(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006901
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】蓋付き運搬用容器及び蓋
(51)【国際特許分類】
B65D 43/16 20060101AFI20240110BHJP
B65D 6/18 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B65D43/16
B65D6/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203805
(22)【出願日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】P 2022106719
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】名和 昌秀
【テーマコード(参考)】
3E061
3E084
【Fターム(参考)】
3E061AA05
3E061AB09
3E061CA06
3E061CA25
3E061DA01
3E061DB17
3E084AA05
3E084AA13
3E084AA24
3E084BA03
3E084CB03
3E084CB10
3E084CC03
3E084DA02
3E084DB11
3E084DB20
3E084DC03
3E084FA06
3E084GA06
3E084GB06
3E084KA20
(57)【要約】
【課題】容器内への水の浸入を抑制しやすい蓋付き運搬用容器を提案する。
【解決手段】蓋付き運搬用容器1は、上方に開口した開口部20を有する箱状の容器本体2と、開口部20を開閉するための蓋3と、を備える。蓋3は、本体板部4と、連結部5と、を備える。連結部5は、本体板部4の周縁部40のうちの一部をなす第一方向に延びる第一端縁部43に沿って容器本体2に回転可能に連結される。本体板部4は、第一方向に沿って上方に凸となるように湾曲している。本体板部4の周縁部40のうち第一端縁部43とは反対側に位置する第二端縁部44の中央部の高さは、本体板部4の周縁部40のうち第一方向における両端部に位置する端縁部45,46よりも高い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口した開口部を有する箱状の容器本体と、
前記開口部を開閉するための蓋と、を備え、
前記蓋は、
本体板部と、
前記本体板部の周縁部のうちの一部をなす第一方向に延びる第一端縁部に沿って前記容器本体に回転可能に連結される連結部と、を有し、
前記本体板部は、前記第一方向に沿って上方に凸となるように湾曲し、
前記本体板部の前記周縁部のうち前記第一端縁部とは反対側に位置する第二端縁部の中央部の高さは、前記本体板部の前記周縁部のうち前記第一方向における両端部に位置する端縁部よりも高い、
蓋付き運搬用容器。
【請求項2】
前記蓋として、前記第一方向と直交する第二方向に並ぶ第一蓋と第二蓋を有し、
閉じられた前記第一蓋の前記第二端縁部に、閉じられた前記第二蓋の前記第二端縁部が沿うように構成されている、
請求項1に記載の蓋付き運搬用容器。
【請求項3】
上方に開口した開口部を有する箱状の容器本体と、
前記開口部を開閉するための蓋と、を備え、
前記蓋は、
本体板部と、
前記本体板部の周縁部のうちの一つの端縁部に沿って前記容器本体に回転自在に連結される連結部と、を有し、
前記本体板部の中央部が上方に凸となるように湾曲し、
前記本体板部の中央部の高さは、前記本体板部の前記周縁部よりも高い、
蓋付き運搬用容器。
【請求項4】
上方に開口した開口部を有する箱状の容器本体と、
前記開口部を開閉するための蓋と、を備えた蓋付き運搬用容器の前記蓋であって、
本体板部と、
前記本体板部の周縁部のうちの一部をなす第一方向に延びる第一端縁部に沿って前記容器本体に回転可能に連結される連結部と、を有し、
前記本体板部は、前記第一方向に沿って上方に凸となるように湾曲し、
前記本体板部の前記周縁部のうち前記第一端縁部とは反対側に位置する第二端縁部の中央部の高さは、前記本体板部の前記周縁部のうち前記第一方向における両端部に位置する端縁部よりも高く、
前記蓋付き運搬用容器は、
前記蓋として、前記第一方向と直交する第二方向に並ぶ第一蓋と第二蓋を有し、
閉じられた前記第一蓋の前記第二端縁部に、閉じられた前記第二蓋の前記第二端縁部が沿うように構成されている、
蓋。
【請求項5】
前記第二端縁部の中央部の高さは、前記第一端縁部よりも高く、
前記第一端縁部の高さは、前記本体板部の前記周縁部のうち前記第一方向における前記両端部に位置する端縁部よりも高い、
請求項4に記載の蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓋付き運搬用容器及び蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、上面開放の箱形状をなしたコンテナ本体と、コンテナ本体の上面に一対の回動蓋を回動可能に組み付けたコンテナが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のコンテナでは、一対の回動蓋のそれぞれの上面に凹部が設けられている。このコンテナでは、雨が降った際などに、一対の回動蓋の凹部に水が溜まり、凹部から水が溢れると、一対の回動蓋間の隙間や、各回動蓋のコンテナ本体への連結部分を通じて、コンテナ本体内まで水が入り込むおそれがある。
【0005】
上記事情に鑑みて、本開示は、容器内への水の浸入を抑制しやすい蓋付き運搬用容器及び蓋を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る蓋付き運搬用容器は、上方に開口した開口部を有する箱状の容器本体と、前記開口部を開閉するための蓋と、を備える。前記蓋は、本体板部と、連結部と、を備える。前記連結部は、前記本体板部の周縁部のうちの一部をなす第一方向に延びる第一端縁部に沿って前記容器本体に回転可能に連結される。前記本体板部は、前記第一方向に沿って上方に凸となるように湾曲している。前記本体板部の前記周縁部のうち前記第一端縁部とは反対側に位置する第二端縁部の中央部の高さは、前記本体板部の前記周縁部のうち第一方向における両端部に位置する端縁部よりも高い。
【0007】
また、本開示の一態様に係る蓋付き運搬用容器は、上方に開口した開口部を有する箱状の容器本体と、前記開口部を開閉するための蓋と、を備える。前記蓋は、本体板部と、前記本体板部の周縁部のうちの一つの端縁部に沿って前記容器本体に回転自在に連結される連結部と、を有する。前記本体板部の中央部が上方に凸となるように湾曲している。前記本体板部の中央部の高さは、前記本体板部の前記周縁部よりも高い。
【0008】
また、本開示の一態様に係る蓋は、上方に開口した開口部を有する箱状の容器本体と、前記蓋と、を備える蓋付き運搬用容器の前記容器本体の前記開口部を開閉する。前記蓋は、本体板部と、連結部と、を備える。前記連結部は、前記本体板部の周縁部のうちの一部をなす第一方向に延びる第一端縁部に沿って前記容器本体に回転可能に連結される。前記本体板部は、前記第一方向に沿って上方に凸となるように湾曲している。前記本体板部の前記周縁部のうち前記第一端縁部とは反対側に位置する第二端縁部の中央部の高さは、前記本体板部の前記周縁部のうち前記第一方向における両端部に位置する端縁部よりも高い。前記蓋付き運搬用容器は、前記蓋として、前記第一方向と直交する第二方向に並ぶ第一蓋と第二蓋を有する。閉じられた前記第一蓋の前記第二端縁部に、閉じられた前記第二蓋の前記第二端縁部が沿うように構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る一態様の蓋付き運搬用容器及び蓋では、容器内への水の浸入を抑制しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示に係る第一実施形態の蓋付き運搬用容器を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の蓋付き運搬用容器の折り畳み状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の蓋付き運搬用容器の第一蓋を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図4のD-D線における第一蓋を示す断面図である。
【
図9】
図9は、
図4のA-A線における第一蓋の断面図である。
【
図13】
図13Aは、本開示に係る第二実施形態の蓋付き運搬用容器の第一蓋の側面断面図である。
図13Bは、同上の第一蓋の正面断面図である。
【
図14】
図14Aは、本開示に係る第三実施形態の蓋付き運搬用容器の第一蓋の側面断面図である。
図14Bは、同上の第一蓋の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.概要
図1に示すように、本開示に係る蓋付き運搬用容器1(以下単に「容器1」という)は、上方に開口した開口部20を有する箱状の容器本体2と、開口部20を開閉するための蓋3と、を備える。蓋3は、本体板部4と、本体板部4の周縁部40うちの一部をなす第一方向に延びる第一端縁部43に沿って容器本体2に回転可能に連結される連結部5と、を有する。本体板部4は、第一方向に沿って上方に凸となるように湾曲している。本体板部4の周縁部40のうち第一端縁部43とは反対側に位置する第二端縁部44の中央部の高さは、本体板部4の周縁部40のうち第一方向における両端部に位置する端縁部45,46よりも高い。
【0012】
本開示に係る容器1にあっては、第二端縁部44の中央部の高さを、端縁部45,46よりも高くすることで、第二端縁部44の中央部から端縁部45,46へと雨水や洗浄水等の水が流れて、本体板部4の上面の中央部に水が溜まりにくい。このため、容器1内への水の浸入することを抑制することができる。また、本開示に係る容器1にあっては、本体板部4が上方に凸となるように湾曲していることで、本体板部4の上面全体に受けた雨水や洗浄水等の水を流すことができる。
【0013】
2.第一実施形態
2-1.詳細
続いて、
図1-
図12に示す本実施形態の容器1について図面を参照しながら、更に詳しく説明する。
【0014】
図1に示すように、容器1は、容器本体2と、蓋3と、を備える。本実施形態の容器1では、蓋3は、全体形状が平面視矩形状である。以下では、蓋3の長辺に沿う第一方向の一方を左方とすると共に他方を右方とし、蓋3の短辺に沿う第二方向の一方を前方とすると共に他方を後方とし、蓋3に対して鉛直方向の一方を下方とすると共に他方を上方として、容器1の各構成について説明する。
【0015】
2-2.容器本体
容器本体2は、上方に開口する開口部20を有する。容器本体2は、略直方体の箱状で
ある。容器本体2は、左右方向に対して平行な長手方向と、前後方向に対して平行な短手方向とを有する。本実施形態では、容器本体2は、
図2に示すように、折り畳み可能である。
【0016】
図1及び
図2に示すように、容器本体2は、底壁21と、底壁21の上方に位置する矩形枠状の口枠22と、底壁21と口枠22の間に係合可能に取り付けられる4枚の側壁23とを備える。底壁21、口枠22、及び4枚の側壁23のそれぞれは、合成樹脂製である。
【0017】
4枚の側壁23は、底壁21の2つの短辺に沿った端部(つまり左右の端部)に立設された一対の第一側壁24と、底壁21の2つの長辺に沿った端部(つまり前後の端部)に立設された一対の第二側壁25とで構成される。
【0018】
一対の第一側壁24のそれぞれは、1枚の板材で構成されている。一対の第一側壁24のそれぞれは、底壁21の左右の端部に対して着脱可能であり、かつ、口枠22に対して連結して回転可能である。一対の第一側壁24のそれぞれの一端部(下端部)には、底壁21との嵌合に用いられる嵌合構造(詳しくは凹部)が設けられている。
【0019】
一対の第二側壁25のそれぞれは、回転可能に互いに連結された2枚の板材で構成されている。一対の第二側壁25のそれぞれは、2枚の板材が1枚の板状に並ぶ組立て状態と、2枚の板材が厚み方向に積み重なる折り畳み状態とに切替え可能である。一対の第二側壁25のそれぞれは、底壁21の前後の端部に対して着脱可能であり、かつ、口枠22に対して連結して回転可能である。一対の第二側壁25のそれぞれは、組み立て状態で、底壁21の前後の端部に立設される。一対の第二側壁25のそれぞれの下端部には、底壁21との嵌合に用いられる嵌合構造(詳しくは凹部)が設けられている。
【0020】
底壁21は、主体を構成する矩形板状の底壁本体210と、底壁本体210の外周縁から上方に突出した矩形枠状の下枠211と、底壁本体210の上面の外周部(下枠211の内側の部分)に設けられた嵌合構造と、を一体に有する。底壁本体210の下面には、底壁21を補強するためのリブ(図示略)が設けられている。嵌合構造は、底壁本体210の上面の前後の端部と左右の端部にそれぞれ設けられている。
【0021】
口枠22は、
図1に示すように、一対の第一側壁24の上端部に着脱可能に連結される一対の短側フレーム220と、一対の第二側壁25の上端部に着脱可能に連結される一対の長側フレーム221とを、一体に有する。
【0022】
図1及び
図2に示すように、一対の長側フレーム221のそれぞれの上面には、連結部222が設けられている。連結部222は、後述する蓋3a,3bの連結部5に連結される。一対の短側フレーム220のそれぞれの上面には、突起223が設けられている。本実施形態では、一対の短側フレーム220のそれぞれの上端部には、2つの突起223が設けられている。
【0023】
図1に示すように、容器本体2は、底壁21の底壁本体210の上面の外周部に、4枚の側壁23(側壁24,25)を立設して、底壁21と4枚の側壁23とを嵌合させ、4枚の側壁23の上端部に口枠22を嵌め込むことで、箱状に組み立てることができる。
【0024】
また、
図2に示すように、容器本体2は、4枚の側壁23を折り畳んで、底壁21の下枠211と口枠22によって囲まれる空間に収めることで、折り畳み状態に組み立てることができる。
【0025】
折り畳み状態では、底壁21の底壁本体210の上に、折り畳み状態の一対の第二側壁
25が前後方向に並ぶように載っている。そして、一対の第二側壁25の上に、一対の第一側壁24が載っている。そして、蓋3a,3bは、口枠22の上面に載り、開口部20を閉じている。
【0026】
2-3.蓋
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、容器1は、蓋3として、第二方向に並ぶ第一蓋3aと第二蓋3bを有する。
【0027】
第一蓋3aは、開口部20の一部(本実施形態では後半部)を開閉するように、容器本体2に回転可能に連結されている。第二蓋3bは、開口部20の残りの部分(本実施形態では前半部)を開閉するように、容器本体2に回転可能に連結されている。
図2に示すように、第一蓋3aと第二蓋3bは、同一形状の蓋で構成されている。言い換えると、第一蓋3aを平面視において180度回転させたものと、第二蓋3bとが同一形状である。以下では、容器本体2の開口部20の後半部を開閉する第一蓋3aについて詳しく説明する。
【0028】
図3-
図6に示すように、第一蓋3aは、本体板部4と、連結部5と、を有する。
【0029】
本体板部4は、平面視矩形状の板である。本体板部4は、第一方向に沿って上方に凸となるように湾曲している。本体板部4は、内部を構成する部分とその周囲の周縁部40とを有する。
【0030】
図3及び
図4に示すように、周縁部40は、周方向における本体板部4の4つの端縁部を構成している。周縁部40は、第一端縁部43と、第二端縁部44と、第三端縁部45と、第四端縁部46と、を有する。
【0031】
第一端縁部43は、周縁部40のうち後縁部を構成している。第一端縁部43は、第一方向に延びている。第一端縁部43は、第一方向に延びた基端部430と、基端部430の左右両端から延びる左右2つの傾斜部431と、各傾斜部431の後端から延びる左右2つの部分432と、を有する。左の傾斜部431は、基端部430の左端から左方に向かって下方に傾斜している。右の傾斜部431は、基端部430の右端から右方に向かって下方に傾斜している。左の部分432は、左の傾斜部431の後端から後方に向かって延びている。右の部分432は、右の傾斜部431の後端から後方に向かって延びている。左右2つの部分432の上面は、容器1を水平な床に置いた状態で水平となる面である。左の傾斜部431及び左の部分432の左端には、第三端縁部45が連続し、右の傾斜部431及び右の部分432の右端には、第四端縁部46が連続している。
【0032】
第二端縁部44は、周縁部40のうち前端部を構成している。第二端縁部44は、第一端縁部43とは反対側に位置する。第二端縁部44は、第一方向に延びている。
【0033】
図1及び
図2に示すように、閉じられた第一蓋3aの第二端縁部44に、閉じられた第二蓋3bの第二端縁部44が沿うように構成されている。本実施形態では、閉じられた状態で、第一蓋3a及び第二蓋3bの第二端縁部44同士が上下に重なっている。
【0034】
図3及び
図4に示すように、第二端縁部44は、左右2つの部分441と、各部分441より下方に段差がある左右2つの部分442と、平板状の左右2つの端部443と、を有する。
【0035】
端部443、部分442、部分441、部分442、部分441、及び端部443は、この順に、左から右に並んでいる。左右2つの端部443は、左右方向の長さが同じである。左側の部分442と右側の部分441とは、左右方向の長さが同じである。右側の部分442と左側の部分441とは、左右方向の長さが同じである。右側の部分442と左側の部分441との境界は、第一方向における第二端縁部44の中央部に位置する。第二端縁部44の中央部に位置する左側の部分441の右端部は、本体板部4における最も高い部分である。本体板部4における最も高い部分は、線状をなしている。
【0036】
2つの部分441のそれぞれには、各部分441を上下方向に貫通する挿通孔444が少なくとも1つ設けられている。各挿通孔444は、後述する第二蓋3bの爪445に対して引っ掛けられる部分である。各挿通孔444は、左右方向に長い長孔である。本実施形態では、左側の部分441には、2つの挿通孔444が、左右方向に間隔をおいて設けられ、右側の部分441には、1つの挿通孔444が設けられている。
【0037】
図5及び
図6に示すように、2つの部分442のそれぞれに、少なくとも1つの爪445が設けられている。本実施形態では、左側の部分442には、1つの爪445が設けられ、右側の部分442には、2つの爪445が左右方向に間隔をおいて設けられている。各爪445は、第二蓋3bの挿通孔444に対して引っ掛かる部分である。
【0038】
各爪445は、部分442の下面から後斜め下方に向かって突出している。つまり、各爪445は、部分442に対して直角ではなく、先端側ほど後側に位置するように傾いている。各爪445は、左右方向に延びた突条部である。
【0039】
第一蓋3aと第二蓋3bの第二端縁部44同士を上下に重ねた状態において、上側に位置する蓋3(第一蓋3a)の3つの爪445が下側に位置する蓋3(第二蓋3b)の3つの挿通孔444に入り込むように、3つの爪445と3つの挿通孔444とは、配置及び形状が設定されている。
【0040】
図3及び
図4に示すように、第三端縁部45は、周縁部40のうち左縁部を構成している。第三端縁部45は、第二方向に延びている。第三端縁部45は、第二端縁部44の左の端部443の後端から後方に延びて、第一端縁部43の左の部分432の後端が位置する部分まで延びた部分である。
【0041】
第三端縁部45は、前側の部分453と、後側の部分454と、を有する。後側の部分454の上面は、平坦面である。後側の部分454の前部には、排水溝451が設けられている。前側の部分453の上面は、傾斜面である。傾斜面は、左方向に向かって下方に傾斜している。前側の部分453の後部には、嵌合孔452が設けられている。
【0042】
排水溝451は、後側の部分454の上面に設けられている。排水溝451は、第三端縁部45に流れてきた水を排水するために設けられている。排水溝451の底面は、後述する堰部41の排水溝411に連続している。排水溝451は、第三端縁部45の前後方向における中央側よりも後方に位置する。
【0043】
嵌合孔452は、口枠22の突起223(
図2参照)が嵌まり込まれる部分である。嵌合孔452は、前側の部分453を上下方向(厚み方向)に貫通している。嵌合孔452は、排水溝451の前側に隣接して位置する。
【0044】
第四端縁部46は、周縁部40のうち右縁部を構成している。第四端縁部46は、第三端縁部45の反対側に位置する。第四端縁部46は、第二方向に延びている。第四端縁部46は、第二端縁部44の右の端部443の後端から後方に延びて、第一端縁部43の右の部分432の後端が位置する部分まで延びた部分である。
【0045】
第四端縁部46は、前側の部分463と、後側の部分464と、を有する。後側の部分464の上面は、容器1を水平な床に置いた状態で水平となる面である。後側の部分464の前部には、排水溝461が設けられている。前側の部分463の上面は、容器1を水平な床に置いた状態で水平となる面である。傾斜面は、左方向に向かって下方に傾斜している。前側の部分463の後部には、嵌合孔462が設けられている。
【0046】
排水溝461は、後側の部分464の上面に設けられている。排水溝461は、第四端縁部46に流れてきた水を排水するために設けられている。排水溝461の底面は、後述する堰部41の排水溝411に連続している。排水溝461は、第四端縁部46の前後方向における中央側よりも後方に位置する。
【0047】
嵌合孔462は、口枠22の突起223(
図2参照)が嵌まり込まれる部分である。嵌合孔462は、前側の部分463を上下方向(厚み方向)に貫通している。嵌合孔462は、排水溝461の前側に隣接して位置する。
【0048】
本体板部4の周縁部40の内部は、堰部41と、凹部42と、を有する。堰部41は、本体板部4の周縁部40に囲まれた部分に設けられている。堰部41は、第一堰部41aと、第二堰部41bと、を有する。
【0049】
第一堰部41aは、第二方向に延びている。第一堰部41aは、第二方向における第三端縁部45の右側に沿って設けられている。第一堰部41aの上面は、第一堰部41aの右端から左端に向かって下方に傾斜している。第一堰部41aの上面は、第三端縁部45の上面に連続している。第一堰部41aは、排水溝411を有する。排水溝411は、第一堰部41aの前後方向における中央側よりも後方に位置する。排水溝411は、第三端縁部45の排水溝451に連続している。第一堰部41aは、第三端縁部に向かって流れてきた水を堰き止めて、水を排水溝411に誘導するために設けられている。
【0050】
第二堰部41bは、第二方向に延びている。第二堰部41bは、第二方向における第四端縁部46の左側に沿って設けられている。第二堰部41bの上面は、第二堰部41bの右端から左端に向かって下方に傾斜している。第二堰部41bの上面は、第四端縁部46の上面に連続している。第二堰部41bは、排水溝412を有する。排水溝412は、第二堰部41bの前後方向における中央側よりも後方に位置する。排水溝412は、第四端縁部46の排水溝461に連続している。第二堰部41bは、第四端縁部46に向かって流れてきた水を堰き止めて、水を排水溝412に誘導するために設けられている。
【0051】
凹部42は、堰部41と、第一端縁部43と、第二端縁部44とに囲まれた部分に設けられている。凹部42は、本体板部4の堰部41の上面から一段凹んでいる。本実施形態では、本体板部4の上面には、1つの凹部42が設けられている。凹部42の底面420は、第一蓋3aの第三端縁部45及び第四端縁部46に向かって下り傾斜する第一部分420aと、第一部分420aを挟むように位置し、第一部分420aに向かって下り傾斜する第二部分420b及び第三部分420cと、を含む。
【0052】
凹部42の底面420は、左右方向に並んだ第一領域A1と第二領域A2とを有する。第一領域A1と第二領域A2のそれぞれが、第一部分420aと第二部分420bと第三部分420cとを含む。第一領域A1の第一部分420aと、第二領域A2の第一部分420aとは、左右方向の片側と他側に向かってそれぞれ下り傾斜しており、底面420の左右方向の中央部において連続している。
【0053】
本実施形態では、第一領域A1の第一部分420aと、第二領域A2の第一部分420aとは、底面420の左右方向の中間において、連続している。そのため、第一領域A1
の第一部分420aと第二領域A2の第一部分420aは、左右方向の長さが互いに同じである。
【0054】
第一領域A1の各部分420a,420b,420cと、第二領域A2の各部分420a,420b,420cは、底面420の左右方向の中間を通る仮想直線に対して、線対称に設けられている。
【0055】
以下では、第一領域A1の各部分420a,420b,420cについて説明する。
【0056】
底面420は、平面視長方形状である。底面420の第一領域A1は、平面視長方形状である。第一領域A1は、左右方向に対して平行な長手方向と、前後方向に対して平行な短手方向とを有する。
【0057】
第二部分420bと第一部分420aと第三部分420cは、この順に、前後方向に並んでいる。本実施形態では、第一部分420aは、平面視台形状であり、第二部分420bと第三部分420cは、平面視直角三角形状である。第一部分420aと第二部分420bと第三部分420cとを組み合わせると、平面視長方形状となる。
【0058】
本実施形態では、第一部分420aと第二部分420bと第三部分420cのそれぞれは、平面である。第一部分420aと第二部分420bとの境界には、直線状の第一辺421が形成され、第一部分420aと第三部分420cとの境界には、直線状の第二辺422が形成されている。
【0059】
第一部分420aは、底面420の左右方向外側の端辺(第一領域A1では左縁)から、底面420の左右方向の中間にわたっている。そのため、平面視台形状の第一部分420aが有する互いに平行な一組の対辺423,424は、底面420の左の端辺上と、底面420の左右方向の中間上に位置している。第一辺421、対辺423、第二辺422、及び対辺424は、台形状に連続している。
【0060】
第一部分420aは、左右方向において、対辺423に近い部分ほど下方に位置するように、全体が左下がりに傾斜している。そのため、第一部分420aにおいて、対辺423が最下部であり、対辺424が最上部である。第一辺421と第二辺422のそれぞれは、対辺423に近い部分ほど下方に位置するように下り傾斜している。これにより、第一部分420a上の水は、対辺423に向かって流れる。
【0061】
第二部分420bは、底面420の左右の端部(第一領域A1では左の端部)から、底面420の左右方向の中間にわたっている。平面視直角三角形状の第二部分420bが有する直角な2つの辺425,426は、底面420の左の端辺上と、底面420の前側の端辺上に位置している。辺426は、底面420の第一領域A1の前側の端辺の全長にわたって位置する。第一辺421、辺425、及び辺426は、直角三角形状に連続している。
【0062】
第二部分420bは、前後方向において、第一辺421に近い部分ほど下方に位置するように、全体が後下がりに傾斜している。そのため、第二部分420bにおいて、辺426が最上部であり、第一辺421が最下部である。辺425は、後下がりに傾斜している。第二部分420b上の水は、第一辺421に向かって流れて、第一部分420a上に流れ込む。
【0063】
第三部分420cは、底面420の左右の端部(第一領域A1では左の端部)から、底面420の左右方向の中間にわたっている。平面視直角三角形状の第三部分420cが有
する直角な2つの辺427,428は、底面420の左の端辺上と、底面420の後側の端辺上に位置している。辺428は、底面420の第一領域A1の後側の端辺の全長にわたって位置する。第二辺422、辺427、及び辺428は、直角三角形状に連続している。
【0064】
第三部分420cは、前後方向において、第二辺422に近い部分ほど下方に位置するように、全体が前下がりに傾斜している。そのため、第三部分420cにおいて、辺428が最上部であり、第二辺422が最下部である。辺427は、前下がりに傾斜している。第三部分420c上の水は、第二辺422に向かって流れて、第一部分420a上に流れ込む。
【0065】
本実施形態では、第三部分420cは、第二部分420bよりも前後方向に短い。そのため、第三部分420cは、第二部分420bよりも傾斜角度が大きい(言い換えると勾配が急である)。
【0066】
第一部分420aの対辺423から、堰部41の排水溝411,412に向かって延びている。排水溝411,412の底面は、第一部分420aの対辺423に連続している。そのため、第一部分420a上を対辺423に向かって流れる水は、排水溝411,412の底面との境界部分において、流れが止まらず、第三端縁部45の排水溝451及び第四端縁部46の排水溝461を通って外側へ流すことができる。
【0067】
連結部5は、第一端縁部43の基端部430に沿って設けられている。連結部5は、第一端縁部43の基端部430の後端部から上方に突出する複数の突起部50を有する。
【0068】
複数の突起部50は、第一端縁部43の基端部430の左右方向に距離をあけて一列に並んでいる。複数の突起部50には、ヒンジピン51を有するものと、ピン受け52を有するものとが含まれている。
【0069】
図7及び
図8に示すように、突起部50の下端部には、下方に突出する突出部53が設けられている。突出部53は、左右に2つ設けられている。2つの突出部53の上下の長さは、例えば、0.1mm以上1.0mm以下の範囲内に収まるように適宜に設定されているが、これに限定されない。
【0070】
左側に位置する突出部53は、
図8において、右側の突出片501と、左側の突出片501と、突出片433と、を有する。右側の突出片501は、中央部に位置する突起部50の両端縁うち、左側の端縁に形成されている。左側の突出片501は、中央に位置する突起部50の左側に位置する突起部50の両端縁のうち、右側の端縁に形成されている。突出片433は、中央部に位置する突起部50と左側に位置する突起部50との間の基端部430の後端縁に形成されている。
【0071】
右側に位置する突出部53は、
図8において、左側の突出片501と、右側の突出片501と、突出片433と、を有する。左側の突出片501は、中央部に位置する突起部50の両端縁うち、右側の端縁に形成されている。右側の突出片501は、中央に位置する突起部50の右側に位置する突起部50の両端縁のうち、左側の端縁に形成されている。突出片433は、中央部に位置する突起部50と右側に位置する突起部50との間の基端部430の後端縁に形成されている。
【0072】
2つの突出部53は、
図1及び
図2に示す蓋3を閉じた状態において、口枠22の上面に突出部53の下端が当たるように構成されている。これにより、蓋3の前後方向における第一蓋3aと第二蓋3bとが先端部に向かって上方に傾斜させることができて、第一蓋3aと第二蓋3bとが屋根のような形状となり、第一蓋3aと第二蓋3bの上面で雨水や洗浄水等の水を受けたときに水が流れやすくなり、排水を行うことができる。
【0073】
図1及び
図2に示すように、連結部5は、容器本体2の連結部222に回転可能に連結される。連結部5に含まれる複数の突起部50のそれぞれの上端部は、容器本体2の連結部222の上面と同じ高さに位置するか、又は該上面よりも低く位置する。
【0074】
図9及び
図10に示すように、本実施形態では、第二端縁部44の中央部の高さは、第一端縁部43よりも高い。なお、第二端縁部44の中央部の高さは、第一端縁部43の基端部430よりも数mm程度高い。ここで、「高さ」とは、本体板部4が第一方向に沿って上方に凸となる湾曲した高さである。本体板部4の高さは、第一端縁部43の基端部430を基準とする。
【0075】
また、第二端縁部44の中央部の高さは、本体板部4の周縁部40のうち第一方向における両端部に位置する第三端縁部45及び第四端縁部46よりも高い。第二端縁部44の中央部の高さは、第三端縁部45及び第四端縁部46よりも数mm程度高い。
【0076】
また、第一端縁部43の高さは、本体板部4の周縁部40のうち第一方向における両端部に位置する第三端縁部45及び第四端縁部46よりも高い。なお、第一端縁部43の高さは、第三端縁部45及び第四端縁部46よりも数mm程度高い。
【0077】
また、第二端縁部44の中央部の高さは、堰部41a,41bよりも高く、堰部41a,41bの高さは、第三端縁部45及び第四端縁部46よりも高い。なお、第二端縁部44の中央部の高さは、堰部41a,41bよりも数mm程度高く、堰部41a,41bの高さは、第三端縁部45及び第四端縁部46よりも数mm程度高い。
【0078】
図5に示すように、本実施形態では、第一蓋3aは、第一蓋3aの下面から下方に突出した格子状のリブ6を更に有する。リブ6は、第一蓋3aの下面のうち本体板部4の周縁部40を除いた残りの部分の全体に形成されている。開口部20の一部を第一蓋3aで閉じた状態において、リブ6は、口枠22の内側に配置され、口枠22の上には載らないように配置されている。
【0079】
格子状のリブ6は、前後方向に延び、互いに平行な複数の突条のリブ60と、左右方向に延び、互いに平行な複数の突条のリブ61とで形成されている。本実施形態では、第一蓋3aのうち第二端縁部44に隣接する部分には、他の部分よりも隣接するリブ60,60間の間隔と隣接するリブ61,61間の間隔を狭くしたリブ群が形成されている。これにより、第一蓋3aは、開口部20を閉じた状態において、第二端縁部44側の部分に、上から荷重がかかっても落ち込みにくくなっている。
【0080】
図11及び
図12に示すように、リブ群におけるリブ60には、下方に突出する突状部601が設けられている。突状部601は、リブ群における左右方向の中央部に位置し、前後方向に延びている。突状部601は、リブ群における1つのリブ60に設けられている。突状部601の上下の長さは、例えば、0.5mm以上3.0mm以下の範囲内に収まるように適宜に設定されているが、これに限定されない。
【0081】
リブ群におけるリブ61には、下方に突出する突状部611が設けられている。突状部611は、リブ61の左右方向における中央部に位置し、左右方向に延びている。突状部611は、リブ群における2つのリブ61に設けられている。突状部611の上下の長さは、例えば、0.5mm以上3.0mm以下の範囲内に収まるように適宜に設定されているが、これに限定されない。
【0082】
突状部601,611は、
図2に示す折り畳み状態において、口枠22内の側壁23(第一側壁24)に突状部601,611の下端が当たるように構成されている。これにより、第一蓋3aの先端の中央部に上から外力が加わった際、突状部601,611よって第一蓋3aが支持されて、第一蓋3aに反りが生じることを抑えることできる。また、経時変化等で恒久的な第一蓋3aに反りが生じにくく、反りの影響を抑えることができる。
【0083】
以上説明した第一蓋3aを平面視において180度回転させたものと、第二蓋3bとが同一形状である。
図2には、第二蓋3bの構成のうち、第一蓋3aの構成と共通する構成に、同じ符号を付している。
【0084】
2-4.その他
以上説明した第一蓋3a及び第二蓋3bを有する容器1では、
図1及び
図2に示すように、第一蓋3aと第二蓋3bとが容器本体2の開口部20の全体を閉じる。このとき、例えば、第二蓋3bの第二端縁部44の上に第一蓋3aの第二端縁部44が載り、第一蓋3aの複数の爪445が第二蓋3bの複数の挿通孔444に一対一に挿入される。またこのとき、第一蓋3aの2つの部分441の下面は、第二蓋3bの2つの部分442の上面に接触し、第一蓋3aの2つの部分442の下面は、第二蓋3bの2つの部分441の上面に接触し、第一蓋3aの2つの端部443の下面は、第二蓋3bの2つの端部443の上面に接触する。またこのとき、第一蓋3aの第三端縁部45の下面が容器本体2の左の短側フレーム220の上面に接触し、第一蓋3aの第四端縁部46の下面が容器本体2の右の短側フレーム220の上面に接触する。またこのとき、第二蓋3bの第三端縁部45の下面が容器本体2の右の短側フレーム220の上面に接触し、第二蓋3bの第四端縁部46の下面が容器本体2の左の短側フレーム220の上面に接触する。
【0085】
また、本実施形態の容器1は、複数上下方向に重ねて段積みした際に、下側の容器1の突起223上に上側の容器1の底面(底壁21の下面)が載り、下側の容器1の蓋3a,3bと上側の容器1の底面との間に隙間が生じる。本実施形態の容器1では、段積時において、下側の容器1の突起223を、上側の容器1の底面に引っ掛けて、上側の容器1の位置ズレを抑制することができる。
【0086】
2-5.作用効果
以上説明した本実施形態の容器1では、蓋3の上面で雨水や洗浄水等の水を受けたときに、下記のように排水を行うことができる。
【0087】
すなわち、本実施形態の容器1では、第二端縁部44の中央部の高さを、第三端縁部45及び第四端縁部46よりも高くすることで、第二端縁部44の中央部から端縁部45,46へと雨水や洗浄水等の水が流れて、本体板部4の上面の中央部に水が溜まりにくい。このため、容器1内への水の浸入することを抑制することができる。
【0088】
また、本体板部4が上方に凸となるように湾曲していることで、本体板部4の上面全体に受けた雨水や洗浄水等の水を流すことができる。
【0089】
また、第一端縁部43の基端部430の高さを、第三端縁部45及び第四端縁部46よりも高くすることで、第一蓋3a及び第二蓋3bの連結部5を避けて、各蓋3a,3bの第三端縁部45及び第四端縁部46に雨水や洗浄水等の水が流れる。このため、水が容器1内に浸入することを抑制することができる。
【0090】
3.第二実施形態
3-1.詳細
以下、第2実施形態に係る容器1及び運搬用容器用の蓋3について、
図8を参照して説明する。なお、第二実施形態に係る容器1及び運搬用容器用の蓋3は、第一実施形態に係る容器1及び蓋3と大部分において同じであるため、重複する説明については省略する。
【0091】
3-2.蓋
第一実施形態においては、第二端縁部の中央部の高さは、第一端縁部43の基端部430の高さよりも高く、第一端縁部43の基端部430は、第三端縁部45及び第四端縁部46よりも高かった。これに対して、第二実施形態では、第一端縁部43の基端部430の高さは、第三端縁部45及び第四端縁部46の高さと同じであり、第二端縁部44の中央部の高さは、第一端縁部43の基端部430、第三端縁部45及び第四端縁部46よりも高い。なお、第二端縁部44の中央部の高さは、第一端縁部43の基端部430、第三端縁部45及び第四端縁部46よりも数mm程度高い。
【0092】
3-3.作用効果
第二実施形態にあっては、第一端縁部43の高さが第三端縁部45及び第四端縁部46と同じであり、第二端縁部44の中央部の高さが第一端縁部43、第三端縁部45及び第四端縁部46よりも高いことにより、第二端縁部44の中央部から第一端縁部43、第三端縁部45及び第四端縁部46へと雨水や洗浄水等の水が流れる。このため、本体板部4の上面に雨水や洗浄水等の水が溜まりにくくなり、容器1内への水の浸入が抑制される。
【0093】
4.第三実施形態
4-1.詳細
以下、第三実施形態に係る容器1及び運搬用容器用の蓋3について、
図9を参照して説明する。なお、第三実施形態に係る容器1及び運搬用容器用の蓋3は、第二実施形態に係る容器1及び蓋3と大部分において同じであるため、重複する説明については省略する。
【0094】
4-2.蓋
第二実施形態においては、第一端縁部43の基端部430の高さが第三端縁部45及び第四端縁部46の高さと同じであり、第二端縁部44の中央部の高さが第一端縁部43の基端部430、第三端縁部45及び第四端縁部46よりも高かった。これに対して、第三実施形態では、第二端縁部44の中央部の高さが、第一端縁部43の基端部430の高さと同じであり、第二端縁部44の中央部及び第一端縁部43の基端部430の高さが、第三端縁部45及び第四端縁部46よりも高い。なお、第二端縁部44の中央部及び第一端縁部43の基端部430の高さが、第三端縁部45及び第四端縁部46よりも数mm程度高い。
【0095】
4-3.作用効果
第三実施形態にあっては、第二端縁部44の中央部の高さが第一端縁部43の基端部430と同じであり、第二端縁部44の中央部及び第一端縁部43の基端部430の高さが第三端縁部45及び第四端縁部46よりも高いことにより、第二端縁部44の中央部及び第一端縁部43の基端部430から第三端縁部45及び第四端縁部46へと雨水や洗浄水等の水が流れる。このため、本体板部4の上面に雨水や洗浄水等の水が溜まりにくくなり、容器1内への水の浸入が抑制される。
【0096】
5.変形例
続いて、上述した実施形態の容器1の変形例について説明する。以下に説明する各変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0097】
容器本体2は、上面に開口部20を有する箱状のものであればよく、
図1及び
図2に示すような折り畳み可能なものに限らず、一体成型品であってもよい。
【0098】
また、蓋3a,3bは、容器本体2に対して取り付けられるものであればよく、回転可能ではなく、着脱可能等のその他の方法で取り付けられるものであってもよい。
【0099】
また、蓋3の大きさ、形状は、限定されない、例えば、蓋3a,3bは、一つの蓋3で容器本体2の開口部20を開閉するように構成され、本体板部4の中央部が上方に凸となるように湾曲してもよい。この場合、本体板部4の周縁部40の高さは同じであり、本体板部4の中央部の高さは、本体板部4の周縁部40よりも高い。
【0100】
また、実施形態では、第一端縁部43の左右2つの部分432の上面は、水平となる面であったが、これに限定されない。第一端縁部43の左右2つの部分432の上面は、傾斜面であってもよい。この場合、左右2つの傾斜面は、後方に向かって下方に傾斜し、左右2つの傾斜面の傾斜する角度は、傾斜部431の傾斜する角度よりも大きい。
【0101】
また、第二端縁部44の大きさ、形状は、限定されない。例えば、第二端縁部44の最も高くなる中央部が、容器1を水平な床に置いた状態で水平となる面であってもよい。
【0102】
また、第二端縁部44の中央部は、第二端縁部44の左右方向における厳密な中央でなくてもよく、第二端縁部44の左右方向における中央の近傍であってもよい。なお、「第二端縁部44の中央の近傍」とは、第二端縁部44の左右方向の両端間の長さを100%としたとき、厳密な中央部とした左右に0~30%の範囲内であり、より好ましくは0~10%の範囲内である。
【0103】
また、第二端縁部44の左側の部分441と右側の部分442には、前端から下方に延びる垂直壁が設けられてもよい。これにより、蓋3が閉じられた状態で、上下に重なった第一蓋3aの第二端縁部44及び第二蓋3bの第二端縁部44の間の隙間が、垂直壁によって埋まりやすくなるため、容器内への水の浸入を抑制しやすい。
【0104】
また、実施形態では、第三端縁部45の後側の部分454の上面は、水平となる面であったが、これに限定されない。第三端縁部45の後側の部分454の上面は、傾斜面であってもよい。この場合、傾斜面は、左方に向かって下方に傾斜し、傾斜面の角度は、第一堰部41aの傾斜する角度よりも大きい。
【0105】
また、実施形態では、第四端縁部46の後側の部分464の上面は、水平となる面であったが、これに限定されない。第四端縁部46の後側の部分464の上面は、傾斜面であってもよい。この場合、傾斜面は、右側に向かって下方に傾斜し、傾斜面の傾斜する角度は、第二堰部41bの傾斜する角度よりも大きい。
【0106】
また、第一堰部41aの排水溝411及び第二堰部41bの排水溝412は、凹部42に隣接する部分を傾斜面としてもよい。このとき、前後方向における排水溝411,412の幅は、凹部42に向かうにつれて広くなるように構成されてもよい。
【0107】
また、排水溝411,412,451,461表面は、シボ加工やブラスト加工により形成されてもよい。これにより、排水溝411,412,451,461の排水性が向上
する。
【0108】
また、凹部42は、本開示においては任意の構成であり、設けられなくてもよい。
【0109】
また、実施形態では、突出部53は、突起部50の左右に2つ設けられていたが、突起部50の中央部に1つ設けられてもよいし、全ての突起部50に設けられてもよい。なお、突出部53は、本開示においては任意の構成であり、設けられなくてもよい。
【0110】
また、突起部50に突出部53が設けられた場合に、突起部50に突出部53が設けられていない場合と比べて、蓋3の全体が上方に位置するため、底壁21を補強するためのリブの高さを低くする構成としてもよい。これにより、突起部50に突出部53が設けられる場合と突起部50に突出部53が設けられない場合のいずれの場合でも、蓋3を閉じた状態での蓋付き運搬用容器1の高さを一定にすることができる。また、段積み時において、下側の容器1の蓋3と、上側の容器1の底壁21との干渉を防ぐことができる。
【0111】
また、突起部50に突出部53が設けられた場合に、突起部50に突出部53が設けられていない場合と比べて、蓋3を閉じた状態で蓋3の全体が上方に位置して連結部5の高さが高くなるため、連結部5の高さに合わせて容器本体2の連結部222の高さを高くする構成としてもよい。これにより、段積み時において、下側の容器1の蓋3と、上側の容器1の底壁21との干渉を防ぐことができる。
【0112】
また、実施形態では、突状部601は、リブ群における1つのリブ60に設けられていたが、リブ群における2つのリブ61に設けられてもよいし、リブ群における全てのリブ61に設けられてもよいし、リブ群における左右方向の両端のリブ60に設けられてもよい。なお、突状部601は、本開示においては任意の構成であり、設けられなくてもよい。
【0113】
また、実施形態では、突状部611は、リブ群における2つのリブ61に設けられていたが、リブ群における1つのリブ61に設けられてもよいし、リブ群における全てのリブ61に設けられてもよい。なお、突状部611は、本開示においては任意の構成であり、設けられなくてもよい。
【0114】
(まとめ)
以上説明した実施形態及びその変形例のように、第一態様の容器1は、下記の構成を具備する。
【0115】
すなわち、第一態様の容器1は、上方に開口した開口部20を有する箱状の容器本体2と、開口部20を開閉するための蓋3と、を備える。蓋3は、本体板部4と、本体板部4の周縁部40うちの一部をなす第一方向に延びる第一端縁部43に沿って容器本体2に回転可能に連結される連結部5と、を有する。本体板部4は、第一方向に沿って上方に凸となるように湾曲している。本体板部4の周縁部40のうち第一端縁部43とは反対側に位置する第二端縁部44の中央部の高さは、本体板部4の周縁部40のうち第一方向における両端部に位置する端縁部45,46よりも高い。
【0116】
上記構成を備える第一態様の容器1では、第二端縁部44の中央部の高さを、端縁部45,46よりも高くすることで、第二端縁部44の中央部から端縁部45,46へと雨水や洗浄水等の水が流れて、本体板部4の上面の中央部に水が溜まりにくい。このため、容器1内への水の浸入することを抑制することができる。また、第一態様の容器1では、本体板部4が上方に凸となるように湾曲していることで、本体板部4の上面全体に受けた雨水や洗浄水等の水を流すことができる。
【0117】
また、上述した実施形態及びその変形例のように、第二態様の容器1は、第一態様の容器1の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0118】
すなわち、第二態様の容器1では、蓋3として、第一方向と直交する第二方向に並ぶ第一蓋3aと第二蓋3bを有する。閉じられた第一蓋3aの第二端縁部44に、閉じられた第二蓋3bの第二端縁部44が沿うように構成されている。
【0119】
上記構成を備える第二態様の容器1は、蓋3として、第一蓋3aと第二蓋3bを有する。
【0120】
また、上述した実施形態及び変形例のように、第三態様の容器1は、下記の構成を具備する。
【0121】
すなわち、第三態様の蓋付き運搬用容器1は、上方に開口した開口部20を有する箱状の容器本体2と、開口部20を開閉するための蓋3と、を備える。蓋3は、本体板部4と、本体板部4の周縁部40のうちの一つの端縁部に沿って容器本体2に回転自在に連結される連結部5と、を有する。本体板部4の中央部が上方に凸となるように湾曲している。本体板部4の中央部の高さは、本体板部4の周縁部40よりも高い。
【0122】
上記構成を備える第三態様の容器1では、本体板部4の中央部の高さを、周縁部40よりも高くすることで、本体板部4の中央部から周縁部40へと雨水や洗浄水等の水が流れて、本体板部4の上面の中央部に水が溜まりにくい。このため、容器1内への水の浸入することを抑制することができる。また、第三態様の容器1では、本体板部4が上方に凸となるように湾曲していることで、本体板部4の上面全体に受けた雨水や洗浄水等の水を流すことができる。
【0123】
また、上述した実施形態及びその変形例のように、第四態様の蓋3は、下記の構成を具
備する。
【0124】
すなわち、第四態様の蓋3は、上方に開口した開口部20を有する箱状の容器本体2と、蓋3と、を備える蓋付き運搬用容器1の容器本体2の開口部20を開閉する。蓋3は、本体板部4と、連結部5と、を備える。連結部5は、本体板部4の周縁部40うちの一部をなす第一方向に延びる第一端縁部43に沿って容器本体2に回転可能に連結される。本体板部4は、第一方向に沿って上方に凸となるように湾曲している。本体板部4の周縁部40のうち第一端縁部43とは反対側に位置する第二端縁部44の中央部の高さは、本体板部4の周縁部40のうち第一方向における両端部に位置する端縁部45,46よりも高い。蓋付き運搬用容器1は、蓋3として、第一方向と直交する第二方向に並ぶ第一蓋3aと第二蓋3bを有する。閉じられた第一蓋3aの第二端縁部44に、閉じられた第二蓋3bの第二端縁部44が沿うように構成されている。
【0125】
上記構成を備える第四態様の蓋3では、第二端縁部44の中央部の高さを、端縁部45,46よりも高くすることで、第二端縁部44の中央部から端縁部45,46へと雨水や洗浄水等の水が流れて、本体板部4の上面の中央部に水が溜まりにくい。このため、容器1内への水の浸入することを抑制することができる。また、第四態様の容器1では、本体板部4が上方に凸となるように湾曲していることで、本体板部4の上面全体に受けた雨水や洗浄水等の水を流すことができる。
【0126】
また、上述した実施形態及びその変形例のように、第五態様の蓋3は、第四態様の蓋3の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0127】
すなわち、第五態様の蓋3では、第二端縁部44の中央部の高さは、第一端縁部43よりも高く、第一端縁部43の高さは、本体板部4の周縁部40のうち第一方向における両端部に位置する端縁部45,46よりも高い。
【0128】
上記構成を備える第五態様の蓋3では、第二端縁部44の中央部から連結部5を避けて、端縁部45,46へと雨水や洗浄水等の水を流すことができる。
【0129】
以上、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0130】
1 蓋付き運搬用容器
2 容器本体
20 開口部
3 蓋
3a 第一蓋
3b 第二蓋
4 本体板部
40 周縁部
43 第一端縁部
44 第二端縁部
45 第三端縁部
46 第四端縁部
5 連結部