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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068925
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】切替弁ユニット
(51)【国際特許分類】
   F25B 41/26 20210101AFI20240514BHJP
   F16K 11/07 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
F25B41/26 A
F16K11/07 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179612
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000133652
【氏名又は名称】株式会社テージーケー
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 剛
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 真司
(72)【発明者】
【氏名】金子 裕己
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA02
3H067AA03
3H067AA32
3H067BB03
3H067BB12
3H067CC13
3H067CC32
3H067DD02
3H067DD12
3H067DD32
3H067EA34
3H067FF11
3H067GG01
3H067GG23
(57)【要約】
【課題】冷媒の循環通路を切り替える切替弁ユニットを低コストに実現する。
【解決手段】切替弁ユニット10は、高圧通路40、低圧通路42、第1中間通路44、第2中間通路46、高圧通路40と第1中間通路44とを連通させる第1弁孔50、高圧通路40と第2中間通路46とを連通させる第2弁孔52、第1中間通路44と低圧通路42とを連通させる第3弁孔54、第2中間通路46と低圧通路42とを連通させる第4弁孔56、および高圧通路40と第1中間通路44とを連通させる高圧リーク通路58を有するボディ20と、第1弁孔50を開くときに第2弁孔52を閉じ、第2弁孔52を開くときに第1弁孔50を閉じる第1弁駆動体60と、第3弁孔54を開くときに第4弁孔56を閉じ、第4弁孔56を開くときに第3弁孔54を閉じる第2弁駆動体80と、冷凍サイクルの運転状態に応じて高圧リーク通路58を開閉する電気駆動弁26と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍サイクルに配置され、冷媒の循環通路を切り替える切替弁ユニットであって、
冷媒が導入される導入ポートと、冷媒が導出される導出ポートと、冷媒が導入又は導出される第1導入出ポートと、冷媒が導出又は導入される第2導入出ポートと、前記導入ポートに連通する高圧通路と、前記導出ポートに連通する低圧通路と、前記第1導入出ポートに連通する第1中間通路と、前記第2導入出ポートに連通する第2中間通路と、前記高圧通路と前記第1中間通路とを連通させる第1弁孔と、前記高圧通路と前記第2中間通路とを連通させる第2弁孔と、前記第1中間通路と前記低圧通路とを連通させる第3弁孔と、前記第2中間通路と前記低圧通路とを連通させる第4弁孔と、前記高圧通路と前記第1中間通路とを連通させる高圧リーク通路と、を有するボディと、
前記第1弁孔を開閉する第1弁体と、前記第2弁孔を開閉する第2弁体とを一体変位可能に有し、前記第1弁孔を開くときに前記第2弁孔を閉じ、前記第2弁孔を開くときに前記第1弁孔を閉じる第1弁駆動体と、
前記第3弁孔を開閉する第3弁体と、前記第4弁孔を開閉する第4弁体とを一体変位可能に有し、前記第3弁孔を開くときに前記第4弁孔を閉じ、前記第4弁孔を開くときに前記第3弁孔を閉じる第2弁駆動体と、
前記冷凍サイクルの運転状態に応じて前記高圧リーク通路を開閉する電気駆動弁と、
を備えることを特徴とする切替弁ユニット。
【請求項2】
前記第1中間通路に配置され、前記第1弁駆動体を前記第1弁体の開弁方向かつ前記第2弁体の閉弁方向に付勢する第1付勢部材と、
前記第2中間通路に配置され、前記第1弁駆動体を前記第1弁体の閉弁方向かつ前記第2弁体の開弁方向に付勢する第2付勢部材と、
前記第1中間通路に配置され、前記第2弁駆動体を前記第3弁体の開弁方向かつ前記第4弁体の閉弁方向に付勢する第3付勢部材と、
前記第2中間通路に配置され、前記第2弁駆動体を前記第3弁体の閉弁方向かつ前記第4弁体の開弁方向に付勢する第4付勢部材と、
を備え、
前記第1付勢部材および前記第2付勢部材は、前記冷凍サイクルの運転停止状態において、前記第1弁体および前記第2弁体のいずれも閉弁状態を保つように前記第1弁駆動体を支持し、
前記第3付勢部材および前記第4付勢部材は、前記冷凍サイクルの運転停止状態において、前記第3弁体および前記第4弁体のいずれも閉弁状態を保つように前記第2弁駆動体を支持することを特徴とする請求項1に記載の切替弁ユニット。
【請求項3】
前記第1弁駆動体は、
前記第1弁体が前記高圧通路側から前記第1弁孔に近接又は離間し、かつ前記第2弁体が前記高圧通路側から前記第2弁孔に近接又は離間するように前記ボディ内に配置され、
前記冷凍サイクルの運転状態において前記高圧通路、前記第1中間通路および前記第2中間通路の圧力に応じて動作し、
前記第2弁駆動体は、
前記第3弁体が前記第1中間通路側から前記第3弁孔に近接又は離間し、かつ前記第4弁体が前記第2中間通路側から前記第4弁孔に近接又は離間するように前記ボディ内に配置され、
前記冷凍サイクルの運転状態において前記第1中間通路、前記第2中間通路および前記低圧通路の圧力に応じて動作することを特徴とする請求項2に記載の切替弁ユニット。
【請求項4】
前記第1弁体の有効受圧径と、前記第2弁体の有効受圧径とが異なることを特徴とする請求項3に記載の切替弁ユニット。
【請求項5】
前記第1弁駆動体は、前記第1弁孔および前記第2弁孔のそれぞれに挿抜可能なスプール構造を有し、前記冷凍サイクルの運転停止状態において、前記第1弁体と前記第1弁孔との間、および前記第2弁体と前記第2弁孔との間のそれぞれにクリアランスシールが実現されることを特徴とする請求項2に記載の切替弁ユニット。
【請求項6】
前記第2弁駆動体は、前記第3弁孔および前記第4弁孔のそれぞれに挿抜可能なスプール構造を有し、前記冷凍サイクルの運転停止状態において、前記第3弁体と前記第3弁孔との間、および前記第4弁体と前記第4弁孔との間のそれぞれにクリアランスシールが実現されることを特徴とする請求項5に記載の切替弁ユニット。
【請求項7】
前記第1中間通路および前記第2中間通路の少なくとも一方と前記低圧通路に断熱用のスリーブが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の切替弁ユニット。
【請求項8】
前記ボディは、前記高圧リーク通路としての第1高圧リーク通路と、前記高圧通路と前記第2中間通路とを連通させる第2高圧リーク通路とを有し、
前記電気駆動弁は、前記第1高圧リーク通路および前記第2高圧リーク通路のそれぞれを開閉可能であり、前記第1高圧リーク通路および前記第2高圧リーク通路の一方を開くときに他方を閉じることを特徴とする請求項1に記載の切替弁ユニット。
【請求項9】
冷凍サイクルに配置され、冷媒の循環通路を切り替える切替弁ユニットであって、
冷媒が導入される導入ポートと、冷媒が導出される導出ポートと、冷媒が導入又は導出される第1導入出ポートと、冷媒が導出又は導入される第2導入出ポートと、前記導入ポートに連通する高圧通路と、前記導出ポートに連通する低圧通路と、前記第1導入出ポートに連通する第1中間通路と、前記第2導入出ポートに連通する第2中間通路と、前記高圧通路と前記第1中間通路とを連通させる第1弁孔と、前記高圧通路と前記第2中間通路とを連通させる第2弁孔と、前記第1中間通路と前記低圧通路とを連通させる第3弁孔と、前記第2中間通路と前記低圧通路とを連通させる第4弁孔と、前記第1中間通路と前記低圧通路とを連通させる低圧リーク通路と、を有するボディと、
前記第1弁孔を開閉する第1弁体と、前記第2弁孔を開閉する第2弁体とを一体変位可能に有し、前記第1弁孔を開くときに前記第2弁孔を閉じ、前記第2弁孔を開くときに前記第1弁孔を閉じる第1弁駆動体と、
前記第3弁孔を開閉する第3弁体と、前記第4弁孔を開閉する第4弁体とを一体変位可能に有し、前記第3弁孔を開くときに前記第4弁孔を閉じ、前記第4弁孔を開くときに前記第3弁孔を閉じる第2弁駆動体と、
前記冷凍サイクルの運転状態に応じて前記低圧リーク通路を開閉する電気駆動弁と、
を備えることを特徴とする切替弁ユニット。
【請求項10】
前記ボディは、前記低圧リーク通路としての第1低圧リーク通路と、前記第2中間通路と前記低圧通路とを連通させる第2低圧リーク通路とを有し、
前記電気駆動弁は、前記第1低圧リーク通路および前記第2低圧リーク通路のそれぞれを開閉可能であり、前記第1低圧リーク通路および前記第2低圧リーク通路の一方を開くときに他方を閉じることを特徴とする請求項9に記載の切替弁ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクルの冷媒の循環通路を切り替える切替弁ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
空調装置は、一般に、圧縮機、室外熱交換器、膨張装置、室内熱交換器等を冷凍サイクルに配置して構成される。冷凍サイクルに四方弁を設け、冷媒循環通路を切り替えることにより冷房又は暖房に運転モードを切り替えるものもある(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の四方弁は、上流側に設けられた主弁部と、下流側に設けられた副弁部を有する。主弁部は電磁弁であって、ソレノイドへの通電状態に応じて上流側流路を切り替える。副弁部は、その上流側流路の切り替えによって変化する差圧を受けて作動し、下流側流路の流れを切り替える。すなわち、電磁弁への通電状態を制御して四方弁における流路を切り替えることで、冷凍サイクルの冷媒循環通路を切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62-196478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の四方弁では、主弁部が冷媒循環通路の一部を構成する(冷媒の主通路を構成する)ため、その主弁部において十分な弁開度を確保しなければ圧損が大きくなる。その弁開度を確保するためにソレノイドを大きくするとコストが嵩む。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、冷媒の循環通路を切り替える切替弁ユニットを低コストに実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、冷凍サイクルに配置され、冷媒の循環通路を切り替える切替弁ユニットである。この切替弁ユニットは、冷媒が導入される導入ポートと、冷媒が導出される導出ポートと、冷媒が導入又は導出される第1導入出ポートと、冷媒が導出又は導入される第2導入出ポートと、導入ポートに連通する高圧通路と、導出ポートに連通する低圧通路と、第1導入出ポートに連通する第1中間通路と、第2導入出ポートに連通する第2中間通路と、高圧通路と第1中間通路とを連通させる第1弁孔と、高圧通路と第2中間通路とを連通させる第2弁孔と、第1中間通路と低圧通路とを連通させる第3弁孔と、第2中間通路と低圧通路とを連通させる第4弁孔と、高圧通路と第1中間通路とを連通させる高圧リーク通路と、を有するボディと、第1弁孔を開閉する第1弁体と、第2弁孔を開閉する第2弁体とを一体変位可能に有し、第1弁孔を開くときに第2弁孔を閉じ、第2弁孔を開くときに第1弁孔を閉じる第1弁駆動体と、第3弁孔を開閉する第3弁体と、第4弁孔を開閉する第4弁体とを一体変位可能に有し、第3弁孔を開くときに第4弁孔を閉じ、第4弁孔を開くときに第3弁孔を閉じる第2弁駆動体と、冷凍サイクルの運転状態に応じて高圧リーク通路を開閉する電気駆動弁と、を備える。
【0008】
この態様によると、電気駆動弁により高圧リーク通路を開閉することで第1中間通路の圧力を変化させ、第1弁駆動体および第2弁駆動体のそれぞれに作用する差圧を変化させることができる。それにより、ボディにおける冷媒の流れを切り替え、冷媒の循環通路を切り替えることができる。電気駆動弁は冷媒の主通路を開閉するものではないため、循環する冷媒に圧損を生じさせることもない。電気駆動弁は高圧リーク通路を開閉すれば足りるため、その駆動部を大きくする必要もない。その結果、切替弁ユニットの低コスト化を図ることができる。
【0009】
本発明の別の態様も切替弁ユニットである。この切替弁ユニットは、冷媒が導入される導入ポートと、冷媒が導出される導出ポートと、冷媒が導入又は導出される第1導入出ポートと、冷媒が導出又は導入される第2導入出ポートと、導入ポートに連通する高圧通路と、導出ポートに連通する低圧通路と、第1導入出ポートに連通する第1中間通路と、第2導入出ポートに連通する第2中間通路と、高圧通路と第1中間通路とを連通させる第1弁孔と、高圧通路と第2中間通路とを連通させる第2弁孔と、第1中間通路と低圧通路とを連通させる第3弁孔と、第2中間通路と低圧通路とを連通させる第4弁孔と、第1中間通路と低圧通路とを連通させる低圧リーク通路と、を有するボディと、第1弁孔を開閉する第1弁体と、第2弁孔を開閉する第2弁体とを一体変位可能に有し、第1弁孔を開くときに第2弁孔を閉じ、第2弁孔を開くときに第1弁孔を閉じる第1弁駆動体と、第3弁孔を開閉する第3弁体と、第4弁孔を開閉する第4弁体とを一体変位可能に有し、第3弁孔を開くときに第4弁孔を閉じ、第4弁孔を開くときに第3弁孔を閉じる第2弁駆動体と、冷凍サイクルの運転状態に応じて低圧リーク通路を開閉する電気駆動弁と、を備える。
【0010】
この態様によると、電気駆動弁により低圧リーク通路を開閉することで第1中間通路の圧力を変化させ、第1弁駆動体および第2弁駆動体のそれぞれに作用する差圧を変化させることができる。それにより、ボディにおける冷媒の流れを切り替え、冷媒の循環通路を切り替えることができる。電気駆動弁は冷媒の主通路を開閉するものではないため、循環する冷媒に圧損を生じさせることもない。電気駆動弁は低圧リーク通路を開閉すれば足りるため、その駆動部を大きくする必要もない。その結果、切替弁ユニットの低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、冷媒循環通路を切り替える切替弁ユニットを低コストに実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る空調装置のシステム構成図である。
図2】切替弁ユニットの構成を表す断面図である。
図3】冷凍サイクルの運転状態に応じた切替弁ユニットの動作を示す図である。
図4】冷凍サイクルの運転状態に応じた切替弁ユニットの動作を示す図である。
図5】冷凍サイクルの運転状態に応じた切替弁ユニットの動作を示す図である。
図6】変形例に係る切替弁ユニットの構成を表す図である。
図7】第2実施形態に係る切替弁ユニットの構成を表す断面図である。
図8】冷凍サイクルの運転状態に応じた切替弁ユニットの動作を示す図である。
図9】冷凍サイクルの運転状態に応じた切替弁ユニットの動作を示す図である。
図10】変形例に係る切替弁ユニットの構成を表す図である。
図11】第3実施形態に係る切替弁ユニットの構成と動作を表す断面図である。
図12】第3実施形態に係る切替弁ユニットの構成と動作を表す断面図である。
図13】第4実施形態に係る切替弁ユニットの構成と動作を表す断面図である。
図14】第4実施形態に係る切替弁ユニットの構成と動作を表す断面図である。
図15】第5実施形態に係る切替弁ユニットの構成と動作を表す断面図である。
図16】第5実施形態に係る切替弁ユニットの構成と動作を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。また、以下の実施形態およびその変形例について、同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る空調装置のシステム構成図である。図1(A)は冷房運転モードを示し、図1(B)は暖房運転モードを示す。
空調装置1は車両用冷暖房装置であり、圧縮機2、室外熱交換器4および室内熱交換器6を配管にて接続した冷凍サイクルを備える。室外熱交換器4と室内熱交換器6との間には膨張装置8が設けられる。圧縮機2と室外熱交換器4との間および室内熱交換器6と圧縮機2との間に配置されるように切替弁ユニット10が設けられる。
【0015】
膨張装置8は、上流側から導入された冷媒を絞り膨張させて下流側へ導出する膨張弁である。切替弁ユニット10は、四方弁の機能を有し、冷凍サイクルにおける冷媒循環通路を切り替える。空調装置1は、HFC-134a(代替フロン)、HFO-1234yfなどの冷媒が冷凍サイクル内を状態変化しながら循環する過程で、その冷媒の熱を利用して車室内の空調を行う。
【0016】
切替弁ユニット10は、4つのポート10a~10dを有し、冷凍サイクルの運転モードに応じてそれらの連通状態を切り替えることにより冷媒循環通路を切り替える。ポート10aは「導入ポート」として機能し、ポート10bは「導出ポート」として機能する。ポート10cは「第1導入出ポート」として機能し、ポート10dは「第2導入出ポート」として機能する。
【0017】
冷房運転モードでは、ポート10aとポート10dとが連通し、ポート10cとポート10bとが連通することで、第1冷媒循環通路12が形成される(図1(A))。第1冷媒循環通路12は、圧縮機2→室外熱交換器4→膨張装置8→室内熱交換器6→圧縮機2のように冷媒が循環する通路である。
【0018】
このとき、圧縮機2で圧縮された高温・高圧の冷媒は、切替弁ユニット10を介して室外熱交換器4へ導かれ、室外熱交換器4を経る過程で外気との熱交換により凝縮される。凝縮された冷媒は、膨張装置8で断熱膨張されることで低温・低圧の冷媒となり、室内熱交換器6に導かれる。この冷媒は、室内熱交換器6を経る過程で車室内の空気と熱交換されて蒸発される。それにより、車室内の空気が冷却される。蒸発された冷媒は、切替弁ユニット10を介して圧縮機2に戻る。
【0019】
一方、暖房運転モードでは、ポート10aとポート10cとが連通し、ポート10dとポート10bとが連通することで、第2冷媒循環通路14が形成される(図1(B))。第2冷媒循環通路14は、圧縮機2→室内熱交換器6→膨張装置8→室外熱交換器4→圧縮機2のように冷媒が循環する通路である。
【0020】
このとき、圧縮機2で圧縮された高温・高圧の冷媒は、切替弁ユニット10を介して室内熱交換器6へ導かれ、室内熱交換器6を経る過程で車室内の空気との熱交換により凝縮される。それにより、車室内の空気が暖められる。凝縮された冷媒は、膨張装置8で断熱膨張されることで低温・低圧の冷媒となり、室外熱交換器4に導かれる。この冷媒は、室外熱交換器4を経る過程で外気と熱交換されて蒸発される。蒸発された冷媒は、切替弁ユニット10を介して圧縮機2に戻る。
【0021】
次に、切替弁ユニット10の構成について詳細に説明する。
図2は、切替弁ユニット10の構成を表す断面図である。
切替弁ユニット10は、ボディ20に第1切替弁22、第2切替弁24および電磁弁26を組み付けて構成される。ボディ20は、本実施形態では単一のブロックにより構成されているが、複数のブロックを配管等により接続して構成してもよい。
【0022】
ボディ20の第1側面28の中央にポート10aが設けられ、その反対側面である第2側面30の中央にポート10bが設けられている。第2側面30の上部にポート10cが設けられ、下部にポート10dが設けられている。第1側面28の上部には、電磁弁26を取り付けるための取付孔32が設けられている。ボディ20の上面には、切替弁ユニット10を組み立てる際の第1切替弁22の挿入口となる挿通孔34と、第2切替弁24の挿入口となる挿通孔36とが並設されている。
【0023】
ボディ20は、ポート10aに連通する高圧通路40、ポート10bに連通する低圧通路42、ポート10cに連通する中間通路44、ポート10dに連通する中間通路46、高圧通路40と中間通路44とを連通させる弁孔50、高圧通路40と中間通路46とを連通させる弁孔52、中間通路44と低圧通路42とを連通させる弁孔54、中間通路46と低圧通路42とを連通させる弁孔56、および高圧通路40と中間通路44とを連通させるリーク通路58を有する。
【0024】
中間通路44が「第1中間通路」として機能し、中間通路46が「第2中間通路」として機能する。弁孔50が「第1弁孔」、弁孔52が「第2弁孔」、弁孔54が「第3弁孔」、弁孔56が「第4弁孔」としてそれぞれ機能する。リーク通路58が「高圧リーク通路」として機能する。
【0025】
高圧通路40と低圧通路42とが同軸状に設けられ、それらが中間通路44および中間通路46のそれぞれと平行に設けられている。取付孔32は段付円孔状をなし、中間通路44と同軸状に設けられている。一方、挿通孔34、弁孔50および弁孔52が同軸状に設けられ、挿通孔36、弁孔54および弁孔56が同軸状に設けられている。弁孔50および弁孔52の軸線と、弁孔54および弁孔56の軸線とが互いに平行であり、これらの軸線は、中間通路44の軸線と中間通路46の軸線に対してそれぞれ直交する。
【0026】
第1切替弁22は、段付円柱状の弁駆動体60を有する。弁駆動体60は、高圧通路40に配置され、その上部に弁体62が設けられ、下部に弁体64が設けられている。弁駆動体60は「第1弁駆動体」として機能する。弁体62は「第1弁体」として機能し、弁体64は「第2弁体」として機能する。弁駆動体60の中間部の外周面には、Oリング66,68(シール部材)が上下に離隔して設けられている。
【0027】
弁体62の上端周縁部から複数の脚部が延出し、弁孔50に摺動可能に支持されている。また、弁体64の下端周縁部から複数の脚部が延出し、弁孔52に摺動可能に支持されている。弁駆動体60は、これら上下の脚部の摺動により軸線方向にガイドされる。挿通孔34は、閉止部材70により閉止される。挿通孔34の上部には雌ねじが形成されている。一方、閉止部材70の下部にOリング72(シール部材)が設けられ、上部に雄ねじが形成されている。それらのねじを螺合させることにより閉止部材70がボディ20に締結され、Oリング72により閉止部材70と挿通孔34との間のシール性が確保される。
【0028】
閉止部材70と弁駆動体60との間には、弁駆動体60を弁体62の開弁方向かつ弁体64の閉弁方向に付勢するスプリング74が介装されている。ボディ20の底部と弁駆動体60との間には、弁駆動体60を弁体62の閉弁方向かつ弁体64の開弁方向に付勢するスプリング76が介装されている。スプリング74は中間通路44に配置され、「第1付勢部材」として機能する。スプリング76は中間通路46に配置され、「第2付勢部材」として機能する。弁駆動体60は、スプリング74,76によって上下から挟まれて弾性的に支持される。
【0029】
一方、第2切替弁24は、段付円柱状の弁駆動体80を有する。弁駆動体80は、中間通路44に配置される弁体82と、中間通路46に配置される弁体84と、弁体82と弁体84とを上下に連結する軸部86を有し、弁孔54、低圧通路42および弁孔56を貫通する。軸部86は細径のロッドであり、その外径は弁孔54および弁孔56の内径よりも十分に小さい。弁駆動体80は「第2弁駆動体」として機能する。弁体82は「第3弁体」として機能し、弁体84は「第4弁体」として機能する。弁体82の外周面にはOリング88(シール部材)が設けられ、弁体84の外周面にはOリング90(シール部材)が設けられている。
【0030】
弁体82の下端周縁部から複数の脚部が延出し、弁孔54に摺動可能に支持されている。また、弁体84の上端周縁部から複数の脚部が延出し、弁孔56に摺動可能に支持されている。弁駆動体80は、これら上下の脚部の摺動により軸線方向にガイドされる。挿通孔36は、閉止部材92により閉止される。挿通孔36の上部には雌ねじが形成されている。一方、閉止部材92の下部にOリング94(シール部材)が設けられ、上部に雄ねじが形成されている。それらのねじを螺合させることにより閉止部材92がボディ20に締結され、Oリング94により閉止部材92と挿通孔36との間のシール性が確保される。
【0031】
閉止部材92と弁駆動体80との間には、弁駆動体80を弁体82の閉弁方向かつ弁体84の開弁方向に付勢するスプリング96が介装されている。ボディ20の底部と弁駆動体80との間には、弁駆動体80を弁体82の開弁方向かつ弁体84の閉弁方向に付勢するスプリング98が介装されている。スプリング96は中間通路44に配置され、「第3付勢部材」として機能する。スプリング98は中間通路46に配置され、「第4付勢部材」として機能する。弁駆動体80は、スプリング96,98によって上下から挟まれて弾性的に支持される。
【0032】
取付孔32と中間通路44との間には隔壁100が設けられ、隔壁100に小径の弁孔102が設けられている。弁孔102の内径は弁孔50の内径よりも十分に小さい。ボディ20において取付孔32および弁孔102を内包する部分が電磁弁26のボディを形成する。
【0033】
電磁弁26は、駆動部としてのソレノイド104を備える。ソレノイド104は、コア106、プランジャ108および電磁コイル110を同軸状に含む。コア106が取付孔32に同軸状に組み付けられ、ボディ20に締結される。コア106の先端部外周面にはOリング112(シール部材)が設けられている。
【0034】
コア106の後端部を閉止するように非磁性のスリーブ114が設けられている。スリーブ114の内方にプランジャ108が収容され、スリーブ114の外側に電磁コイル110が組み付けられている。プランジャ108の先端部からシャフト116が同軸状に延び、コア106を貫通している。シャフト116の先端に弁体118が設けられている。
【0035】
コア106と弁孔102との間に弁室120が形成され、弁体118が配置されている。ボディ20には高圧通路40と弁室120とを連通させる連通路121が設けられている。弁孔102の内径は連通路121の内径以下とされている。連通路121、弁室120および弁孔102がリーク通路58を構成する。
【0036】
コア106とプランジャ108との間には、弁体118を開弁方向に付勢するためのスプリング122が介装されている。すなわち、電磁弁26は、ソレノイド104のオフ時(非通電時)に全開状態となる常開型の開閉弁である。弁体118は、弁室120の側から弁孔102に接離して弁部ひいてはリーク通路58を開閉する。
【0037】
次に、切替弁ユニット10の動作について説明する。
図2図5は、冷凍サイクルの運転状態に応じた切替弁ユニット10の動作を示す。図2および図3は運転停止状態を示す。図3は、運転停止状態で電磁弁26をオンにした状態を示す。図4は冷房運転モードでの制御状態を示し、図5は暖房運転モードでの制御状態を示す。各図において切替弁ユニット10内における冷媒の流れを点線矢印にて示す。
【0038】
冷凍サイクルの運転停止状態(圧縮機2が非駆動の状態)では、冷媒が循環しないため、切替弁ユニット10も機能しない。図2に示すように、電磁弁26がオフにされ、リーク通路58は開放された状態となる。一方、第1切替弁22および第2切替弁24はともに閉弁状態となる。
【0039】
第1切替弁22において、弁駆動体60はスプリング74,76によって中立位置に保持される。このとき、弁体62の上端が弁孔50にわずかに挿通され、弁体64の下端が弁孔52にわずかに挿通される。言い換えれば、そうなるようにスプリング74,76の荷重が設定されている。弁駆動体60は、弁孔50,52のそれぞれに挿抜可能なスプール構造を有し、運転停止状態において、弁体62と弁孔50との間、および弁体64と弁孔52との間のそれぞれにクリアランスシールが実現される。
【0040】
一方、第2切替弁24において、弁駆動体80はスプリング96,98によって中立位置に保持される。このとき、弁体82の下端が弁孔54にわずかに挿通され、弁体84の上端が弁孔56にわずかに挿通される。言い換えれば、そうなるようにスプリング96,98の荷重が設定されている。弁駆動体80は、弁孔54,56のそれぞれに挿抜可能なスプール構造を有し、運転停止状態において、弁体82と弁孔54との間、および弁体84と弁孔56との間のそれぞれにクリアランスシールが実現される。
【0041】
図3に示すように、冷凍サイクルの運転停止状態で電磁弁26がオンにされると、リーク通路58が閉じられる。冷媒の流れがないため、第1切替弁22および第2切替弁24は閉じた状態を保つ。冷凍サイクルの起動前後にこのような制御状態を経てもよい。
【0042】
冷凍サイクルが起動されて冷房運転モードに移行すると、図4に示すように、圧縮機2が駆動されるとともに電磁弁26がオンにされる。それにより、リーク通路58が閉じられた状態で圧縮機2からの冷媒がポート10aに導入される。このとき、高圧通路40の圧力が弁駆動体60に作用するところ、図示のように弁体62の有効受圧径A(弁孔50の径に等しい)が弁体64の有効受圧径B(弁孔52の径に等しい)よりも大きく設定されているため、弁駆動体60に上方への力が作用する。
【0043】
その結果、弁体62が閉弁状態となり、弁体64が開弁状態となる。Oリング66が弁孔50の開口端に着座することにより、弁体62と弁孔50との間のクリアランスシール部が完全に閉じられる。高圧通路40の高圧冷媒が中間通路46に導かれ、ポート10dから室外熱交換器4へ向けて導出される。
【0044】
この冷媒は、膨張装置8を経ることで低圧となり、室内熱交換器6を経た後にポート10cから中間通路44に導入される。このため、中間通路44の圧力P1が中間通路46の圧力P2よりも低くなる(P1<P2)。図示のように弁体82の有効受圧径C(弁孔54の径に等しい)と弁体84の有効受圧径D(弁孔56の径に等しい)とが等しく設定されているが、弁駆動体80に対して差圧(P2-P1)が作用するため、弁駆動体80に上方への力が作用する。
【0045】
その結果、弁体82が開弁状態となり、弁体84が閉弁状態となる。Oリング90が弁孔56の開口端に着座することにより、弁体84と弁孔56との間のクリアランスシール部が完全に閉じられる。中間通路44に導入された冷媒は、弁孔54および低圧通路42を経てポート10bから圧縮機2へ向けて導出される。すなわち、第1冷媒循環通路12が形成される(図1(A)参照)。
【0046】
一方、暖房運転モードに移行すると、図5に示すように圧縮機2が駆動され、電磁弁26はオフにされる。それにより、リーク通路58が開かれた状態で圧縮機2からの冷媒がポート10aに導入される。このとき、高圧通路40の高圧冷媒がリーク通路58を介して中間通路44に漏洩するため(一点鎖線矢印参照)、中間通路44の圧力P1が上昇する。
【0047】
その結果、差圧(P1-P2)が発生して弁駆動体60を下方に押し下げ、弁体62が開弁状態となり、弁体64が閉弁状態となる。Oリング68が弁孔52の開口端に着座することにより、弁体64と弁孔52との間のクリアランスシール部が完全に閉じられる。高圧通路40に導入される冷媒は、弁孔50を介して中間通路44に導入され、ポート10cから室内熱交換器6へ向けて導出される。このとき、弁孔102よりも口径が大きい弁孔50を経由する通路が主通路となる。
【0048】
この冷媒は、膨張装置8を経ることで低圧となり、室外熱交換器4を経た後にポート10dから中間通路46に導入される。このため、中間通路44の圧力P1が中間通路46の圧力P2よりも高くなる(P1>P2)。弁駆動体80に対して差圧(P1-P2)が作用するため、弁駆動体80に下方への力が作用する。
【0049】
その結果、弁体82が閉弁状態となり、弁体84が開弁状態となる。Oリング88が弁孔54の開口端に着座することにより、弁体82と弁孔54との間のクリアランスシール部が完全に閉じられる。中間通路46に導入された冷媒は、弁孔56および低圧通路42を経てポート10bから圧縮機2へ向けて導出される。すなわち、第2冷媒循環通路14が形成される(図1(B)参照)。
【0050】
以上に説明したように、本実施形態では、電磁弁26によりリーク通路58を開閉することで中間通路44の圧力を変化させ、弁駆動体60および弁駆動体80のそれぞれに作用する差圧を変化させることができる。それにより、ボディ20における冷媒の流れを切り替え、冷媒の循環通路を切り替えることができる。電磁弁26は冷媒の主通路を開閉するものではないため、循環する冷媒に圧損を生じさせることもない。電磁弁26はリーク通路58を開閉すれば足りるため、ソレノイド104を大きくする必要もない。その結果、切替弁ユニット10の低コスト化を図ることができる。
【0051】
また、第1切替弁22および第2切替弁24において、冷凍サイクルの運転停止状態において上下の弁部がクリアランスシールにて閉弁状態を維持する構造を採用した。このため、いわゆるスプール構造であっても圧力の逃げを抑制でき、冷凍サイクルが起動されたときに各弁駆動体が速やかに差圧を感知して作動できる。一方、各弁駆動体においてクリアランスシールされる部分は上端部と下端部に限定され、上下の弁体の一方が閉弁動作をするときには他方のクリアランスシールが解除される。このため、弁体と弁孔との間への異物の滞留を抑制できる。その結果、異物の噛み込みなどによる作動不良を防止できる。
【0052】
[変形例]
図6は、変形例に係る切替弁ユニットの構成を表す図である。
本変形例の切替弁ユニット150は、中間通路44,46および低圧通路42のそれぞれに断熱機能を有するスリーブ152,154,156が設けられる。
【0053】
スリーブ152は、中間通路44の内面に沿った円筒状をなし、ポート10cから挿入されて組み付けられる。スリーブ152の先端は挿通孔34の手前まで延びている。スリーブ152において挿通孔36および弁孔54に対応する位置にはそれぞれ開口部が設けられ、弁体82およびスプリング96に干渉しないように構成されている。
【0054】
同様に、スリーブ154は、中間通路46の内面に沿った円筒状をなし、ポート10dから挿入されて組み付けられる。スリーブ154の先端は弁孔52の手前まで延びている。スリーブ154において弁孔56に対応する位置を径方向に貫通するように開口部が設けられ、弁体84およびスプリング98に干渉しないように構成されている。
【0055】
スリーブ156は、低圧通路42の内面に沿った有底円筒状をなし、ポート10bから挿入されて組み付けられる。スリーブ156の先端は低圧通路42の奥方まで延びている。スリーブ156において弁孔54および弁孔56に対応する位置にはそれぞれ開口部が設けられ、弁体82および弁体84に干渉しないように構成されている。
【0056】
第1実施形態では、運転モードの切り替えに応じて中間通路44と中間通路46のいずれかに高温の冷媒が導入され、その温度が熱伝導により低圧側の冷媒に影響を与える可能性がある。具体的には、高温冷媒の温度がボディ20を介して低圧通路42の冷媒に伝達され、低圧通路42から導出される冷媒の温度が本来の温度からずれ、空調装置1の温度制御に支障をきたす可能性も考えられる。高圧側の冷媒から低圧側の冷媒への熱損失により空調装置の効率が悪くなる可能性もある。この点、本変形例によれば、スリーブの断熱効果によりそのような温度影響を抑制できる。
【0057】
なお、本変形例では、中間通路44と中間通路46の双方に断熱用のスリーブを設ける構成を示したが、いずれか一方に設けてもよい。例えば、中間通路44にスリーブを設け、中間通路46にはスリーブを設けない構成としてもよい。
【0058】
[第2実施形態]
図7は、第2実施形態に係る切替弁ユニットの構成を表す断面図である。
切替弁ユニット210は、ボディ220に第1切替弁222、第2切替弁24および電磁弁226を組み付けて構成される。本実施形態は、第1切替弁222と電磁弁226とが同軸状に組み付けられる点で第1実施形態と異なる。
【0059】
ボディ220の上面に取付孔32と挿通孔36とが並設されており、取付孔32が第1切替弁222の挿入孔としても機能する。取付孔32は、弁孔50と同軸状に設けられ、中間通路44と直交する
【0060】
第1切替弁222は、有底段付円柱状の弁駆動体260(第1弁駆動体)を有する。弁駆動体260は、高圧通路40に配置され、その上部に弁体262(第1弁体)が設けられ、下部に弁体64(第2弁体)が設けられている。弁体262は、弁体64よりも有効受圧径が大きい。弁駆動体260は、軸線に沿った挿通穴264と、挿通穴264と高圧通路40とを連通させる連通路121を有する。挿通穴264は上方に向けて開口し、連通路121は側方に向けて開口する。
【0061】
電磁弁226のコア106と弁駆動体260との間には、ガイド部材240が同軸状に設けられている。ガイド部材240は円筒状をなし、その上端に半径方向外向きに延出するフランジ部242を有する。ガイド部材240は、フランジ部242がコア106の下方で取付孔32の下面に固定されつつ軸線方向に垂下され、弁駆動体260の挿通穴264に挿通されている。
【0062】
ガイド部材240の側面には、ガイド部材240の内部通路244と中間通路44とを連通させる複数の連通孔246が設けられている。ガイド部材240の下端部の外周面には、Oリング248(シール部材)が嵌着されている。弁駆動体260は、挿通穴264がガイド部材240の外周面に沿って摺動することで軸線方向にガイドされる。Oリング248によりガイド部材240と弁体262との間のシール性が確保されている。弁駆動体260の内部に弁室120が形成されている。連通路121が、弁室120と高圧通路40とを連通させる。
【0063】
ガイド部材240のフランジ部242と弁駆動体260との間にスプリング74が介装される。スプリング74は、弁駆動体260を弁体262の開弁方向かつ弁体64の閉弁方向に付勢する。
【0064】
一方、電磁弁226のプランジャ108から延びるシャフト116が、ガイド部材240を貫通する。シャフト116の先端に弁体218が設けられている。弁体218は、弁室120に配置される。電磁弁226は、ソレノイド104のオフ時(非通電時)に閉弁状態となる常閉型の開閉弁である。ガイド部材240の内部通路244、連通孔246、弁室120および連通路121が、リーク通路58を形成する。ガイド部材240の下端開口部が弁孔102として機能する。弁体218が弁孔102に接離して弁部ひいてはリーク通路58を開閉する。
【0065】
次に、切替弁ユニット210の動作について説明する。
図7図9は、冷凍サイクルの運転状態に応じた切替弁ユニット210の動作を示す。図7は運転停止状態を示す。図8は冷房運転モードでの制御状態を示し、図9は暖房運転モードでの制御状態を示す。
【0066】
冷凍サイクルの運転停止状態では、図7に示すように、電磁弁226がオフにされ、スプリング122の付勢力により弁体218が押し上げられる。その結果、リーク通路58は遮断された状態となる。冷媒の循環がないため通路間で差圧は発生せず、第1切替弁222および第2切替弁24はともに閉弁状態となる。このとき、弁体262と弁孔50との間にも第1実施形態と同様、クリアランスシールが実現される。
【0067】
冷凍サイクルが起動されて冷房運転モードに移行すると、図8に示すように、圧縮機2が駆動されるが電磁弁226はオフとされる。それにより、高圧通路40の圧力により弁駆動体260に上方への力が作用する。その結果、弁体262が閉弁状態となり、弁体64が開弁状態となる。高圧通路40の高圧冷媒が中間通路46に導かれ、ポート10dから室外熱交換器4へ向けて導出される。
【0068】
このとき、膨張装置8を経た低圧の冷媒がポート10cから中間通路44に導入されるため、中間通路44の圧力P1が中間通路46の圧力P2よりも低くなる(P1<P2)。その結果、弁駆動体80に上方への力が作用し、弁体82が開弁状態となり、弁体84が閉弁状態となる。中間通路44に導入された冷媒は、弁孔54および低圧通路42を経てポート10bから圧縮機2へ向けて導出される。すなわち、第1冷媒循環通路12が形成される(図1(A)参照)。
【0069】
一方、暖房運転モードに移行すると、図9に示すように圧縮機2が駆動された状態で電磁弁226はオンにされる。それによりリーク通路58が開き、高圧通路40の高圧冷媒がリーク通路58を介して中間通路44に漏洩するため(一点鎖線矢印参照)、中間通路44の圧力P1が上昇する。
【0070】
その結果、差圧(P1-P2)が発生して弁駆動体260を下方に押し下げ、弁体262が開弁状態となり、弁体64が閉弁状態となる。高圧通路40に導入される冷媒は、弁孔50を介して中間通路44に導入され、ポート10cから室内熱交換器6へ向けて導出される。このとき、弁孔50を経由する通路が主通路となる。
【0071】
このとき、膨張装置8を経た低圧の冷媒がポート10dから中間通路46に導入されるため、中間通路44の圧力P1が中間通路46の圧力P2よりも高くなる(P1>P2)。その結果、弁駆動体80に下方への力が作用し、弁体82が閉弁状態となり、弁体84が開弁状態となる。中間通路46に導入された冷媒は、弁孔56および低圧通路42を経てポート10bから圧縮機2へ向けて導出される。すなわち、第2冷媒循環通路14が形成される(図1(B)参照)。
【0072】
本実施形態においても、電磁弁226によりリーク通路58を開閉することで、冷媒の循環通路を切り替えることができる。電磁弁226は冷媒の主通路を開閉するものではなく、各切替弁が第1実施形態と同様のクリアランスシール構造を有する。このため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
[変形例]
図10は、変形例に係る切替弁ユニットの構成を表す図である。
本変形例の切替弁ユニット270は、電磁弁276の弁体218をガイド部材280の上方に配設した点で第2実施形態と異なる。電磁弁276は、コア278に下方に向けて開口する比較的大きな凹部を有し、その凹部の内方に弁室120が形成されている。弁体218は、弁室120に配置される。
【0074】
ガイド部材280の内部通路244は、その上端が弁室120に開口し、下端が挿通穴264に開口する。内部通路244の上端部に弁孔102が設けられている。ガイド部材280のフランジ部242に複数の連通孔246が設けられている。連通孔246は、弁室120と中間通路44とを連通させる。連通路121、挿通穴264、内部通路244、弁室120および連通孔246が、リーク通路58を形成する。弁体218が弁室120側から弁孔102に接離することで弁部ひいてはリーク通路58を開閉する。
【0075】
本変形例では、電磁弁276がオフの状態でリーク通路58が開放され、オンされたときにリーク通路58が遮断される。電磁弁276は、ソレノイド104のオフ時に全開状態となる常開型の開閉弁である。このため、電磁弁276は冷房運転モードにおいてオンにされ、暖房運転モードにおいてオフにされる。
【0076】
本変形例によれば、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。また、シャフト116を短く構成でき、内部通路244に挿通させる必要がないため、電磁弁276を簡易な構成で実現できる。
【0077】
[第3実施形態]
図11および図12は、第3実施形態に係る切替弁ユニットの構成および動作を表す断面図である。図11は冷房運転モードでの制御状態を示し、図12は暖房運転モードでの制御状態を示す。
【0078】
図11に示すように、切替弁ユニット310は、ボディ320に第1切替弁22、第2切替弁24および電磁弁326を組み付けて構成される。本実施形態は、電磁弁326の弁体318を高圧通路40に配置した点で第1実施形態と異なる。
【0079】
ボディ320の上面に挿通孔34,36および取付孔32が設けられており、電磁弁326がボディ320の上面に取り付けられている。取付孔32は、挿通孔34に対して挿通孔36とは反対側に位置し、中間通路44と直交する。高圧通路40と中間通路44との隔壁を貫通するように連通路321が設けられ、高圧通路40と中間通路46との隔壁を貫通するように連通路322が設けられている。
【0080】
連通路321,322は、取付孔32と同軸状に設けられている。連通路321,322の内径は、弁孔50,52の内径よりも十分に小さい。本実施形態では、弁体62の有効受圧径と、弁体64の有効受圧径とが等しくされ、また弁孔50の径と弁孔52の径とが等しくされている。
【0081】
プランジャ108から延びるシャフト116の下端に弁体318が設けられている。弁体318は、その上端部と下端部がテーパ状に形成されており、上端部が連通路321に接離することにより連通路321を開閉し、下端部が連通路322に接離することにより連通路322を開閉する。連通路321および連通路322の一方が開放されているとき、他方は遮断される。連通路321および連通路322は、それぞれリーク通路58を構成する。連通路321は「第1高圧リーク通路」として機能し、連通路322は「第2高圧リーク通路」として機能する。
【0082】
冷房運転モードに移行すると、図11に示すように、圧縮機2が駆動されるが電磁弁326はオフとされる。それにより連通路322が開き、連通路321が閉じる。高圧通路40の高圧冷媒が連通路322を介して中間通路46に漏洩するため(一点鎖線矢印参照)、中間通路46の圧力P2が上昇する。その結果、差圧(P2-P1)が発生して弁駆動体60を上方へ押し上げ、弁体62が閉弁状態となり、弁体64が開弁状態となる。高圧通路40の高圧冷媒は、弁孔52を経て中間通路46に導入され、ポート10dから室外熱交換器4へ向けて導出される。この弁孔52を経由する通路が主通路となる。
【0083】
膨張装置8を経た低圧の冷媒が中間通路44に導入される。中間通路44の圧力P1が中間通路46の圧力P2よりも低いため(P1<P2)、弁駆動体80に上方への力が作用し、弁体82が開弁状態となり、弁体84が閉弁状態となる。その結果、第1冷媒循環通路12が形成される(図1(A)参照)。
【0084】
一方、暖房運転モードに移行すると、図12に示すように圧縮機2が駆動された状態で電磁弁326はオンにされる。それにより連通路321が開き、連通路322が閉じる。高圧通路40の高圧冷媒が321を介して中間通路44に漏洩するため(一点鎖線矢印参照)、中間通路44の圧力P1が上昇する。
【0085】
その結果、差圧(P1-P2)が発生して弁駆動体60を下方に押し下げ、弁体62が開弁状態となり、弁体64が閉弁状態となる。高圧通路40に導入される冷媒は、弁孔50を介して中間通路44に導入され、ポート10cから室内熱交換器6へ向けて導出される。このとき、弁孔50を経由する通路が主通路となる。
【0086】
膨張装置8を経た低圧の冷媒がポート10dから中間通路46に導入される。中間通路44の圧力P1が中間通路46の圧力P2よりも高いため(P1>P2)、弁駆動体80に下方への力が作用し、弁体82が閉弁状態となり、弁体84が開弁状態となる。その結果、第2冷媒循環通路14が形成される(図1(B)参照)。
【0087】
本実施形態においても、電磁弁326によりリーク通路58を開閉することで、冷媒の循環通路を切り替えることができる。電磁弁326は冷媒の主通路を開閉するものではなく、各切替弁が第1実施形態と同様のクリアランスシール構造を有する。このため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0088】
さらに、高圧通路40が中間通路44,46のそれぞれと高圧リーク通路を介して連通し、電磁弁326の開閉制御により、中間通路44と中間通路46との圧力の高低の切り替えを速やかに行うことができる。このため、運転モードの切り替えも迅速に行えるようになる。
【0089】
[第4実施形態]
図13および図14は、第4実施形態に係る切替弁ユニットの構成および動作を表す断面図である。図13は冷房運転モードでの制御状態を示し、図14は暖房運転モードでの制御状態を示す。
【0090】
図13に示すように、切替弁ユニット410は、ボディ420に第1切替弁22、第2切替弁24および電磁弁326を組み付けて構成される。本実施形態は、電磁弁326の弁体318を低圧通路42に配置した点で第3実施形態と異なる。
【0091】
本実施形態では、第3実施形態とは異なり、電磁弁326が低圧通路42に近い側に配置される。取付孔32は、ポート10cに近い位置にて中間通路44と直交する。低圧通路42と中間通路44との隔壁を貫通するように連通路421が設けられ、低圧通路42と中間通路46との隔壁を貫通するように連通路422が設けられている。
【0092】
連通路421,422は、取付孔32と同軸状に設けられている。連通路421,422の内径は、弁孔54,56の内径よりも十分に小さい。弁体318の上端部が連通路421に接離して連通路421を開閉し、下端部が連通路422に接離して連通路422を開閉する。連通路421および連通路422の一方が開放されているとき、他方は遮断される。連通路421および連通路422は、それぞれリーク通路58を構成する。連通路421は「第1低圧リーク通路」として機能し、連通路422は「第2低圧リーク通路」として機能する。
【0093】
冷房運転モードに移行すると、図13に示すように、圧縮機2が駆動されるとともに電磁弁326はオンにされる。それにより連通路421が開き、連通路422が閉じる。中間通路44の冷媒が連通路421を介して低圧通路42に漏洩するため(一点鎖線矢印参照)、中間通路44の圧力P1が低下する。
【0094】
その結果、差圧(P2-P1)が発生する。それにより、弁駆動体80が上方へ押し上げられ、弁体82が開弁状態となり、弁体84が閉弁状態となる。また、弁駆動体60が上方へ押し上げられ、弁体62が閉弁状態となり、弁体64が開弁状態となる。それにより高圧通路40の高圧冷媒が弁孔52を経て中間通路46に導入される。
【0095】
中間通路46に導入された高圧冷媒は、ポート10dから室外熱交換器4へ向けて導出される。一方、膨張装置8を経た低圧の冷媒が中間通路44に導入される。この冷媒は、弁孔54および低圧通路42を経てポート10bから導出される。すなわち、第1冷媒循環通路12が形成される(図1(A)参照)。このとき、弁孔54を経由する通路が主通路となる。
【0096】
一方、暖房運転モードに移行すると、図14に示すように圧縮機2が駆動された状態で電磁弁326はオフにされる。それにより連通路421が閉じ、連通路422が開く。中間通路46の冷媒が連通路422を介して低圧通路42に漏洩するため(一点鎖線矢印参照)、中間通路46の圧力P2が低下する。
【0097】
その結果、差圧(P1-P2)が発生する。それにより、弁駆動体80が下方へ押し下げられ、弁体82が閉弁状態となり、弁体84が開弁状態となる。また、弁駆動体60が下方に押し下げられ、弁体62が開弁状態となり、弁体64が閉弁状態となる。それにより高圧通路40の高圧冷媒が弁孔50を経て中間通路44に導入される。
【0098】
中間通路44に導入された高圧冷媒は、ポート10cから室内熱交換器6へ向けて導出される。一方、膨張装置8を経た低圧の冷媒がポート10dから中間通路46に導入される。この冷媒は、弁孔56および低圧通路42を経てポート10bから導出される。すなわち、第2冷媒循環通路14が形成される(図1(B)参照)。このとき、弁孔56を経由する通路が主通路となる。
【0099】
本実施形態では、電磁弁326によりリーク通路58を開閉することで、冷媒の循環通路を切り替えることができる。電磁弁326は冷媒の主通路を開閉するものではなく、各切替弁が第1実施形態と同様のクリアランスシール構造を有する。このため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、低圧通路42が中間通路44,46のそれぞれと低圧リーク通路を介して連通し、電磁弁326の開閉制御により、中間通路44と中間通路46との圧力の高低の切り替えを速やかに行える。このため、運転モードの切り替えも迅速に行えるようになる。
【0100】
[第5実施形態]
図15および図16は、第5実施形態に係る切替弁ユニットの構成および動作を表す断面図である。図15は冷房運転モードでの制御状態を示し、図16は暖房運転モードでの制御状態を示す。
【0101】
図15に示すように、切替弁ユニット510は、ボディ520に第1切替弁22、第2切替弁24および電磁弁526を組み付けて構成される。本実施形態は、電磁弁526の弁体318を中間通路44に配置した点で第4実施形態と異なる。
【0102】
電磁弁526は、弁体318が中間通路44に配置されるためシャフト116が短い点を除き、第4実施形態の電磁弁326と同様の構成を有する。ボディ520において、低圧通路42と中間通路44との隔壁を貫通するように連通路521が設けられている。連通路521は、リーク通路58(低圧リーク通路)を構成する。
【0103】
冷房運転モードに移行すると、図15に示すように、圧縮機2が駆動されるが電磁弁526はオフにされる。それにより連通路521が開く。中間通路44の冷媒が連通路521を介して低圧通路42に漏洩するため(一点鎖線矢印参照)、中間通路44の圧力P2が低下する。その結果、差圧(P2-P1)が発生する。それにより、弁駆動体60,80がともに上方へ押し上げられ、第4実施形態と同様に第1冷媒循環通路12が形成される(図1(A)参照)。
【0104】
一方、暖房運転モードに移行すると、図16に示すように圧縮機2が駆動されるとともに電磁弁526がオンにされる。それにより連通路521が閉じる。そのため、中間通路44から低圧通路42への冷媒の流れは生じないが、圧縮機2の駆動により低圧通路42の圧力が低下する(負圧となる)。
【0105】
本実施形態では、図示のように弁体82の有効受圧径C(弁孔54の径に等しい)が弁体84の有効受圧径D(弁孔56の径に等しい)よりも大きく設定されている。このため、このときその負圧により弁駆動体80が下方に押し下げられ、弁体82が閉弁状態となり、弁体84が開弁状態となる。それにより中間通路46の圧力P2が低下して差圧(P1-P2)が発生し、弁駆動体60が下方に押し下げられる。高圧通路40の高圧冷媒が弁孔50を経て中間通路44に導入される。
【0106】
中間通路44に導入された高圧冷媒は、ポート10cから室内熱交換器6へ向けて導出される。一方、膨張装置8を経た低圧の冷媒がポート10dから中間通路46に導入される。この冷媒は、弁孔56および低圧通路42を経てポート10bから導出される。すなわち、第2冷媒循環通路14が形成される(図1(B)参照)。
【0107】
本実施形態においても、電磁弁526によりリーク通路58を開閉することで、冷媒の循環通路を切り替えることができる。電磁弁526は冷媒の主通路を開閉するものではなく、各切替弁が第1実施形態と同様のクリアランスシール構造を有する。このため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、低圧通路42が中間通路44と低圧リーク通路を介して連通し、電磁弁526の開閉制御により低圧リーク通路を開閉することで、中間通路44と中間通路46との圧力の高低の切り替えを速やかに行える。このため、運転モードの切り替えも迅速に行えるようになる。
【0108】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその特定実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【0109】
[変形例]
上記実施形態では、リーク通路(高圧リーク通路、低圧リーク通路)を開閉する制御弁として電磁弁を例示したが、モータ駆動の電動弁としてもよい。すなわち、電磁弁や電動弁などの電気駆動弁としてよい。
【0110】
上記実施形態では、図4および図5に示したように、冷房運転時に電磁弁26(電気駆動弁)をオンにして閉弁状態とし、暖房運転時に電磁弁26をオフにして開弁状態とする構成を例示した。変形例においては、冷房運転時に電磁弁26をオフにして開弁状態とし、暖房運転のときに電磁弁26をオンにして閉弁状態とする構成を採用してもよい。その場合、例えば図中のポート10cを室外熱交換器4に接続し、ポート10dを室内熱交換器6に接続すればよい。
【0111】
上記実施形態では、切替弁ユニット10を車両用の空調装置1に適用する例を示したが、住宅設備その他の空調装置にも適用できる。
【0112】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0113】
1 空調装置、2 圧縮機、4 室外熱交換器、6 室内熱交換器、8 膨張装置、10 切替弁ユニット、10a ポート、10b ポート、10c ポート、10d ポート、12 第1冷媒循環通路、14 第2冷媒循環通路、20 ボディ、22 第1切替弁、24 第2切替弁、26 電磁弁、32 取付孔、34 挿通孔、36 挿通孔、40 高圧通路、42 低圧通路、44 中間通路、46 中間通路、50 弁孔、52 弁孔、54 弁孔、56 弁孔、58 リーク通路、60 弁駆動体、62 弁体、64 弁体、70 閉止部材、74 スプリング、76 スプリング、80 弁駆動体、82 弁体、84 弁体、92 閉止部材、96 スプリング、98 スプリング、102 弁孔、104 ソレノイド、106 コア、108 プランジャ、110 電磁コイル、116 シャフト、118 弁体、120 弁室、121 連通路、122 スプリング、150 切替弁ユニット、152 スリーブ、154 スリーブ、156 スリーブ、210 切替弁ユニット、218 弁体、220 ボディ、222 第1切替弁、226 電磁弁、240 ガイド部材、242 フランジ部、244 内部通路、246 連通孔、260 弁駆動体、262 弁体、264 挿通穴、270 切替弁ユニット、276 電磁弁、278 コア、280 ガイド部材、310 切替弁ユニット、318 弁体、320 ボディ、321 連通路、322 連通路、326 電磁弁、410 切替弁ユニット、420 ボディ、421 連通路、422 連通路、510 切替弁ユニット、520 ボディ、521 連通路、526 電磁弁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
図12
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図16