(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068649
(43)【公開日】2024-05-20
(54)【発明の名称】薄板ばね電気コンタクト用のハウジングおよびハウジングを備えるコンタクトアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/15 20060101AFI20240513BHJP
【FI】
H01R13/15 A
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023189138
(22)【出願日】2023-11-06
(31)【優先権主張番号】10 2022 129 423.4
(32)【優先日】2022-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ローザン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィリ ディートリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ゼンケ ザックス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】薄板ばねコンタクト用のハウジングをより信頼性の高いものにする。
【解決手段】本発明は、例えばピンコンタクトを挿入するように設計された薄板ばね電気コンタクト(2)用のハウジング(1)であって、ハウジング(1)は、薄板ばねコンタクト(2)をハウジング(1)の長手方向に沿って挿入することができる薄板ばねコンタクト用レセプタクルを有し、ハウジング(1)は、2つの側壁であって、隣接する側で薄板ばねコンタクト用レセプタクルを画定し、長手方向に沿って延び、かつ互いに対して角度を成す、側壁と、薄板ばねコンタクト(2)のばね部(19)を支持する支持ばね(12)であって、支持ばね(12)は、一方の側壁から他方の側壁へ延びる、支持ばねとを備えるハウジングに関する。
【選択図】
図2b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えばピンコンタクトまたはタブコンタクトを挿入するように設計された薄板ばね電気コンタクト(2)用のハウジング(1)であって、
前記ハウジング(1)は、前記薄板ばねコンタクト(2)を前記ハウジング(1)の長手方向(L)に沿って挿入することができる薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)を有し、
前記ハウジング(1)は、
2つの側壁(6、8)であって、隣接する側(6、8)で前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)を画定し、前記長手方向(L)に沿って延び、かつ互いに対して角度を成す、側壁(6、8)と、
前記薄板ばねコンタクト(2)のばね部(19)を支持する支持ばね(12)であって、前記支持ばね(12)は一方の前記側壁(6)から他方の前記側壁(8)へ延びる、支持ばね(12)と
を備える、
ハウジング(1)。
【請求項2】
前記支持ばね(12)は、前記側壁(6、8)の材料から形成されている、
請求項1に記載のハウジング(1)。
【請求項3】
前記支持ばね(12)は、ばね舌部として構成されている、
請求項1または2に記載のハウジング(1)。
【請求項4】
前記2つの側壁(6、8)が隣接して前記ハウジング(1)の縁部(7)を形成し、前記支持ばね(12)は、前記縁部(7)の周りに延び、同様に縁部(7a)を形成する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のハウジング(1)。
【請求項5】
前記支持ばね(12)は、基部(13)を介して前記一方の側壁(6)に接続され、前記支持ばね(12)の自由端(16)は、前記他方の側壁(8)の平面に位置する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のハウジング(1)。
【請求項6】
前記支持ばね(12)は、前記自由端(16)に向かってテーパ状である、
請求項5に記載のハウジング(1)。
【請求項7】
前記支持ばね(12)は、屈曲部(21)を有し、前記屈曲部(21)と前記自由端(16)との間に、前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に向かって湾曲して突出する支持部(23)を有する、
請求項5または6に記載のハウジング(1)。
【請求項8】
前記支持ばね(12)は、前記支持ばねのばね剛性を低下させるために、前記屈曲部(21)に切欠きおよび/または溝を有する、
請求項7に記載のハウジング(1)。
【請求項9】
前記支持ばね(12)の前記自由端(16)は、複数の隣接する突出部(25a、25b)に分割されている、
請求項1から8のいずれか一項に記載のハウジング(1)。
【請求項10】
前記ハウジングはさらなる支持ばね(12b)を有する、
請求項1から9のいずれか一項に記載のハウジング(1)。
【請求項11】
前記さらなる支持ばね(12b)の長さが、前記支持ばね(12、12a)の長さよりも短い、
請求項10に記載のハウジング(1)。
【請求項12】
前記ハウジング(1)は、前記一方の側壁とは反対の第3の側壁を有し、前記さらなる支持ばね(12b)は、前記第3の側壁から前記他方の側壁(8)へ延びる、
請求項10または11に記載のハウジング(1)。
【請求項13】
前記2つの支持ばね(12a、12b)の自由端(16)が、前記長手方向(L)に対して横断方向(B)に沿って互いにずれ、または前記支持ばね(12a、12b)の前記自由端(16)は、前記長手方向(L)において互いに前後に位置決めされている、
請求項10から12のいずれか一項に記載のハウジング(1)。
【請求項14】
前記支持ばね(12)は、溶接窓(24)を有し、レーザビーム溶接によって、前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に挿入可能な薄板ばねコンタクト(2)に接続されるように設計されている、
請求項1から13のいずれか一項に記載のハウジング(1)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のハウジング(1)と、
前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に配置され、かつ前記支持ばね(12、12a、12b)によって支持された薄板ばね(18、20)を有する薄板ばねコンタクト(2)と
を備える、
コンタクトアセンブリ(17)。
【請求項16】
前記薄板ばね(18、20)は、前記支持ばね(12)の支持部(23)で前記ハウジング(1)に溶接されている、
請求項15に記載のコンタクトアセンブリ(17)。
【請求項17】
前記支持ばね(12)および前記薄板ばね(18)はそれぞれ、連続する部分を前記長手方向(L)に有し、
前記連続する部分は、前記長手方向(L)に対して横断方向および前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に向かう方向に突出ならびに/または後退し、前記薄板ばね(18)が前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に完全に挿入されたときに互いに係合する、
請求項15または16に記載のコンタクトアセンブリ(17)。
【請求項18】
前記支持ばね(12)および前記薄板ばね(18)はそれぞれ、凸状または凹状領域を有し、
前記薄板ばね(18)が前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に完全に挿入されたときに、前記支持ばね(12)および前記薄板ばね(18)の前記凸状または凹状領域は、互いに形状嵌合で係合する、
請求項15または16に記載のコンタクトアセンブリ(17)。
【請求項19】
前記支持ばね(12)および前記薄板ばね(18)はそれぞれ、平面平行端部領域(14)を有し、
前記薄板ばね(18)が前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に完全に挿入されたときに、前記支持ばねの前記端部領域(14)は、前記薄板ばねの前記端部領域に接触し、前記支持ばね(12)は、前記端部領域(14)で、前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に向かって、前記長手方向(L)に対して横断方向に曲げられている、
請求項15から17のいずれか一項に記載のコンタクトアセンブリ(17)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄板ばね電気コンタクト(electrical lamella spring contact)用のハウジングに関する。さらに、本発明は、ハウジングを備えるコンタクトアセンブリに関する。さらに、本発明は、ハウジングを備えるコンタクトアセンブリを構築する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属表面は、腐食およびフレッティングなどの摩耗により、導電性を失う。これを避けるために、表面を電子ビームで処理することができる。しかしながら、このような処理の結果、電子ビームが材料を除去するので、処理された表面の下にある材料が変化する。例えば、電気コネクタシステムで一般的に使用される薄板ばねを、電子ビームで処理して、処理された表面の導電性を高めることができる。電子ビーム処理は、このような処理された薄板ばねのばね特性に悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、薄板ばねコンタクト用のハウジングをより信頼性の高いものにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、例えばタブコンタクトまたはピンコンタクトを挿入するように設計された薄板ばね電気コンタクト用のハウジングであって、ハウジングは、薄板ばねコンタクトをハウジングの長手方向に沿って挿入することができる薄板ばねコンタクト用レセプタクル(lamella spring contact receptacle)を有する、ハウジングによって解決される。ハウジングは、2つの側壁であって、隣接する側で薄板ばねコンタクト用レセプタクルを画定し、長手方向に沿って延び、かつ互いに対して角度を成す、側壁を有することができ、ハウジングは、薄板ばねコンタクトのばね部を支持する支持ばねを含み、支持ばねは、一方の側壁から他方の側壁へ延びる。
【0005】
本発明は、支持ばねが、薄板ばねコンタクトを少なくとも2つの空間方向に弾性的に支持することができるため、有利である。さらに、本発明による支持ばねは、長手方向に対して両方の横断方向に偏向するための静止点(rest point)(または静止位置)を提供する。支持ばねは、支持部で、薄板ばねコンタクトに導電的に接触し、薄板ばねコンタクトを機械的に支持することができる。支持ばねの静止位置により、薄板ばねコンタクトの機械的支持は、特に安定し、信頼性が高くなる。さらに、このような支持ばねの静止位置は、支持ばねが、レーザビーム溶接によって、内部に挿入された薄板ばねコンタクトに溶接されるときに、特に有利である
【0006】
本発明を、それ自体有利であり、互いに任意に組み合わせることができる、以下の例示的な実施形態によってさらに改良することができる。
【0007】
例示的な実施形態によれば、支持ばねを、側壁の材料から形成することができる。この場合、支持ばねを、側壁の材料の間隙によって取り囲むことができる。支持ばねを、材料の切抜き(cutout)によって形成することができる。さらに、支持ばねを、側壁の材料から打ち抜く(punched out)ことができ、または型打ちプロセス(stamping process、スタンピング加工)によって形成することができる。
【0008】
本実施形態によれば、支持ばねは、機械的に安定し、ハウジングに導電的に接続されることが有利である。
【0009】
別の例示的な実施形態によれば、支持ばねを、側壁の材料から形成されたばね舌部として設計することができる。ここでは、ばね舌部は、一方の側壁から他方の側壁へ延びて、例えば縁部を形成し、ばね舌部の自由端または舌部先端が、ハウジングの他方の側壁の平面内に位置する。
【0010】
別の例示的な実施形態によれば、側壁が隣接してハウジングの縁部を形成することができ、支持ばねは、縁部の周りに延び、同様に縁部を形成する。言い換えると、ばね舌部または支持ばねは、縁部を形成するときに、長手方向の周りに曲げられる。
【0011】
別の例示的な実施形態によれば、支持ばねを、基部を介して一方の側壁に接続することができ、支持ばねの自由端が、他方の側壁の平面に位置する。「側壁と同一平面上に位置する端部(end lying in a plane with the side wall)」という用語により、端部または先端(end or point)が側壁と同一平面上にある平面内に位置することを意味する。
【0012】
別の例示的な実施形態によれば、支持ばねは、自由端に向かってテーパ状であってよい。これは、支持ばねの有効ばね力を調節することができ、有利である。加えて、支持ばねは、長手方向に対して鋭角に延び、ハウジングまたは他方の側壁の横方向中央から自由端をずらすことができる。
【0013】
別の例示的な実施形態によれば、支持ばねは、屈曲部(knee)を有することができ、屈曲部と自由端との間に、薄板ばねコンタクト用レセプタクルに向かって湾曲して突出する湾曲支持部が形成されている。言い換えると、支持ばねは、そのような支持部を屈曲部と自由端との間に有する。さらに、支持ばねは、角度が付けられてよく(angled)、これは、支持ばねまたはばね舌部が、他方の側壁の表面法線に対して角度を成して曲げられていることを意味する。
【0014】
支持ばねの材料の円形または矩形の間隙として形成され得る溶接窓を、支持部に配置することができると好ましい。
【0015】
別の例示的な実施形態によれば、支持ばねは、長手方向に対して鋭角に角度が付けられていてよい。本実施形態は、支持ばねのばね力を調節するための代替形態を提供する。ここでは、ばね先端の位置を、ずれた薄板ばねコンタクトに合わせて調節することができる。
【0016】
別の例示的な実施形態によれば、支持ばねは、屈曲部に切欠きまたは溝(slot)を有することができる。溝または切欠きは、支持ばねの弾性ばね効果を高め、支持ばねのばね剛性を効果的に低下させる。言い換えると、切欠きまたは溝を、屈曲部の内側角部(throat)に配置することができる。屈曲部の内側角部は、他方の側壁内の支持ばねの移行領域に配置されていることが好ましい。
【0017】
別の例示的な実施形態によれば、支持ばねの自由端は、いくつかの隣接する突出部(または自由端)に分割されていてよい。言い換えると、ばね舌部として設計された支持ばねは、複数の舌部先端を有することができる。それぞれの個々の舌部先端を、別個の薄板ばねコンタクトに接続することができる。隣接する突出部または自由端は、他方の側壁と同じ平面に位置することが好ましい。突出部または自由端のそれぞれが、支持部を形成することができる。
【0018】
別の例示的な実施形態によれば、ハウジングは、さらなる支持ばねを有することができる。
【0019】
このような少なくとも2つの支持ばねを備える実施形態は、1つの支持ばねのみを備える実施形態よりも、薄板ばねコンタクト(例えば、薄板ばね)に大きい支持力を与えることができ、有利である。さらに、この場合、ハウジングを、各支持ばねで、薄板ばねコンタクトに導電的に接続または溶接することができる。
【0020】
別の例示的な実施形態によれば、さらなる支持ばねの長さが、(第1の)支持ばねよりも短くてよい。長さは、ハウジングの長手方向に沿った支持ばねの突出長さとして表すことができる。例えば、支持ばねの突出長さを、他方の側壁上への支持ばねの突出に基づいて計算することができる。あるいは、それぞれの支持ばねの長さは、他方の側壁内における長手方向に沿ったそれぞれの支持ばねの延在範囲を示すことができる。
【0021】
支持ばねの長さを変化させることは、ばね効果を調節するための別のパラメータを提供する。したがって、長手方向に沿った支持ばねの突出長さに応じて、支持ばねの弾性をより高くまたは低くすることができる。本実施形態により、ハウジング内に配置されたばねコンタクト(例えば、薄板ばね)によってもたらされる、ばねコンタクトに接触して加えられる法線力または挿入力を、選択的に増加または変化させることができる。
【0022】
別の有利な実施形態によれば、ハウジングは、別の支持ばねと、一方の壁とは反対の第3の側壁とを有することができ、さらなる支持ばねは、第3の側壁から他方の側壁へ延びる。本実施形態は、それぞれの支持ばねの基部のために側壁に必要とされる空間を小さくすることが有利である。特に、本実施形態により、第1の支持ばねを担持する一方の側壁において空間を節約することができ、または、側壁は、さらなる支持ばねが一方の側壁によってではなく反対の側壁によって支持されるため、機械的により強力に設計される。
【0023】
別の有利な実施形態によれば、ハウジングは、さらなる支持ばねを有することができ、さらなる支持ばねも、一方の側壁から他方の側壁へ延び、さらなる支持ばねの基部が、支持ばねの基部から長手方向にずれている。本実施形態において、さらなる支持ばねを、一方の側壁の限られた空間から形成することができ、挿入された薄板ばねコンタクトを、それぞれ支持部を取り囲む少なくとも2つの支持ばねによって支持することができる。
【0024】
別の有利な実施形態によれば、2つの支持ばねの自由端を、長手方向に対して横断方向に沿って互いにずらすことができる。言い換えると、自由端は、側壁の中央から横方向または横断方向にずれて配置されている。あるいは、支持ばねの自由端を、長手方向に連続して位置決めすることができる。別の有利な実施形態によれば、支持ばねの自由端を互いにずらすことができ、このずれは、他方の側壁と同一平面上の平面内に位置する。
【0025】
別の有利な実施形態によれば、2つの支持ばねの自由端は、互いに前後に位置合わせして配置されていてよい。あるいはまたは追加的に、2つの支持ばねの支持ばねの自由端は互いに対向していてよい。
【0026】
別の有利な実施形態によれば、支持ばねは、溶接窓(welding window)を有することができ、レーザビーム溶接によって、薄板ばねコンタクト用レセプタクルに挿入された薄板ばねコンタクトに溶接されるように設計され接続されてよい。溶接窓を、対応する側壁の材料の間隙(gap)、凹部(recess)、溝(slot)、および/または切れ目(cut)によって形成することができる。
【0027】
これにより、ばねコンタクトとハウジングとの特に安定した接続が生じるため、有利である。これは、ばねコンタクトの機械的支持と、ばねコンタクトおよびハウジングの導電性接触との両方に有利である。
【0028】
さらに、本発明の目的は、前述した例示的な実施形態のいずれか1つによるハウジングと、薄板ばねコンタクト用レセプタクルに配置され、かつ支持ばねによって支持された薄板ばねを有する薄板ばねコンタクトとを備えるコンタクトアセンブリによって達成される。
【0029】
別の有利な実施形態によれば、薄板ばねをハウジングに溶接することができる。例えば、レーザビーム溶接プロセスにより、好ましくは支持ばねの端部領域または支持部で溶接することができる。この領域または部分に、支持ばねは、溶接窓または溶接点(welding point)を有することができる。
【0030】
コンタクトアセンブリの別の有利な実施形態によれば、支持ばねおよび薄板ばねはそれぞれ、長手方向に突出および/または後退し、かつ長手方向に連続する部分を有することができ、薄板ばねが薄板ばねコンタクト用レセプタクルに完全に挿入されたときに、これらの部分は互いに係合する。
【0031】
2つの構成部品間の機械的支持および電気的接続が向上する、またはより信頼性の高いものになることが有利である。
【0032】
コンタクトアセンブリの別の有利な実施形態によれば、支持ばねおよび薄板ばねはそれぞれ、凸状または凹状領域を有することができ、薄板ばねが薄板ばねコンタクト用レセプタクルに完全に挿入されたときに、支持ばねおよび薄板ばねの凸状(または凹状)領域は互いに形状嵌合で係合する(form-fittingly engaged)。
【0033】
コンタクトアセンブリの別の有利な実施形態によれば、支持ばねおよび薄板ばねはそれぞれ、平面平行端部領域(plane-parallel end region)を有することができ、薄板ばねが薄板ばねコンタクト用レセプタクルに完全に挿入されたときに、支持ばねの端部領域は、薄板ばねの端部領域に接触し、支持ばねは、その端部領域で、薄板ばねコンタクト用レセプタクルに向かって、長手方向に対して横断方向に曲げられている。
【0034】
別の有利な実施形態によれば、薄板ばねを、凸状または凹状領域内でハウジングに溶接することができる。特に、溶接点を、先端部(tip portion)、支持部(support portion)、または端部(end portion)内に配置することができ、溶接窓は、支持ばねの材料から形成されている。
【0035】
さらに、本発明の目的は、コンタクトアセンブリを構築するための方法によって達成される。方法は、上記の例示的な実施形態のいずれかによるハウジングを設けることと、薄板ばねコンタクトをハウジングに挿入することと、ハウジングを薄板ばねコンタクトにレーザビーム溶接することとを含むことができる。
【0036】
さらに、本発明の目的はまた、薄板ばねコンタクト用のハウジングであって、少なくとも2つの側で薄板ばねコンタクトを囲み、かつ本体の長手方向に沿って薄板ばねコンタクトを受け入れるように設計された本体を備え、本体は、薄板ばねコンタクトを収容する空間を画定する少なくとも2つの隣接する平壁(two adjacent flat walls)を有する、ハウジングによって達成される。少なくとも2つの隣接する平壁は、本体の長手方向に沿って延びることができる。さらに、本体は、隣接する壁の間隙によって形成された支持ばねを含むことができ、支持ばねは、隣接する壁のうちの一方から始まり、隣接する壁のうちの他方に配置された先端部または端部を含み、隣接する壁のうちの他方の内部で、本体の長手方向に沿って延びる。先端部は、平壁によって画定された空間(以下、ハウジングの内部と称する)内で薄板ばねコンタクトに接触するように設計された支持部を有することができる。
【0037】
例示的な実施形態によれば、支持ばねは、先端部が他方の隣接する壁に配置された第1の支持ばねであり、本体は、隣接する壁のうちの他方の間隙によって形成された第2の支持ばねを含む。第2の支持ばねは、隣接する平壁のうちの他方に配置された異なる先端部と、平壁によって画定された空間内で薄板ばねコンタクトに接触するように設計された別の支持部とを有することができる。このような2つの支持ばねを備える実施形態において、ハウジングは、1つの支持ばねのみを備える実施形態よりも大きい支持力を薄板ばねコンタクト(例えば、薄板ばね)に与えることができる。
【0038】
別の有利な実施形態によれば、第2の支持ばねは、一方の壁とは反対の第3の平壁に配置されている。言い換えると、第2の支持ばねは、隣接する壁のうちの同じ壁から始まるのではなく、本体の反対の壁から始まる。本実施形態によれば、本体は、本体の長手方向の法平面上に突出するときに、略U字形状を形成することができる。本実施形態によれば、本体は、隣接する側壁のうちの一方とは反対の別の第3の平壁を含み、第2の支持ばねは第3の壁から始まり、または支持ばねの基部は、第3の壁に配置され、第3の壁および他方の隣接する壁の間隙に形成されている。
【0039】
本実施形態は、空間を節約する方法で、支持ばねを本体の側壁に配置することができるため、有利である。
【0040】
別の有利な実施形態によれば、第2の支持ばねは、本体またはハウジングの長手方向とは逆平行に延び、長手方向に沿った隣接する壁のうちの他方の内部における第1の支持ばねの(突出)長さは、長手方向に沿った同じ壁の内部における第2の支持ばねの(突出)長さよりも短い。
【0041】
別の有利な実施形態によれば、支持ばねは、長手方向に対して横断方向の延在範囲に関して、第2の壁内で先端部に向かってテーパ状である。本実施形態により、空間を節約する方法で支持ばねを設計することができ、同時にばねの弾性を適応させる。言い換えると、幅、すなわち支持ばねが先端部に向かってどれだけテーパ状であるかを調節することによって、支持ばねのばね効果を変化させることができる。
【0042】
別の有利な実施形態によれば、支持ばねは、長手方向に沿って鋭角に延びる。言い換えると、支持ばねは、本体の中心軸線に沿って延びるのではなく、鋭角に延びる。したがって、支持ばねの支持部の側方または横方向位置を希望に応じて調節することができる。
【0043】
別の有利な実施形態によれば、支持ばねの先端部は、隣接する壁のうちの他方の間隙によって形成された、少なくとも2つの隣接する自由端または支持部を有することができる。言い換えると、先端部は、複数の部分に分割されている。支持ばねは、複数の薄板ばねコンタクトを同時に機械的に支持することができ、かつ/または、1つもしくは複数の支持部で複数の薄板ばねコンタクトに導電的に接続することができるようになり、有利である。これにより、コンタクトの完全な故障が、複数の重複する接続点におけるコンタクトの故障を必要とするため、ハウジングの信頼性が高まる。
【0044】
別の有利な実施形態によれば、支持部は、レーザビーム溶接によって、受け入れられた薄板ばねコンタクトに接続されるように設計されている。本実施形態を、上記の実施形態と任意に組み合わせることができる。支持ばねのばね効果は、レーザビーム溶接プロセスと組み合わさって、薄板ばねコンタクトとの特に強力な接続を形成することが有利である。したがって、薄板ばねコンタクトとの溶接接続は、一側では特に安定し、それでも他側では支持ばねにより弾性であり、挿入されたタブコンタクトまたはピンコンタクトを含むハウジングの最適な使用を保証する。タブコンタクトは、突出した矩形の形状または基部を有し、基部にまたがる側のアスペクト比が異なる。
ピンコンタクトが、ワイヤから引き出されてよく、同じアスペクト比を有することが好ましい。言い換えると、ピンコンタクトは、正方形基部(square base)を有する。あるいは、ピンコンタクトは、円形基部(circular base)を有することができる。
【0045】
別の有利な実施形態によれば、支持ばねの先端部は、隣接してまたは形状嵌合で薄板ばねコンタクトの凸状部に接触するように設計された凸形状を有することができる。本実施形態において、支持ばねと薄板ばねコンタクトまたは薄板ばねとの接触領域が増加する。同時に、ハウジングの接続点を、薄板ばねコンタクトに挿入されたタブコンタクト、ピン、またはコネクタに近接させることができる。あるいは、支持ばねの先端部は、電気コネクタの平面平行部に隣接して接触するように設計された平面平行形状を有することができる。
【0046】
別の有利な実施形態によれば、支持ばねは、切欠きを有することができる。特に、支持ばねは、他方の側壁に本体部を有することができ、本体部は、他方の側壁内で先端部とは反対に配置され、支持ばねは、本体部において長手方向に対して横断方向に延びる。本体部は、支持ばねによって形成された屈曲部(knee)の一部である。支持ばねは、屈曲部の内側角部に、切欠きまたはスリットを有することができる。これにより、支持ばねのばね効果をさらに調節することができ、有利である。支持ばねの長さが同じことにより、切欠きまたはスリットを加えることによって、支持ばねの弾性をより高くすることができる。
【0047】
別の有利な実施形態によれば、ハウジングは、圧着ハウジングとして設計されている。ここでは、ハウジングは、1つまたは複数の端部に導体またはケーブルを収容するように設計されている。
【0048】
別の有利な実施形態によれば、ハウジングは、型打ち曲げ部品(stamped and bent part)から形成されている。
【0049】
以下で、図面を参照しながら、いくつかの例示的な実施形態に基づいて、本発明をより詳細に説明する。例示的な実施形態の異なる特徴を、上記の説明に従って互いに任意に組み合わせることができる。特に、個々の特徴の効果が特定の用途に必要である場合、上記の説明に従って、それらの特徴を記載の実施形態に追加することができる。逆に、個々の特徴の技術的効果が特定の用途に関連しない場合、それらの特徴を記載の実施形態において省略することができる。図面において、同様、同一、および機能的に同一の要素は、適切である限り、同一の参照符号で示される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】例示的な実施形態によるハウジングの概略斜視図である。
【
図2a】例示的な実施形態によるハウジングの概略断面図である。
【
図2b】例示的な実施形態によるハウジングの概略側面図である。
【
図3a】例示的な実施形態によるハウジングの概略斜視図である。
【
図3b】
図3aの例示的な実施形態によるハウジングの概略上面図である。
【
図4】別の例示的な実施形態によるハウジングの概略断面図である。
【
図5a】別の例示的な実施形態によるハウジングの概略断面図である。
【
図5b】別の例示的な実施形態によるハウジングの概略断面図である。
【
図5c】別の例示的な実施形態によるハウジングの概略断面図である。
【
図6a】別の例示的な実施形態によるハウジングの概略側面図である。
【
図6b】別の例示的な実施形態によるハウジングの概略側面図である。
【
図7a】別の例示的な実施形態によるハウジングの概略断面図である。
【
図7b】別の例示的な実施形態によるハウジングの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下で、
図1の例示的な実施形態を参照しながら、本発明によるハウジング1の概略構造を説明する。ハウジング1は、長手方向Lに沿って薄板ばねコンタクト2を受け入れるまたは収容するように設計されている。ハウジング1は、導電性材料から形成されてよく、少なくとも2つの側で薄板ばねコンタクト2を囲むように設計された本体4を有することが好ましい。本体4は、ハウジング1の長手方向Lに沿って延びることが好ましい。さらに、本体4は、薄板ばねコンタクト2の薄板ばねコンタクト用レセプタクル5を画定する、少なくとも2つの隣接する平壁6、8を有する。隣接する壁6、8は、鋭角または直角で互いに隣接して縁部7を形成することもできる。側壁が隣接してハウジング1の縁部7を形成する。
この場合、支持ばね12も、縁部7の周りに延び、同様に縁部7aを形成する。言い換えると、支持ばねは、長手方向Lの周りに曲げられている。
【0052】
さらに、隣接する平側壁6、8は、ハウジング1の長手方向Lに対して横平面上への突出部に、本体4の矩形基部を画定することができる。あるいは、少なくとも2つの隣接する側壁6、8と第3の側壁とが横平面上に突出することによる境界が、U字形状を有することができる。
【0053】
あるいは、この境界は、三角形状を有していてもよい。さらに、ハウジング1は、間隙10によって囲まれた支持ばね12を有する。支持ばね12を、隣接する側壁6、8の壁材料を除去することによって形成することができる。例えば、切離しプロセス(cut-off process)または打抜き(punching)によって形成することができる。
材料を除去することによって、隣接する側壁6、8において支持ばね12を取り囲む間隙10または凹部10が形成される。言い換えると、支持ばね12は、薄板、舌部、またはばね舌部として設計される。支持ばね12は、隣接する側壁のうちの第1の側壁6から始まることが好ましく、支持ばね12は、この側壁6内で長手方向Lに対して横断方向に延び、支持ばね12は、隣接する壁のうちの他方8に移行し、そこから、この第2の側壁8によって画定された平面内で長手方向Lに沿って延びるようになっている。言い換えると、支持ばね12は、第1の側壁6に基部13を形成し、他方の側壁8に自由端16を有する。他方の側壁8内で、支持ばねは、本体4の長手方向Lに沿って延びる。
【0054】
さらに、支持ばね12は、角度が付けられ、屈曲部21を有し、屈曲部21と自由端16との間で薄板ばねコンタクト用レセプタクル5に向かって湾曲して突出する支持部23を有することができる。支持部に、支持ばね12の溶接窓24を配置することができる。
【0055】
さらに、支持ばね12は、隣接する側壁のうちの他方8に配置された先端部14を有することが好ましい。言い換えると、支持ばね12として設計されたばね舌部は、最初は、第1の壁6の基部13から始まって、2つの隣接する側壁6、8間の縁部7に向かって、長手方向Lに対して横断方向に延びる。さらに、支持ばね12として設計されたばね舌部は、縁部の移行領域に、長手方向Lの周りの曲がり部を有し、曲がり部の曲がり角度は、2つの隣接する側壁6、8間に存在する内角に対応する。支持ばね12の先端部14は、支持部23を含むことが好ましい。言い換えると、先端部14は、ばね舌部の舌部先端となる。
【0056】
支持ばね12は、長手方向Lに対して2つの横断方向で弾性的に支持される。支持ばね12は、静止点または静止位置も有し、これを別の実施形態により有利に使用することができる。1つの例示的な実施形態によれば、薄板ばねコンタクト用レセプタクル5または少なくともその先端部14に対向する支持ばね12の表面側は、導電性被覆を有する。例えば、この被覆は合金または金または銀被覆である。代わりにまたは加えて、支持ばね12の自由端16の先端部14は、溶接窓24を有して設計される。溶接窓24を、側壁8の材料の間隙または凹部として形成することができる。ハウジング1に挿入された薄板ばねコンタクト2を、レーザ溶接によって、先端部14でハウジング1に導電的に接続することができる。
あるいは、ハウジング1を、はんだ付けプロセスによって、先端部14で薄板ばねコンタクト2に接続することができる。
【0057】
図2aの例示的な実施形態によるハウジングの概略断面図を参照しながら、薄板ばね電気コンタクト2をより詳細に説明する。薄板ばね電気コンタクト2は、ハウジング1に挿入されることが好ましい。ハウジング1の本体4は、長手方向Lに沿って薄板ばね電気コンタクト2を収容することができる。薄板ばね電気コンタクト2は、1つの薄板ばね18のみを有して形成されてよい。あるいは、薄板ばね電気コンタクト2は、以下で第1の薄板ばね18および第2の薄板ばね20とも称する少なくとも2つの薄板ばね18、20を有することができる。少なくとも2つの薄板ばね18、20を、互いに平行に、かつ/または互いに対向して配置することができる。さらに、1つの薄板ばね18のみまたは薄板ばね18、20は、長手方向Lに沿って延びる。
薄板ばね18、20は、例えばカンチレバーとして設計され、長手方向に対して横断方向の弾性効果を可能にする。薄板ばね18または20の弾性効果は、支持ばね12を薄板ばね電気コンタクト2に当接させるまたは溶接することによって支持されてよい。
【0058】
図2bの例示的な実施形態によるハウジングの概略側面図を使用して、ハウジング1の動作をより詳細に説明する。側面図に、支持ばね12が、一方の側壁8の長手方向Lおよび幅方向Bによって画定された平面上へ突出している様子が示されている。支持ばね12は、隣接する側壁のうちの他方8において長手方向Lに沿って延び、支持ばね12の先端部14で薄板ばねコンタクト2または薄板ばね18に接触するように設計されている。
図2bの例示的な実施形態に示すように、先端部14は、薄板ばねコンタクト2または薄板ばね18の接触領域としての接触凸面または同様の凸面に相補的である。さらに、接触部30は、導電性被覆および/または溶接窓を有することができる。
【0059】
図3aのハウジングの概略斜視図を使用して、前述した実施形態と任意に組み合わせることができる例示的な実施形態のさらなる特徴を説明する。
図3aに示すように、ハウジングは、複数の支持ばね12a、12bを有することができる。両方の支持ばね12a、12bは、同じ第1の側壁6から始まってよい(図示せず)。言い換えると、支持ばね12a、12bのそれぞれの基部が同じ側壁にある。あるいは、第2のまたはさらなる支持ばね12bは、第1の側壁8と反対の側壁から始まってもよい。
【0060】
第1の支持ばね12aおよびさらなる支持ばね12bはいずれも、長手方向Lに沿って延びることができる。あるいは、さらなる支持ばね12bは、長手方向Lの反対方向に延びることができる。その場合、2つの支持ばねの自由端は、互いに対向する。第1の支持ばね12aは、一方の側壁6の幅方向Bに延在範囲L1bを有する。実施形態に応じて、さらなる支持ばね12bは、第1の側壁6の幅方向Bに長さを有していてもよく(さらなる支持ばねが、最初に述べた支持ばね12aと同じ側壁から始まるか、またはその側壁に基部を形成する場合)、または反対の第3の側壁を有していてもよい(さらなる支持ばね12bが、第1の側壁6と反対の側壁から始まる場合)。実施形態に応じて、第1の平側壁6の幅方向Bの支持ばね12aの長さL1bは、幅方向のさらなる支持ばねの長さより長くても短くてもよい。
【0061】
さらに、第1の支持ばね12aは、長手方向の延在範囲L1lonを有し、またはさらなる(第2の)支持ばね12bは、長手方向の延在範囲L2lonを有する。延在範囲L1lon、L2lonは、他方の側壁8内の支持ばねの長さのみに関する。実施形態に応じて、支持ばね12aの延在範囲または長さL1lonは、さらなる支持ばね12bの長さL2lonより長くても短くてもよい。加えて、支持ばね12、12a、または12bは、切欠き22(ここでは支持ばね12bのみについて示す)を有することができる。代わりにまたは加えて、切欠きを溝または歯として形成することができる。
切欠き22は、支持ばね12のコア部、すなわち、長手方向に対して横断方向に延びる支持ばね12の部分が、同じ第2の平壁6内で長手方向に延びる支持ばね12の部分に隣接する箇所に位置することが好ましい。言い換えると、切欠き22は、他方の側壁8と同じ平面にある。例えば、切欠き22を、支持ばね12bによって形成された屈曲部21の内側角部に配置することができる。
【0062】
図3bは、
図3aの例示的な実施形態によるハウジングの概略上面図である。第1の支持ばね12aまたは第2の支持ばね12bはそれぞれ、先端部14を有する。例示的な実施形態によれば、一方の先端部14が溶接窓24を有し、かつ/または、他方の先端部が導電性被覆を有する。先端部14を、薄板ばねコンタクト2の1つのみの薄板ばね18または複数の薄板ばね18、20に接触するように設計することができる。
【0063】
図4のハウジングの概略断面図を使用して、例示的な実施形態のさらなる特徴を説明する。
図4は、2つの支持ばね12a、12bを備えるハウジング1の例示的な実施形態を示す。以下で説明する特徴を、1つの支持ばね12のみを備えるハウジング1に適用することもできる。
図4に、平面を画定する他方の壁8内におけるハウジング1の投影図が示されている。第1の支持ばね12aは、コア部から自由端16へ、長手方向Lに対して鋭角に延びる。さらに、第1の支持ばね12aは、自由端に向かってテーパ状であってもよい。さらなる支持ばね12bも、コア部から先端部14へ、長手方向Lに対して鋭角に延びることができる。加えて、さらなる支持ばね12bは、自由端に向かってテーパ状であってよい。
【0064】
図5a~
図5cのハウジングの概略断面図を使用して、例示的な実施形態のさらなる特徴を説明する。
図5aに示す実施形態において、ハウジング1の支持ばね12は、分割された先端部14を有する。自由端は、複数の隣接する突出部を有することができる。これらの突出部をそれぞれ、舌部のように形成することができる。図示の実施形態において、先端部14は、2つの突出部25a、25bに分割されている。あるいは、支持ばねを、複数の突出部、例えば、3つまたは4つに分割してもよい。1つの支持ばね12の突出部の数は、薄板ばねコンタクト2によって設けられる薄板ばね18、20の数に対応していても、この数に等しくてもよい。さらに、分割された先端部または突出部25a、25bの一方が、分割された先端部または突出部の少なくとも1つの他方よりも長手方向Lにさらに延びることができる。
【0065】
別の例示的な実施形態によれば、分割された先端部または突出部25a、25bの少なくとも一方が、自由端に向かってテーパ状であってよい。さらに、分割された先端部または突出部の少なくとも一方が溶接窓24を有することができ、または分割された先端部のすべてが溶接窓24を有することができる。
【0066】
図5bに、2つの支持ばねを備える別の例示的な実施形態が示されている。本実施形態によれば、第1の支持ばね12aの基部が、一方の側壁6にあり、他方のさらなる支持ばね12bの基部が、第1の側壁6と反対の側壁にある。両方の支持ばね12a、12bは、他方の側壁8内で長手方向Lに沿って延びることができる。支持ばね12a、12bを、他方の側壁8で互いに隣接するように、互いに平行に配置することができる。特に、それぞれの支持ばねの自由端または溶接窓24が、それぞれの基部から同じ距離を有することができる。
【0067】
図5cは、一方の支持ばね12aが他方のさらなる支持ばね12bよりも長い長手方向延在範囲L2lonを有する、
図5aの実施形態の代替形態を示す。
【0068】
図6aのハウジング1の概略側面図を使用して、任意に組み合わせることができる例示的な実施形態のさらなる特徴を説明する。支持ばね12は、先端部14または支持部23に湾曲部を有する。先端部14は、隣接する側壁6、8によって画定された空間または内部を通って湾曲する。この湾曲部は、薄板ばねコンタクト2または薄板ばね18に形状嵌合で係合することができる。例えば、先端部14の湾曲部は凸形状を有する。
【0069】
別の組み合わせ可能な実施形態によれば、支持ばね12を、レーザ溶接によって薄板ばねコンタクト2または薄板ばね18に接続することができ、支持ばね12は、湾曲部の最外点に溶接窓24を有する。湾曲部の最外点は、側壁6、8によって画定されたハウジング1の空間または内部に最も近接している。
【0070】
図6bの別のハウジング1の概略側面図を使用して、例示的な実施形態のさらなる特徴を説明する。
図6aに示す先端部14とは対照的に、
図6bに示す実施形態の先端部14は、平坦または平面である。先端部14は湾曲部を有していない。しかしながら、先端部14は、内部に向かう曲がり部を有することができる。
【0071】
図7aのハウジングの概略断面図を使用して、例示的な実施形態のさらなる特徴を説明する。図示の実施形態において、支持ばね12は、先端部14の自由端16に少なくとも2つの接触部30、32を有する。あるいは、支持ばね12は、先端部14に1つの接触部30のみを有することができる。2つの接触部30、32は、ハウジング1によって受け入れられた薄板ばね電気コンタクト2の2つの対向する薄板ばね18、20に接触するように設計されている。2つの薄板ばねはそれぞれ、対向する薄板ばねの方向に弾性的に偏向可能である。ハウジングは、接触部30、32で薄板ばね18、20に溶接されていることが好ましい。支持ばねは、接触部30、32に円形、正方形、長円形の溶接窓24を有することができる。
支持ばねの先端部14は、側壁において長手方向Lに対して横断方向に延びることができる。
図7aに示す実施形態は、2つの支持ばねを備えて構成されてもよい。特に、第1の支持ばねが、一方の側壁に基部を有することができ、第2のさらなる支持ばねが、第1の側壁とは反対の側壁に基部を有することができる。
【0072】
図7bは、2つの支持ばね12a、12bを備える別の例示的な実施形態を示す。
図7aに示す例示的な実施形態と同様に、本実施形態において、支持ばね12a、12bは、薄板ばね18、20に対して横断方向に配置されている。第1の支持ばね12aは、一方の薄板ばね18に、例えば第1のばね部で接触し、さらなる(第2の)支持ばね12bは、他方の薄板ばね20に、例えば別のばね部で接触する。図示の実施形態において、薄板ばね18、20は、ハウジング1において互いに対向して配置されている。一実施形態によれば、支持ばね12a、12bの両方または一方のみが、支持部23に溶接窓24を形成することができる。それぞれの支持ばね12a、12bの自由端16を、ハウジングの反対の側壁に向けることができる。
支持ばね12a、12bを、長手方向Lに逆らってまたは長手方向Lに沿って位置合わせすることができる。特に、本実施形態によれば、支持ばね12a、12bのそれぞれの先端部は、長手方向に対して横断方向に延びることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 ハウジング
2 薄板ばねコンタクト
4 本体
5 薄板ばねコンタクト用レセプタクル
6 側壁
7 縁部
7a 縁部
8 他方の側壁
10 間隙
12 支持ばね
12a 第1の支持ばね
12b 第2のまたはさらなる支持ばね
13 基部
14 先端部
16 自由端
17 コンタクトアセンブリ
18 薄板ばねまたは第1の薄板ばね
19 ばね部
20 第2の薄板ばね
21 屈曲部
22 切欠き
23 支持部
24 溶接窓
25a 突出部
25b 突出部
30 接触部
32 接触部
L 長手方向
B 幅方向
L1b 第1の支持ばねの幅方向の延在範囲
L1lon 第1の支持ばねの長手方向の延在範囲
L2lon 第2の支持ばねの長手方向の延在範囲
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピンコンタクトまたはタブコンタクトを挿入するように設計された薄板ばね電気コンタクト(2)用のハウジング(1)であって、
前記ハウジング(1)は、前記薄板ばねコンタクト(2)を前記ハウジング(1)の長手方向(L)に沿って挿入することができる薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)を有し、
前記ハウジング(1)は、
2つの側壁(6、8)であって、隣接する側(6、8)で前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)を画定し、前記長手方向(L)に沿って延び、かつ互いに対して角度を成す、側壁(6、8)と、
前記薄板ばねコンタクト(2)のばね部(19)を支持する支持ばね(12)であって、前記支持ばね(12)は一方の前記側壁(6)から他方の前記側壁(8)へ延びる、支持ばね(12)と
を備える、
ハウジング(1)。
【請求項2】
前記支持ばね(12)は、前記側壁(6、8)の材料から形成されている、
請求項1に記載のハウジング(1)。
【請求項3】
前記支持ばね(12)は、ばね舌部として構成されている、
請求項1に記載のハウジング(1)。
【請求項4】
前記2つの側壁(6、8)が隣接して前記ハウジング(1)の縁部(7)を形成し、前記支持ばね(12)は、前記縁部(7)の周りに延び、同様に縁部(7a)を形成する、
請求項1に記載のハウジング(1)。
【請求項5】
前記支持ばね(12)は、基部(13)を介して前記一方の側壁(6)に接続され、前記支持ばね(12)の自由端(16)は、前記他方の側壁(8)の平面に位置する、
請求項1に記載のハウジング(1)。
【請求項6】
前記支持ばね(12)は、前記自由端(16)に向かってテーパ状である、
請求項5に記載のハウジング(1)。
【請求項7】
前記支持ばね(12)は、屈曲部(21)を有し、前記屈曲部(21)と前記自由端(16)との間に、前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に向かって湾曲して突出する支持部(23)を有する、
請求項5に記載のハウジング(1)。
【請求項8】
前記支持ばね(12)は、前記支持ばねのばね剛性を低下させるために、前記屈曲部(21)に切欠きおよび/または溝を有する、
請求項7に記載のハウジング(1)。
【請求項9】
前記支持ばね(12)の前記自由端(16)は、複数の隣接する突出部(25a、25b)に分割されている、
請求項5に記載のハウジング(1)。
【請求項10】
前記ハウジングはさらなる支持ばね(12b)を有する、
請求項1に記載のハウジング(1)。
【請求項11】
前記さらなる支持ばね(12b)の長さが、前記支持ばね(12、12a)の長さよりも短い、
請求項10に記載のハウジング(1)。
【請求項12】
前記ハウジング(1)は、前記一方の側壁とは反対の第3の側壁を有し、前記さらなる支持ばね(12b)は、前記第3の側壁から前記他方の側壁(8)へ延びる、
請求項10に記載のハウジング(1)。
【請求項13】
前記2つの支持ばね(12a、12b)の自由端(16)が、前記長手方向(L)に対して横断方向(B)に沿って互いにずれ、または前記支持ばね(12a、12b)の前記自由端(16)は、前記長手方向(L)において互いに前後に位置決めされている、
請求項10に記載のハウジング(1)。
【請求項14】
前記支持ばね(12)は、溶接窓(24)を有し、レーザビーム溶接によって、前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に挿入可能な薄板ばねコンタクト(2)に接続されるように設計されている、
請求項1に記載のハウジング(1)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のハウジング(1)と、
前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に配置され、かつ前記支持ばね(12、12a、12b)によって支持された薄板ばね(18、20)を有する薄板ばねコンタクト(2)と
を備える、
コンタクトアセンブリ(17)。
【請求項16】
前記薄板ばね(18、20)は、前記支持ばね(12)の支持部(23)で前記ハウジング(1)に溶接されている、
請求項15に記載のコンタクトアセンブリ(17)。
【請求項17】
前記支持ばね(12)および前記薄板ばね(18)はそれぞれ、連続する部分を前記長手方向(L)に有し、
前記連続する部分は、前記長手方向(L)に対して横断方向および前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に向かう方向に突出ならびに/または後退し、前記薄板ばね(18)が前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に完全に挿入されたときに互いに係合する、
請求項15に記載のコンタクトアセンブリ(17)。
【請求項18】
前記支持ばね(12)および前記薄板ばね(18)はそれぞれ、凸状または凹状領域を有し、
前記薄板ばね(18)が前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に完全に挿入されたときに、前記支持ばね(12)および前記薄板ばね(18)の前記凸状または凹状領域は、互いに形状嵌合で係合する、
請求項15に記載のコンタクトアセンブリ(17)。
【請求項19】
前記支持ばね(12)および前記薄板ばね(18)はそれぞれ、平面平行な端部領域(14)を有し、
前記薄板ばね(18)が前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に完全に挿入されたときに、前記支持ばねの前記端部領域(14)は、前記薄板ばねの前記端部領域に接触し、前記支持ばね(12)は、前記端部領域(14)で、前記薄板ばねコンタクト用レセプタクル(5)に向かって、前記長手方向(L)に対して横断方向に曲げられている、
請求項15に記載のコンタクトアセンブリ(17)。
【外国語明細書】