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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068907
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】車両用電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6568 20140101AFI20240514BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240514BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240514BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240514BHJP
   H01M 10/6551 20140101ALI20240514BHJP
   H01M 10/663 20140101ALI20240514BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20240514BHJP
【FI】
H01M10/6568
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6556
H01M10/6551
H01M10/663
H01M10/647
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179581
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成毛 俊昭
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK01
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】電池パックを効率よく冷却することができる構成を提案する。
【解決手段】本発明に係る車両用電池パックは、複数の電池セルを有する電池モジュールと、前記電池モジュールが内部空間に配置され、前記内部空間と外部空間を連通する呼吸弁が設けられたケースと、流体を用いて前記電池モジュールを冷却する冷却器と、熱交換によって前記流体から熱を奪うチラーと、を備え、前記チラーは、前記電池モジュールに対して前記呼吸弁が配置された側に設けられたものとした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルを有する電池モジュールと、
前記電池モジュールが内部空間に配置され、前記内部空間と外部空間を連通する呼吸弁が設けられたケースと、
流体を用いて前記電池モジュールを冷却する冷却器と、
熱交換によって前記流体から熱を奪うチラーと、を備え、
前記チラーは、前記電池モジュールに対して前記呼吸弁が配置された側に設けられた
車両用電池パック。
【請求項2】
前記内部空間を前記電池モジュールが配置された第1空間と前記呼吸弁が設けられた第2空間とに仕切る仕切り板が設けられ、
前記仕切り板は、前記第1空間と前記第2空間の間の空気の移動が不可とされ前記ケースの床面に接して配置される非連通部を有し、
前記非連通部の上方空間は前記第1空間と前記第2空間の間の空気の移動が可能とされた連通部として形成され、
前記チラーは前記仕切り板よりも前記呼吸弁側に位置する
請求項1に記載の車両用電池パック。
【請求項3】
前記チラーは、前記内部空間の天井を形成する前記ケースの天板部の上面に下面が隣接されて配置され、
前記天板部の下面に下方に突出するフィンが設けられた
請求項1に記載の車両用電池パック。
【請求項4】
前記ケースの内部における前記チラーの下方に吸水材が設置された
請求項1から請求項3の何れかに記載の車両用電池パック。
【請求項5】
前記吸水材は、前記ケースに対して下方から着脱可能な蓋部の上に配置された
請求項4に記載の車両用電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される電池パックの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ハイブリッド車や電気自動車等、電動発動機の動力により車輪の駆動が可能に構成された電動車においては、電動発動機への給電を行うための電池(二次電池)が搭載されている。
一般的に電池の放電特性は温度によって変化するものであり、電池の温度が高温である場合には、該電池を冷却する必要がある。
【0003】
電池の冷却方式としては冷却水などの冷却流体を循環させる水冷方式がある。水冷方式においては、例えば下記特許文献1に記載されているように、冷却流体を冷やすためのチラーを備えているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-080546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
チラーは、再度電池の冷却に冷却流体を繰り返し用いることができるように熱交換によって冷却流体を冷やすものであるが、この熱交換にエアコン用冷媒ガスを用いるものが知られている。
【0006】
エアコン用冷媒ガスは、車室の空気を冷やすために用いられるものであり、一般的にはエンジン房内に配置されるエアコンユニット内を循環している。従って、エアコン用冷媒ガスを利用するチラーもエンジン房内に配置されることが多い。
一方、上述した電池が格納された電池パックはフロア下などエンジン房内とは異なる位置に設けられることが一般的である。
【0007】
従って、チラーと電池パック間にはある程度の距離があるため、チラーと電池パックを接続する流路が長くなり、チラーで冷やされた冷却流体が電池パックに到達するまでに温度が上昇し、冷却効率の低下を招来する虞がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、電池パックを効率よく冷却することができる構成を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る車両用電池パックは、複数の電池セルを有する電池モジュールと、前記電池モジュールが内部空間に配置され、前記内部空間と外部空間を連通する呼吸弁が設けられたケースと、流体を用いて前記電池モジュールを冷却する冷却器と、熱交換によって前記流体から熱を奪うチラーと、を備え、前記チラーは、前記電池モジュールに対して前記呼吸弁が配置された側に設けられたものである。
これにより、チラーがケースの近傍やケース内部に配置される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電池パックを効率よく冷却することができる構成を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】車両に搭載される車両用電池パックについての第1の実施の形態における構成を示す図である。
図2】仕切り板の構成例を示す概略斜視図である。
図3】車両用電池パックについての第2の実施の形態における構成を示す図である。
図4】車両用電池パックについての変形例における構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<1.第1の実施の形態>
第1の実施の形態における車両用電池パック1の構成について添付図を参照して説明する。
【0013】
車両用電池パック1は、ハイブリッド車や電気自動車等、電動発動機の動力により車輪の駆動が可能に構成された電動車において電動発動機への給電を行うための電池を含んで構成されている。
【0014】
具体的に、車両用電池パック1は、ケース2と、複数の電池セル3を有して構成される1または複数の電池モジュール4と、を備えており、電池モジュール4はケース2の内部空間5に配置されている(図1参照)。
【0015】
電池モジュール4は、複数の電池セル3が並列または直列に接続された組電池とされている。
【0016】
ケース2は、上方に開口された下ケース6と該開口を上方から閉塞する上ケース7から成る。
【0017】
下ケース6と上ケース7は、ケース2が水密構造を備えるように好適な方法で結合されており、接合部における外部から内部空間5への水滴や塵埃等の侵入が防止されている。
【0018】
ケース2の車両前方側には内部空間5の圧力変化により外部空間から内部空間5へ空気を取り入れたり内部空間5から外部空間へ空気を放出したりするための呼吸弁2aが形成されている。
【0019】
車両用電池パック1は更に、冷却器8と、チラー9と、吸水材10と、仕切り板11とを備えている。
【0020】
冷却器8は、扁平な角形とされ、電池モジュール4の下面に当接して配置されている。冷却器8は、内部を水などの冷却用の流体(以降「冷却流体」と記載)が循環することにより電池モジュール4を下方から冷却する。
【0021】
チラー9は電池モジュール4よりも車両前方側且つ呼吸弁2aより車両後方側に配置され、車両前方のエンジン房内から供給されるエアコン用冷媒(以降「AC冷媒」と記載)と上述した冷却流体が循環される。
【0022】
具体的に、AC冷媒がチラー9に流入する流入ダクト12とAC冷媒がチラー9から流出する流出ダクト13がチラー9に接続されている。
【0023】
また、冷却器8とチラー9は、チラー9から冷却器8に冷却流体を送出するための送出ダクト14と冷却器8からチラー9に冷却流体を還流させるための還流ダクト15がそれぞれ接続されている。
【0024】
チラー9においては、冷却器8から高温となって還流ダクト15を介して還流した冷却流体と流入ダクト12から供給された低温のAC冷媒との間で熱交換が行われることにより、冷却流体が冷やされる。これにより、低温となった冷却流体が送出ダクト14を介して再び冷却器8に供給される。
【0025】
チラー9の下方には吸水材10が設けられている。吸水材10は、例えば、高吸水性ポリマー(SAP:Super Absorbent Polymer)とされている。但し、吸水材10は水分を吸収できる機能を有していればよく、これに限定されない。
【0026】
チラー9は、低温のAC冷媒によってそれ自体が冷やされる。呼吸弁2aを介してケース2の内部空間5に流入する外部空間の空気は、チラー9付近を通過した際に冷やされて電池モジュール4の近傍へと到達する。
【0027】
外部空間の空気は湿気を帯びていることがあり、そのような空気が呼吸弁2aを介して内部空間5に流入するとチラー9付近で結露が発生する。
吸水材10はこのような結露によって生じる水滴を電池モジュール4付近へと移動させないように設けられるものであり、チラー9の表面に付着した後に重力で下方に滴下した水滴を好適に吸収できるようにチラー9の下方に設けられている。
【0028】
ケース2の下ケース6における床面16にはチラー9が配置された部分に孔部2bが形成されており、下ケース6の下方には孔部2bを下方から閉塞する蓋部17が取り付けられている。蓋部17はケース2に対して着脱可能に取り付けられている。
【0029】
吸水材10は蓋部17の上部に配置されており、蓋部17をケース2から取り外すことで限界まで水を含んだ状態の吸水材10の交換が可能とされている。
【0030】
仕切り板11は、車両用電池パック1の内部空間5を二つの空間に仕切るように設けられている。仕切り板11によって仕切られた車両後方側の空間であって電池モジュール4が配置される空間を第1空間18とし、第1空間18よりも車両前方側の空間であってチラー9が配置される空間を第2空間19とする。
【0031】
仕切り板11の構成について図2に示す。
仕切り板11は、下部が空気を透さない非連通部20として形成され、非連通部20の上部が空気の移動が可能とされた連通部21として形成されている。
【0032】
仕切り板11の非連通部20は、吸水材10によって吸水しきれなかった水分が第2空間19から第1空間18へ移動しないように設けられているものである。
【0033】
また、仕切り板11の連通部21は、第1空間18の圧力変化に応じて第2空間19からの空気の流入や第2空間19への空気の流出が可能となるように設けられているものである。
【0034】
連通部21は空気が通過可能に構成されていればどのような形状であってもよい。図2においては連通部21が格子状に形成されているが、空気を通過させる円形の空気通過孔が形成されているような構成であってもよい。
【0035】
なお、非連通部20には、送出ダクト14や還流ダクト15を通すためのダクト孔20aが形成されている。但し、非連通部20にダクト孔20aを形成せずに連通部21の一部の領域を通るように送出ダクト14や還流ダクト15が配置されてもよい。この場合には、非連通部20にダクト孔20aを形成するための工程が不要となり、部品の簡素化やコスト削減を図ることができる。
【0036】
また、仕切り板11が非連通部20のみを有して構成されていてもよい。このとき、仕切り板11の高さは内部空間5における仕切り板11が配置される部分の高さよりも低くされることにより、仕切り板11の上方空間が空気の移動が可能とされた連通部21とされる。これにより、第1空間18と第2空間19との間で空気の移動が可能とされる。
【0037】
なお、図1に示す仕切り板11は、蓋部17よりも高い位置に配置されている。これにより、蓋部17に配置された吸水材10よりも高い位置に配置されるため、吸水材10に吸収された水分が第1空間18側により移動し難くされている。
また、蓋部17は例えばお椀状に形成され床面16よりも下方に位置することにより、吸水材10に吸収された水分が蓋部17の外部に漏れにくくされている。これにより、第1空間18への水滴の移動が更にし難くされている。
【0038】
車両用電池パック1は上述した以外にも図示しない電池ECU(Electronic Control Unit)や温度センサやポンプなどの各部を備えている。
【0039】
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態における車両用電池パック1Aの構成について図3を参照して説明する。第2の実施の形態における車両用電池パック1Aはチラー9が外部空間に配置されている点が第1の実施の形態における車両用電池パック1と異なる。
【0040】
なお、第1の実施の形態と同様の構成については説明を適宜省略する。
【0041】
車両用電池パック1Aは、下ケース6と上ケース7から成るケース2と、複数の電池セル3を有する1または複数の電池モジュール4と、電池モジュール4を冷却する冷却器8と、冷却器8内を循環する冷却媒体を冷やすチラー9と、チラー9の下方に配置される吸水材10と、第1空間18と第2空間19を仕切る仕切り板11と、下ケース6の床面16に形成された孔部2bを下方から閉塞し吸水材10が配置される蓋部17とを有している。
【0042】
チラー9は、第2空間19における上ケース7の天板部22の上部に下面9aを接した状態で配置されている。
具体的には、第2空間19の上方に位置する天板部22はチラー9を配置するための配置凹部2cとして設けられている。配置凹部2cにチラー9が配置されることにより、チラー9の配置状態の安定化を図ることができる。
【0043】
天板部22の下面側には複数のフィン23が下方に突出されて設けられている。
【0044】
フィン23は、金属の板状に形成されており、天板部22を介してチラー9によって冷却される。
【0045】
フィン23は、例えば、車両前方側から見て互い違いに配置されており、呼吸弁2aを介して外部空間から流入した空気が複数のフィン23の近傍を通過するようにされている。これにより流入した空気が蛇行するように複数のフィン23の間を通過し効率よく冷やされると共に除湿される。
【0046】
なお、除湿によって析出した水分はフィン23の表面に付着した後、重力によって下方に滴下する。吸水材10はフィン23の下方に設けられており、フィン23から滴下した水分を効率よく吸収することができる。
【0047】
ケース2の上ケース7には、チラー9と冷却器8を接続する送出ダクト14と還流ダクト15が通されるダクト孔2dがそれぞれ形成されている。
【0048】
このように、チラー9がケース2の外部に設けられることで、チラー9の交換等がしやすくされている。
【0049】
<3.変形例>
上述した例では冷却器8をケース2の内部空間5に配置する例を示したが、図4に示すように冷却器8を外部空間に配置してもよい。
【0050】
冷却器8がケース2の外部空間に配置されることで、冷却器8が破損し内部を循環する冷却流体が冷却器8の外部に流出したとしても、該冷却流体がケース2の内部に侵入し難くされ、電池モジュール4に冷却流体が付着してしまうことを防止することができる。これにより、電池モジュール4における漏電等の発生を抑制することができる。
【0051】
なお、図3に示す第2の実施の形態としての車両用電池パック1Aに対して図4に示す冷却器8の配置態様を適用することにより、冷却器8とチラー9の双方をケース2の外部空間に配置してもよい。
冷却器8とチラー9の双方がケース2の外部に配置されることにより、冷却流体の流出による漏電の発生等をより効果的に防止することができる。
【0052】
なお、図4においては、第1空間18を形成する下ケース6の床面の下面が上方に凸とされた凹部として形成されている。該凹部は冷却器8が配置される凹部とされる。これにより、冷却器8の配置状態の安定化を図ることができる。
【0053】
また、上述した各例においてはチラー9の下方に吸水材10を設ける例を示したが、吸水材10を設ける代わりにチラー9の下方に滴下した水分をケース2外、例えば、車両外部に排出するための機構を車両用電池パック1(1A)が有していてもよい。
【0054】
上述した各例においては、ケース2に呼吸弁2aを形成する例を示した。ここで、呼吸弁2aとしては、開閉する弁機構を想定しているが、これに限らずケース2に形成された単なる孔であってもよい。また、当該孔に空気を通過させ水滴を通過させないフィルタ等がはめ込まれていてもよい。
【0055】
<4.まとめ>
上述した各例で説明したように、車両用電池パック1(1A)は、複数の電池セル3を有する電池モジュール4と、電池モジュール4が内部空間5に配置され、内部空間5と外部空間を連通する呼吸弁2aが設けられたケース2と、流体(冷却流体)を用いて電池モジュール4を冷却する冷却器8と、熱交換によって流体から熱を奪うチラー9と、を備えたものである。また、チラー9は、電池モジュール4に対して呼吸弁2aが配置された側に設けられている。
これにより、チラー9がケース2の近傍やケース2の内部に配置される。
従って、チラー9から冷却器8までの冷却用流体の経路が短くされ、該経路の流動中における流体の温度上昇を抑えることができ、冷却効率を向上させることができる。
また、呼吸弁2aを介してケース2の内部空間5に流入する空気がチラー9の近傍を通過してから電池モジュール4の付近へ到達するように構成することができる。
従って、流入した空気は冷たいチラー9によって冷やされ除湿された後に電池モジュール4付近に到達するため、冷却器8と流入した空気の双方を用いて電池モジュール4を冷すことができると共に電池モジュール4において結露が発生して水滴が付着してしまうことを防止することができる。即ち、電池モジュール4における漏電等の不具合を防止することができる。
なお、チラー9が電池モジュール4よりも車両前方側に配置されることにより、車両前方のエンジン房内に配置されるエアコンユニットとの距離が可能な限り近くされる。これにより、AC冷媒をチラー9に送るための配管の長さを短くすることができる。
【0056】
また、車両用電池パック1(1A)においては、内部空間5を電池モジュール4が配置された第1空間18と呼吸弁2aが設けられた第2空間19とに仕切る仕切り板11が設けられ、仕切り板11は、第1空間18と第2空間19の間の空気の移動が不可とされケース2の床面16に接して配置される非連通部20を有し、非連通部20の上方空間は第1空間18と第2空間19の間の空気の移動が可能とされた連通部21として形成され、チラー9は仕切り板11よりも呼吸弁2a側に位置していてもよい。
仕切り板11が設けられることにより、チラー9の近傍に位置する第2空間19において結露により発生した水滴が第1空間18に流入してしまうことが防止され、電池モジュール4における漏電等を防止することができる。
【0057】
更に、車両用電池パック1Aにおいては、内部空間5の天井を形成するケース2の天板部22の上面にチラー9の下面が隣接(当接)されて配置され、天板部22の下面に下方に突出するフィン23が設けられていてもよい。
即ち、チラー9は、ケース2の外部空間においてケース2の上面に隣接して配置される。これにより、ケース2の第2空間19における天板部22がチラー9によって冷やされる。そして、天板部22から下方に突出して設けられたフィン23も同時に冷やされる。
天板部22の表面積よりもフィン23の表面積の方が大きくされるため、呼吸弁2aを介して内部空間5(第2空間19)に流入してきた空気を効率的に冷やすことが可能となり、流入した空気の除湿効率を高めることができる。
【0058】
また、車両用電池パック1(1A)においては、ケース2の内部におけるチラー9の下方に吸水材10が設置されてもよい。
これにより、第2空間19において結露により発生した水滴が吸水材10に吸収され、第1空間18への水滴の侵入を防止することができる。
【0059】
更に、車両用電池パック1(1A)において、吸水材10は、ケース2に対して下方から着脱可能な蓋部17の上に配置されてもよい。
ケース2から蓋部17を外すことにより吸水材10をケース2の外部へ取り出すことができる。従って、吸水材10の交換がしやすくされ、吸水材10が水分を吸収できる状態を維持することが容易とされる。
【0060】
なお、上述した各種の例は、適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1、1A 車両用電池パック
2 ケース
2a 呼吸弁
3 電池セル
4 電池モジュール
5 内部空間
8 冷却器
9 チラー
9a 下面
10 吸水材
11 仕切り板
16 床面
17 蓋部
18 第1空間
19 第2空間
20 非連通部
21 連通部
22 天板部
23 フィン
図1
図2
図3
図4