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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068718
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】玉網用ジョイント
(51)【国際特許分類】
   A01K 77/00 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A01K77/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179267
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】張 永裕
(72)【発明者】
【氏名】手塚 直人
【テーマコード(参考)】
2B106
【Fターム(参考)】
2B106WA01
(57)【要約】
【課題】網部を、使用状態と折り畳み状態との間で容易に切換操作することが可能な玉網用ジョイントを提供する。
【解決手段】本発明の玉網用ジョイント10は、柄の先端に取り付けられる第1継手10Aが設けられた基部20と、基部20に対して回動可能に保持され、網部のフレームに取り付けられる第2継手10Bが設けられた回動部50と、基部20に設けられ、回動部50を少なくとも使用状態でロックすると共に、回動部のロックを解除して回動部50を回動可能にする突起40aと、を有している。突起40aは、基部20の表面から径方向に突出して周方向に回転可能に装着されると共に、周方向に間隔をおいて3箇所以上設けられており、突起40aを周方向に回転操作することで、回動部50のロックを解除可能であることを特徴とする。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
網部と柄との間に取り付けられ、網部を柄に対して使用状態と折り畳み状態に切り換えすることが可能な玉網用ジョイントにおいて、
前記柄の先端に取り付けられる第1継手が設けられた基部と、
前記基部に対して回動可能に保持され、前記網部のフレームに取り付けられる第2継手が設けられた回動部と、
前記基部に設けられ、前記回動部を少なくとも使用状態でロックすると共に、前記回動部のロックを解除して回動部を回動可能にする操作部材と、
を有しており、
前記操作部材は、前記基部の表面から径方向に突出して周方向に回転可能に装着されると共に、周方向に間隔をおいて3箇所以上設けた突起を有し、
前記突起を周方向に回転操作することで、前記回動部のロックを解除可能であることを特徴とする玉網用ジョイント。
【請求項2】
前記突起は、前記基部に対して、周方向に等間隔で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の玉網用ジョイント。
【請求項3】
前記突起は、前記基部に対して、前記基部の軸方向全長に亘って設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の玉網用ジョイント。
【請求項4】
前記突起は、径方向の高さが2~15mmの範囲で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の玉網用ジョイント。
【請求項5】
前記突起は、回動部側に向けて次第に下降する傾斜部を備えていることを特徴とする請求項4に記載の玉網用ジョイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣りに際して携行される玉網に関し、詳細には、網部と柄を連結する際に用いられる玉網用ジョイントに関する。
【背景技術】
【0002】
玉網は、防波堤釣り、磯釣り、船釣り、渓流釣り等、掛かった魚を取り込む際に用いられる。このような玉網は、棒状に形成された柄と、柄の先端に装着された網部とを備えており、網部と柄とは、玉網用ジョイントによって連結されている。
【0003】
玉網用ジョイントは、例えば、非特許文献1(ダイワ社製のFLジョイントを紹介したホームページ)にあるように、一端側(柄側)に第1継手が設けられた基部と、他端側(網側)に第2継手が設けられた回動部とを備えている。前記第1継手は、柄の先端部に設けられた第1連結部に取り付けられ、前記第2継手は、網部のフレームに設けられた第2連結部に取り付けられる。また、前記回動部は、基部に対して一定角度(略180°)回動可能となるように保持されており、基部側に設けられた操作部材を操作することで回動部を回動させ、網部を使用状態(柄に対して網部が直線状に展開する)にロックすると共に、折り畳み状態(柄に対して網部が重なる)にロックするよう構成されている。
【0004】
非特許文献1に開示された玉網用ジョイントの基部には、径方向に膨出するようにリング状の操作部材が設けられており、この操作部材を付勢力に抗して軸方向に引っ張ることで、網部のロック状態を解除し、網部を使用状態から折り畳み状態に回動させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】https://www.daiwa.com/jp/fishing/item/terminal_tackle/lure_te/FLjoint/index.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した網部は、実釣時において、使用状態と折り畳み状態との間で切換操作されることがある。例えば、渓流釣りでは、水中に立ち込んで玉網をベストに保持する(背中側に保持する)ことがあり、釣人は、玉網をベストに保持している際には、網部を折り畳んでおき、魚が掛かった際に、柄を掴んで網部を使用状態に切換操作することがある。また、魚を取り込んだ後は、網部を使用状態から折り畳み状態に切換操作して、再び背中側に保持することが行なわれる。
【0007】
従来の構成では、柄の先端部と共に基部を掴んで、操作部材を軸方向にスライドさせる必要があり、切換操作の操作性については改善すべき余地がある。すなわち、柄の先端部を握り込んで基部に設けられている操作部材を軸方向にスライド操作するには、柄を強く握り込んだ状態、或いは、柄の基端縁を当て付けて固定した状態にし、操作部材をスライド操作する必要がある。このような操作方法では、指からの力が操作部材に十分に伝わらなかったり、軸方向に指が滑り易い等、咄嗟の切換操作性については改善すべき余地がある。
【0008】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、網部を、使用状態と折り畳み状態との間で容易に切換操作することが可能な玉網用ジョイントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明に係る玉網用ジョイントは、網部と柄との間に取り付けられ、網部を柄に対して使用状態と折り畳み状態に切り換えすることが可能となっており、前記柄の先端に取り付けられる第1継手が設けられた基部と、前記基部に対して回動可能に保持され、前記網部のフレームに取り付けられる第2継手が設けられた回動部と、前記基部に設けられ、前記回動部を少なくとも使用状態でロックすると共に、前記回動部のロックを解除して回動部を回動可能にする操作部材と、を有しており、前記操作部材は、前記基部の表面から径方向に突出して周方向に回転可能に装着されると共に、周方向に間隔をおいて3箇所以上設けた突起を有し、前記突起を周方向に回転操作することで、前記回動部のロックを解除可能であることを特徴とする。
【0010】
上記した構成の玉網用ジョイントは、操作部材を回転操作することで、使用状態にロックされている網部を、基部に対して回動させて折り畳み状態にすることが可能となる。前記操作部材は、前記基部の表面から径方向に突出し、周方向に間隔をおいて3箇所以上設けた突起を有する構造であるため、柄を握っている手の指(主に親指、人差し指、中指)を突起間に入り込ませる(突起を摘まむ)ことが容易に行えるようになる。そして、そのまま周方向に回転操作することで、指が突起に当て付いて力を回転方向に伝え易くなり、回動部のロック状態を容易に解除することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、網部を、使用状態と折り畳み状態との間で容易に切換操作することが可能な玉網用ジョイントが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る玉網用ジョイントの一実施形態を玉網に取り付けた状態を示す図。
図2】玉網用ジョイントの作用を説明する図であり、(a)は使用状態を示す図、(b)は折り畳み状態を示す図、(c)は使用状態の平面図。
図3】玉網用ジョイントの全体構成を示す斜視図。
図4】玉網用ジョイントの内部構成を示す断面図。
図5】(a)は玉網用ジョイントの平面図、(b)は柄側から見た図。
図6】(a)~(d)は、玉網用ジョイントに取り付けられた網部を、使用状態から折り畳み状態に切り換える手順を順に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る玉網用ジョイントの一実施形態について、図1から図5を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る玉網用ジョイントの一実施形態を取り付けた玉網の一例を示す図である。本実施形態の玉網1は、柄100と、柄100の先端に取り付けられる網部200とを備えており、柄100と網部200との間には、玉網用ジョイント(以下、ジョイントと称する)10が取り付けられている。このジョイント10は、柄100と網部200との間に取り付けたままの状態であっても良いし、網部側又は柄側に取り付けた状態であっても良い。
【0014】
前記柄100は、管状に構成されており、元節(管状体)101と、元節101内に順次振出式に収納される複数本の節を備えており、節の本数や振出構造については限定されることはない(元節101の内部に節を配設しない構成であっても良い)。また、このような柄100については、玉の柄として、単独で製造、販売することが可能である。
【0015】
前記柄100、及び、柄の内部に収容される節は、軽量化が図れるように、繊維強化樹脂製の管状体で構成するのが好ましい。例えば、強化繊維(主に炭素繊維やガラス繊維等)に、エポキシ樹脂等の熱硬化性の合成樹脂を含浸した繊維強化樹脂プリプレグを芯金に巻回し、加熱工程を経た後、脱芯する等、定法に従って形成された管状体として構成することが可能である。前記柄100の先端には、第1連結部110が設けられており、ジョイント10の第1継手10Aに連結されるようになっている。本実施形態の第1連結部110は、柄100の先端に軸方向に沿って形成された雌螺子部(図3参照)で構成されている。
【0016】
前記網部200は、円形状のフレーム201に対して、編成した網202を装着して構成されている。前記フレーム201の一部には、第2連結部210が設けられており、ジョイント10の第2継手10Bに連結されるようになっている。本実施形態の第2連結部210は、フレーム201に対して固定されるブロック状の固定部材212に突出形成された雄螺子部(図3参照)で構成されている。
なお、フレーム201、網202については、その大きさ、形状、材料については限定されることはなく、網部200についても、柄100と同様、単独で製造、販売することが可能である。
【0017】
前記網部200と柄100との間には、ジョイント10が取り付けられている。
以下、図2から図5を参照して、本実施形態のジョイント10の構成を説明する。
【0018】
ジョイント10は、網部200を柄100に対して、魚の取り込み操作ができる使用状態(図2(a)参照)と、この使用状態から網部200を略180°、柄100の手元側に回動させる折り畳み状態(図2(b)参照)に切り換える機能を備えている。具体的にジョイント10は、一端側に前記第1継手10Aが設けられた基部20と、他端側に前記基部20に対して回動可能に保持され、前記第2継手10Bが設けられた回動部50とを備えた構成となっている。そして、各継手10A,10Bは、それぞれ、柄100の第1連結部110、及び、網部200の第2連結部210が着脱可能に取り付けられるようになっている。
【0019】
前記基部20は、軸方向に突出する筒部21を備えており、筒部21の外周面に、前記第1継手10Aを構成する雄螺子部が形成されている。この第1継手10Aには、前記柄100の第1連結部(雌螺子部)110が螺合して連結される。なお、この螺合結合するに際しては、柄100の端面と基部20との間にOリング(図示せず)を介在することが好ましく、これにより、使用時に柄100の緩みを防止することが可能となる。
【0020】
前記回動部50は、軸方向に突出する筒部51を備えており、筒部51の内周面に、前記第2継手10Bを構成する雌螺子部が形成されている。この第2継手10Bには、前記網部200の第2連結部(雄螺子部)210が螺合して連結される。なお、この螺合結合するに際しても、固定部材212との間にOリング(図示せず)を介在することが好ましく、これにより、使用時に締め付けナット53の緩みを防止することが可能となる。
【0021】
前記筒部51の外周面には、雄螺子部52が形成されており、第2継手(雌螺子部)10Bに前記網部200の第2連結部(雄螺子部)210を螺合した状態で、雄螺子部52に螺合する締め付けナット53を締め付けることによって、ジョイント10を網部200に対して位置合わせして固定することが可能となっている。この場合、本実施形態では、締め付けナット53が緩まないように、締め付けナット53はダブルナット53A,53Bで構成されている。すなわち、網部200のフレーム201を回動部50に位置合わせした状態で第1ナット53Aを締め付け、その状態で第2ナット53Bを閉め付けることで、第1ナット53Aが緩まないように構成している。
【0022】
上記したように、ジョイント10は、網部200を、魚の取り込み操作ができる使用状態(図2(a)参照)と、この使用状態から略180°回動させて折り畳み状態(図2(b)参照)に切り換える機能を備えている。このような回動が成される回動構造は、例えば、前記基部20の網部側に略U字形状のスタンド24を一体的に設けておき、このスタンド24の凹所24aに、前記筒部51と一体的に設けられ、略L字状に屈曲した腕部54の基端部54aを、支持部54bを中心にして回動可能に軸支することで構成することが可能である。すなわち、スタンド24の凹所24aに腕部54の基端部54aを挿入し、その中心部分でピンなどの支持部54bを取り付けることで、前記基部20に対して、筒部51(網部200)を回動可能に保持することが可能となる。
【0023】
前記ジョイント10は、網部200を回動操作する操作部材、及び、操作部材の操作に関連して、図2(a)に示す使用状態をロックするロック機構を備えている。なお、本実施形態のロック機構は、図2(b)に示す折り畳み状態についてもロックできるように構成されている。
以下、このような機能を果たす操作部材、及び、ロック機構について説明する。
【0024】
前記基部20は、前記筒部21の第1継手10Aを露出して固定する管状本体25を備えている。本実施形態の管状本体は、径方向で重なる二重構造となっており、共にアルミなどの金属で略管状に一体形成された内側体25A及び外側体25Bを備えている。前記内側体25Aは、後述する摺動部材30を軸方向に移動可能に保持し、前記外側体25Bは、後述する操作部材によって回転される部分となる。
なお、内側体25Aと外側体25Bとの間には、隙間を形成しておき、この隙間内に樹脂製のカラー26を介在させておくことが好ましい。このようなカラー26を介在しておくことで、内側体25Aと外側体25Bとの間の緩衝作用が得られると共に、塩ガミ等の発生を防止することができる。
【0025】
前記内側体25Aには、固定部材(止めビス)27aによって、前記第1継手10Aを備えた筒部21が位置決め固定されている。また、内側体25Aと外側体25Bは、前記カラー26を介在した状態で固定部材(止めビス)27bによって、位置決め固定されている。
【0026】
前記筒部21の内部空間には、コイルスプリング等の付勢部材28が配設されており、その一端は、筒部21の底21aに固定され、他端は、軸方向に摺動する摺動部材30に固定されている。前記摺動部材30は、内側体25Aの内部で軸方向に摺動可能となっており、その先端側には、係合部材31が前記腕部54の基端部54aに向けて突出するように設けられている。
【0027】
前記係合部材31は、図4に示すように、基端部54aの支持部54bに対して、対向して形成された一対の凹部54c,54dに、前記付勢部材28の付勢力によって係合するようになっている。すなわち、凹部54cは、係合部材31が係合することで網部200の使用状態を固定する機能を有しており、凹部54dは、図4に示す状態から回動部50が支持部54bを中心に反時計回り方向に略180°回動した際、係合部材31が係合することで網部200の折り畳み状態を固定する機能を有している。
【0028】
前記摺動部材30には、軸方向に直交する方向に向けて案内ピン35が設けられており、案内ピン35は、前記管状本体25の外側体25Bに形成された案内溝25aに嵌合している。案内溝25aは、軸方向に対して傾斜するように外側体25Bの表面に形成されており、前記外側体25Bが回転されると、案内ピン35は、案内溝25aによって軸方向へ移動する力を受ける。
【0029】
前記案内ピン35は、図3及び図5に示すように、案内溝25aの一端部に位置しており、この状態では、係合部材31と、凹部54c(又は凹部54d)とは係合状態にあり、回動部50はロック状態にある。そして、図3から図5に示す網部200の使用状態において、外側体25Bを回転操作すると、前記摺動部材30は、案内ピン35を介して付勢部材28の付勢力に抗して柄100側に駆動され、これにより、係合部材31と凹部54cとの係合状態が解除される(回動部50のロック状態の解除)。
【0030】
なお、網部200の折り畳み状態においても、係合部材31と凹部54dが係合状態にあることからロック状態となっているが、このようなロック状態でも、外側体25Bを回転操作することで、係合部材31と凹部54dとの係合状態を解除することができる。
【0031】
前記ロック状態の解除操作は、基部20に設けられた操作部材を回転操作することで成される。
以下、本実施形態の操作部材の構成について説明する。
【0032】
前記操作部材は、基部20の構成要素である外側体25Bに設けられており、回動部50を使用状態、及び、折り畳み状態でロックすると共に、回動部50のロックを解除して回動部50を回動可能にする機能を備えている。本実施形態の操作部材40は、前記基部20の表面から径方向に突出して周方向に回転可能に装着されており、詳細には、基部20の構成要素である外側体25Bの表面から径方向に突出し、周方向に間隔をおいて3箇所設けた突起40aを有している。すなわち、いずれかの突起40aを周方向に回転操作することで、回動部50のロックを解除することが可能となっている。
【0033】
上記したように、ロック状態を解除する操作部材(突起40a)を、周方向に間隔をおいて3箇所設けたことで、柄100を握っている片手の指(親指、人差し指、中指)を突起間に入り込ませ易くなり、そのまま周方向に回転させれば、突起40aに回転力が作用して外側体25Bは回転し易くなる。すなわち、従来のように、ロック状態を解除するに際して、基部20を軸方向にスライドさせないため、滑りが生じることはなく、柄100を強く握持したまま強い力で軸方向操作する必要もないので、ロック状態の解除を容易に行うことができる。
【0034】
前記突起については、基部20に対して3箇所以上設けられていれば良いが、指が入り易いように、或いは、入り込んだ指で摘まみ易いように、3~4箇所に形成しておくことが好ましい。また、柄100の握り状態や、握っているときの方向性に関係がないように、周方向に等間隔(3箇所では120°間隔、4箇所では90°間隔など)で設けることが好ましい。
【0035】
また、前記突起40aは、前記基部20(外側体25B)の軸方向全長に亘って設けておくことが好ましい。すなわち、ロック状態を解消するに際して、外側体25Bを回転させることから、その回転を行なう突起40aについては、外側体25Bの軸方向長さ全長に亘って設けておくことで回転操作し易くなる。
【0036】
また、前記突起40aは、高く形成し過ぎると、網部200を折り畳んだ際に網202と干渉して引っ掛かり易くなり、また、図2(b)に示す状態では、締め付けナット53と当接する可能性があるため、最大の高さHを15mm以下に形成することが好ましい。ただし、あまり低く形成すると、指を掛けて回転操作し難くなる(力が伝わり難くなる)ため、2mm以上に形成しておくことが好ましく、さらには、5mm~10mmの範囲で形成することがより好ましい。
【0037】
さらに、突起40aは、柄側で指の腹部を押し付けて、回動部側では指を強く押し付けて力を伝える必要もないことから、その先端側は、次第に下降する傾斜部40bにしておくことが好ましい。すなわち、このような傾斜部40bを形成しておくことで、網部200を折り畳んだ際に、網202がさらに引っ掛かり難くすることが可能となる。
【0038】
次に、図1から図5に加え、図6(a)~図6(d)を参照して、ジョイント10に取り付けられた網部200を、使用状態から折り畳み状態に切り換える手順例について説明する。
【0039】
図6(a)に示す使用状態において、柄100を握持している手の指をそのまま網側に伸ばすことで、指を突起40a間に入り込ませたり、突起40aを摘まむことが容易に行える。そして、図6(b)に示すように、そのまま指を周方向に回転操作することで、突起40aには回転力が作用し、外側体25Bを回転することができる。このとき、前記摺動部材30は、案内ピン35を介して付勢部材28の付勢力に抗して柄100側に駆動され、これにより、係合部材31と凹部54cとの係合状態(ロック状態)が解除される。
【0040】
係合部材31と凹部54cとの係合状態が解除された状態で、図6(c)に示すように、フレーム201を手前側に回動させたり、或いは、柄100を前方に付き出すような操作をすることで、回動部50(網部200)は矢印で示すように回動し、図6(d)及び図2(b)に示すように折り畳み状態にすることができる。このとき、係合部材31と凹部54dは係合状態となり、折り畳み状態でもロックが成される。
【0041】
そして、このような折り畳み状態で使用状態にするには、上記した手順と同様に、突起40aを回転操作することで、係合部材31と凹部54dの係合が解除され、折り畳み状態のロックを解除することができる。そして、引き続き、フレーム201を前側に回動させたり、或いは、柄100を手前に引くような操作をすることで、網部200は回動し、図6(a)及び図2(a)に示すように使用状態にすることができる。
【0042】
このように、網部200のロック状態は、基部20に設けられている突起40aに指を押し付けて回転操作するだけで良く、容易に解除することが可能となる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、上記した各突起40aは、それぞれ同一形状に構成されていなくても良く、その肉厚や形状についても適宜変形することが可能である。また、各突起の周方向における配置間隔については、等間隔にしない構成であっても良い。
さらに、本発明は、操作部材(突起)の構成以外については、上記した実施形態の構成に限定されることはない。例えば、柄100及び網部200に対する固定方法、網部200をロックするロック機構の構成、摺動部材30の駆動方法など、適宜、変形することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 玉網
10 玉網用ジョイント
20 基部
40 操作部材
40a 突起
50 回動部
100 柄
200 網部
図1
図2
図3
図4
図5
図6