(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068879
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】購買支援方法、その装置及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20240514BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240514BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q30/0601 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179517
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】521551320
【氏名又は名称】株式会社インサイト
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】氏家 範昌
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 厚吉
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】 店舗スタッフや店舗外の販売員に接客のインセンティブを与えることができる購買支援方法、その装置及びそのプログラムを提供する。
【解決手段】販売員による顧客接客情報と、顧客を接客した販売関係者に係る商品・サービスと、購入履歴情報とを基に、前記顧客による商品・サービスが前記販売関係者の接客に起因したものであるかをサービス管理装置が判断する。接客に起因したものであると判断した場合に、前記顧客と、当該顧客が購入した前記商品又はサービスと、前記販売関係者とを関連付けた関連付け情報を前記サービス管理装置が生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売関係者が顧客に接客をしたか否かを示す接客情報をサービス管理装置が生成又は取得する第1の工程と、
ウェブサイトでの前記顧客による商品又はサービスの購入履歴情報を前記サービス管理装置が取得する第2の工程と、
前記第1の工程で生成又は取得した前記接客情報と、前記顧客を接客した前記販売関係者に係る商品・サービスと、前記第2の工程で取得した購入履歴情報とを基に、前記顧客による前記商品・サービスが前記販売関係者の接客に起因したものであるかを前記サービス管理装置が判断する第3の工程と、
前記接客に起因したものであると前記第3の工程で判断した場合に、前記顧客と、当該顧客が購入した前記商品又はサービスと、前記販売関係者とを関連付けた関連付け情報を前記サービス管理装置が生成する第4の工程と、
を有する購買支援方法。
【請求項2】
前記接客情報は、
顧客の顧客端末装置の位置情報及び販売関係者の販売関係者端末装置の位置情報、前記顧客端末装置と前記販売関係者端末装置との間の読み取り情報又は通信情報、又は前記顧客端末装置及び前記販売関係者端末の少なくとも一方から取得した音声情報に基づいた生成された情報である
請求項1に記載の購買支援方法。
【請求項3】
前記第1の工程は、
前記顧客端末装置の位置情報と前記販売関係者端末装置の位置情報とを基に前記顧客端末装置と前記販売関係者端末装置とが所定距離内にある位置が所定時間以上経過した場合に、前記接客したことを示す前記接客情報を生成する
請求項2に記載の購買支援方法。
【請求項4】
前記第3の工程は、前記販売関係者が接客した前記顧客が、前記ウェブサイトで前記販売関係者に係る商品・サービスを購入した場合に、前記販売関係者の接客に起因したものであると判断する
請求項1に記載の購買支援方法。
【請求項5】
前記サービス管理装置が前記第4の工程で生成した関連付け情報を前記販売関係者に関係する装置又は前記ウェブサイトに関係する装置に送信する第5の工程
をさらに有する請求項1に記載の購買支援方法。
【請求項6】
前記接客情報が前記販売関係者が前記顧客を接客していること示す場合に、当該顧客の属性又は購入履歴の販売支援情報を取得する第6の工程と、
前記第6の工程で取得した販売支援情報を、前記販売関係者が前記顧客に接客中に前記販売関係者端末装置に送信する第7の工程と
を有する請求項2に記載の購買支援方法。
【請求項7】
前記第1の工程は、前記顧客が所定の店舗に入店していることを条件に前記接客をしていることを示す前記接客情報を生成又は取得する
請求項1に記載の購買支援方法。
【請求項8】
前記顧客端末装置と前記販売関係者端末装置との間でメッセージ送受信を行う第8の工程をさらに有する
請求項1に記載の購買支援方法。
【請求項9】
前記第8の工程のメッセージ送受信の履歴を基に、前記販売員による前記顧客の購入への貢献度を前記サービス管理装置が評価する第9の工程をさらに有する
請求項8に記載の購買支援方法。
【請求項10】
前記ウェブサイトでの商品・サービスの販売事業者が複数ある場合に、前記顧客が店舗に入店した後にウェブサイトで商品・サービスを購入した情報を、複数の販売事業者毎に管理して提供する処理を前記サービス管理装置が実行する第10の工程をさらに有する
請求項1に記載の購買支援方法。
【請求項11】
前記関連付け情報には、前記販売関係者による前記顧客への接客開始時刻及び終了時刻、ウエブサイトでの前記顧客の前記商品又はサービスの購入時刻を示す情報が含まれる
請求項1に記載の購買支援方法。
【請求項12】
販売関係者が顧客に接客をしたか否かを示す接客情報をサービス管理装置が生成又は取得する第1の工程と、
ウェブサイトでの前記顧客による商品又はサービスの購入履歴情報を取得する第2の工程と、
前記第1の工程で生成又は取得した前記接客情報と、前記顧客を接客した前記販売関係者に係る商品・サービスと、前記第2の工程で取得した購入履歴情報とを基に、前記顧客による前記商品・サービスが前記販売関係者の接客に起因したものであるかを判断する第3の工程と、
前記接客に起因したものであると前記第3の工程で判断した場合に、前記顧客と、当該顧客が購入した前記商品又はサービスと、前記販売関係者とを関連付けた関連付け情報を生成する第4の工程と、
をサービス管理装置に実行させるプログラム。
【請求項13】
販売関係者が顧客に接客をしたか否かを示す接客情報をサービス管理装置が生成又は取得する第1の工程と、
ウェブサイトでの前記顧客による商品又はサービスの購入履歴情報を取得する第2の工程と、
前記第1の工程で生成又は取得した前記接客情報と、前記顧客を接客した前記販売関係者に係る商品・サービスと、前記第2の工程で取得した購入履歴情報とを基に、前記顧客による前記商品・サービスが前記販売関係者の接客に起因したものであるかを判断する第3の工程と、
前記接客に起因したものであると前記第3の工程で判断した場合に、前記顧客と、当該顧客が購入した前記商品又はサービスと、前記販売関係者とを関連付けた関連付け情報を生成する第4の工程と、
を実行するサービス管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客の商品・サービスの購入を促進する購買支援方法、その装置及びそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
小売り流通業において近年増えてきているショールーミングといった顧客行動、すなわち、店舗等で実物の商品の確認を行った後に、ECサイトで当該商品を購入することが行われている。
また、店舗以外でも、販売員に接客された後に、ECサイトで当該商品を購入することもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、店舗としては、接客をしても、自らの当該店舗で商品が購入されないと、販売員の意欲が低下するとともに、店舗の売り上げが棄損してしまう。
このような状況では、店舗数が減り、結果として顧客の商品購入意欲が低下する可能性があるという問題がある。
また、店舗外で活動する販売員においても同様である。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、店舗又は販売員とオンランショップの双方にメリットがある購買支援方法、その装置及びそのプログラムを提供することにある。
また、本発明は、店舗スタッフや店舗外の販売員に接客のインセンティブを与えることができる購買支援方法、その装置及びそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、販売関係者が顧客に接客をしたか否かを示す接客情報をサービス管理装置が生成又は取得する第1の工程と、ウェブサイトでの前記顧客による商品又はサービスの購入履歴情報を前記サービス管理装置が取得する第2の工程と、前記第1の工程で生成又は取得した前記接客情報と、前記顧客を接客した前記販売関係者に係る商品・サービスと、前記第2の工程で取得した購入履歴情報とを基に、前記顧客による前記商品・サービスが前記販売関係者の接客に起因したものであるかを前記サービス管理装置が判断する第3の工程と、前記接客に起因したものであると前記第3の工程で判断した場合に、前記顧客と、当該顧客が購入した前記商品又はサービスと、前記販売関係者とを関連付けた関連付け情報を前記サービス管理装置が生成する第4の工程と、を有する購買支援方法である。
【0006】
好適には、前記接客情報は、顧客の顧客端末装置の位置情報及び販売関係者の販売関係者端末装置の位置情報、前記顧客端末装置と前記販売関係者端末装置との間の読み取り情報又は通信情報、又は前記顧客端末装置及び前記販売関係者端末の少なくとも一方から取得した音声情報に基づいた生成された情報である。
好適には、前記第1の工程は、前記顧客端末装置の位置情報と前記販売関係者端末装置の位置情報とを基に前記顧客端末装置と前記販売関係者端末装置とが所定距離内にある位置が所定時間以上経過した場合に、前記接客したことを示す前記接客情報を生成する。
【0007】
好適には、前記第3の工程は、前記販売関係者が接客した前記顧客が、前記ウェブサイトで前記販売関係者に係る商品・サービスを購入した場合に、前記販売関係者の接客に起因したものであると判断する。
【0008】
好適には、前記サービス管理装置が前記第4の工程で生成した関連付け情報を前記販売関係者に関係する装置又は前記ウェブサイトに関係する装置に送信する第5の工程をさらに有する。
【0009】
好適には、前記接客情報が前記販売関係者が前記顧客を接客していること示す場合に、当該顧客の属性又は購入履歴の販売支援情報を取得する第6の工程と、前記第6の工程で取得した販売支援情報を、前記販売関係者が前記顧客に接客中に前記販売関係者端末装置に送信する第7の工程とを有する。
【0010】
好適には、前記第1の工程は、前記顧客が所定の店舗に入店していることを条件に前記接客をしていることを示す前記接客情報を生成又は取得する。
【0011】
好適には、前記顧客端末装置と前記販売関係者端末装置との間でメッセージ送受信を行う第8の工程をさらに有する。
【0012】
好適には、前記第8の工程のメッセージ送受信の履歴を基に、前記販売員による前記顧客の購入への貢献度を前記サービス管理装置が評価する第9の工程をさらに有する。
【0013】
好適には、前記ウェブサイトでの商品・サービスの販売事業者が複数ある場合に、前記顧客が店舗に入店した後にウェブサイトで商品・サービスを購入した情報を、複数の販売事業者毎に管理して提供する処理を前記サービス管理装置が実行する第10の工程をさらに有する。
【0014】
好適には、前記関連付け情報には、前記販売関係者による前記顧客への接客開始時刻及び終了時刻、ウエブサイトでの前記顧客の前記商品又はサービスの購入時刻を示す情報が含まれる。
【0015】
第2の発明は、販売関係者が顧客に接客をしたか否かを示す接客情報をサービス管理装置が生成又は取得する第1の工程と、ウェブサイトでの前記顧客による商品又はサービスの購入履歴情報を取得する第2の工程と、前記第1の工程で生成又は取得した前記接客情報と、前記顧客を接客した前記販売関係者に係る商品・サービスと、前記第2の工程で取得した購入履歴情報とを基に、前記顧客による前記商品・サービスが前記販売関係者の接客に起因したものであるかを判断する第3の工程と、前記接客に起因したものであると前記第3の工程で判断した場合に、前記顧客と、当該顧客が購入した前記商品又はサービスと、前記販売関係者とを関連付けた関連付け情報を生成する第4の工程と、をサービス管理装置に実行させるプログラムである。
【0016】
第3の発明は、販売関係者が顧客に接客をしたか否かを示す接客情報をサービス管理装置が生成又は取得する第1の工程と、ウェブサイトでの前記顧客による商品又はサービスの購入履歴情報を取得する第2の工程と、前記第1の工程で生成又は取得した前記接客情報と、前記顧客を接客した前記販売関係者に係る商品・サービスと、前記第2の工程で取得した購入履歴情報とを基に、前記顧客による前記商品・サービスが前記販売関係者の接客に起因したものであるかを判断する第3の工程と、前記接客に起因したものであると前記第3の工程で判断した場合に、前記顧客と、当該顧客が購入した前記商品又はサービスと、前記販売関係者とを関連付けた関連付け情報を生成する第4の工程と、を実行するサービス管理装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、店舗又は販売員とオンランショップの双方にメリットがある購買支援方法、その装置及びそのプログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、店舗スタッフや店舗外の販売員に接客のインセンティブを与えることができる購買支援方法、その装置及びそのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る商品販売支援システムの全体構成図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す顧客端末装置の機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す販売員端末装置の機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すサービス管理装置の機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、サービス管理装置の処理部がプログラムPRG3に基づいて行う接客情報生成の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図1に示す顧客端末装置を操作して顧客がネット販売装置にアクセスして商品・サービスを購入した場合の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図6の処理でサービス管理装置が生成した関連付け情報に係る処理を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図8は、販売員と顧客とのメッセージ処理を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、販売員に顧客の属性情報等を提供する処理を説明するためのフローチャートである。
【
図10】
図10は、本発明の第2実施形態に係る商品販売支援システムの全体構成図である。
【
図11】
図11は、
図10に示す顧客端末装置21、販売員端末装置又はサービス管理装置が行う接客情報の生成処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る商品販売支援システムについて説明する。
<第1実施形態>
本実施形態では、販売員が接客した顧客が、その後、当該販売員が扱う商品・サービスをECサイトで購入した場合に、当該顧客と販売員と商品・サービスとを関連付けた関連付け情報を生成する。当該関連付け情報を基に、販売員による接客にインセンティブを与えたり、評価すること可能になる。
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態に係る商品販売支援システム1の全体構成図である。
図1に示すように、商品販売支援システム1は、例えば、顧客端末装置21、サービス管理装置23、ネット販売装置25、販売員端末装置85を用いてサービス処理を行う。
購入者端末装置21、販売員端末装置85、ネット販売装置25の数は任意である。
【0021】
顧客端末装置21は、商品・サービスの購入を行う顧客が使用するスマートフォン等の通信装置である。
販売員端末装置85は、商品・サービスを販売する販売員が使用する装置である。販売場所は、店舗内、店舗外いずれでもよい。
サービス管理装置23は、商品販売支援システム1のサービス処理を統括的に管理するサービス事業者が使用する装置である。
【0022】
ネット販売装置25は、ネット販売業者が使用する装置である。
ネット販売装置25は、様々な商品を掲載しており、顧客がアクセスして商品を購入できる。
販売員端末装置85は、商品・サービスを販売する販売員が使用する装置である。販売場所は、店舗内、店舗外いずれでもよい。
【0023】
以下、商品販売支援システム1のサービス処理の一例の概要を説明する。
店舗内又は店舗外で、顧客が商品・サービスの接客を販売員から受ける。
顧客端末装置21又はサービス管理装置23は、例えば顧客端末装置21及び販売員端末装置85の例えばGPS機能を利用して、顧客端末装置21及び販売員端末装置85の位置情報を取得し、当該顧客及び販売員の位置情報から、販売員が顧客に接客したかを判断する。
位置情報の取得は、GPS以外に5G等その他の技術を利用してもよい。
【0024】
顧客が接客を受けた後に自宅等で顧客端末装置21を用いてネット販売装置25にアクセスを行って商品を購入すると、ネット販売装置25からサービス管理装置23に購入履歴情報が提供される。
サービス管理装置23は、顧客の購入履歴情報と、販売員による顧客の接客情報と、販売による当該顧客への接客情報と、販売員が扱う商品・サービスとの情報を基に、当該販売員の接客に起因して当該顧客がネット販売装置25から商品・サービスを購入したと判断すると、これらの情報を関連付けた関連付け情報を生成する。
【0025】
[顧客端末装置21]
図2は、
図1に示す顧客端末装置21の機能ブロック図である。
図2に示すように、顧客端末装置21は、例えば、ディスプレイ51,カメラ53,操作部55,通信部57,近距離通信部59,GPS通信部61,メモリ63及び処理部65を有する。
【0026】
ディスプレイ51は、処理部65からの信号に基づいた画像を表示する。
カメラ53は、撮像対象を撮像する。
操作部55は、タッチパネル、キーボードやマウス等の操作手段である。
通信部57は、顧客端末装置21、ネット販売装置25及び店舗装置27と通信を行う。
【0027】
近距離通信部59は、ブルートゥース(登録商標)通信を行う。近距離通信部59は、ブルートゥース(登録商標)以外でもよく、近距離通信の距離は例えば30cm~2mである。
GPS通信部61は、GPS衛星13からGPS信号を受信する。
なお、顧客端末装置21は、マイク等も備えている。
メモリ63は、処理部65が実行するプログラムPRG1を記憶する。
処理部65は、メモリ63に記憶されたプログラムPRG1を実行して、本実施形態で規定する顧客端末装置21の処理を行う。
プログラムPRG1は、顧客向けアプリ及びサービス管理事業者向けアプリをインストールしたものである。
【0028】
[販売員端末装置85]
図3は、
図1に示す販売員端末装置85の機能ブロック図である。
図3に示すように、販売員端末装置85は、例えば、ディスプレイ151,カメラ153,操作部155,通信部157,近距離通信部159,GPS通信部161,メモリ163及び処理部165を有する。
【0029】
ディスプレイ151は、処理部165からの信号に基づいた画像を表示する。
カメラ153は、撮像対象を撮像する。
操作部155は、タッチパネル、キーボードやマウス等の操作手段である。
通信部157は、顧客端末装置21、ネット販売装置25及びサービス管理装置23と通信を行う。
【0030】
近距離通信部159は、ブルートゥース(登録商標)通信を行う。近距離通信部59は、ブルートゥース(登録商標)以外でもよく、近距離通信の距離は例えば30cm~2mである。
GPS通信部161は、GPS衛星13からGPS信号を受信する。
なお、販売員端末装置85は、マイク等も備えている。
メモリ163は、処理部165が実行するプログラムPRG2を記憶する。
処理部165は、メモリ163に記憶されたプログラムPRG2を実行して、本実施形態で規定する販売員端末装置85の処理を行う。
プログラムPRG2は、販売員向けアプリ及びサービス管理事業者向けアプリをインストールしたものである。
【0031】
[サービス管理装置23]
図4は、
図1に示すサービス管理装置23の機能ブロック図である。
図4に示すように、サービス管理装置23は、例えば、通信部71,メモリ73及び処理部75を有する。
【0032】
通信部71は、顧客端末装置21、ネット販売装置25及び販売員端末装置85と通信を行う。
【0033】
メモリ73は、処理部75が実行するプログラムPRG3を記憶する。
処理部75は、メモリ73に記憶されたプログラムPRG3を実行して、本実施形態で規定するサービス管理装置23の処理を行う。
【0034】
サービス管理装置23は、定期的に、販売員が販売している商品・サービスについての店舗販売情報を取得し、メモリ73に記憶する。
【0035】
以下、商品販売支援システム1の動作例について説明する。
[接客情報生成]
図5は、サービス管理装置23の処理部75がプログラムPRG3に基づいて行う接客情報生成の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST1:
顧客端末装置21の処理部65は、GPS通信部61がGPS衛星13から受けたGPS信号を基に顧客の位置情報を生成し、これをサービス管理装置23に送信する。
販売員端末装置85の処理部165は、GPS通信部161がGPS衛星13から受けたGPS信号を基に販売員の位置情報を生成、これをサービス管理装置23に送信する。
【0036】
ステップST2:
サービス管理装置23は、ステップST1で受信した顧客及び販売員の位置情報を基に、販売員が顧客に接客したか否かを判断する。
【0037】
ステップST3:
サービス管理装置23は、ステップST2で接客したと判断した場合に、販売員が顧客に接客したことを示す接客情報を生成し、メモリ73に記憶する。
【0038】
その後、顧客端末装置21の処理部65は、顧客による操作部55の操作に応じて、ネット販売装置25にアクセスをし、商品・サービスの購入処理を行う。
処理部65は、商品・サービスの購入履歴情報を、通信部57を介してサービス管理装置23に送信する。商品・サービスの購入履歴情報は、ネット販売装置25からサービス管理装置23に送信されてもよい。
上述した実施形態では、GPS信号を基に取得した顧客端末装置21及び販売員端末装置85の位置情報を基に販売員による顧客への接客有無を判断したが、(1)顧客端末装置21と販売員端末装置85の間でQRコード(登録商標)のような識別コードの読み取りを行うこと、(2)顧客端末装置21又は販売員端末装置85のマイクから情報等を基に、接客の有無を判断してもよい。また、これらの複数の判断方法を組み合わせて判断してもよい。
【0039】
処理部75は、位置情報を基に、顧客端末装置21と販売員端末装置85とが所定距離内にある位置が所定時間以上経過した場合に、接客したと判断するようにしてもよい。
また、サービス管理装置23以外の外部の装置や組織で上述したように接客情報を生成し、これをサービス管理装置23が取得するようにしてもよい。
【0040】
処理部65は、既存の外部アプリ(例えば、販売員の関係会社が発行するアプリ)から起動され、独立して動作する場合もあれば、外部アプリのライブラリとして実行される場合もある。
【0041】
処理部65は、複数のスマホアプリからの呼び出しされた場合はそれぞれが別アプリ(オブジェクト)として動作する。同一顧客が複数の(事業者アプリ)をインストールしている可能性があるためである。
処理部65は、インスタグラムなどSNS連携機能を有する。
【0042】
顧客端末装置21は、複数のネット販売会社のネット販売装置25から商品・サービスを購入してもよい。顧客端末装置21は、それぞれのネット販売装置25が提供するネットショップのアプリをインストールしていてもよい。これにより複数の事業者横断の統計分析が可能となる。
【0043】
[購入処理]
図6は、
図1に示す顧客端末装置21を操作して顧客がネット販売装置25にアクセスして商品・サービスを購入した場合の処理を説明するためのフローチャートである。
ステップST11:
顧客が顧客端末装置21を操作してネット販売装置25にアクセスをして商品・サービスを購入すると、当該顧客情報、購入した商品・サービスの情報等を、サービス管理装置23が顧客端末装置21又はネット販売装置25から取得し、メモリ73に記憶する。
【0044】
ステップST12:
処理部75は、ステップST11で取得した顧客が購入した商品・サービスが、メモリ73に記憶した接客情報を基に、特定の販売員から接客を受けた商品・サービスであるか否かを判断する。
具体的には、処理部75は、当該顧客の接客情報に、当該商品・サービスを扱う販売員の情報が含まれているかを特定する。
【0045】
ステップST13:
処理部75は、ステップST12で当該商品・サービスに係る接客した販売人がいると判断した場合にはステップST14に進み、そうでないと処理を終了する。
【0046】
ステップST14:
処理部75は、当該顧客、当該顧客の商品・サービス購入と、その接客をした販売員とを関連付けた関連付け情報を生成し、これをメモリ73に記憶する。このとき、当該顧客の商品購入として、接客の開始時刻、その終了時刻、商品購入日時等の情報が関連付けられる。
【0047】
当該関連付け情報は、様々な用途に使用される。
例えば、サービス管理装置23は、当該関連付け情報をネット販売装置25や、販売員が所属する企業にの少なくとも一方に送信し、ネット販売装置25を運営するネット販売会社が、店舗運営会社に紹介料等を支払うようにしてもよい。
また、企業がその販売員の評価や報酬決定に使用してもよい。
【0048】
サービス管理装置23とネット販売装置25とで顧客情報を共有していてもよい。
【0049】
[関連付け情報送信処理]
図7は、
図6の処理でサービス管理装置23が生成した関連付け情報に係る処理を説明するためのフローチャートである。
図7に示すように、処理部75は、
図6の処理で生成した関連付け情報の送信条件を満たすと(ステップST21)、当該関連付け情報をネット販売装置25に送信する(ステップST22)。
当該送信は実行しなくてもよい。
また、サービス管理装置23は、ネット販売装置25ではなく、販売者の関係企業に対して、当該関連付け情報を送信してもよい。
【0050】
[メッセージ処理]
図8は、販売員と顧客とのメッセージ処理を説明するためのフローチャートである。
販売員は、接客前や後に、販売員端末装置85を操作して顧客端末装置21にメッセージを送る(ステップST31)。
当該メッセージは、例えば、サービス管理装置23にも送信され、サービス管理装置23のメモリ73にその履歴が記憶される(ステップST32)。
サービス管理装置23は、当該メッセージ送受信の履歴を基に、販売員による顧客の購入への貢献度を評価する。例えば、メッセージ数や文字数等を基に、それが多くなるに従って評価を高くする。
【0051】
[顧客属性の提供]
図9は、販売員に顧客の属性情報等を提供する処理を説明するためのフローチャートである。
ステップST41:
サービス管理装置23の処理部75は、取得した接客情報が販売関係者が顧客を接客していること示すと判断した場合にステップST42に進む。
【0052】
ステップST42:
処理部75は、メモリ73又は他の外部の装置から、当該顧客の属性又は購入履歴等の販売支援情報を取得する。
【0053】
ステップST43:
処理部75は、ステップST42で取得した販売支援情報を、販売関係者が前記顧客に接客中に販売員端末装置85に送信する。
販売員は、販売員端末装置85のディスプレイ151に表示された販売支援情報を見て、接客の参考にする。これより、顧客の商品・サービスの購入率を高めることができる。
当該販売支援情報は、マーケティング情報として活用されてもよい。
【0054】
ネット販売装置25は、サービス管理装置23から受信した関連付け情報を基に、販売員やその所属する企業への紹介料等の支払額を決定する。
【0055】
商品販売支援システム1によれば、OMO( Online Merges (with) Offline)を促進することができる。
商品販売支援システム1によれば、小売り流通業において近年増えてきているショールーミングといった顧客行動、すなわち、販売員に接客を受けたり、店舗で実物の商品の確認を行った後に、ネット販売装置25(ECサイト)で当該商品を購入するといった行動をしても、当該商品の販売に貢献した販売員や店舗を特定でき、当該販売員や店舗に紹介料等のインセンティブを提供することができる。
【0056】
その結果、販売員や店舗はショールーミングによる店舗売上の棄損を恐れることなく接客することができ、モチベーション向上につながり、結果的に店舗・EC合わせた全体の売上に貢献することとなる。また、店舗店員の反対というECサイト導入の障壁を軽減することができ、DX化の流れに取り残されるリスクを回避することも可能になる。
【0057】
また、商品販売支援システム1によれば、販売員と顧客とのつながりをデータベース化することができるという副次的効果もあり、販売員から顧客へのオンラインでの直接的なアプローチなども可能となり、売上増加に寄与することができる。
【0058】
<第2実施形態>
本実施形態では、第1実施形態の機能に加えて、店舗の店舗スタッフとの近距離通信の結果等を基に、顧客の商品・サービスの購入と店舗スタッフとを関連付けた関連付け情報を生成する。
【0059】
図10は、本発明の第2実施形態に係る商品販売支援システム101の全体構成図である。
図10に示すように、商品販売支援システム101は、例えば、顧客端末装置21、サービス管理装置23、ネット販売装置25、店舗装置27及び販売員端末装置85を用いてサービス処理を行う。
【0060】
商品販売支援システム101は、第1の実施形態の機能に加えて、以下の機能を備えている。
図11は、
図10に示す顧客端末装置21、販売員端末装置85又はサービス管理装置23が行う接客情報の生成処理を説明するためのフローチャートである。
【0061】
販売員端末装置85の位置情報と、予め取得された店舗11の位置情報を生成又は取得する(ステップST61)。
当該位置情報を基に、顧客が店舗11に入店したか否かを判断する(ステップST62)。
入力したと判断した場合には、当該店舗の情報と、上記関連付け情報とを対応付ける。
これにより、関連付け情報において、顧客、顧客が購入した商品・サービス、店舗、接客した販売員とが関連付けられる。
【0062】
以上説明したように、第2実施形態の商品販売支援システム101によれば、小売り流通業において近年増えてきているショールーミングといった顧客行動、すなわち、店舗で実物の商品の確認を行ったり、店員から商品説明をうけたりした上でネット販売装置25(ECサイト)から当該商品を購入するといった行動をしても、当該商品の販売に貢献した販売員が誰であるかを明確化することを可能にする。
【0063】
第2実施形態の商品販売支援システム101によれば、顧客が購入者端末装置21を用いてネット販売装置25で商品・サービスを購入した場合に、店舗と店舗内で当該顧客に接客した販売員と当該購入とを関連付けることができ、何等かの評価や報酬等を当該販売員にフィードバックすることができる。これにより、店舗での販売員の販売意欲を高めることができる。
【0064】
また、店員と顧客とのつながりをデータベース化することができるという副次的効果もあり、店員から顧客へのオンラインでの直接的なアプローチなども可能となり、売上増加に寄与することができる。
【0065】
本実施形態は、以下のサービスを提供することが可能である。
・小売り流通事業者に顧客行動データ取得プラットフォームとして提供し、使用料を得る。
既存ECサイトやアプリとの連携部分はアダプターの開発が必要となるため、個別案件として対応する。
新規にECを立ち上げたり、アプリを開発する事業者には開発用モジュールを提供する。ECサイトやアプリの請負開発。
・EC事業者の拡張サービスとして提供する。
【0066】
また、サービス管理会社は、自社でECサイトを運用する、自社でECパッケージを開発、販売する、蓄積された消費者の行動データを分析しマーケティングデータとして販売する等の事業を行うことができる。
【0067】
また、複数事業者のアプリを入れいている顧客を端末IDで紐づけることができるため、事業者横断の統計分析が可能となる。
【0068】
また、商品販売支援システム101は以下のサービスを行うことができる。
・接客業全般の接客評価ツールとしての活用。例えば販売員にチップを送ることができるアプリを提供する。
・人同士の近距離接触データを統計データとして政治や行政に活用する。
・相手が物の場合にも応用可能。物理的な広告の効果測定など。
【0069】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【0070】
上述した実施形態では、一人の販売員を例示したが複数でもよい。1つの店舗11を例示したが、店舗は複数でもよい。
また、購入者端末装置21も複数でよい。
また、上述した実施形態のサービスは、クラウドでの提供を前提とするが、オンプレミスでの提供も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、購買支援システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0072】
1,101…商品販売支援システム
11…店舗
21…購入者端末装置
51…ディスプレイ
53…カメラ
55…操作部
57…通信部
59…近距離通信部
61…GPS通信部
63…メモリ
23…サービス管理装置
71…通信部
73…メモリ
75…処理部
25…ネット販売装置
27…店舗装置
85…販売員端末装置