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特開2024-6903ブラックマトリックス用顔料分散組成物、ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物、及びブラックレジスト膜
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006903
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ブラックマトリックス用顔料分散組成物、ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物、及びブラックレジスト膜
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20240110BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20240110BHJP
   G03F 7/027 20060101ALI20240110BHJP
   C09D 17/00 20060101ALI20240110BHJP
   C09C 1/48 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G02B5/20 101
G03F7/004 501
G03F7/004 505
G03F7/027 515
C09D17/00
C09C1/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209337
(22)【出願日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】P 2022105408
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000105947
【氏名又は名称】サカタインクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 淳一
(72)【発明者】
【氏名】辻 康人
(72)【発明者】
【氏名】戸田 光信
(72)【発明者】
【氏名】中川 朋樹
(72)【発明者】
【氏名】村上 奈月
(72)【発明者】
【氏名】藤井 真奈
【テーマコード(参考)】
2H148
2H225
4J037
【Fターム(参考)】
2H148BE36
2H148BF16
2H148BH02
2H148BH18
2H148BH22
2H225AC36
2H225AC54
2H225AD06
2H225AM22P
2H225AM32P
2H225AN39P
2H225AN94P
2H225AP03P
2H225AP08P
2H225AP09P
2H225BA16P
2H225BA20P
2H225BA32P
2H225BA35P
2H225CA18
2H225CB05
2H225CC01
2H225CC13
4J037AA02
4J037AA09
4J037AA21
4J037AA24
4J037DD23
4J037DD24
(57)【要約】
【課題】細線密着性及び表面荒れ耐性に優れるブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物が得られるブラックマトリックス用顔料分散組成物を提供すること。
【解決手段】カーボンブラック、無機化合物、塩基性基含有顔料分散剤、酸性基含有顔料分散助剤、アルカリ可溶性樹脂、及び溶剤を含むブラックマトリックス用顔料分散組成物であって、前記無機化合物は、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、窒化ホウ素、及びイオン捕捉剤からなる群より選ばれる1種以上であり、前記アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性カルド樹脂であり、前記無機化合物は、前記カーボンブラック100質量部に対して、1~10質量部であるブラックマトリックス用顔料分散組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンブラック、無機化合物、塩基性基含有顔料分散剤、酸性基含有顔料分散助剤、アルカリ可溶性樹脂、及び溶剤を含むブラックマトリックス用顔料分散組成物であって、
前記無機化合物は、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、窒化ホウ素、及びイオン捕捉剤からなる群より選ばれる1種以上であり、
前記アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性カルド樹脂であり、
前記無機化合物は、前記カーボンブラック100質量部に対して、1~10質量部であることを特徴とするブラックマトリックス用顔料分散組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のブラックマトリックス用顔料分散組成物、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含むことを特徴とするブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物。
【請求項3】
請求項2に記載のブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物から形成されるブラックレジスト膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラックマトリックス用顔料分散組成物、ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物、及びブラックレジスト膜に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーボンブラック、無機化合物、塩基性基含有顔料分散剤、酸性基含有顔料分散助剤、アルカリ可溶性樹脂、及び溶剤を含むブラックマトリックス用顔料分散組成物と、当該ブラックマトリックス用顔料分散組成物、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含むブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物が知られている(特許文献1-2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-173876号公報
【特許文献2】特開2021-038289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物を用いて、ブラックマトリックスのパターンを形成するには、通常、ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物を基板に塗工してレジスト膜を形成後、所望のパターンを有するマスクを通じて紫外線で露光し、露光部のレジスト膜を硬化させた後、未露光部のレジスト膜を現像液で除去する。よって、ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物では、通常、特許文献1-2のように、細線密着性(解像度)が要求される。
【0005】
一方、近年では、製造上の歩留まり率向上のため、露光部において、より過酷な現像条件に耐えられる性能が求められている。とくに、このような現像条件においては、露光部の表面が荒れてしまう課題があった。表面が荒れた部位は、そうではない部位と比べて膜厚が薄く、ブラックマトリックスの遮光性が損なわれ、引き締まった黒色の再現が低位となる。
【0006】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、細線密着性及び表面荒れ耐性に優れるブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物が得られるブラックマトリックス用顔料分散組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、カーボンブラック、無機化合物、塩基性基含有顔料分散剤、酸性基含有顔料分散助剤、アルカリ可溶性樹脂、及び溶剤を含むブラックマトリックス用顔料分散組成物であって、前記無機化合物は、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、窒化ホウ素、及びイオン捕捉剤からなる群より選ばれる1種以上であり、前記アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性カルド樹脂であり、前記無機化合物は、前記カーボンブラック100質量部に対して、1~10質量部であるブラックマトリックス用顔料分散組成物に関する。
【0008】
また、本発明は、前記ブラックマトリックス用顔料分散組成物、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含むブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物に関する。
【0009】
また、本発明は、前記ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物から形成されるブラックレジスト膜に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のブラックマトリックス用顔料分散組成物における効果の作用メカニズムは以下のように推定される。ただし、本発明は、この作用メカニズムに限定されない。
【0011】
本発明のブラックマトリックス用顔料分散組成物は、カーボンブラック、無機化合物、塩基性基含有顔料分散剤、酸性基含有顔料分散助剤、アルカリ可溶性樹脂、及び溶剤を含むブラックマトリックス用顔料分散組成物であって、前記無機化合物は、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、窒化ホウ素、及びイオン捕捉剤からなる群より選ばれる1種以上であり、前記アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性カルド樹脂であり、前記無機化合物は、前記カーボンブラック100質量部に対して、1~10質量部である。本発明のブラックマトリックス用顔料分散組成物は、上記の特許文献1-2とは異なり、カーボンブラックの一部を上記の無機化合物に置換し、さらにアルカリ可溶性樹脂としてアルカリ可溶性カルド樹脂を使用することにより、良好な顔料分散性を維持しつつUV露光時の感度が向上するため、ブレイクポイント(BP)や細線密着性を維持しつつ、塗膜の表面荒れが改善できる。
【0012】
また、本発明のブラックマトリックス用顔料分散組成物は、アルカリ可溶性カルド樹脂の含有量が前記カーボンブラック100質量部に対して10質量部以下である場合、とくに細線密着性に優れ、また、アルカリ可溶成分が少なくなるため、アルカリ現像後の塗膜の黒色に濃淡が発生する現象(水ムラ)への耐性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のブラックマトリックス用顔料分散組成物は、カーボンブラック、無機化合物、塩基性基含有顔料分散剤、酸性基含有顔料分散助剤、アルカリ可溶性樹脂、及び溶剤を含むブラックマトリックス用顔料分散組成物であって、前記無機化合物は、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、窒化ホウ素、及びイオン捕捉剤からなる群より選ばれる1種以上であり、前記アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性カルド樹脂であり、前記無機化合物は、前記カーボンブラック100質量部に対して、1~10質量部である。
【0014】
<カーボンブラック>
前記カーボンブラックは、ブラックマトリックス用顔料分散組成物に使用される公知のカーボンブラックを使用でき、例えば、中性カーボンブラック、酸性カーボンブラック等が挙げられる。また、前記カーボンブラックは、平均一次粒子径が20~60nm程度であることが好ましい。前記カーボンブラックは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0015】
前記中性カーボンブラックは、pHが8~10の範囲であることが好ましい。前記中性カーボンブラックの市販品としては、例えば、オリオン・エンジニアドカーボンズ社製のプリンテックス25(平均一次粒子径56nm、pH9.5)、プリンテックス35(平均一次粒子径31nm、pH9.5)、プリンテックス65(平均一次粒子径21nm、pH9.5)、三菱化学社製のMA#20(平均一次粒子径50nm、pH7.5)、MA#30(平均一次粒子径30nm、pH8.0)、MA#40(平均一次粒子径40nm、pH8.0)等が挙げられる。
【0016】
前記酸性カーボンブラックは、pHが2~4の範囲であることが好ましい。前記酸性カーボンブラックの市販品としては、コロンビアケミカルズ社製のRaven1080(平均一次粒子径28nm、pH2.4)、Raven1100(平均一次粒子径32nm、pH2.9)、三菱化学社製のMA-8(平均一次粒子径24nm、pH3.0)、MA-100(平均一次粒子径22nm、pH3.5)、MA#70(平均一次粒子径24nm、pH3.0)、オリオン・エンジニアドカーボンズ社製のスペシャルブラック250(平均一次粒子径56nm、pH3.0)、スペシャルブラック350(平均一次粒子径31nm、pH3.0)、スペシャルブラック550(平均一次粒子径25nm、pH4.0)、NEROX2500(平均一次粒子径56nm、pH3.0)、NEROX3500(平均一次粒子径31nm、pH3.0)等が挙げられる。
【0017】
なお、通常、pHは、炭酸を除いた蒸留水(pH7.0)20mLに、カーボンブラック1gを添加してマグネチックスターラーで混合して水性懸濁液を調製し、ガラス電極を使用して25℃で測定する(ドイツ工業品標準規格 DIN ISO 787/9)。また、通常、平均一次粒子径は、電子顕微鏡観察による算術平均径の値である。ただし、上記の市販品のカーボンブラックのpHと平均一次粒子径はカタログ値である。
【0018】
前記カーボンブラックは、前記ブラックマトリックス用顔料分散組成物の固形分中、ブラックマトリックスを形成した場合の遮光性を高める観点から、60質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、そして、顔料分散の観点から、85質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。
【0019】
<無機化合物>
前記無機化合物は、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、窒化ホウ素、及びイオン捕捉剤からなる群より選ばれる1種以上である。前記水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、窒化ホウ素は、メジアン径が、再凝集防止の観点から、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、そして、顔料分散組成物やレジスト組成物における無機化合物の沈降防止の観点から、3,000nm以下であることが好ましく、2,500nm以下であることがより好ましい。前記チタン酸バリウムは、平均一次粒子径が、再凝集防止の観点から、10nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、そして、顔料分散組成物やレジスト組成物における無機化合物の沈降防止の観点から、2,500nm以下であることが好ましく、2,000nm以下であることがより好ましい。前記イオン捕捉剤は、陽イオン及び陰イオンの少なくとも一方を捕捉できるものであればよく、イオン捕捉能を有する陽イオン捕捉剤、陰イオン捕捉剤、両イオン捕捉剤が挙げられる。イオン捕捉剤としては、メジアン径が0.1~10μmであるものが好ましく、例えば、アンチモン、ビスマス、ジルコニウム、チタン、スズ、マグネシウム、及びアルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属原子を含むイオン捕捉剤が挙げられる。これらの中でも、ビスマス、ジルコニウム、マグネシウム、及びアルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属原子を含むイオン捕捉剤が好ましい。なお、メジアン径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定できる値であり、平均一次粒子径は、電子顕微鏡観察による算術平均径の値であるが、いずれの値も市販品の場合、カタログ値を参考とする。これらの中でも、ブレイクポイント(BP)や細線密着性を維持しつつ、塗膜の表面荒れの改善に優れる観点から、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムが好ましい。
【0020】
水酸化アルミニウムとしては、例えば、住友化学社製のC301N(メジアン径1.5μm)、C302A(メジアン径2.4μm)、昭和電工社製のハイジライトH-42M(メジアン径1.0μm)、ハイジライトH-43M(メジアン径0.75μm)、日本軽金属社製のB1403(メジアン径2μm)、BF013(メジアン径1μm)等が挙げられる。
【0021】
酸化アルミニウムとしては、例えば、住友化学社製のAKP-15(メジアン径0.60μm)、AKP-20(メジアン径0.42μm)、AKP-30(メジアン径0.26μm)、AKP-50(メジアン径0.20μm)、AKP-53(メジアン径0.17μm)、AKP-3000(メジアン径0.67μm)、AA-03(メジアン径0.40μm)、AA-04(メジアン径0.47μm)、AA-05(メジアン径0.58μm)、AA-07(メジアン径0.88μm)、AA-1.5(メジアン径1.7μm)、AA-2(メジアン径2.2μm)等が挙げられる。
【0022】
硫酸バリウムとしては、沈降性硫酸バリウムが好ましく、例えば、堺化学工業社製のBARIFINE BF-40(メジアン径0.01μm)、BARIFINE BF-20(メジアン径0.03μm)、BARIFINE BF-10(メジアン径0.06μm)、BARIFINE BF-1L(メジアン径0.1μm)、BARIFINE BF-1(メジアン径0.05μm)、竹原化学工業社製のP-30(メジアン径1μm)、TS-2(メジアン径0.3μm)、TS-3(メジアン径0.6μm)、SC-201(メジアン径0.3μm)、HC-A(メジアン径0.1μm)等が挙げられる。
【0023】
チタン酸バリウムとしては、例えば、日本化学工業社製のパルセラムAKBT-S(平均一次粒子径0.15μm)、パルセラムAKBT-M(平均一次粒子径0.3μm)、パルセラムAKBT-L(平均一次粒子径0.6μm)、パルセラムBT-UP-2(平均一次粒子径2μm)、BTC-4FA(平均一次粒子径200nm)、BTC-4FB(平均一次粒子径300nm)、KZM-50(平均一次粒子径50nm)等が挙げられる。
【0024】
窒化ホウ素としては、例えば、デンカ社製のデンカボロンナイトライドXGP(メジアン径30μm)、SGP(メジアン径18μm)、MGP(メジアン径10μm)、GP(メジアン径7μm)、HGP(メジアン径5μm)、SP-2(メジアン径4μm)、SP-3(メジアン径4μm)、SGPS(メジアン径12μm)、昭和電工社製のショウビーエヌUHP-S2(メジアン径0.7μm)、UHP-1K(メジアン径8μm)、UHP-2(メジアン径11μm)、UHP-G1H(メジアン径33μm)等が挙げられる。
【0025】
イオン捕捉剤としては、例えば、東亞合成社製のIXEPLAS B1(両イオン捕捉剤、ジルコニウム/ビスマス系、メジアン径0.4μm)、IXE-100(陽イオン捕捉剤、ジルコニウム系、メジアン径1μm)、IXE-500(陰イオン捕捉剤、ビスマス系、メジアン径1.5μm)、IXE-550(陰イオン捕捉剤、ビスマス系、メジアン径1.5μm)、IXE-600(両イオン捕捉剤、アンチモン/ビスマス系、メジアン径1μm)、IXE-700F(陰イオン捕捉剤、アルミニウム/マグネシウム系、メジアン径1.5μm)、IXE-770F(陰イオン捕捉剤、アルミニウム/マグネシウム系、メジアン径6μm)、IXE-6136(両イオン捕捉剤、ジルコニウム/ビスマス系、メジアン径2.1μm)等が挙げられる。
【0026】
前記無機化合物は、前記カーボンブラック100質量部に対して、1~10質量部である。前記無機化合物は、細線密着性および表面荒れの観点から、前記カーボンブラック100質量部に対して、2質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、そして、顔料分散組成物の安定性およびブラックマトリックスの黒色性の観点から、9質量部以下であることが好ましく、8質量部以下であることがより好ましい。
【0027】
<塩基性基含有顔料分散剤>
前記塩基性基含有顔料分散剤は、前記カーボンブラックを分散できればよく、ブラックマトリックス用顔料分散組成物に使用される公知の塩基性基含有顔料分散剤を使用でき、例えば、アニオン性界面活性剤、塩基性基含有ポリエステル系顔料分散剤、塩基性基含有アクリル系顔料分散剤、塩基性基含有ウレタン系顔料分散剤、塩基性基含有カルボジイミド系顔料分散剤等が挙げられる。前記塩基性基としては、1級、2級又は3級アミノ基が、特に分散性に優れる観点から好ましい。前記塩基性基含有顔料分散剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0028】
前記塩基性基含有顔料分散剤は、良好な顔料分散性が得られる点から、高分子型の塩基性基含有顔料分散剤が好ましい。前記高分子型の塩基性基含有顔料分散剤としては、例えば、塩基性基含有ウレタン系高分子顔料分散剤、塩基性基含有ポリエステル系高分子顔料分散剤、塩基性基含有アクリル系高分子顔料分散剤等が挙げられる。これらの中でも、塩基性基含有ウレタン系高分子顔料分散剤、塩基性基含有アクリル系高分子顔料分散剤が好ましい。前記塩基性基含有ウレタン系高分子顔料分散剤は、ポリエステル鎖、ポリエーテル鎖、及びポリカーボネート鎖よりなる群から選択される少なくとも1種を有する塩基性基含有ウレタン系高分子顔料分散剤がより好ましい。
【0029】
前記塩基性基含有顔料分散剤は、ブラックマトリックス用顔料分散組成物を低粘度化することができ、塗膜中のカーボンブラックを高濃度にすることができる観点から、アミン価が5~50mgKOH/gであることが好ましく、アミン価が5~35mgKOH/gであることがより好ましい。なお、アミン価とは、遊離塩基及び塩基の総量を示すもので、試料1gを中和するのに要する塩酸に対して当量の水酸化カリウムのmg数で表したものである。
【0030】
前記塩基性基含有顔料分散剤は、前記カーボンブラック100質量部に対して、1~100質量部であることが好ましく、2~50質量部であることがより好ましい。
【0031】
<酸性基含有顔料分散助剤>
前記酸性基含有顔料分散助剤は、顔料の分散性をより改善する目的で使用され、例えば、ラクタムブラック、ペリレン系化合物、ジケトピロロピロール系化合物、アゾナフトール系化合物、ジオキサジン系化合物、キナクリドン系化合物、フタロシアニン系化合物及びその金属錯体、アントラキノン、ナフタレン、アクリドン、又はトリアジン等の色素に、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性基が導入された化合物(酸性基を有する色素誘導体)や、それらを有機アミン等で中和した化合物が挙げられる。前記酸性基を有する色素誘導体としては、カーボンブラックの分散性が良好である観点から、スルホン酸基を有するフタロシアニン系(フタロシアニン骨格を有する)色素誘導体が好ましい。前記酸性基含有顔料分散助剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0032】
前記酸性基含有顔料分散助剤は、前記カーボンブラック100質量部に対して、0.1~20質量部であることが好ましく、1~10質量部であることがより好ましい。
【0033】
<アルカリ可溶性樹脂>
前記アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性カルド樹脂である。前記アルカリ可溶性カルド樹脂は、アルカリ現像液に溶解できるものであれば特に制限はないが、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基等のアニオン性基の1種又は2種以上を含有する樹脂が好ましい。前記アルカリ可溶性樹脂は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0034】
前記アルカリ可溶性カルド樹脂とは、カルド骨格を有するアルカリ可溶性樹脂のことをいい、カルド骨格とは、環状構造を構成する環炭素原子である4級炭素原子に、2つの芳香族基が単結合で繋がった骨格をいう。アルカリ可溶性カルド樹脂の具体例としては、例えば、ADEKA ARKLS WR-301(ADEKA社製)、オグゾールCR-TR1、CR-TR2、CR-TR3、CR-TR4、CR-TR5、CR-TR6(以上、大阪ガスケミカル社製)が挙げられる。
【0035】
前記アルカリ可溶性カルド樹脂の酸価は、アルカリ現像性の観点から、10mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましく、20mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることがより好ましい。
【0036】
前記アルカリ可溶性樹脂は、前記カーボンブラック100質量部に対して、2質量部以上45質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
【0037】
<溶剤>
前記溶剤は、ブラックマトリックス用顔料分散組成物に使用される公知の溶剤を使用できる。前記溶剤は、顔料を安定的に分散させ、前記塩基性基含有顔料分散剤や前記アルカリ可溶性樹脂を十分に溶解させることができる観点から、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、エーテルエステル系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、含窒素系溶剤等が好ましい。前記溶剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0038】
前記エステル系溶剤としては、2-ヒドロキシプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、3-メチル-3-メトキシブチルプロピオネート、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エステル、蟻酸n-アミル等が挙げられる。前記エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等が挙げられる。前記エーテルエステル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。前記ケトン系溶剤としては、例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、δ-ブチロラクトン等が挙げられる。前記芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、アルキルナフタレン等が挙げられる。前記含窒素系溶剤としては、例えば、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
【0039】
前記溶剤の割合は、前記ブラックマトリックス用顔料分散組成物中、工程性の観点から、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、そして、分散安定性の観点から、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。
【0040】
前記ブラックマトリックス用顔料分散組成物には、さらに、必要に応じて、レベリング剤、前記アルカリ可溶性カルド樹脂以外の樹脂、酸化防止剤、消泡剤等の添加剤を添加してもよい。
【0041】
前記ブラックマトリックス用顔料分散組成物中、前記カーボンブラック、前記無機化合物、前記塩基性基含有顔料分散剤、前記酸性基含有顔料分散助剤、前記アルカリ可溶性樹脂、及び前記溶剤の合計の割合は、75質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。
【0042】
前記ブラックマトリックス用顔料分散組成物は、上記の各成分をロールミル、ニーダー、高速攪拌機、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、高圧分散装置等を用いて、分散処理して調製すればよい。
【0043】
<ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物>
本発明のブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物は、前記ブラックマトリックス用顔料分散組成物、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含む。なお、前記カーボンブラックの割合は、前記ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物の固形分中、30質量%以上80質量%以下であることが好ましい。また、前記無機化合物の割合は、前記ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物の固形分中、細線密着性および表面荒れ耐性と、顔料分散組成物の安定性およびブラックマトリックスの黒色性を兼ね備える観点から、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上8.0質量%以下であることがより好ましい。
【0044】
<光重合性化合物>
前記光重合性化合物は、ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物に使用される公知の光重合性化合物を使用でき、例えば、光重合性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマー等が挙げられる。前記光重合性化合物は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0045】
光重合性不飽和結合を1個有するモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート等のアルキルメタクリレート又はアクリレート;ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレート等のアラルキルメタクリレート又はアクリレート;ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート等のアルコキシアルキルメタクリレート又はアクリレート;N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート等のアミノアルキルメタクリレート又はアクリレート;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル;ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル等のポリアルキレングリコールモノアリールエーテルのメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル;イソボニルメタクリレート又はアクリレート;グリセロールメタクリレート又はアクリレート;2-ヒドロキシエチルメタクリレート又はアクリレート等が挙げられる。
【0046】
光重合性不飽和結合を2個以上有するモノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリセロールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
【0047】
光重合性不飽和結合を有するオリゴマーとしては、例えば、前記モノマーを適宜重合させて得られたものが挙げられる。
【0048】
前記光重合性化合物は、前記ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物の固形分中、2~20質量%であることが好ましく、4~15質量%であることがより好ましい。
【0049】
前記光重合開始剤は、ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物に使用される公知の光重合開始剤を使用でき、例えば、ベンゾフェノン、N,N’-テトラエチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2-ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α-ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、t-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2,3-ジクロロアントラキノン、3-クロル-2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、1,4-ナフトキノン、1,2-ベンゾアントラキノン、1,4-ジメチルアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、トリアジン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤等が挙げられる。前記光重合開始剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0050】
前記光重合開始剤は、前記ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物の固形分中、0.1~15質量%であることが好ましく、1~10質量%であることがより好ましい。
【0051】
前記ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物は、アルカリ現像液による現像性の観点から、上記のアルカリ可溶性樹脂をさらに添加してもよい。また、前記アルカリ可溶性樹脂の合計は、前記ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物の固形分中、4質量%以上20質量%以下であることが好ましい。また、前記ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物は、塗装性を向上させる観点から、上記の溶剤をさらに添加してもよい。前記溶剤の合計の割合は、前記ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物中、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
【0052】
前記ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物には、さらに、必要に応じて、表面改質剤、レベリング剤、酸化防止剤、消泡剤等の添加剤を添加してもよい。ただし、臭気性の観点から、チオール化合物は含まないほうが好ましい。
【0053】
前記ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物は、前記ブラックマトリックス用顔料分散組成物、光重合性化合物、及び光重合開始剤等の各成分を、攪拌装置等を用いて、攪拌混合して調製すればよい。
【0054】
<ブラックレジスト膜>
本発明のブラックレジスト膜は、前記ブラックマトリックス用レジスト組成物を用いて、公知の手段にて得られる。
【0055】
本発明のブラックマトリックスの形成方法としては特に限定されず、例えば、透明基板上に本発明のブラックマトリックス用レジスト組成物を塗布し、乾燥して塗膜を形成した後、上記塗膜上にフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して画像露光、現像、必要に応じて光硬化等の方法によりブラックマトリックスを形成することができる。
【実施例0056】
以下に本発明を実施例等によって説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。
【0057】
<調製例1~13、比較調製例1~4>
<ブラックマトリックス用顔料分散組成物の調製>
表1または2に示す各種原料を、表1または2に示す配合組成(質量%)となるように混合した後、ビーズミルで練肉し、各調製例及び比較調製例のブラックマトリックス用顔料分散組成物を調製した。
【0058】
<実施例1~13、比較例1~4>
<ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物の調製>
表3または4に示す各種原料を、表3または4に示す配合組成(質量%)となるように、高速撹拌機を用いて混合した後、孔径0.5μmのフィルターで濾過し、各実施例及び比較例のブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物を調製した。
【0059】
上記で得られたブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物を用い、以下の評価方法にしたがって、各項目を評価した。結果を表2に示す。
【0060】
<細線密着性>
上記の各ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物を、スピンコーターにて膜厚2μmとなるようにガラス基板(EAGLE XG)上に塗布し、100℃で3分間プレベークした。次いで、1μmから20μmの線幅について1μm間隔のラインパターンを有するフォトマスクを用いて、高圧水銀灯を用い、UV積算光量100mJ/cmで露光した。その後、23℃、0.04%水酸化カリウム水溶液中、1kgf/cmのシャワー現像圧にて現像パターンが現れ始める時間(ブレイクポイント)から現像を開始し、細線密着性の評価においては、ブレイクポイントの1.3倍および1.5倍の時間になったところで現像を終了し、最後に、1kgf/cm圧のスプレー水洗を行った。水洗後のガラス基板上に残存する最小のラインパターンのサイズ(μm)を評価した。なお、ブレイクポイントの1.3倍においては、最小のラインパターンのサイズ(μm)が13μm以下であるものを合格基準とし、6μm以下であることが好ましく、そして、ブレイクポイントの1.5倍においては、最小のラインパターンのサイズ(μm)が22μm以下であるものを合格基準とし、9μm以下であることが好ましい。
【0061】
<表面荒れ耐性>
ブレイクポイントの1.3倍で現像を終了し、スプレー水洗したガラス基板について、光学顕微鏡(倍率1000倍)で表面を観察し、以下の基準で評価した。〇または△を合格基準とし、〇が好ましい。
〇:塗膜の全面に表面荒れがない。
△:塗膜の一部に表面荒れが見られる。
×:塗膜の全面に表面荒れが見られる。
【0062】
<水ムラ>
各ブラックマトリックス用顔料分散レジスト組成物を、スピンコーターにて膜厚1.5μmとなるようにガラス基板(EAGLE XG)上に塗布し、100℃で3分間プレベークした。次いで、高圧水銀灯を用い、UV積算光量40mJ/cmで露光した。その後、23℃、0.04%水酸化カリウム水溶液中、1kgf/cmのシャワー現像圧にて現像をブレイクポイントの1.1倍で行い、最後に、1kgf/cm圧のスプレー水洗を行った。水洗後のガラス基板について、表面を観察し、以下の基準で評価した。〇または△を合格基準とし、〇が好ましい。
〇:塗膜の全面にムラがない。
△:塗膜の一部にムラが見られる。
×:塗膜の全面にムラが見られる。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
表1-4中、Raven1080は、カーボンブラック(平均一次粒子径28nm、pH2.4、コロンビアケミカルズ社製);
C301Nは、水酸化アルミニウム(メジアン径1.5μm、住友化学社製);
C302Aは、水酸化アルミニウム(メジアン径2.4μm、住友化学社製);
AKP-053は、酸化アルミニウム(メジアン径0.17μm、住友化学社製);
BF40は、沈降性硫酸バリウム『BARIFINE BF-40』(メジアン径0.01μm、堺化学工業社製);
BTC-4FAは、チタン酸バリウム(平均一次粒子径200nm、日本化学工業社製);
IXE-500は、陰イオン捕捉剤(ビスマス系、メジアン径1.5μm、東亞合成社製);
IXE-100は、陽イオン捕捉剤(ジルコニウム系、メジアン径1μm、東亞合成社製);
SP-2は、窒化ホウ素(デンカボロンナイトライドSP-2、メジアン径4μm、デンカ社製);
SP-3は、窒化ホウ素(デンカボロンナイトライドSP-3、メジアン径4μm、デンカ社製);
DB167は、ポリエステル鎖を有するアミノ基含有ポリウレタン系高分子分散剤(ビックケミー社製、固形分のアミン価25mgKOH/g、固形分52質量%);
SS5000Sは、スルホン酸基を有するフタロシアニン系色素誘導体(ルブリゾール社製);
SS12000Sは、スルホン酸基を有するフタロシアニン系色素誘導体(ルブリゾール社製);
カルド系樹脂は、アルカリ可溶性カルド樹脂『ADEKA ARKLS WR-301』(酸価100mgKOH/g、Mw6,000、固形分44%、ADEKA社製);
アクリル系樹脂1は、アルカリ可溶性アクリル樹脂『フォレット ZAH-110』(酸価100mgKOH/g、Mw1,0000、固形分35%、綜研化学社製);
アクリル系樹脂2は、アルカリ可溶性アクリル樹脂『フォレット ZAH-510』(酸価100mgKOH/g、Mw5,0000、固形分35%、綜研化学社製);
DPHAは、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート;
イルガキュア OXE02は、オキシムエステル系光重合開始剤『IRGACURE OXE02』(BASFジャパン社製);
MF-554は、『メガファック F-554』(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、固形分100%、DIC社製);
PGMEAは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;を示す。
【0068】
表4中、比較例2の評価不可は、現像後に細線が残らないことを示す。また、比較例3の評価不可は、現像液に180秒以上暴露しても溶解が始まらなかったことを示す。また、表3及び4中の「-」は評価をしていないことを示す。