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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068900
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20240101AFI20240514BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179564
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100167955
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 美可
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 左侑
(72)【発明者】
【氏名】笹川 洸平
(72)【発明者】
【氏名】林 翔栄
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザが手に入れた部品を完成品の製作にどのように使用すれば良いのか把握できるようにする。
【解決手段】本発明は、仮想空間において複数の部品で製作された完成品を所有するユーザ毎に対応付けて、当該完成品を他のユーザが複製できるように製作方法を指示するための製作方法指示データが設定された複製支援情報を記憶する複製支援情報記憶部と、仮想空間における完成品の製作に使用可能な複数の部品のうちのいずれかをユーザに付与する付与部と、いずれかの部品がユーザに付与された場合に、前記複製支援情報に基づいて、他のユーザが所有する完成品の製作方法指示データの中から、当該部品が使用された完成品の製作方法指示データを、当該ユーザに紹介すべき推奨の製作方法指示データとして決定する紹介部を備える情報処理装置である。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間において複数の部品で製作された完成品を所有するユーザ毎に対応付けて、当該完成品を他のユーザが複製できるように製作方法を指示するための製作方法指示データが設定された複製支援情報を記憶する複製支援情報記憶部と、
仮想空間における完成品の製作に使用可能な複数の部品のうちのいずれかをユーザに付与する付与部と、
いずれかの部品がユーザに付与された場合に、前記複製支援情報に基づいて、他のユーザが所有する完成品の製作方法指示データの中から、当該部品が使用された完成品の製作方法指示データを、当該ユーザに紹介すべき推奨の製作方法指示データとして決定する紹介部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
ユーザ毎に対応付けて、仮想空間における完成品の製作に使用可能な複数の部品のうち、ユーザが所有する部品が設定されたユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
を備え、
前記紹介部は、いずれかの部品がユーザに付与された場合に、前記複製支援情報及び前記ユーザ情報に基づいて、他のユーザが所有する完成品の製作方法指示データの中から、当該部品と当該ユーザが所有する部品によって製作可能な完成品の製作方法指示データを、当該ユーザに紹介すべき推奨の製作方法指示データとして決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記紹介部は、前記推奨の製作方法指示データが複数ある場合、推奨の製作方法指示データで複製できる完成品に使用される部品の個数が多いものから優先的に決定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複製支援情報には、それぞれの製作方法指示データに対して人気順位が設定されており、
前記紹介部は、当該推奨の製作方法指示データが複数ある場合、人気順位の高いものから優先的に決定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザに対して前記推奨の製作方法指示データを販売し、当該推奨の製作方法指示データで複製できる完成品を所有する他のユーザに対して報酬を与える販売部と、
を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記販売部は、ユーザが購入し既に所有している前記推奨の製作方法指示データを転売しない、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記紹介部は、特定条件を満たす部品が使用された完成品を複製できる製作方法指示データを、前記推奨の製作方法指示データから除外する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、
仮想空間において複数の部品で製作された完成品を所有するユーザ毎に対応付けて、当該完成品を他のユーザが複製できるように製作方法を指示するための製作方法指示データが設定された複製支援情報を記憶する複製支援情報記憶手段、
仮想空間における完成品の製作に使用可能な複数の部品のうちのいずれかをユーザに付与する付与手段、
いずれかの部品がユーザに付与された場合に、前記複製支援情報に基づいて、他のユーザが所有する完成品の製作方法指示データの中から、当該部品が使用された完成品の製作方法指示データを、当該ユーザに紹介すべき推奨の製作方法指示データとして決定する紹介手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間内(たとえば、メタバース、ゲームフィールドなど)でユーザ同士が自分の分身(たとえば、アバター、キャラクタなど)を用いて互いに関わりながらコミュニティを広げていくように構成されたプログラムが知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-56409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような仮想空間内には、アバターが行動可能に構成された広大な領域(たとえば、広大な土地など)があり、その広大な領域のうちの一部の領域を1人のユーザが所有できるようになっている。ユーザは自分のアバターを操作することによって、仮想空間内で完成品の製作に使用可能な部品を手に入れたり、自分の所有領域において複数の部品で構成される完成品を製作したりすることができる。
【0005】
しかしながら、例えばアバターが広大な領域で部品を拾う等、ユーザが部品を新たに手に入れたとしても、完成品の製作にどのように使用すれば良いのか分からない場合がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザが完成品の製作に使用可能な部品を新たに手に入れた際、その部品を完成品の製作にどのように使用すれば良いのか把握できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、
仮想空間において複数の部品で製作された完成品を所有するユーザ毎に対応付けて、当該完成品を他のユーザが複製できるように製作方法を指示するための製作方法指示データが設定された複製支援情報を記憶する複製支援情報記憶部と、
仮想空間における完成品の製作に使用可能な複数の部品のうちのいずれかをユーザに付与する付与部と、
いずれかの部品がユーザに付与された場合に、前記複製支援情報に基づいて、他のユーザが所有する完成品の製作方法指示データの中から、当該部品が使用された完成品の製作方法指示データを、当該ユーザに紹介すべき推奨の製作方法指示データとして決定する紹介部と、
を備える情報処理装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す構成図である。
図2】本実施形態に係るコンピュータ50の一例を示すハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係るサーバー装置20の一例を示す機能ブロック図である。
図4】本実施形態に係るパーツ情報の一例を示す構成図である。
図5】本実施形態に係る領域情報の一例を示す構成図である。
図6】本実施形態に係る所有領域設定情報の一例を示す構成図である。
図7】本実施形態に係るパーツ獲得領域情報の一例を示す構成図である。
図8】本実施形態に係るユーザ情報の一例を示す構成図である。
図9】本実施形態に係る複製支援情報の一例を示す構成図である。
図10】本実施形態に係るクライアント端末10の一例を示す機能ブロック図である。
図11】本実施形態における建物の組立に関する動作例を示すフローチャートである。
図12】本実施形態における設計図の生成に関する動作例を示すフローチャートである。
図13】クライアント端末10における第1画面の構成例を示す図である。
図14】本実施形態における設計図紹介・販売に関する動作例を示すフローチャートである。
図15】クライアント端末10における第2画面の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
即ち、仮想空間において複数の部品で製作された完成品を所有するユーザ毎に対応付けて、当該完成品を他のユーザが複製できるように製作方法を指示するための製作方法指示データが設定された複製支援情報を記憶する複製支援情報記憶部と、
仮想空間における完成品の製作に使用可能な複数の部品のうちのいずれかをユーザに付与する付与部と、
いずれかの部品がユーザに付与された場合に、前記複製支援情報に基づいて、他のユーザが所有する完成品の製作方法指示データの中から、当該部品が使用された完成品の製作方法指示データを、当該ユーザに紹介すべき推奨の製作方法指示データとして決定する紹介部と、
を備える情報処理装置である。
このような情報処理装置によれば、ある部品をユーザが新たに手に入れた際、その部品を使って他のユーザが製作した完成品を複製できる製作方法指示データが紹介されることになるため、その部品を完成品の製作にどのように使用すれば良いのか把握することが可能となる。
【0010】
また、かかる情報処理装置であって、
ユーザ毎に対応付けて、仮想空間における完成品の製作に使用可能な複数の部品のうち、ユーザが所有する部品が設定されたユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部を備え、
前記紹介部は、いずれかの部品がユーザに付与された場合に、前記複製支援情報及び前記ユーザ情報に基づいて、他のユーザが所有する完成品の製作方法指示データの中から、当該部品と当該ユーザが所有する部品によって製作可能な完成品の製作方法指示データを、当該ユーザに紹介すべき推奨の製作方法指示データとして決定することとしてもよい。
このような情報処理装置によれば、ある部品をユーザが新たに手に入れた際、その部品だけでなく自分が所有する部品と同じものも使って他のユーザが製作した完成品を複製できる製作方法指示データが紹介されることになるため、その部品を完成品の製作にどのように使用すれば良いのか効率良く把握できる。
【0011】
また、かかる情報処理装置であって、
前記紹介部は、前記推奨の製作方法指示データが複数ある場合、推奨の製作方法指示データで複製できる完成品に使用される部品の個数が多いものから優先的に決定することとしてもよい。
このような情報処理装置によれば、部品数が多い完成品(つまり、構造が複雑で魅力的な完成品)を複製できる推奨の製作方法指示データから優先的に紹介されることになるため、手に入れた部品を使って魅力的な完成品を製作しようとするユーザの意欲を高めることができる。
【0012】
また、かかる情報処理装置であって、
前記複製支援情報には、それぞれの製作方法指示データに対して人気順位が設定されており、
前記紹介部は、当該推奨の製作方法指示データが複数ある場合、人気順位の高いものから優先的に決定することとしてもよい。
このような情報処理装置によれば、人気のある魅力的な完成品を複製できる推奨の製作方法指示データから優先的に紹介されることになるため、手に入れた部品を使って魅力的な完成品を製作しようとするユーザの意欲を高めることができる。
【0013】
また、かかる情報処理装置であって、
ユーザに対して前記推奨の製作方法指示データを販売し、当該推奨の製作方法指示データで複製できる完成品を所有する他のユーザに対して報酬を与える販売部を備えることとしてもよい。
このような情報処理装置によれば、製作方法指示データが売れることで、その製作方法指示データで複製できる完成品を所有するユーザは報酬を得ることができるため、多くのユーザに買ってもらえるような魅力的な完成品を積極的に製作して所有しようとするユーザの意欲を高めることができる。
【0014】
また、かかる情報処理装置であって、
前記販売部は、ユーザが購入し既に所有している前記推奨の製作方法指示データを転売しないこととしてもよい。
このような情報処理装置によれば、いったん購入された推奨の製作方法指示データの転売を制限することによって、完成品が過剰に複製されることを抑制することができる。
【0015】
また、かかる情報処理装置であって、
前記紹介部は、特定条件を満たす部品が使用された完成品を複製できる製作方法指示データを、前記推奨の製作方法指示データから除外することとしてもよい。
このような情報処理装置によれば、製作方法指示データで複製できる完成品の製作に、特定条件を満たす部品が使用されていると、当該部品の入手が困難になる場合があり、当該完成品を実質的に複製できないおそれがある。そのような製作方法指示データを推奨の製作方法指示データから除外することで、手に入れた部品を使っても実質的に複製できない完成品の製作方法指示データを紹介しないようにすることができる。
【0016】
また、コンピュータを、
仮想空間において複数の部品で製作された完成品を所有するユーザ毎に対応付けて、当該完成品を他のユーザが複製できるように製作方法を指示するための製作方法指示データが設定された複製支援情報を記憶する複製支援情報記憶手段、
仮想空間における完成品の製作に使用可能な複数の部品のうちのいずれかをユーザに付与する付与手段、
いずれかの部品がユーザに付与された場合に、前記複製支援情報に基づいて、他のユーザが所有する完成品の製作方法指示データの中から、当該部品が使用された完成品の製作方法指示データを、当該ユーザに紹介すべき推奨の製作方法指示データとして決定する紹介手段、
として機能させるプログラムである。
このようなプログラムによれば、ユーザが新たに手に入れた部品を完成品の製作にどのように使用すれば良いのか把握することが可能となる。
【0017】
===実施形態===
以下では、本発明の実施形態に係る情報処理装置、プログラム、情報処理方法、及び情報処理システムについて詳細に説明する。なお、本発明は仮想空間をユーザに提供する仮想空間提供サービスを採用するプログラム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システム等に広く適用できる。実施形態では、仮想空間において部品の一例としての「パーツ」を使用し完成品の一例としての「建物」を組み立てる(製作する)場合を例に挙げて説明する。
【0018】
<<システム構成>>
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、1台以上のクライアント端末10とサーバー装置20とがネットワークNを介して接続されている。
【0019】
クライアント端末10は、ユーザが操作するスマートフォン、タブレット、PCなどの端末装置や、家庭用や業務用のゲーム専用機器などの端末装置である。サーバー装置20は、クライアント端末10でユーザにより行われる仮想空間提供サービス内の管理や制御、仮想空間提供サービス内での課金処理等を行う。ネットワークNは、インターネット等であって、移動無線基地局などを含む。
【0020】
なお、本発明は図1に示すクライアント・サーバー型の情報処理システム1の他、仮想空間内での課金処理を行う仕組みを別途設けることで単体のゲーム装置(情報処理装置)においても適用可能である。図1の情報処理システム1は一例であって用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。例えば、図1のサーバー装置20は複数のコンピュータに分散して構成してもよい。
【0021】
<<ハードウェア構成>>
<クライアント端末及びサーバー装置>
図2は、本実施形態に係るコンピュータ50の一例を示すハードウェア構成図である。本実施形態に係るクライアント端末10及びサーバー装置20は、例えば図2に示すハードウェア構成のコンピュータ50により実現される。なお、コンピュータ50は情報処理装置の一例である。
【0022】
コンピュータ50は、図2に示すように、CPU51、RAM52、ROM53、通信インタフェース54、入力装置55、表示装置56、外部インタフェース57、及びHDD58などを備えており、それぞれがバスラインBで相互に接続されている。なお、サーバー装置20においては、入力装置55及び表示装置56を必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0023】
CPU51は、ROM53やHDD58などの記憶装置からプログラムやデータをRAM52上に読み出し、読み出したプログラムやデータに基づく各種処理を実行することによって、コンピュータ全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0024】
RAM52は、プログラムやデータを一時保持するための揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例であり、CPU51が各種処理を実行する際のワークエリアとしても利用される。
【0025】
ROM53は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM53には、コンピュータ50の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。
【0026】
通信インタフェース54は、コンピュータ50をネットワークNに接続するためのインタフェースである。これにより、コンピュータ50は通信インタフェース54を介してデータ通信を行うことができる。
【0027】
入力装置55は、ユーザ又は管理者が各種信号を入力するのに用いる装置である。本実施形態における入力装置55は、例えば、タッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウスなどの操作装置である。
【0028】
表示装置56は、ユーザ又は管理者に対して各種情報を画面表示するための装置である。本実施形態における表示装置56は、例えば、液晶や有機ELなどのディスプレイである。
【0029】
外部インタフェース57は、外部装置とデータ通信可能に接続するためのインタフェースである。これにより、コンピュータ50は外部インタフェース57を介して記録媒体の読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。外部装置は、例えば、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどの記録媒体である。
【0030】
HDD58は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。
【0031】
なお、HDD58に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用してもよい。
【0032】
本実施形態に係るクライアント端末10及びサーバー装置20は、前述したハードウェア構成のコンピュータ50においてプログラムを実行することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0033】
<<ソフトウェア構成>>
<サーバー装置>
図3は、本実施形態に係るサーバー装置20の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態に係るサーバー装置20は、例えば図3に示す機能ブロックにより実現される。
【0034】
本実施形態に係るサーバー装置20は、プログラムを実行することにより、サーバー制御部200、サーバー記憶部220、及びサーバー通信部240を実現する。
【0035】
サーバー制御部200は、サーバー装置20における各種処理を実行する機能を有する。本実施形態におけるサーバー制御部200は、付与部201と、設計図生成部202と、紹介部203と、販売部204を含む。
【0036】
付与部201は、仮想空間内で完成品の製作に使用可能な部品をユーザに対して付与する。本実施形態に係る付与部201は、仮想空間における建物の組立に使用可能な複数のパーツのうちのいずれかをユーザに付与する。
【0037】
設計図生成部202は、製作方法指示データ生成部の一例であって、仮想空間内で建物を組み立てるための設計図を生成する。設計図は、ユーザが所有する完成品を他のユーザが複製できるように製作方法を指示するための「製作方法指示データ」の一例である。本実施形態に係る設計図生成部202は、建物を所有するユーザの操作に基づいて、当該建物を他のユーザが複製できるように組立方法を指示するための設計図を生成する。
【0038】
紹介部203は、仮想空間における他人の建物を複製するための設計図をユーザに対して紹介する。本実施形態に係る紹介部203は、仮想空間内で建物の組立に使用可能なパーツのうち、いずれかのパーツがユーザに付与された場合に、他のユーザが所有する建物の設計図の中から、当該パーツが使用された建物の設計図を、当該ユーザに紹介すべき推奨の設計図として決定する。
【0039】
販売部204は、ユーザが推奨の設計図を購入希望した場合、当該推奨の設計図の販売価格と当該ユーザの所持金(たとえば、仮想通貨)に基づいて課金処理を行うことにより、推奨の設計図を販売する。本実施形態に係る販売部204は、ユーザに対して推奨の設計図を販売したことにより、当該推奨の設計図で複製できる建物を所有する他のユーザに対して報酬を与える。
【0040】
サーバー記憶部220は、サーバー装置20における各種情報を記憶する機能を有する。本実施形態におけるサーバー記憶部220は、パーツ情報記憶部221と、領域情報記憶部222と、所有領域設定情報記憶部223と、パーツ獲得領域情報記憶部224と、ユーザ情報記憶部225と、複製支援情報記憶部226を含む。
【0041】
パーツ情報記憶部221は、部品情報記憶部の一例であって、仮想空間内で建物の組立に使用可能なパーツに関するパーツ情報を記憶している。パーツ情報記憶部221が記憶するパーツ情報は、以下に示す各種データによって構成されている。
【0042】
図4は、本実施形態に係るパーツ情報の一例を示す構成図である。図4に示すパーツ情報は、項目としてパーツID、パーツ名、カテゴリ、パーツ設定情報等を有する。
【0043】
パーツIDは、各種パーツを一意に識別するための情報である。パーツ名は、パーツの名称を示す情報である。カテゴリは、パーツの属する分類を示す情報である。本実施形態では、建材パーツ、屋内用パーツ、屋外用パーツ等がある。建材パーツには、土台、床、屋根、壁、階段、柱、梁、窓、ドア等が含まれる。屋内用パーツには、椅子、テーブル等の家具が含まれる。屋外用パーツには、灌木、プランタ、噴水、木、岩が含まれる。パーツ設定情報は、パーツを3Dモデル(部品オブジェクト)として仮想空間(仮想3次元空間)に形成するためのモデルデータやテクスチャデータ等を含む情報である。
【0044】
領域情報記憶部222は、仮想空間内の領域に関する領域情報を記憶している。領域情報記憶部222が記憶する領域情報は、以下に示す各種データによって構成されている。
【0045】
図5は、本実施形態に係る領域情報の一例を示す構成図である。図5に示す領域情報は、項目として区画ID、区画名、位置情報、広さ情報、形状情報、領域設定情報等を有する。
【0046】
区画IDは、所定基準で区切られた仮想空間内の領域を一意に識別するための情報である。区画名は、仮想空間内の領域の名称を示す情報である。位置情報は、仮想空間における領域の位置を特定するための情報である。広さ情報は、仮想空間における領域の広さを特定するための情報である。形状情報は、仮想空間における領域の形状を特定するための情報である。領域設定情報は、領域を3Dモデル(土地オブジェクト)として仮想空間(仮想3次元空間)に形成するためのモデルデータやテクスチャデータ等を含む情報である。
【0047】
所有領域設定情報記憶部223は、仮想空間内の領域のうち、ユーザが所有する領域(所有領域)に関する所有領域設定情報を記憶している。所有領域設定情報記憶部223が記憶する所有領域設定情報は、以下に示す各種データによって構成されている。
【0048】
図6は、本実施形態に係る所有領域設定情報の一例を示す構成図である。図6に示す所有領域設定情報は、項目として区画ID、所有者、所有日等を有する。
【0049】
区画IDは、マイスペースとしてユーザに割り当てられた仮想空間内の所有領域を一意に識別するための情報である。所有者は、仮想空間内の領域を所有するユーザを示す情報である。所有日は、仮想空間内の領域をユーザが所有した日にちを示す情報である。
【0050】
パーツ獲得領域情報記憶部224は、仮想空間内の領域のうち、ユーザがパーツを獲得できる領域に関するパーツ獲得領域情報を記憶している。パーツ獲得領域情報記憶部224が記憶するパーツ獲得領域情報は、以下に示す各種データによって構成されている。
【0051】
図7は、本実施形態に係るパーツ獲得領域情報の一例を示す構成図である。図7に示すパーツ獲得領域情報は、項目として獲得区画ID、区画名、獲得範囲情報、パーツ、獲得可能期間等を有する。
【0052】
獲得区画IDは、パーツを獲得できる仮想空間内の領域を一意に識別するための情報である。区画名は、パーツ獲得領域の名称を示す情報である。獲得範囲情報は、パーツを獲得できる仮想空間内の範囲を定義するための情報である。獲得範囲情報には、仮想空間内の領域を特定するための区画IDや、その区画IDで特定される領域内における所定範囲を定めた位置情報等が含まれる。パーツは、図4に示すパーツ情報に設定された複数のパーツのうち、獲得範囲情報で定められた範囲内で獲得可能なパーツを示す情報である。獲得可能期間は、パーツを獲得できる限定期間を定めた情報である。
【0053】
ユーザ情報記憶部225は、仮想空間提供サービスを利用するユーザに関するユーザ情報を記憶している。ユーザ情報記憶部225が記憶するユーザ情報は、以下に示す各種データによって構成されている。
【0054】
図8は、本実施形態に係るユーザ情報の一例を示す構成図である。図8に示すユーザ情報は、項目としてユーザID、名称、アバター設定情報、所持金、所有領域、所有パーツ、購入設計図、所有建物情報、行動履歴情報、購入履歴情報等を有する。
【0055】
ユーザIDは、ユーザを一意に識別するための情報である。名称は、ユーザ名を示す情報である。アバター設定情報は、ユーザが仮想空間内で使用するアバターに関する情報である。アバターを3Dモデル(ユーザオブジェクト)として仮想空間(仮想3次元空間)に形成するためのモデルデータやテクスチャデータ等が含まれる。所持金は、ユーザが所有する仮想通貨に関する情報である。所有領域は、図5に示す領域情報に設定された仮想空間内の領域のうち、ユーザが所有する領域を特定するための情報である。所有パーツは、図4に示すパーツ情報に設定された仮想空間内で使用可能なパーツのうち、ユーザが所有するパーツを特定するための情報である。購入設計図は、ユーザが購入した設計図を示す情報である。所有建物情報は、ユーザが所有する建物を特定するための情報である。所有建物情報には、ユーザの所有建物を一意に識別するための建物ID、建物の名称、所有パーツのうちのユーザが建物の組立に使用した構成パーツ(パーツの種類・数量)、建物の構成パーツがどの位置・向きにレイアウトされているかを特定するための配置情報、互いに接する構成パーツの部位に関する情報、建物の組み立て開始日、建物の組み立て完成日等が含まれる。行動履歴情報は、仮想空間におけるアバターの行動履歴に関する情報である。購入履歴情報は、推奨の設計図の購入履歴に関する情報である。
【0056】
複製支援情報記憶部226は、他人の建物を複製できるようにユーザを支援するための複製支援情報を記憶している。複製支援情報記憶部226が記憶する複製支援情報は、以下に示す各種データによって構成されている。
【0057】
図9は、本実施形態に係る複製支援情報の一例を示す構成図である。図9に示す複製支援情報は、項目として設計図ID、登録日、設計図、建物の所有者、販売価格、販売総数、人気順位、購入者履歴情報等を有する。
【0058】
設計図IDは、建物の複製支援に利用可能な設計図を一意に識別するための情報である。登録日は、建物の複製支援に利用可能な設計図として登録された日時を示す情報である。登録日以降、設計図を建物の複製支援に利用可能となる。設計図は、設計図生成部202によって生成されたものであり、ユーザが所有する建物を他のユーザが複製できるように組立方法を指示するためのデータである。設計図には、この設計図で複製できる建物の組立に使用された構成パーツ(パーツの種類・数量)、当該建物の構成パーツがどの位置・向きにレイアウトされているかを特定するための配置情報、互いに接する構成パーツの部位に関する情報等が含まれる。建物の所有者は、設計図で複製できる建物を所有するユーザを特定する情報である。販売価格は、設計図に対して設定された販売価格を示す情報である。販売総数は、これまでに販売された設計図の数量を示す情報である。人気順位は、販売総数に基づいて決定された順位を人気順位として示す情報である。人気順位は、販売総数が多いほど高い。購入者履歴情報は、これまでに設計図を購入したユーザに関する履歴情報である。
【0059】
サーバー通信部240は、ネットワークNを介してクライアント端末10との通信を行う機能を有する。
【0060】
なお、前述したように、本実施形態に係る情報処理システム1では、サーバー装置20がパーツ付与、設計図生成、設計図紹介、及び設計図販売に関する制御等を行うが、クライアント端末10が各種制御・処理を行ってもよい。具体的には、付与部、設計図生成部、紹介部、及び販売部の少なくとも一部を、サーバー装置20のサーバー制御部200に設けない構成にする一方で、クライアント端末10のクライアント制御部100に設ける構成にしてもよい。
【0061】
<クライアント端末>
図10は、本実施形態に係るクライアント端末10の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態に係るクライアント端末10は、例えば図10に示す機能ブロックにより実現される。
【0062】
本実施形態に係るクライアント端末10は、プログラムを実行することにより、クライアント制御部100、クライアント記憶部120、クライアント通信部140、操作入力受付部150、画面表示部160を実現する。
【0063】
クライアント制御部100は、クライアント端末10における各種処理を実行する機能を有する。本実施形態におけるクライアント制御部100は、建物組立制御部101、ユーザオブジェクト制御部102、画像生成部103、表示制御部104、及び購入部105を含む。
【0064】
建物組立制御部101は、完成品生成部の一例であって、仮想空間内での建物の組立に関する制御を行う。本実施形態に係る建物組立制御部101は、ユーザの操作に基づき、当該ユーザの所有領域において、当該ユーザの所有するパーツである部品オブジェクトを次々と配置し、各種の部品オブジェクトを組み合せて構成された建物である完成品オブジェクトを生成する。
【0065】
ユーザオブジェクト制御部102は、仮想空間内のユーザオブジェクトに関する制御を行う。本実施形態に係るユーザオブジェクト制御部102は、ユーザの操作に基づいて、仮想空間においてアバターであるユーザオブジェクトを移動させたり動作させたりする等、各種の挙動を制御する。
【0066】
画像生成部103は、仮想空間に配置された各種オブジェクトを仮想カメラから見たときの仮想空間内の様子を2次元画像として生成する。本実施形態に係る画像生成部103は、ワールド座標系で表現される3次元座標に配置された各種オブジェクトを、仮想カメラを基準とするビュー座標系への座標変換を行う。そして、ビュー座標系に配置されたオブジェクトに対して透視変換等を行って、その仮想カメラから見たときの仮想空間(仮想3次元空間)の様子を2次元画像として生成する。なおこの際に、ジオメトリ処理、テクスチャマッピング処理、隠面処理、αブレンディング処理等も行う。
【0067】
表示制御部104は、クライアント端末10の画面表示を制御する。本実施形態における表示制御部104は、仮想空間に配置された各種オブジェクトを仮想カメラから見たときの2次元画像をフレーム毎(例えば、1/60秒毎)に構成して、仮想空間内の様子を画面表示部160に出力する。
【0068】
購入部105は、仮想空間内で建物を組み立てるための設計図をユーザに購入させるための処理を行う。本実施形態に係る購入部105は、ユーザの操作によって設計図の購入リクエストをサーバー装置20へ送信し、課金処理の結果に従って、その購入された設計図をサーバー装置20から受信する。
【0069】
操作入力受付部150は、ユーザの操作入力を受け付ける。本実施形態に係る操作入力受付部150は、ユーザによって画面に対するタッチ操作が行われると、タッチパネルを介して当該ユーザの操作入力を受け付ける。
【0070】
クライアント記憶部120は、クライアント端末10において必要となる各種プログラムや各種情報を記憶する。各種プログラムには、ユーザが仮想空間提供サービスを利用するためのプログラムが含まれる。各種情報には、サーバー記憶部220と同様、パーツ情報、領域情報、所有領域設定情報、パーツ獲得領域情報、ユーザ情報、複製支援情報の全部又は一部が含まれる。すなわち、クライアント記憶部120は、パーツ情報記憶部、領域情報記憶部、所有領域設定情報記憶部、パーツ獲得領域情報記憶部、ユーザ情報記憶部、複製支援情報記憶部としても機能する。
【0071】
クライアント通信部140は、ネットワークNを介してサーバー装置20との通信を行う。
【0072】
画面表示部160は、表示制御部104からの制御信号を受信することによって、クライアント端末10の画面表示を行う。
【0073】
なお、前述したように、本実施形態に係る情報処理システム1では、クライアント端末10が建物組立制御、ユーザオブジェクト制御、画像生成、表示制御等を行うが、サーバー装置20が各種制御・処理を行ってもよい。具体的には、建物組立制御部、ユーザオブジェクト制御部、画像生成部、及び表示制御部の少なくとも一部を、クライアント端末10のクライアント制御部100に設けない構成にする一方で、サーバー装置20のサーバー制御部200に設ける構成にしてもよい。
【0074】
<<システム概要>>
本実施形態における情報処理システム1の概要について説明する。本実施形態における情報処理システム1では、ユーザは仮想空間提供サービスを利用できる。
【0075】
本実施形態における仮想空間提供サービスでは、ユーザは自分の分身となるアバター(ユーザオブジェクト)を用いて仮想空間内で行動することができる。この仮想空間には、アバターが行動可能に構成された複数の領域が設定されている。仮想空間の「領域」は、現実空間の「土地」に相当する。
【0076】
ユーザは、仮想空間に設定された複数の領域のうち、まだ所有者のいない1区画の領域をマイスペースとして割り当てられることによって、その1区画の領域を単独で所有できる。所有者となったユーザは、自分が所有する所有領域を自由に使用することができる。
【0077】
所有者となったユーザは、自分の所有領域内において、建材パーツ、屋内用パーツ、屋外用パーツ等を使って、家屋等の建物を組み立てたり、その建物内で自分のアバターを行動させたりすることができる。そして、自分の組み立てた建物を他人のアバターが訪問した場合には、自分のアバターを用いてコミュニケーションを取ることもできる。
【0078】
ところで、自分の所有領域内において建物を組み立てる場合には、ユーザは建物の組立に使用可能な様々なパーツを仮想空間内で拾い集める必要がある。仮想空間にはパーツ獲得領域が複数設定されているため、ユーザはパーツの獲得を目指して自分のアバターをいずれかのパーツ獲得領域に移動させることになる。アバターがパーツ獲得領域内を探しパーツを見つけて拾うことができれば、ユーザはそのパーツを手に入れることができる。
【0079】
その一方で、ユーザはあるパーツを手に入れることができたとしても、それを建物の組立にどのように使用すれば良いのか分からない場合がある。そこで、本実施形態では、ユーザがパーツを手に入れた際に、そのパーツを使って他のユーザが組み立てた建物の設計図を、当該ユーザに対して紹介するようにした。ユーザはその設計図を見ることで、当該設計図で複製できる他人の建物ではそのパーツがどのように使用されているのか参考にすることができ、そのパーツを建物の組立にどのように活かせば良いのか把握できる。
【0080】
また、本実施形態では、その紹介された設計図をユーザが気に入れば、当該設計図を購入できるようにした。購入したユーザは、その設計図に従って各種パーツを集めて組み立てることができれば、当該設計図が示すオリジナルの建物と同じ建物を手に入れることができる。
【0081】
<<システム動作>>
本実施形態における情報処理システム1の動作について説明する。以下では、仮想空間内での建物の組立に関する動作、設計図の生成に関する動作、及び設計図紹介・販売に関する動作について、具体的に説明する。
【0082】
<建物の組立>
本実施形態における仮想空間内での建物の組立に関する動作について、図11を用いて説明する。図11は、本実施形態における建物の組立に関する動作例を示すフローチャートである。
【0083】
クライアント端末10の建物組立制御部101は、ユーザの指定操作に基づいて、当該ユーザの所有パーツの中から、当該ユーザの所有領域内にこれから配置する予定のパーツ(以下、「配置予定パーツ」と呼ぶ)を決定する(ステップS11)。
【0084】
次に、クライアント端末10の建物組立制御部101は、ユーザの指定操作に基づいて、その決定された配置予定パーツが有する各部位の中から、後述する配置先の場所に接する部位を決定する(ステップS12)。
【0085】
なお、このように配置予定パーツの部位をユーザに指定させずに、配置先の場所に接する部位を予め設定しておくことも可能である。この場合、ステップS12の処理を省略できる。
【0086】
次に、クライアント端末10の建物組立制御部101は、ユーザの指定操作に基づいて、配置先の場所を決定する(ステップS13)。
【0087】
例えば、配置先の場所が、所有領域内のいずれかの地点であれば、ユーザの操作によって指定された所有領域内の地点を配置先として決定する。また、配置先の場所が、既に配置済みの建物の構成パーツであれば、ユーザの操作によって指定された構成パーツの部位を配置先として決定する。
【0088】
なお、配置先の場所が、既に配置済みの建物の構成パーツである場合、配置先としての構成パーツの部位をユーザに指定させずに、配置予定パーツと接する構成パーツの部位を予め設定しておくことで、部位に関係なく構成パーツを配置先としてユーザに指定させることも可能である。
【0089】
次に、クライアント端末10の建物組立制御部101は、ユーザの所有領域内において、その決定された配置予定パーツを、その決定された配置先の場所に配置する(ステップS14)。
【0090】
このようにして所有領域内に具体的にレイアウトされることによって、配置予定パーツは建物の構成パーツとなる。
【0091】
なお、クライアント端末10のユーザオブジェクト制御部102は、このようなパーツ配置の際に、その決定された配置予定パーツを、その決定された配置先の場所に持ち運ぶような行動を、当該ユーザのアバターに行わせてもよい。
【0092】
次に、クライアント端末10の建物組立制御部101は、パーツ配置を終了させるための終了操作、又は、パーツ配置を継続するための継続操作が、ユーザによって行われたか否かを判定する(ステップS15)。
【0093】
そして、クライアント端末10の建物組立制御部101は、ユーザによって継続操作が行われたと判定した場合(ステップS15:継続)、上記のステップS11に戻り、次の配置予定パーツをユーザに指定させることによって建物の組立を継続する。これに対して、ユーザによって終了操作が行われたと判定した場合(ステップS15:終了)、次のステップS16へ処理を進める。
【0094】
次に、クライアント端末10の建物組立制御部101は、ユーザによって終了操作が行われた場合に、現時点において配置済みの構成パーツによって組み立てられた建物を、当該ユーザの所有する所有建物として当該ユーザの所有建物情報に保存する(ステップS16)。
【0095】
<設計図化>
本実施形態における情報処理システム1では、ユーザが組み立てた建物に基づいて設計図を生成することができる(設計図化)。ユーザは設計図化を希望することによって、自分の建物の設計図を他のユーザに見せてその組立方法を紹介することができる。また、ユーザは、自分が作ったオリジナルの建物を手元に残したまま、当該建物の設計図を他のユーザに譲渡することもできる。設計図を譲り受けた他のユーザが、当該設計図に従って各種パーツを集め組み立てれば、オリジナルの建物と同じ建物を複製することができる。
【0096】
以下では、本実施形態における設計図の生成に関する動作について、図12及び図13を用いて説明する。図12は、本実施形態における設計図の生成に関する動作例を示すフローチャートである。図13は、クライアント端末10における第1画面の構成例を示す図である。
【0097】
クライアント制御部100は、設計図化を希望するユーザの操作に基づいて、範囲を決定する(ステップS21)。
【0098】
図13に示す第1画面500には、ユーザのアバターAと、ユーザの所有建物501と、囲い枠502と、カーソル503が表示されている。ユーザが第1画面500を指でタッチしてカーソル503を移動させることによって、囲い枠502の大きさを変えることができる。所有建物501を設計図化したい場合には、ユーザは所有建物501を囲い枠502で囲むようにカーソル503を移動させた後、第1画面500から指を離す。設計図生成部202は、ユーザが第1画面500から指を離したタイミングで範囲を決定する。
【0099】
次に、クライアント制御部100は、このようにして決定された範囲内に存在する各種の所有パーツで組み立てられた所有建物を、設計図化対象として決定する(ステップS22)。
【0100】
ここで、クライアント制御部100は、その決定された設計図化対象である所有建物を設計図化することに対して承諾する操作がユーザによって行われると、サーバー装置20に対してユーザの所有建物情報を送信すると共に、設計図化処理の実行を要求するリクエストを送信する。
【0101】
次に、サーバー装置20の設計図生成部202は、設計図化処理のリクエストを受信したことにより、その決定された設計図化対象である所有建物に基づいて、当該所有建物を他のユーザが複製できるように組立方法を指示するための設計図を生成する(ステップS23)。
【0102】
この際、サーバー装置20の設計図生成部202は、その受信したユーザの所有建物情報に基づき、その決定された設計図化対象である所有建物の組立に使用された構成パーツの種類・数量や、当該所有建物の構成パーツのそれぞれがどの位置・向きにレイアウトされているか等を特定して、設計図を生成する。
【0103】
次に、サーバー装置20の設計図生成部202は、その決定された設計図化対象である所有建物に対応する設計図を生成すると、その生成された設計図を当該ユーザに対応付けて複製支援情報に保存する(ステップS24)。
【0104】
<設計図紹介・販売>
本実施形態における設計図紹介・販売に関する動作について、図14及び図15を用いて説明する。図14は、本実施形態における設計図紹介・販売に関する動作例を示すフローチャートである。図15は、クライアント端末10における第2画面の構成例を示す図である。
【0105】
サーバー装置20の付与部201は、パーツ獲得領域情報に基づいて、ユーザのアバターがパーツ獲得領域内を探しパーツを見つけて拾ったことを条件として、当該パーツ獲得領域に対応付けられたパーツ(つまり、その拾われたパーツと同じもの)を当該ユーザに対して付与する(ステップS31)。
【0106】
次に、サーバー装置20の紹介部203は、このようにしてパーツがユーザに対して付与されると、複製支援情報に設定された複数の設計図の中から、その付与されたパーツが使用された建物の設計図を抽出する(ステップS32)。
【0107】
この際、サーバー装置20の紹介部203は、そのパーツが付与された当該ユーザに対応付けられた設計図を除外する。つまり、自分の建物の設計図を除いて、他人の建物の設計図だけを抽出する。また、異なる2以上のユーザに対応付けられた同一の設計図が存在する場合、最先の登録日が対応付けられた設計図だけを抽出する。つまり、複製の建物の設計図を除いて、オリジナルの建物の設計図のみを抽出する。また、特定条件を満たすパーツ(例えば、獲得可能期間が過ぎているパーツ)が使用された建物の設計図を除外する。つまり、構成パーツの入手が実質的に困難で複製できない建物の設計図を除いて、入手可能な構成パーツで複製できる建物の設計図のみを抽出する。
【0108】
なお、サーバー装置20の紹介部203は、当該ユーザのユーザ情報も参照することで、複製支援情報に設定された複数の設計図の中から、その付与されたパーツと当該ユーザの所有パーツとによって組み立て可能な建物の設計図を抽出してもよい。
【0109】
次に、サーバー装置20の紹介部203は、その抽出された複数の設計図の中から、当該ユーザに紹介すべき推奨の設計図を決定する(ステップS33)。
【0110】
この際、サーバー装置20の紹介部203は、当該ユーザのユーザ情報も参照することで、その抽出された複数の設計図の中から、その付与されたパーツと当該ユーザの所有パーツとによって組み立て可能な建物の設計図を推奨の設計図として決定することができる。また、紹介部203は、その抽出された複数の設計図の中から、設計図で複製できる建物のパーツ数が多いものから優先的に推奨の設計図として決定することができる。また、人気順位の高い設計図から優先的に推奨の設計図として決定することもできる。また、ランダムに選択した設計図を推奨の設計図として決定することもできる。なお、これらのうちのいずれか1つの方法で決定してもよいし、これらの方法を適宜組み合せて決定することも可能である。また、推奨の設計図を複数決定してもよい。
【0111】
図15に示す第2画面600には、ユーザに紹介された推奨の設計図601と、推奨の設計図で複製できる建物602と、購入ボタン603、終了ボタン604が表示されている。ユーザは第2画面600で推奨の設計図601を見ることで、今回獲得したパーツがどのように建物602の組み立てに使用されているのかを把握できる。また、推奨の設計図で複製できる建物602が気に入れば、購入ボタン603を押すことで、その推奨の設計図601を購入できる。クライアント端末10の購入部105は、ユーザによって購入ボタン603が押されると、推奨の設計図601の購入リクエストをサーバー装置20へ送信する。また、ユーザによって終了ボタン604が押されると、推奨の設計図601の紹介終了リクエストをサーバー装置20へ送信する。
【0112】
次に、サーバー装置20の紹介部203は、推奨の設計図601の購入リクエストを受信したか否かに基づいて、当該ユーザが推奨の設計図を購入するか否かを判定する(ステップS34)。
【0113】
サーバー装置20の紹介部203は、推奨の設計図601の紹介終了リクエストを受信した場合に、当該ユーザが推奨の設計図を購入しないものと判定し(ステップS34:NO)、図14に示すフローチャートの処理を終了する。これに対して、推奨の設計図601の購入リクエストを受信した場合には、当該ユーザが推奨の設計図を購入するものと判定し(ステップS34:YES)、次のステップS35へ処理を進める。
【0114】
次に、サーバー装置20の販売部204は、推奨の設計図601を購入するものと判定された場合に、当該ユーザのユーザ情報及び複製支援情報を参照し、当該ユーザの所持金と推奨の設計図601の販売価格とに基づいて課金処理を行うことにより、推奨の設計図601を販売する(ステップS35)。
【0115】
次に、サーバー装置20の販売部204は、当該ユーザに推奨の設計図601を販売すると、推奨の設計図601で複製できる建物602を所有する他のユーザに対して報酬を付与する(ステップS36)。
【0116】
この際、サーバー装置20の販売部204は、推奨の設計図601の販売価格の全部又は一部を、他のユーザに対する報酬とすることができる。なお、その他、予め設定された報酬(固定額の仮想通貨、所定のパーツ、所定の設計図、所定のアバター用衣装等)を与えても良い。
【0117】
このように本実施形態における情報処理システム1によれば、ユーザがパーツを手に入れた際に、そのパーツを使って他のユーザが組み立てた建物を複製できる推奨の設計図が、当該ユーザに対して紹介される。当該ユーザはその推奨の設計図を見ることで、他人の建物ではそのパーツがどのように使用されているのか参考にすることができ、そのパーツを建物の組立にどのように活かせば良いのか把握できる。また、その紹介された推奨の設計図を気に入れば、その推奨の設計図を購入できる。当該ユーザは、その購入した推奨の設計図に従って各種パーツを集めて組み立てることができれば、その推奨の設計図が示すオリジナルの建物と同じ建物を組み立てることができる。
【0118】
===その他の実施形態===
前述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。すなわち、本発明は、前述の実施形態と以下に述べる実施形態を適宜組み合わせて構成することも可能である。
【0119】
また、前述の実施形態に開示されている複数の発明特定事項の適宜組み合わせて、種々の発明を構成することも可能である。例えば、前述の実施形態に開示される全発明特定事項からいくつかの発明特定事項を削除して発明を構成してもよいし、前述の実施形態に開示される全発明特定事項に対して以下に述べる実施形態に開示される発明特定事項を適宜組み合わせて発明を構成してもよい。
【0120】
<設計図の販売>
前述の実施形態では、サーバー装置20の販売部204は、ユーザが購入し既に所有している推奨の設計図(購入設計図)を転売できないように設定することも可能である。
【0121】
また、前述の実施形態では、サーバー装置20の販売部204は、パーツ数が所定数よりも少ない建物の設計図や、完成までに費やした合計時間が所定時間よりも少ない建物の設計図を、推奨の設計図として販売できないように制限してもよい。つまり、簡単に組み立てられる建物の設計図は価値が低いため、それを販売対象から除外してもよい。
【0122】
また、前述の実施形態では、ユーザが購入し既に所有している推奨の設計図(購入設計図)に従って、オリジナルの建物と同じ建物を複製した後に、そこから新たなパーツを追加してオリジナルの建物と異なる建物を組み立てた場合に、そのカスタマイズした拡張部分だけを設計図化できるようにし、その拡張部分の設計図を販売対象に加えてもよい。この場合においては、オリジナルの建物の設計図と拡張部分の設計図をセットで販売してもよい。このセット販売時では、所有者に対する報酬を、オリジナルの建物の所有者と拡張部分の所有者で分配するように設定してもよい。
【0123】
<設計図化>
前述の実施形態では、設計図生成部202は、カーソル503の移動で囲い枠502による範囲が決定された際に(図12に示すステップS21の処理)、その決定された範囲内の所有建物501を構成する建材パーツ(例えば、土台、床、屋根、壁、階段、柱、梁、窓、ドア等)、屋外用パーツ(例えば、灌木、プランタ、噴水、木、岩等)、屋内用パーツ(例えば、椅子、テーブルなどの家具等)、及び、その他のパーツのうち、建材パーツのみを設計図化対象として決定することも可能である。これにより、実質的に建物のみを設計図化することができる。
【0124】
<完成品>
また、前述の実施形態では、仮想空間における完成品が「建物」である場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、仮想空間における自動車、バイク、自転車、飛行機、船舶等の乗り物や、仮想空間における電気製品、仮想空間における玩具、仮想空間における料理等を完成品とすることも可能である。
【0125】
<製作方法指示データ>
また、前述の実施形態では、製作方法指示データの一例として、「設計図」について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、組み立てマニュアル、取扱説明書、レシピ等を製作方法指示データとすることも可能である。
【符号の説明】
【0126】
1 情報処理システム
10 クライアント端末
10A クライアント端末
10B クライアント端末
20 サーバー装置
50 コンピュータ
51 CPU
52 RAM
53 ROM
54 通信インタフェース
55 入力装置
56 表示装置
57 外部インタフェース
58 HDD
100 クライアント制御部
101 建物組立制御部
102 ユーザオブジェクト制御部
103 画像生成部
104 表示制御部
105 購入部
120 クライアント記憶部
140 クライアント通信部
150 操作入力受付部
160 画面表示部
200 サーバー制御部
201 付与部
202 設計図生成部
203 紹介部
204 販売部
220 サーバー記憶部
221 パーツ情報記憶部
222 領域情報記憶部
223 所有領域設定情報記憶部
224 パーツ獲得領域情報記憶部
225 ユーザ情報記憶部
226 複製支援情報記憶部
240 サーバー通信部
500 第1画面
501 所有建物
502 囲い枠
503 カーソル
600 第2画面
601 推奨の設計図
602 建物
603 購入ボタン
604 終了ボタン
B バスライン
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15