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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068989
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】測定装置及び測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20240514BHJP
   G01N 21/01 20060101ALI20240514BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20240514BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
G01N21/27 Z
G01N21/01 Z
A01G7/00 603
G01N33/483 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179718
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 理紗子
(72)【発明者】
【氏名】宮地 孝明
(72)【発明者】
【氏名】増田 梨恵
【テーマコード(参考)】
2G045
2G059
【Fターム(参考)】
2G045AA31
2G045CB20
2G045DA30
2G045DA36
2G045FA11
2G059AA05
2G059BB08
2G059BB12
2G059CC16
2G059DD13
2G059EE01
2G059EE02
2G059GG02
2G059GG03
2G059HH01
2G059HH02
2G059JJ02
2G059LL04
2G059MM12
2G059NN01
(57)【要約】
【課題】測定時における検出光に外乱光が混入することを抑止する。
【解決手段】測定装置は、遮光性を有し、かつ、変形可能な一対の弾性部材と、一対の弾性部材の一方の少なくとも一部と一対の弾性部材の他方の少なくとも一部を密着させる密着部と、一対の弾性部材の一方又は他方を貫通する第1貫通孔を介して、一対の弾性部材同士の間の所定領域に光を照射する光照射部と、一対の弾性部材の一方又は他方を貫通する第2貫通孔を介して、一対の弾性部材同士の間の所定領域から検出光を受光する受光部と、一対の弾性部材同士の間の所定領域から検出される検出光に基づいて、所定の測定を行う測定部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮光性を有し、かつ、変形可能な一対の弾性部材と、
一対の前記弾性部材の一方の少なくとも一部と一対の前記弾性部材の他方の少なくとも一部を密着させる密着部と、
一対の前記弾性部材の前記一方又は前記他方を貫通する第1貫通孔を介して、一対の前記弾性部材同士の間の所定領域に光を照射する光照射部と、
一対の前記弾性部材の前記一方又は前記他方を貫通する第2貫通孔を介して、一対の前記弾性部材同士の間の前記所定領域から検出光を受光する受光部と、
一対の前記弾性部材同士の間の前記所定領域から検出される前記検出光に基づいて、所定の測定を行う測定部と、
を備える測定装置。
【請求項2】
前記密着部は、一対の前記弾性部材の前記一方が一対の前記弾性部材の前記他方に接近する方向に一対の前記弾性部材の前記一方を移動させ、かつ、一対の前記弾性部材の前記他方が一対の前記弾性部材の前記一方に接近する方向に一対の前記弾性部材の前記他方を移動させる、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記密着部は、
一対の前記弾性部材の前記一方が取り付けられた第1カバーと、
一対の前記弾性部材の前記他方が取り付けられた第2カバーと、
前記第1カバーと前記第2カバーとを互いに引き寄せるバネと、
を有する、
請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記密着部は、
一対の前記弾性部材の前記一方が取り付けられた第1カバーと、
一対の前記弾性部材の前記他方が取り付けられた第2カバーと、
前記第2カバーに取り付けられ、前記第1カバーに係合する係合部材と、
を有する、
請求項2に記載の測定装置。
【請求項5】
一対の前記弾性部材の前記一方が一対の前記弾性部材の前記他方に接近する方向に前記第1カバーが移動することを規制し、かつ、一対の前記弾性部材の前記他方が一対の前記弾性部材の前記一方に接近する方向に前記第2カバーが移動することを規制する規制部を備える、
請求項3又は4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記密着部は、一対の前記弾性部材の前記一方が一対の前記弾性部材の前記他方に接近する方向に一対の前記弾性部材の前記一方を移動させる、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項7】
前記密着部は、
一対の前記弾性部材の前記一方が取り付けられた第1カバーと、
一対の前記弾性部材の前記他方が取り付けられた第2カバーと、
前記第1カバーにおける一対の前記弾性部材の前記一方が取り付けられた部分に向かって前記第2カバーを押圧する押圧バネと、
を有する、
請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記密着部は、
一対の前記弾性部材の前記一方が取り付けられた第1カバーと、
一対の前記弾性部材の前記他方が取り付けられた第2カバーと、
前記第2カバーに取り付けられ、前記第1カバーに係合する係合部材と、
を有する、
請求項6に記載の測定装置。
【請求項9】
一対の前記弾性部材の前記他方が一対の前記弾性部材の前記一方に接近する方向に前記第2カバーが移動することを規制する規制部を備える、
請求項7又は8に記載の測定装置。
【請求項10】
前記第1カバー及び前記第2カバーが、一対の前記弾性部材を挟持している、
請求項3、4、7及び8の何れか一項に記載の測定装置。
【請求項11】
前記光照射部は、光を出射する光源と、一対の前記弾性部材同士の間の前記所定領域に前記光源から出射される前記光を導く第1光導波路とを有し、
前記受光部は、光を検出する検出部と、一対の前記弾性部材同士の間の前記所定領域から検出される前記検出光を前記検出部に導く第2光導波路とを有する、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項12】
一対の前記弾性部材の前記一方は、一対の前記弾性部材の前記他方と対向する面に第1溝を有し、
一対の前記弾性部材の前記一方を貫通する前記第1貫通孔と前記第1溝とが接続されており、
前記第2貫通孔は、一対の前記弾性部材の前記他方を貫通している、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項13】
一対の前記弾性部材の前記一方は、一対の前記弾性部材の前記他方と対向する面に第1溝を有し、
一対の前記弾性部材の前記他方は、一対の前記弾性部材の前記一方と対向する面に第2溝を有し、
一対の前記弾性部材の前記一方を貫通する前記第1貫通孔と前記第1溝とが接続されており、
一対の前記弾性部材の前記他方を貫通する前記第2貫通孔と前記第2溝とが接続されている、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項14】
一対の前記弾性部材の前記一方は、一対の前記弾性部材の前記他方と対向する面に第1溝を有し、
一対の前記弾性部材の前記一方を貫通する前記第1貫通孔と前記第1溝とが接続されており、
一対の前記弾性部材の前記一方を貫通する前記第2貫通孔と前記第1溝とが接続されている、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項15】
一対の前記弾性部材の前記他方は、一対の前記弾性部材の前記一方と対向する面に第2溝を有する、
請求項14に記載の測定装置。
【請求項16】
一対の前記弾性部材の前記他方は、一対の前記弾性部材の前記一方と対向する面に第2溝を有し、
前記第1貫通孔は、一対の前記弾性部材の前記一方を貫通しており、
前記第2貫通孔は、一対の前記弾性部材の前記一方を貫通している、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項17】
遮光性を有し、かつ、変形可能な一対の弾性部材と、一対の前記弾性部材が植物の所定部位を囲んだ状態で一対の前記弾性部材の少なくとも一部を前記植物の前記所定部位に密着させる密着部と、を備える測定装置が実行する測定方法であって、
一対の前記弾性部材の一方又は他方を貫通する第1貫通孔を介して、一対の前記弾性部材同士の間の所定領域に光を照射するステップと、
一対の前記弾性部材の前記一方又は前記他方を貫通する第2貫通孔を介して、一対の前記弾性部材同士の間の前記所定領域から検出光を検出するステップと、
前記検出光に基づいて、前記植物の栄養状態に関する物質量を測定するステップと、
を含む測定方法。
【請求項18】
前記物質量は、硝酸態窒素量、炭水化物量、タンパク質量、ミネラル成分量、抗酸化物質量、硝酸態窒素の濃度、炭水化物の濃度、タンパク質の濃度、ミネラル成分の濃度及び抗酸化物質の濃度の少なくとも一つを含む、
請求項17に記載の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、植物の測定部位に対して照射光を照射し、測定部位からの検出光を受光し、受光した検出光から、植物の栄養状態を示す、硝酸態窒素量、炭水化物量、タンパク質量、ミネラル成分量、抗酸化物質量、及び水分量の少なくともいずれか一つの成分量を算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-109104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の技術では、生体保持構造体が、第1V溝を形成した第1構造体と、第2V溝を形成した第2構造体と、第1構造体と第2構造体とを連結する連結部材とを有し、第1V溝及び第2V溝に植物が配置されている。しかし、特許文献1に開示の技術には、生体保持構造体と植物との間に隙間が生じ、隙間から外乱光が入ることで測定値にばらつきが生じるという課題がある。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、測定時における検出光に外乱光が混入することを抑止する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点に係る測定装置は、遮光性を有し、かつ、変形可能な一対の弾性部材と、一対の前記弾性部材の一方の少なくとも一部と一対の前記弾性部材の他方の少なくとも一部を密着させる密着部と、一対の前記弾性部材の前記一方又は前記他方を貫通する第1貫通孔を介して、一対の前記弾性部材同士の間の所定領域に光を照射する光照射部と、一対の前記弾性部材の前記一方又は前記他方を貫通する第2貫通孔を介して、一対の前記弾性部材同士の間の前記所定領域から検出光を受光する受光部と、一対の前記弾性部材同士の間の前記所定領域から検出される前記検出光に基づいて、所定の測定を行う測定部と、を備える測定装置である。
【0007】
測定装置によれば、一対の弾性部材は遮光性を有するため、外乱光が一対の弾性部材を透過することが抑止される。一対の前記弾性部材の一方の少なくとも一部と一対の前記弾性部材の他方の少なくとも一部が密着することで、一対の弾性部材同士の間に隙間が発生することが抑止される。これにより、一対の弾性部材同士の間の隙間から外乱光が侵入することが抑止される。したがって、一対の弾性部材同士の間の所定領域から検出される検出光に外乱光が混入することが抑止され、測定精度が向上する。
【0008】
上記測定装置において、前記密着部は、一対の前記弾性部材の前記一方が一対の前記弾性部材の前記他方に接近する方向に一対の前記弾性部材の前記一方を移動させ、かつ、一対の前記弾性部材の前記他方が一対の前記弾性部材の前記一方に接近する方向に一対の前記弾性部材の前記他方を移動させてもよい。上記測定装置において、前記密着部は、一対の前記弾性部材の前記一方が取り付けられた第1カバーと、一対の前記弾性部材の前記他方が取り付けられた第2カバーと、前記第1カバーと前記第2カバーとを互いに引き寄せ
るバネを有してもよい。
【0009】
上記測定装置において、前記密着部は、一対の前記弾性部材の前記一方が取り付けられた第1カバーと、一対の前記弾性部材の前記他方が取り付けられた第2カバーと、前記第2カバーに取り付けられ、前記第1カバーに係合する係合部材と、を有してもよい。上記測定装置は、一対の前記弾性部材の前記一方が一対の前記弾性部材の前記他方に接近する方向に前記第1カバーが移動することを規制し、かつ、一対の前記弾性部材の前記他方が一対の前記弾性部材の前記一方に接近する方向に前記第2カバーが移動することを規制する規制部を備えてもよい。
【0010】
上記測定装置において、前記密着部は、一対の前記弾性部材の前記一方が一対の前記弾性部材の前記他方に接近する方向に一対の前記弾性部材の前記一方を移動させてもよい。上記測定装置において、前記密着部は、一対の前記弾性部材の前記一方が取り付けられた第1カバーと、一対の前記弾性部材の前記他方が取り付けられた第2カバーと、前記第1カバーにおける一対の前記弾性部材の前記一方が取り付けられた部分に向かって前記第2カバーを押圧する押圧バネと、を有してもよい。
【0011】
上記測定装置において、前記密着部は、一対の前記弾性部材の前記一方が取り付けられた第1カバーと、一対の前記弾性部材の前記他方が取り付けられた第2カバーと、前記第2カバーに取り付けられ、前記第1カバーに係合する係合部材と、を有してもよい。上記測定装置は、一対の前記弾性部材の前記他方が一対の前記弾性部材の前記一方に接近する方向に前記第2カバーが移動することを規制する規制部を備えてもよい。上記測定装置において、前記第1カバー及び前記第2カバーが、一対の前記弾性部材を挟持してもよい。
【0012】
上記測定装置において、前記光照射部は、光を出射する光源と、一対の前記弾性部材同士の間の前記所定領域に前記光源から出射される前記光を導く第1光導波路とを有し、前記受光部は、光を検出する検出部と、一対の前記弾性部材同士の間の前記所定領域から検出される前記検出光を前記検出部に導く第2光導波路とを有してもよい。
【0013】
上記測定装置において、一対の前記弾性部材の前記一方は、一対の前記弾性部材の前記他方と対向する面に第1溝を有し、一対の前記弾性部材の前記一方を貫通する前記第1貫通孔と前記第1溝とが接続されており、前記第2貫通孔は、一対の前記弾性部材の前記他方を貫通していてもよい。
【0014】
上記測定装置において、一対の前記弾性部材の前記一方は、一対の前記弾性部材の前記他方と対向する面に第1溝を有し、一対の前記弾性部材の前記他方は、一対の前記弾性部材の前記一方と対向する面に第2溝を有し、一対の前記弾性部材の前記一方を貫通する前記第1貫通孔と前記第1溝とが接続されており、一対の前記弾性部材の前記他方を貫通する前記第2貫通孔と前記第2溝とが接続されていてもよい。
【0015】
上記測定装置において、一対の前記弾性部材の前記一方は、一対の前記弾性部材の前記他方と対向する面に第1溝を有し、一対の前記弾性部材の前記一方を貫通する前記第1貫通孔と前記第1溝とが接続されており、一対の前記弾性部材の前記一方を貫通する前記第2貫通孔と前記第1溝とが接続されていてもよい。上記測定装置において、一対の前記弾性部材の前記他方は、一対の前記弾性部材の前記一方と対向する面に第2溝を有してもよい。
【0016】
上記測定装置において、一対の前記弾性部材の前記他方は、一対の前記弾性部材の前記一方と対向する面に第2溝を有し、前記第1貫通孔は、一対の前記弾性部材の前記一方を貫通しており、前記第2貫通孔は、一対の前記弾性部材の前記一方を貫通していてもよい
【0017】
本発明の一観点に係る測定方法は、遮光性を有し、かつ、変形可能な一対の弾性部材と、一対の前記弾性部材が植物の所定部位を囲んだ状態で一対の前記弾性部材を前記植物の前記所定部位に密着させる密着部と、を備える測定装置が実行する測定方法であって、一対の前記弾性部材の一方又は他方を貫通する第1貫通孔を介して、一対の前記弾性部材同士の間の所定領域に光を照射するステップと、一対の前記弾性部材の前記一方又は前記他方を貫通する第2貫通孔を介して、一対の前記弾性部材同士の間の前記所定領域から検出光を検出するステップと、前記検出光に基づいて、前記植物の栄養状態に関する物質量を測定するステップと、を含む測定方法である。
【0018】
測定方法によれば、一対の弾性部材は遮光性を有するため、外乱光が一対の弾性部材を透過することが抑止される。一対の弾性部材が植物の所定部位に密着することで、植物の所定部位と一対の弾性部材との間に隙間が発生することが抑止される。これにより、植物の所定部位と一対の弾性部材との間の隙間から外乱光が侵入することが抑止される。したがって、一対の弾性部材同士の間の所定領域から検出される検出光に外乱光が混入することが抑止され、植物の栄養状態に関する物質量の測定精度が向上する。
【0019】
上記測定方法において、前記物質量は、硝酸態窒素量、炭水化物量、タンパク質量、ミネラル成分量、抗酸化物質量、硝酸態窒素の濃度、炭水化物の濃度、タンパク質の濃度、ミネラル成分の濃度及び抗酸化物質の濃度の少なくとも一つを含んでもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、測定時における検出光に外乱光が混入することを抑止する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、測定装置の構成を示す模式図である。
図2図2Aは、センサヘッドの斜視図である。図2Bは、センサヘッドの側面図である。
図3図3は、センサヘッドの平面図である。
図4図4は、センサヘッド内の構造を示す図である。
図5図5は、測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、外乱光の影響を除去する処理の説明図である。
図7図7A図7Dは、第1実施形態に係るセンサヘッドの一例を示す図である。
図8図8Aは、参考例に係る硝酸態窒素の濃度を示す図である。図8Bは、第1実施形態に係る測定装置で測定された硝酸態窒素の濃度を示す図である。
図9図9は、変形例1に係るセンサヘッドの平面図である。
図10図10は、変形例2に係るセンサヘッドの斜視図である。
図11図11は、変形例3に係るセンサヘッドの斜視図である。
図12図12は、変形例4に係るセンサヘッドの斜視図である。
図13図13は、測定装置の構成を示す模式図である。
図14図14A図14Dは、第2実施形態に係るセンサヘッドの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、適用例及び実施形態について図を参照しながら説明する。以下に示す適用例及び実施形態は、本願の一態様であり、本願の権利範囲を限定するものではない。
【0023】
<適用例>
本発明は例えば、図1に示す測定装置(センサ)1に適用することができる。図1は、測定装置1の構成を示す模式図である。図1に示すように、測定装置1は、センサヘッド10と、コントローラ20と、投光ファイバ30と、受光ファイバ40とを備える。センサヘッド10は、栽培中の植物(作物)100の茎、葉柄及び果柄などの所定部位(測定対象物)を把持又は挟持することが可能である。コントローラ20は、測定装置1の動作を制御する。コントローラ20は、光源21と、検出部22と、投光制御部23と、受光制御部24と、演算部25と、記憶部26と、表示制御部27と、表示部28とを備える。
【0024】
図2Aは、センサヘッド10の斜視図である。図2Bは、センサヘッド10の側面図である。例えば、センサヘッド10を植物100の所定部位に装着して、測定装置1が植物100の状態を測定する。図3は、センサヘッド10の平面図である。図4は、センサヘッド10内の構造を示す図である。センサヘッド10は、一対の弾性部材11A、11B、カバー(筐体)12A、12B、バネ13及び回転軸14を有する。一対の弾性部材11A、11Bは、遮光性を有し、かつ、変形可能である。一対の弾性部材11A、11Bは、例えば、スポンジゴムであるが、これに限らず、他の材料であってもよい。弾性部材11Aは、カバー12Aに取り付けられており、弾性部材11Bは、カバー12Bに取り付けられている。カバー12Aは、第1カバーの一例である。カバー12Bは、第2カバーの一例である。
【0025】
バネ13は、カバー12A、12Bに取り付けられている。回転軸14は、カバー12Aとカバー12Bとを結合する結合部材である。バネ13は、例えば、引っ張りバネ、円弧バネ等である。バネ13は、カバー12Aとカバー12Bとを互いに引き寄せる。バネ13の一端が取り付けられた部分(例えば、カバー12Aの先端部分)とバネ13の他端が取り付けられた部分(例えば、カバー12Bの先端部分)とを引き寄せる方向に力が働く。弾性部材11Aと弾性部材11Bとが離間した状態において、弾性部材11Aが弾性部材11Bに接近する方向にカバー12Aが移動することで、弾性部材11Aが弾性部材11Bに接近する方向に弾性部材11Aが移動する。また、弾性部材11Aと弾性部材11Bとが離間した状態において、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向にカバー12Bが移動することで、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向に弾性部材11Bが移動する。このように、カバー12A、12B及びバネ13は、弾性部材11Aが弾性部材11Bに接近する方向に弾性部材11Aを移動させ、かつ、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向に弾性部材11Bを移動させる。一対の弾性部材11A、11B同士が互いに接近し、弾性部材11Aと弾性部材11Bとが接触することで、弾性部材11Aの少なくとも一部と弾性部材11Bの少なくとも一部が密着する。弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に植物100の所定部位を配置する場合、弾性部材11A及び11Bが変形し、弾性部材11A及び11Bの復元力により、一対の弾性部材11A、11Bが植物100の所定部位を囲んだ状態で一対の弾性部材11A、11Bの少なくとも一部が植物100の所定部位に密着する。カバー12A、12B及びバネ13は、密着部の一例である。
【0026】
図2Aに示すように、カバー12Aは、ストッパ(突起部)201を有し、カバー12Bは、ストッパ(突起部)202を有する。ストッパ201及びストッパ202は、弾性部材11Aが弾性部材11Bに接近する方向にカバー12Aが移動することを規制し、かつ、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向にカバー12Bが移動することを規制する規制部である。ストッパ201は、弾性部材11Aに隣接する位置に配置される。例えば、カバー12Aの先端を突起形状に形成することでカバー12Aにストッパ201を設けてもよいし、カバー12Aの先端にカバー12Aとは別部材のストッパ201を設けてもよい。ストッパ202は、弾性部材11Bに隣接する位置に配置される。例えば、
カバー12Bの先端を突起形状に形成することでカバー12Bにストッパ202を設けてもよいし、カバー12Bの先端にカバー12Bとは別部材のストッパ202を設けてもよい。ストッパ201とストッパ202とが接触することで、カバー12A、12Bの移動が規制される。カバー12A、12Bの移動が規制されることで、弾性部材11Aの押圧力及び弾性部材11Bの押圧力が一定に維持される。これにより、一対の弾性部材11A、11Bから植物100に過度の力が加わることが抑止され、植物100が損傷することが回避される。
【0027】
図2Aに示すように、カバー12A、12Bが、一対の弾性部材11A、11Bを挟持している。カバー12A、12Bが、一対の弾性部材11A、11Bを挟持することにより、一対の弾性部材11A、11Bの周囲から力が一対の弾性部材11A、11Bに伝えられる。これにより、植物100の所定部位から一対の弾性部材11A、11Bが外れることがより抑止され、センサヘッド10が植物100の所定部位から滑り落ちることが回避される。図2Aに示す例では、カバー12A、12Bが一対の弾性部材11A、11Bを囲むことにより、カバー12A、12Bが一対の弾性部材11A、11Bを挟持している。
【0028】
カバー12Aはグリップ(握り部)15Aを有し、カバー12Bはグリップ(握り部)15Bを有する。測定装置1の使用者がカバー12Aのグリップ15A及びカバー12Bのグリップ15Bを握ることで、回転軸14を支点として、カバー12Aとカバー12Bとが互いに離れる方向に移動する。これにより、カバー12Aとカバー12Bとが離間し、弾性部材11Aと弾性部材11Bとが離間することで、植物100の所定部位に対する弾性部材11A、11Bの密着が解除される。
【0029】
弾性部材11Aには、弾性部材11Aを貫通する貫通孔16Aが設けられている。貫通孔16Aは、第1貫通孔の一例である。投光ファイバ30の一部がカバー12Aの内部を通っている。投光ファイバ30が、貫通孔16Aに挿入されている。具体的には、投光ファイバ30の両端部のうちの一端(一端部)が貫通孔16Aに挿入され、投光ファイバ30の両端部のうちの他端(他端部)が光源21に接続されている。外部から貫通孔16Aと投光ファイバ30との間に入る光が遮光されている。貫通孔16Aに対して投光ファイバ30を隙間なく挿入してもよい。貫通孔16Aの内周面と投光ファイバ30の外周面との間に遮光部材を設けてもよいし、貫通孔16Aと投光ファイバ30との間の隙間を覆う遮光部材をカバー12Aに設けてもよい。光源21は、光を出射する。投光ファイバ30は、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域(境界部分)に光源21からの光を照射する。投光ファイバ30は、光源21からの光を弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に導く光導波路(第1光導波路)である。
【0030】
弾性部材11Bには、弾性部材11Bを貫通する貫通孔16Bが設けられている。貫通孔16Bは、第2貫通孔の一例である。弾性部材11Aと弾性部材11Bとが接触した状態にある場合、弾性部材11Aの貫通孔16Aと弾性部材11Bの貫通孔16Bとが所定方向で重なる。所定方向は、例えば、植物100の所定部位が延伸する方向に対して交差する方向である。受光ファイバ40の一部がカバー12Bの内部を通っている。受光ファイバ40が、貫通孔16Bに挿入されている。具体的には、受光ファイバ40の両端部のうちの一端(一端部)が貫通孔16Bに挿入され、受光ファイバ40の両端部のうちの他端(他端部)が検出部22に接続されている。外部から貫通孔16Bと受光ファイバ40との間に入る光が遮光されている。貫通孔16Bに対して受光ファイバ40を隙間なく挿入してもよい。貫通孔16Bの内周面と受光ファイバ40の外周面との間に遮光部材を設けてもよいし、貫通孔16Bと受光ファイバ40との間の隙間を覆う遮光部材をカバー12Bに設けてもよい。検出部22は、光を受光する。受光ファイバ40は、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域(境界部分)から検出される検出光を検出部22に
伝達する。受光ファイバ40は、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域から検出される検出光を検出部22に導く光導波路(第2光導波路)である。検出部22は、受光ファイバ40を介して検出光を受光することで、検出光を検出する。
【0031】
投光制御部23は、演算部25からの制御信号に基づいて、光源21の光の出射タイミング(発光タイミング)や光の強度などを制御する。受光制御部24は、検出部22の受光を制御する。受光ファイバ40を通った検出光が検出部22によって検出される。検出部22は、検出した検出光を光電変換し、光の強度に応じた受光信号を生成する。受光制御部24は、検出部22から受光信号を受け取り、受光信号を演算部25に送る。演算部25は、検出光に基づいて所定の測定を行う測定部である。演算部25は、受光信号に基づいて、植物100の栄養状態に関する物質量を測定する。植物100の栄養状態に関する物質量は、硝酸態窒素量、炭水化物量、タンパク質量、ミネラル成分量、抗酸化物質量、硝酸態窒素の濃度、炭水化物の濃度、タンパク質の濃度、ミネラル成分の濃度及び抗酸化物質の濃度の少なくとも一つを含む。
【0032】
記憶部26は、演算部25の処理に必要なデータ、及び、演算部25の処理結果(データ)などを記憶する。表示部28は、演算部25の処理結果などを表示する。表示制御部27は、表示部28の表示を制御する。
【0033】
一対の弾性部材11A、11Bによって植物100を挟んで固定する。一対の弾性部材11A、11Bは遮光性を有するため、外乱光が一対の弾性部材11A、11Bを透過することが抑止される。一対の弾性部材11A、11Bが植物100の所定部位に密着することで、植物100の所定部位と一対の弾性部材11A、11Bとの間に隙間が発生することが抑止される。これにより、植物100の所定部位と一対の弾性部材11A、11Bとの間の隙間から外乱光が侵入することが抑止される。したがって、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位を配置した状態で検出部22が検出した検出光に外乱光が混入することが抑止され、植物100の栄養状態に関する物質量の測定精度が向上する。
【0034】
<第1実施形態>
次に、第1実施形態に係る測定装置1について説明する。ただし、第1実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0035】
光源21は、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子である。光源21は、単一のLEDで構成されてもよいし、複数のLEDで構成されてもよい。光源21として、波長域が広いLEDを用いてもよいし、異なる波長域を有する複数のLEDを用いてもよい。光源21として波長域が広いLEDを用いる場合、演算部25は、分光フィルタで波長域ごとのデータを取得してもよい。異なる波長域を有する複数のLEDを用いる場合、投光制御部23が複数のLEDの出射タイミングを制御することで、演算部25は、波長域ごとのデータを取得してもよい。演算部25は、波長域ごとのデータを取得することで、植物100の栄養状態に関する複数種類の物質量を測定することが可能である。また、光源21として、可視光LEDと赤外光LEDとを用いてもよい。可視光LEDをデータ測定用のLEDとして用い、赤外光LEDをデータ補正用のLEDとして用いてもよい。検出部22は、例えば、フォトダイオードなどの光検出器(光電センサ素子)である。光源21から出射される光は、レーザー光であることが好ましいが、散乱光であってもよい。
【0036】
投光制御部23、受光制御部24、演算部25及び表示制御部27は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサと、メモリなどの記憶媒体とを含むコンピュータである。メモリには、フラッシュメモリ、RAM(
Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などが含まれる。投光制御部23、受光制御部24、演算部25及び表示制御部27は、メモリに記憶されたプログラムなどの実行により、所定の目的に合致した機能を提供する。投光制御部23、受光制御部24、演算部25及び表示制御部27は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、数値演算プロセッサなどにより構成されてもよい。また、投光制御部23、受光制御部24、演算部25及び表示制御部27は、単一のチップ上に上記プロセッサや記憶媒体を集積させて構成されたSoC(System on a Chip)であってもよい。投光制御部23、受光制御部24、演算部25及び表示制御部27のうちの少なくとも二つを一つの制御部に集約して、処理が実行されてもよい。
【0037】
記憶部26は、例えば、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶媒体である。表示部28は、各種のデータや情報を表示する機器である。表示部28は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどである。
【0038】
図1に示す測定装置1の構成要素の全てが必須というわけではなく、適宜、測定装置1の構成要素の追加又は削除がなされてもよい。例えば、測定装置1に操作部などの入力装置を追加してもよい。演算部25及び記憶部26は、例えば、パーソナルコンピュータやクラウドなどのインターネット上の装置を利用してもよい。表示制御部27及び表示部28は、例えば、測定装置1に接続された外部表示装置を利用してもよい。
【0039】
光源21及び投光ファイバ30は、貫通孔16Aを介して、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に光を照射する光照射部として機能する。検出部22及び受光ファイバ40は、貫通孔16Bを介して、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域から検出光を受光する受光部として機能する。測定装置1は、図1に示す例に限定されず、センサヘッド10は、図1図4に示す例に限定されない。投光ファイバ30を用いずに、貫通孔16Aに光源21を挿入してもよいし、貫通孔16Aの近傍に光源21を配置してもよい。また、受光ファイバ40を用いずに、貫通孔16Bに検出部22を挿入してもよいし、貫通孔16Bの近傍に検出部22を配置してもよい。この場合、光源21は、貫通孔16Aを介して、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に光を照射し、検出部22は、貫通孔16Bを介して、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域から検出光を受光する。このように、貫通孔16Aを介して、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に光を照射する光照射部は、光源21及び投光ファイバ30を有してもよい。又は、貫通孔16Aを介して、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に光を照射する光照射部は、光源21を有し、投光ファイバ30を省略してもよい。貫通孔16Bを介して、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域から検出光を受光する受光部は、検出部22及び受光ファイバ40を有してもよい。又は、貫通孔16Bを介して、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域から検出光を受光する受光部は、検出部22を有し、受光ファイバ40を省略してもよい。測定装置1は、光源21と投光制御部23とを接続する第1接続線と、検出部22と受光制御部24とを接続する第2接続線とを備えてもよい。
【0040】
図5は、測定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。S101において、演算部25は、サンプル無しデータを取得する。サンプル無しデータの取得処理について説明する。サンプル無しデータは、センサヘッド10を植物100に装着していない状態で演算部25によって取得されるデータである。一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位を配置していない状態で、投光ファイバ30は、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に光源21からの光を照射する。一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位を配置していない状態で
、受光ファイバ40は、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域から検出される検出光を検出部22に伝達する。一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域から検出される検出光は、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域を透過した透過光である。検出部22は、検出した検出光から受光信号を生成し、受光制御部24は、受光信号を演算部25に送る。演算部25は、受光信号を取得する。光源21の出射時間(パルス幅)は、短い時間、例えば、0.001秒以上0.1秒以下であるが、この時間に限定されない。
【0041】
演算部25は、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位を配置していない状態であり、かつ、光源21がオン状態である場合の受光信号(投光時受光信号)を取得する。演算部25は、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位を配置していない状態であり、かつ、光源21がオフ状態である場合の受光信号(非投光時受光信号)を取得する。演算部25は、投光時受光信号を取得した直後に非投光時受光信号を取得してもよいし、投光時受光信号を取得する直前に非投光時受光信号を取得してもよい。演算部25は、受光制御部24から受け取った受光信号をサンプル無しデータとして取得する。
【0042】
S102において、演算部25は、サンプル無しデータに対して外乱光の影響を除去する処理を行う。サンプル無しデータに対する外乱光の影響の除去処理について説明する。演算部25は、サンプル無しデータに含まれる投光時受光信号の信号値からサンプル無しデータに含まれる非投光時受光信号の信号値を減算することで、サンプル無しデータの外乱光の影響を除去する。図6は、外乱光の影響を除去する処理の説明図である。図6に示すように、投光時受光信号の信号値から非投光時受光信号の信号値を減算することで、外乱光の影響が除去される。演算部25は、サンプル無しデータに含まれる投光時受光信号の信号値からサンプル無しデータに含まれる非投光時受光信号の信号値を減算した後のデータ(サンプル無し測定データ)を記憶部26に記憶する。演算部25は、サンプル無し測定データを基準データとして記憶部26に記憶してもよい。
【0043】
S103において、演算部25は、サンプル有りデータを取得する。サンプル有りデータの取得処理について説明する。サンプル有りデータは、センサヘッド10を植物100に装着した状態で演算部25によって取得されるデータである。一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位を配置した状態で、投光ファイバ30は、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に光源21からの光を照射する。一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位を配置した状態で、受光ファイバ40は、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域から検出される検出光を検出部22に伝達する。一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域から検出される検出光は、植物100を透過した透過光である。検出部22は、検出した検出光から受光信号を生成し、受光制御部24は、受光信号を演算部25に送る。光源21の出射時間(パルス幅)は、短い時間、例えば、0.001秒以上0.1秒以下であるが、この時間に限定されない。
【0044】
演算部25は、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位を配置した状態であり、かつ、光源21がオン状態である場合の受光信号(投光時受光信号)を取得する。演算部25は、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位を配置した状態であり、かつ、光源21がオフ状態である場合の受光信号(非投光時受光信号)を取得する。演算部25は、投光時受光信号を取得した直後に非投光時受光信号を取得してもよいし、投光時受光信号を取得する直前に非投光時受光信号を取得してもよい。演算部25は、受光制御部24から受け取った受光信号をサンプル有りデータとして取得する。
【0045】
S104において、演算部25は、サンプル有りデータに対して外乱光の影響を除去する処理を行う。サンプル有りデータに対する外乱光の影響の除去処理について説明する。演算部25は、サンプル有りデータに含まれる投光時受光信号の信号値からサンプル有りデータに含まれる非投光時受光信号の信号値を減算することで、サンプル有りデータの外乱光の影響を除去する。演算部25は、サンプル有りデータに含まれる投光時受光信号の信号値からサンプル有りデータに含まれる非投光時受光信号の信号値を減算した後のデータ(サンプル有り測定データ)を記憶部26に記憶する。
【0046】
S105において、演算部25は、サンプル有り測定データをサンプル無し測定データで割って算出された値に基づいて、吸光度を算出する。
【0047】
S106において、演算部25は、S105の処理で算出した吸光度を検量線に当てはめて、植物100に含まれる所定物質の濃度を算出する。例えば、演算部25は、S105の処理で算出した吸光度を検量線に当てはめて、植物100に含まれる硝酸態窒素の濃度を算出する。このようにして、演算部25は、植物100の栄養状態に関する物質量を測定する。
【0048】
検量線は、記憶部26に記憶されている。検量線の作成方法の一例について説明する。以下に、硝酸態窒素の濃度に関する検量線の作成方法を示す。センサ測定した植物100の所定部位を切り取り、硝酸態窒素の濃度を測定する。例えば、抽出液から比色法で硝酸態窒素の濃度を推定する。センサの値から求めた吸光度と硝酸態窒素の濃度とを対応させて、検量線を作成する。
【0049】
上記では、演算部25が、植物100に含まれる所定物質の濃度を算出する処理例を示したが、この処理例に限定されない。演算部25は、植物100に含まれる所定物質の物質量を算出してもよい。また、演算部25は、サンプル有り測定データをサンプル無し測定データで割って算出された値に基づいて透過率を算出してもよい。この場合、演算部25は、算出した吸光度を検量線に当てはめて、植物100に含まれる所定物質の濃度を算出してもよいし、植物100に含まれる所定物質の物質量を算出してもよい。
【0050】
図7A図7Dは、第1実施形態に係るセンサヘッド10の一例を示す図である。図7Aに示すセンサヘッド10の構成例では、弾性部材11Aに溝17Aが設けられ、弾性部材11Bに溝17Bが設けられている。溝17Aは、第1溝の一例である。溝17Bは、第2溝の一例である。弾性部材11Aは、弾性部材11Bと対向する面に溝17Aを有し、弾性部材11Bは、弾性部材11Aと対向する面に溝17Bを有する。弾性部材11Aと弾性部材11Bとが接触した状態にある場合、弾性部材11Aの貫通孔16Aと弾性部材11Bの貫通孔16Bとが所定方向で重なると共に、弾性部材11Aの溝17Aと弾性部材11Bの溝17Bとが所定方向で重なる。弾性部材11Aでは、貫通孔16Aと溝17Aとが接続されており、弾性部材11Bでは、貫通孔16Bと溝17Bとが接続されている。投光ファイバ30から弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に照射された光は、弾性部材11Aの貫通孔16A及び溝17A、弾性部材11Bの貫通孔16B及び溝17Bを通って、受光ファイバ40に入り込む。
【0051】
弾性部材11Aの溝17A及び弾性部材11Bの溝17Bによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位が配置される。弾性部材11Aの溝17A及び弾性部材11Bの溝17Bによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、投光ファイバ30の端面(出光面)及び受光ファイバ40の端面(受光面)が植物100の所定部位に向けられる。このように、弾性部材11Aの溝17A及び弾性部材11Bの溝17Bによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、植物100の所定部
位に対する投光ファイバ30及び受光ファイバ40の位置合わせを容易に行うことが可能である。
【0052】
弾性部材11Aの溝17Aの径が植物100の所定部位の径と同等である場合、弾性部材11Aが変形せずに植物100の所定部位に密着する。弾性部材11Bの溝17Bの径が植物100の所定部位の径と同等である場合、弾性部材11Bが変形せずに植物100の所定部位に密着する。一対の弾性部材11A、11Bが植物100の所定部位に密着することで、植物100の所定部位と一対の弾性部材11A、11Bとの間に隙間が発生することが抑止される。
【0053】
弾性部材11Aの溝17Aの径が植物100の所定部位の径よりも小さい場合、弾性部材11Aが変形して植物100の所定部位に密着する。弾性部材11Aの溝17Aの形状と植物100の所定部位の形状とが一致しない場合、弾性部材11Aが変形して植物100の所定部位に密着する。弾性部材11Aが変形して植物100の所定部位に密着することで、植物100の所定部位と弾性部材11Aとの間に隙間が発生することが抑止される。
【0054】
弾性部材11Bの溝17Bの径が植物100の所定部位の径よりも小さい場合、弾性部材11Bが変形して植物100の所定部位に密着する。弾性部材11Bの溝17Bの形状と植物100の所定部位の形状とが一致しない場合、弾性部材11Bが変形して植物100の所定部位に密着する。弾性部材11Bが変形して植物100の所定部位に密着することで、植物100の所定部位と弾性部材11Bとの間に隙間が発生することが抑止される。
【0055】
図7Bに示すセンサヘッド10の構成例では、弾性部材11Aに溝17Aが設けられておらず、弾性部材11Bに溝17Bが設けられていない。弾性部材11Aと弾性部材11Bとが接触した状態にある場合、弾性部材11Aの貫通孔16Aと弾性部材11Bの貫通孔16Bとが所定方向で重なる。投光ファイバ30から弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に照射された光は、弾性部材11Aの貫通孔16A、弾性部材11Bの貫通孔16Bを通って、受光ファイバ40に入り込む。
【0056】
弾性部材11Aの貫通孔16A、弾性部材11Bの貫通孔16B及び植物100の所定部位が所定方向で重なるようにして、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位が配置される。例えば、弾性部材11Aの所定箇所及び弾性部材11Bの所定箇所にマーカを付加し、マーカを目印にして、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位を配置してもよい。弾性部材11Aが変形して植物100の所定部位に密着することで、植物100の所定部位と弾性部材11Aとの間に隙間が発生することが抑止される。弾性部材11Bが変形して植物100の所定部位に密着することで、植物100の所定部位と弾性部材11Bとの間に隙間が発生することが抑止される。
【0057】
図7Cに示すセンサヘッド10の構成例では、弾性部材11Aに溝17Aが設けられており、弾性部材11Bに溝17Bが設けられていない。弾性部材11Aと弾性部材11Bとが接触した状態にある場合、弾性部材11Aの貫通孔16Aと弾性部材11Bの貫通孔16Bとが所定方向で重なると共に、弾性部材11Aの溝17Aの一部と弾性部材11Bの貫通孔16Bとが所定方向で重なる。弾性部材11Aでは、貫通孔16Aと溝17Aとが接続されている。投光ファイバ30から弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に照射された光は、弾性部材11Aの貫通孔16A及び溝17A、弾性部材11Bの貫通孔16Bを通って、受光ファイバ40に入り込む。
【0058】
弾性部材11Aの溝17Aによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位が配置される。弾性部材11Aの溝17Aによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、投光ファイバ30の端面及び受光ファイバ40の端面が植物100の所定部位に向けられる。このように、弾性部材11Aの溝17Aによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、植物100の所定部位に対する投光ファイバ30及び受光ファイバ40の位置合わせを容易に行うことが可能である。
【0059】
図7Dに示すセンサヘッド10の構成例では、弾性部材11Aに溝17Aが設けられておらず、弾性部材11Bに溝17Bが設けられている。弾性部材11Aと弾性部材11Bとが接触した状態にある場合、弾性部材11Aの貫通孔16Aと弾性部材11Bの貫通孔16Bとが所定方向で重なると共に、弾性部材11Aの貫通孔16Aと弾性部材11Bの溝17Bの一部とが所定方向で重なる。弾性部材11Bでは、貫通孔16Bと溝17Bとが接続されている。投光ファイバ30から弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に照射された光は、弾性部材11Aの貫通孔16A、弾性部材11Bの貫通孔16B、溝17Bを通って、受光ファイバ40に入り込む。
【0060】
弾性部材11Bの溝17Bによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位が配置される。弾性部材11Bの溝17Bによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、投光ファイバ30の端面及び受光ファイバ40の端面が植物100の所定部位に向けられる。このように、弾性部材11Bの溝17Bによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、植物100の所定部位に対する投光ファイバ30及び受光ファイバ40の位置合わせを容易に行うことが可能である。
【0061】
第1実施形態によれば、一対の弾性部材11A、11Bによって植物100を挟んで固定する。一対の弾性部材11A、11Bは遮光性を有するため、外乱光が一対の弾性部材11A、11Bを透過することが抑止される。一対の弾性部材11A、11Bが植物100の所定部位に密着することで、植物100の所定部位と一対の弾性部材11A、11Bとの間に隙間が発生することが抑止される。これにより、植物100の所定部位と一対の弾性部材11A、11Bとの間の隙間から外乱光が侵入することが抑止される。したがって、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位を配置した状態で検出部22が検出した検出光に外乱光が混入することが抑止され、植物100の栄養状態に関する物質量の測定精度が向上する。
【0062】
一対の弾性部材11A、11Bは変形可能であり、植物100の所定部位に対する弾性部材11A、11Bの密着度が向上するため、植物100の所定部位と一対の弾性部材11A、11Bとの間に隙間が発生することが抑止される。植物100の所定部位に対する弾性部材11A、11Bの密着度が向上することにより、センサヘッド10が植物100の所定部位を把持した際のセンサヘッド10の把持力が向上する。したがって、センサヘッド10を植物100の所定部位に装着した場合において、センサヘッド10が植物100の所定部位からずれることが抑止される。これにより、測定装置1における測定処理のやり直しなどが抑止される。
【0063】
植物100の所定部位の径が大きい場合、植物100の所定部位への光の照射時間が長くなる。植物100の所定部位と一対の弾性部材11A、11Bとの間の隙間から外乱光が侵入することが抑止されるため、植物100の所定部位への光の照射時間が長い場合であっても、植物100の栄養状態に関する物質量の測定を精度良く行うことができる。このため、植物100の所定部位の径の大きさに関係なく植物100の栄養状態に関する物質量の測定のばらつきを抑えることができ、植物100の栄養状態に関する物質量の測定
精度が向上する。
【0064】
測定装置1の使用者は、植物100の所定部位にセンサヘッド10を簡易に装着することが可能である。例えば、測定装置1の使用者は、植物100の所定部位にセンサヘッド10を片手且つワンアクションで取り付けることが可能である。これにより、植物100の所定部位にセンサヘッド10を装着する際の煩雑な作業を回避することが可能となり、作業コストが軽減される。また、測定装置1によれば、植物100の所定部位と一対の弾性部材11A、11Bとの間の隙間にアルミ箔を巻くなどの他の外乱光防止作業を行う必要がないため、作業コストが軽減される。
【0065】
センサヘッド10は、植物100の所定部位を把持又は挟持することが可能であり、植物100の所定部位にセンサヘッド10を装着する際、植物100に対してネジ(連結部材)などの別部材を取り付ける必要がない。したがって、ネジなどの別部材の紛失などの事態を回避することができる。また、植物100へのネジの取り付け(ネジ止め)作業や他の外乱光防止作業の際における植物100を傷つけるリスクを回避することが可能となる。
【0066】
図8Aは、参考例に係る硝酸態窒素の濃度を示す図である。図8Aには、硝酸態窒素の濃度について、5回(A1~A5)の測定値が示されている。図8Bは、第1実施形態に係る測定装置1で測定された硝酸態窒素の濃度を示す図である。図8Bには、硝酸態窒素の濃度について、5回(B1~B5)の測定値が示されている。参考例では、センサヘッドに遮光性を有する弾性部材を設けずに硝酸態窒素の濃度を測定している。図8Aに示すように、参考例では、硝酸態窒素の濃度の測定値にばらつきが発生している。一方、図8Bに示すように、第1実施形態に係る測定装置1で測定された硝酸態窒素の濃度の測定値のばらつきが抑制されており、硝酸態窒素の濃度の測定精度が向上している。
【0067】
<変形例1>
図9は、変形例1に係るセンサヘッド10の平面図である。変形例1に係るセンサヘッド10では、カバー12Aが弾性部材11Aの一部及び弾性部材11Bの一部を覆っており、カバー12Bが弾性部材11Bの一部を覆っている。図9に示すセンサヘッド10では、カバー12Aに植物100を配置するためのガイド部50が形成されている。ガイド部50は、U字形状である。ガイド部50のU字形状の内側に植物100の所定部位を配置することで、投光ファイバ30の端面及び受光ファイバ40の端面が植物100の所定部位に向けられる。このように、ガイド部50のU字形状の内側に植物100の所定部位を配置することで、植物100の所定部位に対する投光ファイバ30及び受光ファイバ40の位置合わせを容易に行うことが可能である。
【0068】
<変形例2>
図10は、変形例2に係るセンサヘッド10の斜視図である。変形例2に係るセンサヘッド10は、一対の弾性部材11A、11B、カバー12A、12B、バネ13、回転軸14、フック部材18及び回転軸19を有する。図2Aに示すセンサヘッド10と比較して、図10に示すセンサヘッド10は、フック部材(係合部材)18及び回転軸19を更に有する。図10に示すセンサヘッド10は、バネ13を有しているが、バネ13を省略してもよい。
【0069】
フック部材18は、カバー12Bに取り付けられている。回転軸19は、カバー12Bとフック部材18とを結合する結合部材である。回転軸19の軸回りをフック部材18が回転する。フック部材18の先端は、鉤形状であり、フック部材18の後端に回転軸19が設けられている。フック部材18の先端をカバー12Aの突起部60に係合する際、一対の弾性部材11A、11B同士が互いに接近する方向にカバー12A、12Bが移動し
、カバー12Aとカバー12Bとが接触することでカバー12Aにカバー12Bが固定される。フック部材18は、係合部材の一例である。フック部材18の先端をカバー12Aの突起部60に係合する際、弾性部材11Aと弾性部材11Bとが離間した状態において、弾性部材11Aが弾性部材11Bに接近する方向にカバー12Aが移動することで、弾性部材11Aが弾性部材11Bに接近する方向に弾性部材11Aが移動する。また、フック部材18の先端をカバー12Aの突起部60に係合する際、弾性部材11Aと弾性部材11Bとが離間した状態において、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向にカバー12Bが移動することで、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向に弾性部材11Bが移動する。このように、カバー12A、12B及びフック部材18は、弾性部材11Aが弾性部材11Bに接近する方向に弾性部材11Aを移動させ、かつ、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向に弾性部材11Bを移動させる。一対の弾性部材11A、11B同士が互いに接近し、弾性部材11Aと弾性部材11Bとが接触することで、弾性部材11Aの少なくとも一部と弾性部材11Bの少なくとも一部が密着する。弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に植物100の所定部位を配置する場合、弾性部材11A及び11Bが変形し、弾性部材11A及び11Bの復元力により、一対の弾性部材11A、11Bが植物100の所定部位を囲んだ状態で一対の弾性部材11A、11Bの少なくとも一部が植物100の所定部位に密着する。カバー12A、12B及びフック部材18は、密着部の一例である。
【0070】
図10に示すように、カバー12Aは、ストッパ(突起部)201を有し、カバー12Bは、ストッパ(突起部)202を有する。ストッパ201及びストッパ202は、弾性部材11Aが弾性部材11Bに接近する方向にカバー12Aが移動することを規制し、かつ、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向にカバー12Bが移動することを規制する規制部である。ストッパ201は、弾性部材11Aに隣接する位置に配置される。例えば、カバー12Aの先端を突起形状に形成することでカバー12Aにストッパ201を設けてもよいし、カバー12Aの先端にカバー12Aとは別部材のストッパ201を設けてもよい。ストッパ202は、弾性部材11Bに隣接する位置に配置される。例えば、カバー12Bの先端を突起形状に形成することでカバー12Bにストッパ202を設けてもよいし、カバー12Bの先端にカバー12Bとは別部材のストッパ202を設けてもよい。ストッパ201とストッパ202とが接触することで、カバー12A、12Bの移動が規制される。カバー12A、12Bの移動が規制されることで、弾性部材11Aの押圧力及び弾性部材11Bの押圧力が一定に維持される。これにより、一対の弾性部材11A、11Bから植物100に過度の力が加わることが抑止され、植物100が損傷することが回避される。
【0071】
図10に示すように、カバー12A、12Bが、一対の弾性部材11A、11Bを挟持している。カバー12A、12Bが、一対の弾性部材11A、11Bを挟持することにより、一対の弾性部材11A、11Bの周囲から力が一対の弾性部材11A、11Bに伝えられる。これにより、植物100の所定部位から一対の弾性部材11A、11Bが外れることがより抑止され、センサヘッド10が植物100の所定部位から滑り落ちることが回避される。図10に示す例では、カバー12A、12Bが一対の弾性部材11A、11Bを囲むことにより、カバー12A、12Bが一対の弾性部材11A、11Bを挟持している。
【0072】
フック部材18の先端とカバー12Aの突起部60との係合を解除し、測定装置1の使用者がカバー12Aのグリップ15A及びカバー12Bのグリップ15Bを握ることで、回転軸14を支点として、カバー12Aとカバー12Bとが互いに離れる方向に移動する。これにより、カバー12Aとカバー12Bとが離間し、弾性部材11Aと弾性部材11Bとが離間することで、植物100の所定部位に対する弾性部材11A、11Bの密着が解除される。
【0073】
<変形例3>
図11は、変形例3に係るセンサヘッド10の斜視図である。変形例3に係るセンサヘッド10は、一対の弾性部材11A、11B、カバー12A、12B及びバネ71を有する。弾性部材11Aは、カバー12Aに取り付けられており、弾性部材11Bは、カバー12Bに取り付けられている。投光ファイバ30の一部がカバー12Aの内部を通っている。受光ファイバ40の一部がカバー12Aの内部及びカバー12Bの内部を通っている。
【0074】
バネ71は、カバー12A、12Bに取り付けられている。カバー12Bが、カバー12Aにスライド移動可能に設けられている。バネ71は、例えば、コイルバネ、板バネ等の押圧バネである。バネ71は、カバー12Aにおける弾性部材11Aが取り付けられた部分に向かってカバー12Bを押圧する。バネ71によりカバー12Bが押圧されてスライド移動する。弾性部材11Aと弾性部材11Bとが離間した状態において、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向にカバー12Bが移動することで、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向に弾性部材11Bが移動する。このように、カバー12A、12B及びバネ71は、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向に弾性部材11Bを移動させる。弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近し、弾性部材11Aと弾性部材11Bとが接触することで、弾性部材11Aの少なくとも一部と弾性部材11Bの少なくとも一部が密着する。弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に植物100の所定部位を配置する場合、弾性部材11A及び11Bが変形し、弾性部材11A及び11Bの復元力により、一対の弾性部材11A、11Bが植物100の所定部位を囲んだ状態で一対の弾性部材11A、11Bの少なくとも一部が植物100の所定部位に密着する。カバー12A、12B及びバネ71は、密着部の一例である。
【0075】
図11に示すように、カバー12A、12Bが、一対の弾性部材11A、11Bを挟持している。カバー12A、12Bが、一対の弾性部材11A、11Bを挟持することにより、一対の弾性部材11A、11Bの周囲から力が一対の弾性部材11A、11Bに伝えられる。これにより、植物100の所定部位から一対の弾性部材11A、11Bが外れることがより抑止され、センサヘッド10が植物100の所定部位から滑り落ちることが回避される。
【0076】
カバー12Aは、第1ストッパ(第1突起部)を有し、カバー12Bは、第2ストッパ(第2突起部)を有してもよい。第1ストッパ及び第2ストッパは、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向にカバー12Bが移動することを規制する規制部である。カバー12Aの第1ストッパは、弾性部材11Aに隣接する位置に配置される。例えば、カバー12Aの一部を突起形状に形成することでカバー12Aに第1ストッパを設けてもよいし、カバー12Aの一部にカバー12Aとは別部材の第1ストッパを設けてもよい。カバー12Bの第2ストッパは、弾性部材11Bに隣接する位置に配置される。例えば、カバー12Bの一部を突起形状に形成することでカバー12Bに第2ストッパを設けてもよいし、カバー12Bの一部にカバー12Bとは別部材の第2ストッパを設けてもよい。カバー12Aの第1ストッパとカバー12Bの第2ストッパとが接触することで、カバー12Bの移動が規制される。カバー12Bの移動が規制されることで、弾性部材11Aの押圧力及び弾性部材11Bの押圧力が一定に維持される。これにより、一対の弾性部材11A、11Bから植物100に過度の力が加わることが抑止され、植物100が損傷することが回避される。
【0077】
カバー12Bはグリップ(突起部)72を有する。測定装置1の使用者がカバー12Bのグリップ72を掴み、カバー12Bをバネ71の押圧力が働く方向の反対方向に移動する。すなわち、弾性部材11Aと弾性部材11Bとが離間するようにカバー12Bをスラ
イド移動する。弾性部材11Aと弾性部材11Bとが離間することで、植物100の所定部位に対する弾性部材11A、11Bの密着が解除される。
【0078】
<変形例4>
図12は、変形例4に係るセンサヘッド10の斜視図である。変形例4に係るセンサヘッド10は、一対の弾性部材11A、11B、カバー12A、12B、フック部材81及び回転軸82を有する。弾性部材11Aは、カバー12Aに取り付けられており、弾性部材11Bは、カバー12Bに取り付けられている。投光ファイバ30の一部がカバー12Aの内部を通っている。受光ファイバ40の一部がカバー12Aの内部及びカバー12Bの内部を通っている。カバー12Bの円筒部83がカバー12Aの内部を通っており、カバー12Bが、カバー12Aにスライド移動可能に設けられている。
【0079】
フック部材81は、カバー12Bに取り付けられている。回転軸82は、カバー12Bとフック部材81とを結合する結合部材である。回転軸82の軸回りをフック部材81が回転する。フック部材81の先端は、鉤形状であり、フック部材81の後端に回転軸82が設けられている。フック部材81の先端をカバー12Aの突起部84に係合する際、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向にカバー12Bが移動し、カバー12Aにカバー12Bが固定される。フック部材81は、係合部材の一例である。フック部材81の先端をカバー12Aの突起部84に係合する際、弾性部材11Aと弾性部材11Bとが離間した状態において、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向にカバー12Bが移動することで、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向に弾性部材11Bが移動する。このように、カバー12A、12B及びフック部材81は、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向に弾性部材11Bを移動させる。弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近し、弾性部材11Aと弾性部材11Bとが接触することで、弾性部材11Aの少なくとも一部と弾性部材11Bの少なくとも一部が密着する。弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域に植物100の所定部位を配置する場合、弾性部材11A及び11Bが変形し、弾性部材11A及び11Bの復元力により、一対の弾性部材11A、11Bが植物100の所定部位を囲んだ状態で一対の弾性部材11A、11Bの少なくとも一部が植物100の所定部位に密着する。カバー12A、12B、フック部材81及び回転軸82は、密着部の一例である。
【0080】
図12に示すように、カバー12A、12Bが、一対の弾性部材11A、11Bを挟持している。カバー12A、12Bが、一対の弾性部材11A、11Bを挟持することにより、一対の弾性部材11A、11Bの周囲から力が一対の弾性部材11A、11Bに伝えられる。これにより、植物100の所定部位から一対の弾性部材11A、11Bが外れることがより抑止され、センサヘッド10が植物100の所定部位から滑り落ちることが回避される。
【0081】
カバー12Aは、第1ストッパ(第1突起部)を有し、カバー12Bは、第2ストッパ(第2突起部)を有してもよい。第1ストッパ及び第2ストッパは、弾性部材11Bが弾性部材11Aに接近する方向にカバー12Bが移動することを規制する規制部である。カバー12Aの第1ストッパは、弾性部材11Aに隣接する位置に配置される。また、カバー12Aの第1ストッパは、弾性部材11Aとフック部材81との間の位置に配置される。例えば、カバー12Aの一部を突起形状に形成することでカバー12Aに第1ストッパを設けてもよいし、カバー12Aの一部にカバー12Aとは別部材の第1ストッパを設けてもよい。カバー12Bの第2ストッパは、弾性部材11Bに隣接する位置に配置される。また、カバー12Bの第2ストッパは、弾性部材11Bとフック部材81との間の位置に配置される。例えば、カバー12Bの一部を突起形状に形成することでカバー12Bに第2ストッパを設けてもよいし、カバー12Bの一部にカバー12Bとは別部材の第2ストッパを設けてもよい。カバー12Aの第1ストッパとカバー12Bの第2ストッパとが
接触することで、カバー12Bの移動が規制される。カバー12Bの移動が規制されることで、弾性部材11Aの押圧力及び弾性部材11Bの押圧力が一定に維持される。これにより、一対の弾性部材11A、11Bから植物100に過度の力が加わることが抑止され、植物100が損傷することが回避される。
【0082】
フック部材81の先端とカバー12Aの突起部84との係合を解除し、弾性部材11Aと弾性部材11Bとが離間するようにカバー12Bをスライド移動する。弾性部材11Aと弾性部材11Bとが離間することで、植物100の所定部位に対する弾性部材11A、11Bの密着が解除される。
【0083】
変形例3と変形例4とを適宜組み合わせてもよい。例えば、変形例3に係るセンサヘッド10が、フック部材81及び回転軸82を有してもよいし、変形例4に係るセンサヘッド10が、バネ71を有してもよい。
【0084】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。ただし、第2実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。第1実施形態の変形例1~4と第2実施形態とを適宜組み合わせてもよい。
【0085】
図13は、測定装置1の構成を示す模式図である。図13に示すように、測定装置1は、センサヘッド10と、コントローラ20と、投光ファイバ30と、受光ファイバ40とを備える。センサヘッド10は、植物100の茎、葉柄及び果柄などの所定部位(測定対象物)を把持又は挟持することが可能である。コントローラ20は、測定装置1の動作を制御する。コントローラ20は、光源21と、検出部22と、投光制御部23と、受光制御部24と、演算部25と、記憶部26と、表示制御部27と、表示部28とを備える。
【0086】
弾性部材11Aには、弾性部材11Aを貫通する貫通孔16Cと、弾性部材11Aを貫通する貫通孔16Dとが設けられている。貫通孔16Cは、第1貫通孔の一例である。貫通孔16Dは、第2貫通孔の一例である。貫通孔16Cと貫通孔16Dとが接続されていてもよい。投光ファイバ30の一部がカバー12Aの内部を通っている。投光ファイバ30が、貫通孔16Cに挿入されている。具体的には、投光ファイバ30の両端部のうちの一端(一端部)が貫通孔16Cに挿入され、投光ファイバ30の両端部のうちの他端(他端部)が光源21に接続されている。投光ファイバ30は、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域(境界部分)に光源21からの光を照射する。
【0087】
受光ファイバ40の一部がカバー12Aの内部を通っている。受光ファイバ40が、貫通孔16Dに挿入されている。具体的には、受光ファイバ40の両端部のうちの一端(一端部)が貫通孔16Dに挿入され、受光ファイバ40の両端部のうちの他端(他端部)が検出部22に接続されている。受光ファイバ40は、弾性部材11Aと弾性部材11Bとの間の所定領域(境界部分)から検出される検出光を検出部22に伝達する。サンプル無しデータの取得処理において、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域から検出される検出光は、弾性部材11Bで反射した反射光を含む。サンプル有りデータの取得処理において、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域から検出される検出光は、植物100で反射した反射光及び植物100を透過して弾性部材11Bで反射した反射光を含む。
【0088】
第2実施形態によれば、一対の弾性部材11A、11Bによって植物100を挟んで固定する。一対の弾性部材11A、11Bは遮光性を有するため、外乱光が一対の弾性部材
11A、11Bを透過することが抑止される。一対の弾性部材11A、11Bが植物100の所定部位に密着することで、植物100の所定部位と一対の弾性部材11A、11Bとの間に隙間が発生することが抑止される。これにより、植物100の所定部位と一対の弾性部材11A、11Bとの間の隙間から外乱光が侵入することが抑止される。したがって、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位を配置した状態で検出部22が検出した検出光に外乱光が混入することが抑止され、植物100の栄養状態に関する物質量の測定精度が向上する。
【0089】
図14A図14Dは、第2実施形態に係るセンサヘッド10の一例を示す図である。図14Aに示すセンサヘッド10の構成例では、弾性部材11Aに溝17Aが設けられ、弾性部材11Bに溝17Bが設けられている。弾性部材11Aは、弾性部材11Bと対向する面に溝17Aを有し、弾性部材11Bは、弾性部材11Aと対向する面に溝17Bを有する。弾性部材11Aでは、貫通孔16Cと溝17Aとが接続されており、貫通孔16Dと溝17Aとが接続されている。
【0090】
弾性部材11Aの溝17A及び弾性部材11Bの溝17Bによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位が配置される。弾性部材11Aの溝17A及び弾性部材11Bの溝17Bによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、投光ファイバ30の端面(出光面)及び受光ファイバ40の端面(受光面)が植物100の所定部位に向けられる。このように、弾性部材11Aの溝17A及び弾性部材11Bの溝17Bによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、植物100の所定部位に対する投光ファイバ30及び受光ファイバ40の位置合わせを容易に行うことが可能である。
【0091】
図14Bに示すセンサヘッド10の構成例では、弾性部材11Aに溝17Aが設けられておらず、弾性部材11Bに溝17Bが設けられていない。弾性部材11Aにおいて、貫通孔16Cと貫通孔16Dとが接続されていてもよい。例えば、弾性部材11Aの所定箇所及び弾性部材11Bの所定箇所にマーカを付加し、マーカを目印にして、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位を配置してもよい。
【0092】
図14Cに示すセンサヘッド10の構成例では、弾性部材11Aに溝17Aが設けられており、弾性部材11Bに溝17Bが設けられていない。弾性部材11Aでは、貫通孔16Cと溝17Aとが接続されており、貫通孔16Dと溝17Aとが接続されている。弾性部材11Aの溝17Aによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位が配置される。弾性部材11Aの溝17Aによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、投光ファイバ30の端面及び受光ファイバ40の端面が植物100の所定部位に向けられる。このように、弾性部材11Aの溝17Aによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、植物100の所定部位に対する投光ファイバ30及び受光ファイバ40の位置合わせを容易に行うことが可能である。
【0093】
図14Dに示すセンサヘッド10の構成例では、弾性部材11Aに溝17Aが設けられておらず、弾性部材11Bに溝17Bが設けられている。弾性部材11Aにおいて、貫通孔16Cと貫通孔16Dとが接続されていてもよい。弾性部材11Bの溝17Bによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、一対の弾性部材11A、11B同士の間の所定領域に植物100の所定部位が配置される。弾性部材11Bの溝17Bによって形成された空間に植物100の所定部位を配置することで、投光ファイバ30の端面及び受光ファイバ40の端面が植物100の所定部位に向けられる。このように、弾性部材11Bの溝17Bによって形成された空間に植物100の所定部位を配置すること
で、植物100の所定部位に対する投光ファイバ30及び受光ファイバ40の位置合わせを容易に行うことが可能である。
【0094】
本発明は、上記説明した各構成、各手段、各機能の少なくとも一部を有する測定システムとして捉えてもよい。本発明は、上記説明した各処理の少なくとも一部を含む測定方法として捉えてもよい。本発明は、コンピュータが上記で説明した各処理を実行する方法として捉えてもよい。本発明は、コンピュータに上記で説明した各処理を実行させるためのプログラムとして捉えてもよく、プログラムを、ネットワークを通じて、又は、非一時的にデータを保持するコンピュータ読取可能な記録媒体等からコンピュータに提供してもよい。
【0095】
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
情報処理装置その他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記何れかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0096】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、ブルーレイディスク、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【0097】
<付記1>
遮光性を有し、かつ、変形可能な一対の弾性部材(11A、11B)と、
一対の前記弾性部材(11A、11B)の一方の少なくとも一部と一対の前記弾性部材の他方の少なくとも一部を密着させる密着部と、
一対の前記弾性部材(11A、11B)の前記一方又は前記他方を貫通する第1貫通孔(17A、17C)を介して、一対の前記弾性部材(11A、11B)同士の間の所定領域に光を照射する光照射部(21)と、
一対の前記弾性部材(11A、11B)の前記一方又は前記他方を貫通する第2貫通孔(17B、17D)を介して、一対の前記弾性部材(11A、11B)同士の間の前記所定領域から検出光を受光する受光部(22)と、
一対の前記弾性部材(11A、11B)同士の間の前記所定領域から検出される前記検出光に基づいて、所定の測定を行う測定部(25)と、
を備える測定装置(1)。
【0098】
<付記2>
遮光性を有し、かつ、変形可能な一対の弾性部材(11A、11B)と、一対の前記弾性部材(11A、11B)が植物(100)の所定部位を囲んだ状態で一対の前記弾性部材(11A、11B)の少なくとも一部を前記植物(100)の前記所定部位に密着させる密着部と、を備える測定装置(1)が実行する測定方法であって、
一対の前記弾性部材(11A、11B)の一方又は他方を貫通する第1貫通孔(17A、17C)を介して、一対の前記弾性部材(11A、11B)同士の間の所定領域に光を照射するステップと、一対の前記弾性部材(11A、11B)の前記一方又は前記他方を貫通する第2貫通孔(17B、17D)を介して、一対の前記弾性部材(11A、11B)同士の間の前記所定領域から検出光を検出するステップと、前記検出光に基づいて、前記植物(100)の栄養状態に関する物質量を測定するステップと、
を含む測定方法。
【符号の説明】
【0099】
1:測定装置
10:センサヘッド
11A、11B:弾性部材
12A、12B:カバー
13、71:バネ
16A、16B、16C、16D:貫通孔
17A、17B:溝
18、81:フック部材
20:コントローラ
21:光源
22:検出部
23:投光制御部
24:受光制御部
25:演算部
26:記憶部
27:表示制御部
28:表示部
30:投光ファイバ
40:受光ファイバ
100:植物
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