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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068716
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】コネクタ装置およびコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20240514BHJP
   H01R 12/91 20110101ALI20240514BHJP
【FI】
H01R13/52 Z
H01R12/91
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179263
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170209
【弁理士】
【氏名又は名称】林 陽和
(72)【発明者】
【氏名】中田 陽
【テーマコード(参考)】
5E087
5E223
【Fターム(参考)】
5E087EE04
5E087EE11
5E087LL02
5E087LL12
5E087RR13
5E223AB26
5E223AC02
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB31
5E223CB38
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB08
5E223DB25
(57)【要約】
【課題】端子が収容される空間内に異物が侵入するのを抑制することが可能な新規な構造のコネクタを提供する。
【解決手段】本開示のコネクタ装置は、第1の軸を有し、第1の基板に対して固定される第1の固定ハウジングを含む第1のコネクタと、第1のコネクタに対して結合される第2のコネクタであって、第1の軸と平行な第2の軸を有し、第1の軸および第2の軸と交差する交差方向に移動可能な可動ハウジングと、第2の基板に対して固定される第2の固定ハウジングと、第2の固定ハウジングおよび可動ハウジング内に収容され、可動ハウジングを第2の固定ハウジングに対して可動に保持する端子と、を含む第2のコネクタと、第1のコネクタおよび第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられ、第2の固定ハウジングと可動ハウジングの間の隙間を塞ぐように交差方向に延びる封止部材と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸を有し、第1の基板に対して固定される第1の固定ハウジングを含む第1のコネクタと、
前記第1のコネクタに対して結合される第2のコネクタであって、前記第1の軸と平行な第2の軸を有し、前記第1の軸および前記第2の軸と交差する交差方向に移動可能な可動ハウジングと、第2の基板に対して固定される第2の固定ハウジングと、前記第2の固定ハウジングおよび前記可動ハウジング内に収容され、前記可動ハウジングを前記第2の固定ハウジングに対して可動に保持する端子と、を含む第2のコネクタと、
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられ、前記第2の固定ハウジングと前記可動ハウジングの間の隙間を塞ぐように前記交差方向に延びる封止部材と、
を備える、コネクタ装置。
【請求項2】
前記封止部材は、前記第2のコネクタに取り付けられ、前記隙間を塞ぐように前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に少なくとも一部が挟み込まれる第1の弾性部材を含み、
前記第1の弾性部材は、前記交差方向に延びる第1の板部を含む、
請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記交差方向は、第1の方向と、当該第1の方向とは反対の第2の方向と、を含み、
前記第1の方向側の前記第1の板部の前記第1の方向の長さは、前記可動ハウジングが前記固定ハウジングに対して前記第1の方向と前記第2の方向に移動可能な量の合計値よりも大きい、
請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記封止部材は、前記第1のコネクタに取り付けられ、前記第1の弾性部材とともに前記隙間を塞ぐように前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間に少なくとも一部が挟み込まれる第2の弾性部材をさらに含む、
請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記第2の弾性部材は、前記交差方向に延びる第2の板部をさらに含む、
請求項4に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記第1の弾性部材の前記交差方向の外側でかつ前記第2の弾性部材側の端部は、第1の傾斜を含み、
前記第2の弾性部材の前記交差方向の内側でかつ前記第1の弾性部材側の端部は、前記第1の傾斜と平行な第2の傾斜を含む、
請求項4に記載のコネクタ装置。
【請求項7】
前記封止部材は、前記第2の固定ハウジングの前記第1のコネクタ側の端部と接触するように前記第1の固定ハウジングから前記交差方向に延びるように設けられている、
請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項8】
第1の軸を有し、第1の基板に対して固定される第1の固定ハウジングを含む第1のコネクタに対して結合されるコネクタであって、
前記第1の軸と平行な第2の軸を有し、前記第1の軸および前記第2の軸と交差する交差方向に移動可能な可動ハウジングと、
第2の基板に対して固定される第2の固定ハウジングと、
前記第2の固定ハウジングおよび前記可動ハウジング内に収容され、前記可動ハウジングを前記第2の固定ハウジングに対して可動に保持する端子と、
前記第2の固定ハウジングと前記可動ハウジングの間の隙間を塞ぐように前記交差方向に延びる封止部材と、
を備える、コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ装置およびコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固定ハウジングと、可動ハウジングと、可動ハウジングを固定ハウジングに対して可動に保持する端子と、を備えたいわゆるフローティングコネクタが知られている。このようなフローティングコネクタにおいては、可動ハウジングが移動可能なように、固定ハウジングと可動ハウジングとの間に隙間が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-71191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の技術では、固定ハウジングと可動ハウジングとの間の隙間から、端子が収容される空間(つまり固定ハウジングおよび可動ハウジング内の空間)内に、たとえば水、油、および塵などのような異物が侵入しやすい。
【0005】
そこで、本開示が解決しようとする課題の一つは、端子が収容される空間内に異物が侵入するのを抑制することが可能な新規な構造のコネクタ装置およびコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一例としてのコネクタ装置は、第1の軸を有し、第1の基板に対して固定される第1の固定ハウジングを含む第1のコネクタと、第1のコネクタに対して結合される第2のコネクタであって、第1の軸と平行な第2の軸を有し、第1の軸および第2の軸と交差する交差方向に移動可能な可動ハウジングと、第2の基板に対して固定される第2の固定ハウジングと、第2の固定ハウジングおよび可動ハウジング内に収容され、可動ハウジングを第2の固定ハウジングに対して可動に保持する端子と、を含む第2のコネクタと、第1のコネクタおよび第2のコネクタのうち少なくとも一方に設けられ、第2の固定ハウジングと可動ハウジングの間の隙間を塞ぐように交差方向に延びる封止部材と、を備える。
【0007】
本開示の他の一例としてのコネクタは、第1の軸を有し、第1の基板に対して固定される第1の固定ハウジングを含む第1のコネクタに対して結合されるコネクタであって、第1の軸と平行な第2の軸を有し、第1の軸および第2の軸と交差する交差方向に移動可能な可動ハウジングと、第2の基板に対して固定される第2の固定ハウジングと、第2の固定ハウジングおよび可動ハウジング内に収容され、可動ハウジングを第2の固定ハウジングに対して可動に保持する端子と、第2の固定ハウジングと可動ハウジングの間の隙間を塞ぐように交差方向に延びる封止部材と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかるコネクタ装置およびコネクタによれば、端子が収容される空間内に異物が侵入するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態にかかるコネクタ装置を構成する可動コネクタを示した斜視図である。
図2図2は、実施形態にかかるコネクタ装置を構成する固定コネクタを示した斜視図である。
図3図3は、実施形態にかかるコネクタ装置を示した側面図である。
図4図4は、図3に示されるコネクタ装置のA-A切断線に沿った断面図である。
図5図5は、実施形態にかかる可動コネクタと固定コネクタとが分離した状態を示した断面図である。
図6図6は、実施形態にかかる可動コネクタの軸と固定コネクタの軸とがずれた状態のコネクタを示した断面図である。
図7図7は、変形例にかかるコネクタ装置を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、あくまで一例であって、以下の記載内容に制限されるものではない。
【0011】
また、本開示において、「第1」、「第2」などの序数は、部品または部位などを区別するために便宜上付与されており、特定の優先順位を示すものではない。
【0012】
また、本開示の各図において、Z方向は、コネクタ装置100の高さ方向(可動コネクタ10の軸Ax1および固定コネクタ20の軸Ax2が延びる方向)に対応する。X方向およびY方向は、コネクタ装置100(図3参照)の幅方向および厚み方向(軸Ax1およびAx2と交差(直交)する2方向)に対応する。また、
【0013】
図1は、実施形態にかかるコネクタ100を構成する可動コネクタ10を示した斜視図であり、図2は、実施形態にかかるコネクタ装置100を構成する固定コネクタ20を示した斜視図である。また、図3は、実施形態にかかるコネクタ装置100を示した側面図であり、図4は、図3に示されるコネクタ装置100のA-A切断線に沿った断面図である。また、図5は、実施形態にかかる可動コネクタ10と固定コネクタ20とが分離した状態を示した断面図であり、図6は、実施形態にかかる可動コネクタ10の軸Ax1と固定コネクタ20の軸Ax2とがずれた状態のコネクタ装置100を示した断面図である。
【0014】
図1図6に示されるように、実施形態にかかるコネクタ装置100は、可動コネクタ10と固定コネクタ20とが結合されることにより構成される。可動コネクタ10は、本開示の「第2のコネクタ」の一例であり、固定コネクタ20は、本開示の「第1のコネクタ」の一例である。可動コネクタ10は、基板110に固定され、固定コネクタ20は、基板110と間隔を隔てて平行に設けられた基板120に固定される。可動コネクタ10は、基板110に対して移動可能な部分を有する(詳細は後述する)。
【0015】
図1および図4図6に示されるように、可動コネクタ10は、基板110に対して固定された固定ハウジング11と、弾性部材12と、基板110(つまり固定ハウジング11)に対してX方向に移動可能な可動ハウジング13と、端子41を含む。固定ハウジング11は、本開示の「第2の固定ハウジング」の一例であり、弾性部材12は、本開示の「封止部材」の一例であるとともに「第1の弾性部材」の一例である。
【0016】
固定ハウジング11は、その内側に空間S1を構成する。つまり、固定ハウジング11は、X方向から見て略矩形のY方向およびZ方向に延びる2つの面状の部分と、Y方向から見て略矩形のX方向およびZ方向に延びる2つの面状の部分と、を有する矩形の筒状に構成される。
【0017】
弾性部材12は、固定ハウジング11の基板110とは反対側(つまり固定コネクタ20側)の端部に沿って枠状に設けられる。
【0018】
固定ハウジング11および可動ハウジング13は、基板110側で固定ハウジング11に固定され、基板110に接続された端子41を内部に含む。可動ハウジング13は、可動コネクタ10と固定コネクタ20とが結合されると、固定コネクタ20のハウジング23と結合する。可動ハウジング13とハウジング23とが結合すると、可動ハウジング13内の端子41とハウジング23内の端子42とが接触し、可動コネクタ10に固定された基板110と固定コネクタ20に固定された基板120とが端子41および42を介して接続される。
【0019】
また、図2および図4図6に示されるように、固定コネクタ20は、ハウジング21と、弾性部材22と、ハウジング23と、を含む。ハウジング21およびハウジング23は、本開示の「第1の固定ハウジング」の一例であり、弾性部材22は、本開示の「封止部材」の一例であるとともに「第2の弾性部材」の一例である。
【0020】
ハウジング21は、その内側に空間S2を構成する。つまり、ハウジング21は、X方向から見て略矩形のY方向およびZ方向に延びる2つの面状の部分と、Y方向から見て略矩形のX方向およびZ方向に延びる2つの面状の部分と、がZ方向から見て枠状に接続されることで構成される。可動コネクタ10と固定コネクタ20とが結合された場合、空間S2内には、可動コネクタ10の可動ハウジング13の先端部がX方向およびY方向への移動が規制された状態で収容される。
【0021】
弾性部材22は、ハウジング21の基板120とは反対側(つまり可動コネクタ10側)でハウジング21の空間S1への挿入部分の後方位置の外縁から直交する方向に延びる枠状に設けられる。
【0022】
ハウジング23は、基板120に接続された端子42を内部に含む。ハウジング23は、可動コネクタ10と固定コネクタ20とが結合すると、可動コネクタ10の可動ハウジング13と結合する。上記の通り、ハウジング23と可動ハウジング13とが結合すると、ハウジング23内の端子42と可動ハウジング13内の端子41とが接触し、可動コネクタ10に固定された基板110と固定コネクタ20に固定された基板120とが端子41および42を介して接続される。
【0023】
また、図4および図6に示されるように、実施形態において、可動コネクタ10は、固定コネクタ20に対して移動可能に結合される。たとえば、図4に示される例では、Z方向から見て可動コネクタ10および固定コネクタ20のそれぞれの中心を通る軸Ax1およびAx2が一致した状態で可動コネクタ10および固定コネクタ20が結合されており、図6に示される例では、軸Ax1およびAx2が間隔Dだけずれた状態で可動コネクタ10および固定コネクタ20が結合されている。なお、軸Ax1は、本開示の「第2の軸」の一例であり、軸Ax2は、本開示の「第1の軸」の一例である。
【0024】
実施形態にかかるコネクタ装置100は、図4および図6のいずれの例においても、可動コネクタ10と固定コネクタ20との結合(つまり可動ハウジング13内の端子41とハウジング23内の端子42との結合)に不都合が発生しない、いわゆるフローティングコネクタとして構成される。すなわち、実施形態にかかる可動コネクタ10および固定コネクタ20は、Z方向から見てそれぞれの中心を通る軸Ax1およびAx2のX方向のずれをある程度許容するように結合される。
【0025】
ところで、従来から知られている一般的なフローティングコネクタにおいては、可動ハウジング13が固定ハウジング11に対して移動可能である分、固定ハウジング11と可動ハウジング13との間に大きな隙間ができやすいため、端子41が収容される空間内に、たとえば水、油、および塵などのような異物が侵入しやすい。これに対して、実施形態にかかるコネクタ装置100は、以下に説明するように、弾性部材12および22によって、端子41が収容される空間S1内に異物が侵入するのを抑制する。
【0026】
すなわち、図4および図6に示されるように、弾性部材12および22は、可動コネクタ10と固定コネクタ20との間の隙間(空間S1)を塞ぐように、可動コネクタ10と固定コネクタ20との間に少なくとも一部が挟み込まれる。これにより、可動コネクタ10と固定コネクタ20との間に隙間が空くのが抑制され、空間S1内に異物が侵入するのが抑制される。
【0027】
弾性部材12および22は、可動コネクタ10の軸Ax1と固定コネクタ20の軸Ax2とのずれの有無に関わらず、空間S1を塞ぐように構成される。つまり、弾性部材12および22は、軸Ax1およびAx2が一致している場合(図4参照)であっても、軸Ax1およびAx2がずれている場合(図6参照)であっても、互いに密着した状態で適宜弾性変形することで、空間S1を塞いだ状態を維持する。
【0028】
軸Ax1およびAx2のずれの有無に関わらず空間S1を塞ぐための構成として、実施形態では、図4図6に示されるように、弾性部材12および22は、それぞれ、軸Ax1およびAx2と交差(直交)する交差方向(X方向)に延びる板部12aおよび22aを含む。板部12aは、本開示の「第1の板部」の一例であり、板部22aは、本開示の「第2の板部」の一例である。
【0029】
板部22aのX方向の長さL(図5参照)は、固定コネクタ20が結合された可動コネクタ10の可動ハウジング13がX方向に移動可能な量の最大値(たとえば図4に示されるX方向の最狭部の合計間隔、すなわち、固定コネクタ20のハウジング21の空間S1への挿入部分の外縁と弾性部材12の板部12aの内縁との間の距離D1およびD2の合計)よりも大きく設定される。これにより、軸Ax1およびAx2が最大限ずれた場合であっても、板部12aおよび22aが接触するので、空間S1が不都合なく塞がれる。また、板部12aは、可動ハウジング13側に突出している。これにより、上記の距離D1およびD2の寸法を小さくすることができ、その結果、板部22aの長さLも小さくすることができる。なお、ここでは、X方向の移動のみに言及しているが、Y方向の移動についても同様のことがいえる。
【0030】
また、実施形態では、弾性部材12のX方向の外側でかつ弾性部材22側の端部は、傾斜12bを含み、弾性部材22のX方向の内側でかつ弾性部材12側の端部は、弾性部材12の傾斜12bと平行な傾斜22bを含む。これにより、軸Ax1およびAx2がずれた場合であっても弾性部材12および22が密着した状態を維持しやすくなる。なお、傾斜aa12bは、本開示の「第1の傾斜」の一例であり、傾斜22bは、本開示の「第2の傾斜」の一例である。
【0031】
以上説明したように、実施形態にかかるコネクタ装置100は、可動コネクタ10と、固定コネクタ20と、弾性部材12および22を含む。固定コネクタ20は、軸Ax2を有し、基板120に対して固定されるハウジング21および23を含む。可動コネクタ10は、固定コネクタ20に対して結合され、軸Ax2と平行な軸Ax1を有する。可動コネクタ10は、可動ハウジング13と、固定ハウジング11と、可動ハウジング13と、端子41と、を含む。可動ハウジング13は、軸Ax1およびAx2と交差する交差方向(図4および図6ではX方向)に移動可能に構成される。固定ハウジング11は、基板120に対して固定される。端子41は、固定ハウジング11および可動ハウジング13内に収容され、可動ハウジング13を固定ハウジング11に対して可動に保持する。弾性部材22は、固定コネクタ20に取り付けられ、可動コネクタ10の固定ハウジング11と可動ハウジング13との間の隙間(空間S1)を塞ぐように、可動コネクタ10と固定コネクタ20との間に少なくとも一部が挟み込まれる。弾性部材12は、可動コネクタ10に取り付けられ、可動ハウジング13がX方向に移動可能な量の最大値(固定コネクタ20のハウジング21の空間S1への挿入部分の外縁と弾性部材12の板部12aの内縁との距離D1およびD2の合計)を小さくし、弾性部材22とともに空間S1を塞ぐように、可動コネクタ10と固定コネクタ20との間に少なくとも一部が挟み込まれる。
【0032】
上記のような構成によれば、弾性部材12および22によって、可動コネクタ10と固定コネクタ20との間に隙間ができるのを抑制することができるので、端子41が収容される空間S1内に異物が侵入するのを抑制することができる。
【0033】
<変形例>
なお、上述した実施形態では、弾性部材12および22によって固定ハウジング11と可動ハウジング13との間の隙間を塞ぐ構成が例示されている。しかしながら、本開示は、固定ハウジング11と可動ハウジング13との間の隙間を非弾性の封止部材によって塞ぐ構成も含みうる。封止部材は、固定コネクタ20のハウジング21、および可動コネクタ10の固定ハウジング11のうち少なくとも一方に一体的に設けられてよい。このような封止部材の一例として、たとえば、固定ハウジング11と可動ハウジング13との間の隙間を塞ぐ固定コネクタ20のハウジング21の外周面から交差方向(X方向、Y方向)に延びる鍔状の封止部材が考えられる。
【0034】
また、上述した実施形態では、固定コネクタ20に弾性部材22が設けられるとともに、可動コネクタ10にも弾性部材12が設けられている。しかしながら、次の図7に示される変形例のような、固定コネクタ20aの方にのみ弾性部材25が設けられたコネクタ装置100aによっても、たとえば弾性部材25が全く存在しない場合に比べて、異物の侵入を抑制することができる。
【0035】
図7は、変形例にかかるコネクタ装置100aを示した断面図である。
【0036】
図7に示されるように、変形例にかかるコネクタ装置100aは、弾性部材25が設けられた固定コネクタ20aが、弾性部材が設けられていない可動コネクタ10aに対して移動可能に結合されることで構成されている。この変形例によっても、固定コネクタ20aに設けられた弾性部材25によって、可動コネクタ10aと固定コネクタ20aとの結合部分に隙間ができるのを抑制することができるので、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0037】
図7に示される変形例のその他の構成については、上述した実施形態と同様であるため、ここではこれ以上の説明を省略する。なお、図7では、たとえば図4に示される実施形態と同じ構造の部材については実施形態と同一の符号が付されている。
【0038】
なお、上述した実施形態では、弾性部材12および22が軸Ax1およびAx2に対して断面視で線対称となっている構成が例示されている。しかしながら、本開示の技術は、弾性部材12および22が軸Ax1およびAx2に対して必ずしも断面視で線対称となっていなくてもよい。
【0039】
以上、本発明の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
100 コネクタ装置
10 可動コネクタ(第2のコネクタ)
11 固定ハウジング(第2の固定ハウジング)
12 弾性部材(封止部材、第1の弾性部材)
12a 板部(第1の板部)
12b 傾斜(第1の傾斜)
13 可動ハウジング
20 固定コネクタ(第1のコネクタ)
21 ハウジング(第1の固定ハウジング)
22 弾性部材(封止部材、第2の弾性部材)
22a 板部(第2の板部)
22b 傾斜(第2の傾斜)
23 ハウジング(第1の固定ハウジング)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7