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特開2024-68788仮想通貨のマイニングシステム及びマイニング方法
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  • 特開-仮想通貨のマイニングシステム及びマイニング方法 図1
  • 特開-仮想通貨のマイニングシステム及びマイニング方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068788
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】仮想通貨のマイニングシステム及びマイニング方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20240514BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179378
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】517455937
【氏名又は名称】西村 英士
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】西村 英士
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA21
5L049AA21
(57)【要約】
【課題】マイニングに要する経費を低く抑えて効率よくマイニングを行う。
【解決手段】昼間帯よりも夜間帯の方が電気料金が安い家庭において仮想通貨のマイニングを行うシステム1であって、仮想通貨のマイニング用機器2と、ポータブル充電器3と、家庭用電源4からポータブル充電器又は/及びマイニング用機器への電力の供給を制御する制御装置とを備え、制御装置は、夜間帯において家庭用電源からマイニング用機器及びポータブル充電器に電力を供給し、昼間帯においてポータブル充電器からマイニング用機器に電力を供給し、ポータブル充電器からマイニング用機器への電力の供給が停止すると、家庭用電源からマイニング用機器への電力の供給を開始する仮想通貨のマイニングシステム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昼間帯よりも夜間帯の方が電気料金が安い家庭において仮想通貨のマイニングを行うシステムであって、
仮想通貨のマイニング用機器と、
ポータブル充電器と、
家庭用電源から前記ポータブル充電器又は/及び前記マイニング用機器への電力の供給を制御する制御装置とを備え、
該制御装置は、夜間帯において前記家庭用電源から前記マイニング用機器及び前記ポータブル充電器に電力を供給し、昼間帯において前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器に電力を供給し、前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器への電力の供給が停止すると、前記家庭用電源から前記マイニング用機器への電力の供給を開始することを特徴とする仮想通貨のマイニングシステム。
【請求項2】
さらに太陽光発電設備、風力発電設備及び水力発電設備から選択される少なくとも一つの発電設備を備え、
前記制御装置は、夜間帯において前記家庭用電源から前記マイニング用機器及び前記ポータブル充電器に電力を供給し、昼間帯において前記少なくとも一つの発電設備から前記マイニング用機器に電力を供給し、前記少なくとも一つの発電設備から前記マイニング用機器への電力の供給レベルが所定の値以下になると、該少なくとも一つの発電設備から前記マイニング用機器への電力の供給を停止して前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器に電力を供給し、前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器への電力の供給が停止すると、前記家庭用電源から前記マイニング用機器への電力の供給を開始することを特徴とする請求項1に記載の仮想通貨のマイニングシステム。
【請求項3】
昼間帯よりも夜間帯の方が電気料金が安い家庭において仮想通貨のマイニングを行う方法であって、
夜間帯において家庭用電源からマイニング用機器及びポータブル充電器に電力を供給し、
昼間帯において前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器に電力を供給し、前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器への電力の供給が停止すると、前記家庭用電源から前記マイニング用機器への電力の供給を開始することを特徴とする仮想通貨のマイニング方法。
【請求項4】
夜間帯において前記家庭用電源から前記マイニング用機器及び前記ポータブル充電器に電力を供給し、
昼間帯において太陽光発電設備、風力発電設備及び水力発電設備から選択される少なくとも一つの発電設備から前記マイニング用機器に電力を供給し、前記少なくとも一つの発電設備から前記マイニング用機器への電力の供給レベルが所定の値以下になると、該少なくとも一つの発電設備から前記マイニング用機器への電力の供給を停止して前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器に電力を供給し、前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器への電力の供給が停止すると、前記家庭用電源から前記マイニング用機器への電力の供給を開始することを特徴とする請求項3に記載の仮想通貨のマイニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想通貨のマイニングシステム及びマイニング方法に関し、特に、一般家庭等においてマイニングに要する経費を低く抑えて効率よくマイニングを行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上でやり取りされるビットコイン(登録商標)、イーサリアム(登録商標)、リップル(登録商標)等の仮想通貨(暗号資産)をマイニング用機器(マイニング専用機器又はマイニングを行うためのソフトウェアを搭載したコンピュータもしくは機器等)で取引データを承認する作業(マイニング)を行うと、作業に対する報酬を新たに発行された仮想通貨で受け取ることができる。このマイニングは、マイニングを行う人(マイナー)のすべてが取引データを承認することができるのではなく、取引データの承認をするための膨大な計算を最も早く完了したマイナーのみが行うことができる。
【0003】
そこで、上記マイニングを効率よく行なうため、マイニング用機器の処理能力を高めたり、マイニング用機器の設置台数を多くするなどの対応が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、マイニング用機器に多くの電力が消費されるため、マイニング用機器の運転コストが高くなると、マイニングによって得られる報酬が圧迫される。そのため、特に一般家庭等の小規模住宅等においてマイニング用機器を運転するための電力をなるべく安く確保することが求められる。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、マイニング用機器の運転コストを低く抑えて効率よくマイニングを行うことができるマイニングシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の仮想通貨のマイニングシステムは、昼間帯よりも夜間帯の方が電気料金が安い家庭において仮想通貨のマイニングを行うシステムであって、仮想通貨のマイニング用機器と、ポータブル充電器と、家庭用電源から前記ポータブル充電器又は/及び前記マイニング用機器への電力の供給を制御する制御装置とを備え、該制御装置は、夜間帯において前記家庭用電源から前記マイニング用機器及び前記ポータブル充電器に電力を供給し、昼間帯において前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器に電力を供給し、前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器への電力の供給が停止すると、前記家庭用電源から前記マイニング用機器への電力の供給を開始することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、夜間帯において安い電気料金でマイニングを行うと共に、昼間帯において電気料金の安い夜間帯に充電した電力を用いてマイニングを行うため、マイニング用機器の運転コストを低く抑えて効率よくマイニングを行うことができる。また、昼間帯においてポータブル充電器からマイニング用機器への電力の供給が停止しても、家庭用電源を用いてマイニングを継続することができる。さらに、ポータブル充電器を用いるため、一般家庭等の小規模住宅等においても容易にシステムを構築することができる。
【0008】
上記マイニングシステムは、さらに太陽光発電設備、風力発電設備及び水力発電設備から選択される少なくとも一つの発電設備を備え、前記制御装置は、夜間帯において前記家庭用電源から前記マイニング用機器及び前記ポータブル充電器に電力を供給し、昼間帯において前記少なくとも一つの発電設備から前記マイニング用機器に電力を供給し、前記少なくとも一つの発電設備から前記マイニング用機器への電力の供給レベルが所定の値以下になると、該少なくとも一つの発電設備から前記マイニング用機器への電力の供給を停止して前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器に電力を供給し、前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器への電力の供給が停止すると、前記家庭用電源から前記マイニング用機器への電力の供給を開始することができる。太陽光発電設備等を利用することで、昼間帯でマイニング用機器の運転コストをさらに低く抑えることができ、太陽光発電設備等の電力の供給レベルが低下しても、ポータブル充電器や家庭用電源を用いてマイニングを継続することができる。
【0009】
また、本発明は、昼間帯よりも夜間帯の方が電気料金が安い家庭において仮想通貨のマイニングを行う方法であって、夜間帯において家庭用電源からマイニング用機器及びポータブル充電器に電力を供給し、昼間帯において前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器に電力を供給し、前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器への電力の供給が停止すると、前記家庭用電源から前記マイニング用機器への電力の供給を開始することを特徴とする。本発明によれば、上記発明と同様に、マイニング用機器の運転コストを低く抑えて効率よくマイニングを行うことができ、昼間帯においてポータブル充電器からマイニング用機器への電力の供給が停止しても、家庭用電源を用いてマイニングを継続することができ、ポータブル充電器を用いることで一般家庭等の小規模住宅等においても容易に実施することができる。
【0010】
上記マイニング方法において、夜間帯において前記家庭用電源から前記マイニング用機器及び前記ポータブル充電器に電力を供給し、昼間帯において太陽光発電設備、風力発電設備及び水力発電設備から選択される少なくとも一つの発電設備から前記マイニング用機器に電力を供給し、前記少なくとも一つの発電設備から前記マイニング用機器への電力の供給レベルが所定の値以下になると、該少なくとも一つの発電設備から前記マイニング用機器への電力の供給を停止して前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器に電力を供給し、前記ポータブル充電器から前記マイニング用機器への電力の供給が停止すると、前記家庭用電源から前記マイニング用機器への電力の供給を開始することができる。太陽光発電設備等を利用することで、昼間帯でマイニング用機器の運転コストをさらに低く抑えることができ、太陽光発電設備等の電力の供給レベルが低下しても、ポータブル充電器や家庭用電源を用いてマイニングを継続することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、マイニング用機器の運転コストを低く抑えて効率よくマイニングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るマイニングシステムの第1の実施形態を説明するための概略図であって、(a)は夜間帯、(b)は昼間帯の運転要領を示す。
図2】本発明に係るマイニングシステムの第2の実施形態を説明するための概略図であって、(a)は夜間帯、(b)は昼間帯の第1段階、(c)は昼間帯の第2段階を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る仮想通貨のマイニングシステムの第1の実施形態を示し、このシステム1は、マイニング用機器2と、マイニング用機器2に電力を供給するポータブル充電器3と、家庭用電源4からマイニング用機器2、ポータブル充電器3への電力の供給を制御する制御装置(不図示)で構成される。
【0015】
マイニング用機器2とは、例えば、Bitmain社製のAntminerやPassion Mining社製のGPU -5th Generation-等のマイニング専用機や、マイニングを行うためのソフトウェアを搭載したコンピュータ、スマートフォン等である。マイニングの対象となる仮想通貨は特に限定されない。
【0016】
ポータブル充電器3は、家庭用電源で充電することができ、マイニング用機器2に給電してマイニング用機器2が運転可能であれば、種類や容量は問わない。
【0017】
次に、上記システム1を用いた本発明に係る仮想通貨のマイニング方法について図1を参照しながら説明する。
【0018】
本発明に係る仮想通貨のマイニング方法は、昼間帯よりも夜間帯(深夜帯)の方が電気料金が安い家庭等において実施する。電気料金が昼間帯よりも安くなる時間帯は地域等によって異なるが、概ね21時前後~翌8時前後となっている。
【0019】
そこで、図1(a)に示すように、夜間帯において家庭用電源4でマイニング用機器2を運転してマイニングを行うと共に、ポータブル充電器3に充電する。一方、昼間帯に入ると、図1(b)に示すように、充電済みのポータブル充電器3からマイニング用機器2に電力を供給してマイニングを行う。この際、家庭用電源4はマイニング用機器2への電力供給の待機状態にある。マイニングを行っている間にポータブル充電器3からマイニング用機器2への電力の供給が停止すると、制御装置によって家庭用電源4へ電源を切り替えてマイニング用機器2へ電力を供給し、マイニングを継続する。
【0020】
次に、本発明に係る仮想通貨のマイニングシステムの第2の実施形態について、図2を参照しながら説明する。
【0021】
このシステム11は、上記システム1と同様のマイニング用機器2と、ポータブル充電器3に加え、太陽光発電設備5(図2(b)参照)を備える。太陽光発電設備5は、太陽電池(太陽光パネル)を用いて太陽光の日射を電気エネルギーに変換し、発電する設備である
【0022】
上記システム11を用いた本発明に係る仮想通貨のマイニング方法について図2を参照しながら説明する。本実施形態においても、昼間帯よりも夜間帯(深夜帯)の方が電気料金が安い家庭等において実施する。
【0023】
図2(a)に示すように、夜間帯において家庭用電源4でマイニング用機器2を運転してマイニングを行うと共に、ポータブル充電器3に充電する。この点は、上記システム1の場合と同じである。
【0024】
一方、昼間帯に入ると、図2(b)に示すように、まず太陽光発電設備5からマイニング用機器2に電力を供給してマイニングを行う。この際、ポータブル充電器3は、マイニング用機器2への電力供給の待機状態にある。マイニングを行っている間に、太陽光発電設備5からマイニング用機器2への電力の供給レベルが所定の値以下になると、太陽光発電設備5からマイニング用機器2への電力の供給を停止し、図2(c)に示すように、ポータブル充電器3からマイニング用機器2に電力を供給してマイニングを継続する。この際、家庭用電源4はマイニング用機器2への電力供給の待機状態にある。マイニングを行っている間にポータブル充電器3からマイニング用機器2への電力の供給が停止すると、制御装置によって家庭用電源4へ電源を切り替えてマイニング用機器2へ電力を供給し、マイニングを継続する。
【0025】
尚、上記実施の形態においては、太陽光発電設備5を用いて発電する場合を例示したが、太陽光発電設備5に代えて又は太陽光発電設備5と共に、風力発電設備や水力発電設備を用いてもよい。
【符号の説明】
【0026】
1、11 マイニングシステム
2 マイニング用機器
3 ポータブル充電器
4 家庭用電源
5 太陽光発電設備
図1
図2