(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068869
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】袋体
(51)【国際特許分類】
B65D 27/08 20060101AFI20240514BHJP
B42F 7/00 20060101ALI20240514BHJP
B65D 27/34 20060101ALI20240514BHJP
B65D 27/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B65D27/08
B42F7/00 E
B65D27/34
B65D27/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179497
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 武郎
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017QA02
2C017QA08
2C017QA16
2C017QD01
2C017QD03
(57)【要約】
【課題】簡単、低コストで、且つ地球に優しい袋体を提供することにある。
【解決手段】本発明は、1枚の紙製シート100Bを折り畳むことによってポケットが形成される平坦状の袋体100Fであって、1枚の紙製シート100Bは、第1固定片11がその上下いずれか一方の縁辺L2に連接された略矩形の第1シート1と、第1シート1の左右いずれか一方の縁辺L1に連接する左右いずれか一方の縁辺を有する略矩形の第2シート2と、第1シート1の左右いずれか他方の縁辺L3または第2シート2の左右いずれか他方の縁辺L4に連接する略矩形の第3シート3と、を少なくとも備え、第1シート1と第2シート2とで他のシートを挟むように各連接部分において各シートを折り畳み、第1シート1に連接する第1固定片11を第2シート2に折り重ねて固定させることで少なくとも2つのポケットを有するファイル形状を呈しているものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の紙製シートを折り畳むことによってポケットが形成される平坦状の袋体であって、
前記1枚の紙製シートは、
第1固定片がその上下いずれか一方の縁辺に連接された略矩形の第1シートと、
前記第1シートの左右いずれか一方の縁辺に連接する左右いずれか一方の縁辺を有する略矩形の第2シートと、
前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺または前記第2シートの左右いずれか他方の縁辺に連接する略矩形の第3シートと、を少なくとも備え、
前記第1シートと前記第2シートとで他のシートを挟むように各連接部分において各シートを折り畳み、前記第1シートに連接する前記第1固定片を前記第2シートに折り重ねて固定させることで少なくとも2つのポケットを有するファイル形状を呈していることを特徴とする袋体。
【請求項2】
前記第3シートは、前記第1シートよりも幅が狭く、前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺に連接しており、
前記第2シートの左右いずれか他方の縁辺には、前記第3シートに重ねて固定が可能な細長の第2固定片が連接されており、
前記第1シートと前記第2シートとの間には、第1ミシン目が形成されており、
前記第1シートおよび/または前記第2シートには、前記ポケットに収容された書類の記載内容の一部が確認可能に第1窓部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の袋体。
【請求項3】
前記第3シートは、前記第1シートよりも幅が狭く、前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺に連接しており、
前記第2シートの左右いずれか他方の縁辺には、前記第3シートに重ねて固定が可能な細長の第2固定片が連接されており、
前記第1シートの上下いずれか他方の縁辺には、前記第2シートに折り重ねて固定が可能な第3固定片が連接されており、
前記第1シートと前記第2シートとの間には、第1ミシン目が形成されており、
前記第1シートと前記第3固定片との間には、前記第3固定片を前記第1シートから切り離し可能に第2ミシン目が形成されており、
前記第2シートに連接する前記第2固定片を、前記第3シートに重ねて固定させ、前記第1シートに連接する前記第1固定片および前記第3固定片を、前記第2シートにそれぞれ折り重ねて固定させることで内部に少なくとも2つのポケットを有する封筒形状を呈していることを特徴とする請求項1に記載の袋体。
【請求項4】
前記第3シートは、前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺の一部に連接しており、
前記第1シートと前記第2シートとの間には、第1ミシン目が形成されており、
前記1枚の紙製シートは、前記第2シートの左右いずれか他方の縁辺に連接する略矩形の第4シートをさらに備え、
前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺の残り部分には、前記第2シートに折り重ねて固定が可能な第4固定片が連接されており、
前記第3シートには、前記第1シートに連接する前記第4固定片の外側輪郭に対応するように切込み線が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の袋体。
【請求項5】
前記第3シートは、前記第2シートの左右いずれか他方の縁辺に連接しており、
前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺には、前記第2シートに折り重ねて固定が可能な第4固定片が連接されており、
前記第1シートと前記第2シートとの間には、第1ミシン目が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の袋体。
【請求項6】
前記第3シートは、前記第2シートの左右いずれか他方の縁辺に連接しており、
前記第1シートの上下いずれか他方の縁辺には、前記第2シートに折り重ねて固定が可能な第3固定片が連接されており、
前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺には、前記第2シートに折り重ねて固定が可能な第4固定片が連接されており、
前記第1シートと前記第3固定片との間には、前記第3固定片を前記第1シートから切り離し可能に第2ミシン目が形成されており、
前記第1シートと前記第4固定片との間には、前記第4固定片を前記第1シートから切り離し可能に第3ミシン目が形成されており、
前記第2シートの上部には、前記ポケット内の収容状況が視認可能となる窓部が形成されるように窓部用ミシン目が形成されており、
前記第1シートに連接する前記第1固定片、前記第3固定片、および前記第4固定片を、前記第2シートにそれぞれ折り重ねて固定させることで内部に少なくとも2つのポケットを有する封筒形状を呈しており、
前記第3固定片は、前記第2シートの前記窓部用ミシン目で囲まれた領域に少なくとも接着固定されていることを特徴とする請求項1に記載の袋体。
【請求項7】
各シートの縁辺には、インデックス用のタブが連接されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の袋体。
【請求項8】
各シートの上部には、前記ポケット内の収容状況が視認可能に第2窓部が形成されていることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に従属する請求項7に記載の袋体。
【請求項9】
請求項1に記載の袋体のブランクであって、
第1折り曲げ線およびそれに直角な方向に延びる第2折り曲げ線を有する矩形状の第1シートと、
前記第1シートに前記第1折り曲げ線を介して連接する矩形状の第2シートと、
(i)前記第1折り曲げ線に対向する前記第1シートの第3折り曲げ線を介して前記第1シートに連接する、または(ii)前記第1折り曲げ線に対向する前記第2シートの第4折り曲げ線を介して前記第2シートに連接する、矩形状の第3シートと、
前記第1シートに前記第2折り曲げ線を介して連接する第1固定片と
を少なくとも備えることを特徴とする袋体のブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類等を収納可能な平坦状の袋体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、書類等を内部に入れて持ち運ぶことが可能な袋体として、例えば、ファイル、封筒など挙げられるが、ユーザーにとって使い易くなるように構造に工夫を施した様々なものが知られている。
【0003】
例えば、1枚の樹脂シート部を折り畳んで底辺部を熱溶着することで形成される3つのポケットを有するクリアファイルが特許文献1に記載されており、また、1枚の合成樹脂製シートを半折りにして、折り部を右辺部とした時に、左辺部および下辺部を帯状に熱溶着し、上辺部をシールした封筒状態からクリアファイル状態に成るように、上辺部および左辺部に破断可能なマイクロミシン目が設けられたものが特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3233573号公報
【特許文献2】特開2010-132326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、世界的にプラスチックゴミ問題が深刻化しており、地球環境の改善のため、プラスチックから他の素材に替えることが望まれており、また、樹脂製のシートにポケットを形成するためには、熱溶着する装置や工程が別途必要になるため、製造の手間やコストの増大も予想される。
【0006】
本発明の目的は、簡単、低コストで、且つ地球環境に優しい袋体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による袋体の第1形態は、1枚の紙製シートを折り畳むことによってポケットが形成される平坦状の袋体であって、前記1枚の紙製シートは、第1固定片がその上下いずれか一方の縁辺に連接された略矩形の第1シートと、前記第1シートの左右いずれか一方の縁辺に連接する左右いずれか一方の縁辺を有する略矩形の第2シートと、前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺または前記第2シートの左右いずれか他方の縁辺に連接する略矩形の第3シートと、を少なくとも備え、前記第1シートと前記第2シートとで他のシートを挟むように各連接部分において各シートを折り畳み、前記第1シートに連接する前記第1固定片を前記第2シートに折り重ねて固定させることで少なくとも2つのポケットを有するファイル形状を呈していることを特徴とするものである。
【0008】
本発明による袋体の第2形態は、前記第3シートは、前記第1シートよりも幅が狭く、前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺に連接しており、前記第2シートの左右いずれか他方の縁辺には、前記第3シートに重ねて固定が可能な細長の第2固定片が連接されており、前記第1シートと前記第2シートとの間には、第1ミシン目が形成されており、前記第1シートおよび/または前記第2シートには、前記ポケットに収容された書類の記載内容の一部が確認可能に第1窓部が形成されていることを特徴とする第1形態として記載の袋体である。
【0009】
本発明による袋体の第3形態は、前記第3シートは、前記第1シートよりも幅が狭く、前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺に連接しており、前記第2シートの左右いずれか他方の縁辺には、前記第3シートに重ねて固定が可能な細長の第2固定片が連接されており、前記第1シートの上下いずれか他方の縁辺には、前記第2シートに折り重ねて固定が可能な第3固定片が連接されており、前記第1シートと前記第2シートとの間には、第1ミシン目が形成されており、前記第1シートと前記第3固定片との間には、前記第3固定片を前記第1シートから切り離し可能に第2ミシン目が形成されており、前記第2シートに連接する前記第2固定片を、前記第3シートに重ねて固定させ、前記第1シートに連接する前記第1固定片および前記第3固定片を、前記第2シートにそれぞれ折り重ねて固定させることで内部に少なくとも2つのポケットを有する封筒形状を呈していることを特徴とする第1形態として記載の袋体である。
【0010】
本発明による袋体の第4形態は、前記第3シートは、前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺の一部に連接しており、前記第1シートと前記第2シートとの間には、第1ミシン目が形成されており、前記1枚の紙製シートは、前記第2シートの左右いずれか他方の縁辺に連接する略矩形の第4シートをさらに備え、前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺の残り部分には、前記第2シートに折り重ねて固定が可能な第4固定片が連接されており、前記第3シートには、前記第1シートに連接する前記第4固定片の外側輪郭に対応するように切込み線が設けられていることを特徴とする第1形態として記載の袋体である。
【0011】
本発明による袋体の第5形態は、前記第3シートは、前記第2シートの左右いずれか他方の縁辺に連接しており、前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺には、前記第2シートに折り重ねて固定が可能な第4固定片が連接されており、前記第1シートと前記第2シートとの間には、第1ミシン目が形成されていることを特徴とする第1形態として記載の袋体である。
【0012】
本発明による袋体の第6形態は、前記第3シートは、前記第2シートの左右いずれか他方の縁辺に連接しており、前記第1シートの上下いずれか他方の縁辺には、前記第2シートに折り重ねて固定が可能な第3固定片が連接されており、前記第1シートの左右いずれか他方の縁辺には、前記第2シートに折り重ねて固定が可能な第4固定片が連接されており、前記第1シートと前記第3固定片との間には、前記第3固定片を前記第1シートから切り離し可能に第2ミシン目が形成されており、前記第1シートと前記第4固定片との間には、前記第4固定片を前記第1シートから切り離し可能に第3ミシン目が形成されており、前記第2シートの上部には、前記ポケット内の収容状況が視認可能となる窓部が形成されるように窓部用ミシン目が形成されており、前記第1シートに連接する前記第1固定片、前記第3固定片、および前記第4固定片を、前記第2シートにそれぞれ折り重ねて固定させることで内部に少なくとも2つのポケットを有する封筒形状を呈しており、前記第3固定片は、前記第2シートの前記窓部用ミシン目で囲まれた領域に少なくとも接着固定されていることを特徴とする第1形態として記載の袋体である。
【0013】
本発明による袋体の第7形態は、各シートの縁辺には、インデックス用のタブが連接されていることを特徴とする第1形態から第6形態のいずれかの形態として記載の袋体である。
【0014】
本発明による袋体の第8形態は、各シートの上部には、前記ポケット内の収容状況が視認可能に第2窓部が形成されていることを特徴とする第4形態から第6形態のいずれかの形態を引用する第7形態として記載の袋体である。
【0015】
本発明による袋体のブランクは、第1形態として記載の袋体のブランクであって、第1折り曲げ線およびそれに直角な方向に延びる第2折り曲げ線を有する矩形状の第1シートと、前記第1シートに前記第1折り曲げ線を介して連接する矩形状の第2シートと、(i)前記第1折り曲げ線に対向する前記第1シートの第3折り曲げ線を介して前記第1シートに連接する、または(ii)前記第1折り曲げ線に対向する前記第2シートの第4折り曲げ線を介して前記第2シートに連接する、矩形状の第3シートと、前記第1シートに前記第2折り曲げ線を介して連接する第1固定片とを少なくとも備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、1枚のシートを折り畳み固定片によって固定すればよいので、簡単且つ低コストで2つ以上のポケットを有するファイルが出来、さらに、当該1枚のシートが紙製なので、地球環境に配慮した袋体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る2つのポケットを有する袋体の平面図であり、(a)は袋体の正面図、(b)は袋体を展開したブランクの平面図である。
【
図2】本発明の第2実施形態に係る2つのポケットを有する袋体の平面図であり、(a)は開封前の袋体の背面図、(b)は開封して第3固定片を取り除いた後の袋体の背面図、(c)は袋体を展開したブランクの平面図である。
【
図3】本発明の第3実施形態に係る3つのポケットを有する袋体の平面図であり、(a)は袋体の背面図、(b)は袋体を展開したブランクの平面図である。
【
図4】本発明の第4実施形態に係る2つのポケットを有する袋体の平面図であり、(a)は袋体の正面図、(b)は袋体を展開したブランクの平面図である。
【
図5】本発明の第5実施形態に係る2つのポケットを有する袋体の平面図であり、(a)は開封前の袋体の背面図、(b)は開封して第3固定片および第4固定片を取り除いた後の袋体の背面図、(c)は袋体を展開したブランクの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1から
図5を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。但し、本発明は本形態の態様に限定されるものではない。なお、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「略矩形」とは、矩形、長方形、略長方形のほか正方形や略正方形を含むものである。また、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「袋体」とは、ファイル、封筒を含むものとして参照される。さらに、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「ファイル」とは、右辺側(または左辺側)および上辺側が開き、左辺側(または右辺側)および下辺側が閉じられている、いわゆるクリアファイルの形状を呈するもののほか、単にポケットおよび開口を有し、内部に書類等を収納する構造を有するものとして参照される。本明細書、特許請求の範囲、および図面の記載において、「袋体のブランク」は、袋体を形成する前(接着前)のものであって、ミシン目において破断する前のものである。
【0019】
<第1実施形態>
図1は本実施形態に係る2つのポケットを有する袋体の平面図であり、
図1(a)は袋体の正面図、
図1(b)は袋体を展開したブランクの平面図である。
【0020】
本発明に係る袋体は、1枚の紙製シートを折り畳むことによってポケットが形成される平坦状のものであり、本実施形態に係る袋体100Fはファイル形状を呈している。当該ポケットには、書類等が収納可能になっている。本発明に係る紙製シートは、厚紙で構成されている。本発明では、袋体に収納される物品は、書類に限られず、薄くて収納可能な寸法を有するものであれば様々なものが採用可能である。
【0021】
本実施形態に係る袋体100Fを構成する当該1枚の紙製シート100Bは、
図1(a)および
図1(b)に示すように、第1固定片11がその上下いずれか一方の縁辺L2に連接された略矩形の第1シート1と、第1シート1の左右いずれか一方の縁辺L1に連接する左右いずれか一方の縁辺を有する略矩形の第2シート2と、第1シート1の左右いずれか他方の縁辺L3に連接する略矩形の第3シート3と、を少なくとも備え、第1シート1と第2シート2とで他のシートを挟むように各連接部分において各シートを折り畳み、第1シート1に連接する第1固定片11を第2シート2に折り重ねて固定させることで少なくとも2つのポケットを有するファイル形状を呈している。なお、本発明では、第3シート3は、第1シート1の左右いずれか他方の縁辺L3ではなく、第2シート2の左右いずれか他方の縁辺L4に連接されるような態様も許容されうる(後述の第4および第5実施形態を参照)。
【0022】
より具体的には、本実施形態に係る袋体100Fを構成する当該1枚の紙製シート100Bは、
図1(a)および
図1(b)に示すように、いわゆる観音開きのように折り畳み可能となっており、第3シート3は、第1シート1よりも幅が狭く、第1シート1の左右いずれか他方の縁辺L3に連接しており、第2シート2の左右いずれか他方の縁辺L4には、第3シート3に重ねて固定が可能な細長の第2固定片22が連接されており、第1シート1と第2シート2との間には、第1ミシン目P1が形成されており、第1シート1および第2シート2には、ポケットに収容された書類の記載内容の一部(例えばタイトル等)が確認可能に第1窓部1w、2wが形成されている。第3シート3を第1シート1よりも幅が狭くすることで、シート全体の大きさを抑えることができ、袋体の材料を低コストに抑えることができる。
【0023】
なお、本発明では、後述する変形例や各実施形態と同様に、第3シート3は、第1シート1よりも幅が狭く無くてもよく、第1シート1と同じ位の幅でもよいし、また、第2固定片22は、後述する第4および第5実施形態のように、第2シート2に折り重ねて固定することが可能にある程度の幅を有するものであってもよいし、第1シート1と第2シート2との間に、第1ミシン目P1が形成されない態様であってもよい。
【0024】
また、本実施形態では、第1シート1および第2シート2には、第1窓部1w、2wが形成されているが、本発明では、第1窓部1w、2wが第1シート1または第2シート2に形成されてもよいし、第1窓部1w、2wが形成されない態様も許容されうる。
【0025】
さらに、本実施形態に係る袋体100Fでは、
図1(a)および
図1(b)に示すように、各シート1、3の縁辺には、インデックス(見出し)用のタブ1T、3Tがそれぞれ連接されている。当該インデックス用のタブは、ファイル状態において各タブに記載された情報が一目で分かるように離間している。
【0026】
本実施形態では、袋体100Fのブランク100Bは、
図1(a)および
図1(b)に示すように、第1折り曲げ線L1およびそれに直角な方向に延びる第2折り曲げ線L2を有する矩形状の第1シート1と、第1シート1に第1折り曲げ線L1を介して連接する矩形状の第2シート2と、第1折り曲げ線L1に対向する第1シート1の第3折り曲げ線L3を介して第1シート1に連接する矩形状の第3シート3と、第1シート1に第2折り曲げ線L2を介して連接する第1固定片11とを少なくとも備える。なお、本発明では、上述したように、第3シート3は、第1折り曲げ線L1に対向する第2シート2の第4折り曲げ線L4を介して第2シート2に連接されるような態様も許容されうる(後述の第4および第5実施形態を参照)。
【0027】
ユーザーは、
図1(b)に示すようなブランク100Bについて、例えば、第3シート3を第1シート1に重ねるように第3折り曲げ線L3において谷折りして折り畳み、次に、第2シート2を第3シート3に重ねるように第1折り曲げ線L1(第1ミシン目P1)において谷折りして(第1シート1と第2シート2とで他のシート3を挟むように)折り畳んで、第2シート2に連接する第2固定片22を第3シート3に糊やシール等で接着させて背を作り、第1シート1に連接する第1固定片11を第2シート2に重ねるように第2折り曲げ線L2において谷折りして糊やシール等で接着させて底を形成することで、
図1(a)に示すような袋体100Fと成る。袋体100Fは、いわゆる袋とじを有する筒状のものであり、中に入れた書類が出にくくなり一定の気密性を有するものである。そして、袋体100Fの筒状(袋とじ形状)の状態から、第1ミシン目P1を破断するとクリアファイル形状となり、書類等の(特に横からの)出し入れを円滑に行うことができるようになる。
【0028】
本実施形態によれば、1枚のシート100Bを折り畳み第1固定片11によってシール等によって固定すればよいので、簡単且つ低コストで2つ以上のポケットを有するファイル100Fが出来、さらに、当該1枚のシート100Bが紙製なので、地球環境に配慮した袋体を提供することが可能となる。
【0029】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態では、第1実施形態と異なり、第1シート1に第3固定片13が連接され、封筒形状を呈することが可能になっており、開封した後にファイルとして利用可能な構成になっている。
【0030】
図2は本実施形態に係る2つのポケットを有する袋体の平面図であり、
図2(a)は開封前の袋体の背面図、
図2(b)は開封して第3固定片13を取り除いた後の袋体の背面図、
図2(c)は袋体を展開したブランクの平面図である。本実施形態に係る袋体200E、200Fやブランク200Bを構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0031】
本実施形態に係る袋体200Fを構成する当該1枚の紙製シート200Bは、
図2(a)から
図2(c)に示すように、いわゆる観音開きのように折り畳み可能となっており、第1実施形態と同様に、第3シート3は、第1シート1よりも幅が狭く、第1シート1の第3縁辺L3に連接しており、第2シート2の第4縁辺L4には、第3シート3に重ねて固定が可能な細長の第2固定片22が連接されており、第1シート1と第2シート2との間には、第1ミシン目P1が形成されており、加えて、第1シート1の上側の縁辺には、第2シート2に折り重ねて固定が可能な第3固定片13が連接されており、第1シート1と第3固定片13との間には、第3固定片13を第1シート1から切り離し可能に第2ミシン目P2が形成されており、第2シート2に連接する第2固定片22を、第3シート3に重ねて固定させ、第1シート1に連接する第1固定片11および第3固定片13を、第2シート2にそれぞれ折り重ねて固定させることで内部に少なくとも2つのポケットを有する封筒形状を呈している。
【0032】
さらに、本実施形態に係る袋体200Fでは、
図2(a)から
図2(c)に示すように、第2シート2および第3シート3の縁辺には、インデックス用のタブ2Tおよび3Tがそれぞれ連接されている。
【0033】
ユーザーは、
図2(c)に示すような紙製のブランク200Bについて、例えば、第3シート3を第1シート1に重ねるように第3折り曲げ線L3において谷折りして折り畳み、次に、第2シート2を第3シート3に重ねるように第1折り曲げ線L1(第1ミシン目P1)において谷折りして(第1シート1と第2シート2とで他のシート3を挟むように)折り畳んで、第2シート2に連接する第2固定片22を第3シート3に糊やシール等で接着させて背を作り、第1シート1に連接する第1固定片11および第3固定片13を第2シート2に重ねるように第2折り曲げ線L2および第2ミシン目P2において谷折りして糊やシール等でそれぞれ接着させて底を形成し上側を封止することで、
図2(a)に示すような封筒形状の袋体200Eと成る。その後、第2固定片22の接着を外し第2固定片22の基端縁に形成されている第2ミシン目P2を破断すると、
図2(b)に示すようなファイル形状の袋体200Fと成る。そして、袋体200Fの筒状の状態から、第1ミシン目P1を破断するとクリアファイル形状となり、書類等の(特に横からの)出し入れを円滑に行うことができるようになる。
【0034】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、簡単且つ低コストで2つのポケットを有する封筒200Eやファイル200Fが出来、さらに、地球環境に配慮した袋体を提供することが可能となる。
【0035】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態では、第1実施形態と異なり、第2シート2に連接する略矩形の第4シート4をさらに備え、3つのポケットを有するファイル形状を呈することが可能になっている。
【0036】
図3は本実施形態に係る3つのポケットを有する袋体の平面図であり、
図3(a)は袋体の背面図、(b)は袋体を展開したブランクの平面図である。本実施形態に係る袋体300Fやブランク300Bを構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
本実施形態では、
図3(a)および
図3(b)に示すように、第3シート3は、第1シート1の第3縁辺L3の一部L3aに連接しており、第1ミシン目P1が、第1シート1と第2シート2との間に形成されており、加えて、1枚の紙製シート300Bは、第2シート2の左右いずれか他方の縁辺L5に連接する略矩形の第4シート4を備える。
【0038】
また、本実施形態では、
図3(a)および
図3(b)に示すように、第1シート1の第3縁辺L3の残り部分L3bには、第2シート2に折り重ねて固定が可能な第4固定片14が連接されており、第3シート3には、第1シート1に連接する第4固定片14の外側輪郭に対応するように切込み線CLが設けられている。
【0039】
さらに、本実施形態に係る袋体300Fでは、
図3(a)および
図3(b)に示すように、第1シート1、第3シート3、および第4シート4の縁辺には、インデックス用のタブ1T、3T、および4Tがそれぞれ連接されている。
【0040】
加えて、本実施形態に係る袋体300Fでは、
図3(a)および
図3(b)に示すように、第1シート1、第2シート2、および第3シート3の上部には、ポケット内の収容状況が視認可能に第2窓部1a、2a、および3aが形成されている。
【0041】
ユーザーは、
図3(b)に示すようなブランク300Bについて、例えば、第4シート4を第2シート2に重ねるように第5折り曲げ線L5を谷折りして折り畳み、第3シート3を第1シート1に重ねるように第3折り曲げ線L3の一部L3aを谷折りして折り畳み、次に、折り畳んだ第4シート4を、折り畳んだ第3シート3に重ねるように第1折り曲げ線L1(第1ミシン目P1)において谷折りして(第1シート1と第2シート2とで他のシート3、4を挟むように)折り畳んで、第1シート1に連接する第4固定片14を第2シート2に重ねるように第3折り曲げ線L3の残り部分L3bにおいて谷折りして糊やシール等で接着させて背を作り、第1シート1に連接する第1固定片11を第2シート2に重ねるように第2折り曲げ線L2において谷折りして糊やシール等で接着させて底を形成することで、
図3(a)に示すような袋体300Fと成る。そして、袋体300Fの状態から、第1折り曲げ線L1上に形成された第1ミシン目P1を破断すると、書類等の(特に横からの)出し入れが行い易い3つのポケットを有するクリアファイル形状となる。
【0042】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、簡単且つ低コストで3つのポケットを有するファイル300Fが出来、さらに、地球環境に配慮した袋体を提供することが可能となる。
【0043】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態では、第1実施形態と異なり、第3シート3は、第2シート2の第4縁辺L4に連接しており、第1シート1の第3縁辺L3には、細長の第2固定片22と形状が異なる第4固定片14であって、第2シート2に折り重ねて固定が可能であり第2固定片22より幅広な第4固定片14が連接されている。
【0044】
図4は、本実施形態に係る2つのポケットを有する袋体の平面図であり、
図4(a)は袋体の正面図、
図4(b)は袋体を展開したブランクの平面図である。本実施形態に係る袋体400Fやブランク400Bを構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
本実施形態では、
図4(a)および
図4(b)に示すように、第1実施形態と同様に、第1シート1と第2シート2との間には、第1ミシン目P1が形成されており、第1実施形態と異なり、第3シート3は、第2シート2の第4縁辺L4に連接しており、第1シート1の第3縁辺L3には、第2シート2に折り重ねて固定が可能な第4固定片14が連接されている。
【0046】
さらに、本実施形態に係る袋体400Fでは、
図4(a)および
図4(b)に示すように、第1シート1および第3シート3の縁辺には、インデックス用のタブ1Tおよび3Tがそれぞれ連接されている。
【0047】
加えて、本実施形態に係る袋体400Fでは、
図4(a)および
図4(b)に示すように、第1シート1から第3シート3の上部には、ポケット内の収容状況が視認可能に第2窓部1a、2a、および3aが形成されている。
【0048】
ユーザーは、
図4(b)に示すようなブランク400Bについて、例えば、第3シート3を第2シート2に重ねるように第4折り曲げ線L4において谷折りして折り畳み、次に、折り畳んだ第3シート3を第1シート1に重ねるように第1折り曲げ線L1(第1ミシン目P1)において谷折りして(第1シート1と第2シート2とで他のシート3を挟むように)折り畳んで、第1シート1に連接する第4固定片14および第1固定片11を第2シート2に重ねるように第3折り曲げ線L3および第2折り曲げ線L2において谷折りして糊やシール等でそれぞれ接着させて背を作り底を形成することで、
図4(a)に示すような袋体400Fと成る。そして、袋体400Fの筒状の状態から、第1折り曲げ線L1上の第1ミシン目P1を破断するとクリアファイル形状となり、書類等の(特に横からの)出し入れを円滑に行うことができるようになる。
【0049】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、簡単且つ低コストで2つのポケットを有するファイル400Fが出来、さらに、地球環境に配慮した袋体を提供することが可能となる。
【0050】
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態では、第1実施形態と異なり、第1シート1に第3固定片13が連接され、封筒形状を呈することが可能になっており、開封した後にファイルとして利用可能な構成になっている。また、第3シート3は、第2シート2の第4縁辺L4に連接しており、第1シート1の第3縁辺L3には、細長の第2固定片22と形状が異なる第4固定片14であって、第2シート2に折り重ねて固定が可能であり第2固定片22より幅広な第4固定片14が連接されている。さらに、第1シート1に連接された第3固定片13を、第2シート2に形成された窓部用ミシン目2p1、2p2が囲む領域に少なくとも一部重なるように、接着剤を介して固定することで、第3固定片13を第2シート2から剥がすときに一緒に窓部用ミシン目2p1、2p2が破断され、第2シート2の上部に、ポケット内の収容状況が視認可能な窓部が形成されることになる。
【0051】
図5は本実施形態に係る2つのポケットを有する袋体の平面図であり、
図5(a)は開封前の袋体の背面図、
図5(b)は開封して第3固定片および第4固定片を取り除いた後の袋体の背面図、
図5(c)は袋体を展開したブランクの平面図である。本実施形態に係る袋体500E、500Fやブランク500Bを構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0052】
本実施形態では、
図5(a)から
図5(c)に示すように、第1実施形態と同様に、第3シート3は、第2シート2の第4縁辺L4に連接しており、第1シート1の上側の縁辺には、第2シート2に折り重ねて固定が可能な第3固定片13が連接されており、第1シート1の右側の縁辺には、第2シート2に折り重ねて固定が可能な第4固定片14が連接されており、第1シート1と第3固定片13との間には、第3固定片13を第1シート1から切り離し可能に第2ミシン目P2が形成されており、第1シート1と第4固定片14との間には、第4固定片14を第1シート1から切り離し可能に第3ミシン目P3が形成されている。すなわち、第1シート1の上側と右側の縁辺には、第2シート2に固定された第3固定片13および第4固定片14を切り離すことで、2つのポケットを有するファイル形状を呈することが可能に、第2ミシン目P2および第3ミシン目P3がそれぞれ形成されている。なお、本発明では、第2ミシン目P2のみを有するものや、第3ミシン目P3のみを有するものも許容されうる。また、本発明では、第3固定片13のみ切り離したものをファイルとして使用することも可能である。
【0053】
加えて、本実施形態では、
図5(a)から
図5(c)に示すように、第2シート2の上部には、ポケット内の収容状況が視認可能となる窓部が形成されるように窓部用ミシン目2p1、2p2が形成されており、第1シート1に連接する第1固定片11、第3固定片13、および第4固定片14を、第2シート2にそれぞれ折り重ねて固定させることで内部に少なくとも2つのポケットを有する封筒形状を呈しており、第3固定片13は、第2シート2の窓部用ミシン目2p1、2p2で囲まれた領域に少なくとも接着固定されている。
【0054】
さらに、本実施形態に係る袋体500Fでは、
図5(a)から
図5(c)に示すように、第2シート2および第3シート3の縁辺には、インデックス用のタブ2T、3Tがそれぞれ連接されている。
【0055】
そして、本実施形態に係る袋体500Fでは、
図5(a)から
図5(c)に示すように、第3シート3の上部には、ポケット内の収容状況が視認可能に第2窓部3aが形成されている。
【0056】
ユーザーは、
図5(c)に示すような紙製のブランク500Bについて、第3シート3を第2シート2に重ねるように第4折り曲げ線L4において谷折りして折り畳み、次に、折り畳んだ第3シート3を第1シート1に重ねるように第1折り曲げ線L1において谷折りして(第1シート1と第2シート2とで他のシート3を挟むように)折り畳んで、第1シート1に連接する第4固定片14、第1固定片11、および第3固定片13を第2シート2に重ねるように第3折り曲げ線L3、第2折り曲げ線L2、および第2ミシン目P2において谷折りして糊やシール等でそれぞれ接着させて背および底を形成し上側を封止することで、
図5(a)に示すような封筒形状の袋体500Eと成る。その後、第2シート2から第3固定片13を剥がし第3固定片13の基端縁に形成されている第2ミシン目P2を破断し、第4固定片14の接着を外し第4固定片14の基端縁に形成されている第3ミシン目P3を破断すると、
図5(b)に示すようなファイル形状の袋体500Fと成る。ここで、上述したように第3固定片13が第2シート2の窓部用ミシン目2p1、2p2で囲まれた領域に少なくとも重なるように接着されているので、第2シート2から第3固定片13を剥がす際に、当該領域のシートが一緒に剥がれ、窓部がそれぞれ形成されることになる。当該窓部は、第2窓部3aと同様の機能を有するので、第3固定片13を剥がすことでポケット内の収容状況が視認可能になる。
【0057】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、簡単且つ低コストで2つのポケットを有する封筒500Eやファイル500Fが出来、さらに、地球環境に配慮した袋体を提供することが可能となる。
【0058】
<その他>
本発明は、上述した実施形態や、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
【符号の説明】
【0059】
100F、200F、300F、400F、500F ファイル(袋体の一例)
200E、500E 封筒(袋体の一例)
1~4 第1乃至第4シート
11 第1固定片
22 第2固定片
13 第3固定片
14 第4固定片
1T、2T、3T、4T インデックス用タブ
L1~L5 第1乃至第5縁辺(第1乃至第5折り曲げ線)
P1~P3 第1乃至第3ミシン目
100B、200B、300B、400B、500B 袋体のブランク
1w、2w 第1窓部
1a、2a、3a、4a 第2窓部
2p1、2p2 窓部用ミシン目