IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ FXC株式会社の特許一覧

特開2024-68953接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体
<>
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図1
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図2A
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図2B
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図3
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図4
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図5
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図6
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図7
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図8
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図9
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図10
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図11
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図12
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図13
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図14
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図15
  • 特開-接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068953
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】接続変換装置、接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置及びイーサネット機器、接続変換方法、プログラム並びに記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/00 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
G06F3/00 S
G06F3/00 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179657
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】504300228
【氏名又は名称】FXC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】亀野 昌志
(72)【発明者】
【氏名】巣山 雄弘
(57)【要約】
【課題】利用対象として意図する出力側と入力側のイーサネット機器のRJ-45ポートの内部接続にかかる端子対を同一のものに設定することで、これら機器間でのみ通信を行うことができるようにし、誤接続や不正接続があっても通信が行われないようにする。
【解決手段】LANポートの端子Aの入力信号を取得する手段と、取得した入力信号を物理層処理ユニットの端子であって通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Aからの信号を処理しない端子Bに向けて出力する手段と、物理層処理ユニットの端子であって端子Bからの信号を取得する手段と、取得した出力信号をLANポートの端子であって通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Bからの信号を処理しないLANポートの端子Aに向けて出力する手段と、上記出力手段の信号出力先を端子対の単位で変更する手段を有する接続変換装置を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LANポートの端子Aの入力信号を取得する入力信号取得部と、
取得した入力信号を物理層処理ユニットの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Aからの信号を処理しない端子Bに向けて出力する入力信号変換出力部と、
物理層処理ユニットの端子であって端子Bからの信号を取得する出力信号取得部と、
取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常のイ―サネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Bからの信号を処理しないLANポートの端子Aに向けて出力する出力信号変換出力部と、
入力信号変換出力部と出力信号変換出力部の信号出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更部と、
を有する接続変換装置。
【請求項2】
前記端子Aは給電端子である請求項1に記載の接続変換装置。
【請求項3】
イーサネット信号とUSB信号とを変換処理する接続変換装置であって、
LANポートの端子Cの入力信号を取得する入力信号取得部と、
LANポートからの信号の出力先であるとともに、LANポートへの信号の出力元となるUSBインターフェイス内部端子と、
取得した入力信号をUSBインターフェイス内部端子であって、通常の変換処理では本来前記端子Cからの信号を処理しないUSBインターフェイス内部端子Dに向けて出力する入力信号変換出力部と、
USBインターフェイス内部端子であって端子Dからの信号を取得する出力信号取得部と、
取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常の変換処理では本来前記端子Dからの信号を処理しないLANポートの端子Cに向けて出力する出力信号変換出力部と、
入力信号変換出力部と出力信号変換出力部の信号出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更部と、
を有する接続変換装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一に記載の接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置。
【請求項5】
請求項4に記載のイーサネットインターフェイス装置を備えたイーサネット機器。
【請求項6】
LANポートの端子Aの入力信号を取得する入力信号取得ステップと、
入力信号取得ステップにて取得された入力信号を、物理層処理ユニットの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では端子Aからの信号を処理しない端子Bに向けて出力する入力信号変換出力ステップと、
物理層処理ユニットの端子であって端子Bからの信号を取得する出力信号取得ステップと、
出力信号取得ステップにて取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Bからの信号を処理しないLANポートの端子Aに向けて出力する出力信号変換出力ステップと、
入力信号変換出力部と出力信号変換出力部の信号出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更部と、
入力信号の変換出力先と出力信号の変換出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更ステップと、
を有する接続変換装置の動作方法。
【請求項7】
前記端子Aは給電端子である請求項6に記載の接続変換装置の動作方法。
【請求項8】
LANポートと、このLANポートからの信号をUSB信号に変換後の出力先であるとともに、USB信号からイーサネット信号に変換後にLANポートへの信号の出力元となるUSBインターフェイス内部端子と、を備えた接続変換装置の動作方法であって、
LANポートの端子Cの入力信号を取得する入力信号取得ステップと、
入力信号取得ステップにて取得された入力信号を、USBインターフェイス内部端子であって、通常の変換処理では本来前記端子Cからの信号を処理しないUSBインターフェイス内部端子Dに向けて出力する入力信号変換出力ステップと、
USBインターフェイス内部端子であって端子Dからの信号を取得する出力信号取得ステップと、
出力信号取得ステップにて取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常の変換処理では本来前記端子Dからの信号を処理しないLANポートの端子Cに向けて出力する出力信号変換出力ステップと、
入力信号の変換出力先と出力信号の変換出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更ステップと、
を有する接続変換装置の動作方法。
【請求項9】
LANポートの端子Aの入力信号を取得する入力信号取得ステップと、
入力信号取得ステップにて取得された入力信号を、物理層処理ユニットの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では端子Aからの信号を処理しない端子Bに向けて出力する入力信号変換出力ステップと、
物理層処理ユニットの端子であって端子Bからの信号を取得する出力信号取得ステップと、
出力信号取得ステップにて取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Bからの信号を処理しないLANポートの端子Aに向けて出力する出力信号変換出力ステップと、
入力信号の変換出力先と出力信号の変換出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更ステップと、
を含む処理をコンピュータである接続変換装置に読み取り実行可能に記述したプログラム。
【請求項10】
LANポートと、このLANポートからの信号をUSB信号に変換後の出力先であるとともに、USB信号からイーサネット信号に変換後にLANポートへの信号の出力元となるUSBインターフェイス内部端子と、を備えたコンピュータである接続変換装置の動作プログラムであって、
LANポートの端子Cの入力信号を取得する入力信号取得ステップと、
入力信号取得ステップにて取得された入力信号を、USBインターフェイス内部端子であって、通常の変換処理では本来前記端子Cからの信号を処理しないUSBインターフェイス内部端子Dに向けて出力する入力信号変換出力ステップと、
USBインターフェイス内部端子であって端子Dからの信号を取得する出力信号取得ステップと、
出力信号取得ステップにて取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常の変換処理では本来前記端子Dからの信号を処理しないLANポートの端子Cに向けて出力する出力信号変換出力ステップと、
入力信号の変換出力先と出力信号の変換出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更ステップと、
変換出力先と出力信号の変換出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更ステップと、
を含む処理をコンピュータである接続変換装置に読み取り実行可能に記述したプログラム。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載のプログラムを記憶した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続変換装置及びこれを備えたイーサネットインターフェイス装置、イーサネット機器などに関し、特に、RJ-45コネクタを用いたLANの誤接続や不正接続による弊害を防止することが可能な接続変換装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
企業や家庭などにおけるLAN(Local Area Network)接続に用いられるLANケーブルのコネクタの一つとして、RJ-45コネクタが知られている。RJ-45コネクタは、1000BASE-T、100BASE-TX、10BASE-Tなどの仕様を有するイーサネット(登録商標。以下同じ。)インターフェイス装置との接続に広く用いられているコネクタである。
【0003】
イーサネットインターフェイス装置においては、RJ-45ポート(LANポート)の内部端子と、物理層処理ユニットの内部端子がそれぞれ4個備えられている。ここで、RJ-45ポートは、LANケーブルのRJ-45コネクタを差し込むための口であり、物理層処理ユニットは、異なる物理層をつなぐための手段である。なお、物理層は、通信ネットワークの階層モデルの最下層で、装置や伝送媒体の物理的な形状や仕様、信号形式などを定めた規約である。
RJ-45ポートと物理層処理ユニットの各内部端子の間には、信号を伝送するための内部配線が備えられ、差動方式により信号が伝送される。
本明細書においては、これら内部端子を「端子」と呼ぶとともに、差動方式による信号伝送に用いられる2本の配線によって接続されるRJ-45ポート(LANポート)の1個の内部端子と、物理層処理ユニットの1個の内部端子の組み合わせを「端子対」と呼ぶ。
【0004】
RJ-45ポートを備えるイーサネットインターフェイス装置を有するイーサネット機器は、LANケーブル等を介して相互に任意に接続することができ、接続後直ちに通信を開始することができるため利便性が高いものである。ただし、RJ-45ポートを用いたイーサネット機器どうしを接続して通信を行う場合において、例えばその一般的な仕様である1000BASE-Tを用いたものでは、それぞれのイーサネット機器における端子接続が一致していないと正常な通信を行うことができない。
【0005】
図8は、RJ-45ポートを備えるイーサネットインターフェイスを有するイーサネット機器における端子対について説明するための概念図である。本図では、便宜上、LANポート及び物理層処理ユニットの各4個の端子を端子A、端子B、端子C、端子Dと称する。また、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では、端子Aどうし、端子Bどうし、端子Cどうし、端子Dどうしが接続されているものとする(この「通常の」の意味については後述にて詳しく説明する。)。
【0006】
本図(a)の例では、出力側のイーサネット機器A0810における端子接続と入力側のイーサネット機器B0820における端子接続が、いずれも端子Aどうし、端子Bどうし、端子Cどうし、端子Dどうしの対で一致しており、かつ、出力側の機器のLANポートと入力側の機器のLANポートが端子Aどうし、端子Bどうし、端子Cどうし、端子Dどうしで接続されているため、正常な通信が可能となっている。
【0007】
かかる前提の下で、本図(b)に示すように、誤接続又は不正接続により、イーサネット機器Bの代わりに、イーサネット機器Cが、イーサネット機器Aと接続されたとする。この場合、イーサネット機器Cにおいても通常のイーサネットインターフェイスによる接続のとおり、端子Aどうし、端子Bどうし、端子Cどうし、端子Dどうしがそれぞれ端子対をなしているのが通例である。そこで、この場合には、イーサネット機器Aからイーサネット機器Cに対して通信がなされてしまう。かかる誤接続や不正接続がなされた場合、ユーザ(機器の使用権限を有する正しいユーザをいう。以下同じ。)の意図しない機器に対してデータを送信してしまうといった問題が生じる。また、意図的にデータを盗もうとして不正な接続を行う場合にも同様の問題が生じ、例えば、機器Aを機器Cに不正接続することにより、第三者が機器Aのデータに不正にアクセスできてしまうといった問題が生じる。
【0008】
誤接続による弊害を防止することを目的とする発明として、例えば、特許文献1には、ネットワーク機器のLANポート部に収容されるRJ-45モジュラージャックに接続される第1のアダプタと、LANケーブルのコネクタの他の一端部が接続され、コンピュータ機器のLANポート部に収容されるRJ-45モジュラージャックに接続される第2のアダプタと、ケーブルの一端に前記第1のアダプタのみに接続される固有の形状をした接続部を有するコネクタとケーブルの他の一端に前記第2のアダプタのみに接続される固有の形状をした接続部を有するコネクタとを備えるLANケーブルとから構成されるネットワーク配線機器が記載されている。この発明によれば、コネクタの形状の違いから、ネットワーク機器どうし、コンピュータ機器どうしを接続することができないようにすることで誤接続を防止することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007-188300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に記載された発明では、誤接続を防止することはできるものの、これらアダプタを取り外すとともにLANケーブルを通常のものに入れ替えるだけでユーザの意図しない機器と簡単に接続できてしまうことから、不正接続を防止することはできない。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑みたものである。即ち、本発明の解決すべき課題は、RJ-45ポートと物理層処理ユニットの内部接続にかかる4対の端子を任意に入れ替えることができるようにし、ユーザが利用対象として意図する出力側のイーサネット機器と入力側のイーサネット機器の端子接続を同一のものに設定することで、これら機器間でのみ通信を行うことができるようにするとともに、誤接続や不正接続があっても両機器の端子対が一致しないために通信が行われないようにすることができる接続変換装置を提供することにある。また、本発明の解決すべき課題は、このような機能を有する接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置、さらには、このようなイーサネットインターフェイス装置を備えたイーサネット機器を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するための手段として、本発明にかかる第一の発明は、LANポートの端子Aの入力信号を取得する入力信号取得部と、取得した入力信号を物理層処理ユニットの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Aからの信号を処理しない端子Bに向けて出力する入力信号変換出力部と、物理層処理ユニットの端子であって端子Bからの信号を取得する出力信号取得部と、取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Bからの信号を処理しないLANポートの端子Aに向けて出力する出力信号変換出力部と、入力信号変換出力部と出力信号変換出力部の信号出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更部と、を有する接続変換装置を提供する。
【0013】
また、第二の発明は、第一の発明を基礎として、前記端子Aは給電端子である接続変換装置を提供する。
【0014】
また、第三の発明は、イーサネット信号とUSB信号とを変換処理する変換装置であって、LANポートの端子Cの入力信号を取得する入力信号取得部と、LANポートからの信号の出力先であるとともに、LANポートへの信号の出力元となるUSBインターフェイス内部端子と、取得した入力信号をUSBインターフェイス内部端子であって、通常の変換処理では本来前記端子Cからの信号を処理しないUSBインターフェイス内部端子Dに向けて出力する入力信号変換出力部と、USBインターフェイス内部端子であって端子Dからの信号を取得する出力信号取得部と、取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常の変換処理では本来前記端子Dからの信号を処理しないLANポートの端子Cに向けて出力する出力信号変換出力部と、入力信号変換出力部と出力信号変換出力部の信号出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更部と、を有する接続変換装置を提供する。
【0015】
また、第四の発明は、第一から第三のいずれか一の発明に係る接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置を提供する。
【0016】
また、第五の発明は、第四の発明に係るイーサネットインターフェイス装置を備えたイーサネット機器を提供する。
【0017】
また、第六の発明は、LANポートの端子Aの入力信号を取得する入力信号取得ステップと、入力信号取得ステップにて取得された入力信号を、物理層処理ユニットの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では端子Aからの信号を処理しない端子Bに向けて出力する入力信号変換出力ステップと、物理層処理ユニットの端子であって端子Bからの信号を取得する出力信号取得ステップと、出力信号取得ステップにて取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Bからの信号を処理しないLANポートの端子Aに向けて出力する出力信号変換出力ステップと、入力信号変換出力部と出力信号変換出力部の信号出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更部と、入力信号の変換出力先と出力信号の変換出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更ステップと、を有する接続変換装置の動作方法を提供する。
【0018】
また、第七の発明は、前記端子Aは給電端子である第六の発明に係る接続変換装置の動作方法を提供する。
【0019】
また、第八の発明は、LANポートと、このLANポートからの信号をUSB信号に変換後の出力先であるとともに、USB信号からイーサネット信号に変換後にLANポートへの信号の出力元となるUSBインターフェイス内部端子と、を備えた接続変換装置の動作方法であって、LANポートの端子Cの入力信号を取得する入力信号取得ステップと、入力信号取得ステップにて取得された入力信号を、USBインターフェイス内部端子であって、通常の変換処理では本来前記端子Cからの信号を処理しないUSBインターフェイス内部端子Dに向けて出力する入力信号変換出力ステップと、USBインターフェイス内部端子であって端子Dからの信号を取得する出力信号取得ステップと、出力信号取得ステップにて取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常の変換処理では本来前記端子Dからの信号を処理しないLANポートの端子Cに向けて出力する出力信号変換出力ステップと、入力信号の変換出力先と出力信号の変換出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更ステップと、を有する接続変換装置の動作方法を提供する。
【0020】
また、第九の発明は、LANポートの端子Aの入力信号を取得する入力信号取得ステップと、入力信号取得ステップにて取得された入力信号を、物理層処理ユニットの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では端子Aからの信号を処理しない端子Bに向けて出力する入力信号変換出力ステップと、物理層処理ユニットの端子であって端子Bからの信号を取得する出力信号取得ステップと、出力信号取得ステップにて取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Bからの信号を処理しないLANポートの端子Aに向けて出力する出力信号変換出力ステップと、入力信号の変換出力先と出力信号の変換出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更ステップと、を含む処理をコンピュータである接続変換装置に読み取り実行可能に記述したプログラムを提供する。
【0021】
また、第十の発明は、LANポートと、このLANポートからの信号をUSB信号に変換後の出力先であるとともに、USB信号からイーサネット信号に変換後にLANポートへの信号の出力元となるUSBインターフェイス内部端子と、を備えたコンピュータである接続変換装置の動作プログラムであって、LANポートの端子Cの入力信号を取得する入力信号取得ステップと、入力信号取得ステップにて取得された入力信号を、USBインターフェイス内部端子であって、通常の変換処理では本来前記端子Cからの信号を処理しないUSBインターフェイス内部端子Dに向けて出力する入力信号変換出力ステップと、USBインターフェイス内部端子であって端子Dからの信号を取得する出力信号取得ステップと、出力信号取得ステップにて取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常の変換処理では本来前記端子Dからの信号を処理しないLANポートの端子Cに向けて出力する出力信号変換出力ステップと、入力信号の変換出力先と出力信号の変換出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更ステップと、変換出力先と出力信号の変換出力先を端子対の単位で変更する出力先端子変更ステップと、を含む処理をコンピュータである接続変換装置に読み取り実行可能に記述したプログラムを提供する。
【0022】
また、第十一の発明は、第九又は第十の発明に係るプログラムを記憶した記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、RJ-45ポートと物理層処理ユニットの内部接続にかかる4対の端子を任意に入れ替えることができるようにし、ユーザが利用対象として意図する出力側のイーサネット機器と入力側のイーサネット機器の端子接続を同一のものに設定することで、これら機器間でのみ通信を行うことができるようにするとともに、誤接続や不正接続があっても両機器の端子対が一致しないために通信が行われないようにすることができる接続変換装置を提供することが可能となる。また、本発明によれば、このような機能を有する接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス、さらには、このようなイーサネットインターフェイスを備えたイーサネット機器を提供することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態1の接続変換装置の機能ブロックの一例を示す図
図2A】本発明の接続変換装置における処理に利用するイーサネット機器のハードウェア構成の一例を示す概念図
図2B】実施形態1のイーサネットインターフェイスボードのハードウェア構成の一例を示す概略図
図3】実施形態1の接続変換装置における処理の流れの一例を示す図
図4】実施形態2の接続変換装置に係る処理を行うためのイーサネットインターフェイスボードのハードウェア構成の一例を示す概略図
図5】実施形態3の接続変換装置の機能ブロックの一例を示す図
図6】実施形態3のイーサネットインターフェイスボードのハードウェア構成の一例を示す概略図
図7】実施形態3の接続変換装置における処理の流れの一例を示す図
図8】RJ-45コネクタを備えるイーサネット機器における端子接続について説明するための概念図
図9】実施形態1の発明の意義について説明するための概念図
図10】実施形態5のイーサネットインターフェイス装置の機能ブロックの一例を示す図
図11】実施形態6のイーサネット機器の機能ブロックの一例を示す図
図12】実施形態3の接続変換装置を利用して通信を行う場合に用いる機器等の一例を示す概要図
図13】実施形態4の接続変換装置を利用して通信を行う場合に用いる機器等の一例を示す概要図
図14】実施形態4の接続変換装置の機能ブロックの一例を示す図
図15】LANポートの端子と物理層処理ユニットの端子の内部接続に係る配線回路の一例を示す図
図16】実施形態3におけるイーサネット機器及び外付けユニットの接続構成の一例を示す概念図
【符号の説明】
【0025】
0100 接続変換装置
0110 入力信号取得部
0120 入力信号変換出力部
0130 出力信号取得部
0140 出力信号変換出力部
0150 出力先端子変更部
0160 LANポート
0161 LANポートの端子A
0170 物理層処理ユニット
0171 物理層処理ユニットの端子B
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の実施形態を説明する。実施形態と請求項の相互の関係は以下のとおりである。実施形態1は主に請求項1、請求項6、請求項9、請求項11などに関し、実施形態2は主に請求項2、請求項7などに関し、実施形態3は主に請求項3、請求項8、請求項10などに関し、実施形態5は主に請求項4などに関し、実施形態6は主に請求項5などに関する。また、実施形態4は本発明に関連する発明に関する。なお、本発明はこれら実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0027】
以下の各実施形態に記載する本発明にかかる機能ブロックの構成は、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現できる。また、また、発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。また、そのようなソフトウェアを計算機(コンピュータ)に実行させるために用いるプログラム、及びプログラムを固定した記録媒体も、当然この発明の技術的範囲に含まれる。さらに、本発明は、方法の発明としても実現可能である。(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0028】
(ハードウェア構成:全般)
図2Aは、本発明の接続変換装置における処理に利用するイーサネット機器のハードウェア構成の一例を示す概念図である。本図に示すように、本発明の接続変換装置における処理を行うための計算機(コンピュータ)は、CPU(Central Processing Unit)0210、チップセット0220、不揮発性メモリ0230、メインメモリ0240、バス0250、I/Oコントローラ(マウス、キーボードなど)0260、イーサネットインターフェイスボード0270、BIOS(Basic Input/Output System)0280、リアルタイムクロック0290などから構成される。これらはOS(Operationg System)やデバイスドライバ、各種プログラムなどと協働して動作する。本発明を構成する各種プログラムや各種データは、これらハードウェア資源を効率的に利用して各種の処理を実行するように構成される。
【0029】
(ハードウェア構成:チップセット)
チップセットは、計算機のマザーボードに実装され、CPUの外部バスと、メモリや周辺機器を接続する標準バスとの連絡機能、つまりブリッジ機能を集積した大規模集積回路(LSI)のセットである。2チップセット構成を採用する場合と、1チップセット構成を採用する場合とがある。本図は2チップセット構成の例であり、CPUやメインメモリに近い側にノースブリッジ、遠い側で比較的低速な外部I/Oとのインターフェイスの側にサウスブリッジが設けられる。ノースブリッジには、CPUインターフェイス、メモリコントローラ、グラフィックインターフェイスが含まれる。従来のノースブリッジの機能のほとんどをCPUに担わせてもよい。ノースブリッジは、メインメモリのメモリスロットとメモリバスを介して接続される。また、サウスブリッジは、PCI(Peripheral Component Interconnect)インターフェイス(PCIスロット)とはPCIバスを介して接続し、ATA(AT Attachment)(SATA(Serial AT Attachment))インターフェイス、USBインターフェイス、イーサネットインターフェイスなどとのI/O機能やサウンド機能を担う。高速な動作が必要でない、あるいは不可能であるようなPS/2ポート、フロッピーディスクドライブ、シリアルポート、パラレルポート、ISAバスをサポートする回路を組み込むことは、チップセット自体の高速化の足かせとなるためサウスブリッジのチップから分離させ、スーパーI/Oチップと呼ばれる別のLSIに担当させることとしてもよい。CPU(MPU)と、周辺機器や各種制御部を繋ぐためにバスが用いられる。バスはチップセットによって連結される。メインメモリとの接続に利用されるメモリバスは、高速化を図るために、これに代えてチャネル構造を採用してもよい。バスとしてはシリアルバスかパラレルバスを採用できる。パラレルバスは、シリアルバスが1ビットずつデータを転送するのに対して、元データそのものや元データから切り出した複数ビットをひとかたまりにして、同時に複数本の通信路で伝送する。クロック信号の専用線がデータ線と平行して設け、受信側でのデータ復調の同期を行う。CPU(チップセット)と外部デバイスをつなぐバスとしても用いられ、GPIB、IDE/(パラレル)ATA、SCSI、PCIなどがある。高速化に限界があるため、PCIの改良版PCI ExpressやパラレルATAの改良版シリアルATAでは、データラインはシリアルバスでもよい。
【0030】
(ハードウェア構成:CPU)
CPUは、メインメモリ上にあるプログラムと呼ばれる命令列を順に読み込んで解釈・実行することで信号からなる情報を同じくメインメモリ上に出力する。CPUは計算機内での演算を行なう中心として機能する。なお、CPUは演算の中心となるCPUコア部分と、その周辺部分とから構成され、CPU内部にレジスタ、キャッシュメモリや、キャッシュメモリとCPUコアとを接続する内部バス、DMAコントローラ、タイマー、ノースブリッジとの接続バスとのインターフェイスなどが含まれる。なお、CPUコアは一つのCPU(チップ)に複数備えられていてもよい。
【0031】
CPUは、直接アクセスしてメインメモリ上の各種プログラムを実行する。メインメモリ上のプログラムはプログラムの起動命令を受けて不揮発性メモリからメインメモリ上に展開される。その後もプログラム内で各種実行命令や、実行手順に従ってCPUがプログラムを実行する。
【0032】
プログラムは、接続変換装置がコンピュータ上で起動されることによりメインメモリのプログラム領域に展開される。また、メインメモリのデータ領域には、出力先端子情報などのデータが格納される。CPUは、実行命令を受け付けることで順次プログラムに従いデータを利用した演算を行うように構成されている。
【0033】
(ハードウェア構成:不揮発性メモリ)
不揮発性メモリは、例えばHDD(Hard Disc Drive)に設けられる。HDDの基本構造は、磁気ディスク、磁気ヘッド、および磁気ヘッドを搭載するアームから構成される。高機能なコントローラ、例えばSCSIを用いて、HDD間の通信をサポートする。例えば、ファイルを別のHDDにコピーする時、コントローラがセクタを読み取って別のHDDに転送して書き込むといったことができる。この時ホストCPUのメモリにはアクセスしない。したがってCPUの負荷を増やさないで済む。
【0034】
(ハードウェア構成:メインメモリ)
メインメモリは揮発性のメモリでDRAM(Dynamic Random Access Memory)が用いられる。コンピュータの起動により不揮発性メモリに格納されているプログラムは、メインメモリのプログラム領域に展開される。既述のように、CPUは、これらプログラムを読み出して実行する。また、メインメモリのデータ領域には、プログラムの実行により得られるデータが格納される。CPUは、実行命令を受け付けることで順次プログラムに従いデータを利用した演算を行うように構成されている。
【0035】
(ハードウェア構成:BIOS)
BIOSは、計算機のハードウェアを立ち上げてオペレーティングシステムを稼働させるための手順をCPUに実行させるもので、最も典型的には計算機の起動命令を受けるとCPUが最初に読取りに行くハードウェアである。ここには、ハードディスク(不揮発性メモリ)に格納されているオペレーティングシステムのアドレスが記載されており、CPUに展開されたBIOSによってオペレーティングシステムが順次メインメモリに展開されて稼働状態となる。なお、BIOSは、バスに接続されている各種デバイスの有無をチェックするチェック機能をも有している。チェックの結果はメインメモリ上に保存され、適宜オペレーティングシステムによって利用可能な状態となる。なお、外部装置などをチェックするようにBIOSを構成してもよい。
<実施形態1>
【0036】
本実施形態は、主に請求項1、請求項6、請求項9、請求項11などに関する。
【0037】
<実施形態1 概要>
本実施形態の発明にかかるイーサネットインターフェイスに利用される接続変換装置は、LANポートと物理層処理ユニットの間の内部接続にかかる4対の端子対を通常のイーサネットインターフェイスによる接続とは異なる形に設定可能するとともに、この端子接続を端子対の単位で任意に入れ替えることができるようにしたものである。ユーザが利用対象として意図するイーサネットケーブルで接続されるイーサネット機器のイーサネットインターフェイスどうしの接続接続を同一の設定にすることで、設定が異なるイーサネット機器を除いてこれら機器間でのみ通信を行うことができるようにする。その結果、誤接続や不正接続があっても通信が行われないようにしたものである。
【0038】
<実施形態1 構成 接続変換装置>
図1は、本実施形態の接続変換装置の機能ブロックの一例を示す図である。本図に示すように、本実施形態の接続変換装置0100は、入力信号取得部0110と、入力信号変換出力部0120と、出力信号取得部0130と、出力信号変換出力部0140と、出力先端子変更部0150を有する。
【0039】
<実施形態1 構成の説明 接続変換装置 入力信号取得部>
入力信号取得部は、LANポート0160の端子A0161の入力信号を取得するように構成されている。LANポートの端子は、例えばLANポート(RJ-45ポート)で受けたイーサネットケーブル(LANケーブル)からの信号を物理層処理ユニットに向けて出力するためのイーサネットインターフェイス内の端子を言う。
【0040】
<実施形態1 構成の説明 接続変換装置 入力信号取得部 LANポート>
「LANポート」は、例えばイーサネット機器が備えるイーサネットインターフェイス装置に設けられた、LANケーブルを接続するためのポートをいい、イーサネット機器とLANケーブルで接続された他のイーサネット機器との間の通信のための信号の入出力のための伝送路を提供するものである。このため、LANポートは、LANケーブルのコネクタを接続する差込口を備えている。また、LANポートは、イーサネットインターフェイス装置の内部接続を介して信号の入出力を行うために、物理層処理ユニットとの間の信号入出力の出力元及び出力先となる。このため、LANポートは、これら信号の入出力のための端子を有する。本発明においては、イーサネット機器に設けられるLANポートとして、RJ-45コネクタ用のポートを想定している。このため、本明細書において、LANポートとRJ-45ポートは同義であり、LANポートの端子は、RJ-45コネクタの端子である。RJ-45ポートの端子は、通例4個備えられ、それぞれが物理層処理ユニットの4個の端子と端子対を構成する。その詳細については後述する。
【0041】
<実施形態1 構成の説明 接続変換装置 入力信号変換出力部>
入力信号変換出力部は、取得した入力信号を物理層処理ユニット0170の端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Aすなわち上述のLANポートの端子Aからの信号を処理しない端子B0171に向けて出力するように構成されている。
【0042】
<実施形態1 構成の説明 接続変換装置 入力信号変換出力部 物理層処理ユニット>
「物理層処理ユニット」は、既述のように異なる物理層をつなぐための手段である。物理層処理ユニットが行う処理には、イーサネットインターフェイス装置とこれに接続されたコンピュータ装置との間でデータの送受信を行うためのデータ・信号の変換処理が含まれる。入力信号取得部によって取得された入力信号は、物理層処理ユニットに向けて出力され、当該物理層処理ユニットが上述の規約に従って処理を行うこととなる。物理層処理ユニットにも4個の端子が備えられ、前述のようにLANポート(RJ-45ポート)の端子と端子対を構成する。かかる端子対の詳細については後述する。
【0043】
本発明に係る請求項の「通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Aからの信号を処理しない端子B」という記載における「通常のイーサネットインターフェイスによる接続」とは、100BASE-TX、10BASE-Tといった仕様を有するRJ-45コネクタを備えるイーサネット機器の規格であるIEEE802.3規格において定められている物理層処理ユニットの端子とRJ-45ポート(LANポート)の端子間の組み合わせをいう。
【0044】
表1は、通常のイーサネットインターフェイスによる接続における物理層処理ユニットの端子とRJ-45ポート(LANポート)の端子の組み合わせを示す表であり、IEEE802.3規格のTable40-12"Assignment of PMA signal to MDI and MDI-X pin-outs"を和訳引用したものである。LANポートには、端子の送受信の役割の違いに応じて、MDI(Medium Dependent Interface)とMDI-X(Medium Dependent Interface Crossover)の二つのタイプがあるところ、IEEE802.3規格では、同表に示すように、これら二つのタイプのそれぞれについて、物理層処理ユニットの端子とRJ-45ポート(LANポート)の8個のコンタクトの組み合わせが定められている。以下、MDIタイプの場合で説明するが、MDI-Xタイプの場合も同様である。
【表1】
【0045】
同表において、コンタクトは端子の構成要素であり、2個のコンタクトが1個の端子を構成する。すなわち、コンタクト欄に記載されているものが物理層処理ユニットの端子、MDI欄及びMDI-X欄に記載されているものがRJ-45ポートの端子を示し、同じ行に記載されたコンタクトどうしが対応する関係にある。すなわち、コンタクト欄に記載されているPMA(Physical Medium ATTACHMENT,物理媒体接続部)のコンタクトの1~8が、この順に、MDI欄に記載されているBI_DA+、BI_DA-、・・・BI_DDに対応している。
【0046】
1個の端子を構成する2個のコンタクトの具体的構成について説明すると、PMA欄のコンタクトの1と2、3と6、4と5、7と8がそれぞれ1個の端子を構成している。同様に、RJ-45欄のBI_DA+とBI_DA-、BI_DB+とBI_DB-、BI_DC+とBI_DC-,BI_DD+とBI_DD-がそれぞれ1個の端子を構成している。なお、+と-は、差動信号線間の電圧の正負を示している。
【0047】
以上のようなコンタクトの対応関係にしたがって端子の組み合わせが決まり、これら対応関係にある端子の組み合わせが「通常のイーサネットインターフェイスによる接続」におけるRJ-45ポート(LANポート)と物理層処理ユニットの端子の組み合わせということとなる。そして、「本来」とは、上記の通常の接続において信号の送受信処理がなされる場合をいう。
【0048】
本発明におけるLANポートの「端子A」とは、IEEE802.3規格における4つの端子、すなわち、BI_DA+とBI_DA-からなる端子、BI_DB+とBI_DB-からなる端子、BI_DC+とBI_DC-からなる端子,BI_DD+とBI_DD-からなる端子のうち、任意の一つの端子をいう。また、請求項にいう「本来前記端子Aからの信号を処理しない端子B」とは、IEEE802.3規格において、上記の任意の一つの端子とは対応関係にない端子のうちの任意の一つをいう。例えば、端子AがBI_DA+とBI_DA-からなる端子である場合、端子Bは、これに対応する1と2からなる端子以外の端子、すわなち、3と6からなる端子、4と5からなる端子、7と8からなる端子のうちの任意の一つをいう。なお、以上の端子A,端子Bについての説明は、他の実施例形態における端子C、端子Dなどについても同様である。
【0049】
<実施形態1 構成の説明 接続変換装置 出力信号取得部>
出力信号取得部は、物理層処理ユニットの端子である端子Bからの信号を取得するように構成されている。ここで端子Bは、前記「通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Aからの信号を処理しない端子B」と同一の端子を意味する。
【0050】
<実施形態1 構成の説明 接続変換装置 出力信号変換出力部>
出力信号変換出力部は、出力信号取得部が取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来物理層処理ユニットの前記端子Bからの信号を処理しないLANポートの端子Aに向けて出力するように構成されている。「通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Bからの信号を処理しないLANポートの端子A」の意味は、入力信号変換出力部の構成に関して「通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Aからの信号を処理しない物理層処理ユニットの端子B」について説明したところと同様である。
【0051】
<実施形態1 構成の説明 接続変換装置 出力先端子変更部>
出力先端子変更部は、入力信号変換出力部と出力信号変換出力部の信号出力先を端子対の単位で変更するように構成されている。変更を端子対の単位で行うことで、変更前に一義的に特定されていた端子対の組み合わせが、変更後も一義的に特定されることとなる。この結果、複数のイーサネット機器間で信号の入出力が行われる場合において接続変更後においてもこれら機器間の端子対が同一になるように変更できる結果、これら機器間でのみ通信を行うことが可能となる。なお、端子対は1:1の関係で対になるものを言う。従って1:多や多:1、多:多の関係になるような対の関係は構成しない。なお、出力先端子の変更は、ユーザの出力先端子変更プログラムを利用した操作入力に応じてコンピュータのCPUを介した命令を受信して都度変更できるように構成してもよいし、コンピュータの出力先端子変更プログラムの自律的な演算処理結果に基づくCPUを介した命令を受信して自動的に変更できるように構成してもよい。なお、自律的な演算処理には、相互にイーサネット通信を行っているコンピュータ間でやり取りする信号や情報に基づき、これらが所定の条件を満たした場合に自律的な演算が行われるように構成することもできるし、クロックタイマーなどのクロックが所定の条件を満たすことで自律的な演算が行われるように構成してもよい。例えば所定のクロック数がカウントされたら自動的に端子対の組合せをあらかじめ定められた組合せに変更するように構成することができ不正接続されたコンピュータのイーサネットインターフェイスにおいてすべての組み合わせを試されるといったセキュリティーやぶりが非常に困難となる。
【0052】
<実施形態1 構成の説明 本実施形態の構成の意義>
本実施形態における接続変換装置が以上に説明したように構成されることの意義は、以下のとおりである。
すなわち、既述のように、RJ-45ポートを持つイーサネット機器を誤接続した場合には、ユーザが意図しない機器にデータを送信してしまったり、不正接続によりデータが盗まれてしまったりする問題があったが、本実施形態の構成によれば、両機器の内部接続を端子対の単位で設定・変更することができ、端子対が一致する機器間でのみ通信を行うようにし、誤接続や不正接続があった場合には、端子対が一致しないため通信を行わないようにすることができるという意義を有する。
【0053】
図9は、こうした本実施形態の発明の意義について説明するための概念図であり、意図した機器間でのみ通信が可能であり、誤接続した意図しない機器との間では通信が行われないことを示している。すなわち、本図(a)に示すように、ユーザが意図した機器である機器A及び機器Bにおいて、通常のイーサネットインターフェイスによる接続における場合とは異なる端子対であってかつ同一の端子対が設定されているため、これら機器間では正常に通信ができる。一方、本図(b)に示すように、意図しない機器である機器Cにご接続した場合には、端子対が異なるため通信が行われることはない。
【0054】
端子対のパターンには、次に示すように理論的に48のパターンがある。
表2は、本発明が利用するイーサネット機器の接続パターンを示す。本表の最上欄には、例えばLANポートに4個の端子A、B,C、Dがあることを示す。そして、これと対をなす物理層処理ユニットの4個の端子の組み合わせは、その左下欄の1~24に示すように24のパターンが存在する。さらに、右下欄の25~48に示すように極性を入れ替えたものは別パターンを構成するので、接続変更のパターンは全部で48とおりあることになる。「極性を入れ替える」とは、コンタクト1、2、3、4の順にコンタクトが隣接配置されている場合に+-+-(Positive)の順に信号の極性を定める場合と、-+-+(Negative)の順に信号の極性を定める場合が考えられ前者の組合せを採用していたものを後者の組合せにしたり、逆に後者の組合せを採用していたものを前者の組合せにしたりすることを言う。このうち、1及び25に記載した端子Aどうし、端子Bどうし、端子Cどうし、端子Dどうしが端子対をなすパターンが通常のイーサネットインターフェイスによる接続におけるものであるとすると、それ以外の2~24、26~48に記載したパターンはいずれも通常ではないパターンということになる。本発明では、これらのパターンの任意に選択して接続変更を行うことが可能であるため、同時に複数のパターンを用いつつ、多数の機器を用いて同時に通信を行う場合にも、誤接続による弊害を適切に防ぎつつ意図した機器間でのみ通信を行うことが可能となる。
【表2】
【0055】
<実施形態1 構成の説明 ハードウェア構成 全般>
次に、本実施形態の接続変換装置に係る処理を行うためのハードウェア構成について説明する。既述のように、接続変換装置は、例えばイーサネット機器に備えられ、当該イーサネット機器に搭載されたコンピュータ・ハードウェアを利用して、本実施例に係る接続変換のための処理を実行する。また、当該イーサネット機器には、LANポートや物理層処理ユニット及びこれらの端子、さらにはこれら端子間の内部接続のための配線を備えたイーサネットインターフェイスボードが備えられ、このイーサネットインターフェイスボードを利用して接続変換のための具体的な処理が実行される。
【0056】
<実施形態1 構成の説明 ハードウェア構成 イーサネットインターフェイスボード 全般>
図2Bは、イーサネットインターフェイスボードのハードウェア構成の一例を示す概略図であり、図2Aに示したイーサネット機器のマザーボードに接続されるイーサネットインターフェイスボードであって、本実施形態において用いられるイーサネットインターフェイスボードについて詳細に示したものである。本図に示すように、イーサネットインターフェイスボード0270は、マザーボードとの通信インターフェイス0271、物理層処理ユニット0272、出力先端子変更ユニット0273、LANポート0274、メモリ0275、水晶発振子(又はSAW(Surface Acoustic Wave)共振子)0276、制御回路0277を備える。
【0057】
<実施形態1 構成の説明 ハードウェア構成 イーサネットインターフェイスボード マザーボードとの通信インターフェイス>
マザーボードとの通信インターフェイスは、CPU、チップセット、不揮発性メモリ、メインメモリなどから構成されるマザーボードとイーサネットインターフェイスボードとの接続を行うためのものである。
【0058】
<実施形態1 構成の説明 ハードウェア構成 イーサネットインターフェイスボード LANポート>
LANポートは、LANケーブルを接続するためのポートであり、このため、LANポートは、LANケーブルのコネクタを接続する差込口を備えている。本実施形態におけるLANポートとして想定されているものはRJ-45ポートである。RJ-45ポートは4個の端子を備え、これら端子は、イーサネットインターフェイスボード内の内部配線による接続によって物理層処理ユニットが備える4個の端子とそれぞれ端子対を構成する形で接続されている、
【0059】
<実施形態1 構成の説明 ハードウェア構成 イーサネットインターフェイスボード 物理層処理ユニット>
既述のように、物理層は、OSI参照モデルのレイヤ1(L1)の規格で、コンピュータなどが通信を行う際の変換方式や電気的信号について規定している。また、ケーブルの特性などのネットワークに接続する為のハードウェアについての物理的な仕様を規定している。本実施形態における物理層処理ユニットは、内部(コンピュータのマザーボード側)から外部に出力される信号に関してはRJ-45ポートの端子の形状・仕様や、処理する信号形式などを定めた規約に基づく信号形式に変換処理を行う手段である。また、RJ-45などのLANポートから入力されマザーボードに出力される信号に関しては、マザーボードで処理可能な信号形式に変換処理を行う手段である。上述のように、物理層処理ユニットにも4個の端子が備えられ、LANポート(RJ-45ポート)の端子と端子対を構成する形で内部配線によって接続されている。
【0060】
<実施形態1 構成の説明 ハードウェア構成 イーサネットインターフェイスボード 水晶発振子>
水晶発振子は、水晶の圧電効果を利用した高精度の周波数の発振を利用して信号の入出力などのタイミングを計るために用いられる。また、水晶発振子に代えて表面弾性波を利用するSAW共振子を用いてもよい。主に物理層処理ユニットでの信号の変換タイミングを定めるために用いられるが、本実施形態の出力先端子変更処理ユニットの変更処理タイミングを定めるために用いられるように構成することもできる。また、イーサネットインターフェイスの制御回路の制御タイミングを定めるためにも用いられる。これはマザーボードとの通信タイミングを定めるためにも用いられる。
【0061】
<実施形態1 構成の説明 ハードウェア構成 イーサネットインターフェイスボード 出力先端子変更ユニット>
出力先端子変更ユニット(接続変換装置)は、本実施形態の接続変換装置が出力先端子変更プログラムにしたがって出力先端子変更変更処理を実行するためのものであり、以下の手順に従って当該処理を行うように構成されている。すなわち、例えばマザーボードにおいてユーザのマウス、キーボード操作などをトリガーとして端子対単位で出力先端子変更を命令する(例えば、出力先端子をLANポートの端子Aと物理層処理ユニットの端子Bの端子対となるように変更するように命令する)信号が入力されると、マザーボードのCPUは、メインメモリに読み出されている出力先端子変更プログラムに従い、そのように出力先端子を変更する処理を行えとの命令を、マザーボードとの通信インターフェイスを介してイーサネットインターフェイスボードの出力先端子変更ユニット(接続変換装置)に送信する。この命令に従い、出力先端子変更ユニット(接続変換装置)は出力先端子を変更する処理を行う。変更後の出力先端子に関する情報(例えば、LANポートの端子Aと物理層処理ユニットの端子Bとが端子対を構成するとの情報)は、マザーボードとの通信インターフェイスを介してマザーボードに送られ、メインメモリに格納される。メインメモリに格納された変更後の出力先端子に関する情報(出力先端子情報)は、さらに不揮発性メモリに格納されるようにしてもよい。出力先端子情報には端子対に関する情報が含まれるので、これを参照することで、例えば他のイーサネット機器との通信に際して当該イーサネット機器のイーサネットインターフェイスボードにおける端子対が他の通信相手である他のイーサネット機器のイーサネットインターフェイスボードにおける端子対と一致するかどうかを判断することができる。
【0062】
この出力先端子の変更は端子対の単位で行われる。具体的には、出力先端子変更ユニット(接続変換装置)は、LANポートの端子と物理層処理ユニットの端子の内部接続にかかる回路を出力先端子変更プログラムが定める端子対となるように変更する。メインメモリには、例えば前出の表1に示したような端子対の組み合わせを示すテーブルが保持されている。そこで、出力先端子変更命令を受けたCPUは、このテーブルを参照して命令内容に従った端子対の組み合わせとなるように出力先端子を変更する処理を行い、その結果得られた出力先端子情報をメインメモリに格納するという処理を行う。
【0063】
ここで、出力先端子の変更のための内部接続に係る配線回路の一例について説明する。
図15は、かかる回路の一例を示したものである。本図に示すように、内部接続にかかる配線は、物理層処理ユニットの4個の端子A~DとLANポートの4個の端子A~Dが1:1に対応する形で4対を形成している。この場合、スイッチの開閉により、端子対を構成する端子間のスイッチのみが閉じられ、それ以外のスイッチはすべて開放されることで、閉じられたスイッチで接続された端子間でのみ信号の入出力が可能となる。例えば、出力先端子変更命令によって、端子Aと端子Aとが端子対を構成する場合、これら端子に関しては、AとAの間のスイッチだけが閉じられてこれら端子が接続され、Aと接続可能なそれ以外の端子(B,C、D)及びA2と接続可能なそれ以外の端子(B,C、D)との接続のための計6個のスイッチ(本図において円で囲んだもの)はすべて開放される。これにより、A,Aに関してはA・A間でのみ信号の入出力が可能となる。同様にして、B・B間のみ、C・C間のみ、D・D間のみといった形で、それぞれ特定の端子対間でのみ信号入出力が可能となるように構成することができる。実際には、これら16個のスイッチの開閉をディスクリート実装(プリント基板上に設けられたスルーホールと言われる配線めっきされた穴に部品リードを差し込み、はんだ付けする工法を用いた実装)により設定するのではなく、ハードウェア記述言語を用いた設定を行うとともに、設定後の再構成が可能であるFPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いる方が望ましい。
【0064】
<実施形態1 構成の説明 ハードウェア構成 イーサネットインターフェイスボード メモリ>
イーサネットインターフェイスボード上に配置されているメモリは不揮発性のメモリである。このメモリ内には、制御回路が利用する情報などが格納されているが本実施形態では、出力先端子変更処理ユニットが参照する出力先端子変更プログラムから受け取った命令などが格納されていてもよい。これは、一旦設定された端子対の組合せ命令がメモリに不揮発的に格納され、イーサネット機器であるコンピュータの立ち上げごとに出力先端子変更処理ユニットがこの命令を読み込むように構成することが出来る。このように構成すると、コンピュータ本体の立ち上げ時の処理負荷を小さくできるので好ましい。従って、コンピュータ本体(特にマザーボード)から信号出力先の端子を変更する処理命令、即ち、端子対の組合せの変更命令として新たな命令を受け取った場合には、制御回路又は出力先端子変更処理ユニットからの命令に基づいてすでにメモリに記録されている命令を新たな命令で上書き処理するように構成することが好ましい。
【0065】
<実施形態1 構成の説明 ハードウェア構成 イーサネットインターフェイスボード 制御回路>
制御回路は、物理層処理ユニットに制御命令を出力したり、マザーボードとの通信インターフェイスに制御命令を出力したりするが、本実施形態においては出力先端子変更処理ユニットに対して制御命令を出力するように構成してもよい。出力先端子変更処理ユニットに対する制御命令としては、出力先端子変更プログラムに基づく命令を受信して、その命令に従って出力先端子変更処理ユニットに命令を出力するように構成することもできる。また所定の条件がイーサネットインターフェイスボード上で発生した場合に、出力先端子変更処理ユニットに対してリセット命令を出力してすべての端子間の通信を遮断するように構成することもできる。例えばイーサネットインターフェイスボード上でハッキングのサインなどを発見した場合である。ハッキングのサインは例えばイーサネットインターフェイスボード上でインダクタンスや抵抗値や容量値が正常な場合からずれるような場合を想定できる。この場合とは例えば、信号用見取り線がイーサネットインターフェイスボード上の通信線に接続されるような場合である。
【0066】
<実施形態1 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ>
次に、本実施形態の接続変換装置における処理の流れについて説明する。
図3は、本実施形態の接続変換装置における処理の流れの一例を示す図である。
【0067】
<実施形態1 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 判断ステップ、出力先端子の変更ステップ>
本図に示すように、まず、出力先端子を変更するか否かの判断ステップS0301において、変更すると判断された場合、出力先端子の変更ステップS0302において、接続変換装置は、入力信号の変換出力先と出力信号の変換出力先を端子対の単位で変更する。例えば、入力信号の変換出力先である物理層処理ユニットの端子を端子Bから端子Dに変更し、出力信号の変換出力先でありこれと端子対をなすLANポートの端子を端子Aから端子Cに変更するとの判断がなされた場合、接続変換装置はかかる変更処理を行う。このような判断がなされる場合とは、例えば、既述のように、ユーザの出力先端子変更プログラムを利用した操作入力に応じてコンピュータのCPUを介した命令を受信した場合や、コンピュータの出力先端子変更プログラムの自律的な演算処理結果に基づくCPUを介した命令を受信した場合などをいう。
【0068】
<実施形態1 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 判断ステップ、入力信号の取得ステップ>
次に、LANポートの端子Aに入力信号の受信があったか否かの判断ステップS0303において、受信があったと判断された場合、入力信号の取得ステップS0304において、接続変換装置は、当該入力信号を取得する。
【0069】
<実施形態1 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 入力信号の変換出力ステップ>
次に、入力信号の変換出力ステップS0305において、接続変換装置は、前記ステップS0304にて取得された入力信号を、物理層処理ユニットの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では端子Aからの信号を処理しない端子Bに向けて出力する。
【0070】
<実施形態1 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 判断ステップ、出力信号の取得ステップ>
次に、物理層処理ユニットの端子Bに出力信号の受信があったか否かの判断ステップS0306において、受信があったと判断された場合、出力信号の取得ステップS0307において、接続変換装置は、当該出力信号を取得する。
【0071】
<実施形態1 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 出力信号の変換出力ステップ>
次に、出力信号の変換出力ステップS0308において、接続変換装置は、前記ステップS0307にて取得された出力信号を、LANポートの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では端子Bからの信号を処理しない端子Aに向けて出力する。
【0072】
なお、図示は省略するが、ステップS0303からステップS0305までの処理と、ステップS0306からステップS0308までの処理は、順序が逆であってもよい。
次に、処理を終了するかの判断ステップS0309において、処理を終了するとの判断がなされた場合は、接続変換装置は処理を終了する。一方、当該ステップS0309において処理を終了しないとの判断がなされた場合、情報処理装置は、ステップS0301に戻り、以後上に述べたところと同様の処理を繰り返す。
【0073】
さらにこの後、LANポートの端子Cに入力信号の受信があったか否かの判断ステップにおいて、受信があったと判断された場合、入力信号の取得(出力先端子変更後)ステップにおいて、接続変換装置が当該入力信号を取得する処理を行う。この場合には、さらに上述した入力信号の変換出力ステップ、出力信号の取得ステップ、出力信号の変換出力ステップにおける処理が続けられることとなる。
なお、
【0074】
例えば、送信側のイーサネット機器のイーサネットインターフェイスボードにおいて段落[0067]に示すような変更処理がなされた場合、これとイーサネットインターフェイスボードの端子対が一致しない受信側のイーサネット機器に対しては送信を行うことができず、誤接続や不正接続による通信を防ぐことができる。また、受信側のイーサネット機器のイーサネットインターフェイスボードについても、既述のようなユーザ操作をトリガーとした変更により、端子対の組合せを送信側の機器と同一にしておくことで、意図した機器間では通信を行うことが可能となる。
【0075】
<実施形態1 効果>
本実施形態の発明によれば、RJ-45ポートと、物理層処理ユニットの内部接続にかかる4対の端子対の接続を任意に入れ替えることができるようにし、ユーザが利用対象として意図する出力側のイーサネット機器と入力側のイーサネット機器の端子対を同一の組合せのものに設定することで、これら機器間でのみ通信を行うことができるようにするとともに、誤接続や不正接続があっても両機器の端子対が一致しないために通信が正しく行われないようにすることができる。
<実施形態2>
【0076】
本実施形態は、主に請求項2、請求項7などに関する。
【0077】
<実施形態2 概要>
本実施形態の接続変換装置は、実施形態1で説明した装置と基本的に共通するが、本実施形態では、端子Aは給電端子であることを特徴とする。つまり端子Bは端子Aからの給電を受けるように構成される。このような接続変換装置を利用して通信を行う場合の具体例としては、PoE(Power over Ethernet)(登録商標。以下略す。)機器を用いて通信を行う場合が考えられる。
【0078】
<実施形態2 構成 接続変換装置>
本実施形態の接続変換装置の機能ブロックは、図1で示した実施形態1の接続変換装置の機能ブロックと同様であるので、図示を省略する。ただし、本実施形態の接続変換装置においては、LANポートの端子Aは、給電端子である。この場合、例えば、給電端子であるLANポートの端子Aは、給電側のイーサネット機器に備えられた接続変換処理に設けられる一方、当該機器とLANケーブルを介して接続された受電側のイーサネット機器の接続変換装置のLANポートの端子Aは受電端子となり、給電側のイーサネット機器からLANケーブルを介して供給された電力を受電するように構成される。このような構成により、給電側のイーサネット機器からLANケーブルを介して受電側のイーサネット機器に対して給電を行うことが可能となる。このような構成をとることが可能な接続変換装置としては、例えば、これを備えるイーサネット機器が1000BASE-T、100BASE-TX、10BASE-Tなどの仕様を有し、IEEE802.3a、IEEE802.3afなどの規格に基づくPoE機器などの給電対応機器である場合が挙げられる。
【0079】
以下、入力信号取得部のLANポートの給電端子である端子Aの構成について説明する。その余の構成は実施形態1で説明したところと同様であるので、説明を省略する。
【0080】
<実施形態2 構成の説明 接続変換装置 入力信号取得部 LANポート 給電端子>
LANポートの端子Aは、給電端子である。給電端子は、イーサネット機器の動作のために、当該イーサネット機器に対して電源からの電力を供給するための端子である。LANポートの端子Aが給電端子であるという構成の結果、端子Aは通信のための信号の入出力と給電の両方の機能を兼ねるものとなる。
【0081】
<実施形態2 構成の説明 給電側のPoE機器における接続変換装置>
上述のように、本実施形態の接続変換装置は、給電側のPoE機器に備えられるものであるが、これに対応する給電側のPoE機器における接続変換装置の構成も図1で示した実施形態1の接続変換装置の機能ブロックと同様である。
【0082】
<実施形態2 構成の説明 ハードウェア構成 イーサネットインターフェイスボード>
図4は、本実施形態の接続変換装置に係る処理を行うためのイーサネットインターフェイスボードのハードウェア構成の一例を示す概略図である。本図の例は、給電側のPoE機器から受電側のPoE機器に対して、LANケーブル0478を介して電力が供給される場合に、それぞれの機器におけるイーサネットインターフェイスボード0470のハードウェア構成を示したものである。
【0083】
このうち、給電側のPoE機器のイーサネットインターフェイスボードには、電源0477とPoEコントローラ(給電)0478が備えられている。なお、本図の例と異なり、PoEコントローラ(給電)はPoE機器のマザーボードに備えられていてもよい。
【0084】
IEEE802.3a、IEEE802.3afなどの規格に基づくPoE機器における給電は、一般に、LANポートの端子と物理層処理ユニットの端子間の4対の内部配線のうち2対間にPoEコントローラから電圧を印加することにより行われる。この電圧の印加は、例えばユーザの電源スイッチON操作をトリガーとして行われる。本実施形態における給電もこれと同様のしくみを用いて行うことができる。
【0085】
さらに、このようにして生成された電力は、給電側のPoE機器から、LANケーブルを介して、受電側のPoE機器に供給される。受電側のPoE機器においては、イーサネットインターフェイスボードのLANポート0474の端子から、物理層処理ユニット0472に対して電力が供給される。この給電に際しても、上述と同様に、LANポートの端子と物理層処理ユニットの端子間の4対の内部配線のうち2対間にPoEコントローラ(受電)0478から電圧を印加することにより行われる。
【0086】
受給電の確立後は、物理層処理ユニットによってリンク確立処理が開始されるが、そこで初めて出力先端子変更処理ユニット(接続変換装置)0473による接続変換処理を行うことが可能となる。したがって、誤接続や不正接続がなされた場合、PoE機器に電源は入るが、誤接続や不正接続に係る機器は、端子対が一致しないために通信ができない状態となる。
【0087】
このようなイーサネット機器を利用することで、コンセントがない場所などAC電源からのアクセスが制約されている環境でも使用できる接続変換装置を提供することが可能となる。また、このような装置を使用することで、電源工事やACアダプタの設置などの費用を節約することも可能となる。そして、このような接続変換装置を用いることで、こういたAC電源からのアクセスが制約されている環境においても、ユーザが利用対象として意図した機器間でのみ通信を行うことができ、誤接続や不正接続があっても通信が行われないようにすることが可能となる。
【0088】
<実施形態2 処理の流れ>
図示は省略するが、本実施形態においては、実施形態1について図3を用いて説明した処理の流れに先立ち、イーサネット機器(PoE機器)の電源をONにするための給電ステップが設けられ、当該給電ステップにおいて、イーサネットインターフェイス装置に備えられたLANポートの端子Aから物理層処理ユニットの端子Bに対する給電が行われる。その後、図3に示したステップS0301~S0308と同様の処理が順次行われる。
【0089】
<実施形態2 効果>
本実施形態の発明によれば、AC電源からのアクセスの制約による機器の設置場所の制約の解消や、電源工事やACアダプタの設置などの費用の節約を可能とした環境でも、実施形態1で説明したのと同様の効果を奏することが可能な接続変換装置を提供することができる。
<実施形態3>
【0090】
本実施形態は、主に請求項3、請求項8、請求項10などに関する。
【0091】
<実施形態3 概要>
本実施形態の発明は、イーサネット信号とUSB信号とを変換処理する接続変換装置に関するものであり、LANポートの端子からの入力信号をUSBインターフェイス内部端子に向けて出力する場合及びUSBインターフェイス内部端子からの出力信号をLANポートの端子に向けて出力する場合において、通常の変換処理では本来これら一方の通信プロトコル(例えばイーサネット)出力元の端子からの信号を他方の通信プロトコル(例えばUSB)の処理しない端子に向けて出力することで、接続変換を行った場合に、入接続変更後の新たな端子対の組み合わせに応じた正しい出力先に信号出力を行うことができる接続変換装置を提供するものである。このような接続変換装置を利用して通信を行う場合の具体例としては、LANケーブルに接続するためのLANポートと、パソコンなどのイーサネット機器に接続するためのUSBポートを備える外付けユニットを用いて通信を行う場合が考えられる。
【0092】
図12は、本実施形態の接続変換装置を利用して通信を行う場合に用いる機器等の一例を示す概要図である。本図の例では、これら機器等は、パソコンなどのイーサネット機器1290と、外付けユニット1280と、LANケーブル1201とからなる。イーサネット機器にはUSBポート1291が備えられる。外付けユニットには、イーサネット機器のUSBポートに接続するためのUSBコネクタ1281と、LANケーブルのコネクタに接続するためのLANポート1282が備えられる。かかる構成を有する外付けユニットの具体例として、USB(オス)-RJ-45(メス)変換アダプタが挙げられる。LANケーブルには、LANコネクタ1202が備えられる。なお、本図は図示の便宜上これら各機器等が接続されていない状態で示したが、通信時には破線で結んだUSBポート・USBコネクタ、LANポート・LANコネクタどうしが接続される。
【0093】
<実施形態3 構成>
(全般)
図5は、本実施形態の接続変換装置の機能ブロックの一例を示す図である。本実施形態の接続変換装置0500は、入力信号取得部0510と、入力信号変換出力部0520と、出力信号取得部0530と、出力信号変換出力部0540と、出力先端子変更部0550と、LANポート0560と、USBインターフェイス0570とを有する。LANポートには内部端子0561が備えられており、USBインターフィスにはUSBインターフェイス内部端子0571が備えられている。情報変換装置は、イーサネット機器に備えられており、イーサネット機器が複数ある場合には、これら複数の機器を共通して制御する装置として備えられる点や、典型的には、入力側のイーサネット機器と出力側のイーサネット機器がLANケーブルで接続されている場合において、これら両方の機器を共通して制御する装置として接続変換装置が備えられる点は、実施形態1の接続変換装置と同様である。これにより、入力側のイーサネット機器と出力側のイーサネット機器において同じ信号変換処理がされることで、LANケーブルの接続を入れ替えた場合でも両機器間で正常な通信が可能となる。
【0094】
このように、本実施形態の接続変換装置の構成は、実施形態1で説明した接続変換装置の構成と基本的に共通するが、本実施形態の接続変換装置は、USBインターフェイス内部端子を有する点に違いがある。具体的には、USBインターフェイスは物理層処理ユニットを備えており、USBインターフェイス内部端子はこの物理層処理ユニットに備えられている。また、USBインターフェイスはUSB信号処理ユニットも備えており、USBインターフェイスにおいて、実施形態1で述べたのと同様の物理層信号処理とUSB信号処理が同時に行われることとなる。
【0095】
<実施形態3 構成の説明 接続変換装置 入力信号取得部>
入力信号取得部は、LANポートの端子Cの入力信号を取得するように構成されている。その構成は、実施形態1の接続変換装置の入力信号取得部について述べたところと基本的に共通する。
【0096】
<実施形態3 構成の説明 接続変換装置 入力信号変換出力部>
入力信号変換出力部は、取得した入力信号をUSBインターフェイス内部端子であって、通常の変換処理では本来端子Cからの信号を処理しない端子Dに向けて出力するように構成されている。その際、上記入力信号はイーサネット信号であるところ、これをUSB信号に変換して出力がなされる。
【0097】
<実施形態3 構成の説明 接続変換装置 入力信号変換出力部 USBインターフェイス内部端子>
「USBインターフェイス内部端子」は、LANポートの端子との間で信号を伝送するためのUSB(Universal Serial Bus)規格に基づく内部配線の端子をいう。入力信号変換出力部が入力信号取得部から取得した入力信号を出力するための具体的構成は、実施形態1の接続変換装置の入力信号変換出力部と同様である。
【0098】
「通常の変換処理では本来端子Cからの信号を処理しない端子D」の「通常の」は、実施形態1で説明した「通常の」と同様の意味である。
【0099】
<実施形態3 構成の説明 接続変換装置 出力信号取得部>
出力信号取得部は、USBインターフェイス内部端子であって端子Dからの信号を取得するように構成されている。
【0100】
<実施形態3 構成の説明 接続変換装置 出力信号変換出力部>
出力信号変換出力部は、取得した出力信号をLANポートの端子であって、通常の変換処理では本来前記端子Dからの信号を処理しないLANポートの端子Cに向けて出力するように構成されている。その際、上記出力信号はUSB信号であるところ、これをイーサネット信号に変換して出力がなされる。
【0101】
このような構成によれば、LANポートとUSBポートを備える外付けユニットを介してイーサネット機器と、USBインターフェイスを介して接続可能であるがLANケーブルを直接接続することができない通信機器との間で信号の入出力を行うことが可能となる。したがって、本発明の構成をイーサネット機器とLANケーブルを直接接続することができない通信機器との通信にも適用することが可能となる。
【0102】
<実施形態3 構成の説明 接続変換装置 出力先端子変更部>
出力先端子変更部は、入力信号変換出力部と出力信号変換出力部の信号出力先を端子対の単位で変更するように構成されている。このように接続変更に伴う出力先の変更を端子対の単位で行うことで、例えば複数の機器間で信号の入出力が行われる場合において接続変更後においてもこれら機器間の端子対の組み合わせが同一に維持される結果、これら機器間で正常な通信を行うことが可能となる。
【0103】
<実施形態3 構成の説明 ハードウェア構成 イーサネットインターフェイス装置>
次に、本実施形態の接続変換装置に係る処理を行うためのハードウェア構成について説明する。
【0104】
図6は、本実施形態の接続変換装置における処理に利用するイーサネットインターフェイス装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。本図に示すように、外付けユニット(イーサネットインターフェイス装置)0670は、USBポート0671、USBインターフェイス内部端子を備えるUSBインターフェイス0672、出力先端子変更ユニット0673、LANポート0674、メモリ0675、水晶発振子(又はSAW共振子)0676、送受信部0677を備える。USBポートは、パソコンなどのイーサネット機器のUSBポートに差し込むためのコネクタを有する。LANポート、メモリ、水疱発信子(又はSAW共振子)の構成は、実施形態1で説明したところと基本的に共通であるから、説明を省略する。
【0105】
本実施形態における外付けユニット(イーサネットインターフェイス装置)は、実施形態1で説明したイーサネットインターフェイスボードと異なり、通例は単にLANケーブル・マザーボード間の信号の伝送路を提供するものにすぎず、出力先端子変更プログラムに従って出力先端子を変更する処理を行うための制御を行うための手段を自らが備えるようには構成されておらず、マザーボードに備えられたCPUなどの制御手段によってなされた出力先端子を変更せよとの命令を受けてかかる変更処理を行うように構成される。このため、本実施形態のイーサネットインターフェイス装置では、出力先端子変更ユニット(接続変換装置)が出力先端子を変更する処理を行うための構成として、送受信部が備えられる。送受信部は、マウス、キーボードなどのユーザ操作によってI/Oコントローラを介してマザーボードへの入力された信号を処理してCPUから発せられた出力先端子変更命令を受け付け、当該命令を出力先端子変更ユニットに送信するように構成される。これを受けて出力先端子変更ユニット(接続変換装置)が出力先端子を変更する処理を行うこととなる。
【0106】
なお、費用対効果の点で上述した構成より劣るものの、本実施形態の接続変換装置がCPUを備え、自ら保持する出力先端子変更プログラムに従い、出力先端子を変更する処理を行うようにしてもよい。
【0107】
ところで、本実施形態の構成を用いて通信を行う場合には、実施形態1では生じない特有の問題が生じることから、これを解決する必要がある。すなわち、2個のイーサネット機器間での通信に際して本実施形態の接続変換装置を利用する場合、これらイーサネット機器間の接続は、図12に示したように、一方のイーサネット機器A(例えばパソコン)のUSBポートにUSB(オス)-RJ-45(メス)変換アダプタなどの外付けユニットのUSBコネクタを接続し、当該外付けユニットの他方側のLANポートに他方のイーサネット機器Bと接続されているLANケーブルのコネクタを接続するいう構成が考えられる。
【0108】
図16は、かかる接続構成を改めて概念図で示したものである。ここで、通常の接続では、イーサネット機器A1610、イーサネット機器B1620ともLANポートの端子Aと物理層処理ユニットの端子Aが端子対をなしている(以下、便宜上「A-A」という。)ものとしたうえで、(a)に示すように、誤接続や不正接続を防止するために、外付けユニット1600に備えられている接続変換装置がLANポートの端子Aと物理層処理ユニット(又はUSB内部端子)の端子Bが端子対をなす(以下、便宜上「A-B」という。)ように接続変換を行ったとする。なお、(b)に示すように、両側のイーサネット機器がともに外付けユニットを介して接続されていてもよいが、問題の所在は同じであるので、以下、(a)の場合で説明する。
【0109】
このとき、(c)に示すように、イーサネット機器Bに代えてイーサネット機器C1630が誤接続ないし不正接続されても、イーサネット機器C内の端子対の組み合わせは通例は、通常の「A-A」であると考えられるから、外付けユニットの端子対の組合せ「A-B」と一致せず、したがって通信がなされるおそれはない。
【0110】
しかし、(c)に示すように、イーサネット機器Aに代えてイーサネット機器Cが誤接続ないし不正接続された場合には、イーサネット機器Bと外付けユニットの端子対の組み合わせが一致した状態が維持されているため、通信が行われてしまうという問題が生じる。
【0111】
このように、本実施形態の場合、外付けユニットのUSBコネクタをイーサネット機器につながれてしまうと不正接続を防止できないという問題がある。しかしながら、不正接続を行おうとする者が、知らずに外付けユニットを介さずにLANコネクタをイーサネット機器CのLANポートにつないでも、通信はできないので、本実施形態の構成もこの点で従来にない効果を有するものであるといえる。
【0112】
<実施形態3 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ>
図7は、本実施形態の接続変換装置における処理の流れの一例を示す図である。
【0113】
<実施形態3 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 判断ステップ、入力信号の取得ステップ>
まず、LANポートの端子Cに入力信号の受信があったか否かの判断ステップS0701において、受信があったと判断された場合、入力信号の取得ステップS0702において、接続変換装置は、当該入力信号を取得する。
【0114】
<実施形態3 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 入力信号の変換出力ステップ>
次に、入力信号の変換出力ステップS0703において、接続変換装置は、前記ステップS0702にて取得された入力信号を、USBインターフェイス内部端子であって、通常の変換処理では端子Cからの信号を処理しない端子Dに向けて出力する。なお、より詳細には、USB(オス)-RJ-45(メス)変換アダプタなどの外付けユニットには、内部にUSBポートへの入出力を可能にするための物理層処理ユニットが備えられているため、物理層信号の処理とUSB信号の処理を同時に行うことで、USB信号をLANポートに出力することが可能となる。
【0115】
<実施形態3 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 判断ステップ、出力信号の取得ステップ>
次に、USBインターフェイス内部端子Dに出力信号の受信があったか否かの判断ステップS0704において、受信があったと判断された場合、出力信号の取得ステップS0705において、接続変換装置は、当該出力信号を取得する。
【0116】
<実施形態3 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 出力信号の変換出力ステップ>
次に、出力信号の変換出力ステップS0706において、接続変換装置は、前記ステップS0705にて取得された出力信号を、LANポートの端子であって、通常の変換処理では端子Dからの信号を処理しない端子Cに向けて出力する。なお、ステップS0701からステップS0703までにおける処理と、ステップS0704からステップS0706までにおける処理は、順序が逆であってもよい。
【0117】
<実施形態3 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 判断ステップ、出力先端子の変更ステップ>
さらに、出力先端子を変更するか否かの判断ステップS0707において、変更すると判断された場合、出力先端子の変更ステップS0708において、接続変換装置は、入力信号の変換出力先と出力信号の変換出力先を端子対の単位で変更する。例えば、入力信号の変換出力先であるUSBインターフェイス内部端子を端子Dから端子Bに変更し、出力信号の変換出力先でありこれと端子対をなすLANポートの端子を端子Cから端子Bに変更するとの判断がなされた場合、接続変換装置はかかる変更処理を行う。
【0118】
<実施形態3 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 出力先端子変更後の処理の流れ>
図示は省略するが、さらにこの後、LANポートの端子Cに入力信号の受信があったか否かの判断ステップにおいて、受信があったと判断された場合、入力信号の取得(出力先端子変更後)ステップにおいて、接続変換装置が当該入力信号を取得する処理を行う。この場合には、さらに上述した入力信号の変換出力ステップ、出力信号の取得ステップ、出力信号の変換出力ステップにおける処理が続けられることとなる。
【0119】
<実施形態3 効果>
本実施形態の発明によれば、LANケーブルで接続されたイーサネット機器間の通信をLANポートとUSBポートを備える外付けユニットを介して行う場合においても、誤送信や不正送信を防止することができる。
<実施形態4>
【0120】
本実施形態は、本発明に関連する発明に関する。
【0121】
<実施形態4 概要>
本実施形態の発明は、LANポート及びLANコネクタを備える外付けユニットを用いて通信を行う場合に関するものであり、一方(例えばLANケーブルに接続される側)のLANポートの端子からの入力信号を他方(例えばパソコン側)のLANインターフェイスの内部端子に向けて出力する場合において、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来これら出力元の端子からの信号を処理しない端子に向けて出力することで、接続変更を行った場合に、入接続変更後の新たな端子対の組み合わせに応じた正しい出力先に信号出力を行うことができる接続変換装置を提供するものである。このような接続変換装置を利用して通信を行う場合の具体例としては、LANケーブルに接続するためのLANポートと、パソコンなどのイーサネット機器に接続するためのLANインターフェイスを備える外付けユニットを用いて通信を行う場合が考えられる。
【0122】
図13は、本実施形態の接続変換装置を利用して通信を行う場合に用いる機器等の一例を示す概要図である。本図の例では、これら機器等は、パソコンなどのイーサネット機器1390と、外付けユニット1380と、LANケーブル1301とからなる。イーサネット機器にはLANポート1391が備えられる。外付けユニットには、イーサネット機器のLANポートに接続するためのLANコネクタを含むLANインターフェイス1381と、LANケーブルのコネクタに接続するためのLANポート1382が備えられる、LANケーブルには、LANコネクタ1302が備えられる。なお、本図は図示の便宜上これら各機器等が接続されていない状態で示したが、通信時には破線で結んだLANポート・LANコネクタどうしが接続される。
【0123】
<実施形態4 構成>
図14は、本実施形態の接続変換装置の機能ブロックの一例を示す図である。本図に示すように、本実施形態の接続変換装置1400は、入力信号取得部1410と、入力信号変換出力部1420と、出力信号取得部1430と、出力信号変換出力部1440と、出力先端子変更部1450を有する。以下、各部の構成について説明する。その際、説明の便宜上、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来互いの入出力信号を処理しない端子対をLANケーブル側のLANポートの内部端子Eとイーサネット機器側のLANインターフェイスの内部端子Fとして説明する。
【0124】
<実施形態4 構成の説明 接続変換装置 入力信号取得部>
入力信号取得部は、LANケーブル側のLANポート1470の内部端子Eの入力信号を取得するように構成されている。その構成は、実施形態1の接続変換装置の入力信号取得部について述べたところと基本的に共通する。
【0125】
<実施形態4 構成の説明 接続変換装置 入力信号変換出力部>
入力信号変換出力部は、取得した入力信号をイーサネット機器側のLANインターフェイスの内部端子あって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来端子Eからの信号を処理しない端子Fに向けて出力するように構成されている。入力信号変換出力部が入力信号取得部から取得した入力信号を出力するための具体的構成は、実施形態1の接続変換装置の入力信号変換出力部と同様である。
【0126】
<実施形態4 構成の説明 接続変換装置 出力信号取得部>
出力信号取得部は、LANケーブル側のLANポートの内部端子であって端子Fからの信号を取得するように構成されている。
【0127】
<実施形態4 構成の説明 接続変換装置 出力信号変換出力部>
出力信号変換出力部は、取得した出力信号をイーサネット機器側のLANインターフェイスの内部端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では本来前記端子Eからの信号を処理しない端子Fに向けて出力するように構成されている。
【0128】
<実施形態4 構成の説明 接続変換装置 出力先端子変更部>
出力先端子変更部は、入力信号変換出力部と出力信号変換出力部の信号出力先を端子対の単位で変更するように構成されている。このように接続変更に伴う出力先の変更を端子対の単位で行うことで、例えば複数の機器間で信号の入出力が行われる場合において接続変更後においてもこれら機器間の端子対の組み合わせが同一に維持される結果、これら機器間で正常な通信を行うことが可能となる。
【0129】
<実施形態4 構成の説明 本実施形態の構成の意義>
以上のような構成によれば、イーサネット機器とLANケーブルで接続される他のイーサネット機器との間で通信を行う場合において、LANケーブルとイーサネット機器の間に二つのLANポートないしLANコネクタを備える外付けユニットを介して通信を行うような場合において、これら機器間でのみ通信を行うことができるようにし、誤接続や不正接続があっても通信が行われないようにすることができる。
【0130】
ただし、このような構成において、接続変換装置を外付けユニット内に備えるようにした場合、不正接続を行おうとする者が当該外付けユニットを外してLANケーブルのLANコネクタを直接イーサネット機器のLANポートに接続することで、簡単に不正接続することができてしまうおそれもある。そこで、これを回避するため、本実施形態の接続変換装置は、LANコネクタがイーサネット機器のLANポートから取り外された場合にこれを警告する手段などを備えていることが望ましい。
【0131】
<実施形態4 構成の説明 ハードウェア構成>
図示を省略するが、本実施形態の接続変換装置を用いて通信を行う場合に利用するイーサネット機器におけるイーサネットインターフェイスボードのハードウェア構成は、実施形態3で説明したところと同様である。本実施形態におけるイーサネットインターフェイスボードも実施形態3のそれと同様、通例は単に信号の伝送路を提供するものにすぎず、自らはCPUを備えず、したがって、出力先端子変更プログラムに従って出力先端子を変更する処理を行うようには構成されていない。このため、出力先端子変更ユニット(接続変換装置)が出力先端子を変更する処理を行うための構成として、送受信部及びI/Oコントローラが備えられる。送受信部は、マウス、キーボードなどのI/Oコントローラを介したユーザ操作によって入力された出力先端子変更命令を受け付け、当該命令を出力先端子変更ユニットに送信する。これを受けて出力先端子変更ユニット(接続変換装置)が出力先端子を変更する処理を行う出力先端子変更ユニット(接続変換装置)が出力先端子を変更する処理を行う。
【0132】
なお、費用対効果の点で上述した構成より劣るものの、本実施形態の接続変換装置がCPUを備え、自ら保持する出力先端子変更プログラムに従い、出力先端子を変更する処理を行うようにしてもよい点も実施形態3で述べたところと同様である。
【0133】
本実施形態においても、実施形態3において図16を用いて説明したところと同様の、外付け機器のLANコネクタ側に意図しないイーサネット機器が誤接続ないし不正接続された場合の問題が生じる。これに対しては、実施形態3で説明したところと同様の構成により回避することが可能である。
【0134】
<実施形態4 構成の説明 処理の流れ>
以下に本実施形態における処理の流れについて説明する。なお、本実施形態における処理の流れは、実施形態3における処理の流れについて説明した図4におけるものとインターフェイスの種類及び端子の名称が異なるほか、基本的に同様であることから図示は省略する。
【0135】
<実施形態4 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 判断ステップ、入力信号の取得ステップ>
まず、LANポートの端子Eに入力信号の受信があったか否かの判断ステップS01において、受信があったと判断された場合、入力信号の取得ステップS02において、接続変換装置は、当該入力信号を取得する。
【0136】
<実施形態4 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 入力信号の変換出力ステップ>
次に、入力信号の変換出力ステップS03において、接続変換装置は、前記ステップS02にて取得された入力信号を、LANインターフェイス内部端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では端子Eからの信号を処理しない端子Fに向けて出力する。
【0137】
<実施形態4 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 判断ステップ、出力信号の取得ステップ>
次に、LANインターフェイス内部端子Fに出力信号の受信があったか否かの判断ステップS04において、受信があったと判断された場合、出力信号の取得ステップS05において、接続変換装置は、当該出力信号を取得する。
【0138】
<実施形態4 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 出力信号の変換出力ステップ>
次に、出力信号の変換出力ステップS06において、接続変換装置は、前記ステップS05にて取得された出力信号を、LANポートの端子であって、通常のイーサネットインターフェイスによる接続では端子Fからの信号を処理しない端子Eに向けて出力する。なお、ステップS01からステップS03までにおける処理と、ステップS04からステップS06までにおける処理は、順序が逆であってもよい。
【0139】
<実施形態4 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 判断ステップ、出力先端子の変更ステップ>
さらに、出力先端子を変更するか否かの判断ステップS07において、変更すると判断された場合、出力先端子の変更ステップS08において、接続変換装置は、入力信号の変換出力先と出力信号の変換出力先を端子対の単位で変更する。例えば、入力信号の変換出力先であるLANインターフェイス内部端子を端子Fから端子Bに変更し、出力信号の変換出力先でありこれと端子対をなすLANポートの端子を端子Eから端子Aに変更するとの判断がなされた場合、接続変換装置はかかる変更処理を行う。
【0140】
<実施形態4 処理の流れ 接続変換装置における処理の流れ 出力先端子変更後の処理の流れ>
図示は省略するが、さらにこの後、LANポートの端子Eに入力信号の受信があったか否かの判断ステップにおいて、受信があったと判断された場合、入力信号の取得(出力先端子変更後)ステップにおいて、接続変換装置が当該入力信号を取得する処理を行う。この場合には、さらに上述した入力信号の変換出力ステップ、出力信号の取得ステップ、出力信号の変換出力ステップにおける処理が続けられることとなる。
【0141】
<実施形態4 効果>
本実施形態の発明によれば、LANケーブルで接続されたイーサネット機器間の通信をLANポート及びLANコネクタを備える外付けユニットを介して行う場合においても、誤接続や不正接続があった場合に通信が行われないようにすることができる。
<実施形態5>
【0142】
本実施形態は、主に請求項4などに関する。
【0143】
<実施形態5 概要>
本実施形態の発明は、実施形態1などで述べた接続変換装置を備えるイーサネットインターフェイス装置を提供するものである。
【0144】
<実施形態5 構成>
(全般)
図10は、本実施形態のイーサネットインターフェイス装置の機能ブロックの一例を示す図である。本図に示すように、イーサネットインターフェイス装置1080は、接続変換装置1000と、LANポート1060と、物理層処理ユニット1070とを有する。またこのほかに、本図の例にも示したように、データリンク層処理ユニット1085などの他の処理を行うための手段を有していてもよい。
【0145】
イーサネットインターフェイス装置は、イーサネット機器とLANケーブルで接続される他のイーサネット機器との間の通信を媒介するための装置であり、例えば、RJ-45モジュラージャックが該当する。なお、LANポート、物理層処理ユニット、及び接続変換装置の構成は、実施形態1で説明したところと同様であるから説明を省略する。
【0146】
なお、イーサネットインターフェイス装置は、通例、データリンク層処理ユニットを有しており、当該ユニットは、OSI参照モデルにおけるデータリンク層が司る回線やネットワークで物理的に繋がれた機器間でのデータの受渡しのための規約に基づく処理を行う。
【0147】
<効果>
本実施形態の発明により、実施形態1で説明した構成によって誤接続や不正接続があった場合に通信が行われないようにすることができる接続変換装置を備えたイーサネットインターフェイス装置を提供することができる。
<実施形態6>
【0148】
本実施形態は、主に請求項5などに関する。
【0149】
<実施形態6 概要>
本実施形態の発明は、実施形態5で述べたイーサネットインターフェイス装置を備えたイーサネット機器を提供するものである。
【0150】
<実施形態6 構成>
図11は、本実施形態のイーサネット機器の機能ブロックの一例を示す図である。本図に示すように、イーサネット機器1190は、接続変換装置1100と、LANポート1160と、物理層処理ユニット1170とを有するイーサネットインターフェイス装置1180と、コンピュータ装置1195とを有する。
【0151】
<実施形態6 構成の説明 コンピュータ装置>
以下、本実施形態のイーサネット機器に備えられるコンピュータ装置の構成について説明する。その余の構成は実施形態1で説明した接続変換装置及び実施形態5で説明したイーサネットインターフェイス装置の構成と同様であるから説明を省略する。
【0152】
本実施形態におけるコンピュータ装置は、パソコン、プリンター、スマートフォンなどの端末装置やサーバ装置であり、イーサネットインターフェイス装置に接続されて同装置との間でデータの送受信を行うように構成されるものである。
【0153】
<実施形態6:効果>
本実施形態の発明により、実施形態4で説明した構成によって誤接続や不正接続があった場合に通信が行われないようにすることができるイーサネットインターフェイス装置を備えたイーサネット機器を提供することができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16