(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068694
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置、燃料、又は燃料及び電源備蓄品の調達管理システム及び燃料、又は燃料及び電源備蓄品の調達管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240514BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179225
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】522438426
【氏名又は名称】株式会社レジリエンスラボ
(74)【代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】弁理士法人日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沖山 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】伊東 未来
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】 燃料又は/及び電源備蓄品を調達に際して、災害が発生時から72時間の壁の存在に対応することができ、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システムが専業の管理者に構築され、ソリューション提案を行うに便利で、燃料又は/及び電源備蓄品を確実に備蓄確保して、提供を迅速に行うことができるようにする。
【解決手段】 作動点に、ユーザと管理者とのソリューション対話によって形成された、当該ユーザの配送要求を表す燃料又は/及び電源配送要求品データ及び配送要求数量データと、管理者によって形成された、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときの当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データとが書き込まれて、当該作動点を介して当該配送要求を当該備蓄要求に結び付けたリンクが形成され、広域に亘る備蓄拠点に、当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データによる備蓄要求をそれぞれ取得させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害発生時に、備蓄拠点からユーザへ災害用物質の燃料又は/及び電源備蓄品の配送を行うに当たって、燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄・配送管理を複数地域で行う燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置において、
データベース及び演算処理手段を備え、
前記データベースが、会員登録されたユーザ及び当該ユーザの地域情報を含んだユーザ情報と、会員登録された備蓄拠点及び当該備蓄拠点の地域情報を含んだ備蓄拠点情報と、配送要求の書き込み、読出しを可能とし、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときに当該備蓄要求を書き込み、また当該備蓄要求を読出しする作動点と、ユーザごとに、当該作動点を介して配送要求を備蓄要求に結び付けることを可能とするリンクと、を格納し、
演算処理手段によって、平時、前記作動点に、ユーザと管理者とのソリューション対話によって形成された、当該ユーザの配送要求を表す燃料又は/及び電源配送要求品データ及び配送要求数量データと、管理者によって形成された、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときの当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データとが書き込まれて、当該作動点を介して当該配送要求を当該備蓄要求に結び付けたリンクが形成され、複数の備蓄拠点に、当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データによる備蓄要求をそれぞれ取得させ、
災害発生時、ユーザからなされた燃料又は/及び電源配送要求品及び配送要求数量の配送要求に基づいて、当該ユーザが検索されて、前記作動点から、当該作動点に書き込まれた当該備蓄要求が読み出されて、当該ユーザへの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示がなされること、又は前記作動点から、当該作動点に書き込まれたユーザが検索され、当該備蓄要求が読み出されて、当該ユーザへの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示が取得されること
を特徴とする燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置において、
画面表示手段を備え、当該画面表示手段の画面に、前記作動点に、一つの配送要求が、配送要求の分岐状態を表示する備蓄要求が、又は一つの備蓄要求が分岐状態する配送要求が表示され、前記作動点が画面上で指示されると、書き込まれた配送要求と備蓄要求との関係が読み出されること
を特徴とする燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載された燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置において、
前記作動点に関連して、会員登録されたユーザと、ユーザごとに配送要求された燃料又は/及び電源配送要求品及び配送要求数量に対応した燃料又は/及び電源配送要求品データ及び配送要求数量データと、会員登録された備蓄拠点と、備蓄拠点ごとに備蓄要求された燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データがファイルされ、
備蓄要求された備蓄数量を総計した備蓄数量が配送要求数量よりも多いこと
を特徴とする燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載された燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置において、
燃料又は/及び電源備蓄品に、日用品が加えられ、
演算処理手段によって、平時、前記作動点に、ユーザと管理者とのソリューション対話によって形成された、当該ユーザの配送要求を表す日用品配送要求品データ及び配送要求数量データと、管理者によって形成された、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときの当該備蓄要求を表す日用品備蓄品データ及び備蓄数量データとが書き込まれて、当該作動点を介して当該配送要求を当該備蓄要求に結び付けたリンクが形成され、複数の備蓄拠点に、当該備蓄要求を表す日用品備蓄品データ及び備蓄数量データによる備蓄要求をそれぞれ取得させ、
災害発生時、前記作動点から、当該作動点に書き込まれたユーザが検索され、日用品配送要求品及び配送要求数量の配送要求が読み出されて、当該ユーザへの日用品備蓄品の備蓄数量の配送指示がなされること、又は前記作動点から、当該作動点に書き込まれたユーザが検索され、当該備蓄要求が読み出されて、当該ユーザへの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示が取得されること
を特徴とする燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置。
【請求項5】
災害発生時に、備蓄拠点からユーザへ災害用物質の燃料又は/及び電源備蓄品の配送を行うに当たって、燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄・配送管理を広域地域で行う燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システムにおいて、
データベース及び演算処理手段を備える燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置を備え、
前記データベースが、会員登録されたユーザ及び当該ユーザの地域情報を含んだユーザ情報と、会員登録された備蓄拠点及び当該備蓄拠点の地域情報を含んだ備蓄拠点情報と、配送要求の書き込み、読出しを可能とし、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときの当該備蓄要求の書き込み、読出しを可能とする作動点と、ユーザごとに、当該作動点を介して配送要求を備蓄要求に結び付けることを可能とするリンクと、を格納し、
演算処理手段によって、平時、前記作動点に、ユーザと管理者とのソリューション対話によって形成された、当該ユーザの配送要求を表す燃料又は/及び電源配送要求品データ及び配送要求数量データと、管理者によって形成された、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときの当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データとが書き込まれて、当該作動点を介して当該配送要求を当該備蓄要求に結び付けたリンクが形成され、
複数に亘る備蓄拠点を備え、当該備蓄拠点が、当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データによる備蓄要求をそれぞれ取得し、
災害発生時、前記作動点から、当該作動点に書き込まれたユーザが検索され、当該備蓄要求が読み出されて、当該ユーザへの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示がなされること、又は前記作動点から、当該作動点に書き込まれたユーザが検索され、当該備蓄要求が読み出されて、当該ユーザへの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示が取得されること
を特徴とする燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システム。
【請求項6】
災害発生時に、備蓄拠点からユーザへ災害用物質の燃料又は/及び電源備蓄品の配送を行うに当たって、燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄・配送管理を広域地域で行う燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システムにおいて、
データベース及び演算処理手段を備える燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置を備え、
前記データベースが、会員登録されたユーザ及び当該ユーザの地域情報を含んだユーザ情報と、会員登録された備蓄拠点及び当該備蓄拠点の地域情報を含んだ備蓄拠点情報と、配送要求の書き込み、読出しを可能とし、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときの当該備蓄要求の書き込み、読出しを可能とする作動点と、ユーザごとに、当該作動点を介して配送要求を備蓄要求に結び付けることを可能とするリンクと、を格納し、
演算処理手段によって、平時、前記作動点に、ユーザと管理者とのソリューション対話によって形成された、当該ユーザの配送要求を表す燃料又は/及び電源配送要求品データ及び配送要求数量データと、管理者によって形成された、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときの当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データとが書き込まれて、当該作動点を介して当該配送要求を当該備蓄要求に結び付けたリンクが形成される、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システムにおける備蓄拠点であって、
複数に亘る備蓄拠点を備え、当該備蓄拠点が、当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データによる備蓄要求をそれぞれ取得し、
災害発生時、前記作動点から、当該作動点に書き込まれたユーザが検索され、当該備蓄要求が読み出されて、当該ユーザへの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示がなされること
を特徴とする燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システムにおける備蓄拠点。
【請求項7】
データベースを備え、
前記データベースが、会員登録されたユーザ及び当該ユーザの地域情報を含んだユーザ情報と、会員登録された備蓄拠点及び当該備蓄拠点の地域情報を含んだ備蓄拠点情報と、配送要求の書き込み、読出しを可能とし、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときの当該備蓄要求の書き込み、読出しを可能とする作動点と、ユーザごとに、当該作動点を介して配送要求を備蓄要求に結び付けることを可能とするリンクと、を格納し、
災害発生時に、備蓄拠点からユーザへ災害用物質の燃料又は/及び電源備蓄品の配送を行うに当たって、燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄・配送管理を複数地域で行う燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置による燃料又は/及び電源備蓄品調達管理方法において、
平時、前記作動点に、ユーザと管理者とのソリューション対話によって形成された、当該ユーザの配送要求を表す燃料又は/及び電源配送要求品データ及び配送要求数量データと、管理者によって形成された、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときの当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データとを書き込んで、当該作動点を介して当該配送要求を当該備蓄要求に結び付けたリンクを形成し、複数の備蓄拠点に、当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データによる備蓄要求をそれぞれ取得させ、
災害発生時、ユーザからなされた燃料又は/及び電源配送要求品及び配送要求数量の配送要求に基づいて、当該ユーザを検索して、前記作動点から、当該作動点に書き込まれた当該備蓄要求を読み出して、該当の備蓄拠点に送信し、当該ユーザへの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示をすること、又は前記作動点から、当該作動点に書き込まれたユーザが検索され、当該備蓄要求が読み出されて、当該ユーザへの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示が取得されること
を特徴とする燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置による燃料又は/及び電源備蓄品調達管理方法。
【請求項8】
請求項7に記載された災害用物質の燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置による燃料又は/及び電源備蓄品調達管理方法おいて、
前記作動点に各種のデータを書き込み、前記作動点から書き込まれた各種のデータを読み出すこと
を特徴とする災害用物質の燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置よる燃料又は/及び電源備蓄品調達管理方法。
【請求項9】
請求項7に記載された災害用物質の燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置よる燃料又は/及び電源備蓄品調達管理方法において、
画面表示手段を備え、当該画面表示手段の画面に、当該作動拠点に書き込まれた会員登録されたユーザと、ユーザごとに配送要求された燃料又は/及び電源配送要求品及び配送要求数量に対応した燃料又は/及び電源配送要求品データ及び配送要求数量データと、会員登録された備蓄拠点と、備蓄拠点ごとに備蓄要求された燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データを表示すること
を特徴とする燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置よる燃料又は/及び電源備蓄品調達管理方法。
【請求項10】
データベース及び演算処理手段を備え、災害発生時に備蓄拠点から災害を受けたユーザへの備蓄品についての備蓄量の配送手配を行うことで、災害用物質の備蓄品の備蓄・配送手配を一元的に管理する燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置において、
前記データベースが、ユーザに関するユーザ情報と、備蓄品の燃料又は/及び電源及び当該備蓄品を備蓄する備蓄拠点に関する情報、及び備蓄拠点についての地域情報を含み、備蓄拠点ごとに備蓄する燃料又は/及び電源備蓄品の及び備蓄数量に対応した備蓄データの燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに関する備蓄拠点情報と、ユーザ群をX軸にし、備蓄拠点群をY軸として、X軸Y軸の各交点を有した座標を持つテーブルに関する情報と、前記テーブルの座標のX軸Y軸上の交点を作動点に変換可能とし、作動点に、燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データを登録可能とし、及び当該燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに対応した備蓄拠点ごとに燃料又は/及び電源備蓄品の及び備蓄数量をユーザがシエアする備蓄シエアリンクを形成可能とするコンピュータプログラムと、を格納し、
外部から指定に基づいて前記テーブルの座標軸上の交点が指定されると、演算処理手段によって、当該交点が作動点に変換され、当該作動点に、外部からの指定に依存した、災害発生時にユーザに配送される燃料又は/及び電源備蓄品に関する備蓄配送スケジュールが格納され、各ユーザを基点にして各備蓄拠点を結ぶリンク及び各備蓄拠点を基点として各ユーザを結ぶリンクで、当該系統に形成された各ユーザ及び各備蓄拠点を結合する燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに対応した各ユーザ及び各備蓄拠点を結合する燃料又は/及び電源備蓄品及び備蓄数量をシエアする複数のユーザ及び複数の備蓄拠点を結合する備蓄シエアリンクが形成され、
災害発生の報知情報が取得されたとき、当該備蓄シエアリンクが検索されて、災害発生の地方に所属するユーザを基点にして災害発生の地方以外の地方に所属する各備蓄拠点を結ぶリンク及び当該備蓄拠点を基点として複数のユーザを結ぶリンクで、災害発生地域以外の複数の備蓄拠点を結合することで形成された災害発生時備蓄シエアリンクが取得され、当該ユーザについて、当該備蓄シエアリンクで結合する災害発生地域以外の備蓄拠点情報が取得され、
当該備蓄拠点情報に基づいて、当該備蓄拠点に、当該備蓄拠点を結合する燃料又は/及び電源備蓄品についての備蓄数量の配送指示がなされ、備蓄・配送が一元的に管理されること
を特徴とする燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害用物質の備蓄品の備蓄・配送手配を一元的に管理する燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システム、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システムにおける備蓄拠点、及び、災害用物質の備蓄品の備蓄・配送手配を一元的に管理する燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置方法に係る。
【背景技術】
【0002】
大規模災害が発生し、長期的に停電すると、燃料及び物質、特に燃料及び電源が不足する。多くの自治体、事業者では、業務、事務の継続が困難になり、経済的な損失が多大なものとなる。
【0003】
ユーザが各々備蓄している災害用物質の備蓄情報を予め契約したユーザに代わって一元的に管理することにより、備蓄品の管理情報をネット上から閲覧できるようしたシステムが提案されてきた。このようなシステムによれば、ユーザは、管理ソフトを作成することなく、初期投資コストを低減し、メンテナンスやランニングコストを低減することができ、管理コストの低減を図ることができる。
【0004】
特許文献1には、備蓄品を備蓄する各ユーザに関する情報を管理するユーザ情報データベースと、各ユーザのセクションに関する情報を管理するセクション情報データベースと、災害物質の備蓄拠点に関する情報を管理する備蓄拠点データベースと、各備蓄拠点に備蓄されている災害物質用備蓄品に関する情報を管理する備蓄品データベースとを備えた備蓄・備品情報管理システムが記載され、ユーザは、データベースに管理されている情報を閲覧することにより、複数のユーザが各々備蓄している災害用物質の備蓄情報を知ることができるようになることが記載される。
【0005】
特許文献2には、相互に融通可能な会員保有の資機材を登録して保管するデータベースを備えて、会員の中から必要な資機材を調達できる会員を選択できるようにした資機材調達システムが記載される。
【0006】
特許文献3には、地図情報とハザートマップ情報を備え、食料、水あるいは日用品の必要量を算出し、必要量と備蓄量とを比較し、比較結果を表示することのできる表示部を備えた防災支援システムが記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006-92071号公報
【特許文献2】特開2008-107993号公報
【特許文献3】特許第6164756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
災害時の長期停電対策での課題(72時間の壁の存在)
本願発明者らの調査によれば、病院・福祉(介護)施設の備蓄燃料による非常用発電機の運転時間に問題があることが分かった。調査対象として、特許都内の一つ区における病院(51施設)及び福祉施設(192施設)の内で、非常用発電機を持つ施設について調査したところ、コスト、保管ポストが障害となり、1つの施設での備えでは限界があり、病院・福祉施設の7割の施設が備蓄燃料72時間未満であった。
【0009】
また、さらなる調査によれば、近年の長時間停電を招いた自然災害によれば、停電時間が多くの場合、1~3週間に及んでいる。
このように、長時間停電長期停電対策での課題に72時間の壁が存在することが分かった。
【0010】
災害発生後、72時間稼働に向けた備蓄品として燃料あるいは電源、あるいはその双方を備蓄することのできる燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システムが求められる。
【0011】
従来、災害が発生することを想定して燃料又は/及び電源備蓄品を備蓄する場合、ユーザと備蓄拠点との約束で、例えば個々の備蓄拠点がユーザとの契約で備蓄し、災害発生時に契約に従って備蓄する燃料又は/及び電源備蓄品をユーザに配送するシステムが採用されてきた。
【0012】
災害、特に大規模災害が発生し、長期的に停電したときに、多くの自治体、事業者にとって業務、事務の継続のために、特に燃料あるいは電源、あるいはその双方である備蓄品として燃料あるいは電源、あるいはその双方を備蓄することのできる燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システムが専業の管理者に構築され、運営されることが求められる。
【0013】
大規模災害が発生したとき、対策を行うに当たって、必要量を算出し、必要量と備蓄量とを比較し、比較結果を表示すること等の余裕がない場合が多い。データベースに登録された複数のユーザが各々備蓄している災害用物質の備蓄情報を知り、他者が所有する災害用物質の備蓄の供与を求める手続きを採る余裕がない場合が多い。業務、事務の継続のため、特に燃料あるいは電源、あるいはその双方であるような場合、迅速な入手が求められる。
【0014】
大規模災害が発生したとき、燃料あるいは電源、あるいはその双方の提供を迅速に求めるとき、特許文献1―3に示されるシステムによる燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システムでは、燃料あるいは電源、あるいはその双方の提供を迅速に受けることができない恐れがある。
【0015】
本発明は、係る点に鑑み燃料又は/及び電源備蓄品の調達に際して、災害が発生時から72時間の壁の存在に対応することができ、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システムが専業の管理者に構築され、ソリューション提案を行うに便利で、燃料又は/及び電源備蓄品を確実に備蓄確保して、提供を迅速に行うことができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、災害発生時に、備蓄拠点からユーザへ災害用物質の燃料又は/及び電源備蓄品の配送を行うに当たって、燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄・配送管理を広域地域で行う燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置において、
データベース及び演算処理手段を備え、
前記データベースが、会員登録されたユーザ及び当該ユーザの地域情報を含んだユーザ情報と、会員登録された備蓄拠点及び当該備蓄拠点の地域情報を含んだ備蓄拠点情報と、配送要求の書き込み、読出しを可能とし、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときの当該備蓄要求の書き込み、読出しを可能とする作動点と、ユーザごとに、当該作動点を介して配送要求を備蓄要求に結び付けることを可能とするリンクと、を格納し、
演算処理手段によって、平時、前記作動点に、ユーザと管理者とのソリューション対話によって形成された、当該ユーザの配送要求を表す燃料又は/及び電源配送要求品データ及び配送要求数量データと、管理者によって形成された、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときの当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データとが書き込まれて、当該作動点を介して当該配送要求を当該備蓄要求に結び付けたリンクが形成され、複数の備蓄拠点に、当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データによる備蓄要求をそれぞれ取得させ、
災害発生時、ユーザからなされた燃料又は/及び電源配送要求品及び配送要求数量の配送要求に基づいて、当該ユーザが検索されて、前記作動点から、当該作動点に書き込まれた当該備蓄要求が読み出されて、当該ユーザへの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示がなされること
を特徴とする燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、データベースに登録された複数のユーザが各々備蓄している災害用物質の備蓄情報を知るような操作あるいは手続を必要とせずに、各備蓄拠点に、当該備蓄拠点を結合する燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示を行い得る。
【0018】
このように、本発明によれば、災害が発生したとき、燃料又は/及び電源備蓄品に特化したとき、72時間の壁の存在に対応することができ、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システムが専業の管理者に構築され、運営され得て、ソリューション提案を行うに便利で、燃料又は/及び電源備蓄品を確実に備蓄確保して、提供を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】本発明実施例である燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置の構成を示す図
【
図3】燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1の機能を示す図
【
図4】災害発生時、燃料又は/及び電源備蓄品の配送方法について説明する図
【
図7】災害発生時に優先で備蓄品をユーザに配送する状況を示す図
【
図8】管理者からユーザへのソリューション提案を行う状況を示す図
【
図9】管理者、ユーザ及び備蓄拠点の間で契約が締結される契約について示す図
【
図10】BCPチャージの価値サービス提供を示す図
【
図13】本発明の第2の実施例である燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置の構成を示す図
【
図14】交点を表示した備蓄シエアリンクの形成を示す図
【
図15】作動点を表示した備蓄シエアリンクの形成を示す図
【
図16】作動点における備蓄配送スケジュールの例を示す図
【
図17】緊急度を表示した備蓄シエアリンクの形成を示す図
【発明を実施するための形態】
【実施例0020】
図1は、本発明の第1の実施例をブロックで示す図である。
図1は、備蓄拠点、ユーザ、備蓄拠点及び燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置の関係を示す。
図1(a)は、ユーザ、備蓄拠点及び燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置の関係をブロックで示す図であり、
図1(b)は、備蓄拠点で使用される用語に対して、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置で使用される用語の対応関係を示す図である。
【0021】
図1(b)に示されるように、備蓄拠点における備蓄品の燃料又は/及び電源、及び燃料又は/及び電源の数量は、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置では、データ化されたとき、備蓄品の燃料又は/及び電源備蓄品データ、及び備蓄数量データと称される。
【0022】
図1において、管理者が管理に使用する燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1は、管理者の端末内に形成される。
【0023】
ユーザ2は、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1に登録された自治体、病院・介護施設あるいは企業10を含む団体であり、パートナー団体であり、個人を含まず、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システム100に参加するユーザであり、備蓄シアリング会員とも呼ばれる。以下、これらの団体をユーザと称して説明する。ユーザは、それぞれ端末を所有する。ユーザと称したとき、ユーザの端末を意味する場合がある。
【0024】
備蓄拠点3は、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1に登録された備蓄拠点であり、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システム100に参加する備蓄拠点である。備蓄拠点には、直接的に燃料又は/及び電源備蓄品を備蓄する機関ばかりでなく、燃料又は/及び電源備蓄品調達に関与する機関が含まれる。そして、備蓄拠点には、この備蓄機関とこの備蓄品調達関与機関になる組み合わせセットが含まれ、備蓄アイテム管理業者、例えば輸送業者が含まれる。燃料又は/及び電源備蓄品の配送は、災害の状況によっては備蓄することよりも実施になる場合があり得る。このような場合が想定されるときには、郵送業者の確保による郵送能力の確保に重点を置いた管理がなされる。
燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システム100が、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1、ユーザ2及び備蓄拠点3を含んで構成される。
【0025】
燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1に、災害発生報知機関4から適宜災害が発生した地方情報を含む災害発生情報が報知される。
【0026】
燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システム100では、災害発生時に直ちに欠損する備蓄品の燃料又は/及び電源が備蓄品一元管理される。これらに日用品が加えられて、備蓄品一元管理されてもよい。
【0027】
燃料には、軽油、重油、灯油が該当するが、燃料源であればこれらに限定されない。本実施例で燃料と記載したときにこれらの物質を意味する。
【0028】
電源には、非常用発電機、移動電動車、ポータブル電源、あるいは蓄電池が該当するが、電源として機能すればこれらに限定されない。本実施例で電源と記載したときにこれらの物質を意味する。
【0029】
日用品には、水、食料、衛生用品、照明、冷暖房機器、衣料品、医療品等が該当するが、日常生活で用いられ、あるいは消費されるものであればこれらに限定されない。本実施例で日用品と記載したときにこれらの物質を意味する。
【0030】
燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1を運営する管理者、及びユーザ2及び備蓄拠点(あるいは備蓄拠点を運営する企業)3との間で、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1による管理、すなわちBCP(Business Continuity Plan)チャージの価値サービス提供に対する契約が締結され、ユーザ2から燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1を運営する管理者1Aに、例えば月額会費5が支払われ、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1を運営する管理者から備蓄拠点3に、備蓄拠点の利用に対する対価が支払われる(図で、契約支払い6として表示)。備蓄拠点では、備蓄要求に従って備蓄品確保、緊急配送車両の確保7がなされる。
災害発生時、ユーザ2から燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1に備蓄品配送要求8がなされる。
管理者1Aは、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置内に形成されたリンクを活用し、該当の作動点を検索して、平時に、格納することで確保された備蓄拠点から最適な備蓄拠点を、あるいは確保されたすべての備蓄拠点を配送先に選定して、該当の備蓄拠点3に配送の要求指示9を行う。
【0031】
当該備蓄拠点3は、燃料又は/及び電源備蓄品を備蓄し、配送手段、例えば配送車両、ドロンを確保し、備蓄された燃料又は/及び電源備蓄品を、配送指示に従って備蓄品のユーザへの緊急配送11を行う。災害の状況によっては、当該備蓄拠点3による緊急配送が行えない得ない場合が発生する。このような場合、緊急配送が行い得ない情報を入手した管理者は、予め計画しておいた配送道順による配送計画を準備しておいた緊急時車両通行申請書に所定事項を記入して、該当の当局に緊急時車両通行申請を行い、緊急時車両通行許可を得て配送指示に従った備蓄品のユーザへの緊急配送11を行う。
【0032】
後日、該当のユーザ2から当該備蓄拠点3に配送された備蓄品の配送に要した費用の支払い12がなされる。
【0033】
図2は、本発明実施例である燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置の構成を示す図である。
【0034】
図2において、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1は、管理者によって管理され、管理者の管理する端末内に構成され、入力手段31、演算処理手段32、出力手段33、データベース34及び画面表示手段35を備えて回線36で結合され、災害報知機関4に通信手段39を介して結合される。
【0035】
ユーザ2には、自治体、病院・介護施設(福祉施設を含む概念で使用される)あるいは事業者の企業が含まれる。災害報知機関4には、種々の公知の機関がある。
備蓄拠点は、企業に所属し、企業は企業同士でパートナー企業を形成することができる。
事業者である企業は、複数の備蓄拠点を持つ場合があり、多くの場合、複数の地方にまたがって複数の備蓄拠点を持つ。備蓄拠点内には、燃料を備蓄する備蓄装置、例えば油タンクに貯蔵され、及び各種の電源が準備され、あるいはパートナー企業同士で電源を共同共有して準備することもある。
【0036】
備蓄拠点は、燃料備蓄・配送業者あるいは備蓄アイテム管理業者、例えば備蓄品メーカー、輸送業者によって運営されるが、これらには限定されない。備蓄拠点がユーザになるときも想定される。
【0037】
入力手段31は、配送要求、すなわち燃料又は/及び電源備蓄配送要求を入力する。
【0038】
演算処理手段32は、
・平時、作動点に配送要求データ及び備蓄要求データの書き込み
・リンクの形成
・災害発生時、作動点に書き込まれた前記データの読み出し
・配送指示
を行う。
【0039】
出力手段33は、演算処理結果の出力を行う。
【0040】
データベース34には、
・ユーザ情報
・備蓄拠点情報
・作動点
・リンク
が格納される。
【0041】
画面表示手段35は、画面35Aを備えて、画面35Aに、作動点に書き込まれた会員登録されたユーザと、ユーザごとに配送要求された燃料又は/及び電源配送要求品及び配送要求数量に対応した燃料又は/及び電源配送要求品データ及び配送要求数量データと、会員登録された備蓄拠点と、備蓄拠点ごとに備蓄要求された燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データを表示する。
【0042】
画面表示手段35の画面35Aに、配送要求、作動点及び備蓄要求の関連を示すリンクが表示され得て、リンクの画面表示の際に、作動点に各種のデータが書き込みされた配送要求が、配送要求の分岐状態を表示する備蓄要求と共に表示され、作動点が画面上で指示されると、書き込まれた各種のデータが読み出され得る。
【0043】
燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1は、ユーザ2から配送要求を取得し(39A)、備蓄拠点に備蓄要求を届ける。また、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1は、災害報知機関4に通信手段39で結ばれ、時々刻々に災害情報を入力する。
【0044】
図3は、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1の機能を示す図である。
【0045】
図3において、管理者1Aは、管理者端末を備え、当該端末内に構成される燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1を持つ。
【0046】
燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1は、配送要求データを格納するファイル(以下、配送要求14という)、作動点データを格納するファイル(以下、作動点15という)、備蓄要求データを格納するファイル(以下、備蓄要求16という)を備え、配送要求14、作動点15及び備蓄要求16を電子的に授受できるように結合した電子回路のリンク13を持つ。
【0047】
配送要求14は、ユーザ2に対応する形で設けられていて、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1に伝送、書類あるいは口頭で伝えられ得る。そして、備蓄要求は、備蓄拠点3に対応する形で設けられていて、備蓄拠点3に伝送、書類あるいは口頭で伝えられ得る。
【0048】
作動点15は、ユーザ2、配送要求14に並列する形で、複数設けられており、配送要求の書き込み、読出しを可能とし、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されてファイル記入指示がなされたときに当該備蓄要求が書き込まれ、また作動点15から当該備蓄要求が読出しされる。
【0049】
通常、備蓄要求16の点数は、配送要求14、作動点15の点数に比べて多い。
リンク13は、複数の備蓄要求16を一つの作動点15に結合し、ユーザ2ごとに、作動点15を介して配送要求を複数の備蓄要求に結び付けることを可能とする。
図3を用いて、平時、燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄方法について説明する。
【0050】
図3に示される場合、ユーザ2と管理者1Aとの間で、ソリューション対話がなされて、燃料又は/及び電源備蓄品配送要求の形成がなされる。
【0051】
形成された燃料又は/及び電源備蓄品配送要求は、配送要求14という形で燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1に入力、取り込まれ、ファイル化される。
【0052】
管理者1Aは、ファイル化された配送要求14を画面35の画面35Aに表示し、ユーザ2のニーズ、備蓄拠点3備蓄対応能力及び既存の備蓄状況、広域に亘る分散化状況を勘案して、配送要求14を分散化した複数の備蓄要求に変換する。燃料又は/及び電源備蓄品に性質によっては、一つの配送要求に一つの備蓄要求が設定されることもある。
【0053】
図3に示される場合、ユーザAの配送要求14は、管理者1Aによって3つに分散され3つの備蓄要求に変換された。ユーザBの配送要求14は、管理者1Aによって2つに分散され2つの備蓄要求に変換された。ユーザCの配送要求14は、管理者1Aによって分散されず、1つの備蓄要求に変換された。この結果、備蓄拠点(1)には、3つの分散要求がなされ、3つの分散要求に対応して燃料又は/及び電源備蓄品が、3つのユーザにシエアされる形で備蓄され、備蓄拠点(2)及び備蓄拠点(3)には、それぞれ2つの分散要求がなされ、2つの分散要求に対応して燃料又は/及び電源備蓄品が、2つのユーザにシエアされる形で備蓄された。
【0054】
ユーザ側から見た場合、ユーザの配送要求14と管理者による備蓄要求とは、下側向きの矢印で示すように1:N及び1:1の関係を含む関係にある(Nは整数)。
【0055】
本例の場合、備蓄要求16が備蓄拠点3に対してなされるとき、管理者1Aと備蓄拠点3との間でソリューション対話18がなされ、双方の合意の下で備蓄要求16が備蓄拠点3に伝達された。この伝達方法は、伝送、書類及び口頭のいずれの方法であってもよい。
【0056】
備蓄拠点3は、備蓄要求16に従って燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄19を行う。
【0057】
備蓄拠点側から見た場合、備蓄拠点における備蓄要求とユーザの配送要求14とは、上側向きの矢印で示すように1:N及び1:1の関係を含む関係にある。この場合、一つの備蓄拠点側から複数のユーザへの備蓄情報の提供がなされる。
画面表示手段の画面に、前記作動点に、一つの配送要求が、配送要求の分岐状態を表示する備蓄要求が、又は一つの備蓄要求が分岐状態する配送要求が表示され、前記作動点が画面上で指示されると、書き込まれた配送要求と備蓄要求との関係が読み出される。
【0058】
図4は、災害発生時、燃料又は/及び電源備蓄品の配送方法について説明する図である。
【0059】
災害が発生してユーザAに損壊が生じたときに、燃料又は/及び電源備蓄品配送要求20が形成され、ユーザAから燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1に配送要求14A伝送される。他の方法であってもよい。
【0060】
管理者1Aは、作動点15に格納してある配送要求を読み出し、配送要求16Aとして取り出し、備蓄要求16を備蓄拠点3に迅速に伝える。
【0061】
備蓄拠点3は、備蓄要求16に沿って燃料又は/及び電源備蓄品の配送19Aを実行してユーザ2に届ける。
【0062】
配送方法には、他の配送がある。
【0063】
備蓄拠点3は、作動点から、当該作動点に書き込まれたユーザを検索し、当該備蓄要求を読み出して、当該ユーザへの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示を取得する。
【0064】
備蓄拠点3は、備蓄要求16に沿って燃料又は/及び電源備蓄品の配送19Aを実行してユーザ2に届ける。
【0065】
備蓄品が日用品の場合にも同様に管理される。
【0066】
これによって、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理が一元化してなされる。
【0067】
【0068】
作動点15は、A. 燃料又は/及び電源備蓄品調達管理ファイル51及びB.備蓄要求管理ファイル52から形成される。
A.燃料又は/及び電源備蓄品調達管理ファイル51は、ユーザ名(ユーザID)53、配送要求項目54からなり、配送要求項目54は、燃料又は/及び電源備蓄品、さらには必要に応じて日用品の品目名、及びこれら品目の配送要求数量を記入する欄から形成される。
燃料又は/及び電源備蓄品、さらには必要に応じて日用品について記入される配送要求項目54に記入される項目は、
配送要求の有無
要求品
要求数量
備蓄すべき地方
になる。
備蓄すべき地方は、ユーザが所属する地方とは異なる地方が推奨されるが、同じ地方であってもよい。
B.備蓄要求管理ファイル52は、備蓄要求項目55を備え、管理者によって形成される備蓄要求管理状況が記入される。
管理者によって形成されたデータベースから備蓄拠点3に関する情報が検索可能で、検索結果がデータベース欄に表示可能とされる。
備蓄要求管理ファイル52に、備蓄要求16に対応して、備蓄する地方ごとに、備蓄要求品及び要求数量を記入する。
作動点は、ステップ1:A.燃料又は/及び電源備蓄品調達管理ファイル51
ステップ2:B.備蓄要求管理ファイル52の生成
の工程を踏まえて生成され、画面に、リンクに関連して読出し可能にして表示される。
このように、ユーザ2、配送要求14に並列する形で、複数設けられており、配送要求の書き込み、読出しを可能とした作動点が燃料又は/及び電源備蓄品調達に利用可能とされる。
作動点に関連して、会員登録されたユーザと、ユーザごとに配送要求された燃料又は/及び電源配送要求品及び配送要求数量に対応した燃料又は/及び電源配送要求品データ及び配送要求数量データと、会員登録された備蓄拠点と、備蓄拠点ごとに備蓄要求された燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データがファイルされる。
配送要求と備蓄要求との関係
配送用要求も備蓄要求もユーザの要求に基づいて設定される。典型的には、燃料又は/及び電源配送要求品データ及び配送要求数量データと燃料又は/及び電源備蓄要求品データ及び備蓄要求数量データは一致する。ユーザの都合により双方のデータを一致させることができない場合がある。そのような場合、災害時における危機回避のために管理者は、燃料又は/及び電源配送要求品データ及び配送要求数量データを燃料又は/及び電源備蓄要求品データ及び備蓄要求数量データより多く設定する場合がある。この場合、備蓄要求された備蓄数量を総計した備蓄数量が配送要求数量よりも多い。
【0069】
図3、
図4に示される事項は、画面表示手段35の画面35Aに表示される。画面上で、ユーザ又は備蓄拠点を特定し、ユーザ又は備蓄拠点関連の作動点15を指でタッチすると、
図5に示される作動点に記録された事項の全部又は一部が直ちに画面表示される。管理者1Aは、直ちにユーザ2からの配送要求に応えるための行動として、又は/及び備蓄拠点からの備蓄要求に応えるための行動として、画面表示された備蓄拠点に予め取り決めておいた配送要求を燃料又は/及び電源備蓄品を指定し調達することができる。調達された燃料又は/及び電源備蓄品は、該当のユーザ2に配送される。
図6は、燃料の量をユーザがシエアする状態を示す図である。
【0070】
図6(a)は、ユーザが共有の油、例えば軽油を共有する例を示し、
図6(a)は、ユーザに優先配送権が設定された状態を示す図である。
【0071】
図6(a)において、備蓄拠点の油備蓄タンクには、ユーザA、ユーザB、ユーザCが共有する燃料が、備蓄された燃料に混在して貯油される。災害が発生したとき、直ちに持分に応じた油がユーザA、ユーザB、ユーザCに配送される。
【0072】
ユーザA、ユーザB、ユーザCの代わりに、第三者が備蓄品の燃料又は/及び電源備蓄品所有して、備蓄拠点に保持し、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1からの指定に従ってユーザに配分されて、配送されるようにしてもよい。この場合に当ても備蓄管理は、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1が用いられてなされる。
【0073】
図6(b)において、備蓄拠点の油備蓄タンクには、平時の備蓄油が貯油される。災害が発生したとき、優先配送権が設定された油について優先配送権の持分に応じた油がユーザA、ユーザB、ユーザCに優先的に配送される。
【0074】
電源の場合も優先権に応じて同様に処置される。
【0075】
以上のように、ユーザがシエアする状態は、燃料、電源を共有してシエアする場合と、優先配送権の設定に基づく優先状態をシエアする場合とを含んで用いられる。
【0076】
図7は、災害発生時に優先して備蓄品をユーザに配送する状況を示す図である。
全国の備蓄拠点から災害発生時に最優先して備蓄品が災害発生地方に所属するユーザに配送される。
【0077】
全国は、広域に亘る地方、典型的には北海道地方、東北地方、関東地方、北陸地方、中部地方、近畿地方、中国地方、四国地方及び九州地方に分けられ、地方ごとに備蓄拠点がリスト化され、集合され、集合状態で格納される。備蓄拠点は、海外に設けられてもよい。広域に亘る地方の分け方については、前述した分け方に限定されず、ユーザと管理者の協議によって定められ得る。
図7に示されるように、もし関東地方に災害が発生したとすると、災害発生時備蓄シエアリンクに格納された備蓄拠点を活用し、その他の地方の備蓄拠点から途中の備蓄拠点を経由して、備蓄品の燃料又は/及び電源備蓄品が関東地方に所属する被災したユーザに最優先して配送される。その他の地方の備蓄拠点から途中の備蓄拠点を経由する場合、特に備蓄拠点が同一の企業である場合、連携関係にある場合に、有効に活用される。
【0078】
配送すべきことが指定された備蓄拠点が、当該備蓄拠点から何らかの理由によって作動点に記録した備蓄品の燃料又は/及び電源備蓄品を該当のユーザに配送できない場合に、当該備蓄拠点に隣接あるいは近隣の備蓄拠点から配送することが可能とされ、あるいは備蓄品の燃料又は/及び電源備蓄品が隣接あるいは近隣の備蓄拠点から補填されて、当該備蓄拠点から当該ユーザへの配送がなされるようにしてもよい。
【0079】
災害発生の報知情報が取得されたとき、当該備蓄シエアリンクが検索されて、災害発生の地方に所属するユーザごとに災害発生の地方以外の地方に所属する各備蓄拠点を結ぶリンク及び当該備蓄拠点ごとに当該複数のユーザを結ぶリンクになり、当該複数のユーザ及び当該複数の備蓄拠点を結合した災害発生時備蓄シエアリンクが取得されて、ユーザごとに災害発生地域以外の備蓄拠点情報が取得される。
【0080】
図8は、管理者からユーザへのソリューション提案を行う状況を示す図である。
【0081】
配送要求がなされるとき、ユーザ2と管理者1Aとの間でソリューション対話がなされ、管理者1Aからソリューション提案がなされる。
ソリューション提案は、
図1に示される管理者が所有する燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置及び燃料又は/及び電源備蓄品調達管理方法を基礎資料として、お客であるユーザに対する BCP(Business Continuity Plan)診断がなされ、ユーザニーズに適応した提案がなされる。
ソリューション対話では、
図5に示されるA. 燃料又は/及び電源備蓄品調達管理ファイルの空欄を埋める形で検討がなされる。
・最適な備蓄配送スケジュール、72時間以内の緊急備蓄配送スケジュール
・契約用の担保、配送2ルート以上の確保
・ユーザの要する費用の月額会費の負担
を含む観点からなされる。
図8に、BCP診断に典型的例として、BCP電源診断がなされる例を示した。
【0082】
BCP電源診断:お客様(ユーザ)の現状の取り組みを把握し、長期停電発生時に必要な重要電源は何か、その電源をバックアップする対策はとれているかを図に示される診断書を作成することで把握する。
【0083】
把握に基づいて、ソリューション提案がなされる。
【0084】
お客様における対策及び備蓄シエアリング「BCPチャージ」における提案に分けてソリューション提案がなされる。備蓄シエアリング「BCPチャージ」における提案では、お客様の対策に合わせ、長期停電(72時間程度)に備えた最適な備蓄サービスのメニューが提案される。
【0085】
例えば、72時間以内の緊急備蓄配送スケジュールを実行するために必要とされる地方ごとの備蓄拠点の確保及び備蓄拠点について災害発生時の際、緊急配送順位の提案がなされる。また、平時における備蓄配送計画の見直し方法による作動点の変更、格納するデータの調整、変更の提案がなされる。また、どの地方に災害が発生しても確実に備蓄品の燃料又は/及び電源の配送を可能とする備蓄配送方法の提案がなされる。
【0086】
これらは、備蓄配送スケジュールとして、拠点作動転点に備蓄データとして格納される。
【0087】
図9は、管理者、ユーザ及び備蓄拠点の間で契約が締結される契約について示す図である。
燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1を運営する管理者1A、ユーザ2及び備蓄拠点(あるいは備蓄拠点を運営する企業)3との間で契約が締結される。
燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1による管理、すなわちBCPチャージの価値サービス提供に対する契約が締結され、ユーザ2から燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1を運営する管理者に月額会費が支払われ、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1を運営する管理者から備蓄拠点3に備蓄拠点の利用に対する対価が支払われる。
【0088】
ユーザがシエアする備蓄シエアリンクの形成状態、備蓄配送スケジュール設定状態、緊急配送設定状態、ユーザ及び備蓄拠点の状態によって対価が設定される。
契約量の担保:
ユーザごとに、ユーザ別備蓄統合データが、そして備蓄拠点ごとに備蓄拠点統合データが取得される。また、ユーザごとの燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データが取得され、備蓄拠点ごとの災害時対応可能な燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データが取得される。
ユーザが要求する地方に災害が発生したとき、当該災害が発生した地域以外の作動点における備蓄拠点統合データが取得され、燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに比較され、乖離を埋めるため調整がなされて、72時間稼働に向けた燃料又は/及び電源備蓄品確保による契約量の担保がなされる。
一方、備蓄拠点について、備蓄拠点統合データが備蓄拠点ごとの災害時対応可能な燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに比較され、乖離を埋めるため調整がなされて、72時間稼働に向けた燃料又は/及び電源備蓄品確保による契約量の担保がなされる。
配送計画についても、各ユーザへの2ルート以上のルートが確保されるかの検証がなされる。
【0089】
図10は、BCPチャージのサービス提供の内容を示す図である。
【0090】
BCPチャージのサービス提供の内容として、次のような項目が挙げられる。
【0091】
・緊急時通行車両によるお届け
例えば、備蓄拠点の1つの燃料小売業者は、緊急時通行車両によって配送する。
【0092】
・分散した備蓄拠点
備蓄拠点を全国に分散して指定しておくことができ、地方に大きな災害が生じた場合、対応可能である。
【0093】
・最適な配送ルート選定
備蓄拠点の1つの輸送業者のノウハウを生かされ、最適な配送ルートが選定される。
【0094】
・備蓄品の期限管理
備蓄品が日用品である場合、備蓄拠点によって備蓄品の適切な期限管理がなされる。
【0095】
・管理システムによる運営
災害発生の報知情報が取得されたとき、外部からの指令に基づいて当該備蓄シエアリンクを検索して、各ユーザを基点にして各備蓄拠点を結ぶ系統及び各備蓄拠点を基点として各ユーザを結ぶ系統で、災害発生地域以外の備蓄拠点で形成された災害発生時備蓄シエアリンクが取得されて、当該ユーザについて、当該備蓄シエアリンクで結合する災害発生地域以外の備蓄拠点情報を取得し、
当該備蓄拠点情報に基づいて、各備蓄拠点に、当該備蓄拠点を結合する燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量を配送指示し、備蓄・配送を一元的に管理する災害用物質の備蓄情報管理装置における災害用物質の備蓄情報管理方法が採用される。
当該備蓄拠点情報に基づいてとは、出力された備蓄拠点情報が即採用された場合と、備蓄拠点情報の中から一定のルールに従って選択された備蓄拠点情報が用いられる場合と、出力された備蓄拠点情報を画面に表示(第一次処理)し、表示された備蓄拠点情報の中から管理者によって選択(第二次処理)されたことに基づいて採用された備蓄拠点情報が用いられる場合とを含む。いずれにしても、当該備蓄拠点情報が用いられる。第一次による画面表示は、該当の備蓄拠点を表示するものであれば点滅方法、数値による方法、記号による方法、その他の方法であってもよい。
【0096】
・24時間365日緊急連絡体制
24時間365日緊急連絡体制で、災害発生に対応することができる。
【0097】
図11は、BCPチャージの提供価値を示す図である。
【0098】
本実施例によれば、図に示されるBCPチャージの提供価値が提供される。
以上のように、燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置は、次の構成を持つ。
データベースが、会員登録されたユーザ及び当該ユーザの地域情報を含んだユーザ情報と、会員登録された備蓄拠点及び当該備蓄拠点の地域情報を含んだ備蓄拠点情報と、配送要求の書き込み、読出しを可能とし、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときに当該備蓄要求を書き込み、また当該備蓄要求を読出しする作動点と、ユーザごとに、当該作動点を介して配送要求を備蓄要求に結び付けることを可能とするリンクと、を格納する。
平時、前記作動点に、ユーザと管理者とのソリューション対話によって形成された、当該ユーザの配送要求を表す燃料又は/及び電源配送要求品データ及び配送要求数量データと、管理者によって形成された、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときの当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データとが書き込まれて、当該作動点を介して当該配送要求を当該備蓄要求に結び付けたリンクが形成され、広域に亘る複数の備蓄拠点に、当該備蓄要求を表す燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データによる備蓄要求をそれぞれ取得させる。
災害発生時、ユーザからなされた燃料又は/及び電源配送要求品及び配送要求数量の配送要求に基づいて、当該ユーザが検索されて、前記作動点から、当該作動点に書き込まれた当該備蓄要求が読み出されて、当該ユーザへの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示がなされる。
又は、災害発生時、前記作動点から、当該作動点に書き込まれたユーザが検索され、当該備蓄要求が読み出されて、当該ユーザへの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示が取得される。
災害が発生した地域に所属するユーザに、災害が発生した地域以外に所属する備蓄拠点から備蓄配送スケジュールに沿って燃料又は/及び電源備蓄品が備蓄、配送される状態がシミュレーションされた。
以下、シミュレーション例について示す。
・シミュレーション1
ユーザ1は、東京に所在する病院である。
管理者1Aの端末に、データベースが、会員登録されたユーザ及び当該ユーザの地域情報を含んだユーザ情報と、会員登録された備蓄拠点及び当該備蓄拠点の地域情報を含んだ備蓄拠点情報と、配送要求の書き込み、読出しを可能とし、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときに当該備蓄要求を書き込み、また当該備蓄要求を読出しする作動点と、ユーザごとに、当該作動点を介して配送要求を備蓄要求に結び付けることを可能とするリンクを設定した格納備蓄品管理装置が準備された。
【0099】
ユーザ1から管理者1Aに、災害時に軽油2000l(リットル)の配送をお願いしたい旨の相談があった。災害発生時に、病院の機能を継続するために、軽油2000lの配送を依頼したいとのことであった。
【0100】
管理者1Aは、ユーザ1のニーズを把握しつつ、ユーザに相談して危険分散のために
図5に示されるファイルにユーザ名と軽油3000lの配送依頼を記録すると共に配送に要する所定の費用を月ごとに支払いを受ける契約を締結した。
【0101】
管理者1Aは、軽油3000lの配送依頼を軽油1000l、軽油1000l、軽油1000lの3つに分けて備蓄拠点に備蓄を依頼することを提案してユーザ1の了解を得てし、軽油1000lを近畿地方に所在する備蓄拠点に、軽油1000lを東京地方に所在する備蓄拠点に、そして軽油1000lを北陸地方に所在する備蓄拠点に備蓄依頼することとした。
図5に示されるファイルに分散備蓄依頼状態を記録した。
【0102】
管理者1Aは、データベースに格納した備蓄拠点から災害時に軽油を配送可能な備蓄拠点を近畿、東北及び東京地方に所在する備蓄拠点を検索して備蓄拠点候補とした。
【0103】
管理者1Aは、これらの備蓄拠点候補と話し合い、軽油1000l、軽油1000l、軽油1000lの備蓄の承諾を得たので、直ちに備蓄依頼の手続きを採った。この手続に平行して備蓄依頼に当たっての契約を締結して、所定の契約金を支払うこととし、管理者1Aは、それぞれの備蓄拠点に期限ごとに所定の契約金を支払った。
【0104】
ユーザ1が所属する地域である東京地方に災害が発生した。
ユーザ1からできるだけ多くの軽油を配送して欲しい旨の依頼があった。
【0105】
管理者1Aは、東京地方に所在する備蓄拠点の施設が損壊した報告を入手した。
【0106】
管理者1Aは、
図5に示されるファイルに記録された近畿地方に所在する備蓄拠点に、各軽油1000lの配送を直ちに行うよう電話で依頼して、了解された。
【0107】
ユーザ1から、近畿地方に所在する備蓄拠点から軽油1000lが24時間以内に、そして北陸地方の備蓄拠点から軽油1000lが72時間以内に配送があった旨の報告があった。
・シミュレーション2
ユーザ1は、東京に所在する自治体である。
準備状態がシミュレーション1と同様に設定された。
【0108】
管理者1Aの端末に、データベースが、会員登録されたユーザ及び当該ユーザの地域情報を含んだユーザ情報と、会員登録された備蓄拠点及び当該備蓄拠点の地域情報を含んだ備蓄拠点情報と、配送要求の書き込み、読出しを可能とし、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときに当該備蓄要求を書き込み、また当該備蓄要求を読出しする作動点と、ユーザごとに、当該作動点を介して配送要求を備蓄要求に結び付けることを可能とするリンクを設定した格納備蓄品管理装置が準備された。
【0109】
ユーザ1から管理者1Aに、災害時に軽油4000lの配送及び非常用電源3台の配送をお願いしたい旨の相談があった。災害発生時に、自治体の機能を継続するために、軽油4000lの配送及び非常用電源3台の配送を依頼したいとのことであった。
【0110】
管理者1Aは、災害発生時に、軽油4000lの配送及び非常用電源3台を配送し、ユーザ1の分散確保のニーズを把握しつつ、ユーザに相談して危険分散のために
図5に示されるファイルにユーザ名と軽油5000lの配送依頼及び非常用電源5台を記録すると共に配送に要する所定の費用を月ごとに支払いを受ける契約を締結した。
【0111】
管理者1Aは、軽油5000lの配送依頼を軽油1000l、軽油1000l、軽油1000l、1000l、1000lの5つに分けて備蓄拠点に備蓄を依頼すること、及び非常用電源1台ずつの5つに分けて備蓄拠点に備蓄を依頼することを提案してユーザ1の了解を得て、軽油1000lを近畿地方に所在する備蓄拠点に、軽油1000lを東京地方に所在する備蓄拠点に、軽油1000lを北陸地方に所在する備蓄拠点に、軽油1000lを東京地方に所在する備蓄拠点に、軽油1000lを九州地方に所在する備蓄拠点に、備蓄依頼することとした。非常用電源も同様とした。
図5に示されるファイルに分散備蓄依頼状態を記録した。
【0112】
管理者1Aは、データベースに格納した備蓄拠点から災害時に軽油を配送可能な備蓄拠点を近畿、東北、東京、北陸及び九州地方に所在する軽油を備蓄可能な備蓄拠点、及び非常用電源を提供できる備蓄拠点を検索して備蓄拠点候補とした。
【0113】
管理者1Aは、これらの備蓄拠点候補と話し合い、各軽油1000l、各1台の非常用電源の承諾を得たので、直ちに備蓄依頼の手続きを採った。この手続に平行して備蓄依頼に当たっての契約を締結して、所定の契約金を支払うこととし、管理者1Aは、それぞれの備蓄拠点に期限ごとに所定の契約金を支払った。
【0114】
ユーザ1が所属する地域である東京地方に災害が発生した。
ユーザ1から軽油4000l及び非常用電源3台、配送して欲しい旨の依頼があった。
【0115】
管理者1Aは、東京地方に所在する備蓄拠点の施設が損壊した報告を入手した。
【0116】
管理者1Aは、東京地方に在住する備蓄拠点を除いて、
図5に示されるファイルに記録された該当の地方に所在する備蓄拠点に、各軽油1000l、各1台の非常用電源の配送を直ちに行うよう電話で依頼して、了解された。
【0117】
ユーザ1から、該当の地方に所在する備蓄拠点から各軽油500l、合計3台の非常用電源の配送が24時間以内に、そして当該備蓄拠点から各軽油5000l、各1台の非常用電源の配送が72時間以内に配送があった旨の報告があった。
・シミュレーション3
ユーザ1は、東京に所在する企業である。
準備状態がシミュレーション1と同様に設定された。
【0118】
管理者1Aの端末に、データベースが、会員登録されたユーザ及び当該ユーザの地域情報を含んだユーザ情報と、会員登録された備蓄拠点及び当該備蓄拠点の地域情報を含んだ備蓄拠点情報と、配送要求の書き込み、読出しを可能とし、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときに当該備蓄要求を書き込み、また当該備蓄要求を読出しする作動点と、ユーザごとに、当該作動点を介して配送要求を備蓄要求に結び付けることを可能とするリンクを設定した格納備蓄品管理装置が準備された。
【0119】
ユーザ1から管理者1Aに、災害時に軽油1500lの配送、蓄電池10台及び衛生用品1000個の配送をお願いしたい旨の相談があった。災害発生時に、企業の機能を継続するために、軽油1500lの配送、蓄電池10台及び衛生用品1000個の配送を依頼したとのことであった。
【0120】
管理者1Aは、ユーザ1の分散確保のためのニーズを把握しつつ、ユーザに相談して危険分散のために
図5に示されるファイルにユーザ名と軽油1500lの配送依頼及び蓄電池10台、衛生用品1000個を記録すると共に配送に要する所定の費用を月ごとに支払いを受けること、軽油3000lの配送依頼及び蓄電池12台、衛生用品1200個にした分散備蓄依頼することの契約を締結した。
【0121】
管理者1Aは、軽油30000lの配送依頼を軽油1000l、軽油1000l、軽油1000lの3つに分けて備蓄拠点に備蓄を依頼すること、及び蓄電池2台ずつ、及び衛生用品300個の5つに分けて備蓄拠点に備蓄を依頼することを提案してユーザ1の了解を得て、軽油1000lを近畿地方に所在する備蓄拠点に、軽油1000lを東京地方に所在する備蓄拠点に、軽油1000lを北陸地方に所在する備蓄拠点に、備蓄依頼することとした。蓄電池、衛生用品も同様とした。
図5に示されるファイルに分散備蓄依頼状態を記録した。
【0122】
管理者1Aは、データベースに格納した備蓄拠点から災害時に軽油を配送可能な備蓄拠点を近畿、東京地方に所在する軽油を備蓄可能な備蓄拠点、及び蓄電池、衛生用品を提供できる備蓄拠点を検索して備蓄拠点候補とした。
【0123】
管理者1Aは、これらの備蓄拠点候補と話し合い、各軽油1000l、各2台の蓄電池、各500個の衛生用品の備蓄の承諾を得たので、直ちに備蓄依頼の手続きを採った。この手続に平行して備蓄依頼に当たっての契約を締結して、所定の契約金を支払うこととし、管理者1Aは、それぞれの備蓄拠点に期限ごとに所定の契約金を支払った。
【0124】
ユーザ1が所属する地域である東京地方に災害が発生した。
ユーザ1から軽油1600l及び蓄電池10台、衛生用品1000個を配送して欲しい旨の依頼があった。
【0125】
管理者1Aは、東京地方に所在する備蓄拠点の施設が損壊した報告を入手した。
【0126】
管理者1Aは、東京地方に在住する備蓄拠点を除いて、
図5に示されるファイルに記録された該当の地方に所在する備蓄拠点に、軽油1600l、各5台の蓄電池、各500個の衛生用品の配送を直ちに行うよう電話で依頼して、了解された。
【0127】
ユーザ1から、該当の地方に所在する備蓄拠点から各軽油800l、各5台の蓄電池、各500個の衛生用品の配送が72時間以内に配送があった旨の報告があった。
・シミュレーション4
ユーザ1は、大阪に所在する企業である。
準備状態がシミュレーション1と同様に設定された。
【0128】
管理者1Aの端末に、データベースが、会員登録されたユーザ及び当該ユーザの地域情報を含んだユーザ情報と、会員登録された備蓄拠点及び当該備蓄拠点の地域情報を含んだ備蓄拠点情報と、配送要求の書き込み、読出しを可能とし、当該配送要求が一つまたは複数の備蓄要求に変換されたときに当該備蓄要求を書き込み、また当該備蓄要求を読出しする作動点と、ユーザごとに、当該作動点を介して配送要求を備蓄要求に結び付けることを可能とするリンクを設定した格納備蓄品管理装置が準備された。
【0129】
ユーザ1から管理者1Aに、災害時に、蓄電池10台及び衛生用品1000個の配送をお願いしたい旨の相談があった。災害発生時に、企業の機能を継続するために、蓄電池10台及び衛生用品1000個の配送を依頼したとのことであった。
【0130】
管理者1Aは、ユーザ1の分散確保のためのニーズを把握しつつ、ユーザに相談して危険分散のために
図5に示されるファイルにユーザ名と蓄電池10台、衛生用品1000個を記録すると共に配送に要する所定の費用を月ごとに支払いを受けること、蓄電池12台、衛生用品1200個にした分散備蓄依頼することの契約を締結した。
【0131】
管理者1Aは、蓄電池2台ずつ、及び衛生用品300個の5つに分けて備蓄拠点に備蓄を依頼することを提案してユーザ1の了解を得て、蓄電池2台を東京地方に所在する備蓄拠点に、蓄電池2台を北陸地方に所在する備蓄拠点に、蓄電池2台を近畿地方に所在する備蓄拠点に、蓄電池2台を九州地方に所在する備蓄拠点に、備蓄依頼することとした。衛生用品も同様とした。
図5に示されるファイルに分散備蓄依頼状態を記録した。
【0132】
管理者1Aは、データベースに格納した備蓄拠点から災害時に蓄電池2台を配送可能な備蓄拠点を東北、東京、北陸、九州及び近畿地方に所在する蓄電池、衛生用品を提供できる備蓄拠点を検索して備蓄拠点候補とした。
【0133】
管理者1Aは、これらの備蓄拠点候補と話し合い、各2台の蓄電池、各200個の衛生用品の備蓄の承諾を得たので、直ちに備蓄依頼の手続きを採った。この手続に平行して備蓄依頼に当たっての契約を締結して、所定の契約金を支払うこととし、管理者1Aは、それぞれの備蓄拠点に期限ごとに所定の契約金を支払った。
【0134】
ユーザ1が所属する地域である東京地方に災害が発生した。
ユーザ1から蓄電池10台、衛生用品1000個を配送して欲しい旨の依頼があった。
【0135】
管理者1Aは、大阪地方に所在する備蓄拠点の施設が損壊した報告を入手した。
【0136】
管理者1Aは、大阪地方に在住する備蓄拠点を除いて、
図5に示されるファイルに記録された該当の地方に所在する備蓄拠点に、各2台の蓄電池、各200個の衛生用品の配送を直ちに行うよう電話で依頼して、了解された。
【0137】
ユーザ1から、該当の地方に所在する備蓄拠点から各1台の蓄電池、200個の衛生用品の配送が24時間以内に、そして当該備蓄拠点から各1台の蓄電池の配送が72時間以内に配送があった旨の報告があった。
・シミュレーション5
シミュレーション1と同様にして、備蓄拠点の施設に備蓄品が備蓄された。
【0138】
ユーザ1が所属する地域である東京地方に災害が発生した。
【0139】
管理者1Aは、東京地方に所在する備蓄拠点の施設が損壊した報告を入手した。同様に他の地方の備蓄拠点も東京地方に所在する備蓄拠点の施設が損壊した報告を入手した。
他の地方の備蓄拠点は、作動点から、当該作動点に書き込まれたユーザ1を検索し、備蓄要求を読み出して、当該ユーザへの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量の配送指示を取得した。
【0140】
他の地方の備蓄拠点は、軽油1000lの配送を直ちに行うよう手配した。
【0141】
ユーザ1から、近畿地方に所在する備蓄拠点から軽油1000lが24時間以内に、そして北陸地方の備蓄拠点から軽油1000lが72時間以内に配送があった旨の報告があった。
【0142】
同様の方法で多数のシミュレーションが実行された。多数のシミュレーションが実行されたことで、ユーザ群をX軸にし、備蓄拠点群をY軸として、X軸Y軸の各交点を有した座標を持つテーブルに関する情報と、前記テーブルの座標のX軸Y軸上の交点を作動点に変換可能とし、作動点に、燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データを登録可能とし、及び当該燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに対応した備蓄拠点ごとに燃料又は/及び電源備蓄品の及び備蓄数量をユーザがシエアする備蓄シエアリンクを形成可能とするコンピュータプログラムを形成することができた。これらは、データベースに格納された。
データベースが、ユーザに関するユーザ情報と、備蓄品の燃料又は/及び電源備蓄品及び当該備蓄品を備蓄する備蓄拠点に関する情報、及び備蓄拠点の地域情報を含み、備蓄拠点ごとに備蓄する燃料又は/及び電源備蓄品及び備蓄数量に対応した燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに関する備蓄拠点情報と、ユーザをX軸にし、備蓄拠点をY軸として、X軸Y軸の交点41を有した座標を持つテーブル40に関する情報と、前記テーブルの座標のX軸Y軸上の交点を作動点42、さらには作動点42に緊急度が付与された作動点43に変換可能とし、作動点に、燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データを電子データとして格納可能とし、及び当該燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに対応して備蓄拠点ごとの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量をシエアする複数のユーザ及び複数の備蓄拠点を結合する備蓄シエアリンクを形成可能とするコンピュータプログラムと、を格納する。
外部から指令に基づいて前記テーブルの座標軸上の交点が指定されると、演算処理手段によって、当該交点が作動点に変換され、当該作動点に、外部からの指令に依存して形成された、災害発生時にユーザに配送予想される燃料又は/及び電源備蓄品が格納され、ユーザごとに複数の備蓄拠点を結ぶリンク及び備蓄拠点ごとに複数のユーザを結ぶリンクになり、当該リンクに関連して形成された燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに対応して各備蓄拠点に備蓄される燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量をシエアする、当該複数のユーザ及び当該複数の備蓄拠点を結合する備蓄シエアリンクが形成される。
災害発生の報知情報が取得されたとき、当該備蓄シエアリンクが検索されて、災害発生の地方に所属するユーザごとに災害発生の地方以外の地方に所属する各備蓄拠点を結ぶリンク及び当該備蓄拠点ごとに当該複数のユーザを結ぶリンクになり、当該複数のユーザ及び当該複数の備蓄拠点を結合した災害発生時備蓄シエアリンクが取得されて、ユーザごとに災害発生地域以外の備蓄拠点情報が取得される。当該備蓄拠点情報は、典型的には災害発生時に取得される。縦横状の2つのリンク構成によって網目状のリンクが構成され、多数のユーザ及び多数の備蓄拠点がリンク状に結合される。
ユーザが、ユーザごとに複数の備蓄拠点を結ぶ備蓄シエアリンク上の作動点に、災害発生時にユーザに配送予想される燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データの格納を前記備蓄情報管理装置に要求し、当該備蓄情報管理装置から、配送要求のあった燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量を、災害発生時備蓄シエアリンク上の作動点の検索に基づいて取得する。
すなわち、ユーザは、ユーザごとに複数の備蓄拠点を結ぶ備蓄シエアリンクで結ばれ、当該作動点に、災害発生時にユーザに配送予想される燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データの格納を要求し、配送要求した燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量が、取得された災害発生時備蓄シエアリンクに基づいて受領される。
備蓄拠点が、備蓄拠点ごとに複数のユーザを結ぶ備蓄シエアリンクで結ばれ、当該備蓄拠点に格納された、燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに対応した燃料又は/及び電源備蓄品を備蓄数量、備蓄し、前記備蓄情報管理装置からの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量を、災害発生時備蓄シエアリンク上の作動点の検索に基づいて該当のユーザへの配送することの要求が前記備蓄情報管理装置からなされ、配送要求のあった燃料又は/及び電源備蓄品を備蓄数量、該当のユーザに配送する。
すなわち、備蓄拠点は、備蓄拠点ごとに複数のユーザを結ぶ備蓄シエアリンクで結ばれ、当該備蓄拠点に格納された、燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに対応した燃料又は/及び電源備蓄品を備蓄数量、備蓄し、前記備蓄情報管理装置からの燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量を、災害発生時備蓄シエアリンクに基づいて作動点が検索され、該当のユーザへの配送することの要求が前記備蓄情報管理装置からなされ、配送要求のあった燃料又は/及び電源備蓄品を備蓄数量、該当のユーザに配送する。
もって、備蓄・配送が一元的に管理される。
上述したように、ユーザ群21、備蓄品を備蓄する備蓄拠点群22及び災害発生時に備蓄拠点から災害を受けたユーザへの備蓄品の配送手配を行うことで、災害用物質の備蓄品の備蓄・配送手配を一元的に管理する燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置1を備えることで、備蓄・配送手配を一元的に行う燃料又は/及び電源備蓄品調達管理システム100が構成される。
備蓄拠点は、燃料備蓄・配送業者あるいは備蓄アイテム管理業者、例えば備蓄品メーカー、輸送業者によって運営されるが、これらには限定されない。備蓄拠点がユーザになるときも想定される。
管理者は、該当の作動拠点に格納された備蓄配送スケジュールを参照し、格納されたデータを画面に表示して、ユーザ及び備蓄拠点と連絡を取り合って、優先的に備蓄品の配送を受けられよう調整し、調整に基づいて配送品及び配送量の決定と配送の指示を行う。
画面表示手段35は、その画面35Aに、作動点を持つ当該備蓄シエアリンク及び当該災害発生時備蓄シエアリンクを表示し、作動点が指定されると、備蓄状態、備蓄配送スケジュールを表示する。
データベース34に格納された備蓄シエアリンクを形成可能とするコンピュータプログラムを実行することによって、ユーザ群のユーザA~ユーザEをX軸にし、備蓄拠点群の備蓄拠点1~備蓄拠点10をY軸として、X軸Y軸の各交点41を有した座標を持つテーブル40を形成し、テーブル表示の備蓄シエアリンク(1)を形成する。
テーブル40には、ユーザ群のユーザA~ユーザEをX軸にし、備蓄拠点群の備蓄拠点1~備蓄拠点10をY軸として、X軸Y軸の各交点41を有した座標を持つ備蓄シエアリンク(1)が表示される。テーブル40は、画面35Aに表示される。
外部から指令に基づいて前記テーブルの座標軸上の交点が指定されると、演算処理手段によって、当該交点が作動点に変換され、当該作動点に、外部からの指令に依存して形成された、災害発生時にユーザに配送予想される燃料又は/及び電源備蓄品が格納され、ユーザごとに複数の備蓄拠点を結ぶリンク及び備蓄拠点ごとに複数のユーザを結ぶリンクになり、当該リンクに関連して形成された燃料又は/及び電源備蓄品目データ及び備蓄数量データに対応して各備蓄拠点に備蓄される燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄数量をシエアする当該複数のユーザ及び当該複数の備蓄拠点を結合する備蓄シエアリンクが形成される。
例えば、日数1~3日の列で、備蓄拠点1で、燃料として軽油1000lが格納され、備蓄拠点4で、非常用電源が格納され、備蓄拠点7で、燃料の軽油1000lが格納され、備蓄拠点8で、燃料の軽油1000lが格納され、備蓄統合が軽油3000l、非常用電源が設定された。
また、備蓄拠点1について、行方向の災害経過については、1~3日で、燃料の軽油1000lが格納され、4~6日で、軽油1000l、電源の移動電源車が格納され、6~9日で燃料の軽油1000l、日用品の衛生用品が適切量格納された。
テーブル40には、作動点に、燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データが格納され、及び当該燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに対応した備蓄拠点ごとに備蓄品の燃料又は/及び電源備蓄品及び備蓄数量が格納される備蓄シエアリンク(2)が表示される。
作動点42に緊急度を表示することを可能とするコンピュータプログラムを実行することによって、緊急度を付与した作動点43を持つ備蓄シエアリンク(3)を形成する。
災害発生の地方に所属する備蓄拠点を削除して、災害発生の地方以外の地方に所属する複数の備蓄拠点を結ぶリンクで、作動点が形成される。災害発生の地方に所属する備蓄拠点であって、作動点の作動、すなわち機能の発揮に障害がない場合、災害発生の地方に所属しても備蓄拠点から削除することはしない。
以上のように、データベース及び演算処理手段を備え、災害発生時に備蓄拠点から災害を受けたユーザへの備蓄品についての備蓄量の配送手配を行うことで、災害用物質の備蓄品の備蓄・配送手配を一元的に管理する燃料又は/及び電源備蓄品調達管理装置が形成される。
前記データベースが、ユーザに関するユーザ情報と、備蓄品の燃料又は/及び電源及び当該備蓄品を備蓄する備蓄拠点に関する情報、及び備蓄拠点についての地域情報を含み、備蓄拠点ごとに備蓄する燃料又は/及び電源備蓄品の及び備蓄数量に対応した備蓄データの燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに関する備蓄拠点情報と、ユーザ群をX軸にし、備蓄拠点群をY軸として、X軸Y軸の各交点を有した座標を持つテーブルに関する情報と、前記テーブルの座標のX軸Y軸上の交点を作動点に変換可能とし、作動点に、燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データを登録可能とし、及び当該燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに対応した備蓄拠点ごとに燃料又は/及び電源備蓄品の及び備蓄数量をユーザがシエアする備蓄シエアリンクを形成可能とするコンピュータプログラムと、を格納する。
外部から指定に基づいて前記テーブルの座標軸上の交点が指定されると、演算処理手段によって、当該交点が作動点に変換され、当該作動点に、外部からの指定に依存した、災害発生時にユーザに配送される燃料又は/及び電源備蓄品に関する備蓄配送スケジュールが格納され、各ユーザを基点にして各備蓄拠点を結ぶリンク及び各備蓄拠点を基点として各ユーザを結ぶリンクで、当該系統に形成された各ユーザ及び各備蓄拠点を結合する燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに対応した各ユーザ及び各備蓄拠点を結合する燃料又は/及び電源備蓄品及び備蓄数量をシエアする複数のユーザ及び複数の備蓄拠点を結合する備蓄シエアリンクが形成される。
災害発生の報知情報が取得されたとき、当該備蓄シエアリンクが検索されて、災害発生の地方に所属するユーザを基点にして災害発生の地方以外の地方に所属する各備蓄拠点を結ぶリンク及び当該備蓄拠点を基点として複数のユーザを結ぶリンクで、災害発生地域以外の複数の備蓄拠点を結合することで形成された災害発生時備蓄シエアリンクが取得され、当該ユーザについて、当該備蓄シエアリンクで結合する災害発生地域以外の備蓄拠点情報が取得される。
当該備蓄拠点情報に基づいて、当該備蓄拠点に、当該備蓄拠点を結合する燃料又は/及び電源備蓄品についての備蓄数量の配送指示がなされ、備蓄・配送が一元的に管理されることになる。
当該備蓄情報管理装置は、前記作動点が、前記配送スケジュールに配送の緊急度に依存してランク付けが可能とされ、上位のランクの付与された作動点に格納された配送スケジュールに設定された、燃料又は/及び電源備蓄品データ及び備蓄数量データに基づいて、各ユーザに配送する燃料又は/及び電源備蓄品及び備蓄数量を決定するよう構成される。
備蓄情報管理装置において、 備蓄品の燃料及び電源に、日用品が加えられ、
当該備蓄品を備蓄する備蓄拠点に関する情報、及び備蓄拠点についての地域情報を含み、備蓄拠点ごとに備蓄する備蓄品の燃料又は/及び電源及び日用品、及び当該燃料又は/及び電源及び日用品の数量に対応した燃料又は/及び電源及び日用品備蓄品データ及び備蓄数量データに関する備蓄拠点情報と、
ユーザ群をX軸にし、備蓄拠点群をY軸として、X軸Y軸の各交点を有した座標を持つテーブルに関する情報と、前記テーブルの座標のX軸Y軸上の交点を作動点に変換可能とし、作動点に、燃料又は/及び電源及び日用品備蓄品データ及び備蓄数量データを登録可能とし、及び当該燃料又は/及び電源及び日用品蓄品データ及び備蓄数量データに対応した備蓄拠点ごとに燃料又は/及び電源及び日用品備蓄品及び備蓄数量を複数のユーザがシエアする備蓄シエアリンクを形成可能とするコンピュータプログラムと、を格納し、
演算処理手段によって、前記テーブルの座標軸上の交点をユーザが指定と当該交点が作動点に変換され、当該作動点に、外部からの指令に依存して形成された燃料又は/及び電源及び日用品備蓄品及び備蓄数量データが登録され、当該燃料又は/及び電源及び日用品備蓄品データ及び備蓄数量データに対応した燃料又は/及び電源及び日用品備蓄品及び備蓄数量を、備蓄拠点ごとに、複数のユーザでシエアする備蓄シエアリンクが形成され、
災害発生の報知情報が取得されたとき、当該備蓄シエアリンクが検索されて、災害発生の地方に所属するユーザを基点にして、すなわちユーザごとに、災害発生の地方以外の地方に所属する複数の備蓄拠点を結ぶリンク及び当該備蓄拠点を基点として、すなわち備蓄拠点ごとに複数のユーザを結ぶリンクで、災害発生地域以外の備蓄拠点で形成された災害発生時備蓄シエアリンクが取得されて、当該ユーザについて、当該備蓄シエアリンクで結合する災害発生地域以外の備蓄拠点情報が取得され、
当該備蓄拠点情報に基づいて、当該備蓄拠点に、当該備蓄拠点を結合する燃料又は/及び電源及び日用品備蓄品の備蓄数量の配送指示がなされ、備蓄・配送が一元的に管理されることを特徴とする災害用物質の備蓄情報管理装置が提案される。
災害が発生した地域に所属するユーザに、災害が発生した地域以外に所属する備蓄拠点から備蓄配送スケジュールに沿って燃料又は/及び電源備蓄品が備蓄、配送される状態がシミュレーションされた。
以下、シミュレーション例について示す。
・シミュレーション5
備蓄品管理装置1に、各ユーザ及び各備蓄拠点を結合する燃料又は/及び電源備蓄品の備蓄品目の備蓄数量を複数のユーザがシエアする備蓄シエアリンクが形成された。各備蓄拠点に地域情報が設定され、災害発生地域以外の備蓄拠点で形成された災害発生時備蓄シエアリンクが取得できるように設定された。さらに、ユーザ情報、備蓄拠点についての地域情報及び拠点作動点に備蓄配送スケジュールが格納されるよう設定された。管理者によって、備蓄配送スケジュールが設定され、格納された。
予めの計画で設定された備蓄拠点3、備蓄拠点4における、ユーザ1に関する拠点作動点がクリックされ、格納された備蓄配送スケジュールを画面に表示した。管理者は、ユーザ1、ユーザ2及び当該備蓄拠点に連絡を採ると共に、ユーザ1、ユーザ2の要望を受けて、備蓄拠点3に、災害発生後3日以内に、軽油各1000lの配送依頼が自動的なされ、備蓄拠点4にポータブル蓄電池の配送依頼が自動的になされた。
各備蓄拠点は、後日、ユーザ1、ユーザ2に対して実費請求がなされ、ユーザ1、ユーザ2から各備蓄拠点に実費支払いがなされた。これらのやり取りは随時管理者に報告され、記録された。
・シミュレーション6
前提条件がシミュレーション5と同様に設定された。
ユーザ3、ユーザ4、ユーザ5が所属する地域である東海地方に災害が発生し、当方地方に所属した備蓄拠点7、備蓄拠点8を備蓄シエアリンクから削除して、災害発生時備蓄シエアリンクを設定した。
予めの計画で設定された備蓄拠点9、備蓄拠点10における、ユーザ3、ユーザ4、ユーザ5に関する拠点作動点をクリックし、格納された備蓄配送スケジュールを画面に表示した。ユーザ3、ユーザ4、ユーザ5及び当該備蓄拠点に連絡を採ると共に、ユーザ3、ユーザ4、ユーザ5の要望を受けて、備蓄拠点9に、災害発生後1~3日以内に、燃料の1500l、1200l、1000lの配送を依頼し、備蓄拠点10にユーザ10における可搬式非常用発電機の配送依頼が自動的になされた。
各備蓄拠点は、後日、ユーザ3、ユーザ4、ユーザ5に対して実費請求がなされ、ユーザ3、ユーザ4、ユーザ5から当該備蓄拠点に実費支払いがなされた。これらのやり取りは随時管理者に報告され、記録された。
・シミュレーション7
前提条件がシミュレーション5と同様に設定された。
ユーザ6、ユーザ7、ユーザ8、ユーザ9が所属する地域である関西地方に災害が発生し、当方地方に所属した備蓄拠点10、備蓄拠11を備蓄シエアリンクから削除して、災害発生時備蓄シエアリンクを設定した。
予めの計画で設定された備蓄拠点12、備蓄拠点13における、ユーザ6、ユーザ7、ユーザ8、ユーザ9に関する拠点作動点をクリックし、格納された備蓄配送スケジュールを画面に表示した。管理者は、ユーザ6、ユーザ7、ユーザ8、ユーザ9及び当該備蓄拠点に連絡を採ると共に、ユーザ6、ユーザ7、ユーザ8、ユーザ9の要望を受けて、備蓄拠点12~備蓄拠点13に、災害発生後1~3日以内に、燃料を1000l、800l、1000l、900lの配送を依頼し、備蓄拠点13に日用品の配送依頼が自動的になされた。
管理者は、さらにユーザ6、ユーザ7、ユーザ8、ユーザ9の要望を受けて、蓄拠点13に、災害発生後4~6日以内に、燃料を1000l、800l、1000l、900lの配送依頼が自動的になされた。
各備蓄拠点は、後日、ユーザ6、ユーザ7、ユーザ8、ユーザ9に対して実費請求がなされ、ユーザ6、ユーザ7、ユーザ8、ユーザ9から当該備蓄拠点に実費支払いがなされた。これらのやり取りは随時管理者に報告され、記録された。