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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068826
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】レフィル容器及び化粧料容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 33/00 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A45D33/00 640
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179422
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 知也
(72)【発明者】
【氏名】百北 夏子
(57)【要約】
【課題】気密を確保しつつ、蓋の浮き上がりを抑制できるレフィル容器及び化粧料容器を提供する。
【解決手段】一実施形態に係るレフィル容器は、第1収容部21及び第2収容部22を有する容器本体12と、蓋13と、リング部材14とを備える。蓋13は第1突起23を有する。第1突起23は、蓋13の外側に突出する第1凸部23bと、第1凸部23bから下方に延在する延在部23cとを有する。第2収容部22は、内壁部12dと、平面視において内壁部12dの外側に位置する外壁部12fと、底部12gとによって画成されている。外壁部12fは、第1突起23が第2収容部22に入り込んだときに平面視における外側から延在部23cに当接する第1当接部22bと、第1突起23が第2収容部22が入り込んだときに第1凸部23bが入り込む第1凹部22cとを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料を収容するレフィル容器であって、
前記化粧料が入り込む開口を有し前記開口から入り込んだ前記化粧料を収容する第1収容部、及び、平面視における前記第1収容部の外側に位置する第2収容部を有する容器本体と、
前記容器本体に開閉自在に取り付けられており、閉じたときに前記第1収容部及び前記第2収容部を封止する蓋と、
前記容器本体の前記第2収容部に収容された状態で前記開口の一部を塞ぐことにより、前記第1収容部からの前記化粧料の抜けを抑制するリング部材と、
を備え、
前記蓋は、閉じたときに前記第2収容部に入り込む第1突起を有し、
前記第1突起は、平面視において前記蓋の外側に突出する第1凸部と、前記蓋が閉じた状態で前記第1凸部から下方に延在する延在部と、を有し、
前記容器本体の前記第2収容部は、前記化粧料に対向する内壁部と、平面視において前記内壁部の外側に位置する外壁部と、前記内壁部の下端から前記外壁部の下端まで延びる底部と、によって画成されており、
前記外壁部は、前記第1突起が前記第2収容部に入り込んだときに平面視における外側から前記延在部に当接する第1当接部と、前記第1突起が前記第2収容部が入り込んだときに前記第1凸部が入り込む第1凹部と、を有する、
レフィル容器。
【請求項2】
前記外壁部は、前記第1当接部よりも下方において平面視における外側に窪む第2凹部を有し、
前記リング部材は、平面視における外側に突出し且つ前記第2凹部に嵌まり込む第2突起を有する、
請求項1に記載のレフィル容器。
【請求項3】
前記リング部材は、前記第2収容部において上下方向に延在する壁部を有し、
前記壁部は、平面視における外側から前記内壁部に当接する第2当接部と、前記第2当接部よりも下方において平面視における外側から前記内壁部に当接する第3当接部と、を有する、
請求項1又は2に記載のレフィル容器。
【請求項4】
前記内壁部及び前記外壁部が並ぶ並設方向及び上下方向に延びる平面に沿って切断したときの前記第2収容部の幅は、前記底部から上方に向かうに従って広くなっている、
請求項1又は2に記載のレフィル容器。
【請求項5】
前記リング部材に装着されるパッキンを備え、
前記パッキンは、平面視における内側から前記蓋の前記延在部に当接する第4当接部を有する、
請求項1又は2に記載のレフィル容器。
【請求項6】
前記蓋は、平面視における前記第1突起の内側に位置する板状部を有し、
前記パッキンは、前記板状部の下面に当接する第5当接部を有する、
請求項5に記載のレフィル容器。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のレフィル容器と、
前記レフィル容器を収容して前記レフィル容器を保持する保持部材と、
を備える、
化粧料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化粧料を収容するレフィル容器、及び化粧料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、容器本体と、容器本体に対して開閉自在とされた容器蓋とを備えたコンパクト容器が記載されている。コンパクト容器の内部には、含浸部材を保持するレフィル容器と、密閉パッキンと、パフを保持するレフィル容器蓋とが収容される。レフィル容器は内壁と外壁とを有し、内壁と外壁の間に密閉パッキンの下部延長部が入り込む。内壁は締結突起が形成されており、下部延長部は締結突起が入り込む締結溝を有する。
【0003】
密閉パッキンは、平面視における下部延長部の内側において上方に突出する上部シーリングラバーと、下方に突出する下部シーリングラバーとを有する。上部シーリングラバーはレフィル容器蓋に形成されたシーリング環状凸輪に密着し、下部シーリングラバーはレフィル容器の内壁に密着する。これにより、密閉パッキンがレフィル容器の化粧物質収容空間を密閉させ、化粧物質の蒸発等の防止を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-538565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述したレフィル容器では、蓋が浮き上がるという問題が生じうる。具体的には、密閉されているレフィル容器では、レフィル容器の外部に対する内部の圧力差である内圧差が生じて内圧が高くなり、当該内圧によって蓋が浮き上がるという事象が生じうる。蓋が浮き上がると、レフィル容器の気密を確保できなくなり乾燥等によって化粧料が劣化する可能性がある。
【0006】
本開示は、気密を確保しつつ、蓋の浮き上がりを抑制できるレフィル容器及び化粧料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るレフィル容器は、(1)化粧料を収容するレフィル容器である。レフィル容器は、化粧料が入り込む開口を有し開口から入り込んだ化粧料を収容する第1収容部、及び、平面視における第1収容部の外側に位置する第2収容部を有する容器本体と、容器本体に開閉自在に取り付けられており、閉じたときに第1収容部及び第2収容部を封止する蓋と、容器本体の第2収容部に収容された状態で開口の一部を塞ぐことにより、第1収容部からの化粧料の抜けを抑制するリング部材と、を備える。蓋は、閉じたときに第2収容部に入り込む第1突起を有する。第1突起は、平面視において蓋の外側に突出する第1凸部と、蓋が閉じた状態で第1凸部から下方に延在する延在部と、を有する。容器本体の第2収容部は、化粧料に対向する内壁部と、平面視において内壁部の外側に位置する外壁部と、内壁部の下端から外壁部の下端まで延びる底部と、によって画成されている。外壁部は、第1突起が第2収容部に入り込んだときに平面視における外側から延在部に当接する第1当接部と、第1突起が第2収容部が入り込んだときに第1凸部が入り込む第1凹部とを有する。
【0008】
このレフィル容器は、容器本体を有する。容器本体は、化粧料が収容される第1収容部、及び平面視における第1収容部の外側に位置する第2収容部を有し、第2収容部には容器本体の開口の一部を塞ぐリング部材が収容される。リング部材が当該開口の一部を塞ぐことによって、第1収容部からの化粧料の抜けを抑制できる。蓋は、閉じたときに容器本体の第2収容部に入り込む第1突起を有する。第1突起は、平面視における外側に突出する第1凸部と、第1凸部から下方に延在する延在部とを有する。第2収容部を画成する容器本体の外壁部は、第1突起の延在部に当接する第1当接部と、第1凸部が入り込む第1凹部とを有する。第1当接部は平面視における外側から蓋の延在部に当接するので、蓋の浮き上がりを抑制すると共に気密を確保できる。外壁部の第1凹部に蓋の第1凸部が入り込むことにより、外壁部からの蓋の浮き上がりをより確実に抑制できる。
【0009】
(2)上記(1)において、外壁部は、第1当接部よりも下方において平面視における外側に窪む第2凹部を有してもよく、リング部材は、平面視における外側に突出し且つ第2凹部に嵌まり込む第2突起を有してもよい。この場合、外壁部は第2凹部を有し、リング部材は平面視における外側に突出し且つ第2凹部に嵌まる第2突起を有する。従って、外壁部の第2凹部にリング部材の第2突起が嵌まり込むことにより、容器本体からのリング部材の抜けを抑制することができる。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)において、リング部材は、第2収容部において上下方向に延在する壁部を有してもよい。壁部は、平面視における外側から内壁部に当接する第2当接部と、第2当接部よりも下方において平面視における外側から内壁部に当接する第3当接部と、を有してもよい。この場合、平面視における外側から第2当接部が内壁部に当接し、第2当接部の下方において平面視における外側から第3当接部が内壁部に当接する。従って、内壁部とリング部材の壁部との間を第2当接部及び第3当接部で塞ぐことができるので、容器本体とリング部材の気密性をより高めることができる。その結果、化粧料の揮発をより確実に抑制できる。
【0011】
(4)上記(1)~(3)のいずれかにおいて、内壁部及び外壁部が並ぶ並設方向及び上下方向に延びる平面に沿って切断したときの第2収容部の幅は、底部から上方に向かうに従って広くなっていてもよい。この場合、第2収容部の幅が底部から上方に向かうに従って広くなっているので、上方から第2収容部への部品の収容をよりスムーズに行うことができる。
【0012】
(5)上記(1)~(4)のいずれかにおいて、レフィル容器は、リング部材に装着されるパッキンを備えてもよい。パッキンは、平面視における内側から蓋の延在部に当接する第4当接部を有してもよい。この場合、蓋の延在部に、外側から容器本体の第1当接部が当接し、且つ内側からパッキンの第4当接部が当接する。よって、蓋の延在部が第1当接部と第4当接部との間に挟み込まれた状態となるので、蓋の浮き上がりを一層確実に抑制できる。
【0013】
(6)上記(5)において、蓋は、平面視における第1突起の内側に位置する板状部を有してもよく、パッキンは、板状部の下面に当接する第5当接部を有してもよい。この場合、蓋の板状部の下面にパッキンの第5当接部が当接することにより、蓋の気密性を一層高めることができる。
【0014】
本開示に係る化粧料容器は、(7)上記(1)~(6)のいずれかに記載のレフィル容器と、レフィル容器を収容してレフィル容器を保持する保持部材と、を備える。この化粧料容器は、前述したレフィル容器を備える。従って、前述したレフィル容器と同様、気密を確保しつつ蓋の浮き上がりを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、気密を確保しつつ、蓋の浮き上がりを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)は、実施形態に係るレフィル容器を備えた化粧料容器を示す平面図である。(b)は、実施形態に係る化粧料容器を示す側面図である。
図2図1のレフィル容器の蓋が開かれた状態を示す斜視図である。
図3】(a)は、図1(a)のA-A線断面図である。(b)は、図1(a)のB-B線断面図である。
図4図1のレフィル容器の第2収容部の周辺を拡大した断面図である。
図5図1のレフィル容器の容器本体を示す斜視図である。
図6図5の容器本体の内壁部、底部及び外壁部を示す断面図である。
図7図1のレフィル容器のリング部材を示す斜視図である。
図8図7のリング部材の壁部及び第2突起を示す断面図である。
図9図1のレフィル容器のパッキンを示す斜視図である。
図10図9のパッキンの第4当接部及び第5当接部を示す断面図である。
図11図1のレフィル容器の蓋を示す斜視図である。
図12図11の蓋の一部を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面を参照しながら本開示に係るレフィル容器及び化粧料容器の実施形態について説明する。図面の説明について同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0018】
図1(a)は、本実施形態に係る化粧料容器1を示す平面図である。図1(b)は、化粧料容器1を示す側面図である。図2は、化粧料容器1の外蓋4を開けた状態を示す斜視図である。図1(a)、図1(b)及び図2に示されるように、化粧料容器1は、レフィル容器10と、レフィル容器10を収容してレフィル容器10を保持する保持部材2とを備える。
【0019】
化粧料容器1は、例えば、ファンデーションである。化粧料容器1は、一例として、ルースパウダーファンデーションである。また、化粧料容器1は、液体ファンデーションであってもよい。レフィル容器10は、化粧料を収容する。化粧料は、例えば、固形状の化粧料、又は半固形状の化粧料である。化粧料はワックスであってもよい。本実施形態では、化粧料を含浸する含浸体11として構成される例について説明する。含浸体11は、例えば、スポンジである。一例として、含浸体11は、円柱状を呈する。
【0020】
化粧料は、例えば、粉体化粧料または液状化粧料である。本実施形態では、化粧料が高揮発性材料によって構成されている。この場合、レフィル容器10における気密性をより高めることが求められる。しかしながら、化粧料容器1の種類、及び化粧料の種類は、特に限定されない。
【0021】
まず、保持部材2の例について説明する。保持部材2は、平面視において円形状を呈する。保持部材2は、例えば、円柱状を呈する。保持部材2は、レフィル容器10を収容する収容部材3と、レフィル容器10を収容した収容部材3を封止する外蓋4とを有する。以下では、収容部材3から見て外蓋4が位置する方向を上、上側又は上方と称し、外蓋4から見て収容部材3が位置する方向を下、下側又は下方と称する。また、上方から見た場合を平面視と称する。
【0022】
例えば、外蓋4は円筒状を呈する。外蓋4は、第1方向D1、及び第1方向D1に交差する第2方向D2の双方に延在する天面4bと、天面4bに交差する方向を向く側面4cとを有する。外蓋4は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に交差する第3方向D3に厚みを有する。外蓋4は、例えば、内側面4dと、天面4bとは反対方向を向く底面と、当該底面に取り付けられたミラー4fとを有する。例えば、第1方向D1及び第2方向D2は水平方向であり、第3方向D3は上下方向(一例として鉛直方向)である。
【0023】
収容部材3は、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂によって構成されている。収容部材3は、円筒状の側面部3bと、側面部3bの下方に位置する底部3cとを有する。底部3cは、平面視において円形状を呈し、且つ下方に向かうに従って縮径する皿状を呈する。
【0024】
図3(a)は、図1(a)のA-A線断面図である。図3(b)は、図1(a)のB-B線断面図である。図1(a)、図1(b)、図2図3(a)及び図3(b)に示されるように、化粧料容器1は、収容部材3に外蓋4を開閉自在に取り付けるヒンジ部5と、外蓋4を開けるときに押されるボタン6とを有する。ヒンジ部5は、例えば、収容部材3の第1方向D1の端部に位置する。ヒンジ部5は、例えば、収容部材3の下部において第2方向D2に延在する軸部を有する。
【0025】
外蓋4は、例えば、ABS樹脂によって構成されている。外蓋4は、第2方向D2に延在するヒンジ部5の軸部を中心として回転自在とされている。外蓋4は、ヒンジ部5から第3方向D3に沿って延在する第1壁部4pと、外蓋4の第1壁部4pとは反対側の端部において第3方向D3に沿って延在する第2壁部4qとを有する。外蓋4は、ヒンジ部5を中心として第2壁部4qが上方に移動することによって開き、ヒンジ部5を中心として第2壁部4qが下方に移動することによって閉じられる。
【0026】
収容部材3は側面部3bに開口3dを有し、開口3dからボタン6が露出している。ボタン6は、例えば、ABS樹脂によって構成されている。ボタン6は、例えば、化粧料容器1の使用者の指が接触する露出部6bと、露出部6bの下部から第1方向D1に延在する第1延在部6cと、露出部6bの上部から第1方向D1に延在する第2延在部6dと、第2延在部6dから上方に突出する突出部6fとを有する。
【0027】
突出部6fは、収容部材3に向かって突出する凸部6gを有する。外蓋4は、外蓋4の内側面4gから窪む凹部4hと、凹部4hの下端から突出する凸部4jとを有する。凹部4h及び凸部4jは、外蓋4の第2壁部4qに形成されている。凹部4hに凸部6gが入り込み、凸部6gの下端が凸部4jの上端に係合することによって、閉じられた外蓋4がボタン6に係合する。ボタン6が押されると、凸部6gが凹部4hから離れることによってボタン6から外蓋4が開放される。
【0028】
例えば、保持部材2は、外蓋4を上方に付勢する付勢部材7を有する。付勢部材7は、例えば、シリコーンによって構成されている。付勢部材7は、ヒンジ部5の上部における収容部材3の外面3f、及び外蓋4の内側面4gの間において外蓋4を上方に付勢している。従って、付勢部材7が外蓋4を上方に付勢していることにより、ボタン6が押されたときに外蓋4が開きやすくなっている。なお、この付勢部材7は省略することも可能である。
【0029】
保持部材2は、例えば、収容部材3の内側且つ上方に位置する内側部材8を有する。内側部材8は、例えば、ABS樹脂によって構成されている。図4は、収容部材3、内側部材8及びレフィル容器10の一部を拡大した断面図である。図2図3(a)、図3(b)及び図4に示されるように、内側部材8は、収容部材3に係合する第1係合部8bと、レフィル容器10が係合する第2係合部8cとを有する。
【0030】
内側部材8は、第3方向D3に沿って延在する側壁部8dと、側壁部8dから平面視の外側に延在する縁部8fとを有する。例えば、第1係合部8bは第1突起部8gと第2突起部8hとを有し、第1突起部8g及び第2突起部8hのそれぞれが収容部材3と係合している。第1突起部8gは、縁部8fの先端部において収容部材3の上端3gから窪む凹部3hに載せられると共に凹部3h及び外蓋4の間に挟み込まれている。
【0031】
収容部材3は、収容部材3の内面3jから上方に突出する突出部3kと、突出部3kから平面視における収容部材3の内側に突出する凸部3mとを有する。第2突起部8hは、側壁部8dの下部において平面視における外側に突出している。第2突起部8hは、第2突起部8hの上端が凸部3mの下端に接触した状態で収容部材3に係合している。
【0032】
次に、本実施形態に係るレフィル容器10について説明する。レフィル容器10は、容器本体12と、蓋13と、リング部材14と、パッキン15とを備える。容器本体12は、含浸体11を収容する第1収容部21と、平面視における第1収容部21の外側に位置する第2収容部22とを有する。第2収容部22は、含浸体11に対向する内壁部12dと、平面視において内壁部12dの外側に位置する外壁部12fと、内壁部12dの下端から外壁部12fの下端まで延びる底部12gと、によって画成されている。容器本体12は、例えば、PP(ポリプロピレン)によって構成されている。
【0033】
前述した保持部材2の内側部材8は、レフィル容器10が挿入される開口8kと、レフィル容器10が係合する第2係合部8cとを有する。開口8kは、例えば、側壁部8dの上端に位置しており平面視において円形状を呈する。第2係合部8cは、側壁部8dの下部において平面視の内側に突出している。容器本体12は、外壁部12fの下部において外壁部12fの外面12hから平面視における内側に窪む凹部12jを有する。
【0034】
レフィル容器10は、開口8kから内側部材8の下方に挿入され、第2係合部8cが凹部12jに嵌まり込んだ状態で保持部材2に保持される。また、レフィル容器10が保持部材2に保持された状態で容器本体12の第1収容部21の底面部12kが上方に押されることによって、保持部材2からレフィル容器10が外される。
【0035】
以上のように、レフィル容器10は、保持部材2に対して着脱可能とされている。レフィル容器10は、化粧料容器1の保持部材2に対して交換可能な部品である。レフィル容器10は、例えば、含浸体11に含浸されている化粧料を使い切った後に保持部材2から外すことが可能とされている。また、保持部材2に新たなレフィル容器10を装着することが可能とされている。
【0036】
第1収容部21は、含浸体11が入り込む開口21bを有する。第1収容部21は、開口21bから入り込んだ含浸体11を収容する。第1収容部21は、例えば、有底筒状(一例として有底円筒状)を呈する。第1収容部21は、内壁部12dと、内壁部12dの下部において第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在する底面部12kとを有する。内壁部12dの厚さは、上方に向かうに従って薄くなっている。内壁部12dは、含浸体11に対向する内周面12mを有する。内周面12mは、上方に向かうに従って含浸体11から離隔するように第3方向D3に対して傾斜している。
【0037】
例えば、平面視における底面部12kの形状は円形状である。底面部12kは、含浸体11に対向する内面12pと、内面12pとは反対を向く外面12qとを有する。例えば、内面12pには、上方に突出する凸部12rが形成されている。例えば、平面視における凸部12rの形状は円形状である。凸部12rは、平面視における内面12pの中央に形成されている。外面12qには、上方に窪む凹部12sと、下方に突出する凸部12tとが形成されている。
【0038】
凹部12sは、底面視における外面12qの中央に形成されている。例えば、底面視における凹部12sの形状は円形状である。底面視における凹部12sの面積は、平面視における内面12pの凸部12rの面積よりも小さい。外面12qには、複数(一例として4つ)の凸部12tが形成されており、例えば、複数の凸部12tは外面12qの周方向に沿って等間隔となるように配置されている。
【0039】
図5は、容器本体12を示す斜視図である。図3(b)及び図5に示されるように、容器本体12は、容器本体12に対して蓋13を回転自在に取り付けるヒンジ部12vを有する。ヒンジ部12vは、容器本体12における第2方向D2の端部に位置する。ヒンジ部12vは、外壁部12fの外面12hから突出すると共に容器本体12の周方向に沿って並ぶ一対の突出部12wと、一対の突出部12wを互いに接続する軸部12xとを有する。
【0040】
ところで、含浸体11は、化粧料が充填された後に膨張することがある。仮に、容器本体12の内周面12mに含浸体11の外周面が密着する場合、化粧料が充填された含浸体11が膨張して内周面12mに径方向外側に当接することによって、含浸体11のクッション性が失われる可能性がある。より具体的には、膨張した含浸体11が内周面12mに当接した状態で、後述するパフ9等に含浸体11から化粧料を転写させるために含浸体11を下方に押し込んだときに、クッション性が失われた含浸体11が元に戻らなくなる可能性があり、含浸体11の使用性に問題が生じうる。従って、容器本体12の内周面12mと含浸体11との間には0.5mm程度の隙間が形成されることが望ましい。しかしながら、単に隙間を形成するだけでは、含浸体11が第1収容部21において偏った位置に移動してしまうことがある。この場合、化粧料を充填するノズルの位置から含浸体11がずれてしまうので、含浸体11に均一に化粧料が充填されなくなるという問題が生じうる。
【0041】
そこで、本実施形態では、容器本体12は、内周面12mから突出する複数の突起12zによって、内周面12mと含浸体11の外周面との間に隙間を形成している。容器本体12は、容器本体12の内周面12mから突出する複数の突起12zを有する。複数の突起12zは、平面視における容器本体12の周方向に沿って並んでいる。突起12zの数は、例えば、3以上且つ30以下である。突起12zは第3方向D3に沿って延在している。例えば、複数の突起12zは、容器本体12の周方向に沿って等間隔に並んでいる。例えば、内周面12mからの突起12zの突出面は、平面視において円弧状を呈する。例えば、突起12zの上端は逆U字状を呈するように湾曲している。
【0042】
前述した突起12zを容器本体12が有することにより、含浸体11の外周面が複数の突起12zのそれぞれに接触した状態で、含浸体11の外周面と内周面12mとの間に隙間が形成される。従って、含浸体11が膨張しても含浸体11のクッション性が失われることを抑制できる。そして、含浸体11の外周面が突起12zに接触することによって、第1収容部21において含浸体11が偏った位置に移動することを抑制できる。よって、化粧料を充填するノズルの位置から含浸体11がずれることを抑制できるので、含浸体11に均一に化粧料を充填させることができる。
【0043】
図6は、内壁部12d及び外壁部12fの間に形成された第2収容部22を拡大した斜視図である。図4及び図6に示されるように、外壁部12fは、蓋13に当接する第1当接部22bと、第1当接部22bの上方に位置する第1凹部22cとを有する。外壁部12fは、第1凹部22cの上方において平面視の内側に突出する凸部22dと、第1当接部22bの下方において平面視の外側に窪む凹部22fと、凹部22fの下方において平面視の内側に突出する凸部22gとを有する。更に、外壁部12fは、凸部22gの下方において平面視における外側に窪む第2凹部22hを有する。
【0044】
例えば、底部12gに対する外壁部12fの高さは、底部12gに対する内壁部12dの高さよりも高い。外壁部12fの厚さ(容器本体12の径方向への長さ)は、下方に向かうに従って厚くなっている。内壁部12d及び外壁部12fが並ぶ並設方向(例えば第2方向D2)及び上下方向(例えば第3方向D3)に延びる平面に沿って切断したときの第2収容部22の幅は、底部12gから上方に向かうに従って広くなっている。以下では、当該並設方向及び上下方向に延びる平面に沿って切断したときの断面を単に「断面」と称することがある。
【0045】
例えば、断面において凸部22dは曲線状を呈する。第1凹部22cは、例えば、断面において凸部22dから斜め下方に延在する第1傾斜部22jと、第1傾斜部22jの下端から第3方向D3に沿って延在する直線部22kと、直線部22kの下端から平面視における内側に突出するように斜め下方に延在する第2傾斜部22mとを有する。
【0046】
例えば、断面において、第1当接部22bは、平面視における内側に突出している。一例として、断面において第1当接部22bは曲線状を呈する。第1当接部22bの下方には、平面視における外側に窪む凹部22fが形成されている。例えば、断面において、凸部22gは角部が湾曲した台形状を呈する。
【0047】
断面において、第2凹部22hは角部が湾曲した台形状を呈する。第2凹部22hは、例えば、断面において凸部22gから斜め下方に延在する上側傾斜部22pと、上側傾斜部22pの下端から第3方向D3に沿って延在する直線部22qと、直線部22qの下端から平面視の内側に突出するように斜め下方に傾斜する下側傾斜部22rとを有する。例えば、外壁部12fは、第2凹部22hから底部12gまで延在する内側傾斜面22sを有する。内側傾斜面22sは、底部12gに向かうに従って外壁部12fが厚くなるように第3方向D3に対して斜めに傾斜している。
【0048】
内壁部12dの厚さは、下方に向かうに従って厚くなっている。内壁部12dは、底部12gに向かうに従って内壁部12dが厚くなるように第3方向D3に対して斜めに傾斜している第1傾斜面22t及び第2傾斜面22vを内面22wに有する。第1傾斜面22tは、第2傾斜面22vよりも上方に位置する。例えば、第1傾斜面22tは、内壁部12dの上端面12yから斜め下方に延在している。第1傾斜面22tは、例えば、第1凹部22cと第2方向D2に沿って対向しており、第2傾斜面22vは第2凹部22hと第2方向D2に沿って対向している。
【0049】
次に、図3(a)、図3(b)、図7及び図8を参照しながらリング部材14について説明する。図7は、リング部材14を示す斜視図である。図8は、リング部材14の一部を拡大したリング部材14の断面図である。リング部材14は、例えば、PPによって構成されている。
【0050】
例えば、リング部材14は円環状を呈する。リング部材14は、第2収容部22に収容された状態で第1収容部21の開口21bの一部を塞ぐことにより、第1収容部21からの含浸体11の抜けを抑制する。リング部材14は、開口21bの上部から平面視における内側(容器本体12の径方向内側)に突出する突出部14bと、平面視における突出部14bの内側に形成された開口14vとを有する。平面視において突出部14bは環状(一例として円環状)を呈する。突出部14bが含浸体11の上方に位置することによって第1収容部21からの含浸体11の抜けが抑制される。
【0051】
例えば、レフィル容器10は、レフィル容器10の使用前においてリング部材14の開口14vを封止するシール16を有する。シール16がリング部材14の開口14vを封止することによって、含浸体11に含浸された化粧料が保護される。シール16はレフィル容器10の使用者によって剥がされる。
【0052】
リング部材14は、第2収容部22において上下方向に延在する壁部14cと、平面視における外側に突出する第2突起14dとを有する。壁部14cは、平面視におけるリング部材14の外側を向く外面14fと、外面14fとは反対側を向く内面14gとを有する。
【0053】
壁部14cは、平面視におけるリング部材14の外側に突出する凸部14hと、第2突起14dとを外面14fに有する。凸部14hは、例えば、壁部14cの第3方向D3の中央付近においてリング部材14の径方向外側に突出している。凸部14hは、下方に向かうに従って突出するように斜め下方に延在する先端面14jを有する。
【0054】
第2突起14dは、例えば、壁部14cの下端においてリング部材14の径方向外側に突出している。第2突起14dは、容器本体12の第2凹部22hに嵌まり込む部位である。第2突起14dは、第2凹部22hに対向する先端面14kを有する。先端面14kは、下方に向かうに従って平面視における内側に向かうように第3方向D3に対して斜めに傾斜している。
【0055】
先端面14kは、第2突起14dの上端から下方に延びる第1平坦面14mと、第1平坦面14mの下端から平面視における内側に向かうように斜めに傾斜する第1傾斜面14pと、第1傾斜面14pの下端から第2突起14dの下端まで延在する第2傾斜面14qとを有する。第2傾斜面14qは、下方に向かうに従って平面視における内側に向かうにように第3方向D3に対して斜めに傾斜している。第3方向D3に対する第2傾斜面14qの傾斜角度は、第3方向D3に対する第1傾斜面14pの傾斜角度よりも小さい。
【0056】
壁部14cは、平面視におけるリング部材14の内側に突出する第2当接部14rと、第2当接部14rの下方に位置する凹部14sと、凹部14sの下部においてリング部材14の内側に突出する第3当接部14tとを有する。断面において、第2当接部14r、凹部14s及び第3当接部14tのそれぞれは曲線状を呈する。第3方向D3における第2当接部14rの位置は、突出部14bと凸部14hの間である。凹部14s及び第3当接部14tは、第2突起14dとは反対側を向いている。
【0057】
続いて、図3(a)、図3(b)、図9及び図10を参照しながらパッキン15について説明する。図9は、パッキン15を示す斜視図である。図10は、パッキン15の一部を拡大したパッキン15の断面図である。パッキン15は、リング部材14に装着される部品である。
【0058】
パッキン15は、弾性材料によって構成されている。パッキン15の材料は、例えば、NBR(ニトリルゴム)である。また、パッキン15の材料は、IIR(ブチルゴム)であってもよい。パッキン15は、蓋13の下部において容器本体12とリング部材14との間に介在することによってレフィル容器10の気密を確保する。
【0059】
パッキン15は、平面視におけるパッキン15の外側に突出する第4当接部15bと、パッキン15の上端部15jから更に上方に突出する第5当接部15cとを有する。第4当接部15b及び第5当接部15cは、後述する蓋13に当接する部位である。パッキン15は、平面視における外側を向く外面15dと、外面15dとは反対側を向く内面15fとを有する。
【0060】
パッキン15は、例えば、第4当接部15bと、第4当接部15bの下部に位置する凹部15gと、凹部15gの下方に位置する平滑面15hとを外面15dに有する。例えば、断面において、第4当接部15b及び第5当接部15cのそれぞれは角が丸いV字状を呈する。凹部15gは、下方に向かうに従ってパッキン15が厚くなるように第3方向D3に対して斜めに延在している。平滑面15hは、断面において第3方向D3に沿って直線状に延在している。
【0061】
パッキン15の内面15fには、上端部15jから下方に延在する平坦面15kと、平坦面15kの下端において平面視における外側に窪む凹部15mと、凹部15mの下方において平面視の外側に窪むように第3方向D3に対して斜めに傾斜する傾斜面15pとが形成されている。凹部15mは、リング部材14の凸部14hが入り込む部位である。パッキン15は、凹部15mに凸部14hが入り込むことによってリング部材14に装着されている。
【0062】
次に、図3(a)、図3(b)、図11及び図12を参照しながら蓋13について説明する。図11は、蓋13を示す斜視図である。図12は、蓋13の一部を拡大した断面図である。蓋13は、容器本体12に開閉自在に取り付けられており、閉じたときに第1収容部21及び第2収容部22を封止する。
【0063】
蓋13は、例えば、PPによって構成されている。例えば、蓋13は皿状を呈する。蓋13は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在する板状部13bと、板状部13bの外縁から上方に突出する壁部13cとを有する。例えば、板状部13bは円形状を呈し、平面視において壁部13cは円環状を呈する。板状部13bは、上面13pと、上面13pとは反対側を向く下面13qとを有する。板状部13bは、下面13qから窪む凹部13tを有する。凹部13tは、下面13qの底面視における中央部分に形成されている。
【0064】
蓋13は、板状部13bの上面13pと、壁部13cの内周面とによって画成されるパフ収容空間13rを有する。パフ収容空間13rにはパフ9が収容される。蓋13は、パフ9がパフ収容空間13rから取り出された状態で容器本体12に対して開放させることが可能である。
【0065】
蓋13は、容器本体12に対して開閉自在(回転自在)となるように容器本体12に接続するヒンジ接続部13dを有する。例えば、ヒンジ接続部13dは、蓋13の第2方向D2の端部に位置する。ヒンジ接続部13dは、蓋13の外周面13fから突出する突出部13gと、容器本体12のヒンジ部12vの軸部12xが回転自在に嵌まり込む嵌合部13hとを有する。嵌合部13hは、突出部13gの突出端部に形成されている。
【0066】
例えば、嵌合部13hは、突出部13gの突出端においてU字状を呈する。嵌合部13hは、軸部12xが嵌合する凹部13jを有する。凹部13jは、嵌合部13hの内周面の上部において第2方向D2に沿って並ぶ一対の凸部13kと、一対の凸部13kから下方にU字状に延在する湾曲部13mとによって画成されている。蓋13は、容器本体12の軸部12xが一対の凸部13kの下方に圧入されて湾曲部13mに回転可能に取り付けられることにより、容器本体12に対して回転可能に装着される。
【0067】
例えば、蓋13は、蓋13の径方向外側に突出する外縁部13vを有する。外縁部13vは、壁部13cの上端において蓋13の径方向外側に突出している。例えば、蓋13は、外縁部13vよりも更に蓋13の径方向外側に突出する突出部13wを有する。突出部13wは、外縁部13vに対して平面視において曲線状(一例として円弧状)に突出している。突出部13wは、平面視におけるヒンジ接続部13dとは反対側の端部に形成されている。この突出部13wを指等で押し上げることによって、一層容易に蓋13を開けることができる。
【0068】
蓋13は、閉じたときに容器本体12の第2収容部22に入り込む第1突起23を有する。第1突起23は、底面視において環状を呈する環状突起である。図4図11及び図12に示されるように、第1突起23は、平面視において蓋13の外側に突出する第1凸部23bと、蓋13が閉じた状態で第1凸部23bから下方に延在する延在部23cとを有する。
【0069】
第1突起23は、蓋13の径方向外側を向く外面23dと、蓋13の径方向内側を向く内面23fと、外面23d及び内面23fの下端において外面23d及び内面23fを互いに接続する先端面23pとを有する。第1凸部23b及び延在部23cは、第1突起23の外面23dに形成されている。
【0070】
例えば、第1突起23は、第1凸部23bの上部において蓋13の径方向内側に窪む凹部23gを有する。例えば、断面において、第1凸部23bは、凹部23gから斜め下方且つ蓋13の径方向外側に延在する第1傾斜面23hと、第1傾斜面23hの下端から下方に延在する頂面23jと、頂面23jから斜め下方且つ蓋13の径方向内側に延在する第2傾斜面23kとを有する。これにより、第1凸部23bは、断面において台形状を呈する。延在部23cは、第1凸部23b(例えば第2傾斜面23kの下端)から下方且つ蓋13の周方向に延在している。
【0071】
例えば、第1突起23の内面23fには、板状部13bの下面13qから斜め下方且つ径方向外側に延在する傾斜面23mと、傾斜面23mから先端面23pまで下方に且つ蓋13の周方向に延在する延在面23qとが形成されている。例えば、先端面23pは、断面においてU字状に湾曲している。
【0072】
レフィル容器10における容器本体12、蓋13、リング部材14及びパッキン15の係合構造について図4を参照しながら更に説明する。まず、容器本体12の外壁部12fは、蓋13の第1突起23が第2収容部22に入り込んだときに平面視における外側から第1突起23の延在部23cに当接する第1当接部22bと、第1突起23が第2収容部22に入り込んだときに第1突起23の第1凸部23bが入り込む第1凹部22cとを有する。これにより、蓋13の第1突起23が容器本体12の外壁部12fに強固に係合するため、容器本体12の気密を確保できると共に容器本体12に対する蓋13の浮き上がりが抑制される。
【0073】
リング部材14の壁部14cは、平面視における外側から容器本体12の内壁部12dに当接する第2当接部14rと、第2当接部14rよりも下方において平面視における外側から内壁部12dに当接する第3当接部14tとを有する。これにより、リング部材14と容器本体12との間における気密が確保される。すなわち、含浸体11からの化粧料の移動が第2当接部14rにおいて規制され、且つ第3当接部14tにおいて規制される。
【0074】
パッキン15は、平面視における内側から蓋13の延在部23cに当接する第4当接部15bと、蓋13の板状部13bの下面13qに当接する第5当接部15cとを有する。これにより、パッキン15と蓋13との気密が確保されると共に、蓋13の浮き上がりがより確実に抑制される。
【0075】
次に、本実施形態に係る化粧料容器1の組立方法について図2図3(a)、図3(b)及び図4を参照しながら説明する。まず、収容部材3、外蓋4、ボタン6、付勢部材7及び内側部材8が一体とされた保持部材2を用意する。そして、収容部材3に対して外蓋4を開放させた状態とする。より具体的には、収容部材3の第1方向D1の端部に位置するヒンジ部5を中心として外蓋4を回動させて収容部材3から外蓋4を開放する。
【0076】
また、レフィル容器10を用意する。例えば、容器本体12の第2方向D2の端部に位置するヒンジ部12vが蓋13のヒンジ接続部13dに回転自在に係合されており、軸部12xを中心として蓋13を回動させて容器本体12から蓋13を開放する。一方、含浸体11を容器本体12の第1収容部21に収容して、含浸体11に化粧料を含浸させる。
【0077】
また、リング部材14にパッキン15を予め装着しておく。より具体的には、パッキン15の凹部15mにリング部材14の凸部14hを嵌合させることによってリング部材14にパッキン15を装着させる。そして、パッキン15が装着されたリング部材14を第2収容部22に収容する。このとき、リング部材14の突出部14bが第1収容部21の開口21bの一部を塞ぐように第2収容部22にリング部材14及びパッキン15を挿入する。
【0078】
そして、リング部材14の開口14vにシール16を貼り付けて開口14vを封止する。なお、第2収容部22にリング部材14を挿入する前に、予め開口14vを封止するようにシール16が貼り付けられていてもよい。そして、蓋13を閉じて第2収容部22における容器本体12(外壁部12f)とパッキン15の間の空間に第1突起23を圧入する。このとき、容器本体12の第1当接部22bが第1突起23の延在部23cに当接し、且つ第1凹部22cに第1突起23の第1凸部23bが入り込む。従って、蓋13による気密が確保され、且つ蓋13の浮き上がりが抑制された状態となる。以上のように蓋13を閉めた後には、蓋13の上面13pにパフ9を載せる。そして、外蓋4を閉じて蓋13のパフ収容空間13rを封止した後に、化粧料容器1の組立方法の一連の工程が完了する。
【0079】
次に、本実施形態に係るレフィル容器10及び化粧料容器1から得られる作用効果についてより詳細に説明する。化粧料容器1はレフィル容器10を有し、レフィル容器10は容器本体12を有する。容器本体12は、含浸体11(化粧料)が収容される第1収容部21、及び平面視における第1収容部21の外側に位置する第2収容部22を有し、第2収容部22には容器本体12の開口21bの一部を塞ぐリング部材14が収容される。リング部材14が開口21bの一部を塞ぐことによって、第1収容部21からの含浸体11の抜けを抑制できる。
【0080】
蓋13は、閉じたときに容器本体12の第2収容部22に入り込む第1突起23を有する。第1突起23は、平面視における外側に突出する第1凸部23bと、第1凸部23bから下方に延在する延在部23cとを有する。第2収容部22を画成する容器本体12の外壁部12fは、第1突起23の延在部23cに当接する第1当接部22bと、第1凸部23bが入り込む第1凹部22cとを有する。第1当接部22bは平面視における外側から蓋13の延在部23cに当接するので、蓋13の浮き上がりを抑制すると共に蓋13による気密を確保できる。
【0081】
本実施形態では、蓋13が第1凸部23b及び延在部23cを有する第1突起23を備え、且つ容器本体12が第1当接部22b及び第1凹部22cを有する外壁部12fを備えることにより、パッキン15を有しない場合であっても気密を確保できる。すなわち、本実施形態に係るレフィル容器10は、パッキン15を有しなくてもよい。この場合、レフィル容器10の部品点数を減らすことができる。また、外壁部12fの第1凹部22cに蓋13の第1凸部23bが入り込むことにより、外壁部12fからの蓋13の浮き上がりをより確実に抑制できる。
【0082】
本実施形態において、外壁部12fは、第1当接部22bよりも下方において平面視における外側に窪む第2凹部22hを有し、リング部材14は、平面視における外側に突出し且つ第2凹部22hに嵌まり込む第2突起14dを有する。よって、外壁部12fは第2凹部22hを有し、リング部材14は平面視における外側に突出し且つ第2凹部22hに嵌まる第2突起14dを有する。従って、外壁部12fの第2凹部22hにリング部材14の第2突起14dが嵌まり込むことにより、容器本体12からのリング部材14の抜けを抑制することができる。
【0083】
本実施形態において、リング部材14は、第2収容部22において上下方向に延在する壁部14cを有する。壁部14cは、平面視における外側から内壁部12dに当接する第2当接部14rと、第2当接部14rよりも下方において平面視における外側から内壁部12dに当接する第3当接部14tとを有する。よって、平面視における外側から第2当接部14rが内壁部12dに当接し、第2当接部14rの下方において平面視における外側から第3当接部14tが内壁部12dに当接する。従って、内壁部12dとリング部材14の壁部14cとの間を第2当接部14r及び第3当接部14tで塞ぐことができるので、容器本体12とリング部材14の気密性をより高めることができる。その結果、含浸体11に含浸された化粧料の揮発をより確実に抑制できる。
【0084】
本実施形態において、内壁部12d及び外壁部12fが並ぶ並設方向及び上下方向に延びる平面に沿って切断したときの第2収容部22の幅は、底部12gから上方に向かうに従って広くなっていてもよい。この場合、第2収容部22の幅が底部12gから上方に向かうに従って広くなっているので、上方から第2収容部22へのリング部材14、パッキン15及び蓋13の収容をよりスムーズに行うことができる。
【0085】
本実施形態において、レフィル容器10は、リング部材14に装着されるパッキン15を備える。パッキン15は、平面視における内側から蓋13の延在部23cに当接する第4当接部15bを有する。この場合、蓋13の延在部23cに、外側から容器本体12の第1当接部22bが当接し、且つ内側からパッキン15の第4当接部15bが当接する。よって、蓋13の延在部23cが第1当接部22bと第4当接部15bとの間に挟み込まれた状態となるので、蓋13の浮き上がりを一層確実に抑制できる。
【0086】
本実施形態において、蓋13は、平面視における第1突起23の内側に位置する板状部13bを有し、パッキン15は、板状部13bの下面13qに当接する第5当接部15cを有する。従って、蓋13の板状部13bの下面13qにパッキン15の第5当接部15cが当接することにより、蓋13の気密性を一層高めることができる。
【0087】
以上、本開示に係るレフィル容器及び化粧料容器の実施形態について説明した。しかしながら、本開示に係るレフィル容器及び化粧料容器は、前述した実施形態の内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨の範囲内において適宜変更されたものであってもよい。すなわち、本開示に係るレフィル容器及び化粧料容器の各部品の形状、大きさ、数、材料、及び配置態様は、前述した要旨の範囲内において適宜変更可能である。
【0088】
例えば、前述の実施形態では、容器本体12、蓋13及びリング部材14がPPによって構成されている例について説明した。しかしながら、容器本体12、蓋13及びリング部材14の少なくともいずれかがPET(ポリエチレンテレフタレート)によって構成されていてもよい。また、容器本体12、蓋13及びリング部材14のいずれかがABS樹脂によって構成されていてもよい。このように、容器本体12、蓋13及びリング部材14の材料は適宜変更可能である。
【0089】
例えば、前述の実施形態では、第1凸部23bを有する第1突起23を備えた蓋13、及び第1凹部22cを有する外壁部12fを備えた容器本体12について説明した。しかしながら、気密の確保、及び蓋の浮き上がりの抑制が可能であれば凸部及び凹部の関係は逆であってもよい。このように、本開示に係るレフィル容器及び化粧料容器では、凹凸の構成について適宜変更可能である。すなわち、レフィル容器及び化粧料容器における凹凸の数及び配置態様は、前述した要旨の範囲内において適宜変更可能である。また、前述の実施形態では、収容部材3、外蓋4、ボタン6、付勢部材7及び内側部材8を有する保持部材2について説明した。しかしながら、レフィル容器を保持する保持部材の構成についても前述した実施形態の内容に限られず適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0090】
1…化粧料容器、2…保持部材、3…収容部材、3b…側面部、3c…底部、3d…開口、3f…外面、3g…上端、3h…凹部、3j…内面、3k…突出部、3m…凸部、4…外蓋、4b…天面、4c…側面、4d…内側面、4f…ミラー、4g…内側面、4h…凹部、4j…凸部、4p…第1壁部、4q…第2壁部、5…ヒンジ部、6…ボタン、6b…露出部、6c…第1延在部、6d…第2延在部、6f…突出部、6g…凸部、7…付勢部材、8…内側部材、8b…第1係合部、8c…第2係合部、8d…側壁部、8f…縁部、8g…第1突起部、8h…第2突起部、8k…開口、9…パフ、10…レフィル容器、11…含浸体(化粧料)、12d…内壁部、12f…外壁部、12g…底部、12h…外面、12j…凹部、12k…底面部、12m…内周面、12p…内面、12q…外面、12r…凸部、12s…凹部、12t…凸部、12v…ヒンジ部、12w…突出部、12x…軸部、12y…上端面、13…蓋、13b…板状部、13c…壁部、13d…ヒンジ接続部、13f…外周面、13g…突出部、13h…嵌合部、13j…凹部、13k…凸部、13m…湾曲部、13p…上面、13q…下面、13r…パフ収容空間、13t…凹部、13v…外縁部、13w…突出部、14…リング部材、14b…突出部、14c…壁部、14d…第2突起、14f…外面、14g…内面、14h…凸部、14j,14k…先端面、14m…第1平坦面、14p…第1傾斜面、14q…第2傾斜面、14r…第2当接部、14s…凹部、14t…第3当接部、14v…開口、15…パッキン、15b…第4当接部、15c…第5当接部、15d…外面、15f…内面、15g…凹部、15h…平滑面、15j…上端部、15k…平坦面、15m…凹部、15p…傾斜面、16…シール、21…第1収容部、21b…開口、22…第2収容部、22b…第1当接部、22c…第1凹部、22d…凸部、22f…凹部、22g…凸部、22h…第2凹部、22j…第1傾斜部、22k…直線部、22m…第2傾斜部、22p…上側傾斜部、22q…直線部、22r…下側傾斜部、22s…内側傾斜面、22t…第1傾斜面、22v…第2傾斜面、22w…内面、23…第1突起、23b…第1凸部、23c…延在部、23d…外面、23f…内面、23g…凹部、23h…第1傾斜面、23j…頂面、23k…第2傾斜面、23m…傾斜面、23p…先端面、23q…延在面、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向。
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