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特開2024-68945情報処理装置、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068945
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240514BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179643
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神崎 亜実
(72)【発明者】
【氏名】山崎 尚人
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA07
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】すべての受注生産品に対応したワークフローを予め作成しておくことなく、受注生産品の製造を行う。
【解決手段】工程管理装置10は、顧客によって仕様が異なる印刷物の製造工程を表すワークフローのうち、予め登録されたワークフローのテンプレートを用いて、新たに受注した印刷物のワークフローを担当者に作成させるテンプレート使用モードと、テンプレートを用いることなく、新たに受注した印刷物のワークフローを担当者に作成させるテンプレート未使用モードとを、担当者の指示に従って切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
顧客によって仕様が異なる受注生産品の製造工程を表すワークフローのうち、予め登録されたワークフローのひな型を用いて、新たに受注した受注生産品のワークフローを担当者に作成させる第1作成モードと、前記ひな型を用いることなく、前記新たに受注した受注生産品のワークフローを前記担当者に作成させる第2作成モードとを、前記担当者の指示に従って切り替える
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第2作成モードによって作成した前記新たに受注した受注生産品のワークフローを前記ひな型として登録するか否かを前記担当者に選択させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記担当者が受注生産品の今後の受注状況を予測して事前に作成したワークフローを前記ひな型として事前に登録しておく登録作業を行っている場合、作成されたワークフローを前記ひな型として登録しないようにする選択肢を前記担当者が選択できないように制限する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第2作成モードによって作成した前記新たに受注した受注生産品のワークフローを前記ひな型として登録しないようにする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第2作成モードにおいて、前記新たに受注した受注生産品の構成との類似度が予め定めた値以上となる構成を有する受注生産品を検索し、
検索した受注生産品のワークフローを、前記新たに受注した受注生産品のワークフローを作成する場合に参考となる参考ワークフローとして表示装置に表示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、同じワークフローを表す複数の前記参考ワークフローが存在する場合、同じワークフローを表す前記複数の参考ワークフローのうち、作成日時が新しい参考ワークフローのみを前記表示装置に表示する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、担当者が参考ワークフローを修正することで作成されたワークフローを、前記新たに受注した受注生産品のワークフローとして適用する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
顧客によって仕様が異なる受注生産品の製造工程を表すワークフローのうち、予め登録されたワークフローのひな型を用いて、新たに受注した受注生産品のワークフローを担当者に作成させる第1作成モードと、前記ひな型を用いることなく、前記新たに受注した受注生産品のワークフローを前記担当者に作成させる第2作成モードとを、前記担当者の指示に従って切り替える処理を実行させるための
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、刷版又は用紙に少なくとも1つのページ及びマークを配置して面付テンプレートを作成する面付装置であって、サイズ情報に応じて変化する可変情報を含むマーク位置情報を登録するマーク位置情報登録手段と、前記サイズ情報を入力するサイズ情報入力手段と、前記入力されたサイズ情報を前記マーク位置情報が含む可変情報に反映させて前記マークの位置を算出するマーク位置算出手段と、前記算出されたマークの位置に基づいて前記面付テンプレートを作成する面付テンプレート作成手段と、を具備する面付装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、印刷業務を行うためのワークフローの作成を支援するワークフロー作成支援装置であって、ジョブの内容を特定する複数のパラメータに関する情報を含んだジョブ情報を取得するジョブ情報取得部と、予め登録されている複数のテンプレートの中から、前記ジョブ情報取得部により取得した前記複数のパラメータに関する情報のうち少なくとも一部のパラメータの情報を利用して、選択候補となるテンプレートの絞り込み処理を行う絞り込み処理部と、前記絞り込み処理部によって絞り込まれたテンプレートの情報を選択候補として表示させ、かつ前記選択候補の中から一つのテンプレートをユーザに選択させる選択操作を受け付けるための選択画面の表示に用いられる選択画面データを作成する選択画面データ作成部と、前記選択操作により選択された前記一つのテンプレートの情報及び前記複数のパラメータに関する情報に基づいて、ジョブ定義ファイルを作成するジョブ定義ファイル作成部と、を備え、前記ジョブ情報取得部は、外部システムによって作成された作業指示書の電子ファイルを取り込み、前記作業指示書の電子ファイルから前記ジョブ情報を取得する処理を行うファイル処理部を含んで構成されるワークフロー作成支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-268575号公報
【特許文献2】特許第6368690号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば印刷物のように、顧客毎に仕様の異なる受注生産品を製造する場合、受注生産品毎に製造工程も異なる。したがって、受注生産品の製造現場では、予め受注生産品の製造工程を表すワークフローを作成しておき、注文毎に受注生産品の構成にあったワークフローを選択して受注生産品の製造を行っている。
【0006】
しかしながら、こうした受注生産品の製造を行うためには、予め各々の仕様に対応したワークフローを作成しておかなければならないうえ、作成したワークフローの中には1度しか使用されないものも含まれる。したがって、必ずしもワークフローの作成に要する手間に見合った生産効率が得られるとは限られない。
【0007】
本開示は、すべての受注生産品に対応したワークフローを予め作成しておくことなく、受注生産品の製造を行うことができる情報処理装置、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを含み、前記プロセッサは、顧客によって仕様が異なる受注生産品の製造工程を表すワークフローのうち、予め登録されたワークフローのひな型を用いて、新たに受注した受注生産品のワークフローを担当者に作成させる第1作成モードと、前記ひな型を用いることなく、前記新たに受注した受注生産品のワークフローを前記担当者に作成させる第2作成モードとを、前記担当者の指示に従って切り替える。
【0009】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第2作成モードによって作成した前記新たに受注した受注生産品のワークフローを前記ひな型として登録するか否かを前記担当者に選択させる。
【0010】
第3態様に係る情報処理装置は、第1態様又は第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記担当者が受注生産品の今後の受注状況を予測して事前に作成したワークフローを前記ひな型として事前に登録しておく登録作業を行っている場合、作成されたワークフローを前記ひな型として登録しないようにする選択肢を前記担当者が選択できないように制限する。
【0011】
第4態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第2作成モードによって作成した前記新たに受注した受注生産品のワークフローを前記ひな型として登録しないようにする。
【0012】
第5態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第2作成モードにおいて、前記新たに受注した受注生産品の構成との類似度が予め定めた値以上となる構成を有する受注生産品を検索し、検索した受注生産品のワークフローを、前記新たに受注した受注生産品のワークフローを作成する場合に参考となる参考ワークフローとして表示装置に表示する。
【0013】
第6態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、同じワークフローを表す複数の前記参考ワークフローが存在する場合、同じワークフローを表す前記複数の参考ワークフローのうち、作成日時が新しい参考ワークフローのみを前記表示装置に表示する。
【0014】
第7態様に係る情報処理装置は、第6態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、担当者が参考ワークフローを修正することで作成されたワークフローを、前記新たに受注した受注生産品のワークフローとして適用する。
【0015】
第8態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、顧客によって仕様が異なる受注生産品の製造工程を表すワークフローのうち、予め登録されたワークフローのひな型を用いて、新たに受注した受注生産品のワークフローを担当者に作成させる第1作成モードと、前記ひな型を用いることなく、前記新たに受注した受注生産品のワークフローを前記担当者に作成させる第2作成モードとを、前記担当者の指示に従って切り替える処理を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
第1態様、及び第8態様によれば、すべての受注生産品に対応したワークフローを予め作成しておくことなく、受注生産品の製造を行うことができる、という効果を有する。
【0017】
第2態様によれば、繰り返し使用しないワークフローをひな型として管理しないようにすることができる、という効果を有する。
【0018】
第3態様によれば、登録作業において、作成したワークフローをひな型として登録し忘れないようにすることができる、という効果を有する。
【0019】
第4態様によれば、作成したすべてのワークフローをひな型として登録する場合と比較して、ひな型の管理が容易になる、という効果を有する。
【0020】
第5態様によれば、新たに受注した受注生産品に対するワークフローのひな型が登録されていない場合であっても、新たに受注した受注生産品の構成に類似した他の受注生産品のワークフローを利用することができる、という効果を有する。
【0021】
第6態様によれば、同じワークフローを表す複数の参考ワークフローを表示装置に表示する場合と比較して、複数の参考ワークフローの中から所望の参考ワークフローが選択しやすくなる、という効果を有する。
【0022】
第7態様によれば、最初からワークフローを作成する場合と比較して、ワークフローの作成に要する時間を短縮することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】工程管理システムの構成例を示す図である。
図2】工程管理装置における電気系統の要部構成例を示す図である。
図3】受注情報作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】受注作成画面の一例を示す図である。
図5】確認ダイアログの一例を示す図である。
図6】テンプレート適用処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】テンプレート使用モード用の受注作成画面の一例を示す図である。
図8】支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】支援処理における受注作成画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素及び同じ処理には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を省略する。
【0025】
<第1実施形態>
図1は、顧客が操作する顧客端末6から製品の注文を受け付け、受け付けた注文に対応する製品の製造工程を管理する工程管理システム1の構成例を示す図である。
【0026】
工程管理システム1が顧客端末6から受け付ける製品の注文は、受注生産品の注文である。受注生産品とは、顧客が指定した仕様に沿って製造される製品である。すなわち、受注生産品は、顧客によって仕様が異なる製品である。
【0027】
例えば自動車は顧客が車体の色や装備品を自由に選べることから受注生産品の一例である。また、例えば部品の製造に用いる金型も顧客が所望する部品形状に応じて製造されることから受注生産品の一例である。また、本、冊子、及びチラシといった印刷物も、顧客に応じて使用する紙質、大きさ、色指定の内容、ページ数、製本方法、部数、及び加工処理等が異なることから受注生産品の一例である。
【0028】
工程管理システム1は、上記のような受注生産品全般における製造工程の管理、及び受注生産品の製造を行うが、以降では、顧客端末6から印刷物の注文を受け付け、注文された印刷物を製造する例を通じて工程管理システム1の説明を行う。
【0029】
工程管理システム1は、例えば顧客から注文を受けた印刷物を製造する印刷工場に導入される。図1に示すように、工程管理システム1は、印刷機2、加工機4、顧客端末6、及び工程管理装置10を含む。
【0030】
印刷機2は、指示された文字や画像を用紙等の記録媒体に印刷する機器である。印刷機2の印刷方式に制約はなく、例えばオフセット印刷やデジタル印刷といった何れの印刷方式が用いられてもよい。
【0031】
加工機4は、印刷機2によって印刷された記録媒体の折りや製本といった後処理を行う機器である。加工機4で実施される加工の種類にも制約はなく、加工機4では、顧客に提供する印刷サービスで用いられる加工内容に対応した加工が行われる。
【0032】
顧客端末6は、印刷物の注文を行う顧客が操作する端末であり、例えば顧客の名前や顧客ID、及び住所といった顧客に関する情報である顧客情報のほか、例えば印刷物の部数や使用する用紙の指定といった注文する印刷物の仕様が顧客によって入力される。
【0033】
工程管理装置10は、顧客端末6から受け付けた注文内容に従った印刷物を製造するように印刷機2及び加工機4を稼働させ、印刷物の製造工程を管理する。そのために、印刷工場の担当者(以降、単に「担当者」という)は、顧客端末6から受け付けた注文内容に基づいて印刷物の構成情報及びワークフローを作成し、工程管理装置10に保存する。工程管理装置10が印刷物毎に作成された構成情報及びワークフローに従って印刷機2及び加工機4を稼働させることで、注文された印刷物の製造が行われる。
【0034】
印刷物の構成情報とは、印刷物を構成する部品を定義した情報である。例えば印刷物が本であれば、本は大きく分けて表紙と本文とで構成されているが、こうした表紙及び本文のように、それぞれ別々に製造可能な印刷物の構成単位を印刷物の部品という。
【0035】
また、ワークフローとは、印刷物の製造工程の流れを部品単位に分解して表した情報である。例えば印刷物が本であれば、上記に示したように表紙と本文で構成されることから、表紙と本文毎に例えばどのような印刷機2と加工機4をどのような順番でいつ使用するのかといったスケジュールがワークフローとして設定される。また、製造された表紙と本文を組みあわせる製本のスケジュールや、製本が終わった本の発送のスケジュールもワークフローとして設定される。
【0036】
このように印刷物の製造工程を管理する工程管理装置10は、受付部12、制御部14、及びUI(User Interface)部16の各機能部と、受注情報DB(Database)18、入力ユニット28、及び表示ユニット29を含む。
【0037】
受付部12は、顧客端末6から印刷物の注文を受け付け、注文毎に注文IDの対応付けを行った注文内容を受注情報DB18に記憶すると共に、印刷物の注文があったことを制御部14に通知する。
【0038】
制御部14は、受注した印刷物の構成情報及びワークフローを担当者に作成させる受注作成画面30(図4参照:詳細は後述)を表示ユニット29に表示させるようにUI部16を制御する。また、制御部14は、担当者が入力ユニット28を用いて受注作成画面30を通じて入力した印刷物の構成情報及びワークフローをUI部16から取得し、注文された印刷物毎に、注文内容と、取得した印刷物の構成情報及びワークフローとを対応付けて受注情報DB18に記憶する。その上で、制御部14は、注文された印刷物毎に、印刷物の構成情報及びワークフローに従って印刷機2及び加工機4を稼働させ、印刷物の製造工程を管理するための制御を行う。
【0039】
UI部16は、制御部14の指示に従って、受注作成画面30を含む各種画面を表示ユニット29に表示すると共に、表示ユニット29に表示された画面に対して担当者が入力ユニット28を通じて入力した情報を制御部14に通知する。すなわち、UI部16は、担当者と工程管理装置10のインターフェースとして機能する。
【0040】
入力ユニット28は、担当者からの指示を受け付けてUI部16に通知する装置であり、例えばボタン、タッチパネル、キーボード、ポインティングデバイス、及びマウス等が用いられる。
【0041】
表示ユニット29は、UI部16によって指示された画面を表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイ、及び有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。
【0042】
受注情報DB18は、注文された印刷物毎に、注文内容、印刷物の構成情報、及びワークフローを対応付けて記憶する。本開示の工程管理装置10は受注情報DB18を含んでいるが、工程管理装置10は必ずしも受注情報DB18を含む必要はなく、例えば通信回線3又は通信回線5に接続された外部装置(図示省略)に受注情報DB18を設けてもよい。
【0043】
工程管理システム1における工程管理装置10は、例えばコンピュータ20を用いて構成される。
【0044】
図2は、コンピュータ20を用いた工程管理装置10における電気系統の要部構成例を示す図である。
【0045】
コンピュータ20は、図1に示した各機能部の処理を担うプロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)21、コンピュータ20の起動処理を行う起動プログラム(Basic Input Output System:BIOS)を記憶するROM22、CPU21の一時的な作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)23、不揮発性メモリ24、及び入出力インターフェース(I/O)25を備える。CPU21、ROM22、RAM23、不揮発性メモリ24、及びI/O25はバス26を介して各々接続されている。
【0046】
不揮発性メモリ24は、不揮発性メモリ24に供給される電力が遮断されても記憶した情報が維持される記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクを用いてもよい。不揮発性メモリ24には、例えば通信回線5を通じて工程管理装置10と接続される印刷機2及び加工機4の接続先情報(例えばIPアドレス)といったパラメータが記憶される。また、一例として、不揮発性メモリ24には受注情報DB18が構築される。なお、不揮発性メモリ24は、必ずしもコンピュータ20に内蔵されている必要はなく、例えばメモリカードのようにコンピュータ20に着脱される記憶装置であってもよい。
【0047】
一方、I/O25には、例えば通信ユニット27、入力ユニット28、及び表示ユニット29が接続される。
【0048】
通信ユニット27は通信回線3及び通信回線5に接続され、印刷機2、加工機4、及び顧客端末6といった通信回線3又は通信回線5に接続されている各種装置とデータ通信を行う通信プロトコルを備える。
【0049】
次に、工程管理装置10の作用について説明する。図3は、顧客から注文された印刷物の構成情報及びワークフローを作成する作成指示を担当者から受け付けた場合に、CPU21によって実行される受注情報作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。受注情報作成処理を規定する情報処理プログラムは、例えば、工程管理装置10の不揮発性メモリ24に予め記憶されている。工程管理装置10のCPU21は、不揮発性メモリ24に記憶される情報処理プログラムを読み込み、受注情報作成処理を実行する。
【0050】
なお、本開示の例において、担当者の作成指示によって構成情報やワークフローの作成対象となっている印刷物は、新たに受注した受注生産品の一例である。
【0051】
ステップS10において、CPU21は、表示ユニット29を制御して、表示ユニット29に受注作成画面30を表示する。
【0052】
図4は、受注作成画面30の一例を示す図である。受注作成画面30において、顧客情報登録領域34には、不揮発性メモリ24に記憶されている注文内容に基づいて、印刷物の注文を行った顧客の顧客情報が設定される。CPU21は、担当者による顧客情報登録領域34に表示された顧客情報の編集を受け付ける。
【0053】
受注作成画面30において、構成情報編集領域32は印刷物の構成情報を作成する領域である。注文に応じた部品を印刷物の構成情報に追加するには、担当者が選択ボタン31のうち、部品追加ボタン31Aを選択する。部品追加ボタン31Aの選択によって、構成情報編集領域32に新規の部品が追加されるため、担当者が印刷物の仕様に応じて部品の名称を設定する。
【0054】
そのうえで、担当者は、各々の部品に対して、部品を製造するための作業内容(以降、「プロセス」という)を設定する。例えば印刷、加工、及び発送といった作業内容はプロセスの一例である。プロセスを部品に設定するには、担当者が選択ボタン31のうち、プロセス追加ボタン31Bを選択する。プロセス追加ボタン31Bの選択によって、指定した部品に対して新規のプロセスが追加されるため、担当者が印刷物の仕様に応じて実施するプロセスを指定する。
【0055】
なお、構成情報編集領域32に表示される部品やプロセスを削除するには、担当者が削除したい部品やプロセスを選択した状態で削除ボタン31Cを選択すればよい。
【0056】
このようにして印刷物の構成情報が設定されると、ワークフロー編集領域33には、印刷物の構成情報に含まれる部品の名称が受注作成画面30の上下方向に沿って一覧表示される。また、ワークフロー編集領域33には、一覧表示された部品毎に、構成情報編集領域32において部品に設定されたそれぞれのプロセスに対応したアイコン38が表示される。担当者は、ワークフロー編集領域33において、各々のプロセスに対応したアイコン38の位置を並べ替えることでアイコン38の並び順を編集し、アイコン38を線39で接続することで、印刷物の注文の受付から発送までのワークフローを設定する。すなわち、印刷物のワークフローは、線39に沿ったアイコン38の並び順によって表される。
【0057】
設定した印刷物の構成情報及びワークフローは、担当者がOKボタン36を選択した場合に受注情報DB18に記憶される。一方、担当者がキャンセルボタン37を選択した場合には、設定した印刷物の構成情報及びワークフローは受注情報DB18に記憶されることなく、受注作成画面30が閉じられる。
【0058】
なお、受注作成画面30には、モード選択チェックボックス35が表示される。担当者がモード選択チェックボックス35を選択した場合、予め工程管理装置10の受注情報DB18に登録されているワークフローのテンプレートを用いて、担当者に印刷物のワークフローを作成させるテンプレート使用モードが選択される。一方、担当者がモード選択チェックボックス35を選択しない場合、テンプレートを用いることなく、担当者に印刷物のワークフローを作成させるテンプレート未使用モードが選択される。
【0059】
ワークフローのテンプレートとは、印刷物の注文を受け付ける前から担当者によって予め用意されていたワークフローのひな形のことである。すなわち、ワークフローのテンプレートとは、今後受注すると思われる印刷物の注文に備えて担当者が予め作成しておいたワークフローのことである。テンプレート使用モードは、テンプレートを用いて担当者に印刷物のワークフローを作成させる第1作成モードの一例であり、テンプレート未使用モードは、テンプレートを用いることなく担当者に印刷物のワークフローを作成させる第2作成モードの一例である。
【0060】
図4に示す受注作成画面30は、テンプレート未使用モードが選択されている場合の画面例である。テンプレート未使用モードではテンプレートを使用しないため、顧客から印刷物の注文を受け付ける毎に、担当者がワークフロー編集領域33において印刷物のワークフローを最初から作成する。
【0061】
図3のステップS20において、CPU21は、受注作成画面30におけるモード選択チェックボックス35の選択状態を参照して、テンプレート使用モードが選択されているか否かを判定する。テンプレート使用モードが選択されていない場合には、以降の処理をテンプレート未使用モードに切り替えてステップS30に移行する。一方、テンプレート使用モードが選択されている場合には、以降の処理をテンプレート使用モードに切り替えてステップS90に移行する。
【0062】
まずは、ステップS20の判定処理でテンプレート使用モードが選択されていないと判定された場合の処理について説明する。この場合、ステップS30において、CPU21は、構成情報編集領域32及びワークフロー編集領域33において、それぞれ担当者による構成情報及びワークフローの入力を受け付ける。これにより、印刷物の構成情報とワークフローが作成される。
【0063】
ステップS40において、CPU21は、受注作成画面30のOKボタン36が選択されたか否かを判定する。OKボタン36が選択されていない場合にはステップS30に移行し、引き続き担当者による構成情報及びワークフローの入力を受け付ける。一方、OKボタン36が選択された場合にはステップS50に移行する。
【0064】
ステップS50において、CPU21は、表示ユニット29を制御して、表示ユニット29に確認ダイアログ40を表示する。
【0065】
図5は確認ダイアログ40の一例を示す図である。確認ダイアログ40は、担当者がワークフロー編集領域33において作成したワークフローを、テンプレートとして受注情報DB18に登録するか否かを担当者に選択させるためのダイアログである。
【0066】
図5に示すように、確認ダイアログ40には登録チェックボックス41が含まれる。担当者が登録チェックボックス41を選択し、かつ、「はい」ボタン42を選択すると、担当者がワークフロー編集領域33において作成したワークフローをテンプレートとして受注情報DB18に登録する。一方、担当者が登録チェックボックス41を選択せずに「いいえ」ボタン43を選択すると、担当者がワークフロー編集領域33において作成したワークフローをテンプレートとして受注情報DB18に登録しないようにする。
【0067】
そのため、図3のステップS60において、CPU21は、確認ダイアログ40における登録チェックボックス41、及び「はい」ボタン42が共に選択されているか否か、すなわち、担当者からテンプレート登録指示を受け付けたか否かを判定する。このように、担当者がテンプレート登録指示を行う場合には、確認ダイアログ40に対して2つの操作を求めることで、1つの操作のみによってテンプレート登録指示を行う場合よりも担当者の入力ミスを減少させている。すなわち、テンプレートの登録に2つの操作を有する確認ダイアログ40を用いることによって、1つの操作によってテンプレートの登録が行われる操作方法よりも、テンプレートとして登録する意思のないワークフローが、担当者の操作ミスによってテンプレートとして登録されてしまう状況が減少する。
【0068】
テンプレート登録指示を受け付けた場合にはステップS70に移行する。ステップS70において、CPU21は、担当者がワークフロー編集領域33において作成したワークフローをテンプレートとして受注情報DB18に登録し、ステップS80に移行する。
【0069】
なお、CPU21は、ワークフローをテンプレートとして受注情報DB18に登録することによって、登録されているテンプレートの数が予め定めた上限値を超える場合、テンプレートの数が上限に達したことを担当者に通知する警告メッセージを表示してもよい。警告メッセージを確認した担当者は、登録しようとしているワークフローがテンプレートとして利用される汎用性のあるワークフローであるか再考することから、警告メッセージを表示しない場合と比較して、登録されるテンプレートの数を低減する効果が得られる。また、CPU21は、上限値を超えるテンプレートの登録を許可しないようにしてもよい。この場合、担当者によって受注情報DB18に登録されているテンプレートが削除されると、上限値に達するまで新たなテンプレートの登録が許可される。
【0070】
一方、ステップS60の判定処理でテンプレート登録指示を受け付けていないと判定された場合、ステップS70の処理を実行することなくステップS80に移行する。
【0071】
ステップS80において、CPU21は、印刷物の構成情報及びワークフローと、顧客情報登録領域34に設定された顧客情報と、印刷物の注文内容とを対応付けた受注情報を生成し、受注情報DB18に記憶する。なお、受注情報には、注文を受けた印刷物を一意に識別する製品IDと印刷物の名称である製品名が付加される。以上により、図3に示した受注情報作成処理を終了する。
【0072】
なお、CPU21は、担当者が確認ダイアログ40における登録チェックボックス41を選択したうえで「いいえ」ボタン43を選択した場合や、登録チェックボックス41を選択せずに「はい」ボタン42を選択した場合は、担当者に再選択を求めるダイアログを表示してもよい。
【0073】
次に、ステップS20の判定処理でテンプレート使用モードが選択されたと判定された場合の処理について説明する。
【0074】
この場合、遷移先のステップS90において、CPU21は、テンプレート適用処理を実行し、ステップS80に移行する。
【0075】
図6は、図3のステップS90におけるテンプレート適用処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0076】
図6のステップS92において、CPU21は、図4に示した受注作成画面30をテンプレート使用モード用の受注作成画面30Aに変更する。
【0077】
図7は、テンプレート使用モード用の受注作成画面30Aの一例を示す図である。受注作成画面30Aは、図4に示したテンプレート未使用モード用の受注作成画面30と見た目上の相違点はない。しかしながら、受注作成画面30Aではテンプレートを印刷物のワークフローとして使用するため、受注作成画面30Aのワークフロー編集領域33は、担当者によるワークフローの入力及び編集が行えないように設定されている。
【0078】
ステップS94において、CPU21は、構成情報編集領域32において、担当者による構成情報の入力を受け付ける。これにより、印刷物の構成情報が作成される。
【0079】
ステップS96において、CPU21は、受注情報DB18に登録されている各々のテンプレートを表示ユニット29に表示して、入力した構成情報にあったテンプレートを担当者に選択させる。これにより、構成情報編集領域32に入力された印刷物の構成情報に対してワークフローが対応付けられる。
【0080】
ステップS98において、CPU21は、受注作成画面30AのOKボタン36が選択されたか否かを判定する。OKボタン36が選択されていない場合にはステップS94に移行し、引き続き担当者による構成情報の入力を受け付ける。一方、OKボタン36が選択された場合には、図6に示すテンプレート適用処理を終了して、図3のステップS80に移行する。既に説明したように、図3のステップS80では印刷物の構成情報及びワークフローと、顧客情報登録領域34に設定された顧客情報と、印刷物の注文内容とを対応付けた受注情報が生成され、受注情報DB18に記憶される。以上により、図3に示した受注情報作成処理を終了する。
【0081】
このように本開示の工程管理装置10によれば、受注情報作成処理において、担当者によってテンプレート未使用モードが選択されると、作成した印刷物のワークフローをテンプレートとして登録するか否かを担当者に選択させる。したがって、受注作成画面30で作成したすべてのワークフローをテンプレートとして登録しなくてもよい。
【0082】
なお、図3に示した受注情報作成処理ではテンプレート未使用モードによって作成した印刷物の構成情報及びワークフローを受注情報DB18に記憶するためにOKボタン36が選択されると、表示ユニット29に確認ダイアログ40が表示され、作成した印刷物のワークフローをテンプレートとして受注情報DB18に登録するか否かを担当者に選択させた。しかしながら、作成したワークフローをテンプレートとして登録した方がよいか否かは、今後の受注状況を予測しながら、既存のテンプレートとの兼ね合いを考慮して決定することになる。受注情報作成処理では受注情報の作成のみを行い、テンプレートの登録は別の作業として行った方が、注文を迅速に、かつ、効率よく処理しなければならない状況においては都合がよい。
【0083】
したがって、工程管理装置10は、テンプレート未使用モードによって作成した印刷物の構成情報及びワークフローを受注情報DB18に記憶するためにOKボタン36が選択されても、表示ユニット29に確認ダイアログ40を表示しないようにしてもよい。この場合、テンプレート未使用モードによって作成された印刷物のワークフローはテンプレートとして受注情報DB18に登録されることはない。
【0084】
一方、テンプレートの登録作業を受注情報作成処理とは別の作業として行う場合、テンプレートの登録作業において、管理者は今後の印刷物の受注状況を予測して、実際の注文とは関連がない印刷物のワークフローを事前に作成することになる。こうしたテンプレートの登録作業では、作成したワークフローをテンプレートとして受注情報DB18に登録することが目的である。したがって、工程管理装置10は、担当者が登録作業を行う登録画面(図示省略)では、担当者が作成したワークフローをテンプレートとして受注情報DB18に登録しないようにする選択肢を、担当者が選択できないように制限することが好ましい。
【0085】
具体的には、登録画面は、図4に示した受注作成画面30から顧客情報登録領域34とモード選択チェックボックス35を取り除いたテンプレート未使用モード用の画面に相当する。工程管理装置10は、担当者が登録画面に設けられたOKボタン36を選択した場合、図5に示したような確認ダイアログ40を表示することなく、担当者が作成したワークフローをテンプレートとして受注情報DB18に登録する。
【0086】
なお、管理者が今後の印刷物の受注状況を予測して事前に作成した、実際の注文とは関連がない印刷物のワークフローは、特定の受注生産品に関連付けられていないワークフローの一例である。
【0087】
<第2実施形態>
第1実施形態に係る工程管理装置10は、図3に示した受注情報作成処理においてテンプレート未使用モードが選択された場合、担当者がワークフロー編集領域33において印刷物のワークフローを最初から作成した。しかしながら、担当者がワークフロー作成経験の少ない担当者であった場合、ワークフローを最初から作成すると時間がかかってしまうため、何か参考になるワークフローを参照しながらワークフローを作成したいと思うことがある。
【0088】
したがって、第2実施形態に係る工程管理装置10は、新たに注文を受け付けた印刷物のワークフローをテンプレート未使用モードによって作成する場合に、参考となる参考ワークフローを表示ユニット29に表示して担当者によるワークフローの作成を支援する。
【0089】
なお、第2実施形態に係る工程管理装置10の機能構成は、図1に示した第1実施形態に係る工程管理装置10の機能構成例と同じである。また、第2実施形態に係る工程管理装置10の電気系統の要部構成は、図2に示した第1実施形態に係る工程管理装置10の電気系統の要部構成例と同じである。
【0090】
以降、第2実施形態に係る工程管理装置10の作用について説明する。工程管理装置10は、顧客から注文された印刷物の構成情報やワークフローを作成する作成指示を担当者から受け付けた場合、図3に示した受注情報作成処理を実行する。ただし、図3に示した受注情報作成処理におけるステップS30を図8に示した支援処理に置き換えて受注情報作成処理を実行する。
【0091】
図8は、図3に示した第1実施形態に係る受注情報作成処理においてテンプレート未使用モードが選択された場合に、図3のステップS30の処理の代わりにCPU21によって実行される支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0092】
また、図9は、図3に示した第1実施形態に係る受注情報作成処理においてテンプレート未使用モードが選択された場合に、表示ユニット29に表示される受注作成画面30Bの一例を示す図である。受注作成画面30Bが図4に示した第1実施形態に係る受注情報作成処理の受注作成画面30と異なる点は、支援チェックボックス8が追加され、ワークフロー編集領域33における表示内容が異なる点である。説明の便宜上、受注作成画面30Bにおけるワークフロー編集領域33を、受注情報選択領域33Aと参考ワークフロー編集領域33Bに分割する。
【0093】
支援チェックボックス8は、参考ワークフローを表示ユニット29に表示するか否かの選択を担当者から受け付けるオブジェクトである。支援チェックボックス8が選択された場合、参考ワークフローが表示ユニット29に表示される。ここでは担当者によって支援チェックボックス8が選択されているものとする。
【0094】
まず、ステップS100において、CPU21は、構成情報編集領域32において、担当者による構成情報の入力を受け付ける。これにより、印刷物の構成情報が作成される。
【0095】
ステップS110において、CPU21は、受注情報DB18に記憶されている過去の受注情報の中から、ステップS100で担当者が入力した印刷物の構成情報と類似する構成情報を有する受注情報(「類似受注情報」という)を検索する。具体的には、構成情報の類似の程度を類似度によって表す。構成情報の類似度は数値によって表され、例えば類似度が大きいほど構成情報が類似していることを表す。この場合、CPU21は、ステップS100で担当者が入力した印刷物の構成情報に対して、類似度が予め定めた閾値以上となるような構成情報を有する過去の受注情報を類似受注情報として検索する。
【0096】
当然のことながら、数値が小さいほど構成情報が類似していることを表す類似度を用いる場合、CPU21は、ステップS100で担当者が入力した印刷物の構成情報に対して、類似度が予め定めた閾値以下となるような構成情報を有する過去の受注情報を類似受注情報として検索すればよい。
【0097】
類似受注情報が存在する場合、CPU21は、見つけた類似受注情報の製品ID及び製品名の各々を受注情報選択領域33Aに表示する。受注情報選択領域33Aにおける類似受注情報の表示順に制約はないが、例えば類似度が高い方から順に受注情報選択領域33Aに表示することが好ましい。
【0098】
なお、構成情報同士の類似度の算出には、例えばコサイン類似度等の公知の類似度算出手法が用いられる。また、類似受注情報か否かの判定に用いられる閾値は担当者によって予め設定される値であり、変更可能である。
【0099】
ステップS120において、CPU21は、ステップS110の検索処理によって、過去の受注情報の中に類似受注情報が見つかったか否かを判定する。類似受注情報が見つかった場合にはステップS130に移行する。
【0100】
担当者が、受注情報選択領域33Aに表示された類似受注情報の何れか1つを選択すると、ステップS130において、CPU21は、選択された類似受注情報に対応付けられているワークフローを参考ワークフローとして参考ワークフロー編集領域33Bに表示する。CPU21は、担当者によって類似受注情報が選択される度に、参考ワークフロー編集領域33Bにおける参考ワークフローの表示を更新する。
【0101】
ステップS140において、CPU21は、参考ワークフロー編集領域33Bにおいて、担当者による参考ワークフローの修正を受け付ける。これにより、印刷物のワークフローが参考ワークフローに基づいて作成されることになる。以上により、図8に示した支援処理を終了して図3のステップS40に移行することで、テンプレート未使用モードによる受注情報作成処理が継続される。
【0102】
一方、ステップS120の判定処理で類似受注情報が見つからないと判定された場合にはステップS150に移行する。
【0103】
この場合、受注した印刷物に対する参考ワークフローが存在しないため、ステップS150において、CPU21は、ワークフロー編集領域33において、担当者によるワークフローの入力を受け付ける。これにより、印刷物のワークフローが作成され、図8に示した支援処理を終了して図3のステップS40に移行することで、テンプレート未使用モードによる受注情報作成処理が継続される。
【0104】
なお、場合によっては、検索された複数の類似受注情報における参考ワークフローが同じワークフローを表しているようなことが起こりえる。このような場合、重複する参考ワークフローを参考ワークフロー編集領域33Bに表示しない方が好ましい。したがって、検索された類似受注情報の参考ワークフローの中に、同じワークフローを表す複数の参考ワークフローが存在する場合、CPU21は、同じワークフローを表す複数の参考ワークフローのうち、作成日時が最も新しい参考ワークフローが対応付けられている類似受注情報のみを受注情報選択領域33Aに表示すればよい。
【0105】
以上、実施形態を用いて工程管理システム1の一態様について説明したが、開示した工程管理システム1の形態は一例であり、工程管理システム1の形態は実施形態に記載の範囲に限定されない。本開示の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も開示の技術的範囲に含まれる。例えば本開示の要旨を逸脱しない範囲で、図3図6、及び図8に示した各処理における内部の処理順序を変更してもよい。
【0106】
また、上記の実施形態では、一例として、図3図6、及び図8に示した各処理をソフトウェアで実現する形態について説明した。しかしながら、各処理のフローチャートと同等の処理をハードウェアで処理させるようにしてもよい。この場合、各処理をソフトウェアで実現した場合と比較して処理の高速化が図られる。
【0107】
上記の実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU21)や、専用のプロセッサ(例えば GPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0108】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記の実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0109】
上記の実施形態では、不揮発性メモリ24に情報処理プログラムが記憶されている例について説明した。しかしながら、情報処理プログラムの記憶先は不揮発性メモリ24に限定されない。本開示の情報処理プログラムは、コンピュータ20で読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。
【0110】
例えば情報処理プログラムをCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)及びDVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)のような光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、情報処理プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカードのような可搬型の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。ROM22、不揮発性メモリ24、CD-ROM、DVD-ROM、USB、及びメモリカードは非一時的(non-transitory)記憶媒体の一例である。
【0111】
更に、工程管理装置10は通信ユニット27を通じて、通信回線3又は通信回線5に接続された外部装置(図示せず)から情報処理プログラムをダウンロードし、ダウンロードした情報処理プログラムを記憶装置に記憶してもよい。この場合、工程管理装置10のCPU21は、外部装置からダウンロードした情報処理プログラムを記憶装置から読み込んで受注情報作成処理を実行する。
【0112】
以下に本実施形態に係る付記を示す。
【0113】
(((1)))
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
顧客によって仕様が異なる受注生産品の製造工程を表すワークフローのうち、予め登録されたワークフローのひな型を用いて、新たに受注した受注生産品のワークフローを担当者に作成させる第1作成モードと、前記ひな型を用いることなく、前記新たに受注した受注生産品のワークフローを前記担当者に作成させる第2作成モードとを、前記担当者の指示に従って切り替える
情報処理装置。
【0114】
(((2)))
前記プロセッサは、前記第2作成モードによって作成した前記新たに受注した受注生産品のワークフローを前記ひな型として登録するか否かを前記担当者に選択させる
(((1)))に記載の情報処理装置。
【0115】
(((3)))
前記プロセッサは、既に登録されている前記ひな型が上限値に達している場合、前記第2作成モードによって作成した前記新たに受注した受注生産品のワークフローを前記ひな型として登録させないようにする
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0116】
(((4)))
前記プロセッサは、前記担当者が受注生産品の今後の受注状況を予測して事前に作成したワークフローを前記ひな型として事前に登録しておく登録作業を行っている場合、作成されたワークフローを前記ひな型として登録しないようにする選択肢を前記担当者が選択できないように制限する
(((1)))~(((3)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0117】
(((5)))
前記プロセッサは、前記第2作成モードによって作成した前記新たに受注した受注生産品のワークフローを前記ひな型として登録しないようにする
(((1)))に記載の情報処理装置。
【0118】
(((6)))
前記プロセッサは、前記第2作成モードにおいて、前記新たに受注した受注生産品の構成との類似度が予め定めた値以上となる構成を有する受注生産品を検索し、
検索した受注生産品のワークフローを、前記新たに受注した受注生産品のワークフローを作成する場合に参考となる参考ワークフローとして表示装置に表示する
(((1)))~(((5)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0119】
(((7)))
前記プロセッサは、同じワークフローを表す複数の前記参考ワークフローが存在する場合、同じワークフローを表す前記複数の参考ワークフローのうち、作成日時が新しい参考ワークフローのみを前記表示装置に表示する
(((6)))に記載の情報処理装置。
【0120】
(((8)))
前記プロセッサは、担当者が参考ワークフローを修正することで作成されたワークフローを、前記新たに受注した受注生産品のワークフローとして適用する
(((7)))に記載の情報処理装置。
【0121】
(((9)))
コンピュータに、
顧客によって仕様が異なる受注生産品の製造工程を表すワークフローのうち、予め登録されたワークフローのひな型を用いて、新たに受注した受注生産品のワークフローを担当者に作成させる第1作成モードと、前記ひな型を用いることなく、前記新たに受注した受注生産品のワークフローを前記担当者に作成させる第2作成モードとを、前記担当者の指示に従って切り替える処理を実行させるための
情報処理プログラム。
【0122】
(((1)))、及び(((9)))によれば、すべての受注生産品に対応したワークフローを予め作成しておくことなく、受注生産品の製造を行うことができる、という効果を有する。
【0123】
(((2)))によれば、繰り返し使用しないワークフローをひな型として管理しないようにすることができる、という効果を有する。
【0124】
(((3)))によれば、登録されるひな型の数を上限値以下に抑制することができる。
【0125】
(((4)))によれば、登録作業において、作成したワークフローをひな型として登録し忘れないようにすることができる、という効果を有する。
【0126】
(((5)))によれば、作成したすべてのワークフローをひな型として登録する場合と比較して、ひな型の管理が容易になる、という効果を有する。
【0127】
(((6)))によれば、新たに受注した受注生産品に対するワークフローのひな型が登録されていない場合であっても、新たに受注した受注生産品の構成に類似した他の受注生産品のワークフローを利用することができる、という効果を有する。
【0128】
(((7)))によれば、同じワークフローを表す複数の参考ワークフローを表示装置に表示する場合と比較して、複数の参考ワークフローの中から所望の参考ワークフローが選択しやすくなる、という効果を有する。
【0129】
(((8)))によれば、最初からワークフローを作成する場合と比較して、ワークフローの作成に要する時間を短縮することができる、という効果を有する。
【符号の説明】
【0130】
1 工程管理システム
2 印刷機
3(5) 通信回線
4 加工機
6 顧客端末
8 支援チェックボックス
10 工程管理装置
12 受付部
14 制御部
16 UI部
18 受注情報DB
20 コンピュータ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 不揮発性メモリ
25 I/O
26 バス
27 通信ユニット
28 入力ユニット
29 表示ユニット
30(30A、30B) 受注作成画面
31 選択ボタン
31A 部品追加ボタン
31B プロセス追加ボタン
31C 削除ボタン
32 構成情報編集領域
33 ワークフロー編集領域
33A 受注情報選択領域
33B 参考ワークフロー編集領域
34 顧客情報登録領域
35 モード選択チェックボックス
36 OKボタン
37 キャンセルボタン
38 アイコン
39 線
40 確認ダイアログ
41 登録チェックボックス
42 「はい」ボタン
43 「いいえ」ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9