(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024068990
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240514BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240514BHJP
A63F 13/847 20140101ALI20240514BHJP
A63F 13/803 20140101ALI20240514BHJP
【FI】
A63F13/69 520
A63F13/58
A63F13/847
A63F13/803
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179720
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100158780
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100121359
【弁理士】
【氏名又は名称】小沢 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】宇津木 俊
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐斗
(57)【要約】
【課題】アイテムを用いたゲームにおいて新規なゲームを実行することが可能なゲームプログラムを提供する。
【解決手段】ゲームシステムの一例は、ゲームにおいて効果を奏する複数のアイテムの中から出現可能アイテムをユーザの選択に基づいて設定し、ゲームオブジェクトが所定条件を満たした場合に、ゲーム状況に対応して設定された第1データに基づいて、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムをゲームオブジェクトに付与する。ゲームシステムは、第1データに基づいて、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与できない場合は、第2データに基づいて、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与する。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって操作される少なくとも1つのプレイヤオブジェクトを含む複数のゲームオブジェクトが対戦するゲームをコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、前記コンピュータに、
前記ゲームにおいて効果を奏する複数のアイテムを含むアイテム群の中から、前記ゲーム中に出現可能な1または複数の出現可能アイテムを、ランダムまたは前記ユーザの選択に基づいて設定する出現可能アイテム設定処理と、
前記ゲーム中に、前記ゲームオブジェクトが所定条件を満たしたときに、前記アイテム群の中から当該ゲームオブジェクトに付与される付与アイテムを決定する付与アイテム決定処理と、
前記付与アイテム決定処理に基づいて決定された付与アイテムを前記ゲームオブジェクトに付与する付与処理と、を実行させ、
前記付与アイテム決定処理において、
前記アイテム群に含まれる複数のアイテムのそれぞれに対して付与のされ易さを示すパラメータがゲーム状況に対応して設定された第1データに基づいて、前記出現可能アイテムの中から前記付与アイテムを決定する第1処理を実行させ、
前記第1データに基づいて前記出現可能アイテムの中から前記付与アイテムを決定可能でない場合に、前記第1データとは異なる第2データに基づいて、前記出現可能アイテムの中から前記付与アイテムを決定する第2処理を実行させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記第1データに基づいて、前記出現可能アイテムのそれぞれの付与のされ易さを設定させる第3処理を実行させ、
前記第3処理の後、設定された前記出現可能アイテムの付与のされ易さに基づいて、前記第1処理を実行させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータにさらに、
前記付与アイテム決定処理において、ゲーム状況に対応して固定のアイテム群の中から何れかを前記付与アイテムとして決定するアイテム固定モードで前記ゲームを実行させ、
前記第1データは、前記アイテム固定モードで前記ゲームが実行される場合に、前記固定のアイテム群の中から何れかを前記付与アイテムとして決定するために用いられるデータである、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記第1データにおいて、第1アイテムの前記パラメータには、付与され得ることを示す値が設定され、第2アイテムの前記パラメータには、付与され得ないことを示す値が設定され、
前記コンピュータに、
前記出現可能アイテムに前記第2アイテムが含まれる場合、当該第2アイテムの前記パラメータに、付与され得ることを示す値を設定させる、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
前記出現可能アイテムに前記第2アイテムが含まれる場合、前記第2アイテムの前記パラメータに付与され得ることを示す値を設定させるとともに、前記第1アイテムの付与のされ易さが増加するように前記第1アイテムの前記パラメータを設定させる、請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記出現可能アイテムに少なくとも1つの前記第1アイテムが含まれる場合、当該少なくとも1つの前記第1アイテムのうち、付与のされ易さが最も低い値に基づいて、前記第2アイテムの前記パラメータを設定させる、請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記第2データは、前記出現可能アイテムの中から何れかを等確率で決定するためのデータである、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記複数のゲームオブジェクトのそれぞれは、複数のチームのうちの何れかに属し、
前記ゲームは、前記複数のチームが競うゲームであり、
前記コンピュータに、
前記出現可能アイテム設定処理において、チーム毎に前記出現可能アイテムを設定させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記複数のアイテムのそれぞれには、前記ゲーム中に存在可能な上限数が設定され、
前記コンピュータに、
前記付与アイテム決定処理において、前記出現可能アイテムのうち、前記ゲーム中に存在する数が前記上限数未満のアイテムを前記付与アイテムとして決定させる、請求項1から8の何れかに記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータに、
前記出現可能アイテムの全てが前記上限数に達している場合、前記出現可能アイテムとして設定されているか否かに関わらず、前記アイテム群に含まれる1又は複数の所定のアイテムの中から何れかを前記付与アイテムとして決定する第4処理を実行させる、請求項9に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
ユーザによって操作される少なくとも1つのプレイヤオブジェクトを含む複数のゲームオブジェクトが対戦するゲームを実行する情報処理システムであって、
前記ゲームにおいて効果を奏する複数のアイテムを含むアイテム群の中から、前記ゲーム中に出現可能な1または複数の出現可能アイテムを、ランダムまたは前記ユーザの選択に基づいて設定する出現可能アイテム設定処理と、
前記ゲーム中に、前記ゲームオブジェクトが所定条件を満たしたときに、前記アイテム群の中から当該ゲームオブジェクトに付与される付与アイテムを決定する付与アイテム決定処理と、
前記付与アイテム決定処理に基づいて決定された付与アイテムを前記ゲームオブジェクトに付与する付与処理と、を実行し、
前記付与アイテム決定処理において、
前記アイテム群に含まれる複数のアイテムのそれぞれに対して付与のされ易さを示すパラメータがゲーム状況に対応して設定された第1データに基づいて、前記出現可能アイテムの中から前記付与アイテムを決定する第1処理を実行し、
前記第1データに基づいて前記出現可能アイテムの中から前記付与アイテムを決定可能でない場合に、前記第1データとは異なる第2データに基づいて、前記出現可能アイテムの中から前記付与アイテムを決定する第2処理を実行する、情報処理システム。
【請求項12】
ユーザによって操作される少なくとも1つのプレイヤオブジェクトを含む複数のゲームオブジェクトが対戦するゲームを実行する情報処理システムにおいて行われる情報処理方法であって、
前記ゲームにおいて効果を奏する複数のアイテムを含むアイテム群の中から、前記ゲーム中に出現可能な1または複数の出現可能アイテムを、ランダムまたは前記ユーザの選択に基づいて設定するステップと、
前記ゲーム中に、前記ゲームオブジェクトが所定条件を満たしたときに、前記アイテム群の中から当該ゲームオブジェクトに付与される付与アイテムを決定する付与アイテム決定ステップと、
前記付与アイテム決定ステップで決定された付与アイテムを前記ゲームオブジェクトに付与するステップと、を含み、
前記付与アイテム決定ステップは、
前記アイテム群に含まれる複数のアイテムのそれぞれに対して付与のされ易さを示すパラメータがゲーム状況に対応して設定された第1データに基づいて、前記出現可能アイテムの中から前記付与アイテムを決定する第1ステップと、
前記第1データに基づいて前記出現可能アイテムの中から前記付与アイテムを決定可能でない場合に、前記第1データとは異なる第2データに基づいて、前記出現可能アイテムの中から前記付与アイテムを決定する第2ステップとを含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイテムを用いてゲームを実行することが可能なゲームプログラム、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゲーム中に複数種類のアイテムの中から何れかを仮想空間に出現させるゲームがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のゲームにおいて、例えば、複数種類のアイテムの中から何れかのアイテムを抽選により決定することが考えられる。例えば、アイテムの抽選確率をゲームの状況に応じて変化させることが考えられるが、より興趣性を向上させるためには改善の余地があった。
【0005】
それ故、本発明の目的は、アイテムを用いたゲームにおいて新規なゲームを実行することが可能なゲームプログラム、情報処理システム、および情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本発明は、以下の構成を採用した。
【0007】
(第1の構成)
第1の構成のゲームプログラムは、ユーザによって操作される少なくとも1つのプレイヤオブジェクトを含む複数のゲームオブジェクトが対戦するゲームをコンピュータに実行させるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、前記コンピュータに、前記ゲームにおいて効果を奏する複数のアイテムを含むアイテム群の中から、前記ゲーム中に出現可能な1または複数の出現可能アイテムを、ランダムまたは前記ユーザの選択に基づいて設定する出現可能アイテム設定処理を実行させる。また、ゲームプログラムは、前記コンピュータに、前記ゲーム中に、前記ゲームオブジェクトが所定条件を満たしたときに、前記アイテム群の中から当該ゲームオブジェクトに付与される付与アイテムを決定する付与アイテム決定処理と、前記付与アイテム決定処理に基づいて決定された付与アイテムを前記ゲームオブジェクトに付与する付与処理と、を実行させる。また、ゲームプログラムは、前記コンピュータに、前記付与アイテム決定処理において、前記アイテム群に含まれる複数のアイテムのそれぞれに対して付与のされ易さを示すパラメータがゲーム状況に対応して設定された第1データに基づいて、前記出現可能アイテムの中から前記付与アイテムを決定する第1処理を実行させ、前記第1データに基づいて前記出現可能アイテムの中から前記付与アイテムを決定可能でない場合に、前記第1データとは異なる第2データに基づいて、前記出現可能アイテムの中から前記付与アイテムを決定する第2処理を実行させる。
【0008】
上記によれば、出現可能なアイテムをランダム又はユーザの選択により設定することができる。ゲームオブジェクトが所定条件を満たした場合に、ゲーム状況に応じつつ、出現可能アイテムの中から何れかをゲームオブジェクトに付与することができる。また、第1データに基づいて出現可能アイテムの中から付与することができない場合は、第2データに基づいて出現可能アイテムの中から付与することができる。
【0009】
(第2の構成)
第2の構成では、上記第1の構成において、前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、前記第1データに基づいて、前記出現可能アイテムのそれぞれの付与のされ易さを設定させる第3処理を実行させ、前記第3処理の後、設定された前記出現可能アイテムの付与のされ易さに基づいて、前記第1処理を実行させてもよい。
【0010】
上記によれば、出現可能アイテムの付与のされ易さを設定し、各出現可能アイテムの付与のされ易さに基づいて、出現可能アイテムの中から付与アイテムを決定することができる。
【0011】
(第3の構成)
第3の構成では、上記第1又は第2の構成において、前記ゲームプログラムは、前記コンピュータにさらに、前記付与アイテム決定処理において、ゲーム状況に対応して固定のアイテム群の中から何れかを前記付与アイテムとして決定するアイテム固定モードで前記ゲームを実行させてもよい。前記第1データは、前記アイテム固定モードで前記ゲームが実行される場合に、前記固定のアイテム群の中から何れかを前記付与アイテムとして決定するために用いられるデータであってもよい。
【0012】
上記によれば、ゲームをアイテム固定モードで実行することができる。前記第1データは、アイテム固定モードにおいて付与アイテムを決定するために用いられるデータである。すなわち、ランダムまたはユーザの選択に基づいて出現可能アイテムを設定する場合でも、アイテム固定モードと共通の第1データに基づいて、出現可能アイテムの中から付与アイテムを決定することができる。
【0013】
(第4の構成)
第4の構成では、上記第3の構成において、前記第1データにおいて、第1アイテムの前記パラメータには、付与され得ることを示す値が設定され、第2アイテムの前記パラメータには、付与され得ないことを示す値が設定されてもよい。前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、前記出現可能アイテムに前記第2アイテムが含まれる場合、当該第2アイテムの前記パラメータに、付与され得ることを示す値を設定させてもよい。
【0014】
上記によれば、第1データに基づいて付与され得ない第2アイテムであっても、出現可能アイテムとして設定された場合には、付与され得るようにすることができる。
【0015】
(第5の構成)
第5の構成では、上記第4の構成において、前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、前記出現可能アイテムに前記第2アイテムが含まれる場合、前記第2アイテムの前記パラメータに付与され得ることを示す値を設定させるとともに、前記第1アイテムの付与のされ易さが増加するように前記第1アイテムの前記パラメータを設定させてもよい。
【0016】
上記によれば、第2アイテムに付与され得ることを示す値を設定するとともに、第1アイテムについても付与のされ易さを増加させることができる。これにより、元々付与され得ない第2アイテムが相対的に付与され過ぎることを防止することができる。
【0017】
(第6の構成)
第6の構成では、上記第4又は第5の構成において、前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、前記出現可能アイテムに少なくとも1つの前記第1アイテムが含まれる場合、当該少なくとも1つの前記第1アイテムのうち、付与のされ易さが最も低い値に基づいて、前記第2アイテムの前記パラメータを設定させてもよい。
【0018】
上記によれば、付与のされ易さが最も低い値に基づいて第2アイテムのパラメータが設定されるため、第2アイテムが付与され過ぎることを防止することができる。
【0019】
(第7の構成)
第7の構成では、上記第1から第6の何れかの構成において、前記第2データは、前記出現可能アイテムの中から何れかを等確率で決定するためのデータであってもよい。
【0020】
上記によれば、第2処理において、同じ確率で出現可能アイテムの中から付与アイテムを決定することができる。第1処理を優先してゲーム状況に応じて出現可能アイテムの中から付与アイテムを決定し、第1処理で決定可能でない場合は、等確率で出現可能アイテムの中から付与アイテムを決定することで、全体として適切な確率で付与アイテムを決定することができる。
【0021】
(第8の構成)
第8の構成では、上記第1から第7の何れかの構成において、前記複数のゲームオブジェクトのそれぞれは、複数のチームのうちの何れかに属し、前記ゲームは、前記複数のチームが競うゲームであってもよい。前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、前記出現可能アイテム設定処理において、チーム毎に前記出現可能アイテムを設定させてもよい。
【0022】
上記によれば、チーム毎に出現可能アイテムを設定することができ、チーム戦でのゲームの興趣性を向上させることができる。
【0023】
(第9の構成)
第9の構成では、上記第1から第8の何れかの構成において、前記複数のアイテムのそれぞれには、前記ゲーム中に存在可能な上限数が設定されてもよい。前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、前記付与アイテム決定処理において、前記出現可能アイテムのうち、前記ゲーム中に存在する数が前記上限数未満のアイテムを前記付与アイテムとして決定させてもよい。
【0024】
上記によれば、上限数に達したアイテムを付与しないようにすることができ、特定のアイテムが付与され過ぎないようにすることができる。
【0025】
(第10の構成)
第10の構成では、上記第9の構成において、前記ゲームプログラムは、前記コンピュータに、前記出現可能アイテムの全てが前記上限数に達している場合、前記出現可能アイテムとして設定されているか否かに関わらず、前記アイテム群に含まれる1又は複数の所定のアイテムの中から何れかを前記付与アイテムとして決定する第4処理を実行させてもよい。
【0026】
上記によれば、出現可能アイテムが設定される場合でも確実にアイテムを付与することができる。
【0027】
また、他の構成は、上記ゲームプログラムを実行する情報処理システムであってもよいし、情報処理装置であってもよいし、情報処理方法であってもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、出現可能アイテムを設定可能であり、ゲームオブジェクトが所定条件を満たした場合に、ゲーム状況に応じつつ、設定した出現可能アイテムの中から付与アイテムを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図3】本実施形態の第1ゲーム中に表示されるゲーム画像の一例を示す図
【
図4】プレイヤオブジェクト61がアイテムボックス75に当たったときのゲーム画像の一例を示す図
【
図7】アイテム設定画面においてランダムにアイテムが設定される様子を示す図
【
図8】予め記憶された8位の状況テーブルの一例を示す図
【
図9】予め記憶された8位の状況テーブルを修正した修正テーブルの一例を示す図
【
図10】出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与できない場合の修正テーブルの一例を示す図
【
図13】Aモードにて第2ゲームが実行される場合に用いられる予め記憶された状況テーブルの一例を示す図
【
図14】Bモードにて第2ゲームが実行される場合に用いられる予め記憶された状況テーブルの一例を示す図
【
図15】出現可能アイテムに出現し易さを加算した加算テーブルの一例を示す図
【
図16】第2ゲームにおいて出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与できない場合の加算テーブルの一例を示す図
【
図17】ゲームシステム1のメモリに記憶される各種データの一例を示す図
【
図18】プロセッサ21において実行される第1ゲームに関する第1ゲーム処理の一例を示すフローチャート
【
図19】第1ゲームにおけるアイテム付与処理の詳細を示すフローチャート
【
図20】ステップS23の修正テーブルに基づくアイテム決定処理の一例を示すフローチャート
【
図21】ステップS25の等確率テーブルに基づくアイテム決定処理の一例を示すフローチャート
【
図22】ステップS27の例外テーブルに基づくアイテム決定処理の一例を示すフローチャート
【
図23】プロセッサ21において実行される第2ゲームに関する第2ゲーム処理の一例を示すフローチャート
【
図24】
図23の第2ゲームにおけるアイテム付与処理の詳細を示すフローチャート
【
図25】ステップS32の加算テーブルに基づくアイテム決定処理の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0030】
(ゲームシステムの構成)
以下、本実施形態の一例に係るゲームシステムについて説明する。
図1は、ゲームシステムの一例を示す図である。本実施形態におけるゲームシステム1の一例は、本体装置(情報処理装置;本実施形態ではゲーム装置本体として機能する)2と左コントローラ3および右コントローラ4とを含む。本体装置2は、ゲームシステム1における各種の処理(例えば、ゲーム処理)を実行する装置である。左コントローラ3および右コントローラ4は、ユーザが入力を行うための操作部の一例として、複数のボタン5と、アナログスティック6とを含む。
【0031】
本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ着脱可能に構成される。つまり、ゲームシステム1は、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ本体装置2に装着して一体化された装置として利用できるし、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4とを別体として利用することもできる。なお、以下において、左コントローラ3および右コントローラ4の総称として「コントローラ」と記載することがある。
【0032】
図2は、本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。
図2に示されるように、本体装置2は、プロセッサ21を備える。プロセッサ21は、本体装置2において実行される各種の情報処理(例えばゲーム処理)を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、GPU(Graphics Processing Unit)とを含む。なお、プロセッサ21は、CPUのみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ21は、記憶部(具体的には、フラッシュメモリ26等の内部記憶媒体、あるいは、スロット29に装着される外部記憶媒体等)に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。
【0033】
また、本体装置2は、ディスプレイ12を備える。ディスプレイ12は、本体装置2が生成した画像を表示する。本実施形態においては、ディスプレイ12は、液晶表示装置(LCD)とする。ただし、ディスプレイ12は任意の種類の表示装置であってよい。ディスプレイ12は、プロセッサ21に接続される。プロセッサ21は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像および/または外部から取得した画像をディスプレイ12に表示する。
【0034】
また、本体装置2は、本体装置2が左コントローラ3と有線通信を行うための端子である左側端子22と、本体装置2が右コントローラ4と有線通信を行うための右側端子23を備える。
【0035】
また、本体装置2は、自身に内蔵される内部記憶媒体の一例として、フラッシュメモリ26およびDRAM(Dynamic Random Access Memory)27を備える。フラッシュメモリ26およびDRAM27は、プロセッサ21に接続される。フラッシュメモリ26は、主に、本体装置2に保存される各種のデータ(プログラムであってもよい)を記憶するために用いられるメモリである。DRAM27は、情報処理において用いられる各種のデータを一時的に記憶するために用いられるメモリである。
【0036】
本体装置2は、スロット29を備える。スロット29は、所定の種類の記憶媒体を装着可能な形状を有する。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲームシステム1およびそれと同種の情報処理装置に専用の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)である。所定の種類の記憶媒体は、例えば、本体装置2で利用されるデータ(例えば、ゲームアプリケーションのセーブデータ等)、および/または、本体装置2で実行されるプログラム(例えば、ゲームプログラム等)を記憶するために用いられる。
【0037】
本体装置2は、スロットインターフェース(以下、「I/F」と略記する。)28を備える。スロットI/F28は、プロセッサ21に接続される。スロットI/F28は、スロット29に接続され、スロット29に装着された所定の種類の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)に対するデータの読み出しおよび書き込みを、プロセッサ21の指示に応じて行う。
【0038】
プロセッサ21は、フラッシュメモリ26およびDRAM27、ならびに上記各記憶媒体との間でデータを適宜読み出したり書き込んだりして、上記の情報処理を実行する。
【0039】
また、本体装置2は、ネットワーク通信部24を備える。ネットワーク通信部24は、プロセッサ21に接続される。ネットワーク通信部24は、ネットワークを介して外部の装置と無線又は有線により通信を行う。本実施形態においては、ネットワーク通信部24は、第1の通信態様としてWi-Fiの規格に準拠した方式により、無線LANに接続して外部装置と通信を行う。また、ネットワーク通信部24は、第2の通信態様として所定の通信方式(例えば、独自プロトコルによる通信や、赤外線通信)により、同種の他の本体装置2との間で無線通信を行う。なお、上記第2の通信態様による無線通信は、閉ざされたローカルネットワークエリア内に配置された他の本体装置2との間で無線通信可能であり、複数の本体装置2の間で直接通信することによってデータが送受信される、いわゆる「ローカル通信」を可能とする機能を実現する。
【0040】
本体装置2は、コントローラ通信部25を備える。コントローラ通信部25は、プロセッサ21に接続される。コントローラ通信部25は、左コントローラ3および/または右コントローラ4と無線通信を行う。本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との通信方式は任意であるが、本実施形態においては、コントローラ通信部25は、左コントローラ3との間および右コントローラ4との間で、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信を行う。
【0041】
プロセッサ21は、上述の左側端子23および右側端子22に接続される。プロセッサ21は、左コントローラ3と有線通信を行う場合、左側端子23を介して左コントローラ3へデータを送信するとともに、左側端子23を介して左コントローラ3から操作データを受信する。また、プロセッサ21は、右コントローラ4と有線通信を行う場合、右側端子22を介して右コントローラ4へデータを送信するとともに、右側端子22を介して右コントローラ4から操作データを受信する。このように、本実施形態においては、本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4との間で、それぞれ有線通信と無線通信との両方を行うことができる。
【0042】
なお、本体装置2は、
図2に示す各要素の他にも、電源を供給するためのバッテリー、ディスプレイ12とは別の表示装置(例えばテレビ)に画像及び音声を出力するための出力端子を備える。
【0043】
(ゲームの概要)
次に、ゲームシステム1において実行されるゲーム処理の概要について説明する。本実施形態では、プレイヤによって操作される少なくとも1つのプレイヤオブジェクトを含む複数のゲームオブジェクトが対戦するゲームが行われる。
【0044】
ゲームオブジェクトは、キャラクタオブジェクトを乗せた車、オートバイ、自転車、戦車等の地上を移動するオブジェクトであってもよいし、船やボート、潜水艦等の水上又は水中を移動するオブジェクトであってもよい。また、ゲームオブジェクトは、飛行機やヘリコプター、グライダー等の空中を移動するオブジェクトであってもよい。また、ゲームオブジェクトは、キャラクタオブジェクト自体であってもよい。
【0045】
本実施形態では、例えば、複数のゲームオブジェクトが仮想空間内に設定されたコースに沿って移動する第1ゲーム(レースゲーム)が行われる。第1ゲームは、複数のゲームオブジェクトがコース上のスタート地点から移動開始し、コースを複数回周回してゴールを目指すゲームであり、ゴールに到達した順位を競うゲームである。また、本実施形態では、例えば、複数のゲームオブジェクトが仮想空間内のコース又はフィールドにおいて移動しながら格闘する第2ゲームが行われる。なお、以下では、第1ゲーム及び第2ゲームを特に区別しない場合には、単に「ゲーム」と表記する。
【0046】
(第1ゲーム)
図3は、本実施形態の第1ゲーム中に表示されるゲーム画像の一例を示す図である。
図3に示されるように、第1ゲームでは、仮想空間内にコース50が設定される。また、仮想空間内には、複数のゲームオブジェクト(61~63)が配置される。第1ゲームにおいては、複数のゲームオブジェクト61~63はゴールを目指してコース50に沿って移動する。なお、仮想空間には、
図3に示される3つのゲームオブジェクト61~63の他にも、複数のゲームオブジェクトが配置されてもよい。
【0047】
ゲームオブジェクト61は、本体装置2に接続されたコントローラ(3及び4)を用いて、第1のプレイヤによって操作される。以下では、複数のゲームオブジェクトのうちの、本体装置2の第1のプレイヤによって操作されるゲームオブジェクト61を、「プレイヤオブジェクト61」と表記する。
【0048】
本実施形態のゲーム(第1ゲーム及び第2ゲーム)は、複数のプレイヤが参加するマルチプレイモードで行われる場合と、一人のプレイヤによるシングルプレイモードで行われる場合とがある。また、マルチプレイモードは、1台の本体装置2に複数のコントローラを接続して複数のプレイヤでゲームが行われる場合と、複数の本体装置2をネットワーク(LANやインターネット等)で接続し、複数の本体装置2を用いて複数のプレイヤでゲームが行われる場合とがある。
【0049】
シングルプレイモードでゲームが行われる場合、プレイヤオブジェクト61は、第1のプレイヤによって制御され、ゲームオブジェクト62及び63は、本体装置2によって自動的に制御される。
【0050】
マルチプレイモードでゲームが行われる場合、プレイヤオブジェクト61は、第1のプレイヤによって制御され、ゲームオブジェクト62は、第2のプレイヤによって操作される。また、マルチプレイモードでゲームが行われる場合、ゲームオブジェクト63は、第3のプレイヤによって操作されてもよいし、本体装置2によって自動的に制御されてもよい。なお、仮想空間には、
図3に示される3つのゲームオブジェクト61~63の他にも、別のプレイヤ又は本体装置2によって制御される複数のゲームオブジェクトが配置されてもよい。
【0051】
また、本実施形態のゲーム(第1ゲーム及び第2ゲーム)には、各ゲームオブジェクトが対戦する個人戦と、複数のゲームオブジェクトが2以上のチームに分かれてチーム間で対戦するチーム戦とがある。シングルプレイモードでもマルチプレイモードでも、個人戦とチーム戦とでゲームを実行可能である。
【0052】
本実施形態のゲームでは、仮想空間に複数のアイテム70が出現し得る。アイテム70は、ゲームにおいて効果を奏するオブジェクトである。アイテム70には異なる効果を奏する複数の種類がある。例えば、アイテム70は、アイテム70Aと、アイテム70Bと、アイテム70Cとを含む。アイテム70Aは、他のゲームオブジェクトに対して攻撃を加えるアイテムである。また、アイテム70Bは、他のゲームオブジェクトに対して攻撃を加えるアイテムであり、アイテム70Aよりも攻撃力の弱いアイテムである。また、アイテム70Cは、コース50に配置され、他のゲームオブジェクトの走行を妨害するアイテムである。その他、他のゲームオブジェクトにゲーム上不利な影響を与える複数のアイテムが用意される。また、不利な影響を与えるアイテムの他にも、使用したゲームオブジェクト自身に有利な影響を与えるアイテムが用意される。例えば、ゲームオブジェクトがアイテムを使用した場合に、当該アイテムを使用したゲームオブジェクト自身の速度が一時的に上昇するアイテムが用意されてもよいし、他のゲームオブジェクトからの攻撃を一時的に無効にする又は低減するアイテムが用意されてもよい。
【0053】
図3に示されるように、プレイヤオブジェクト61の近傍には、アイテム70Aが配置される。このプレイヤオブジェクト61の近傍にあるアイテム70Aは、プレイヤオブジェクト61によって所有され、かつ、装備されている。また、ゲーム画像の左上には、プレイヤオブジェクト61が所有しており、かつ、装備しているアイテム70Aを示すメインアイテム71が表示される。メインアイテム71の左側には、サブアイテム72が表示される。サブアイテム72は、プレイヤオブジェクト61が所有しており、かつ、準備状態にあるアイテムである。プレイヤオブジェクト61がアイテム70Aを装備しているときに、プレイヤがコントローラを用いて所定の操作を行った場合、アイテム70Aが使用される。アイテム70Aが使用された後、サブアイテム72はメインアイテム71となり、プレイヤオブジェクト61に装備される。また、ゲームオブジェクト62はアイテム70Bを所有し、装備している。また、ゲームオブジェクト63はアイテム70Cを所有し、装備している。なお、ゲームオブジェクト62及び/又は63は、サブアイテム72を所有していてもよい。また、コース50上には、アイテム70Cが配置されている。
【0054】
各ゲームオブジェクトは、アイテム70を使用しながらレースゲームを進める。例えば、プレイヤオブジェクト61は、プレイヤの操作に応じて、装備しているアイテム70Aを前方に発射することにより、当該アイテム70Aを使用する。発射されたアイテム70Aが、例えばゲームオブジェクト62に当たると、ゲームオブジェクト62に攻撃が加えられる。アイテム70Aがゲームオブジェクト62に当たった場合、ゲームオブジェクト62は一時的に停止したり、ゲームオブジェクト62の速度が一時的に低下したりする。また、ゲームオブジェクト63は、装備しているアイテム70Cをコース50上に配置することにより、当該アイテム70Cを使用する。例えば、プレイヤオブジェクト61がアイテム70Cに当たった場合(アイテム70Cの上を通過した場合)、プレイヤオブジェクト61はスリップして一時的にコースから外れる。なお、プレイヤオブジェクト61がアイテム70Cに当たった場合、プレイヤオブジェクト61が停止したり、プレイヤオブジェクト61の速度が低下したりしてもよい。
【0055】
図3に示されるように、コース50には、アイテムボックス75が配置される。コース50上の複数の箇所に、アイテムボックス75が配置される。アイテムボックス75は、ゲームオブジェクトにアイテム70を付与するためのオブジェクトである。ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合(所定条件が満たされた場合)、複数種類のアイテム70の中から何れかを付与するアイテム抽選が行われる。アイテム抽選によって付与されたアイテム70がゲームオブジェクトに所有される。
【0056】
図4は、プレイヤオブジェクト61がアイテムボックス75に当たったときのゲーム画像の一例を示す図である。
図4に示されるように、プレイヤオブジェクト61がアイテムボックス75に当たった場合、ゲーム画像の左上の領域において、例えば、複数のアイテム70が変動表示される。複数のアイテム70のうちの何れかが停止した場合、停止したアイテム70がプレイヤオブジェクト61に付与される。アイテム70がプレイヤオブジェクト61に付与されると、プレイヤオブジェクト61がアイテム70を装備中でない場合には、プレイヤオブジェクト61の近傍にアイテム70が表示され、プレイヤオブジェクト61は当該アイテム70を装備した状態となる。このように、各ゲームオブジェクトは、仮想空間に配置されたアイテムボックス75に当たり、アイテム70を取得し、取得したアイテム70を使用しながらゲームを進める。
【0057】
本実施形態のゲームでは、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合、予め記憶されたゲーム状況に対応する状況テーブルを用いてアイテム抽選が行われる。状況テーブルにおいては、予めアイテム毎の出現し易さ(付与のされ易さ)が設定されている。「出現し易さ」は、後述のようにアイテムの出現確率を算出するためのパラメータである。なお、状況テーブルにおいて、「出現し易さ(付与のされ易さ)」として、「出現確率」がアイテム毎に設定されてもよい。
【0058】
ゲーム状況は、ゲームの結果に影響するパラメータによって定められる状況である。例えば、第1ゲームにおけるゲーム状況は、ゲームオブジェクトの順位である。第1ゲームでは、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合、当該アイテムボックス75に当たったときのゲームオブジェクトの順位に応じた状況テーブルを用いて、アイテム抽選が行われる。
【0059】
なお、第1ゲームにおけるゲーム状況は、ゲームオブジェクトの順位に代えて(又は加えて)、ゲームオブジェクトが現在何周目を走行中かの情報、第1ゲームの開始からの経過時間、スタートからの距離、ゴールまでの距離、1位のゲームオブジェクトとの距離やタイム差、1つ上の順位のゲームオブジェクトとの距離やタイム差、後続のゲームオブジェクトとの距離やタイム差、ゲームオブジェクトのスコアや体力値等に基づいて算出される値であってもよい。また、これらのパラメータを用いた所定の演算の結果により、第1ゲームのゲーム状況が定められてもよい。
【0060】
例えば、ゲームオブジェクトが現在何周目を走行中か(周回数)によって、異なるテーブルが用意され、ゲーム状況として、「順位」に加えて、「周回数」の情報が用いられてもよい。この場合、「順位」に対応するテーブルから各アイテムの出現し易さを求めるとともに、「周回数」に対応するテーブルからも各アイテムの出現し易さを求め、それぞれのテーブルから算出された出現し易さを乗算又は加算することにより、各アイテムの出現し易さが求められてもよい。このようにして求められた各アイテムの出現し易さに基づいて、各アイテムの出現確率が求められてもよい。
【0061】
図5は、第1ゲーム用の状況テーブルの一例を示す図である。本体装置2のメモリ(DRAM27又はフラッシュメモリ26等の内部記憶媒体、あるいは、スロット29に装着される外部記憶媒体)には、
図5に示される状況テーブルを示すデータが予め記憶されている。
【0062】
図5に示されるように、予め記憶された状況テーブル(第1データの一例)では、複数のアイテム70(70A~70L)のそれぞれに対して出現し易さが設定されている。具体的には、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったときの順位に対応して、複数のアイテム70のそれぞれに対して出現し易さが設定されている。第1ゲーム用の状況テーブルでは、全12個のアイテム70A~70Lが第1ゲーム中に出現し得るように、順位毎に、各アイテムの出現し易さが設定されている。例えば、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったときの、当該ゲームオブジェクトの順位が1位である場合、順位「1」の状況テーブルを用いて抽選が行われる。順位「1」の状況テーブルでは、アイテム70Aの出現し易さが「0」に予め設定されている。また、順位「1」の状況テーブルでは、アイテム70B、アイテム70C、アイテム70D、及び、アイテム70Eの出現し易さが、それぞれ、「0」、「0.5」、「0.5」、「1」に設定されている。その他のアイテムに対しても出現し易さが予め設定されている。各アイテムの出現し易さは、各アイテムの出現確率(付与される確率)の高さを示す。具体的には、アイテムの出現し易さを、全アイテムの出現し易さの合計で割った値が、そのアイテムの出現確率となる。したがって、例えば、現在1位のゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合、アイテム70Aは付与され得ず、アイテム70Cは「0.5/8」の確率で付与され得る。ここでは、1位に対応する状況テーブルの各アイテムの出現し易さの合計が「8」であるとする。なお、
図5では、説明のため各アイテムの「出現確率」が表示されているが、「出現確率」は、「出現し易さ」に基づいて算出されるものであり、「出現確率」自体はテーブルには含まれない。
【0063】
また、現在2位のゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合、順位「2」の状況テーブルを用いて抽選が行われる。順位「2」の状況テーブルでは、アイテム70A、アイテム70B、アイテム70C、アイテム70D、及び、アイテム70Eの出現し易さが、それぞれ、「0」、「1」、「1」、「1.5」、「2」に設定されている。
【0064】
また、現在8位のゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合、順位「8」の状況テーブルを用いて抽選が行われる。順位「8」の状況テーブルでは、アイテム70A、アイテム70B、アイテム70C、アイテム70D、及び、アイテム70Eの出現し易さが、それぞれ、「2」、「2」、「1」、「1」、「3」に設定されている。
【0065】
本実施形態では、状況テーブルにおいて、現在の順位が比較的高いゲームオブジェクトには、比較的有利度の低いアイテムが付与され易く、現在の順位が比較的低いゲームオブジェクトには、比較的有利度の高いアイテムが付与され易くなるように、ゲーム制作者によって予め各アイテムの出現し易さが設定されている。これにより、レース中に複数のゲームオブジェクト間で順位が変動し易くなる。
【0066】
例えば、
図5に示されるように、現在の順位が高い程、アイテム70Aの出現し易さが低くなっている。具体的には、現在の順位が1位又は2位である場合、アイテム70Aの出現し易さは「0」に設定され、アイテム70Aが出現しないように設定されている。アイテム70Aは、使用したゲームオブジェクトにとって有利度が高いアイテムであり、例えば、最も攻撃力の高いアイテムである。例えば、1位のゲームオブジェクトに最も有利度の高いアイテム70Aが付与されると、1位のゲームオブジェクトが他のゲームオブジェクトよりも有利となり、他のゲームオブジェクトとの差がより広がってしまう可能性がある。このため、上位のゲームオブジェクトには、最も有利度の高いアイテム70Aが付与されない又は付与され難いように設定される。一方、下位のゲームオブジェクトには、最も有利度の高いアイテム70Aの出現確率が、上位のゲームオブジェクトよりも高くなるように設定されている。
【0067】
なお、各アイテムはゲーム中に複数出現し得るが、それぞれのアイテムには、ゲーム中に同時に存在し得る上限数が予め定められている。例えば、アイテム70Aの上限数は「2」、アイテム70Bの上限数は「5」、アイテム70Cの上限数は「10」に定められている。ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったときに、上限数に達しているアイテムを除いて、上記状況テーブルを用いたアイテム抽選が行われる。具体的には、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったときに、仮想空間に存在している全てのアイテムについて種類毎の数が算出され、上限数に達しているアイテムの出現し易さが「0」に設定される。ゲーム状況に対応する状況テーブルにおいて、上限数に達したアイテムの出現し易さを「0」に設定した上で、当該テーブルを用いて抽選が行われる。
【0068】
なお、「仮想空間に存在しているアイテム」は、コース50上に配置されたアイテム(
図3のアイテム70C)と、各ゲームオブジェクトが所有し、かつ、装備しているアイテム(各ゲームオブジェクトの近傍に表示されているアイテム70A、70B、70C)とを含む。また、「仮想空間に存在しているアイテム」は、コース50上に配置されたアイテムと、各ゲームオブジェクトが装備しているアイテムとに加えて、各ゲームオブジェクトが所有し、かつ、準備状態にあるアイテム(サブアイテム72)を含んでもよい。また、「仮想空間に存在しているアイテム」は、コース50上に配置されたアイテムのみを意味してもよい。
【0069】
(出現可能アイテムの設定)
本実施形態のゲームでは、複数のアイテム70を含むアイテム群の中から、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったときに当該ゲームオブジェクトに付与され得るアイテムを、プレイヤが設定可能に構成されている。例えば、ゲームの開始前に、プレイヤの選択により、アイテム設定画面が起動される。プレイヤは、アイテム設定画面において、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったときに付与され得るアイテムを設定することができる。
【0070】
図6は、アイテム設定画面の一例を示す図である。
図6に示されるように、アイテム設定画面では、複数のアイテム70(例えば12個のアイテム70A~70L)が表示される。プレイヤは、例えばコントローラ3のアナログスティック6を用いてカーソル80を移動させてコントローラ4のボタン5を押下することにより、所望のアイテムを選択する(ONにする)ことができる。なお、デフォルトでは全てのアイテム70がONに設定されており、プレイヤがカーソル80を所望の位置に移動させてボタン5を押下することにより、カーソル80によって指示されたアイテム70がOFFに設定されてもよい。また、デフォルトでは全てのアイテム70がOFFに設定されており、プレイヤがカーソル80を所望の位置に移動させてボタン5を押下することにより、カーソル80によって指示されたアイテム70がONに設定されてもよい。このように、アイテム設定画面において、プレイヤの選択により、個々のアイテム70がON又はOFFに設定される。
【0071】
図7は、アイテム設定画面においてランダムにアイテムが設定される様子を示す図である。アイテム設定画面に表示された「ランダム」ボタン81がカーソル80によって指示されているときに、ボタン5が押下された場合、12個のアイテム70の中から1又は複数のアイテム70がランダムにONに設定される。ボタン5が押下される毎に、ONに設定されるアイテム70が切り替わる。
【0072】
また、アイテム設定画面には、全てのアイテムをON(又はOFF)に設定するボタンが表示され、当該ボタンがカーソル80によって指示されているときにコントローラのボタン5が押下された場合には、全てのアイテムがON(又はOFF)に設定されてもよい。
【0073】
ランダムに又はプレイヤの選択によって、1又は複数のアイテム70がONにされた後、カーソル80を用いてOKボタン82が指示されてボタン5が押下された場合、ONにされているアイテム70が、「出現可能アイテム」として設定される。なお、出現可能アイテムとして設定されなかったアイテム(すなわち、OKボタン82が押下されたときにOFFにされているアイテム)を、「出現不可能アイテム」という。各アイテムについて、出現可能アイテムとして設定されたか、出現不可能アイテムとして設定されたかを示す情報は、「カスタマイズデータ」として記憶される。
【0074】
このように、アイテム設定画面において、複数のアイテム70を含むアイテム群(アイテム70A~70L)の中から、ランダムに又はプレイヤの選択に基づいて、出現可能アイテムが設定される。
【0075】
なお、上記ではプレイヤが個別のアイテム70を選択し、選択したアイテム70を出現可能アイテムとして設定するものとしたが、プレイヤの選択に基づいて出現可能アイテムを設定する方法はこれに限られない。例えば、予めゲーム制作者によって複数のアイテムセット(例えば、IS1~IS5)が用意され、複数のアイテムセットIS1~IS5のうちの何れかがプレイヤによって選択され、選択されたアイテムセットに含まれる1又は複数のアイテム70が、出現可能アイテムとして設定されてもよい。また、複数のアイテムセットIS1~IS5が順にプレイヤの操作に応じて切り替わり、プレイヤの操作によって複数のアイテムセットのうちの何れかが選択され、選択されたアイテムセットに含まれる1又は複数のアイテム70が、出現可能アイテムとして設定されてもよい。すなわち、プレイヤが個別にアイテムを選択して出現可能アイテムとして設定する場合も、プレイヤがアイテムセットを選択して出現可能アイテムとして設定する場合も、「プレイヤの選択」に基づいて出現可能アイテムを設定することに含まれる。
【0076】
アイテム設定画面において、出現可能アイテム(又は出現不可能アイテム)が設定された後、ゲームが開始される。以下では、プレイヤの選択によりアイテム設定画面が起動された後に実行されるゲームのモードを、「カスタマイズモード」という。一方、プレイヤの選択によりアイテム設定画面が起動されずにゲームが開始された場合、「アイテム固定モード」でゲームが行われる。通常は、「アイテム固定モード」でゲームが実行される。すなわち、ゲームの開始前にプレイヤによってカスタマイズモードの選択が行われた場合は、アイテム設定画面が起動して、「カスタマイズモード」でゲームが実行され、当該選択が行われなかった場合は、アイテム設定画面は起動せず、「アイテム固定モード」でゲームが実行される。なお、プレイヤによってカスタマイズモードの選択が行われて、アイテム設定画面が起動したとしても、アイテム設定画面において、プレイヤが例えば各アイテムのON/OFFを設定せずに(デフォルトのまま)アイテム設定画面を終了した場合や、全てのアイテムをONに設定してアイテム設定画面を終了した場合は、アイテム固定モードにてゲームが行われてもよい(通常と同じゲーム処理が行われてもよい)。
【0077】
カスタマイズモードで第1ゲームが実行されているときに、例えばプレイヤオブジェクト61がアイテムボックス75に当たった場合、予め記憶された状況テーブルを修正した修正テーブルに基づいて、アイテム抽選が行われる。例えば、プレイヤオブジェクト61がアイテムボックス75に当たったときのプレイヤオブジェクト61の順位が8位である場合、予め記憶された8位の状況テーブルを修正した修正テーブルに基づいて、アイテム抽選が行われる。
【0078】
図8は、予め記憶された8位の状況テーブルの一例を示す図である。
図9は、予め記憶された8位の状況テーブルを修正した修正テーブルの一例を示す図である。
【0079】
図8に示されるように、予め記憶された8位の状況テーブルでは、例えば、アイテム70A及び70Bの出現し易さが「2」に設定され、アイテム70C及び70Dの出現し易さが「1」に設定され、アイテム70Eの出現し易さが「3」に設定され、アイテム70F及び70Gの出現し易さが「1」に設定され、アイテム70H及び70Iの出現し易さが「0.5」に設定されている。また、アイテム70J~70Lの出現し易さは「0」に設定されている。アイテム固定モードでは、
図8に示す予め記憶された状況テーブルを用いてアイテム抽選が行われる。
【0080】
一方、アイテム設定画面において出現可能アイテムが設定されている場合(カスタマイズモードでゲームが実行されている場合)も、
図8に示す状況テーブルが用いられる。当該状況テーブルにおいて出現可能アイテムの出現し易さは維持され、出現不可能アイテムの出現し易さは「0」に設定される。このようにして設定されたテーブルが、修正テーブルとして記憶される。したがって、修正テーブルにおいては、出現可能アイテムの出現し易さが、状況テーブルにおける当該アイテムの出現し易さと同じになる。すなわち、予め記憶されたゲーム状況に応じた状況テーブルに基づいて、出現可能アイテムの出現し易さが設定される。
【0081】
例えば、
図9に示されるように、出現可能アイテムとして設定されたアイテム70F~70Lの出現し易さは、それぞれ、
図8に示す状況テーブルと同様に、「1」、「1」、「0.5」、「0.5」、「0」、「0」、「0」に設定される。また、出現不可能アイテムとして設定されたアイテム70B~70Eの出現し易さは、「0」に設定される。また、出現可能アイテムとして設定されたアイテムであっても、現時点で上限数に達しているアイテムについては、出現し易さが「0」に設定される。例えば、
図9に示されるように、アイテム70Aが出現可能アイテムとして設定されている場合であっても、プレイヤオブジェクト61がアイテムボックス75に当たった時点において仮想空間に存在するアイテム70Aの数が上限数に達している場合、アイテム70Aの出現し易さは「0」に設定される。
【0082】
カスタマイズモードにおいて、各アイテムの上限数は固定でなくてもよい。具体的には、カスタマイズモードでは、設定された出現可能アイテムの数(ONに設定されたアイテムの種類数)が多いほど、各アイテムの上限数が小さくなるように設定されてもよい。なお、アイテム固定モードのときの各アイテムの上限数と、カスタマイズモードのときの各アイテムの上限数とは、それぞれ異なってもよい。すなわち、同じアイテムの上限数が、アイテム固定モードのときとカスタマイズモードのときとで異なってもよい。
【0083】
このようにして生成された修正テーブルを用いてアイテム抽選が行われる。例えば
図9に示される例では、アイテム70F及び70Gの出現確率(付与される確率)は1/3、アイテム70H及び70Iの出現確率は0.5/3に設定されている。
【0084】
このように、カスタマイズモードで第1ゲームが行われている場合、プレイヤオブジェクト61がアイテムボックス75に当たったときの順位に応じた状況テーブルに基づいて、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムがプレイヤオブジェクト61に付与される。プレイヤオブジェクト61以外のゲームオブジェクト62,63がアイテムボックス75に当たった場合も、同様に、順位に応じた状況テーブルに基づいて、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムが当該ゲームオブジェクトに付与される。
【0085】
(等確率テーブルを用いたアイテム抽選)
ここで、カスタマイズモードでゲームが行われている場合に、上記修正テーブルを用いたアイテム抽選により、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与できない場合も有り得る。
図10は、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与できない場合の修正テーブルの一例を示す図である。
【0086】
図10に示されるように、例えば、アイテム70B~70Iが出現不可能アイテムとして設定されている場合、アイテム70B~70Iの出現し易さに「0」が設定される。また、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった時点において仮想空間に存在するアイテム70Aの数が上限数に達している場合、アイテム70Aの出現し易さは「0」に設定される。また、アイテム70J~70Lは出現可能アイテムとして設定されているが、予め記憶された8位の状況テーブルでは、アイテム70J~70Lの出現し易さは「0」に設定されている。このため、
図10に示す修正テーブルでは、全てのアイテム70の出現し易さは「0」であり、この修正テーブルを用いて、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与することができない。すなわち、ゲーム状況に応じた状況テーブルに基づいて、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与することができない。
【0087】
このような場合、ゲーム状況に応じた状況テーブルとは別のテーブルを用いて、アイテム抽選が行われる。具体的には、各アイテムの出現し易さが同じに設定された等確率テーブル(第2データの一例)を用いてアイテム抽選が行われる。
【0088】
図11は、等確率テーブルの一例を示す図である。等確率テーブルを用いたアイテム抽選においても、上限数に達しているアイテム、及び、アイテム設定画面において設定された出現不可能アイテムは、付与アイテムとして決定されない。
【0089】
具体的には、
図11に示されるように、等確率テーブルにおいて、出現可能アイテムの出現し易さは全て「1」に設定される。また、等確率テーブルにおいて、出現不可能アイテムの出現し易さは「0」に設定され、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった時点において上限数に達しているアイテムの出現し易さは「0」に設定される。このような等確率テーブルを用いて抽選を行うことで、出現可能アイテムの中から付与アイテムが決定される。
【0090】
図11に示される等確率テーブルは、予め記憶されたテーブルとカスタマイズデータとに基づいて生成される。例えば、アイテム抽選の実行時に、出現可能アイテムの出現し易さを「1」に、出現不可能アイテム及び上限数に達しているアイテムの出現し易さを「0」に設定した等確率テーブルが生成される。なお、全てのアイテムについて出現し易さが「1」に設定された基本等確率テーブルが予め記憶されており、当該予め記憶された基本等確率テーブルにおいて、出現不可能アイテムと上限数に達しているアイテムの出現し易さが「0」に修正されてもよい。
【0091】
このように、本実施形態では、カスタマイズモードにおいて、まずは予め記憶された状況テーブルに基づく修正テーブル(状況テーブルに記憶された出現し易さを出現可能アイテムに設定したテーブル)に基づいて、出現可能アイテムの中から何れかを付与することを試み、付与できない場合は、等確率テーブルに基づいて出現可能アイテムの中から何れかを付与する。状況テーブルにおいては、予め現在の順位に応じて各アイテムの出現確率が調整されており、プレイヤによって出現可能アイテムが設定されても、これを用いてゲーム状況に応じて適切なアイテムを付与することができる。修正テーブルに基づいてアイテムを付与できない場合は、等確率テーブルを用いて出現可能アイテムの中から付与アイテムを決定するため、出現可能アイテムとして設定したにもかかわらず、出現しないといったことを防止することができる。例えば、1位のゲームオブジェクトには、アイテム70Aは付与されないように予め状況テーブルにおいて定められているが、アイテム70Aのみ出現可能アイテムとして設定されている場合は、等確率テーブルに基づいてアイテム70Aを付与することができる。これにより、ユーザの設定を反映してアイテムを付与することができる。また、例えば、特定のゲーム状況(順位)にあるゲームオブジェクトには、アイテム70Aは付与されずアイテム70Bは付与され得るように予め状況テーブルにおいて定められている場合において、アイテム70Aとアイテム70Bとが出現可能アイテムとして設定されている場合は、当該特定のゲーム状況のゲームオブジェクトに対して、修正テーブルに基づく抽選によりアイテム70Bが付与される(アイテム70Aは付与され得ない)。このことは、特定のゲーム状況(順位)にあるゲームオブジェクトにはアイテム70Aは付与されずアイテム70Bは付与されるという元々の状況テーブルの思想に合致している。
【0092】
なお、
図11に示されるような等確率テーブルを用いる場合でも、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与できない場合もある。
【0093】
具体的には、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった時点において、出現可能アイテムとして設定された各アイテムの数が上限数に達している場合、全てのアイテムの出現し易さが「0」になってしまう。例えば、
図11において、仮に出現可能アイテムとしてアイテム70Aのみが設定されている場合、アイテム70Aは、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった時点において上限数に達しているため、全てのアイテムの出現し易さが「0」になる。あるいは、アイテム設定画面において、全てのアイテムが出現不可能アイテムとして設定された場合、全てのアイテムの出現し易さが「0」になる。
【0094】
このような場合には、例外テーブルを用いて付与アイテムが決定される。
図12は、例外テーブルの一例を示す図である。
図12に示されるように、例外テーブルにおいては、例えば、アイテム70A~70D、70H~70Lの出現し易さが予め「0」に設定されている。また、アイテム70E~70Gの出現し易さは、それぞれ、「3」、「2」、「1」に設定されている。例外テーブルを用いてアイテム抽選が行われる場合は、出現可能アイテムとして設定されているか否かに関わらず、予め定められたアイテム70E~70Gの中から何れかのアイテムが付与される。なお、例外テーブルを用いてアイテム抽選が行われる場合も、上限数に達しているアイテムは付与されない。しかしながら、アイテム70E~70Gのそれぞれの上限数は、比較的大きな値となっているため、アイテム70E~70Gの何れかが付与アイテムとして決定される。
【0095】
なお、例外テーブルにおいては、アイテム70E~70Gに対して予め同じ出現確率が設定されてもよい。
【0096】
以上のように、アイテム固定モードで第1ゲームが実行される場合は、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったときの順位に応じた状況テーブルに基づいて、複数のアイテム70の中から何れかが付与アイテムとして決定される。これにより、ゲーム状況に対応して、ゲームオブジェクトにアイテムを付与することができる。
【0097】
一方、カスタマイズモードで第1ゲームが実行される場合には、順位に応じた状況テーブル(状況テーブルに基づく修正テーブル)に基づいて、アイテム設定画面で設定した出現可能アイテムの中から何れかのアイテムが付与アイテムとして決定される。これにより、ゲーム状況に対応しつつ、アイテム設定画面で設定した出現可能アイテムの中から何れかのアイテムをゲームオブジェクトに付与することができる。
【0098】
また、カスタマイズモードで第1ゲームが実行される場合において、修正テーブルに基づいて、出現可能アイテムの中から何れかを付与できない場合、等確率テーブルを用いて出現可能アイテムの中から何れかのアイテムが付与される。さらに、等確率テーブルを用いても出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与できない場合は、アイテム設定画面で出現可能アイテム又は出現不可能アイテムが設定されているか否かに関わらず、例外テーブルを用いて、複数のアイテムの中から何れかのアイテムが付与される。これにより、アイテム設定画面でどのようなアイテムが出現可能アイテムとして設定されていても、複数のアイテムの中から何れかのアイテムをゲームオブジェクトに付与することができる。
【0099】
なお、アイテム固定モードには、複数のアイテムを含む第1アイテム群の中から何れかが付与される第1固定モードと、第1アイテム群とは異なる第2アイテム群の中から何れかが付与される第2固定モードと、全アイテムの中から何れかが付与される第3固定モードとがあってもよい。第1固定モード、第2固定モード、第3固定モードには、それぞれ、ゲーム状況に応じて予め各アイテムの出現し易さが設定された状況テーブルが用意されている。プレイヤは、ゲームの実行前に、第1固定モードか、第2固定モードか、第3固定モードか、あるいは、カスタマイズモードかを選択して、ゲームを開始する。なお、通常では(プレイヤがモードを選択しない場合は)、第3固定モードでゲームが開始される。第3固定モードでゲームが行われる場合は、
図5で示した状況テーブルが用いられる。この第3固定モードで用いられる状況テーブルは、カスタマイズモードにおいても用いられる。すなわち、カスタマイズモードにおいて、各出現可能アイテムの出現し易さは、全アイテムの中から何れかが付与される第3固定モードで用いられる状況テーブルに基づいて設定される。第1~第3固定モードも、プレイヤの選択によって実行されるが、第1~第3固定モードの選択によって
図6に示されるようなアイテム設定画面は起動されず、プレイヤは、アイテム設定画面において個別のアイテムを出現可能アイテムとして設定したり、ランダムに選択されたアイテムを出現可能アイテムとして設定したりすることはできない。すなわち、第1~第3固定モードでは、アイテム抽選において付与され得るアイテムは固定である。
【0100】
これに対して、カスタマイズモードでは、プレイヤはアイテム設定画面において所望の1又は複数のアイテムを出現可能アイテムとして設定可能である。カスタマイズモードでは、アイテム抽選において付与され得るアイテムは、固定のアイテムではなく、プレイヤが設定したアイテムである。
【0101】
なお、複数の本体装置2を用いてマルチプレイモードでゲームが行われる場合、1台の本体装置2においてアイテム設定画面で設定されたカスタマイズデータは、他の本体装置2に共有され、他の本体装置2においても同じカスタマイズデータに基づいてアイテム抽選が行われる。
【0102】
また、ゲームが個人戦で行われる場合も、チーム戦で行われる場合も、プレイヤはアイテム設定画面において出現可能アイテム又は出現不可能アイテムを設定することができる。ゲームがチーム戦で行われる場合、チーム毎に、出現可能アイテム又は出現不可能アイテムが設定される。
【0103】
例えば、第1のプレイヤが第1のチームに属し、第2のプレイヤが第2のチームに属し、第1のチームと第2のチームとでチーム戦が行われる場合を想定する。この場合、第1のチームに属する1又は複数のプレイヤのうち、第1のプレイヤがアイテム設定画面を起動して出現可能アイテム又は出現不可能アイテムを設定し、当該アイテムの設定に応じた第1のカスタマイズデータが保存される。また、第2のプレイヤがアイテム設定画面において出現可能アイテム又は出現不可能アイテムを設定し、第2のカスタマイズデータが保存される。この場合、第1のチームに属するゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合、上記のように第1のカスタマイズデータに基づいて、第1のプレイヤが設定した出現可能アイテムの中から付与アイテムが決定される。また、第2のチームに属するゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合は、第2のカスタマイズデータに基づいて、第2のプレイヤが設定した出現可能アイテムの中から付与アイテムが決定される。
【0104】
なお、第1のチームについてはアイテム設定画面においてアイテムのカスタマイズが行われる一方、第2のチームについてはカスタマイズが行われなくてもよい。この場合、第1のチームに属するゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合、第1のカスタマイズデータに基づいて、出現可能アイテムの中から付与アイテムが決定される。一方、第2のチームに属するゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合は、
図5に示す状況テーブルに基づいて、複数のアイテム70A~70Lの中から何れかのアイテムが付与アイテムとして決定されてもよい。
【0105】
(第2ゲーム)
次に、第2ゲームについて説明する。第2ゲームは、複数のゲームオブジェクトが仮想空間内のコース又はフィールドにおいて移動しながら格闘するゲームである。第2ゲームでは、各ゲームオブジェクトに初期的に体力値(ライフ値)が設定されている。第2ゲームにおいては、各ゲームオブジェクトの体力値に基づいてゲーム状況が定められる。例えば、各ゲームオブジェクトは、対戦相手のゲームオブジェクトに対してアイテムを用いた攻撃を行うことにより、当該対戦相手のゲームオブジェクトの体力値を減少させる。ゲームオブジェクトがアイテムを用いた攻撃によって対戦相手のゲームオブジェクトの体力値を減少させた場合は、当該攻撃を行ったゲームオブジェクトにポイントが加算される。逆に、ゲームオブジェクトが対戦相手のゲームオブジェクトからの攻撃を受けて体力値を減少させた場合、当該攻撃を受けたゲームオブジェクトのポイントが減少される。第2ゲームの開始から所定時間が経過した時点の各ゲームオブジェクトのポイント数に基づいて、勝敗が決定される。なお、第2ゲームは個人戦でもチーム戦でも実行可能である。
【0106】
第2ゲームにおいても、仮想空間にアイテムボックス75が配置される。ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合、ゲーム状況に応じてアイテム抽選が行われる。第2ゲームにおけるゲーム状況は、現在のポイント数の順位に基づいて定められる。
【0107】
なお、第2ゲームにおけるゲーム状況は、現在のポイント数の順位に代えて(又は加えて)、1位とのポイント数の差、ゲーム開始からの経過時間、ゲームオブジェクトの残存体力値、攻撃した回数、攻撃を受けた回数等に基づいて算出される値であってもよい。また、これらのパラメータを用いた所定の演算の結果により、第2ゲームのゲーム状況が定められてもよい。
【0108】
また、第2ゲームは、アイテム固定モード又はカスタマイズモードで実行することができる。通常は、アイテム固定モードで第2ゲームが行われる。アイテム固定モードでは、予め記憶されたゲーム状況に応じた第2ゲーム用の状況テーブルを用いて、アイテム抽選が行われる。
【0109】
具体的には、第2ゲームには、アイテム固定モードとして、AモードとBモードとを含む複数のモードがある。例えば、プレイヤは、第2ゲームの開始前に、複数のアイテム固定モードのうちの何れかのモードを設定する。AモードとBモードとで、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったときに付与されるアイテムの種類が異なる。例えば、Aモードは、Bモードよりも攻撃的なアイテムが付与され易いモードであってもよい。
【0110】
図13は、Aモードにて第2ゲームが実行される場合に用いられる予め記憶された状況テーブルの一例を示す図である。
図14は、Bモードにて第2ゲームが実行される場合に用いられる予め記憶された状況テーブルの一例を示す図である。本体装置2のメモリ(DRAM27又はフラッシュメモリ26等の内部記憶媒体、あるいは、スロット29に装着される外部記憶媒体)には、
図13及び
図14に示される状況テーブルを示すデータが予め記憶されている。
【0111】
図13に示されるように、Aモードにおいては、ゲーム状況に対応してアイテム70A~70Fの何れかが選択されるように、状況テーブルにおいて予め各アイテムの出現し易さが設定されている。例えば、ポイント数が8位の状況テーブルにおいて、アイテム70A~70Fの出現し易さが、それぞれ、「3」、「2」、「1」、「1.5」、「1.5」、「1」に設定されている。アイテム70G~70Lについては、出現し易さは「0」に設定されている。このため、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったときの当該ゲームオブジェクトのポイント数の順位が8位である場合、アイテム70A~70Fは、それぞれ、「3/10」、「2/10」、「1/10」、「1.5/10」、「1.5/10」、「1/10」の確率で付与アイテムとして決定される。なお、ここではゲームオブジェクトのポイント数が8位であるゲーム状況を例示したが、Aモードでは、どのようなゲーム状況であっても、アイテム70G~70Lは付与アイテムとして決定され得ない。
【0112】
また、
図14に示されるように、Bモードにおいては、ゲーム状況に対応してアイテム70G~70Lの何れかが選択される。Bモードにおいては、どのようなゲーム状況であっても、アイテム70A~70Fは付与アイテムとして決定され得ない。
【0113】
このように、アイテム固定モードで第2ゲームが実行される場合、Aモードにおいてはアイテム70G~70Lは出現せず、Bモードにおいてはアイテム70A~70Fは出現しない。したがって、第2ゲームにおいては、全てのアイテムが出現し得るモード(状況テーブル)がない。カスタマイズモードで第2ゲームを実行する場合に、アイテム固定モードで用意された状況テーブルを用いることが考えられるが、何れのテーブルが用いられる場合でも欠損するアイテムがあり、全てのアイテムが出現し得る状況テーブルは用意されていない。そこで本実施形態では、カスタマイズモードで第2ゲームが実行される場合、アイテム固定モードで用いられる予め記憶された状況テーブルを用いるとともに、当該状況テーブルにおいて出現可能アイテムの出現し易さが加算される。以下では、Aモード用の状況テーブルを用いて、カスタマイズモードで第2ゲームが実行される例について説明する。
【0114】
図15は、出現可能アイテムに出現し易さを加算した加算テーブルの一例を示す図である。
図15では、Aモード用のポイント数「8位」に対応する状況テーブルを例にして、出現可能アイテムの出現し易さが加算される様子が示されている。
【0115】
図15に示されるように、まず、出現可能アイテムとして設定されたアイテム70A~70C、70K、70Lの出現し易さに、
図13の状況テーブルに設定された出現し易さが設定される。これにより、これらアイテム70A~70C、70K、70Lの出現し易さの加算前の値として、ゲーム状況に応じて予め記憶された出現し易さが設定される。
【0116】
さらに、出現可能アイテムとして設定されたアイテム70A~70C、70K、70Lの出現し易さが、加算される。具体的には、各出現可能アイテムの出現し易さの中から、「0」よりも大きな最小の出現し易さが算出され、当該最小の出現し易さを、各出現可能アイテムの出現し易さに加算する。
図15の例では、出現可能アイテムとして設定されたアイテム70A~70C、70K、70Lのうち、「0」よりも大きな最小の出現し易さを有するアイテムは、アイテム70Cであり、当該アイテム70Cに設定された出現し易さは、「1」である。このため、出現可能アイテムとして設定されたアイテム70A~70C、70K、70Lの出現し易さの値に、この最小値「1」が加算される。したがって、アイテム70A~70C、70K、70Lの加算後の出現し易さは、それぞれ、「4」、「3」、「2」、「1」、「1」となる。
【0117】
また、出現不可能アイテムとして設定されたアイテム70D~70Jの出現し易さは、「0」に設定される。また、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったときに上限数に達しているアイテムには、出現し易さが「0」に設定される。出現不可能アイテム、及び、上限数に達しているアイテムには、最小値は加算されない。
【0118】
ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合、
図15に示される加算テーブルを用いてアイテム抽選が行われ、アイテム抽選において決定されたアイテムが、当該ゲームオブジェクトに付与される。
【0119】
このように第2ゲームにおいては、予め出現し易さが「0」に設定された出現可能アイテムについて、出現し易さが増加される。また、予め出現し易さが「0」より大きな値に設定された出現可能アイテムについても、出現し易さが増加される。
【0120】
第1ゲームと同様に、カスタマイズモードで第2ゲームが行われている場合に、上記加算テーブルを用いたアイテム抽選により、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与できない場合も有り得る。
図16は、第2ゲームにおいて出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与できない場合の加算テーブルの一例を示す図である。
【0121】
例えば、アイテム70B~70Jが出現不可能アイテムとして設定されている場合、
図16に示されるように、アイテム70B~70Jの出現し易さに「0」が設定される。また、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった時点において仮想空間に存在するアイテム70Aの数が上限数に達している場合、アイテム70Aの出現し易さは「0」に設定される。この結果、全てのアイテムの出現し易さは「0」となり、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与することができない。
【0122】
このような場合には、第1ゲームと同様に、等確率テーブルを用いてアイテム抽選が行われる。具体的には、第1ゲームと同様に、アイテム抽選において、出現可能アイテムの出現し易さが全て「1」に設定され、出現不可能アイテム及び上限数に達しているアイテムの出現し易さが「0」に設定された等確率テーブルが用いられる。
【0123】
また、等確率テーブルを用いても出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与することができない場合には、第1ゲームと同様に、例外テーブルを用いて付与アイテムが決定される。
【0124】
以上のように、第2ゲームでは、アイテム固定モードにおいては付与され得ないアイテムを、カスタマイズモードにおいては付与され得るようにすることができる。
【0125】
アイテム設定画面において設定された全ての出現可能アイテムの出現し易さが加算されることで、特定のアイテムのみ出現確率が上昇することを防止することができ、ゲームのバランスを維持することができる。例えば、出現可能アイテムのうち、予め出現し易さが「0」に設定されたアイテムのみ出現し易さを増加させる場合、元々出現し得ないアイテムの出現確率が相対的に大きくなってしまい、ゲームのバランス上好ましくない場合がある。例えば、特定のゲーム状況に対応する状況テーブルにおいて、予めアイテム70Aの出現し易さが「0」に設定され、アイテム70Bの出現し易さが「1」に設定されている場合、通常(アイテム固定モード)では、アイテム70Aは出現しない。この場合において、アイテム70A及び70Bを含む複数のアイテムが出現可能アイテムとして設定された場合、例えば、アイテム70Aのみ出現し易さが「1」加算される場合は、通常は付与され得ないアイテム70Aが、アイテム70Bと同じ出現確率で付与されることになり、ゲームのバランス上好ましくない場合がある。本実施形態では、上限値に達していない全ての出現可能アイテムの出現し易さが加算されるため、ゲームのバランスを維持しつつ、出現可能アイテムが付与され得るようにすることができる。
【0126】
また、本実施形態では、複数の出現可能アイテムの出現し易さのうち、最小の出現し易さが加算されるため、予め記憶された状況テーブルから大きく逸脱することなく、出現可能アイテムの出現確率を上昇させることができる。すなわち、予め記憶された状況テーブルにおいては、ゲーム状況に対応して各アイテムの出現し易さが予め設定されている。例えば、現時点で有利なゲームオブジェクトに対しては、比較的有利さの低いアイテム(例えば攻撃力の弱いアイテム)が付与され易く、現時点で不利なゲームオブジェクトに対しては、比較的有利さの高いアイテム(例えば攻撃力の強いアイテム)が付与され易くなるように、状況テーブルが設定されている。これにより、例えば、第2ゲームが終了するまで、各ゲームオブジェクトのゲーム状況(具体的にはポイント数の順位)を変動させ易くしている。このように設定された状況テーブルについて、出現可能アイテムの出現し易さが大きく上昇された場合は、ゲーム制作者の意図するゲーム性が損なわれる可能性がある。本実施形態では、予め記憶された状況テーブルについて、出現可能アイテムに最小の出現し易さが加算されるため、ゲーム性を損なうことなく出現可能アイテムの出現確率を上昇させることができる。
【0127】
なお、本実施形態では、出現可能アイテムに最小の出現し易さが加算されるものとしたが、他の実施形態では、最小値を加算することに限らず、最小値に基づく値(例えば最小値の1/2の値)が加算されてもよい。また、最小値に限らず、固定の値を出現可能アイテムに加算してもよい。また、本実施形態では、上限値に達しているアイテムを除いて全出現可能アイテムの出現し易さを増加させたが、他の実施形態では、予め出現し易さが「0」に設定された出現可能アイテムのみ出現し易さを増加させてもよい。
【0128】
なお、第1ゲームと第2ゲームとで、付与され得るアイテムが異なってもよい。例えば、第1ゲームでは付与され得るが、第2ゲームでは付与され得ないアイテムXがあってもよい。このようなアイテムXは、第1ゲームに係るアイテム設定画面においては表示され(ON又はOFFに設定可能であり)、第2ゲームに係るアイテム設定画面においては表示されない(ON又はOFFに設定不可能)ようにしてもよい。逆に、第1ゲームでは付与され得ないが、第2ゲームでは付与され得るアイテムYがあってもよい。このようなアイテムYは、第1ゲームに係るアイテム設定画面においては表示されず(ON又はOFFに設定不可能であり)、第2ゲームに係るアイテム設定画面においては表示される(ON又はOFFに設定可能)ようにしてもよい。
【0129】
(ゲーム処理の詳細)
次に、ゲームシステム1において行われるゲーム処理の詳細について説明する。まず、ゲームシステム1のメモリ(DRAM27、フラッシュメモリ26、又はスロット29に装着された外部記憶媒体)に記憶される各種データについて説明する。
図17は、ゲームシステム1のメモリに記憶される各種データの一例を示す図である。
【0130】
図17に示されるように、メモリには、ゲームプログラムと、操作データと、ゲームオブジェクトデータと、アイテム配置データと、カスタマイズデータと、状況テーブルと、修正テーブルと、加算テーブルと、等確率テーブルと、例外テーブルとが記憶される。
【0131】
ゲームプログラムは、後述するゲーム処理を実行するためのプログラムである。ゲームプログラムは、第1ゲーム処理を実行するためのプログラムと、第2ゲーム処理を実行するためのプログラムとを含む。ゲームプログラムは、スロット29に装着された記憶媒体又はフラッシュメモリ26に予め記憶されており、ゲームの実行時にDRAM27に読み込まれる。
【0132】
操作データは、コントローラ3,4に対する操作に応じたデータである。例えば、操作データは、コントローラ3,4から所定の時間間隔(例えば1/200秒間隔)で本体装置2に送信され、本体装置のDRAM27に記憶される。
【0133】
ゲームオブジェクトデータは、各ゲームオブジェクトに関するデータである。具体的には、ゲームオブジェクトデータは、プレイヤによって制御されるプレイヤオブジェクト61に関するデータを含む。プレイヤオブジェクト61に関するデータは、プレイヤオブジェクト61の位置や向きに関するデータと、プレイヤオブジェクト61が装備しているアイテムに関するデータと、プレイヤオブジェクト61が所有しており、準備状態にあるアイテムに関するデータとを含む。また、ゲームオブジェクトデータは、ゲームオブジェクト62に関するデータと、ゲームオブジェクト63に関するデータとを含む。ゲームオブジェクト62に関するデータ及びゲームオブジェクト63に関するデータは、プレイヤオブジェクト61に関するデータと同様のデータを含む。
【0134】
アイテム配置データは、仮想空間に配置されているアイテムに関するデータであり、アイテムの種類及び位置を示すデータを含む。アイテム配置データは、元々仮想空間に存在しているアイテムに関するデータと、ゲームオブジェクトが仮想空間に発射したアイテムに関するデータとを含む。
【0135】
カスタマイズデータは、カスタマイズモードでゲームが実行される場合に設定されるデータである。カスタマイズデータは、複数のアイテム70のそれぞれについて、出現可能アイテムか出現不可能アイテムかを示す値を含む。
【0136】
状況テーブルは、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったときに、ゲームオブジェクトに対して付与されるアイテムを決定するためのテーブルである。状況テーブルでは、ゲーム状況に対応して各アイテムの出現し易さが設定されている。具体的には、状況テーブルは、第1ゲーム用の状況テーブル(
図5参照)と第2ゲーム用の状況テーブル(
図13及び
図14参照)とを含む。状況テーブルは、ゲーム制作者によって作成されたデータであり、フラッシュメモリ26又はスロット29に装着された外部記憶媒体に予め記憶される。なお、状況テーブルは、例えばインターネット上のサーバに記憶され、当該サーバから取得されてもよい。
【0137】
修正テーブルは、第1ゲームの実行中に生成されるテーブルであり、第1ゲーム用の状況テーブルとカスタマイズデータとに基づいて生成されるテーブルである。
【0138】
加算テーブルは、第2ゲームの実行中に生成されるテーブルであり、第2ゲーム用の状況テーブルとカスタマイズデータとに基づいて生成されるテーブルである。
【0139】
等確率テーブルは、カスタマイズモードでゲームが実行される場合において、出現可能アイテムの出現確率が同じになるように設定されたテーブルである。
【0140】
例外テーブルは、カスタマイズモードでゲームが実行される場合において、等確率テーブルを用いて付与アイテムを決定できないときにアイテム抽選において用いられるテーブルである。例外テーブルは、フラッシュメモリ26又はスロット29に装着された外部記憶媒体に予め記憶される。
【0141】
次に、
図18~
図25を参照して、ゲームシステム1で実行されるゲーム処理の詳細について説明する。
図18~
図25に示す処理は、本体装置2のプロセッサ21が上記ゲームプログラムをメモリ(例えば、DRAM27)を用いて実行することによって、行われる。まず、
図18~
図22を参照して、第1ゲームに関する処理について説明する。
【0142】
(第1ゲーム処理)
図18は、プロセッサ21において実行される第1ゲームに関する第1ゲーム処理の一例を示すフローチャートである。
【0143】
図18に示されるように、プロセッサ21は、まず、設定処理を実行する(ステップS1)。ここでは、カスタマイズモードか否かがプレイヤにより選択され、カスタマイズモードが選択された場合は、アイテム設定画面を表示して出現可能アイテム又は出現不可能アイテムを設定する処理が行われる。具体的には、プロセッサ21は、プレイヤによってカスタマイズモードが選択された場合、
図6に示すようなアイテム設定画面を表示させる。アイテム設定画面の表示中に、プロセッサ21は、プレイヤからの入力を受け付け、プレイヤの入力に基づいて各アイテムをON又はOFFに設定する。アイテム設定画面において、プレイヤによってOKボタン82が押下された場合、プロセッサ21は、その時点でONに設定されているアイテムを出現可能アイテムとして設定し、OFFに設定されているアイテムを出現不可能アイテムとして設定して、カスタマイズデータとして保存する。なお、アイテム設定画面において、プレイヤによってアイテムのON又はOFFが設定されなかった場合、デフォルトでONに設定されたアイテムや全てのアイテムが出現可能アイテムとして設定されてもよい。また、カスタマイズモードが選択されなかった場合、アイテム設定画面は表示されず、アイテム固定モードが設定される。なお、プレイヤの操作の有無にかかわらず、アイテム設定画面が必ず起動されてもよい。この場合、アイテム設定画面において少なくとも1つのアイテムがプレイヤによってON又はOFFに設定された場合は、カスタマイズモードが設定され、アイテム設定画面においてプレイヤによってアイテムのON又はOFFが設定されなかった場合は、アイテム固定モードが設定されてもよい。
【0144】
なお、ステップS1の設定処理では、出現可能アイテム又は出現不可能アイテムの設定の他にも、様々な設定が行われる。例えば、プレイヤの操作に基づいて、ゲームを行うコースが設定される。また、プロセッサ21は、コースにアイテムボックス75を配置したり、複数のアイテムを配置したりする。
【0145】
また、例えば、プレイヤオブジェクト61の外観や特性に関する設定が行われる。また、例えばシングルプレイモードでゲームを実行するか、マルチプレイモードでゲームを実行するかの設定が行われる。シングルプレイモードでゲームが実行される場合、プロセッサ21は、プレイヤオブジェクト61以外のプロセッサ21が制御する複数のゲームオブジェクトを設定する。また、マルチプレイモードでゲームが実行される場合、プロセッサ21は、他のプレイヤに対応するゲームオブジェクトを設定する。具体的には、複数の本体装置2を用いてマルチプレイモードのゲームが行われる場合、プロセッサ21は、他の本体装置2から、他のプレイヤが選択したゲームオブジェクトに関するデータを取得する。
【0146】
また、複数の本体装置2を用いてマルチプレイモードのゲームが行われる場合、プロセッサ21は、自機に保存したカスタマイズデータを他の本体装置2に送信する。また、他の本体装置2においてステップS1の設定処理でカスタマイズデータが保存された場合、プロセッサ21は、当該他の本体装置2が送信したカスタマイズデータを受信して、メモリに保存する。
【0147】
また、プロセッサ21は、プレイヤの操作に基づいて、チーム戦でゲームを行うか、個人戦でゲームを行うかを設定する。チーム戦でゲームが行われる場合、プロセッサ21は、チーム毎にカスタマイズデータを設定する。
【0148】
ステップS1の後、プロセッサ21は、第1ゲームを開始する(ステップS2)。ステップS1において、カスタマイズデータが設定された場合(アイテム設定画面で出現可能アイテム又は出現不可能アイテムが設定された場合)、カスタマイズモードで第1ゲームが開始される。一方、ステップS1においてカスタマイズデータが設定されなかった場合、アイテム固定モードで第1ゲームが開始される。第1ゲームが開始された後、プロセッサ21は、ステップS3~ステップS8の処理を所定のフレーム時間間隔(例えば、1/60秒間隔)で繰り返し実行する。これにより、第1ゲームが進行される。
【0149】
第1ゲームが開始された後、プロセッサ21は、コントローラ3,4から出力された操作データを取得する(ステップS3)。
【0150】
次に、プロセッサ21は、操作データに基づいて、ゲームオブジェクト制御処理を実行する(ステップS4)。具体的には、プロセッサ21は、例えばコントローラ4のボタン5が押下されている場合、プレイヤオブジェクト61を1フレーム分の距離だけ前方に移動させる。また、プロセッサ21は、例えばコントローラ3のアナログスティック6が操作されている場合、プレイヤオブジェクト61がアナログスティック6の入力方向に応じた仮想空間の方向を向くように制御する。これにより、コントローラ3、4に対する操作に応じてプレイヤオブジェクト61がコース50上を移動する。また、プレイヤオブジェクト61がアイテムを装備している場合、プロセッサ21は、コントローラ3、4に対する操作に応じて、プレイヤオブジェクト61に装備しているアイテムを使用させる。例えば、プレイヤオブジェクト61が装備しているアイテムが仮想空間に発射されて仮想空間内を移動するアイテムである場合、プロセッサ21は、コントローラ3、4に対する操作に応じて、当該アイテムをプレイヤオブジェクト61の前方向に発射させる。また、プロセッサ21は、プレイヤオブジェクト61以外のゲームオブジェクト62,63を制御する。例えば、第1ゲームがマルチプレイモードで行われる場合、プロセッサ21は、他のプレイヤが操作するコントローラに対する入力に基づいて、ゲームオブジェクト62の移動を制御したり、ゲームオブジェクト62にアイテムを使用させたりする。また、第1ゲームがシングルプレイモードで行われる場合、プロセッサ21は、ゲームオブジェクト62,63を所定のアルゴリズムに従って制御する。例えば、プロセッサ21は、ゲームオブジェクト62の移動を制御したり、ゲームオブジェクト62にアイテムを使用させたりする。また、ステップS4では、使用されたアイテムに関する制御処理が行われる。例えば、アイテムが仮想空間に発射されている場合、プロセッサ21は、当該アイテムを仮想空間内で移動させる。また、プロセッサ21は、アイテムとゲームオブジェクトとが衝突したか否かを判定し、衝突したと判定した場合に、当該アイテムに関する効果を発生させる。例えば、当該アイテムがゲームオブジェクトを一時的に停止させる効果を有している場合、プロセッサ21は、ステップS4において、当該アイテムと衝突したゲームオブジェクトの速度を「0」に設定する。また、ゲームオブジェクトの速度を一時的に上昇させるアイテムが使用された場合、プロセッサ21は、ステップS4において、所定時間、アイテムを使用したゲームオブジェクトの速度を上昇させる。これにより、アイテムを使用したゲームオブジェクトが所定時間加速される。
【0151】
次に、プロセッサ21は、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、プロセッサ21は、ステップS4で更新した各ゲームオブジェクトの位置と、仮想空間に配置されたアイテムボックス75の位置とに基づいて、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったか否かを判定する。
【0152】
ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合(ステップS5:YES)、プロセッサ21は、第1ゲームにおけるアイテム付与処理を実行する(ステップS6)。アイテム付与処理は、アイテムボックス75に当たったゲームオブジェクトにアイテムを付与するための処理である。第1ゲームにおけるアイテム付与処理の詳細については後述する。
【0153】
ステップS6の処理を実行した場合、又は、ステップS5でNOと判定した場合、プロセッサ21は、描画処理を行う(ステップS7)。具体的には、プロセッサ21は、プレイヤオブジェクト61の背後に設定された仮想カメラを用いて、仮想空間の画像を生成し、ディスプレイ12又はディスプレイ12とは別の表示装置に出力する。
【0154】
ステップS7の後、プロセッサ21は、ゲームを終了するか否かを判定する(ステップS8)。例えば、プレイヤオブジェクト61がゴールに到達した場合、プロセッサ21は、ステップS8でYESと判定する。また、プレイヤによってゲームの終了が指示された場合、プロセッサ21は、ステップS8でYESと判定する。プロセッサ21は、ステップS8でYESと判定した場合、第1ゲームの結果を表示した後、
図18に示す処理を終了する。一方、プロセッサ21は、ステップS8でNOと判定した場合、ステップS3の処理を再び実行する。
【0155】
(第1ゲームにおけるアイテム付与処理)
次に、ステップS6の第1ゲームにおけるアイテム付与処理の詳細について説明する。
図19は、第1ゲームにおけるアイテム付与処理の詳細を示すフローチャートである。
【0156】
図19に示すように、プロセッサ21は、カスタマイズモードでゲームが行われているか否かを判定する(ステップS20)。
【0157】
カスタマイズモードでゲームが実行されていない場合(ステップS20:NO)、プロセッサ21は、予め記憶された第1ゲーム用の状況テーブルに基づいて、ゲームオブジェクトに付与するアイテムを決定する(ステップS21)。具体的には、プロセッサ21は、アイテムボックス75に当たったゲームオブジェクトの現在の順位を判定し、当該順位に対応する状況テーブルに基づいて、アイテム抽選を実行する。例えば、プロセッサ21は、状況テーブルに基づいて各アイテムの出現確率を算出し、当該出現確率で各アイテムが選択されるように、乱数を用いたアイテム抽選を実行してもよい。なお、ステップS21においても、上限値に達しているアイテムを除いて抽選が行われる。具体的には、プロセッサ21は、第1ゲーム用の状況テーブルにおいて、上限値に達しているアイテムの出現し易さを0に設定して、アイテム抽選を行う。これにより、プロセッサ21は、複数のアイテム70A~70Lの中から何れかのアイテムを決定する。ステップS21の処理を実行した場合、プロセッサ21は、次にステップS22の処理を実行する。
【0158】
ステップS22において、プロセッサ21は、ステップS21でアイテムを決定したか否かを判定する。ステップS21でアイテムを決定した場合(ステップS22:YES)、プロセッサ21は、次にステップS30の処理を実行する。一方、ステップS21でアイテムを決定しなかった場合(ステップS22:NO)、プロセッサ21は、次にステップS27の処理を実行する。
【0159】
一方、カスタマイズモードでゲームが実行されている場合(ステップS20:YES)、プロセッサ21は、修正テーブルに基づくアイテム決定処理を行う(ステップS23)。以下、ステップS23の修正テーブルに基づくアイテム決定処理の詳細について、
図20を参照して説明する。
【0160】
(修正テーブルに基づくアイテム決定処理)
図20は、ステップS23の修正テーブルに基づくアイテム決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0161】
図20に示すように、プロセッサ21は、ゲーム状況に応じた状況テーブルに基づいて各アイテムの出現し易さを設定する(ステップS41)。具体的には、プロセッサ21は、アイテムボックス75に当たったゲームオブジェクトの現在の順位を判定し、当該順位に対応する状況テーブル(
図19のステップ21で用いられる状況テーブルと同じテーブル)を選択する。そして、プロセッサ21は、選択した状況テーブルをコピーする。
【0162】
次に、プロセッサ21は、コピーしたテーブルにおいて、上限値に達しているアイテムの出現し易さを0に設定する(ステップS42)。具体的には、プロセッサ21は、現在仮想空間に存在しているアイテムについてアイテム毎の数を算出し、各アイテムが予めそのアイテムに設定された上限値に達しているか否かを判定する。そして、プロセッサ21は、上限値に達しているアイテムの出現し易さを0に設定する。
【0163】
ステップS42の後、プロセッサ21は、コピーしたテーブルにおいて、出現不可能アイテムの出現し易さを0に設定する(ステップS43)。そして、プロセッサ21は、ステップS41~ステップS43の処理の結果を、修正テーブルとしてメモリに記憶する。
【0164】
次に、プロセッサ21は、メモリに記憶した修正テーブルを参照して、出現し易さが0でないアイテムが存在するか否かを判定する(ステップS44)。ステップS44では、修正テーブルに基づいて、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与可能か否かが判定される。
【0165】
出現し易さが0でないアイテムが存在すると判定した場合(ステップS44:YES)、プロセッサ21は、修正テーブルに基づいて乱数を用いたアイテム抽選を行うことにより、アイテムを決定する(ステップS45)。具体的には、プロセッサ21は、修正テーブルに記憶された各アイテムの出現し易さを全アイテムの出現し易さの合計で割った値を、当該アイテムの出現確率として算出する。そして、プロセッサ21は、算出した出現確率に基づいてアイテム抽選を行うことにより、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを決定する。
【0166】
ステップS45の処理を実行した場合、又は、ステップS44でNOと判定した場合、プロセッサ21は、
図20に示す処理を終了して、処理を
図19に戻す。
【0167】
図19に戻り、プロセッサ21は、ステップS23の処理でアイテムを決定したか否かを判定する(ステップS24)。
【0168】
ステップS23でアイテムを決定した場合(ステップS24:YES)、プロセッサ21は、次にステップS30の処理を実行する。
【0169】
一方、ステップS23でアイテムを決定しなかった場合(ステップS24:NO)、プロセッサ21は、次に、等確率テーブルに基づくアイテム決定処理を実行する(ステップS25)。以下、ステップS25の等確率テーブルに基づくアイテム決定処理の詳細について、
図21を参照して説明する。
【0170】
(等確率テーブルに基づくアイテム決定処理)
図21は、ステップS25の等確率テーブルに基づくアイテム決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0171】
図21に示すように、プロセッサ21は、まず、全アイテムの出現し易さを1に設定する(ステップS61)。
【0172】
次に、プロセッサ21は、上限値に達しているアイテムの出現し易さを0に設定する(ステップS62)。具体的には、プロセッサ21は、現在仮想空間に存在しているアイテムについてアイテム毎の数を算出し、各アイテムが予めそのアイテムに設定された上限値に達しているか否かを判定する。そして、プロセッサ21は、上限値に達しているアイテムの出現し易さを0に設定する。
【0173】
ステップS62の後、プロセッサ21は、出現不可能アイテムの出現し易さを0に設定する(ステップS63)。そして、プロセッサ21は、ステップS61~ステップS63の処理の結果を、等確率テーブルとしてメモリに記憶する。
【0174】
次に、プロセッサ21は、メモリに記憶した等確率テーブルを参照して、出現し易さが0でないアイテムが存在するか否かを判定する(ステップS64)。ステップS64では、等確率テーブルに基づいて、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与可能か否かが判定される。
【0175】
出現し易さが0でないアイテムが存在すると判定した場合(ステップS64:YES)、プロセッサ21は、等確率テーブルに基づいて乱数を用いたアイテム抽選を行うことにより、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを決定する(ステップS65)。
【0176】
ステップS65の処理を実行した場合、又は、ステップS64でNOと判定した場合、プロセッサ21は、
図21に示す処理を終了して、処理を
図19に戻す。
【0177】
図19に戻り、プロセッサ21は、ステップS25の処理でアイテムを決定したか否かを判定する(ステップS26)。
【0178】
ステップS25でアイテムを決定した場合(ステップS26:YES)、プロセッサ21は、次にステップS30の処理を実行する。
【0179】
一方、ステップS25でアイテムを決定しなかった場合(ステップS26:NO)、又は、ステップS21でアイテムを決定しなかった場合(ステップS22:NO)、プロセッサ21は、例外テーブルに基づくアイテム決定処理を実行する(ステップS27)。以下、ステップS27の例外テーブルに基づくアイテム決定処理の詳細について、
図22を参照して説明する。
【0180】
(例外テーブルに基づくアイテム決定処理)
図22は、ステップS27の例外テーブルに基づくアイテム決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0181】
図22に示すように、プロセッサ21は、予め記憶された例外テーブルを選択する(ステップS81)。例外テーブルには、予め複数のアイテムについて出現し易さが設定されている。なお、第1ゲームと第2ゲームとで異なる例外テーブルが予め用意されてもよい。また、第1ゲームと第2ゲームとで共通の例外テーブルが用意されてもよい。
【0182】
次に、プロセッサ21は、上限値に達しているアイテムの出現し易さを0に設定する(ステップS82)。具体的には、プロセッサ21は、現在仮想空間に存在しているアイテムについてアイテム毎の数を算出し、各アイテムが予めそのアイテムに設定された上限値に達しているか否かを判定する。そして、プロセッサ21は、例外テーブルに含まれるアイテムのうち、上限値に達しているアイテムの出現し易さを0に設定し、メモリに記憶する。
【0183】
次に、プロセッサ21は、メモリに記憶された例外テーブルを参照して、出現し易さが0でないアイテムが存在するか否かを判定する(ステップS83)。
【0184】
出現し易さが0でないアイテムが存在すると判定した場合(ステップS83:YES)、プロセッサ21は、例外テーブルに基づいて乱数を用いたアイテム抽選を行うことにより、予め定められた複数のアイテムの中から何れかのアイテムを決定する(ステップS84)。
【0185】
ステップS84の処理を実行した場合、又は、ステップS83でNOと判定した場合、プロセッサ21は、
図22に示す処理を終了して、処理を
図19に戻す。
【0186】
図19に戻り、プロセッサ21は、ステップS27の処理でアイテムを決定したか否かを判定する(ステップS28)。
【0187】
ステップS27でアイテムを決定した場合(ステップS28:YES)、プロセッサ21は、次にステップS30の処理を実行する。
【0188】
一方、ステップS27でアイテムを決定しなかった場合(ステップS28:NO)、プロセッサ21は、特定のアイテムを決定する(ステップS29)。
【0189】
ステップS22でYESと判定した場合、ステップS24でYESと判定した場合、ステップS26でYESと判定した場合、ステップS28でYESと判定した場合、又は、ステップS29の処理を実行した場合、プロセッサ21は、ステップS30の処理を実行する。
【0190】
ステップS30において、プロセッサ21は、上記各ステップ(S21、S23、S25、S27、又は、S29)で決定したアイテムをゲームオブジェクトに付与する。具体的には、プロセッサ21は、ステップS30において、
図4に示されるように、画面の左上領域において複数のアイテムの変動表示を開始させる。ステップS30で変動表示が開始された後、所定時間経過後に、上記各ステップで決定したアイテムが停止される。これにより、アイテムボックス75に当たったゲームオブジェクトに、アイテムが付与される。ステップS30の後、プロセッサ21は、
図19の第1ゲームにおけるアイテム付与処理を終了する。
【0191】
(第2ゲーム処理)
次に、
図23~
図25を参照して、第2ゲームに関する処理について説明する。
図23は、プロセッサ21において実行される第2ゲームに関する第2ゲーム処理の一例を示すフローチャートである。
図23においては、
図18と異なる処理について主に説明し、
図18と同様の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0192】
図23に示されるように、ステップS1の設定処理の後、プロセッサ21は、第2ゲームを開始する(ステップS11)。
【0193】
第2ゲームが開始された後、プロセッサ21は、操作データに基づいて、ゲームオブジェクト制御処理を実行する(ステップS12)。第2ゲームにおいては、各ゲームオブジェクトは、所定の体力値(ライフ値)を有している。ステップS12のゲームオブジェクト制御処理では、各ゲームオブジェクトが、アイテムを用いて対戦相手を攻撃し、対戦相手の体力値を減少させるように制御される。具体的には、プロセッサ21は、ステップS4のゲームオブジェクト制御処理と同様に、各ゲームオブジェクトの移動制御を行う。また、各ゲームオブジェクトがアイテムを装備している場合、プロセッサ21は、プレイヤの操作に基づいて、又は、所定のアルゴリズムに従って、各ゲームオブジェクトにアイテムを使用させる。また、プロセッサ21は、使用されたアイテムと他のゲームオブジェクトとが衝突したか否かを判定し、衝突したと判定した場合、アイテムが当たったゲームオブジェクトの体力値及びポイントを減少させるとともに、当該アイテムを発射したゲームオブジェクトにポイントを加える。
【0194】
次に、プロセッサ21は、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったか否かを判定し、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合(ステップS5:YES)、第2ゲームにおけるアイテム付与処理を実行する(ステップS13)。第2ゲームにおけるアイテム付与処理は、アイテムボックス75に当たったゲームオブジェクトにアイテムを付与するための処理である。第2ゲームにおけるアイテム付与処理の詳細については後述する。
【0195】
ステップS13の処理を実行した場合、又は、ステップS5でNOと判定した場合、プロセッサ21は、ステップS7の描画処理を行い、その後、ゲームを終了するか否かを判定する(ステップS14)。例えば、第2ゲームの開始から所定時間が経過した場合、プロセッサ21は、ステップS14でYESと判定する。また、プレイヤによってゲームの終了が指示された場合、プロセッサ21は、ステップS14でYESと判定する。プロセッサ21は、ステップS14でYESと判定した場合、第2ゲームの結果を表示した後、
図23に示す処理を終了する。
【0196】
(第2ゲームにおけるアイテム付与処理)
次に、
図23の第2ゲームにおけるアイテム付与処理の詳細について説明する。
図24は、
図23の第2ゲームにおけるアイテム付与処理の詳細を示すフローチャートである。
【0197】
図24に示すように、カスタマイズモードでゲームが実行されていない場合(ステップS20:NO)、プロセッサ21は、予め記憶された第2ゲーム用の状況テーブルに基づいて、ゲームオブジェクトに付与するアイテムを決定する(ステップS31)。第2ゲーム用の状況テーブルでは、ゲーム状況(具体的には、ポイント数の順位)に対応して、各アイテムの出現し易さが設定されている。プロセッサ21は、アイテムボックス75に当たったときのゲームオブジェクトのポイント数の順位に対応する状況テーブルに基づいて、アイテム抽選を実行することにより、複数のアイテムの中から何れかのアイテムを決定する。なお、ステップS31においても、上限値に達しているアイテムを除いて抽選が行われる。
【0198】
一方、カスタマイズモードでゲームが実行されている場合(ステップS20:YES)、プロセッサ21は、加算テーブルに基づくアイテム決定処理を行う(ステップS32)。以下、ステップS32の加算テーブルに基づくアイテム決定処理の詳細について、
図25を参照して説明する。
【0199】
(加算テーブルに基づくアイテム決定処理)
図25は、ステップS32の加算テーブルに基づくアイテム決定処理の一例を示すフローチャートである。
【0200】
図25に示すように、プロセッサ21は、第2ゲームのゲーム状況に応じた状況テーブルに基づいて各アイテムの出現し易さを設定する(ステップS50)。具体的には、プロセッサ21は、アイテムボックス75に当たったゲームオブジェクトの現在のポイント数の順位に対応する状況テーブル(
図24のステップ31で用いられる状況テーブルと同じテーブル)を選択する。そして、プロセッサ21は、選択した状況テーブルをコピーする。
【0201】
次に、プロセッサ21は、コピーしたテーブルにおいて、上限値に達しているアイテムの出現し易さを0に設定する(ステップS42)。次に、プロセッサ21は、コピーしたテーブルにおいて、出現不可能アイテムの出現し易さを0に設定する(ステップS43)。
【0202】
次に、プロセッサ21は、出現し易さが0でないアイテムが存在するか否かを判定し(ステップS44)、出現し易さが0でないアイテムが存在すると判定した場合(ステップS44:YES)、0でない最小の出現し易さを算出する(ステップS51)。
【0203】
ステップS51の後、プロセッサ21は、上限値に達しているアイテムを除く各出現可能アイテムの出現し易さに、ステップS51で算出した最小の出現し易さを加算する(ステップS52)。すなわち、プロセッサ21は、ステップS50でコピーしたテーブルに含まれる複数のアイテムのうち、ステップS42及びステップS43で出現し易さに「0」を設定したアイテムを除くアイテムについて、最小の出現し易さを加算する。そして、プロセッサ21は、ステップS50、ステップS42、ステップS43、及び、ステップS52の結果を、加算テーブルとしてメモリに記憶する。
【0204】
次に、プロセッサ21は、記憶した加算テーブルに基づいて、乱数を用いたアイテム抽選を行うことにより、アイテムを決定する(ステップS53)。
【0205】
ステップS53の処理を実行した場合、又は、ステップS44でNOと判定した場合、プロセッサ21は、
図25に示す処理を終了して、処理を
図24に戻す。
【0206】
図24に戻り、プロセッサ21は、ステップS32でアイテムを決定したか否かを判定し(ステップS24)、ステップS32でアイテムを決定した場合、次にステップS30の処理を実行する。
【0207】
一方、ステップS32の処理でアイテムを決定しなかった場合(ステップS24:NO)、プロセッサ21は、次に、等確率テーブルに基づくアイテム決定処理を実行する(ステップS25)。以降の処理は、
図19と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0208】
以上のように、本実施形態では、プレイヤによって操作される少なくとも1つのプレイヤオブジェクト61を含む複数のゲームオブジェクト(61~63)が対戦するゲームが行われる。ゲームの開始前に、ゲームにおいて効果を奏する複数のアイテムを含むアイテム群の中から、ゲーム中に出現可能な1又は複数の出現可能アイテムが、ランダム又はプレイヤの選択に基づいて設定される(ステップS1)。仮想空間にはアイテムボックス75が配置されており、ゲーム中にゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たった場合に、予め記憶されたゲーム状況に応じた状況テーブルに基づいて、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムが決定される(ステップS45又はステップS53)。状況テーブルに基づいて出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを決定できない場合(ステップS24:NO)、状況テーブルとは異なる等確率テーブルに基づいて、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムが決定される(ステップS25)。
【0209】
これにより、ゲーム状況に応じて適切なアイテムを付与することができるとともに、付与され得るアイテムをユーザの操作により設定することができ、従来にはない興趣性を提供することができる。また、ゲームのバランスを維持しつつ自由度を向上させることができる。例えば、ゲーム状況に応じて各アイテムの付与のされ易さを変化させることが考えられるが、アイテム数が多い場合にはプレイヤによって設定可能なパターンが多くなり、そのような全てのパターンについてゲーム状況に応じたテーブルを予め用意することは困難である。本実施形態では、カスタマイズモードにおいて、アイテム固定モードと共通で用いられる対応テーブルを、カスタマイズデータに基づいて修正することで、設定され得る出現可能アイテムの全てのパターンについてテーブルを用意しなくても、ゲーム状況に応じて各アイテムを適切な確率で付与することができる。
【0210】
また、本実施形態では、カスタマイズモードでゲームが実行される場合でも、通常用いられる(アイテム固定モードで用いられる)予め記憶された状況テーブルと同じテーブルを用いてアイテムが付与される。このため、カスタマイズモード専用のテーブルを用意しなくても、ゲーム状況に応じて出現可能アイテムの中から何れかを付与アイテムとして決定することができる。
【0211】
また、本実施形態では、予め記憶された状況テーブルに基づいて出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与できない場合には、状況テーブルとは異なる等確率テーブルを用いて出現可能アイテムの中から何れかのアイテムが付与される。プレイヤによってどのようなアイテムが出現可能アイテムとして設定されるか予測できず、全てのパターンについて予め出現し易さを設定することは困難であるところ、本実施形態では、まずは予め設定された状況テーブルに基づいて出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与することを試み、状況テーブルに基づいて付与することができない場合は、等確率テーブルを用いて出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与する。予め記憶された状況テーブルを用いて出現可能アイテムの中からアイテムを付与する場合は、出現可能アイテムの設定によっては付与可能なアイテムが無いといった状況が生じ得る。そのような場合でも、等確率テーブルを用いて抽選が行われるため、出現可能アイテムの中からアイテムを付与できないといった状況を回避することができる。また、状況テーブルを用いた抽選を優先しつつ、等確率テーブルを用いた抽選を行うため、どのように出現可能アイテムが設定されても、全体としては適切な確率で各アイテムを付与することができる。
【0212】
また、第2ゲームにおいては、予め記憶された状況テーブルにおいて、第1のアイテムに対しては、出現し易さとして「0」より大きな値(付与され得ることを示す値)が設定され、第2のアイテムに対しては、出現し易さとして「0」(付与され得ないことを示す値)が設定されている。カスタマイズモードで第2ゲームが実行される場合は、第2のアイテムの出現し易さに、「0」より大きな値が設定される。これにより、通常は(アイテム固定モードでは)付与され得ない第2のアイテムであっても、カスタマイズモードでは付与され得るようにすることができる。また、第2のアイテムに対して出現し易さが加算されるとともに、第1のアイテムに対しても出現し易さが加算される。これにより、通常は出現し得ない第2のアイテムが、カスタマイズモードでは相対的に出現し過ぎてしまうことを防止することができ、ゲームのバランスを維持することができる。さらに、複数の出現可能アイテムのうち最小の出現し易さが、各出現アイテムの出現し易さに加算されるため、第2のアイテムがカスタマイズモードで出現しすぎないようにすることができる。
【0213】
また、本実施形態では、ゲームがチーム戦で行われる場合、チーム毎に出現可能アイテムを設定することができる。これによってチーム毎に異なるアイテムを付与することができ、出現可能アイテムの設定をチームの戦略に用いることができる。これにより、チーム戦における興趣性を向上させることができる。
【0214】
また、本実施形態では、各アイテムにはゲーム中に存在可能な上限数が予め設定されており、出現可能アイテムの中から上限数未満のアイテムが付与される。これにより、特定のアイテムが出現しすぎることを防止することができる。また、あるアイテムが上限数に達している場合でも、他のアイテムを付与することができる。
【0215】
また、本実施形態では、等確率テーブルを用いて出現可能アイテムの中から何れかを付与することができない場合でも、例外テーブルを用いて予め定められた1又は複数のアイテムの中から何れかを付与することができる。これにより、どのように出現可能アイテムが設定される場合でも確実にアイテムを付与することができる。
【0216】
(変形例)
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は単なる一例であり、例えば以下のような変形が加えられてもよい。
【0217】
例えば、上記フローチャートで示した処理は単なる例示に過ぎず、処理の順番や内容等は適宜変更されてもよい。例えば、上記フローチャートでは、状況テーブルに基づいて各出現可能アイテムの出現し易さが設定された修正テーブル(又は加算テーブル)を生成し、当該生成した修正テーブル(又は加算テーブル)に基づいて出現可能アイテムの中からアイテムを決定し(ステップS23又はステップS32)、当該処理でアイテムを決定できなかった場合に(ステップS24:NO)、等確率テーブルを用いたアイテム決定処理を行った。必ずしもこのような順番で処理が行われなくてもよい。例えば、修正テーブル(又は加算テーブル)を生成する前に、状況テーブルに基づいて出現可能アイテムの中から何れかを決定可能か否かを判定し、決定可能であると判定した場合に、修正テーブル(又は加算テーブル)を生成し、当該修正テーブル(又は加算テーブル)を用いてアイテム抽選を行ってもよい。決定可能でないと判定した場合には、修正テーブル(又は加算テーブル)を生成せずに、等確率テーブルを用いたアイテム決定処理を行ってもよい。
【0218】
また、上記実施形態では、第1ゲーム及び第2ゲームには、アイテム固定モードとカスタマイズモードとがあるとしたが、他の実施形態では、カスタマイズモードしかなくてもよい。この場合において、ゲーム状況に応じた状況テーブルが予め記憶されており、当該状況テーブルを用いて、カスタマイズデータに基づいて上述した処理が行われ、処理の結果に応じたテーブルに基づいてアイテム抽選が行われてもよい。
【0219】
また、上記実施形態では、予め記憶された状況テーブルについて、出現不可能アイテムの出現し易さを「0」に設定した修正テーブルを用いて、アイテム抽選を行ったが、他の方法により、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムを付与アイテムとして選択してもよい。例えば、予め記憶された状況テーブルについて、出現不可能アイテムの出現し易さを「0」に設定するのではなく、出現不可能アイテムをマスクしたり、出現可能アイテムのみを抽出したりして、出現可能アイテムの中から何れかを抽選により選択してもよい。
【0220】
また、予め記憶された複数の状況テーブルに基づいて、アイテム抽選が行われてもよい。例えば、ゲーム状況を表す第1のパラメータに着目した第1の状況テーブルと、第2のパラメータに着目した第2の状況テーブルとが予め記憶され、ゲームオブジェクトがアイテムボックスに当たったときのゲーム状況として、これらパラメータに応じた複数の状況テーブルが選択され、選択された状況テーブルに基づいて、各アイテムの出現し易さが算出されてもよい。例えば、第1の状況テーブルに基づく出現し易さと、第2の状況テーブルに基づく出現し易さとが乗算(及び/又は加算)されることで、各アイテムの出現し易さが算出されてもよい。そして、算出された各アイテムの出現し易さを、各アイテムの出現し易さの合計で割った値が、各アイテムの出現確率とされてもよい。
【0221】
また、上記実施形態では、ゲームオブジェクトが仮想空間に配置されたアイテムボックス75に当たった場合に、アイテム抽選が行われたが、ゲームオブジェクトが所定条件を満たしたときにアイテム抽選が行われてもよい。所定条件はどのような条件であってもよい。例えば、所定条件は、ゲームオブジェクトが仮想空間の特定の領域や位置を通過したこと、ゲームオブジェクトが対戦相手のゲームオブジェクトと衝突したこと、ゲームオブジェクトがアイテム獲得のための権利を行使したこと、ゲームオブジェクトに関するパラメータが所定値となったこと等であってもよい。
【0222】
また、上記実施形態では、ゲームオブジェクトに付与されたアイテムを所有させ、プレイヤの指示に応じて(又は所定のアルゴリズムに従った所定のタイミングで)、当該付与されたアイテムを使用させた。他の実施形態では、アイテムが付与された瞬間に、アイテムが使用され、当該アイテムの効果を生じさせてもよい。すなわち、ゲームオブジェクトにアイテムを「付与」することは、ゲームオブジェクトにアイテムを所有させることに限らず、ゲームオブジェクトにアイテムを即座に使用させることを含む。
【0223】
また、上記実施形態では、予め記憶されたゲーム状況に対応する状況テーブル(第1データ)に基づいて出現可能アイテムの中から何れかを付与し、第1データに基づいてアイテムを付与できない場合は、等確率テーブル(第2データ)に基づいて出現可能アイテムの中から何れかを付与した。第1データ及び第2データは、テーブル形式で記憶されたデータに限らない。また、第2データは、各アイテムの出現し易さが等しくなるように設定されたものに限らない。例えば、第2データは、ゲーム状況に関わらず、各アイテムの出現し易さが異なるように設定されたものであってもよい。また、第2データは、第1データとは異なるデータであればどのようなものでもよい。例えば、第2データは、第1データで付与可能なアイテム数よりも多いアイテムを付与可能なデータであってもよい。
【0224】
また、上記実施形態では、各アイテムは、対戦相手であるゲームオブジェクトへの攻撃効果、対戦相手のゲームオブジェクトからの攻撃を無効にする又は低減する効果、ゲームオブジェクトを加速させる効果等を有するものとした。他の実施形態では、ゲーム中に別の効果を有するアイテムが用意されてもよい。例えば、アイテムを使用したゲームオブジェクト以外の全てのゲームオブジェクトを一時的に停止又は減速させるアイテムが用意されてもよい。また、ゲーム中に効果を奏するアイテムに限らず、例えば、ゲーム終了時に効果を奏するアイテムが用意されてもよい。例えば、ゲーム中に取得したポイントをゲーム終了時に算出し、当該ポイント数に基づいて勝敗が決定されるゲームにおいて、ゲームオブジェクトがゲーム中に特定のアイテムを取得した場合、ゲーム終了時に、特定のアイテムに基づいてポイントが加算されてもよい。
【0225】
また、上記実施形態では、ゲームの開始前にアイテム設定画面で出現可能アイテム又は出現不可能アイテムを設定するものとしたが、他の実施形態では、ゲームの実行中に、アイテム設定画面を起動して出現可能アイテム又は出現不可能アイテムを設定可能としてもよい。例えば、実行中のゲームを中断して、アイテム設定画面を起動し、出現可能アイテムを設定可能であってもよい。
【0226】
また、上記実施形態では、第2ゲームにおいて、全出現可能アイテムの出現し易さを加算した。他の実施形態では、出現可能アイテムのうち、出現し易さが「0」のアイテムが1つでもあるときのみ、全出現可能アイテムに最小の出現し易さを加算してもよい。すなわち、全ての出現可能なアイテムの出現し易さが「0」より大きい場合は、出現し易さの加算は行われず、複数の出現可能アイテムのうち出現し易さが「0」のアイテムが1つでもある場合のみ、全出現可能アイテムに対して出現し易さの加算が行われてもよい。
【0227】
また、第2ゲームでは、状況テーブルにおいて出現し易さが「0」に設定されたアイテム(付与され得ないアイテム)が出現可能アイテムとして設定された場合のみ、出現可能アイテムに出現し易さを加算する処理が行われてもよい。
【0228】
また、第2ゲームにおいて、例えば、Aモード用の状況テーブルでは第1のアイテム(70G~70L)は出現せず、Bモード用の状況テーブルでは第2のアイテム(70A~70F)は出現せず、カスタマイズモードにおいては、Aモード用の状況テーブルに上記加算処理を行うことにより、第1のアイテムを出現可能とした。他の実施形態では、Aモードで出現せず、かつ、Bモードでも出現しない第3のアイテムがあり、アイテム設定画面において当該第3のアイテムを出現可能アイテムとして設定し、第3のアイテムを出現させてもよい。
【0229】
また、各アイテムに、付与のされ易さを示すパラメータが設定されてもよい。当該パラメータは、上記実施形態のようにアイテムの出現し易さ(出現確率の高さ)を表すものであってもよいし、アイテムの出現し難さ(出現確率の低さ)を表すものであってもよいし、アイテムの出現確率そのものであってもよい。
【0230】
また、上記実施形態では、ゲームオブジェクトが所定条件を満たしたときに(例えば、ゲームオブジェクトがアイテムボックス75に当たったときに)、上限数に達しているアイテムを除いて、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムが付与アイテムとして決定された。他の実施形態では、各アイテムに上限数は設定されず、出現可能アイテムの中から何れかのアイテムが付与アイテムとして決定されてもよい。また、アイテムの上限数に限らず、出現可能アイテムのうち他の条件を満たすアイテムのみ、付与アイテムとして決定されてもよい。
【0231】
また、上記実施形態では、ゲームオブジェクトがコース上を移動するレースゲームや複数のゲームオブジェクトが格闘するゲームが行われることを前提とした。上述した出現可能アイテムの設定やアイテムの付与方法は、他のゲームにおいて適用されてもよい。例えば、シューティングゲーム、アクションゲーム、パズルゲーム等のゲームにおいて、上述した出現可能アイテムの設定が行われ、ゲーム中にゲームオブジェクトが所定条件を満たした場合に、設定された出現可能アイテムの中から何れかのアイテムが付与されてもよい。
【0232】
また、上述した処理は、ゲームシステム1に限らず、他の任意の情報処理装置、情報処理システムにおいて実行されてもよい。情報処理システムは、複数の装置によって構成されてもよく、複数の装置はネットワーク(例えば、LANやインターネット等)を介して接続されてもよい。
【0233】
また上記実施形態及びその変形例に係る構成は、互いに矛盾しない限り、任意に組み合わせることが可能である。また、上記は本発明の例示に過ぎず、上記以外にも種々の改良や変形が加えられてもよい。
【符号の説明】
【0234】
1 ゲームシステム
21 プロセッサ
61 プレイヤオブジェクト
62、63 ゲームオブジェクト
70 アイテム
75 アイテムボックス