(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006884
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240110BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240110BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240110BHJP
B65H 3/44 20060101ALI20240110BHJP
B65H 11/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B41J29/38 204
B41J29/42 F
G03G15/00 403
G03G15/00 463
B65H3/44 F
B65H11/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183163
(22)【出願日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2022106376
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】次村 浩一
(72)【発明者】
【氏名】疇地 悠
(72)【発明者】
【氏名】大橋 雅司
(72)【発明者】
【氏名】中野 靖大
(72)【発明者】
【氏名】荒金 覚
【テーマコード(参考)】
2C061
2H072
3F063
3F343
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR03
2C061AS02
2C061AS06
2C061CQ04
2C061CQ22
2C061CQ32
2C061HJ03
2C061HK07
2C061HK11
2C061HK16
2C061HN04
2C061HN17
2H072AA32
2H072AB02
2H072AB15
2H072BB08
2H072CA01
2H072CB01
2H072CB02
2H072DA01
2H072DA04
2H072HA03
2H072HA04
2H072JA02
3F063AA01
3F063AA03
3F063AC00
3F343FA01
3F343FB01
3F343KB03
3F343LC04
3F343MA60
3F343MB04
3F343MB09
3F343MB15
(57)【要約】
【課題】比較的長尺な媒体を使用する場合にも、媒体の両面に対する画像形成を実行しやすい。
【解決手段】自動両面処理として、長尺なロール紙Rpを、その一方の面が画像形成面となるようにヘッド5へと搬送して画像形成を行うと共にカッター3にロール紙を切断させ、切断済みのロール紙を、その他方の面が画像形成面となるようにヘッド5へと再搬送して画像形成を行う。この自動両面処理の可否の判定として、ユーザが指示したロール紙Rpの切断長が自動両面許容値以下であるか否かを判定する。自動両面処理が不可能である場合には手動両面処理を実行する。手動両面処理は、一方の面に画像が形成された切断済みのロール紙Rpがユーザによって給送トレイ1x、1y及び1zのいずれかに収容された後に他方の面への画像形成を行う処理である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ媒体を収容可能な第1収容部及び第2収容部を有する媒体収容部と、
前記媒体収容部が収容した媒体の画像形成面に対して画像を形成する画像形成動作を行う画像形成部と、
前記第1収容部が収容した媒体をその媒体の表面及び裏面の一方が前記画像形成面となるように前記画像形成部へ搬送する第1搬送動作と、前記第1搬送動作で搬送した媒体に対して前記画像形成動作が行われた後に、その媒体を表面及び裏面の他方が前記画像形成面となるように前記画像形成部へ搬送する第2搬送動作と、前記第2収容部が収容した媒体をその媒体の表面及び裏面の一方が前記画像形成面となるように前記画像形成部へと搬送する第3搬送動作とを選択的に実行する媒体搬送部と、
前記第1収容部及び前記第2収容部のいずれに収容された媒体の前記表面及び前記裏面のいずれに対して前記画像形成動作を行うかを示すユーザ指示を取得する指示取得部と、
前記指示取得部の取得結果に基づいて前記画像形成部及び前記媒体搬送部を制御する制御部とを備えており、
前記制御部は、
前記第1収容部に収容された媒体の表面及び裏面の両方に対して前記画像形成動作を行うことを前記ユーザ指示が示した場合に、第1条件を満たすときに第1両面処理を実行し、第2条件を満たすときに第2両面処理を実行し、
前記第1条件は、前記媒体搬送部によって搬送される媒体の長さが所定の値以下であるという条件を含んでおり、
前記第2条件は、前記第1条件が満たされないという条件を含んでおり、
前記第1両面処理は、
前記媒体搬送部に前記第1搬送動作及び前記第2搬送動作の両方を行わせつつ前記画像形成部に媒体の表面及び裏面の両方に対して前記画像形成動作を行わせる処理であり、
前記第2両面処理は、
前記媒体搬送部に前記第1搬送動作を行わせつつ前記画像形成部に前記画像形成動作を行わせ、その媒体の画像が形成された面と反対の面が前記画像形成面となるように前記第2収容部に収容された後に、前記第2収容部に収容された媒体に対して前記媒体搬送部に前記第3搬送動作を行わせつつ前記画像形成部に前記画像形成動作を行わせる処理であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記媒体収容部が、複数の前記第2収容部を含んでおり、
前記制御部が、前記第2収容部ごとに、使用可能な媒体の長さの範囲を保持しており、
前記第2条件は、前記媒体搬送部によって搬送される媒体の長さが前記使用可能な媒体の長さの範囲内となる前記第2収容部が存在するという条件を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ユーザに対する報知部を備えており、
前記制御部は、
前記第2両面処理において、前記媒体搬送部によって搬送される媒体の長さが前記使用可能な媒体の長さの範囲内となる前記第2収容部をユーザに指示する報知を前記報知部に行わせることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記媒体収容部が、複数の前記第2収容部を有しており、
前記制御部が、前記複数の第2収容部の優先順位を保持しており、
前記制御部は、
前記媒体搬送部によって搬送される媒体の長さが前記使用可能な媒体の長さの範囲内となる前記第2収容部であって前記優先順位の最も高いものをユーザに指示する表示を前記ディスプレイに行わせることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1条件及び前記第2条件の少なくともいずれかが、媒体の特性に関する条件を含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2両面処理は、
前記媒体搬送部に前記第1搬送動作を行わせつつ前記画像形成部に前記画像形成動作を行わせることを複数回繰り返し、当該複数の媒体が表面及び裏面を反転させた状態で前記第2収容部に収容された後に、前記第2収容部に収容された複数の媒体に対して前記媒体搬送部に前記第3搬送動作を行わせつつ前記画像形成部に前記画像形成動作を行わせる処理であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記媒体収容部が、複数の前記第2収容部を含んでおり、
前記制御部が、前記第2収容部ごとに、媒体の数の許容範囲を保持しており、
前記第2条件は、収容されるべき媒体の数が前記許容範囲内である前記第2収容部が存在するという条件を含んでいることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1条件が、前記媒体搬送部によって搬送される媒体の長さが前記所定の値より小さい別の所定値以上であるという条件をさらに含んでいることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記媒体搬送部によって搬送される媒体を切断する切断部をさらに備えていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体の両面に対して画像形成を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、媒体の表面及び裏面の両面に画像形成が可能となるように媒体の搬送を行うものがある。特許文献1に係る装置はその一例であり、上記のような搬送のためのスイッチバック搬送経路が構築されている。この装置において、画像形成部によって表面及び裏面の一方の面に画像が形成された媒体は、スイッチバック搬送経路を通じ、表面及び裏面の他方の面に画像を形成可能となるように画像形成部に再搬送される。そして、画像形成部によって媒体の他方の面に画像が形成される。このようにして、媒体の両面に対して画像が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、比較的長尺な媒体が使用される画像形成装置がある。この場合、特許文献1のように媒体の両面に対して画像を形成する構成として、例えば、一方の面に画像が形成された媒体を特許文献1のようなスイッチバック搬送経路を通じて画像形成部に再搬送し、媒体の他方の面に画像を形成させることが考えられる。しかしながら、媒体の長さによっては上記のような方法で媒体を再搬送するのが難しいことがある。
【0005】
本発明の目的は、比較的長尺な媒体を使用する場合にも、媒体の両面に対する画像形成を実行しやすい画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、それぞれ媒体を収容可能な第1収容部及び第2収容部を有する媒体収容部と、前記媒体収容部が収容した媒体の画像形成面に対して画像を形成する画像形成動作を行う画像形成部と、前記第1収容部が収容した媒体をその媒体の表面及び裏面の一方が前記画像形成面となるように前記画像形成部へ搬送する第1搬送動作と、前記第1搬送動作で搬送した媒体に対して前記画像形成動作が行われた後に、その媒体を表面及び裏面の他方が前記画像形成面となるように前記画像形成部へ搬送する第2搬送動作と、前記第2収容部が収容した媒体をその媒体の表面及び裏面の一方が前記画像形成面となるように前記画像形成部へと搬送する第3搬送動作とを選択的に実行する媒体搬送部と、前記第1収容部及び前記第2収容部のいずれに収容された媒体の前記表面及び前記裏面のいずれに対して前記画像形成動作を行うかを示すユーザ指示を取得する指示取得部と、前記指示取得部の取得結果に基づいて前記画像形成部及び前記媒体搬送部を制御する制御部とを備えており、前記制御部は、前記第1収容部に収容された媒体の表面及び裏面の両方に対して前記画像形成動作を行うことを前記ユーザ指示が示した場合に、第1条件を満たすときに第1両面処理を実行し、第2条件を満たすときに第2両面処理を実行し、前記第1条件は、前記媒体搬送部によって搬送される媒体の長さが所定の値以下であるという条件を含んでおり、前記第2条件は、前記第1条件が満たされないという条件を含んでおり、前記第1両面処理は、前記媒体搬送部に前記第1搬送動作及び前記第2搬送動作の両方を行わせつつ前記画像形成部に媒体の表面及び裏面の両方に対して前記画像形成動作を行わせる処理であり、前記第2両面処理は、前記媒体搬送部に前記第1搬送動作を行わせつつ前記画像形成部に前記画像形成動作を行わせ、その媒体が表面及び裏面を反転させた状態で前記第2収容部に収容された後に、前記第2収容部に収容された媒体に対して前記媒体搬送部に前記第3搬送動作を行わせつつ前記画像形成部に前記画像形成動作を 行わせる処理である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置において、第1両面処理は、第1収容部からの媒体がその一方の面に画像が形成された後、画像形成部に再搬送(第2搬送動作)され、他方の面に画像が形成される処理である。第2両面処理は、第1収容部からの媒体がその一方の面に画像が形成された後、第2収容部に収容されると、第2収容部から画像形成部に再搬送(第3搬送動作)され、画像が形成される処理である。
【0008】
そして、第1両面処理が実行されるための第1条件が、媒体搬送部によって搬送される媒体の長さが所定の値以下であるという条件を含んでいる。一方、第2両面処理が実行されるための第2条件が、第1条件が満たされないという条件を含んでいる。
【0009】
つまり、媒体がある程度長く、再搬送が難しい場合には、第1両面処理を実行しない代わりに、第2両面処理を実行できる可能性がある。したがって、比較的長尺な媒体が使用される場合にも、第2両面処理による媒体の両面への画像形成が可能となりやすい。
【0010】
なお、本発明における「表面」及び「裏面」との用語は、媒体の2つの面に特性や外観等の何らかの違いがあることを前提とするものではない。どのような媒体であっても、その2つの面のいずれを表面に対応させてもよく、2つの面のいずれを表面に対応させた場合にも残りの面を裏面に対応させればよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの内部構造を示す概略側面図である。
【
図2】
図1に示すプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す制御部がロール紙に対して行う両面処理の内容を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の別の一実施形態に係る制御部がロール紙に対して行う両面処理の内容を示すフローチャートである。
【
図5】本発明のさらに別の一実施形態に係るプリンタの内部構造を示す概略側面図である。
【
図6】
図5に示す制御部がロール紙に対して行う両面処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
本発明の好適な一実施形態である第1の実施形態に係るプリンタ100(本発明の「画像形成装置」に相当する)について、
図1~
図3を参照しつつ、以下に説明する。なお、
図1に示す上下方向、前後方向及び左右方向を、プリンタ100の上下方向、前後方向及び左右方向とする。
【0013】
プリンタ100は、画像形成用の用紙Pの片面(表面及び裏面のいずれか一方の面)に対する画像形成である片面印刷と、用紙Pの両面(表面及び裏面の両方の面)に対する画像形成である両面印刷との両方に対応した画像形成装置である。プリンタ100は、
図1に示すように、筐体100a、給送トレイ1x、1y及び1z、搬送機構2、カッター3、キャリッジ4、ヘッド5、移動機構6、排紙トレイ7並びに制御部9を主に備えている。
【0014】
給送トレイ1x(本発明の「媒体収容部」に相当する)は、画像形成に用いられる用紙Pを収容する部材である。本実施形態に係る用紙Pには、長尺のロール紙Rpとロール紙Rpより短尺のカット紙Kpとがある。カット紙Kpは、例えばA4サイズやB5サイズの定形サイズの用紙である。給送トレイ1xは、ロール体R及びカット紙Kpを収容可能である。給送トレイ1xは、ロール体R及びカット紙Kpを同時に収容可能であってもよいし、ロール体R及びカット紙Kpのいずれかを選択的に収容可能であってもよい。給送トレイ1xにおけるロール体Rの収容部が本発明の「第1収容部」に相当し、給送トレイ1xにおけるカット紙Kpの収容部が本発明の「第2収容部」に相当する。
【0015】
給送トレイ1xは、ロール体Rを支持するロール体支持部11と、カット紙Kpが載置される載置面12とを有している。給送トレイ1xは、筐体100a内においてヘッド5の下方に配置されている。ロール体Rは、円筒状の芯部材Rcの外周面にロール紙Rpがロール状に巻回されたものである。カット紙Kpは、複数積層された状態で載置面12上に載置される。給送トレイ1xは、筐体100aの前壁に形成された開口100pを介して筐体100aに対して前後方向に沿って挿抜可能である。なお、載置面12には、後述の通り、片面に画像が形成されて切断済みのロール紙Rpが載置される場合がある。
【0016】
給送トレイ1y及び1z(本発明の「媒体収容部」「第2収容部」に相当する)は、それぞれ、画像形成に用いられる用紙Pを収容する平板状の部材であり、給送トレイ1xとは別に設置されている。給送トレイ1y及び1zは上下方向に並んでいる。給送トレイ1y及び1zのそれぞれは、後方の部分ほど上方に位置するように傾斜して配置されている。給送トレイ1y及び1zのそれぞれにおいて、斜め上方に面した表面に用紙Pが載置される。
【0017】
搬送機構2(本発明の「媒体搬送部」に相当する)は、給送トレイ1x、1y及び1zに収容された用紙Pを選択的にヘッド5へと搬送可能である。給送トレイ1xからは、共通搬送経路ρa(
図1においてロール紙Rpを表す太い実線に沿った経路)を通じてヘッド5へと用紙Pが搬送される。共通搬送経路ρaは、給送トレイ1xからヘッド5を経由して排紙トレイ7まで延びている。共通搬送経路ρaは、片面処理及び両面処理の両方において用紙Pの搬送に使用される経路である。以下、「上流」及び「下流」の用語は、共通搬送経路ρaに沿った用紙Pの搬送方向に関して上流及び下流をそれぞれ表すものとする。
【0018】
搬送機構2は、共通搬送経路ρaに沿って用紙Pを搬送する構成として、給送ローラ21、中間ローラ対22、搬送ローラ対23~25並びにガイド部材29aを有している。これらのローラ及びローラ対は、共通搬送経路ρaに沿って上流から下流に向かって、給送ローラ21、中間ローラ対22、搬送ローラ対23、搬送ローラ対24及び搬送ローラ対25の順に配置されている。
【0019】
給送ローラ21は、ロール体支持部11に支持されたロール体Rから巻き解かれたロール紙Rp又は載置面12に載置されたカット紙Kpを給送トレイ1xから給送する。
【0020】
給送ローラ21は、給送モータ21a(
図2参照)の駆動により回転する。制御部9の制御により給送モータ21aが駆動されると、給送ローラ21が回転して、給送ローラ21と接触する用紙Pに対して前方から後方に向かう方向の搬送力が付与される。これにより、用紙Pが給送トレイ1xから送り出される。なお、給送トレイ1xの後方側の端部に設けられた後壁15は、上端部が下端部よりも後方に位置するように傾斜している。したがって、給送トレイ1xから送り出された用紙Pは、斜め上方に向かう。
【0021】
中間ローラ対22は、中間モータ22a(
図2参照)の駆動により回転する駆動ローラと駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。制御部9の制御により中間モータ22aが駆動されると、中間ローラ対22が用紙Pを挟持しつつ回転して用紙Pを搬送する。中間ローラ対22は、給送トレイ1xの後方側の端部の上方に位置している。中間ローラ対22は、給送ローラ21によって給送トレイ1xから送り出されて斜め上方に向かう用紙Pを挟持しつつ上方に搬送する。ガイド部材29aは、中間ローラ対22の上方に位置している。ガイド部材29aは、中間ローラ対22によって上方に搬送される用紙Pを前方に案内する。
【0022】
搬送ローラ対23~25は、搬送モータ23a~25a(
図2参照)の駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとでそれぞれ構成されている。搬送ローラ対23及び24は、前後方向にヘッド5を挟んで配置されており、搬送ローラ対23はヘッド5よりも後方(搬送方向の上流)に、搬送ローラ対24はヘッド5よりも前方(搬送方向の下流)に配置されている。搬送ローラ対25は、搬送ローラ対24よりも前方(搬送方向の下流)に配置されている。
【0023】
制御部9の制御により搬送モータ23a~25aが駆動されると、搬送ローラ対23~25が用紙Pを挟持しつつ回転して用紙Pを搬送する。搬送ローラ対23は、中間ローラ対22からの用紙Pをヘッド5の下面と対向する位置に送る。ヘッド5の下面と対向する位置において、後述のヘッド5の画像形成動作により、用紙Pの上面である画像形成面に画像が形成される。搬送ローラ対24は、搬送ローラ対23によって送られた用紙Pを受け取り、さらに前方に向かって送る。
【0024】
搬送ローラ対25は、搬送ローラ対24によって送られた用紙Pを受け取る。片面印刷の場合、及び、両面印刷を行う場合であって、すでに用紙Pの両面に対する画像形成が完了しているときには、搬送ローラ対25は、正方向に回転して用紙Pを排紙トレイ7に排出する。
【0025】
給送トレイ1y及び1zからは、給送経路ρb及びρcと共通搬送経路ρaとを通じてヘッド5へと用紙Pが搬送される。給送経路ρb及びρcは、給送トレイ1y及び1z並びに用紙Pを案内するガイド部29a及び29cによって規定されている。搬送機構2は、給送経路ρb及びρcに沿って用紙Pを搬送する構成として給送ローラ27及び28を有している。給送ローラ27及び28は、給送トレイ1y及び1zから用紙Pをそれぞれ給送する。給送ローラ27は、給送トレイ1yに載置された用紙Pと接触する。給送ローラ28は、給送トレイ1zに載置された用紙Pと接触する。給送ローラ27及び28は、給送モータ27a及び28a(
図2参照)の駆動により回転する。制御部9の制御により給送モータ27a及び28aが駆動されると、給送ローラ27及び28が回転して、給送ローラ27及び28と接触する用紙Pに対して
図1の矢印Aに沿った方向の搬送力が付与される。これにより、用紙Pが、給送経路ρb及びρcに沿って給送トレイ1y及び1zから送り出される。送り出された用紙Pは、共通搬送経路ρaにおける搬送ローラ対23のやや上流の位置に送り込まれる。
【0026】
搬送機構2は、両面印刷用の搬送経路である反転搬送経路ρdを有している。反転搬送経路ρdは、用紙Pを案内するガイド部29bによって規定されている。反転搬送経路ρdは、共通搬送経路ρaからの経路分岐点J1からヘッド5の下方へと向かい、共通搬送経路ρaへの経路合流点J2まで後方へと延びている。経路分岐点J1は、搬送ローラ対24と搬送ローラ対25の間に設定されている。経路合流点J2は、中間ローラ対22と搬送ローラ対23の間に設定されている。
【0027】
反転搬送経路ρdの途中には搬送ローラ対26が設置されている。搬送ローラ対26は、搬送モータ26a(
図2参照)の駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとで構成されている。制御部9の制御により搬送モータ26aが駆動されると、搬送ローラ対26が用紙Pを挟持しつつ回転して用紙Pを搬送する。これにより、用紙Pが反転搬送経路ρdに沿って搬送される。
【0028】
両面印刷の場合であって、画像が形成された面とは異なる面に対して画像形成動作を行うときには、反転搬送経路ρdを通じて以下のように用紙Pが搬送される。搬送ローラ対24によって送られた用紙Pを受け取った搬送ローラ対25は、用紙Pの後端(上流側の一端)が搬送ローラ対25の近傍に配置されるまで用紙Pを搬送した後、回転方向を正方向から逆方向に反転させて、経路分岐点J1から反転搬送経路ρdに用紙Pを送り込む。
【0029】
搬送ローラ対26は、搬送ローラ対25によって反転搬送経路ρdに送り込まれた用紙Pを受け取り、後方に向かって送る。搬送ローラ対26によって送られた用紙Pは、経路合流点J2において共通搬送経路ρaに送り込まれる。共通搬送経路ρaに送り込まれた用紙Pは、ガイド部29aに案内されつつ、搬送ローラ対23によって、ヘッド5による直近の画像形成動作がなされた面とは反対の面がヘッド5と対向する画像形成面となるように搬送される。これにより、当該反対の面に対してヘッド5による画像形成動作が実行される。
【0030】
給送ローラ21、27及び28の近傍には用紙センサ96、97及び98が設置されている。制御部9は、用紙センサ96~98の検出結果に基づいて、給送トレイ1x、1y及び1zに用紙Pが収容されたことや、収容された枚数を検出可能である。
【0031】
カッター3は、搬送経路において中間ローラ対22より上流側であって、給送トレイ1xの後方側の端部と中間ローラ対22との間の位置に配置されている。カッター3は、例えば円板状の回転刃及び従動刃からなる。カッター3は、切断モータ3a(
図2参照)の駆動により回転刃が回転し、且つ、左右方向に沿って往復移動する。ロール体Rから巻き解かれて搬送されたロール紙Rpは、制御部9の制御により切断モータ3aが駆動されることで、切断後の長さが後述のユーザ指示データが示す切断長となるように、カッター3によりロール紙Rpの幅方向に切断される。これにより、ロール紙Rpに後端が形成され、1枚ごとの用紙となって排紙トレイ7に排紙される。
【0032】
ヘッド5(本発明の「画像形成部」に相当する)は、下面に形成された複数のノズルと、ドライバIC52(
図2参照)とを含む。制御部9の制御によりドライバIC52が駆動されると、ノズルからインクが吐出され、そのインクが用紙Pに付着してドットを形成する。ヘッド5は、キャリッジ4に搭載されている。
【0033】
移動機構6は、2つのガイドレール61、62と、キャリッジモータ63(
図2参照)と、を有している。2つのガイドレール61、62は、前後方向に互いに離隔して配置され、各々が左右方向に延設されている。キャリッジ4は、2つのガイドレール61、62を跨ぐように配置されている。キャリッジ4は、ベルト(不図示)などを介してキャリッジモータ63に接続されている。制御部9の制御によりキャリッジモータ63が駆動されると、キャリッジ4がガイドレール61、62に沿って走査方向(左右方向)に移動する。
【0034】
ヘッド5は、用紙Pに対して以下の通りに画像形成動作を行う。ヘッド5がキャリッジ4の移動に伴って走査方向に往復移動しつつ吐出したインクによって、走査方向に沿ってドットが順に形成される。このような走査方向に沿ったドットの列が、搬送機構2によって用紙Pが搬送されつつ順に形成される。用紙P上の画像形成領域には、走査方向及び搬送方向の両方向にドットが並び、このようなドットの配列からなる画像が表れる。画像形成領域は、画像のサイズに応じた長方形の領域である。
【0035】
排紙トレイ7は、筐体100a内においてヘッド5の前方であって、給送トレイ1xより上方に配置されている。排紙トレイ7は、筐体100aの前壁に形成された開口100qを介して筐体100aの前方に向かって展開したり、筐体100a内に向かって畳まれたりすることが可能である。ヘッド5により画像が記録された用紙Pは、排紙トレイ7に受容される。
【0036】
筐体100a内にはカートリッジ装着部が設置されている。カートリッジ装着部には、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色のインクをそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジが着脱自在に装着可能である。チューブなどを介して、カートリッジ装着部に装着されたインクカートリッジからヘッド5にインクが供給される。
【0037】
筐体100aの外側の前面にはタッチパネルディスプレイ95(本発明の「報知部」に相当する)が設置されている。タッチパネルディスプレイ95は制御部9の制御により文字や画像等を画面に表示する。また、タッチパネルディスプレイ95は、画面に指等が接触するとその接触位置を検出し、検出結果を制御部9に送信する。
【0038】
制御部9は、プリンタ100全体の制御を行うものである。制御部9には、
図2に示すように、給送モータ21a、27a及び28a、中間モータ22a、搬送モータ23a~26a、切断モータ3a、ドライバIC52、キャリッジモータ63、タッチパネルディスプレイ95、用紙センサ96~98が電気的に接続されている。
【0039】
制御部9は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)94等を備えている。
【0040】
ROM92には、CPU91及びASIC94が実行するプログラム等が格納されている。また、ROM92には各種の基準値が格納されている。例えば、後述の自動両面処理の実行の可否を判定する際に用いられる基準値である自動両面許容値が格納されている。さらに、給送トレイ1x、1y及び1zのそれぞれについて、後述の手動両面処理における対応が可能なロール紙Rpの長さの基準値である手動対応許容値が格納されている。
【0041】
手動対応許容値は、表1に示すように、各トレイについてのロール紙Rpの長さに関する最大値及び最小値からなる。これらの値は、各トレイに設置された給送ローラから搬送経路上の次のローラまでの距離とトレイの大きさとに応じて設定されている。例えば、手動対応許容値の最大値MAX
1x、MAX
1y及びMAX
1zは、トレイに載置可能な用紙の長さの最大値に設定されている。載置可能な用紙の長さはトレイが大きいほど大きい。給送トレイ1xの手動対応許容値の最小値MIN
1xは、給送ローラ21の位置Q1(
図1参照。以下、本段落において同様)から中間ローラ対22の位置Q2までの共通搬送経路上の距離と、中間ローラ対22の位置Q2から搬送ローラ対23の位置Q5までの共通搬送経路上の距離とのいずれか長い方を超える値に設定されている。給送トレイ1yの手動対応許容値の最小値MIN
1yは、給送ローラ27の位置Q3から搬送ローラ対23の位置Q5までの共通搬送経路ρa及び給送経路ρb上の距離を超える値に設定されている。給送トレイ1zの手動対応許容値の最小値MIN
1zは、給送ローラ28の位置Q4から搬送ローラ対23の位置Q5までの共通搬送経路ρa及び給送経路ρc上の距離を超える値に設定されている。
【0042】
【0043】
RAM93は、プログラム実行時に必要なデータを一時的に記憶するものである。このデータには、PC等の外部装置から送信されたり記録媒体から読み出されたりしたデータが含まれる。例えば、用紙Pに形成されるべき画像を示す画像データや、その画像形成の関連情報に関するユーザの指示を示すユーザ指示データが含まれる。ユーザ指示データが示す関連情報には、カット紙Kp及びロール紙Rpのいずれが使用されるかを示す情報、ロール紙Rpが使用される場合には切断長を示す情報、片面印刷及び両面印刷のいずれを実行するかを示す情報、使用される用紙Pの特性(用紙Pの硬さや厚さ等)に関する用紙タイプを示す情報等が含まれる。
【0044】
また、RAM93には、ユーザにより設定された給送トレイ1x、1y及び1zの優先順位を示す優先順位データが格納されている。優先順位データは、例えば、給送トレイ1xの優先順位が3位、給送トレイ1yの優先順位が1位、給送トレイ1zの優先順位が2位といった内容を示す。この優先順位は、タッチパネルディスプレイ95を通じたユーザ入力に基づき設定されてもよいし、PC等の外部装置から送信されたデータに基づき設定されてもよい。
【0045】
なお、制御部9は、CPU91のみが各種処理を行うものであってもよいし、ASIC94のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU91とASIC94とが協働して各種処理を行うものであってもよい。また、制御部9は、1つのCPU91が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU91が処理を分担して行うものであってもよい。また、制御部9は、1つのASIC94が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC94が処理を分担して行うものであってもよい。
【0046】
制御部9は、用紙Pの両面印刷が行われるように搬送機構2、カッター3及びヘッド5を制御する両面処理と、用紙Pの片面印刷が行われるように搬送機構2、カッター3及びヘッド5を制御する片面処理とを選択的に実行する。制御部9は、ユーザ指示データが両面印刷の実行を示す場合に両面処理を実行し、ユーザ指示データが片面印刷の実行を示す場合に片面処理を実行する。
【0047】
片面処理においては、制御部9は、RAM93に格納された画像データに基づき、搬送機構2により用紙Pを搬送経路に沿って所定距離ずつ搬送する処理と、移動機構6によりキャリッジ4を走査方向に往復移動させつつ、ヘッド5の複数のノズルから用紙Pに対してインクを吐出させる処理とを交互に繰り返し実行する。
【0048】
用紙Pがロール紙Rpである場合には、ロール紙Rpは、搬送機構2によって搬送されつつヘッド5から吐出されたインクを受ける。ロール紙Rpは、制御部9による制御に従ったカッター3の動作によって、ユーザ指示データが示す切断長に切断される。カッター3によって切断されたロール紙Rpは、片面に画像が形成された1枚ごとの用紙となって排紙トレイ7へと排出される。
【0049】
用紙Pがカット紙Kpである場合には、カット紙Kpは、搬送機構2によって搬送されつつヘッド5から吐出されたインクを受ける。これにより、カット紙Kpは、片面に画像が形成された用紙となって排紙トレイ7へと排出される。
【0050】
両面処理には、表面の印刷処理を開始してから裏面の印刷処理を完了するまでの処理をプリンタ100自身が実行する自動両面処理(本発明の「第1両面処理」に相当する)と、一部の工程の実行をユーザに委ねる後述の手動両面処理とがある。
【0051】
自動両面処理においては、用紙Pは、搬送機構2によって一方の面が画像形成面となるようにヘッド5へと搬送(用紙Pがロール紙Rpである場合、本発明の「第1搬送動作」に相当する)され、ヘッド5から吐出されたインクを受ける。これにより、用紙Pの片面に画像が形成される。次に、用紙Pがカット紙Kpである場合、片面に画像が形成されたカット紙Kpは、搬送機構2によって、画像が形成された面と反対の面が画像形成面となるようにヘッド5へと再搬送され、ヘッド5から吐出されたインクを受ける。これにより両面に画像が形成されたカット紙Kpが、搬送機構2によって排紙トレイ7に排出される。
【0052】
これに対し、用紙Pがロール紙Rpである場合、片面に画像が形成されたロール紙Rpは、制御部9による制御に従ったカッター3の動作によって、ユーザ指示データが示す切断長に切断される。カッター3によって切断されたロール紙Rpは、搬送機構2によって、画像が形成された面と反対の面が画像形成面となるようにヘッド5へと再搬送(本発明の「第2搬送動作」に相当する)され、ヘッド5から吐出されたインクを受ける。これにより両面に画像が形成されたロール紙Rpが、搬送機構2によって排紙トレイ7に排出される。
【0053】
ところで、自動両面処理において、カッター3により切断されたロール紙Rpがヘッド5へと再搬送される際に、ロール紙Rpの切断長が大き過ぎると再搬送が難しくなる場合がある。例えば、ロール紙Rpの切断長が、
図1に示す経路分岐点J1から、反転搬送経路ρd、経路合流点J2及び共通搬送経路ρaを通り、経路分岐点J1に戻る閉じた経路の長さより大きいと、再搬送されたロール紙Rpの先端が経路分岐点J1に戻った際に、ロール紙Rpの後端側が未だ経路分岐点J1を通り過ぎていない事態が生じ得る。これにより、経路分岐点J1においてロール紙Rpが重複し、ジャムが生じる等により、再搬送が困難になるおそれがある。
【0054】
そこで、本実施形態に係る制御部9は、ユーザ指示データが示す切断長がROM92に格納された自動両面許容値以下である場合に限りロール紙Rpに対する自動両面処理を実行し、切断長が自動両面許容値を超える場合にはロール紙Rpに対し、以下の手動両面処理を実行する。自動両面許容値は、例えば、上記閉じた経路の長さ以下に設定されている。なお、切断長が自動両面許容値以下である場合に自動両面処理を実行することは、本発明の「第1条件を満たすときに第1両面処理を実行し」に相当する。切断長が自動両面許容値を超える場合に手動両面処理を実行することは、本発明の「第2条件を満たすときに第2両面処理を実行し」に相当する。
【0055】
手動両面処理においては、ロール紙Rpは、搬送機構2によって一方の面が画像形成面となるようにヘッド5へと搬送(本発明の「第1搬送動作」に相当する)され、ヘッド5から吐出されたインクを受ける。これにより、ロール紙Rpの片面に画像が形成される。片面に画像が形成されたロール紙Rpは、制御部9による制御に従ったカッター3の動作によって、ユーザ指示データが示す切断長に切断される。カッター3によって切断されたロール紙Rpは、搬送機構2によって排紙トレイ7に排出される。排紙トレイ7に排出されたロール紙Rpは、ユーザによって一旦回収される。
【0056】
次に、制御部9は、給送トレイ1x、1y及び1zのうち、ユーザ指示データが示すロール紙Rpの切断長が、ROM92に格納された手動対応許容値が示す範囲内となるものがあるか否かを判定する。このような給送トレイがある場合には、そのいずれかをユーザに指示する表示をタッチパネルディスプレイ95に行わせる。表示される給送トレイは、切断長が手動対応許容値が示す範囲内であるもののうち、RAM93に格納された優先順位が最も高いものである。例えば、給送トレイ1xの優先順位が3位、給送トレイ1yの優先順位が1位、給送トレイ1zの優先順位が2位であって、給送トレイ1x、1y及び1zのうち、給送トレイ1y及び1zについては切断長が手動対応許容値の範囲内であるが、給送トレイ1xについては切断長が手動対応許容値の範囲外であったとする。この場合、切断長が手動対応許容値を満たす給送トレイ1y及び1zのうち、優先順位の高い給送トレイ1yを指示する表示がなされる。切断長が手動対応許容値が示す範囲内である給送トレイがない場合、制御部9は、手動両面処理を中断する。なお、切断長が手動対応許容値が示す範囲内である給送トレイがあるか否かに基づいて手動両面処理が実行されることは、本発明の「前記第2条件は、前記第2ユーザ指示が示す長さが前記使用可能な媒体の長さの範囲内となる前記第2収容部が存在するという条件を含んでいること」に相当する。
【0057】
次に、ユーザは、タッチパネルディスプレイ95の表示内容に応じた給送トレイに、片面に画像が形成されたロール紙Rpを収容する。ここで、ユーザは、その給送トレイからヘッド5へとロール紙Rpが搬送された際に、画像が形成された面と反対の面が画像形成面となるようにロール紙Rpの向きを調整しつつ給送トレイにロール紙Rpを収容する。ロール紙Rpが給送トレイ1xに収容される場合、そのロール紙Rpは、給送トレイ1xの載置面12に載置される。
【0058】
制御部9は、用紙センサ96~98の検出結果に基づき、給送トレイ1x、1y及び1zのうち、タッチパネルディスプレイ95に表示されたものにロール紙Rpが収容されたと判定すると、そのロール紙Rpを搬送機構2によって、画像が形成された面と反対の面が画像形成面となるようにヘッド5へと再搬送(本発明の「第3搬送動作」に相当する)させる。ヘッド5に再搬送されたロール紙Rpは、ヘッド5から吐出されたインクを受ける。これにより両面に画像が形成されたロール紙Rpが、搬送機構2によって排紙トレイ7に排出される。
【0059】
なお、以上の手動両面処理において、ヘッド5へと搬送されたロール紙Rpの片面に画像が形成され、ロール紙Rpが切断されると共に、片面に画像が形成された切断済みのロール紙Rpがユーザによって給送トレイ1x、1y及び1zのいずれかに収容された後にヘッド5へと再搬送され、そのロール紙Rpの反対の面に画像が形成される一連の処理が、本発明の「第2両面処理」に相当する。
【0060】
以下、制御部9によるロール紙Rpに対する両面処理の一連の流れを
図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0061】
まず、制御部9は、ユーザ指示データが示すロール紙Rpの切断長が自動両面許容値以下であるか否かを判定する(S1)。切断長が自動両面許容値以下であり自動両面印刷が可能と判定すると(S1、Yes)、制御部9は、自動両面処理を実行し(S11)、一連の処理を終了する。
【0062】
切断長が自動両面許容値を超えていると判定すると(S1、No)、制御部9は、ロール紙Rpの片面(表面)に画像を形成すると共にロール紙Rpを切断するように搬送機構2、カッター3及びヘッド5を制御する(S2)。このS2以降の処理が手動両面処理に対応する。次に、制御部9は、給送トレイ1x、1y及び1zのうち、優先順位が最も高いものを候補トレイに設定する(S3)。次に、制御部9は、候補トレイの手動対応許容値を取得する(S4)。
【0063】
次に、制御部9は、ユーザ指示データが示す切断長が手動対応許容値が示す範囲内であるか否か、つまり、候補トレイが裏面の印刷に対応できるか否かを判定する(S5)。切断長が手動対応許容値が示す範囲内でなく候補トレイが裏面の印刷に対応できないと判定すると(S5、No)、制御部9は、次の候補トレイを設定可能か否か、つまり、給送トレイ1x、1y及び1zのうち、まだ候補トレイとしていないものがあるか否かを判定する(S12)。まだ候補トレイとしていないものがないと判定すると(S12、No)、制御部9は、一連の処理を終了する。まだ候補トレイとしていないものがあると判定すると(S12、Yes)、制御部9は、給送トレイ1x、1y及び1zから優先順位に従って次の候補トレイを設定し(S13)、S4の処理に戻る。
【0064】
S5において、切断長が手動対応許容値が示す範囲内であり候補トレイが裏面の印刷に対応できると判定すると(S5、Yes)、制御部9は、候補トレイにロール紙Rpを収容する指示をタッチパネルディスプレイ95に表示させる(S6)。次に、制御部9は、用紙センサ96~98の検出結果に基づき、ロール紙Rpが候補トレイに収容されるまで待機する(S7、No)。ロール紙Rpが候補トレイに収容されると(S7、Yes)、制御部9は、ロール紙Rpの反対の面(裏面)に画像を形成するように搬送機構2、カッター3及びヘッド5を制御し(S8)、一連の処理を終了する。
【0065】
以上説明した本実施形態によると、ユーザ指示データが示すロール紙Rpの切断長が自動両面許容値以下である場合に自動両面処理が実行される。一方、切断長が自動両面許容値を超える場合であって対応可能な給送トレイがあるときに手動両面処理が実行される。つまり、切断後のロール紙Rpがある程度長く、再搬送が難しい場合には、自動両面処理を実行しない代わりに、手動両面処理を実行できる可能性がある。したがって、切断を要する長尺なロール紙Rpが使用される場合にも、手動両面処理による両面への画像形成が可能となりやすい。
【0066】
また、本実施形態では、手動対応許容値が給送トレイごとに設定されている。そして、ユーザ指示データが示すロール紙Rpの切断長が手動対応許容値の範囲内である給送トレイがある場合に手動両面処理が実行される。したがって、給送トレイが対応可能かどうかが適切に判定された上で手動両面処理が実行される。
【0067】
また、本実施形態は、手動両面処理を実行するに当たって、ロール紙Rpを収容するべき給送トレイがタッチパネルディスプレイ95に表示される。このため、片面に画像が形成されたロール紙Rpを指示された給送トレイに収容して手動両面処理を実行することがユーザにとって分かりやすい。
【0068】
[第2の実施形態]
以下、本発明の別の一実施形態に係る第2の実施形態について説明する。本実施形態における第1の実施形態との違いは部分的であり、大半の構成は第1の実施形態と第2の実施形態とで共通である。このため、以下では、第1の実施形態との上記違いについて主に説明すると共に、第1の実施形態と共通の構成や処理には同一の符号や名称を使用し、適宜その説明を省略する。
【0069】
本実施形態に係る手動両面処理においては、ロール紙Rpの一方の面(片面)に画像が形成され、ロール紙Rpが切断される処理が繰り返される。繰り返しの回数は、ユーザ指示データが示す印刷枚数に応じた回数である。これにより片面のみに画像が形成された切断済みの印刷枚数分のロール紙Rpが、ユーザによって一旦回収される。そして、片面に画像が形成された複数枚のロール紙Rpが、ユーザによって給送トレイ1x、1y及び1zのいずれかに収容され、ヘッド5に順に再搬送されると共に、既に画像が形成された面と反対の面に画像が形成される。
【0070】
また、本実施形態においては、以下の通り、自動両面処理が可能か否かの判定内容と手動両面処理が可能か否かの判定内容が第1の実施形態と異なる。
【0071】
本実施形態の制御部が実行するロール紙Rpの両面処理に係る処理について
図4のフローチャートに基づいて説明する。なお、
図4のフローチャートに係る処理は、第1の実施形態における
図3のフローチャートに係る処理と対応する。
【0072】
まず、制御部は、ユーザ指示データが示す画像形成の関連情報に基づいて自動両面処理が可能か否かを判定する(S101)。本実施形態においては、自動両面処理が可能か否かの判定において、ユーザ指示データが示すロール紙Rpの切断長が自動両面許容値以下であるか否かの条件のみならず、ユーザ指示データが示す用紙タイプに関するその他の条件が満たされるか否かにも基づいて判定がなされる。例えば、ユーザ指示データが示す用紙タイプにおける用紙の硬さや厚さ等の特性が自動両面処理に適していない特性に相当するかどうかに基づいて判定がなされる。なお、このように、自動両面処理の可否について自動両面許容値に関する条件に加え、用紙タイプに関する条件が判定されることが、本発明の「前記第1条件及び前記第2条件の少なくともいずれかが、媒体の特性に関する条件を含んでいる」ことに相当する。
【0073】
具体的な判定は、ユーザ指示データが示す用紙タイプが、用紙の特性が自動両面処理に適していない特定のタイプに対応するか否かに基づいてなされる。ユーザ指示データが示すロール紙Rpの切断長が自動両面許容値以下であり且つユーザ指示データが示す用紙タイプが上記特定のタイプに対応しない場合に、制御部は、自動両面処理が可能であると判定する(S101、Yes)。この場合、制御部は、自動両面処理を実行し(S111)、一連の処理を終了する。これに対し、ロール紙Rpの切断長が自動両面許容値を超えている場合、又は、ユーザ指示データが示す用紙タイプが上記特定のタイプに対応する場合に、制御部は、自動両面処理が可能でないと判定する(S101、No)。この場合、制御部は、ロール紙Rpの片面(表面)に画像を形成すると共にロール紙Rpを切断するように搬送機構2、カッター3及びヘッド5を制御する(S102)。S102以降の処理が手動両面処理に対応する。S102の処理は、ユーザ指示データが示す印刷枚数に対応する回数だけ繰り返される(S103、No→S102→S103、No→S102→…)。
【0074】
ユーザ指示データが示す印刷枚数だけS102の処理が繰り返されたと判定すると(S103、Yes)、制御部は、給送トレイ1x、1y及び1zのうち、優先順位が最も高いものを候補トレイに設定する(S104)。次に、制御部は、候補トレイに関する各種条件値を取得する(S105)。取得される条件値は、手動対応許容値の他、給送トレイごとに設定された以下の表2に示す両面不適タイプ及び積層数許容値である。両面不適タイプは、用紙の特性が手動両面処理に適していない用紙タイプに対応する。積層数許容値は、収容可能な用紙枚数の上限に対応する。
【0075】
【0076】
次に、制御部は、候補トレイが反対の面(裏面)の印刷に対応可能か否かをS104で取得した条件値に基づいて判定する(S106)。具体的には、ユーザ指示データが示す切断長が手動対応許容値(表1参照)の範囲内であること、ユーザ指示データが示す用紙タイプが両面不適タイプに該当しないこと、及び、ユーザ指示データが示す印刷売僧が積層数許容値以下であることを判定する。なお、なお、これら3つの条件に両面不適タイプに関する条件が含まれていることが、本発明の「前記第1条件及び前記第2条件の少なくともいずれかが、媒体の特性に関する条件を含んでいる」ことに相当する。上記3つの条件の少なくともいずれかが満たされない場合、制御部は、候補トレイが対応不可と判定する(S106、No)。そして、制御部は、次の候補トレイを設定可能か否か、つまり、給送トレイ1x、1y及び1zのうち、まだ候補トレイとしていないものがあるか否かを判定する(S112)。まだ候補トレイとしていないものがないと判定すると(S112、No)、制御部は、一連の処理を終了する。まだ候補トレイとしていないものがあると判定すると(S112、Yes)、制御部は、給送トレイ1x、1y及び1zから優先順位に従って次の候補トレイを設定し(S113)、S105の処理に戻る。
【0077】
S106において、上記3つの条件の全てが満たされる場合、制御部は、候補トレイが対応可能と判定する(S106、Yes)。そして、制御部は、候補トレイにロール紙Rpを収容する指示をタッチパネルディスプレイ95に表示させる(S107)。次に、制御部は、用紙センサ96~98の検出結果に基づき、ロール紙Rpが候補トレイに収容されるまで待機する(S108、No)。ロール紙Rpが候補トレイに収容されると(S108、Yes)、制御部は、ロール紙Rpの反対の面(裏面)に画像を形成するように搬送機構2、カッター3及びヘッド5を制御する(S109)。この処理は、ユーザ指示データが示す印刷枚数に対応する回数だけ繰り返される(S110、No→S109→S110、No→S109→…)。ユーザ指示データが示す印刷枚数だけS109の処理が繰り返されたと判定すると(S110、Yes)、制御部は、一連の処理を終了する。
【0078】
本実施形態においては、第1の実施形態の効果に加え、以下の効果が奏される。自動両面処理が可能かどうかの判定(
図4のS101)において、ロール紙Rpの切断長のみならず、用紙タイプにも基づいて判定がなされる。用紙タイプは用紙の硬さや厚さ等の特性と関わる。したがって、自動両面処理による両面への画像形成に対応できるかどうかが適切に判定される。また、手動両面処理に当たって、用紙タイプが適切か否かが給送トレイごとに判定される(
図4のS106)。したがって、手動両面処理による両面への画像形成に各給送トレイが対応できるかどうかが適切に判定される。
【0079】
また、本実施形態においては、手動両面処理に当たって、ユーザ指示データが示す印刷枚数のロール紙Rpに対し、片面への画像形成が繰り返し行われた後、反対の面に画像形成が行われる。したがって、複数枚のロール紙Rpに対する両面処理が円滑に実行される。さらに、複数枚のロール紙Rpに対して手動両面処理が行われる際に、各給送トレイが対応可能な枚数かどうかが適切に判定される。
【0080】
[第3の実施形態]
以下、本発明のさらに別の一実施形態に係る第3の実施形態について説明する。本実施形態における第1又は第2の実施形態との違いは部分的であり、大半の構成は第1又は第2の実施形態と第3の実施形態とで共通である。このため、以下では、第1又は第2の実施形態との上記違いについて主に説明すると共に、第1又は第2の実施形態と共通の構成や処理には同一の符号や名称を使用し、適宜その説明を省略する。
【0081】
図5に示す第3の実施形態に係るプリンタ200において、共通搬送経路ρa及び反転搬送経路ρd上の搬送ローラ対24~26の位置をQ6~Q8で表すものとする。このとき、共通搬送経路ρa及び反転搬送経路ρd上の距離について、位置Q7から位置Q8までの距離は、位置Q1から位置Q2までの距離、位置Q2から位置Q5までの距離、位置Q5から位置Q6までの距離、位置Q6から位置Q7までの距離及び位置Q8から位置Q5までの距離のいずれよりも大きい。つまり、搬送ローラ対25から搬送ローラ対26までの距離は、給送ローラ21及び中間ローラ対22間及びその他の互いに隣り合う2つのローラ対間のいずれの距離よりも大きい。
【0082】
したがって、用紙Pとしてロール紙Rpが使用される際に、比較的短い切断長で切断されたロール紙Rpは、給送ローラ21から共通搬送経路ρaを経て搬送ローラ対25まで搬送可能であったとしても、切断長が搬送ローラ対25から搬送ローラ対26までの距離より小さいために、搬送ローラ対25によって反転搬送経路ρdへと搬送されたロール紙Rpが搬送ローラ対26まで到達できず、自動両面処理におけるヘッド5への再搬送が可能でないことがある。
【0083】
そこで、プリンタ200は、以下の処理を行う制御部209を有している。制御部209は、第1又は第2の実施形態の制御部と異なり、自動両面処理が可能かどうかを判断するための基準値として第1閾値及び第2閾値(第1閾値<第2閾値)の2つを保持している。このうち、第2閾値が第1又は第2の実施形態に係る自動両面許容値に対応する。第1閾値は、切断長がこれ以上であると搬送ローラ対25によって搬送されたロール紙Rpが反転搬送経路ρdを通じて搬送ローラ対26まで到達可能になる大きさを有している。そして、制御部209は、切断長が第1閾値以上且つ第2閾値以下である場合に自動両面処理を実行し、切断長が第1閾値未満であるか第2閾値を超える場合に手動両面処理を実行する。
【0084】
具体的には、制御部209は、
図3のフローチャートのS1又は
図4のフローチャートのS101を以下のS1’に置き換えた
図6のフローチャートに示す処理を実行する。
図3のS1がS1’に置き換えられる場合は、S1’の処理は以下の通りである。制御部209は、ユーザ指示データが示す切断長が第1閾値以上且つ第2閾値以下である場合に自動両面処理が可能であると判定し(S1’、Yes)、ユーザ指示データが示す切断長が第1閾値未満であるか第2閾値を超えている場合に自動両面処理が可能でないと判定する(S1’、No)。S1’の後の処理は
図3と同様である。
【0085】
図4のS101がS1’に置き換えられる場合は、S1’の処理は以下の通りである。制御部209は、ユーザ指示データが示す切断長が第1閾値以上且つ第2閾値以下であって、ユーザ指示データが示す用紙タイプが第2の実施形態に係る特定のタイプに対応しない場合に自動両面処理が可能であると判定する(S1’、Yes)。一方、切断長が第1閾値未満であるとき、第2閾値を超えているとき及び用紙タイプが第2の実施形態に係る特定のタイプに対応するときの少なくともいずれかに該当する場合には、制御部209は、自動両面処理が可能でないと判定する(S1’、No)。S1’の後の処理は
図4と同様である。
【0086】
本実施形態によると、切断長が比較的大きいことから自動両面処理を選択できない場合のみならず、切断長が比較的小さいことから自動両面処理を選択できない場合にも、手動両面処理が適切に実行される。したがって、ロール紙Rpが使用される場合にも両面への画像形成が可能となりやすい。
【0087】
<変形例>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0088】
例えば、上述の第1及び第2の実施形態では、手動両面処理においてロール紙Rpの表面に対する画像形成が実行(
図3のS2、
図4のS102)されてから各給送トレイにおいて裏面の印刷に対応可能か否かが判定(
図3のS5、
図4のS106)されている。これに対し、先に各給送トレイにおいて裏面の印刷に対応可能か否かが判定され、対応可能な給送トレイがあると判定されてからロール紙Rpの表面に対する画像形成が実行されてもよい。この場合、裏面の印刷に対応可能な給送トレイがないと判定されると、表面及び裏面のいずれの面への画像形成も実行されずに処理が終了してもよい。
【0089】
また、上述の第2の実施形態では、自動両面処理の可否の判定(
図4のS101)及び各給送トレイにおける裏面の印刷可否の判定(S106)の両方に用紙タイプに関する条件が用いられている。これに対し、自動両面処理の可否の判定及び各給送トレイにおける裏面の印刷可否の判定のいずれか一方のみに用紙タイプに関する条件が用いられていてもよい。
【0090】
また、上述の第1及び第2の実施形態では、タッチパネルディスプレイ95の表示によって裏面の印刷に対応可能な給送トレイをユーザに報知する。これに対し、対応可能な給送トレイがその他の手段によりユーザに対して報知されてもよい。例えば、各給送トレイの近傍に発光ダイオードが設置され、対応可能なトレイ近傍の発光ダイオードを発光させることでユーザへの報知が行われてもよい。また、スピーカから発生させる音声によってユーザへの報知が行われてもよい。いずれの手段も本発明の「報知部」に相当する。
【0091】
また、上述の第1及び第2の実施形態では、手動両面処理において、裏面の印刷を行うに当たってロール紙Rpを収容させる候補トレイが給送トレイ1x、1y及び1zの3つから選ばれている。これに対し、4つ以上のトレイから候補トレイが選ばれてもよいし、1つのトレイのみが候補トレイとされてもよい。
【0092】
また、上述の第1~第3の実施形態においては、画像形成にロール紙Rpが用いられる場合に、その切断長に基づいて自動両面処理が可能かどうかが判定されている(例えば、
図3のS1、
図4のS101、
図6のS1’)。これに対し、画像形成がなされた後に切断されずに排出される媒体(カット紙Kpその他の媒体)が用いられる場合に自動両面処理が可能かどうかが判定されてもよい。この場合、例えば、共通搬送経路ρaのいずれかに設置された媒体センサによる検出結果に基づいて、搬送機構2によって共通搬送経路ρaを通じて搬送される媒体の長さが取得される。そして、切断長に基づく代わりに、媒体センサの検出結果に基づいて取得された媒体の長さに基づいて自動両面処理が可能かどうかが判定される。
【0093】
加えて、上述の各実施形態においては、プリンタ100に対して本発明を適用する場合について説明したが、これには限定されない。本発明は、ヘッドからインクを吐出するインクジェット式のその他の画像形成装置、例えば、複合機やコピー機などに適用されてもよい。また、インクジェット方式でインクを用紙Pに付着させる代わりに、トナーを用紙Pに付着させることで画像記録処理を実行するレーザー式の画像形成装置に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0094】
2 搬送機構
3 カッター
4 キャリッジ
5 ヘッド
6 移動機構
9 制御部
95 タッチパネルディスプレイ
100 プリンタ
P 用紙
Rp ロール紙