出力するように構成されており、前記電圧出力部(3aVout)は、前記マルチLEDチップ(2)の前記セクション(2a、2b、2c)を給電するために前記マルチLEDチップ(2)と接続されており、前記出力直流電圧(Vout)の電圧値は、フィードバックループにより決定され、前記フィードバックループでは、前記出力直流電圧(Vout)の所定の電圧部分(Vfb)が前記フィードバック入力部(3aFB)に帰還され、帰還された前記電圧部分(Vfb)に依存して前記出力直流電圧(Vout)が生じ、
前記マイクロコントローラ(3b)は、前記信号入力部(3bSin)を介して入力信号(Sin)を受信し、出力信号(Sout)に変換するように構成されており、前記出力信号(Sout)を用い、前記マルチLEDチップ(2)により放射すべき光像(4a、4b)が予設定可能であり、放射すべき各前記光像(4a、4b)は、前記セクション(2a、2b、2c)の調整状態の構成形態と関連しており、また前記信号出力部(3bSout)は、前記出力信号(Sout)を伝送するために前記マルチLEDチップ(2)と接続されている構成であり、
前記方法は、以下のステップを含むこと:
a)前記マルチLEDチップ(2)により前記出力信号(Sout)を受信するステップ、
b)前記出力信号(Sout)から、その都度放射すべき前記光像(4a、4b)を導き出し、その前記光像(4a、4b)に適合する前記セクション(2a、2b、2c)の前記調整状態を計算するステップ、
c)ステップbで検出された前記調整状態に基づき、前記調整要素(2”)の電圧損失を考慮のもと、各前記セクション(2a、2b、2c)のために必要な最小作動電圧計算するステップ、
d)前記セクション(2a、2b、2c)の前記最小作動電圧うちの最大の前記最小作動電圧を決定することにより目標作動電圧(Vsoll)を検出するステップ、
e)前記目標作動電圧(Vsoll)を前記マイクロコントローラ(3b)に伝えるステップ、
f)伝えられた前記目標作動電圧(Vsoll)に依存し、前記マイクロコントローラ(3b)により、前記フィードバック入力部(3aFB)への前記電圧部分(Vfb)の電圧帰還を操作し、それにより前記目標作動電圧(Vsoll)だけが出力電圧(Vout)として前記電圧出力部(3aVout)に出力されるステップ、
を特徴とする方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【外国語明細書】