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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068873
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】作業管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240514BHJP
   G06Q 50/163 20240101ALI20240514BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179506
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 嘉人
(72)【発明者】
【氏名】谷口 一也
(72)【発明者】
【氏名】西村 慧太
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L049CC29
5L050CC11
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】トイレ室の保守作業を行う作業員が希望の時間帯に速やかに作業を実施可能とするための作業管理装置を提供する。
【解決手段】作業管理サーバ30は、作業員の希望時間帯及び所要時間に基づいて作業時間を調整する処理を実行する。作業管理サーバ30は、個室11毎に収集される個室11の利用時刻及び利用時間に基づいて、所定の時間帯毎の個室利用率及び個室平均利用時間を算出し、所定の時間帯のうち第1から第3の条件を満たす時間帯を、作業時間の候補として抽出する。第1の条件は、希望時間帯との時間差が所定時間以下であり、第2の条件は、個室利用率がしきい値よりも低いことであり、第3の条件は、所定の時間帯の長さから個室平均利用時間を差し引いた時間が所要時間よりも長いことである。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の個室が設けられたトイレ室の保守作業を行う作業員の作業時間を調整する作業管理装置であって、
前記作業員による前記保守作業の希望時間帯及び所要時間を前記作業員の端末装置から取得する通信装置と、
前記通信装置により取得される前記希望時間帯及び前記所要時間に基づいて、前記作業時間を調整するための処理を実行する処理装置とを備え、
前記処理装置は、
前記複数の個室毎に収集される個室の利用時刻及び利用時間に基づいて、所定の時間帯毎の、前記トイレ室の個室当たりの利用率及び平均利用時間を算出し、
前記所定の時間帯のうち第1から第3の条件を満たす時間帯を、前記作業時間の候補として抽出し、
前記第1の条件は、前記希望時間帯との時間差が所定時間以下であり、
前記第2の条件は、前記利用率がしきい値よりも低いことであり、
前記第3の条件は、前記所定の時間帯の長さから前記平均利用時間を差し引いた時間が前記所要時間よりも長いことである、作業管理装置。
【請求項2】
前記通信装置は、抽出された前記作業時間の候補を前記端末装置へ送信する、請求項1に記載の作業管理装置。
【請求項3】
抽出された前記作業時間の候補の中から前記作業員により選択された作業予定時間帯に前記トイレ室の利用者が零であることが検知されると、前記通信装置は、前記トイレ室に利用者がいないことを前記端末装置へ送信する、請求項1又は請求項2に記載の作業管理装置。
【請求項4】
前記作業予定時間帯に前記トイレ室の利用者が検知されると、前記通信装置は、前記トイレ室に利用者がいることを前記端末装置へ送信する、請求項3に記載の作業管理装置。
【請求項5】
前記トイレ室には、前記トイレ室の利用希望者に情報を表示する表示装置が設けられ、
前記通信装置は、抽出された前記作業時間の候補の中から前記作業員により選択された作業予定時間帯を前記端末装置から取得し、
前記処理装置は、前記作業予定時間帯よりも前記平均利用時間だけ前の時間帯に前記保守作業の実施予定を前記表示装置に表示するための処理を実行する、請求項1に記載の作業管理装置。
【請求項6】
前記通信装置は、前記作業員による前記保守作業の開始を前記端末装置から取得し、
前記処理装置は、前記保守作業が開始されると、前記保守作業中であることを前記表示装置に表示するための処理を実行する、請求項5に記載の作業管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業管理装置に関し、特に、複数の個室が設けられたトイレ室の保守作業を行う作業員の作業時間を調整する作業管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2022-19085号公報(特許文献1)には、施設におけるサービスの提供者を支援可能なサービス支援システムが開示されている。この支援システムでは、例えば、トイレの清掃サービスについて、トイレ利用者数の集計データに基づいて、清掃サービスを提供するのに適したトイレ及び時間帯が特定される。例えば、トイレの利用者数が少ない時間帯が清掃に適しているとの判断基準に基づいて、利用者数が所定数よりも少ないトイレ及び時間帯が特定され、サービス支援情報としてサービス提供者(清掃作業員)に情報が提供される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-19085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トイレの保守作業においては、作業員の初動対応は短時間で完了することが多く、速やかに作業を完了させたいところであるが、作業員が異性用のトイレで作業を行う場合(特に、男性作業員が女性用トイレで作業を行う場合)、利用者が気分を害する可能性がある。そのため、作業員が現場に向かっても、利用者が途切れるまで必要以上に待たされたり、或いは、施設閉店後の残業時間帯に作業を行わなければならなかったり等、作業に要するコストが増加する。
【0005】
本開示は、かかる問題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、トイレ室の保守作業を行う作業員が希望の時間帯に速やかに作業を実施可能とするための作業管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の作業管理装置は、複数の個室が設けられたトイレ室の保守作業を行う作業員の作業時間を調整する作業管理装置であって、作業員による保守作業の希望時間帯及び所要時間を作業員の端末装置から取得する通信装置と、通信装置により取得される希望時間帯及び所要時間に基づいて、作業時間を調整するための処理を実行する処理装置とを備える。処理装置は、複数の個室毎に収集される個室の利用時刻及び利用時間に基づいて、所定の時間帯毎の、トイレ室の個室当たりの利用率及び平均利用時間を算出し、所定の時間帯のうち第1から第3の条件を満たす時間帯を、作業時間の候補として抽出する。ここで、第1の条件は、希望時間帯との時間差が所定時間以下であり、第2の条件は、利用率がしきい値よりも低いことであり、第3の条件は、所定の時間帯の長さから平均利用時間を差し引いた時間が所要時間よりも長いことである。
【0007】
上記のような構成により、作業員の作業希望時間とトイレ室の利用状況とを考慮して作業時間の候補が抽出されるので、作業者は、抽出された作業時間の候補に基づいて、作業希望時間に近く、かつ、速やかに作業を実施可能な時間帯を選択して作業を実施することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の作業管理装置によれば、トイレ室の保守作業を行う作業員が希望の時間帯に速やかに作業を実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態に従う作業時間調整システムの全体構成を示す図である。
図2図1に示すトイレ室の間取りの一例を示す図である。
図3図1に示す利用管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】利用時間DBのデータ構造の一例を示す図である。
図5図1に示す作業管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図6】作業時間調整システムにおける処理の流れを説明するフローチャートである。
図7】個室利用率テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図8】作業候補時刻テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図9】作業予定時間テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図10図6のステップS36においてトイレ室の表示装置に表示される通知の一例を示す図である。
図11図6のステップS54においてトイレ室の表示装置に表示される通知の一例を示す図である。
図12】作業管理サーバにおいて実行される個室利用率テーブル格納処理の手順の一例を説明するフローチャートである。
図13】作業管理サーバにおいて実行される作業時間調整処理の手順の一例を説明するフローチャートである。
図14】利用管理サーバにおいて実行される処理の手順の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0011】
図1は、本開示の実施の形態に従う作業時間調整システムの全体構成を示す図である。この作業時間調整システムは、例えばショッピングモール等の商業施設において、不特定多数が利用するトイレ室の保守作業を作業員が実施する際の作業時間を調整するためのシステムである。
【0012】
図1を参照して、作業時間調整システム1は、トイレ室10と、利用管理サーバ20と、作業管理サーバ30と、端末装置40とを備える。トイレ室10、並びに利用管理サーバ20、作業管理サーバ30及び端末装置40の各々には、通信装置が設けられており、トイレ室10、利用管理サーバ20、作業管理サーバ30、及び端末装置40は、ネットワーク50を通じて通信可能である。
【0013】
トイレ室10は、ショッピングモール等の商業施設に設けられた、不特定多数の利用者が利用可能なトイレ室の1つであり、作業員による保守作業の対象である。以下では、トイレ室10は、女性用のトイレ室であるものとし、トイレ室10には、複数の個室が設けられている。
【0014】
利用管理サーバ20は、トイレ室10の利用状況を検知して利用希望者に表示するサービスを提供する「トイレ利用状況提供システム」の管理サーバである。利用管理サーバ20は、トイレ室10の各個室の利用状況を収集し、トイレ室10の出入り口に設けられた表示装置や利用者の携帯端末等にトイレ室10の利用状況を表示させるための処理を実行する。
【0015】
作業管理サーバ30は、トイレ室10の保守作業を行う作業者が希望の時間帯に速やかに保守作業を実施可能とするための一連の調整処理を実行する。
【0016】
トイレの保守作業については、作業者の初動対応は短時間で完了することが多く、作業者は速やかに作業を完了させたいところであるが、女性用のトイレ室において男性の作業員が作業を行う場合、利用者が気分を害する可能性がある(男性用のトイレ室において女性の作業員が作業を行う場合も同様の可能性あり)。そのため、作業者が現場に向かっても、利用者が途切れるまで必要以上に待たされたり、或いは、施設閉店後の残業時間帯に作業を行わなければならなかったり等、作業に要するコストが増加する。
【0017】
そこで、作業管理サーバ30は、作業者の端末装置40から取得される、作業者が希望する作業希望時間帯及び所要時間と、利用管理サーバ20から取得されるトイレ室10の利用状況とに基づいて、作業者によるトイレ室10の作業時間を調整する処理を実行する。作業管理サーバ30によるこのような調整処理により、作業者は、作業希望時間に近く、かつ、速やかに作業を実施可能な時間帯に作業を実施することが可能となる。
【0018】
端末装置40は、トイレ室10の保守作業を行う作業者の端末装置であり、作業者は、端末装置40を通じて作業管理サーバ30と各種情報をやり取りすることができる。具体的には、作業者は、端末装置40から作業の希望時間帯及び所要時間を入力することができる。また、端末装置40は、上記の希望時間帯及び所要時間に基づいて作業管理サーバ30から提示される作業候補時間帯を表示し、作業者は、表示された作業候補時間帯の中から希望の作業予定時間を選択することができる。この端末装置40は、例えば、タブレットやスマートフォン、パソコン等によって構成される。利用管理サーバ20、作業管理サーバ30、及び端末装置40による作業時間調整システム1全体の処理の流れについては、後ほど詳しく説明する。
【0019】
図2は、図1に示したトイレ室10の間取りの一例を示す図である。図2を参照して、このトイレ室10には、3つの個室11-1~11-3が設けられている。なお、個室の数は、これに限定されるものではない。個室11-1~11-3には、それぞれドアの開閉状態を検出するドア開閉センサ12-1~12-3が設けられている。なお、以下では、個室11-1~11-3を互いに区別すること無く「個室11」と称する場合があり、ドア開閉センサ12-1~12-3を互いに区別すること無く「ドア開閉センサ12」と称する場合がある。
【0020】
この例では、ドア開閉センサ12によりドアの開閉状態を検出することで各個室11の利用状況が検知される。なお、ドア開閉センサ12に代えて、ドアの鍵の開閉状態を検出する鍵センサや、赤外線等を利用した人感センサによって、個室11の利用状況を検知してもよい。
【0021】
トイレ室10には、通信装置13がさらに設けられている。通信装置13は、ドア開閉センサ12と通信可能であり、ドア開閉センサ12からドアの開閉状態を示す検出信号を受信する。また、通信装置13は、利用管理サーバ20(図1)とネットワーク50を介して通信可能であり、ドア開閉センサ12の検出信号を利用管理サーバ20へ送信する。
【0022】
トイレ室10の出入り口14の近傍には、表示装置15が設けられている。表示装置15は、通信装置13と接続されており、ドア開閉センサ12の検出信号に基づいて各個室11の利用状況(使用中/空き)を表示する。この表示装置15と、上記の利用管理サーバ20、ドア開閉センサ12、及び通信装置13とによって、トイレ室10の利用状況を検知して利用者に表示するサービスを提供する「トイレ利用状況提供システム」が構成される。
【0023】
また、表示装置15は、作業者によるトイレ室10での作業予定時刻が近づくと、作業者によりトイレ室10内で作業が実施される旨の通知を表示したり、作業者の作業中であることを表示したりすることができる。この点については、後ほど詳しく説明する。
【0024】
図3は、図1に示した利用管理サーバ20のハードウェア構成の一例を示す図である。図3を参照して、利用管理サーバ20は、処理装置21と、通信装置24と、利用時間データベース(DB)25と、通信バス26とを含む。
【0025】
処理装置21は、CPU(Central Processing Unit)22と、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory )を含むメモリ23とを含んで構成される。CPU22、メモリ23、通信装置24、及び利用時間DB25は、通信バス26を通じて各種データをやり取りすることができる。
【0026】
CPU22は、ROMに格納されているプログラムをRAMに展開して実行する。ROMに格納されているプログラムには、処理装置21において実行される各種処理が記述されている。通信装置24は、トイレ室10に設置された通信装置13、及び作業管理サーバ30と通信可能に構成される。
【0027】
利用時間DB25は、トイレ室10の個室11の利用状況を蓄積する記憶装置である。処理装置21は、通信装置24により受信される、トイレ室10のドア開閉センサ12の検出信号に基づいて、トイレ室10の各個室11-1~11-3の利用時刻及び利用時間を利用時間DB25に逐次格納する。
【0028】
図4は、利用時間DB25のデータ構造の一例を示す図である。図4を参照して、利用時間DB25には、各個室11の利用開始日時、利用終了日時、利用時間等の情報が、建物名、階数、部屋名、個室番号とともに格納されている。
【0029】
「建物名」は、トイレ室10が設けられている建物の名称を示す。「階数」は、トイレ室10が設けられている階数を示す。「部屋名」は、トイレ室10の名称を示す。「個室番号」は、トイレ室10内の個室11-1~11-3に割り当てられた番号である。「利用開始」は、個室11毎に利用が開始されたときの日付、曜日、時刻を示す。「利用終了」は、個室11毎に利用が終了したときの日付、曜日、時刻を示す。「利用時間」は、個室11毎に利用開始から利用終了までの時間を示す。なお、図中の符号Aは、2022/6/6(月)の9時台の利用状況を示すデータである。
【0030】
図5は、図1に示した作業管理サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。図5を参照して、作業管理サーバ30は、処理装置31と、通信装置34と、テーブルデータベース(DB)35と、通信バス36とを含む。
【0031】
処理装置31は、CPU32と、RAM及びROMを含むメモリ33とを含んで構成される。CPU32、メモリ33、通信装置34、及びテーブルDB35は、通信バス36を通じて各種データをやり取りすることができる。
【0032】
CPU32は、ROMに格納されているプログラムをRAMに展開して実行する。ROMに格納されているプログラムには、処理装置31において実行される各種処理が記述されている。通信装置34は、利用管理サーバ20、及び作業者の端末装置40(図1)と通信可能に構成される。
【0033】
テーブルDB35は、作業管理サーバ30において用いられる各種テーブルを格納する記憶装置である。テーブルDB35は、個室利用率テーブルと、作業候補時刻テーブルと、作業予定時間テーブルとを含む。
【0034】
個室利用率テーブルは、トイレ室10の個室当たりの利用率(以下「個室利用率」とも称する。)及び平均利用時間(以下「個室平均利用時間」とも称する。)を時間帯毎に示すデータテーブルである。この例では、時間帯の長さは1時間であり、各時間帯(9時台、10時台等)の個室利用率及び個室平均利用時間がテーブルに格納されている。
【0035】
個室利用率が高いほど、トイレ室10がよく利用されていることを示す。また、個室平均利用時間が長いほど、トイレ室10の平均利用時間(個室利用1回あたりの平均時間)が長いことを示す。この個室利用率及び個室平均利用時間は、後述のように、トイレ室10における作業者の作業時間の調整に用いられる。この個室利用率テーブルは、処理装置31によって適時に作成される。個室利用率テーブルの作成方法については、後ほど説明する。
【0036】
作業候補時刻テーブルは、作業者の端末装置40から入力される、作業の希望時間帯及び所要時間に基づいて、作業者が保守作業を実施可能な時間帯の候補を示すデータテーブルである。この作業候補時刻テーブルは、上記の希望時間帯及び所要時間と、個室利用率テーブルに示される各時間帯の個室利用率及び個室平均利用時間とを用いて、個室利用率テーブルから所定の条件を示す時間帯を抽出することによって作成される。この作業候補時刻テーブルは、端末装置40において作業の希望時間帯及び所要時間が入力されると、その入力された情報を受けて処理装置31により作成される。作業候補時刻テーブルの作成方法についても、後ほど説明する。
【0037】
作業予定時間テーブルは、作業候補時刻テーブルの中から作業者によって選択された作業予定時間帯を示すデータテーブルである。上記の作業候補時刻テーブルに示される作業候補時間帯が端末装置40に送信されて表示され、作業候補時間帯の中から作業者により作業予定時間帯が選択されると、処理装置31によって作業予定時間テーブルが作成される。この作業予定時間テーブルに従って、トイレ室10の表示装置15に作業予定や作業中の旨が表示される。
【0038】
図6は、作業時間調整システム1における処理の流れを説明するフローチャートである。図6を参照して、利用管理サーバ20は、トイレ室10の利用状況に関するデータを収集する(ステップS10)。詳しくは、利用管理サーバ20は、トイレ室10の各個室11に設置されたドア開閉センサ12の検出信号をトイレ室10の通信装置13(図2)経由で受信し、その検出信号に基づいて、トイレ室10の各個室11の利用時刻及び利用時間を利用時間DB25(図4)に逐次格納する。
【0039】
作業管理サーバ30は、利用管理サーバ20の利用時間DB25に収集されたデータを利用管理サーバ20から取得し、時間帯毎(この例では1時間単位)のトイレ室10の個室利用率及び個室平均利用時間を算出する(ステップS12)。具体的には、トイレ室10の個室利用率及び個室平均利用時間は、次式にて算出される。
【0040】
個室利用率(%)=(時間帯の合計利用時間)/(個室数×60分)×100…(1)
個室平均利用時間=(時間帯の合計利用時間)/(個室利用回数) …(2)
例えば、図4の符号Aで示されるデータから、2022年6月6日9時台のトイレ室10の個室利用率及び個室平均利用時間は、以下のように算出される。
【0041】
個室利用率=(39分45秒)/(3個室×60分)×100=22.1(%)
個室平均利用時間=(39分45秒)/(7回)=5分41秒
作業管理サーバ30は、個室利用率及び個室平均利用時間の算出を、例えば時間帯毎、数時間毎、或いは1日に1回実行し、算出結果を個室利用率テーブルに格納する(ステップS14)。
【0042】
図7は、個室利用率テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図7を参照して、個室利用率テーブルには、時間帯毎に、建物名、階数、部屋名、日付、時間帯、個室利用率、個室平均利用時間、利用時間合計、個室数等の各データが格納される。
【0043】
符号Bで示されるデータは、利用時間DB25の符号A(図4)で示されるデータから算出された、2022年6月6日9時台のトイレ室10の個室利用率及び個室平均利用時間のデータである。このように、利用管理サーバ20において収集された利用時間DB25から、時間帯毎(この例では1時間単位)のトイレ室10の個室利用率及び個室平均利用時間が算出され、個室利用率テーブルに格納される。
【0044】
再び図6を参照して、トイレの保守作業を行う作業者がトイレ室10の不具合発生の連絡を受けると、作業者は、端末装置40から作業の希望時間帯及び所要時間を入力する(ステップS20)。入力された希望時間帯及び所要時間は、作業管理サーバ30へ送信される。なお、作業者は、例えば施設の監視センタやインフォメーションセンタ等からトイレ室10において不具合が発生した旨の連絡を受けることができる。
【0045】
作業管理サーバ30は、作業の希望時間帯及び所要時間を端末装置40から受信すると、その希望時間帯及び所要時間に基づいて、個室利用率テーブルから以下の条件を満たす時間帯を作業時間の候補として抽出する(ステップS22)。
【0046】
第1条件:希望時間帯との差が所定時間以下
第2条件:個室利用率<しきい値
第3条件:(時間帯の長さ-個室平均利用時間)>所要時間
上記において、第1条件の「所定時間」は、例えば1時間に設定される。すなわち、第1条件は、希望時間帯及びその前後1時間の時間帯であることが条件となる。第2条件の「しきい値」は、例えば20~25%に設定される。なお、しきい値の設定は、これに限定されるものではない。第3条件の「時間帯の長さ」は、この例では1時間である。なお、この例では、個室利用率テーブルにおいて、時間帯は1時間単位としているが、より詳細に30分単位でもよいし、1時間より長くてもよい。
【0047】
そして、作業管理サーバ30は、作業の希望時間帯及び所要時間に基づいて個室利用率テーブルから抽出された時間帯のデータを、作業時間の候補として作業候補時刻テーブルに格納する(ステップS24)。
【0048】
図8は、作業候補時刻テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図8を参照して、作業候補時刻テーブルには、上記の第1条件から第3条件を満たす時間帯について、建物名、階数、部屋名、時間帯、個室利用率、個室平均利用時間等の各データが格納される。この例では、個室利用率の低い時間帯が上位にくるように優先順位をもって格納されているが、ステップS20において端末装置40から入力された作業時間帯を含む時間帯が含まれている場合には、その時間帯の優先順位を最も高くしてもよいし、個室平均利用時間の短い順に優先順位を高くしてもよい。
【0049】
再び図6を参照して、作業管理サーバ30は、作業候補時刻テーブルに格納された作業候補の時間帯を作業者の端末装置40へ送信する(ステップS26)。そして、端末装置40は、作業管理サーバ30から受信した作業候補時間帯を表示部に表示する(ステップS28)。なお、表示に際しては、作業候補時刻テーブルにおいて優先順位の高い時間帯が上位となるように表示される。
【0050】
ステップS20において端末装置40から作業の希望時間帯及び所要時間を入力した作業者は、端末装置40に表示される作業候補時間帯の中から、希望の作業予定時間帯を選択することができる。そして、端末装置40は、作業者により選択された作業予定時間帯を作業管理サーバ30へ送信する(ステップS30)。
【0051】
作業管理サーバ30は、端末装置40から作業予定時間帯を受信すると、受信した作業予定時間帯を作業予定時間テーブルに格納する(ステップS32)。
【0052】
図9は、作業予定時間テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図9を参照して、作業予定時間テーブルには、図8に示した作業候補時刻テーブルのデータのうち、端末装置40において作業者により選択された時間帯のデータが格納される。
【0053】
このとき、作業候補時刻テーブルにおける「時間帯」のデータが「作業予定時間帯」として格納され、作業候補時刻テーブルにおける「個室平均利用時間」のデータが「予想個室利用時間」として格納される。なお、この例では、図8に示した作業候補時刻テーブルのデータのうち、時間帯が16時台のデータが作業予定時間テーブルに格納されている。
【0054】
再び図6を参照して、作業管理サーバ30は、作業予定時間テーブルに格納された作業予定時間のデータを利用管理サーバ20へ送信する(ステップS34)。具体的には、作業管理サーバ30は、「作業予定時間帯」が「16時台」であることと、「予想個室利用時間」が「9分23秒」(以下「X分」と称する。)であることを利用管理サーバ20へ通知する。
【0055】
利用管理サーバ20は、作業管理サーバ30から作業予定時間に関する上記データを受けると、その受けたデータに基づいて、トイレ室10における作業予定を表示装置15(図1)に表示する。詳しくは、利用管理サーバ20は、「作業予定時間帯」が示す時間帯(この例では16時台)よりも「予想個室利用時間」が示す時間だけ前(この例ではX分前)になると、「予想個室利用時間」が示す時間後に(すなわち16時台になると)トイレ室10において作業員による作業が実施されるため利用禁止となる旨の通知を表示装置15に表示する(ステップS36)。
【0056】
図10は、図6のステップS36においてトイレ室10の表示装置15に表示される通知の一例を示す図である。図10を参照して、利用管理サーバ20は、作業管理サーバ30から受ける作業予定時間のデータに基づいて、「X分後(この例では、例えば9分後)にトイレ作業予定のため利用禁止」との通知をトイレ室10の表示装置15に表示する。
【0057】
再び図6を参照して、利用管理サーバ20は、トイレ室10の利用状況を監視し、作業予定時間(この例では16時台)にトイレ室10の利用者を検知すると(ステップS38)、その旨を作業管理サーバ30に通知する。作業管理サーバ30は、その利用管理サーバ20からの通知に応じて端末装置40へトイレ利用者有の通知を行い(ステップS40)、その旨が端末装置40に表示される(ステップS42)。これにより、作業者は、トイレ室10の利用者がまだいるために保守作業を開始できないことを認識することができる。
【0058】
他方、利用管理サーバ20は、作業予定時間(この例では16時台)にトイレ室10の利用者ゼロを検知すると(ステップS44)、その旨を作業管理サーバ30に通知する。作業管理サーバ30は、その利用管理サーバ20からの通知に応じて端末装置40へトイレ利用者無の通知を行い(ステップS46)、その旨が端末装置40に表示される(ステップS48)。これにより、作業者は、トイレ室10の保守作業を開始可能であることを認識することができる。
【0059】
作業者は、端末装置40においてトイレ室10の利用者がいないことを確認すると、端末装置40から作業開始を入力する。そうすると、端末装置40は、作業者による作業開始を作業管理サーバ30へ送信し(ステップS50)、作業管理サーバ30は、作業者による作業開始を利用管理サーバ20へ通知する(ステップS52)。利用管理サーバ20は、作業管理サーバ30からの通知を受けると、作業者による作業中であることをトイレ室10の表示装置15(図1)に表示する(ステップS54)。
【0060】
図11は、図6のステップS54においてトイレ室10の表示装置15に表示される通知の一例を示す図である。図11を参照して、利用管理サーバ20は、作業管理サーバ30から受ける作業開始の通知に基づいて、「男性作業者 トイレ作業中」との通知をトイレ室10(女性用)の表示装置15に表示する。
【0061】
図12は、作業管理サーバ30において実行される個室利用率テーブル格納処理の手順の一例を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートに示される一連の処理は、所定の頻度(例えば、時間帯毎、数時間毎、或いは1日1回)で実行される。
【0062】
図12を参照して、作業管理サーバ30は、利用管理サーバ20から、トイレ室10の各個室11の利用時刻及び利用時間のデータを取得する(ステップS110)。トイレ室10の利用時刻及び利用時間のデータは、利用管理サーバ20の利用時間DB25(図4)に格納されている。
【0063】
次いで、作業管理サーバ30は、上述の式(1),(2)を用いて、利用管理サーバ20から取得した利用時刻及び利用時間のデータから、時間帯毎の個室利用率及び個室平均利用時間を算出する(ステップS120)。そして、作業管理サーバ30は、算出した時間帯毎の個室利用率及び個室平均利用時間を個室利用率テーブル(図7)に格納する(ステップS130)。
【0064】
図13は、作業管理サーバ30において実行される作業時間調整処理の手順の一例を説明するフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0065】
図13を参照して、作業管理サーバ30は、作業者の端末装置40からトイレ室10の作業の希望時間帯及び所要時間を受信したか否かを判定する(ステップS210)。端末装置40から希望時間帯及び所要時間を受信していないときは(ステップS210においてNO)、以降の一連の処理を実行することなくリターンへ処理が移行される。
【0066】
ステップS210において端末装置40から作業の希望時間帯及び所要時間を受信したと判定されると(ステップS210においてYES)、作業管理サーバ30は、個室利用率テーブル(図7)から、第1条件から第3条件を満たす時間帯のデータを抽出する(ステップS220)。第1条件から第3条件については、説明済みのため、ここでは説明を繰り返さない。
【0067】
次いで、作業管理サーバ30は、抽出された時間帯のデータを作業候補時刻テーブル(図8)に格納する(ステップS230)。そして、作業管理サーバ30は、作業候補時刻テーブルに格納された作業候補の時間帯を端末装置40へ送信する(ステップS240)。作業候補時間帯の端末装置40への送信に応答して、端末装置40において作業者により選択された作業予定時間帯を端末装置40から受信すると(ステップS250においてYES)、作業管理サーバ30は、その受信した作業予定時間帯を作業予定時間テーブル(図9)に格納する(ステップS260)。
【0068】
そして、作業管理サーバ30は、作業予定時間テーブルに格納された作業予定時間のデータ、すなわち「作業予定時間帯」及び「予想個室利用時間」の各データを利用管理サーバ20へ送信する(ステップS270)。
【0069】
図14は、利用管理サーバ20において実行される処理の手順の一例を説明するフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、利用管理サーバ20が作業管理サーバ30から作業者の作業予定時間に関するデータ(図13のステップS270において作業管理サーバ30から送信されるデータ)を受信すると開始される。
【0070】
図14を参照して、利用管理サーバ20は、作業管理サーバ30から受信した作業予定時間のデータに基づいて、「作業予定時間帯」が示す時間帯のX分前となったか否かを判定する(ステップS310)。この「X分」は、作業管理サーバ30から受信した「予想個室利用時間」に示される時間である。
【0071】
そして、作業予定時間帯のX分前になったものと判定されると(ステップS310においてYES)、利用管理サーバ20は、図10に一例を示した作業通知をトイレ室10の表示装置15に表示する(ステップS320)。
【0072】
次いで、利用管理サーバ20は、作業管理サーバ30から受信した「作業予定時間帯」が到来したか否かを判定する(ステップS330)。そして、作業予定時間帯が到来すると(ステップS330においてYES)、利用管理サーバ20は、各個室11に設置されたドア開閉センサ12の検出値に基づいて、トイレ室10の利用者の有無を検知する(ステップS340)。
【0073】
トイレ室10の利用者有と判定されると(ステップS340においてYES)、利用管理サーバ20は、その旨を作業管理サーバ30に通知する(ステップS350)。なお、ステップS340においてNOと判定されたときは、利用管理サーバ20は、ステップS350を実行することなくステップS360へ処理を移行する。
【0074】
次いで、利用管理サーバ20は、ドア開閉センサ12の検出値に基づいて、トイレ室10の利用者が零であるか否かを検知する(ステップS360)。そして、トイレ室10の利用者零が検知されると(ステップS360においてYES)、利用管理サーバ20は、トイレ室10に利用者がいないことを作業管理サーバ30に通知する(ステップS370)。
【0075】
次いで、利用管理サーバ20は、作業者による作業開始通知を作業管理サーバ30から受信したか否かを判定する(ステップS380)。そして、作業管理サーバ30から作業開始通知を受信すると、利用管理サーバ20は、図11に一例を示した「作業中」の通知をトイレ室10の表示装置15に表示する(ステップS390)。
【0076】
以上のように、この実施の形態においては、作業員の作業希望時間とトイレ室10の利用状況とを考慮して作業時間の候補が抽出され、抽出された作業時間の候補が作業者の端末装置40へ送信される。これにより、作業者は、作業管理サーバ30により抽出された作業時間の候補を端末装置40上で確認し、抽出された候補の中から希望の作業予定時間帯を選択することができる。したがって、この実施の形態によれば、作業者は、作業希望時間に近く、かつ、速やかに作業を実施可能な時間帯に作業を実施することができる。
【0077】
また、この実施の形態においては、作業予定時間帯よりも予想個室利用時間だけ前の時間帯に作業者による保守作業の実施予定であることがトイレ室10の表示装置15に表示される。したがって、トイレ室の利用希望者は、作業予定時間帯になるとトイレ室10において作業員による保守作業が実施されることを知ることができる。
【0078】
また、この実施の形態においては、作業予定時間帯にトイレ室10の利用者が検知されると、その旨が端末装置40に通知される。これにより、作業員は、作業予定時間帯ではあるがトイレ室10の利用者がまだいることを認識し、作業開始を控えることができる。
【0079】
また、この実施の形態においては、作業予定時間帯にトイレ室10の利用者が零であることが検知されると、その旨が端末装置40に通知される。これにより、作業員は、トイレ室10の利用者がいないことを認識し、保守作業を開始することができる。
【0080】
また、この実施の形態においては、作業員によるトイレ室10の保守作業が開始されると、保守作業中であることがトイレ室10の表示装置15に表示される。これにより、トイレ室10の利用希望者は、作業員による保守作業中であることを認識し、別のトイレ室を利用したり、保守作業が終了するまで利用を待ったりすることが可能となる。
【0081】
なお、上記の実施の形態では、図10に示した表示のタイミングを規定するための「個室平均利用時間」は、「個室平均利用時間」を用いるものとしたが、「個室平均利用時間」に対して、1よりも大きい係数を掛けた時間としてもよいし、数分或いは10分程度のマージンを加算した時間としてもよい。
【0082】
また、上記の実施の形態では、作業管理サーバ30は、利用管理サーバ20と別のサーバで構成するものとしたが、作業管理サーバ30と利用管理サーバ20とを一体的に構成してもよい。
【0083】
[付記]
上述した実施の形態は、以下の付記の具体例である。
【0084】
(付記1)
作業管理装置は、複数の個室が設けられたトイレ室の保守作業を行う作業員の作業時間を調整する作業管理装置であって、
前記作業員による前記保守作業の希望時間帯及び所要時間を前記作業員の端末装置から取得する通信装置と、
前記通信装置により取得される前記希望時間帯及び前記所要時間に基づいて、前記作業時間を調整するための処理を実行する処理装置とを備え、
前記処理装置は、
前記複数の個室毎に収集される個室の利用時刻及び利用時間に基づいて、所定の時間帯毎の、前記トイレ室の個室当たりの利用率及び平均利用時間を算出し、
前記所定の時間帯のうち第1から第3の条件を満たす時間帯を、前記作業時間の候補として抽出し、
前記第1の条件は、前記希望時間帯との時間差が所定時間以下であり、
前記第2の条件は、前記利用率がしきい値よりも低いことであり、
前記第3の条件は、前記所定の時間帯の長さから前記平均利用時間を差し引いた時間が前記所要時間よりも長いことである。
【0085】
この作業管理装置によれば、作業員の作業希望時間とトイレ室の利用状況とを考慮して作業時間の候補が抽出されるので、作業者は、抽出された作業時間の候補に基づいて、作業希望時間に近く、かつ、速やかに作業を実施可能な時間帯を選択して作業を実施することが可能となる。
【0086】
(付記2)
付記1に記載の作業管理装置において、
前記通信装置は、抽出された前記作業時間の候補を前記端末装置へ送信する。
【0087】
これにより、作業者は、作業管理装置により抽出された作業時間の候補を端末装置上で確認し、抽出された候補の中から希望の作業予定時間帯を選択することが可能となる。
【0088】
(付記3)
付記1又は付記2に記載の作業管理装置において、
抽出された前記作業時間の候補の中から前記作業員により選択された作業予定時間帯に前記トイレ室の利用者が零であることが検知されると、前記通信装置は、前記トイレ室に利用者がいないことを前記端末装置へ送信する。
【0089】
これにより、作業員は、トイレ室の利用者がいないことを認識し、保守作業を開始することができる。
【0090】
(付記4)
付記1から付記3のいずれかに記載の作業管理装置において、
抽出された前記作業時間の候補の中から前記作業員により選択された作業予定時間帯に前記トイレ室の利用者が検知されると、前記通信装置は、前記トイレ室に利用者がいることを前記端末装置へ送信する。
【0091】
これにより、作業員は、作業予定時間帯ではあるがトイレ室の利用者がまだいることを認識し、作業開始を控えることができる。
【0092】
(付記5)
付記1から付記4のいずれかに記載の作業管理装置において、
前記トイレ室には、前記トイレ室の利用希望者に情報を表示する表示装置が設けられ、
前記通信装置は、抽出された前記作業時間の候補の中から前記作業員により選択された作業予定時間帯を前記端末装置から取得し、
前記処理装置は、前記作業予定時間帯よりも前記平均利用時間だけ前の時間帯に前記保守作業の実施予定を前記表示装置に表示するための処理を実行する。
【0093】
これにより、トイレ室の利用希望者は、作業予定時間帯になるとトイレ室において作業員による保守作業が実施されることを知ることができる。
【0094】
(付記6)
付記1から付記5のいずれかに記載の作業管理装置において、
前記通信装置は、前記作業員による前記保守作業の開始を前記端末装置から取得し、
前記処理装置は、前記保守作業が開始されると、前記保守作業中であることを前記表示装置に表示するための処理を実行する。
【0095】
これにより、トイレ室の利用希望者は、作業員による保守作業中であることを認識し、別のトイレ室を利用したり、保守作業が終了するまで利用を待ったりすることが可能となる。
【0096】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示により示される技術的範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0097】
1 作業時間調整システム、10 トイレ室、11 個室、12 ドア開閉センサ、13,24,34 通信装置、14 出入り口、15 表示装置、20 利用管理サーバ、21,31 処理装置、22,32 CPU、23,33 メモリ、25 利用時間DB、26,36 通信バス、30 作業管理サーバ、35 テーブルDB、40 端末装置、50 ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14