(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068861
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】金型焼付き予測方法、金型焼付き予測装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B22D 46/00 20060101AFI20240514BHJP
B22C 9/00 20060101ALI20240514BHJP
B22D 21/04 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B22D46/00
B22C9/00 E
B22C9/00 Z
B22D21/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179480
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】高坂 博宣
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 直嗣
(57)【要約】
【課題】アルミ鋳造における金型の焼付きを予測するに際し、激しい反応が発生する領域を判定し易くすることが可能な金型焼付き予測方法を提供する。
【解決手段】金型焼付き予測方法は、アルミ溶湯を用いたアルミ鋳造における金型の焼付きを予測する方法である。この方法は、アルミ溶湯を射出し鋳造する1サイクルの温度プロットの中で、金型の温度Tが所定の温度T0以上の領域を選択し(ステップS1)、tを1サイクル中の時間として、ステップS1で選択された領域の面積値Sを、S=∫(T-T0)dtにより算出する(ステップS2)。この方法は、面積値Sが所定値よりも大きい場合(ステップS3でYESの場合)に、アルミ溶湯と金型との間で激しい反応が発生すると判定する(ステップS4)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミ溶湯を用いたアルミ鋳造における金型の焼付きを予測する金型焼付き予測方法であって、
前記アルミ溶湯を射出し鋳造する1サイクルの温度プロットの中で、前記金型の温度Tが所定の温度T0以上の領域を選択する選択ステップと、
tを前記1サイクル中の時間として、前記選択ステップで選択された前記領域の面積値Sを、S=∫(T-T0)dtにより算出する算出ステップと、
前記面積値Sが所定値よりも大きい場合に、前記アルミ溶湯と前記金型との間で激しい反応が発生すると判定する判定ステップと、
を含む、金型焼付き予測方法。
【請求項2】
前記所定の温度T0及び前記所定値の少なくとも一方を変更する変更ステップを、さらに含み、
前記変更ステップで前記所定の温度T0及び前記所定値の少なくとも一方を変更させながら、前記選択ステップ、前記算出ステップ、及び前記判定ステップを実行することで、前記アルミ溶湯と前記金型との間の反応の激しさに応じて、前記金型における領域を分類する、
請求項1に記載の金型焼付き予測方法。
【請求項3】
アルミ溶湯を用いたアルミ鋳造における金型の焼付きを予測する金型焼付き予測装置であって、
前記アルミ溶湯を射出し鋳造する1サイクルの温度プロットの中で、前記金型の温度Tが所定の温度T0以上の領域を選択する選択部と、
tを前記1サイクル中の時間として、前記選択部で選択された前記領域の面積値Sを、S=∫(T-T0)dtにより算出する算出部と、
前記面積値Sが所定値よりも大きい場合に、前記アルミ溶湯と前記金型との間で激しい反応が発生すると判定する判定部と、
を備えた、金型焼付き予測装置。
【請求項4】
コンピュータに、アルミ溶湯を用いたアルミ鋳造における金型の焼付きを予測する金型焼付き予測処理を実行させるためのプログラムであって、
前記金型焼付き予測処理は、
前記アルミ溶湯を射出し鋳造する1サイクルの温度プロットの中で、前記金型の温度Tが所定の温度T0以上の領域を選択する選択ステップと、
tを前記1サイクル中の時間として、前記選択ステップで選択された前記領域の面積値Sを、S=∫(T-T0)dtにより算出する算出ステップと、
前記面積値Sが所定値よりも大きい場合に、前記アルミ溶湯と前記金型との間で激しい反応が発生すると判定する判定ステップと、
を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、金型焼付き予測方法、金型焼付き予測装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、拡散反応を起こす直接的な要因に着目することで精度良く金型の焼付きを予測することを目的とした、金型の焼付き予測方法が記載されている。特許文献1に記載の金型の焼付き予測方法は、鋳造工程中における金型の各部位の温度履歴を取得し、取得した温度履歴に基づいて、金型の各部位における金型材料の結晶格子から金型材料の原子が飛び出す1サイクル中におけるジャンプ頻度を算出し、算出した1サイクル中におけるジャンプ頻度に基づいて、金型の各部位における焼付きを予測している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、特許文献1に記載の方法は、金型において反応層が発生する部位を、金型の温度の高さに基づき予測している。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、金型の温度と金型へのアルミの接触時間との積が或る一定値以上である場合に反応層が発生すると判定しており、この条件による判定では反応が激しい部位(領域)が判定し難い。
【0005】
本開示は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的は、アルミ鋳造における金型の焼付きを予測するに際し、激しい反応が発生する領域を判定し易くすることが可能な金型焼付き予測方法、金型焼付き予測装置、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る金型焼付き予測方法は、アルミ溶湯を用いたアルミ鋳造における金型の焼付きを予測する金型焼付き予測方法であって、前記アルミ溶湯を射出し鋳造する1サイクルの温度プロットの中で、前記金型の温度Tが所定の温度T0以上の領域を選択する選択ステップと、tを前記1サイクル中の時間として、前記選択ステップで選択された前記領域の面積値Sを、S=∫(T-T0)dtにより算出する算出ステップと、前記面積値Sが所定値よりも大きい場合に、前記アルミ溶湯と前記金型との間で激しい反応が発生すると判定する判定ステップと、を含むものである。前記金型焼付き予測方法は、このような処理により、アルミ鋳造における金型の焼付きを予測するに際し、激しい反応が発生する領域を判定し易くすることが可能になる。
【0007】
本開示に係る金型焼付き予測装置は、アルミ溶湯を用いたアルミ鋳造における金型の焼付きを予測する金型焼付き予測装置であって、前記アルミ溶湯を射出し鋳造する1サイクルの温度プロットの中で、前記金型の温度Tが所定の温度T0以上の領域を選択する選択部と、tを前記1サイクル中の時間として、前記選択部で選択された前記領域の面積値Sを、S=∫(T-T0)dtにより算出する算出部と、前記面積値Sが所定値よりも大きい場合に、前記アルミ溶湯と前記金型との間で激しい反応が発生すると判定する判定部と、を備えたものである。前記金型焼付き予測装置は、このような構成により、アルミ鋳造における金型の焼付きを予測するに際し、激しい反応が発生する領域を判定し易くすることが可能になる。
【0008】
本開示に係るプログラムは、コンピュータに、アルミ溶湯を用いたアルミ鋳造における金型の焼付きを予測する金型焼付き予測処理を実行させるためのプログラムであって、前記金型焼付き予測処理は、前記アルミ溶湯を射出し鋳造する1サイクルの温度プロットの中で、前記金型の温度Tが所定の温度T0以上の領域を選択する選択ステップと、tを前記1サイクル中の時間として、前記選択ステップで選択された前記領域の面積値Sを、S=∫(T-T0)dtにより算出する算出ステップと、前記面積値Sが所定値よりも大きい場合に、前記アルミ溶湯と前記金型との間で激しい反応が発生すると判定する判定ステップと、を含むものである。前記プログラムは、このような構成により、アルミ鋳造における金型の焼付きを予測するに際し、激しい反応が発生する領域を判定し易くすることが可能になる。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、アルミ鋳造における金型の焼付きを予測するに際し、激しい反応が発生する領域を判定し易くすることが可能な金型焼付き予測方法、金型焼付き予測装置、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に係る金型焼付き予測方法の一例を説明するためのフロー図である。
【
図2】
図1の金型焼付き予測方法を説明するための温度プロットの一例を示す概略グラフである。
【
図3】実施の形態に係る金型焼付き予測装置の一構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図1の金型焼付き予測方法で使用される温度プロットの一例を示すグラフである。
【
図5】
図1の金型焼付き予測方法で予測対象となる金型の一例及びその金型における焼付きの発生の様子の一例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施の形態に限定するものではない。また、実施の形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。
【0012】
(実施の形態)
図1及び
図2を参照しながら、本実施の形態に係る金型焼付き予測方法の一例について説明する。
図1は、本実施の形態に係る金型焼付き予測方法の一例を説明するためのフロー図で、
図2は、
図1の金型焼付き予測方法を説明するための温度プロットの一例を示す概略グラフである。
【0013】
本実施の形態に係る金型焼付き予測方法は、アルミ溶湯を用いたアルミ鋳造における金型の焼付きを予測する方法である。本実施の形態では、反応層が単に金型温度が高くなるところで頻繁に発生する点ではなく、反応層が、金型温度が或る温度以上になるところ、並びに金型温度がアルミから受けるエネルギーが大きなところで発生し易く、その中でも激しい反応層が発生し易いところが存在することに着目して、激しい反応層の発生を判定する。
【0014】
そして、本実施の形態に係る金型焼付き予測方法は、後述する選択ステップ(ステップS1)、算出ステップ(ステップS2)、及び判定ステップ(ステップS3,S4)を含む。
【0015】
ステップS1では、アルミ溶湯を射出し鋳造する1サイクルの温度プロットの中で、金型の温度Tが所定の温度T0以上の領域を選択する。この温度プロットは、例えば
図2で示すようになり、ステップS1で選択される領域は、
図2において右肩上がりの斜線で示す領域と右肩下がりの斜線で示す領域とを合わせた領域となる。
【0016】
ステップS2では、アルミ溶湯を射出し鋳造する1サイクルの温度プロットの中で、ステップS1で選択された領域の面積値Sを、下式により算出する。下式において、tは1サイクル中の時間である。
S=∫(T-T0)dt
【0017】
判定ステップでは、面積値Sが所定値S0よりも大きいか否かを判定し(ステップS3)、大きい場合(S>S0である場合)に、アルミ溶湯と金型との間で激しい反応が発生する、つまり激しい反応層が発生すると判定する(ステップS4)。なお、激しい反応層が発生する部位は、金型がアルミ溶湯と激しく溶け込む領域を指すことができ、どの程度の溶け込みについて激しい反応層と判定するかは、所定値S0で決定されることができる。
【0018】
なお、
図2における面積値Sを分ける境界線、つまり右肩上がりの斜線で示す領域と右肩下がりの斜線で示す領域との境界線は、単に、温度プロットにおいて、時間毎に、温度Tと所定の温度T0との間でS0:(S-S0)で配分して描いたものに過ぎない。
【0019】
一方で、面積値Sが所定値S0以下である場合(ステップS3でNOの場合)、本実施の形態に係る金型焼付き予測方法は、アルミ溶湯と金型との間で激しい反応が発生しない、つまり激しい反応層が発生しないと判定する(ステップS5)。
【0020】
また、ステップS4での判定結果やステップS5での判定結果は、表示装置や音声出力装置などで出力されることもできる(ステップS6)。
【0021】
以上のような処理は、設計した金型の3次元データ(3次元のメッシュモデル)の各メッシュ(セル)に対応する金型の各部位について、実行されることができる。そして、激しい反応層が発生すると判定された場合(つまり激しい反応層による焼付きが発生すると判定された場合)には設計を見直し、再度、上述のような処理により判定を行うことができる。そして、上記の焼付きが発生しない金型になるまで、このような設計見直し、判定を繰り返すとよい。
【0022】
このように、本実施の形態では、面積値Sが所定値S0より大きい場合に、激しい反応層が発生する、つまり反応による金型焼付きが発生すると予測している。
【0023】
比較例として、金型温度と金型へのアルミの接触時間の積からある一定値以上で反応層が発生すると判定する例では、温度と時間の積から焼き付き部位を判定することになるが、一定値以上のみで反応層が発生すると判定しているため、激しく反応する部位が特定し難い。
【0024】
これに対し、本実施の形態では、上述したように、1サイクルの温度プロットの中で、或る温度T0以上の領域の存在、つまり金型温度と金型へのアルミの接触時間との積の領域の存在(面積値S>0)の有無により反応層の存在を判定し、その領域のうち、一定値S0以上のものは激しい反応層が発生すると判定する。よって、本実施の形態では、アルミ鋳造における金型の焼付きを予測するに際し、激しい反応が発生する部位が判定し易くなり、激しい焼付きが発生する部位を予測できるようになる。
【0025】
図3は、本実施の形態に係る金型焼付き予測装置の一構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施の形態に係る金型焼付き予測装置10は、選択部11、算出部12、及び判定部13を備えることができる。
【0026】
選択部11は、アルミ溶湯を射出し鋳造する1サイクルの温度プロットの中で、金型の温度Tが所定の温度T0以上の領域を選択する。
【0027】
算出部12は、その温度プロットの中で、ステップS1で選択された領域の面積値Sを、下式により算出する。
S=∫(T-T0)dt
【0028】
判定部13は、面積値Sが所定値S0よりも大きいか否かを判定し、大きい場合(S>S0である場合)に、アルミ溶湯と金型との間で激しい反応が発生すると判定する。一方で、判定部13は、面積値Sが所定値S0以下である場合、アルミ溶湯と金型との間で激しい反応が発生しないと判定する。
【0029】
金型焼付き予測装置10は、各部11~13を制御部として備えることができる。この制御部は、例えば、集積回路(Integrated Circuit)によって実現されることができ、例えば、MPU(Micro Processor Unit)やCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、作業用メモリ、及び不揮発性の記憶装置などによって実現されることができる。この記憶装置にプロセッサによって実行される制御用のプログラムを格納しておき、プロセッサがそのプログラムを作業用メモリに読み出して実行することで、この各部11~13の機能を果たすことができる。また、金型焼付き予測装置10は、上述した表示装置及び音声出力装置の少なくとも一方を備えることができる。
【0030】
金型焼付き予測装置10は、コンピュータで構成されることができ、上述の制御部の例から明らかなようにコンピュータを含んで構成されることもできる。よって、上記のプログラムは、コンピュータに、上記の金型焼付き予測方法で示した処理を実行させるためのプログラムであると言える。なお、金型焼付き予測装置10は、複数の装置に機能を分散して構成することもできる。
【0031】
次に、
図4及び
図5を参照しながら金型の一例を挙げ、本実施の形態の応用例について説明する。
図4は、
図1の金型焼付き予測方法で使用される温度プロットの一例を示すグラフである。また、
図5は、
図1の金型焼付き予測方法で予測対象となる金型の一例及びその金型における焼付きの発生の様子の一例を示す上面図である。
【0032】
本実施の形態に係る金型焼付き予測方法は、その応用例として、所定の温度T0及び所定値S0の少なくとも一方を変更する変更ステップをさらに含むようにすることもできる。同様に金型焼付き予測装置10は、このような変更の操作を受け付けて変更を行う変更部(図示せず)を備えることができる。
【0033】
そして、この応用例に係る金型焼付き予測方法では、変更ステップで所定の温度T0及び所定値S0の少なくとも一方を変更させながら、選択ステップ、算出ステップ、及び判定ステップを実行することで、アルミ溶湯と金型との間の反応の激しさに応じて、金型における領域(部位)を分類する。このような処理により、反応の激しさを判定することができる。
【0034】
図4には、金型における複数の部位について、アルミ溶湯の流速の中央値を3.0m/sとして温度変化をプロットしたグラフを示している。この例では、上述のような判定を行うことで、所定の温度T0を500℃に設定した場合と460℃に設定した場合とについて、アルミ付着が激しい範囲(二点鎖線で囲んだ範囲)とそれよりは激しくないがアルミ付着が存在する範囲(一点鎖線で囲んだ範囲)とが分類でき、そのうち面積値Sが所定値S0を超えるものを、それぞれアルミ付着が激しい部位、それよりは激しくないがアルミ付着が存在する部位として判定することができる。
【0035】
そして、各範囲に金型のどの部位についての温度プロットが入っているかによって、金型の部位の反応の激しさ、つまり焼付きの程度を分類することができる。このように、所定の温度T0を変更して判定を行うことで、反応の激しさ毎に金型の部位を分類することができる。
【0036】
また、
図4において、アルミ付着が激しい範囲は7秒以内に500℃を超える範囲となり、アルミ付着範囲(激しい範囲を除く)は460℃~500℃の範囲となっている。所定値S0の変更や所定値S0及び所定の温度T0の双方の変更については具体例を省略するが、いずれの変更によっても同様に反応の激しさ毎に金型の部位を分類できる。所定値S0に変更に関しては、
図4においてアルミ付着が激しい範囲を7秒以内に500℃を超える範囲として所定の温度T0を超える温度と接触時間との積で例示したことからも分かる。
【0037】
また、変更ステップの有無に依らず、本実施の形態に係る金型焼付き予測方法では、ステップS6で説明したように、判定結果を表示させる表示ステップを含むことができる。この表示ステップでは、金型を示すデータ上又はそれに対応する鋳造品を示すデータ上で、激しい反応層とそれ以外の部位とが区別可能なように表示を行う。激しい反応層が発生する部位は、金型又は鋳造品のデータにおいて、選択ステップで選択された領域のうち判定ステップで激しい反応が発生すると判定された領域を指す。それ以外の部位は、金型又は鋳造品のデータにおける他の領域を指す。
【0038】
図5には、金型における焼付きの発生の様子として、或る方向から金型を見た2次元の金型データ30において、反応の激しさに応じて、ドットを大きく表現するように表示させた例を挙げている。
【0039】
図5において、ドットHが激反応、ドットMが中反応、ドットLが小反応、ドット無しが無反応であることを示している。なお、
図5では便宜上、ドットで反応の大きさを示しており、その分類数もH,M,Lの3つとしている。但し、分類に応じてデータの領域を色及びハッチングの少なくとも一方で分けて表示させるなど、表示の形態は問わず、また分類数も1(反応の有無だけ)、2、4以上であってもよい。なお、便宜上、
図5では2次元データで示しているが、3次元データで表示させた方が発生の様子が細部まで確認できる。
【0040】
(代替例等)
上記実施の形態では、金型の形状について
図5で一例のみを挙げたがどのような形状の金型についても適用できる。また、上記実施の形態では、アルミ溶湯の成分や金型の材料や流速に関するパラメータなど、様々な他のパラメータも併せて用いて、反応の激しさ並びに金型の焼付きを判定(予測)することもできる。
【0041】
上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
【0042】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 金型焼付き予測装置、11 選択部、12 算出部、13 判定部、30 金型データ