(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068780
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】画像照射装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/01 20060101AFI20240514BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240514BHJP
F21V 9/14 20060101ALI20240514BHJP
B60K 35/23 20240101ALI20240514BHJP
【FI】
G02B27/01
F21S2/00 340
F21V9/14
F21S2/00 480
B60K35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179366
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】平野 富晴
(72)【発明者】
【氏名】澤 佳憲
【テーマコード(参考)】
2H199
3D344
3K244
【Fターム(参考)】
2H199DA03
2H199DA12
2H199DA15
2H199DA20
2H199DA33
2H199DA42
2H199DA46
2H199DA48
3D344AA19
3D344AB01
3D344AC25
3K244AA01
3K244CA02
(57)【要約】
【課題】画像生成ユニットからの出射光によって画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、安価な構成によって画像生成ユニットの機能が損なわれてしまうのを効果的に抑制する。
【解決手段】画像生成ユニット20とその出射光をフロントウインドウ102の表示用領域102Aへ向けて反射させる反射鏡40との間に、偏光板80が配置された構成とする。また、画像生成ユニット20を支持するユニット支持部材70に、その出射光を透過させるための開口部70aが形成された構成とする。その上で、この開口部70aの周囲において偏光板80がユニット支持部材70に支持された構成とする。これにより、反射鏡40で反射して画像生成ユニット20まで到達する太陽光Sの光量を低減させ、画像生成ユニット20の機能が損なわれてしまうのを効果的に抑制する。しかもこれを、偏光板80のサイズを最小限に抑えた上で実現する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、
上記表示用画像を生成する画像生成ユニットと、上記画像生成ユニットからの出射光を上記画像表示部へ向けて反射させる反射鏡と、上記画像生成ユニットを支持するユニット支持部材とを備えており、
上記反射鏡と上記画像生成ユニットとの間に偏光板が配置されており、
上記ユニット支持部材に、上記画像生成ユニットからの出射光を透過させるための開口部が形成されており、
上記偏光板は、上記開口部の周囲において上記ユニット支持部材に支持されている、ことを特徴とする画像照射装置。
【請求項2】
上記画像生成ユニットは、液晶パネルと上記液晶パネルに対してバックライト照射を行う光学ユニットとを備えている、ことを特徴とする請求項1記載の画像照射装置。
【請求項3】
上記ユニット支持部材は、上記液晶パネルを支持する第1支持部材と上記光学ユニットを支持する第2支持部材との組付けによって構成されており、
上記偏光板は上記第1支持部材に形成されている、ことを特徴とする請求項2記載の画像照射装置。
【請求項4】
上記第2支持部材の複数箇所にボス部が形成されており、
上記光学ユニットは、上記複数箇所のボス部において上記第2支持部材にネジ締め固定されている、ことを特徴とする請求項3記載の画像照射装置。
【請求項5】
上記偏光板は、上記液晶パネルから出射する偏光と同じ方向に振動する偏光を透過させるように構成されている、ことを特徴とする請求項2記載の画像照射装置。
【請求項6】
上記偏光板は、上記液晶パネルが延びる方向に対して傾斜した方向に延びるように配置されている、ことを特徴とする請求項2記載の画像照射装置。
【請求項7】
上記ユニット支持部材による上記画像生成ユニットの支持がヒートシンクを介して行われており、
上記ヒートシンクは、上記画像生成ユニットが固定された本体部と、上記本体部から延びるように形成された少なくとも1つのフランジ部とを備えており、
上記ユニット支持部材に少なくとも1つのスリットが形成されており、
上記画像生成ユニットは、上記少なくとも1つのフランジ部が上記少なくとも1つのスリットに挿入された状態で、上記本体部において上記ユニット支持部材にネジ締め固定されている、ことを特徴とする請求項1、2、5または6記載の画像照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車載用の画像照射装置として、車室内に配置された状態で、フロントウインドウ(すなわちウインドシールド)やその車室内側に配置された透光板等の画像表示部に表示用画像を映し出すように構成されたものが知られている。
【0003】
「特許文献1」には、このような画像照射装置として、表示用画像を生成する画像生成ユニットと、この画像生成ユニットからの出射光を画像表示部へ向けて反射させる反射鏡と、この反射鏡を収容するハウジングとを備えたものが記載されている。
【0004】
この「特許文献1」に記載された画像照射装置は、そのハウジングの上部開口部に透光カバーが装着された構成となっており、これにより画像表示部への光照射を許容した上で装置内空間の防塵性を確保するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような画像照射装置においては、太陽光がフロントウインドウおよび透光カバーを介して装置内空間に入射して反射鏡まで到達してしまうことがある。そして、このようにして装置内空間に入射した太陽光が反射鏡で反射して画像生成ユニットまで到達するようなことがあると、これにより画像生成ユニットの機能が損なわれてしまうおそれがある。
【0007】
これに対し、画像照射装置として透光カバーの表面に偏光シートが貼り付けられた構成とすれば、装置内空間に入射する太陽光の光量を減少させることができ、これにより画像生成ユニットの機能が損なわれてしまうのを効果的に抑制することが可能となる。
【0008】
しかしながら、ハウジングの上部開口部を覆う透光カバーの表面に偏光シートが貼り付けられた構成を採用した場合には、偏光シートのサイズがかなり大きなものとなってしまうので、これにより画像照射装置のコストが増大してしまう。なお、透光カバー自体を偏光板で構成するようにした場合においても同様の問題が生じてしまう。
【0009】
このような問題は、車載用以外の画像照射装置においても同様に生じ得る問題である。
【0010】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、画像生成ユニットからの出射光によって画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、安価な構成によって画像生成ユニットの機能が損なわれてしまうのを効果的に抑制することができる画像照射装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は、偏光板の配置に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0012】
すなわち、本願発明に係る画像照射装置は、
画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、
上記表示用画像を生成する画像生成ユニットと、上記画像生成ユニットからの出射光を上記画像表示部へ向けて反射させる反射鏡と、上記画像生成ユニットを支持するユニット支持部材とを備えており、
上記反射鏡と上記画像生成ユニットとの間に偏光板が配置されており、
上記ユニット支持部材に、上記画像生成ユニットからの出射光を透過させるための開口部が形成されており、
上記偏光板は、上記開口部の周囲において上記ユニット支持部材に支持されている、ことを特徴とするものである。
【0013】
上記「画像照射装置」は、画像表示部に表示用画像を映し出すように構成されたものであれば、その具体的な用途は特に限定されるものではなく、例えば車載用のヘッドアップディスプレイ等の用途が採用可能である。
【0014】
上記「画像表示部」は、表示用画像を映し出すように構成されたものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えば車両のフロントウインドウやその車室内側に配置された透光板等が採用可能である。
【0015】
上記「反射鏡」は、画像生成ユニットからの出射光を画像表示部へ向けて反射させるように構成されていれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。
【0016】
上記「偏光板」は、開口部の周囲においてユニット支持部材に支持されていれば、その外形形状やその具体的な配置は特に限定されるものではない。
【0017】
上記「偏光板」は、剛性板で構成されていてもよいし、可撓性を有するシート状の部材で構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本願発明に係る画像照射装置は、表示用画像を生成する画像生成ユニットと、この画像生成ユニットからの出射光を画像表示部へ向けて反射させる反射鏡と、画像生成ユニットを支持するユニット支持部材とを備えているが、反射鏡と画像生成ユニットとの間には偏光板が配置されており、また、ユニット支持部材には画像生成ユニットからの出射光を透過させるための開口部が形成されており、そして、この開口部の周囲において偏光板がユニット支持部材に支持された構成となっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0019】
すなわち、反射鏡と画像生成ユニットとの間に偏光板が配置された構成とすることにより、反射鏡で反射した太陽光が画像生成ユニットまで到達するようなことがあっても、偏光板においてその光量を低減させることができ、これにより画像生成ユニットの機能が損なわれてしまうのを効果的に抑制することができる。
【0020】
しかも、偏光板は、ユニット支持部材に形成された開口部の周囲においてユニット支持部材に支持されているので、偏光板のサイズを最小限に抑えた上で上記作用効果を得ることができ、これにより画像照射装置のコスト低減を図ることができる。
【0021】
このように本願発明によれば、画像生成ユニットからの出射光によって画像表示部に表示用画像を映し出すように構成された画像照射装置において、安価な構成によって画像生成ユニットの機能が損なわれてしまうのを効果的に抑制することができる。
【0022】
上記構成において、さらに、画像生成ユニットとして、液晶パネルとこの液晶パネルに対してバックライト照射を行う光学ユニットとを備えた構成とすれば、表示用画像の元となる画像を効率良く生成することができる。
【0023】
その際、ユニット支持部材として、液晶パネルを支持する第1支持部材と光学ユニットを支持する第2支持部材との組付けによって構成されたものとした上で、偏光板が第1支持部材に支持された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0024】
すなわち、単一のユニット支持部材に対して液晶パネルおよび光学ユニットを組み付けるようにした場合には、液晶パネルをユニット支持部材に組み付けた上で、液晶パネルの周囲において光学ユニットをユニット支持部材に組み付けることが必要となり、このためユニット支持部材が大型化しやすくなってしまう。
【0025】
これに対し、ユニット支持部材として、液晶パネルを支持する第1支持部材と光学ユニットを支持する第2支持部材との組付けによって構成されたものとすることにより、液晶パネルの周囲において光学ユニットをユニット支持部材に組み付ける必要をなくすことができ、これによりユニット支持部材が大型化してしまうのを未然に防止することができる。その際、偏光板は第1支持部材に支持されているので、ユニット支持部材による偏光板の支持が容易かつ確実に行われるようにすることができる。
【0026】
さらに、このような構成を採用した場合において、第2支持部材の複数箇所にボス部が形成された構成とした上で、これら複数箇所のボス部において光学ユニットが第2支持部材にネジ締め固定された構成とすれば、ユニット支持部材による光学ユニットの支持が確実に行われるようにすることができる。
【0027】
上記構成において、さらに、偏光板として、液晶パネルから出射する偏光と同じ方向に振動する偏光を透過させるように構成されたものとすれば、画像生成ユニットから反射鏡へ向かう出射光の光量を低減させてしまうことなく、液晶パネルに到達する太陽光の光量を低減させることができる。そしてこれにより画像生成ユニットの機能を最大限に維持することができる。
【0028】
上記構成において、さらに、偏光板として、液晶パネルが延びる方向に対して傾斜した方向に延びるように配置された構成とすれば、偏光板の表面で反射した太陽光によって画像表示部あるいはその周辺領域に表示用画像以外の無用な画像が不用意に形成されてしまうのを効果的に抑制することができる。
【0029】
上記構成において、さらに、ユニット支持部材による画像生成ユニットの支持がヒートシンクを介して行われる構成とすれば、熱による画像生成ユニットの機能低下を効果的に抑制することができる。
【0030】
その際、ヒートシンクとして、画像生成ユニットが固定された本体部とこの本体部から延びるように形成された少なくとも1つのフランジ部とを備えた構成とする一方、ユニット支持部材として少なくとも1つのスリットが形成された構成とした上で、画像生成ユニットとして、少なくとも1つのフランジ部が少なくとも1つのスリットに挿入された状態で、その本体部においてユニット支持部材にネジ締め固定された構成とすれば、ネジ締め固定箇所を最小限に抑えた上で、画像生成ユニットをユニット支持部材に対して位置決め固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本願発明の一実施形態に係る画像照射装置を車両に搭載した状態で示す側断面図
【
図6】上記実施形態の第1変形例を示す、
図3と同様の図
【
図9】上記第1変形例に係る画像照射装置の組付けの様子を示す側断面図
【
図10】上記実施形態の第2変形例を示す、
図3と同様の図
【
図11】上記実施形態の第3変形例を示す、
図3と同様の図
【
図13】上記第3変形例に係る画像照射装置の組付けの様子を示す後面図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0033】
図1は、本実施形態に係る画像照射装置10を車両100に搭載された状態で示す側断面図である。また、
図2は、
図1のII方向矢視図である。
【0034】
図1、2において、Xで示す方向が画像照射装置10としての「前方」(車両としても「前方」)であり、Yで示す方向が「前方」と直交する「左方向」であり、Zで示す方向が「上方向」である。
図1、2以外の図においても同様である。
【0035】
図1、2に示すように、本実施形態に係る画像照射装置10は、車載用のヘッドアップディスプレイであって、車両100の車室内に配置された状態で、画像表示部としてのフロントウインドウ102の表示用領域102Aに表示用画像PICを虚像として映し出すように構成されている。
【0036】
図1に示す光路Rは、画像照射装置10によってフロントウインドウ102の表示用領域102Aに映し出された表示用画像PICをドライバー2が視覚的に認知する際の光路である。
【0037】
表示用領域102Aは、フロントウインドウ102の下部領域でかつステアリングホイール104の前方領域に位置設定されており、これにより車両100のドライバー2が視覚的に容易に認知し得るようになっている。なお、
図2においては、表示用画像PICの具体例として、左向きの矢印と共に車両速度(50Km/h)が表示された状態を示している。
【0038】
画像照射装置10は、ステアリングホイール104の前方でかつフロントウインドウ102の下方近傍に位置するように配置されている。
【0039】
図1に示すように、画像照射装置10は、表示用画像PICの元となる画像を生成する画像生成ユニット20と、この画像生成ユニット20からの出射光をフロントウインドウ102の表示用領域102Aへ向けて反射させる反射鏡40と、これら画像生成ユニット20および反射鏡40を収容するハウジング50と、このハウジング50に装着された透光カバー60とを備えた構成となっている。
【0040】
【0041】
図3に示すように、ハウジング50は、上方へ向けて開口するように形成された第1ハウジング52に対して第2ハウジング54が組み付けられた構成となっている。具体的には、第2ハウジング54は、外周フランジ部54bを有しており、この外周フランジ部54bを第1ハウジング52の周壁部52aの上端面に当接させた状態で第1ハウジング52に組み付けられている。
【0042】
第1および第2ハウジング52、54は、いずれも不透明の樹脂成形品で構成されている。第2ハウジング54には、反射鏡40からの反射光を表示用領域102Aへ向けて透過させるための上部開口部54aが形成されている。
【0043】
透光カバー60は、無色透明の樹脂製パネルで構成されている。この透光カバー60は、下方側に湾曲した状態でかつ装置後方へ向けてやや上方側に傾斜した状態で、第2ハウジング54の上部開口部54aを覆うように配置されている。そして、この透光カバー60は、反射鏡40で反射した画像生成ユニット20からの出射光が表示用領域102Aに入射するのを許容した上で、ハウジング50の内部空間12の防塵性を確保するようになっている。
【0044】
第2ハウジング54には、上部開口部54aの後端縁から内部空間12に向けて斜め下前方に延びる遮光片部54cが形成されている。そして、この遮光片部54cによって、フロントウインドウ102および透光カバー60を介して内部空間12に入射した太陽光Sが直射光として画像生成ユニット20に到達してしまうのを防止するようになっている。
【0045】
画像生成ユニット20は、内部空間12の後部領域に配置されており、反射鏡40は、内部空間12の前部領域に配置されている。
【0046】
反射鏡40は、凹面鏡として構成されており、その反射面40aは装置正面視において横長矩形状の外形形状を有している。そして、画像生成ユニット20は、この反射鏡40に対してその左右方向の中心に位置するように配置されている。
【0047】
画像生成ユニット20は、液晶パネル22とこの液晶パネル22に対してその背面側(すなわち装置後方側)からバックライト照射を行う光学ユニット30とを備えている。そして、この画像生成ユニット20は、光学ユニット30からのバックライト照射光によって、液晶パネル22上に表示用画像PICの元となる画像を生成するように構成されている。
【0048】
画像生成ユニット20はユニット支持部材70に支持されており、このユニット支持部材70は第1ハウジング52に支持されている。
【0049】
図4、5に示すように、ユニット支持部材70は、装置前後方向と直交する鉛直面に沿って配置されており、その左右両端部において第1ハウジング52に固定されている。この固定は、ユニット支持部材70の左右両端部の上下2箇所に形成された左右2対のボス部70cに対して装置後方側からネジ72を締め付けることによって行われている。
【0050】
液晶パネル22は、横長矩形状の外形形状を有しており、装置前後方向と直交する鉛直面に沿って配置された状態で、ユニット支持部材70の後面に固定されている。この液晶パネル22は、光学ユニット30からのバックライト照射光を水平方向に振動する偏光として透過させるように構成されている。
【0051】
ユニット支持部材70には、光学ユニット30からのバックライト照射光の照射範囲を規定するための開口部70aが形成されている。この開口部70aは、横長矩形状の開口形状を有しており、これにより光学ユニット30からのバックライト照射光が液晶パネル22を介して反射鏡40の反射面40aに入射するのを許容するようになっている。なお、この開口部70aは、装置前方へ向かってテーパー状に拡がるように形成されている。
【0052】
ユニット支持部材70の上下両端部には、装置後方側へ向けて延びる水平フランジ部70bが形成されており、これら上下1対の水平フランジ部70bによって液晶パネル22を位置決めするようになっている。
【0053】
光学ユニット30は、光源としての発光素子32と、この発光素子32を搭載する基板34と、発光素子32からの出射光を偏向制御するレンズ36と、このレンズ36を支持するレンズホルダ38とを備えている。
【0054】
レンズ36は、両凸レンズ状の鉛直断面形状を有するとともに平凸レンズ状の水平断面形状を有しており、これにより光学ユニット30からのバックライト照射光を液晶パネル22を介して反射鏡40の反射面40aに効率良く入射させるようになっている。このレンズ36は、その外周フランジ部36aにおいてレンズホルダ38に支持されている。
【0055】
基板34は、発光素子32の発光面が装置正面方向を向くように装置前後方向と直交する鉛直面に沿って配置された状態で、その後面においてヒートシンク24に支持されている。また、レンズホルダ38も、その後端面においてヒートシンク24に支持されている。
【0056】
ヒートシンク24は、装置前後方向と直交する鉛直面に沿って平板状に延びる本体部24Aと、この本体部24Aから左右方向に間隔をおいて装置後方へ向けて延びる複数の放熱フィン24Bとを備えている。
【0057】
光学ユニット30は、その左右両端部においてユニット支持部材70に固定されている。この固定は、レンズホルダ38の左右両側部の上下2箇所に形成されたタブ状の取付け部38aを、ユニット支持部材70に形成された左右2対のボス部70dに当接させた状態で装置後方側からネジ74を締め付けることによって行われている。
【0058】
図3に示すように、ハウジング50の内部空間12には、反射鏡40と画像生成ユニット20との間に偏光板80が配置されている。この偏光板80は、剛性を有する板状部材であって、装置前後方向と直交する鉛直面に対して前傾した状態で配置されており、開口部70aの周囲においてユニット支持部材70に支持されている。これを実現するため、ユニット支持部材70の前面には、開口部70aを囲むようにして装置前方へ向けて突出する環状フランジ部70eが形成されており、この環状フランジ部70eの前端面において偏光板80を前傾状態で位置決め支持するようになっている。
【0059】
偏光板80は、液晶パネル22を透過した光学ユニット30からのバックライト照射光を、水平方向に振動する偏光として(すなわち液晶パネル22から出射する偏光と同じ方向に振動する偏光として)透過させるように構成されている。
【0060】
図4に示すように、反射鏡40は、第1ハウジング52に対して左右方向に延びる軸線Ax回りに回動可能に支持されている。
【0061】
第1ハウジング52には、反射鏡40を軸線Ax回りに回動させるためのアクチュエータ42が固定されている。この固定は、アクチュエータ42の2箇所に形成されたタブ状の取付け部42bにおいて、第1ハウジング52の下壁部52bにネジ44を締め付けることにより行われている。
【0062】
反射鏡40は、その反射面40aの背面(すなわち装置前方側の表面)の左右両側部から背面側に突出するように形成された鉛直フランジ部40bを備えており、これら左右1対の鉛直フランジ部40bには、軸線Axに沿って左右方向外側へ向けて突出する左右1対の軸部40c、40dが形成されている。左側(装置正面視では右側)の軸部40cは、第1ハウジング52の周壁部52aの内面に形成された載置部52cに載置されており、右側の軸部40dは、アクチュエータ42の出力軸42aに直接連結されている。
【0063】
なお、載置部52cは略U字状の載置面を有しており、また、第2ハウジング54には、この載置部52cに載置された軸部40cに上方側から当接して反射鏡40を位置決めするための当接部(図示せず)が形成されている。
【0064】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0065】
本実施形態に係る画像照射装置10は、表示用画像PICを生成する画像生成ユニット20と、この画像生成ユニット20からの出射光をフロントウインドウ102の表示用領域102A(画像表示部)へ向けて反射させる反射鏡40と、画像生成ユニット20を支持するユニット支持部材70とを備えているが、反射鏡40と画像生成ユニット20との間には偏光板80が配置されており、また、ユニット支持部材70には画像生成ユニット20からの出射光を透過させるための開口部70aが形成されており、そして、この開口部70aの周囲において偏光板80がユニット支持部材70に支持された構成となっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0066】
すなわち、反射鏡40と画像生成ユニット20との間に偏光板80が配置された構成とすることにより、
図3に示すように反射鏡40で反射した太陽光Sが画像生成ユニット20まで到達するようなことがあっても、偏光板80においてその光量を低減させることができ、これにより画像生成ユニット20の機能が損なわれてしまうのを効果的に抑制することができる。
【0067】
しかも、偏光板80は、ユニット支持部材70に形成された開口部70aの周囲においてユニット支持部材70に支持されているので、偏光板80のサイズを最小限に抑えた上で上記作用効果を得ることができ、これにより画像照射装置10のコスト低減を図ることができる。
【0068】
このように本実施形態によれば、画像生成ユニット20からの出射光によってフロントウインドウ102の表示用領域102Aに表示用画像PICを映し出すように構成された画像照射装置10において、安価な構成によって画像生成ユニット20の機能が損なわれてしまうのを効果的に抑制することができる。
【0069】
特に本実施形態においては、反射鏡40が凹面鏡として構成されており、その反射面40aで反射した太陽光Sは収束光として画像生成ユニット20に到達することとなるので、反射鏡40と画像生成ユニット20との間に偏光板80が配置された構成とすることが極めて効果的である。
【0070】
本実施形態に係る画像照射装置10は、画像生成ユニット20が液晶パネル22とこの液晶パネル22に対してバックライト照射を行う光学ユニット30とを備えた構成となっているので、表示用画像PICの元となる画像を効率良く生成することができる。
【0071】
その際、偏光板80は液晶パネル22から出射する偏光と同じ方向に振動する偏光を透過させるように構成されているので、画像生成ユニット20から反射鏡40へ向かう出射光の光量を低減させてしまうことなく、液晶パネル22に到達する太陽光Sの光量を低減させることができる。そしてこれにより画像生成ユニット20の機能を最大限に維持することができる。
【0072】
また、偏光板80は、液晶パネル22が延びる方向に対して傾斜した方向に延びるように配置されているので、偏光板80の表面で反射した太陽光Sによってフロントウインドウ102の表示用領域102Aあるいはその周辺領域に表示用画像PIC以外の無用な画像が不用意に形成されてしまうのを効果的に抑制することができる。
【0073】
上記実施形態においては、偏光板80が剛性板で構成されているものとして説明したが、可撓性を有するシート状の部材で構成することも可能であり、あるいは透光板に偏光シートが貼り付けられた構成とすることも可能である。
【0074】
上記実施形態においては、反射鏡40の反射面40aが横長矩形状の外形形状を有しているものとして説明したが、これ以外の外形形状を有する構成とすることも可能である。
【0075】
上記実施形態においては、反射鏡40の反射面40aの表面形状が凹曲面で構成されているものとして説明したが、これ以外の表面形状を有する構成とすることも可能である。
【0076】
上記実施形態においては、画像照射装置10が単一の反射鏡40を備えているものとして説明したが、画像生成ユニット20からの出射光をフロントウインドウ102の表示用領域102Aへ向けて順次反射させる複数の反射鏡を備えた構成とすることも可能であり、このような構成を採用した場合においても上記実施形態の場合と同様の作用効果を得ることが可能である。その際、画像生成ユニット20とこれに最も近い反射鏡との間に偏光板80が配置された構成とすることが特に効果的である。
【0077】
上記実施形態においては、画像表示部がフロントウインドウ102の表示用領域102Aで構成されているものとして説明したが、フロントウインドウ102の車室内側に配置された透光板等で画像表示部を構成することも可能である。
【0078】
上記実施形態においては、画像照射装置10が車載用のヘッドアップディスプレイであるものとして説明したが、これ以外の用途で用いられるものとすることも可能である。
【0079】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0080】
まず、上記実施形態の第1変形例について説明する。
【0081】
図6、7、8は、本変形例に係る画像照射装置110を示す、
図3、4、5と同様の図である。
【0082】
図6~8に示すように、本変形例に係る画像照射装置110も、その基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、画像生成ユニット120の支持構造が上記実施形態の場合と異なっている。
【0083】
すなわち、本変形例に係る画像照射装置110においても、ハウジング150に収容された画像生成ユニット120を支持するユニット支持部材170が第1ハウジング152に支持された構成となっているが、このユニット支持部材170が、液晶パネル22を支持する第1支持部材172と光学ユニット130を支持する第2支持部材174との組付けによって構成されている点で上記実施形態の場合と異なっている。
【0084】
具体的には、第2支持部材174は、装置前後方向と直交する鉛直面に沿って延びる板状部材として構成されており、その後面には上下2対のボス部174dが形成されている。一方、光学ユニット130には、そのレンズホルダ138の上下2箇所に左右1対のタブ状の取付け部138aが形成されている。そして、光学ユニット130は、上下2対の取付け部138aを上下2対のボス部174dに当接させた状態で装置後方側からネジ74を締め付けることによって第2支持部材174に固定されている。その際、上下2対のボス部174dは、装置正面視において液晶パネル22と重複する位置に形成されている。
【0085】
本変形例に係る画像照射装置110も、上記実施形態の場合と同様の偏光板80を備えており、この偏光板80は第1支持部材172に支持されている。この第1支持部材172による偏光板80の支持構造は上記実施形態の場合と同様でであって、この第1支持部材172には上記実施形態の場合と同様の環状フランジ部172eが形成されている。
【0086】
本変形例においては、光学ユニット130からのバックライト照射光の照射範囲を規定するための開口部172aが第1支持部材172に形成されている。この開口部172aは上記実施形態の開口部70aと同一の開口形状を有している。
【0087】
なお本変形例においては、第2支持部材174に、開口部172aよりも大きい開口形状を有する開口部174hが形成されており、これにより光学ユニット130からのバックライト照射光が開口部172aに入射するのを阻害しないように構成されている。
【0088】
図9は、第1支持部材172と第2支持部材174との組付けの様子を示す側断面図である。
【0089】
図9に示すように、第1支持部材172と第2支持部材174との組付けは、液晶パネル22の上下両側の左右2箇所においてランス係合によって行われている。
【0090】
すなわち、第1支持部材172には、その上下両側の左右2箇所に装置後方へ向けて延びるランス片172fが形成されており、第2支持部材174には、その上下両端部の左右2箇所にランス片172fを挿通係合させるための係合孔174gが形成されている。
【0091】
なお本変形例においても、
図7、8に示すように、上記実施形態の場合と同様、ユニット支持部材170は、その第1支持部材172における左右両端部の上下2箇所に形成された左右2対のボス部172cに対して装置後方側からネジ72を締め付けることによって行われている。
【0092】
本変形例に係る画像照射装置110においても、安価な構成によって画像生成ユニット120の機能が損なわれてしまうのを効果的に抑制することができる。
【0093】
また、本変形例の構成を採用することにより、次のような作用効果も得ることができる。
【0094】
すなわち、上記実施形態に係る画像照射装置10のように、単一のユニット支持部材70に対して液晶パネル22および光学ユニット30を組み付けるようにした場合には、液晶パネル22をユニット支持部材70に組み付けた上で、この液晶パネル22の周囲において光学ユニット30をユニット支持部材70に組み付けることが必要となり、このためユニット支持部材70が大型化しやすくなってしまう。
【0095】
これに対し本変形例のように、ユニット支持部材170として、液晶パネル22を支持する第1支持部材172と光学ユニット130を支持する第2支持部材174との組付けによって構成されたものとすることにより、液晶パネル22の周囲において光学ユニット130をユニット支持部材170に組み付ける必要をなくすことができ、これによりユニット支持部材170が大型化してしまうのを未然に防止することができる。そしてこれにより、第1ハウジング152の後部領域における周壁部152a相互間の左右幅を狭くすることができる。
【0096】
その際、偏光板80は第1支持部材172に支持されているので、ユニット支持部材170による偏光板80の支持が容易かつ確実に行われるようにすることができる。
【0097】
しかも本変形例においては、第2支持部材174の4箇所に形成されたボス部174dにおいて光学ユニット130が第2支持部材174にネジ締め固定されているので、ユニット支持部材170による光学ユニット130の支持が確実に行われるようにすることができる。
【0098】
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
【0099】
図10は、本変形例に係る画像照射装置210を示す、
図3と同様の図である。
【0100】
図10に示すように、本変形例に係る画像照射装置210も、その基本的な構成は上記第1変形例の場合と同様であるが、画像生成ユニット220を支持するユニット支持部材270の構成が上記第1変形例の場合と一部異なっている。
【0101】
すなわち、本変形例の画像生成ユニット220も上記第1変形例の画像生成ユニット120と同様の構成を有しており、また、本変形例のユニット支持部材270も、液晶パネル22を支持する第1支持部材272と光学ユニット130を支持する第2支持部材274との組付けによって構成されているが、光学ユニット130からのバックライト照射光の照射範囲を規定するための開口部274aが第2支持部材274に形成されている点で上記第1変形例の場合と異なっている。この開口部274aは、上記第1変形例の開口部172aと略同一の開口形状を有している。なお、この開口部70aは、装置後方へ向かってテーパー状に拡がるように形成されている。
【0102】
一方、本変形例の第1支持部材272には、上記第1変形例の環状フランジ部172eと同様の環状フランジ部272eが形成されているが、第1支持部材272の中央部には、上記第1変形例の開口部172aの代わりに環状フランジ部272eの内周面形状に沿った横長矩形状の開口部272hが形成されている。
【0103】
本変形例の構成を採用した場合においても、上記第1変形例の場合と略同様の作用効果を得ることができる。
【0104】
次に、上記実施形態の第3変形例について説明する。
【0105】
図11、12は、本変形例に係る画像照射装置310を示す、
図3、4と同様の図である。また、
図13は、画像照射装置310の組付けの様子を示す後面図である。
【0106】
図11~13に示すように、本変形例に係る画像照射装置310も、その基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、画像生成ユニット320の支持構造が上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0107】
すなわち、本変形例に係る画像照射装置310も、上記実施形態の画像生成ユニット20と同様の構成を有する画像生成ユニット320がハウジング350に収容された構成となっているが、この画像生成ユニット320がヒートシンク324を介して第1ハウジング352に直接支持されている点で上記実施形態の場合と異なっている。すなわち本変形例においては、画像生成ユニット320を支持するユニット支持部材が第1ハウジング352で構成されている。
【0108】
ヒートシンク324は金属板の曲げ加工品として構成されている。このヒートシンク324は、装置前後方向と直交する鉛直面に沿って延びる鉛直本体部324A1と、この鉛直本体部324A1の下端位置から水平面に沿って装置前方へ向けて延びる水平本体部324A2と、鉛直本体部324A1の左右両側縁部から装置後方へ向けて鉛直面に沿って延びる左右1対の鉛直フランジ部324Bとを備えた構成となっている。
【0109】
一方、第1ハウジング352には、その内部空間12の装置後方側に位置する周壁部352aに、複数のスリット352dが形成されている。これら複数のスリット352dは、左右方向に等間隔をおいて上下方向に延びるように形成されている。その際、複数のスリット352dは、第1ハウジング352の下壁部352bの上方近傍位置から周壁部352aの上端面まで延びており、各スリット352dはヒートシンク324の板厚よりも僅かに広い左右幅で形成されている。
【0110】
そして、ヒートシンク324は、その鉛直本体部324A1が第1ハウジング352の周壁部352aの装置前方近傍に位置するように配置された状態で、かつ、その左右1対の鉛直フランジ部324Bが複数のスリット352dのうち最外側に位置する左右1対のスリット352dに挿入された状態で、その水平本体部324A2が第1ハウジング352の下壁部352bに載置されており、この状態で第1ハウジング352に固定されている。この固定は、ヒートシンク324の水平本体部324A2の前端縁近傍における左右方向中心位置に形成されたネジ挿通孔324A2aにネジ76を挿通させて第1ハウジング352の下壁部352bに形成されたボス部352eにネジ締めすることによって行われている。
【0111】
ヒートシンク324の鉛直本体部324A1は、光学ユニット30よりも上方まで延びるように形成されている。一方、第2ハウジング354の後端部には、下方へ向けて延びる左右1対の鉛直リブ354dが装置前後方向に延びる鉛直面に沿って形成されている。そして、第2ハウジング354が第1ハウジング352に装着されたとき、左右1対の鉛直リブ354dの下端面がヒートシンク324の鉛直本体部324A1の上端面に当接し、これによりヒートシンク324が上下方向に関して位置決めされるようになっている。このとき同時に、左右1対のスリット352dに挿入された左右1対の鉛直フランジ部324Bの下端面が複数のスリット352dの底面に当接し、これによってもヒートシンク324が上下方向に関して位置決めされるようになっている。さらに、左右1対の鉛直フランジ部324Bが複数のスリット352dのうち最外側に位置する左右1対のスリット352dに挿入されることによって、ヒートシンク324が左右方向に関しても位置決めされるようになっている。
【0112】
本変形例に係る画像照射装置310は、上記実施形態のユニット支持部材70と略同様の構成を有する支持部材390を備えており、この支持部材390に対して液晶パネル22および偏光板80が光学ユニット30と共に支持された構成となっている。
【0113】
この支持部材390には、上記実施形態のユニット支持部材70と同様、光学ユニット30からのバックライト照射光の照射範囲を規定するための開口部390aが形成されており、また、その上下両端部には装置後方側へ延びる水平フランジ部390bが形成されており、さらに、この支持部材390の前面には、開口部70aを囲むようにして装置前方へ向けて突出する環状フランジ部390eが形成されているが、上記実施形態のユニット支持部材70のように環状フランジ部70eよりも左右両側に張り出す部分は存在していない。
【0114】
すなわち、支持部材390は、その環状フランジ部390eの両側面までの左右幅を有する構成となっており、液晶パネル22および偏光板80を支持する機能は有しているが、第1ハウジング352に対して画像生成ユニット320を支持するための機能は有していない。
【0115】
光学ユニット30は、その左右両端部の上下2箇所において支持部材390に固定されている。この固定構造は上記実施形態における光学ユニット30のユニット支持部材70への固定構造と同様である。
【0116】
本変形例の構成を採用した場合においても、画像照射装置310として、安価な構成によって画像生成ユニット320の機能が損なわれてしまうのを効果的に抑制することができる。
【0117】
また、本変形例の構成を採用することにより、次のような作用効果も得ることができる。
【0118】
すなわち、ユニット支持部材としての第1ハウジング352による画像生成ユニット320の支持がヒートシンク324を介して行われているので、熱による画像生成ユニット320の機能低下を効果的に抑制することができる。
【0119】
すなわち、ヒートシンク324は、画像生成ユニット320が固定された鉛直本体部324A1(本体部)とこの鉛直本体部324A1から装置後方へ向けてハウジング350の外部空間まで延びるように形成された左右1対の鉛直フランジ部324Bとを備えているので、左右1対の鉛直フランジ部324Bが放熱フィンとして効率良く機能し、これにより画像生成ユニット320の放熱を図ることができる。
【0120】
その際、ヒートシンク324は、左右1対の鉛直フランジ部324Bが第1ハウジング352に形成された複数のスリット352dのうち最外側に位置する左右1対のスリット352dに挿入された状態で、その水平本体部324A2が第1ハウジング352の下壁部352bに載置された状態で下壁部352bにネジ締め固定されているので、ネジ締め固定箇所を最小限に抑えた上で、画像生成ユニット320をユニット支持部材としての第1ハウジング352に対して位置決め固定することができる。
【0121】
特に本変形例においては、第2ハウジング354が第1ハウジング352に装着されたとき、第2ハウジング354に形成された左右1対の鉛直リブ354dの下端面がヒートシンク324の鉛直本体部324A1の上端面に当接し、これによりヒートシンク324を上下方向に関して位置決めする構成となっているので、ネジ締め固定箇所を1箇所に設定することができる。
【0122】
なお本変形例においては、画像生成ユニット320がヒートシンク324を介してユニット支持部材としての第1ハウジング352に直接支持されているが、光学ユニット30は支持部材390に固定されているので、この支持部材390もユニット支持部材の一部を構成する要素となっている。
【0123】
上記第3変形例においては、第1ハウジング352の周壁部352aに、複数のスリット352dが形成されているものとして説明したが、これら複数のスリット352dの代わりに単一の凹部が形成された構成とすることも可能である。
【0124】
上記第3変形例においては、ヒートシンク324が金属板の曲げ加工品として構成されているものとして説明したが、ダイカスト成形品等として構成されたものとすることも可能であり、その際、単一または複数の放熱フィンが形成された構成とすることが可能である。
【0125】
上記第3変形例においては、画像生成ユニット320がヒートシンク324を介してユニット支持部材としての第1ハウジング352に支持されているものとして説明したが、画像生成ユニット320がヒートシンク324を介してハウジング350の内部空間12に配置されたユニット支持部材に支持された構成とすることも可能である。
【0126】
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【0127】
また本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
【符号の説明】
【0128】
2 ドライバー
10、110、210、310 画像照射装置
12 内部空間
20、120、220、320 画像生成ユニット
22 液晶パネル
24 ヒートシンク
24A 本体部
24B 放熱フィン
30、130 光学ユニット
32 発光素子
34 基板
36 レンズ
36a 外周フランジ部
38、138 レンズホルダ
38a、42b、138a 取付け部
40 反射鏡
40a 反射面
40b 鉛直フランジ部
40c、40d 軸部
42 アクチュエータ
42a 出力軸
44、72、74、76 ネジ
50、150、350 ハウジング
52、152 第1ハウジング
52a、152a、352a 周壁部
52b、352b 下壁部
52c 載置部
54、154、354 第2ハウジング
54a 上部開口部
54b 外周フランジ部
54c 遮光片部
60 透光カバー
70、170、270 ユニット支持部材
70a、172a、274a、390a 開口部
70b、390b 水平フランジ部
70c、70d、172c、174d、352e ボス部
70e、172e、272e、390e 環状フランジ部
80 偏光板
100 車両
102 フロントウインドウ
102A 表示用領域(画像表示部)
104 ステアリングホイール
172、272 第1支持部材
172f ランス片
174、274 第2支持部材
174g 係合孔
174h、272h 開口部
324 ヒートシンク
324A1 鉛直本体部(本体部)
324A2 水平本体部(本体部)
324A2a ネジ挿通孔
324B 鉛直フランジ部
352 第1ハウジング(ユニット支持部材)
352d スリット
354d 鉛直リブ
390 支持部材
Ax 軸線
PIC 表示用画像
R 光路
S 太陽光