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特開2024-69083ゲームシステム、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069083
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】ゲームシステム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20240514BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240514BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20240514BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240514BHJP
【FI】
A63F13/79 520
A63F13/69 510
A63F13/792
A63F13/53
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179876
(22)【出願日】2022-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】黒田 康平
(57)【要約】
【課題】ユーザ間でゲーム媒体を循環する新たな技術を提供する。
【解決手段】情報処理方法(S1)は、第1ユーザの指示に応じて、当該第1ユーザに関連付けられているゲーム媒体の中から、当該第1ユーザ以外のユーザに関連付けるゲーム媒体の候補である候補ゲーム媒体を特定する、候補ゲーム媒体特定ステップ(S105)と、特定された候補ゲーム媒体を含む候補ゲーム媒体グループを作成する、グループ作成ステップ(S107)と、第1ユーザ以外の第2ユーザの指示に応じて、候補ゲーム媒体グループの中から抽選によって特定されたゲーム媒体を当該第2ユーザに関連付け、抽選によって特定された候補ゲーム媒体を、候補ゲーム媒体グループから削除する、抽選処理ステップ(S217)と、抽選が実行されたことに応じて、第1ユーザに報酬を付与するための処理を行なう報酬付与ステップ(S221)と、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザの指示に応じて、当該第1ユーザに関連付けられているゲーム媒体の中から、当該第1ユーザ以外のユーザに関連付けるゲーム媒体の候補である候補ゲーム媒体を特定する、候補ゲーム媒体特定部と、
前記候補ゲーム媒体特定部によって特定された候補ゲーム媒体を含む候補ゲーム媒体グループを作成する、グループ作成部と、
前記第1ユーザ以外の第2ユーザの指示に応じて、前記候補ゲーム媒体グループの中から抽選によって特定されたゲーム媒体を当該第2ユーザに関連付け、前記抽選によって特定された候補ゲーム媒体を、前記候補ゲーム媒体グループから削除する、抽選処理部と、
前記抽選が実行されたことに応じて、前記第1ユーザに報酬を付与するための処理を行なう報酬付与部と、を含む、
ゲームシステム。
【請求項2】
前記抽選処理部は、前記第2ユーザが保有するゲーム価値の消費を要件として、前記抽選によって特定されたゲーム媒体を、前記第2ユーザに関連付ける、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記報酬付与部は、前記報酬として、前記抽選の実行のために前記第2ユーザが消費したゲーム価値と同じ種類のゲーム価値を、前記第2ユーザが消費した当該ゲーム価値の量以下の量で、前記第1ユーザに付与する、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記抽選を実行するために要件とする、前記ゲーム価値についての条件を設定する、条件設定部をさらに含み、
前記条件設定部は、前記第1ユーザが前記条件を設定する操作を受け付ける、
請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記候補ゲーム媒体特定部は、前記第1ユーザが保有する有償のゲーム価値を消費したことに応じて当該第1ユーザに関連付けられたゲーム媒体を、前記候補ゲーム媒体として特定可能である、
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記候補ゲーム媒体特定部が、前記第1ユーザの指示に応じて特定した候補ゲーム媒体の少なくとも一部は、ブロックチェーン上で保有者が管理される非代替性トークンが関連付けられている、
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項7】
候補ゲーム媒体に新たなユーザが関連付けられることに応じて当該候補ゲーム媒体に関連付けられる情報の、履歴を示す履歴情報を取得する、履歴情報取得部と、
前記第2ユーザに対して、前記履歴情報を表示させるための処理を行なう、表示制御部と、をさらに含む、
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記抽選処理部は、前記第2ユーザが保有するゲーム価値の消費を要件として、前記抽選によって特定されたゲーム媒体を、前記第2ユーザに関連付け、
前記履歴情報は、前記新たなユーザが前記候補ゲーム媒体を当該ユーザに関連付けるために消費したゲーム価値を示す情報を含み、
前記抽選を実行するために要件とする、前記ゲーム価値についての条件を設定する、条件設定部をさらに含み、
前記条件設定部は、前記ゲーム価値の消費量を前記履歴情報に基づいて設定する、
請求項7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記抽選を実行するために要件とする、前記ゲーム価値についての条件を設定する、条件設定部と、
前記候補ゲーム媒体グループに含まれる、少なくとも一部の前記候補ゲーム媒体の価値を示す価値情報を取得する、価値情報取得部と、をさらに含み、
前記条件設定部は、前記ゲーム価値の消費量を前記価値情報に基づいて設定する、
請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記第1ユーザの指示に応じて、前記抽選処理部における前記指示を入力可能な前記第2ユーザを特定する、第2ユーザ特定部をさらに含む、
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項11】
1または複数のコンピュータが実行する情報処理方法であって、
第1ユーザの指示に応じて、当該第1ユーザに関連付けられているゲーム媒体の中から、当該第1ユーザ以外のユーザに関連付けるゲーム媒体の候補である候補ゲーム媒体を特定する、候補ゲーム媒体特定ステップと、
前記候補ゲーム媒体特定ステップにおいて特定された候補ゲーム媒体を含む候補ゲーム媒体グループを作成する、グループ作成ステップと、
前記第1ユーザ以外の第2ユーザの指示に応じて、前記候補ゲーム媒体グループの中から抽選によって特定されたゲーム媒体を当該第2ユーザに関連付け、前記抽選によって特定された候補ゲーム媒体を、前記候補ゲーム媒体グループから削除する、抽選処理ステップと、
前記抽選が実行されたことに応じて、前記第1ユーザに報酬を付与するための処理を行なう報酬付与ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項12】
1または複数のコンピュータに、
第1ユーザの指示に応じて、当該第1ユーザに関連付けられているゲーム媒体の中から、当該第1ユーザ以外のユーザに関連付けるゲーム媒体の候補である候補ゲーム媒体を特定する、候補ゲーム媒体特定ステップと、
前記候補ゲーム媒体特定ステップにおいて特定された候補ゲーム媒体を含む候補ゲーム媒体グループを作成する、グループ作成ステップと、
前記第1ユーザ以外の第2ユーザの指示に応じて、前記候補ゲーム媒体グループの中から抽選によって特定されたゲーム媒体を当該第2ユーザに関連付け、前記抽選によって特定された候補ゲーム媒体を、前記候補ゲーム媒体グループから削除する、抽選処理ステップと、
前記抽選が実行されたことに応じて、前記第1ユーザに報酬を付与するための処理を行なう報酬付与ステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ間でゲーム媒体を循環する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームを複数のユーザ間で盛上げるための施策として、各ユーザが所有するキャラクタ、アイテム等のゲーム媒体を、異なるユーザと授受することで、ユーザ間でゲーム媒体を循環させる施策が考えられる。例えば、特許文献1には、ゲーム内において利用される利用対象を取引するユーザ間取引について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-150207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術のように、ユーザ間でゲーム媒体を循環させる仕組みとしては、譲渡、交換等がある。しかし、ユーザ同士の交流をさらに盛り上げるために、ユーザ間でゲーム媒体を循環する仕組みの多様化が求められている。
【0005】
本発明の一態様は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ユーザ間でゲーム媒体を循環する新たな技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るゲームシステムは、第1ユーザの指示に応じて、当該第1ユーザに関連付けられているゲーム媒体の中から、当該第1ユーザ以外のユーザに関連付けるゲーム媒体の候補である候補ゲーム媒体を特定する、候補ゲーム媒体特定部と、前記候補ゲーム媒体特定部によって特定された候補ゲーム媒体を含む候補ゲーム媒体グループを作成する、グループ作成部と、前記第1ユーザ以外の第2ユーザの指示に応じて、前記候補ゲーム媒体グループの中から抽選によって特定されたゲーム媒体を当該第2ユーザに関連付け、前記抽選によって特定された候補ゲーム媒体を、前記候補ゲーム媒体グループから削除する、抽選処理部と、前記抽選が実行されたことに応じて、前記第1ユーザに報酬を付与するための処理を行なう報酬付与部と、を含む。
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理方法は、1または複数のコンピュータが実行する情報処理方法であって、第1ユーザの指示に応じて、当該第1ユーザに関連付けられているゲーム媒体の中から、当該第1ユーザ以外のユーザに関連付けるゲーム媒体の候補である候補ゲーム媒体を特定する、候補ゲーム媒体特定ステップと、前記候補ゲーム媒体特定ステップにおいて特定された候補ゲーム媒体を含む候補ゲーム媒体グループを作成する、グループ作成ステップと、前記第1ユーザ以外の第2ユーザの指示に応じて、前記候補ゲーム媒体グループの中から抽選によって特定されたゲーム媒体を当該第2ユーザに関連付け、前記抽選によって特定された候補ゲーム媒体を、前記候補ゲーム媒体グループから削除する、抽選処理ステップと、前記抽選が実行されたことに応じて、前記第1ユーザに報酬を付与するための処理を行なう報酬付与ステップと、を含む。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、1または複数のコンピュータに、第1ユーザの指示に応じて、当該第1ユーザに関連付けられているゲーム媒体の中から、当該第1ユーザ以外のユーザに関連付けるゲーム媒体の候補である候補ゲーム媒体を特定する、候補ゲーム媒体特定ステップと、前記候補ゲーム媒体特定ステップにおいて特定された候補ゲーム媒体を含む候補ゲーム媒体グループを作成する、グループ作成ステップと、前記第1ユーザ以外の第2ユーザの指示に応じて、前記候補ゲーム媒体グループの中から抽選によって特定されたゲーム媒体を当該第2ユーザに関連付け、前記抽選によって特定された候補ゲーム媒体を、前記候補ゲーム媒体グループから削除する、抽選処理ステップと、前記抽選が実行されたことに応じて、前記第1ユーザに報酬を付与するための処理を行なう報酬付与ステップと、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図1に示すゲームサーバの機能的構成を示すブロック図である。
図3図1に示すユーザ端末の機能的構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る情報処理方法の流れを説明するフロー図である。
図5】グループ設定ユーザインタフェース(UI)の画面例を示す図である。
図6】BOX内容変更UIの画面例を示す図である。
図7】現在のBOX内容を確認するための画面例を示す図である。
図8】目玉キャラクタ変更UIの画面例を示す図である。
図9】BOXガチャ選択UIの画面例を示す図である。
図10】BOXガチャ実行UIの画面例を示す図である。
図11】候補キャラクタの詳細情報の画面例を示す図である。
図12】第2ユーザに通知される抽選結果を示す画面例を示す図である。
図13】履歴情報を算出する際に参照されるトランザクションデータの一例を示す図である。
図14】価値情報を算出する際に参照される履歴情報の一例を示す図である。
図15】販売価格設定UIの画面例を示す図である。
図16】変動する販売価格の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、本発明の一実施形態に係るゲームシステム1について、詳細に説明する。
【0011】
<ゲームシステム1の構成>
図1は、ゲームシステム1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、ゲームシステム1は、ゲームサーバ10、ユーザ端末30-1、30-2、およびブロックチェーンシステム50を含む。これらの装置は、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネットを含むがこれに限られない。ユーザ端末30-1、30-2を特に区別して説明する必要がない場合には、それぞれを単にユーザ端末30とも記載する。なお、図1には、2つのユーザ端末30を示しているが、ゲームシステム1に含まれるユーザ端末30の個数は、3以上であってもよい。
【0012】
ゲームサーバ10は、ユーザ端末30に対するユーザの操作に応じてゲームを進行させる装置である。また、ゲームサーバ10は、ユーザ端末30に対するユーザの操作に応じて、ゲームを進行させるために利用されるゲーム媒体を、ユーザ間で循環させるための処理を実行する。ユーザ端末30は、ゲームをプレイするユーザにより操作される端末である。ブロックチェーンシステム50は、ゲームにおいて用いられるゲーム媒体に関連付けられた非代替性トークン(Non-Fungible Token:以下、NFT)を記憶する。
【0013】
(ゲームサーバ10が進行させるゲーム)
ゲームサーバ10は、ゲームプログラムを実行することによりゲームを進行させる。なお、当該ゲームプログラムの一部は、ゲームサーバ10とは異なる他の装置(例えば、ユーザ端末30等)が実行するものであってもよい。ゲームサーバ10は、ユーザの操作に基づいて、後述するゲーム媒体を用いて進行するゲームを提供する。
【0014】
また、ゲームサーバ10が進行させるゲームは、複数のユーザの操作により進行するマルチプレイゲームであってもよく、単一のユーザの操作により進行するシングルプレイゲームであってもよい。また、マルチプレイゲームである場合、当該ゲームは、各ユーザが利用するユーザ端末30が互いに通信することにより進行するオンラインゲームであってもよく、単一のユーザ端末を複数のユーザが操作することにより進行するゲームであってもよい。また、ゲームサーバ10が進行させるゲームは、複数のユーザ(または、ユーザおよびコンピュータ)が対戦して進行する対戦ゲームであってもよい。また、当該ゲームは、複数のユーザ(または、ユーザおよびコンピュータ)が協力して進行させる協力ゲームであってもよい。
【0015】
(ゲーム媒体)
「ゲーム媒体」とは、ゲームの進行に用いられるゲーム内の媒体である。例えば、ゲーム媒体は、ゲーム内に登場するキャラクタ或いはキャラクタに対応するキャラクタカードなどのゲームオブジェクトやゲーム内で使用する各種のアイテム(例えば、キャラクタに装備することで所定の効果を発揮するアイテム)、ゲーム内価値(例えばゲーム内通貨、アイテムと交換するためのポイント)であってもよい。また、例えば、ゲーム媒体は、ユーザが所持可能な単位である。所持可能な単位とは、例えば、消費したり、後述する候補ゲーム媒体として特定したりするときの最小単位である。
【0016】
また、ゲーム媒体には、ゲーム媒体の種類を識別するためのゲーム媒体識別情報(以下、「ゲーム媒体ID」ともいう。)が関連付けられる。ゲーム媒体IDとしては、例えば、ゲーム媒体の名前(例えば、キャラクタ名等)自体、ゲーム媒体を識別するための識別子等が挙げられる。また、ゲーム媒体には、個々のゲーム媒体を識別するためのシリアル情報(以下、「ゲーム媒体シリアル」という。)が関連付けられていてもよい。換言すると、ゲーム媒体IDが同じゲーム媒体であっても、複数のゲーム媒体間では、関連付けられたゲーム媒体シリアルは互いに異なる。
【0017】
また、ゲーム媒体には、当該ゲーム媒体をゲームの進行において利用可能なユーザが関連付けられる。この関連付けは、ゲーム媒体シリアルの単位で行われる。以降、「ユーザに関連付けられたゲーム媒体」を「ユーザが所持するゲーム媒体」等ともいう。また、「ゲーム媒体に関連付けられたユーザ」を「ゲーム媒体の所有者」等ともいう。また、「ゲーム媒体にユーザを関連付ける」ことを「ゲーム媒体をユーザに付与する」といい、「ユーザがゲーム媒体に関連付けられる」ことを「ユーザがゲーム媒体を取得する」ともいう。また、ゲーム媒体の所有者は更新可能である。つまり、ゲーム媒体は、最初に或るユーザに付与された後、所有者が他のユーザに変更される場合がある。このような「ゲーム媒体の所有者の更新」は、「ゲーム媒体に新たなユーザが関連付けられる」ことに相当する。
【0018】
所有者の更新は、例えば、抽選によるゲーム媒体の当選、取引によってゲーム媒体の所持者が変更するときなどに発生する。抽選の具体的な態様としては、例えば、以下の実施形態で説明するように、第1ユーザの指示に基づいて作成される候補ゲーム媒体グループを抽選対象とする抽選、ゲームの運営者(以下、単に「運営者」という)が提供する抽選等が挙げられる。また、取引の具体的な態様としては、例えば、ユーザ間での売買、ユーザ間でのゲーム媒体同士の交換、オークション、運営者からの購入等が挙げられる。「ユーザ間での売買」とは、ユーザが所持するゲーム媒体に対してゲーム価値の消費量を設定し、他のユーザが、自身が所持するゲーム価値を当該消費量分だけ消費することを条件に、当該ゲーム媒体を当該他のユーザに付与することをいう。「ゲーム価値」とは、消費することによってゲーム媒体を取得可能な通貨であり、例えば、ポイント(例えば、アプリケーション、ゲーム媒体を購入するプラットホームで、購入のために使用できるポイント等)を示す情報等である。ゲーム価値としては、例えば、金銭、暗号資産等が挙げられる。「ユーザ間でのゲーム媒体同士の交換」とは、ユーザが所持するゲーム媒体の所有者を他のユーザに更新することと引き換えに、当該他のユーザが所持するゲーム媒体の所有者を当該ユーザに更新することである。また、オークションとは、ユーザまたは運営者が出品したゲーム媒体に対して、他のユーザが当該ゲーム媒体を取得するために消費すべき自身のゲーム価値の消費量を提案し、最も高い量の消費量を提案したユーザに対して、当該消費量のゲーム価値の消費を条件に、当該ゲーム媒体を当該提案したユーザに付与することである。
【0019】
また、ゲーム媒体には、NFTが関連付けられたゲーム媒体(以下、「NFTゲーム媒体」という。)と、NFTが関連付けられていないゲーム媒体とが含まれる。NFTゲーム媒体は、その所有者がブロックチェーンシステム50において管理される。NFTが関連付けられていないNFTゲーム媒体は、その所有者がゲームサーバ10によって管理される。ゲーム媒体にNFTが関連付けられていることによって、取引履歴に関する情報をより容易に取得することができる。また、ゲーム媒体にNFTが関連付けられていることによって、ゲーム媒体の信用を保つことができる。例えば、不正行為によって生成されたものでは無いことを示すことができる。
【0020】
(ゲームサーバ10のハードウェア構成)
図1に示すように、ゲームサーバ10は、例えば、プロセッサ11、メモリ12および通信インタフェース13を含む。これらの構成要素は、バス19を介して接続される。
【0021】
プロセッサ11は、メモリ12に記憶されたプログラムを実行することにより、ゲームサーバ10の各部を制御する。プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の集積回路によって構成される。
【0022】
メモリ12は、プロセッサ11が実行するプログラム、および、プロセッサ11が使用する各種のデータを記憶する。メモリ12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、またはこれらの組み合わせによって構成される。なお、メモリ12の一部または全部は、ゲームサーバ10に内蔵されることに限らず、USB(Universal Serial Bus)等の入出力インタフェース(図示せず)を介して外付けされていてもよい。また、メモリ12の一部または全部は、ゲームサーバ10とは独立した装置として、ネットワークを介してゲームサーバ10に接続されていてもよい。
【0023】
通信インタフェース13は、ネットワークNWに接続するインタフェースである。通信インタフェース13は、例えば、イーサネット(登録商標)等の有線接続インタフェースまたはWiFi(登録商標)等の無線接続インタフェースによって構成される。
【0024】
(ユーザ端末30のハードウェア構成)
図1に示すように、ユーザ端末30は、例えば、プロセッサ31、メモリ32、通信インタフェース33、入力装置34、および表示装置35を含む。これらの構成要素は、バス39を介して接続される。
【0025】
プロセッサ31、メモリ32、および通信インタフェース33については、ゲームサーバ10が備える同名の構成要素と同様に説明されるため、詳細な説明を繰り返さない。入力装置34は、ユーザの操作を受け付ける装置であり、例えば、コントローラ、キーボード、マウス、タッチパッド、マイク、またはこれらの組み合わせ等によって構成される。表示装置35は、ゲーム画面等を表示する装置であり、例えば、ディスプレイによって構成される。なお、ユーザ端末30は、カメラ、スピーカ、マイク(何れも図示せず)等、ゲームを進行させるために必要な各種の入出力装置を含んでいてもよい。
【0026】
(ブロックチェーンシステム50の構成)
ブロックチェーンシステム50は、NFTゲーム媒体に関連付けられたNFTおよび当該NFTゲーム媒体の所有者情報等を含むトランザクションデータを格納したブロックの列であるブロックチェーンを、複数の分散ノード(図示せず)に分散して記憶する。トランザクションデータは、NFTゲーム媒体の所有者が更新されることに応じて生成され、ブロックチェーンシステム50に格納される。トランザクションデータに含まれる情報の詳細については後述する。
【0027】
ブロックチェーンシステム50は、公知のブロックチェーン技術により実現される。例えば、ブロックチェーンシステム50には、複数の分散ノードが含まれる。各分散ノードは、新たに格納すべきトランザクションデータを含むブロックを生成するためのマイニングを実行する。複数のノードのうち所定のコンセンサスアルゴリズムに基づくマイニングに成功したノードによって生成されたブロックが、正当なブロックとしてブロックチェーンの末尾に追加される。各ノードが記憶するブロックチェーンは、正当なブロックが追加されたブロックチェーンに同期する。ブロックチェーンが分岐した場合は、最も長いブロックチェーンが正当なブロックチェーンとなる。不正なブロックが追加されたブロックチェーンは他のブロックチェーンより短いため、正当なブロックチェーンにより上書きされる。
【0028】
このようなブロックチェーンシステム50に記憶されるトランザクションデータは、改ざん、消去が難しいとの特性を有する。したがって、ブロックチェーンシステム50に記憶されたトランザクションデータを参照することにより、NFTゲーム媒体に関して信頼性の高い所有者情報、信頼性の高い取引の履歴情報等を取得可能である。
【0029】
(ゲームサーバ10の機能的構成)
図2は、ゲームサーバ10の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、ゲームサーバ10は、制御部110および記憶部130を含む。制御部110は、プロセッサ11がメモリ12に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。記憶部130はメモリ12によって構成される。
【0030】
制御部110は、候補ゲーム媒体特定部111、グループ作成部112、抽選処理部113、報酬付与部114、条件設定部115、履歴情報取得部116、表示制御部117、価値情報取得部118、および第2ユーザ特定部119を含む。なお、これらの機能ブロックは、ユーザ端末30と通信しながら機能する。記憶部130は、所有情報、履歴情報、および価値情報を記憶する。
【0031】
候補ゲーム媒体特定部111は、第1ユーザの指示に応じて、当該第1ユーザに関連付けられているゲーム媒体の中から、当該第1ユーザ以外のユーザに関連付けるゲーム媒体の候補である候補ゲーム媒体を特定する。第1ユーザは、例えば、ユーザ端末30-1を操作するユーザである。また、後述する第2ユーザは、第1ユーザとは異なるユーザであり、例えば、ユーザ端末30-2を操作するユーザである。「候補ゲーム媒体」とは、第1ユーザが所持するゲーム媒体のうち、第1ユーザ以外のユーザに関連付けるゲーム媒体の候補であるゲーム媒体である。
【0032】
また、候補ゲーム媒体特定部111は、第1ユーザが保有する有償のゲーム価値を消費したことに応じて当該第1ユーザに関連付けられたゲーム媒体を、候補ゲーム媒体として特定可能である。第1ユーザは、当該候補ゲーム媒体を取得するために消費した金銭に対して、報酬によってその一部の回収、または、当該金銭の額を上回る利益を得る機会を得ることができる。また、本発明の一態様として、第2ユーザによる抽選の実行のためにゲーム価値の消費が必要であり、第1ユーザへの報酬が当該ゲーム価値の種類、量に応じて付与される態様である場合においては、第1ユーザは、より多くの報酬を得るために、より価値の高いゲーム媒体を候補ゲーム媒体とすることを動機づけられる。
【0033】
「有償のゲーム価値」とは、ゲーム価値のうち、ゲーム外で流通している通貨、またはこれらと引き換えにユーザに付与されたゲーム価値である。「有償のゲーム価値」とは、例えば、金銭、暗号資産、またはこれらと引き換えにユーザに付与されたゲーム価値(例えば、前述のポイント等を示す情報)等が挙げられる。
【0034】
また、「有償のゲーム価値を消費したことに応じて第1ユーザに関連付けられたゲーム媒体」(以下、「有償のゲーム媒体」ともいう。)とは、例えば、有償のゲーム価値の消費と引き換えに、第1ユーザが直接指定して付与されたゲーム媒体であってもよく、有償のゲーム価値の消費と引き換えに実行される、複数のゲーム媒体の中からゲームシステム1がゲーム媒体を特定する処理(例えば、抽選)によって特定された(抽選の場合は当選した)ゲーム媒体であってもよい。
【0035】
なお、候補ゲーム媒体特定部111は、第1ユーザが有償のゲーム価値を消費することなく取得したゲーム媒体(以下、「無償のゲーム媒体」ともいう。)を、候補ゲーム媒体として特定してもよい。無償のゲーム媒体とは、例えば、無償の抽選により付与されたゲーム媒体、ゲームの進行に応じた報酬(例えば、課題達成の報酬、ゲームの起動回数、ログイン回数等に応じた報酬)として付与されたゲーム媒体等が挙げられる。候補ゲーム媒体として特定可能なゲーム媒体を有償のゲーム媒体に限定するか否かは、運営者により定められてもよい。
【0036】
また、候補ゲーム媒体特定部111が、第1ユーザの指示に応じて特定した候補ゲーム媒体の少なくとも一部は、ブロックチェーンシステム50上で保有者が管理されるNFTが関連付けられていてもよい。換言すると、第1ユーザは、候補ゲーム媒体の少なくとも一部として、上述したNFTゲーム媒体を特定する指示を行ってもよい。例えば、第1ユーザは、複数の候補ゲーム媒体として、全てNFTゲーム媒体を特定してもよく、一部にNFTゲーム媒体を特定し、残りをNFTが関連付けられていないゲーム媒体を特定してもよく、全てNFTが関連付けられていないゲーム媒体を特定してもよい。
【0037】
グループ作成部112は、候補ゲーム媒体特定部111によって特定された候補ゲーム媒体を含む候補ゲーム媒体グループを作成する。「候補ゲーム媒体グループ」とは、抽選処理部113における抽選の対象となる複数の候補ゲーム媒体を含むグループである。例えば、候補ゲーム媒体グループは、第1ユーザの指示によって特定された候補ゲーム媒体以外の候補ゲーム媒体を含んでもよい。例えば、候補ゲーム媒体グループを構成する候補ゲーム媒体の総数が設定され、一方、第1ユーザの指示によって特定された候補ゲーム媒体の数が当該総数に満たないとき、ゲームシステム1(例えば、候補ゲーム媒体特定部111および/またはグループ作成部112)は、残数分の候補ゲーム媒体を自動的に特定してもよい。
【0038】
残数分の候補ゲーム媒体としては、第1ユーザに関連付けられているゲーム媒体でもよく、第1ユーザに関連付けられていないゲーム媒体でもよい。例えば、一つの候補ゲーム媒体グループに含まれる候補ゲーム媒体の総数のうち、一部の候補ゲーム媒体を第1ユーザが特定し、残りは、ゲームシステム1が選んでもよい。この場合、ゲームシステム1は、第1ユーザが複数所持しているゲーム媒体(一つのデッキに格納できる同じゲーム媒体の数が設定されている場合、当該数より多くの所有しているゲーム媒体がより好ましい。)を自動的に選んでもよい。また、第1ユーザが保有していないゲーム媒体であっても、ゲームシステム1は、候補ゲーム媒体として特定してもよい。なお、候補ゲーム媒体グループに含まれる候補ゲーム媒体の数は、第1ユーザが設定してもよく、ゲームシステム1が予め設定してもよい。
【0039】
抽選処理部113は、第1ユーザ以外の第2ユーザの指示に応じて、候補ゲーム媒体グループの中から抽選によって特定されたゲーム媒体を当該第2ユーザに関連付け、抽選によって特定された候補ゲーム媒体を、候補ゲーム媒体グループから削除する。候補ゲーム媒体グループを抽選対象とする抽選は、「BOXガチャ」と呼ばれることもある。このように、抽選によって特定された候補ゲーム媒体を、候補ゲーム媒体グループから削除することによって、第2ユーザは、候補ゲーム媒体グループに含まれている候補ゲーム媒体の中に所望のゲーム媒体がある場合、抽選を実行し続ければ、当該所望のゲーム媒体を取得できる。よって、ゲームシステム1は、第2ユーザにとって魅力が高い抽選を提供できる。また、本実施形態では、第1ユーザによって特定された候補ゲーム媒体を含む候補ゲーム媒体グループを抽選対象とする抽選の実行には、第2ユーザが保有するゲーム価値の消費を要件とする形態について説明する。つまり、本実施形態では、抽選処理部113は、第2ユーザが保有するゲーム価値の消費を要件として、抽選によって特定されたゲーム媒体を、第2ユーザに関連付ける。このように、第2ユーザが保有するゲーム価値の消費を要件とすることによって、第2ユーザは、抽選処理に対して、消費するゲーム価値に見合うゲーム媒体の取得を期待する。よって、第1ユーザに対して、より魅力的なゲーム媒体(例えば、より希少度の高いゲーム媒体、ゲームの進行がより有利になるゲーム媒体)を候補ゲーム媒体グループに含めることを動機づけることができる。
【0040】
ただし、抽選処理部113は、第2ユーザが保有するゲーム価値の消費を必ずしも要件としなくてもよい。例えば、抽選の実行に必要な第2ユーザによるゲーム価値の消費を不要とすれば、第2ユーザはより気軽に当該抽選を実行できるので、第1ユーザと第2ユーザとの交流がより活発になる。また、例えば、抽選処理部113は、何等かの特典を有する第2ユーザに対しては、当該第2ユーザが本来消費すべきゲーム価値を消費することなく、抽選によって特定されたゲーム媒体を関連付けてもよい。
【0041】
また、抽選処理部113は、抽選によって特定されたゲーム媒体の所有者を第2ユーザに更新したことに応じて、記憶部130の所有情報を更新する。ここで、所有情報は、ゲーム媒体と、その所有者であるユーザとを関連付けた情報である。具体的には、抽選処理部113は、抽選によって特定されたゲーム媒体に関連付けられたユーザを、第1ユーザから第2ユーザに変更することにより所有情報を更新する。また、抽選処理部113は、更新した所有情報をユーザ端末30-1、30-2に送信することにより、ユーザ端末30-1、30-2に記憶された所有情報を更新する。
【0042】
また、抽選処理部113は、抽選によって特定されたゲーム媒体がNFTゲーム媒体である場合、当該ゲーム媒体の所有者を第2ユーザに更新したことに応じてトランザクションデータを生成する。また、抽選処理部113は、生成したトランザクションデータをブロックチェーンシステム50に記録する。
【0043】
なお、NFTゲーム媒体の所有者は、ブロックチェーンシステム50上で管理される。つまり、ブロックチェーンシステム50内のトランザクションデータを参照することにより特定可能である。そのため、記憶部130において、NFTゲーム媒体に関する所有情報は、ブロックチェーンシステム50上で管理されるユーザに定期的に同期される。なお、ブロックチェーンシステム50に対するトランザクションデータの登録処理および参照処理の遅延を考慮しなくてもよい場合には、NFTゲーム媒体については所有情報を記憶部130に記憶せず、必要に応じてブロックチェーンシステム50に問い合わせるようにしてもよい。
【0044】
報酬付与部114は、抽選が実行されたことに応じて、第1ユーザに報酬を付与するための処理を行なう。これにより、第1ユーザに対して、第2ユーザに抽選処理を実行させようと動機づけることができる。また、報酬付与部114は、報酬として、抽選の実行のために第2ユーザが消費したゲーム価値と同じ種類のゲーム価値を、第2ユーザが消費した当該ゲーム価値の量以下の量で、第1ユーザに付与する。第2ユーザによるゲーム価値の消費量が多いほど、第1ユーザに付与される報酬が多くなる。よって、第1ユーザに対して、自身の作成する候補ゲーム媒体グループを抽選対象とする抽選を第2ユーザにより多く実行させようと動機づけることができる。
【0045】
また、報酬付与部114は、報酬として、抽選の実行のために第2ユーザが消費したゲーム価値と同じ種類のゲーム価値を、第2ユーザが消費した当該ゲーム価値の量より多い量で第1ユーザに付与してもよい。例えば、候補ゲーム媒体グループに設定されたゲーム価値の消費量のうち、運営者により一部の量がディスカウントされる場合等があり得る。この場合、第2ユーザが消費した当該ゲーム価値の量に、運営者がディスカウントした量を加算した量のゲーム価値が、第1ユーザに付与されてもよい。また、例えば、報酬付与部114は、報酬として、抽選の実行のために第2ユーザが消費したゲーム価値とは異なる種類のゲーム価値を、第1ユーザに付与してもよい。
【0046】
「報酬」とは、ユーザが他のユーザのために行った行為に基づいて対価として付与されるものをいう。「報酬を付与するための処理」とは、報酬を付与する対象のユーザに対して、報酬を付与するために実行される処理である。報酬は、例えば、ゲームの進行に関係するものであってもよく、ゲームの進行に関係しないものであってもよい。ゲームの進行に関係するものとしては、例えば、ゲームの進行において有利な効果を有するゲーム媒体、当該ゲーム媒体の取得に利用できるゲーム価値等があげられる。ゲームの進行に関係しないものとしては、銀行口座、クレジットカード、キャッシュレス決済サービス等に関連付けられた金銭等が挙げられる。報酬付与部114がゲームの進行に関係しない報酬を第1ユーザに付与する場合、第1ユーザにとって、ゲーム外でも利用できるより有益な報酬を獲得できる、とのメリットを提供できる。
【0047】
本発明の一態様では、第1ユーザの指示により作成した候補ゲーム媒体グループを抽選対象とする抽選を実行するための条件として、第2ユーザの所有するゲーム価値の消費をするとの条件を適用する。この態様において、報酬は、当該ゲーム価値と同種のゲーム価値としてもよい。また、この態様において、報酬の量は、当該抽選を実行するために第2ユーザが消費する量と比べて、多くてもよく、少なくてもよく、同じでもよい。第1ユーザに付与する報酬としてのゲーム価値の量を、第2ユーザが当該抽選を実行するために消費する量より少なくする場合、その差分は、第1ユーザ及び第2ユーザ以外の者に付与してもよい。そのような者としては、例えば、ゲームシステム1の運営者等が挙げられる。
【0048】
報酬を付与するための処理は、例えば、ゲームシステム1が当該ユーザに報酬を付与する処理であってもよい。また、ゲームシステム1とは異なる他のシステムを経由してユーザに報酬を付与する場合は、報酬を付与するための処理は、当該他のシステムに対して、当該ユーザに報酬を付与する指示を行う処理であってもよい。
【0049】
条件設定部115は、抽選を実行するために要件とする、ゲーム価値についての条件を設定する。また、条件設定部115は、第1ユーザが条件を設定する操作を受け付ける。「抽選を実行するために要件とする、ゲーム価値についての条件」とは、抽選を実行するために、いかなる態様でゲーム価値を消費すればよいかを定めた条件である。当該条件としては、例えば、抽選を実行するために必要な、ゲーム価値の種類、量等が挙げられる。このように第1ユーザに当該条件を設定させることができるようにすることで、抽選の態様について、第1ユーザによる設計の自由度が向上する。なお、条件設定部115は、第1ユーザの操作によらずに、当該ゲーム価値についての条件を設定(以下、自動設定ともいう)してもよい。これにより、第1ユーザの手間を軽減できる。例えば、第1ユーザによる条件の設定の操作を受け付けるユーザインタフェース(以下、「UI」という。)と共に、自動設定を指示する操作を受け付けるUIを表示してもよい。これにより、第1ユーザに、条件を自身で設定するか、自動設定するかを選択させることができる。
【0050】
また、例えば、条件設定部115は、ゲーム価値の消費量を履歴情報に基づいて設定してもよい。履歴情報は、後述する履歴情報取得部116により取得される情報である。また、例えば、条件設定部115は、ゲーム価値の消費量を、価値情報に基づいて設定してもよい。価値情報は、後述する価値情報取得部118により取得される情報である。このように、履歴情報および/または価値情報に基づいて抽選に必要なゲーム価値の消費量を設定することにより、当該消費量についてユーザに対する説得性が向上する。
【0051】
また、条件設定部115が、ゲーム価値の消費量を履歴情報および/または価値情報に基づいて設定することにより、例えば、条件設定部115は、第1ユーザの操作を受け付けない場合でも、当該条件を設定することができる。つまり、第1ユーザに対して、当該条件を設定する手間なく当該条件が自動で設定されるというメリットを提供できる。なお、条件設定部115が、第1ユーザの操作によらずにゲーム価値の消費量を設定するために参照する情報は、履歴情報および価値情報に限定されない。例えば、条件設定部115は、ゲーム価値の消費量を、予め定められた定数に基づいて設定してもよい。予め定められた定数とは、例えば、ゲーム媒体の希少度、ゲーム媒体識別情報等に応じて定められた定数等が挙げられる。また、条件設定部115が、第1ユーザの操作によらずに設定する当該条件は、ゲーム価値の消費量に限らず、その他の条件(例えば、ゲーム価値の種類等)であってもよい。
【0052】
履歴情報取得部116は、候補ゲーム媒体に新たなユーザが関連付けられることに応じて当該候補ゲーム媒体に関連付けられる情報の、履歴を示す履歴情報を取得する。取得した履歴情報は、記憶部130に記憶される。「履歴情報」とは、候補ゲーム媒体に新たなユーザが関連付けられること(所有者の更新)に応じて設定される情報の履歴を示す情報である。履歴情報は、例えば、現在および過去に当該ゲーム媒体を取得していたユーザを示す情報(例えば、ユーザ名、ユーザ識別情報等)、当該ゲーム媒体を取得したユーザが当該ゲーム媒体を得るために消費したゲーム価値を示す情報等を含む。
【0053】
履歴情報に含まれるゲーム価値を示す情報は、所有者の更新の都度、新たなユーザが当該ゲーム媒体を取得するために消費したゲーム価値を示す情報でもよく、これまで当該ゲーム媒体を取得してきた全てのユーザについて、それぞれのユーザが取得のために消費したゲーム価値の総額を示す情報でもよい。ゲーム価値を示す情報は、消費量が算出可能なゲーム価値に基づいて算出された情報でもよい。例えば、或るユーザが当該ゲーム媒体を抽選で取得した場合、当該ゲーム媒体を取得するまでに、当該ゲーム媒体を抽選対象として含む抽選で消費した、ゲーム価値の総額を示す情報等が挙げられる。
【0054】
例えば、履歴情報取得部116は、候補ゲーム媒体がNFTゲーム媒体である場合、ブロックチェーンシステム50に記憶されたトランザクションデータのうち、当該NFTゲーム媒体に係る1または複数のトランザクションデータを参照して履歴情報を取得する。上述したように、トランザクションデータは、当該NFTゲーム媒体の所有者の更新に応じて生成され、ブロックチェーンシステム50に格納されている。例えば、当該NFTゲーム媒体が、或るユーザAが運営から100コインで購入したものである場合、当該購入を示すトランザクションデータがブロックチェーンシステム50に格納されている。このとき、ブロックチェーンシステム50において当該NFTゲーム媒体に係るトランザクションデータの個数は1つである。また、その後、当該NFTゲーム媒体が、当該ユーザAから他のユーザBに200コインで売却された場合、当該売却を示すトランザクションデータがブロックチェーンシステム50に格納される。このとき、ブロックチェーンシステム50において当該NFTゲーム媒体に係るトランザクションデータの個数は2つとなる。また、その後、当該NFTゲーム媒体が、当該ユーザBにより候補ゲーム媒体に特定されて他のユーザCが300コインを消費して実行した抽選で当選した場合、当該抽選を示すトランザクションデータがブロックチェーンシステム50に格納される。このとき、ブロックチェーンシステム50において当該NFTゲーム媒体に係るトランザクションデータの個数は3つとなる。各トランザクションデータは、「候補ゲーム媒体に新たなユーザが関連付けられることに応じて当該候補ゲーム媒体に関連付けられる情報」(例えば、所有者情報、新たな所有者が消費したゲーム価値の消費量、等)を含む。したがって、履歴情報取得部116は、当該NFTゲーム媒体に係る3つのトランザクションデータを参照することにより、当該NFTゲーム媒体の所有者の履歴(この場合、「ユーザA、ユーザB、ユーザC」)、消費量の履歴(この場合、「100コイン、200コイン、300コイン」)を含む履歴情報を取得することができる。
【0055】
表示制御部117は、第2ユーザに対して、候補ゲーム媒体についての履歴情報を表示させるための処理を行なう。これにより、第2ユーザが、当該候補ゲーム媒体を取得するための抽選を実行するか否かを判断する材料を増やすことができる。履歴情報を表示させるための処理とは、例えば、履歴情報をユーザ端末30-2に送信する処理を含む。ただし、表示制御部117は、必ずしも、第2ユーザに対して履歴情報を表示させる処理を行わなくてもよい。また、表示制御部117は、第2ユーザに当該履歴情報を表示させるための処理を行なうか否かに関わらず、第1ユーザに対して履歴情報を表示させる処理を行ってもよい。
【0056】
価値情報取得部118は、候補ゲーム媒体グループに含まれる、少なくとも一部の候補ゲーム媒体の価値を示す価値情報を取得する。「価値情報」とは、価値情報取得部118が候補ゲーム媒体の価値を示す情報として取得する情報である。価値情報は、例えば、当該候補ゲーム媒体自体の価値を示す情報でもよく、当該候補ゲーム媒体と同じゲーム媒体IDが関連付けられたゲーム媒体の価値を示す情報を、当該候補ゲーム媒体の価値を示す情報としてもよい。例えば、候補ゲーム媒体と同じキャラクタ名のゲーム媒体に共通の価値が設定されており、当該価値を、当該候補ゲーム媒体の価値としてもよい。
【0057】
また、価値情報は、ゲームのユーザ以外の者によって設定された、候補ゲーム媒体の価値を示す情報であってもよい。ゲームのユーザ以外の者とは、例えば、ゲームシステム1の運営者等が挙げられる。例えば、特定のゲーム媒体IDが関連付けられているゲーム媒体(例えば、特定のキャラクタ)の価格を運営者等が設定してもよい。
【0058】
また、価値情報は、当該候補ゲーム媒体の相場であってもよい。相場は、例えば、ゲーム媒体の相場を提供するデータベース(図示せず)から取得できる。データベースは、例えば、ゲーム媒体が取引されるマーケットにおける相場を記録している。また、相場は、当該候補ゲーム媒体、または、当該候補ゲーム媒体と同じゲーム媒体IDが関連付けられたゲーム媒体の過去の取引価格等から算出された価格であってもよい。例えば、そのような取引価格は、ブロックチェーンシステム50に格納されたトランザクションデータから算出されたものであってもよい。
【0059】
また、価値情報は、ゲームシステムまたは別のコンピュータによって算出された価値を示す情報であってもよい。例えば、当該ゲーム媒体に予め設定されている価値を基に、パラメータ等に基づいて補正された価値が挙げられる。例えば、特定のキャラクタについて基本の価格が設定されており、育成後のパラメータに基づいて価格が補正されてもよい。
【0060】
第2ユーザ特定部119は、第1ユーザの指示に応じて、抽選処理部113における指示を入力可能な第2ユーザを特定する。これにより、第1ユーザは、所望の第2ユーザと交流できる。例えば、第1ユーザは、自身が所持する候補ゲーム媒体を新たに所持する可能性がある第2ユーザを特定したい場合がある。例えば、特定する第2ユーザの一例としては、初心者限定、フレンド限定、複数のユーザでチームを編成してプレイするゲームである場合の同一チーム内の他のユーザ等があるが、これに限られない。
【0061】
なお、第2ユーザ特定部119は、第1ユーザの指示によらずに、抽選処理部113における指示を入力可能な第2ユーザを特定してもよい。例えば、第2ユーザ特定部119は、第1ユーザの指示を受け付けない場合には、予め定められた条件を満たすユーザを、抽選処理部113における指示を入力可能な第2ユーザとして特定してもよい。「予め定められた条件」としては、例えば、第1ユーザと関連付けられているユーザ(例えば、フレンド等)を第2ユーザとして特定するという条件、全てのユーザの中から、プレイの頻度、プレイの開始時期等に応じて第2ユーザを特定するという条件等が挙げられる。また、第2ユーザ特定部119は、第1ユーザの指示を受け付けない場合には、抽選処理部113における指示を入力可能な第2ユーザとして、第1ユーザとは異なる全てのユーザを特定してもよい。
【0062】
(ユーザ端末30の機能的構成)
図3は、ユーザ端末30の機能的構成を示すブロック図である。図3に示すように、ユーザ端末30は、制御部310および記憶部330を含む。制御部310は、プロセッサ31がメモリ32に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。記憶部330はメモリ32によって構成される。
【0063】
制御部310は、グループ設定UI部311、および、抽選UI部312を含む。記憶部330は、所有情報を記憶する。当該所有情報は、ゲームサーバ10から送信されたものである。なお、ユーザ端末30およびゲームサーバ10間における通信の遅延を考慮しなくてよい場合には、記憶部330は、所有情報を記憶していなくてもよい。この場合、ユーザ端末30は、必要に応じて所有情報をゲームサーバ10に問い合わせることにより取得する。
【0064】
グループ設定UI部311は、第1ユーザが候補ゲーム媒体グループを生成するためのUIを表示装置35に表示する。抽選UI部312は、ユーザ端末30を第2ユーザが操作する場合は、候補ゲーム媒体グループを抽選対象とする抽選処理を実行したり、ユーザ端末30を第1ユーザが操作する場合は、第2ユーザの指示に応じて実行した抽選処理に応じた報酬を当該第1ユーザに付与したりするためのUIを表示装置35に表示する。これらの機能ブロックは、ゲームサーバ10と通信しながら機能する。
【0065】
<ゲームシステム1の処理の概要>
以上のように構成されたゲームシステム1は、情報処理方法S1を実行する。図4は、情報処理方法S1の流れを説明するフロー図である。以下、情報処理方法S1の説明においては、ゲーム媒体としてキャラクタを適用する例について説明する。また、本実施形態で実行される抽選は、前述した、抽選によって特定された候補ゲーム媒体が以降は排出されない所謂「BOXガチャ」である。そこで、以下の説明では、BOXガチャの抽選対象である候補ゲーム媒体グループを「BOX」という。また、BOXの作成、および、BOXガチャを実行するための条件を設定することを、「BOXガチャを作成する」ともいう。また、以下の説明では、候補ゲーム媒体を「候補キャラクタ」、NFTゲーム媒体を「NFTキャラクタ」という。
【0066】
図4に示すように、情報処理方法S1は、第1ユーザの指示によってBOXガチャを作成する処理(ステップS101~S109)と、第2ユーザの指示によってBOXガチャを実行する処理(ステップS201~S223)とを含む。BOXガチャを作成する処理において、候補ゲーム媒体特定部111は、第1ユーザの指示に応じて、当該第1ユーザに関連付けられているキャラクタの中から、当該第1ユーザ以外のユーザに関連付けるキャラクタの候補である候補キャラクタを特定する。また、グループ作成部112は、候補ゲーム媒体特定部111によって特定された候補キャラクタを含むBOXを作成する。また、条件設定部115は、BOXガチャを実行するために要件とする、ゲーム価値についての条件を設定する。第2ユーザ特定部119は、第1ユーザの指示に応じて、抽選処理部113における指示を入力可能な第2ユーザを特定する。
【0067】
また、BOXガチャを実行する処理において、抽選処理部113は、第2ユーザの指示に応じて、BOXガチャを実行して当選したキャラクタを当該第2ユーザに付与し、当該キャラクタをBOXから削除する。以下、抽選(例えば、BOXガチャ)によって特定されたキャラクタを「当選キャラクタ」ともいう。報酬付与部114は、BOXガチャが実行されたことに応じて、第1ユーザに報酬を付与するための処理を行なう。以下、各ステップの詳細について説明する。
【0068】
(BOXガチャを作成する処理:ステップS101~S109)
ステップS101において、ユーザ端末30-1のグループ設定UI部311は、グループ設定UIを表示装置35に表示する。
【0069】
ステップS103において、グループ設定UI部311は、グループ設定UIを介して、BOXガチャを作成するための第1ユーザの操作を受け付ける。例えば、グループ設定UI部311は、第1ユーザが所持するキャラクタの中から候補キャラクタを特定するための操作を受け付ける。また、グループ設定UI部311は、当該BOXガチャを実行するために要件とする、ゲーム価値についての条件を設定する操作を受け付ける。また、グループ設定UI部311は、第1ユーザの操作により入力された、BOXガチャを作成するためのグループ設定情報を、ゲームサーバ10に送信する。
【0070】
なお、本実施形態では、1つのBOXを作成する第1ユーザの人数が1人である形態について説明しているが、当該人数は複数であってもよい。その場合、1つのBOXに、複数の第1ユーザがそれぞれ所持する候補キャラクタが含まれてもよい。また、その場合、上述のゲーム価値についての条件は、当該複数の第1ユーザの合意により設定されてもよい。ただし、本実施形態のように、1つのBOXを作成する第1ユーザの数が1人であることにより、第1ユーザに対して、自身が所望するBOX内容を自由に設定でき、報酬を一人で独占できるというメリットを提供できる。
【0071】
図5は、グループ設定UIの画面例G1を示す図である。図5に示すように、画面例G1は、UIオブジェクトG11~G17を含む。UIオブジェクトG11(BOX名入力フィールド)は、BOXに付ける名前(以下、「BOX名」という。)について、テキストの入力を受け付ける。BOX名は、当該BOXガチャの抽選を実行可能な第2ユーザのユーザ端末30に表示される名前である。
【0072】
UIオブジェクトG12(BOX内容変更ボタン)は、BOX内容を変更するためのBOX内容変更UIを表示する操作を受け付ける。BOX内容とは、当該BOXガチャに含まれる候補キャラクタおよびその個数である。BOX内容の変更とは、当該BOXガチャに含める候補キャラクタを特定したり変更したりすることを含む。UIオブジェクトG12に対する操作が受け付けられると、表示装置35における画面例G1は画面例G2に遷移する。
【0073】
図6は、BOX内容変更UIの画面例G2を示す図である。図6に示すように、画面例G2は、UIオブジェクトG21~G23を含む。UIオブジェクトG21(所持キャラクタ表示領域)は、第1ユーザが所持する所持キャラクタ一覧(キャラA、キャラB、キャラC、…)を含む。UIオブジェクトG21は、所持キャラクタ一覧から候補キャラクタを選択する操作を受け付ける。所持キャラクタ一覧は、記憶部330に記憶された所有情報を参照して取得可能である。
【0074】
例えば、UIオブジェクトG21は、有償のキャラクタのみを含んでいてもよく、有償のキャラクタおよび無償のキャラクタを含んでいてもよい。また、UIオブジェクトG21は、NFTキャラクタを含んでいてもよく、NFTが関連付けられていないキャラクタを含んでいてもよい。また、この例では、各キャラクタに対する操作(例えば、タップ操作等)は、選択/非選択のトグル操作として受け付けられる。ここでは、キャラA、キャラD、キャラH、キャラK、キャラQが選択されていることが示されている。ただし、候補キャラクタを選択するUIは、このようにキャラクタ一覧から選択するUIに限定されない。
【0075】
UIオブジェクトG22(BOX確認ボタン)は、現在のBOX内容(選択中の候補キャラクタ)を確認するためのBOX確認UIを表示する操作を受け付ける。UIオブジェクトG22に対する操作が受け付けられると、表示装置35における画面例G2は画面例G3に遷移する。
【0076】
図7は、現在のBOX内容を確認するための画面例G3を示す図である。図7に示すように、画面例G3は、UIオブジェクトG31~G32を含む。UIオブジェクトG31(選択キャラクタ表示領域)は、画面例G2のBOX内容変更UIにおいて現在選択されている選択キャラクタ一覧(キャラA、キャラD、キャラH、キャラK、キャラQ、…)を含む。UIオブジェクトG31は、有償のキャラクタのみを含んでいてもよく、有償のキャラクタおよび無償のキャラクタを含んでいてもよい。また、UIオブジェクトG31は、NFTキャラクタを含んでいてもよく、NFTが関連付けられていないキャラクタを含んでいてもよい。UIオブジェクトG32(戻るボタン)に対する操作が受け付けられると、表示装置35における画面例G3は画面例G2に戻る。第1ユーザは、画面例G2において、候補キャラクタを選択する操作を続けてもよく、現在選択中のキャラクタによりBOX内容を仮に決定する操作を行ってもよい。
【0077】
図6の画面例G2の説明に戻る。UIオブジェクトG23(決定ボタン)は、BOX内容を仮決定する操作を受け付ける。仮決定するとは、現在選択中のキャラクタを候補キャラクタとして仮に決定することである。仮決定した候補キャラクタは、画面例G1においてUIオブジェクトG17(決定ボタン)が操作される前であれば、再度UIオブジェクトG12(BOX内容変更ボタン)が操作されることにより変更可能である。画面例G2においてUIオブジェクトG23(決定ボタン)が操作を受け付けると、表示装置35における画面例G2は画面例G1に戻る。
【0078】
図5の画面例G1の説明に戻る。UIオブジェクトG13(販売価格入力フィールド)は、販売価格の数値での入力を受け付ける。販売価格は、当該BOXガチャの抽選を1回実行するために要件とする、ゲーム価値についての条件の一例である。本実施形態では、ゲーム価値は「コイン」の単位で定量的に表されている。販売価格は、抽選を複数回(例えば、10回等)連続で実行するために要件とされるゲーム価値の消費量であってもよい。なお、入力可能な販売価格には、上限価格、下限価格などの制約条件が設けられていてもよい。また、販売価格は、第1ユーザの入力によらずに自動設定されてもよい。この場合、UIオブジェクトG13は、数値での入力を受け付ける代わりに、自動設定された販売価格を表示する。なお、グループ設定UI部311は、ゲームサーバ10に問い合わせることにより自動設定された販売価格を取得して表示する。ゲームサーバ10において販売価格を自動設定する処理の詳細については後述する。
【0079】
UIオブジェクトG14(目玉キャラクタ変更ボタン)は、目玉キャラクタを変更するための目玉キャラクタ変更UIを表示する操作を受け付ける。本実施形態では、第2ユーザにBOXガチャを示すときに、BOX内に含まれるキャラクタの一部も共に示す。目玉キャラクタとは、このとき示されるキャラクタである。目玉キャラクタの表示は、第2ユーザに対してBOXガチャの魅力をアピールする役割を果たす。つまり、目玉キャラクタは、当該BOXガチャの目玉(客寄せ)となるキャラクタであるともいえる。UIオブジェクトG14に対する操作が受け付けられると、表示装置35における画面例G1は、目玉キャラクタ変更UIを含む画面例G4に遷移する。
【0080】
図8は、目玉キャラクタ変更UIの画面例G4を示す図である。図8に示すように、画面例G4は、UIオブジェクトG41~G42を含む。UIオブジェクトG41(候補キャラクタ表示領域)は、仮決定されている候補キャラクタ一覧を含む。また、この例では、各候補キャラクタに対する操作(例えば、タップ操作等)は、目玉キャラクタの選択/非選択のトグル操作として受け付けられる。ここでは、キャラZが目玉キャラクタとして選択されている。なお、目玉キャラクタとして選択可能な候補キャラクタの数は1つでもよく、複数でもよい。また、目玉キャラクタ選択UIは、本実施形態のように候補キャラクタ一覧から選択するUIに限定されない。例えば、後述する目玉キャラクタを自動設定する方法と同様の方法によって、自動で目玉キャラクタの候補が仮選択され、第1ユーザによって当該キャラクタを目玉キャラクタとして決定する指示を受け付けるUI等であってもよい。UIオブジェクトG42(目玉キャラクタ決定ボタン)に対する操作が受け付けられると、表示装置35における画面例G4は画面例G1に戻る。
【0081】
なお、目玉キャラクタは、第1ユーザの入力によらずに自動設定されてもよい。この場合、画面例G1におけるUIオブジェクトG14は、目玉キャラクタ変更UIを表示する操作を受け付ける代わりに、自動設定された目玉キャラクタを表示する。例えば、グループ設定UI部311は、ゲームサーバ10において自動設定された目玉キャラクタを示す情報を、ゲームサーバ10から取得して表示してもよい。ゲームサーバ10において目玉キャラクタを自動設定する処理の一例としては、キャラクタのパラメータ(例えば、希少度、レベル等)を参照して決定する処理がある。一例として、キャラクタの希少度またはレベルが最も高いものが目玉キャラクタとして決定されてもよい。また、ゲームサーバ10において目玉キャラクタを自動設定する他の処理の一例としては、各候補キャラクタの履歴情報または価値情報を参照して決定する処理がある。また、グループ設定UI部311は、各候補キャラクタのパラメータ、履歴情報、または価値情報をゲームサーバ10に問い合わせることにより取得し、取得した情報に基づいて目玉キャラクタを自動設定してもよい。
【0082】
図5の画面例G1の説明に戻る。UIオブジェクトG15(終了条件選択ラジオボタン)は、当該BOXガチャを終了する終了条件を設定する操作を受け付ける。この例では、終了条件として、「目玉キャラクタの排出」、「すべて排出」の2つの選択肢の何れかが選択可能である。「目玉キャラクタの排出」との終了条件が設定された場合、目玉キャラクタが排出されると当該BOXガチャは終了し、当該BOXガチャの抽選を実行することができなくなる。当該終了条件は、目玉キャラタ以外の、BOXに含まれる候補キャラクタの価値が、目玉キャラクタより低い場合に有効である。また、当該終了条件が満たされた場合、BOXガチャを終了する代わりに、一旦、第2ユーザによるBOXガチャを実行する指示を受け付けることを停止して、販売価格を変更(例えば減額)した後に、第2ユーザによるBOXガチャの実行指示の受付を再開するように構成してもよい。「すべて排出」との終了条件が設定された場合、BOXガチャ内の全ての候補キャラクタが排出されるまで当該BOXガチャが実行可能となる。なお、終了条件としては、上述した例に限らず、BOX内の候補キャラクタの残数に関する条件、終了時刻に関する条件等を含んでいてもよい。例えば、「残数が残りx個になったら終了」、「時刻がmm月dd日hh時になったら終了」、などの終了条件が設定可能であってもよい。
【0083】
UIオブジェクトG16(購入可能ユーザ選択ラジオボタン)は、当該BOXガチャを実行する指示を入力可能な購入可能ユーザを設定する操作を受け付ける。この例では、購入可能ユーザとして、「フレンド」、「指定なし」の2つの選択肢の何れかが選択可能である。本発明の一態様では、第1ユーザと、第1ユーザ以外のユーザのうち特定のユーザとが関連付けられることがあり得る。この関連付けられたユーザを本実施形態では「フレンド」という。フレンドは第2ユーザの一態様である。購入可能ユーザとして「フレンド」が設定された場合、当該BOXガチャは、第1ユーザのフレンドの指示によって抽選を実行可能であり、フレンドでない他のユーザの指示によって抽選を実行することはできない。例えば、フレンドのユーザ端末30には当該BOXガチャが実行可能に表示され、フレンドでないユーザ端末30には表示されないように構成してもよい。また、購入可能ユーザとして「指定なし」が設定された場合、すべての他のユーザのユーザ端末30には当該BOXガチャが実行可能に表示される。なお、購入可能ユーザとしては、これらに限らず、例えば、初心者のみ、同じチームの他のユーザのみ等が設定可能であってもよい。
【0084】
UIオブジェクトG17(決定ボタン)は、BOXガチャの設定を終了してBOXガチャを作成するための第1ユーザの操作を受け付ける。UIオブジェクトG17に対する操作が受け付けられると、グループ設定UI部311は、UIオブジェクトG11~G16に対する操作により設定された情報を示すグループ設定情報を、ゲームサーバ10に送信する。これにより、ゲームサーバ10では、続くステップS105~S109が実行される。つまり、第1ユーザは、UIオブジェクトG17を操作することにより、BOXガチャを作成する操作を完了させることができる。
【0085】
BOXガチャを作成する操作を完了させると、ユーザ端末30-1および/またはゲームサーバ10は、第1ユーザがBOX中の候補キャラクタを、ゲームを進行させるために使用することを、不可としてもよい。なお、一旦作成したBOXから、第2ユーザが取得する前に、第1ユーザの操作に応じて、候補キャラクタの少なくとも一部を削除することを可能としてもよい。この場合、BOXから削除した候補キャラクタは、第1ユーザにより再度ゲームの進行において使用可能とすることができる。ただし、このように候補キャラクタの使用を不可にしたり、再度使用を可能にしたりするタイミングは、ここに説明したタイミングに限定されない。例えば、BOX中の候補ゲーム媒体を使用不可とするタイミングは、前述した仮決定のタイミングであってもよく、後述するように第2ユーザが当該BOXを抽選対象とするBOXガチャの実行を指示可能になったタイミングでもよく、第2ユーザが当該候補キャラクタを取得したときであってもよい。また、BOXから候補ゲーム媒体を削除できるタイミングは、後述するように第2ユーザが当該BOXを抽選対象とするBOXガチャの実行を指示可能になるまででもよく、第2ユーザが当該BOXを抽選対象とするBOXガチャを始めて実行する直前まででもよい。
【0086】
ステップS105において、ゲームサーバ10の候補ゲーム媒体特定部111は、ユーザ端末30-1から受信したグループ設定情報に基づいて、BOXに含める候補キャラクタおよび目玉キャラクタを特定する。なお、候補ゲーム媒体特定部111は、上述したように、グループ設定情報が示す候補キャラクタに加えて、他のキャラクタを候補キャラクタとして特定してもよい。例えば、ステップS103において第1ユーザの操作により目玉キャラクタだけ特定し、残りの候補キャラクタは、当該ステップS105において候補ゲーム媒体特定部111が特定してもよい。候補ゲーム媒体特定部111は、例えば、第1ユーザが所持するキャラクタのうち重複するキャラクタを優先的に候補キャラクタとして特定してもよい。また、例えば、候補ゲーム媒体特定部111は、第1ユーザが所持していないキャラクタであって、希少度が低い等の所定条件を満たすキャラクタの中から、候補キャラクタを特定してもよい。
【0087】
ステップS107において、グループ作成部112は、候補ゲーム媒体特定部111によって特定された候補キャラクタを含むBOXを作成する。なお、ステップS103で目玉キャラクタが入力される代わりに自動設定する場合には、グループ作成部112は、複数の候補キャラクタの中から、前述した方法で目玉キャラクタを設定する。
【0088】
ステップS109において、条件設定部115は、グループ設定情報に基づいて、当該BOXガチャの販売価格を設定する。なお、ステップS103で販売価格が入力される代わりに、販売価格を自動設定する場合には、条件設定部115は、後述する方法によって販売価格を設定する。また、条件設定部115は、グループ設定情報に基づいて、当該BOXガチャに係る終了条件を設定する。
【0089】
(BOXガチャを実行する処理:S201~S223)
ステップS201において、ゲームサーバ10の制御部110は、第2ユーザが実行可能なBOXガチャの一覧を示すBOXガチャ一覧情報を、ユーザ端末30-2に送信する。第2ユーザが実行可能なBOXガチャの一覧には、ステップS101~S109で第1ユーザの操作に基づいて第2ユーザに実行可能となったBOXガチャが含まれる。
【0090】
ステップS203において、ユーザ端末30-2の抽選UI部312は、ゲームサーバ10から受信したBOXガチャ一覧情報に基づいて、BOXガチャ選択UIを表示装置35に表示する。
【0091】
図9は、BOXガチャ選択UIの画面例G5を示す図である。図9に示すように、画面例G5は、UIオブジェクトG51(一覧表示領域)を含む。UIオブジェクトG51は、第2ユーザが実行可能なBOXガチャ各々について、UIオブジェクトG52~G53を含む。UIオブジェクトG52(概要表示領域)は、該当するBOXガチャの概要(BOX名、作成者(第1ユーザ)名、販売価格、目玉キャラクタ)を含む。UIオブジェクトG53(「見に行く」ボタン)は、当該BOXガチャを実行するためのBOXガチャ実行UIを表示する操作を受け付ける。これにより、第2ユーザは、UIオブジェクトG52の表示内容を参考にした上で、当該BOXガチャの詳細を閲覧することができる。
【0092】
なお、UIオブジェクトG51(一覧表示領域)は、目玉キャラクタ、販売価格等の条件により絞り込みまたはソート等が可能であってもよい。また、図9の例では、UIオブジェクトG51は、複数の第1ユーザ(Aさん、Bさん、Cさん、Dさん)の指示によってそれぞれ作成されたBOXガチャを一覧表示している。これに限らず、UIオブジェクトG51は、1人の第1ユーザの指示によって作成された複数のBOXガチャを表示してもよい。そのようなUIオブジェクトG51は、例えば、第1ユーザに関連付けられたユーザページに含まれていてもよい。この場合、ゲームサーバ10は、第1ユーザに関連付けて当該ユーザページを記憶し、ユーザ端末30-2からアクセス要求を受け付けることにより、当該ユーザページをユーザ端末30-2に送信してもよい。
【0093】
画面例G5においてUIオブジェクトG53(見に行くボタン)に対する操作が受け付けられると、抽選UI部312は、当該UIオブジェクトG53に対応するBOXガチャを実行するための情報を、ゲームサーバ10に対して要求する。
【0094】
ステップS205において、ゲームサーバ10の制御部110は、該当するBOXガチャの情報を、ユーザ端末30-2に送信する。ステップS207において、抽選UI部312は、当該BOXガチャの情報に基づいてBOXガチャ実行UIを表示装置35に表示する。
【0095】
図10は、BOXガチャ実行UIの画面例G6を示す図である。つまり、画面例G5においてUIオブジェクトG53(見に行くボタン)に対する操作が受け付けられると、表示装置35における画面例G5は画面例G6に遷移する。図10に示すように、画面例G6は、UIオブジェクトG61~G69を含む。そのうちUIオブジェクトG61~G65は、当該BOXガチャのBOX名、BOX内容、販売価格、目玉キャラクタ、終了条件を含む。これらは、画面例G1において第1ユーザが設定した情報である。
【0096】
UIオブジェクトG66(相場表示領域)は、現在の相場を含む。現在の相場は、価値情報の一例である。図10に示す例において、UIオブジェクトG66に含まれる現在の相場は、BOX中の候補ゲーム媒体の相場価値の総額である。現在の相場は、ゲームサーバ10の価値情報取得部118により取得された情報である。例えば、現在の相場は、ステップS201でゲームサーバ10から送信されたBOXガチャ一覧情報に含まれていてもよい。また、現在の相場は、抽選UI部312が画面例G6を表示する際に、ゲームサーバ10に問い合わせることにより取得した情報であってもよい。価値情報取得部118が現在の相場を取得する処理の一例については詳細を後述する。
【0097】
UIオブジェクトG67(確認ボタン)は、当該BOXガチャに含まれる候補キャラクタの詳細を確認する操作を受け付ける。UIオブジェクトG67に対する操作が受け付けられると、抽選UI部312は、BOXガチャに含まれる候補キャラクタ一覧を表示する。そのような候補キャラクタ一覧の画面例は、特に図示しないが、例えば、図7の画面例G3と同様の画面であってもよい。また、抽選UI部312は、そのような候補キャラクタ一覧において何れかの候補キャラクタに対する操作を受け付けると、当該候補キャラクタの詳細情報を、ゲームサーバ10に要求する。
【0098】
ステップS209において、ゲームサーバ10の制御部110は、当該候補キャラクタの詳細情報を取得する。本実施形態において、「詳細情報」は、キャラクタについての説明を含む情報であり、より具体的には、本実施形態においてキャラクタついての詳細情報は、当該キャラクタに関する履歴情報、価値情報、当該キャラクタのパラメータを含む。例えば、制御部110は、当該候補キャラクタのパラメータ(希少度、レベル等)等を、詳細情報に含める。また、履歴情報取得部116は、当該候補キャラクタに関する履歴情報を取得して詳細情報に含める。また、価値情報取得部118は、当該候補キャラクタに関する価値情報を取得して詳細情報に含める。表示制御部117は、詳細情報をユーザ端末30-2に送信することにより、第2ユーザに対して詳細情報を表示させるための処理を行う。
【0099】
ステップS211において、ユーザ端末30-2の抽選UI部312は、ゲームサーバ10から受信した候補キャラクタの詳細情報を表示装置35に表示する。図11は、候補キャラクタの詳細情報の画面例G7を示す図である。図11に示すように、画面例G7は、UIオブジェクトG71~G74を含む。UIオブジェクトG71(特性表示領域)は、該当する候補キャラクタのパラメータ(この例では、レアリティ、性別、属性、レベル、攻撃力、HP)を含む。UIオブジェクトG72(履歴情報表示領域)は、前回取引価格を含む。前回取引価格は、履歴情報の一例であり、ステップS209においてゲームサーバ10の履歴情報取得部116が取得したものである。UIオブジェクトG73(価値情報表示領域)は、現在の相場を含む。現在の相場は、価値情報の一例であり、ステップS209においてゲームサーバ10の価値情報取得部118が取得したものである。UIオブジェクトG74(戻るボタン)に対する操作が受け付けられると、表示装置35における画面例G7は画面例G6に戻る。
【0100】
ステップS213において、抽選UI部312は、第2ユーザによるBOXガチャの抽選を実行する指示を受け付けると、当該指示をゲームサーバ10に送信する。図10に示した画面例G6では、UIオブジェクトG68(ガチャ実行ボタン)は、第2ユーザによる当該BOXガチャの実行を指示する操作を受け付ける。
【0101】
ステップS215において、ゲームサーバ10の抽選処理部113は、第2ユーザが保有するゲーム価値を消費する。例えば、消費量は、画面例G6に示された販売価格(300コイン)であり、ステップS109で設定されたものである。例えば、抽選処理部113は、第2ユーザが保有するゲーム価値(コイン)の量を、販売価格(300コイン)だけ減算した量に更新する処理を行う。
【0102】
ステップS217において、抽選処理部113は、BOXガチャ内の候補キャラクタのうち、抽選によって当選した当選キャラクタを、第2ユーザに付与する。また、抽選処理部113は、当該当選キャラクタに関する所有情報を、第1ユーザから第2ユーザに更新する。また、抽選処理部113は、当該当選キャラクタを、BOXから削除する。また、抽選処理部113は、当選キャラクタがNFTキャラクタである場合には、当該所有者の更新を示すトランザクションデータを、ブロックチェーンシステム50に登録するための処理を行う。また、抽選処理部113は、抽選結果をユーザ端末30-1、30-2に送信する。
【0103】
ステップS219において、ユーザ端末30-2の抽選UI部312は、受信した抽選結果を表示装置35に表示することにより、第2ユーザに通知する。
【0104】
図12は、第2ユーザに通知される抽選結果を示す画面例G8を示す図である。画面例G8は、UIオブジェクトG81(当選キャラクタ表示領域)、およびUIオブジェクトG82(もう一度ガチャ実行ボタン)を含む。UIオブジェクトG82に対する操作が受け付けられると、抽選UI部312は、当該BOXガチャについて、ステップS213からの処理を繰り返す。
【0105】
なお、画面例G6が表示されてからUIオブジェクトG68(ガチャ実行ボタン)が操作されるまでの間に、他のユーザが当該BOXガチャの実行を指示することもあり得る。また、その場合、当該他のユーザに目玉キャラクタが付与済となることもあり得る。その場合、画面例G6に含まれるBOX内容は実際とは異なることになってしまう。
【0106】
そこで、例えば、ゲームサーバ10の制御部110は、ステップS205の後、ユーザ端末30-1および30-2以外のユーザ端末30から同一のBOXガチャ情報を要求された場合には、当該BOXガチャ情報を送信する代わりに「現在他のユーザが実行しています」等といった情報を送信する排他制御を行ってもよい。また、この場合、画面例G6においてUIオブジェクトG68(ガチャ実行ボタン)またはUIオブジェクトG69(キャンセルボタン)が操作されると、ゲームサーバ10の制御部110は、BOXガチャに関する排他制御を終了する。
【0107】
また、例えば、ゲームサーバ10の制御部110は、ステップS205でユーザ端末30-2にBOXガチャ情報(画面例G6)を送信後、他のユーザ端末30から受信した指示に基づき抽選処理を実行し、その後、ユーザ端末30-2から当該BOXガチャ情報を実行する指示を受信した場合に、次のように動作してもよい。この場合、制御部110は、BOXガチャを実行する代わりに、「他のユーザがガチャを実行しました」などといったBOX内容の変化を示す通知をユーザ端末30-2に送信してもよい。
【0108】
ステップS221において、報酬付与部114は、抽選が実行されたことに応じて、第1ユーザに報酬を付与するための処理を行なう。例えば、報酬付与部114は、報酬として、抽選の実行のために第2ユーザが消費したゲーム価値と同じ種類のゲーム価値を、第2ユーザが消費した当該ゲーム価値の量以下の量で、第1ユーザに付与する。例えば、報酬付与部114は、第2ユーザが消費したゲーム価値の量以下の量を算出する方法としては、例えば、当該消費したゲーム価値の量以下の量であって、かつ、当該消費したゲーム価値の量が多ければ、報酬の量も多くなる算出方法が挙げられ、より具体的には、例えば、当該消費したゲーム価値の量に対して、1以下の所定の数値を乗算する方法、所定のゲーム価値の量を減算する方法等が挙げられる。例えば、第2ユーザが消費した販売価格分のゲーム価値(300コイン)の全部、または、手数料を減額したゲーム価値(例えば、10%を減額した270コイン)を、第1ユーザに付与してもよい。具体的には、報酬付与部114は、第1ユーザが保有するゲーム価値の量を、報酬を加算した量に更新する処理を行う。また、報酬付与部114は、報酬の付与結果をユーザ端末30-1に送信する。
【0109】
ステップS223において、ユーザ端末30-1の抽選UI部312は、ゲームサーバ10から受信した抽選結果および報酬の付与結果を表示する。これにより、第1ユーザは、自身が作成したBOXガチャから排出された当選キャラクタ、および自身に付与された報酬について知ることができる。なお、当該ステップS223は、抽選処理の実行に応答して実行されてもよく(例えば、プッシュ通知されてもよく)、第1ユーザの指示により実行されてもよい。プッシュ通知される場合、第1ユーザは、抽選結果をリアルタイムに知ることができる。また、ユーザ端末30-1に表示される抽選結果は、当選キャラクタが付与された第2ユーザの情報を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。抽選結果に第2ユーザの情報が含まれる場合、第1ユーザは、自身が保持していた当選キャラクタの付与先を知ることができる。
【0110】
(販売価格の自動設定例)
ステップS109において、ゲームサーバ10が販売価格を自動設定する処理の具体例について説明する。条件設定部115は、ステップS103で第1ユーザにより入力された販売価格をBOXガチャに設定する代わりに、以下に説明する方法によって、履歴情報取得部116が取得した履歴情報、価値情報取得部118が取得した価値情報に基づいて、販売価格を自動設定してもよい。
【0111】
履歴情報取得部116は、ブロックチェーンシステム50を参照することにより、NFTキャラクタに関する履歴情報を取得して記憶部130に記憶する。図13は、履歴情報を取得する際に参照されるトランザクションデータの一例を示す図である。図13において、あるNFTキャラクタに関するトランザクションデータを示す各行は、取引日時、取引価格、および所有者の更新情報を含んでいる。この例では、当該NFTキャラクタは、2022年1月15日にCさんからDさんに2000コインで販売され、2022年3月15日にDさんからBさんに3000コインで販売され、2022年8月10日にBさんからAさんに2500コインで販売されている。各取引価格は、当該NFTキャラクタを取得するまでに、当該NFTキャラクタをBOXに含むBOXガチャの実行に要したゲーム価値の総額である。なお、ゲームシステム1が、当該NFTキャラクタを直接ユーザ間で売買する態様を含む場合、各取引価格はユーザ間で直接支払われた金額であってもよい。履歴情報取得部116は、これらのトランザクションデータが示す取引日時の履歴、取引価格の履歴、所有者の更新の履歴、取引価格の統計量(平均値、最大値、最小値、直近の値、総額等)等を、履歴情報として取得してもよい。
【0112】
また、価値情報取得部118は、特定のキャラクタの価値情報(例えば、現在の相場等)を、当該キャラクタと同じ種類のキャラクタ(換言すれば、同じキャラクタIDが関連付けられたゲーム媒体)の相場を記憶したデータベースを参照することにより取得してもよい。また、価値情報取得部118は、特定のキャラクタの価値情報を、当該キャラクタと同じ種類のキャラクタに関する上述の履歴情報を参照して取得してもよい。
【0113】
例えば、価値情報取得部118は、或るキャラクタの価値情報を算出する際に、同種類のキャラクタに関する複数の履歴情報のうち一部を抽出して参照してもよい。例えば、価値情報取得部118は、同種類のキャラクタに関する直近の所定期間内の履歴情報を参照してもよく、同種類のキャラクタに関する直近の所定回数の履歴情報を参照してもよい。また、価値情報取得部118は、同種類の各キャラクタの最新(直近)の履歴情報のみを利用するようにしてもよい。例えば、相場の変動が激しい場合等には、同種類の各キャラクタの直近の履歴情報のみを参照する方がより精度よく価値情報を算出できる可能性がある。また、価値情報取得部118は、同種類のキャラクタに関する特定の取引形式による履歴情報を参照してもよい。取引形式とは、例えば、オークション、ユーザ間取引、抽選等である。例えば、他の取引形式に比べて、オークション形式のときに高額になる傾向があるキャラクタであれば、オークション形式の履歴情報を相場算出の際に参照しないようにしてもよい。
【0114】
図14は、価値情報を算出する際に参照される履歴情報の一例を示す図である。図14に示すように、キャラA001、A003、A101は、何れもキャラクタID「A」が付与されたキャラクタ(以下、種類Aのキャラクタ)である。A001、A003、A101は、キャラクタシリアルを示す。このとき、キャラA001に関する価値情報は、同じ種類AのキャラA001、A003、A101に関する履歴情報から算出される。この例では、キャラA101は、2022年9月15日の11:45に1800コインでオークションにより取引されている。キャラA002は、2022年9月15日の12:10に600コインでユーザ間取引されている。また、キャラA001は、2022年9月15日の13:30に300コインでユーザ間取引されている。例えば、価値情報取得部118は、キャラA001の現在の相場として、同じ種類Aの各キャラクタA001、003、101それぞれの直近の取引価格の平均である900コイン(300、600、1800の平均)を算出してもよい。また、価値情報取得部118は、キャラA001の現在の相場として、オークションによるキャラA101の取引価格を参照せずに、ユーザ間取引におけるキャラA001、A003の取引価格の平均である450コイン(300、600の平均)を算出してもよい。また、価値情報取得部118は、BOXガチャ内の各候補キャラクタに関してそれぞれ算出した現在の相場の平均(以下、「平均相場」という。)を、価値情報として算出してもよく、BOXガチャ内の各候補キャラクタに関する現在の相場の総額を、価値情報として算出してもよい。
【0115】
ステップS109において、条件設定部115は、上述のようにして算出した履歴情報、および/または価値情報に基づいて、BOXガチャの販売価格を自動設定してもよい。例えば、条件設定部115は、目玉キャラクタの前回の取引価格、各候補キャラクタの前回の取引価格の平均、または前回の取引価格の総額を、販売価格として自動設定してもよい。また、例えば、条件設定部115は、目玉キャラクタの現在の相場、各候補キャラクタの現在の相場の平均、または現在の相場の総額を、販売価格として自動設定してもよい。
【0116】
(目玉キャラクタの自動設定例)
ステップS107において、グループ作成部112は、ステップS103で第1ユーザにより入力された目玉キャラクタを設定する代わりに、上述のようにして算出した各候補キャラクタの履歴情報または価値情報に基づいて目玉キャラクタを自動設定してもよい。例えば、グループ作成部112は、現在の相場(または前回の取引価格)が最も高い候補キャラクタを目玉キャラクタとしてもよいし、現在の相場(または前回の取引価格)が高いものから所定数の候補キャラクタを目玉キャラクタとしてもよい。また、グループ作成部112は、現在の相場(または前回の取引価格)が所定値以上の候補キャラクタを目玉キャラクタとして自動設定してもよい。
【0117】
(NFTキャラクタに加えて、NFTが関連付けられていないキャラクタのトランザクションデータを記録する態様)
ゲームシステム1は、NFTキャラクタだけでなく、NFTが関連付けられていないキャラクタについてもトランザクションデータを記録する構成を含んでもよい。この場合、ゲームサーバ10の制御部110は、NFTキャラクタに関するトランザクションデータをブロックチェーンシステム50に登録することに加えて、NFTが関連付けられていないキャラクタに関するトランザクションデータをトランザクションデータベースに記録してもよい。トランザクションデータベースは、ブロックチェーン技術によらないデータベースであってもよい。トランザクションデータベースは、記憶部130に記憶されていてもよく、ゲームサーバ10とは異なる装置に記憶されていてもよい。この場合、履歴情報取得部116は、キャラクタが、NFTキャラクタであるか否かに関わらず履歴情報を取得可能であるため、より精度のよい履歴情報を取得することができる。
【0118】
(販売価格の設定時の履歴情報の表示:ステップS101の変形例)
以上の実施形態では、履歴情報および価値情報を、第2ユーザに対して、BOXガチャ実行UI(例えば、画面例G6、G7)において表示する形態について説明した。ただし、履歴情報および価値情報は、第1ユーザに対して、グループ設定UI(例えば、画面例G1)において表示してもよい。具体例として、画面例G1は、履歴情報を含んでいてもよい。また、画面例G1は、価値情報を含んでいてもよい。この場合、ステップS101が実行される際に、履歴情報および価値情報がゲームサーバ10からユーザ端末30-1に送信される。これにより、第1ユーザは、UIオブジェクトG13(販売価格入力フィールド)に販売価格を入力する際に、相場に見合った価格を容易に設定することできる。また、グループ設定UI部311は、画面例G1において表示した価値情報、履歴情報と一定以上乖離のある販売価格が入力された場合には、警告情報(例えば、「相場に比べて高すぎます(または、安すぎます)」等)を表示するようにしてもよい。
【0119】
なお、画面例G1は、取得価格情報を含んでいてもよい。取得価格情報とは、候補キャラクタを第1ユーザが取得するために要したゲーム価値の消費量(取得価格)に関する情報である。例えば、図13に示したNFTキャラクタのトランザクションデータを参照すると、当該NFTキャラクタが候補キャラクタである場合、当該候補キャラクタをAさんが取得するために要した取得価格は、「2500コイン」であるので、画面例G1に、さらに「第1ユーザ取得価格2500コイン」といった表示を含めてもよい。例えば、そのような取得価格情報の一例としては、目玉キャラクタを取得するために要したゲーム価値の消費量、BOXガチャ内の各候補キャラクタを取得するために要したゲーム価値の消費量の平均、当該ゲーム価値の消費量の合計等であってもよいが、これらに限られない。第1ユーザは、このような取得価格情報を知ることにより、取得価格に応じた販売価格の損得を計算できるので、販売価格を決定しやすくなる。また、取得価格情報は、抽選により取得した候補キャラクタについては抽選に要したゲーム価値の消費量を取得価格として含んでもよい。なお、無償の候補キャラクタに関しては、画面例G1は、取得価格を含まなくてもよい。例えば、BOX内に有償の候補キャラクタおよび無償の候補キャラクタが含まれる場合、取得価格情報は、有償の候補キャラクタのみに基づいて算出されてもよく、有償および無償を含む候補キャラクタに基づいて算出されてもよい。具体例として、BOX内に2個の有償の候補キャラクタ(例えば、各取得価格が200コイン、100コイン)および1個の無償の候補キャラクタが含まれるとする。この場合、取得価格情報は、2個の有償の候補キャラクタの取得価格の平均「150コイン」であってもよく、有償および無償を含む3個の候補キャラクタの取得価格の平均「100コイン」であってもよい。
【0120】
(販売価格の相場連動)
BOXガチャの販売価格は、第1ユーザの入力による設定、または自動設定によって予め設定する代わりに、相場に合わせて変動してもよい。これにより、販売価格を、相場が急激に変化したキャラクタに対応した価格に調整することができる。また、販売価格を、BOXガチャの実行によるBOX内容の変化に応じて相場相応の価格に調整することができる。
【0121】
例えば、条件設定部115は、BOXガチャに含まれる候補キャラクタの平均相場を反映した販売価格となるよう、販売価格を変動させる。販売価格を変動させる処理は、リアルタイムに行われてもよく、変動内容が所定条件を満たしたときに行われてもよい。ここで、「販売価格を変動させる処理をリアルタイムに行う」とは、少なくとも当該BOXガチャの情報がユーザ端末30-2に表示される際に販売価格を変動させることを含む。また、平均相場を反映した販売価格とは、平均相場自体であってもよく、平均相場の所定割合(例えば、90%)であってもよく、平均相場に所定値を加減算した値であってもよい。
【0122】
一例として、特定のキャラクタの需要が高まり、そのキャラクタの相場が数倍に急上昇するケースを考える。この場合、販売価格を変動させる処理をリアルタイムに行うことにより、第2ユーザがBOXガチャを実行する際の平均相場(販売価格)に応じた報酬が第1ユーザに付与される。これにより、第1ユーザが相場の上昇に気づかずに損をしてしまうことを防ぐことができる。また、BOXガチャの実行によってBOXガチャ内の候補キャラクタが減った場合も、平均相場は変化し得る。そこで、BOXガチャの販売価格を相場に合わせて変動させる形態においては、BOXガチャの内容に変化があった際に販売価格を変動させることをさらに含んでもよい。
【0123】
また、販売価格を相場に応じて変動させるか否かに関する設定は、第1ユーザによって入力可能であってもよい。図15は、当該設定が可能な販売価格設定UIの画面例G9を示す図である。なお、画面例G9は、例えば、画面例G1にUIオブジェクトG13(販売価格入力フィールド)の代わりに価格設定ボタンが含まれる場合に、当該価格設定ボタンが操作されることにより表示装置35に表示されてもよい。図15に示すように、画面例G9は、UIオブジェクトG91~G94を含む。UIオブジェクトG91(価格設定ラジオボタン)は、販売価格を固定価格にするか変動価格にするかを選択する操作を受け付ける。UIオブジェクトG92(販売価格入力フィールド)は、固定価格が選択された場合の販売価格の入力を受け付ける。UIオブジェクトG93(価値情報表示領域)は、価値情報取得部118が取得した価値情報(現在の相場の平均)を含む。UIオブジェクトG94は、変動価格が選択された場合に、相場平均に対する販売価格の割合の入力を受け付ける。
【0124】
販売価格として変動価格が設定された場合、価値情報(相場)の変動に応じて、または、BOX内容の変化に応じて、販売価格が変動することになる。そのため、第2ユーザにとって、BOXガチャを実行する度に現在の販売価格を確認する手間が発生したり、一旦確認した当該BOXガチャの販売価格と実際の実行時の販売価格とが異なり得ることによる混乱が発生したりする可能性がある。そこで、このような手間、混乱を軽減するため、販売価格をリアルタイムで変動させる代わりに、価値情報の変動内容が所定条件を満たした場合に販売価格を変動させてもよい。所定条件とは、例えば、平均相場が所定値以上(または以下)となる、平均相場が販売価格の所定割合以上(または以下)となる、等であってもよいがこれに限られない。また、固定相場に設定した上で、価値情報の変動が所定条件を満たした場合に当該BOXガチャの販売を一時停止する設定が可能であってもよい。
【0125】
図16は、変動する販売価格の一例を示す図である。図16において、縦軸は価格を示し、横軸は時間の経過を示す。図16に示す例では、BOXガチャの平均相場が販売価格の200%以上または50%以下になった場合に、平均相場に応じて販売価格を変動させる、との条件が採用されている。図16において、破線は平均相場を示し、実線は販売価格を示す。この例では、BOXガチャの作成時点t0において、その平均相場300コインを反映した販売価格300コインが設定されている。その後、平均相場が150コイン(時点t0における販売価格の50%)以下になる時点t1までは、販売価格は300コインのままである。次に、時点t1において、販売価格は、時点t1の平均相場を反映した150コインに更新される。その後、平均相場が300コイン(時点t1における販売価格の200%)以上になる時点t2までは、販売価格は150コインのままである。次に、時点t2において販売価格は、時点t2の平均相場を反映した300コインに更新される。その後、平均相場が600コイン(時点t2における販売価格の200%)以上となる時点t3まで、販売価格は300コインのままである。次に、時点t3において販売価格は、時点t3の平均相場を反映した600コインに変更される。
【0126】
(候補キャラクタの詳細情報の詳細)
また、ステップS109において自動設定のために履歴情報および/または価値情報を取得する場合、当該履歴情報または価値情報は、ステップS209においてユーザ端末30-2に送信する詳細情報に含めるために用いられてもよい。例えば、画面例G7は、図11に示したUIオブジェクトG72(前回の取引価格)、UIオブジェクトG73(現在の相場)に加えて、当該候補キャラクタの取引価格の履歴、相場の履歴等を含んでいてもよい。これにより、第2ユーザは、BOX内の候補キャラクタについて最新の履歴情報、最新の価値情報を容易に確認することができる。また、画面例G7は、さらに、当該候補キャラクタの所有者の履歴を含んでいてもよい。これにより、第2ユーザは、BOX内の候補キャラクタについて、過去の所有者を知ることができ、例えば、候補キャラクタの過去の所有者に人気のプレイヤが含まれている場合、当該候補キャラクタの価値が高くなることもあり得る。したがって、候補キャラクタの所有者の履歴は、第2ユーザにとってBOX内の候補キャラクタの価値判断に有用な情報となる。また、第2ユーザは、そのBOXガチャを実行することの損得を考慮することができる。
【0127】
[付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0128】
態様1に係るゲームシステム(1)は、第1ユーザの指示に応じて、当該第1ユーザに関連付けられているゲーム媒体の中から、当該第1ユーザ以外のユーザに関連付けるゲーム媒体の候補である候補ゲーム媒体を特定する、候補ゲーム媒体特定部(111)と、前記候補ゲーム媒体特定部によって特定された候補ゲーム媒体を含む候補ゲーム媒体グループを作成する、グループ作成部(112)と、前記第1ユーザ以外の第2ユーザの指示に応じて、前記候補ゲーム媒体グループの中から抽選によって特定されたゲーム媒体を当該第2ユーザに関連付け、前記抽選によって特定された候補ゲーム媒体を、前記候補ゲーム媒体グループから削除する、抽選処理部(113)と、前記抽選が実行されたことに応じて、前記第1ユーザに報酬を付与するための処理を行なう報酬付与部(114)と、を含む。上記構成によれば、第1ユーザが作成した候補ゲーム媒体グループを抽選対象とする抽選を第2ユーザが実行することによって、第1ユーザに報酬が付与される。そのため、第1ユーザに対して、第2ユーザに抽選処理を実行させようと動機づけることができる。一方、抽選によって特定された候補ゲーム媒体を、候補ゲーム媒体グループから削除することによって、第2ユーザは、候補ゲーム媒体グループに含まれている候補ゲーム媒体の中に所望のゲーム媒体がある場合、抽選を実行し続ければ、当該所望のゲーム媒体を取得できる。よって、第2ユーザにとって抽選の魅力が高い。よって、本発明の一態様はユーザ同士の交流に資する。
【0129】
態様2に係るゲームシステム(1)は、態様1において、前記抽選処理部(113)は、前記第2ユーザが保有するゲーム価値の消費を要件として、前記抽選によって特定されたゲーム媒体を、前記第2ユーザに関連付ける。上記構成によれば、第2ユーザは、抽選処理に対して、消費するゲーム価値に見合うゲーム媒体の取得を期待する。よって、第1ユーザに対して、より魅力的なゲーム媒体(例えば、より希少度の高いゲーム媒体、ゲームの進行がより有利になるゲーム媒体)を候補ゲーム媒体グループに含めることを動機づけることができる。
【0130】
態様3に係るゲームシステム(1)は、態様2において、前記報酬付与部(114)は、前記報酬として、前記抽選の実行のために前記第2ユーザが消費したゲーム価値と同じ種類のゲーム価値を、前記第2ユーザが消費した当該ゲーム価値の量以下の量で、前記第1ユーザに付与する。上記構成によれば、第1ユーザに対して、自身の作成する候補ゲーム媒体グループを抽選対象とする抽選を第2ユーザにより多く実行させようと動機づけることができる。
【0131】
態様4に係るゲームシステム(1)は、態様2において、前記抽選を実行するために要件とする、前記ゲーム価値についての条件を設定する、条件設定部(115)をさらに含み、前記条件設定部(115)は、前記第1ユーザが前記条件を設定する操作を受け付ける。上記構成によれば、抽選の態様について、第1ユーザによる設計の自由度が向上する。
【0132】
態様5に係るゲームシステム(1)は、態様1から態様4の何れか1つにおいて、前記候補ゲーム媒体特定部(111)は、前記第1ユーザが保有する有償のゲーム価値を消費したことに応じて当該第1ユーザに関連付けられたゲーム媒体を、前記候補ゲーム媒体として特定可能である。上記構成によれば、第1ユーザは、当該候補ゲーム媒体を取得するために消費した金銭に対して、報酬によってその一部の回収、または、当該金銭の額を上回る利益を得る機会を得ることができる。また、第2ユーザによる抽選の実行のためにゲーム価値の消費が必要であり、第1ユーザへの報酬が当該ゲーム価値の種類、量に応じて付与される形態において、第1ユーザは、より多くの報酬を得るために、より価値の高いゲーム媒体を候補ゲーム媒体とすることを動機づけられる。
【0133】
態様6に係るゲームシステム(1)は、態様1から態様5の何れか1つにおいて、前記候補ゲーム媒体特定部(111)が、前記第1ユーザの指示に応じて特定した候補ゲーム媒体の少なくとも一部は、ブロックチェーン上で保有者が管理される非代替性トークンが関連付けられている。上記構成によれば、非代替性トークンが関連付けられていることによって、取引履歴に関する情報をより容易に取得することができる。また、非代替性トークンが関連付けられていることによって、ゲーム媒体の信用を保つことができる。例えば、不正行為によって生成されたものでは無いことを示すことができる。
【0134】
態様7に係るゲームシステム(1)は、態様1から態様6の何れか1つにおいて、候補ゲーム媒体に新たなユーザが関連付けられることに応じて当該候補ゲーム媒体に関連付けられる情報の、履歴を示す履歴情報を取得する、履歴情報取得部(116)と、前記第2ユーザに対して、前記履歴情報を表示させるための処理を行なう、表示制御部(117)と、をさらに含む。上記構成によれば、第2ユーザが、当該候補ゲーム媒体を取得するための抽選を実行するか否かを判断する材料を増やすことができる。
【0135】
態様8に係るゲームシステム(1)は、態様7において、前記抽選処理部(113)は、前記第2ユーザが保有するゲーム価値の消費を要件として、前記抽選によって特定されたゲーム媒体を、前記第2ユーザに関連付け、前記履歴情報は、前記新たなユーザが前記候補ゲーム媒体を当該ユーザに関連付けるために消費したゲーム価値を示す情報を含み、
前記抽選を実行するために要件とする、前記ゲーム価値についての条件を設定する、条件設定部(115)をさらに含み、前記条件設定部(115)は、前記ゲーム価値の消費量を前記履歴情報に基づいて設定する。上記構成によれば、当該候補ゲーム媒体を抽選対象として含む抽選に必要なゲーム価値の消費量について、ユーザに対する説得性が向上する。
【0136】
態様9に係るゲームシステム(1)は、態様2において、前記抽選を実行するために要件とする、前記ゲーム価値についての条件を設定する、条件設定部(115)と、前記候補ゲーム媒体グループに含まれる、少なくとも一部の前記候補ゲーム媒体の価値を示す価値情報を取得する、価値情報取得部(118)と、をさらに含み、前記条件設定部(115)は、前記ゲーム価値の消費量を前記価値情報に基づいて設定する。上記構成によれば、当該候補ゲーム媒体を抽選対象として含む抽選に必要なゲーム価値の消費量について、ユーザに対する説得性が向上する。
【0137】
態様10に係るゲームシステム(1)は、態様1から9の何れか1つにおいて、前記第1ユーザの指示に応じて、前記抽選処理部(113)における前記指示を入力可能な前記第2ユーザを特定する、第2ユーザ特定部(119)をさらに含む。上記構成によれば、第1ユーザは、所望の第2ユーザと交流できる。
【0138】
態様11に係る情報処理方法(S1)は、1または複数のコンピュータが実行する情報処理方法であって、第1ユーザの指示に応じて、当該第1ユーザに関連付けられているゲーム媒体の中から、当該第1ユーザ以外のユーザに関連付けるゲーム媒体の候補である候補ゲーム媒体を特定する、候補ゲーム媒体特定ステップ(S105)と、前記候補ゲーム媒体特定ステップにおいて特定された候補ゲーム媒体を含む候補ゲーム媒体グループを作成する、グループ作成ステップ(S107)と、前記第1ユーザ以外の第2ユーザの指示に応じて、前記候補ゲーム媒体グループの中から抽選によって特定されたゲーム媒体を当該第2ユーザに関連付け、前記抽選によって特定された候補ゲーム媒体を、前記候補ゲーム媒体グループから削除する、抽選処理ステップ(S217)と、前記抽選が実行されたことに応じて、前記第1ユーザに報酬を付与するための処理を行なう報酬付与ステップ(S221)と、を含む。上記構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
【0139】
態様12に係るプログラムは、1または複数のコンピュータに、第1ユーザの指示に応じて、当該第1ユーザに関連付けられているゲーム媒体の中から、当該第1ユーザ以外のユーザに関連付けるゲーム媒体の候補である候補ゲーム媒体を特定する、候補ゲーム媒体特定ステップ(S105)と、前記候補ゲーム媒体特定ステップにおいて特定された候補ゲーム媒体を含む候補ゲーム媒体グループを作成する、グループ作成ステップ(S107)と、前記第1ユーザ以外の第2ユーザの指示に応じて、前記候補ゲーム媒体グループの中から抽選によって特定されたゲーム媒体を当該第2ユーザに関連付け、前記抽選によって特定された候補ゲーム媒体を、前記候補ゲーム媒体グループから削除する、抽選処理ステップ(S217)と、前記抽選が実行されたことに応じて、前記第1ユーザに報酬を付与するための処理を行なう報酬付与ステップ(S221)と、を実行させる。上記構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
【0140】
[ソフトウェアによる実現例]
ゲームシステム1を構成する各装置(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に、ゲームサーバ10の制御部110に含まれる各部、ユーザ端末30の制御部310に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0141】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0142】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0143】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0144】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0145】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0146】
1 ゲームシステム
10 ゲームサーバ
30、30-1、30-2 ユーザ端末
50 ブロックチェーンシステム
110、310 制御部
130、330 記憶部
11、31 プロセッサ
12、32 メモリ
13、33 通信インタフェース
19、39 バス
34 入力装置
35 表示装置
111 候補ゲーム媒体特定部
112 グループ作成部
113 抽選処理部
114 報酬付与部
115 条件設定部
116 履歴情報取得部
117 表示制御部
118 価値情報取得部
119 第2ユーザ特定部
311 グループ設定UI部
312 抽選UI部
図1
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