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  • 特開-手摺り 図1
  • 特開-手摺り 図2
  • 特開-手摺り 図3
  • 特開-手摺り 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068711
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】手摺り
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/18 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
E04F11/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179254
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】522208081
【氏名又は名称】株式会社千都
(74)【代理人】
【識別番号】100172225
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 宏行
(72)【発明者】
【氏名】山内 亮
【テーマコード(参考)】
2E301
【Fターム(参考)】
2E301HH03
2E301HH06
2E301KK02
2E301KK07
(57)【要約】
【課題】握力が弱くても廊下を歩行し、片手を離して作業をすることもできる手摺りを提供する。
【解決手段】廊下2に設置される手摺り1は、第1の手摺り部4と、第1の手摺り部4と平面視して重なり合わない位置に配置された第2の手摺り部5と、第1の手摺り部4と第2の手摺り部5を接続する接続部(ブラケット7)と、を備える。そして、第2の手摺り部5は、歩行者の進行方向に沿って昇り勾配の第1部位9と降り勾配の第2部位10と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廊下に設置される手摺りであって、
第1の手摺り部と、
前記第1の手摺り部と平面視して重なり合わない位置に配置された第2の手摺り部と、
前記第1の手摺り部と前記第2の手摺り部を接続する接続部と、を備え、
前記第2の手摺り部は、歩行者の進行方向に沿って昇り勾配の第1部位と降り勾配の第2部位と、を有する、手摺り。
【請求項2】
前記接続部は、前記第1の手摺り部を壁に固定するブラケットである、請求項1に記載の手摺り。
【請求項3】
前記第2の手摺り部は、前記第1の手摺り部より前記壁側にある、請求項1または2に記載の手摺り。
【請求項4】
前記第2の手摺り部の上端は、前記第1の手摺り部の上端よりも上方に突出している、請求項1に記載の手摺り。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廊下に設置される手摺りに関する。
【背景技術】
【0002】
階段や廊下の壁面などには、階段での上り下りや廊下での歩行を補助するための手摺りが設置される。特許文献1には、長い円筒状の手摺棒に、周方向に膨出させてやや大径に形成した環状手掛部を一定間隔毎に形成した手摺りが開示されている。特許文献1に記載の手摺りを階段に設定することで、足腰が弱ったお年寄りや身体が不自由な人などが手摺りを握った手を環状手掛部に掛止しながら階段を上り下りすることで、転倒による怪我を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3069757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、握力が弱ったお年寄りなどが手摺りを掴みながら廊下を歩行している際に、片手を手摺りから離して作業などをする場合に一方の手だけでは手摺りを十分に掴むことができずに転倒したり、作業が不安定になったりするという課題が有り、更なる改善の余地があった。
【0005】
そこで本発明は、握力が弱くても廊下を歩行し、片手を離して作業をすることもできる手摺りを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の手摺りは、廊下に設置される手摺りであって、第1の手摺り部と、前記第1の手摺り部と平面視して重なり合わない位置に配置された第2の手摺り部と、前記第1の手摺り部と前記第2の手摺り部を接続する接続部と、を備え、前記第2の手摺り部は、歩行者の進行方向に沿って昇り勾配の第1部位と降り勾配の第2部位と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、握力が弱くても廊下を歩行し、片手を離して作業をすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態における手摺りが設置された廊下の概略を示す斜視図
図2】本発明の一実施の形態における手摺りが設置された廊下の概略を示す側面図
図3】本発明の一実施の形態における手摺りが設置された廊下の概略を示す正面図
図4】本発明の一実施の形態における手摺りが設置された廊下の概略を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、手摺り、廊下の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図2、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸として、廊下に沿うX軸(図2における左右方向)、X軸方向に直交するY軸(図3における左右方向)が示される。図2、及び後述する一部では、水平面と直交する上下方向としてZ軸(図2における上下方向)が示される。
【0010】
図2図4において、廊下2の横(Y軸方向)の壁3には、手摺り1が設置されている。手摺り1は、第1の手摺り部4と第2の手摺り部5を備えて構成されている。第1の手摺り部4は、廊下に沿う方向(X軸方向)に延びる手摺り棒6を備えて構成されている。手摺り棒6は、複数のブラケット7により壁3に固定されている。すなわち、ブラケット7の一端は壁3に固定され、他端は手摺り棒6に固定されている。
【0011】
隣接する2つのブラケット7の中間部の上面には、第2の手摺り部5を構成する複数の把持部8が配置されている。すなわち、第2の手摺り部5の把持部8は、第1の手摺り部4の手摺り棒6と壁3の間に配置されている。言い換えると、第2の手摺り部5は、第1の手摺り部4より壁側であって、第1の手摺り部4と平面視して重なり合わない位置に配置されている。また、ブラケット7は、第1の手摺り部4と第2の手摺り部5を接続する接続部である。
【0012】
図2図4において、第2の手摺り部5の把持部8は、第1部位9と第2部位10を備えて構成されている。ここで、図2において、紙面の左側から右側に向かって手摺り1を使用して歩行者が移動するとする。すなわち、図2の紙面に向かって右方向を歩行者の進行方向とする。左側の第1部位9は、進行方向に沿って昇り勾配を有している。右側の第2部位10は、進行方向に沿って下り勾配を有している。すなわち、第2の手摺り部5は、歩行者の進行方向に沿って昇り勾配の第1部位9と降り勾配の第2部位10と、を有する。なお、歩行者が紙面に向かって左方向に進行する場合は、右側の第2部位10が進行方向に沿って昇り勾配を有し、左側の第1部位9が進行方向に沿って下り勾配を有していることになる。
【0013】
少なくとも、把持部8の第1部位9と第2部位10の上部は、手摺り棒6よりも上方に突出している。すなわち、第2の手摺り部5の把持部8の上端は、第1の手摺り部4の手摺り棒6の上端よりも上方に突出している。これにより、歩行者が手摺り棒6よりも壁側に配置された把持部8の第1部位9または第2部位10を容易に把持することができる。
【0014】
上記説明したように、本実施の形態の手摺り1は、廊下2に設置される手摺り1であって、第1の手摺り部4と、第1の手摺り部4と平面視して重なり合わない位置に配置された第2の手摺り部5と、第1の手摺り部4と第2の手摺り部5を接続する接続部(ブラケット7)と、を備え、第2の手摺り部5は、歩行者の進行方向に沿って昇り勾配の第1部位9と降り勾配の第2部位10と、を有する。
【0015】
これによって、歩行者は、廊下2を移動する際は第1の手摺り部4の手摺り棒6を掴み、掴んだ手を滑らせて手摺り1をなぞりながら廊下2を歩行することができる。また、片手を手摺り1から離して作業する際は、一方の手により第2の手摺り部5の把持部8を掴むことで、手摺り1を掴む握力が弱くても、他方の手で自由に作業をすることができる。すなわち、歩行者は、握力が弱くても廊下2を歩行し、片手を離して作業をすることもできる。
【0016】
なお、上記では、手摺り1は、複数のブラケット7によって廊下2の壁3に固定される形態で説明したが、手摺り1の固定方法はこれに限定されることはない。例えば、廊下2から上方に突出するように設置された支柱部材に手摺り1を固定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0017】
握力が弱くても廊下を歩行し、片手を離して作業をすることもできる手摺りを提供する。
【符号の説明】
【0018】
1 手摺り
2 廊下
3 壁
4 第1の手摺り部
5 第2の手摺り部
7 ブラケット(接続部)
9 第1部位
10 第2部位
図1
図2
図3
図4