(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068747
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】管理装置、管理システム、端末装置、及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/163 20240101AFI20240514BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179313
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】小川 祥司
(72)【発明者】
【氏名】繁友 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】橋田 敏季
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC29
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】トイレ機器に対する作業を適切に管理する技術を提供する。
【解決手段】管理装置50は、トイレ空間に設置されるトイレ機器及びセンサの少なくとも1つから情報を取得する情報取得部61と、トイレ機器について作業を必要とする度合いを示す作業必要度を算出する必要度算出部62と、トイレ機器とそのトイレ機器についての作業必要度との組を一覧表示させるための一覧情報を生成する生成部63と、一覧情報をトイレ機器についての作業を担当する作業担当者に使用される外部の端末装置に送信する送信部64と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ空間に設置されるトイレ機器及びセンサの少なくとも1つから情報を取得する情報取得部と、
取得した前記情報に基づいて、前記トイレ機器について作業を必要とする度合いを示す作業必要度を算出する必要度算出部と、
前記トイレ機器とそのトイレ機器についての前記作業必要度との組を一覧表示させるための一覧情報を生成する生成部と、
前記一覧情報を前記トイレ機器についての前記作業を担当する作業担当者に使用される外部の端末装置に送信する送信部と、
を備える、
管理装置。
【請求項2】
前記作業は、備品の補充と異常の除去とのうちの少なくとも1つと、清掃と、を含み、
前記作業必要度は、前記備品の補充を必要とする度合いを示す補充必要度と前記異常の除去を必要とする度合いを示す異常除去必要度との少なくとも1つと、前記清掃を必要とする度合いを示す清掃必要度と、を含む、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記作業必要度が閾値以上である前記トイレ機器を強調して表示させるように前記一覧情報を生成する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記作業は、備品の補充と、異常の除去と、清掃と、を含み、
前記作業必要度は、前記備品の補充を必要とする度合いを示す補充必要度と、前記異常の除去を必要とする度合いを示す異常除去必要度と、前記清掃を必要とする度合いを示す清掃必要度と、を含み、
前記生成部は、前記清掃必要度が前記閾値以上である場合には前記清掃が必要であることを強調して表示させ、前記補充必要度が前記閾値以上である場合には前記備品の補充が必要であることを強調して表示させ、前記異常除去必要度が前記閾値以上である場合には前記異常の除去が必要であることを強調して表示させるように前記一覧情報を生成する、
請求項3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記備品の補充が必要であること及び前記異常の除去が必要であることを、前記清掃が必要であることよりも強調して表示させるように前記一覧情報を生成する、
請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記異常の除去が必要であることを、前記備品の補充が必要であることよりも強調して表示させるように前記一覧情報を生成する、
請求項5に記載の管理装置。
【請求項7】
前記トイレ機器は、大便器と、小便器と、洗面器と、を含み、
前記閾値は、前記大便器と、前記小便器と、前記洗面器とでそれぞれ異なる値に設定可能とされる、
請求項4に記載の管理装置。
【請求項8】
前記生成部は、前記トイレ空間における前記トイレ機器の実際の配置を用いて前記組を一覧表示するように前記一覧情報を生成する、
請求項7に記載の管理装置。
【請求項9】
前記閾値は、前記トイレ空間の種類に応じて異なる、
請求項4に記載の管理装置。
【請求項10】
前記生成部は、前記端末装置に、一覧表示された前記トイレ機器のうち前記作業が完了した前記トイレ機器について前記作業が完了した旨を前記管理装置へ一括で送信させることができるように前記一覧情報を生成する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項11】
前記必要度算出部は、前記トイレ空間が設けられた施設において前記トイレ空間外に配置された設備に対する前記作業必要度をさらに算出し、
前記生成部は、前記作業必要度が閾値以上である前記設備をさらに一覧表示させるように前記一覧情報を生成する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項12】
前記生成部は、前記端末装置側で切り替え表示可能な第1表示画面及び第2表示画面であって、前記組が一覧表示された前記第1表示画面の内容と一覧表示された前記組の前記トイレ機器のうち前記作業必要度が閾値以上である前記トイレ機器が一覧表示された前記第2表示画面の内容とを含む前記一覧情報を生成する、
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、及び11のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項13】
コンピュータを、
トイレ空間に設置されるトイレ機器及びセンサの少なくとも1つから情報を取得する情報取得部と、
取得した前記情報に基づいて、前記トイレ機器について作業を必要とする度合いを示す作業必要度を算出する必要度算出部と、
前記トイレ機器とそのトイレ機器についての前記作業必要度との組を一覧表示させるための一覧情報を生成する生成部と、
前記一覧情報を前記トイレ機器についての前記作業を担当する担当者に使用される外部の端末装置に送信する送信部と、
として機能させるための管理プログラム。
【請求項14】
トイレ空間に設置されるトイレ機器に対する作業を担当する作業担当者に使用される端末装置と、
前記トイレ機器に対する前記作業を管理する管理装置と、
を備え、
前記管理装置は、
前記トイレ機器及び前記トイレ空間に設置されるセンサの少なくとも1つから情報を取得する情報取得部と、
取得した前記情報に基づいて、前記トイレ機器について作業を必要とする度合いを示す作業必要度を算出する必要度算出部と、
前記トイレ機器とそのトイレ機器についての前記作業必要度との組を一覧表示させるための一覧情報を生成する生成部と、
前記一覧情報を前記端末装置に送信する送信部と、
を備え、
前記端末装置は、前記管理装置から送信された前記一覧情報を前記作業担当者に提示する提示部を備える、
管理システム。
【請求項15】
トイレ空間に設置されるトイレ機器及びセンサの少なくとも1つから取得された情報に基づいて前記トイレ機器とそのトイレ機器について作業を必要とする度合いを示す作業必要度との組を一覧表示させるための一覧情報を生成する管理装置から送信された前記一覧情報を前記作業を担当する作業担当者に提示する提示部を備える、
端末装置。
【請求項16】
コンピュータを、
トイレ空間に設置されるトイレ機器及びセンサの少なくとも1つから取得された情報に基づいて前記トイレ機器とそのトイレ機器について作業を必要とする度合いを示す作業必要度との組を一覧表示させるための一覧情報を生成する管理装置から送信された前記一覧情報を前記作業を担当する作業担当者に提示する提示部
として機能させるための管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トイレ機器に対する作業を管理するための管理装置、管理システム、端末装置、及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレは、人が居住する住宅においても、人が利用する施設においても、必要不可欠な設備である。汚れや臭いが発生しがちな設備であるからこそ、トイレを清潔に維持管理することが、住宅や施設を快適な空間にするための重要な鍵となる。特に、多数の人が利用する商業施設、娯楽施設、複合施設、旅客駅施設などに設置されたトイレは、公衆衛生的な観点からも、適切に維持管理される必要がある。
【0003】
施設の管理者からトイレの清掃を委託された清掃会社は、決められたマニュアルにしたがって、全てのトイレを1日に数回ずつ巡回清掃している。大規模な施設の場合、トイレの台数は数百台にものぼるが、何十人もの担当者が手間と時間をかけて全てのトイレの清掃を実施している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、現状では、施設に設置されたトイレを維持管理するための作業は、多数の作業担当者による人海戦術に頼っており、多大な労力と費用を要している。トイレ機器に対する作業の効率化が求められる。
【0006】
このような課題に鑑み、本開示の目的は、トイレ機器に対する作業を適切に管理する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示のある態様は、トイレ空間に設置されるトイレ機器及びセンサの少なくとも1つから情報を取得する情報取得部と、取得した前記情報に基づいて、前記トイレ機器について作業を必要とする度合いを示す作業必要度を算出する必要度算出部と、前記トイレ機器とそのトイレ機器についての前記作業必要度との組を一覧表示させるための一覧情報を生成する生成部と、前記一覧情報を前記トイレ機器についての前記作業を担当する作業担当者に使用される外部の端末装置に送信する送信部と、を備える、管理装置である。
【0008】
本開示の別の態様は、トイレ空間に設置されるトイレ機器に対する作業を担当する作業担当者に使用される端末装置と、前記トイレ機器に対する前記作業を管理する管理装置と、を備え、前記管理装置は、前記トイレ機器及び前記トイレ空間に設置されるセンサの少なくとも1つから情報を取得する情報取得部と、取得した前記情報に基づいて、前記トイレ機器について作業を必要とする度合いを示す作業必要度を算出する必要度算出部と、前記トイレ機器とそのトイレ機器についての前記作業必要度との組を一覧表示させるための一覧情報を生成する生成部と、前記一覧情報を前記端末装置に送信する送信部と、を備え、前記端末装置は、前記管理装置から送信された前記一覧情報を前記作業担当者に提示する提示部を備える、管理システムである。
【0009】
本開示のさらに別の態様は、トイレ空間に設置されるトイレ機器及びセンサの少なくとも1つから取得された情報に基づいて前記トイレ機器とそのトイレ機器について作業を必要とする度合いを示す作業必要度との組を一覧表示させるための一覧情報を生成する管理装置から送信された前記一覧情報を前記作業を担当する作業担当者に提示する提示部を備える、端末装置である。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る管理システムの構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係る管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】実施形態に係る担当者端末の構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】実施形態に係る管理システムの処理を示すシーケンス図である。
【
図5】担当者端末により表示される表示画面の例を示す図である。
【
図6】担当者端末により表示される表示画面の例を示す図である。
【
図7】担当者端末により表示される表示画面の例を示す図である。
【
図8】担当者端末により表示される表示画面の例を示す図である。
【
図9】担当者端末により表示される表示画面の例を示す図である。
【
図10】担当者端末により表示される表示画面の例を示す図である。
【
図11】担当者端末により表示される表示画面の例を示す図である。
【
図12】担当者端末により表示される表示画面の例を示す図である。
【
図13】担当者端末により表示される表示画面の例を示す図である。
【
図14】担当者端末により表示される表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態として、トイレ機器に対する作業を管理する技術について説明する。本実施形態の管理システムにおいて、トイレ機器に対する作業を担当する作業担当者は、トイレ機器の全てを定期的に巡回するのではなく、作業の必要性が高いと管理装置により判定されたトイレ機器に対して作業することが可能となる。これにより、使用されていないトイレ機器に対して毎日何度も作業するという無駄を省き、適切にトイレ機器に対して作業することができるので、複数のトイレ機器に対する作業効率を大幅に向上させることができる。
【0013】
図1は、実施形態に係る管理システムの構成を示す。管理システム10は、施設20のトイレ室21に設置される複数のトイレ機器40の作業を管理する管理装置50と、トイレ室21に設置されたトイレ機器40及びセンサ33の少なくとも1つからの情報を管理装置50に送信する通信装置22と、トイレ機器40に対する作業を担当する作業担当者の有する担当者端末90と、これらの装置の間で通信するための通信手段の一例であるインターネット12とを備える。本実施形態のトイレ室21は、トイレ空間の一例である。本実施形態の担当者端末90は、外部の端末装置の一例である。
【0014】
施設20は、複数の階層に階層化されて管理される。施設20は、1つ以上のフロア36を有し、フロア36は、1つ以上のエリア35を有する。それぞれのエリア35には、1つ以上のトイレ室21が設けられる。トイレ室21には、センサ33と、トイレ室21のドア23と、1以上の個室24と、それぞれの個室24のドア25と、その吐水部から吐出された水を受ける水受け部(不図示)を有するトイレ機器40と、が設けられる。本実施形態のトイレ機器40は、洗面器26と、それぞれの個室24に設置された大便器30と、男性用のトイレ室21に設置された小便器32と、を含む。洗面器26は、水栓及び水栓から吐出された水を受ける水受け部を含み、必要に応じて水石鹸を供給する水石鹸供給装置、消毒剤を供給する消毒剤供給装置等を含む(いずれも不図示)。大便器30が設けられた個室24には、トイレットペーパーが設けられ、必要に応じて便座クリーナ供給装置、ゴミ箱等が設けられる。大便器30は、和式の大便器であっても洋式の大便器であってもよい。トイレ機器40は、トイレ機器40の使用者がトイレ機器40に操作指示を入力するためのコントローラ31、34、37を備える。各コントローラ31、34、37は、使用者から入力された操作指示に応じて、そのトイレ機器40が動作したことを示す動作情報を通信装置22を介して管理装置50に送信可能に構成される。センサ33は、通信装置22を介してその検知情報を管理装置50に送信可能に構成される。
【0015】
図2は、実施形態に係る管理装置50の構成を示す機能ブロック図である。管理装置50は、通信装置51、表示装置52、入力装置53、記憶装置80、及び制御装置60を備える。管理装置50は、サーバ装置であってもよいし、パーソナルコンピュータなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0016】
通信装置51は、他の装置との間の通信を制御する。通信装置51は、有線又は無線の任意の通信方式により通信してもよい。通信装置51は、インターネット12を介して通信装置22との間で通信し、トイレ機器40及びセンサ33の少なくとも1つからの情報を受信する。また、通信装置51は、インターネット12を介して、担当者端末90との間で通信する。
【0017】
表示装置52は、制御装置60により生成される画面を表示する。表示装置52は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置53は、管理装置50の使用者による指示入力を制御装置60に伝達する。入力装置53は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置52及び入力装置53は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0018】
記憶装置80は、制御装置60により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置80は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置80には、情報保持部81、使用回数保持部82、作業実績情報保持部83、及びトイレデータベース84が格納される。
【0019】
情報保持部81は、トイレ機器40及びセンサ33の少なくとも1つから取得した情報を保持する。使用回数保持部82は、作業対象のトイレ機器40の使用回数を保持する。作業実績情報保持部83は、作業対象のトイレ機器40の作業実績を示す情報を保持する。トイレデータベース84は、作業対象のトイレ機器40に関する情報を保持する。トイレデータベース84は、例えば、トイレ室21の数、位置、階及び平面図、トイレ室21に設置された個室の数及び位置、トイレ機器40の設置場所、設置階、設置数、種類、設置からの経過時間、使用頻度、作業頻度、製造日、製造番号などの情報を保持する。
【0020】
制御装置60は、情報取得部61、必要度算出部62、生成部63、送信部64、作業実績情報取得部65、及び作業実績情報提示部66を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどにより実現され、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0021】
情報取得部61は、トイレ機器40及びセンサ33の少なくとも1つから通信装置22を介して情報を取得し、情報保持部81に格納する。
【0022】
必要度算出部62は、検知情報に基づいてトイレ機器40の使用回数を算出して使用回数保持部82に格納された使用回数を更新する。必要度算出部62は、トイレ機器40について作業を必要とする度合いを示す作業必要度を算出する。ここでの作業は、清掃作業と、備品の補充作業と、異常の除去作業とを含む。ここでの備品の補充は、例えば、トイレットペーパーの補充、消毒剤の補充、洗面器26に設けられたオートソープなどの水石鹸供給装置(不図示)への水石鹸の補充等を含む。ここでの異常は、例えば、トイレ機器40の水受け部の詰まり、大便器30に設けられたシャワートイレ装置(例えば、おしり洗浄ノズル、ビデ洗浄ノズル、乾燥装置、脱臭装置、暖房便座)の故障又は異常、大便器30及び小便器32の水洗装置(不図示)への故障又は異常、洗面器26の水栓や水石鹸供給装置の故障又は異常等を含む。作業必要度及びその算出方法については後述する。
【0023】
生成部63は、算出された作業必要度に基づいて、トイレ機器40とそのトイレ機器40についての作業必要度との組を一覧表示させるための一覧情報を生成する。一覧情報自体が上記組を一覧表示させた画像を有していてもよいし、作業必要度に基づいて上記組を一覧表示させた画像を作成するためのアプリケーションを担当者端末90に予めインストールさせておき、一覧情報が作業必要度に基づいて上記組を一覧表示させた画像を担当者端末90に作成させるものであってもよい。
【0024】
送信部64は、一覧情報を担当者端末90に送信する。
【0025】
作業実績情報取得部65は、担当者端末90から作業実績情報を取得して、作業実績情報保持部83に格納する。
【0026】
作業実績情報提示部66は、作業実績情報保持部83に保持されている作業実績情報を読み出して、施設20の管理者、作業の管理者、他の作業担当者などに提示する。
【0027】
図3は、実施形態に係る担当者端末90の構成を示す機能ブロック図である。担当者端末90は、通信装置91、表示装置92、入力装置93、記憶装置94、及び制御装置95を備える。担当者端末90は、パーソナルコンピュータなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0028】
通信装置91は、他の装置との間の通信を制御する。通信装置91は、有線又は無線の任意の通信方式により通信してもよい。通信装置91は、インターネット12を介して、管理装置50との間で通信する。
【0029】
表示装置92は、制御装置95により生成される画面を表示する。表示装置92は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置93は、作業担当者による指示入力を制御装置95に伝達する。入力装置93は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置92及び入力装置93は、タッチパネルとして実装されてもよい。記憶装置94は、制御装置95により使用されるプログラム、データなどを記憶する。
【0030】
制御装置95は、一覧情報取得部96、一覧情報表示部97、送信部98、及び作業実績情報表示部99を備える。これらの構成も、ハードウエアのみ、又はハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できる。
【0031】
一覧情報取得部96は、管理装置50から一覧情報を取得する。一覧情報表示部97は、一覧情報取得部96により取得された一覧情報を表示装置92に表示する。
【0032】
送信部98は、作業担当者が作業を完了したときに、作業が完了した旨及び作業の内容などを含む作業実績情報を管理装置50へ送信する。
【0033】
作業実績情報表示部99は、他の作業担当者による作業実績情報を管理装置50から取得して表示装置92に表示する。
【0034】
図4は、実施形態に係る管理システム10の処理を示すシーケンス図である。
【0035】
ステップS10で、情報取得部61は、センサ33から検知情報を通信装置22を介して取得する。センサ33は、例えば、個室24のドア25の開閉センサ、ドア25に設置された鍵の施解錠を検知するセンサ、焦電センサ、人感センサ、温度センサ、大便器30の着座センサ、排水センサ、詰まりセンサ、匂いセンサ、汚れセンサ、音センサなどであってもよい。
図4の例では、管理装置40は、センサ33から検知情報を取得するが、トイレ機器40から動作情報を取得してもよい。
【0036】
ステップS12で、必要度算出部62は、取得した情報に基づいて、各トイレ機器40の使用回数を算出する。必要度算出部62は、例えば、個室24のドア25の開閉センサにより検知された開閉数、ドア25に設置された鍵の施解錠を検知するセンサにより検知された施解錠回数、焦電センサ、人感センサ、温度センサなどにより使用者が検知された回数、大便器30の着座センサにより検知された着座回数、トイレ機器40の排水センサにより検知された排水回数、洗面器26の水石鹸供給装置によって水石鹸が吐出された時間、洗面器26の水栓から水が吐出された回数や時間、各トイレ機器の動作情報などからトイレ機器40の使用回数を算出してもよい。
【0037】
ステップS14で、必要度算出部62は、取得した情報に基づいて、各トイレ機器40の作業必要度を算出する。本実施形態の作業必要度は、トイレ機器40の清掃を必要とする度合いを示す清掃必要度と、トイレ機器40用の備品の補充を必要とする度合いを示す補充必要度と、トイレ機器40の異常の除去を必要とする度合いを示す異常除去必要度と、を含む。必要度算出部62は、トイレ機器40の使用回数と清掃に関する清掃基準値との比較に基づいて清掃必要度を算出する。例えば、必要度算出部62は、清掃基準値に対する使用回数の割合を清掃必要度として算出する。必要度算出部62は、トイレ機器40の使用回数と備品の補充に関する補充基準値との比較に基づいて補充必要度を算出する。例えば、必要度算出部62は、補充基準値に対する使用回数の割合を補充必要度として算出する。例えば、必要度算出部62は、基準値が100であって使用回数が50の場合、作業必要度を50%と算出する。清掃基準値及び補充基準値は、同じ値であっても異なる値であってもよい。必要度算出部62は、トイレ機器40の異常が検知されたことに基づいて、異常除去必要度を算出する。例えば、必要度算出部62は、トイレ機器40の水受け部から汚水があふれたことが検知された場合に、異常除去必要度をその最大値(例えば、最大値が100%で設定されている場合、100%)とする。以下、清掃必要度と、補充必要度と、異常除去必要度とを総称するときは作業必要度という。
【0038】
ステップS16で、生成部63は、算出された作業必要度に基づいて、一覧情報を生成する。生成部63は、例えば、トイレ機器40やトイレ室21を単位として一覧情報を生成してもよいし、作業の内容を単位として一覧情報を生成してもよい。
【0039】
ステップS18で、送信部64は、一覧情報を担当者端末90に送信する。
【0040】
ステップS20で、担当者端末90の一覧情報表示部97は、管理装置50から送信された一覧情報に基づいて、各トイレ機器40の作業必要度を一覧表示する。本実施形態の一覧表示画面の例については後述する。
【0041】
作業担当者がトイレ機器40の作業を完了し、担当者端末90に作業が完了した旨を入力すると、ステップS22で、担当者端末90の送信部98は、作業が完了した旨及び作業の内容などを含む作業実績情報を管理装置50に送信する。
【0042】
ステップS24で、作業実績情報取得部65は、担当者端末90から作業実績情報を取得して、トイレ機器40の作業履歴として作業実績情報保持部83に格納する。
【0043】
その後、ステップS14に戻り、必要度算出部62は、各トイレ機器40の作業必要度を新たに算出する。ステップS16で、生成部63は、新たに算出した作業必要度に基づいて一覧情報を生成する。ステップS18で、送信部64は、最新の一覧情報を担当者端末90に送信する。ステップS20で、担当者端末90の一覧情報表示部97は、管理装置50から出力された最新の一覧情報を作業担当者に提示する。作業担当者は、次に作業すべきトイレ機器40の設置場所へ移動し、トイレ機器40に対して作業する。
【0044】
施設20に設置された複数のトイレ機器40が、複数の作業担当者により作業される場合、それぞれの作業担当者が担当するトイレ機器40が重複しないように予め定められてもよい。
【0045】
図5は、担当者端末90により表示される一覧情報の表示画面の例を示す。
図5の例では、1階男子トイレ3の各トイレ機器40とその作業必要度との組が表示領域110a~110fにおいて一覧表示されている。各表示領域110a~110fは、トイレ機器40を識別するための識別領域111と、算出された作業必要度を示す必要度表示領域112と、算出された作業必要度に基づくトイレ機器40の状態を示す状態表示領域113と、を含む。
図5の例では、必要度表示領域112での各作業必要度の最大値を100%として示している。
【0046】
各表示領域110a~110fは、作業必要度が閾値以上である場合に、必要とする作業を示すインジケータ114を表示可能である。例えば、この閾値は、90%で設定される。例えば、表示領域110cを除く各表示領域110では、清掃必要度、補充必要度及び異常除去必要度のいずれかが100%であって閾値以上であるため、インジケータ114により作業が必要であることが強調表示されている。表示領域110cでは、作業必要度が60%であって閾値以下であるため、インジケータ114が表示されていない。インジケータ114aは大便器30にあふれが発生していることにより異常の除去が必要であることを示し、インジケータ114bは大便器30の清掃が必要であることを示し、インジケータ114cは水石鹸の補充が必要であることを示し、インジケータ114dは洗面器26の清掃が必要であることを示し、インジケータ114eは小便器32の清掃が必要であることを示す。
【0047】
表示領域110aでは、大便器Aの清掃必要度が100%であって大便器Aの清掃が必要であることが示されている。表示領域110bでは、大便器Aの異常除去必要度が100%であって大便器Aの異常の除去が必要であることが示されている。表示領域110cでは、小便器Aの清掃必要度が10%であって小便器Aが清潔であることが示されている。表示領域110dでは、小便器Bの清掃必要度が100%であって小便器Bの清掃が必要であることが示されている。表示領域110eでは、洗面器Aの清掃必要度が100%であって洗面器Aの清掃が必要であることが示されている。表示領域110fでは、洗面器Aのオートソープの水石鹸の補充必要度が100%であって洗面器Aのオートソープの水石鹸の補充が必要であることが示されている。したがって、
図5の一覧情報の表示画面を参照した作業担当者は、大便器Aについて清掃及び異常除去の必要性が高いこと、小便器Aについては作業の必要性が低いこと、小便器Bについて清掃の必要性が高いこと、洗面器Aについて清掃及び補充の必要性が高いことを認識することができる。
【0048】
図6は、担当者端末90により表示される一覧情報の表示画面の他の例を示す。
図6の例では、2階男子トイレ2の各トイレ機器40とその作業必要度との組がトイレ機器40の種類を示すインジケータ115及びトイレ機器40の強調表示を用いて一覧表示されている。インジケータ115aは大便器30にあふれが発生していることにより異常の除去が必要であることを示し、インジケータ115bは大便器30の清掃必要度に関することを示し、インジケータ115cは水石鹸の補充作業が必要であることを示し、インジケータ115dは洗面器26の清掃必要度に関することを示し、インジケータ115eは小便器32の清掃必要度に関することを示し、インジケータ115fは大便器30が清潔な状態であることを示し、インジケータ115gは洗面器26が清潔な状態であることを示し、インジケータ115hは小便器32が清潔な状態であることを示す。ここでの清潔な状態とは、例えば、清掃が完了して未使用の状態である。
【0049】
図6の例では、各トイレ機器40の清掃必要度が円バー116により表示される。例えば、例えば、清掃必要度が50%の場合、
図6の大便器Aの例のように、円バー116を半円で表示することにより清掃必要度が50%であることが示される。清掃必要度が100%の場合、
図6の大便器Bの例のように、円バー116を完全な円で表示することにより清掃必要度が100%であることが示される。清掃必要度が大きいほど、円バー116が延伸するように円バー116の延伸度合いが調整される。
【0050】
作業必要度が閾値以上である場合、そのトイレ機器40が強調表示される。例えば、基本的には円バー116は点線で表示されるが(例えば、
図6の大便器A)、清掃必要度が閾値以上である場合には円バー116は太い実線で表されることにより、大便器30が強調表示される(例えば、
図6の大便器B)。
【0051】
図6の例では、備品の補充が必要であることは、清掃が必要であることよりも強調して表示される。例えば、補充必要度が閾値以上である場合には、識別領域111の文字が太字で表され、インジケータ115cが通常よりも大きく表され、識別領域111及びインジケータ115cが点線の第1強調表示枠117aにより囲われることにより、洗面器26が強調表示される(例えば
図6の洗面器B)。例えば、洗面器Bについては、洗面器26の清掃必要度に関するインジケータ115bを表示せずに、補充が必要であることを示すインジケータ115cのみが表示されている。
【0052】
異常の除去が必要であることは、備品の補充が必要であることよりも強調して表示される。例えば、異常除去必要度が閾値以上である場合には、識別領域111の文字が太字で表され、インジケータ115aが通常よりも大きく表され、識別領域111及びインジケータ115aが太字の点線の第2強調表示枠117bにより囲われる(例えば
図6の大便器C)。また、異常の除去が必要であることは、清掃が必要であることよりも強調して表示される。例えば、大便器Cについては、大便器30の清掃必要度に関するインジケータ115bを表示せずに、異常の除去が必要であることを示すインジケータ115aのみが表示されている。
【0053】
図7は、担当者端末90により表示される作業完了時の表示画面の例を示す。作業担当者がトイレ機器40の作業を完了すると、例えば、完了したトイレ機器40の
図5の表示領域110や
図6のインジケータ115を押すことにより、表示画面がそのトイレ機器40についての作業完了時の表示画面120に移行する。
図7の作業完了時の表示画面120は、識別領域111と、状態表示領域113と、作業担当者入力領域121と、メモ領域122と、下書き保存ボタン123と、完了ボタン124と、を含む。メモ領域122には、例えば、作業の内容、トイレ機器40やトイレ室21の状況、不具合の有無や内容、作業担当者に関する情報などが入力される。作業完了時の表示画面において必要事項を入力した後、完了ボタン124を押すことにより、作業が完了した旨の入力が完了し、各入力事項が作業実績情報として管理装置50に送信される。
【0054】
作業履歴や作業担当者により入力された情報は、施設20の管理者、作業の管理者、他の作業担当者などが確認及び修正できるようにしてもよい。
図8は、担当者端末90により表示される作業履歴の表示画面の例を示す。
図8の例では、作業が完了されたトイレ機器40についての作業履歴が各作業履歴表示領域130において示されている。各作業履歴表示領域130は、識別領域111と、状態表示領域113と、作業が完了済みであることを示すインジケータ131と、作業完了日時表示領域132と、作業担当者表示領域133と、メモ閲覧ボタン134と、を含む。各作業履歴表示領域130は、その作業の完了順に上から並んで配置されている。
図8のインジケータ131a~131cは、大便器30に対する作業が完了済みであること、小便器32に対する作業が完了済みであること、洗面器26に対する作業が完了済みであることをそれぞれ示す。メモ閲覧ボタン134を押すことにより、作業完了時に
図7のメモ領域122に入力した内容を閲覧することができる。
【0055】
本実施形態では、管理装置50は、トイレ機器40とそのトイレ機器40についての作業必要度との組を一覧表示させるための一覧情報を生成し、一覧情報を担当者端末90に送信する。本構成によると、作業担当者は各トイレ機器40の作業必要度をその一覧により把握できるため、適切な順序で作業することが可能となる。その結果、トイレ機器40に対する作業効率を更に向上させることができる。
【0056】
本実施形態では、生成部63は、清掃必要度、補充必要度、及び異常除去必要度の少なくとも1つが閾値以上であるトイレ機器40を強調して表示させるように一覧情報を生成する。本構成によると、作業担当者が作業の必要なトイレ機器40を容易に把握することが可能となる。
【0057】
本実施形態では、生成部63は、清掃必要度が閾値以上である場合には清掃が必要であることを強調して表示させ、補充必要度が閾値以上である場合には備品の補充が必要であることを強調して表示させ、異常除去必要度が閾値以上である場合には異常の除去が必要であることを強調して表示させるように一覧情報を生成する。本構成によると、作業担当者が清掃、補充、及び異常の除去のいずれの作業が必要であるかを容易に把握することが可能となる。
【0058】
本実施形態では、生成部63は、備品の補充が必要であること及び異常の除去が必要であることを、清掃が必要であることよりも強調して表示させるように一覧情報を生成する。本構成によると、作業の緊急性に応じて、作業担当者が適切に作業することが可能となる。
【0059】
本実施形態では、生成部63は、異常の除去が必要であることを、備品の補充が必要であることよりも強調して表示させるように一覧情報を生成する。本構成によると、作業の緊急性に応じて、作業担当者が適切に作業することが可能となる。
【0060】
以下、変形例について説明する。
【0061】
実施形態では、作業は、清掃と、備品の補充と、異常の除去とを含んだが、備品の補充と異常の除去とのうちの少なくとも1つと清掃とを含めばよい。この場合、作業必要度は、補充必要度と異常除去必要度との少なくとも1つと、清掃必要度と、を含めばよい。
【0062】
実施形態では、補充必要度と、異常除去必要度と、清掃必要度とがそれぞれ閾値以上である場合に、補充、異常の除去、清掃が必要であるとして強調表示がされたが、これに限定されず、補充必要度と、異常除去必要度と、清掃必要度との少なくとも1つが閾値以上である場合に、作業必要度が閾値以上であって作業が必要であるとして強調表示がされてもよい。
【0063】
実施形態では、施設20のトイレ室21に設置されたトイレ機器40を管理する例について説明したが、本開示の技術は、一般的な住宅のトイレや、公園や路上などに設置された公衆トイレなどを管理する場合にも適用可能である。
【0064】
実施形態では、トイレ機器40として、洗面器26、大便器30及び小便器32を挙げたが、これに限定されず、例えば、オストメイトの方が排泄物などの汚物を処理するためのボウル部を有する汚物流しユニットなどでもよい。トイレ機器40は、トイレ室21に設置され、吐水部から吐出された水を受ける水受け部を有し、水受け部が詰まった際に水を溢れてさせてしまう可能性がある任意の機器でよい。
【0065】
図9は、担当者端末90により表示される作業完了時の表示画面の他の例を示す。生成部93は、担当者端末90に、一覧表示されたトイレ機器40のうち作業が完了したトイレ機器40について作業が完了した旨を管理装置50へ一括で送信させることができるように一覧情報を生成してもよい。本構成によると、担当者端末90の画面を操作して作業が完了した旨を入力する手間を低減することができる。例えば、作業担当者がトイレ機器40の作業を完了すると、完了したトイレ機器40に関する表示領域110の内側部分を押すことにより、その表示領域110の内側部分がドットパターンなどの通常とは異なる態様で表され、そのトイレ機器40が選択された状態となる。
図9の例では、大便器Aに関する表示領域110a及び110b、小便器Bに関する表示領域110d、並びに洗面器Aに関する表示領域110e及び110fが選択されている。選択完了後、完了ボタン141を押すことにより、選択したトイレ機器40の各々について作業が完了した旨が作業実績情報として管理装置50に送信される。その後、新たに一覧情報が生成されることにより表示画面が更新される。
図10は、作業完了が反映された表示画面の例を示す。
図10の例では、大便器Aの表示領域110aにおいてインジケータが大便器30に対する作業が完了済みであることを示すインジケータ131aに変更され、小便器Bの表示領域110dにおいてインジケータが小便器32に対する作業が完了済みであることを示すインジケータ131bに変更され、洗面器Aの表示領域110eにおいてインジケータが洗面器26に対する作業が完了済みであることを示すインジケータ131cに変更されている。大便器Aの異常に関する表示領域110b及び洗面器Aのオートソープの補充に関する表示領域110fが削除されている。これにより、作業担当者は作業が完了したトイレ機器40を容易に把握できる。
【0066】
図11は、担当者端末90により表示される一覧情報の表示画面のさらに他の例を示す。必要度算出部62は、施設20においてトイレ室21の外に配置された設備に対する作業必要度を算出してもよい。生成部63は、作業必要度が閾値以上である上記設備をさらに一覧表示させるように一覧情報を生成してもよい。ここでの設備に対する作業は、例えば、ゴミ箱や床の清掃、消毒剤の補充等である。
図11の例では、表示領域110gにゴミ箱Dに対する作業必要度とゴミを回収する必要があることを示すインジケータ114fとが表示され、表示領域110hに床Cに対する作業必要度と床を清掃する必要があることを示すインジケータ114gとが表示されている。例えば、必要度算出部62は、ゴミ箱の重量を検出する荷重センサの検出結果に基づいてゴミ箱のゴミの量を求め、その量が多いほど作業必要度を高くするように作業必要度を算出する。例えば、必要度算出部62は、人感センサの検出結果からその床を通過した人数を求め、その通過人数が多いほど作業必要度を高くするように作業必要度を算出する。例えば、必要度算出部62は、消毒剤供給装置の重量を検出する荷重センサの検出結果に基づいて消毒剤供給装置の消毒剤の量を求め、その量が少ないほど作業必要度を高くするように作業必要度を算出する。本構成によると、作業担当者は各トイレ機器40及びトイレ室21の外に配置された設備の作業必要度をその一覧により把握できるため、より適切な順序で作業することが可能となる。その結果、トイレ機器40及び上記設備に対する作業効率を更に向上させることができる。
【0067】
図12は、担当者端末90により表示される一覧情報の表示画面のさらに他の例を示す。
図12の例では、1階男子トイレ1の各トイレ機器40とそのトイレ機器40に対する作業必要度との組が一覧表示された第1表示画面が示されている。表示するトイレ機器40の数が多くなるほど、どのトイレ機器40についてどの作業が必要であるのかを把握しにくくなる。そのため、生成部は、担当者端末90側で切り替え表示可能な第1表示画面及び第2表示画面であって、第1表示画面の内容と一覧表示された上記組のトイレ機器40のうち作業必要度が閾値以上であるトイレ機器40が一覧表示された第2表示画面の内容とを含む一覧情報を生成してもよい。
図12の第1表示画面は、表示切替ボタン142を有する。
図12の表示切替ボタン142を押すことにより、一覧表示されたトイレ機器のうち作業必要度が閾値以上であるトイレ機器40が一覧表示された第2表示画面に表示内容が切り替えられる。
図13は、第2表示画面の例を示す。
図13の例では、1階男子トイレ1のトイレ機器40のうち作業必要度が閾値以上であるトイレ機器40が一覧表示されている。
図13の表示切替ボタン142を押すことにより、
図12の第1表示画面に切り替え可能である。本構成によると、必要に応じて作業必要度が閾値以上であるトイレ機器40のみを表示させることができるため、どのトイレ機器40についてどの作業が必要であるのかを把握しやすくなる。そのため、利便性をより向上させることができる。一覧情報自体が第1表示画面及び第2表示画面と第1表示画面と第2表示画面との間で画面を切り替えさせる処理を担当者端末90に実行させるための命令とを有していてもよいし、作業必要度に基づいて第1表示画面及び第2表示画面を作成するためのアプリケーションを担当者端末90に予めインストールさせておき、一覧情報がその一覧情報中の作業優先度に基づいて担当者端末90に第1表示画面及び第2表示画面を作成させるものであってもよい。
【0068】
実施形態では、必要度算出部62は、基準値に対する使用回数の割合を作業必要度として算出したが、これに限定されず、基準値に対する使用回数の差分等を作業必要度として算出してもよい。この場合、この差分を用いて、トイレ機器40の使用回数が基準値に達するまでの残りの使用回数が表示されてもよい。必要度算出部62は、使用回数と基準値とを比較せずに、すなわち基準値を用いずに、使用回数等に応じて作業必要度を算出してもよい。
【0069】
例えば、必要度算出部62は、トイレ機器40の匂い、汚れの度合いなどに基づいて、清掃必要度を算出してもよい。例えば、必要度算出部62は、トイレットペーパーの量、水石鹸供給装置(不図示)の水石鹸の量、消毒剤供給装置(不図示)の消毒剤の量に応じて、補充必要度を算出してもよい。これらの量は、例えば、重量センサを用いるなど公知の手法により求めればよい。
【0070】
図14は、担当者端末90により表示される一覧情報の表示画面のさらに他の例を示す。
図14の例では、4階男子トイレ1の各トイレ機器40とそのトイレ機器40に対する作業必要度との組がマップ形式で一覧表示されている。生成部63は、トイレ室21におけるトイレ機器40の実際の配置を用いてトイレ機器40と作業必要度との組を一覧表示するように一覧情報を生成してもよい。
図14に示すように、トイレ室21のマップにおいて、それぞれのトイレ機器40の必要度表示領域112に作業必要度が示されており、作業必要度が閾値を超えたトイレ機器40については、インジケータ114b、114d、114eが示されている。本構成によると、一覧表示されたトイレ機器40とトイレ室21における実際のトイレ機器40との対応関係がわかりやすくなるため、トイレ機器40に対する作業効率を更に向上させることができる。
【0071】
実施形態では、閾値は、洗面器26と、大便器30と、小便器32とで同じ値に設定されたが、これに限定されず、それぞれ異なる値に設定可能とされてもよい。例えば、
図14では、洗面器26についての閾値は65%に設定され、大便器30についての閾値は85%に設定され、小便器32についての閾値は75%に設定される。トイレ機器40毎に、その使用態様や1回の使用当たりの汚れ度合いも異なる。そのため、本構成によると、作業が必要か否かをより適切に判断することが可能となる。
【0072】
閾値は、トイレ室21の種類(例えば、男性用トイレ、女性用トイレ、多目的トイレ、子供用トイレ)に応じて、異なるように設定されてもよい。トイレ室21毎に、その使用態様や1回の使用当たりの汚れ度合いも異なる。そのため、本構成によると、作業が必要か否かをより適切に判断することが可能となる。閾値は、例えば、トイレ機器40の機種等に応じて、異なるように設定されてもよいし、施設20、フロア36、エリア35、トイレ室21の人の増減や混雑状況、時間帯、施設20の周辺の天候、トイレ室21に対するクレームの受付数、トイレットペーパーや水石鹸、消毒剤の利用量や残量、トイレ室21の匂い等によって、自動的に変更されてもよい。
【0073】
トイレ室21毎にトイレ機器40の作業必要度を示したが、これに限定されず、例えば、施設20、フロア36、エリア35毎にトイレ機器40の作業必要度が示されてもよい。
【0074】
実施形態では、トイレ機器40の異常が検出された場合に異常必要度をその最大値としたが、これに限定されない。例えば、トイレ機器40の配管に異物が付着している場合にはトイレ機器40の排水の流速及び流量が低下すると想定されるため、トイレ機器40の排水の流速及び流量に応じて異常必要度を算出してもよい。
【0075】
図6及び
図12の例では、清掃必要度が円バー116により表示されたが、補充必要度及び異常除去必要度も円バー116で表示されてもよい。作業必要度は、円バー116ではなく、直線状のバーなどの種々の態様により表示されてもよい。
【0076】
トイレ機器40の強調表示の態様は、
図5及び
図6等の例に限定されない。例えば、トイレ機器40は、色の違い、色の濃さ、変色、点滅、装飾(例えば星マークなど)などによって強調表示されてもよい。
【0077】
作業か完了した旨を一括で送信する構成は、
図9の例に限定されない。作業が完了した旨は、曜日、時刻、休日などの予め決められた日時条件に該当する場合に自動的に管理装置50に一括で送信されてもよい。例えば、作業員の勤務体制が開店の30分前などの特定の時間までに全てのトイレ機器40の作業を完了させるように設定されている場合には、開店の30分前を日時条件として開店の30分前に全てのトイレ機器40について作業が完了した旨が管理装置50に一括で送信される。これにより、担当者端末90の画面を操作して作業が完了した旨を入力する手間を低減することができる。作業が完了した旨は、例えば、予め決められた作業(例えば、トイレットペーパーの補充、トイレ機器40の特殊操作)が行われた場合、汚れが所定の基準以下になったことが検知された場合、担当者端末90が所定の位置にいる場合、担当者端末90により作業が完了したトイレ機器40の画像データを管理装置50に送信した場合、トイレ機器40を特殊操作してから作業員の特定の行動パターンが検出された場合などで管理装置50に一括で送信されてもよい。例えば、トイレ室21、エリア35、フロア36を単位としてトイレ機器40を一括で選択可能であってもよく、選択されたトイレ機器40について作業が完了した旨が一括で送信されてもよい。これらの構成によっても、担当者端末90の画面を操作して作業が完了した旨を入力する手間を低減することができる。
【0078】
洗面器26、大便器30及び小便器32の近傍にLEDランプなどを含む通知装置を設け、作業必要度が閾値を超えた場合に通知装置のLEDランプを点滅させることによりそのトイレ機器40の作業を要する旨を通知させてもよい。この場合、通知装置は、この通知装置によるLEDランプの点滅をオフにすることにより、作業を完了した旨を管理装置50に送信できるようにしてもよい。
【0079】
以上、実施の形態に基づき本開示を説明したが、実施の形態は、本開示の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
10 管理システム、12 インターネット、20 施設、21 トイレ室、22 通信装置、23 ドア、24 個室、25 ドア、26 洗面台、30 大便器、31 コントローラ、32 小便器、33 センサ、35 エリア、36 フロア、50 管理装置、61 情報取得部、62 必要度算出部、63 生成部、64 送信部、65 作業実績情報取得部、66 作業実績情報提示部、80 記憶装置、81 情報保持部、82 使用回数保持部、83 作業実績情報保持部、84 トイレデータベース、90 担当者端末、96 一覧情報取得部、97 一覧情報表示部、98 送信部、99 作業実績情報表示部。