(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068871
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】図面管理システム
(51)【国際特許分類】
G06V 30/18 20220101AFI20240514BHJP
G06V 30/422 20220101ALI20240514BHJP
【FI】
G06V30/18
G06V30/422
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179502
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅之
(72)【発明者】
【氏名】原田 真宏
(72)【発明者】
【氏名】西口 絵里子
(72)【発明者】
【氏名】森 豊
【テーマコード(参考)】
5B064
【Fターム(参考)】
5B064AB10
5B064DA02
(57)【要約】
【課題】建物の図面が記載された紙面に書き込まれた文字情報等をデータ化する図面管理システムを提供する。
【解決手段】図面管理システムは、紙面に記載された建物を表す図面と、紙面に記載された書き込み情報とを含む画像の画像データから書き込み情報を抽出する抽出部と、画像データにおける書き込み情報から少なくともテキスト情報を取得する識別部と、識別部で取得された書き込み情報のテキスト情報を画像データで表される画像にテキスト情報が表示されるように画像データに付加して図面データを作成するデータ作成部と、図面データを蓄積する蓄積部とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙面に記載された建物を表す図面と、前記紙面に記載された書き込み情報とを含む画像の画像データから前記書き込み情報を抽出する抽出部と、
前記画像データにおける前記書き込み情報から少なくともテキスト情報を取得する識別部と、
前記識別部で取得された前記書き込み情報の前記テキスト情報を前記画像データで表される画像に前記テキスト情報が表示されるように前記画像データに付加して図面データを作成するデータ作成部と、
前記図面データを蓄積する蓄積部とを有する、図面管理システム。
【請求項2】
前記紙面に記載された前記建物を表す前記図面と、前記紙面に記載された前記書き込み情報とを含む前記画像の前記画像データを取得する取得部を有する、請求項1に記載の図面管理システム。
【請求項3】
前記抽出部は、前記画像データが示す画像を複数の領域に分割し、前記領域毎に前記書き込み情報を抽出する、請求項1に記載の図面管理システム。
【請求項4】
前記データ作成部は、前記書き込み情報の前記テキスト情報を、前記画像データにおける前記書き込み情報が抽出された領域と対応する位置に表示されるように前記画像データに付加する、請求項1に記載の図面管理システム。
【請求項5】
前記データ作成部は、前記紙面に記載された前記書き込み情報が矢印又は指示線を含む場合、前記矢印又は前記指示線の先端の位置に基づいて設定された箇所に、前記書き込み情報に基づく前記テキスト情報が表示されるように前記画像データに付加する、請求項1に記載の図面管理システム。
【請求項6】
前記抽出部で前記書き込み情報が複数抽出された場合、前記識別部は、それぞれの書き込み情報を分類する、請求項3に記載の図面管理システム。
【請求項7】
前記識別部による書き込み情報の分類は、前記紙面におけるそれぞれの前記書き込み情報の位置情報、又は前記書き込み情報における文字の向きが用いられる、請求項6に記載の図面管理システム。
【請求項8】
前記データ作成部は、前記画像データが示す画像のうち、前記紙面の前記建物を表す前記図面に相当する領域以外の領域を白紙領域に変更した後に、前記白紙領域に、前記書き込み情報に基づく前記テキスト情報が表示されるように、前記テキスト情報を前記画像データに付加する、請求項1に記載の図面管理システム。
【請求項9】
前記データ作成部は、前記書き込み情報を記載したユーザのユーザ情報、及び前記書き込み情報を記載した日付情報のうち、少なくとも一方を前記画像データに付加する、請求項1に記載の図面管理システム。
【請求項10】
前記紙面に記載された前記建物を表す前記図面と、前記紙面に記載された前記書き込み情報とを含む前記画像の前記画像データと、前記蓄積部に蓄積された前記図面データとを比較する比較部を有し、
前記蓄積部に蓄積された前記図面データのうち、前記画像データと関連する図面データがあると前記比較部が判定した場合、前記画像データにより得られた図面データを、前記関連する図面データに関連付けて、前記蓄積部に蓄積する、請求項1~9のいずれか1項に記載の図面管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙面に記載された建物を表す図面と、紙面に記載された書き込み情報とを含む画像をデータ化し、画像のデータを蓄積する図面管理システムに係り、特に、建物の図面が記載された紙面に書き込まれた文字等の書き込み情報を、コンピュータで処理可能なテキストにする図面管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物を設計して竣工する際、敷地図、配置図、平面図、及び立面図等の様々な図面が作成される。これらの図面は、竣工に至るまでの間に何度か変更が加えられることがある。しかも、建物の設計変更の指示、及び建物の設計に関する確認事項等は、図面が記載された紙面に直接書き込まれる。竣工に至るまでの間に図面の枚数は膨大なものとなる。このため、図面の管理が非常に煩雑である。そこで、図面を管理する方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、住宅建築の際に作成される膨大な数の図面を効率的に管理するとともに、竣工までの間に多く発生する手書き修正図面を簡易に図面データとしてデータベースに登録することが可能な図面管理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、手書き修正図面を読み取ってデータを保存しており、図面に書き込まれた文字等も画像として保存される。このため、図面に書き込まれた内容を確認することができるが、書き込まれた内容を利用するには、コンピュータで処理可能なテキストにする必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、建物の図面が記載された紙面に書き込まれた文字情報等をデータ化する図面管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、本発明の図面管理システムによれば、紙面に記載された建物を表す図面と、紙面に記載された書き込み情報とを含む画像の画像データから書き込み情報を抽出する抽出部と、画像データにおける書き込み情報から少なくともテキスト情報を取得する識別部と、識別部で取得された書き込み情報のテキスト情報を画像データで表される画像にテキスト情報が表示されるように画像データに付加して図面データを作成するデータ作成部と、図面データを蓄積する蓄積部とを有する、ことにより解決される。
上記のように構成された本発明の図面管理システムでは、建物の図面に書き込まれた文字情報等をデータ化できる。
上記の図面管理システムにおいて、紙面に記載された建物を表す図面と、紙面に記載された書き込み情報とを含む画像の画像データを取得する取得部を有すると、好適である。
上記の構成によれば、画像データを容易に取得できる。
【0008】
また、上記の図面管理システムにおいて、抽出部は、画像データが示す画像を複数の領域に分割し、領域毎に書き込み情報を抽出すると、好適である。
上記の構成によれば、書き込み情報の抽出を容易にでき、かつ抽出位置の特定も容易にできる。
また、上記の図面管理システムにおいて、データ作成部は、書き込み情報のテキスト情報を、画像データにおける書き込み情報が抽出された領域と対応する位置に表示されるように画像データに付加すると、より好適である。
上記の構成によれば、書き込み情報の位置と、図面データ上の位置とが対応するため、書き込み情報を認識しやすい。
また、上記の図面管理システムにおいて、データ作成部は、紙面に記載された書き込み情報が矢印又は指示線を含む場合、矢印又は指示線の先端の位置に基づいて設定された箇所に、書き込み情報に基づくテキスト情報が表示されるように画像データに付加すると、さらに好適である。
上記の構成によれば、書き込み情報が指し示す場所等を明確にできる。
【0009】
また、上記の図面管理システムにおいて、抽出部で書き込み情報が複数抽出された場合、識別部は、それぞれの書き込み情報を分類すると、なお一層好適である。
上記の構成によれば、書き込み情報を分類することで、書き込み情報の関係を明確にできる。
また、上記の図面管理システムにおいて、識別部による書き込み情報の分類は、紙面におけるそれぞれの書き込み情報の位置情報、又は書き込み情報における文字の向きが用いられると、より一段と好適である。
上記の構成によれば、書き込み情報の分類を容易にできる。
また、上記の図面管理システムにおいて、データ作成部は、画像データが示す画像のうち、紙面の建物を表す図面に相当する領域以外の領域を白紙領域に変更した後に、白紙領域に、書き込み情報に基づくテキスト情報が表示されるように、テキスト情報を画像データに付加すると、より一段と好適である。
上記の構成によれば、テキスト情報への画像データの付加を容易にできる。
【0010】
上記の図面管理システムにおいて、データ作成部は、書き込み情報を記載したユーザのユーザ情報、及び書き込み情報を記載した日付情報のうち、少なくとも一方を画像データに付加すると、より一段と好適である。
上記の構成によれば、書き込み情報の記載日、記載したユーザを容易に特定できる。
図面データの付加を容易にできる。
上記の図面管理システムにおいて、紙面に記載された建物を表す図面と、紙面に記載された書き込み情報とを含む画像の画像データと、蓄積部に蓄積された図面データとを比較する比較部を有し、蓄積部に蓄積された図面データのうち、画像データと関連する図面データがあると比較部が判定した場合、画像データにより得られた図面データを、関連する図面データに関連付けて、蓄積部に蓄積すると、より一段と好適である。
上記の構成によれば、取得部が取得した画像データを、図面データに関連付けて蓄積部に蓄積できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の図面管理システムによれば、建物の図面が記載された紙面に書き込まれた文字情報等をデータ化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態の図面管理システムの一例を示す模式図である。
【
図2】(a)~(e)は本発明の一実施形態の図面管理システムを用いた図面の管理の一例を工程順に示す模式図である。
【
図3】(a)は本発明の一実施形態の図面管理システムで取得された画像データの一例を示す模式図であり、(b)は
図3(a)の要部拡大図であり、(c)は
図3(a)の要部拡大図である。
【
図4】(a)は本発明の一実施形態の図面管理システムにより得られた図面データの第1の例を示す模式図であり、(b)は本発明の一実施形態の図面管理システムにより得られた図面データの第2の例を示す模式図である。
【
図5】(a)は本発明の一実施形態の図面管理システムにより得られた図面データの第3の例を示す模式図であり、(b)は
図5(a)の要部拡大図である。
【
図6】本発明の一実施形態の図面管理システムにより得られた図面データの第4の例を示す模式図である。
【
図7】本発明の一実施形態の図面管理システムにより得られた図面データの第5の例を示す模式図である。
【
図8】本発明の一実施形態の図面管理システムを用いた図面の管理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<<本発明の一つの実施形態に係る図面管理システムについて>>
以下、本発明の一つの実施形態(以下、本実施形態)について、添付の図面を参照しながら説明する。
なお、図面では、説明を分かり易くするために幾分簡略化及び模式化して図示している。また、図中に示すサイズ(寸法)等についても、実際のものとは異なっている。
【0014】
[図面管理システム]
図1は本発明の一実施形態の図面管理システムの一例を示す模式図である。
図1に示す図面管理システム10は、処理ユニット12と入力部14と表示部16とを有する。
処理ユニット12は、取得部20、比較部22、抽出部24、識別部26、データ作成部28、蓄積部30、メモリ32及び制御部34を有する。処理ユニット12の各部は、制御部34により制御される。
図面管理システム10において、処理ユニット12はROM等に記憶されたプログラム(コンピュータソフトウェア)を、制御部34で実行することにより、取得部20、比較部22、抽出部24、識別部26、データ作成部28、及び蓄積部30の各部を機能的に形成するコンピュータ等のハードウェアを用いて構成されてもよいし、各部位が専用回路で構成された専用装置であってもよく、クラウド上で実行されるようにサーバーで構成してもよい。
【0015】
入力部14は、例えば、処理ユニット12に各種情報をオペレータの指示により入力するための各種の入力デバイスである。入力部14は、例えば、マウス及びキーボード等である。また、入力部14は、紙面に記載された建物を表す図面と、紙面に記載された書き込み情報とを含む画像の画像データが収納データとして記憶された記憶媒体(図示せず)から画像データを、メモリ32に入力させるものでもよい。この場合、入力部14は、例えば、取得部20又はメモリ32に対応するインターフェース(図示せず)を有し、インターフェースを介して記憶媒体から取得部20又はメモリ32に、上述の収納データを記憶させる。
【0016】
表示部16は、例えば、図面管理システム10で得られた画像データで表される画像、図面データで表される画像を表示するものであり、公知の各種のディスプレイが用いられる。なお、表示部16には、画像データ又は図面データ等を紙等の出力媒体に表示するためのプリンタ等のデバイスも含まれる。
また、図面管理システム10は、スマートフォン(図示せず)又はタブレット端末(図示せず)等の画面に、画像データで表される画像、図面データで表される画像を表示させることもできる。この場合、スマートフォン又はタブレット端末が表示部16であり、さらには入力部14も兼ねる。
【0017】
<処理ユニット12>
図2(a)~(e)は本発明の一実施形態の図面管理システムを用いた図面の管理の一例を工程順に示す模式図である。
取得部20は、紙面40(
図2(a)参照)に記載された建物を表す図面42(
図2(a)参照)と、紙面40に記載された書き込み情報44(
図2(a)参照)とを含む画像45(
図2(a)参照)の画像データ50(
図2(b)参照)を取得する。画像データ50とは、コンピュータで処理可能なデータで表された画像のデータのことである。画像データは、上述の画像45(
図2(a)参照)を表すデジタルデータを含む。
書き込み情報44とは、例えば、建物の設計変更の指示、及び建物の設計に関する確認事項等のことであり、図面42が記載された紙面40に直接書き込まれる。書き込み情報44には、紙面40に記載された文字、記号、図形及び各種の線等が含まれる。
紙面40への書き込み情報44の記載方法は、特に限定されるものではなく、手書きでも、プリンタで印刷されたものを貼り付けたものでもよい。
取得部20は、上述の画像データ50(
図2(b)参照)を取得できれば、特に限定されるものではない。取得部20としては、例えば、スキャナー、及びデジタルカメラ又はスマートフォン等の撮像デバイスが例示される。すなわち、処理ユニット12は、取得部20として機能する撮像デバイスを含むものであってもよい。
また、画像データとしては、上述のように記憶媒体に記憶された画像データを用いることもでき、画像データは図面管理システム10の外部からも取得できる。このため、図面管理システム10において、取得部20は必ずしも必要ではない。
【0018】
比較部22は、取得部20又は外部から取得した画像データと、蓄積部30に蓄積された図面データとを比較する。比較部22は、上述の画像データと、蓄積部30に蓄積された図面データとの一致と不一致とを判定し、かつ関連についても判定する。
画像データと、蓄積部30に蓄積された図面データ60(
図2(d)参照)のうち、関連する図面データがあると比較部22が判定した場合、画像データにより得られた図面データを、関連すると判定された図面データに関連付けて蓄積部30に蓄積する。
比較部22の比較により、画像データが、蓄積部に蓄積された図面データに関連するものか、新規に作成されたものか、蓄積部30に蓄積された図面データと同じものかを判定できる。
画像データが蓄積部30に蓄積された図面データと同じと判定された場合には、後述の書き込み情報の抽出等を実施しない。これにより、図面データが蓄積部30に重複して蓄積されることを防止でき、余計な処理をすることを防止できる。
【0019】
比較部22は、紙面40(
図2(a)参照)に、例えば、管理番号又はバーコード等の管理情報が付与されていれば、管理情報を用いて比較する。管理情報には、例えば、建物を表す図面42の識別情報、及び書き込み情報44を書き込んだ日時等の情報が含まれる。
なお、バーコードの種類は特に限定されるものではなく、1次元コード、2次元コード等でもよいし、JAN、EAN、NW-7、CODE39等どのような形式のものであってもよい。
ここで、建物の設計変更等により図面が変更、詳しくは改訂又は修正されることがある。この場合、建物は同じであるが図面が変更されている。建物の図面が変更された際には、管理情報も更新される、このとき、管理情報は、例えば、更新前の管理情報に何版かを示す情報を含む。この何版かを示す情報を用いることで、画像データが、蓄積された図面データと関連するか否かを判定できる。
【0020】
抽出部24は、画像データ50(
図2(b)参照)から、画像化された書き込み情報を抽出する。書き込み情報の抽出方法は、特に限定されるものではなく、公知の画像解析方法が利用可能である。
抽出部24は、画像データ50から、書き込み情報を抽出する際、画像データ50に対して、仮想的に直交するグリッド線55(
図2(b)参照)を設定し、画像データ50が示す画像51(
図2(b)参照)を複数のグリッド領域55a(
図2(b)参照)に分割する。抽出部24は、このグリッド線55により区画されたグリッド領域55a毎に、書き込み情報を抽出することが好ましい。グリッド領域55aを目安にして、書き込み情報を抽出することにより、書き込み情報の抽出を容易にでき、かつ抽出位置の特定も容易にできる。
抽出部24は、具体的には、画像データ50において、建物を表す図面42(
図2(a)参照)に相当する領域52(
図2(b)参照)を抽出し、建物を表す図面42に相当する領域52と、建物を表す図面42に相当する領域52以外の領域54(
図2(b)参照)とに分ける。
次に、上述のように画像データ50が示す画像51を複数のグリッド領域55aに分割した後、建物を表す図面42に相当する領域52と、建物を表す図面42に相当する領域52以外の領域54とについて書き込み情報を抽出する。
【0021】
なお、建物を表す図面42に相当する領域52以外の領域54は、紙面40(
図2(a)参照)の余白に相当する。
書き込み情報は、1つに限定されるものではなく、複数あることが多い。このため、抽出された書き込み情報の抽出位置を特定し、抽出された書き込み情報の抽出位置の情報をメモリ32に記憶しておくことが好ましい。複数の書き込み情報は、後述のように識別部26で分類される。書き込み情報を分類することで、書き込み情報の関係を明確にできる。
【0022】
識別部26は、画像データ50における書き込み情報から少なくともテキスト情報を取得する。テキスト情報を取得するとは、コンピュータで処理可能なテキストにすることである。
識別部26のテキスト情報の取得方法は、コンピュータで処理可能なテキストをすることができれば、特に限定されるものではなく、公知のOCR(Optical Character Recognition)技術、画像解析技術、及びパターンマッチング技術を用いることができる。
識別部26は、書き込み情報には線又は図形が含まれることもあり、線及び図形を抽出することもできる。線及び図形の抽出には、公知の画像解析技術、又はパターンマッチング技術等を用いることができる。
識別部26で取得された、画像データの書き込み情報のテキスト情報は、メモリ32に記憶される。
【0023】
また、識別部26は、抽出部24で書き込み情報が複数抽出された場合、それぞれの書き込み情報を分類する。書き込み情報の分類については後に説明する。
書き込み情報を分類する際、複数の書き込み情報として抽出されたものであっても、実際には1つの書き込み情報であることもある。この場合、例えば、複数の書き込み情報が1つの書き込み情報とみなす範囲を決定する方法として、公知のOCRに用いられるブロック解析が利用可能である。
また、識別部26は、建物を表す図面42に相当する領域52(
図2(b)参照)以外の領域54(
図2(b)参照)を白紙領域54a(
図2(c)参照)に変更することもできる。上述の領域54を白紙領域54aに変更するとは、画像データ50(
図2(c)参照)が示す画像51(
図2(b)参照)において、文字情報等がなく地色のみの領域にすることである。上述のように白紙領域54aに変更することにより、画像データ50が示す画像51のうち、文字情報等がない領域にテキスト情報を付加することになるため、テキスト情報の画像データ50への付加を容易に実施できる。
上述の領域54(
図2(b)参照)を白紙領域54a(
図2(c)参照)に変更することを白紙化ともいう。
【0024】
データ作成部28は、識別部26で取得された書き込み情報のテキスト情報を画像データ50で表される画像51にテキスト情報62(
図2(d)参照)が表示されるように画像データに付加して図面データ60(
図2(d)参照)を作成する。
データ作成部28では、画像データ50で表される画像51において、テキスト情報が表示される位置を設定する。テキスト情報が表示される位置については後に詳細に説明する。
また、データ作成部28は、画像データにおけるテキスト情報の表示領域と、テキスト情報の内容を画像データに付加する。また、書き込み情報が図形及び線である場合も、テキスト情報と同様に画像データにおける表示位置及び図形又は線を表すデータを、画像データに付加する。図形又は線を表すデータは、特に限定されるものではなく、ラスターデータでもベクターデータでもよい。
データ作成部28は、このようにして、建物の図面に書き込まれた文字情報等をデータ化できる。
データ作成部28は、図面データ60の作成日時を図面データに付加することもできる。図面データ60の作成日時は、例えば、タイムスタンプを用いて付加できる。
また、データ作成部28は、書き込み情報の記載日時、及び書き込み情報を記載したユーザ情報のうち、少なくとも一方を画像データに付加することもできる。これにより、図面データ60において、書き込み情報の記載日、及び記載したユーザ等を容易に特定できるため、好ましい。
【0025】
蓄積部30は、データ作成部28で作成された図面データ60(
図2(d)参照)を蓄積する。蓄積部30は、特に限定されるものではなく、公知の各種の記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、及びSSD(Solid State Drive)を利用できる。
図面データ60が新規に作成されたものである場合、図面データ60をそのまま蓄積部30に蓄積する。
関連するものがあると比較部22が判定した画像データにより得られた図面データ60の場合、
図2(e)に示すように関連するとされた図面データ60に関連付けて蓄積部30に蓄積する。関連付けて蓄積部30に図面データ60を蓄積することにより、例えば、建物の設計変更の指示、及び建物の設計に関する確認事項等を、時系列で追って確認でき、建物を設計して竣工するまでの経緯を把握できるため、好ましい。
また、蓄積部30に蓄積された図面データは、変更できないようにしてもよい。
【0026】
メモリ32は、処理ユニット12の各部の処理過程のデータを一時的に記憶するものである。また、上述のように入力部14から入力された、紙面に記載された建物を表す図面と、紙面に記載された書き込み情報とを含む画像の画像データ50(
図2(b)参照)を記憶する。また、抽出された書き込み情報の抽出位置の情報、及び画像データの書き込み情報のテキスト情報がメモリ32に記憶される。
メモリ32は、蓄積部30と同様の構成とすることができ、例えば、公知の各種の記憶媒体、例えば、HDD及びSSDを利用できる。
図面管理システム10では、以上の構成により、建物の図面に書き込まれた文字情報等をデータ化できる。
【0027】
次に、書き込み情報の抽出、書き込み情報の分類について説明する。
図3(a)は本発明の一実施形態の図面管理システムで取得された画像データの一例を示す模式図であり、(b)は
図3(a)の要部拡大図であり、(c)は
図3(a)の要部拡大図である。
なお、
図3(a)~(c)において、
図2(a)~(e)と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0028】
図3(a)に示す画像データ50について、建物を表す図面42(
図2(a)参照)に相当する領域52以外の領域54において第1の領域56と、第2の領域57とに書き込み情報が抽出された場合について説明する。
第1の領域56では、
図3(b)に示すように第1の書き込み情報56aと、第2の書き込み情報56bとが抽出されている。また、第1の書き込み情報56a及び第2の書き込み情報56bは、紙面におけるそれぞれの書き込み情報の位置情報が特定されており、抽出位置が特定されている。
例えば、第1の書き込み情報56aの抽出位置と、第2の書き込み情報56bの抽出位置とに基づいて分類する。この場合、抽出位置の距離に閾値を設定し、閾値を超える場合には、第1の書き込み情報56aと、第2の書き込み情報56bとは異なるグループに分類する。
抽出位置の距離が閾値以下である場合には、第1の書き込み情報56aと、第2の書き込み情報56bとは同じグループに分類する。抽出位置の距離が閾値以下についても段階分けて、同一の書き込み情報とする閾値を設定してもよい。この場合、抽出位置の距離がより近く、同一の書き込み情報とする閾値以下の場合には、同一の書き込み情報とする。
また、上述のように公知のOCRに用いられるブロック解析を用いて、書き込み情報を分けて、分類してもよい。
例えば、同じグループに分類された書き込み情報は同一人物による書き込みとし、異なるループに分類された書き込み情報は異なる人物による書き込みとする。
【0029】
また、第1の書き込み情報56a及び第2の書き込み情報56bのテキスト情報がある場合、文字の向きが異なる場合には異なるグループに分類し、文字の向きが同じ場合には同じグループに分類することもできる。文字の向きとは、紙面において文字列が記載されている向きであり、詳しくは、紙面の上下及び左右に対して上記の文字列中に含まれる1以上の文字が並ぶ方向である。
また、筆跡を用いて分類してもよい。筆跡が同じ場合、抽出位置の距離が閾値を超えていても、同じグループに分類する。
一方、筆跡が異なる場合、抽出位置の距離が閾値以下でも異なるグループに分類する。
上述のグループの分類は、抽出位置の距離、文字の向き、及び筆跡を適宜組合せて分類してもよい。なお、筆跡には、筆圧も含まれる。筆跡の一致不一致の判定には、パターンマッチング技術を用いることができる。また、予め筆跡を登録しておき、登録した筆跡を用いてパターンマッチング技術により筆跡の一致不一致を判定してもよい。
紙面における書き込み情報の位置情報、又は書き込み情報における文字の向きを用いることにより、書き込み情報の分類を容易にできる。
【0030】
ここで、
図4(a)は本発明の一実施形態の図面管理システムにより得られた図面データの第1の例を示す模式図であり、(b)は本発明の一実施形態の図面管理システムにより得られた図面データの第2の例を示す模式図である。
なお、
図4(a)及び(b)において、
図2(a)~(e)と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0031】
図3(b)に示す第1の書き込み情報56aと第2の書き込み情報56bとが、抽出位置の距離が閾値を超え、かつ筆跡が同じ場合、同じグループに分類される。
図4(a)に示す図面データ60のように、第1の書き込み情報56aに基づく第1のテキスト情報62aと、第2の書き込み情報56bに基づく第2のテキスト情報62bとが表示されるように画像データに付加する。第1のテキスト情報62a及び第2のテキスト情報62bには、書き込み情報を記載したユーザ情報も含まれている。
また、図面データ60には、書き込み情報を記載した日付情報63を表示させることもできる。
【0032】
図3(b)に示す第1の書き込み情報56aと第2の書き込み情報56bとが、抽出位置の距離が閾値以下であり、かつ筆跡が異なる場合、異なるグループに分類される。
図4(a)に示す図面データ60のように、第1の書き込み情報56aに基づく第1のテキスト情報62cと、第2の書き込み情報56bに基づく第2のテキスト情報62dとが表示されるように画像データに付加する。第1のテキスト情報62c及び第2のテキスト情報62dには、書き込み情報を記載したユーザ情報も含まれている。
図4(a)に示す第1のテキスト情報62cと、第2のテキスト情報62dとは、書き込み情報のテキスト情報を、画像データにおける書き込み情報が抽出された領域と対応する位置に表示されるように画像データに付加している。これにより、書き込み情報の位置と、図面データ上の位置とが対応するため、書き込み情報を認識しやすい。
【0033】
また、
図3(b)に示す第1の書き込み情報56aと第2の書き込み情報56bとが、抽出位置の距離が閾値を超え、かつ文字の向きが異なる場合、異なるグループに分類される。
図4(b)に示す図面データ60のように、第1の書き込み情報56aに基づく第1のテキスト情報64aと、第2の書き込み情報56bに基づく第2のテキスト情報64bとが表示されるように画像データに付加する。第1のテキスト情報64a及び第2のテキスト情報64bには、書き込み情報を記載したユーザ情報も含まれている。
また、複数の書き込み情報が互いに異なるグループに分類されることで、複数のグループがある場合、グループ毎に書き込み情報をまとめて表示するようにしてもよい。
【0034】
図3(a)に示す第2の領域57では、
図3(c)に示すように、第3の書き込み情報58と、第4の書き込み情報59aと、第5の書き込み情報59bとが抽出され、書き込み情報の抽出位置も特定されている。
第3の書き込み情報58と、第4の書き込み情報59aとは、これらの抽出位置の距離が閾値以下である場合、同じグループと分類される。
第3の書き込み情報58が線58aを示すものであり、第4の書き込み情報59aがテキスト情報を示すものである場合、線58aの一方の端部58bが矢印、他方の端部58cが線である場合、第3の書き込み情報58を、矢印を含む線と判定する。
また、第4の書き込み情報は、矢印が示す場所に関するテキスト情報であると判定する。この場合、例えば、矢印が示す場所の近くに、第4の書き込み情報に基づくテキスト情報を配置する。後述する矢印がない指示線の場合でも、指示線の一方の端の近傍に書き込み情報があり、同じグループと分類された際には、指示線の他方の端が示す場所の近くに、書き込み情報に基づくテキスト情報を配置する。
【0035】
ここで、
図5(a)は本発明の一実施形態の図面管理システムにより得られた図面データの第3の例を示す模式図であり、(b)は
図5(a)の要部拡大図である。
なお、
図5(a)及び(b)において、
図2(a)~(e)と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図3(c)に示す第3の書き込み情報58と第4の書き込み情報59aとが同じグループである。
図3(c)に示す第4の書き込み情報59aと、第5の書き込み情報59bとは抽出位置が閾値を超える場合、異なるグループに分類される。
図5(a)に示す図面データ60のように、第4の書き込み情報59aに基づく第4のテキスト情報65aと、
図3(c)に示す第2の領域57の画像の一部66とが表示されるように画像データに付加する。
また、
図5(a)に示す図面データ60において、第3の書き込み情報58の位置に対応する領域67に、
図5(b)に示すように第3の書き込み情報58から抽出された線58aの一部と、矢印とを表示し、かつ矢印の近傍に、第4の書き込み情報59aに基づく第4のテキスト情報67aが表示されるように画像データに付加してもよい。また、矢印がある線ではなく、矢印がない指示線の場合もある。
このように、矢印又は指示線の先端の位置に基づいて設定された箇所に、第4の書き込み情報59aに基づく第4のテキスト情報67aが表示されるように画像データに付加すると、書き込み情報が指し示す場所等を明確にできるため、好ましい。
【0036】
なお、上述のように同じグループに分類された場合でも、画像データ50の建物を表す図面42に相当する領域52以外の領域54に、書き込み情報に基づくテキスト情報を表示させるスペースがないことがある。この場合、
図6に示す図面データ60のように、同じグループのテキスト情報68とテキスト情報69とを離して表示するようにし、かつテキスト情報68とテキスト情報69とが同じグループであることを示す線70を付してもよい。
【0037】
また、例えば、
図7に示すように図面データ60を、第1のエリア60aと、第2のエリア60bとに分けてもよい。例えば、データ構成として、第1のエリア60aには、テキスト情報71、72、73だけを表示させるようにする。第2のエリア60bには、テキスト情報74と、テキスト情報とは異なる情報とを表示させるようにする。テキスト情報とは異なる情報とは、例えば、画像75である。
図面データ60は、第1のエリア60aと、第2のエリア60bとの2つに分けることに限定されるものではなく、3つ以上のエリアに分けてもよい。
また、複数のエリアがある場合、例えば、キーワードを設定し、該当するキーワードに関する書き込み情報を表示するようにしてもよい。
テキスト情報の表示形態は、特に限定されるものではなく、例えば、営業又は設計等のようなユーザの業務を含むユーザ情報と、書き込み情報の内容との組合せであってもよい。
【0038】
[図面管理方法]
以下、図面管理方法について説明する。
図8は本発明の一実施形態の図面管理システムを用いた図面の管理の一例を示すフローチャートである。
図面管理方法は、例えば、上述の
図1に示す図面管理システム10を用いて実施される。
まず、紙面40(
図2(a)参照)に記載された建物を表す図面42(
図2(a)参照)と、紙面40に記載された書き込み情報44(
図2(a)参照)とを含む画像45(
図2(a)参照)の画像データ50(
図2(b)参照)を、
図1に示す処理ユニット12の取得部20で取得する(ステップS10)。ステップS10により、紙面40の画像が画像データ化される。
なお、画像データ50は、上述のように記憶媒体に記憶された画像データを用いることもでき、画像データ50は図面管理システム10の外部からも取得できる。このため、ステップS10は必ずしも必要ではない。
【0039】
次に、書き込み情報を記載した日付情報、画像データ化した日時の情報、及び画像データ化した作業者の情報等を、画像データに付加する(ステップS12)。
なお、ステップS12は、後述のステップS26でまとめて実施してもよいため、必ずしも必要ではない。
【0040】
ステップS12では、紙面40に管理情報が付与されていれば、管理情報を画像データに付与する。
次に、取得部20が取得した画像データと、蓄積部30に蓄積された図面データとを比較し、取得部20が取得した画像データが新規であるか否かを判定する(ステップS14)。
ステップS14において、取得部20が取得した画像データが新規ではない場合、以降の処理は実施しない。取得部20が取得した画像データが新規であるか否かの判定には、例えば、建物を表す図面42の識別情報と、書き込み情報を書き込んだ日時等の情報とが用いられる。
取得した画像データの建物を表す図面42を表す識別情報と、蓄積部30に蓄積された図面データの建物を表す図面42の識別情報とが一致し、書き込み情報を書き込んだ日時の情報とが一致している場合、取得部20が取得した画像データが新規ではないと判定する。
また、取得した画像データの建物を表す図面42を表す識別情報と、蓄積部30に蓄積された図面データの建物を表す図面42の識別情報とが、例えば、版が違うだけであれば、関連すると判定する。
【0041】
ステップS14において、取得した画像データが新規又は関連がある場合、画像データから書き込み情報を抽出する(ステップS16)。
ステップS16では、抽出部24で、画像データから書き込み情報を抽出する。例えば、画像データ50が示す画像51に設定した複数のグリッド領域55a毎に書き込み情報を抽出する。
次に、識別部26で、書き込み情報から少なくともテキスト情報を取得する(ステップS18)。書き込み情報からテキスト情報以外に、例えば、線及び図形等の画像情報を取得する。これにより、各種の図形、及び引出し線等の情報を得ることができる。
テキスト情報の取得には、上述のように公知のOCR技術を用いることができ、画像情報は、上述のように公知の画像解析技術、又はパターンマッチング技術を用いることができる。
【0042】
次に、識別部26で、抽出部24で書き込み情報が複数抽出された場合、それぞれの書き込み情報を分類する(ステップS20)。
ステップS20において、書き込み情報の分類は、上述のように書き込み情報の抽出位置の距離、テキスト情報で表される文字の向き、及び筆跡等を用いて分類する。
【0043】
次に、画像データ50(
図2(b)参照)が示す画像51において、建物を表す図面42に相当する領域52(
図2(b)参照)以外の領域54(
図2(b)参照)を白紙領域54a(
図2(c)参照)に変更する(ステップS22)。
ステップS22において、領域54(
図2(b)参照)を白紙領域54a(
図2(c)参照)に変更する(白紙化)とは、上述のように画像データ50(
図2(c)参照)が示す画像51において、文字情報等がない状態にすることである。上述のように白紙領域54aに変更することにより、画像データ50のデータがない領域にテキスト情報を付加することになるため、テキスト情報の画像データ50への付加を容易に実施できる。
【0044】
次に、データ作成部28で、書き込み情報のテキスト情報を画像データ50で表される画像51にテキスト情報が表示されるように画像データに付加する(ステップS24)。ステップS24により図面データが得られる。
ステップS24では、例えば、画像データにおけるテキスト情報の表示領域と、テキスト情報の内容を画像データに付加する。また、図形及び線の場合も、テキスト情報と同様に画像データにおける表示位置、及び図形又は線を表すデータを、画像データに付加する。
図形又は線を表すデータは、特に限定されるものではなく、ラスターデータでもベクターデータでもよい。
【0045】
次に、データ作成部28で、図面データの作成日時、書き込み情報の記載日時、書き込み情報を記載したユーザ情報等を図面データに付加する(ステップS26)。
ステップS26では、タイムスタンプを用いて図面データの作成日時を付加することもできる。
次に、作成した図面データ60(
図2(d)参照)を、蓄積部30に蓄積する(ステップS28)。
ステップS28において、図面データ60が新規に作成されたものである場合、図面データ60をそのまま蓄積部30に蓄積する。
一方、ステップS14において、比較部22が、取得部20が取得した画像データと、蓄積部30に蓄積された図面データとが関連すると判定した場合、ステップS28では、取得部20が取得した画像データにより得られる図面データを、蓄積部30に、比較した図面データに関連付けて蓄積する。このようにして建物の図面が管理される。
【0046】
上述のように、建物を設計して竣工する際、敷地図、配置図、平面図、及び立面図等の様々な図面が作成される。これらの図面は、竣工に至るまでの間に何度か変更が加えられることがある。図面管理システムでは、取得した画像データが、蓄積部に蓄積された図面データに関連するものである場合、上述のように図面データを作成する。この場合、書き込み情報についてテキスト情報を取得するが、今回取得した画像データと書き込み情報のテキスト情報が、既に作成した図面データにある場合でも、再度、同じ書き込み情報のテキスト情報を取得する。
なお、蓄積部に蓄積された図面データに関連するものである場合、建物を表す図面は、設計変更等により部分的に書き換えられたり、全く違うものに書き換えられることもある。
【0047】
以上までに、本発明の図面管理システムに関する一つ実施形態を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
10 図面管理システム
12 処理ユニット
14 入力部
16 表示部
20 取得部
22 比較部
24 抽出部
26 識別部
28 データ作成部
30 蓄積部
32 メモリ
34 制御部
40 紙面
42 図面
44 書き込み情報
45、51 画像
50 画像データ
52、54 領域
54a 白紙領域
55 グリッド線
55a グリッド領域
56 第1の領域
56a 第1の書き込み情報
56b 第2の書き込み情報
57 第2の領域
58 第3の書き込み情報
58b、58c 端部
59a 第4の書き込み情報
59b 第5の書き込み情報
60 図面データ
60a 第1のエリア
60b 第2のエリア
62a 第1のテキスト情報
62b 第2のテキスト情報
62c 第1のテキスト情報
62d 第2のテキスト情報
63 日付情報
64a 第1のテキスト情報
64b 第2のテキスト情報
65a 第4のテキスト情報
67 領域
67a 第4のテキスト情報
68、69、71、72、73、74 テキスト情報
75 画像