(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068756
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】車両用ドアラッチ装置
(51)【国際特許分類】
E05B 79/16 20140101AFI20240514BHJP
B60J 5/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
E05B79/16
B60J5/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179328
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】長岡 智治
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250LL01
2E250PP04
2E250PP05
2E250QQ05
(57)【要約】
【課題】装置を大型化することなく、操作力伝達ロッドの動作によってクリップが入力レバーから外れてしまうことを抑制できるとともに、操作力伝達ロッドの動きを許容しつつ、操作力伝達ロッドの動作によって操作力伝達ロッドが入力レバーに対して位置ずれすることを防止できる車両用ドアラッチ装置を提供する。
【解決手段】ドアラッチ装置10は、操作力伝達ロッド71を介してアウトサイドハンドル91の操作力が入力される入力レバー51を有する。入力レバー51は、操作力伝達ロッド71の動作方向に切り欠かれた形状を有し、操作力伝達ロッド71からの荷重が入力される受容部511dを有する。入力レバー51には、操作力伝達ロッド71と係合するクリップ60が組み付けられている。クリップ60の入力レバー51への組み付け方向は、操作力伝達ロッド71の動作方向と同一方向となっている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に設けられたストライカに係合可能なラッチを有するラッチ機構部と、
前記ラッチ機構部を操作する操作機構部と、を備える車両用ドアラッチ装置であって、
前記操作機構部は、
操作力伝達ロッドが当接し、当該操作力伝達ロッドを介してアウトサイドハンドルの操作力が入力される入力レバーを有し、
前記入力レバーは、前記操作力伝達ロッドの動作方向に切り欠かれた形状を有し、前記操作力伝達ロッドからの荷重が入力される受容部を有し、
前記入力レバーには、前記操作力伝達ロッドと係合するクリップが組み付けられており、
前記クリップの前記入力レバーへの組み付け方向は、前記操作力伝達ロッドの動作方向と同一方向となっている、車両用ドアラッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ドアラッチ装置であって、
前記入力レバーには、前記操作力伝達ロッドの動作方向に延在する縦壁部が形成されており、
前記クリップは、
前記入力レバーの前記縦壁部が挿通する筒形状の保持部を有し、
前記保持部に前記入力レバーの前記縦壁部を挿通させて、前記入力レバーに組み付けられている、車両用ドアラッチ装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用ドアラッチ装置であって、
前記入力レバーは、
前記操作力伝達ロッドの動作方向に垂直な第1方向に前記操作力伝達ロッドが変位することを規制する第1支持部と、前記操作力伝達ロッドの動作方向及び前記第1方向の双方に垂直な第2方向に前記操作力伝達ロッドが変位することを規制する第2支持部と、を備え、
前記クリップには、前記操作力伝達ロッドの動作方向から見て、前記第1支持部と前記第2支持部とに囲まれた領域に、前記操作力伝達ロッドの動作方向に貫通する挿通孔が形成されており、
前記操作力伝達ロッドは、前記クリップの前記挿通孔を挿通する、車両用ドアラッチ装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用ドアラッチ装置であって、
前記クリップは、前記第1支持部及び前記第2支持部の少なくとも一方における前記操作力伝達ロッドの動作方向を向く面の少なくとも一部を覆う台座部を有し、
前記台座部には、前記第1支持部及び前記第2支持部の少なくとも一方に係止する係止爪が設けられており、
前記クリップは、前記台座部と前記係止爪とで、前記第1支持部及び前記第2支持部の少なくとも一方を前記操作力伝達ロッドの動作方向に挟持して、前記入力レバーに固定されている、車両用ドアラッチ装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用ドアラッチ装置であって、
前記入力レバーには、上下方向に延在する伝達部と、前記伝達部の下端部から後方に屈曲するクランク部と、前記クランク部の後端から下方に屈曲する挿通部と、を有する前記操作力伝達ロッドが係合し、
前記クリップは、底壁部と、前記底壁部の左端部から上方に向かって延在する左側内壁部と、前記底壁部の右端部から上方に向かって延在する右側内壁部と、によって囲まれた収容部を有し、
前記クリップの前記収容部には、
前記左側内壁部及び前記右側内壁部から前記収容部の左右方向中央に向かって突出する左右一対のガイド突起部が形成されており、
前記操作力伝達ロッドの前記クランク部の少なくとも一部が、左右一対の前記ガイド突起部の間を前後方向に延在するように収容されている、車両用ドアラッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドアを閉状態に保持可能な車両用ドアラッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のドアを閉状態に保持可能な車両用ドアラッチ装置が知られている。一般に、車両のドアには、アウトサイドハンドルと、アウトサイドハンドルの操作力を伝達する操作力伝達ロッドが設けられている。また、車両用ドアラッチ装置は、一般に、車体に設けられたストライカに係合可能なラッチを有するラッチ機構部と、ラッチ機構部を操作する操作機構部と、を備え、操作機構部は、操作力伝達ロッドが当接して、アウトサイドハンドルの操作力が入力される入力レバーを有する。
【0003】
例えば、特許文献1には、入力レバーに4段の高さ調整式のロッド連結用ブッシュが設けられた車両用ドアラッチ装置が記載されている。特許文献1に記載の車両用ドアラッチ装置は、ロッド連結用ブッシュに設けられた高さが異なる4段のロッド受面のいずれかに操作力伝達ロッドが当接する。これにより、特許文献1に記載の車両用ドアラッチ装置は、アウトサイドハンドルと車両用ドアラッチ装置との位置のバラツキをロッド連結用ブッシュで調整可能となっている。一方、特許文献1に記載の車両用ドアラッチ装置では、ロッド連結用ブッシュは、操作力伝達ロッドが当接するロッド受面を複数必要とするため、操作力伝達ロッドの動作ストロークを大きく取る必要がある場合、操作力伝達ロッドが所定のロッド受面から滑って外れてしまう虞があり、ストロークロスが発生する場合があった。
【0004】
そこで、例えば、特許文献2には、ストロークロスを防ぐ目的で、入力レバーに略U字状の円筒部が形成されたクリップが設けられた車両用ドアラッチ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭62-000385号公報
【特許文献2】仏国特許発明第3089242号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載の車両用ドアラッチ装置では、操作力伝達ロッドの動作方向が上下方向であるのに対し、クリップの入力レバーへの組み付け方向が水平方向となっている。そのため、操作力伝達ロッドの動作によってクリップが入力レバーから外れてしまうことを抑制するためには、入力レバーに対してクリップを強固に組み付ける必要があり、装置の大型化に繋がっていた。
【0007】
本発明は、装置を大型化することなく、操作力伝達ロッドの動作によってクリップが入力レバーから外れてしまうことを抑制できるとともに、操作力伝達ロッドの動きを許容しつつ、操作力伝達ロッドの動作によって操作力伝達ロッドが入力レバーに対して位置ずれすることを防止できる車両用ドアラッチ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
車体に設けられたストライカに係合可能なラッチを有するラッチ機構部と、
前記ラッチ機構部を操作する操作機構部と、を備える車両用ドアラッチ装置であって、
前記操作機構部は、
操作力伝達ロッドが当接し、当該操作力伝達ロッドを介してアウトサイドハンドルの操作力が入力される入力レバーを有し、
前記入力レバーは、前記操作力伝達ロッドの動作方向に切り欠かれた形状を有し、前記操作力伝達ロッドからの荷重が入力される受容部を有し、
前記入力レバーには、前記操作力伝達ロッドと係合するクリップが組み付けられており、
前記クリップの前記入力レバーへの組み付け方向は、前記操作力伝達ロッドの動作方向と同一方向となっている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、装置を大型化することなく、操作力伝達ロッドの動作によってクリップが入力レバーから外れてしまうことを抑制できるとともに、操作力伝達ロッドの動きを許容しつつ、操作力伝達ロッドの動作によって操作力伝達ロッドが入力レバーに対して位置ずれすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態の車両用ドアラッチ装置を備える車両の左前部分の左側面図である。
【
図2】
図1の車両用ドアラッチ装置を前方から見た要部斜視図である。
【
図3】
図1の車両用ドアラッチ装置を後方から見た要部斜視図である。
【
図4】
図2及び
図3の車両用ドアラッチ装置におけるラッチ機構部とアウトサイドハンドル操作力伝達機構を後方から見た要部斜視図である。
【
図5】
図2及び
図3の車両用ドアラッチ装置におけるラッチ機構部とアウトサイドハンドル操作力伝達機構を前方から見た前面図である。
【
図6】
図2及び
図3の車両用ドアラッチ装置における入力レバー近傍を前方から見た斜視図である。
【
図7】キャップを取り外した状態で
図6の入力レバー近傍を前方から見た斜視図である。
【
図8】
図2及び
図3の車両用ドアラッチ装置のキャップ近傍を上方から見た上面図である。
【
図9】
図2及び
図3の車両用ドアラッチ装置のキャップ近傍を左方から見た左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の車両用ドアラッチ装置の一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単且つ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、車両用ドアラッチ装置が搭載される車両の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両の前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0012】
図1に示すように、ドアラッチ装置10は、車両Vの左フロントドア80に搭載されている。左フロントドア80は、アウタパネル81と不図示のインナパネルとを備える。アウタパネル81の後上部の外側面には、ドアラッチ装置10を車外から開操作するアウトサイドハンドル91と、ドアラッチ装置10を車外からアンロック操作及びロック操作するキーシリンダ92と、が設けられている。インナパネルの前部側の内側面には、ドアラッチ装置10を車内から開操作するインサイドハンドル93と、ドアラッチ装置10を車内よりアンロック操作及びロック操作するロックノブ94が設けられている。さらに、左フロントドア80には、アウトサイドハンドル91の操作力をドアラッチ装置10に伝達する操作力伝達ロッド71と、キーシリンダ92の操作力をドアラッチ装置10に伝達する操作力伝達部材72と、インサイドハンドル93の操作力をドアラッチ装置10に伝達する第1操作力伝達ケーブル73と、ロックノブ94の操作力をドアラッチ装置10に伝達する第2操作力伝達ケーブル74と、が設けられている。
【0013】
以下、左側を車幅方向外側、右側を車幅方向内側ということもある。
【0014】
図2から
図5に示すように、ドアラッチ装置10は、車体に設けられたストライカに係合することによって左フロントドア80を閉状態に保持可能なラッチ機構部20と、ラッチ機構部20を操作する操作機構部30と、を備える。ドアラッチ装置10は、ラッチ機構部20と操作機構部30とが一体化した装置となっている。
【0015】
さらに、ドアラッチ装置10は、左フロントドア80の後端部に固定されるメインボディ41と、メインボディ41の後面の少なくとも一部を覆う金属製のカバープレート42と、メインボディ41の車幅方向内側面の少なくとも一部を覆って、メインボディ41から前方に延出して前後方向及び上下方向に延在するサイドボディ43と、メインボディ41の前面の少なくとも一部を覆う金属製のバックプレート44と、サイドボディ43の車幅方向外側でサイドボディ43と対向する不図示のサイドカバーと、を備える。したがって、メインボディ41は、金属製のカバープレート42とバックプレート44とで前後方向に挟まれている。
【0016】
カバープレート42には、車幅方向外側から車体に設けられたストライカが進入可能なストライカ進入溝421が形成されている。ストライカ進入溝421は、カバープレート42の上下方向の略中央部に設けられており、カバープレート42の車幅方向外側の端部から車幅方向内側に向かって凹状に抉れた形状となっている。
【0017】
ラッチ機構部20は、車体に設けられたストライカに係合可能なラッチ21と、ラッチ21を回動自在に軸支するラッチ軸22と、ラッチ21に係合可能なラチェット23と、を備える。
【0018】
ラッチ軸22は、前後方向に延在し、前端がドアラッチ装置10のバックプレート44に支持固定され、後端がドアラッチ装置10のカバープレート42に支持固定されている。
【0019】
ラッチ21は、ラッチ軸22が挿通する挿通孔212が形成されたラッチボディ部211を備える。ラッチ21は、挿通孔212にラッチ軸22が挿通して、ラッチ軸22に回動自在に支持されている。したがって、ラッチ21は、前後方向に延びるラッチ軸22を回転軸として回動する。
【0020】
ラッチ21は、コイルばね24によって前方から見て時計回り方向に付勢されている。
【0021】
ラッチボディ部211には、車体に設けられたストライカが挿入されるストライカ係合溝213が形成されている。ストライカ係合溝213は、前後方向から見て、ラッチボディ部211の外周縁から挿通孔212に向かって窪んだ凹形状を有する。ストライカ係合溝213は、前後方向から見て、カバープレート42に形成されたストライカ進入溝421と少なくとも一部が重なるように配置されている。
【0022】
また、ラッチボディ部211の外周縁には、ラチェット23が係合可能なラチェット係合部214が形成されている。本実施形態では、ラチェット係合部214は、前方から見て、ストライカ係合溝213の時計回り側に形成されている。
【0023】
ラチェット23は、前後方向に延在する回転軸部231と、回転軸部231から左方向に向かって延在し、ラッチボディ部211に形成されたラチェット係合部214に当接する当接部232と、回転軸部231から右方向に延在し、後述する操作機構部30のリリースレバー31からの入力を受け付ける入力部233と、を備える。本実施形態では、入力部233は、当接部232よりも前方で回転軸部231から右方向に延在するように形成されている。
【0024】
ラチェット23は、回転軸部231がラッチ軸22の右下方になるように配置されている。
【0025】
回転軸部231は、前側回転軸部231aと後側回転軸部231bとを有する。前側回転軸部231a及び後側回転軸部231bは、同軸の円筒形状を有している。本実施形態では、前側回転軸部231aよりも後側回転軸部231bの方が大径となっている。前側回転軸部231aは、バックプレート44に回転自在に支持されており、後側回転軸部231bは、カバープレート42に回転自在に支持されている。
【0026】
ラチェット23は、前後方向に延在する回転軸部231の軸心を中心に、前後方向から見て、時計回り及び反時計回りに回動自在となっている。
【0027】
ラチェット23は、コイルばね25によって前方から見て反時計回り方向に付勢されている。
【0028】
左フロントドア80が閉操作されて全閉位置に近づくと、車体に設けられたストライカがカバープレート42のストライカ進入溝421に進入するとともに、ラッチ21のストライカ係合溝213に進入する。左フロントドア80がさらに全閉位置に近づくと、車体に設けられたストライカがラッチ21のストライカ係合溝213の底部に近づきながらストライカ係合溝213の内壁面を車幅方向外側に向かって押圧して、コイルばね24の付勢力に抗してラッチ21を前方から見て反時計回りに回動させる。
【0029】
左フロントドア80が全閉位置になると、前方から見て反時計回り方向に付勢されているラチェット23の当接部232が、前方から見て反時計回りに回動するラッチ21のラチェット係合部214に当接する。そして、前方から見て反時計回り方向に付勢されているラチェット23が、前方から見て反時計回り方向に付勢されているラッチ21に係合する。これにより、ラッチ21の前方から見て反時計回り方向への回動が規制され、左フロントドア80が閉状態に保持される。
【0030】
操作機構部30は、メインボディ41、カバープレート42、バックプレート44、及び、サイドボディ43等に組み付けられる各種操作レバー、連係レバー及びモータ(図示略)等をさらに備える。
【0031】
操作機構部30は、ラッチ機構部20のラチェット23を動作させるリリースレバー31(
図4参照)と、操作力伝達ロッド71を介して入力されるアウトサイドハンドル91の操作力を伝達してリリースレバー31を動作させるアウトサイドハンドル操作力伝達機構50と、操作力伝達部材72を介して入力されるキーシリンダ92の操作力を伝達してリリースレバー31の動作を制限するキーシリンダ操作力伝達機構32と、第1操作力伝達ケーブル73を介して入力されるインサイドハンドル93の操作力を伝達してリリースレバー31を動作させるインサイドハンドル操作力伝達機構33と、第2操作力伝達ケーブル74を介して入力されるロックノブ94の操作力を伝達してリリースレバー31の動作を制限するロックノブ操作力伝達機構34と、を備える。
【0032】
リリースレバー31は、上下方向にスライド可能であり、ラチェット23に下方から当接可能なラチェット駆動部31aを備える。リリースレバー31は、ラチェット23の入力部233の下方に設けられている。リリースレバー31は、上方にスライドすると、ラチェット駆動部31aがラチェット23の入力部233に下方から上方に向かって当接する。リリースレバー31の下側領域には、左右方向に貫通し、アウトサイドハンドル操作力伝達機構50の後述する出力レバー53に形成された係合部532aが挿通する係合孔31bが形成されている。
【0033】
(アウトサイドハンドル操作力伝達機構の構成)
図4及び
図5に示すように、アウトサイドハンドル操作力伝達機構50は、操作力伝達ロッド71が当接し、操作力伝達ロッド71を介してアウトサイドハンドル91の操作力が入力される入力レバー51と、入力レバー51と当接可能な連係レバー52と、連係レバー52と当接可能、且つ、リリースレバー31に係合する出力レバー53と、を有する。
【0034】
入力レバー51は、回転軸510が前後方向となるようにして、回動自在にメインボディ41に軸支されている。入力レバー51は、メインボディ41の左下領域に軸支されている。入力レバー51は、前後方向から見て、回転軸510から左上方向に向かって延在する入力部511と、回転軸510から右上方向に向かって延在する出力部512と、を有する。
【0035】
入力レバー51の入力部511には、操作力伝達ロッド71と係合するクリップ60が組み付けられている。入力レバー51の出力部512の左上端部には、出力側当接面512aが形成されている。出力側当接面512aは、左上方向を向いている。
【0036】
入力レバー51は、コイルばね513によって前方から見て反時計回り方向に付勢されている。
【0037】
連係レバー52は、回転軸520が前後方向となるようにして、回動自在にメインボディ41に軸支されている。連係レバー52は、回転軸520が入力レバー51の回転軸510の上方になるようにして、入力レバー51の上方でメインボディ41に軸支されている。連係レバー52は、回転軸520から下方向に向かって延在する入力部521と、回転軸520から右方向に向かって延在する出力部522と、を有する。
【0038】
連係レバー52の入力部521の下端部右側には、入力レバー51の出力部512に形成された出力側当接面512aの左側で出力側当接面512aと対向するように、入力側当接面521aが形成されている。入力側当接面521aは、右下方向を向いている。連係レバー52の出力部522の右端部下側には、出力側当接面522aが形成されている。出力側当接面522aは、左下方向を向いている。
【0039】
出力レバー53は、回転軸530が前後方向となるようにして、回動自在にメインボディ41に軸支されている。出力レバー53は、回転軸530が入力レバー51の回転軸510右上方且つ連係レバー52の回転軸520右下方になるようにして、連係レバー52の入力部521の右方でメインボディ41に軸支されている。出力レバー53は、回転軸530から左方向に向かって延在する入力部531と、回転軸530から右方向に向かって延在する出力部532と、を有する。
【0040】
出力レバー53の入力部531の右端部上側には、連係レバー52の出力部522に形成された出力側当接面522aの下側で出力側当接面522aと対向するように、入力側当接面531aが形成されている。入力側当接面531aは、左上方向を向いている。出力レバー53の出力部532の右端部には、右方向に突出する係合部532aが形成されている。係合部532aは、リリースレバー31に形成された係合孔31bに挿通し、これにより、出力レバー53は、リリースレバー31と係合する。
【0041】
出力レバー53は、コイルばね533によって前方から見て反時計回り方向に付勢されている。
【0042】
(アウトサイドハンドル操作力伝達機構の動作)
操作力伝達ロッド71は、アウトサイドハンドル91が操作されると下方に変位する。すると、操作力伝達ロッド71は、入力レバー51の入力部511と係合しているので、入力レバー51は、前方から見て回転軸510を中心に時計回りに回動する。
【0043】
入力レバー51は、前方から見て回転軸510を中心に時計回りに回動すると、出力部512の出力側当接面512aが連係レバー52の入力部521の入力側当接面521aに当接し、連係レバー52を、前方から見て回転軸520を中心に反時計回りに回動させる。
【0044】
連係レバー52は、前方から見て回転軸520を中心に反時計回りに回動すると、出力部522の出力側当接面522aが出力レバー53の入力部531の入力側当接面531aに当接し、出力レバー53を、前方から見て回転軸530を中心に時計回りに回動させる。
【0045】
出力レバー53は、前方から見て回転軸530を中心に時計回りに回動すると、出力部532の係合部532aがリリースレバー31に形成された係合孔31bの壁面に当接し、リリースレバー31を上方向に変位させる。
【0046】
リリースレバー31が上方向に変位すると、ラチェット駆動部31aがラチェット23の入力部233に当接し、ラチェット23を、前方から見て回転軸部231を中心に時計回りに回動させる。
【0047】
ラチェット23が前方から見て回転軸部231を中心に時計回りに回動すると、ラチェット23の当接部232が、ラッチ21のラチェット係合部214から離脱する。すると、ラッチ21の前方から見て反時計回り方向への回動の規制が解除され、前方から見て反時計回り方向に付勢されているラッチ21は、前方から見て反時計回りに回動し、車体に設けられたストライカが、ラッチ21のストライカ係合溝213、及び、カバープレート42のストライカ進入溝421から離脱可能な状態となる。これにより、左フロントドア80の開操作が可能となる。
【0048】
(入力レバーの入力部の構成)
続いて、アウトサイドハンドル操作力伝達機構50における入力レバー51の入力部511の詳細について、
図6から
図9を参照して説明する。
【0049】
入力レバー51の入力部511には、操作力伝達ロッド71と係合するクリップ60が組み付けられている。
【0050】
入力部511には、上方に突出する縦壁部511aが形成されている。
【0051】
入力部511の左端部には、上方に向かって湾曲した係合壁部511bと、係合壁部511bの上端部から後方向に屈曲して前後方向及び左右方向に延在する第1支持部511c1と、第1支持部511c1の後端部から右方向に屈曲して左右方向及び前後方向に延在する第2支持部511c2と、が形成されている。第1支持部511c1の上面と第2支持部511c2の上面とは、連続する同一平面を形成している。
【0052】
縦壁部511aと係合壁部511bとの間には、前後方向から見て、上方に向かって開口した略U字状に切り欠かれた形状を有する受容部511dが形成されている。縦壁部511aは、第1支持部511c1及び第2支持部511c2よりも上方まで延在している。縦壁部511aの上端部には、クリップ60を係止する係止部511eが形成されている。係止部511eは、右方向に突出した爪形状を有している。
【0053】
第2支持部511c2は、受容部511dの後方、且つ、受容部511dと前後方向で対向する位置で、左右方向に延在している。
【0054】
クリップ60は、入力レバー51の入力部511の第1支持部511c1の上面及び第2支持部511c2の上面と、入力レバー51の入力部511の受容部511dと、を覆っている。
【0055】
クリップ60は、上下方向に延在して入力レバー51の入力部511の縦壁部511aが挿通する筒形状の保持部61と、入力レバー51の入力部511の第1支持部511c1及び第2支持部511c2の上面を覆う台座部62と、入力レバー51の入力部511に形成された受容部511dを覆う収容部63と、を有する。
【0056】
台座部62は、第1支持部511c1及び第2支持部511c2の上面を覆うとともに、保持部61に接続している。したがって、台座部62が、上方から見て、前方に向かって開口した略U字形状となっている。
【0057】
収容部63は、前後方向から見て、台座部62から、入力レバー51の入力部511に形成された受容部511dに沿って下方に窪んだ形状を有する。収容部63は、上下方向から見て、後方、左方、及び、右方向が台座部62に囲まれた空間となっている。収容部63は、底壁部631と、底壁部631の左端部から上方に向かって延在する左側内壁部632Lと、底壁部631の右端部から上方に向かって延在する右側内壁部632Rと、底壁部631の後端部から上方に向かって延在する後側内壁部632Bと、によって囲まれた空間である。収容部63の底壁部631は、下方に凸の略円弧状に湾曲した形状となっている。
【0058】
収容部63の底壁部631には、上下方向に貫通したロッド挿通孔64が設けられている。ロッド挿通孔64には、操作力伝達ロッド71が挿通する。ロッド挿通孔64は、底壁部631の後側領域に設けられている。
【0059】
クリップ60の台座部62の後端部には、入力レバー51の入力部511の第2支持部511c2に係止する係止爪65が設けられている。
【0060】
クリップ60は、上方から入力レバー51の入力部511に組み付けられている。
【0061】
クリップ60は、入力レバー51の入力部511の縦壁部511aを筒形状の保持部61に挿通させて、入力レバー51の入力部511の第1支持部511c1の上面及び第2支持部511c2の上面に台座部62が載置され、入力レバー51の入力部511の受容部511dに収容部63が配置されるようにして、上方から入力レバー51の入力部511に組み付けられる。そして、入力レバー51の入力部511の縦壁部511aの上端部に設けられた係止部511eが、クリップ60の保持部61の上面に上方から係止する。さらに、クリップ60の保持部61の後端部に設けられた係止爪65が、入力レバー51の入力部511の第2支持部511c2の下面に下方から係止する。これにより、クリップ60は、台座部62と係止爪65とで第2支持部511c2を上下方向に挟持して、入力レバー51に固定される。
【0062】
操作力伝達ロッド71は、上下方向に延在する伝達部711と、伝達部711の下端から後方に屈曲するクランク部712と、クランク部712の後端から下方に屈曲する挿通部713と、を有する。
【0063】
操作力伝達ロッド71は、挿通部713がクリップ60の底壁部631に設けられたロッド挿通孔64を挿通し、クランク部712の少なくとも一部がクリップ60の収容部63に収容されるように配置される。
【0064】
したがって、アウトサイドハンドル91が操作され、操作力伝達ロッド71が下方に動作すると、操作力伝達ロッド71のクランク部712が、入力レバー51の入力部511に取り付けられたクリップ60に形成された収容部63の底壁部631、及び、入力レバー51の受容部511dを下方に押圧する。これにより、入力レバー51は、前方から見て時計回りに回動する。このように、操作力伝達ロッド71からの荷重は、入力レバー51の入力部511に取り付けられたクリップ60に形成された収容部63の底壁部631、及び、入力レバー51の受容部511dに入力される。
【0065】
このとき、クリップ60の入力レバー51への組み付け方向が、操作力伝達ロッド71の動作方向と同一方向となっているので、装置を大型化することなく、操作力伝達ロッド71の動作によってクリップ60が入力レバー51から外れてしまうことを抑制できる。また、操作力伝達ロッド71における入力レバー51を動作させる部分であるクランク部712の少なくとも一部がクリップ60の収容部63に収容され、操作力伝達ロッド71からの荷重を入力レバー51の受容部511dで受けることができるので、操作力伝達ロッド71の動きを許容しつつ、操作力伝達ロッド71の動作によって操作力伝達ロッド71が入力レバー51に対して位置ずれすることを防止できる。
【0066】
また、クリップ60は、上下方向すなわち操作力伝達ロッド71の動作方向に延在する入力レバー51の縦壁部511aを保持部61に挿通させて、入力レバー51に組み付けられているので、操作力伝達ロッド71が、動作方向に垂直な方向に変位した場合でも、クリップ60が入力レバー51に対して操作力伝達ロッド71の動作方向に垂直な方向に位置ずれすることを防止できる。
【0067】
さらに、入力レバー51は、操作力伝達ロッド71の動作方向に垂直な第1方向である左右方向に操作力伝達ロッド71が変位することを規制する第1支持部511c1と、操作力伝達ロッド71の動作方向、及び、第1方向である左右方向の双方に垂直な第2方向である前後方向に操作力伝達ロッド71が変位することを規制する第2支持部511c2と、を備える。そして、操作力伝達ロッド71は、操作力伝達ロッド71の動作方向である上下方向から見て、第1支持部511c1と第2支持部511c2とに囲まれた領域に形成されたクリップ60のロッド挿通孔64を挿通するので、操作力伝達ロッド71が左右方向及び前後方向に変位することが規制される。これにより、操作力伝達ロッド71の動作方向に垂直な方向に位置ずれすることを防止できるとともに、操作力伝達ロッド71が入力レバー51から外れてしまうことを防止できる。
【0068】
また、クリップ60の台座部62の後端部に設けられた係止爪65が、入力レバー51の入力部511の第2支持部511c2の下面に下方から係止することで、クリップ60は、台座部62と係止爪65とで第2支持部511c2を上下方向に挟持して、入力レバー51に固定される。これにより、操作力伝達ロッド71が動作しても、クリップ60が入力レバー51に対して操作力伝達ロッド71の動作方向である上下方向に位置ずれすることを防止できる。さらに、クリップ60の係止爪65が、入力レバー51の入力部511の第2支持部511c2に係止しているか否かを目視することで、クリップ60が入力レバー51に正しく組み付けられていることを容易に確認できる。
【0069】
クリップ60の収容部63には、左側内壁部632L及び右側内壁部632Rから収容部63の左右方向中央に向かって突出する左右一対のガイド突起部633が形成されている。
【0070】
そして、クリップ60の収容部63には、操作力伝達ロッド71のクランク部712の少なくとも一部が、左右一対のガイド突起部633の間を前後方向に延在するように収容されている。
【0071】
これにより、操作力伝達ロッド71と入力レバー51とを係合する際、操作力伝達ロッド71を、クランク部712の少なくとも一部が左右一対のガイド突起部633の間を前後方向に延在するように組み付けることで、容易に操作力伝達ロッド71と入力レバー51とを係合することができ、組み付け作業性が向上する。また、操作力伝達ロッド71と入力レバー51とを係合してドアラッチ装置10を車両Vに組み付けた後、操作力伝達ロッド71が動作する際に、左右一対のガイド突起部633によって、操作力伝達ロッド71が入力レバー51に対して左右方向にガタつくことを抑制できる。
【0072】
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0073】
例えば、本実施形態では、クリップ60の台座部62の後端部に係止爪65が設けられており、係止爪65は、入力レバー51の入力部511の第2支持部511c2の下面に下方から係止するものとしたが、係止爪65は、クリップ60の台座部62の左端部に設けられ、入力レバー51の入力部511の第1支持部511c1の下面に下方から係止するものであってもよい。
【0074】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0075】
(1) 車体に設けられたストライカに係合可能なラッチ(ラッチ21)を有するラッチ機構部(ラッチ機構部20)と、
前記ラッチ機構部を操作する操作機構部(操作機構部30)と、を備える車両用ドアラッチ装置(ドアラッチ装置10)であって、
前記操作機構部は、
操作力伝達ロッド(操作力伝達ロッド71)が当接し、当該操作力伝達ロッドを介してアウトサイドハンドル(アウトサイドハンドル91)の操作力が入力される入力レバー(入力レバー51)を有し、
前記入力レバーは、前記操作力伝達ロッドの動作方向に切り欠かれた形状を有し、前記操作力伝達ロッドからの荷重が入力される受容部(受容部511d)を有し、
前記入力レバーには、前記操作力伝達ロッドと係合するクリップ(クリップ60)が組み付けられており、
前記クリップの前記入力レバーへの組み付け方向は、前記操作力伝達ロッドの動作方向と同一方向となっている、車両用ドアラッチ装置。
【0076】
(1)によれば、クリップの入力レバーへの組み付け方向が、操作力伝達ロッドの動作方向と同一方向となっているので、装置を大型化することなく、操作力伝達ロッドの動作によってクリップが入力レバーから外れてしまうことを抑制できる。また、操作力伝達ロッドからの荷重を、入力レバーにおいて操作力伝達ロッドの動作方向に切り欠かれた形状を有する受容部で受けることができるので、操作力伝達ロッドの動きを許容しつつ、操作力伝達ロッドの動作によって操作力伝達ロッドが入力レバーに対して位置ずれすることを防止できる。
【0077】
(2) (1)に記載の車両用ドアラッチ装置であって、
前記入力レバーには、前記操作力伝達ロッドの動作方向に延在する縦壁部(縦壁部511a)が形成されており、
前記クリップは、
前記入力レバーの前記縦壁部が挿通する筒形状の保持部(保持部61)を有し、
前記保持部に前記入力レバーの前記縦壁部を挿通させて、前記入力レバーに組み付けられている、車両用ドアラッチ装置。
【0078】
(2)によれば、クリップは、操作力伝達ロッドの動作方向に延在する入力レバーの縦壁部を保持部に挿通させて、入力レバーに組み付けられているので、操作力伝達ロッドが、動作方向に垂直な方向に変位した場合でも、クリップが入力レバーに対して操作力伝達ロッドの動作方向に垂直な方向に位置ずれすることを防止できる。
【0079】
(3) (2)に記載の車両用ドアラッチ装置であって、
前記入力レバーは、
前記操作力伝達ロッドの動作方向に垂直な第1方向に前記操作力伝達ロッドが変位することを規制する第1支持部(第1支持部511c1)と、前記操作力伝達ロッドの動作方向及び前記第1方向の双方に垂直な第2方向に前記操作力伝達ロッドが変位することを規制する第2支持部(第2支持部511c2)と、を備え、
前記クリップには、前記操作力伝達ロッドの動作方向から見て、前記第1支持部と前記第2支持部とに囲まれた領域に、前記操作力伝達ロッドの動作方向に貫通するロッド挿通孔(ロッド挿通孔64)が形成されており、
前記操作力伝達ロッドは、前記クリップの前記ロッド挿通孔を挿通する、車両用ドアラッチ装置。
【0080】
(3)によれば、操作力伝達ロッドは、操作力伝達ロッドの動作方向から見て、第1支持部と第2支持部とに囲まれた領域に形成されたクリップのロッド挿通孔を挿通するので、操作力伝達ロッドの動作方向に垂直な方向に位置ずれすることを防止できるとともに、操作力伝達ロッドが入力レバーから外れてしまうことを防止できる。
【0081】
(4) (3)に記載の車両用ドアラッチ装置であって、
前記クリップは、前記第1支持部及び前記第2支持部の少なくとも一方における前記操作力伝達ロッドの動作方向を向く面の少なくとも一部を覆う台座部(台座部62)を有し、
前記台座部には、前記第1支持部及び前記第2支持部の少なくとも一方に係止する係止爪(係止爪65)が設けられており、
前記クリップは、前記台座部と前記係止爪とで、前記第1支持部及び前記第2支持部の少なくとも一方を前記操作力伝達ロッドの動作方向に挟持して、前記入力レバーに固定されている、車両用ドアラッチ装置。
【0082】
(4)によれば、クリップは、台座部と係止爪とで、第1支持部及び第2支持部の少なくとも一方を操作力伝達ロッドの動作方向に挟持して、入力レバーに固定されているので、操作力伝達ロッドが動作しても、クリップが入力レバーに対して操作力伝達ロッドの動作方向に位置ずれすることを防止できる。さらに、クリップの係止爪が、第1支持部及び第2支持部の少なくとも一方に係止しているか否かを目視することで、クリップが入力レバーに正しく組み付けられていることを容易に確認できる。
【0083】
(5) (4)に記載の車両用ドアラッチ装置であって、
前記入力レバーには、上下方向に延在する伝達部(伝達部711)と、前記伝達部の下端部から後方に屈曲するクランク部(クランク部712)と、前記クランク部の後端から下方に屈曲する挿通部(挿通部713)と、を有する前記操作力伝達ロッドが係合し、
前記クリップは、底壁部(底壁部631)と、前記底壁部の左端部から上方に向かって延在する左側内壁部(左側内壁部632L)と、前記底壁部の右端部から上方に向かって延在する右側内壁部(右側内壁部632R)と、によって囲まれた収容部(収容部63)を有し、
前記クリップの前記収容部には、
前記左側内壁部及び前記右側内壁部から前記収容部の左右方向中央に向かって突出する左右一対のガイド突起部(ガイド突起部633)が形成されており、
前記操作力伝達ロッドの前記クランク部の少なくとも一部が、左右一対の前記ガイド突起部の間を前後方向に延在するように収容されている、車両用ドアラッチ装置。
【0084】
(5)によれば、操作力伝達ロッドと入力レバーとを係合する際、操作力伝達ロッドを、クランク部の少なくとも一部が左右一対のガイド突起部の間を前後方向に延在するように組み付けることで、容易に操作力伝達ロッドと入力レバーとを係合することができ、組み付け作業性が向上する。また、操作力伝達ロッドと入力レバーとを係合してドアラッチ装置を車両に組み付けた後、操作力伝達ロッドが動作する際に、左右一対のガイド突起部によって、操作力伝達ロッドが入力レバーに対して左右方向にガタつくことを抑制できる。
【符号の説明】
【0085】
10 ドアラッチ装置(車両用ドアラッチ装置)
20 ラッチ機構部
21 ラッチ
30 操作機構部
51 入力レバー
511a 縦壁部
511d 受容部
511c1 第1支持部
511c2 第2支持部
60 クリップ
61 保持部
62 台座部
63 収容部
631 底壁部
632L 左側内壁部
632R 右側内壁部
633 ガイド突起部
64 ロッド挿通孔
65 係止爪
71 操作力伝達ロッド
711 伝達部
712 クランク部
713 挿通部
91 アウトサイドハンドル