IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アロン化成株式会社の特許一覧

特開2024-68839管連結部材、管路構造、及び管路補修方法
<>
  • 特開-管連結部材、管路構造、及び管路補修方法 図1
  • 特開-管連結部材、管路構造、及び管路補修方法 図2
  • 特開-管連結部材、管路構造、及び管路補修方法 図3
  • 特開-管連結部材、管路構造、及び管路補修方法 図4
  • 特開-管連結部材、管路構造、及び管路補修方法 図5
  • 特開-管連結部材、管路構造、及び管路補修方法 図6
  • 特開-管連結部材、管路構造、及び管路補修方法 図7
  • 特開-管連結部材、管路構造、及び管路補修方法 図8
  • 特開-管連結部材、管路構造、及び管路補修方法 図9
  • 特開-管連結部材、管路構造、及び管路補修方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068839
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】管連結部材、管路構造、及び管路補修方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 25/14 20060101AFI20240514BHJP
   F16L 21/06 20060101ALI20240514BHJP
   F16L 55/18 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
F16L25/14
F16L21/06
F16L55/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179445
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000505
【氏名又は名称】アロン化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】水野 宏俊
(72)【発明者】
【氏名】中島 修一
【テーマコード(参考)】
3H015
3H016
【Fターム(参考)】
3H015DA06
3H016DA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】接続対象とされる管部材の径に応じて、径方向への大きさを適宜変更可能な管連結部材、管路構造、及び管路補修方法の提供を目的とした。
【解決手段】管連結部材10は、弾性体によって筒状に形成され、一端から第一管部材22を挿入し、他端から第二管部材24を挿入することにより第一管部材22及び第二管部材24を繋ぐ管路を形成可能な接続部材と、接続部材の外周を覆うように装着される外装部材40と、外装部材40に対してさらに外周側から装着されることにより、外装部材40及び接続部材に対して縮径方向への締め付け力を作用させる締付部材60と、を備えており、外装部材40が、複数の外装構成部材42を連結することにより環状に形成されるものであり、外装構成部材42の連結数を増減することにより外装部材40の径方向への大きさを変更できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一管部材と、第二管部材とを連結するための管連結部材であって、
弾性体によって筒状に形成され、一端から前記第一管部材を挿入し、他端から前記第二管部材を挿入することにより前記第一管部材及び前記第二管部材を繋ぐ管路構造を形成可能な接続部材と、
前記接続部材の外周を覆うように装着される外装部材と、
前記外装部材に対してさらに外周側から装着されることにより、前記外装部材及び前記接続部材に対して縮径方向への締め付け力を作用させる締付部材と、
を備えており、
前記外装部材が、複数の外装構成部材を連結することにより環状に形成されるものであり、前記外装構成部材の連結数を増減することにより前記外装部材の径方向への大きさを変更できること、を特徴とする管連結部材。
【請求項2】
前記外装構成部材が、前記外装部材を環状に形成した状態において周方向一方側となる位置に被係合部を有し、周方向他方側となる位置に係合部を有するものであり、
第一の前記外装構成部材に設けられた前記被係合部に対し、第一の前記外装構成部材に対して周方向に隣接する第二の前記外装構成部材の係合部を係合させることにより連結構造部を形成し、第一の前記外装構成部材及び第二の前記外装構成部材を連結できること、を特徴とする請求項1に記載の管連結部材。
【請求項3】
前記係合部が、前記外装部材を環状に形成した状態において周方向に突出するように形成された突出部に形成されており、
前記被係合部が、前記突出部を前記周方向に差し込むことにより受け入れ可能な受部に形成されていること、を特徴とする請求項2に記載の管連結部材。
【請求項4】
前記外装構成部材が、
前記外装部材を環状に形成した状態において前記外装部材において前記第一管部材が挿入される側の部分をなす第一構成部と、
前記第二管部材が挿入される側の部分をなす第二構成部と、
前記第一構成部及び第二構成部の中間をなす第三構成部と、
を有し、
前記係合部、及び前記被係合部が、前記第三構成部に設けられていること、を特徴とする請求項2又は3に記載の管連結部材。
【請求項5】
前記外装構成部材において、前記外装部材を環状に形成した状態において周方向となる部分の長さが、前記第一構成部と前記第二構成部とで相違すること、を特徴とする請求項4に記載の管連結部材。
【請求項6】
複数の管部材を連結することにより流路を構成した管路構造であって、
上下流に隣接する管部材同士の連結箇所が、流路の延長方向に一又は複数設けられており、
前記連結箇所の一部又は全部において、請求項1又は2に記載の管連結部材により前記管部材同士が連結されていること、を特徴とする管路構造。
【請求項7】
前記連結箇所のうち、上下流に隣接する一方の管部材をなす前記第一管部材と、他方の管部材をなす前記第二管部材との管径が相違する箇所において、前記管連結部材により、前記第一管部材と前記第二管部材とが連結されていること、を特徴とする請求項6に記載の管路構造。
【請求項8】
複数の管部材を連結することにより流路を構成した管路構造S構造において、前記流路を構成する既設の前記管部材の一部を取り外し、取り外された前記管部材に代えて設置される新たな管部材である新設管部材を、取り外されずに残された既設の前記管部材に対して連結するものであり、
前記新設管部材、及び前記新設管部材に対して接続される前記既設の管部材のうち一方を前記第一管部材とし、他方を前記第二管部材として、請求項1又は2に記載の管連結部材により前記第一管部材及び前記第二管部材を接続すること、を特徴とする管路補修方法。
【請求項9】
前記新設管部材と、前記新設管部材に対して接続される既設の前記管部材との管径が相違することを条件として、前記管連結部材により前記第一管部材及び前記第二管部材を接続すること、を特徴とする請求項8に記載の管路補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管部材同士を連結するための管連結部材、管路構造、及び管路補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に係るパイプの接続構造において用いられているジョイントのように、管部材同士を連結するための管連結部材が提供されている。特許文献1のパイプの接続構造においては、内面に螺旋状溝の形成された波付きパイプ装着穴が一側に形成されるとともに、他側にはアタッチメント装着穴が形成されて両装着穴が連通した筒状のジョイント本体と、アタッチメント装着穴の内径と略等しい外径からなって、内部にパイプ装着穴が貫通形成された筒状のアタッチメントとで構成され、ジョイント本体一側の波付きパイプ装着穴には、外面に螺旋状凸部の形成された波付きパイプの端部を装着し、他側のアタッチメント装着穴には、アタッチメントのパイプ装着穴に端部を装着した別のパイプを、アタッチメントを介して装着するものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-317979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述した特許文献1のパイプの接続構造において用いられるジョイントは、ジョイント本体として、接続対象となる管部材の一つである波付きパイプの径に適合した大きさの装着穴(波付きパイプ装着穴)を備えたものを準備しつつ、ジョイント本体に対して接続されるアタッチメントとして、もう一方の管部材である通常パイプの径に適合した大きさのパイプ用の装着穴を備えたものを準備しなければならない。そのため、特許文献1において開示されているようなジョイントを用いる場合には、接続対象とされると想定される管部材の径を予め複数種想定しておき、想定される管部材の径に応じて装着穴の径の異なるジョイント本体やアタッチメントを準備しなければならないという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、接続対象とされる管部材の径に応じて、径方向への大きさを適宜変更可能な管連結部材、管路構造、及び管路補修方法の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の管連結部材は、第一管部材と、第二管部材とを連結するためのものであって、弾性体によって筒状に形成され、一端から前記第一管部材を挿入し、他端から前記第二管部材を挿入することにより前記第一管部材及び前記第二管部材を繋ぐ管路を形成可能な接続部材と、前記接続部材の外周を覆うように装着される外装部材と、前記外装部材に対してさらに外周側から装着されることにより、前記外装部材及び前記接続部材に対して縮径方向への締め付け力を作用させる締付部材と、を備えており、前記外装部材が、複数の外装構成部材を連結することにより環状に形成されるものであり、前記外装構成部材の連結数を増減することにより前記外装部材の径方向への大きさを変更できること、を特徴とするものである。
【0007】
本発明の管連結部材は、外装部材を構成する外装構成部材の連結数を変更することにより、外装部材の径方向への大きさを変更できる。また、本発明の管連結部材は、接続対象とされる第一管部材及び第二管部材が挿入される接続部材が弾性体によって構成され、この弾性体の外周に外装部材が装着される。これにより、接続部材は、外装部材の大きさに応じて径方向に弾性変形する。そのため、本発明の管連結部材は、接続対象とされる第一管部材及び第二管部材の径に応じて外装構成部材の連結数を変更したうえで、接続部材に対して外周側から外装部材を装着することにより、第一管部材及び第二管部材の外周に沿うように、接続部材が装着された状態になる。本発明の管連結部材は、接続部材に対して外装部材を装着した状態において、さらに締付部材を装着することにより、外装部材及び接続部材に対して縮径方向への締め付け力が作用した状態として取りつけられる。これにより、本発明の管連結部材は、接続対象とされる第一管部材及び第二管部材に対してしっかりと固定される。従って、本発明の管連結部材は、接続対象とされる第一管部材及び第二管部材の径に応じて径方向への大きさを適宜変更できるとともに、第一管部材及び第二管部材に対してしっかりと装着することができる。
【0008】
(2)本発明の管連結部材は、前記外装構成部材が、前記外装部材を環状に形成した状態において周方向一方側となる位置に被係合部を有し、周方向他方側となる位置に係合部を有するものであり、第一の前記外装構成部材に設けられた前記被係合部に対し、第一の前記外装構成部材に対して周方向に隣接する第二の前記外装構成部材の係合部を係合させることにより連結構造部を形成し、第一の前記外装構成部材及び第二の前記外装構成部材を連結できること、を特徴とするものであると良い。
【0009】
本発明の管連結部材は、上記(2)のような構成とすることにより、外装部材において周方向に隣接する外装構成部材のうち一方に設けられた係合部に対して、他方の外装構成部材に設けられた被係合部を係合させることにより隣接する外装構成部材同士を連結できる。これとは逆に、本発明の管連結部材は、係合状態にある係合部及び被係合部の係合を解除することにより、隣接する外装構成部材同士の連結を解除できる。従って、本発明の管連結部材は、外装構成部材の連結数の増減を容易かつ確実に行うことができる。
【0010】
(3)本発明の管連結部材は、前記係合部が、前記外装部材を環状に形成した状態において周方向に突出するように形成された突出部に形成されており、前記被係合部が、前記突出部を前記周方向に差し込むことにより受け入れ可能な受部に形成されていること、を特徴とするものであると良い。
【0011】
本発明の管連結部材は、上記(3)のような構成とすることにより、周方向に隣接する第一の外装構成部材に設けられた受部に対し、第二の外装構成部材に設けられた突出部を差し込んだ状態において、受部に形成された被係合部に対し、突出部に形成された係合部を係合させることにより、第一及び第二の外装構成部材を連結できる。また、本発明の管連結部材は、外装構成部材の連結数を変更する際に、突出部を設けた分だけ突出部の突出方向(周方向,連結方向)にクリアランスが形成されるため、連結数の変更作業が容易となる。
【0012】
(4)本発明の管連結部材は、前記外装構成部材が、前記外装部材を環状に形成した状態において前記外装部材において前記第一管部材が挿入される側の部分をなす第一構成部と、前記第二管部材が挿入される側の部分をなす第二構成部と、前記第一構成部及び第二構成部の中間をなす第三構成部と、を有し、前記係合部、及び前記被係合部が、前記第三構成部に設けられていること、を特徴とするものであると良い。
【0013】
本発明の管連結部材は、上記(4)のような構成とすることにより、外装構成部材において端側に位置する第一構成部や第二構成部に係合部及び被係合部を設ける場合と比較して、複数の外装構成部材を連結して環状になるように組み立てた状態において、外装部材としてバランスよく自立させることができる。
【0014】
(5)本発明の管連結部材は、前記外装構成部材において、前記外装部材を環状に形成した状態において周方向となる部分の長さが、前記第一構成部と前記第二構成部とで相違すること、を特徴とするものであると良い。
【0015】
本発明の管連結部材は、上記(5)のような構成とすることにより、管径が相違する第一管部材及び第二管部材の接続において好適に利用できる。
【0016】
(6)本発明の管路構造は、複数の管部材を連結することにより流路を構成した管路構造であって、上下流に隣接する管部材同士の連結箇所が、流路の延長方向に一又は複数設けられており、前記連結箇所の一部又は全部において、上述した本発明の管連結部材により前記管部材同士が連結されていること、を特徴とするものである。
【0017】
本発明の管路構造は、上記(6)のような構成とすることにより、管部材同士の連結箇所において、それぞれの管部材の管径に応じた最適なサイズに調整された管連結部材を用いて管部材同士を連結したものとすることができる。
【0018】
(7)本発明の管路構造は、前記連結箇所のうち、上下流に隣接する一方の管部材をなす前記第一管部材と、他方の管部材をなす前記第二管部材との管径が相違する箇所において、前記管連結部材により、前記第一管部材と前記第二管部材とが連結されていること、を特徴とするものであると良い。
【0019】
本発明の管路構造は、上記(7)のような構成とすることにより、上下流に隣接する第一管部材と二管部材との管径が相違する連結箇所においても、最適なサイズに調整された管連結部材を用いて管部材同士を連結したものとすることができる。
【0020】
(8)本発明の管路補修方法は、複数の管部材を連結することにより流路を構成した管路構造において、前記流路を構成する既設の前記管部材の一部を取り外し、取り外された前記管部材に代えて設置される新たな管部材である新設管部材を、取り外されずに残された既設の前記管部材に対して連結するものであり、前記新設管部材、及び前記新設管部材に対して接続される前記既設の管部材のうち一方を前記第一管部材とし、他方を前記第二管部材として、上述した本発明の管連結部材により前記第一管部材及び前記第二管部材を接続すること、を特徴とするものである。
【0021】
本発明の管路補修方法は、上記(8)のように、本発明に係る管連結部材を用いることにより、新設管部材と、既設の管部材との連結に用いて行われる。そのため、本発明の管路補修方法は、新設管部材及び既設の管部材の管径に応じて最適なサイズに調整した管連結部材を用いて管部材同士を連結することにより、管路の補修を行うことができる。
【0022】
(9)本発明の管路補修方法は、前記新設管部材と、前記新設管部材に対して接続される既設の前記管部材との管径が相違することを条件として、前記管連結部材により前記第一管部材及び前記第二管部材を接続すること、を特徴とするものであると良い。
【0023】
本発明の管路補修方法は、上記(9)のようなものとすることにより、新設管部材と既設管部材との管径が相違する場合において好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、上述した課題を解消した管連結部材、管路構造、及び管路補修方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る管連結部材によって管部材を接続して管路構造を構成した状態を示す正面図である。
図2】(a)は図1に示した管連結部材の左側面図、(b)は図1に示した管連結部材の右側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る管連結部材を示す斜視図である。
図4図1の管連結部材に用いられる外装部材の側面図であり、(a)は5つの外装構成部材を連結した状態、(b)は6つの外装構成部材を連結した状態、(c)は7つの外装構成部材を連結した状態を示したものである。
図5図1の管連結部材に用いられる外装部材について、一部の外装構成部材を取り外した状態を示す斜視図である。
図6図1の管連結部材に用いられる外装部材を構成する外装構成部材を示す斜視図である。
図7図1の管連結部材の要部を拡大して示した断面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る管路構造を示す説明図である。
図9】本発明の一実施形態に係る管路補修方法の流れを示す説明図であり、(a)は交換対象である既設の管部材を取り外す前の状態、(b)は交換対象の管部材を取り外した状態を示したものである。
図10】本発明の一実施形態に係る管路補修方法の流れを示す説明図であり、(c)は図9(b)のように交換対象の管部材を取り外した後に残存している既設の管部材に対して管連結部材を用いて新設の幹部材を接続した状態を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態に係る管連結部材10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0027】
図1に示すように、管連結部材10は、例えば下水道等において、管部材20を連結することで形成された流路を備えた管路構造Sを構成するために用いられるものである。管連結部材10を用いて管部材20を連結することにより、汚水や雨水等の管路構造Sを形成することができる。管部材20は、例えば、塩ビ管等のような樹脂製のものや、コンクリート製のヒューム管、陶器製の陶管等、様々な材質によって形成されたものとすることができる。管連結部材10は、管路構造Sを構成する第一の管部材20(第一管部材22)及び第二の管部材20(第二管部材24)が、同一の材質によって形成されている場合だけでなく、例えば塩ビ管と陶管のように異なる材質によって形成されている場合にも用いることができる。
【0028】
また、図1に示すように、管連結部材10は、第一管部材22及び第二管部材24が外径の異なるものである場合にも、第一管部材22及び第二管部材24の連結に用いることができる。図1に示す例においては、第一管部材22が第二管部材24よりも外径の大きなものとされているが、管連結部材10を用いて連結することにより連続した管路構造Sをなすよう連結することができる。図1図3等に示すように、管連結部材10は、接続部材30、外装部材40、及び締付部材60を備えたものとされている。
【0029】
接続部材30は、弾性体によって形成されている。接続部材30は、例えばゴムやシリコーン樹脂等によって構成することができる。接続部材30を構成する弾性体は、第一管部材22及び第二管部材24によって構成される管路の内部を流れる流体の種類、や、管連結部材10が配設される周囲の環境に応じて選択すると良い。
【0030】
図3等に示すように、接続部材30は、中空であって、軸線方向一方側及び他方側において開口した、筒状の部材である。接続部材30は、周面が平滑な筒体によって構成されても良いが、本実施形態では図3図7等に示すように周面に凹凸が設けられたものとされている。接続部材30は、軸線方向の一端に、第一管部材22を挿入可能なように開口した第一受口部32を有する。また、接続部材30は、軸線方向の他端(第一受口部32とは反対)に、第二管部材24を挿入可能なように開口した第二受口部34を有する。接続部材30は、一端から第一受口部32に第一管部材22を挿入し、他端から第二受口部34に第二管部材24を挿入することにより第一管部材22及び第二管部材24を繋ぐ管路構造Sを形成することができる。
【0031】
図1図2図7等に示すように、外装部材40は、接続部材30の外周を覆うように装着される部材である。図3図5等に示すように、外装部材40は、複数の外装構成部材42を連結することにより環状に形成される。また、外装部材40は、外装構成部材42の連結数を増減することにより径方向への大きさを変更することができる。具体的には、外装構成部材42の連結数を変更することにより、外装部材40の径方向への大きさを変更した例を、図4に示す。外装部材40は、図4(a)に示すように5つの外装構成部材42を連結した状態、同図(b)に示すように6つの外装構成部材42を連結した状態、同図(c)のように7つの外装構成部材42を連結した状態と、外装構成部材42の連結数を変更することにより、径方向への大きさを変更できる。
【0032】
外装構成部材42は、接続部材30よりも硬度の高い素材によって構成される。外装構成部材42は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の汎用樹脂や、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド等のエンジニアリングプラスチック、金属素材等によって構成すると良い。図5図7等に示すように、外装構成部材42は、大別して、第一構成部44、第二構成部46、及び第三構成部48の3つの部位によって構成されている。図6に示すように、外装構成部材42は、一端側に第一構成部44、他端側に第三構成部48を有し、これらの中間に第二構成部46が設けられた構成とされている。また、外装構成部材42は、係合部50及び被係合部52を備えている。
【0033】
第一構成部44は、外装部材40において、管連結部材10(外装部材40)を組み立てた状態において第一管部材22の接続側(第一受口部32側)となる部分を構成するものである。第一構成部44は、外装構成部材42の中間をなす第三構成部48の側から外装構成部材42の一端側に向けて延びる第一構成片44aを備えている。第一構成部44は、管連結部材10(外装部材40)を組み立てた状態において、周方向に所定の間隔を開けて複数(図示例では4つ)の第一構成片44aを備えている。
【0034】
第一構成片44aは、管連結部材10の組み立て状態において接続部材30側を向く面(以下、「裏面」とも称す)が、接続部材30の外周面に対して面接触するように形成されている。本実施形態では、図5図7に示すように、第一構成片44aの裏面には、接続部材30の外周に形成された凹部に嵌まり込む突部44eが設けられている。また、第一構成部44は、第一構成片44aのうち、管連結部材10の組み立て状態において後に詳述する締付部材60側を向く面(以下、「表面」とも称す)に第一巻付部44bが設けられている。
【0035】
第一巻付部44bは、後に詳述する締付部材60が、外装部材40の径方向外側から巻き付けられる部分である。第一巻付部44bは、第一構成片44aにおいて、第二構成部46の側から外装構成部材42の一端側に向かう方向(外装部材40を環状に形成した状態における軸線方向)の途中に設けられている。第一構成片44aは、第一巻付部44bをなす部分において、複数の第一巻付部構成片44cに分岐されている。本実施形態では、第一構成片44aは、2つの第一巻付部構成片44c,44cに分岐されている。また、第一構成片44aは、基端側(第三構成部48側)から先端側(管連結部材10において第一管部材22の接続側となる側)に向かうに連れて離反するように形成されている。そのため、第一構成片44aは、第一巻付部44bをなす部分において略「V」字型の形状に形成されている。
【0036】
第一構成片44aは、第一巻付部44b(第一巻付部構成片44c)における第三構成部48側の境界部分、及びこれとは反対側(第一構成部44の一端側)の境界部分に、二つの第一突部44dを有する。第一突部44dは、第一構成片44aの表面側に突出している。これにより、第一構成片44aは、外装部材40を環状に形成した状態において軸線方向の中間部分に所定の間隔をあけて設けられた2つの第一突部44d,44dの間に第一巻付部44bを備えたものとされている。
【0037】
第二構成部46は、外装部材40において、管連結部材10(外装部材40)を組み立てた状態において第二管部材24の接続側(第二受口部34側)となる部分を構成するものである。第二構成部46は、外装構成部材42の中間をなす第三構成部48の側から外装構成部材42の他端側に向けて延びる第二構成片46a1、及び第二構成片46a2を備えている。第二構成部46は、管連結部材10(外装部材40)を組み立てた状態において、周方向に所定の間隔を開けて複数(図示例では3つ)の第二構成片46a1を備えている。また、第二構成部46は、複数並べて配された第二構成片46a1に対して、第二構成片46a1の並ぶ方向の一方側に隣接する位置に第二構成片46a2を備えている。
【0038】
第二構成片46a1,46a2は、管連結部材10の組み立て状態において接続部材30側を向く面(以下、「裏面」とも称す)が、接続部材30の外周面に対して面接触するように形成されている。本実施形態では、図5図7に示すように、第二構成片46a1,46a2の裏面には、接続部材30の外周に形成された凹部に嵌まり込む突部46eが設けられている。また、第二構成部46は、第二構成片46a1,46a2のうち、管連結部材10の組み立て状態において後に詳述する締付部材60側を向く面(以下、「表面」とも称す)に第二巻付部46bを有する。
【0039】
第二巻付部46bは、後に詳述する締付部材60が、外装部材40の径方向外側から巻き付けられる部分である。第二巻付部46bは、第二構成片46a1,46a2において、第二構成部46の側から外装構成部材42の一端側に向かう方向(外装部材40を環状に形成した状態における軸線方向)の途中に設けられている。第二構成片46a1は、第二巻付部46bをなす部分において、複数の第二巻付部構成片46cに分岐されている。本実施形態では、第二構成片46a1は、2つの第二巻付部構成片46c,46cに分岐されている。また、第二構成片46a1は、基端側(第三構成部48側)から先端側(管連結部材10において第二管部材24の接続側となる側)に向かうに連れて離反するように形成されている。そのため、第二構成片46a1は、第二巻付部46bをなす部分において略「V」字型の形状に形成されている。また、第二構成片46a2は、第二構成片46a1をなす第二巻付部構成片46c,46cの一方を省略した形状に形成されている。
【0040】
第二構成片46a1,46a2は、第二巻付部46b(第二巻付部構成片46c)における第三構成部48側の境界部分、及びこれとは反対側(第二構成部46の一端側)の境界部分に、二つの第二突部46dを有する。第二突部46dは、第二構成片46a1,46a2の表面側に突出している。これにより、第二構成片46a1,46a2は、外装部材40を環状に形成した状態において軸線方向の中間部分に所定の間隔をあけて設けられた2つの第二突部46d,46dの間に第二巻付部46bを備えたものとされている。
【0041】
第三構成部48は、第一構成部44及び第二構成部46の中間をなす部分である。第三構成部48は、複数の外装構成部材42を組み合わせて環状の外装部材40とした状態において、軸線方向の略中央部に位置している。第三構成部48には、突出部48a及び受部48bを有する。突出部48a及び受部48bは、それぞれ環状の外装部材40を形成した状態において周方向一方側、及び他方側となる部分に設けられている。
【0042】
ここで、上述した第一構成部44や第二構成部46が後に詳述する締付部材60が装着される部分であるのに対し、第三構成部48には締付部材60が装着されない。また、第一構成部44や第二構成部46が外装構成部材42を連結して構成される外装部材40において軸線方向の両端側に位置するのに対して、第三構成部48は、外装部材40の軸線方向において中間部分に位置する。そのため、第三構成部48において外装構成部材42を連結できる構成とすれば、締付部材60の装着に際して邪魔になることなく、第一構成部44側あるいは第二構成部46側に偏ることなくバランスの良い位置において外装構成部材42を連結できる。そのため、本実施形態では、外装構成部材42を連結するための構成として、突出部48a及び受部48bが、第三構成部48に設けられている。
【0043】
突出部48aは、外装部材40の周方向一方側において当該周方向の外側に向けて突出するように形成された片状の部分である。突出部48aには、係合部50が形成されている。係合部50は、突出部48aをなす片の幅方向中央部に設けられたスリット50aを介して幅方向一方側及び他方側に爪部50b,50bを有する。爪部50bは、突出部48aの本体部分48cよりも幅方向に段差をなして張り出すように形成されている。また、爪部50bは、先端側に向けて先細り状に形成されている。係合部50は、爪部50b,50bがスリット50a側に撓むように外力を加えることによって本体部分48cと同等程度まで幅が縮小し、外力を解除すると元の状態に戻る。
【0044】
受部48bは、外装部材40の周方向他方側(突出部48aとは反対側)において、突出部48aを受け入れ可能なように形成された部分である。受部48bは、被係合部52を構成する。突出部48aをなす片状の部分を差し込み可能なように形成されたスリットの開口をなすゲート状のものとされている。受部48bをなすスリットの開口高さ(厚み)は、突出部48aの厚みと同等とされている。また、受部48bをなすスリットの開口幅は、突出部48aの本体部分48cの幅と同等とされている。そのため、受部48bに対して爪部50b側を先頭にして突出部48aを差し込むと、爪部50b,50bに対してスリット50a側に向かう方向への外力が作用し、突出部48aにおいて爪部50b,50bが設けられた部分が受部48bを通過する。さらに受部48bに対して突出部48aを差し込むと、爪部50b,50bに対して作用していた外力が解除され、爪部50b,50bが元の状態に戻る。これにより、係合部50と被係合部52とによる連結構造部55が形成され、外装構成部材42,42が連結される。このようにして複数の外装構成部材42を連結して環状に形成すると、外装部材40が形成される。
【0045】
一方、係合部50を被係合部52に対して係合させることにより連結された外装構成部材42,42の連結を解除するときには、爪部50b,50bを摘まむなどして、爪部50b,50bに対してスリット50a側に向かう方向への外力を加えた状態として、突出部48aを受部48bから引き抜く。これにより、係合部50と被係合部52との係合が解除され、外装構成部材42,42の連結が解消される。
【0046】
図1図7等に示すように、締付部材60は、外装部材40に対してさらに外周側から装着されることにより、外装部材40及び接続部材30に対して縮径方向への締め付け力を作用させる部材である(図3においては図示せず省略)。締付部材60は、巻付体62及びバンド部材64を備えている。巻付体62は、帯状に形成された金属板によって構成されている。巻付体62は、外装部材40の第一構成部44に設けられた第一巻付部44bや、第二構成部46に設けられた第二巻付部46bに巻き付けることにより、外装部材40に対して装着される。また、バンド部材64は、金属や樹脂等によって構成されたバンド64aの一端に突起又は細穴を形成し、他端に前述の突起又は細穴と噛み合うネジ部64bを設けたものであり、ネジ部64bを回転させることによりバンド64aの締め付け具合を調節できるものとされている。
【0047】
管連結部材10は、上述した接続部材30の外周に外装部材40を巻き付けるとともに、外装部材40の第一巻付部44b及び第二巻付部46bに締付部材60を装着することにより形成される。外装部材40は、接続対象とされる第一管部材22及び第二管部材24の外径に応じて外装構成部材42の連結数を変更することにより、大きさを調整した状態で接続部材30に対して装着される。
【0048】
管連結部材10を用いて第一管部材22及び第二管部材24を接続する際には、接続部材30の第一受口部32に第一管部材22の端部を挿入し、第二受口部34に第二管部材24の端部を挿入する。その後、締付部材60のバンド部材64により締め付け具合を調整することにより、接続部材30及び外装部材40に対して縮径方向への外力を作用させる。これにより、管連結部材10は、第一管部材22及び第二管部材24に対してしっかりと装着された状態になる。その結果、第一管部材22及び第二管部材24は、管連結部材10を介して連通するように連結された状態になる。
【0049】
図8に示すように、管路構造Sは、上下流に隣接する管部材20同士の連結箇所70が、流路の延長方向に一又は複数設けられたものである。管路構造Sは、流路の途中に設けられた連結箇所70の一部又は全部において、上述した管連結部材10により管部材20同士が連結されたものとされている。
【0050】
管路構造Sは、流路の途中に設けられた複数の連結箇所70の全てにおいて、管連結部材10によって上下流に隣接する管部材20同士を接続することも可能であるが、一部の連結箇所70のみについて管連結部材10によって管部材20同士を連結し、他の連結箇所70は、例えば従来公知の継手やマス等を用いることにより、管連結部材10を用いることなく連結したものとすると良い。管連結部材10により管部材20同士を連結する連結箇所70は、適宜選択可能であるが、連結箇所70のうち、上下流に隣接する一方の管部材20をなす第一管部材22と、他方の管部材20をなす第二管部材24との管径が相違する箇所において、管連結部材10によって第一管部材22と第二管部材24とを連結すると良い。
【0051】
上述した管連結部材10は、新規に管部材20を敷設して管路構造Sを構築するときに管部材20同士を連結するときに利用できるだけでなく、既設の管路構造Sをなす管部材20の一部を取り外し、取り外された管部材20に代えて設置される新たな管部材20(新設管部材20X)を、取り外されずに残された既設の管部材20(既設管部材20Y)に対して連結することにより、管路構造Sを補修する方法(管路補修方法)においても好適に利用できる。このような管路補修方法において、管連結部材10は、新設管部材2020Xと、これに接続される既設管部材20Yとの管径が相違する場合において好適に利用できる。
【0052】
具体的には、図9(a)に示すように管部材20が多数連結された管路構造Sにおいて、交換対象である管部材20を取り外すことにより、図9(b)のように既設管部材20Y,20Yの間に、交換用の新設管部材20Xを配置するための空間72が確保される。その後、図10(c)に示すように、交換用の新設管部材20Xとして、既設管部材20Yと管径の異なるもの(図示例では、既設管部材20Yよりも管径の小さなもの)を配置する。この際、新設管部材20Xの一方側、及び他方側において、管連結部材10を用いて新設管部材20Xと、既設管部材20Y,20Yとが接続される。
【0053】
上述した本実施形態の管連結部材10は、以下の(a)~(e)のような特徴的構成を備えている。また、上述した本実施形態の管路構造Sは、以下の(f)、(g)のような特徴的構成を備えており、上述した管路補修方法は、以下の(h)、(i)のような特徴を有するものである。これにより、管連結部材10や、これを用いた管路構造S、及び管路補修方法は、以下に記載のような特有の効果を奏することができる。
【0054】
(a)本実施形態の管連結部材10は、第一管部材22と、第二管部材24とを連結するためのものであって、弾性体によって筒状に形成され、一端から第一管部材22を挿入し、他端から第二管部材24を挿入することにより第一管部材22及び第二管部材24を繋ぐ管路構造Sを形成可能な接続部材30と、接続部材30の外周を覆うように装着される外装部材40と、外装部材40に対してさらに外周側から装着されることにより、外装部材40及び接続部材30に対して縮径方向への締め付け力を作用させる締付部材60と、を備えており、外装部材40が、複数の外装構成部材42を連結することにより環状に形成されるものであり、外装構成部材42の連結数を増減することにより外装部材40の径方向への大きさを変更できること、を特徴とするものである。
【0055】
本実施形態の管連結部材10は、外装部材40を構成する外装構成部材42の連結数を変更することにより、外装部材40の径方向への大きさを変更できる。また、本実施形態の管連結部材10は、接続対象とされる第一管部材22及び第二管部材24が挿入される接続部材30が弾性体によって構成され、この弾性体の外周に外装部材40が装着される。これにより、接続部材30は、外装部材40の大きさに応じて径方向に弾性変形する。そのため、本実施形態の管連結部材10は、接続対象とされる第一管部材22及び第二管部材24の径に応じて外装構成部材42の連結数を変更したうえで、接続部材30に対して外周側から外装部材40を装着することにより、第一管部材22及び第二管部材24の外周に沿うように、接続部材30が装着された状態になる。本実施形態の管連結部材10は、接続部材30に対して外装部材40を装着した状態において、さらに締付部材60を装着することにより、外装部材40及び接続部材30に対して縮径方向への締め付け力が作用した状態として取りつけられる。これにより、本実施形態の管連結部材10は、接続対象とされる第一管部材22及び第二管部材24に対してしっかりと固定される。従って、本実施形態の管連結部材10は、接続対象とされる第一管部材22及び第二管部材24の径に応じて径方向への大きさを適宜変更できるとともに、第一管部材22及び第二管部材24に対してしっかりと装着することができる。
【0056】
(b)本実施形態の管連結部材10は、外装構成部材42が、外装部材40を環状に形成した状態において周方向一方側となる位置に被係合部52を有し、周方向他方側となる位置に係合部50を有するものであり、第一の外装構成部材42に設けられた被係合部52に対し、第一の外装構成部材42に対して周方向に隣接する第二の外装構成部材42の係合部50を係合させることにより連結構造部55を形成し、第一の外装構成部材42及び第二の外装構成部材42を連結できること、を特徴とするものであると良い。
【0057】
本実施形態の管連結部材10は、上記(b)のような構成とすることにより、外装部材40において周方向に隣接する外装構成部材42のうち一方に設けられた係合部50に対して、他方の外装構成部材42に設けられた被係合部52を係合させることにより隣接する外装構成部材42,42を連結できる。これとは逆に、本実施形態の管連結部材10は、係合状態にある係合部50及び被係合部52の係合を解除することにより、隣接する外装構成部材42,42の連結を解除できる。従って、本実施形態の管連結部材10は、外装構成部材42の連結数の増減を容易かつ確実に行うことができる。
【0058】
(c)本実施形態の管連結部材10は、係合部50が、外装部材40を環状に形成した状態において周方向に突出するように形成された突出部48aに形成されており、被係合部52が、突出部48aを周方向に差し込むことにより受け入れ可能な受部48bに形成されていること、を特徴とするものであると良い。
【0059】
本実施形態の管連結部材10は、上記(c)のような構成とすることにより、周方向に隣接する第一の外装構成部材42に設けられた受部48bに対し、第二の外装構成部材42に設けられた突出部48aを差し込んだ状態において、受部48bに形成された被係合部52に対し、突出部48aに形成された係合部50を係合させることにより、第一及び第二の外装構成部材42を連結できる。また、本実施形態の管連結部材10は、外装構成部材42の連結数を変更する際に、突出部48aを設けた分だけ、突出部48aの突出方向(周方向,連結方向)にクリアランスが形成されるため、外装構成部材42の連結数の変更作業が容易となる。
【0060】
(d)本実施形態の管連結部材10は、外装構成部材42が、外装部材40を環状に形成した状態において外装部材40において第一管部材22が挿入される側の部分をなす第一構成部44と、第二管部材24が挿入される側の部分をなす第二構成部46と、第一構成部44及び第二構成部46の中間をなす第三構成部48と、を有し、係合部50、及び被係合部52が、第三構成部48に設けられていること、を特徴とするものであると良い。
【0061】
本実施形態の管連結部材10は、上記(d)のような構成とすることにより、外装構成部材42において端側に位置する第一構成部44や第二構成部46に係合部50及び被係合部52を設ける場合と比較して、複数の外装構成部材42を連結して環状になるように組み立てた状態において、外装部材40としてバランスよく自立させることができる。
【0062】
(e)本実施形態の管連結部材10は、外装構成部材42において、外装部材40を環状に形成した状態において周方向となる部分の長さが、第一構成部44と第二構成部46とで相違すること、を特徴とするものであると良い。
【0063】
本実施形態の管連結部材10は、上記(e)のような構成とすることにより、管径が相違する第一管部材22及び第二管部材24の接続において好適に利用できる。
【0064】
(f)本実施形態の管路構造Sは、複数の管部材20を連結することにより流路を構成したものであって、上下流に隣接する管部材20同士の連結箇所70が、流路の延長方向に一又は複数設けられており、連結箇所70の一部又は全部において、上述した本実施形態の管連結部材10により管部材20同士が連結されたものである。
【0065】
本実施形態の管路構造Sは、上記(f)のような構成とすることにより、管部材20同士の連結箇所70において、それぞれの管部材20の管径に応じた最適なサイズに調整された管連結部材10を用いて管部材20同士を連結したものとすることができる。
【0066】
(g)本実施形態の管路構造Sは、連結箇所70のうち、上下流に隣接する一方の管部材20をなす第一管部材22と、他方の管部材20をなす第二管部材24との管径が相違する箇所において、管連結部材10により、第一管部材22と第二管部材24とが連結されたものである。
【0067】
本実施形態の管路構造Sは、上記(g)のような構成とすることにより、上下流に隣接する第一管部材22と第二管部材24との管径が相違する連結箇所70においても、最適なサイズに調整された管連結部材10を用いて管部材20同士を連結したものとすることができる。
【0068】
(h)本実施形態の管路補修方法は、複数の管部材20を連結することにより流路を構成した管路構造Sにおいて、流路を構成する既設管部材20Yの一部を取り外し、取り外された管部材20に代えて設置される新たな管部材20である新設管部材20Xを、取り外されずに残された既設管部材20Yに対して連結するものであり、新設管部材20、及び新設管部材20に対して接続される既設管部材20Yのうち一方を第一管部材22とし、他方を第二管部材24として、上述した本実施形態の管連結部材10により第一管部材22及び第二管部材24を接続するものである。
【0069】
本実施形態の管路補修方法は、上記(h)のように、本実施形態に係る管連結部材10を用いることにより、新設管部材20と、既設管部材20Yとの連結に用いて行われる。そのため、本実施形態の管路補修方法は、新設管部材20及び既設管部材20Yの管径に応じて最適なサイズに調整した管連結部材10を用いて管部材20同士を連結することにより、管路の補修を行うことができる。
【0070】
(i)本実施形態の管路補修方法は、新設管部材20と、新設管部材20に対して接続される既設管部材20Yとの管径が相違することを条件として、管連結部材10により第一管部材22及び第二管部材24を接続するものである。
【0071】
本実施形態の管路補修方法は、上記(i)のようなものとすることにより、新設管部材20と既設管部材20との管径が相違する場合において好適に用いることができる。
【0072】
本実施形態において例示した管連結部材10は、上述した(a)~(e)に係る特徴的構成を備えたものであるが、本発明はこれに限定されない。管連結部材10は、上述した(a)~(e)のいずれかを省略した構成としたり、(a)~(e)に係る構成に加えて、あるいは(a)~(e)に係る構成に加えてさらに他の構成を備えたものとしたりしても良い。また、上述した本実施形態の管路構造Sは、上述した(f)、(g)のような特徴的構成を備えたものであり、本発明の管路補修方法は、上述した(h)、(i)のような特徴を有するものであるが、本発明はこれに限定されない。管路構造Sは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、(f)、(g)に加えて、あるいは代えて他の構成を備えたものとしても良い。また、本発明の管路補修方法は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、(h)、(i)に加えて、あるいは代えて他の構成を備えたものとしても良い。
【0073】
具体的には、本実施形態の管連結部材10は、上記(b)のように、外装構成部材42の一端側に被係合部52を設け、これとは反対側に係合部50を設け、係合部50と被係合部52との連結により、第一の外装構成部材42及び第二の外装構成部材42を連結できる構成とした例を示したが、本発明はこれに限定されない。管連結部材10は、係合部50や被係合部52を設けるのに代えて、あるいは加えて、外装構成部材42,42を連結するための連結具を別途設け、当該連結具によって外装構成部材42,42を連結するものとしても良い。
【0074】
本実施形態の管連結部材10は、上記(c)のように、外装部材40を環状に形成した状態において周方向に突出するように形成された突出部48aに係合部50を形成し、突出部48aを周方向に差し込むことにより受け入れ可能な受部48bに被係合部52を形成した例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、突出部48aや本体部分48cに係合部50や被係合部52を設けず、他の部位に係合部50や被係合部52を設けた構成としても良い。
【0075】
本実施形態の管連結部材10は、上記(d)のように、外装部材40を構成する外装構成部材42の中間部分をなす第二構成部46に係合部50及び被係合部52を設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、管連結部材10は、外装部材40を構成する第二構成部46に代えて、あるいは第二構成部46に加えて、第一構成部44及び第三構成部48のいずれか一方又は双方において、係合部50及び被係合部52等のような外装構成部材42,42を連結するための構成を設けると良い。なお、第一構成部44や第三構成部48に外装構成部材42,42を連結するための構成を設ける場合、複数の外装構成部材42を連結して環状になるように組み立てた状態において、外装部材40としてバランスよく自立させるのが難しい場合には、外装部材40としてバランス良く自立させるための方策を講じると良い。
【0076】
本実施形態の管連結部材10は、上記(e)のように、外装構成部材42において、外装部材40を環状に形成した状態において周方向となる部分の長さが、第一構成部44と第二構成部46とで相違するものとされているが、本発明はこれに限定されない。例えば、接続対象である第一管部材22及び第二管部材24の外径が略同一である場合や、外装部材40について第一構成部44と第二構成部46とで周方向となる部分の長さを相違させなくても第一管部材22及び第二管部材24の外径の相違に対応できる構成とした場合には、上記(e)のような構成としなくても良い。
【0077】
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、課題を解決するための手段に記載の任意の構成要素または課題を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、第一管部材と第二管部材とを接続する管連結部材全般において好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0079】
10 :管連結部材
22 :第一管部材
24 :第二管部材
30 :接続部材
40 :外装部材
42 :外装構成部材
44 :第一構成部
46 :第二構成部
48 :第三構成部
48a :突出部
48b :受部
50 :係合部
52 :被係合部
55 :連結構造部
60 :締付部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10