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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006864
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】気密性検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/04 20060101AFI20240110BHJP
   G01M 3/20 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G01M3/04 H
G01M3/20 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163909
(22)【出願日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】111124620
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521457088
【氏名又は名称】易碼電控股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHIPMAST AUTOTRONIX CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】5F., N0. 159, Xianzheng 9th Rd., Zhubei City, Hshinchu Country 302, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】郭宏達
(72)【発明者】
【氏名】李其儒
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA37
2G067BB02
2G067BB03
2G067BB04
2G067BB30
2G067CC04
2G067CC13
2G067DD02
2G067DD17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】機器の設置コスト及び操作コストが低く、且つ検査速度が速い気密性検査システムを提供する。
【解決手段】被検バルブ部材について気密検査を行うための気密性検査システムであって、被検バルブ部材は第1の側と第2の側を含む。気密性検査システム1は、圧縮空気源14、特殊ガス源15及び特殊ガスセンサを含む。圧縮空気源14は、圧縮空気を提供するために用いられる。特殊ガス源15は、特殊ガスを提供するために用いられる。且つ、特殊ガスの成分は圧縮空気の主成分と異なっている。圧縮空気源14及び特殊ガス源15は第1の側に接続される。特殊ガスセンサは、第2の側に接続されて、特殊ガスの濃度を検知するために用いられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検バルブ部材について気密検査を行うための気密性検査システムであって、
前記被検バルブ部材は第1の側と第2の側を含み、前記気密性検査システムは、
圧縮空気を提供するための圧縮空気源と、
特殊ガスを提供するための特殊ガス源であって、前記特殊ガスの成分が前記圧縮空気の主成分と異なっており、前記圧縮空気源及び前記特殊ガス源が前記第1の側に接続される特殊ガス源と、
前記第2の側に接続されて、前記特殊ガスの濃度を検知するために用いられる特殊ガスセンサ、を含むシステム。
【請求項2】
更に、
中央部に前記被検バルブ部材の前記第1の側が接続される吸気側接続管路と、
中央部に前記被検バルブ部材の前記第2の側が接続される排気側接続管路と、
前記吸気側接続管路の入口端に接続される第1開閉弁、及び、前記吸気側接続管路の出口端に接続される第2開閉弁と、
前記排気側接続管路の入口端に接続される第3開閉弁、及び、前記排気側接続管路の出口端に接続される第4開閉弁、を含み、
前記特殊ガスセンサは、第1特殊ガスセンサ及び第2特殊ガスセンサを含み、前記第2特殊ガスセンサは、前記排気側接続管路に設置されており、且つ前記第2の側と前記第4開閉弁の間に位置し、前記第1特殊ガスセンサは、前記吸気側接続管路に設置されており、且つ前記第1の側と前記第2開閉弁の間に位置する請求項1に記載の気密性検査システム。
【請求項3】
更に、ガス混合器を含み、前記圧縮空気源及び前記特殊ガス源は、前記ガス混合器を介して前記第1開閉弁及び前記第3開閉弁に接続されて、前記吸気側接続管路の前記入口端及び前記排気側接続管路の前記入口端に接続される請求項2に記載の気密性検査システム。
【請求項4】
前記特殊ガスは、大気の主成分とは異なるガスである請求項2に記載の気密性検査システム。
【請求項5】
前記特殊ガスは、二酸化炭素、一酸化炭素、ヘリウムガス、又は、揮発性物質の揮発により形成される蒸気である請求項4に記載の気密性検査システム。
【請求項6】
更に、密封治具を含み、前記密封治具は、前記被検バルブ部材の外形と一致する空洞を有し、前記被検バルブ部材を被覆して密封するために用いられる請求項2に記載の気密性検査システム。
【請求項7】
前記吸気側接続管路及び前記排気側接続管路は、前記密封治具に部分的に埋設される管路であり、且つ、これらの接続口は前記第1の側及び前記第2の側に対応している請求項6に記載の気密性検査システム。
【請求項8】
前記密封治具は上治具及び下治具を含み、前記上治具及び前記下治具は、それぞれ、結合されて前記空洞を形成する半空洞を有し、且つ、前記吸気側接続管路及び排気側接続管路は前記下治具に部分的に埋設される請求項7に記載の気密性検査システム。
【請求項9】
正圧試験では、前記第2開閉弁及び前記第3開閉弁が閉止され、前記第1開閉弁及び前記第4開閉弁が開放される請求項2に記載の気密性検査システム。
【請求項10】
負圧試験では、前記第1開閉弁及び前記第4開閉弁が閉止され、前記第2開閉弁及び前記第3開閉弁が開放される請求項2に記載の気密性検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ製品の検査に関し、特に、特殊ガスを検出対象とする気密性検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、バルブ製品を検査する機器では、圧縮空気を使用してシミュレーションを行っている。試験圧力は、模擬環境と類似させるために、数百バール(Bars)まで上昇させねばならないことがあり、且つ、高価なガス感受性テスターで漏洩圧力を判読せねばならない。この場合、圧力式の判読法を用いるため、漏洩圧力が安定状態になるまで一定の時間待機したあとようやく試験を実施可能となり、且つ、その結果からバルブの密封性を判定する。
【0003】
しかし、このような周知の試験方式には多くの欠点が存在する。第一に、シミュレーション方式で試験を実施することから、被験物が密封性の測定を単一目標とする場合であっても、検査システムは危険な高圧容器及び高圧ガス源環境を同様に使用せねばならない。高圧作業は労災リスクを有するほか、機器コストやメンテナンス費用も比較的高額となる。第二に、周知の技術で採用している方法は、一定時間後の漏洩ガスの圧力を測定するというものである。しかし、この場合には、漏洩が合理的な分解能の圧力に達するまで一定時間待機して安定させる必要があり、この時間の無駄が人時コストを増加させる。最後に、上記の周知の試験方式ではガス感受性テスターを使用せねばならないが、ガス感受性テスターは貴重な計器に相当するため、前記検査機器の価格やコストが高騰してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術に存在する課題を解決するために、本発明は、機器の設置コスト及び操作コストが低く、且つ検査速度が速い気密性検査システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、被検バルブ部材について気密検査を行うための気密性検査システムを提供する。前記被検バルブ部材は第1の側と第2の側を含む。気密性検査システムは、圧縮空気源、特殊ガス源及び特殊ガスセンサを含む。圧縮空気源は、圧縮空気を提供するために用いられる。特殊ガス源は、特殊ガスを提供するために用いられる。且つ、前記特殊ガスの成分は前記圧縮空気の主成分と異なっている。前記圧縮空気源及び前記特殊ガス源は前記第1の側に接続される。特殊ガスセンサは、前記第2の側に接続されて、前記特殊ガスの濃度を検知するために用いられる。
【0006】
少なくとも一実施例において、気密性検査システムは、更に、吸気側接続管路、排気側接続管路、第1開閉弁、第2開閉弁、第3開閉弁及び第4開閉弁を含む。前記被検バルブ部材の前記第1の側は前記吸気側接続管路の中央部に接続される。前記被検バルブ部材の前記第2の側は前記排気側接続管路の中央部に接続される。前記第1開閉弁は前記吸気側接続管路の入口端に接続され、前記第2開閉弁は前記吸気側接続管路の出口端に接続される。第3開閉弁は前記排気側接続管路の入口端に接続され、前記第4開閉弁は前記排気側接続管路の出口端に接続される。前記特殊ガスセンサは、第1特殊ガスセンサ及び第2特殊ガスセンサを含む。前記第2特殊ガスセンサは、前記排気側接続管路に設置されており、且つ前記第2の側と前記第4開閉弁の間に位置する。前記第1特殊ガスセンサは、前記吸気側接続管路に設置されており、且つ前記第1の側と前記第2開閉弁の間に位置する。
【0007】
少なくとも一実施例において、気密性検査システムは、更に、ガス混合器を含む。前記圧縮空気源及び前記特殊ガス源は、前記ガス混合器を介して前記第1開閉弁及び前記第3開閉弁に接続されて、前記吸気側接続管路の前記入口端及び前記排気側接続管路の前記入口端に接続される。
【0008】
少なくとも一実施例において、前記特殊ガスは、大気の主成分とは異なるガスである。
【0009】
少なくとも一実施例において、前記特殊ガスは、二酸化炭素、一酸化炭素、ヘリウムガス、又は、揮発性物質の揮発により形成される蒸気である。
【0010】
少なくとも一実施例において、気密性検査システムは、更に、密封治具を含む。前記密封治具は、前記被検バルブ部材の外形と一致する空洞を有し、前記被検バルブ部材を被覆して密封するために用いられる。
【0011】
少なくとも一実施例において、前記吸気側接続管路及び前記排気側接続管路は、前記密封治具に部分的に埋設される管路であり、且つ、これらの接続口は前記第1の側及び前記第2の側に対応している。
【0012】
少なくとも一実施例において、前記密封治具は上治具及び下治具を含む。前記上治具及び前記下治具は、それぞれ、結合されて前記空洞を形成する半空洞を有する。且つ、前記吸気側接続管路及び排気側接続管路は前記下治具に部分的に埋設される。
【0013】
少なくとも一実施例において、正圧試験では、前記第2開閉弁及び前記第3開閉弁が閉止され、前記第1開閉弁及び前記第4開閉弁が開放される。
【0014】
少なくとも一実施例において、負圧試験では、前記第1開閉弁及び前記第4開閉弁が閉止され、前記第2開閉弁及び前記第3開閉弁が開放される。
【発明の効果】
【0015】
特殊ガスを検出対象/マーカーとして使用することで、本発明は、バルブ製品を検査する機器のコストを効果的に低下させるとともに、検査効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施例における気密性検査システムの断面の分解図である。
図2図2は、本発明の実施例における気密性検査システムの断面図である。
図3図3は、本発明の実施例における気密性検査システムの断面図であり、ガス経路を示している。
図4図4は、本発明の実施例における気密性検査システムの断面図であり、別のガス経路を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明における気密性検査システム1の実施例の概略構造図である図1及び図2を参照する。図1に示すように、被検バルブ部材30は気密性検査システム1に配置される。被検バルブ部材30は、吸気側31及び排気側32を含む。例えば逆止弁といった被検バルブ部材30の用途の違いによって、吸気側31から排気側32への気密性(漏気していない場合の圧力差)は、排気側32から吸気側31への場合とは異なる。そこで、本発明は、正圧試験及び背圧試験を提供することで、両方向の気密性を試験可能とする。
【0018】
図1及び図2に示すように、気密性検査システム1は、吸気側接続管路11、排気側接続管路12、第1開閉弁131、第2開閉弁132、第3開閉弁133、第4開閉弁134、圧縮空気源14、特殊ガス源15、第1特殊ガスセンサ161及び第2特殊ガスセンサ162を含む。
【0019】
図1及び図2に示すように、被検バルブ部材30の吸気側31は吸気側接続管路11の中央部に接続され、被検バルブ部材30の排気側32は排気側接続管路12の中央部に接続される。また、第1開閉弁131は吸気側接続管路11の入口端に接続され、第2開閉弁132は吸気側接続管路11の出口端に接続される。また、第3開閉弁133は排気側接続管路12の入口端に接続され、第4開閉弁134は排気側接続管路12の出口端に接続される。
【0020】
図1及び図2に示すように、圧縮空気源14及び特殊ガス源15は、ガス混合器17を介して第1開閉弁131及び第3開閉弁133に接続されて、吸気側接続管路11の入口端及び排気側接続管路12の入口端に接続される。
【0021】
本発明の気密性検査システム1は、主に、2つのガス源(それぞれ、圧縮空気源14及び特殊ガス源15)からなる。
【0022】
圧縮空気源14は、圧縮空気を提供するために用いられる。圧縮空気は、取得しやすく低コストであり、且つ、大気成分が一定している(主に、一定比率の酸素ガス及び窒素ガスからなる)ほか、特殊ガスとの区別も容易である。例えば、試験場所にエアコンプレッサを直接架設し、フィルタを通じて大気を直接引き込んで圧縮すれば、圧縮空気を取得可能である。実際には、圧縮空気源14をエアコンプレッサのガスタンクとすることができる。
【0023】
特殊ガス源15は、特殊ガスを提供するために用いられる。特殊ガスは、大気の主成分とは異なるガスか、大気中の含有量(濃度)が低いガスである。特殊ガスは、漏洩検出対象/検出マーカーとして用いられる。つまり、特殊ガスの含有量(濃度)のみを検出すればよく、圧力の変化や圧縮空気中の成分を検出する必要はない。特殊ガスは、大気中の含有量が低く、且つ検出しやすいガスとすればよい。例えば、通常、二酸化炭素は、大気中の含有量がそれほど高くはなく、取得コストも低い。且つ、二酸化炭素検出器は機器コストが比較的低い。よって、二酸化炭素を特殊ガスとしてもよい。特殊ガスの選択にあたっては、主に大気の主成分である窒素ガスと酸素ガスを排除する。従って、特殊ガスは、二酸化炭素、一酸化炭素又はヘリウムガス等とすればよい。上述したように、二酸化炭素はコストが低く、且つセンサのコストも低いため、特殊ガスとして最適である。ただし、その他のガスを排除するわけではない。実行可能な実施例において、特殊ガスは揮発性物質により提供してもよい。例えば、アルコールの揮発により形成されるアルコール蒸気を特殊ガスとする。且つ、特殊ガス源15内に、例えば蒸気発生器又はヒータを設置することで、揮発により特殊ガスを発生させる。
【0024】
ガス混合器17は、適切な定量比率で圧縮空気と特殊ガスを混合し、混合ガスを生成するために用いられる。例えば、二酸化炭素を特殊ガスとする場合には、通常大気中の二酸化炭素の含有量を基準として、前記含有量よりも高い二酸化炭素の濃度を設定し、圧縮空気と二酸化炭素を混合すればよい。
【0025】
図1及び図2に示すように、第2特殊ガスセンサ162は、排気側接続管路12に設置されており、且つ、排気側32と第4開閉弁134の間に位置している。また、第1特殊ガスセンサ161は、吸気側接続管路11に設置されており、且つ、吸気側31と第2開閉弁132の間に位置している。
【0026】
図1及び図2に示すように、第1特殊ガスセンサ161及び第2特殊ガスセンサ162は、混合ガス中の特殊ガスの濃度を検知するために用いられる。第1特殊ガスセンサ161及び第2特殊ガスセンサ162のデータ伝送ユニット18は、特殊ガスの濃度を有線又は無線方式でホストに伝送可能である。これにより、直ちに濃度の変化を監視することで、特殊ガスの濃度の変化から、被検バルブ部材30の密封能力を推定する。
【0027】
図1及び図2に示すように、被検バルブ部材30は、挟持方式で密封されるとともに、迅速に試験用管路に接続可能である。具体的実施例において、気密性検査システム1は密封治具19を更に含む。密封治具19は、被検バルブ部材30の外形と一致する空洞を有し、被検バルブ部材30を被覆して密封するために用いられる。吸気側接続管路11、排気側接続管路12は、密封治具19に部分的に埋設される管路としてもよく、且つ、接続口が被検バルブ部材30の吸気側31及び排気側32に対応している。そのため、被検バルブ部材30を密封治具19内に密封するのと同時に、吸気側31及び排気側32を吸気側接続管路11及び排気側接続管路12に接続することも可能である。
【0028】
図1及び図2に示すように、密封治具19は、上治具191及び下治具192を含む。上治具191及び下治具192は、それぞれ、結合されて上記の空洞を形成する半空洞193、194を有している。まず、被検バルブ部材30の下半部を下治具192の半空洞194に装入してから、上治具191を下治具192に結合することで、密封治具19で被検バルブ部材30を被覆し、密封すればよい。前記吸気側接続管路11及び排気側接続管路12は、下治具192における被検バルブ部材30の吸気側31及び排気側32の位置に基づいて、下治具192に部分的に埋設可能である。こうすることで、密封治具19は被検バルブ部材30の迅速な交換を達成し得るため、試験作業の進行に都合がよい。説明すべき点として、各部品及び要素の符号を表示しやすいよう、図2の上治具191及び下治具192は断面線の記載を省略している。しかし、実際には、図2に示す上治具191及び下治具192はそれらの断面である。
【0029】
図3及び図4に示すように、本発明は、正圧試験及び背圧試験を提供することで、両方向の気密性を試験可能とする。2つのガス源における圧縮空気と特殊ガスは、それぞれ管路を通じてガス混合器17に流れ込む。ガス混合器17は、定量方式で2種類のガスを混合する。混合比率には、1.被検製品のタイプ、2.測定圧力、3.測定時間の3点が関係する。混合後に、圧縮ガスは検出管路から被検バルブ部材30に導入される。また、正圧試験と背圧試験の違いによって、ガス経路A及びBも異なる。
【0030】
図3は、正圧試験の実行過程を示している。正圧試験では、第2開閉弁132及び第3開閉弁133が閉止され、第1開閉弁131及び第4開閉弁134が開放される。このとき、ガス経路Aは、ガス混合器17から被検バルブ部材30の吸気側31まで接続され、続いて、被検バルブ部材30の排気側32から、開放された第4開閉弁134まで接続されて、排気側接続管路12の出口端に接続される。第1開閉弁131を開放することで、ガス混合器17は、混合ガスを被検バルブ部材30の吸気側31まで搬送する。このとき、被検バルブ部材30が漏気していれば、第1特殊ガスセンサ161が特殊ガスを検知し得る。この場合、データ伝送ユニット18がガス混合器17から搬送された混合ガスの圧力を同時に記録するだけで、被検バルブ部材30の正圧密閉能力を取得可能である。
【0031】
図4は、負圧試験の実行過程を示している。被検バルブ部材30の負圧密閉能力は、正圧密閉能力よりも優れている可能性がある。例えば、逆止弁の負圧密閉能力は正圧密閉能力よりも高い場合がある。混合ガスの圧力が負圧試験において被検バルブ部材30の漏洩を引き出すのに不十分であるとの事態を回避するために、本発明の気密性検査システム1は、更に、第2開閉弁132を介して吸気側接続管路11の出口端に接続されて、吸気側接続管路11の出口端で吸気することで負圧を提供する真空ポンプ20を含む。
【0032】
図4に示すように、負圧試験では、第1開閉弁131及び第4開閉弁134が閉止され、第2開閉弁132及び第3開閉弁133が開放される。このとき、ガス経路Bは、ガス混合器17から被検バルブ部材30の排気側32まで接続され、続いて、被検バルブ部材30の吸気側31から、開放された第2開閉弁132まで接続される。そして、吸気側接続管路11の出口端に接続されてから、最後に真空ポンプ20に接続される。第3開閉弁133を開放することで、ガス混合器17は、混合ガスを被検バルブ部材30の排気側32まで搬送する。且つ、真空ポンプ20が吸気することで、排気側32から吸気側31への圧力差を増大させる。このとき、被検バルブ部材30が漏気していれば、第2特殊ガスセンサ162が特殊ガスを検知し得る。この場合、データ伝送ユニット18がガス混合器17から搬送された混合ガスの圧力と、真空ポンプ20が別途提供した圧力差を同時に記録するだけで、被検バルブ部材30の負圧密閉能力を取得可能である。
【0033】
上記の技術手段に基づき、本発明における気密性検査システム1の実施例の技術手段は以下のようにまとめることができる。被検バルブ部材30は第1の側と第2の側を含む。第1の側と第2の側の配置は、第1の側を吸気側31、第2の側を排気側32としてもよい。或いは、第1の側を排気側32、第2の側を吸気側31とする。気密性検査システム1は、ガス混合器17及び開閉弁を介して第1の側に接続される圧縮空気源14及び特殊ガス源15を含む。また、特殊ガスセンサが第2の側に接続される。混合ガスは、ガス混合器17及び開閉弁を介して第1の側まで搬送される。特殊ガスセンサにより特殊ガスの濃度を検知することで、第1の側から第2の側への気密効果を検出可能である。第1の側から第2の側への圧力差を余分に上昇させたい場合には、負圧を提供する真空ポンプを第2の側に更に接続すればよい。
【0034】
特殊ガスを検出対象/マーカーとして使用することで、本発明は、バルブ製品を検査する機器のコストを効果的に低下させるとともに、検査効率を向上させる。
【0035】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。即ち、本発明の特許請求の範囲で記載する形状、構造、特徴及び精神に基づいてなされる均等な変形及び補足は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
1 気密性検査システム
11 吸気側接続管路
12 排気側接続管路
131 第1開閉弁
132 第2開閉弁
133 第3開閉弁
134 第4開閉弁
14 圧縮空気源
15 特殊ガス源
161 第1特殊ガスセンサ
162 第2特殊ガスセンサ
17 ガス混合器
18 データ伝送ユニット
19 密封治具
191 上治具
192 下治具
193,194 半空洞
20 真空ポンプ
30 被検バルブ部材
31 吸気側
32 排気側
A ガス経路
B ガス経路
図1
図2
図3
図4