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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069017
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】光学部材、および照明装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/18 20060101AFI20240514BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240514BHJP
【FI】
G09F13/18 Z
F21S2/00 433
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179771
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】翁 宇峰
【テーマコード(参考)】
3K244
5C096
【Fターム(参考)】
3K244AA09
3K244BA48
3K244BA50
3K244CA03
3K244CA08
3K244DA00
3K244EA02
3K244EA12
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA14
3K244GA17
3K244GB02
3K244GB13
3K244GB27
3K244GC02
3K244GC13
3K244GC27
5C096AA11
5C096BA02
5C096BB07
5C096CA15
5C096CB07
5C096CD02
5C096CE07
5C096CE24
5C096FA01
(57)【要約】
【課題】意匠性が高い光学部材および照明装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る光学部材は、光源からの光の入射面と、第1出射面と、前記第1出射面とは異なる第2出射面と、を有する導光部材と、前記導光部材における第1の領域に配置され、前記導光部材の内部を導光された前記光を前記第1出射面から出射させる第1光抽出部と、前記導光部材の厚み方向から見た場合に、前記導光部材における前記第1の領域とは重ならない第2の領域に配置され、前記導光部材の内部を導光された前記光を前記第2出射面から出射させる第2光抽出部と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光の入射面と、第1出射面と、前記第1出射面とは異なる第2出射面と、を有する導光部材と、
前記導光部材における第1の領域に配置され、前記導光部材の内部を導光された前記光を前記第1出射面から出射させる第1光抽出部と、
前記導光部材の厚み方向から見た場合に、前記導光部材における前記第1の領域とは重ならない第2の領域に配置され、前記導光部材の内部を導光された前記光を前記第2出射面から出射させる第2光抽出部と、を有する、光学部材。
【請求項2】
前記第1光抽出部は、前記導光部材に設けられた第1光抽出層であり、
前記第2光抽出部は、前記導光部材に設けられた第2光抽出層である、請求項1に記載の光学部材。
【請求項3】
前記第1光抽出層と前記第2光抽出層は、前記導光部材における同じ面側に配置される、請求項2に記載の光学部材。
【請求項4】
前記第1光抽出層の厚みは、前記第2光抽出層の厚みと同じである、請求項3に記載の光学部材。
【請求項5】
前記第1光抽出部および前記第2光抽出部のそれぞれは、複数の空隙を有する配向制御構造を有し、
複数の空隙のそれぞれは、前記導光部材の内部を導光される前記光の一部を全反射する第1傾斜面と、前記空隙における前記第1傾斜面とは反対側に位置する第2傾斜面と、を有する、請求項1または請求項2に記載の光学部材。
【請求項6】
前記導光部材の前記第1出射面から出射される前記光の光軸と、前記第1出射面の法線と、のなす角度は、0°以上50°未満であり、
前記導光部材の前記第2出射面から出射される前記光の光軸と、前記第2出射面の法線と、のなす角度は、0°以上50°未満である、請求項1または請求項2に記載の光学部材。
【請求項7】
前記第1光抽出部および前記第2光抽出部のそれぞれは、複数の空隙を有する配向制御構造を備え、
複数の空隙のそれぞれは、前記導光部材の内部を導光される前記光の一部を全反射する第1傾斜面と、前記空隙における前記第1傾斜面とは反対側に位置する第2傾斜面と、を有し、
前記第1出射面および前記第2出射面のそれぞれに対する前記第1傾斜面の角度は、10°以上70°以下であり、
前記第1出射面および前記第2出射面のそれぞれに対する前記第2傾斜面の角度は、50°以上100°以下である、請求項6に記載の光学部材。
【請求項8】
可視光に対する透過率である全光線透過率は、60%以上である、請求項1または2に記載の光学部材。
【請求項9】
ヘイズ値は、30%未満である、請求項1または2に記載の光学部材。
【請求項10】
光源と、
請求項1または請求項2に記載の光学部材と、を有する照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材、および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から入射し、内部を導光された光を出射させる光学部材が知られている。また、該光学部材を有する照明装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、導光板に凹凸面を設けたり、導光板に光散乱要素を備えた光拡散フィルムを配置したりして、導光板から光を取り出す照明装置が開示されている。また、特許文献2には、導光体の内部を導光された光を所定の出射面から出射させる照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-75352号公報
【特許文献2】特開2022-101353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された照明装置は、導光板等の光学部材の片面から光を取り出すもの、あるいは光学部材の厚み方向から見て重なる領域において光を両面から取りだすものであり、意匠性の観点で改善の余地がある。
【0006】
本発明は、意匠性が高い光学部材および照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る光学部材は、光源からの光の入射面と、第1出射面と、前記第1出射面とは異なる第2出射面と、を有する導光部材と、前記導光部材における第1の領域に配置され、前記導光部材の内部を導光された前記光を前記第1出射面から出射させる第1光抽出部と、前記導光部材の厚み方向から見た場合に、前記導光部材における前記第1の領域とは重ならない第2の領域に配置され、前記導光部材の内部を導光された前記光を前記第2出射面から出射させる第2光抽出部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、意匠性が高い光学部材および照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る照明装置の正面図である。
図2】実施形態に係る照明装置の背面図である。
図3図1におけるIII-III線の断面図である。
図4図1の照明装置における空隙の詳細構成例を示す図である。
図5】出射光の光軸と出射面の法線とのなす角度を説明する図である。
図6】第1変形例に係る照明装置の断面図である。
図7】第2変形例に係る照明装置の断面図である。
図8】第3変形例に係る照明装置の断面図である。
図9】第4変形例に係る照明装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。各図面において、同一構成要素には同一符号を付与し、重複した説明を適宜省略する。
【0011】
以下に示す実施形態は、本開示の技術思想を具体化するための光学部材および照明装置を例示するものであって、本開示を以下に示す実施形態に限定するものではない。以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本開示の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。
【0012】
各図面において、方向表現として、X軸、Y軸およびZ軸を有する直交座標を用いる。X軸、Y軸およびZ軸は、互いに略直交する。Y軸に沿うY方向は、実施形態に係る光学部材が有する導光部材の厚み方向を示すものとする。X軸の矢印が向く方向を+X方向、+X方向とは反対方向を-X方向と表記する。Y軸の矢印が向く方向を+Y方向、+Y方向とは反対方向を-Y方向と表記する。Z軸の矢印が向く方向を+Z方向、+Z方向とは反対方向を-Z方向と表記する。但し、これらの方向表現は、実施形態の方向を限定するものではない。
【0013】
[実施形態]
<照明装置100の構成例>
図1図5を参照して、実施形態に係る照明装置100の構成の一例について説明する。図1は照明装置100の正面図である。図2は照明装置100の背面図である。図3は、図1におけるIII-III線の断面図である。図4は、照明装置100における空隙200の詳細構成の一例を示す図である。図5は、照明装置100が有する導光部材30における出射光の光軸と出射面の法線とのなす角度を説明する図である。
【0014】
図1図3に示すように、照明装置100は、光源10と、光学部材20と、を有する。図3に示すように、光学部材20は、導光部材30と、第1光抽出層40と、第2光抽出層50と、を有する。導光部材30は、光源10からの光Lの入射面31と、第1出射面32と、第1出射面32とは異なる第2出射面33と、を有する。
【0015】
ここでの導光部材30は、Y軸に沿う方向を厚み方向とする板状部材である。光学部材20は、少なくとも可視光に対して透過率を有する材料を含んで構成されている。可視光とは、400nm以上780nm以下の波長を有する光をいう。光学部材20の全光線透過率は、60%以上であってもよく、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。ここで、全光線透過率とは、可視光に対する透過率をいう。全光線透過率は、例えばヘイズメーターを用い、JIS K 7361-1に準じて測定することができる。また、光学部材20のヘイズ値は30%未満であってもよく、10%未満が好ましく、5%未満がより好ましい。全光線透過率が60%以上、ヘイズ値が30%未満であることで、照明装置100を見る観察者からは、光学部材20は、透明な板状部材として視認される。
【0016】
照明装置100は、光源10から発せられ、入射面31を通って導光部材30の内部に入射し、導光部材30の内部を導光された光Lを、第1出射面32および第2出射面33のそれぞれから出射させる。本明細書に示す例では、光源10は+Z方向側に光Lを発するが、これに限定されず、光源10の発光方向は任意でよい。この発光方向は、光Lの光軸に沿う光Lの伝搬方向を意味する。
【0017】
照明装置100は、第1出射面32から出射した第1出射光Laを+Y方向に照射し、第2出射面33から出射した第2出射光Lbを-Y方向に照射する。すなわち、照明装置100は、第1出射光Laと第2出射光Lbを180°異なる方向に照射できる。第1出射光Laおよび第2出射光Lbのそれぞれは、その光軸がY軸に沿った光であり、発散光、集束光、または平行光のいずれであってもよい。また、照明装置100は、第1出射光Laと第2出射光Lbを、180°に限らず、任意の異なる方向に照射してもよい。この異なる方向は、第1出射光Laおよび第2出射光Lbの各光軸に沿う光の伝搬方向が異なる方向であることを意味する。
【0018】
第1出射面32は、導光部材30における第2出射面33とは反対側に位置し、第2出射面33に向き合う面である。第1出射面32は、第2出射面33と略平行な面である。入射面31は、第1出射面32および第2出射面33のそれぞれに略直交する面である。但し、第1出射面32は、第2出射面33に交差する面であってもよい。
【0019】
入射面31は、第1出射面32および第2出射面33のそれぞれに交差する面であってもよい。また、入射面31は、第1出射面32および第2出射面33の少なくとも一方に略平行な面であってもよく、第1出射面32および第2出射面33の少なくとも一方の面の一部であってもよい。
【0020】
導光部材30における板状部材の厚み方向は、Y軸に沿う方向に限らず、任意の方向であってもよい。また、導光部材30は、板状部材に限らず、ブロック状部材等の様々な形状の部材であってもよい。
【0021】
第1光抽出層40は、導光部材30における第1の領域101に配置され、導光部材30の内部を導光された光Lを第1出射面32から出射させる第1光抽出部の一例である。図1および図2に示すように、照明装置100における第1の領域101は、導光部材30の第2出射面33上の円環形状を有する領域である。但し、第1の領域101の形状は、円環形状に限らず、適宜変更可能である。
【0022】
第1光抽出層40は、導光部材30の第2出射面33側に配置されている。図1図3に示す例では、第1光抽出層40は、粘着層61を介在して基材層62上に固定されている。第1光抽出層40、粘着層61および基材層62によりフィルム状部材を構成している。第1光抽出層40における基材層62に向き合う面とは反対側の面は、導光部材30の第2出射面33に向き合い、接着層34を介在して第2出射面33に接着固定されている。但し、第1光抽出層40は、粘着層61を介在して基材層62に固定されることなく、第1光抽出層40単体で接着層34を介在して第2出射面33に固定されてもよい。
【0023】
第2光抽出層50は、導光部材30の厚み方向から見た場合に、導光部材30における第1の領域101とは重ならない第2の領域102に配置され、導光部材30の内部を導光された光Lを第2出射面33から出射させる第2光抽出部の一例である。照明装置100における第2の領域102は、導光部材30の第2出射面33上の第1の領域101以外の領域である。第2の領域102の形状は、第1の領域101の形状に合わせて適宜変更可能である。
【0024】
第2光抽出層50は、導光部材30の第2出射面33側に配置されている。図1図3に示す例では、第2光抽出層50は、粘着層61を介在して基材層62上に固定されている。第2光抽出層50、粘着層61および基材層62によりフィルム状部材を構成している。第2光抽出層50における基材層62に向き合う面とは反対側の面は、導光部材30の第2出射面33に向き合い、接着層34を介在して第2出射面33に接着固定されている。但し、第2光抽出層50は、粘着層61を介在して基材層62に固定されることなく、第2光抽出層50単体で接着層34を介在して第2出射面33に固定されてもよい。
【0025】
図3に示すように、第1光抽出層40および第2光抽出層50のそれぞれは、複数の空隙200を有する配向制御構造を有する。空隙200は、内側に空気層を含む。空隙200は、エアキャビティと称されてもよい。空隙200は、導光部材30の厚み方向から見た場合に略正方形の外形を有する。但し、導光部材30の厚み方向から見た空隙200の外形形状は、略正方形に限らず、略長方形、略円形、略楕円形、略多角形であってもよい。
【0026】
図4に示すように、複数の空隙200のそれぞれは、基準面210と、第1傾斜面201と、第2傾斜面202と、を含む。複数の空隙200は、第1光抽出層40および第2光抽出層50それぞれの内部において、第2出射面33と略平行な平面内に行列状に並んで配置されている。但し、複数の空隙200の配置は、行列状に限らず、同心円状、放射状、千鳥状、ランダムな分散配置等の任意の配置であってもよい。また、複数の空隙200の配置は、第2出射面33と略平行な平面内に並ぶ配置に限らず、第2出射面33に対して傾いた平面内に並ぶ配置であってもよいし、第1光抽出層40および第2光抽出層50それぞれの内部において三次元的に分散される配置であってもよい。
【0027】
図3および図4に示すように、空隙200における第1傾斜面201は、導光部材30の内部を導光される光Lの一部を全反射する。第2傾斜面202は、空隙200における第1傾斜面201とは反対側に位置する。基準面210は、第2出射面33に対して略平行な面である。但し、基準面210は、第1出射面32または第2出射面33のどちらか一方に対して略平行な面であってもよい。
【0028】
第1傾斜角θaは、基準面210に対する第1傾斜面201の角度である。第2傾斜角θbは、基準面210に対する第2傾斜面202の角度である。本実施形態では、第1傾斜角θaは、一例として49°である。第2傾斜角θbは、一例として85°である。
【0029】
導光部材30の内部を導光される光Lのうち、第1光抽出層40に含まれる空隙200の第1傾斜面201で全反射された光L1は、その光軸がY軸に沿うように+Y方向に伝搬し、第1光抽出層40、接着層34および第2出射面33を通って導光部材30の内部に入射する。そして、この光Lは、導光部材30の内部を透過した後、第1出射面32を通って、第1出射光Laとして照射される。
【0030】
ここで、図4に示すように、導光部材30の内部を導光され、第1光抽出層40に含まれる空隙200の第1傾斜面201に入射する光Lのうちの一部は、第1傾斜面201で全反射されず、空隙200の内部を通った後、基準面210を通って、光L1とは反対方向に伝搬する漏れ光L2となる場合がある。また、図3に示すように、第1傾斜面201で全反射された光L1のうちの一部は、第1光抽出層40、接着層34および導光部材30のそれぞれの界面で屈折率の差が存在する場合は、フレネル反射し、光L1とは反対方向に伝搬するフレネル反射光Frとなる場合がある。つまり、光学部材20では、第1光抽出層40によって第1出射面32から出射される第1出射光La以外に、第1出射光Laとは反対方向に伝搬される漏れ光L2、フレネル反射光Fr等の光も存在する。但し、その光量は、第1出射光Laの光量と比較して小さい。
【0031】
一方、図3および図4に示すように、導光部材30の内部を導光される光Lのうちの一部は、第2出射面33、接着層34、基材層62および粘着層61を通って第2光抽出層50の内部に入射する。第2光抽出層50の内部に入射した光Lは、第2光抽出層50に含まれる空隙200の第1傾斜面201で全反射される。第1傾斜面201で全反射された光L1は、その光軸がY軸に沿うように-Y方向に伝搬し、第2出射光Lbとして照射される。
【0032】
ここで、図4に示すように、導光部材30の内部を導光され、第2光抽出層50に含まれる空隙200の第1傾斜面201に入射する光Lのうちの一部は、第1傾斜面201で全反射されず、空隙200の内部を通った後、基準面210を通って、光L1とは反対方向に伝搬する漏れ光L2となる場合がある。つまり、光学部材20では、第2光抽出層50によって第2出射面33から出射される第2出射光Lb以外に、第2出射光Lbとは反対方向に伝搬される漏れ光L2等の光も存在する。但し、その光量は、第2出射光Lbの光量と比較して小さい。
【0033】
上記の第1光抽出層40の作用により、観察者は、図1に示すように、+Y方向側から照明装置100を見た場合に、第1の領域101では、第1出射面32を通って+Y方向側に照射される第1出射光Laを視認できる。つまり、観察者は、明るく光る第1の領域101を視認できる。一方、第2の領域102では、+Y方向側に照射される光はないため、観察者は、光学部材20の向こう側(-Y方向側)を透視して視認できる。
【0034】
また、上記の第2光抽出層50の作用により、観察者は、図2に示すように、-Y方向側から照明装置100を見た場合に、第2の領域102では、第2出射面33を通って-Y方向側に照射される第2出射光Lbを視認できる。つまり、観察者は、明るく光る第2の領域102を視認できる。一方、第1の領域101では、-Y方向側に照射される光はないため、観察者は、光学部材20の向こう側(+Y方向側)を透視して視認できる。
【0035】
なお、光源10がオフの場合には、照明装置100における光学部材20全体が透明となる。観察者は、+Y方向および-Y方向のいずれの方向から見た場合にも、光学部材20の全領域において向こう側を透視して視認できる。
【0036】
以上のように、本実施形態では、照明装置100は、導光部材30の第1出射面32から第1出射光Laを+Y方向に照射し、導光部材30の第2出射面33から第2出射光Lbを-Y方向に照射する。換言すると、照明装置100は、第1出射光Laと第2出射光Lbを任意の異なる方向に照射する。これにより、導光部材30の第1出射面32および第2出射面33の両面から出射光を取り出すことができる。また照明装置100は、導光部材30の厚み方向から見て相互に重ならない領域である第1の領域101および第2の領域102において、導光部材30の第1出射面32および第2出射面33の両面から出射光を取り出すことができる。これらの結果、本実施形態では、意匠性が高い光学部材20および照明装置100を提供することができる。なお、第1の領域101と第2の領域102は、導光部材30の厚み方向から見て、製造誤差と認められる程度の重なりであれば重なっていてもよい。ここでの「製造誤差と認められる程度の重なり」とは、導光部材30の厚み方向から見て、第1出射面32の長手方向における長さの1/10以下の長さでの重なり、あるいは第2出射面33の長手方向における長さの1/10以下の長さでの重なりのいずれか一方をいう。
【0037】
また、本実施形態では、第1光抽出層40(第1光抽出部)および第2光抽出層50(第2光抽出部)のそれぞれは、複数の空隙200を有する配向制御構造を有する。複数の空隙200のそれぞれは、導光部材30の内部を導光される光Lの一部を全反射する第1傾斜面201と、空隙200における第1傾斜面201とは反対側に位置する第2傾斜面202と、を有する。本実施形態では、このような空隙200を有することで、導光部材30における所定の面または所定の方向から第1出射光Laおよび第2出射光Lbを出射させる第1光抽出層40および第2光抽出層50のそれぞれを簡単に製作することができる。
【0038】
また、本実施形態では、第1光抽出層40と第2光抽出層50は、導光部材30における第2出射面33側、すなわち同じ面側に配置される。このような配置にすることで、導光部材30の厚み方向から見た場合に、第1光抽出層40と第2光抽出層50とが重ならないようにするための位置合わせが容易になる。この結果、光学部材20および照明装置100を効率よく製造することができる。
【0039】
また、本実施形態では、第1光抽出層40の厚みは、第2光抽出層50の厚みと同じであってもよい。第1光抽出層40の厚みと第2光抽出層50の厚みを同じすることで、第1光抽出層40と第2光抽出層50が導光部材30の同じ面側に配置された場合に、第1光抽出層40と第2光抽出層50との間における段差が生じない。これにより、光学部材20および照明装置100の意匠性を高めることができる。なお、「厚みが同じ」は、2つの厚みが厳密に一致することを要求するものではなく、2つの厚み設計値の1/5以下の厚みの差異があっても許容するものとする。
【0040】
また、本実施形態では、導光部材30の第1出射面32から出射される第1出射光Laの光軸と、第1出射面の法線と、のなす角度は、0°以上50°未満であってもよい。また、導光部材30の第2出射面33から出射される第2出射光Lbの光軸と、第2出射面33の法線と、のなす角度は、0°以上50°未満であってもよい。
【0041】
図5において、第1出射角φaは、導光部材30の第1出射面32から出射される第1出射光Laの第1光軸La0と、第1出射面32の第1法線320と、のなす角度を表している。また、第2出射角φbは、導光部材30の第2出射面33から出射される第2出射光Lbの第2光軸Lb0と、第2出射面33の第2法線330と、のなす角度を表している。
【0042】
本実施形態では、第1出射角φaを0°以上50°未満とすることにより、第1出射光Laにより視認される第1の領域101のコントラストを向上させることができる。また、本実施形態では、第2出射角φbを0°以上50°未満とすることにより、第2出射光Lbにより視認される第2の領域102のコントラストを向上させることができる。なお、図1図4に示した照明装置100では、第1出射角φaおよび第2出射角φbは、ともに0°である。但し、第1出射角φaおよび第2出射角φbは、0°以上50°未満に限定されるものではなく、これら以外の角度であってもよいし、第1出射角φaおよび第2出射角φbが異なっていてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、第1傾斜角θaは、10°以上70°以下であり、第2傾斜角θbは、50°以上100°以下であってもよい。この構成により、第1出射光Laにより視認される第1の領域101のコントラストおよび第2出射光Lbにより視認される第2の領域102のコントラストをそれぞれ向上させることができ、光学部材20および照明装置100の意匠性を高めることができる。
【0044】
また、本実施形態では、導光部材30の全光線透過率は60%以上であってもよい。この構成により、照明装置100を見る観察者に、可視光に対して透明な板状部材として導光部材30を視認させることができ、光学部材20および照明装置100の意匠性を高めることができる。
【0045】
また、本実施形態では、導光部材30のヘイズ値は30%未満であってもよい。この構成により、照明装置100を見る観察者に、可視光に対して透明な板状部材として導光部材30を視認させることができ、光学部材20および照明装置100の意匠性を高めることができる。
【0046】
なお、本実施形態では、導光部材30とは別部材である第1光抽出層40を第1光抽出部として例示し、導光部材30とは別部材である第2光抽出層50を第2光抽出部として例示したが、これらに限定されるものではない。第1光抽出部および第2抽出部の少なくとも一方は、導光部材30に形成された導光部材30の一部分であってもよい。つまり、導光部材30は、第1光抽出部および第2抽出部の少なくとも一方を有してもよい。例えば、導光部材30は1枚の部材であって、1枚の部材の一方側に第1光抽出部を設け、他方側に第2光抽出部を設けてもよい。また、第1光抽出部を設けた導光部材と第2光抽出部を設けた導光部材とを含む2枚の導光部材30を用意してもよい。
【0047】
[変形例]
実施形態に係る照明装置は、上述した照明装置100に対して様々な変形が可能である。以下、この変形例について説明する。なお、既に説明した実施形態および変形例と同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材又は構成部を示しており、詳細説明を適宜省略する。この点は、以降に示す変形例においても同様とする。
【0048】
<第1変形例>
図6は、第1変形例に係る照明装置100aの断面図である。照明装置100aの正面図は、図1に示した照明装置100の正面図と同じである。照明装置100aの背面図は、図2に示した照明装置100の背面図と同じである。図6は、図1におけるIII-III線に対応する断面図である。
【0049】
本変形例では、第1光抽出層40が導光部材30の第1出射面32側に配置される点が、上述した照明装置100とは異なる。
【0050】
図6に示すように、照明装置100aは、光学部材20aを有する点が、上述した照明装置100とは異なる。光学部材20aは、導光部材30の第1出射面32側に配置された第1光抽出層40を有する点が、上述した光学部材20とは異なる。
【0051】
導光部材30の第1出射面32側に第1光抽出層40を配置することにより、第1光抽出層40により第1出射光Laを第1出射面32から出射させる場合に、第1出射光Laが第2出射面33および接着層34を通過しないため、導光部材30および接着層34のそれぞれにおける界面でのフレネル反射が発生せず、フレネル反射損失を低減することができる。これにより、第1出射光Laによる照射効率が高い照明装置100aを提供することができる。本変形例において、導光部材30における第1光抽出層40が配置される位置以外に関わる作用効果は、上述した照明装置100の作用効果と同じである。
【0052】
<第2変形例>
図7は、第2変形例に係る照明装置100bの断面図である。照明装置100bの正面図は、図1に示した照明装置100の正面図と同じである。照明装置100bの背面図は、図2に示した照明装置100の背面図と同じである。図7は、図1におけるIII-III線に対応する断面図である。
【0053】
本変形例では、第2光抽出層50が導光部材30の第1出射面32側に配置される点が、上述した照明装置100とは異なる。
【0054】
図7に示すように、照明装置100bは、光学部材20bを有する点が、上述した照明装置100とは異なる。光学部材20bは、導光部材30の第1出射面32側に配置された第2光抽出層50を有する点が、上述した光学部材20とは異なる。本変形例において、導光部材30における第2光抽出層50が配置される位置以外に関わる作用効果は、上述した照明装置100の作用効果と同じである。
【0055】
<第3変形例>
図8は、第3変形例に係る照明装置100cの断面図である。照明装置100cの正面図は、図1に示した照明装置100の正面図と同じである。照明装置100cの背面図は、図2に示した照明装置100の背面図と同じである。図8は、図1におけるIII-III線に対応する断面図である。
【0056】
本変形例では、照明装置100の第1光抽出層40に代えて、複数の拡散ドット部材70が、導光部材30の第1出射面32側に配置される点が、上述した照明装置100とは異なる。
【0057】
図8に示すように、照明装置100cは、光学部材20cを有する点が、上述した照明装置100とは異なる。光学部材20cは、導光部材30の第1出射面32側に配置された複数の拡散ドット部材70を有する点が、上述した光学部材20とは異なる。
【0058】
複数の拡散ドット部材70は、導光部材30における第1の領域101に配置され、導光部材30の内部を導光された光Lを第1出射面32から出射させる第1光抽出部の一例である。拡散ドット部材70は、光拡散性を有する粒子を含有する部材である。複数の拡散ドット部材70は、導光部材30の内部を導光された光Lを粒子により拡散させることで、拡散光の一部を第1出射面32から出射させることができる。複数の拡散ドット部材70は、第1出射面32上に並んで離散的に配置される。複数の拡散ドット部材70の配置は、行列状、同心円状、放射状、千鳥状、ランダムな分散配置等の任意の配置であってもよい。
【0059】
本変形例において、第1光抽出部としての複数の拡散ドット部材70が配置される導光部材30における位置以外に関わる作用効果は、上述した照明装置100の作用効果と同じである。なお、複数の拡散ドット部材70は、第1光抽出部および第2光抽出部の少なくとも一方に適用されてもよい。また、図8では、第2光抽出部50が第2出射面33に配置される場合について説明したが、図7に示すように第1出射面32側に配置されることにより、複数の拡散ドット部材70と第2光抽出部50が同じ面にあってもよい。
【0060】
<第4変形例>
図9は、第4変形例に係る照明装置100dの断面図である。照明装置100dの正面図は、図1に示した照明装置100の正面図と同じである。照明装置100dの背面図は、図2に示した照明装置100の背面図と同じである。図9は、図1におけるIII-III線に対応する断面図である。
【0061】
本変形例では、照明装置100の第1光抽出層40に代えて、拡散シート部材80が、導光部材30の第1出射面32側に配置される点が、上述した照明装置100とは異なる。
【0062】
図9に示すように、照明装置100dは、光学部材20dを有する点が、上述した照明装置100とは異なる。光学部材20dは、導光部材30の第1出射面32側に配置された拡散シート部材80を有する点が、上述した光学部材20とは異なる。
【0063】
拡散シート部材80は、導光部材30における第1の領域101に配置され、導光部材30の内部を導光された光Lを第1出射面32から出射させる第1光抽出部の一例である。拡散シート部材80は、光拡散性を有する粒子を含有するシート状の部材である。拡散シート部材80は、導光部材30の内部を導光された光Lを粒子により拡散させることで、拡散光の一部を第1出射面32から出射させることができる。拡散シート部材80は、接着部材等によって第1出射面32上に固定される。
【0064】
本変形例において、第1光抽出部としての拡散シート部材80が配置される導光部材30における位置以外に関わる作用効果は、上述した照明装置100の作用効果と同じである。なお、拡散シート部材80は、第1光抽出部および第2光抽出部の少なくとも一方に適用されてもよい。また、図9では、第2光抽出部50が第2出射面33に配置される場合について説明したが、図7に示すように第1出射面32側に配置されることにより、複数の拡散シート部材80と第2光抽出部50が同じ面にあってもよい。
【0065】
上記の他、導光部材30に凹凸を設けることにより第1光抽出部および第2光抽出部を設けてもよい。つまり、導光部材30が第1光抽出部および第2光抽出部を有していてもよい。例えば、導光部材30は1枚の部材であって、1枚の部材の一方側に凹凸を設けることにより第1光抽出部を設け、他方側に凹凸を設けることにより第2光抽出部を設けてもよい。また、第1光抽出部を設けた導光部材と第2光抽出部を設けた導光部材とを含む2枚の導光部材を用意してもよい。
【0066】
また、本発明の光学部材は、図示しない他の機能層を有していてもよい。例えば、導光部材と光抽出層との間に屈折率変化層を設けてもよい。屈折率変化層は、光源から離れるにつれて輝度が減衰するのを抑制するための層で、屈折率の異なる複数の領域を有する。例えば光源に近づくほど低屈折率領域が多く光源から離れるほど高屈折領域が多い層である。また、光抽出層の導光部材とは反対側にハードコート層などの表面処理層や低屈折率層を設けてもよい。導光部材の光抽出層とは反対側にハードコート層などの表面処理層や低屈折率層を設けてもよい。
【0067】
[実施形態に係る照明装置における各構成要素の例]
実施形態に係る照明装置における各構成要素の好ましい例を説明する。以下に示す第1光抽出層40および第2光抽出層50の例は、上述した照明装置100、照明装置100aおよび照明装置100bに適用できる。また、以下に示す導光部材30、基材層62、接着層34および粘着層61の例は、上述した照明装置100、照明装置100a、照明装置100b、照明装置100cおよび照明装置100dに適用できる。
【0068】
第1光抽出層40および第2光抽出層50のそれぞれは、例えば賦形フィルムとして構成できる。この賦形フィルムは、例えば、以下のようにして製造され得る。特表2013-524288号公報に記載の方法にしたがって凹凸賦形フィルムを製造した。具体的には、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)フィルムの表面をラッカー(三洋化成工業社製ファインキュアーRM-64)でコーティングし、該ラッカーを含むフィルム表面上に光学パターンをエンボス加工し、その後ラッカーを硬化させることによって目的の凹凸賦形フィルムを製造した。凹凸賦形フィルムの総厚さは130μmである。
【0069】
導光部材30は、可視光に対する透過率が高い公知の材料で形成される。導光部材30は、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ガラス(例えば、ソーダガラス、石英ガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス)で形成される。導光部材30の屈折率nGPは、例えば、1.40以上1.80以下である。なお屈折率は、特に断らない限り、波長550nmにおいてエリプソメーターで測定した屈折率をいう。導光部材30の厚さは用途に応じて適宜設定され得る。導光部材30の厚さは、例えば、0.05mm以上50mm以下である。
【0070】
基材層62の厚みは、例えば1μm以上1000μm以下であり、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上80μm以下がさらに好ましい。基材層62の屈折率は、それぞれ独立に、1.40以上1.70以下が好ましく、1.43以上1.65以下がさらに好ましい。
【0071】
接着層34および粘着層61のそれぞれの厚みは、例えば0.1μm以上100μm以下であり、0.3μm以上100μm以下が好ましく、0.5μm以上50μm以下がさらに好ましい。接着層34および粘着層61のそれぞれの屈折率は、好ましくは1.42以上1.60以下であり、より好ましくは1.47以上1.58以下である。また、接着層34および粘着層61のそれぞれの屈折率は、それが接する導光部材30、第1光抽出層40、または第2光抽出層50の屈折率と近いことが好ましく、屈折率の差の絶対値が0.2以下であることが好ましい。
【0072】
接着層34および粘着層61のそれぞれは、第1光抽出層40および第2光抽出層50の表面の凹部を埋めることなく接着できることが好ましい。接着層34および粘着層61のそれぞれの形成に好適な接着剤としては、本出願人による国際出願PCT/JP2021/006452、国際出願PCT/JP2021/006453または特願2021-025496号に記載の接着剤を好適に用いることができる。これらの出願の開示内容のすべてを本明細書に援用する。特に、特願2021-025496号に記載のポリエステル系接着剤が好ましい。
【0073】
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形および置換を加えることができる。
【0074】
本実施形態に係る照明装置は、互いに反対方向を向く2つの出射面から光を出射することができる。本実施形態に係る照明装置は、新しい用途を提供することができる。
【0075】
本発明の態様は、例えば以下の通りである。
<1> 光源からの光の入射面と、第1出射面と、前記第1出射面とは異なる第2出射面と、を有する導光部材と、前記導光部材における第1の領域に配置され、前記導光部材の内部を導光された前記光を前記第1出射面から出射させる第1光抽出部と、前記導光部材の厚み方向から見た場合に、前記導光部材における前記第1の領域とは重ならない第2の領域に配置され、前記導光部材の内部を導光された前記光を前記第2出射面から出射させる第2光抽出部と、を有する、光学部材である。
<2> 前記第1光抽出部は、前記導光部材に設けられた第1光抽出層であり、前記第2光抽出部は、前記導光部材に設けられた第2光抽出層である、前記<1>に記載の光学部材である。
<3> 前記第1光抽出層と前記第2光抽出層は、前記導光部材における同じ面側に配置される、前記<2>に記載の光学部材である。
<4> 前記第1光抽出層の厚みは、前記第2光抽出層の厚みと同じである、前記<3>に記載の光学部材である。
<5> 前記第1光抽出部および前記第2光抽出部のそれぞれは、複数の空隙を有する配向制御構造を有し、複数の空隙のそれぞれは、前記導光部材の内部を導光される前記光の一部を全反射する第1傾斜面と、前記空隙における前記第1傾斜面とは反対側に位置する第2傾斜面と、を有する、前記<1>から前記<4>のいずれか1つに記載の光学部材である。
<6> 前記導光部材の前記第1出射面から出射される前記光の光軸と、前記第1出射面の法線と、のなす角度は、0°以上50°未満であり、前記導光部材の前記第2出射面から出射される前記光の光軸と、前記第2出射面の法線と、のなす角度は、0°以上50°未満である、前記<1>から前記<5>のいずれか1つに記載の光学部材である。
<7> 前記第1光抽出部および前記第2光抽出部のそれぞれは、複数の空隙を有する配向制御構造を備え、複数の空隙のそれぞれは、前記導光部材の内部を導光される前記光の一部を全反射する第1傾斜面と、前記空隙における前記第1傾斜面とは反対側に位置する第2傾斜面と、を有し、前記第1出射面および前記第2出射面のそれぞれに対する前記第1傾斜面の角度は、10°以上70°以下であり、前記第1出射面および前記第2出射面のそれぞれに対する前記第2傾斜面の角度は、50°以上100°以下である、前記<6>に記載の光学部材である。
<8> 前記導光部材の、可視光に対する透過率である全光線透過率は、60%以上である、前記<1>から前記<7>のいずれか1つに記載の光学部材である。
<9> 前記導光部材のヘイズ値は、30%未満である、前記<1>から前記<7>のいずれか1つに記載の光学部材である。
<10> 光源と、前記<1>から前記<9>のいずれか1つに記載の光学部材と、を有する照明装置である。
【符号の説明】
【0076】
10 光源
20、20a、20b、20c、20d 光学部材
30 導光部材
31 入射面
32 第1出射面
33 第2出射面
34 接着層
40 第1光抽出層(第1光抽出部の一例)
50 第2光抽出層(第2光抽出部の一例)
61 粘着層
62 基材層
70 拡散ドット部材(第1光抽出部の一例)
80 拡散シート部材(第1光抽出部の一例)
100、100a、100b、100c、100d 照明装置
101 第1の領域
102 第2の領域
200 空隙
201 第1傾斜面
202 第2傾斜面
210 基準面
320 第1法線
330 第2法線
L、L1 光
L2 漏れ光
La 第1出射光
La0 第1光軸
Lb0 第2光軸
Lb 第2出射光
Fr フレネル反射光
θa 第1傾斜角
θb 第2傾斜角
φa 第1出射角
φb 第2出射角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9