(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068696
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】スルホニウム塩、前記スルホニウム塩を含む酸発生剤、及び前記スルホニウム塩を含むフォトレジスト
(51)【国際特許分類】
C07C 381/12 20060101AFI20240514BHJP
C07C 303/06 20060101ALI20240514BHJP
C07C 311/02 20060101ALI20240514BHJP
C09K 3/00 20060101ALI20240514BHJP
G03F 7/039 20060101ALI20240514BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
C07C381/12 CSP
C07C303/06
C07C311/02
C09K3/00 K
G03F7/039 601
G03F7/004 503A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179228
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000106139
【氏名又は名称】サンアプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002239
【氏名又は名称】弁理士法人G-chemical
(72)【発明者】
【氏名】柴垣 智幸
(72)【発明者】
【氏名】木津 智仁
【テーマコード(参考)】
2H225
4H006
【Fターム(参考)】
2H225AF23P
2H225AF24P
2H225AF43P
2H225AF44P
2H225AF75P
2H225AH12
2H225AJ13
2H225AJ48
2H225AN39P
2H225CA12
2H225CB14
2H225CC03
2H225CC15
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB92
4H006TN10
4H006TN30
4H006TN60
(57)【要約】 (修正有)
【課題】超短波長の光線を照射すると、速やかに分解して酸を発生する、新規のスルホニウム塩を提供する。
【解決手段】本発明のスルホニウム塩は、下記式(1)で表される。下記式中、Ar
1、Ar
2は同一又は異なって、芳香環構造、又は2個以上の芳香環が単結合又は連結基を介して結合した構造であり、R
1はハロゲン原子又はC
1-5ハロアルキル基を示す。R
2はハロゲン原子、C
1-5アルキル基、C
1-5アルコキシ基、C
1-5ハロアルキル基、又はC
1-5ハロアルコキシ基を示す。n1は1~5の整数を示し、n2は0~4の整数を示す。Lは単結合又は連結基を示し、X
-は1価の対アニオンを示す。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表されるスルホニウム塩。
【化1】
(式中、Ar
1、Ar
2は同一又は異なって、芳香環構造、又は2個以上の芳香環が単結合又は連結基を介して結合した構造であり、R
1はハロゲン原子又はC
1-5ハロアルキル基を示す。R
2はハロゲン原子、C
1-5アルキル基、C
1-5アルコキシ基、C
1-5ハロアルキル基、又はC
1-5ハロアルコキシ基を示す。n1は1~5の整数を示し、n2は0~4の整数を示す。Lは単結合又は連結基を示し、X
-は1価の対アニオンを示す。)
【請求項2】
前記式(1)が、下記式(1-1a)である、請求項1に記載のスルホニウム塩。
【化2】
(式中、R
11、R
12はそれぞれ独立にハロゲン原子又はC
1-5ハロアルキル基を示す。R
13はハロゲン原子、C
1-5アルキル基、C
1-5アルコキシ基、C
1-5ハロアルキル基、又はC
1-5ハロアルコキシ基を示す。n11、n12はそれぞれ独立に1~5の整数を示し、n13は0~4の整数を示す。Lは単結合又は連結基を示し、X
-は1価の対アニオンを示す)
【請求項3】
前記式(1)が、下記式(1-3)である、請求項1に記載のスルホニウム塩。
【化3】
(式中、R
11、R
12はそれぞれ独立にハロゲン原子又はC
1-5ハロアルキル基を示す。R
13はハロゲン原子、C
1-5アルキル基、C
1-5アルコキシ基、C
1-5ハロアルキル基、又はC
1-5ハロアルコキシ基を示す。n11、n12はそれぞれ独立に1~5の整数を示し、n13は0~4の整数を示す。L
1は酸素原子又は硫黄原子を示し、nは1~5の整数を示す。X
-は1価の対アニオンを示す)
【請求項4】
前記R11、R12がそれぞれ独立にフッ素原子、ヨウ素原子、又はトリフルオロメチル基である、請求項2又は3に記載のスルホニウム塩。
【請求項5】
1価の対アニオンがスルホン酸アニオン又はスルホニルイミドアニオンである、請求項1~3の何れか1項に記載のスルホニウム塩。
【請求項6】
請求項1~3の何れか1項に記載のスルホニウム塩を含む酸発生剤。
【請求項7】
極端紫外線用酸発生剤又は電子線用酸発生剤である、請求項6に記載の酸発生剤。
【請求項8】
請求項6に記載の酸発生剤と、感光性樹脂と、を含むフォトレジスト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のスルホニウム塩、前記スルホニウム塩を含む酸発生剤、及び前記酸発生剤を含むフォトレジストに関する。
【背景技術】
【0002】
化学増幅型フォトレジストとして、特許文献1には、トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネートと感光性樹脂とを含むポジ型レジストが開示されている。そして、前記レジストは、KrFエキシマレーザー光を照射すると、微細パターンを精度良く形成できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電子デバイスの更なる小型化・高容量化・高性能化に対応するため、パターンの一層の微細化が求められているが、これは、フォトリソグラフィーに使用する光線を短波長化することにより実現可能である。
【0005】
そして、前記光線として、極端紫外線(EUV;波長13.5nm)等の超短波長の光線を使用することが検討されている。しかし、トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネートは、超短波長の光線に対して感度が低いことが問題であった。
【0006】
従って、本発明の目的は、超短波長の光線を照射すると、速やかに分解して酸を発生する、新規のスルホニウム塩を提供することにある。
本発明の他の目的は、超短波長の光線に対して感度良好な酸発生剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、超短波長の光線を用いて、微細パターンを精度良く転写できるフォトレジストを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記式(1)で表されるスルホニウム塩は、トリアリールスルホニウム骨格に特定の置換基が結合した構造を有するため、超短波長の光線に対して極めて高感度であり、超短波長の光線を照射すると速やかに分解して酸を発生すること、カルボン酸基がレジスト現像性を向上させる効果を有すること、及び溶剤溶解性に優れることを見いだした。本発明はこの知見に基づいて完成させたものである。
【0008】
すなわち、下記式(1)で表されるスルホニウム塩を提供する。
【化1】
(式中、Ar
1、Ar
2は同一又は異なって、芳香環構造、又は2個以上の芳香環が単結合又は連結基を介して結合した構造であり、R
1はハロゲン原子又はC
1-5ハロアルキル基を示す。R
2はハロゲン原子、C
1-5アルキル基、C
1-5アルコキシ基、C
1-5ハロアルキル基、又はC
1-5ハロアルコキシ基を示す。n1は1~5の整数を示し、n2は0~4の整数を示す。Lは単結合又は連結基を示し、X
-は1価の対アニオンを示す。)
【0009】
本発明は、また、前記式(1)が、下記式(1-1a)である前記スルホニウム塩を提供する。
【化2】
(式中、R
11、R
12はそれぞれ独立にハロゲン原子又はC
1-5ハロアルキル基を示す。R
13はハロゲン原子、C
1-5アルキル基、C
1-5アルコキシ基、C
1-5ハロアルキル基、又はC
1-5ハロアルコキシ基を示す。n11、n12はそれぞれ独立に1~5の整数を示し、n13は0~4の整数を示す。Lは単結合又は連結基を示し、X
-は1価の対アニオンを示す)
【0010】
本発明は、また、前記式(1)が、下記式(1-3)である前記スルホニウム塩を提供する。
【化3】
(式中、R
11、R
12はそれぞれ独立にハロゲン原子又はC
1-5ハロアルキル基を示す。R
13はハロゲン原子、C
1-5アルキル基、C
1-5アルコキシ基、C
1-5ハロアルキル基、又はC
1-5ハロアルコキシ基を示す。n11、n12はそれぞれ独立に1~5の整数を示し、n13は0~4の整数を示す。L
1は酸素原子又は硫黄原子を示し、nは1~5の整数を示す。X
-は1価の対アニオンを示す)
【0011】
本発明は、また、前記R11、R12がそれぞれ独立にフッ素原子、ヨウ素原子、又はトリフルオロメチル基である前記スルホニウム塩を提供する。
【0012】
本発明は、また、1価の対アニオンがスルホン酸アニオン又はスルホニルイミドアニオンである前記スルホニウム塩を提供する。
【0013】
本発明は、また、前記スルホニウム塩を含む酸発生剤を提供する。
【0014】
本発明は、また、極端紫外線用酸発生剤又は電子線用酸発生剤である前記酸発生剤を提供する。
【0015】
本発明は、また、前記酸発生剤と、感光性樹脂と、を含むフォトレジストを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明のスルホニウム塩は、カルボキシル基を含有しているため超短波長の光線に対して感度良好であり、超短波長の光線を照射すると、速やかに分解して酸(H+X-)を発生する。さらに、前記スルホニウム塩は溶剤溶解性に優れるため、フォトレジストに添加すると、均一に分散する。さらにまた、前記スルホニウム塩は現像性に優れ、現像残渣を減少させる効果を有する。
そのため、前記スルホニウム塩を含むフォトレジストに、超短波長の光線を照射すれば、微細パターンを精度良く転写することができ、高解像度の微細パターンを有するレジスト膜を製造することができる。
このようにして得られた、微細パターンを有するレジスト膜を使用して、基板にエッチング(例えば、反応性ガスやプラズマを用いたドライエッチング)処理を施せば、高解像度のパターン(例えば、配線パターン、回路パターン等)を有する半導体素子を歩留まり良く製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[スルホニウム塩]
本発明のスルホニウム塩は、下記式(1)で表される。
【化4】
(式中、Ar
1、Ar
2は同一又は異なって、芳香環構造、又は2個以上の芳香環が単結合又は連結基を介して結合した構造であり、R
1はハロゲン原子又はC
1-5ハロアルキル基を示す。R
2はハロゲン原子、C
1-5アルキル基、C
1-5アルコキシ基、C
1-5ハロアルキル基、又はC
1-5ハロアルコキシ基を示す。n1は1~5の整数を示し、n2は0~4の整数を示す。Lは単結合又は連結基を示し、X
-は1価の対アニオンを示す。)
【0018】
式(1)中の角括弧内に示される[(R1)n1-Ar1]基2個は、それぞれ同一であっても良いし、異なっていても良い。
【0019】
前記Ar1、Ar2における芳香環構造としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の炭素数6~15の芳香族炭化水素環の構造が挙げられる。
【0020】
前記Ar1、Ar2における2個以上の芳香環が単結合又は連結基を介して結合した構造としては、例えば、2個以上の芳香族炭化水素環が単結合、エーテル結合(-O-)、又はチオエーテル結合(-S-)を介して結合した構造が挙げられる。
【0021】
前記Ar
1、Ar
2としては、超短波長の光線に対する感度を高める観点から、ベンゼン環構造、又は2個以上のベンゼン環が単結合又は連結基(好ましくは、エーテル結合又はチオエーテル結合)を介して結合した構造であることが好ましく、ベンゼン環構造、及び下記式(ar-1)~(ar-3)で表される構造から選択される少なくとも1種の構造が特に好ましい。
【化5】
【0022】
前記C1-5アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。また、前記アルキル基の炭素数は、好ましくは1~3個、特に好ましくは1又は2個である。
【0023】
前記C1-5ハロアルキル基は、C1-5アルキル基が有する水素原子の少なくとも1つがハロゲン原子で置換された基であり、中でも前記アルキル基が有する水素原子の全てがハロゲン原子で置換された基(すなわち、パーハロゲン化炭化水素基)が好ましい。また、前記ハロアルキル基の炭素数は、好ましくは1~3個、特に好ましくは1又は2個である。
【0024】
従って、前記C1-5ハロアルキル基は、好ましくはC1-3ハロアルキル基、特に好ましくはC1-2ハロアルキル基である。
【0025】
前記C1-5ハロアルキル基は、好ましくはC1-3パーハロアルキル基、特に好ましくはC1-2パーハロアルキル基である。
【0026】
前記C1-5アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、t-ブトキシ基等が挙げられる。また、前記アルキル基の炭素数は、好ましくは1~3個、特に好ましくは1又は2個である。前記C1-5アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1~3個、特に好ましくは1又は2個である。
【0027】
前記C1-5ハロアルコキシ基は、C1-5アルコキシ基が有する水素原子の少なくとも1つがハロゲン原子で置換された基であり、中でも前記アルコキシ基が有する水素原子の全てがハロゲン原子で置換された基が好ましい。また、前記ハロアルコキシ基の炭素数は、好ましくは1~3個、特に好ましくは1又は2個である。
【0028】
従って、前記C1-5ハロアルコキシ基は、好ましくはC1-3ハロアルコキシ基、特に好ましくはC1-2ハロアルコキシ基である。
【0029】
前記C1-5ハロアルキル基は、好ましくはC1-3パーハロアルコキシ基、特に好ましくはC1-2パーハロアルコキシ基である。
【0030】
前記ハロゲン原子、前記C1-5ハロアルキル基、及び前記C1-5ハロアルコキシ基のハロゲン原子としては、フッ素原子又はヨウ素原子が好ましく、特にフッ素原子が好ましい。
【0031】
前記Lは、単結合又は連結基を示す。前記連結基は1以上の原子を有する二価の基であり、例えば、二価の炭化水素基、カルボニル基(-CO-)、エーテル結合(-O-)、チオエーテル結合(-S-)、エステル結合(-COO-)、アミド結合(-CONH-)、カーボネート結合(-OCOO-)、及びこれらが複数個連結した基等が挙げられる。
【0032】
前記二価の炭化水素基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等の炭素数1~5の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基;1,2-シクロペンチレン基、1,3-シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2-シクロヘキシレン基、1,3-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等の炭素数3~18のシクロアルキレン基;o-フェニレン、m-フェニレン、p-フェニレン、ナフチレン基等の炭素数6~14のアリーレン基等が挙げられる。
【0033】
前記Lとしては、なかでも、エーテル結合(-O-)又はチオエーテル結合(-S-)と、二価の炭化水素基とが結合した二価の基が好ましく、特に、エーテル結合(-O-)又はチオエーテル結合(-S-)と、炭素数1~5の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基[CnH2n;n=1~5の整数]とが結合した二価の基が好ましい。
【0034】
従って、前記Lとしては、式[-L1-CnH2n-]で表される二価の基が好ましい。前記式中、L1は酸素原子又は硫黄原子を示し、nは1~5の整数を示す。L1から左側に出る結合手は前記式(1)中のAr2で示される環構造に結合する。また、前記式の右側(つまり、アルキレン基の右側)から出る結合手は前記式(1)中のカルボキシ炭素に結合する。
【0035】
前記式(1)としては、超短波長の光線に対する感度に優れる点から、下記式(1-1a)、(1-1b)、又は(1-1c)が好ましく、とりわけ下記式(1-1a)が好ましい。すなわち、本発明のスルホニウム塩としては、下記式(1-1a)、(1-1b)、又は(1-1c)で表されるスルホニウム塩が好ましく、とりわけ下記式(1-1a)で表されるスルホニウム塩が好ましい。
【化6】
【0036】
上記式中、R11、R12はそれぞれ独立にハロゲン原子又はC1-5ハロアルキル基を示す。R13はハロゲン原子、C1-5アルキル基、C1-5アルコキシ基、C1-5ハロアルキル基、又はC1-5ハロアルコキシ基を示す。n11、n12はそれぞれ独立に1~5の整数を示し、n13は0~4の整数を示す。Lは単結合又は連結基を示し、X-は1価の対アニオンを示す。
【0037】
上記式中、n11、n12はそれぞれ独立に1~5の整数を示し、好ましくは1~3の整数、特に好ましくは1又は2、最も好ましくは2である。n13は0~4の整数を示し、好ましくは1~4の整数、特に好ましくは1又は2、最も好ましくは2である。
【0038】
上記式中、R11、R12で表される基の、ベンゼン環への結合位置には特に制限が無い。
【0039】
上記式中、R13で表される基の、ベンゼン環への結合位置には特に制限が無いが、上記式中に示される硫黄原子が結合する位置に対してメタ位が好ましい。
【0040】
上記式中、[-L-COO-]で示される基の、ベンゼン環への結合位置としては、上記式中に示される硫黄原子が結合する位置に対してパラ位が好ましい。
【0041】
また、前記式(1)としては、超短波長の光線に対する感度に優れる点から、下記式(1-2)が好ましい。すなわち、本発明のスルホニウム塩としては、下記式(1-2)で表されるスルホニウム塩が好ましい。下記式中、Ar
1、Ar
2、R
1、R
2、n1、n2、L
1、n、X
-は前記に同じである。
【化7】
【0042】
以上より、式(1)としては、超短波長の光線に対する感度に優れる点から、下記式(1-3)がとりわけ好ましい。すなわち、本発明のスルホニウム塩としては、下記式(1-3)で表されるスルホニウム塩がとりわけ好ましい。下記式中、R
11、R
12、R
13、n11、n12、n13、L
1、n、X
-は前記に同じである。
【化8】
【0043】
上記式中、X-は1価の対アニオンを示し、例えば、ハロゲンイオン、ハロゲンオキソ酸アニオン、ホウ素アニオン、リン酸アニオン、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、カルボン酸アニオン、メチドアニオン、アンチモンアニオン、OH-、SCN-、NO2
-、NO3
-等が挙げられる。
【0044】
前記ハロゲンイオンとしては、例えば、Cl-、Br-、I-等が挙げられる。
【0045】
前記ハロゲンオキソ酸アニオンとしては、例えば、ClO4
-、IO3
-、BrO3
-等が挙げられる。
【0046】
前記ホウ素アニオンとしては、例えば、Br3
-、BF4
-などの無機ホウ素アニオンや、(C6F5)4B-、((CF3)2C6H3)4B-、テトラフェニルボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート等の有機ホウ素アニオンが挙げられる。
【0047】
前記リン酸アニオンとしては、例えば、PF6
-、PF(C2F5)5
-、PF2(C2F5)4
-、PF3(C2F5)3
-、PF4(C2F5)2
-、PF5(C2F5)-、PO4
3-等の無機リン酸アニオン等が挙げられる。
【0048】
前記スルホン酸アニオンは、例えば、下記式(s1)で表される。
Rs1-SO3
- (s1)
(式中、Rs1は有機基を示す)
【0049】
Rs1における有機基としては、例えば、置換基を有していても良いC1-30炭化水素基、置換基を有していても良い複素環式基、及び前記基の2個以上が、単結合又は、-O-、-CO2-、-S-、-SO3-、及び-SO2N(Rs2)-から選択される連結基で連結された基が挙げられる。前記Rs2は水素原子又はアルキル基(例えば、C1-30アルキル基)を示す。前記置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
【0050】
前記C1-30炭化水素基には、C1-30脂肪族炭化水素基、C3-30脂環式炭化水素基、C6-30芳香族炭化水素基、及びこれらの2個が結合した基が含まれる。
【0051】
前記C1-30炭化水素基としては、C1-30アルキル基、C6-15アリール基、C6-15シクロアルキレン基、C6-15橋かけ環式炭化水素基、及びこれらの2個が結合した基が好ましい。
【0052】
前記複素環式基は複素環の構造式から1個の水素原子を除いた基である。前記複素環には、芳香族性複素環及び非芳香族性複素環が含まれる。このような複素環としては、環を構成する原子に炭素原子と少なくとも1種のヘテロ原子(例えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子等)を有する3~10員環(好ましくは4~6員環)、及びこれらの縮合環を挙げることができる。
【0053】
前記スルホン酸アニオンの具体例としては、CH3SO3
-、C4H9SO3
-、CF3SO3
-、C2F5C4H4SO3
-、C4F9SO3
-、ベンゼンスルホン酸アニオン、p-トルエンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンが挙げられる。
【0054】
前記スルホニルイミドアニオンは、例えば、下記式(n1)で表される。
(Rn1SO2)2N- (n1)
(式中、2個のRn1は同一又は異なって、有機基を示す)
【0055】
Rn1における有機基としては、Rs1における有機基と同様の例が挙げられる。
【0056】
前記スルホニルイミドアニオンの具体例としては、(FSO2)2N-、(CF3SO2)2N-、(C4F9SO2)2N-、(C2F5SO2)2N-等が挙げられる。
【0057】
前記カルボン酸アニオンは、例えば、下記式(c1)で表される。
Rc1-COO- (c1)
(式中、Rc1は有機基を示す)
【0058】
Rc1における有機基としては、Rs1における有機基と同様の例が挙げられる。
【0059】
前記カルボン酸アニオンの具体例としては、例えば、CF3CO2
-、CH3CO2
-、C2H5CO2
-、PhCO2
-等が挙げられる。
【0060】
前記メチドアニオンとしては、例えば、下記式(m1)で表されるスルホニルメチドアニオンが挙げられる。
(Rm1SO2)3C- (m1)
(式中、3個のRm1は同一又は異なって、有機基を示す)
【0061】
Rm1における有機基としては、Rs1における有機基と同様の例が挙げられる。
【0062】
前記メチドアニオンの具体例としては、例えば、(CF3SO2)3C-等が挙げられる。
【0063】
前記アンチモンアニオンとしては、例えば、SbF6
-等が挙げられる。
【0064】
前記1価の対アニオンには、上記以外にも、例えば、特開2013-47211、特開2021-81708、特開2013-80245、特開2013-80240、及び特開2013-33161に記載のアニオンが含まれる。
【0065】
前記対アニオンとしては、溶剤溶解性及び微細パターン形成性に優れる点において、スルホン酸アニオン又はスルホニルイミドアニオンが好ましい。
【0066】
[スルホニウム塩の製造方法]
前記スルホニウム塩の製造方法の一例を以下に示す。
前記スルホニウム塩のうち、例えば上記式(1-3)で表されるスルホニウム塩(=スルホニウム塩(1-3))は、下記工程[I][II][III]を経て製造することができる。下記式中、R
11、R
12、R
13、n11、n12、n13、L
1、n、X
-は前記に同じである。
【化9】
【0067】
(工程I)
工程Iは、式(11)で表される化合物(=化合物(11))と式(12)で表される化合物(=化合物(12))とを反応させて、式(13)で表される化合物(=化合物(13))を得る工程である。
【0068】
前記反応に付する化合物(11)と化合物(12)のモル比(化合物(11)/化合物(12))は、例えば1/50~3/1、好ましくは1/10~2/1である。
【0069】
前記反応は脱水剤(HX’)の存在下で行うことが好ましい。脱水剤(HX’)としては、例えば、濃硫酸、無水リン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸あるいはその無水物等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0070】
(工程II)
工程IIは、工程Iを経て得られた化合物(13)にM1X(Xは1価の対アニオンを示し、M1はアルカリ金属を示す)を反応させて、式(14)で表される化合物(=化合物(14))を得る工程である。
【0071】
前記反応に付する化合物(13)とM1Xのモル比(化合物(13)/M1X)は、例えば1/3~3/1、好ましくは1/2~2/1である。
【0072】
(工程III)
工程IIIは、工程IIを経て得られた化合物(14)に式(15)で表される化合物(=化合物(15))を反応させて、スルホニウム塩(1-3)を得る工程である。
【0073】
式(15)中のX1はハロゲン原子を示し、X2は水素原子又は保護基(例えば、t-ブチル基等)を示す。化合物(15)はアルキル化剤として作用する。
【0074】
前記反応に付する化合物(14)と化合物(15)のモル比(化合物(14)/化合物(15))は、例えば1/3~3/1、好ましくは1/2~2/1である。
【0075】
前記反応は、溶剤の存在下で行うことができる。前記溶剤としては、例えば、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0076】
各工程の反応の雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
【0077】
また、各工程の反応終了後は、得られた反応生成物を、一般的な分離精製処理(例えば、沈殿、洗浄、濾過等)に付しても良い。
【0078】
[酸発生剤]
本発明の酸発生剤は、前記スルホニウム塩を、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて含む。
【0079】
前記酸発生剤は、前記スルホニウム塩以外にも他の成分を含有していても良いが、前記酸発生剤に含まれる光線照射により分解して酸を発生する化合物全量において、前記スルホニウム塩の占める割合は、例えば70重量%以上、好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上、最も好ましくは99重量%以上、とりわけ好ましくは99.9重量%以上である。尚、上限値は100重量%である。
【0080】
前記酸発生剤(若しくは、前記スルホニウム塩)は溶剤(例えば、PGMEA)への溶解性に優れ、常温常圧下において、PGMEA100重量部に溶解する前記酸発生剤(若しくは、前記スルホニウム塩)量は、例えば2重量部超、好ましくは3重量部以上、更に好ましくは4重量部以上、特に好ましくは5重量部以上、最も好ましくは8重量部以上、とりわけ好ましくは15重量部以上である。尚、上限値は例えば30重量部である。そのため、前記酸発生剤を溶剤と共にフォトレジストに添加すれば、フォトレジスト中に前記酸発生剤を均一に分散させることができる。
【0081】
また、前記酸発生剤(若しくは、前記スルホニウム塩)は超短波長の光線に対する感応性に優れ、前記光線を照射すれば、速やかに酸(H+X-;X-は対アニオンを示す)を発生する。尚、前記光線の波長は、例えば100nm以下(例えば1~100nm)、好ましくは80nm以下、特に好ましくは50nm以下、最も好ましくは30nm以下、とりわけ好ましくは20nm以下である。前記光線には、例えば、X線、電子線、EUV等が含まれる。
【0082】
前記酸発生剤(若しくは、前記スルホニウム塩)は熱安定性を備え、加熱処理(例えば、50℃以上130℃未満の温度で1~5分加熱)を施しても、分解を抑制することができる。そのため、前記酸発生剤を含む塗膜を、酸発生能を保持しつつ加熱乾燥することができ、作業性に優れる。
【0083】
前記酸発生剤(若しくは、前記スルホニウム塩)は、例えば、カチオン重合開始剤として、カチオン硬化性樹脂(例えば、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基等から選択される1種又は2種以上のカチオン硬化性基を有する樹脂)に添加することもできるが、上記の通り超短波長の光線に対する感応性に優れるため、極端紫外線、電子線、X線などの超短波長の光線を使用するフォトレジスト(例えば、化学増幅型フォトレジスト)に使用することが好ましい。
【0084】
[フォトレジスト]
本発明のフォトレジストは、前記酸発生剤(若しくは、前記スルホニウム塩)と感光性樹脂を含む。前記酸発生剤と感光性樹脂はそれぞれ1種を単独で含有しても良いし、2種以上を組み合わせて含有しても良い。
【0085】
前記酸発生剤(若しくは、前記スルホニウム塩)の含有量は、感光性樹脂全量に対して、例えば0.001~20重量%、好ましくは0.01~15重量%、特に好ましくは0.05~7重量%である。
【0086】
前記酸発生剤(若しくは、前記スルホニウム塩)の含有量が0.001重量%以上であれば、X線、電子線、EUV等の超短波長の光線に対して優れた感光性を発揮することができる。また、前記含有量が20重量%以下であれば、フォトレジストの解像度を向上する効果が得られる。
【0087】
前記感光性樹脂には、光照射により溶解性が減少する(或いは、未露光部が除去される)ネガ型感光性樹脂(QN)と、光照射により溶解性が増大する(或いは、露光部が選択的に除去される)ポジ型感光性樹脂(QP)が含まれる。これらは、用途に応じて選択して使用することができる。
【0088】
ネガ型感光性樹脂(若しくは、ネガ型化学増幅樹脂;QN)は、例えば、フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)と架橋剤(QN2)を、それぞれ1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて含有する組成物である。
【0089】
フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)は、フェノール性水酸基を含有する樹脂であれば特に制限はなく、例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体、ヒドロキシスチレン、スチレン及び(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体、フェノール-キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール-キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール性水酸基を含有するポリイミド、フェノール性水酸基を含有するポリアミック酸、フェノール-ジシクロペンタジエン縮合樹脂等が挙げられる。
【0090】
フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)は、成分の一部にフェノール性低分子化合物を含有していても良い。
【0091】
フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)の、GPCで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、例えば2000~20000である。
【0092】
架橋剤(QN2)は、酸発生剤から発生した酸により、フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)を架橋し得る化合物であればよく、例えば、ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、ポリ(ヒドロキシスチレン)系エポキシ化合物、オキセタン化合物、メチロール基含有メラミン化合物、メチロール基含有ベンゾグアナミン化合物、メチロール基含有尿素化合物、メチロール基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有メラミン化合物、アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合物、アルコキシアルキル基含有尿素化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物、カルボキシメチル基含有メラミン樹脂、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン樹脂、カルボキシメチル基含有尿素樹脂、カルボキシメチル基含有フェノール樹脂、カルボキシメチル基含有メラミン化合物、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン化合物、カルボキシメチル基含有尿素化合物及びカルボキシメチル基含有フェノール化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0093】
架橋剤(QN2)の含有量は、精度良くパターンを形成する観点から、フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)中の全酸性官能基に対して、例えば10~40モル%である。
【0094】
ポジ型感光性樹脂(若しくは、ポジ型化学増幅樹脂;QP)としては、保護基として酸解離性基が導入されたアルカリ可溶性樹脂(保護基導入樹脂;QP1)が挙げられる。
【0095】
保護基導入樹脂(QP1)は、アルカリ可溶性樹脂中の酸性官能基(例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホニル基等)の水素原子の一部或いは全部が酸解離性基で置換された樹脂である。
【0096】
保護基導入樹脂(QP1)自体はアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性の樹脂であり、酸発生剤から発生した酸(H+X-)によって酸解離性基が解離すると、アルカリ現像液に易溶解性を示すアルカリ可溶性樹脂が生成する。
【0097】
アルカリ可溶性樹脂は、例えばHLB値が4~19(好ましくは5~18、特に好ましくは6~17)の樹脂である。
【0098】
アルカリ可溶性樹脂には、フェノール性水酸基含有樹脂、カルボキシル基含有樹脂、及びスルホン酸基含有樹脂が含まれる。
【0099】
フェノール性水酸基含有樹脂としては、上記フェノール性水酸基含有樹脂(QN1)と同様の樹脂が例示される。
【0100】
カルボキシル基含有樹脂としては、カルボキシル基を有するポリマーでああれば特に制限はなく、例えば、カルボキシル基含有ビニルモノマー(Ba)のホモポリマーや、カルボキシル基含有ビニルモノマー(Ba)と疎水基含有ビニルモノマー(Bb)とのホモポリマーが挙げられる。
【0101】
カルボキシル基含有ビニルモノマー(Ba)としては、例えば、(メタ)アクリル酸である。
【0102】
疎水基含有ビニルモノマー(Bb)としては、C1-20アルキル(メタ)アクリレート、脂環基含有(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル(Bb1)、及びスチレン骨格を有する炭化水素モノマーやビニルナフタレン等の芳香族炭化水素モノマー(Bb2)等が挙げられる。
【0103】
スルホン酸基含有樹脂としては、スルホン酸基を有するポリマーであれば特に制限はなく、例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等のスルホン酸基含有ビニルモノマー(Bc)と、必要により疎水基含有ビニルモノマー(Bb)とをビニル重合することで得られる。
【0104】
保護基導入樹脂(QP1)が有する酸解離性基としては、例えば、メトキシメチル基、ベンジル基、tert-ブトキシカルボニルメチル基等の1-置換メチル基;1-メトキシエチル基、1-エトキシエチル基等の1-置換エチル基;tert-ブチル基等の1-分岐アルキル基;トリメチルシリル基等のシリル基;トリメチルゲルミル基等のゲルミル基;tert-ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アシル基;テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基等の環式酸解離性基等が挙げられる。これらは1種を単独で含有していても良いし、2種以上を組み合わせて含有していても良い。
【0105】
保護基導入樹脂(QP1)における酸解離性基の導入率{保護基導入樹脂(QP1)中の保護されていない酸性官能基と酸解離性基との合計数に対する酸解離性基の数の割合}は、酸解離性基や該基が導入されるアルカリ可溶性樹脂の種類により一概には規定できないが、好ましくは10~100%、さらに好ましくは15~100%である。
【0106】
保護基導入樹脂(QP1)の、GPCで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、例えば1000~150000、好ましくは3000~100000である。
【0107】
本発明のフォトレジストは、例えば、前記酸発生剤(若しくは、前記スルホニウム塩)を溶剤に溶解し、これを感光性樹脂と混合することにより調製することができる。
【0108】
本発明のフォトレジストは、前記酸発生剤(若しくは、前記スルホニウム塩)と感光性樹脂以外にも必要に応じて他の成分を1種又は2種以上含有することができる。他の成分としては、例えば、溶剤、顔料、染料、光増感剤、分散剤、界面活性剤、充填剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、表面改質剤、可塑剤、乾燥促進剤等が挙げられる。
【0109】
前記溶剤としては、前記感光性樹脂を溶解させることができ、フォトレジストに良好な塗布性を付与することができる溶剤であれば良いが、なかでも、沸点が200℃以下のものを使用することが、フォトレジストを塗布後、容易に乾燥させることができる点で好ましい。このような溶剤としては、トルエン等の芳香族炭化水素;エタノール、メタノール等のアルコール;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のグリコールモノエーテルモノエステルなどが好ましい。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0110】
本発明のフォトレジストは、X線、電子線、EUV等の超短波長の光線に対して高い感光性を有するスルホニウム塩を含有する。そのため、本発明のフォトレジストを利用すれば、超短波長の光線を用いたフォトリソグラフィーにより、高解像度の微細パターンを有するレジスト膜を製造することができる。
【0111】
前記フォトレジストを使用したフォトリソグラフィーによりパターン形成を行う方法としては、例えば好ましくは下記工程1~3を含む方法が挙げられる。
【0112】
工程1:基板上に、前記フォトレジストの塗膜を形成する工程
工程2:前記塗膜に光照射を行ってパターンを転写する工程
工程3:アルカリ現像を行う工程
【0113】
(工程1)
本工程は、エッチング対象である基板上に、前記フォトレジストの塗膜を形成する工程である。前記フォトレジストの塗膜は、前記フォトレジストを、スピンコート、カーテンコート、ロールコート、スプレーコート、スクリーン印刷等公知の方法を用いて基板に塗布し、乾燥させて形成することができる。
【0114】
前記フォトレジストの乾燥方法としては、自然乾燥を行っても良いが、前記スルホニウム塩は熱安定性を備えるため、加熱(例えば、50℃以上130℃未満の温度で1~5分加熱)して乾燥させることもでき、作業性に優れる。
【0115】
前記塗膜の厚みは、例えば1~1000nmである。
【0116】
(工程2)
本工程は、工程1を経て得られた塗膜に、パターンを有するフォトマスクを介して光照射する等の方法で、光照射を行ってパターンを転写する工程である。
【0117】
光照射に用いる光線としては、塗膜に含まれる前記スルホニウム塩を分解して酸(H+X-;X-は対アニオンを示す)を発生させることができれば特に制限はないが、パターンをより微細化する観点から、超短波長の光線を使用することが好ましく、光線の波長は、例えば100nm以下(例えば、1~100nm)が好ましく、80nm以下が更に好ましく、50nm以下が特に好ましく、30nm以下が最も好ましく、20nm以下がとりわけ好ましい。前記光線には、例えば、X線、電子線、EUV等が含まれる。
【0118】
光照射後は、60~200℃の温度で、0.1~120分程度加熱することが、露光部と未露光部のアルカリ現像液への溶解性の差を大きくすることができる点で好ましい。
【0119】
(工程3)
本工程は、工程2を経たフォトレジストの塗膜を、アルカリ現像処理に付す工程である。
【0120】
アルカリ現像処理に使用するアルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム、テトラメチルアンモニウム塩水溶液等が挙げられる。
【0121】
前記アルカリ現像液には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、N-メチルピロリドン等を添加しても良い。
【0122】
アルカリ現像処理は、前記塗膜に、ディップ方式、シャワー方式、スプレー方式等の方法により前記アルカリ現像液を塗布することで行われる。
【0123】
アルカリ現像液の温度は、例えば25~40℃である。また、アルカリ現像時間は、レジストの厚さに応じて適宜決定されるが、例えば1~5分程度である。
【0124】
アルカリ現像処理に際しては、フォトレジストの塗膜の、露光部と未露光部における溶解性の差が大きいことが精度良好な微細パターンを形成する観点から好ましい。現像残渣が多く存在すれば、配線形状異常などの問題が発生し易いためである。そして、本発明のフォトレジストは、上述の通りカルボキシル基を有するスルホニウム塩を含有するため、アルカリ現像時にレジストの現像性が向上し現像残渣を低減することができる。そのため、欠陥の無い製品を歩留まり良く製造することができる。
【0125】
工程3を経て、基板上に、精度良好な微細パターンを有するレジスト膜を形成することができる。このようにして得られたレジスト膜を利用して基板をエッチングすれば、高精度の電子デバイスを製造することができる。
【0126】
前記電子デバイスには、例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示デバイス;タッチパネル等の入力デバイス;発光デバイス;センサーデバイス;光スキャナー、光スイッチ、加速度センサー、圧力センサー、ジャイロスコープ、マイクロ流路、インクジェットヘッド等のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等が含まれる。
【0127】
以上、本発明の各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において、適宜、構成の付加、省略、置換、及び変更が可能である。また、本発明は、実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。
【実施例0128】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0129】
実施例1
マグネシウム13.4g(0.55モル)をテトラヒドロフラン(THF)400g中に分散させてなる分散液に、攪拌下、1-ブロモ-3,5-ジフルオロベンゼン96.5g(0.50モル)を、系内温度を40~50℃の範囲に保持しつつ滴下投入して、3,5-ジフルオロフェニルマグネシウムブロマイドのTHF溶液を調製した。
調製した3,5-ジフルオロフェニルマグネシウムブロマイドのTHF溶液に、塩化チオニル28.6g(0.24モル)をTHF50gで希釈した溶液を、系内温度が-5℃を超えない速度で滴下した。滴下終了後、室温で1時間反応を継続し反応を完結させた。
【0130】
イオン交換水500gに、反応終了後の溶液を、系内温度が15℃を超えない速度で加え、1時間攪拌した。その後、酢酸エチル300gを投入し、1時間攪拌した。水層を除去した後、イオン交換水300gで3回洗浄した。有機層をシリカゲルカラムに通し脱色処理を行った。次いで、脱色処理後の有機層を脱溶剤し、シクロヘキサンで再結晶することで、ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシド26.0gを得た。
【0131】
得られたビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシド6.86g(0.025モル)を2,6-ジメチルフェノール15.3g(0.125モル)、メタンスルホン酸24.0g(0.25モル)に溶解させ、無水リン酸7.1g(0.05モル)を系内温度が25℃を超えない速度で滴下した。滴下終了後、室温で24時間反応を継続させて反応を完結させた。次いで、反応液をゆっくりとイオン交換水150gに投入し、しばらく攪拌後、メタノール50gを加えた。この溶液にトルエン50gを加え、30分攪拌後、静置し上層のトルエン層を除去した。このトルエン洗浄をさらに2回行った。
【0132】
トルエン層除去後の水層にトリフルオロメタンスルホン酸カリウム4.7g(0.025モル)、ジクロロメタン80gを加え、1時間攪拌後、静置し上層の水層を除去した。この水洗操作をさらに2回行った。水層除去後のジクロロメタン層を濃縮して、スルホニウムの中間体3.1g(0.006モル)を得た。
【0133】
次いで、この中間体をアセトニトリル10g、ブロモ酢酸t-ブチル1.7g(0.009モル)、炭酸カリウム2.5g(0.018モル)を加え、60℃で36時間反応を行った後に、反応液をろ過し、ろ液を回収した。回収したろ液を濃縮し、その後、t-ブチルメチルエーテルで洗浄を行って、不溶部3.5gを回収した。
【0134】
この不溶部を、イソプロパノール100gに溶解した後、硫酸を1g加え、70℃で5時間反応させた後、濃縮により溶剤を除去した。次いで、ジクロロメタン50g、イオン交換水50gを加え、1時間攪拌後、静置し上層の水層を除去した。この水洗操作をさらに2回行った。水相除去後のジクロロメタン層を濃縮した後、酢酸ブチルで再結晶を行った。これにより、目的物である[ビス(3,5-ジフルオロフェニル)](4-カルボキシメトキシ-3,5-ジメチルフェニル)スルホニウム トリフルオロメタンスルホネート2.3gを得た。
【0135】
実施例2
1-ブロモ-3,5-ジフルオロベンゼン96.5gに代えて2-ブロモベンゾトリフルオリド112.5g(0.50モル)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ビス(2-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド20.0gを得た。
【0136】
ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシドに代えて、ビス(2-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシドを使用し、ブロモ酢酸t-ブチルに代えて、2-ブロモ酪酸t-ブチルを使用し、トリフルオロメタンスルホン酸カリウムに代えてノナフルオロブタンスルホン酸カリウムを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、[ビス(2-トリフルオロメチルフェニル)](4-(1-カルボキシプロポキシ)-3,5-ジメチルフェニル)スルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートを得た。
【0137】
実施例3
1-ブロモ-3,5-ジフルオロベンゼン96.5gに代えて4-ブロモベンゾトリフルオリド112.5g(0.50モル)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ビス(4-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド29.1gを得た。
【0138】
ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシドに代えて、ビス(4-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシドを使用し、2,6-ジメチルフェノールに代えてチオフェノールを使用し、トリフルオロメタンスルホン酸カリウムに代えてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウムを使用した以外は実施例1と同様の方法で、[ビス(4-トリフルオロメチルフェニル)](4-カルボキシメチルチオフェニル)スルホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを得た。
【0139】
実施例4
塩化チオニル28.6g(0.24モル)及びヨードベンゼン100g(0.48モル)をTHF500gで希釈した溶液に、過塩素酸50g(0.48モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間反応を継続し反応を完結させた。次いで、反応液をイオン交換水1500gにゆっくりと投入した後、ジクロロメタン300gを加え、1時間攪拌し、その後、静置して上層の水層を除去した。水相除去後のジクロロメタン層を濃縮し、酢酸ブチルで再結晶を行って、ビス(4-ヨードフェニル)スルホキシド54gを得た。
【0140】
ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシドに代えて、ビス(4-ヨードフェニル)スルホキシドを使用し、2,6-ジメチルフェノールに代えて安息香酸t-ブチル使用し、トリフルオロメタンスルホン酸カリウムに代えてノナフルオロブタンスルホン酸カリウムを使用し、ブロモ酢酸t-ブチルを使用しない以外は実施例1と同様の方法で、[ビス(4-ヨードフェニル)](4-カルボキシフェニル)スルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートを得た。
【0141】
実施例5
ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシド27.4g(0.10モル)を硫酸200gに溶解させ、N-ヨードスクシンイミド45.0g(0.20モル)を分割投入し、その後3時間室温で反応させた。次いで、反応液をイオン交換水1500gにゆっくりと投入し、ジクロロメタン200gを加え、1時間攪拌後、静置して上層の水層を除去した。水相除去後のジクロロメタン層を濃縮し、酢酸ブチルで再結晶を行って、ビス(3,5-ジフルオロ-2-ヨードフェニル)スルホキシド23.3gを得た。
【0142】
ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシドに代えて、ビス(3,5-ジフルオロ-2-ヨードフェニル)スルホキシドを使用し、トリフルオロメタンスルホン酸カリウムに代えてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウムを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、[ビス(3,5-ジフルオロ-2-ヨードフェニル)](4-カルボキシメトキシ-3,5-ジメチルフェニル)スルホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを得た。
【0143】
比較例1
ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシドに代えて、ジフェニルスルホキシドを使用した以外は実施例1と同様の方法で、ジフェニル-4-カルボキシメトキシ-3,5-ジメチルフェニル)スルホニウム トリフルオロメタンスルホネートを得た。
【0144】
比較例2
1-ブロモ-3,5-ジフルオロベンゼン96.5gに代えて3-ブロモベンゾトリフルオリド112.5g(0.50モル)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、ビス(3-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド28.1gを得た。
【0145】
ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシドに代えて、ビス(3-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシドを使用し、2,6-ジメチルフェノール15.3g(0.125モル)に代えて、ベンゼン28.0g(0.375モル)を使用し、トリフルオロメタンスルホン酸カリウムに代えてノナフルオロブタンスルホン酸カリウムを使用した以外は実施例1と同様の方法で、スルホニウムの中間体を得た。この中間体を酢酸エチル、および酢酸ブチルの混合溶媒で再結晶を行い、[ビス(4-トリフルオロメチルフェニル)]フェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートを得た。
【0146】
上記実施例1~5及び比較例1~2で得られたスルホニウム塩、比較例3としてのトリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネートについて、下記方法で溶剤溶解性及び感光性を評価した。
【0147】
(溶剤溶解性評価)
実施例及び比較例の各スルホニウム塩を0.2g試験管にとり、25℃温調下でPGMEAを0.2~0.5gずつ加え、スルホニウム塩が完全に溶解するまで加えた。この完全に溶解したスルホニウム塩の濃度を溶剤溶解性とした。尚、PGMEAを30g加えても完全に溶解しない場合には、溶解しないものとして評価した。結果を下記表に示す。
【0148】
(感光性評価)
実施例及び比較例の各スルホニウム塩を重量比で20倍のポジ型感光性樹脂(ポリヒドロキシスチレンとt-ブトキシアクリレートの共重合物)と混合し、スルホニウム塩のモル濃度が2.0mMとなるようにPGMEAに溶解して、フォトレジストを調製した。
次いで、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を行った基板上に、得られたフォトレジストを、スピンコーターを用いて展開し、130℃で60秒間加熱して溶剤を除去して、約50nmの膜厚の塗膜を生成した。
得られた塗膜を、兵庫県立大学ニュースバル放射光施設のBL-3に投入し、13.5nmの放射光を照射した。
次いで、光線照射後のサンプルを110℃で90秒間加熱し、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38%水溶液を用いて60秒間現像し、流水にて30秒間リンスを行った。
現像・リンス後のサンプルを顕微鏡で観察し、レジスト膜が完全に除去される最小露光量(Eth)を求めた。
比較例3のスルホニウム塩を含むフォトレジストを使用した場合の最小露光量(Eth’)に対する最小露光量(Eth)の比を以下の式から算出して、これを感光性の指標とした。尚、最小露光量比は値が小さい方が感光性は良好である。
最小露光量比=Eth/Eth’
【0149】
【0150】
【0151】
上記表1から、本発明のスルホニウム塩は、トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート(比較例3)に比べて13.5nmの放射光に対する感度が高いことが分かる。また、溶剤に対する溶解性が良好であることも分かる。本発明のスルホニウム塩は、前記特性を兼ね備えるため、フォトレジスト用途(特に、超短波長の光線を使用するフォトレジスト用途)に好適である。
【0152】
以上のまとめとして、本発明の構成及びそのバリエーションを以下に付記する。
[1] 式(1)(式中、Ar1、Ar2は同一又は異なって、芳香環構造、又は2個以上の芳香環が単結合又は連結基を介して結合した構造であり、R1はハロゲン原子又はC1-5ハロアルキル基を示す。R2はハロゲン原子、C1-5アルキル基、C1-5アルコキシ基、C1-5ハロアルキル基、又はC1-5ハロアルコキシ基を示す。n1は1~5の整数を示し、n2は0~4の整数を示す。Lは単結合又は連結基を示し、X-は1価の対アニオンを示す。)で表されるスルホニウム塩。
[2] 前記式(1)が式(1-1a)(式中、R11、R12はそれぞれ独立にハロゲン原子又はC1-5ハロアルキル基を示す。R13はハロゲン原子、C1-5アルキル基、C1-5アルコキシ基、C1-5ハロアルキル基、又はC1-5ハロアルコキシ基を示す。n11、n12はそれぞれ独立に1~5の整数を示し、n13は0~4の整数を示す。Lは単結合又は連結基を示し、X-は1価の対アニオンを示す)である、[1]に記載のスルホニウム塩。
[3] 前記式(1)が式(1-3)(式中、R11、R12はそれぞれ独立にハロゲン原子又はC1-5ハロアルキル基を示す。R13はハロゲン原子、C1-5アルキル基、C1-5アルコキシ基、C1-5ハロアルキル基、又はC1-5ハロアルコキシ基を示す。n11、n12はそれぞれ独立に1~5の整数を示し、n13は0~4の整数を示す。L1は酸素原子又は硫黄原子を示し、nは1~5の整数を示す。X-は1価の対アニオンを示す)である、[1]に記載のスルホニウム塩。
[4] 前記R11、R12がそれぞれ独立にフッ素原子、ヨウ素原子、又はトリフルオロメチル基である、[2]又は[3]に記載のスルホニウム塩。
[5] 1価の対アニオンがスルホン酸アニオン又はスルホニルイミドアニオンである、[1]~[4]の何れか1つに記載のスルホニウム塩。
[6] [1]~[5]の何れか1つに記載のスルホニウム塩を含む酸発生剤。
[7] 極端紫外線用酸発生剤又は電子線用酸発生剤である、[6]に記載の酸発生剤。
[8] [6]に記載の酸発生剤と、感光性樹脂と、を含むフォトレジスト。